JP6470058B2 - 液圧式打撃装置 - Google Patents

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Description

本発明は、さく岩機やブレーカ等の液圧式打撃装置に関する。
液圧式打撃装置において、高出力化、すなわち、強力な打撃力を得る一つの方策として打撃数を増大させることが行われている。高打撃数を実現するためには、ピストンの前室と後室とを交互に高圧回路と低圧回路とに切換えるように作動圧油を制御する打撃方式(以下、「ピストン前後室高低圧切換式」ともいう)が有効である。すなわち、ピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置であれば、前室側の作動油が打撃方向へのピストンの移動に抗することがない。したがって、高打撃数を実現する上で好適である。
ここで、この種の液圧式打撃装置としては、例えば特許文献1記載の技術が開示されている。同文献記載のピストン前後室高低圧切換式の打撃装置は、図8に模式図を示すように、軸方向中央の大径部521、522と、その大径部の前後に形成された小径部523、524とを有するピストン520を備えている。そして、このピストン520が、シリンダ500内に摺嵌して設けられることで、シリンダ500内にピストン前室501とピストン後室502とがそれぞれ画成されている。ピストン大径部521、522の中央には排油溝525が形成されている。なお、本明細書においては、打撃方向(図中左方向)を「前方」と定義して説明をする。
ピストン前室501には、後述するバルブ526の前後進切換によってピストン前室501を高圧回路538と低圧回路539へとそれぞれ連通させるピストン前室通路506が接続されている。一方、ピストン後室502には、バルブ526の前後進切換えによりピストン後室502を高圧回路538と低圧回路539とにそれぞれ連通させるピストン後室通路507が接続されている。高圧回路538には高圧アキュムレータ540が設けられ、低圧回路539には低圧アキュムレータ543が設けられている。
ピストン前室501の後方には、ピストン前進制御ポート503が所定間隔隔離して設けられ、ピストン後室502の前方には、ピストン後退制御ポート504が所定間隔隔離して設けられている。なお、ピストン前進制御ポート503は、通常ストローク用とショートストローク用として開口部が二箇所に設けられており、ピストン前室501側のピストン前進制御ポート503aが、可変絞りを備えたショートストローク用である。本明細書では、通常ストロークの設定、すなわち、可変絞りを全閉状態として、ピストン後室502側のピストン前進制御ポート503が作用する設定で説明をする。
ピストン前進制御ポート503の後方には、ピストン後退制御連動ポート508が所定間隔離隔して設けられている。また、ピストン後退制御ポート504の前方には、ピストン前進制御連動ポート509が所定間隔離隔して設けられている。ピストン後退制御連動ポート508とピストン前進制御連動ポート509の間には、それぞれに所定距離離隔して排油ポート505が設けられている。さらに、ピストン前進制御ポート503とピストン後退制御連動ポート508は、後述するバルブ後室511とバルブ制御通路518によって連通しており、ピストン後退制御ポート504とピストン前進制御連動ポート509は、後述するバルブ前室510とバルブ制御通路517によって連通している。
また、シリンダ500には、ピストン520と非同軸に弁室541が形成され、この弁
室541にバルブ526が摺嵌されている。弁室541には、前方から後方へ向けて順に、バルブ前室510、バルブ後退保持室515、主室542、バルブ前進保持室516、およびバルブ後室511が円環状の段によって形成されている。主室542には、前方から後方へ向けて所定間隔離隔して、ピストン前室低圧ポート512、ピストン高圧ポート514、およびピストン後室低圧ポート513が設けられている。ピストン前室低圧ポート512とピストン高圧ポート514の間には、ピストン前室通路506が接続されており、ピストン高圧ポート514とピストン後室低圧ポート513の間には、ピストン後室通路507が接続されている。
バルブ526は、大径部527、528、529と、その前後に設けられた中径部530、531と、中径部530の前側に設けられた小径部532と、中径部531の後側に設けられた小径部533とを有する中実の弁体(スプール)である。大径部527と大径部528の間には、ピストン前室切換溝534が円環状に設けられ、大径部528と大径部529の間には、ピストン後室切換溝535が円環状に設けられている。小径部532とピストン前室切換溝534とは、相互に連通路536で連通され、小径部533とピストン後室切換溝535とは、相互に連通路537で連通されている。
バルブ526は、弁室541に対して、バルブ前室510に小径部532が位置し、バルブ後退保持室515に中径部530が位置し、主室542に大径部527、528、529が位置し、バルブ前進保持室516に中径部531が位置し、バルブ後室511に小径部533が位置するように摺嵌されている。バルブ526が前進後退動作を行うことで、大径部527はピストン前室低圧ポート512を開閉し、大径部528はピストン前室通路506とピストン高圧ポート514を連通/閉止すると同時にピストン後室通路507とピストン高圧ポート514を閉止/連通し、大径部529はピストン後室低圧ポート513を開閉するようになっている。
ピストン前室通路506がピストン高圧ポート514と連通するとバルブ後退保持室515は高圧となる。逆に、ピストン後室通路507がピストン高圧ポート514と連通するとバルブ前進保持室516は高圧となる。ここで、バルブ前室510の受圧面積はバルブ前進保持室516の受圧面積よりも大きく設定されている。同様に、バルブ後室511の受圧面積はバルブ後退保持室515の受圧面積よりも大きく設定されている。
次に、上述の液圧式打撃装置の作動を、図9を参照しつつ説明する。なお、図9では、高圧状態のときの通路を「網掛け」にて図示している。
今、バルブ526が前進位置に切換えられると、ピストン高圧ポート514とピストン後室通路507が連通してピストン後室502が高圧となる。一方、ピストン前室低圧ポート512とピストン前室通路506が連通してピストン前室501が低圧となっているので、ピストン524は前進する。このとき、バルブ前室510とバルブ後室511は共に低圧となるものの、バルブ前進保持室516は高圧となっており、バルブ526は前進位置に保持される(図9(a)参照)。
次いで、ピストン524が前進してピストン後退制御ポート504とピストン後室502が連通するとバルブ前室510が高圧となる。ここで、バルブ前室510の受圧面積はバルブ前進保持室516の受圧面積よりも大きいのでバルブ526は後退を開始する。このとき、バルブ後室511はバルブ制御通路518、ピストン後退制御連動ポート508、および排油ポート505を介して低圧回路539と連通しているので、バルブ526は問題なく後退することができる(図9(b)参照)。
図9(b)に示す、バルブ526の後退局面において、仮に、ピストン後退制御連動ポート508が存在しない油圧回路を想定してみると、ピストン大径部521によってピストン前進制御ポート503は閉塞されているので、バルブ後室511およびバルブ制御通路518は閉回路となり、バルブ526は後退することができなくなる。すなわち、バルブ前室510がピストン後退制御ポート504、ピストン後室502を介して高圧回路538に連通する場合は、バルブ526の後退動作を保障するために、バルブ後室511を排油ポート505を介して低圧回路539に連通するピストン後退制御連動ポート508が必須であることがわかる。
ピストン520が打撃点まで達した直後にバルブ526がその後退位置への切換が完了する。バルブ後退位置では、ピストン前室501がピストン高圧ポート514と連通してピストン前室501が高圧となると共に、ピストン後室502がピストン後室低圧ポート513に連通してピストン後室502が低圧になるので、ピストン520は後退に転じる。バルブ前室510とバルブ後室511は共に低圧となるものの、バルブ後退保持室515は高圧となり、バルブ526は後退位置に保持される(図9(c)参照)。
