JP6464629B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機は、遊技球を用いて遊技が行われ、当該遊技球が移動可能な遊技領域を備えるとともに、発射装置にて発射された遊技球がかかる遊技領域に案内される構成となっている。また、一般に、パチンコ機には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な各種入賞手段が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−154110号公報
ところで、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことがあり、その場合には、興趣の低下を招くおそれがある。特に、入賞手段が、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間を状態変化する開閉式入賞手段である場合には、開閉式入賞手段への入球具合に対して遊技者の注意がより強く働くため、かかる懸念がより一層顕著なものとなる。
これに対し、複数の開閉式入賞手段をまとめて配置するとともに、これら複数の開閉式入賞手段に対して遊技球が順序通りに案内されるように構成することで、遊技球がいずれかの開閉式入賞手段に入球する可能性を高めることが考えられる。しかしながら、複数の開閉式入賞手段をまとめて配置する等した場合、遊技球をどこから入賞させたらよいのか等を把握し難くなることが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技球の入賞手段への入球に関するばらつきを抑制しつつ、遊技球の狙い所が分かり難いといった事態を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
請求項1に記載の遊技機は、
遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する許容状態と、遊技球の入球を規制する規制状態とに状態変化可能な第1入賞手段と、
前記第1入賞手段よりも遊技領域の下流側に配置され、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する許容状態と、遊技球の入球を規制する規制状態とに状態変化可能な第2入賞手段と、
前記第1入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1入賞検知手段と、
前記第2入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2入賞検知手段とを備え、
前記第1入賞手段が許容状態であれば当該第1入賞手段に入球することのできる第1入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記第1入賞手段が規制状態であったために前記第1入賞手段に入球することのできなかった遊技球を、前記第2入賞手段が許容状態であれば当該第2入賞手段に入球することのできる第2入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備え、
前記第2入賞手段へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成され、
前記第1入賞手段への遊技球の進入経路に対応した位置において役物を備え
前記役物を状態変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴としている。
請求項1によれば、遊技球の入賞手段への入球に関するばらつきを抑制しつつ、遊技球の狙い所が分かり難いといった事態を抑制することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャートである。 第1種別判定処理を示すフローチャートである。 第2種別判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 特別表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 判別情報設定処理を示すフローチャートである。 第1可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 終了設定処理を示すフローチャートである。 普通表示制御処理を示すフローチャートである。 普図変動設定処理を示すフローチャートである。 普図判別情報設定処理を示すフローチャートである。 始動入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定等に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 保留情報格納処理を示すフローチャートである。 保留処理を示すフローチャートである。 当たり表示処理を示すフローチャートである。 第2始動入賞装置の斜視図である。 第2始動入賞装置の斜視図である。 第2始動入賞装置の断面図である。 第2実施形態における内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。 第2実施形態における第2可変入賞装置等の断面図である。 第3実施形態における第2始動入賞装置の正面図である。 第3実施形態の変形例として第2始動入賞装置の一部を示す平面模式図である。 第1実施形態の変形例として第2始動入賞装置の一部を示す断面模式図である。 第1実施形態の変形例として第2始動入賞装置の一部を示す平面模式図である。 第4実施形態における第2始動入賞装置を示す断面図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置を示す一部断面を含む斜視図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置を示す一部断面を含む斜視図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置を示す一部断面を含む斜視図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置を示す一部断面を含む斜視図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置を示す図47のA−A線断面図である。 第4実施形態の第2始動入賞装置の断面図である。 第4実施形態における第2始動入賞装置の分解斜視図(前面側)である。 第4実施形態における第2始動入賞装置の分解斜視図(後面側)である。 第2実施形態の変形例として、(a)は、シャッタの上面形状を説明するための一部断面を含む平面図であり、(b)は、第2可変入賞装置等を示す断面図である。 第2実施形態の変形例として第2可変入賞装置等を示す正面図である。 第2実施形態の変形例として第2可変入賞装置等を示す断面図である。 第5実施形態の遊技盤等の構成を示す正面図である。 第5実施形態の右打ち入賞ユニット等を示す正面模式図である。 第5実施形態の右打ち入賞ユニット等を示す断面図である。 第5実施形態の右打ち入賞ユニットを示す一部断面を含む斜視図である。 第5実施形態の右打ち入賞ユニットのカバーユニットの一部を示す斜視図である。 (a)は通常位置にある入口役物等を示す正面図であり、(b)は高入球対応位置にある入口役物等を示す正面図であ(c)は当選対応位置にある入口役物等を示す正面図である。 第5実施形態における右打ち入賞スイッチ処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における右打ち保留アイコン表示処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における装飾図柄表示装置の視認態様を示す正面図である。 第5実施形態の変形例として入口役物等を示す部分斜視図である。 第5実施形態の変形例として入口役物等を示す分解斜視図である。 第5実施形態の変形例として入口役物等を示す正面図である。 第5実施形態の変形例として装飾図柄表示装置(保留表示領域)の視認態様を示す正面図である。 第5実施形態の変形例として装飾図柄表示装置(保留表示領域)の視認態様を示す正面図である。 第5実施形態の変形例として装飾図柄表示装置(保留表示領域)の視認態様を示す正面図である。 第5実施形態の変形例として装飾図柄表示装置(保留表示領域)の視認態様を示す正面図である。
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32a、32b、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、一般入賞口31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には14個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には13個、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には2個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には1個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出される)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。本実施形態では、第2可変入賞装置32bが可変入賞手段を構成し、第2始動入賞装置33bが特別始動手段を構成し、スルーゲート34が普通始動手段を構成する。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。特に、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第1可変入賞装置32aが配設されている。第1可変入賞装置32aは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、対応する種別の大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
以下、便宜上、遊技領域のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域」という。また、左側方領域の下流側にあたり、第1始動入賞装置33aや第1可変入賞装置32aが配置される遊技盤30の左右方向略中央部よりも左側に位置する領域を「左下部領域」といい、右側方領域の下流側にあたり、遊技盤30の左右方向略中央部よりも右側に位置する領域を「右下部領域」という。
左下部領域の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って斜めに所定間隔で3つの一般入賞口31が配設されている。各一般入賞口31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
右側方領域には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、詳しくは後述する第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
さらに、右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2可変入賞装置32bが配設されている。第2可変入賞装置32bは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、対応する種別の大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第2可変入賞装置32b(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
ちなみに、本実施形態の第1及び第2可変入賞装置32a、32bの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
右下部領域において第2可変入賞装置32bの下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bについても、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、第2始動入賞装置33bの詳細については後述する。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、詳しくは後述するが、第2始動入賞装置33bには、第2始動入賞装置33b(後述する始動入賞口402)を開閉する開閉部材としての始動入賞シャッタ405が設けられており、本実施形態では、この始動入賞シャッタ405が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、始動入賞シャッタ405がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード、確変モード、及び、潜確モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードや時間短縮モードにおいては、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっている一方で、第1始動入賞装置33aについては入球し易くなるわけではないことから、遊技者は、確変モードや時間短縮モードになると、右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。また、かかる右打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、右打ちを促すアナウンスが行われるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化する(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが異なる)ように構成されている。
より具体的には、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aが開放されてから第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、「8RS」、「8RN」に関しては、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「16RS」、「8RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示90回分)が付与される。つまり、「16RS」、「8RS」、「8RN」の大当たり状態終了後は、第2始動入賞装置33bが開状態とされ易い高入球状態となるため、遊技者は右側方領域に向けて遊技球を発射させることとなる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、5%の割合で「16RS」となり、55%の割合で「8RS」となり、30%の割合で「8RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
さらに、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第1可変入賞装置32aに関し、外見上は、「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、第1可変入賞装置32aが短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
その一方で、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たりと、8ラウンド確変大当たりと、2ラウンド通常大当たり(以下「2RN」と言う)とがある。尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32aではなく、第2可変入賞装置32bが開放される(本例では、ラウンド終了条件は同じであるが、可変入賞装置32a、32bにそれぞれ遊技球が入球した場合の払出個数(14個と13個)が異なる)こととなるものの、説明の便宜上、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合の大当たりの種別についても、便宜上、同じ名称(「16RS」、「8RS」)を使用することとする。加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件と、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件とが同じである(8個の入賞、或いは、30秒の経過で1ラウンドとなる)が、異ならせること(例えば、ラウンド中の遊技球の入賞上限が8個と9個)としてもよい。
また、「2RS」に関しては、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込めるものの、「2RN」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たりとなっている。
また、「2RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。本例では、「2RN」でも3つに分かれており、変動表示30回分の時間短縮モードが付与される「2RN30」と、変動表示60回分の時間短縮モードが付与される「2RN60」と、変動表示90回分の時間短縮モードが付与される「2RN90」とがある。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、35%の割合で「16RS」となり、35%の割合で「8RS」となり、20%の割合で「2RN30」となり、5%の割合で「2RN60」となり、5%の割合で「2RN90」となる。
さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第2可変入賞装置32bに関し、外見上は、「2RN」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、確変モード等の高確率状態は、基本的に「2RN」に当選することで低確率状態(時間短縮モード等)に移行するのであるが、確変モードで小当たりに当選しても、確変モードが継続される。これにより、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において2ラウンド確変大当たり「2RS」に当選するような振分けを行わなくても、第2可変入賞装置32bが短く2回開放されることで必ず低確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
また、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第1特別表示装置43L、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第2特別表示装置43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、特別図柄としての記号、文字、及び、数字等を表示可能に構成されている。この特別表示装置43L、43Rは、遊技者から視認可能な位置(本例では、左側方領域の遊技球が通過不能な位置)に設置されている。
そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて特別図柄の変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの特別図柄により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球すると、対応する第1特別表示装置43Lにて特別図柄(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの特別図柄を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、例えば、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する特別図柄が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、停止させる特別図柄によって、大当たり種別、すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」、「2RS」、「2RN」のいずれであるかについても教示される。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が第1又は第2始動入賞装置33a、33bに入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aに入賞した遊技球、及び第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、第1特別表示装置43Lの上方に配設され、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、第2特別表示装置43Rの上方に配設され、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく変動表示の保留数が、装飾図柄表示装置42においても表示される(変動表示が行われている際に画面下部に表示される)ようになっている。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例ではセンターフレーム47のステージ153上方位置)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41(センターフレーム47のステージ153上方位置)と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過した場合に、例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される普通図柄の変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留される。加えて、普通図柄の変動表示の保留回数は、可変表示装置ユニット35に配設され、白色に発光可能な保留ランプ44によって点灯表示されるようになっている。保留ランプ44は、普通図柄の変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において変動表示されている装飾図柄が、所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「16RS」又は「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「8RS」、又は「8RN」のいずれかが発生する。
ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、本実施形態では、大当たりであっても「2RS」、「2RN」については、装飾図柄がゾロ目の組合わせで停止表示されるのではなく、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。加えて、「小当たり」についても、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。
例えば、確変モードにおいては、遊技モードに対応する(滞在している遊技モードを示唆する)演出として、装飾図柄表示装置42において専用の確変ステージが表示されるが、「2RN」に当選して確変モードが終了した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる確変ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない引き戻しステージが表示される。そして、「2RN」に当選していて、付与された時間短縮モードの期間も終了した場合には、かかる引き戻しステージを終了して、通常モードである(可能性が非常に高い)ことを示す通常ステージの表示を開始する。また、「小当たり」に当選していた場合には、「小当たり」の前後で遊技モードの変化がないことから、確変モードのままである。従って、引き戻しステージに移行するものの、大当たりし易く、さらには、時間短縮モードの最大限に相当する期間(特別図柄の変動表示90回分)を超えた場合には、確変モードであることを把握することができる。
尚、上記のように、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の停止態様と大当たり種別との対応関係を把握しており、大当たり又は小当たりの発生を教示した特別図柄変動表示の停止態様を確認していれば、どの種別の大当たりに当選したのかを判別することが可能である。加えて、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選で大当たりに当選した場合で、装飾図柄表示装置42においてゾロ目を表示する大当たり種別としては「16RS」と「8RS」しかない。このため、基本的に(保留されていた第1始動入賞装置33aへの入球に対応する変動表示が消化される場合を除く)確変モードや時間短縮モードにおいて装飾図柄表示装置42においてゾロ目で大当たりの教示が行われた場合には、確変モードの付与が確定する。
また、例えば、通常モードにおいては、遊技モードに対応する演出として、装飾図柄表示装置42において通常ステージが表示されるが、「2RS」に当選して確変モードに移行した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる通常ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない前兆ステージが表示される。本実施形態では、この前兆ステージは、「小当たり」が移行契機であった場合、すなわち、通常モードに滞在している場合には、特別図柄の変動表示で、10回〜50回程度の期間で導出された後、通常ステージに戻るようになっている。その一方で、「2RS」が移行契機であった場合、すなわち、潜確モードに滞在している場合には、基本的に大当たりするまで前兆ステージとなっている。尚、前兆ステージから通常ステージに戻るか否かの抽選を行うこととしてもよいし、前兆ステージから通常ステージに戻った後、再び前兆ステージに移行するか否かの抽選(潜確モードであれば、前兆ステージに戻る確率を高くすることが望ましい)を行うこととしてもよい。加えて、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において「8RN」に当選した場合、及び、「8RS」に当選したものの、その大当たり状態の終了までの間に確変モードが付与されることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後、引き戻しステージに移行する。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
さて、本実施形態では、第2始動入賞装置33bに特徴がある。以下、第2始動入賞装置33bを中心に、図38〜図40等を参照して説明する。第2始動入賞装置33bは、遊技盤30の前面部に沿って取付けられるベース板401と、ベース板401の前面側に突出して形成され、上方に開口する始動入賞口402が形成された略箱状の入賞ボックス403と、始動入賞口402に入球した遊技球を検知する第2始動入賞スイッチ224b(図40参照)と、始動入賞口402への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間で変位可能な始動入賞シャッタ405と、始動入賞シャッタ405を動作させるソレノイド(図示略)と、遊技球を始動入賞口402側に向けて案内する案内台407とを備えている。本実施形態では、始動入賞口402が特定入賞口に相当し、始動入賞シャッタ405、及び、始動入賞シャッタ405を動作させるソレノイド等によって開閉部材が構成される。
始動入賞シャッタ405は、前後方向にスライド可能に構成され、ベース板401において始動入賞口402の直上方に形成された開口部(以下、「収容開口部408」と称する)を介して、遊技領域に出没し、始動入賞口402を開閉するように構成されている。尚、図39に示すように、第2始動入賞装置33bの開状態においては、始動入賞シャッタ405全体が収容開口部408の奥側に収容され、図38に示すように、第2始動入賞装置33bの閉状態においては、始動入賞シャッタ405により始動入賞口402の全体が覆われるようになっている。また、始動入賞口402を閉鎖している状態の始動入賞シャッタ405は、その下面の両側縁部及び前縁部が、始動入賞口402の周縁部に支持されるようになっている。本実施形態では、始動入賞シャッタ405の下面を支持する始動入賞口402の周縁部が受部材を構成する。加えて、始動入賞シャッタ405の下面側には補強リブ409が形成されている。
案内台407は、始動入賞口402の右上方に配置され、遊技領域の上流側から第2始動入賞装置33bに到達した遊技球を、始動入賞口402に対してほぼ一定の方向から、本例では、右上方から案内するために設けられている。特に、本実施形態では、図4に示すように、第2始動入賞装置33bの上方に配設される遊技釘や、装飾のための役物等の各種遊技部材によって、第2始動入賞装置33bにまで到達した遊技球が、先ず、案内台407へと必ず進入するように、遊技球の移動ルートを限定している。つまり、第2始動入賞装置33bに進入する(始動入賞口402に入球する可能性のある)遊技球は、必ず案内台407から左下方に位置する始動入賞シャッタ405の上方位置に向けて飛び出す動作を行うようになっている。本実施形態では、遊技球が案内台407に案内されて飛び出す位置が特定ポイントに相当し、当該特定ポイントに始動入賞シャッタ405が配置されている。
さらに、遊技球を案内台407へ案内する各種遊技部材は、案内台407に到達する遊技球の勢いが極力抑えられるような構成(例えば、案内面が急ではなく水平方向に近い緩斜面になっている等)となっている。これにより、案内台407によって案内される遊技球の速度や飛び出し角度等が極力近似されるようになっている。本実施形態では、案内台407、及び、当該案内台407に遊技球を案内する遊技釘や装飾役物等が整流手段を構成する。
入賞ボックス403と、案内台407との間には、遊技球が通過可能な開口部(以下、「排出開口部411」と称する)が設けられている。つまり、始動入賞口402に入球しない遊技球は、当該排出開口部411を介して、第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。
さて、入賞ボックス403の上面側には、始動入賞口402の左方に隣接して、遊技球を後方(遊技盤30の裏側)に案内する導入路412が形成されている。すなわち、始動入賞口402が始動入賞シャッタ405によって閉鎖されている状態(第2始動入賞装置33bが閉位置)にある場合、案内台407によって右上方から始動入賞口402側へと案内された遊技球は、始動入賞シャッタ405によって、始動入賞口402への入賞が規制されるとともに、案内台407から案内された勢いによって、始動入賞シャッタ405の上面を通り過ぎ、始動入賞シャッタ405の左方に隣接する導入路412へと進入することとなる。
本実施形態の始動入賞シャッタ405の上面や導入路412は、右側に下方傾斜しているが、案内台407から案内された遊技球は、これらを駆け上がるようにして移動可能なように、案内台407の傾き、長さ、及び、相対位置等が設計されている。
また、ベース板401には、導入路412と連通する開口部(以下「迂回開口部413」と称する)が形成されている。迂回開口部413は、導入路412と、始動入賞口402の左部とにかけて形成されている。
さらに、ベース板401の後面側には、導入路412から迂回開口部413に進入した遊技球を、始動入賞口402の上方に放出するための再突入路414を備えたターンボックス415が取付けられている。再突入路414は、ターンボックス415の横幅方向中央部を境に、左側の往路416と、右側の復路417とにより構成されている。往路416及び復路417の後端部間は連続しているが、それよりも前方部位については、往路416と復路417との間を往来不可能なように衝立リブ418が形成されている。往路416は、迂回開口部413を介して導入路412と連続し、後方かつ右側に傾いている。復路417は、往路416の後部と連続するとともに、始動入賞口402の直上に位置する迂回開口部413と連接しており、前方に傾いている。
第2始動入賞装置33bにおける遊技球の流れを確認しておくと、先ず、案内台407に案内されて始動入賞口402側に飛び出した遊技球が始動入賞口402の直上方に到達する時点で、始動入賞口402が開放されている場合には、かかる遊技球は、そのまま開放されている始動入賞口402に飛び込んで入賞し、第2始動入賞スイッチ224bに検知されることとなる。
