JP6469027B2 - 局内光終端装置、光通信システムおよび光通信方法 - Google Patents
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Description
図13に示すように、PONは、単一の局内光終端装置(OLT:Optical Line Terminal)22が複数の宅内光終端装置(ONU:Optical Network Unit)21との間で、光ファイバ伝送路および1対k(kは自然数)の光スプリッタ23を介してポイントツーマルチポイントの通信を行うネットワークである。
PONの代表的な規格として、IEEE802.3ahにて標準化されたギガビットクラスの1GE−PONおよび10ギガビットクラスの10G−EPON(Ethernet(登録商標) PON)がある。
ONU21は、バッファ内の送信待ちの上りユーザデータ量を制御信号である送信要求信号(REPORT)に記載して、これをOLT22に送信する。この送信要求信号は、ONU22からOLT21へのデータの送信の許可を送信先のOLT21に要求するための信号である。
図14は、一般的なMPCPの概要を示す図である。ユーザデータの送信の際、図14に示すように、ONUは、ユーザデータと同時にREPORTをOLTに送信することも可能である。
衝突発生の第一要因は、各ONU間の時刻同期のずれである。特にEPONを用いる場合、ONUは、OLTからユニキャストされた送信許可信号(GRANT)に記載された時刻を自身のタイマに設定することで時刻同期を行っている。このため、各ONUに送信されるGRANTごとに送信処理にかかる時間が異なると、各ONUで同期する時刻にも差異が生じる。例えば図15で示すように、GRANTの送信処理に遅延が生じると、本来より遅くONUにGRANTが到着するため、ONUの時刻設定に遅延が生じる。
これにより、送信開始もまた、ONUによって本来送信を開始すべき時刻よりも早すぎたり遅すぎたりするズレが生じてしまうため、上り信号が衝突し、OLTはONUからのパケットを正しく受信できない。
上記構成の光通信システムの第2の態様は、第1の態様において、前記局内光終端装置は、前記送信要求信号を受信するごとに、この信号の送信元の前記宅内光終端装置からの前記送信要求信号の送信時刻に基づいて、前記局内光終端装置と前記送信元の宅内光終端装置との間の伝搬遅延時間を計算し、前記受信ごとの前記伝搬遅延時間の計算結果に基づいて、平滑化した前記伝搬遅延時間である平滑化伝搬遅延時間を計算し、また、前記受信ごとの前記伝搬遅延時間の計算結果における平均値と標準偏差を計算し、前記計算した前記伝搬遅延時間から前記平均値を減じた値の絶対値が前記標準偏差より大きい場合に、この計算した伝搬遅延時間を前記平滑化伝搬遅延時間の計算の元となる送信時刻から除外する第2の計算手段をさらに備え、前記上り送信スケジューリング部は、前記伝搬遅延時間として、前記第2の計算手段で算出された前記平滑化伝搬遅延時間を用いて、前記宅内光終端装置それぞれの前記送信開始時刻および前記送信終了時刻を算出する光通信システムを提供する。
上述した、信号衝突の第一要因に対して、本実施形態では、時刻情報のブロードキャストによって解決を図り、第二要因に対しては、RTTの平滑化、ならびに衝突の原因となる、ONUの検知に基づくガードタイムの伸縮によって解決を図る。以下では、PONの代表としてEPON構成をとる光通信システムに適用した例を説明する。また、適用範囲はEPONに限らず、他の種別のPON構成をとる光通信システムに適用してもよい。
図1は、本発明の実施形態における光通信システムの局内光終端装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態における光通信システムの局内光終端装置(OLT)は、PONポート部1、RTT測定部2、衝突検知部3、ガードタイム計算部4、GRANT生成部5、時刻通知信号生成部6、上り信号送信情報管理部7、上り送信スケジューリング部8、クロック9、トラフィック測定部10、割り込みカウント部11を有する。
上り信号送信情報管理部7は、図2に示すように、(1)各ONUの識別番号としてのONU−ID、(2)各ONUのRTT、(3)対応するONUからREPORTによって通知された要求帯域、(4)対応するONUへの割り当て帯域、(5)対応するONUへの送信開始時刻、(6)対応するONUへの送信終了時刻を関連付けたONUテーブルと、図3に示す、2つのONUの識別番号およびONU間のガードタイムを関連付けたガードタイムテーブルを管理する。
時刻通知信号生成部6は、各ONUに時刻情報を通知するための信号を生成し、PONポート部1に送信する。
ここでは、OLTには、ONU1からONUnまでn個のONUが接続されているとする。各ONUは、識別番号としてONU−IDを有する。また、OLTは、ONU1〜ONUnに昇順にGRANTを送信し、同じく昇順で各ONUからのREPORTを受信する。
トラフィック測定部10は、信号のトラフィック量を測定し、OLT内の他の各部からの問い合わせに応じて現時点でのトラフィック量を返す。