ピストン520が後退してピストン前進制御ポート503とピストン前室501が連通するとバルブ後室511が高圧となり、バルブ後室511の受圧面積がバルブ後退保持室515の受圧面積よりも大きいのでバルブ526は前進を開始する。このとき、バルブ前室510は、バルブ制御通路517、ピストン前進制御連動ポート509、および排油ポート505を介して低圧回路539と連通しているので、バルブ526は問題なく前進することができる(図9(d)参照)。そして、バルブ526が再び前進位置に切換えられ、上記のサイクルが繰り返されて打撃が行われる。
図9(d)に示す、バルブ526の前進局面において、仮に、ピストン前進制御連動ポート509が存在しない油圧回路を想定してみると、ピストン大径部522によってピストン後退制御ポート504は閉塞されているので、バルブ前室510およびバルブ制御通路517は閉回路となり、バルブ526は前進することができなくなる。すなわち、バルブ後室511がピストン前進制御ポート503、ピストン前室501を介して高圧回路538に連通する場合は、バルブ526の前進動作を保障するために、バルブ前室510を排油ポート505を介して低圧回路539に連通するピストン前進制御連動ポート509が必須であることがわかる。
特開昭46−1590号公報
ところで、本発明者は、液圧式打撃装置の高出力化を目指してピストン前後室高低圧切換方式を開発するに至ったが、従来のピストン前後室高低圧切換方式の液圧式打撃装置においては、ピストン前室が低圧になることに起因する弊害があることが開発の過程にて判明した。
すなわち、上述の液圧式打撃装置にあっては、図9(d)から(a)へ切り替わる途中の段階から図9(a)、(b)を経て図9(c)に到るまで(ピストン520が後退から前進に切り替わり、その後、後退から前進に切り替わるまで)の段階において、ピストン前室501、ピストン前進制御ポート503、およびピストン後退制御連動ポート508は全て低圧接続となっている。
そのため、この低圧接続となっている間は、ピストンの大径部(前)521とシリンダ500との摺接面には作動油が供給されないので油膜切れが発生し易いという問題がある。したがって、ピストンの大径部(前)521とシリンダ500との摺接箇所で、いわゆる「カジリ」が発生するおそれがある。ちなみに、図9(c)に示す状態、すなわち、前室501が高圧接続されている状態では、ピストン大径部(前)521には、前室501側からの圧油がリークして油膜切れ状態にはなり難い。
また、上述の液圧式打撃装置にあっては、図9の(d)から(a)へ切り替わる途中の段階(すなわち、バルブ526が前端位置に切り替わり、ピストン前室501が低圧、ピストン後室502が高圧になり、ピストン520が減速しながら後方ストロークエンドまで後退する間)においては、ピストン前室501、ピストン前進制御ポート503、およびピストン後退制御連動ポート508は、全て低圧となるだけではなくピストン520の後退運動によって全ての箇所は負圧状態となる。
打撃装置の油圧回路内において、低圧接続かつ負圧状態となる場合は、作動油の圧力が大気圧より低下して、微小な気泡、すなわちキャビテーションが発生する。キャビテーションが発生すると油膜切れ状態が助長されることになるので「カジリ」の発生するリスクがさらに高まることになる。
このように、従来のピストン前後室高低圧切換方式の打撃装置においては、前側のピストン大径部は、打撃サイクルの半分強の間は摺接面に作動油が供給されない油膜切れ状態にあることから、ピストン大径部(前)とシリンダとの摺接箇所で「カジリ」が発生し易く、また、キャビテーションの発生により油膜切れ状態が悪化して「カジリ」が発生し易くなるという問題があり、特に、「カジリ」の発生は打撃数が多くなるほどそのリスクは高まる傾向にある。
さらに、上述した問題点は、ピストン前室が低圧になることに起因することから、ピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置に限らず、例えば、後室常時高圧―前室高低圧切換方式の液圧式打撃装置であっても「カジリ」が発生するリスクがある。つまり、少なくともピストンの前室を高圧回路と低圧回路と交互に切換えるように作動圧油を制御する液圧式打撃装置において共通する問題点であるといえる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ピストンの「カジリ」の発生を低減することができる液圧式打撃装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る液圧式打撃装置は、シリンダと、該シリンダの内部に摺嵌されたピストンと、前記ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換える切換弁機構とを備え、前記ピストンを前記シリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、前記ピストンは、大径部と、該大径部の前後にそれぞれ設けられた小径部と、前記大径部の軸方向の略中央に形成されたバルブ切換溝とを有し、前記シリンダは、複数の制御ポートを有し、前記切換弁機構は、前記シリンダ内に前記ピストンとは非同軸に形成されるとともに前記複数の制御ポートが接続された弁室と、該弁室内に摺嵌されて自身の前後進によって前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換えて連通させるピストン高低圧切換部が形成されたバルブと、前記バルブを前後進方向の一方向に向けて常時付勢するバルブ付勢手段と、圧油が供給されたときに前記バルブ付勢手段の付勢力に抗して前記バルブを反対方向へと移動させるバルブ制御手段とを有するとともに、前記複数の制御ポート相互の連通に応じて前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換えて前記ピストンの前進および後退が繰返されるように作動油を給排させるように構成され、前記複数の制御ポートのうち、前記ピストン前室の直後の位置であって前記ピストン前室とは常時隔絶され且つ隣接する他の制御ポートとは連通可能に前記前側大径部のストローク領域と重なる位置に設けられる制御ポートが、常時高圧回路に接続されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の第二の態様に係る液圧式打撃装置は、シリンダと、該シリンダの内部に摺嵌されたピストンと、前記ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、前記ピストン後室を常時高圧接続するとともに前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに交互に接続する切換弁機構とを備え、前記ピストンを前記シリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、前記ピストンは、大径部と、該大径部の前後にそれぞれ設けられた小径部と、前記大径部の軸方向の略中央に形成されたバルブ切換溝とを有し、前記シリンダは、複数の制御ポートを有し、前記切換弁機構は、前記シリンダ内に前記ピストンとは非同軸に形成されるとともに前記複数の制御ポートが接続された弁室と、該弁室内に摺嵌されて自身の前後進によって前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに交互に切換えて連通させるピストン高低圧切換部が形成されたバルブと、前記バルブを前後進方向の一方向に向けて常時付勢するバルブ付勢手段と、圧油が供給されたときに前記バルブ付勢手段の付勢力に抗して前記バルブを反対方向へと移動させるバルブ制御手段とを有するとともに、前記複数の制御ポート相互の連通に応じて前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに切換えて前記ピストンの前進および後退が繰返されるように作動油を給排させるように構成され、前記複数の制御ポートのうち、前記ピストン前室の直後の位置であって前記ピストン前室とは常時隔絶され且つ隣接する他の制御ポートとは連通可能に前記前側大径部のストローク領域と重なる位置に設けられる制御ポートが、常時高圧回路に接続されていることを特徴とする。