その一方で、案内台407に案内されて始動入賞口402側に飛び出した遊技球が始動入賞口402の直上方に到達する時点で、始動入賞シャッタ405により始動入賞口402が閉鎖されている場合には、かかる遊技球は、始動入賞シャッタ405の上面に着地すると、そのまま左方に移動して導入路412に進入する。さらに、導入路412から、再突入路414を経由して、再び、始動入賞口402の上方に飛び出すこととなる。このときに、始動入賞口402が開放されていれば、始動入賞口402に入賞することとなり、一方、始動入賞口402が始動入賞シャッタ405で閉鎖されていれば、始動入賞シャッタ405の上面によって右下方に案内されて、排出開口部411から第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。
特に、本実施形態では、確変モード及び時間短縮モードの高入球状態においては、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)がほぼ開状態とされている(始動入賞口402がほぼ開放されている)。例えば、高入球状態では、入球サポート抽選の当選確率は99/100で、入球サポート抽選の結果を表示する普通図柄の変動表示時間は0.4秒で、入球サポート抽選の当選時には、4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される。このため、案内台407から飛び出して始動入賞口402の直上方に位置した際に始動入賞口402がたまたま閉鎖されていたとしても、導入路412及び再突入路414を経由して再び始動入賞口402の直上方に到達した際には、始動入賞口402が開放されている可能性が非常に高い。本実施形態では、案内台407を飛び出してから始動入賞シャッタ405の上面、導入路412、及び、再突入路414を経由して、始動入賞口402の上方に至るまでの時間は、概ね1秒〜2秒を想定している。
さらに、仮に、所定の遊技球が始動入賞口402への2度目の突入を試みた際にも始動入賞シャッタ405が閉じていて始動入賞口402に入賞できなかったとしても、該遊技球が始動入賞シャッタ405の上面に載っている間であれば、始動入賞口402に入球することとなる。特に、本実施形態では、再突入路414の復路417は、右方の排出開口部411に向けて下方傾斜している始動入賞シャッタ405上面のうち、上流側である左側の部位が位置することとなる始動入賞口402の左部に連接している。このため、再突入路414から遊技球が始動入賞口402の上方位置へと飛び出した際に始動入賞シャッタ405が閉位置であった場合に、当該遊技球が、比較的長い間(始動入賞シャッタ405上面の左側から右側へと極力長い距離を転がらせることで)始動入賞シャッタ405上に滞在するように構成されている。
従って、高入球状態では、右打ちを行うと、ほぼ全ての遊技球が第2始動入賞装置33bの始動入賞口402に入球することとなる。これにより、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合(第2始動入賞スイッチ224bによる遊技球の検知が行われた場合)に払い出される遊技球の数が1個に設定されているが、遊技者の手持ちの遊技球をほぼ減らすことなく、確変モード及び時間短縮モードを堪能することができる。また、特別図柄の変動表示の保留がほぼ途切れることがないため、小気味よく遊技を進行することができる。
これに対し、低入球状態では、入球サポート抽選の当選確率は1/100で、普通図柄の変動表示時間は8秒で、入球サポート抽選の当選時には、0.4秒間の開放が1回だけ行われる。このため、通常モードや潜確モードにおいて「右打ち」をしても、第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させ、当否抽選を受けることがほとんど望めないようになっている。従って、通常モードや潜確モードでは、第1始動入賞装置33aへの入球を目的として、可変表示装置ユニット35左方の「左側方領域」に遊技球が流れるような発射強さで遊技球を発射させる(「左打ち」する)こととなる。ちなみに、本実施形態では、遊技球を「左打ち」した場合、当該遊技球を第2可変入賞装置32b、及び、第2始動入賞装置33bに入球させることができない上、遊技球をスルーゲート34に通過させることができないようになっている。さらに、遊技球を「右打ち」した場合、遊技球を第1可変入賞装置32a、及び、第1始動入賞装置33aに入球させることができないようになっている。
図4に示すように、本実施形態では、第2始動入賞装置33bが第2可変入賞装置32bよりも遊技領域の下流側に設けられている。また、本実施形態では、第2可変入賞装置32bが開状態とされた場合、右側方領域を移動するほぼ全ての遊技球が第2可変入賞装置32bのシャッタによって堰き止められ、第2可変入賞装置32bに入賞するようになっている。このため、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド中においては、遊技球が第2始動入賞装置33b側にほとんど流れないようになっている。
本実施形態では、始動入賞シャッタ405、導入路412、及び、再突入路414が時間差通過機会付与手段を構成する。また、入球サポート抽選が開閉抽選に相当し、第1状態が低入球状態に相当し、第2状態が高入球状態に相当する。さらに、詳しくは後述する主制御装置261の入球サポート抽選を行う機能が開閉抽選手段を構成する。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aや、第2可変入賞装置32bにて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞装置33bにて始動入賞シャッタ405を開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223a,223b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43R(における特別図柄)の変動表示に合わせて、演出表示として(装飾図柄の)変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球サポート抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
さらに、本実施形態では、当否乱数カウンタC1を利用して、大当たりに当選しなかった場合に、小当たりに当選したか否かの抽選が行われるようになっている。低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は1つで、その値は「404」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は10で、その値は「404〜413」である。尚、小当たりの当否判別には、「404」を当選値として記憶する第1小当たり判定テーブルと、「405〜413」を当選値として記憶する第2小当たり判定テーブルとが参照される。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、小当たりに当選する確率(小当たり確率)が1/600であり、入球サポート抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が8秒であり、また、入球サポート抽選にて当選した場合に、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)が0.4秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60であり、通常モードに比べて大当たりや小当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる(4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される)。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球サポート抽選の当選1回あたりの第2始動入賞装置33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、第2始動入賞装置33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球サポート抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300であり、小当たり確率が1/600である。また、時間短縮モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「8RN」、又は、「2RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて合計で規定回数の変動表示(「8RN」の後は一律90回となり、「2RN」は30回の場合(「2RN30」)と、60回の場合(「2RN60」)と、90回の場合(「2RN90」)とがある)にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて規定回数の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
潜確モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60である。また、潜確モードにおいては、普通図柄表示装置41の変動時間が8秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが0.4秒間1回だけ開放される。すなわち、潜確モードは、大当たり確率が確変モード時と同じ高確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、通常モードと同じである。本実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に潜確モードとなり、少なくとも大当たり状態が発生するまで継続する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、「2RN」に当選するという割り振りがないため、潜確モードがひっそりと終ってしまうといった事態が回避される(出玉有りの大当たりに当選するまで継続される)。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1種別判定テーブル(第1始動入賞装置33aに対応)、第2種別判定テーブル(第2始動入賞装置33bに対応)が設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり99に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は1つであり、その範囲は「1」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は99であり、その範囲は「1〜99」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、99)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して当否乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく変動表示(第1変動表示)であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく変動表示(第2変動表示)であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1小当たり判定テーブルに記憶された値である「404」と一致するか否かを判別する。ちなみに、「404」は、低確率状態でも、高確率状態でも小当たりとなる値である。
ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106において第1小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、小当たり状態が発生するか否かの情報についても当否乱数記憶エリアに記憶する(上書きする)構成となっている。
ステップS5105で否定判別された場合には、ステップS5107において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2小当たり判定テーブルに記憶された値である「405〜413」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「405〜413」は、高確率状態でのみ大当たりとなる値である。ステップS5107で肯定判別された場合には、ステップS5108において第2小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、当否判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、当否乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。また、大当たり判定に使用される当否乱数カウンタC1とは別に、小当たり用の乱数カウンタを設けることとしてもよい。
次に、ステップS506の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5401で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5402において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」等である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5403では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RS」に対応する値「7〜13」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において、8RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合には、ステップS5406において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN30」に対応する値「14〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5406で肯定判別された場合には、ステップS5407において、2RN30フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5406で否定判別された場合には、ステップS5408において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN60」に対応する値「18」と一致するか否かを判別する。ステップS5408で肯定判別された場合には、ステップS5409において、2RN60フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5408で否定判別された場合には、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN90」に対応する値「19」であることから、ステップS5410において、2RN90フラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、種別判別処理では、大当たり種別を判別できればよく、例えば、当選に対応する乱数値の個数が多い「16RS」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別に代えて、「2RN90」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別を行うように構成してもよい。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の振分けが異なっている。
ここで、ステップS514の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RN」に対応する値「12〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「18、19」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5206で肯定判別された場合には、ステップS5207において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5206で否定判別された場合には、ステップS5208において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS514に続くステップS515では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS212,ステップS213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード及び潜確モード時には「FF10」、「FF11」、「FF12」、「FF13」、「FF14」、「FF15」、「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」、「FD11」、「FD12」、「FD13」、「FD14」、「FD15」、「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード及び潜確モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード及び潜確モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード及び潜確モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」、「AA12」、「AA13」、「AA14」、「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。遊技球の増加が望める確変大当たり(「16RS」及び「8RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「8RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、出玉有り確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、出玉有り通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。本実施形態では、「2RS」、「2RN」、及び、「小当たり」に対応する停止態様についても、前後外れ図柄の組合わせとなる。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、第1可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1可変入賞装置32aに関する制御が行われる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第1可変入賞装置32aが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第1可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2可変入賞装置32bに関する制御が行われる。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第2可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS212、ステップS213)。
つまり、ステップS212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS210の処理は、ステップS201〜S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS212、S213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。小当たり状態中には、特別表示装置43L、43Rにおいて小当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態や小当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。尚、当たり状況記憶エリアに「0」〜「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には当たり状況記憶エリアは2バイトを使用している。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード又は潜確モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」、「22」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応し、「22」は潜確モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」又は「22」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード、潜確モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの変動記憶エリアを参酌して、第2変動フラグがオン設定されているか否か、すなわち、この度行われる変動表示が、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第2変動表示であるか否かを判別する。ステップS905で肯定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS907にて16RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS907の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS909にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS908で否定判別された場合には、ステップS910において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合には、ステップS911において2RN30パターン設定処理を行う。ステップS911の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合には、ステップS913において2RN60パターン設定処理を行う。ステップS913の後、ステップS931に移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合、すなわち、2RN90フラグがオン設定されている場合には、ステップS914において2RN90パターン設定処理を行う。ステップS914の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合、すなわち、この度行われる変動表示が、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第1変動表示である場合には、ステップS915において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグがオン設定されている否かを判別する。
ステップS915で肯定判別された場合には、ステップS916にて16RSパターン設定処理を行う。ステップS916の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合には、ステップS917において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS917で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS918にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS918の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS917で否定判別された場合には、ステップS919において、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS919で肯定判別された場合には、ステップS920において8RNパターン設定処理を行う。ステップS920の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS919で否定判別された場合、すなわち、2RSフラグがオン設定されている場合には、ステップS921において2RSパターン設定処理を行う。ステップS921の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS922において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1又は第2小当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS922で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923において、小当たり状態の発生を確定させたことを示す小当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、小当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、小当たり確定フラグをオン設定することと称している。その後、ステップS924において、小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS925において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1小当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS925で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923にて小当たり確定フラグをオン設定し、ステップS924にて小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
一方、ステップS922又はステップS925で否定判別された場合、すなわち、大当たりでも小当たりでもない場合には、ステップS926において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS926で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS927にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS926で否定判別された場合には、ステップS928において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS928で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS929にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS928で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS930において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS931に移行する。
ステップS931では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS932では、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS932の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS504、S512の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグ及び小当たりフラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜S903、S922、S925の処理とによって当否抽選が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において特図表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れ等に対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において、当たり状態の初期設定や時間短縮モードの期間を計るための判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合には、ステップS1004において、2RSフラグ又は2RNフラグ(2RN30、2RN60、2RN90)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で否定判別された場合、すなわち、8RSフラグ又は8RNフラグがオン設定されている場合には、ステップS1005において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1003、又は、ステップS1005の後、ステップS1006に移行する。
ステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1007では、当たり状態中の制御(第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、第1及び第2可変入賞装置32a、32bに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを第1及び第2カウントスイッチ223a、223bの検知情報により判別し、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち、大当たりではないと判別された場合には、ステップS1010へ移行する。ステップS1010では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1010で肯定判別された(小当たりである)場合、又は、ステップS1004で肯定判別された(「2RS」又は「2RN」である)場合には、ステップS1011において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1011の後、ステップS1012では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1013において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「500」を設定し、ステップS1014において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1015において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、大当たり及び小当たりのどちらでもなくて、ステップS1010にて否定判別された場合には、ステップS1016において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「8RN」、「2RN30」、「2RN60」、「2RN90」の大当たり状態終了時において、それぞれ変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1018では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1018で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1018で肯定判別された場合には、ステップS1019において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1019の後、ステップS1020において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせる時短終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、小当たり状態の初期設定を行う処理と、2RS及び2RNの大当たり状態の初期設定を行う処理とが共通化されているが、別々に行うこととしてもよい。