RTT’の平滑化方法としては、過去数サイクルのRTTを平均する方法が考えられるが、OS(オペレーティングシステム)の割り込み等が原因で突発的に大きな通信遅延が発生した際、RTT’の値に大きな変化が生じて、上り方向の信号の衝突が発生する可能性がある。これを防ぐために、RTT測定部2は、RTTの平滑化の際に、測定値のフィルタリングを行う。フィルタリングのために、RTT測定部2は、過去m回の帯域割り当てサイクルにおけるONUiとの間のRTTの平均値AVEiと標準偏差STDiとを算出し、以下の式(1)を満たすとき、現サイクルで測定したRTTを外れ値と判定し、このRTTを平滑化のための参照対象から除外する。
上り方向の主信号のトラフィック量が大きくなると、ハードウェア割り込みが多発するため,OLTによる、ONUからのREPORTの受信に遅延が生じると考えられ、RTTの増大が予想される。
RTTi’:補正されたONUiのRTT
上り信号送信情報管理部7は、RTT測定部2から受け取ったRTTiの値をONUテーブル上のONUiの行のRTTの項目に書き込む。これにより、RTTのゆらぎを抑え、上り方向の信号の衝突を防止することが可能になる。
衝突検知部3は、PONポート部1からREPORTを受け取ると、この送信元のONUのONU−IDを記録する。そして、衝突検知部3は、ある帯域割り当てサイクルにおいて受信したREPORTの送信元であるONU−IDを示すリストRを全ONUに対応するONU−IDを示すリストAから引いた差分を求め、この差分をもとに、衝突によって失ったREPORTの送信元のONU−IDを示すリストD(D=A−R)を生成する。
このとき、図6(d)に示すように、上記の喪失した各REPORTの送信元は、ONU2,ONU3,ONU5,ONU6であり、衝突を起こした、つまり受信順が隣接するONU2,ONU3をあわせた情報および、同じく受信順が隣接するONU5,ONU6をあわせた情報を有するリストCが作成される。
リストCの生成の実現方法としては、リストDにおいて隣接したONU−IDを持つONUが送信したフレーム間で衝突が発生したものととらえ、図7に示す手順でリストCを生成する方法が挙げられる。
具体的には、衝突検知部3は、j=1とし(S1)、暫定的なリストC={{d1}}を新たに生成する(S2)。diは、リストDのi番目の要素である。ここでは、リストDは、REPORTがOLTに未着であるONU−IDのリスト(昇順)である。
ガードタイム計算部4は、ループ(i=2〜n)において、ONUi−1,ONUiとの間にフレームの衝突があれば(S11のYES)、衝突したフレームの送信元であるONUのONU−IDをリストCから抽出し、図9に示すように、隣接する2台のONU(ONUi−1,ONUi)が次回送信するフレームの間のガードタイムを次式のように拡張する。
Gi−1,i(t):サイクルtにおけるONUi−1とONUi間のガードタイム
α:拡大率(α>1の任意の数)
これにより、上記のONU間のフレームの衝突の再発を抑制することができる。
また、ONUi−1,ONUiとの間にフレームの衝突がない場合で(S11のNO)、過去mサイクル(mは自然数)の帯域割り当てサイクルにおいてONUi−1,ONUiとの間にフレームの衝突がない場合(S13のYES)、つまり過去mサイクルでガードタイムを拡張していない場合、ガードタイム計算部4は、ONUi−1とONUiとの間のガードタイムを縮小する(S14)。S12、S14の処理後、またはS13で「NO」である場合は、ループに戻る。すべてのループが終了するとガードタイムの伸縮の処理が終了する。これにより、ガードタイムの増大による帯域利用効率の低下、遅延の増大を防止しつつ、衝突の抑制が可能である。
γ(t)=min(((STDi_m(t)/STDi_m(t-1))×(STDi+1_m(t)/STDi+1_m(t-1))),1) …式(5)
γ(t):サイクルtにおける縮小率
min(x,y):x,yの内小さい方を返す関数
STDi_m(t):ONUiの過去mサイクルにおけるRTTの標準偏差
ガードタイム計算部4で算出したガードタイムは、上り信号送信情報管理部7に送られ、上り信号送信情報管理部7が管理するガードタイムテーブルが更新される。
GRANT生成部5は、上り信号送信情報管理部7からONUテーブルを取得し、送信終了時刻から、送信時間を算出する。GRANT生成部5は、このONUテーブルにおける送信情報を記載したGRANTを生成し、PONポート部1に送信する。
各ONUはOLTからのDiscovery GATEを受信し、これに記載された現在時刻に自らのクロック9で計時する時刻を合わせることで、OLTとの間での時刻同期を行う。各ONUは送信許可用のGRANTでは時刻同期を行わない。つまり、OLTは、各ONUのための時刻情報を一つのGRANTで送信するため、各ONU間で時刻同期のずれが発生せず、フレームの衝突を抑制できる。
図12は、本発明の実施形態における光通信システムの各ONUの送信開始時刻、送信終了時刻を算出するための処理手順の一例を示すフローチャートである。
この更新ののち、上り送信スケジューリング部8は、上り信号送信情報管理部7が管理するONUテーブル上の、各ONUのRTT、割り当て帯域を取得し、また上り信号送信情報管理部7が管理するガードタイムテーブルの情報を取得する。上り送信スケジューリング部8は、これらの情報に基づいて、図12に示した手順で送信開始時刻、送信終了時刻を計算し、上り信号送信情報管理部7の情報を更新する。
上り送信スケジューリング部8は、ET1=ST1+A1/Sを求める(S23)。ETiはONUiの送信終了時刻である。AiはONUiに割り当てる帯域、Sは上り方向の通信速度である。