ここで、本発明のいずれか一の態様に係る液圧式打撃装置において、前記シリンダは、複数の制御ポートとして、前記ピストン前室と前記ピストン後室の間に、前方から順に、常時高圧回路に接続されるピストン後退制御ポートと、バルブ制御ポートと、常時低圧回路に接続されるピストン前進制御ポートとを有し、前記バルブ制御ポートは、前記バルブ制御手段に圧油を給排可能に連通するとともに前記ピストン前室および前記ピストン後室のそれぞれとは常時隔絶されており、前記ピストン後退制御ポートおよび前記ピストン前進制御ポートは、前記ピストンの前後進による前記バルブ切換溝の前後移動に応じていずれか一方のポートに限って前記バルブ制御ポートと連通することにより前記バルブ制御手段に圧油を給排して前記バルブを前後進させることは好ましい。
また、前記ピストン前進制御ポートは、前後に離隔して設けたショートストロークポートとロングストロークポートとで構成され、前記ショートストロークポートバルブ低圧通路の間には、全閉から全開まで調整可能な可変絞りが設けられていることは好ましい。
本発明のいずれか一の態様に係る液圧式打撃装置の切換弁機構によれば、複数の制御ポートのうち、ピストン前室の直後の位置であって前記ピストン前室とは常時隔絶され且つ隣接する他の制御ポートとは連通可能に前記大径部のうち前記バルブ切換溝よりも前側部分のストローク領域と重なる位置に設けられる制御ポートが常時高圧回路に接続されているので、前方に位置するピストンの大径部に、常に高圧油がリークして供給される。そのため、ピストンの大径部の油膜切れによるピストンの「カジリ」の発生を低減することができる。また、ピストン前室側の制御ポートが常時高圧回路に接続されているので、ピストンが後退から前進に転じる際の前室近辺が負圧状態となることを抑制することができる。そのため、キャビテーションが発生して油膜切れ状態が助長されることも防止される。
特に、本発明の第一の態様に係る液圧式打撃装置によれば、切換弁機構は、複数の制御ポート相互の連通に応じてピストン前室およびピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換えてピストンの前進および後退が繰返されるように作動油を給排させるので、ピストン前後室高低圧切換方式の打撃により、打撃効率を向上させることができる。
本発明によれば、ピストンのカジリの発生を低減することができる。
本発明に係るピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置の第一実施形態の模式図である。 第一実施形態に係る液圧式打撃装置におけるバルブ本体の説明図である。 第一実施形態に係る液圧式打撃装置の作動原理図である。 第一実施形態の第一の変形例であり、高圧通路をバルブの内部に設けた液圧式打撃装置の模式図である。 第一実施形態の第二の変形例であり、高圧通路がバルブ中空通路とピストン後退制御ポートとを接続するように構成した液圧式打撃装置の模式図である。 本発明に係るピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置の第二実施形態の模式図である。 本発明の第三実施形態である、後室常時高圧―前室高低圧切換方式の液圧式打撃装置の模式図である。 従来のピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置の模式図である。 従来のピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置の作動原理図である。
以下、本発明の実施形態ないし変形例について図面を適宜参照しつつ説明する。なお、全ての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付している。また、同一の機能を有しながらもレイアウトや形状の変更がなされた構成要素については、同一の符号にアポストロフィを付している。
(第一実施形態)
図1に示すように、第一実施形態の液圧式打撃装置は、シリンダ100と、シリンダ100の内部に軸方向に沿ってスライド移動可能に摺嵌されたピストン200とを備えている。ピストン200は、軸方向中央の大径部(前)201、大径部(後)202と、その大径部201、202の前後に形成された小径部203、204とを有する。ピストン大径部201、202の略中央には、円環状のバルブ切換溝205が一箇所にのみ形成されている。
ピストン200が、シリンダ100内に摺嵌して設けられることで、ピストン200の外周面とシリンダ100の内周面との間に、軸方向の前後に離隔してピストン前室110とピストン後室111とがそれぞれ画成されている。そして、シリンダ100の内部には、ピストン前室110およびピストン後室111を交互に高圧回路101と低圧回路102とに切換えてピストン200の前進および後退が繰返されるように作動油を給排させる切換弁機構210が設けられている。
切換弁機構210は、シリンダ100の内部に、ピストン200と非同軸に形成された弁室130と、この弁室130に摺嵌されたバルブ(スプール)300とを有する。弁室130は、前方から後方へ向けて順に、弁室小径部132、弁室大径部131、および弁室中径部133が多段の円環状溝によって形成されている。弁室大径部131には、前方から後方へ向けてそれぞれ所定間隔離隔して、バルブ制御室137、ピストン前室低圧ポート135、ピストン高圧ポート134、およびピストン後室低圧ポート136が設けられている。
ピストン前室110には、バルブ300の前後進切換によってピストン前室110を高圧回路101と低圧回路102へとそれぞれ連通させるピストン前室通路120が接続されている。一方、ピストン後室111には、ピストン後室111をバルブ300の前後進切換えによって高圧回路101と低圧回路102とにそれぞれ連通させるピストン後室通路121が接続されている。高圧回路101には高圧アキュムレータ400が設けられ、低圧回路102には低圧アキュムレータ401が設けられている。
ピストン前室110とピストン後室111の間には、前方から後方へ向けてそれぞれ所定間隔隔離して、ピストン後退制御ポート113、バルブ制御ポート114、およびピストン前進制御ポート112、112aが設けられている。ピストン前進制御ポートは、通常ストローク用のロングストロークポート112とショートストロークポート112aとが前後に離隔して二箇所に設けられている。ピストン前室110側のピストン前進制御ポートが、全閉から全開まで調整可能な可変絞り112bを備えたショートストローク用である。本明細書では、通常ストロークの設定、すなわち、可変絞り112bを全閉状態として、ピストン後室111側のロングストロークポートがピストン前進制御ポート112として作用する設定で説明をする。
バルブ300は、図2に示すように、軸方向に貫通するバルブ中空通路311を有する中空円筒形状の弁体である。バルブ300は、バルブ大径部301、302、303と、バルブ大径部301の前側に設けられたバルブ小径部304と、バルブ大径部303の後側に設けられたバルブ中径部305とを外周面に有する。バルブ大径部301とバルブ大径部302の間には、円環状のピストン前室切換溝306が設けられ、バルブ大径部302とバルブ大径部303の間には、円環状のピストン後室切換溝307が設けられている。本実施形態では、これらピストン前室切換溝306およびピストン後室切換溝307が、上記課題を解決するための手段に記載の「ピストン高低圧切換部」に対応している。
この切換弁機構210は、バルブ大径部301、302、303が弁室大径部131と摺嵌するように構成され、バルブ小径部304が弁室小径部132と摺嵌するように構成され、バルブ中径部305が弁室中径部133と摺嵌するように構成されている。