次に、上記ステップS206の第1可変入賞装置32aを開閉させるための第1可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態及び小当たり以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態や小当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202において、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて第1変動フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS1202で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1202で肯定判別された場合には、ステップS1203に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1204では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1205で肯定判別された場合には、ステップS1206において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1207では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、第1始動入賞装置33aへの入球を契機として行われる当否抽選にて当選した場合に付与され得る出玉有り大当たりである「16RS」、「8RS」、「8RN」のいずれかであるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1207で肯定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1207で否定判別された場合には、ステップS1209において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1208、又は、ステップS1209の後、ステップS1210では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる処理を行い、ステップS1211では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1205で否定判別された場合には、ステップS1212において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1212で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態又は小当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1213においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1214では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1216において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1216で肯定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1216で否定判別された場合には、ステップS1218において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1217、又は、ステップS1218の後、ステップS1219において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1220において、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、ステップS1221において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合、すなわち、第1可変入賞装置32aの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1222に移行し、第1可変入賞装置32aへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態又は小当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、第1可変入賞装置32aに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1222で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1222で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1213に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1223に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1223の後、ステップS1224において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1224で肯定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1224で否定判別された場合には、ステップS1226において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1225、又は、ステップS1226の後、ステップS1227において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1222で肯定判別された後の流れでステップS1223以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の第1可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1222で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1227で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1227の後、ステップS1228では、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1229では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1212で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1230に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1402において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1402で肯定判別された場合には、ステップS1403において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1404では、変動回数カウンタに対して「90」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1404の後、ステップS1415において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1402で否定判別された場合、ステップS1405において、実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、2RN90フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1405で肯定判別された場合、8RNフラグがオン設定されている場合と同様に、ステップS1403に移行する。
一方、ステップS1405で否定判別された場合には、ステップS1406において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1408において、変動回数カウンタに対して「60」を設定し、ステップS1415において、時短開始コマンドを設定してから、本処理を終了する。
さらに、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1409において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1409で肯定判別された場合には、ステップS1410において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1411において、変動回数カウンタに対して「30」を設定し、ステップS1415において、時短開始コマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1409で否定判別された場合には、ステップS1412において、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1412で肯定判別された場合には、ステップS1413において、モード記憶エリアに「22」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に潜確モードが付与されることとなる。ステップS1413の後、ステップS1416において、サブ制御装置262に対して潜確モードの開始を知らせる潜確開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS1412で否定判別された場合には、ステップS1414において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。ステップS1414の後、ステップS1417において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1230の後、ステップS1231において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態及び小当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1232において、サブ制御装置262に対して大当たり状態又は小当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
尚、通常処理(図10参照)のステップS207の第2可変入賞装置制御処理は、基本的に、第1可変入賞装置制御処理に対し、開閉制御の対象が第2可変入賞装置32bになり、第2変動フラグがオン設定されている場合に実行され、出玉有り大当たりであるか否かの判別に際して16RS又は8RSであるか否かを判別する点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2102で否定判別された場合、すなわち、普通図柄の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2102で肯定判別された場合には、ステップS2103において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して、説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態でも小当たり状態でもない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜99」の場合に当選となる。
ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、又は、ステップS2305で肯定判別された場合には、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、小当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1」の場合に当選となる。
ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2309において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2309の後、又は、ステップS2308で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2105の後、本処理を終了する。尚、普図変動設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え(変動)表示する。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において普図表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。そして、この普図停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
続いてステップS2110に進み、普図判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を4秒にするべく「1000」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS209の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。続くステップS2203では、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが開状態である場合には、ステップS2204において、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された第2始動入賞装置33bの開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2210のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)である場合には、ステップS2211に移行し、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2211で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2211で肯定判別された場合には、ステップS2212で普通可変フラグをオンし、ステップS2213で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「1000」)を設定し、ステップS2214で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、及びリーチ種別等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、4つある第1保留ランプ46aのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。続くステップS4107では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、その後、本処理を終了する。
尚、ステップS4107の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、ステップS4102で否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、4つある第2ランプ46bのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。続くステップS4112では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、本処理を終了する。尚、ステップS4112の連続予告抽選処理は、ステップS4107の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報記憶エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4205では、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、点灯している第1保留ランプ46aのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4205の後、ステップS4209に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4206において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4207では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
続くステップS4208では、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、点灯している第2保留ランプ46bのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4208の後、ステップS4209に移行する。
ステップS4209では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4209の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4107の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。ステップS4209の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に第2始動入賞装置33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり又は小当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態又は小当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定し、「2RS」、「2RN」、「小当たり」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉有り大当たり以外の大当たりや小当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、第2始動入賞装置33bには、始動入賞口402を開閉する始動入賞シャッタ405が設けられており、当該始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合には、始動入賞口402が閉状態となって、当該始動入賞口402に遊技球を入球させることができない。このため、従来であれば、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球を拒否された遊技球は、そのまま始動入賞口402に入球することなく第2始動入賞装置33bの下流側に流下していくこととなる。これに対し、本実施形態では、第2始動入賞装置33bは、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球が拒否された遊技球が案内される導入路412、及び、導入路412に案内された遊技球を始動入賞口402の上方位置に案内する再突入路414を備えており、始動入賞口402への入球が一度拒否されても、後ほど、もう一度、始動入賞口402への入球を試みることができるように構成されている。
従って、確変モード時及び時間短縮モード時の高入球状態において、第2始動入賞装置33bの始動入賞口402への入球を狙って右打ちされた遊技球のうち、始動入賞口402に入球する遊技球の数と、始動入賞シャッタ405に規制されて、始動入賞口402に入球することなく排出開口部411から第2始動入賞装置33bの外部に排除される遊技球の数との割合において、始動入賞口402に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。特に、本実施形態では、高入球状態では、(右打ちをし続けていれば)ほぼずっと始動入賞シャッタ405が開位置とされていることから、右打ちされた遊技球のほぼ全てが始動入賞口402に入球するようになっている。
これにより、始動入賞口402に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に始動入賞口402に入球させることができ、始動入賞口402を狙って発射されたものの入球には至らない無駄球を極力減少させ、始動入賞口402に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させる(本例では、始動入賞口402への入球に対する払出しが1球であるにもかかわらず、高入球状態では、手持ちの遊技球の数をほぼ減らさずに遊技することができる)ことができるとともに、始動入賞口402に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(変動表示の保留が切れることない上、変動表示のテンポを上げることができる)ことができる。
また、一般に、始動入賞シャッタ405が開位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングで遊技球を発射し、始動入賞シャッタ405が閉位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、始動入賞口402に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、所定時間当たりで、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球数は同じであっても、遊技球の発射数に差が生じてしまうことが懸念され、長期的に見れば、遊技者が獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が生じてしまうおそれがある。さらに、パチンコ機10等の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当否抽選等の当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本実施形態では、始動入賞シャッタ405が閉位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が始動入賞口402に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、始動入賞口402に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bにおいて、始動入賞口402の上流側に、遊技球を始動入賞口402へほぼ一定の方向から案内する案内台407が設けられるとともに、遊技領域の第2始動入賞装置33bの上流側において設けられている遊技釘や役物が、右打ちされてきた遊技球を案内台407へと案内するように構成されている。これにより、遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度が整えられることとなり、始動入賞口402の上方位置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、始動入賞シャッタ405が閉位置とされている場合には、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球が拒否された遊技球を導入路412及び再突入路414に回り込ませて、遊技球を後のタイミングで始動入賞口402の上方位置に至らせる機会を付与し、始動入賞口402への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
さらに、始動入賞シャッタ405が前後方向にスライドする構成であることによって、遊技球が落下する動作によって始動入賞口402に入球していく構成とすることができ、始動入賞口402へのスムースな入球を実現することができる。加えて、始動入賞シャッタ405の上面で遊技球を導入路412に案内することができる。つまり、始動入賞シャッタ405が閉位置となっている場合に、当該始動入賞シャッタ405によって、遊技球を導入路412へと案内可能となるため、遊技球を導入路412へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。
また、例えば、前後に延びる始動入賞シャッタを上方に回動させて始動入賞口402を開放する場合に、始動入賞口402に入ったと思った遊技球が、始動入賞シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びる始動入賞シャッタを下方に回動させて始動入賞口402を開放させる構成において、始動入賞シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下して始動入賞シャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が始動入賞口402に入球してしまうといった事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受ける始動入賞シャッタ405には、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本実施形態のように、始動入賞シャッタ405の下面の前端部等が、始動入賞口402の開口周縁部によって支持される構成とすることで、始動入賞シャッタ405の付根部側に係る負担を軽減させることができ、始動入賞シャッタ405が付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。加えて、始動入賞シャッタ405の下面側には補強リブ409が設けられており、始動入賞シャッタ405の強度が向上し、遊技球が衝突した際に始動入賞シャッタ405が損傷してしまうことを防止することができる。
また、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態や小当たり状態では、低入球状態とされており、入球サポート抽選に当選し難い、通常図柄の変動時間が長い、入球サポート抽選に当選しても第2始動入賞装置33bの開状態とされる時間が短い等の理由から、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が導入路412及び再突入路414を経由するようになる。これに対し、例えば、第2可変入賞装置32bが第2始動入賞装置33bの下流側にあると、遊技球が導入路412及び再突入路414を経由する分、遊技球の第2可変入賞装置32bへのアプローチが遅れてしまう。特に、始動入賞口402の上方位置から、導入路412、及び、再突入路414を経て、再び始動入賞口402の上方位置に至る遊技球の再突入ルートにおいて、たとえ始動入賞口402の上方位置であっても再突入ルートが交差していれば、始動入賞口402の上方位置である閉位置とされている始動入賞シャッタ405の上で遊技球同士が接触して滞留時間が長くなる等して、第2可変入賞装置32bにより遊技球が入球し難くなってしまうおそれがある。この点、第2可変入賞装置32bを第2始動入賞装置33bの上流側に配置することで、第2可変入賞装置32bへの入球をスムースに行わせることができる。さらに、第2始動入賞装置33bに進入する(始動入賞シャッタ405で始動入賞口402への入球が防止される)遊技球の数を減らすことで、始動入賞シャッタ405の負担を軽減させることができる。加えて、大当たり状態中に第2始動入賞装置33b内で遊技球が混雑して流れが悪くなってしまうことを回避することができ、かかる見た目の悪い態様を遊技者に視認させなくても済む。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第2可変入賞装置32bに特徴があり、当該特徴部分を中心に、図41、図42を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の前面側に取付けられる取付板431と、取付板431の前面側に設けられ、取付板431との間に上方に開口する大入賞口432(図42参照)を形成する球受部材433と、大入賞口432を開閉する開閉部材としての矩形平板状の大入賞シャッタ434と、当該大入賞シャッタ434を開閉駆動する大入賞口用ソレノイド435(図42参照)とを備えている。また、図42に示すように、取付板431には、大入賞口432に入球した遊技球の通過を許容する連通孔436が形成され、当該連通孔436に連接するようにして、遊技球を遊技盤30の後面側(排出通路部217)へ導く入賞通路437が設けられている。尚、カウントスイッチ223bは、入賞通路437を通過する遊技球を検出可能に設けられている。また、本実施形態では、大入賞口432が特定入賞口に相当する。
さて、図42に示すように、本実施形態の第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は前後方向にスライド可能に構成されている。大入賞口用ソレノイド435が非励磁状態のときには、大入賞シャッタ434が遊技領域側に突出して、大入賞口432を閉塞するようになっている。一方、大入賞口用ソレノイド435が例示状態とされた場合には、大入賞シャッタ434が取付板431の前面よりも後方に位置するようにスライドし、大入賞口432が開放されるようになっている。
また、大入賞シャッタ434が第2可変入賞装置32bを閉状態とする閉位置にある場合、大入賞シャッタ434によって遊技球の大入賞口432への入球が規制されることとなるが、本実施形態の大入賞シャッタ434は前後に延在しているため、規制された遊技球は、大入賞シャッタ434の上面に載ることになる。図41に示すように、本実施形態では、大入賞シャッタ434の少なくとも上面が右側に若干下方傾斜している。さらに、大入賞シャッタ434の上面は少なくとも左右方向において段差はなく、本例では平坦面となっている。従って、閉位置にある大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞を規制され、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球は、当該大入賞シャッタ434の上面に案内されて左方に移動することとなる。
また、閉位置にある大入賞シャッタ434に遊技球が載った状態において大入賞シャッタ434が開位置とされる場合には、その時点で大入賞シャッタ434に載っている全ての遊技球が下方の大入賞口432に入賞するようになっている。
尚、球受部材433の左壁部の上縁部は、大入賞シャッタ434の上面の左辺部と同じ高さ、或いは、大入賞シャッタ434よりも低い位置となっており、大入賞シャッタ434上面の左辺部にまで達した遊技球は、第2可変入賞装置32bの左方に排出されることとなる。さらに、球受部材433の前壁部の上縁部(脱落防止手段)は、大入賞シャッタ434の上面よりも上方に位置しており、大入賞シャッタ434の上面を転がる遊技球が大入賞シャッタ434よりも前方に位置しないようになっている。
また、本実施形態では、図41に示すように、第2可変入賞装置32bの上流側に位置する遊技釘や役物によって、遊技球が第2可変入賞装置32bのうち右端部側に案内されるようになっている。つまり、第2可変入賞装置32bの直上方にまで移動してきた遊技球は、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合には、左下に傾く大入賞シャッタ434の上流側の部位である右側に落下するように構成されている。従って、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合には、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434の右側から左側へと転がるように構成されている。
特に、本実施形態では、大入賞シャッタ434上面の傾斜が比較的緩やか(例えば、1度〜9度)となっており、大入賞シャッタ434の上面を比較的ゆっくりと左方に移動することとなる。さらに、本実施形態の大入賞口432の入口の横幅は極力大きく(例えば、100mm〜135mm)構成されており、閉位置にある大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球は、比較的長い時間大入賞シャッタ434の上面に載った状態とされるようになっている。