Claims (6)
- 局内光終端装置および複数の宅内光終端装置を有する光通信システムにおける前記局内光終端装置であって、
所定の帯域割り当てサイクルで前記宅内光終端装置から受信した、前記宅内光終端装置から前記局内光終端装置へのデータの送信の許可を前記局内光終端装置に要求するための送信要求信号の受信順が隣接する前記宅内光終端装置同士で通信の衝突が発生したことを検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、通信の衝突が発生した前記宅内光終端装置の間のガードタイムを拡張し、また、前記検出手段による検出結果に基づいて、通信の衝突が過去の所定数の通信サイクルで発生していない前記宅内光終端装置の間のガードタイムを縮小する計算手段とを備えた
ことを特徴とする局内光終端装置。 - 前記検出手段は、
全ての前記宅内光終端装置の識別情報と、前記所定の帯域割り当てサイクルで前記宅内光終端装置から受信した、前記送信要求信号の送信元である前記宅内光終端装置の識別情報との差分の情報を求め、この差分の情報で示される、前記送信要求信号の受信順が隣接する前記宅内光終端装置同士で通信の衝突が発生したことを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の局内光終端装置。 - 前記計算手段は、
前記送信要求信号を前記宅内光終端装置から受信するごとに、この信号の送信元の前記宅内光終端装置からの前記送信要求信号の送信時刻に基づいて、前記局内光終端装置と前記送信元の宅内光終端装置との間の伝搬遅延時間を計算し、
通信の衝突が前記過去の所定数の通信サイクルで発生していない前記宅内光終端装置の間の前記伝搬遅延時間のゆらぎに応じて前記ガードタイムの縮小率を調整する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の局内光終端装置。 - 局内光終端装置および複数の宅内光終端装置を有し、
前記宅内光終端装置が、前記局内光終端装置へのデータの送信の許可を要求するための送信要求信号を前記局内光終端装置に送信し、
前記局内光終端装置が、受信した前記送信要求信号に応じて前記データの送信開始時刻および送信終了時刻を含む送信許可信号を前記宅内光終端装置に送信する
光通信システムであって、
前記局内光終端装置は、
所定の帯域割り当てサイクルで受信した前記送信要求信号の受信順が隣接する前記宅内光終端装置同士で通信の衝突が発生したことを検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、通信の衝突が発生した前記宅内光終端装置の間のガードタイムを拡張し、また、前記検出手段による検出結果に基づいて、通信の衝突が過去の所定数の通信サイクルで発生していない前記宅内光終端装置の間のガードタイムを縮小する計算手段と、
前記宅内光終端装置から前記送信要求信号によって通知された要求帯域と、前記計算手段で算出された前記ガードタイムと、前記局内光終端装置と前記宅内光終端装置との間の伝搬遅延時間とに基づいて、前記宅内光終端装置それぞれの前記送信開始時刻および前記送信終了時刻を算出する上り送信スケジューリング部とを備える
ことを特徴とする光通信システム。 - 前記局内光終端装置は、
前記送信要求信号を受信するごとに、この信号の送信元の前記宅内光終端装置からの前記送信要求信号の送信時刻に基づいて、前記局内光終端装置と前記送信元の宅内光終端装置との間の伝搬遅延時間を計算し、前記受信ごとの前記伝搬遅延時間の計算結果に基づいて、平滑化した前記伝搬遅延時間である平滑化伝搬遅延時間を計算し、また、前記受信ごとの前記伝搬遅延時間の計算結果における平均値と標準偏差を計算し、前記計算した前記伝搬遅延時間から前記平均値を減じた値の絶対値が前記標準偏差より大きい場合に、この計算した伝搬遅延時間を前記平滑化伝搬遅延時間の計算の元となる送信時刻から除外する第2の計算手段をさらに備え、
前記上り送信スケジューリング部は、
前記伝搬遅延時間として、前記第2の計算手段で算出された前記平滑化伝搬遅延時間を用いて、前記宅内光終端装置それぞれの前記送信開始時刻および前記送信終了時刻を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の光通信システム。 - 局内光終端装置および複数の宅内光終端装置を有する光通信システムに適用される方法であって、
前記局内光終端装置は、
所定の帯域割り当てサイクルで前記宅内光終端装置から受信した、前記宅内光終端装置から前記局内光終端装置へのデータの送信の許可を前記局内光終端装置に要求するための送信要求信号の受信順が隣接する前記宅内光終端装置同士で通信の衝突が発生したことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、通信の衝突が発生した前記宅内光終端装置の間のガードタイムを拡張し、また、前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、通信の衝突が過去の所定数の通信サイクルで発生していない前記宅内光終端装置の間のガードタイムを縮小する計算ステップとを実行する
ことを特徴とする光通信方法。
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