バルブ300の両端面は、前方がバルブ前端面308、後方がバルブ後端面309となっている。バルブ小径部304とバルブ大径部301との境界には、バルブ段付面(前)310が形成され、バルブ大径部303とバルブ中径部305の境界にはバルブ段付面(後)312が形成されている。
ここで、バルブ大径部301、302、303の外径をφD1、バルブ小径部304の外径をφD2、バルブ中径部305の外径をφD3、およびバルブ中空通路311の内径をφD4とすると、φD1〜φD4の関係は以下の(式1)の通りとなる。
φD4<φD2<φD3<φD1・・・(式1)
また、バルブ前端面308の受圧面積をS1、バルブ後端面309の受圧面積をS2、バルブ段付面(前)の受圧面積S3、およびバルブ段付面(後)312の受圧面積をS4とすると、以下の(式2)の通りとなる。
S1=π/4×(D2−D4
S2=π/4×(D3−D4
S3=π/4×(D1−D2
S4=π/4×(D1−D3) ・・・(式2)
そして、受圧面積S1〜S4の関係は、以下の(式3)〜(式5)の通りとなる。
S1<S2 ・・・・・・・・・・・・・・(式3)
[S1+S3]>S2 ・・・・・・・・・(式4)
S3>S4 ・・・・・・・・・・・・・・(式5)
高圧回路101はピストン高圧ポート134に接続されており、低圧回路102はピストン前室低圧ポート135およびピストン後室低圧ポート136にそれぞれ接続されている。
ピストン前室通路120は、一方がピストン前室110に接続され、他方が弁室大径部131のピストン高圧ポート134とピストン前室低圧ポート135との中間部に接続されている。ピストン後室通路121は、一方がピストン後室111に接続され、他方が弁室大径部131のピストン高圧ポート134とピストン後室低圧ポート136との中間部に接続されている。
バルブ高圧通路(後)124は弁室130の後側端面と高圧回路101の高圧アキュムレータ400よりも上流側(図1中で右側)の位置とを接続し、バルブ高圧通路(前)123は、ピストン後退制御ポート113とバルブ高圧通路(後)124とを接続している。したがって、バルブ中空通路311は常時高圧となっている。
バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112とピストン後室低圧ポート136とを接続している。バルブ制御通路126はバルブ制御ポート114とバルブ制御室137とを接続している。なお、バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112と低圧回路102とを接続してもよい。
次に、本実施形態の液圧式打撃装置の動作、および作用効果を図3を参照しつつ説明する。なお、図3では、高圧状態のときの通路を「網掛け」にて図示している。
今、図3(a)に示すように、切換弁機構210のバルブ300が前進位置に切換えられると、ピストン高圧ポート134とピストン後室通路121が連通してピストン後室111が高圧となる。一方、ピストン前室低圧ポート135とピストン前室通路120が連通してピストン前室110が低圧となる。これにより、ピストン200は前進する。
このとき、弁室130は、バルブ高圧通路(後)124によって高圧回路101に常時接続されており、バルブ前端面308とバルブ後端面309の両方が高圧となっている。バルブ前端面308とバルブ後端面309の両方に高圧が作用しているので、上記(式3)により、バルブ300は前進位置に保持される(図3(a)参照)。
なお、本実施形態では、このバルブ前端面308とバルブ後端面309の受圧面積差によってバルブ300に常時前進推力を作用させる構成が、上記課題を解決するための手段に記載の「バルブ付勢手段」に対応している。
次いで、ピストン200が前進して、バルブ制御ポート114とピストン前進制御ポート112の連通が途絶え、それに代わり、バルブ制御ポート114がピストン後退制御ポート113と連通する。これにより、バルブ高圧通路(前)123からの高圧油がバルブ制御通路126を経てバルブ制御室137に供給される。バルブ制御室137が高圧になると段付面310に高圧が作用し、上記(式4)によりバルブ300は後退を開始する(図3(b)参照)。
なお、本実施形態では、バルブ制御室137に圧油が供給されて、上述した常時作用する前進推力(=バルブ付勢手段の付勢力)に抗してバルブ300を後進させる構成が、上記の「バルブ制御手段」に対応している。
ピストン200は、打撃効率が最大のときに打撃点に達し(図3(b)から(c)の間)、打撃点にてピストン200の先端が打撃用のロッド(不図示)の後端を打撃する。これにより、打撃により発生する衝撃波がロッドを介して先端のビット等まで伝播して岩盤等を破砕するエネルギーとして使用される。
ピストン200が打撃点まで達した直後に、バルブ300がその後退位置への切換が完了する。バルブ後退位置では、ピストン高圧ポート134とピストン前室通路120が連通してピストン前室110が高圧となる。一方、ピストン後室低圧ポート136とピストン後室通路121が連通してピストン後室111が低圧となる。これにより、ピストン200は後退に転じる。バルブ制御室137が高圧を維持している間は、バルブ300は後退位置に保持される(図3(c)参照)。
次いで、ピストン200が後退して、バルブ制御ポート114とピストン後退制御ポート113の連通が途絶え、それに代わり、バルブ制御ポート114がピストン前進制御ポート112と連通する。これにより、バルブ制御室137がバルブ制御通路126とバルブ低圧通路125を経て低圧回路102に接続される。バルブ制御室137が低圧になると、上記(式3)によりバルブ300は前進を開始する(図3(d)参照)。そして、バルブ300が再び前進位置に切換えられ、上記の打撃サイクルが繰り返される。
ここで、図3の(d)から(a)へ切り替わる途中の段階(すなわち、バルブ300が前端位置に切り替わり、ピストン前室110が低圧、ピストン後室111が高圧になりピストン200が減速しながら後方ストロークエンドまで後退する間)から図3(a)を経て図3(b)に到るまで(すなわち、ピストン200が後退から前進に切り替わり、後退から前進に切り替わるまでの段階)において、ピストン前室110、およびバルブ制御ポート114はどちらも低圧接続となっている。
しかし、本実施形態の液圧式打撃装置においては、ピストン前室110とバルブ制御ポート114との間にピストン後退制御ポート113が位置しており、このピストン後退制御ポート113が常時高圧に接続されているので、ピストン後退制御ポート113に供給される高圧油が、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面を介してリークする。これにより、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面で油膜切れが発生することを低減することができる。
また、図3の(d)から(a)へ切り替わる途中の段階(すなわち、バルブ300が前端位置に切り替わり、ピストン前室110が低圧、ピストン後室111が高圧になりピストン200が減速しながら後方ストロークエンドまで後退する間)において、ピストン前室110とバルブ制御ポート114の両方が低圧となっても、ピストン後退制御ポート113に供給される高圧油がリークするので負圧状態となり難く、これらの箇所でのキャビテーションの発生を抑制することができる。そのため、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面で油膜切れ状態が助長されることはない。
したがって、本実施形態の液圧式打撃装置によれば、ピストン大径部(前)201とシリンダ100の間で「カジリ」が発生することを防止することができる。ちなみに、図3全体をみても、ピストン後退制御ポート113が高圧回路に常時接続されることにより、ピストン大径部(前)201は、その前後に開口したポートのうち少なくともどちらかのポート、または、ピストン大径部(前)201が通過中のポートが高圧に接続されるので、常に油膜切れが発生を防止または抑制することができる。