また、本実施形態の第2始動入賞装置33bは、第1実施形態の第2始動入賞装置33bとは異なり、一般的な電子チューリップと称される形状となっている。すなわち、遊技球が入球可能な始動入賞口の左右両側に隣接して一対の羽根部材438を備えたものである。本実施形態では、第2始動入賞装置33bの始動入賞口の直上方位置に遊技釘が配設されており、羽根部材438が上下に延びる閉位置とされている場合には、(前記遊技釘と羽根部材438との間に遊技球が通過する余地はなく)始動入賞口が閉状態とされ、当該始動入賞口に入球させることが不可能となっている。一方、羽根部材438が外側に開く開位置に変位することで、遊技球が始動入賞口に入球できるようになっている。
本実施形態では、図41に示すように、第2始動入賞装置33bが第2始動入賞装置33bよりも遊技領域(右下部領域)の上流側に配置されている。第2始動入賞装置33bが開状態にある場合には、右打ちされた遊技球のほとんどは、第2始動入賞装置33bに入球することとなる。また、第2始動入賞装置33bが閉状態にある場合には、第2始動入賞装置33bに入球せずに第2始動入賞装置33bの下流側に移動する遊技球が第2可変入賞装置32bに入球し易いような構成(遊技領域に配設される遊技釘の配置や第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとの相対位置関係等)となっている。尚、本実施形態では、第2可変入賞装置32b(の大入賞口)が特定入賞口を構成し、大入賞シャッタ434が開閉部材及び時間差通過機会付与手段を構成する。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434が閉位置にある場合、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞が規制されるとともに、そのまま大入賞シャッタ434の上面を転動することとなる。そして、大入賞シャッタ434が開位置とされると、大入賞シャッタ434上を転動していた遊技球が、大入賞口432に入球することとなる。このため、大入賞シャッタ434が開位置となれば大入賞口432に入球できる状態で、大入賞シャッタ434が次に開位置となるタイミングを待つことができる。特に、本実施形態では、大入賞シャッタ434の長手方向、すなわち、大入賞シャッタ434に載った遊技球の移動方向となる左右方向の幅が極力長く構成されるとともに、傾斜も比較的緩やかとなるように構成され、大入賞シャッタ434の上面に案内された遊技球が、大入賞シャッタ434が開位置とされなければ、極力長く大入賞シャッタ434の上面に滞在するように構成されている。従って、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態中に右打ちされた遊技球が大入賞口432に入ることなくアウト口36から排出されてしまうといったケースを低減させることができ、大入賞口432に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に大入賞口432に入球させることができる。
さらに、大入賞シャッタ434の開位置とされている開放時間が比較的短くても、大入賞シャッタ434に載っている遊技球については、大入賞口432に入球させることができる。つまり、大入賞シャッタ434が閉じているときに大入賞シャッタ434上に遊技球を載せておき、大入賞シャッタ434の短い開放でその全てを大入賞口432に入球させることができる。従って、大入賞シャッタ434の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。例えば、大当たり状態のインターバル間に大入賞シャッタ434上に遊技球を溜めておき、ラウンドの開始と同時に大入賞シャッタ434を開放して遊技球を一挙に大入賞口432に入球させる(一瞬にしてラウンド終了条件(例えば、8個入賞)が達成される場合もあり得る)ことができる。このため、時間効率の向上等を図ることができる。
加えて、第2可変入賞装置32bの大入賞口432を閉塞する閉位置にある大入賞シャッタ434が前後に延びており、大入賞シャッタ434を開位置とした場合には、遊技球を下方に移動させることで大入賞口432に入賞させるようになっている。このため、例えば、大入賞シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで大入賞口に入賞させるよりも、遊技球を大入賞口432に入賞させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にある大入賞シャッタ434を開位置とすることで、大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞を規制していた遊技球を比較的迅速に大入賞口432に入賞させることができる。
また、第2可変入賞装置32bの上流側に配設された遊技釘や役物等によって、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球が、左下に傾く大入賞シャッタ434のうち上流側の右側の部位に案内されるようになっている。これにより、大入賞シャッタ434上に遊技球を極力長い時間滞在させるといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、閉状態にある第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、遊技球の下面側を支持しなければならず、落下してきた遊技球を受け止める際等の負担が大きい。この点、本実施形態のように、第2可変入賞装置32bを第2始動入賞装置33bの下流側に配置することで、第2始動入賞装置33bに入球する分だけ第2可変入賞装置32bに向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、大入賞シャッタ434の負担を低減させることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、特徴部分である第2始動入賞装置33bを中心に、図43を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第3実施形態の第2可変入賞装置32bは、基本的に第1実施形態の第2可変入賞装置32bと同じであり、ベース板401と、始動入賞口402(図43では図示略)と、案内台407と、始動入賞シャッタ405とを備えている。但し、導入路412及び再突入路414は省略されており、始動入賞シャッタ405が閉位置である場合には、始動入賞シャッタ405上に一旦落下した遊技球がそのまま排出開口部411に排出されるようになっている。
さて、本実施形態では、案内台407において、始動入賞口402側への遊技球の通過を許容する開状態と、通過を規制する閉状態とに状態変化する切替え板451が設けられている。切替え板451の一方の長側辺部には回転軸452が設けられ、当該回転軸452が、案内台407の先端縁近傍位置において前後に延びるように設けられている。この回転軸452のベース板401裏面側にはモータ453(別の駆動手段でも可)が連結されている。
本実施形態の切替え板451は、普通図柄表示装置41の普通図柄の変動表示中に閉状態とされ、停止表示された状態で開状態とされるようになっている。つまり、普通図柄の変動表示中で第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合には、遊技球が始動入賞口402の上方位置に移動しても始動入賞口402に入賞不可能であるため、遊技球を始動入賞口402の上流側で堰き止めておく。そして、入球サポート抽選にて当選していた場合には、普通図柄の変動表示が停止表示され、切替え板451が開状態とされることで、切替え板451に堰き止められていた遊技球が、開放された始動入賞口402に入球することとなる。尚、入球サポート抽選にて当選しなかった場合には、当然、始動入賞シャッタ405も開状態とされないため、排出開口部411から排出されることとなる。
また、第2始動入賞装置33bには、案内台407の後方に隣接して収容凹部455が形成されている。つまり、閉状態とされた切替え板451によって堰き止められた遊技球が一定量を超えると、遊技球がかかる収容凹部455に案内されるようになっている。尚、収容凹部455の底面は案内台407側に若干下方傾斜している。また、本実施形態では、切替え板451が時間差通過機会付与手段(ストッパー)を構成する。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合、案内台407に到達した遊技球がそのまま案内台407を移動して始動入賞口402の上方位置に飛び出していったとしても、閉位置にある始動入賞シャッタ405に阻まれて始動入賞口402に入賞することはできない。このような場合、本実施形態によれば、案内台407に落下した遊技球を通常のタイミングで始動入賞口402の上方位置に到達させるのではなく、遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達するタイミングを遅延させることで、極力、始動入賞シャッタ405が閉位置ではないとき、すなわち、始動入賞シャッタ405が開状態であるときに遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達するように構成することができる。特に、本実施形態では、普通図柄の変動表示の停止表示のタイミングで、遊技球を案内台407で堰き止めていた切替え板451を開放して、遊技球を流下させるようになっており、高入球モードであれば、このタイミングでは始動入賞シャッタ405がほぼ開位置とされており、堰き止められていた遊技球がほぼ始動入賞口402に入球することとなる。従って、始動入賞口402に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に始動入賞口402に入球させるといった作用効果が確実に奏される。
また、ここで、第3実施形態の変形例について、図44を参照して説明する。すなわち、本態様例の第2始動入賞装置33bは、案内台407の奥側に隣接して迂回通路456が設けられている。迂回通路456は、それぞれ案内台407に連接する入口457と出口458とを備え、入口457は出口458よりも案内台407の上流側の部位に連接している。
さらに、本態様例でも切替え板459を備えているが、本実施形態の切替え板459は、迂回通路456の入口457と出458との境界部近傍において、回転軸460が上下に延びるようにして設けられ、案内台407を移動する遊技球をそのまま案内台407の下流側に案内する開状態と、案内台407を移動する遊技球を迂回通路456の入口457へと案内する閉状態とに状態変化可能に構成されている。切替え板459が開状態にある場合、案内台407の上流側の部位に落下した遊技球はそのまま真っ直ぐに案内台407を下って始動入賞口402の上方位置へと移動する。
一方、切替え板459が閉状態にある場合には、案内台407の上流側の部位に落下した遊技球は、迂回通路456を経由した後、案内台407から始動入賞口402の上方位置へと移動することとなる。つまり、遊技球が案内台407に落下してから始動入賞口402の上方位置に到達するまでの時間が遅延されることとなる。尚、本例においても、切替え板459は、普通図柄表示装置41の普通図柄の変動表示中に閉状態とされ、停止表示された状態で開状態とされるようになっている。本態様例では、切替え板459及び迂回通路456が時間差通過機会付与手段を構成し、切替え板459が道程変更手段を構成する。
以上のように、本態様例においても、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置とされている場合には、少しタイミングをずらして(少し遅延させて)遊技球を始動入賞口402の上方位置に到達させるように構成することで、遊技球を始動入賞口402に入賞させる可能性を高めることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、特徴部分である第2始動入賞装置33bを中心に、図47〜図55を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第4実施形態では、第2始動入賞装置33b以外の構成は第1実施形態と同じであり、また、第2始動入賞装置33bの配置についても第1実施形態と同じであって、第2始動入賞装置33bは第2可変入賞装置32bよりも遊技領域の下流側に配置されている。
図47、図48、図50等に示すように、第2始動入賞装置33bは、遊技盤30に取付けられるベース板471と、第1特定入賞口及び第2特定入賞口としての第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473と、第1始動入賞口472を開閉する第1開閉部材としての第1シャッタ474と、第2始動入賞口473を開閉する第2開閉部材としての第2シャッタ475とを備えている。さらに、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のそれぞれに対応して始動入賞スイッチ224bが設けられており、本実施形態では、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のどちらに入賞しても、第2始動入賞装置33bへの入賞があったものとして同様の扱いがなされるように(第2変動表示が保留されるように)なっている。
また、第1シャッタ474及び第2シャッタ475は前後にスライド可能に構成されており、遊技領域に突出して第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を閉鎖する閉位置(図48、図50等参照)と、遊技領域から退出して第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を開放する開位置(図49、図51等参照)との間を変位するように構成されている。さらに、図54、図55に示すように、本実施形態では、第1シャッタ474及び第2シャッタ475は一体化され、1つのソレノイド476で動作される(図52の閉位置と、図53の開位置とに変位させられる)ようになっている。これにより、第1シャッタ474の開閉動作と、第2シャッタ475の開閉動作とが全く同じとなるように構成され、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のうち一方が開放される一方で他方が閉鎖されているといった状況がないように構成されている。本実施形態においても、主制御装置261(開閉抽選手段)によって行われる入球サポート抽選(開閉抽選)にて当選した場合に、第1シャッタ474及び第2シャッタ475が開位置とされるようになっている。尚、第1シャッタ474及び第2シャッタ475をそれぞれ個別に設け、それぞれを個別に設けられたソレノイドで動作させるように構成してもよい。
図47等に示すように、第1始動入賞口472は、第2始動入賞口473よりも右方、かつ、上方に位置している。さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bは、第1始動入賞口472と第2始動入賞口473との間に設けられた連絡通路477を備えている。連絡通路477は、前後に蛇行しながら左側に下方傾斜している。また、第1シャッタ474及び第2シャッタ475の上面についても、左側に下方傾斜している。本実施形態では、第1始動入賞口472の上方位置に遊技球が移動した際に第1シャッタ474が閉位置であった場合に、当該遊技球の第1始動入賞口472への入賞が第1シャッタ474によって規制されるとともに、当該遊技球は第1シャッタ474の上面によって、案連絡通路477へと案内されるようになっている。
連絡通路477に進入した遊技球は、連絡通路477に沿って蛇行しながら第2始動入賞口473の上方位置にまで案内される。このときに、第2シャッタ475が開位置となっていれば、遊技球は第2始動入賞口473に入賞する。一方、第2シャッタ475が閉位置となっていれば、遊技球は、第2シャッタ475によって第2始動入賞口473への入賞が規制され、第2シャッタ475の上面により左方に案内され、第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。本実施形態では、第1シャッタ474及び連絡通路477によって入球機会付与手段が構成されている。また、本実施形態では、連絡通路477が第2特定入球ルートに相当する。
尚、本実施形態の前後に蛇行する連絡通路477は、第1シャッタ474上面によって案内されてきた遊技球をベース板471の前方位置において受け入れてから、当該遊技球をベース板471の後方位置にまで移動させてから、ベース板471の前方位置にまで移動させ、さらに、もう一度、当該遊技球をベース板471の後方位置にまで移動させてから、ベース板471前方の第2始動入賞口473の上方位置へと遊技球を案内するようになっている。
また、連絡通路477の上側を閉塞する屋根部材478が設けられており、途中から連絡通路477に遊技球が進入できないように構成されている。さらに、屋根部材478は、第2始動入賞口473の上方位置にまで延在しており、これによって、第2始動入賞口473へは、基本的に、連絡通路477を経由した遊技球しか入賞することができないように構成されている。
第1始動入賞口472(第1シャッタ474)の右方には、左側に下方傾斜して閉位置にある第1シャッタ474上面と連接する受付台479が設けられている。受付台479に落下した遊技球は、第1始動入賞口472側に案内されることとなる。さらに、第1シャッタ474と受付台479との境界部位の上方位置には、ベース板471から前方に延出する庇部481が設けられている。庇部481は、その上面において遊技球が滞留しないように、上面が左右に傾斜するように構成されている。
また、図示は省略するが、当該第4実施形態の第2始動入賞装置33bの上流側に配置される遊技釘や役物等によって、第2始動入賞装置33bにまで到達した遊技球は、基本的に庇部481や庇部481よりも右方の受付台479に案内されるようになっている。さらに、庇部481と、屋根部材478との間にも遊技球が通過可能な隙間が形成されており、かかる隙間を介して、遊技球が第1始動入賞口472の上方位置に至る場合もある。加えて、図55に示すように、第1始動入賞口472、第2始動入賞口473、屋根部材478、受付台479、及び、庇部481の前方を閉塞する前壁部480が設けられ、屋根部材478、受付台479、庇部481、及び、前壁部480は、透明な樹脂材料によって、一体的に形成されている。
尚、例えば、屋根部材478において、連絡通路477のうち第1始動入賞口472と連接し、第1シャッタ474の上面によって案内されてきた遊技球をベース板471の後方へと案内する部位の上方を覆う部位については、その上面に遊技球が落下する可能性があるような構成とする場合、その部位の上面を若干右側に向けて下方傾斜するように構成してもよい。
加えて、第4実施形態の第2始動入賞装置33bには、庇部481よりも右上方において、ベース板471から前方に突出するアシスト入賞口482が設けられている。アシスト入賞口482に入球した遊技球をカウントする図示しない検知スイッチによって遊技球が検知されると、上皿19若しくは下皿15に遊技球が3個払い出されるようになっている。当該アシスト入賞口482の存在により、遊技球を右側方領域に向けて発射させる(右打ちする)場合に入球する入賞口が増える。このため、時間短縮モードにおいては、(第2始動入賞装置33bに入球した場合の賞球が第1始動入賞装置33aよりも少ない1つであっても)遊技球をほぼ減らすことなく遊技を行うことができる。さらに、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態においては、アシスト入賞口482がない場合に比べ、より多くの遊技球を獲得する(或いは、入球した場合の賞球が第1可変入賞装置32aよりも少ないが、その分を補う、さらには、補って余り得るようにする)ことが可能となる。
また、アシスト入賞口482と庇部481との間には、遊技球が通過可能な隙間が形成されている。尚、右下部領域に流入する遊技球は、その大部分、或いは、全部が、遊技釘等によってアシスト入賞口482の上方位置に案内される。そして、アシスト入賞口482に入球しなかった遊技球が、庇部481や受付台479等に落下・案内され、第1始動入賞口472の上方位置へと移動することとなる。
以上詳述したように、第4実施形態によれば、第2始動入賞装置33bの第1シャッタ474が閉位置とされている場合には、当該第1シャッタ474が閉位置であることに起因して、第1始動入賞口472に入賞することのできなかった遊技球が、第2始動入賞口473へと案内されるようになっている。このため、第1始動入賞口472に入球できなかった遊技球に対し、第2始動入賞口473への入球を試みる機会が付与されることとなり、遊技球が第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)に入球する可能性を高めることができる。従って、第2始動入賞装置33bへの入球を狙って発射された遊技球のうち、第2始動入賞装置33bに入球する遊技球の数と、第2始動入賞装置33bに到達したが第2始動入賞装置33bに入球しなかった遊技球の数との割合において、第2始動入賞装置33bに入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、第2始動入賞装置33bに入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に第2始動入賞装置33bに入球させることができ、第2始動入賞装置33bを狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、第2始動入賞装置33bに入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、第2始動入賞装置33bに効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(持ち球を減らさず、変動表示を途切れさせず(停止表示後すぐに変動開始されるように)遊技を行う)ことができる。
また、本実施形態においても、第1シャッタ474が閉位置となっているときに第1始動入賞口472の上方位置に至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、上記第1実施形態でも説明した遊技球を発射させるタイミングを計るといった技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
さらに、第1始動入賞口472よりも上流側に配設された受付台479、庇部481、更には、遊技釘や役物等によって、遊技球の移動方向及び移動速度が整えられるように構成されている。このため、第1始動入賞口472の上方位置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、第1シャッタ474が閉位置とされている場合には、第1シャッタ474によって、遊技球を連絡通路477に送って、第2始動入賞口473への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
加えて、第1シャッタ474及び第2シャッタ475が前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に入球していく構成とできる上、例えば、回動するシャッタで第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を閉鎖する場合に、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。
また、第1始動入賞口472の上方位置に到達した遊技球は、連絡通路477へは、閉位置とされた第1シャッタ474の上面によって案内されるようになっている。これにより、第1始動入賞口472を開閉する第1シャッタ474が閉位置にある際に、当該第1シャッタ474によって、遊技球を連絡通路477へと案内可能となるため、遊技球を連絡通路477へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。
さらに、第2始動入賞口473へは遊技球が連絡通路477を通過した場合にのみ入球可能に構成されるとともに、連絡通路477へは、遊技球が第1シャッタ474によって案内された場合にのみ進入可能に構成されている。つまり、第1始動入賞口472に入球できなかった遊技球が第2始動入賞口473に入球する可能性はあるが、第2始動入賞口473に入球できなかった遊技球が第1始動入賞口472に入球する可能性はないため、例えば、第1シャッタ474等を介さずに、ダイレクトに第2始動入賞口473側にも遊技球が進入可能に構成される場合には(2チャンスではなく、1チャンスの場合が出てきてしまうことから)、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に遊技球が入球する可能性が低下してしまう。この点、本実施形態によれば、先ず第1始動入賞口472への入球を図り、それがダメだった場合に、第2始動入賞口473への入球を図るといった順番を順守させることができ、第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
また、本実施形態では、第2可変入賞装置32bが、第2始動入賞装置33bよりも遊技領域の上流側に配置されている。つまり、本実施形態の第2始動入賞装置33bに関しては、遊技球が第2始動入賞装置33bに進入して排出されるまでに比較的長い時間を要する。より具体的には、第2始動入賞装置33bの上流側で遊技釘や役物等でまず整流され、さらに、庇部481や受付台479でも整流されるとともに、閉位置にある第1シャッタ474を通過して、前後に蛇行する連絡通路477を経由し、閉位置にある第2シャッタ475の上で直交する方向に進路を変えながら下流側に通過することで、やっと、第2始動入賞装置33bから遊技球が排出されることとなる。このため、第2始動入賞装置33bが第2可変入賞装置32bよりも上流側にある場合には、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態や小当たり状態に際しての遊技球の入賞がスムースにいかなくなるおそれがあるが(特に、本例のように右遊技領域を通過する遊技球のほぼ全て(第2可変入賞装置32bに入賞する遊技球を除く)が第2始動入賞装置33bに案内されるような構成の場合にはより顕著になる)、本実施形態では、かかる不具合等を払拭することができる。尚、本例の第2始動入賞装置33bは、第1始動入賞口472と第2始動入賞口473との間に、両者間を直線的に接続するよりも長い時間(長い距離)をかけて遊技球を第1始動入賞装置33a側から第2始動入賞装置33b側へと案内する連絡通路477が設けられているため、かかる作用効果がより一層奏されることとなる。
加えて、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態においては、第2始動入賞装置33bに落下してくる遊技球の数を低減させることができ、落下してくる遊技球を受け止める第2始動入賞装置33b(庇部481、受付台479、第1シャッタ474等)への負担や損傷のおそれ等を低減させることができる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、特徴部分を中心に、図59〜図63を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。尚、図60では、便宜上、後述する前装飾板903及び入口役物931を点線で示している。
図60等に示すように、第5実施形態では、始動入賞手段及び第1開閉式入賞手段としての第2始動入賞装置33bと、可変入賞手段及び第2開閉式入賞手段としての第2可変入賞装置32bとがユニット化されて、遊技盤30に取付けられている。以下、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとをユニット化したものを「右打ち入賞ユニット901」と称する。
図59、図60に示すように、右打ち入賞ユニット901は、右側方領域において普通始動手段としてのスルーゲート34の下流側に設けられている。本実施形態では、右打ちされた全ての遊技球がスルーゲート34を通過するわけではないが、右打ちされた(ほぼ)全ての遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入するように構成されている。本実施形態では、右打ち入賞ユニット901において、遊技領域の上流側に第2始動入賞装置33bが配置され、その下流側に第2可変入賞装置32bが配置されている。
また、第5実施形態の第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bは、基本的に、上記第4実施形態の第2始動入賞装置33bと類似した概略構成を具備している。より具体的に説明すると、図60、図62等に示すように、第5実施形態の第2始動入賞装置33bは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞口911と、始動入賞口911を開閉する始動開閉部材としての始動シャッタ912と、始動シャッタ912を動作させる始動ソレノイド913(図61参照)と、始動入賞口911に入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段、第1入賞検知手段としての第2始動入賞スイッチ224bとを備えている。
始動シャッタ912は前後にスライド可能に構成されており、遊技領域に突出して始動入賞口911を閉鎖する閉位置と、遊技領域から退出して始動入賞口911を開放する開位置との間を変位するように構成されている。本実施形態においても、普通始動検知手段としてのスルーゲートスイッチ225の検知情報に基づいて、主制御装置261によって行われる入球サポート抽選にて当選した場合に、始動シャッタ912が開位置とされ、第2始動入賞装置33bが開状態とされるようになっている。
また、本実施形態の始動入賞口911の横幅は比較的広く構成されており、例えば、遊技球の直径の4倍〜6倍程度となっている。さらに、始動入賞口911の右端部が左端部よりも上方に位置している。これに対応して、始動シャッタ912は、上下に延びる連結板912aと、連結板912aの上辺部から右方に延びる上閉塞板912bと、連結板912aの下辺部から左方に延びる下閉塞板912cとを備え、段差状に構成されている。詳しくは後述するが、本実施形態では、右打ちされ、遊技領域の右側方領域に進入した全ての遊技球が、右打ち入賞ユニット901に進入することとなり、かつ、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球は、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912の上閉塞板912bに対応する位置に落下し、始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入球し、始動シャッタ912が閉位置にあれば、上閉塞板912bに載るようになっている。さらに、始動シャッタ912の上閉塞板912b及び下閉塞板912cの上面は、左方に向けて比較的緩やかに下方傾斜(例えば、3度〜10度程度)している。
また、図62等に示すように、本実施形態の第2始動入賞装置33bは、始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入賞可能な入球ポイント(第1入球ポイント)、すなわち、始動入賞口911の上方位置(上閉塞板912bの直上方位置)に到達したものの、始動シャッタ912が閉位置にあるために、始動入賞口911に入球することのできなかった遊技球を、一旦、始動入賞口911よりも後方位置に案内してから、再び、始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入賞可能な入球ポイント(第2入球ポイント)、すなわち、始動入賞口911の上方位置(下閉塞板912cの直上方位置)にまで案内する迂回部材915が設けられている。
より具体的には、迂回部材915は、閉位置にある始動シャッタ912の上閉塞板912bに載り、左方に下方傾斜する上閉塞板912bに案内されて、上閉塞板912bから左方に落下した遊技球を受け止め、かつ、後方(遊技盤30の裏側)に案内する導入路915aと、導入路915aによって案内された遊技球を、始動シャッタ912が閉位置にあれば下閉塞板912cに落下する位置にまで案内する再突入路915bとを備えている。
導入路915aの前端部は、始動入賞口911の上方位置にまで張り出している。また、導入路915aの前端部は、始動入賞口911の横幅方向略中間地点に位置しており、導入路915aの右方及び左方のどちら側にも、遊技球が始動入賞口911に入球可能なスペースが確保されている。すなわち、本実施形態の導入路915aは、始動シャッタ912が閉位置にある場合において、下閉塞板912cのうち連結板912a側の部位の上方を覆うようにして始動入賞口911の上方位置にまで張り出し、かつ、上閉塞板912bよりも下方に位置するような格好となっている。さらに、導入路915aは、閉位置にある始動シャッタ912の上閉塞板912bから落下してきた遊技球を受け止めた場合に、当該遊技球がそのまま左方の下閉塞板912c側に落下しないように立壁を備えている。また、導入路915aの遊技球案内面(遊技球の下面側を支持する面)は、後方かつ左方に向けて比較的緩やかに下方傾斜している。