また、一般に、液圧式打撃装置のバルブの前後のストローク端では、低圧回路に接続されて負圧が作用して大気圧以下まで圧力が低下する場合があり、そのような場合は、キャビテーションの発生が問題となることがある。これに対し、本実施形態では、バルブ中空通路311、バルブ前端面308、およびバルブ後端面309は常時高圧なので、これらの箇所のうちのどこかが低圧に切り替わる場合に比べると、キャビテーションの発生を抑制することができる。
また、本実施形態の液圧式打撃装置において、ピストン前進制御ポート112は、バルブ低圧通路125を介して低圧回路102に接続されているので、ショートストロークポート112aおよび可変絞り112bは低圧接続されている。それ故、可変絞り112bを調整した場合に、ピストン200が後退して、バルブ切換溝205によってバルブ制御ポート114とショートストロークポート112aが連通するとき、バルブ制御ポート114、バルブ制御通路126、およびバルブ制御室137内の高圧油は、ショートストロークポート112aおよび可変絞り112bを経て低圧回路102へと排出され、バルブ300が前進に転じる。
すなわち、本実施形態の油圧回路は、アクチュエータであるバルブ300から排出される圧油の流量を制御する、所謂「メータアウト回路」を構成していることになる。一般に、メータアウト回路は、メータイン回路と比べると制御性が良好なため、限られた調整量に対してリニアな制御性が求められる打撃装置のストローク調整機構として好適な構成である。
ここで、本実施形態において、上記ピストン後退制御ポート113が高圧回路に常時接続されている点以外の構成について特徴を整理すると、以下の項目1から4の通りとなる。
項目1) バルブ300を駆動するための機構は、上述のように、バルブ付勢手段とバルブ制御手段であるが、このうち、バルブ付勢手段の油圧回路は、ピストン200の動作とは一切関係が無く、バルブ制御手段を構成する各油圧回路は、ピストン前室110とピストン後室111との間に、かつピストン前室110とピストン後室111とは連通することなく(相互に作動油を引きこまないように常時隔絶されて)配設されている。
項目2) バルブ300を駆動するための機構は、バルブ付勢手段とバルブ制御手段であり、バルブ付勢手段は、バルブ300を常時一方向に付勢し、バルブ制御室137への圧油の給排でバルブ300の前進後退を切換える。
項目3) バルブ制御室137と接続されているポートは、バルブ制御ポート114の1箇所のみである。
項目4) バルブ300は軸方向に貫通するバルブ中空通路311を有する中空構造である。
本実施形態の上記の項目1から4の構造について、図8,9を参照して説明した従来のピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置と対比をする。
項目1)について
上記従来技術では、ピストン前後室とバルブ駆動に関する各回路の関係が相互に連通する関係である。そのため、回路構成のレイアウトの自由度が低い。これに対し、本実施形態の構造は、バルブ付勢手段の油圧回路は、ピストン200の動作とは一切関係が無く、ピストン前後室とは相互に作動油を引きこまないように隔絶されているので、ピストン前後室とバルブ駆動に関する各回路の関係が独立している。したがって、上記従来技術に対して、本実施形態の構造は、回路構成のレイアウトの自由度が高いといえる。
特に、上記従来技術は、回路構成のレイアウトの自由度が低いがために、バルブ駆動のために圧油の供給と排出の両方の通路をそれぞれ前進側と後退側に設ける必要がある。そのため、バルブ駆動のための通路は、図8に示したように、ピストンの前室と後室の間に5箇所必要となる。これに対し、本実施形態の場合は、図1に示したように、ピストン後退制御ポート113、バルブ制御ポート114およびピストン前進制御ポート112の3箇所のみである。
通路本数が少ないことは、直接的に加工コストの低減に繋がる。また、回路構成のレイアウトの自由度が高いことは、ピストン後室・バルブ・アキュムレータを集約して配設して通路長を短縮することができる。これにより、油圧効率を向上させることが可能であり、さらに、ピストン後室111に接続するピストン後室通路121の通路面積を拡大して大油量に対応することも可能である。
さらに、上記従来技術の油圧回路は、通路本数が多い点のみならず、図8に示したように、ピストンの前室とバルブの後室、ピストンの後室とバルブの前室を接続しているので、油圧回路が互いに交差するように配設されて、非常に複雑なレイアウトであることが見て取れる。これに対し、本実施形態の構造は、図1に示したように、非常にシンプルな回路となっている。したがって、加工コストを低減することができる。
項目2)について
上記従来技術は、バルブの前後室高低圧切換方式を採用し、且つ、バルブの前後室が共に低圧となるタイミングにおいてバルブを保持する保持機構を備えるため、バルブ構造は、図8に示したように、弁室と摺接する外径形状として、前方から後方へ向けて、小径−中径−大径−中径−小径と5段もの多段構造が必要である。さらに、バルブを保持するための圧油の給排気通路を前後2箇所に設けなければならない。これに対し、本実施形態のバルブ構造は、小径−大径−中径の僅か3段であり、また、バルブに自身の保持機構用の給排油通路の加工も不要なので、バルブの構造自体を極めて簡素にすることができる。本実施形態のバルブ構造の簡素さは、バルブ自体の加工コストを低減することが可能なだけではなく、当然のことながら、対応する弁室側の加工、すなわち、シリンダ内径加工の加工コストを大きく低減することができる。
項目3)について
上記従来技術では、バルブ前室は、バルブ制御通路(前)を介して接続しているポートが、ピストン前進制御ポートとピストン後退制御連動ポートの二箇所であるところ、バルブ後退局面(図9(b))においては、ピストン後退制御連動ポートは、その本来の機能であるバルブ前進局面でのバルブ前室の圧油を排油ポートへ排出するのとは裏腹に、ピストン前進制御ポート内の圧油が排油ポートへとリークする要因となっている(この現象は、バルブ後退局面におけるピストン後退制御連動ポートでも同様である)。一般に、打撃装置において、ポートの数が多い程、圧油のリークする箇所は多くなる。
これに対し、本実施形態の構造は、バルブ制御室137に着目すると、バルブ制御通路126を介して接続しているポートは、バルブ制御ポート114の一箇所のみなので、リーク量を最小限に留めることができる。
また、本実施形態において、図3(c)から(d)への間、すなわち、バルブ制御ポート114がピストン後退制御ポートとの連通状態が途切れてピストン前進制御ポートと連通するまでの間は、バルブ制御室137はピストン大径部(後)202によって閉回路となっており、この閉回路内に圧油が封入されることでバルブ300を後退位置に保持しているところ、圧油が供給されない状態でリーク量が大きいとバルブ300の挙動が不安定となるので、バルブ制御ポート114に接続されるポートは一箇所が好ましいといえる。このように、本実施形態では、圧油のリーク量を低減して打撃効率を高めるだけではなく、バルブ300の挙動を安定させるためにバルブ制御ポート114を設定している。
項目4)について
上記従来技術では、バルブ保持機構を構成する給排油通路をバルブ内部に設けているのでバルブが中実構造である。これに対し、本実施形態は、バルブ300が、軸方向に貫通するバルブ中空通路311を有する中空構造なので、バルブを中空化することで重量の軽減が図られている。そのため、バルブ駆動に消費する油量を低減することができ、打撃効率が向上する。
このように、本実施形態のピストン前後室高低圧切換方式の液圧式打撃装置は、ピストン前後室高低圧切換により高打撃力を備えながらも、従来と比べて、加工コストが低減され、油圧効率を向上させることができる。
ここで、本実施形態の液圧式打撃装置において、切換弁機構210は、バルブ制御手段とバルブ付勢手段を構成する通路、すなわち、バルブ高圧通路(後)124、中空通路311、バルブ高圧通路(前)123、ピストン後退制御ポート113、バルブ制御ポート114、およびバルブ制御通路126(以下、「バルブ駆動回路」という)と、ピストン後室111へと圧油が供給される通路、すなわち、ピストン高圧ポート134、およびピストン後室通路121との間に、高圧アキュムレータ400が介在する構造となっている。
本実施形態の液圧式打撃装置において、ピストン200が打撃点でロッドを打撃すると(図3(b)から(c)の間)、後室111ではピストン200が急停止する。そのため、いわゆる水撃作用(ウォーターハンマー)により圧油に衝撃が発生するが、このとき、バルブ300は完全に後端ストロークには達していないので、圧油の衝撃が高圧に接続した全通路に伝搬する。上記「バルブ駆動回路」は、高圧に接続されているので、この水撃作用の衝撃が伝わるとバルブ300の挙動が不安定となるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、バルブ高圧通路124は、バルブ後室となる弁室中径部133と高圧回路101の高圧アキュムレータ400よりも上流側を接続しているので、ピストン後室111とバルブ駆動回路の間に高圧アキュムレータ400が介在する。そのため、圧油内の衝撃がバルブ制御室137や弁室130内のバルブ前端面308とバルブ後端面309に伝わることを抑制することができる。そのため、バルブ300の前方への付勢力とこの付勢力に対抗して作用する後退推力が安定する。したがって、バルブ300の挙動が安定するので打撃性能が安定する。
以上説明したように、本実施形態のピストン前後室高低圧切換方式の液圧式打撃装置は、ピストン前後室高低圧切換による高打撃力を備えることで、打撃効率を向上させつつも、ピストン後退制御ポートが高圧回路に常時接続されているので、ピストンのカジリの発生を低減することができる。
以下、第一実施形態の変形例、および他の実施形態について更に説明する。
(第一の変形例)
図4に上記第一実施形態の第一の変形例を示す。同図に示すように、この第一の変形例では、図1に示したバルブ高圧通路124の代わりに、バルブ300aのバルブ大径部302に、径方向に貫通するバルブ本体高圧通路313を設けた例である。なお、この例では、バルブ高圧通路123’の一端は、ピストン高圧ポート134に接続している。但し、バルブ高圧通路123’の一端を、弁室130の前端面あるいは後端面に接続してもよい。また、前述したピストン打撃時に発生する圧油内の振動をバルブ制御室137に伝えないためには、バルブ高圧通路123’の一端を、高圧回路101の高圧アキュムレータ
400の上流側に接続してもよい。
この第一の変形例によれば、図1におけるバルブ高圧通路(後)124を省略することができる。そのため、油圧回路の構成をより簡素化することが可能となるので、加工コストが低減される。なお、バルブ本体高圧通路313は、従来のバルブ保持機構の連通路のように途中で屈曲部を持たない、径方向に貫通する貫通孔なので、バルブ本体高圧通路313の加工は非常に容易である。
(第二の変形例)
次に、図5に上記第一実施形態の第二の変形例を示す。同図に示すように、この第二の変形例は、バルブ高圧通路(前)123’’を弁室130の前端面に接続した例である。この変形例によれば、バルブ中空通路311が高圧通路の一部を兼ねているので、通路レイアウトに制約がある場合に有効となる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係るピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置の第二実施形態について説明する。図6は第二実施形態の模式図である。上記第一実施形態およびその変形例では、全て中空バルブを採用した例を示したが、本実施形態は、中実バルブを採用している例である。以下、第一実施形態との差異点のみを説明する。
図6に示すように、シリンダ100aには、ピストン200と非同軸に弁室150が形成されており、この弁室150にバルブ350が摺嵌されている。弁室150は、前方から後方へ向けて順に、バルブ前室152、バルブ主室151、およびバルブ後室153を有する。バルブ主室151には、前方から後方へ向けて順に、ピストン前室低圧ポート155、ピストン高圧ポート154、およびピストン後室低圧ポート156がそれぞれ所定間隔離隔して設けられている。
バルブ350は、中実の弁体であり、バルブ大径部351、352、353と、その前側に設けられたバルブ中径部354、および後側に設けられたバルブ小経部355とを外周面に有する。バルブ大径部351とバルブ大径部352の間には、円環状のピストン前室切換溝356が設けられている。バルブ大径部352とバルブ大径部353の間には円環状のピストン後室切換溝357が設けられている。
バルブ大径部351、352、353がバルブ主室151と摺嵌し、バルブ中径部354がバルブ前室152と摺嵌し、バルブ小径部355がバルブ後室153と摺嵌するように構成されている。バルブ350の両端面は、前方がバルブ前端面358および後方がバルブ後端面359となっている。ここで、バルブ中径部354の外径は、バルブ小径部355の外径よりも大きく設定されている。したがって、バルブ前端面358の受圧面積はバルブ後端面359の受圧面積よりも大きくなっている。
高圧回路101はピストン高圧ポート154に接続され、低圧回路102はピストン前室低圧ポート155およびピストン後室低圧ポート156に接続されている。ピストン前室通路120は、一方がピストン前室110に接続され、他方がバルブ主室151のピストン高圧ポート154とピストン前室低圧ポート155との中間部に接続されている。ピストン後室通路121は、一方がピストン後室111に接続され、他方がバルブ主室151のピストン高圧ポート154とピストン後室低圧ポート156との中間部に接続されている。
バルブ高圧通路(前)123は、ピストン後退制御ポート113とバルブ高圧通路(後)124とを接続している。バルブ高圧通路124は、バルブ後室153と高圧回路101の高圧アキュムレータ400よりも上流側(図6中で右側)を接続している。したがって、バルブ後室153は常時高圧となっており、バルブ後端面359の受圧面積に圧油が供給されることでバルブ350に前進推力が常時作用する。つまり、この第二実施形態においては、バルブ後室153を常時高圧としてバルブ後端面359の受圧面積に圧油が供給されることでバルブ350に前進推力を常時作用させる構成が、上記課題を解決するための手段に記載の「バルブ付勢手段」に対応している。
バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112とピストン後室低圧ポート156とを接続している。バルブ制御通路126は、バルブ制御ポート114とバルブ前室152とを接続している。なお、バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112と低圧回路102とを接続してもよい。
バルブ制御ポート114がピストン後退制御ポート113と連通して、バルブ高圧通路(前)123からの高圧油がバルブ制御通路126を経てバルブ前室152に供給される。これにより、バルブ前端面358とバルブ後端面359の受圧面積差によってバルブ350は後退する。ここで、この第二実施形態では、バルブ350に対する前進推力(=上述した常時作用する「バルブ付勢手段」の付勢力)に抗してバルブ350を後進させる構成が、上記課題を解決するための手段に記載の「バルブ制御手段」に対応している。すなわち、本実施形態のバルブ前室152は、上記第一実施形態のバルブ制御室137に相当する。
この第二実施形態では、バルブが中実構造であることが特徴である。中実バルブは、中空バルブと比較して剛性が高いことから、大径部351、352、353とピストン前室切換溝356、ピストン後室切換溝357との径差を大きく設定することが可能であり、この部分の通路面積を拡大することができる。したがって、第二実施形態の構成であれば、油圧効率が多少劣っても超高圧・大油量の高打撃力仕様の打撃装置が必要な場合は有効である。なお、バルブ切換ストローク端(大径部351の前端面と大径部353の後端面)においては、キャビテーションが発生する可能性はあるが、それ以外は、基本的に図1に示した第一実施形態と同様の作用効果を奏する。