再突入路915bの後端部は、導入路915の後端部と接続されており、導入路915の後端部にまで案内された遊技球は、再突入路915bの後端部に進入することとなる。また、再突入路915の遊技球案内面(遊技球の下面側を支持する面)は、前方かつ左方に向けて比較的緩やかに下方傾斜している。さらに、再突入路915bの前端部は、始動入賞口911よりも後方に位置しており、始動シャッタ912が閉位置にあれば、再突入路915bから排出された遊技球が下閉塞板912cに載り、始動シャッタ912が開位置にあれば、再突入路915bから排出された遊技球が始動入賞口911に入球するように構成されている。尚、下閉塞板912cに載った遊技球は、左方に下方傾斜する下閉塞板912cの上面に案内されて、第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。本実施形態では、始動シャッタ912(特に、上閉塞板912b)、及び、迂回部材915によって入球機会付与手段(始動入球機会付与手段)が構成されている。
また、図60等に示すように、第2始動入賞装置33bは、迂回部材915の導入路915aや、始動入賞口911のうち始動シャッタ912の下閉塞板912cによって覆われる部位の上方を覆う屋根部材917を備えている。当該屋根部材917によって、遊技球が導入路915aや再突入路915bに対して途中位置から進入できないように構成され、始動入賞口911のうち下閉塞板912cで覆われる部位へは、上閉塞板912b、導入路915a、及び、再突入路915bを経由した遊技球しか入球することができないように構成されている。尚、屋根部材917を導入路915aよりも右方にまで張り出させる等して、始動シャッタ912が開位置にある場合における遊技球の導入路915aへの進入をより確実に防止できるように構成してもよい。
さらに、屋根部材917の上面は、右方に向けて下方傾斜しており、屋根部材917に載った遊技球は、右方に案内されて、始動シャッタ912が閉位置にあれば上閉塞板912bに落下するようになっている。加えて、第2始動入賞装置33bの上流側に配置される遊技釘や役物等によって、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球(右打ち入賞ユニット901で前方が覆われた遊技領域に進入した遊技球)は、屋根部材917の上面、或いは、始動入賞口911のうち上閉塞板912bによって閉塞される部位に案内されるようになっている。
そして、高入球状態(確変モード及び時間短縮モード)にある場合に、右打ちされた遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入し、第2始動入賞装置33bの上閉塞板912bに対応する位置に落下した場合に、始動シャッタ912が開位置にあれば、遊技球が始動入賞口911に入球する。その一方で、始動シャッタ912が閉位置にあれば、遊技球が上閉塞板912bの上面によって始動入賞口911への入球が規制されるとともに、導入路915aに案内される。導入路915aに案内された遊技球は、再突入路915bを経由して、下閉塞板912cに対応する位置に落下する。本実施形態では、遊技球が導入路915aに進入してから再突入路915bより排出されるまでの標準的な時間と、高入球状態における入球サポート抽選に対応した普通図柄の変動時間、又は、高入球状態において入球サポート抽選に当選したことに基づいて、第2始動入賞装置33bが複数開放される場合の第2始動入賞装置33bが閉状態とされているインターバル時間とがほぼ同じとなるように設計されている。
従って、上閉塞板912bによって遊技球の始動入賞口911への入球が規制されたとしても、その遊技球が迂回部材915を経由して下閉塞板912cに対応する部位に到達する頃には、始動シャッタ912が開位置に位置していることとなる。結果的に、高入球状態において右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球のほぼ全てが、第2始動入賞装置33bに入賞する(始動入賞口911に入球する)ようになっており、高入球状態では、遊技球をほぼ減らすことなく遊技を行うことができる。
尚、本実施形態の第2始動入賞装置33bに設けられた第2始動入賞スイッチ224bの数は1つであり、遊技球が始動入賞口911のいずれの部位に入球したとしても、かかる遊技球は前記第2始動入賞スイッチ224bに案内され、検知されることとなる。
また、図60等に示すように、本実施形態の第2可変入賞装置32bについても、基本的に、第2始動入賞装置33bと同様の構成を具備している。すなわち、第2可変入賞装置32bは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口としての大入賞口921と、大入賞口921を開閉する特定開閉部材としての大入賞シャッタ922と、大入賞シャッタ922を動作させる大入賞ソレノイド923(図61参照)と、大入賞口921に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段、第2入賞検知手段としての第2カウントスイッチ223bとを備えている。そして、第2始動入賞スイッチ224bの検知情報に基づいて、主制御装置261によって行われる当否抽選にて大当たり状態等に当選した場合に、大入賞シャッタ922が開位置とされ、第2可変入賞装置32bが開状態とされるようになっている。
加えて、大入賞シャッタ922についても、上下に延びる連結板922aと、連結板922aの上辺部から右方に向けて若干上方傾斜して延びる上閉塞板922bと、連結板922aの下辺部から左方に向けて若干下方傾斜して延びる下閉塞板922cとを備え、段差状に構成されている。さらに、第2可変入賞装置32bは、閉位置にある大入賞シャッタ922の上閉塞板922bに載った遊技球が案内されるとともに、当該遊技球を後方(遊技盤30の裏側)に案内する導入路925aと、導入路925aによって案内された遊技球を、大入賞シャッタ922が閉位置にあれば下閉塞板922cに落下することとなる位置にまで案内する再突入路925bとを具備する迂回部材925を備えている。尚、本実施形態では、大入賞シャッタ922(特に、上閉塞板922b)、及び、迂回部材925によって入球機会付与手段(特定入球機会付与手段)が構成されている。
また、第2可変入賞装置32bにも、迂回部材925の導入路925aや、大入賞口921のうち大入賞シャッタ922の下閉塞板922cによって覆われる部位の上方を覆う屋根部材927が設けられている。但し、右打ちされた遊技球は、必ず第2始動入賞装置33bを経由してから第2可変入賞装置32bに至ることとなることから、第2可変入賞装置32bに到達する遊技球の位置や移動方向等はほぼ一定であり、本例では遊技球が第2可変入賞装置32bの屋根部材927の上に案内されるようには構成されていない。このため、屋根部材927には、その上面によって遊技球を第2可変入賞装置32bの上閉塞板922bに案内するといった機能はない。尚、屋根部材927を省略することも可能である。
出玉有りの大当たり状態にある場合に、右打ちされた遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入し、第2始動入賞装置33bを経由して、第2可変入賞装置32bの上閉塞板922bに対応する位置に落下した場合に、大入賞シャッタ922が開位置にあれば、遊技球が大入賞口921に入球する。その一方で、大入賞シャッタ922が閉位置にあれば、上閉塞板922bの上面によって遊技球の大入賞口921への入球が規制されるとともに、該遊技球が導入路925aに案内される。導入路925aに案内された遊技球は、再突入路925bを経由して、下閉塞板922cに対応する位置に落下する。本実施形態では、遊技球が導入路925aに進入してから再突入路925bより排出されるまでの標準的な時間と、大当たり状態におけるインターバル時間とがほぼ同じとなるように設計されている。
従って、上閉塞板922bによって遊技球の大入賞口921への入球が規制されたとしても、その遊技球が迂回部材925を経由して下閉塞板922cに対応する部位に到達する頃には、大入賞シャッタ922が開位置に位置していることとなる。結果的に、出玉有り大当たり状態において右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球のほぼ全て(本実施形態では、第2可変入賞装置32bに至る前に第2始動入賞装置33bに入球する可能性がある)が、第2可変入賞装置32bに入賞する(大入賞口921に入球する)ようになっており、出玉有り大当たり状態では、遊技球を無駄にすることなくスムースに大当たり状態を進行することができる。尚、大当たり状態のインターバル時間は、普通図柄表示装置41の変動表示時間や、1回の入球サポート抽選での当選で第2始動入賞装置33bが複数回開放される場合のインターバルの時間よりも長く、大当たり状態のインターバル時間に合わせて設計される第2可変入賞装置32bの導入路925a及び再突入路925bの長さは、第2始動入賞装置33bの導入路915a及び再突入路915bの長さよりも長く構成されている(図61参照)。
さて、図60等に示すように、本実施形態の右打ち入賞ユニット901は、第2始動入賞装置33bに進入したが、始動シャッタ912が閉位置にあったために、始動入賞口911に入賞することなく第2始動入賞装置33bから排出された遊技球を、第2可変入賞装置32bに案内する案内板919を備えている。本実施形態の案内板919は、第2始動入賞装置33bの始動入賞口911の左端部から左方に向けて下方傾斜しつつ延出するようにして設けられている。そして、案内板919に案内された遊技球は、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ922の上閉塞板922bに対応する位置に落下することとなる。また、上記のように、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球は必ず第2始動入賞装置33bに進入することとなるため、第2可変入賞装置32bには、遊技球が案内板919によって案内された場合にのみ到達可能であり、案内板919に案内された遊技球は必ず第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ922の上閉塞板922bに対応する位置に落下することとなる。
尚、案内板919によって案内された遊技球は、大入賞シャッタ922が開位置にあれば大入賞口921に入球し、大入賞シャッタ922が閉位置にあれば、上閉塞板922bによって大入賞口921への入球が規制されるとともに、当該上閉塞板922bの上面によって迂回部材925の導入路925aに案内されることとなる。また、本実施形態では、案内板919が始動シャッタ912とともに入球案内手段を構成している。
また、図60、図61等に示すように、右打ち入賞ユニット901は、遊技盤30前面に当接状態で取付けられる略板状のベース板902と、ベース板902の前方において、ベース板902との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、及び、案内板919の前方を覆うようにして設けられる略板状の前装飾板903とを備えている。
前装飾板903は、透明または半透明な素材で構成されており、前装飾板903と、ベース板902又は遊技盤30との間を移動する遊技球を前装飾板903越しに視認可能に構成されている。また、前装飾板903の前面側は、パチンコ機10のモチーフに合わせた凹凸形状を成している(図63参照)。
図60、図62に示すように、ベース板902には、遊技盤30に形成された開口部と連通し、始動入賞口911及び大入賞口921に入球し、かつ、第2始動入賞スイッチ224b及び第2カウントスイッチ223bに検知された遊技球を遊技盤30の後方に排出するための排出孔904が形成されている。
さらに、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bは、始動入賞口911及び大入賞口921に入球した遊技球を受けて後方の排出孔904に遊技球を案内するための断面略U字状の球受部905を備えている。図63に示すように、本実施形態では、前装飾板903によって球受部905の前側が閉塞されている(第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの前壁部が前装飾板903によって構成されている)。本実施形態では、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの球受部905、屋根部材917、927、並びに、案内板919が、前装飾板903と一体形成されている。以下、前装飾板903、球受部905、屋根部材917,927、及び、案内板919が一体となった部材を「カバーユニット907」と称する。
また、図60、図63に示すように、カバーユニット907には、カバーユニット907をベース板902に取付けるための取付ボス908が、各球受部905や各屋根部材917,927と一体的に設けられている。取付ボス908のボス穴は後方に開口している。尚、便宜上、図60、図63における取付けボス908の引き出し線はボス穴から引き出している。その一方で、ベース板902には、取付ボス908に対応して取付孔906(図61参照)が形成されており、取付ボス908と取付孔906とを位置合わせして、ベース板902の後面側からねじ固定を行うことで、カバーユニット907がベース板902に取付けられることとなる。尚、ベース板902には、前方に突出し、球受部905の下面側を支持する支持リブ909が設けられている。
さらに、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの迂回部材915及び925は、ベース板902と一体形成されている(図62等参照)。加えて、ベース板902には、始動シャッタ912や大入賞シャッタ922を挿通させたり、第2始動入賞スイッチ224bや第2カウントスイッチ223bを設置したりするための開口部等が形成されている。
また、図60、図61に示すように、右打ち入賞ユニット901には、第2始動入賞装置33bへの遊技球の進入経路に対応した位置、すなわち、右打ち入賞ユニット901の入口に相当する部位において、正面視略円盤状をなし、前装飾板903よりも前方に配置される入口役物931が設けられている。さらに、入口役物931の後面側中央部に接続される回転軸932と、回転軸932を回転させる役物駆動手段としての役物モータ933とが設けられており、役物モータ933を駆動させることにより、入口役物931を回転変位させることができるようになっている。加えて、ベース板902から前方に突出し、回転軸932を軸支する円筒状の軸受部934がベース板902と一体形成されている。
さらに、入口役物931には、略三角形状の切欠き部931aが形成されている。本実施形態では、入口役物931は、3つのポジションで停止するように構成されている。すなわち、図64(a)に示すような切欠き部931aが下方を向く通常位置、図64(b)に示すような切欠き部931aが左上方を向く高入球対応位置、及び、図64(c)に示すような切欠き部931aが右上方を向く当選対応位置との間を変位するように構成されている。そして、時間短縮モード及び確変モード(第1入球可能状態)では入口役物931が図64(b)の高入球対応位置(第1対応状態)となり、出玉有りの大当たり状態(第2入球可能状態)では入口役物931が図64(c)の当選対応位置(第2対応状態)となり、それ以外の状態では入口役物931が図64(a)の通常位置(通常対応状態)となる。これにより、入口役物931を視認すれば、遊技球が第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらに入球可能な状態であるのか、或いは、どちらにも入球不可能又は困難な状態であるのかを把握することができる。尚、役物モータ933はサブ制御装置262と電気的に接続され、主制御装置261からのコマンドに基づいてサブ制御装置262が役物モータ933の駆動制御を行う。
また、ベース板902のうち軸受部934が形成された部位の前方は前装飾板903で覆われておらず、これにより、入口役物931を前装飾板903よりも前方に位置させることができる。このように、入口役物931は前装飾板903よりも前方に位置しているとともに、回転する入口役物931を変位させるための回転軸932及びこれを軸支する軸受部934が上下左右方向に変位することもないため、入口役物931が変位したとしても、遊技球の移動経路には変化がほとんど生じない。尚、入口役物931の切欠き部931aを透明な素材で埋めるようにして入口役物931を完全に円盤状に構成することで、遊技球の移動経路により変化が生じないように構成してもよい。
また、図59、図64に示すように、前装飾板903の前面には、入口役物931の下方位置から始動入賞口911の前方に対応する位置にまで連続して延び、先端が矢印状になっている第1誘導ライン951と、入口役物931の下方位置から大入賞口921の前方に対応する位置にまで連続して延び、先端が矢印状になっている第2誘導ライン952とが描かれている。第1誘導ライン951及び第2誘導ライン952は、前装飾板903のその他の部位とは異なる半透明な色相となっている。さらに、図59に示すように、前装飾板903の前面には、第1誘導ライン951の矢印の先において、「チャンス」と記載されたチャンスシール953が貼り付けられ、第2誘導ライン952の矢印の先において、「V」と記載されたVシール954が貼り付けられている。
これに対応して、入口役物941の前面には、図64(b)の高入球対応位置にある場合に、正面視で第1誘導ライン951と連続して延在し、図64(c)の当選対応位置にある場合に、正面視で第2誘導ライン952と連続して延在する視線導入ライン955が描かれている。つまり、入口役物941が図64(b)の高入球対応位置にある場合には、視線導入ライン955から第1誘導ライン951へと視線を辿ることで遊技球が第2始動入賞装置33bに入球する状態であることを推測し、入口役物941が図64(c)の当選対応位置にある場合には、視線導入ライン955から第2誘導ライン952へと視線を辿ることで遊技球が第2可変入賞装置32bに入球する状態であることを推測することができる。尚、入口役物931が図64(a)の通常位置にある場合には、視線導入ライン955は、第1誘導ライン951及び第2誘導ライン952のどちらにも連続していない。
尚、本実施形態では、入口役物931の一部が、前装飾板903と前後に重なるように構成されているが、前後方向において同じ位置となるように構成してもよい。また、本実施形態では、前装飾板903及び入口役物931によって前装飾部が構成されている。さらに、入口役物931(及び、第1誘導ライン951、第2誘導ライン952、チャンスシール953、Vシール954、視線導入ライン955)によって状態示唆手段が構成されている。
また、図60に示すように、ベース板902のうち軸受部934の右方であって、入口役物931によって前方を覆われる部位には、遊技球の通過を検知する先検知手段としての進入検知スイッチ941が装着されている(図61では、便宜上、進入検知スイッチ941の図示を省略している)。本実施形態では、出玉有り大当たり状態、確変モード、及び、時間短縮モードにおいて右打ちされた遊技球は、概ね、高入球対応位置や当選対応位置にある入口役物931の切欠き部931aに進入していくような経路を取るように、遊技釘等が配置されている。さらに、入口役物931から右打ち入賞ユニット901裏側の遊技領域に進入した全ての遊技球、特に、本例では、右打ちされて右側方領域に進入した全ての遊技球が進入検知スイッチ941を通過するようにするべく、ベース板902のうち軸受部934の左方部位から前方に突出するようにしてベース板902と一体形成された誘導リブ942が設けられたり、遊技釘が配置されたりしている。加えて、進入検知スイッチ941を通過した遊技球は、上記のように必ず第2始動入賞装置33bの上閉塞板912bに対応する位置に落下するように構成されている。
尚、本実施形態では、右打ちされた遊技球を、高入球対応位置や当選対応位置にある入口役物931の切欠き部931aに向けて案内するとともに、入口役物931から右打ち入賞ユニット901に進入(入球)した遊技球の全てを始動シャッタ912の上閉塞板912bに対応する部位に案内するための各種部材(遊技釘、第2始動入賞装置33bの屋根部材917、及び、誘導リブ942)が整流手段を構成している。ちなみに、これらの整流手段によって、右打ちされた遊技球をその移動速度が速くなり過ぎないように極力蛇行させながら、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912にまで至らせるように構成されている。
さらに、ベース板902のうち、第2可変入賞装置32bの迂回部材925の左方(下流側)部位には、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球しなかった遊技球を検知する排出検知手段としての排出検知スイッチ943が装着されている。本実施形態では、進入検知スイッチ941及び排出検知スイッチ943は、主制御装置261と電気的に接続されている。さらに、主制御装置261には、右打ち入賞ユニット901の内部に存在する遊技球の数をカウントするための残球カウンタが設けられており、進入検知スイッチ941の検知に基づいて残球カウンタをカウントアップし、第2始動入賞スイッチ224bの検知、第2カウントスイッチ223bの検知、及び、排出検知スイッチ943の検知に基づいて残球カウンタをカウントダウンしている。
加えて、出玉有り大当たり状態、確変モード、及び、時間短縮モードにおいて、進入検知スイッチ941の検知が行われた場合には、右打ち入賞ユニット901への遊技球の進入(入球)に伴った効果音を発生させる。つまり、進入検知スイッチ941の検知が行われた場合には、主制御装置261はサブ制御装置262に対して遊技球が右打ち入賞ユニット901に入球したことを示すコマンドを出力し、サブ制御装置262では、かかるコマンドに基づいて、スピーカSPから対応する効果音を導出させる処理を行うこととなる。本実施形態では、かかる主制御装置261及びサブ制御装置262の効果音を発生させる機能及びスピーカSPが進入効果音発生手段を構成する。
また、図60に示すように、ベース板902には、ベース板902を遊技盤30にねじ固定するためのねじ孔945が形成されている。ねじ孔945は複数箇所に形成されているが、前装飾板903や入口役物931によって前方が覆われている箇所にもねじ孔945が形成されている。本実施形態では、前装飾板903等を含むカバーユニット907をベース板902に取付けてから、右打ち入賞ユニット901を遊技盤30に取付けることとしている。このため、ベース板902のうち前装飾板903で前方が覆われている部位にねじ孔945が形成されている場合には、ベース板902の取付けが困難又は不可能となる。
この点、本実施形態では、前装飾板903のうち、ねじ孔945の前方に対応する部位には、工具としてのドライバーを挿通可能とする工具孔947が形成されている。このため、支障なく確実に遊技盤30の前面側からベース板902を遊技盤30に取付ける(ねじ固定する)ことができる。尚、入口役物931は、ベース板902を遊技盤30に取付けてから、軸受部934に回転軸932を挿通させる等して取付けることから、ねじ孔945のうち入口役物931で前方を覆われる部位に設けられるものについては普通にねじ固定を行うことができる。
さらに、前装飾板903は、比較的広範囲に延在しており、遊技釘が設けられる領域にも及んでいる。普通の遊技釘の頭部の前後位置は、前装飾板903の前後位置とほぼ同じであり、遊技釘が設置された場所に前装飾板903を配置しようとしても無理である。この点、本実施形態では、前装飾板903には、遊技釘を前方に露出させるための釘露出孔948が形成されている。これによって、遊技釘が設置されている領域にも前装飾板903を配置することができるとともに、前装飾板903の設置範囲内に設けられた遊技釘にメンテナンスなどの必要が生じた場合に、右打ち入賞ユニット901を取外す等しなくても、遊技釘のメンテナンスなどを行うことができるようになっている。
尚、右打ち入賞ユニット901に入球したものの、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入賞しなかった遊技球は、排出検知スイッチ943に検知された後、前装飾板903の設置範囲内に設けられた遊技釘に弾かれる等して、前装飾板903で覆われていない遊技領域へと移動するようになっている。つまり、遊技球がアウト口36に入球する前に、前装飾板903で覆われた領域から飛び出すように構成されていることで、当該遊技球が第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入賞しなかったことを把握し易くなっている。
加えて、前装飾板903には、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912、迂回部材915、及び、案内板919や、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ922、及び、迂回部材925に対応する位置において、球詰り解消孔949(確認孔)が形成されている。右打ち入賞ユニット901内で球詰りが発生していると考えられる場合には、球詰り解消孔949を介して、右打ち入賞ユニット901内の遊技球の通路を覗き、球詰りの発生が確認された場合には、球詰り解消孔949を介して球詰りを解消する。尚、球詰り解消孔949と釘露出孔948とがそれほど離間しておらず、一直線上に位置している場合には、一続きに形成される。
尚、本実施形態では、入口役物931が設置される領域にも遊技釘が配置されている。かかる遊技釘については、遊技盤30前面からの突出長が短くなっており、入口役物931の回転変位を阻害しないように構成されている。また、遊技盤30に設けられる遊技釘はいずれも同じものであり、入口役物931の設置領域に配置された遊技釘については、遊技盤30への打込み量がその他の遊技釘よりも長く、その分、前方への突出長が短くなっている。但し、釘露出孔948に対応して設けられた遊技釘については、遊技盤30への打込み量が一般の遊技釘と同じであり、突出長が短くされてはいない。
また、出玉有り大当たり状態では、装飾図柄表示装置42の所定部位(第2表示手段)において、各大当たりラウンドごとに、第1可変入賞装置32aや第2可変入賞装置32bに入球した遊技球の数を教示する表示が行われる。当該遊技球の入球数のカウントは、進入検知スイッチ941によって遊技球が検知されたことを契機とするのではなく、第1カウントスイッチ223aや第2カウントスイッチ223bによって遊技球が検知されたことを契機に行われる。
尚、本実施形態では、かかるカウント表示を導出する機能が入球教示手段を構成している。また、大当たり状態中に特別表示装置43L、43Rの変動表示は行われない一方で、大当たり状態中においても普通図柄表示装置41の変動表示が行われるとともに、入球サポート抽選に当選した結果が教示された場合には第2始動入賞装置33bが開状態とされて遊技球が入賞可能となるように構成されている。さらに、大当たり状態中においても、遊技球がスルーゲート34を通過したり、第2始動入賞装置33bに入賞したりした場合には、対応する変動表示(に関する情報)が保留記憶され、対応する保留ランプ46a、46b、44が点灯することとなる。
ここで、主制御装置261の通常処理において所定時間毎に実行される右打ち入賞スイッチ処理について、図65を参照して説明する。
先ず、ステップS4801において、進入検知スイッチ941の検知情報があるか否かを判別する。ステップS4801で肯定判別された場合には、ステップS4802において、残球カウンタの値に1を加算する。続く、ステップS4803において、第2可変入賞装置32bが開放される出玉有り大当たり中(以下、単に出玉有り大当たり中という)であるか否かを判別する。ステップS4803で肯定判別された場合には、ステップS4804において、出玉有り大当たり中において右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入(入球)したことに対応する効果音(進入効果音A)を出力させるためのコマンドの設定(進入効果音A出力処理)を行う。尚、本実施形態では、出玉有り大当たり状態中に右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入した場合には、かかる遊技球のうちほぼ全て(当該大当たり状態中に入球サポート抽選に当選した場合には第2始動入賞装置33bに入球する可能性はある)が第2可変入賞装置32bに入球することとなることから、「進入効果音A」は「第2可変入賞装置32bへの入球に対応する効果音」とも言える。
ステップS4804の後、ステップS4805において、遊技球が右打ち入賞ユニット901の内部で球詰りしているか等の確認に使用される残球監視タイマに対して、遊技球が進入検知スイッチ941に検知されてから排出検知スイッチ943に検知されるまでの時間は長くてもこれくらいであろうとして予め設定されている滞在予定時間に対応する値をセットする。
また、ステップS4803で否定判別された場合には、ステップS4806において、高入球状態(確変モード又は時間短縮モード)であるか否かを判別する。ステップS4806で肯定判別された場合には、ステップS4807において、高入球状態中において右打ち入賞ユニット901に遊技球が(入球)したことに対応する効果音(進入効果音B)を出力させるためのコマンドの設定(進入効果音B出力処理)を行う。ステップS4807の後、上記したステップS4805に移行する。
尚、当該高入球状態時の右打ち入賞ユニット901への入球効果音Bは、出玉有り大当たり状態時の入球効果音Aとは異なる音となっている。さらに、本実施形態では、高入球状態中に右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入した場合には、かかる遊技球のうちほぼ全て(球詰りや予期しないバウンド等により、タイミングがずれたり、始動入賞口911を飛び越えてしまったりするような場合を除く)が第2始動入賞装置33bに入球することとなることから、「進入効果音B」は「第2始動入賞装置33bへの入球に対応する効果音」とも言える。
また、ステップS4806で否定判別された場合には、ステップS4808において、装飾図柄表示装置42等によって遊技者に対し左打ちを行う状態であることを教示する左打ちアナウンスを出力させるためのコマンドの設定を行う。すなわち、出玉有り大当たり状態や高入球状態以外の状態では、遊技球を右打ちしても遊技を進行させる(第1始動入賞装置33aや第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させる)ことが困難であり、遊技球を左打ちすることで遊技を比較的スムースに進行させることができる。このため、このような状態で右打ちが行われていることが検知された場合には、遊技者に左打ちすることを促す左打ちアナウンスを導出することとしている。ステップS4808の後、上記したステップS4805に移行する。
ステップS4805の後、或いは、ステップS4801で否定判別された場合には、ステップS4809に移行して、排出検知スイッチ943の検知情報があるか否かを判別する。ステップS4809で肯定判別された場合には、ステップS4810において、残球カウンタの値から1を減算する。尚、本実施形態では、主制御装置261のタイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11のステップS301)において、第2始動入賞スイッチ224b、及び、第2カウントスイッチ223bの検知情報が確認された場合には、残球カウンタの値を1減算する処理も行うように構成されている。
ステップS4810の後、或いは、ステップS4809で否定判別された場合には、ステップS4811に移行して、残球カウンタの値が0以上であるか否かを判別する。ステップS4811で否定判別された場合、すなわち、右打ち入賞ユニット901へ進入した遊技球の数よりも、右打ち入賞ユニット901から排出された遊技球の数の方が多くなっている場合には、ステップS4812において、カウントエラー処理を実行してから、本処理を終了する。尚、カウントエラー処理の内容はパチンコ機10の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、装飾図柄表示装置42、ランプ、音声等によるパチンコ機10での報知、パチンコ機10の遊技の一時停止(新たな変動表示や大当たりラウンドが開始されない等)、パチンコ機10から、外部端子板240を介して、ホールコンピュータや島設備等の外部にエラー情報を出力する等が挙げられる。