以上説明したように、本発明の第一実施形態ないし変形例、または第二実施形態は、ピストンの駆動を前後室高低圧切換式としているので、高打撃数を実現することができる。そして、前方に位置するピストン前室側のピストン後退制御ポートが高圧回路に常時接続されているので、ピストン大径部には、常に高圧油がリークして供給される。そのため、油膜切れによるピストンの「カジリ」の発生を低減することができる。打撃装置において圧油のリークは効率低下の要因であり、本来は改善するべき課題であるのに対して、切換弁機構の圧油を意図的にリークさせることでピストン大径部のカジリを防止するという技術的思想は画期的なものであるといえる。
以上、本発明の実施形態ないし変形例について図面を参照して説明したが、本発明に係る液圧式打撃装置は、上記実施形態ないし変形例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しなければ、その他の種々の変形や各構成要素を変更することが許容されることは勿論である。
例えば、図6に示したバルブ付勢手段は、バルブ後室153を常時高圧としてバルブ後端面359の受圧面に圧油が供給されることでバルブ350に前進推力を常時作用させる構成例を示したが、これに限らず、例えば、バルブ付勢手段を油圧で作動するものに替えて、バネによる押圧力や高圧ガスを封入してその圧力によってバルブ350に前進推力を常時作用させることも可能である。
さらに、本発明に係る液圧式打撃装置は、ピストン前後室高低圧切換式の液圧式打撃装置に限らず、後室常時高圧―前室高低圧切換方式の液圧式打撃装置であっても適用可能である。以下、後室常時高圧―前室高低圧切換方式の液圧式打撃装置への適用例として、本発明の第三実施形態について図7を適宜参照しつつ説明する。
(第三実施形態)
図7に示すように、第三実施形態の液圧式打撃装置は、シリンダ100と、シリンダ100の内部に軸方向に沿ってスライド移動可能に摺嵌されたピストン200とを備えている。ピストン200は、軸方向中央の大径部(前)201、大径部(後)202と、その大径部201、202の前後に形成された小径部(前)203、小径部(後)204とを有する。小径部(前)203の直径は、小径部(後)204の直径よりも小さく設定されている。ピストン大径部201、202の略中央には、円環状のバルブ切換溝205が形成されている。
ピストン200が、シリンダ100内に摺嵌して設けられることで、ピストン200の外周面とシリンダ100の内周面との間に、軸方向の前後に離隔してピストン前室110とピストン後室111とがそれぞれ画成されている。そして、シリンダ100の内部には、ピストン前室110を交互に高圧回路101と低圧回路102とに切換えてピストン200の前進および後退が繰返されるように作動油を給排させる切換弁機構210が設けられている。
切換弁機構210は、シリンダ100の内部に、ピストン200と非同軸に形成された弁室130と、この弁室130に摺嵌されたバルブ(スプール)300とを有する。弁室130は、前方から後方へ向けて順に、弁室小径部132、弁室大径部131、および弁室中径部133が多段の円環状溝によって形成されている。弁室大径部131には、前方から後方へ向けてそれぞれ所定間隔離隔して、バルブ制御室137、ピストン前室低圧ポート135、ピストン前室高圧ポート134、および低圧ポート136が設けられている。
ピストン前室110には、バルブ300の前後進切換によってピストン前室110を高圧回路101と低圧回路102へとそれぞれ連通させるピストン前室通路120が接続されている。一方、ピストン後室111には高圧回路101と常時連通させるピストン後室通路121が接続されている。高圧回路101には高圧アキュムレータ400が設けられ、低圧回路102には低圧アキュムレータ401が設けられている。
ピストン前室110とピストン後室111の間には、前方から後方へ向けてそれぞれ所定間隔隔離して、ピストン後退制御ポート113、バルブ制御ポート114、およびピストン前進制御ポート112、112aが設けられている。ピストン前進制御ポートは、通常ストローク用のロングストロークポート112とショートストロークポート112aとが前後に離隔して二箇所に設けられている。ピストン前室110側のピストン前進制御ポートが、全閉から全開まで調整可能な可変絞り112bを備えたショートストローク用である。本明細書では、通常ストロークの設定、すなわち、可変絞り112bを全閉状態として、ピストン後室111側のロングストロークポートがピストン前進制御ポート112として作用する設定で説明をする。
バルブ300は、軸方向に貫通するバルブ中空通路311を有する中空円筒形状の弁体である。バルブ300は、バルブ大径部301、302と、バルブ大径部301の前側に設けられたバルブ小径部304と、バルブ大径部302の後側に設けられたバルブ中径部305とを外周面に有する。バルブ大径部301とバルブ大径部302の間には、円環状のピストン前室切換溝306が設けられている。
この切換弁機構210は、バルブ大径部301、302が弁室大径部131と摺嵌するように構成され、バルブ小径部304が弁室小径部132と摺嵌するように構成され、バルブ中径部305が弁室中径部133と摺嵌するように構成されている。
バルブ300の両端面は、前方がバルブ前端面308、後方がバルブ後端面309となっている。バルブ小径部304とバルブ大径部301との境界には、バルブ段付面(前)310が形成され、バルブ大径部302とバルブ中径部305の境界にはバルブ段付面(後)312が形成されている。
高圧回路101はピストン前室高圧ポート134に接続されており、低圧回路102はピストン前室低圧ポート135および低圧ポート136にそれぞれ接続されている。
ピストン前室通路120は、一方がピストン前室110に接続され、他方が弁室大径部131のピストン前室高圧ポート134とピストン前室低圧ポート135との中間部に接続されている。
バルブ高圧通路(前)123は、ピストン後退制御ポート113と弁室130の前側端面を接続し、バルブ高圧通路(後)124は、弁室130の後側端面と高圧回路101の高圧アキュムレータ400よりも上流側(同図中で右側)の位置とを接続している。したがって、バルブ中空通路311は常時高圧となっている。なお、バルブ高圧通路(前)123は、ピストン後退制御ポート113とバルブ高圧通路(後)124とを接続してもよい。
バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112と低圧ポート136とを接続している。バルブ制御通路126は、バルブ制御ポート114とバルブ制御室137とを接続している。なお、バルブ低圧通路125は、ピストン前進制御ポート112と低圧回路102とを直接接続してもよい。
上記の構成により、切換弁機構210の作動によりピストン前室110は高圧と低圧に交互に切換えされ、ピストン前室110が低圧に接続されると、ピストン後室が常時高圧に接続されているのでピストン200は前進し、ピストン前室110が高圧接続されると、ピストン後室111との受圧面積の差からピストン200は後退する。
この後室常時高圧―前室高低圧切換方式の液圧式打撃装置において、バルブ300が前端位置に切り替わりピストン前室110が低圧、ピストン後室111が高圧になる段階から、ピストン200が減速しながら後方ストロークエンドまで後退する途中からピストン200が後退から前進に切り替わるまでの段階において、ピストン前室110およびバルブ制御ポート114はどちらも低圧接続となっている。
しかし、この液圧式打撃装置においては、ピストン前室110とバルブ制御ポート114との間にピストン後退制御ポート113が位置しており、このピストン後退制御ポート113が常時高圧に接続されているので、ピストン後退制御ポート113に供給される高圧油が、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面を介してリークする。これにより、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面で油膜切れが発生することを低減することができる。
また、バルブ300が前端位置に切り替わりピストン前室110が低圧、ピストン後室111が高圧になる段階から、ピストン200が減速しながら後方ストロークエンドまで後退する間において、ピストン前室110とバルブ制御ポート114の両方が低圧となっても、ピストン後退制御ポート113に供給される高圧油がリークするので負圧状態となり難く、これらの箇所でのキャビテーションの発生を抑制することができる。そのため、ピストン大径部(前)201とシリンダ100との摺接面で油膜切れ状態が助長されることはない。
したがって、この第三実施形態の液圧式打撃装置によれば、ピストン大径部(前)201とシリンダ100の間で「カジリ」が発生することを防止することができる。また、ピストン後退制御ポート113が高圧回路に常時接続されることにより、ピストン大径部(前)201は、その前後に開口したポートのうち少なくともどちらかのポート、または、ピストン大径部(前)201が通過中のポートが高圧に接続されるので、常に油膜切れの発生を防止または抑制することができる。
100 シリンダ
101 高圧回路
102 低圧回路
110 ピストン前室
111 ピストン後室
112 ピストン前進制御ポート
112a〃 (ショートストローク)
113 ピストン後退制御ポート
114 バルブ制御ポート
120 ピストン前室通路
121 ピストン後室通路
123、123’ バルブ高圧通路(前)
124 バルブ高圧通路(後)
125 バルブ低圧通路
126 バルブ制御通路
127 バルブ高圧通路
130 弁室
131 弁室大径部
132 弁室小径部
133 弁室中径部
134 ピストン高圧ポート
135 ピストン前室低圧ポート
136 ピストン後室低圧ポート
137 バルブ制御室
138 ピストン前室高圧ポート
139 ピストン後室高圧ポート
140 ピストン低圧ポート
150 弁室
151 バルブ主室
152 バルブ前室
153 バルブ後室
154 ピストン高圧ポート
155 ピストン前室低圧ポート
156 ピストン後室低圧ポート
157 バルブ付勢室
200 ピストン
201 大径部(前)
202 大径部(後)
203 小径部(前)
204 小径部(後)
205 バルブ切換溝
210 切換弁機構
300 バルブ(中空)
300a バルブ(中空、通路内蔵)
301 バルブ大径部(前)
302 バルブ大径部(中)
303 バルブ大径部(後)
304 バルブ小径部
305 バルブ中径部
306 ピストン前室切換溝(ピストン高低圧切換部)
307 ピストン後室切換溝(ピストン高低圧切換部)
308 バルブ前端面
309 バルブ後端面
310 バルブ段付面(前)
311 バルブ中空通路
312 バルブ段付面(後)
313 バルブ本体高圧通路
314 ピストン前室排油溝
315 ピストン後室排油溝
316 ピストン前後室切換溝
350 バルブ(中実)
351 バルブ大径部(前)
352 バルブ大径部(中)
353 バルブ大径部(後)
354 バルブ中径部
355 バルブ小径部
356 ピストン前室切換溝
357 ピストン後室切換溝
358 バルブ前端面
359 バルブ後端面
400 高圧アキュムレータ
401 低圧アキュムレータ

Claims (4)

  1. シリンダと、該シリンダの内部に摺嵌されたピストンと、前記ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換える切換弁機構とを備え、前記ピストンを前記シリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、
    前記ピストンは、大径部と、該大径部の前後にそれぞれ設けられた小径部と、前記大径部の軸方向の略中央に形成されたバルブ切換溝とを有し、前記シリンダは、複数の制御ポートを有し、
    前記切換弁機構は、前記シリンダ内に前記ピストンとは非同軸に形成されるとともに前記複数の制御ポートが接続された弁室と、該弁室内に摺嵌されて自身の前後進によって前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換えて連通させるピストン高低圧切換部が形成されたバルブと、前記バルブを前後進方向の一方向に向けて常時付勢するバルブ付勢手段と、圧油が供給されたときに前記バルブ付勢手段の付勢力に抗して前記バルブを反対方向へと移動させるバルブ制御手段とを有するとともに、前記複数の制御ポート相互の連通に応じて前記ピストン前室および前記ピストン後室を交互に高圧回路と低圧回路とに切換えて前記ピストンの前進および後退が繰返されるように作動油を給排させるように構成され、
    前記複数の制御ポートのうち、前記ピストン前室の直後の位置であって前記ピストン前室とは常時隔絶され且つ隣接する他の制御ポートとは連通可能に前記大径部のうち前記バルブ切換溝よりも前側部分のストローク領域と重なる位置に設けられる制御ポートが、常時高圧回路に接続されていることを特徴とする液圧式打撃装置。
  2. シリンダと、該シリンダの内部に摺嵌されたピストンと、前記ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、前記ピストン後室を常時高圧接続するとともに前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに交互に接続する切換弁機構とを備え、前記ピストンを前記シリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、
    前記ピストンは、大径部と、該大径部の前後にそれぞれ設けられた小径部と、前記大径部の軸方向の略中央に形成されたバルブ切換溝とを有し、前記シリンダは、複数の制御ポートを有し、
    前記切換弁機構は、前記シリンダ内に前記ピストンとは非同軸に形成されるとともに前記複数の制御ポートが接続された弁室と、該弁室内に摺嵌されて自身の前後進によって前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに交互に切換えて連通させるピストン高低圧切換部が形成されたバルブと、前記バルブを前後進方向の一方向に向けて常時付勢するバルブ付勢手段と、圧油が供給されたときに前記バルブ付勢手段の付勢力に抗して前記バルブを反対方向へと移動させるバルブ制御手段とを有するとともに、前記複数の制御ポート相互の連通に応じて前記ピストン前室を高圧回路と低圧回路とに切換えて前記ピストンの前進および後退が繰返されるように作動油を給排させるように構成され、
    前記複数の制御ポートのうち、前記ピストン前室の直後の位置であって前記ピストン前室とは常時隔絶され且つ隣接する他の制御ポートとは連通可能に前記大径部のうち前記バルブ切換溝よりも前側部分のストローク領域と重なる位置に設けられる制御ポートが、常時高圧回路に接続されていることを特徴とする液圧式打撃装置。
  3. 前記シリンダは、複数の制御ポートとして、前記ピストン前室と前記ピストン後室の間に、前方から順に、常時高圧回路に接続されるピストン後退制御ポートと、バルブ制御ポートと、常時低圧回路に接続されるピストン前進制御ポートとを有し、
    前記バルブ制御ポートは、前記バルブ制御手段に圧油を給排可能に連通するとともに前記ピストン前室および前記ピストン後室のそれぞれとは常時隔絶されており、
    前記ピストン後退制御ポートおよび前記ピストン前進制御ポートは、前記ピストンの前後進による前記バルブ切換溝の前後移動に応じていずれか一方のポートに限って前記バルブ制御ポートと連通することにより前記バルブ制御手段に圧油を給排して前記バルブを前後進させることを特徴とする請求項1または2に記載の液圧式打撃装置。
  4. 前記ピストン前進制御ポートは、前後に離隔して設けたショートストロークポートとロングストロークポートとで構成され、前記ショートストロークポートバルブ低圧通路の間には、全閉から全開まで調整可能な可変絞りが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液圧式打撃装置。
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