また、ステップS4811で肯定判別された場合には、ステップS4813において、残球カウンタの値が0を超えているか否かを判別する。ステップS4813で否定判別された場合、すなわち、残球カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4813で肯定判別されている場合には、ステップS4814において、残球監視タイマの値が0であるか否かを判別する。ステップS4814で否定判別された場合には、ステップS4815において、残球監視タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。一方、ステップS4814で否定判別された場合、すなわち、右打ち入賞ユニット901の内部で球詰りが発生している可能性が高い場合には、ステップS4816において、タイマエラー処理を行ってから、本処理を終了する。尚、タイムエラー処理の内容はパチンコ機10の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、装飾図柄表示装置42、ランプ、音声等によるパチンコ機10での報知、パチンコ機10の遊技の一時停止(新たな変動表示や大当たりラウンドが開始されない等)、パチンコ機10から、外部端子板240を介して、ホールコンピュータや島設備等の外部にエラー情報を出力する等が挙げられる。
また、本実施形態では、特別表示装置43L、43Rの変動表示が保留されている場合、変動表示が保留されていることを保留ランプ46a、46b(図59参照)の点灯態様で教示するとともに、図67(a)に示すように、装飾図柄表示装置42の下部(以下、「保留表示領域961」とも称する)において入球検知対応表示、及び、保留情報オブジェクトとしての保留アイコン962を表示させることでも教示を行っている。さらに、本実施形態では、サブ制御装置262は、高入球状態において、進入検知スイッチ941の検知が行われた旨の信号を主制御装置261から受信した場合に、第2始動入賞装置33bへの入球に対応する効果音を発生させるととともに、装飾図柄表示装置42における仮の保留アイコン(疑似保留アイコン963)の表示処理(右打ち保留アイコン表示処理)を行うこととしている。尚、主制御装置261からサブ制御装置262に対して、始動入賞スイッチ224a,224b、カウントスイッチ223a,223b、進入検知スイッチ941、排出検知スイッチ943の検知があった場合に、その旨を示す信号が出力されるように構成されている。
以下、かかる右打ち保留アイコン表示処理について、図66を参照して説明する。先ず、ステップS4901において、進入検知スイッチ941の検知情報があるか否かを判別する。ステップS4901で肯定判別された場合には、ステップS4902において、高入球状態(確変モード又は時間短縮モード)であるか否かを判別する。ステップS4902で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4902で肯定判別された場合には、ステップS4903において、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)の保留数が上限である4つ未満であるか否かを判別する。ステップS4903で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示をそれ以上保留できない状態である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4903で肯定判別された場合には、ステップS4904において、装飾図柄表示装置42に先入球検知対応表示、及び、疑似保留情報オブジェクトとしての疑似保留アイコン963を表示させるための疑似保留アイコン表示処理を行う。図67(a)に示すように、本実施形態の保留アイコン962は浮き輪を模した画像オブジェクトであり、疑似保留アイコン963は、保留アイコン962をぼかしたような(薄くしたような)画像オブジェクトとなっている。また、当該疑似保留アイコン表示処理では、現在保留されている変動表示(変動情報)の数を確認して、保留表示領域のうち対応する位置(この度の進入検知スイッチ941に検知された遊技球が第2始動入賞スイッチ224bに検知された場合に、対応する変動表示の保留を示す保留アイコン962が表示されることとなる位置)に疑似保留アイコン963を表示させることとなる。
さらに、本実施形態では、疑似保留アイコン963に付随して、疑似保留アイコン963の前方において、多数の泡が下から上に湧き上がっているような泡表示964が行われるようになっている。当該泡表示964のような、疑似保留アイコン963の視認性を低下させるような流動的な表示が行われることによって、疑似保留アイコン963の態様に変化があるのではないかということを遊技者に推測させることができる。
尚、疑似保留アイコン963を表示させる処理が行われることにより、本実施形態では、右打ち入賞ユニット901(入口役物931)に進入した遊技球が進入検知スイッチ941に検知された時点で、高入球状態である場合には、第2始動入賞装置33bへの入球に対応する(入賞を意味する)進入効果音Bが出力されるとともに、装飾図柄表示装置42において、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて変動表示が保留される(であろう)ことを示す疑似保留アイコン963が表示されることとなる。ちなみに、遊技球が右打ち入賞ユニット901(入口役物931)に進入してから進入検知スイッチ941に検知されるまでの時間は、概ね0.1秒〜0.5秒であるのに対し、高入球状態において、遊技球が右打ち入賞ユニット901(入口役物931)に進入してから第2始動入賞スイッチ224bに検知されるまでの時間は、概ね1秒〜8秒かかるようになっている。
ステップS4904の後、ステップS4905において、疑似保留アイコン963の表示中であることを示す疑似保留フラグをオン設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS4901で否定判別された場合には、ステップS4906において、疑似保留フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4906で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4906で肯定判別された場合には、ステップS4907において、第2始動入賞スイッチ224bの検知情報があるか否かを判別する。ステップS4907で肯定判別された場合には、ステップS4908において、疑似保留フラグをオフしてから、本処理を終了する。すなわち、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合というのは、高入球状態において、予定通り、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球した場合であり、また、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたのであれば、各種抽選(当否抽選等)が行われ、その結果等を示す情報が先発コマンドとして主制御装置261からサブ制御装置262に出力されることとなる。そして、サブ制御装置262では、かかる先発コマンドに含まれる情報や、先発コマンドの受信を契機として行われる各種抽選の結果等に基づいて、保留アイコン962の態様を決定し、装飾図柄表示装置42に表示させる。勿論、保留アイコン962を表示させるべき位置に、疑似保留アイコン963が表示されている場合には、疑似保留アイコン963に代えて保留アイコン962を表示させることとなる。
例えば、高入球状態において、図67(a)に示す状態から、第2始動入賞装置33bへの入球があり、対応する第2変動表示が保留されたことを示す場合には、図67(b)に示すように、泡表示964が消え、疑似保留アイコン963が保留アイコン962に切替表示される(本例では、疑似保留アイコン963が(通常の)保留アイコン962をぼかしたような態様のため、疑似保留アイコン963の輪郭や色相をはっきりさせれば保留アイコン962になる)。また、図67(c)に示すように、保留アイコン962として、通常のものと視認態様を変化させることで、対応する変動表示の内容を示唆する場合がある。尚、図67(c)の左から3番目の保留アイコン962は、大当たり状態が発生することを教示する態様である。
また、ステップS4907で否定判別された場合には、ステップS4909において、排出検知スイッチ943の検知情報があるか否かを判別する。ステップS4909で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4909で肯定判別された場合には、ステップS4910において、疑似保留アイコン963を消去する表示を行う。つまり、本実施形態では、右打ち入賞ユニット901に進入し、進入検知スイッチ941に検知された遊技球は、必ず、第2始動入賞スイッチ224b、第2カウントスイッチ223b、及び、排出検知スイッチ943のいずれかに検知されることとなる。このため、疑似保留アイコン963が表示されている状況で排出検知スイッチ943の検知が行われるような場合としては、高入球状態で進入検知スイッチ941で検知された遊技球が第2始動入賞スイッチ224bに検知されなかった場合であり、該遊技球が第2始動入賞スイッチ224bに検知されることを見越して表示した疑似保留アイコン963については、当該ステップS4910にて消去されるようになっている。ちなみに、装飾図柄表示装置42では、図67(a)に示す状態から、図67(d)に示す状態となる。
その後、ステップS4911にて、疑似保留フラグをオフした後、本処理を終了する。尚、ステップS4901及びステップS4902の判別に代えて、進入効果音Bを出力する旨の信号を受信したか否かの判別を行うこととしてもよい。肯定判別でステップS4903に移行し、否定判別でステップS4906に移行するように構成してもよい。
以上詳述したように、第5実施形態では、第2始動入賞装置33bと、第2可変入賞装置32bとが、右打ち入賞ユニット901としてユニット化されており、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入賞することのできる入球ポイント(本例では始動入賞口911の上方位置)に到達したにもかかわらず、始動シャッタ912が閉位置にあったために始動入賞口911に入賞することのできなかった遊技球を、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ922が開位置にあれば大入賞口921に入賞することのできる入球ポイント(本例では大入賞口921の上方位置)にまで案内する案内板919が設けられている。
このため、第2始動入賞装置33b、及び、第2可変入賞装置32bのうち、一方が閉状態であったために当該一方に入球できなかった遊技球が、他方の入球ポイント(入口)に至ることもなく、遊技領域から排出されてしまうといった事態を防止することができる。これにより、第2始動入賞装置33b、及び、第2可変入賞装置32bのうち、一方に入球することのできなかった遊技球が、他方に入球する可能性を確実に高めることができ、遊技領域の右側方領域に打ち出された(右打ちされた)遊技球がどの入賞装置にも入賞せずに遊技領域から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、右打ちされた遊技球のうち、どこかの入賞装置に入球した遊技球の数と、どこの入賞装置にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことを抑制することができ、かかるばらつきに起因する興趣の低下を抑止することができる。
さらに、第2始動入賞装置33bは、始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入球可能な第1入球ポイント(始動シャッタ912の上閉塞板912bに対応する位置)に遊技球が到達した際に始動シャッタ912が閉位置にある場合において、当該遊技球を始動シャッタ912が開位置にあれば始動入賞口911に入球可能な第2入球ポイント(始動シャッタ912の下閉塞板912cに対応する位置)へと案内する迂回部材915(導入路915a及び再突入路915b)を備えている。
加えて、第2可変入賞装置32bについても、大入賞シャッタ922が開位置にあれば大入賞口921に入球可能な第1入球ポイント(大入賞シャッタ922の上閉塞板922bに対応する位置)に遊技球が到達した際に大入賞シャッタ922が閉位置にある場合において、当該遊技球を大入賞シャッタ922が開位置にあれば大入賞口921に入球可能な第2入球ポイント(大入賞シャッタ922の下閉塞板922cに対応する位置)へと案内する迂回部材925(導入路915a及び再突入路925b)を備えている。
従って、始動入賞口911や大入賞口921の直上方位置に到達したものの、始動シャッタ912や大入賞シャッタ922が閉位置とされていたために、始動入賞口911や大入賞口921に入賞できなかった遊技球に対し、始動入賞口911や大入賞口921への入賞を試みる機会が再度付与されることとなり、遊技球が始動入賞口911や大入賞口921に入球する可能性を高めることができる。従って、高入球状態や第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態において、始動入賞口911や大入賞口921への入球を狙って発射された遊技球のうち、始動入賞口911や大入賞口921に入球する遊技球の数と、始動入賞口911や大入賞口921に入球しなかった遊技球の数との割合において、始動入賞口911や大入賞口921に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、始動入賞口911や大入賞口921に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させることができる。
特に、本実施形態では、高入球状態において遊技球を右打ち入賞ユニット901に進入(入球)させれば、その(ほぼ)全ての遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞することとなり、第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態において遊技球を右打ち入賞ユニット901に進入(入球)させれば、そのほぼ全ての遊技球が第2可変入賞装置32bに入賞することとなる。従って、上記作用効果が一層確実に奏されるとともに、遊技者間で高入球状態や第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態における出玉の差がより生じ難くなり、かかる出玉の差(不公平感)に起因して興趣の低下を招くといった事態を回避することができる。また、高入球状態や出玉有り大当たり状態では、遊技球の減り等を気にすることなく、右打ちするだけなので、より気楽に遊技を進行させることができる。
尚、本実施形態では、遊技球を右打ちする状態において、無駄球(遊技球がいずれの入賞装置にも入賞しないこと)の発生を抑制し、スムースに(テンポよく)遊技を進行させることができるといった作用効果が奏されるものの、右打ち時の遊技球の挙動としては、右打ち入賞ユニット901にまで到達してしまえば、ほぼ同じである。この点、本実施形態においても、右打ちのルート(右側方領域)だけでなく、左打ちのルート(左側方領域)も兼ね揃えており、左打ちでは、遊技者の操作で遊技球の打出す位置を調節することで、遊技球の挙動が比較的大きく変化することとなる。従って、遊技球の挙動がほぼ一定となることに起因して興趣の低下等を招いてしまうといった事態を回避することができ、左側方領域に遊技球を打ち出す状態において、遊技球の挙動を楽しむといったパチンコ機10本来の面白みを維持することができる。
一方、遊技者にとって有利な状態となった場合に右側方領域に遊技球を打ち出す構成とすることによって、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bへの入賞が見込めるにもかかわらず、遊技球が第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bに上手く入球しないといった事態を回避することができる。従って、遊技球を右打ちする状態では、遊技球が第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bに入球しないといったストレスをなくし、快適に遊技を進行させることができる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bが、第2可変入賞装置32bよりも遊技領域の上流側に位置し、第2始動入賞装置33bに入球しなかった遊技球が第2可変入賞装置32bに案内されるように構成されている。つまり、本実施形態の第2可変入賞装置32bは、迂回部材925を備えているため、閉状態にある第2可変入賞装置32bに到達した遊技球が閉状態を維持する第2可変入賞装置32bを抜けるまでに比較的多くの時間を要することとなる。このため、第2始動入賞装置33bが、案内板919を介して、第2可変入賞装置32bの下流側に位置する場合、遊技球が第2可変入賞装置32bになかなか到達しないといった事態を招くことになる。特に、一般に、第2始動入賞装置33bが複数回開放される際のインターバル(開状態とされる期間の間にある閉状態とされている期間)と、第2可変入賞装置32bが複数回開放される大当たり状態のインターバルとを比較しても、大当たり状態のインターバルの方が長く、それに併せて第2可変入賞装置32bの迂回部材925を設計すると、かかる傾向がより顕著なものとなる。
この点、本実施形態のように第2始動入賞装置33bを第2可変入賞装置32bの上流側に配置することによって、第2始動入賞装置33bを狙って遊技球を打ち出してから、該遊技球が第2始動入賞装置33bに到達するまでの時間を比較的短くすることができ、スムースな遊技の進行を図ることができる。加えて、例えば、第2始動入賞装置33bが案内板919を介して第2可変入賞装置32bの下流側にある場合には、閉状態が維持される状態の第2可変入賞装置32bに遊技球が到達すれば、第2始動入賞装置33bへの入球がほぼ確実となるのであるが、そこから実際に第2始動入賞装置33bへ入球するまで(第2始動入賞装置33bに検知されるまで)に比較的多くの時間を要することから、そのタイムラグに違和感を与えてしまうことが懸念されるが、第2始動入賞装置33bを第2可変入賞装置32bの上流側とすることで、かかる違和感の発生を回避することができる。
尚、大当たり状態中、第2可変入賞装置32bよりも上流側に位置する第2始動入賞装置33bにも遊技球が入賞する場合があるが、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく賞球が1個であり、遊技者の持つ遊技球の増減に関与するものではない。但し、特別図柄表示装置43L、43Rの変動表示を保留することができるとともに、大当たりラウンドの長さが短くなり過ぎてしまうといった事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、右打ちされた遊技球は、遊技釘等によって必ず右打ち入賞ユニット901に進入(入球)するとともに、遊技釘、誘導リブ942、及び、第2始動入賞装置33bの屋根部材917等によって、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912の上閉塞板912bに対応する位置に案内されるようになっている。つまり、第2可変入賞装置32bへは、遊技球が第2始動入賞装置33bの迂回部材915を経由し、案内板919によって案内されてきた場合にのみ到達可能に構成されている。このため、第2始動入賞装置33bを遊技球が経由することなく、第2可変入賞装置32bに到達するといった事態を防止することができる。従って、先ず第2始動入賞装置33bへの入球を図り、それがダメだった場合に、第2可変入賞装置32bへの入球を図るといった順番を順守させることができ、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
さらに、右打ちされた遊技球は、第2始動入賞装置33bに案内されるまでに、遊技釘や誘導リブ942等によって、蛇行させられながら遊技領域を移動するようになっている。このため、かかる遊技球の速度が速くなり過ぎてしまうこと等を低減させることができ、第2始動入賞装置33bに進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減させることができる。従って、第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、及び、案内板919における遊技球の流れを比較的スムースなものとすることができる。
また、本実施形態では、右打ち入賞ユニット901のベース板902、及び、遊技盤30前面との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、及び、案内板919の前方を覆う透明または半透明な前装飾板903が設けられている。当該前装飾板903によって、第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、及び、案内板919の一体感を高めることができる。つまり、第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、及び、案内板919の構造や、これらを移動する遊技球の複雑な動きに惑わされることなく、第2始動入賞装置33bが比較的頻繁に開放される高入球状態や、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態において、前装飾板903で覆われた部分に遊技球が至れば(前装飾板903の裏側に遊技球が入球すれば)、第2始動入賞装置33b又は第2可変入賞装置32bのどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、前装飾板903で覆われた部分としては、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの両方の機能を具備するものになるため、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとが別々に存在する構成しかなかった従来のパチンコ機10に比べ、目新しさを付与するとともに、これを利用した新たな演出等を導出することができる。
さらに、本実施形態では、右打ち入賞ユニット901の入口に相当する部位に入口役物931が設けられている。このため、右打ち入賞ユニット901の入口がどこなのかを分かり易くすることができる。また、入口役物931は回転変位可能に設けられており、高入球状態と、出玉有り大当たり状態と、それ以外の状態とで、姿勢が変化するようになっている。このため、入口役物931を視認し続けるだけでも、遊技球が第2始動入賞装置33b又は第2可変入賞装置32bのどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することができる。加えて、回転する入口役物931を利用して、装飾性や演出性の向上を図ることもでき、入口役物931を変位させることで、遊技球の打出し位置の目印としてより目立たせたりすることもできる。
尚、入口役物931は、たとえ変位している状態であっても、遊技領域の遊技球の移動経路に変化が生じないよう構成されている。つまり、入口役物931はあくまでも役物(飾り)であり、変位可能に構成されるものの、変位によって遊技球の移動経路に影響を及ぼすものではない。このため、たとえ入口役物931を複雑に動かす等しても、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bへ遊技球を良好に入球させることが可能である上、比較的自由に設計することもできる入口役物931の態様によって様々な情報を示唆・教示することもできる。さらに、入口役物931は回転変位する構成であるため、入口役物931を変位させることに伴って遊技球の移動経路に変化が生じないように構成しつつ、入口役物931を回転させる機構の大型化や複雑化を回避することができる。
また、本実施形態の前装飾板903は右打ち入賞ユニット901の一部であって、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bの球受部905と一体形成されるとともに、遊技盤30にねじ固定されるベース板902に対してねじ固定されている。このため、前装飾板903を内枠12の樹脂ベース38や前面枠セット14に取付けるために、内枠12や前面枠セット14等の形状を変更しなくても済む。このため、遊技盤30やこれに取付けられる各種部材だけを交換し、内枠12、前面枠セット14等はそのまま再使用するといったパチンコ機10のリユースをスムースに行うことができる。尚、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとがユニット化されて遊技盤30に取付けられていることから、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのパチンコ機10への着脱作業性の向上を図るとともに、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとの間の相対位置をよりきっちりと決めることができる。
さらに、前装飾板903には、前後に貫通し、遊技盤の前面側に立設された遊技釘を前方に露出させるための釘露出孔948が形成されている。かかる釘露出孔948によって、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bの近傍に遊技釘を設けたり、遊技釘の配置を気にすることなく、前装飾板903を比較的広範囲に(前装飾板903の外周縁が第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bから極力離間させるようにして)設けたりすることができる。特に、前装飾板903(及び入口役物931)は、遊技領域の遊技球が通過する部位よりも前方に位置することから、遊技者により近く、遊技盤30の前面や、遊技領域の周りや、前面枠セット14の前面等とともに、立体的な装飾や遊技領域の内周側及び外周側を跨いだモチーフの表現等を行うことができる。結果として、独創性に富んだ視認態様を実現することができる。
しかも、前装飾板903に釘露出孔948が形成されていることによって、遊技釘を避けるようにして前装飾板903の外周縁を形成しなくてもよいことから、前装飾板903のデザイン性の向上と、遊技釘による遊技球の移動ルートの形成とを両立させることができる。加えて、入口役物931の後方にも、遊技盤30への打込み量をその他の遊技釘よりも深くすることで、遊技盤30からの突出長が比較的短くされている遊技釘が配置されている。これらの構成を具備することによって、前装飾板903及び入口役物931が設置されることと引き換えに、(遊技盤30を正面視した場合の)遊技球が移動可能な領域が狭められてしまうといった事態を回避するとともに、前装飾板903や入口役物931の設置範囲においても遊技釘を配置することができる。従って、遊技釘を避けるようにして前装飾板903や入口役物931の外周縁を形成しなくても済み(前装飾板903及び入口役物931を避けるようにして遊技釘を配置しなくても済み)、右打ち入賞ユニット901のデザイン性の向上(例えば、上記実施形態のように、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの前方の範囲を含むより広範囲にわたるダイナミックな装飾)と、遊技釘による遊技球の移動ルートの形成とを両立させることができる。
さらに、長年の使用等により遊技釘の角度が変わる等して遊技釘のメンテナンス(角度調節等)が必要になった場合でも、前装飾板903を取外すことなくかかる作業を行うことができる。また、例えば、遊技釘の代わりに、前装飾板903に対して一体的に形成された樹脂製の棒状体を設けるような場合に比べ、耐久性の向上等を図ることができる
加えて、前装飾板903や入口役物931を設置するために遊技盤30とガラスユニット137の板ガラスとの間の距離を広げるといったことを行う必要もなく、パチンコ機10の基本設計を変更するとともに、パチンコ機10の前後幅が広がってしまう(遊技ホール等ではパチンコ機10の設置スペースが決まっており、前後幅が増えた場合、パチンコ機10の前面が前方の遊技者側に寄って遊技領域全体が見渡し難くなってしまうおそれがある)といった事態を回避することができる。
また、前装飾板903及び入口役物931は、ガラスユニット137よりも後方の遊技者側からでは接触不可能な位置に設けられていることから、外部からの接触によって前装飾板903及び入口役物931が損傷したり、パチンコ機10から離脱したりしてしまうといった事態を防止することができる。さらに、前装飾板903及び入口役物931は、ガラスユニット137の板ガラスから離間しているため、前装飾板903及び入口役物931の振動が透明体に伝達することに起因する異音の発生等を防止したり、製造誤差等により前装飾板903及び入口役物931とガラスユニット137とが圧接するような格好となってしまって前装飾板903及び入口役物931が損傷等してしまうことを防止したりすることができる。
また、前装飾板903には、遊技球の経路に対応して前後に貫通する球詰り解消孔949が形成されている。このため、万一、前装飾板903の裏側で球詰りが発生したとしても、球詰り解消孔949を介して前装飾板903を取外すことなく解消することが可能となる。さらには、前装飾板903の裏側を通過する遊技球の視認性を向上させることができる。
加えて、前装飾板903と、球受部905とを具備するカバーユニット907には、後方に開口するボス穴が形成された取付ボス908が設けられており、カバーユニット907をベース板902の前面に当接させて、取付ボス908と、ベース板902に形成された取付孔とを位置合わせし、ベース板902の後面側からねじ固定することによって、カバーユニット907とベース板902とが取付けられている。このため、前装飾板903の裏面側で前装飾板903の取付けに使用されるねじ等が視認されることを回避することができ、視認されることに起因する意匠性の低下を回避することができる。
また、本実施形態では、ベース板902を遊技盤30に取付ける際にもねじで固定することとしているが、基本的に、ベース板902の前方は前装飾板903で覆われており、ベース板902の遊技盤30へのねじ固定のためにベース板902に形成されたねじ孔945についても、前装飾板903で覆われている部位に形成されているものが存在する。これに対し、前装飾板903には、ベース板902のねじ孔945の前方に対応する位置において工具孔947が形成されている。このため、前装飾板903がベース板902の前方を覆っていても、工具孔947を介してドライバー等の工具を挿通させ、ベース板902の遊技盤30への取付作業を比較的容易に行うことができる。さらに、工具孔947が形成されているとはいえ、工具孔947とねじ孔945とは前後に離間しているため、基本的に、ねじ孔945に螺着されたねじ等は前装飾板903越しに視認されることとなる。従って、ねじ孔945に螺着されたねじ等が前方から視認され難くすることができ、かかるねじが視認されることでの意匠性の低下等を低減させることができる。
尚、右打ち入賞ユニット901を遊技盤30に対して係止手段によって係止させたり、遊技盤30に取付けられたベース板902に対して、カバーユニット907を係止手段によって係止させたりすることも考えられるが、取付状態が不安定になったり、一度取付けたら取外せなくなったりすることが懸念される。この点、第5実施形態のように、ベース板902とカバーユニット907とを取付けてから、ベース板902を遊技盤30に対して、前装飾板903の工具孔947を介して、ねじで固定することで、右打ち入賞ユニット901を遊技盤30に強固に取付けることができる(遊技球が衝突してもがたつかない)とともに、比較的容易に右打ち入賞ユニット901の取外しを行うこともできる。
加えて、右打ち入賞ユニット901の入口部分(入口役物931の後方)には、右打ち入賞ユニット901に進入(入球)した遊技球を検知する進入検知スイッチ941が設けられている。本実施形態では、右打ちされた遊技球は必ず右打ち入賞ユニット901に進入し、右打ち入賞ユニット901に進入した全ての遊技球が進入検知スイッチ941で検知されるとともに、必ず第2可変入賞装置32bの始動シャッタ912の上閉塞板912bに対応する位置に案内されるようになっている。このように、進入検知スイッチ941が設けられることによって、入口役物931及び前装飾板903で覆われた領域である右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入したことへのリアクションを比較的素早く発生させる(本例では、効果音が発生する)ことができ、右打ち入賞ユニット901に遊技球が入球したというイメージを強めることができる。従って、入口役物931及び前装飾板903で覆われた領域(右打ち入賞ユニット901)を、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとがまとめられた入賞領域としてより確実に認識させるとともに、右打ち入賞ユニット901に遊技球が入球したというイメージをより強めることができる。
さらに、右打ち入賞ユニット901(入口役物931)に遊技球が進入してから、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32b(特に、遊技領域下流側に位置する第2可変入賞装置32b)に遊技球が検知されるまでには、比較的長いタイムラグが生じることが懸念され、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bによる検知のタイミングで入球の報知を行ったとしても、(右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入したことの記憶が少し遠くなって)かかる報知がもはや何に対応しているかを把握し難い上、右打ち入賞ユニット901に進入した時点で何も反応がないと遊技者に不安感を与えてしまう。この点、進入検知スイッチ941の検知に基づいて所定の反応を示すことで、遊技者としては、右打ち入賞ユニット901に入球していった遊技球がパチンコ機10側でしっかりと認識(カウント)されているということが分かることから、安心感を得ることができる。尚、高入球状態時と出玉有り大当たり時とで進入検知スイッチ941の検知情報の基づく入球検知音が異なるため、入口役物931の姿勢等とともに、音声態様によっても、遊技球が第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを教示することができる。また、進入検知スイッチ941の検知に基づいて、変動表示の保留が行われるかもしれない(保留アイコン962が表示されるかもしれない)といった示唆演出(疑似保留アイコン963)を行うことができ、演出の多様化等を図ることができる。
また、本実施形態においても、遊技状況に応じて、遊技球を可変表示装置ユニット35の左方(左側方領域)に打ち出したり(左打ちしたり)、可変表示装置ユニット35の右方(右側方領域)に打ち出したり(右打ちしたり)するのであるが、進入検知スイッチ941が設けられていることによって、左打ちすべき状況のときに右打ちをしてしまっていることを把握することができる。従って、かかる情報に基づいて、正しい移動ルートを示す報知(左打ちアナウンス)を行うことができる。
さらに、本実施形態では、右打ち入賞ユニット901に入球し、進入検知スイッチ941にも検知された遊技球のうち、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球しなかった遊技球を検知する排出検知スイッチ943が設けられているとともに、右打ち入賞ユニット901に残存している遊技球の数を計数可能な残球カウンタが設けられている。このため、進入検知スイッチ941、第2始動入賞スイッチ224b、第2カウントスイッチ223b、及び、排出検知スイッチ943の検知情報に基づいて、不正な入球がないか、或いは、右打ち入賞ユニット901において球詰りが発生していないか等の確認を行うことができる。
また、本実施形態では、第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態において、各大当たりラウンド中に第2可変入賞装置32bに入賞した遊技球の数(第2カウントスイッチ223bの検知数)が、装飾図柄表示装置42において表示されるように構成されている。このため、かかる装飾図柄表示装置42でのカウント表示によって、右打ち入賞ユニット901の第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのうち、第2可変入賞装置32bに遊技球が入球したことをより明確に把握することができる。
尚、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく賞球が2個以上の場合、出玉有り大当たり状態において第2始動入賞装置33bに遊技球が入球するほど、遊技者が獲得できる遊技球の数が増えることとなる。かかる構成を採用する場合、かかる遊技球の増加具合が目で見えるように、例えば、装飾図柄表示装置42において、出玉有り大当たり状態中に第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球の総数、又は、当該入球に基づく賞球の総数を表示するように構成してもよい。
加えて、右打ちされ、右打ち入賞ユニット901に進入したものの、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球しなかった遊技球に関しては、前装飾板903や入口役物931で覆われていない遊技領域へと移動して(排出されて)から、アウト口36に入球するように構成されている。このため、遊技球が右打ち入賞ユニット901に入球したが、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入賞しなかったことを比較的分かり易く把握することができる。つまり、例えば、第2始動入賞装置33bや第2可変入賞装置32bが開状態とされるような状態ではないとき(例えば、通常モードや潜確モード)において、遊技球を右打ち入賞ユニット901に進入させても、当然、当該遊技球は、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球する筈がない。このとき、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球しなかった遊技球が遊技領域外に排出されるまで前装飾板903や入口役物931で前方が覆われた部位を移動し続けるとすると、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらかに入賞したのか、或いは、どちらにも入賞しなかったのかを視認し難い。
この点、右打ち入賞ユニット901へと進入したが、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらにも入球しなかった遊技球については、再び、前装飾板903や入口役物931で覆われていない右打ち入賞ユニット901外部の遊技領域へと移動するように構成されることで、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bが開状態とされるような状態ではないときや、右打ち入賞ユニット901内部における遊技球の一時的な球詰り等に遊技球が右打ち入賞ユニット901で覆われた部分に進入したにもかかわらず、対応する賞球(遊技球の払出し)がないとする勘違いに起因するトラブルや、興趣の低下等の発生を回避することができる。
また、第5実施形態によれば、遊技球が特定領域としての右打ち入賞ユニット901(の裏側の遊技領域)に進入してから第2始動入賞装置33bに入球するまで、ひいては、第2始動入賞スイッチ224bに検知されるまでの間に比較的長めのタイムラグが生じてしまう(第2始動入賞装置33bは第2可変入賞装置32よりも上流側に配置されて入るものの、右打ち入賞ユニット901の入口からは若干距離があり、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球する様子を直接見る場合と比較すると、やはり長めのタイムラグがある、対応する反応が遅いと感じられる可能性が高い)ような場合であっても、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球が、第2始動入賞装置33bよりも上流側(右打ち入賞ユニット901の入口部位である入口役物931の裏側)に配置される進入検知スイッチ941に検知された段階で、第2始動入賞スイッチ224bの検知があった場合に装飾図柄表示装置42に表示されることとなる保留アイコン962を模した疑似保留アイコン963を表示させるように構成されている。つまり、遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入したものの、それに対するリアクションがなく、遊技球を右打ち入賞ユニット901に進入させることに何か意味があるのか等といったような不安を遊技者に与えてしまうといった事態を防止したり、遊技者が第2始動入賞スイッチ224bに遊技球を入球させている実感がわかないといった事態を抑制したりすることができる。従って、複数の入賞装置(第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32b)が設けられた右打ち入賞ユニット901を有する構成において、より好適な遊技の進行を図ることができる。
さらに、本実施形態では、進入検知スイッチ941の検知があった場合に、高入球状態であるか否かを判別し、高入球状態であると判別された場合にのみ、すなわち、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ224bに検知され、保留アイコン962が導出される可能性がある場合にのみ、進入検知スイッチ941の検知に基づいて疑似保留アイコン963を導出するように構成されている。従って、例えば、高入球状態以外の状態(例えば、左打ちする通常状態)においても進入検知スイッチ941の検知に基づいて疑似保留アイコン963が導出されてしまう(疑似保留アイコン963が表示されるものの、一向に変動表示が行われることがなく、疑似保留アイコン963そのものも消去されてしまう)といった事態を回避することができ、遊技者に混乱を招いたり、遊技者に不快感等を与えたりしてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、疑似保留アイコン963が表示されている状態で、右打ち入賞ユニット901から排出される遊技球を検知する排出検知スイッチ943の検知、又は、第2カウントスイッチ223bの検知が行われた場合には、疑似保留アイコン963を(1つ)消去するように構成されている。これにより、高入球状態において遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入し、進入検知スイッチ941に検知されたものの、第2始動入賞装置33bに入球することなく、右打ち入賞ユニット901から排出されてしまった(例えば、高入球状態が進入検知スイッチ941の検知直後のタイミングで終了した)というような場合に、疑似保留アイコン963が、保留アイコン962に切替表示される可能性がないにもかかわらず、装飾図柄表示装置42において疑似保留アイコン963が表示され続けてしまうといった事態を回避することができる。
加えて、本実施形態では、高入球状態において進入検知スイッチ941の検知が行われた場合には、第2始動入賞装置33bへの入球に対応する効果音(進入効果音B)が出力されるとともに、疑似保留アイコン963が表示されることとなる。このように、遊技者が遊技球を高入球状態において進入検知スイッチ941に進入させることで、第2可変入賞装置33bへの入球に対応する(第2可変入賞装置33bへの入球を予想させる)リアクションが導出されることから、遊技者にとっての遊技球を第2始動入賞装置33bに入賞させた、ひいては、遊技を進行させているという(疑似的な)実感をより強めることができる。
尚、本実施形態では、進入検知スイッチ941の検知が行われた場合であって、高入球状態である場合には、進入効果音Bを発生させ、かつ、疑似保留アイコン963を表示させ、第2可変入賞装置32bが開放される出玉有り大当たり状態である場合には、進入効果音Aを発生させ、それ以外の状態、例えば、左打ちするような状態である場合には、左打ちしてくださいといったアナウンス表示が行われるように構成されている。つまり、右打ち入賞ユニット901に遊技球が進入して間もなく、高入球状態であれば第2始動入賞装置33bに入球すること、第2可変入賞装置32bが開放される出玉有り大当たり状態であれば第2可変入賞装置32bに入球することを、右打ち入賞ユニット901の内部を直接視認して確認していなくても、効果音や装飾図柄表示装置42における表示態様によって把握することができる。従って、遊技者は、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bが右打ち入賞ユニット901として1つにユニット化されたような構成を具備するパチンコ機10を遊技しても、違和感なく、かつ、比較的スムースに遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、装飾図柄表示装置42の保留表示領域961の疑似保留アイコン963(上記例では、基本的に浮き輪)が表示される場合には、疑似保留アイコン963とは異なる態様の付加表示としての泡表示964が、疑似保留アイコン963の前方に重なるようにして表示されるようになっている。さらに、疑似保留アイコン963が保留アイコン962に切替表示された場合には、疑似保留アイコン963に対応して表示されていた泡表示964が消去されるようになっている。
このように、疑似保留アイコン963とともに泡表示964を導出し、疑似保留アイコン963の態様を、少なくとも一部が明らかにされていない態様とすることによって、疑似保留アイコン963の態様が確定していない、ひいては、疑似保留アイコン963に更なる変化の可能性がある(保留アイコン962になる)といった印象を強く与えることができる。結果として、遊技者が疑似保留アイコン963と、保留アイコン962とを混同してしまうといった事態を抑制することができ、疑似保留アイコン963を保留アイコン963と勘違いすることで発生し得るトラブル(例えば、疑似保留アイコン963が行われただけであるが、これを保留アイコン962と勘違いすることで保留アイコン962が表示された場合に実行され得る変動表示処理等が実行されないじゃないか、当否抽選が無効にされたのではないか等というような抗議を遊技者が遊技ホール等にするトラブル)の発生を抑制することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施形態では、特定ポイントとしての始動入賞口402の上方位置から、導入路412、及び、再突入路414を経て、再び始動入賞口402の上方位置に至る遊技球の再突入ルートは、始動入賞口402の上方位置(始動入賞シャッタ405の左部に相当)において交差するように構成されているが、交差しないように(同じ場所を2度と通過しないように)構成してもよい。この場合、案内台407から始動入賞口402の上方位置に飛び出してきた遊技球と、再突入路414を経由して再度始動入賞口402の上方位置に飛び出してきた遊技球とが衝突し、弾けて、始動入賞口402に入賞しなくなってしまうといった事態をより確実に回避することができる。例えば、案内台407から遊技球は始動入賞シャッタ405のうち導入路412側である左部に落下し、再突入路414から遊技球は始動入賞シャッタ405のうち排出開口部411側である右部に導出されるように構成してもよい。
尚、上記実施形態では、再突入ルートが交差しているものの、始動入賞口402の上方位置であるため、その位置で遊技球同士がぶつかってもぶつかり合った双方の遊技球が始動入賞口402に入る可能性が高い。従って、始動入賞口402の上方位置以外で再突入ルートが交差している場合に比べて、遊技球同士が始動入賞口402への入賞を阻害し合ってしまうといった事態を抑制することができる。
(b)また、上記第1実施形態では、始動入賞シャッタ405が閉位置にあるときに、始動入賞シャッタ405の上面、導入路412、及び、再突入路414を経て、もう一度だけ始動入賞口402の上方位置に戻るように構成されているが、1つの遊技球が3度以上、始動入賞口402の上方位置にアクセス可能なように構成してもよい。例えば、図45、図46に示すように、始動入賞口402及び始動入賞シャッタ405を段差状に構成する。すなわち、始動入賞シャッタ405を、上下に延びる連結板491と、連結板491の上辺部から左方に延びる上閉塞板492と、連結板491の下辺部から右方に延びる下閉塞板493とを備えるように構成し、始動入賞口402も対応する形状にする。
さらに、始動入賞シャッタ405よりも奥側に位置する再突入路(第1突入路494)に加え、始動入賞シャッタ405の手前側にも再突入路(第2突入路495)を形成する。そして、始動入賞シャッタ405が閉位置にあるときに、遊技球が案内台407から始動入賞口402の上方位置に案内された場合、遊技球は、始動入賞シャッタ405のうち上閉塞板492に落下し、導入路412を介して、第1突入路494に進入する。第1突入路494を経由した遊技球は、始動入賞口402の上方位置、より具体的には、始動入賞シャッタ405のうち上閉塞板492に対応する位置に飛び出すこととなる。このタイミングでも始動入賞シャッタ405が閉位置とされていた場合には、遊技球は、上閉塞板492を前方に向けて横断し、第2突入路495に進入する。第2突入路495を経由した遊技球は、始動入賞口402の上方位置、より具体的には、始動入賞シャッタ405のうち下閉塞板493に対応する位置に飛び出すこととなる。このタイミングで始動入賞シャッタ405が開放されていた場合には遊技球が始動入賞口402に入賞し、始動入賞シャッタ405が閉位置とされていた場合には、遊技球が下閉塞板493の上面に案内されて、排出開口部411から排出されることとなる。
尚、当該態様例の第2始動入賞装置33bは、遊技盤30とガラス枠ユニット137との間の空間には収まらないため、遊技盤30を削って導入路412をより後方に配置し、案内台407では遊技球を斜め後方に飛び出させるように構成する。
(c)上記第1実施形態において、導入路412及び再突入路414の少なくとも一方に対し、遊技球に推進力を付与する推進力付与手段を設けることとしてもよい。例えば、導入路412の下面から上部が露出するローラと、ローラを回転させるモータとを設けることとしてもよい。また、例えば、導入路412及び再突入路414にベルトコンベアのような移動手段を敷設することとしてもよい。
尚、始動入賞口402の上方位置にある閉位置の始動入賞シャッタ405上面を通過した遊技球を、もう一度、始動入賞口402の上方位置に戻すといった構成上、導入路412は始動入賞口402から離間する方向側に上方傾斜させる必要があり、遊技球は導入路412を駆け上がるといった格好になる。
(d)上記第1実施形態の始動入賞シャッタ405の例えば上面や、始動入賞シャッタ405の下面を受ける始動入賞口402の開口周縁部に対して、遊技球を受けた際の衝撃を緩和する緩衝材(ゴムや比較的軟質の熱可塑性エラストマー等)を設置してもよい。この場合、破損や衝突音の発生を抑制することができる。尚、緩衝材に関しては、第2実施形態の大入賞シャッタ434や第3実施形態の始動入賞シャッタ405に適用することも可能である。
(e)第2実施形態では、遊技球を入賞口に直ちに入賞可能な状態のまま所定時間移動させるといった構成を第2可変入賞装置32bに具体化しているが、かかる第2可変入賞装置32bのような構造を第2始動入賞装置33b等の所定の抽選に利用される始動入球手段に適用することも可能である。この場合、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を短期集中的に始動入球手段に入球させることができ、始動入球手段に入球した場合に付与される賞球を減らしたとしても、始動入球手段への入球数が増える(発射総数に対する入球割合が増える)ことから、持ち球の減るスピードが速くなり過ぎてしまうことを防止又は抑制することができる。さらに、始動入球手段への入球数が増えることで、抽選の機会が増え、抽選をより多く受けられることや演出機会が増えることによる興趣の向上を図ることができる。また、新たな遊技性を生み出すこともできる。
(f)上記第2実施形態では、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434が前後にスライドするように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、上下にスライドして前後に開口する大入賞口を開閉するように構成したり、回動可能に構成したりしてもよい。さらに、上記第2実施形態では、閉状態にある第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434の上面に載り、大入賞シャッタ434の長手方向一端部側である右端部近傍部位から、長手方向他端部側である左端部にまで移動するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、大入賞シャッタ434が開放されたら直ちに大入賞口432に入球できるような状態で遊技球を極力長く移動させることができるようになっていればよい。
例えば、第2可変入賞装置32bを図58に示すように構成してもよい。すなわち、図58の第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、上下に延在して大入賞口432を閉塞する閉位置と、前後に延在して大入賞口432を開放する開位置との間を、閉位置にある際の上縁部に沿って左右に延びる軸線方向を中心に回動可能に構成されている。また、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合に第2可変入賞装置32bに到達した遊技球を受け止める受部材801を備えている。受部材801は、大入賞口432の下縁部から前方に延びる受板802と、受板802の前縁部から上方に延びる前板803とを備え、透明な樹脂材料で一体的に形成されている。
受板802の少なくとも上面(受面)は、左方に向けて若干下方傾斜している上、さらに、後方に向けて若干下方傾斜している。このため、受部材801に受け止められた遊技球は、後方の大入賞シャッタ434に当接した状態を維持しつつ、受部材801上を左方に移動するようになっている。そして、大入賞シャッタ434が開位置とされた場合には、受部材801を移動しながら大入賞シャッタ434に寄り掛かっていた遊技球は、大入賞シャッタ434の支えが外れることから、後方傾斜する受板802に案内され、奥側の大入賞口432に入球することとなる。尚、遊技球が受部材801に受け止められたものの、受部材801の左端に遊技球が至るまでに大入賞シャッタ434が開放されなかった場合には、第2可変入賞装置32bの外部に排出される。
以上のように第2可変入賞装置32bを構成した場合においても、遊技球が大入賞口シャッタ434に寄り掛かっているといった第2可変入賞装置32bが開状態とされれば直ちに大入賞口432に入球可能な状態のまま、大入賞口シャッタ434の長手方向に沿って遊技球を移動させることができるため、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった上記第2実施形態と基本的に同様の作用効果が奏される。
(g)上記第2実施形態では、閉位置にある大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の長手方向である左右方向一端部付近から他端部側に向けて移動させることで、大入賞シャッタ434に載っている時間を極力長くするように構成されているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、閉位置にある大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の上面において、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させるように構成してもよい。
例えば、図56に示す第2可変入賞装置32bには、大入賞シャッタ434の上面に複数の凸部を適宜形成することによって、大入賞シャッタ434の上面を移動する遊技球を蛇行させる入球機会付与手段としての案内溝811が設けられている。本態様例においては、第2可変入賞装置32bの上流側に配置される遊技釘等の遊技部材によって、第2可変入賞装置32bに進入する遊技球が、大入賞シャッタ434の案内溝811の最上流位置である右端部近傍部位812(その他の部位よりも幅広になっている)に案内されるように構成されている。
また、図56(b)に示すように、第2可変入賞装置32bを遊技盤30に取付けるための取付板431うち、大入賞シャッタ434を出没させる収容開口部408よりも上方の部位(以下、上ベース部813と称する)は、その前面が上方に向けて後方傾斜している。上ベース部813の下端部(収容開口部408の上縁部)は、大入賞シャッタ434の上面を移動する遊技球の中央部よりも下方に位置するようになっており、大入賞シャッタ434上を移動する遊技球が後方に移動した場合には、上ベース部813が遊技球の中央よりも下側の部分と当接することとなる。このため、閉位置にある大入賞シャッタ434が後方の開位置へと変位する際に、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が案内溝811の前縁部を画定する段差に引っ掛かるようにして後方に移動し、上ベース部813側に押し付けられたとしても、遊技球は、上ベース部813の前面に案内されて上方に変位しながら、案内溝811の前縁部を画定する段差を相対的に乗り越え、大入賞口432に入球するようになっている。
以上のように、大入賞シャッタ434の上面において蛇行する案内溝811を形成し、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球を、蛇行させながら、当該大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させることで、大入賞シャッタ434が開位置となれば遊技球を大入賞口432に入球させることのできる状態をより長時間キープすることができる。従って、第2可変入賞装置32bが複数回開状態とされる期間において、第2可変入賞装置32bが閉状態となっている際に第2可変入賞装置32bに到達するようなタイミングで遊技球を打ち出してしまっても、当該遊技球は、第2可変入賞装置32bが開状態とされたならば直ちに第2可変入賞装置32bに入球可能な位置において移動しつつもその範囲内で極力留まり、第2可変入賞装置32bが次に開状態とされるタイミングを待つことができる。結果として、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった上記第2実施形態の作用効果が一層確実に奏されることとなる。
特に、本態様例では、大入賞シャッタ434の上面に載っている遊技球を、左右に長い略矩形状の大入賞シャッタ434の長手方向に対して交差する方向に蛇行させながら大入賞シャッタ434の長手方向下流側に向けて、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させている。一般に、遊技盤30とその前方に配置される透明なガラスユニット137とによって画定される遊技領域の前後の幅は、遊技球の直径(約11mm)の2倍よりも狭くなっている。このため、大入賞シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の大入賞シャッタの短手方向に対して交差する方向に蛇行させながら、又は、略円形状の大入賞シャッタの中心側から外周側に向けて旋回させながら、大入賞シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させようとすると、大入賞シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くする必要が生じる上、大入賞シャッタ上を移動する遊技球の好適なスタート地点として遊技盤30の前面よりも後方のポイントを選択せざるを得なくなってしまうおそれがある。この場合、構成の複雑化等を招くおそれがある。この点、大入賞シャッタ434の上面に載っている遊技球を、略矩形状の大入賞シャッタ434の長手方向に対して交差する方向に蛇行させるだけであれば、大入賞シャッタ434の前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くしなくても、大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させることができる。従って、かかる不具合を払拭することができる。
また、例えば、大入賞シャッタ434に凹凸を形成するのではなく、閉位置にある大入賞シャッタ434の上方において、大入賞口432の開口周縁部から内周側に突出する突部を形成することで入球機会付与手段を構成し、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球を前記突部で誘導して蛇行させながら移動させるといった構成を採用してもよいが、その場合、大入賞シャッタ434を開位置に変位させても、突部が大入賞口432の開口周縁部から内周側に突出したままの状態で残ることとなる。このため、大入賞口432への遊技球の入球し易さが低下してしまうおそれがあることから、上記態様例のように、大入賞シャッタ434に直接案内溝811を形成することによって、大入賞シャッタ434が開位置へと変位すれば、当然案内溝811についても、全体が遊技領域外に退出するため、かかる不具合を払拭することができる。
さらに、取付板431のうち、閉位置にある大入賞シャッタ434に載っている遊技球に当接する可能性のある上ベース部813の前面は、上方に向けて後方傾斜しており、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が、後方の開位置へと移動する大入賞シャッタ434の案内溝811の前縁を画定する段差に引っ掛かって上ベース部813に押し付けられたとしても、上ベース部813に乗り上げるようにして上方に変位し、比較的スムースに大入賞シャッタ434(の案内溝811の段差)を乗り越えることができる。このため、閉位置にある大入賞シャッタ434が後方の開位置へと変位する際に、案内溝811の前縁を画定する段差と、上ベース部813との間に、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が挟まれるようにして圧接され、その力に起因して遊技球が弾け飛んで行ってしまうといった事態を回避することができる。従って、大入賞シャッタ434を開位置とする際に大入賞シャッタ434に載っていた遊技球をより確実に大入賞口432に入球させることができるとともに、第2可変入賞装置32b等の損傷を抑制することができる。
尚、大入賞シャッタ434が開きさえすれば直ちに大入賞口432に入球し得る状態で所定距離移動させる構成の変形例として、例えば、図58に示すように、大入賞シャッタ434の前面や受板802の上面に対して入球機会付与手段としての小突起805を設けることとしてもよい。当該小突起805の存在により、受部材801を移動する遊技球の移動速度が抑制されることとなる。従って、第2可変入賞装置32bが開状態とされれば直ちに大入賞口432に入球可能な位置において遊技球を極力長時間滞在させ、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった作用効果がより一層奏される。
さらに、例えば、大入賞シャッタの上面を中央が低く左右が高い略円弧状に形成し、大入賞シャッタに載った遊技球が左右に往復転動するとともに、勢いが弱まった場合に大入賞シャッタから落下するように構成してもよい。尚、当該構成(遊技球を大入賞シャッタ上で左右に往復転動させる構成が入球機会付与手段に相当する)を採用する場合には、大入賞シャッタ上を転動した遊技球を大入賞シャッタ上から前方又は後方にこぼして第2可変入賞装置の外部に排出することができないといけないため、遊技盤30に孔又は穴を形成して、大入賞シャッタの前後に遊技球を第2可変入賞装置の外部に排出するための通路を形成する必要がある。
加えて、例えば、前方に開口する大入賞口432を閉塞する閉位置と、閉位置よりも下方から下方に変位して大入賞口432を開放する開位置との間を変位可能な大入賞シャッタ434と、受部材801の受板802の上面から上方に出現して受板802上に案内溝811を形成する出現位置と、受板802の上面から下方に退出する没入位置との間を変位可能な案内部材とを設け、大入賞シャッタ434が開位置とされれば、案内部材も没入位置とされるといった具合で連動するよう構成してもよい。
(h)また、第2実施形態において、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434の形状としても特に限定されるものではない。例えば、左右に延びる回転軸と、回転軸から遠心方向に延びる複数の羽根型開閉板とを備え、羽根型開閉板で大入賞口を閉塞するとともに、回転軸が回転し、遊技球を載せている羽根型開閉板が下方に回動することで、載っている遊技球が大入賞口432に入賞するように構成してもよい。
さらに、上記第2実施形態では、第2可変入賞装置32bの始動入賞シャッタ405が開位置とされた場合、大入賞シャッタ434に載っていた遊技球の全てが大入賞口432に入球するように構成されているが、かかる構成に限定されず、少なくとも入球の可能性が高まっていればよい。例えば、大入賞シャッタ434を大入賞口432から上流側にはみ出すようにして右上に延長させてもよい。また、大入賞シャッタ434を延長させる構成に代えて、閉位置にある大入賞シャッタ434の上端部に隣接させて、整流手段としての上記第4実施形態の受付台479のようなスタート台を設け、当該スタート台に遊技球を経由(落下)させてから、大入賞口432側に案内されるような構成としてもよい。この場合、大入賞口432側に進入する遊技球の速度や角度等のばらつきを抑制することができるとともに、大入賞シャッタ434の損傷をより一層抑制することができる。尚、スタート台は、大入賞シャッタ434よりも衝撃に強く構成されている(衝撃を和らげる手段を備えている、又は、自身の強度が高い)こととしてもよいし、着脱可能に構成され、交換可能であることとしてもよい。
(i)また、例えば、図57に示すように、第2可変入賞装置32bを構成してもよい。すなわち、図57に示す第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、上方に開口する大入賞口432を閉塞する閉位置と、大入賞口432を開放する開位置との間を前後に変位可能な第1シャッタ821と、第1シャッタ821の上方において、第1シャッタ821から遊技球の直径以上の距離を隔てて併設され、第1シャッタ821を挟んで大入賞口432の上方に位置する閉位置と、大入賞口432の上方から退出する開位置との間を前後に変位可能な第2シャッタ822とを備えている。第1シャッタ821及び第2シャッタ822は、同時に、開位置記閉位置との間を変位可能に構成され、本態様例では、両者が一体的に形成されている。
第2シャッタ822は、左方に向けて若干下方傾斜している。また、第1シャッタ821は、右方に向けて若干下方傾斜している。さらに、第1シャッタ821は、第2シャッタ822よりも左右幅が大きく、左端部が第2シャッタ822の左端部よりも遊技球の直径以上左方に位置しているとともに、第1シャッタ821には、左端部から上方に突出するストッパー823が形成されている。また、本態様例においては、第2可変入賞装置32bの上流側に配置される遊技釘等の遊技部材によって、第2可変入賞装置32bに進入する遊技球が、第2シャッタ822の上流側に位置である右端部近傍部位に案内されるように構成されている。
そして、閉位置にある第2シャッタ822に落下した遊技球は、当該第2シャッタ822上を左方に移動して左端部から落下することとなるが、当該遊技球は、閉位置にある第1シャッタ821の左端部近傍部位に着地し、今度は、第1シャッタ821上を右方に移動する。また、閉位置にある第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置へと変位した場合には、第1シャッタ821及び第2シャッタ822に載っているほぼ全ての遊技球が大入賞口432に入球することとなる。尚、第1シャッタ821上を第1シャッタ821の右端部にまで移動してしまった遊技球は、第2可変入賞装置32bから外部に排出されることとなる。
以上のような構成を採用する場合、第1シャッタ821に落下(進入)する遊技球の位置や速度を第2シャッタ822である程度限定することができ、第1シャッタ821上における遊技球の移動を好適なものとすることができる。また、閉位置にある第1シャッタ821に載っている遊技球だけでなく、閉位置にある第2シャッタ822に載っている遊技球についても、第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置へと変位することで、大入賞口432に入球することから、遊技球を効率的に大入賞口432に入球させるといった上記第2実施形態と同様の作用効果がより一層確実に奏される。
尚、上記態様例において、第2シャッタ822の直下方位置において遊技釘を設置することとしてもよい。但し、当該遊技釘は、閉位置にある第2シャッタ822が開位置となった場合に閉位置にあるときに第2シャッタ822に載っていた遊技球が大入賞口432に入球可能な配置とされる上、閉位置にある第1シャッタ821上を移動する遊技球の移動を阻害しないように配置されることとする。このような構成を採用する場合、第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置にある状態で、第2シャッタ822よりも上方位置から、途中で遊技釘等の遊技部材に一切接触することなく大入賞口432に対して比較的高い位置からダイレクトに遊技球が飛び込んだ場合に、当該遊技球を受け止める際の衝撃が比較的大きくなってしまうという事態を防止することができる。また、かかる遊技釘で第2シャッタ822の下面を支えるように構成することも可能である。
(j)上記第2実施形態において、左下に傾斜する大入賞シャッタ434の上面には、遊技釘や役物等によって、左上方位置から右下方に向けて遊技球が案内される(落下する)ように構成してもよい。この場合、大入賞シャッタ434の上面の傾斜方向とは反対方向に遊技球を落下させることとなり、大入賞シャッタ434上を移動する遊技球の(初)速度を極力遅くすることができる。
(k)上記第3実施形態において、切替え板451(切替え板459)の設置位置は特に限定されることなく、始動入賞口402の上流側であれば基本的問題はない。但し、切替え板451と始動入賞口402との間の距離が変化すれば、当然、切替え板451の開状態と閉状態との切替えのタイミングも変化するため、相対位置や形状等に変化があれば、シミュレーションなどに基づいて対応する設計を行う必要がある。
(l)上記第3実施形態において、始動入賞シャッタ405の開閉タイミングと、切替え板451(切替え板459)の動作タイミングとを同期させる同期手段を設けることとしてもよい。同期手段としては、例えば、機械的に連動させる連動機構であってもよいし、開放・作動契機、及び、開放・作動条件を同じにしてそれぞれ開放・作動させる制御手段であってもよいし、始動入賞シャッタ405の開放タイミングを計ってタイミングを合わせる制御手段であってもよい。
(m)第1実施形態の第2始動入賞装置33bと、第2実施形態の第2可変入賞装置32bと、第3実施形態の第2始動入賞装置33bとを適宜組合わせて使用することも可能である。
(o)上記第4実施形態において、第2始動入賞装置33bの形状は特に限定されるものではなく、例えば、第1始動入賞口472を第2始動入賞口473よりも左上方に配置し、遊技球が左から右に流れるように構成してもよい。加えて、連絡通路477についても、例えば、遊技球を旋回させながら流下させる構成としてもよい。
さらに、第4実施形態では、第2始動入賞装置33bにおいて、第1始動入賞口472、及び、第2始動入賞口473が存在するが、例えば、入口が左右に幅広の1つの始動入賞口(入球を検知する始動入賞スイッチ224bは1つ)があり、入口の右端と左端とにおいて遊技球が入球可能に構成されるとともに、中間位置は連絡通路477で閉塞され、また、入球可能部がそれぞれシャッタにより開閉可能に構成されてもよい。尚、第2始動入賞装置33bに設けられる始動入賞口の数を3つ以上としてもよい。
(p)上記第4実施形態では、第2始動入賞装置33bの第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のどちらに遊技球が入球しても付与される特典が同じであったが、異なるように構成してもよい。例えば、上記第4実施形態のように、第2始動入賞装置33bに遊技球が進入したとしても、いずれの始動入賞口472、473にも入賞することなく、第2始動入賞装置33bから排出される可能性がある構成の場合、後のタイミングで入賞の可能性がある第2始動入賞口473に入賞した方が、第1始動入賞口472に入賞するよりも手厚い(大きい・多い)特典が付与されるように構成してもよい。特典としては、例えば、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて払出される遊技球の数が多い、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて行われる当否抽選の当選確率が高い、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて行われる当否抽選にて当選した場合の大当たり種別の振分けが遊技者に有利、第2始動入賞口472に入賞した遊技球を検知する始動入賞スイッチ224bが複数ある(特別図柄の変動表示が複数保留される)、第2始動入賞口472に入賞した遊技球を検知する始動入賞スイッチ224bとスルーゲートスイッチ225とがある(特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とが保留される)等が挙げられる。尚、第2始動入賞口473へは第1始動入賞口472が第1シャッタ474で閉鎖されている場合にしか遊技球が到達できず、かつ、遊技球が第1シャッタ474を通過し、第2シャッタ475を通過する前に、第2シャッタ475が開放されないと入球することができないことから、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473への入球に基づいて付与される特典を異ならせる場合には、(入球の難易度的に、或いは、単純に見た目の面白さの点で)第2始動入賞口473への入球に基づいて付与される特典の方が遊技者にとってより有利なものであることが望ましい。
さらに、第2始動入賞装置33bに遊技球が進入すると、遊技球が複数ある始動入賞口のいずれかに必ず入賞する(或いは、所定の期間中に第2始動入賞装置33bに遊技球が進入すると、遊技球が複数ある始動入賞口のいずれかに必ず入賞する)ように構成される場合、遊技球が後のタイミングで入賞の可能性がある始動入賞口よりも、先のタイミングで入賞の可能性がある始動入賞口への入賞の方が手厚い特典が付与されるように構成してもよい。また、第2始動入賞装置33bの始動入賞口が3つ以上ある場合には、中間地点にある始動入賞口への入賞の特典を大きく(多く)してもよい。加えて、入賞の特典が大きい(多い)方の始動入賞口の方が、小さい(少ない)方の始動入賞口よりも遊技者側となる前側に位置する(目立つ位置にある)ように構成することが望ましい。
尚、第4実施形態の第2始動入賞装置33bの構成を別の対象、例えば、第2可変入賞装置32b等に具体化してもよい。つまり、この場合は、第2可変入賞装置32bの大入賞口が複数あり、各大入賞口を開閉するシャッタや、大入賞口間を繋ぐ連絡通路等によって、シャッタによって上流側の大入賞口への入賞が拒否された遊技球が下流側の大入賞口へ順次案内されるように構成することとなる。また、上記第4実施形態のように所定の入賞口への入球がかなわなかった場合に別の入賞口に当該遊技球を案内するといった構成を始動入賞装置に具体化する構成に代えて、又は、加えて、可変入賞装置に適用することも可能である。
(q)また、第4実施形態において、連絡通路477を通過する遊技球の通過速度を遅らせる速度低下手段を備えていることとしてもよい。例えば、遊技球で羽根を押し退けて回転させる風車を設置したり、遊技球の通過する方向とは反対側に遊技球を送る向きに回転するローラ(例えば、偏心していて遊技球を反対側に送れない位相があり、連絡通路477に進入した遊技球は必ず下流側に移動して第2始動入賞口473の上方位置に至る)を設置したりしてもよい。
(r)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々のテーブルが参照され、大当たり種別の振分けが変化するように構成されているが、同じにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、入球した遊技球の検知に基づいて特別図柄の変動表示が行われる始動入賞装置33a、33bが2つ設けられるとともに、大当たり状態や小当たり状態に際して開放される可変入賞装置32a、32bが2つ設けられ、通過した遊技球の検知に基づいて普通図柄の変動表示が行われるスルーゲート34が1つ設けられているが、これらの数や配置等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。
(s)上記実施形態では、既に保留されている第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(第1変動表示)よりも後に保留された第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が優先的に消化されるよう構成されているが、第1変動表示であるか、第2変動表示であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるように構成してもよい。
(t)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS210〜ステップS219で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS209で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(u)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理に応じた処理が行われるように構成してもよい。
(v)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
(w)上記第5実施形態において、第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの構成は特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、上記第1実施形態の第2始動入賞装置33b(図38等参照)のように、遊技球が始動入賞口911上方の同じ位置を2度通過可能なように構成してもよい。また、例えば、上記第2実施形態の第2可変入賞装置32b(図40等参照)のように、大当たり状態のインターバル中に第2可変入賞装置32bに到達した遊技球が、インターバルの間、大入賞シャッタ434の上を移動し続けるように構成してもよい。さらに、例えば、図44のように、第2始動入賞装置33bの上流側において状況に応じて遊技球の第2始動入賞装置33bへの到達を遅延させることのできる機構を設けるように構成してもよい。但し、上記第5実施形態のように、遊技球が第2始動入賞装置33bを経由しなければ第2可変入賞装置32bに入球できないといった構成を採用する場合においては、図45のように遊技球を停留させてしまうと、遊技自体が滞ってしまうことが懸念されるため、遊技球の流れ自体は止めないように構成することが望ましい。尚、第1始動入賞装置33a(或いは、これに開閉部材の付いたもの;図41の第2始動入賞装置33b参照)や第1可変入賞装置32aのように、一般的な構成としてもよい。
また、例えば、第2可変入賞装置32bとして、大入賞口921に入球した遊技球を、遊技球の検知に基づいて所定数の遊技球の払出しが行われるカウントスイッチへ案内する第1通路と、大入賞口921に入球した遊技球を、遊技球の検知に基づいて確変モードの継続、又は、大当たりラウンドの継続の権利が付与されるV入賞検知スイッチへ案内する第2通路と、大入賞口921に入球した遊技球を前記第1通路又は第2通路のどちらかに振り分ける振分け手段とを備えるもの(所謂、Vアタッカー)を採用してもよい。さらに、大当たり状態としても、大当たり状態の開始から終了までの間に、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bのどちらか一方だけが開放されるような構成に限定されるものではなく、所定のラウンドでは第1可変入賞装置32aが開放され、別のラウンドでは第2可変入賞装置32bが開放されるような構成としてもよい。当該構成を採用する場合には、第1可変入賞装置32aと、第2可変入賞装置32bとがユニット化され、上記第5実施形態の第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとの関係のように、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bのうち一方に入球しなかった遊技球が他方に案内されるように構成してもよい。この場合、遊技者は、大当たり状態が発生すれば、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bが一体となったユニットを狙って遊技球を打ち出せばよく、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bのうちどちらを狙って打ち出せばよいか分かり難いといった事態を回避することができる。
さらに、上記第5実施形態では、第2始動入賞装置33bの入球ポイントに到着したものの第2始動入賞装置33bに入球しなかった遊技球が第2可変入賞装置32bに案内されるように構成されているが、例えば、第2始動入賞装置33bの上流側、かつ、第2可変入賞装置32bの上流側において、右打ち入賞ユニット901に入球した遊技球を第2始動入賞装置33bへと至らせる始動側通路と、右打ち入賞ユニット901に入球した遊技球を第2可変入賞装置32bへと至らせる可変側通路との分岐が位置するように構成することとしてもよい。当該構成を採用する場合、分岐点に振分け手段を設けることとしてもよい。
尚、右打ち入賞ユニット901でユニット化される入賞手段は特に限定されるものではなく、例えば、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bをユニット化するものでもよいし、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bをユニット化するものでもよい。さらに、右打ち入賞ユニット901のように複数の入賞手段がユニット化されたものの設置位置は特に限定されるものではなく、例えば、右打ちされた遊技球及び左打ちされた遊技球のどちらでも入球可能な位置に設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、第2始動入賞スイッチ224bや第2カウントスイッチ223bに検知される遊技球は、その前に必ず進入検知スイッチ941による検知が行われ、進入検知スイッチ941に検知された遊技球は、第2始動入賞装置33bが開状態であれば第2始動入賞装置33bに入球可能な位置に案内されるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、進入検知スイッチ941を通過することなく第2始動入賞装置33bに至る経路が存在するように構成してもよいし、進入検知スイッチ941を通過した後に、第2始動入賞装置33bに対して開状態であれば入球可能なポイントを通過することなく、右打ち入賞ユニット901の外部に排出されるような通路が存在するように構成してもよい。但し、右打ち入賞ユニット901内の残存球を把握したい場合には、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球の全てが進入検知スイッチ941によって検知されるとともに、進入検知スイッチ941を極力右打ち入賞ユニット901の入口近傍に配置することが望ましい。
(x)上記第5実施形態では、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとがユニット化され、第2始動入賞装置33bの入球ポイントを経由した遊技球が第2可変入賞装置32bの入球ポイントに移動するように構成されているが、ユニット化される入賞装置の対象、上流側及び下流側といった入賞装置同士の相対位置関係等は特に限定されるものではない。
例えば、上記第5実施形態では、第2始動入賞装置33bが第2可変入賞装置32bの上流側に配置されているが、第2始動入賞装置33bを第2可変入賞装置32bの下流側に配置することとしてもよい。この場合、第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球することがほぼなくなるため、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいた遊技球の払出しが事実上行われなくなる。従って、大当たり状態をより迅速に進行させることができるとともに、(第2可変入賞装置32bへの入賞に基づく賞球が2個以上の場合、又は、出玉有り大当たり状態中に右打ち入賞ユニット901に遊技球を入球させても第2可変入賞装置32b及び第2始動入賞装置33bのどちらにも遊技球が入球しない可能性がある場合)大当たり状態において第2始動入賞装置33bに遊技球が入球するかしないかによって、大当たり状態中における遊技球の払出し総数が比較的大きく変化してしまうことを回避することができる。結果として、第2可変入賞装置32bが開状態とされる同一種別の大当たり状態における遊技球の払出し総数をほぼ一定とすることができ、遊技球の払出し(ペイアウト率)に関する設計を行い易くすることができる。また、遊技コンセプト(所定の大当たり状態の特徴)として、遊技球の払出し数にばらつきの少ない大当たり状態を導出することができる。
尚、本態様例と、上記第5実施形態とでは、第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとの配置が逆になっているが、機種毎のコンセプトに合った方を採用すればよい。すなわち、例えば、「第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて1個の遊技球の払出しがある構成」において、これでは遊技球の増加が全く見込めず、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態において第2始動入賞装置33bに遊技球が入球することを時間の無駄と捉えて、本態様例のように第2可変入賞装置32bを上流側に配置してもよいし、或いは、遊技球のペイアウト率を増加させることなく、大当たり状態の消化に要する時間(大当たり状態用の演出を導出できる時間)を極力長くして、大当たり状態そのものをより楽しんでもらう(大当たり状態中の演出を楽しんでもらう)ベく、上記第5実施形態のように第2始動入賞装置33bを上流側に配置してもよい。
また、例えば、スルーゲート34についても右打ち入賞ユニット901に含まるように構成してもよい。さらに、上記第5実施形態の第2始動入賞装置33bの上流側(入口役物931の後方)にスルーゲート34を配置して、スルーゲート34を通過した遊技球を(ほぼ必ず)第2始動入賞装置33bまで案内する入球案内手段を設け、時短モードや確変モードであれば、スルーゲート34を通過した遊技球がそのまま第2始動入賞装置33bに入球するように構成してもよい。尚、スルーゲート34の配置は特に限定されるものではないが、スルーゲート34を第2始動入賞装置33bよりも下流側に設置してしまうと、スルーゲート34を通過した遊技球が、そのまま第2始動入賞装置33bに入球する可能性がなくなってしまうことから、無駄球を抑制するべく、スルーゲート34は第2始動入賞装置33bよりも上流側に配置されることが望ましい。
(y)上記第5実施形態では、右打ちされた遊技球が必ず右打ち入賞ユニット901に進入(入球)するように構成されているが、かかる構成に限定されるものではなく、右打ちされた遊技球が右打ち入賞ユニット901を経由することなく(右打ち入賞ユニット901の前装飾板903や入口役物931で前方が覆われている遊技領域を通過することなく)アウト口36から遊技領域外に排出される場合があるように構成してもよい。また、かかる構成を採用する場合、右打ちされた遊技球が入球可能であり、遊技球の入球に基づいて2個以上の賞球が付与されるアシスト入賞装置(一般入賞装置)を設けることとしてもよい。この場合、右打ちをする高入球状態において、遊技者の持つ遊技球が減ってしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球が、上流側の第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912(上連結板912b)に到達しない場合もあるように構成してもよいし、右打ち入賞ユニット901に進入し、上流側の第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912上面を経由した遊技球が、下流側の第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ922(上連結板922b)に到達しない場合もあるように構成してもよい。加えて、当該構成を採用する場合に、進入検知スイッチ941で検知された後に、始動シャッタ912に到達することなく右打ち入賞ユニット901外部に排出される遊技球を検知する第1未到達検知スイッチや、第2始動入賞装置33bの始動シャッタ912上面を経由した後に、下大入賞シャッタ922に到達することなく右打ち入賞ユニット901外部に排出される遊技球を検知する第2未到達検知スイッチを設けることとしてもよい(勿論、設けなくてもよい)。
また、遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入した後、始動入賞口911への入球ポイントや、大入賞口921への入球ポイントに到達するか否かに関して、右打ち入賞ユニット901の設置領域に設けられた遊技釘の配置等によって変化が生じるように構成してもよい。さらに、時間短縮モード及び確変モード(第1入球可能状態)において右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球のうち、始動入賞口911に入球しなかった遊技球の割合を演算したり、出玉有りの大当たり状態(第2入球可能状態)において右打ち入賞ユニット901に進入した遊技球のうち、大入賞口921に入球しなかった遊技球の割合を演算したり、或いは、前記第1未到達検知スイッチや前記第2未到達検知スイッチの検知数をカウントしたりする等してもよい。この場合、右打ち入賞ユニット901の設置領域に設けられた遊技釘の状況等に関する情報をパチンコ機10が得ることができ、例えば、かかる情報に基づいて(応じて)、入口役物931の姿勢を変位させる(入口役物931の姿勢によって遊技者にかかる情報を示唆・教示する)ように構成してもよいし、かかる情報をモバイル連動遊技終了時に表示させるQRコード(登録商標)に含ませて、携帯通信端末を介してサーバに送られるように構成してもよい。尚、右打ち入賞ユニット901の設置領域に設けられた遊技釘に関しては、先端部を露出孔948に挿通させることのできる鉄の棒等を介在させて、釘露出孔948から露出する遊技釘をハンマーで叩いて調節することができる。
(z)上記第5実施形態では、前装飾部としての前装飾板903及び入口役物931が、右打ち入賞ユニット901の一部を構成するようにして(第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bの前壁を構成しつつ、第2始動入賞装置33b、第2可変入賞装置32b、案内板919等の前方を覆うようにして)設けられているが、前装飾部の設置位置は特に限定されるものではない。例えば、別の入賞装置の前方を覆うようにして設けられてもよいし、遊技領域のうち入賞装置等の遊技部材と重ならない部位に設けられていてもよい。
また、上記第5実施形態では特に言及していないが、前装飾板903や入口役物931のデザイン等についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設計することができる。但し、前装飾板903や入口役物931のうち、少なくともその裏面側の遊技領域を遊技球が通過可能となっている部位に関し、当該部位の裏面側を通過する遊技球を視認可能(透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成する)とするように構成されていることとする(前装飾板903や入口役物931のうち遊技球がその裏側を通過し得ない部位については透視性を有さなくても可)。例えば、前装飾板903に対し文字や数字等の記号情報によって表される情報(機種名や当否抽選の確率等の機種情報、版権元等)を付して(プリントしたシールを貼着して)もよいし、例えば、凹凸加工したり、模様を描いたり、着色を施したりすることによって表される情報(装飾、背景等)を有していてもよい。また、これらの情報は、前装飾板903の前面側又は内部に設けられる構成とすることで、遊技領域を移動する遊技球が前装飾板903に接触しても、情報が削られる等して見え難くなるといった事態を抑制することができる。
ここで、入口役物931の別の態様例について、図68〜図70を参照して説明する。図68〜図70に示す右打ち入賞ユニット901の入口役物931は、前装飾板903と一体的に形成され、半透明で略円盤状の固定パーツ971と、固定パーツ971の後面側に配置され、半透明で略円盤状の回転パーツ972とを備えている。また、図69に示すように、回転パーツ972を回転させるモータ973と、モータ973の駆動力を回転パーツ972に伝えるリンク機構974(回転軸や歯車等)とが設けられている。
固定パーツ971は上方に開口するようにして略V字状に切欠き部971aが形成されている。また、回転パーツ972にも略V字状に切欠き部972aが形成されている。本態様例では、固定パーツ971の直径と、回転パーツ972の直径とが同じとなっている。さらに、回転パーツ972の切欠き部972aの形成範囲(約120度)が、固定パーツ971の切欠き部971aの形成範囲(約105度)よりも広くなっている。
さらに、本態様例の入口役物931は、回転パーツ972が適宜回動変位することで、図70(a)に示すような、固定パーツ971の切欠き部971aの全体が回転パーツ972で閉塞される閉状態、図70(b)に示すような、固定パーツ971の切欠き部971aの内側において回転パーツ972が視認されるものの、切欠き部971aの半分ほどが開口している(半分ほどが回転パーツ972で覆われている)小開放状態、及び、図70(c)に示すような、固定パーツ971の切欠き部971aの内側において回転パーツ972が一部も視認されず、切欠き部971aの全体が開口している大開放状態とに変化するように構成されている。
そして、時間短縮モード及び確変モード(第1入球可能状態)では入口役物931が図70(b)の小開放状態となり、出玉有りの大当たり状態(第2入球可能状態)では入口役物931が図70(c)の大開放状態となり、それ以外の状態では入口役物931が図70(a)の閉状態となる。これにより、入口役物931(開口の大きさ)を視認すれば、遊技球が第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらに入球可能な状態であるのか、或いは、どちらにも入球不可能又は困難な状態であるのかを把握することができる。
また、固定パーツ971には、湾曲した長孔状の覗き孔975が形成されている。これに対し、回転パーツ972には、入口役物931が小開放状態にある場合に覗き孔975を介して前方に露出し、「チャンス」の文字が記載されている小開放表示領域976と、入口役物931が大開放状態にある場合に覗き孔975を介して前方に露出し、「大当たり」の文字が記載されている大開放表示領域977とが設けられている。すなわち、かかる表示領域976、977を視認することでも、遊技球が第2始動入賞装置33b及び第2可変入賞装置32bのどちらに入球可能な状態であるのか、或いは、どちらにも入球不可能又は困難な状態であるのかを把握することができる。
また、上記第5実施形態では、入口役物931が回転可能に設けられていたが、別の動き方をしてもよいし、動作しないように構成してもよい。例えば、大当たり又は小当たりした場合、或いは、そのフェイク演出を行う場合に、入口役物931が回転する演出が導出され、第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態が発生する場合には、入口役物931が当選対応位置で停止され、出玉無しの確変大当たりの場合には入口役物931が高入球対応位置で停止され、その他の場合には入口役物931が通常位置で停止されるように構成してもよい。さらに、例えば、入口役物931が動作するのではなく、入口役物931において、状態に応じて発光態様を変化させる3色LED等の発光手段や可動役物等が設けられ、これに態様変化により状態教示を行うように構成してもよい。
また、例えば、入口役物931が、始動シャッタ912を動作させる始動ソレノイド913や、大入賞シャッタ922を動作させる大入賞ソレノイド923と機械的に連動するように構成してもよい。この場合は、入口役物931の変位制御の簡素化等を図ることができる。尚、右打ち入賞ユニット901の入口を分かり易くする目印を設けることが望ましく、さらには、右打ち入賞ユニット901において、高入球状態、出玉有り大当たり状態、及び、それら以外の状態のいずれの状態であるのかを教示する手段が設けられていることが望ましい。また、前装飾板903や入口役物931が設けられる場合にも、遊技盤30には同一の遊技釘のみが立設されるように構成することが望ましい。この場合、遊技釘を統一することができ、パチンコ機10の生産性の向上、コストの削減等を図ることができる。
(aa)さらに、工具孔947、釘露出孔948、球詰り解消孔949等の形成位置や数等についても特に限定されるものではない。例えば、球詰り解消孔949を、始動シャッタ912の上閉塞板912b及び下閉塞板912cの上面、並びに、大入賞シャッタ922の上閉塞板922b及び922cの上面に沿って(平行するようにして)形成されていることとしてもよい(連続的にライン状に形成されてもよいし、断続的にドット状に形成されてもよい)。また、球詰り解消孔949を、迂回部材915の導入路915a及び再突入路915bの正面、並びに、迂回部材925の導入路925a及び再突入路925bの正面を含む部位に形成されていることとしてもよい。これらの構成を採用することで、右打ち入賞ユニット901の裏側領域における球詰りを解消できるといった作用効果がより確実に奏されることとなる。加えて、球詰り解消孔949は、防犯上、進入検知スイッチ941や排出検知スイッチ943にはかからないように形成することとしてもよい。
(bb)上記第5実施形態において、出玉有り大当たり状態において、各大当たりラウンドにおける第2可変入賞装置32bへの入賞個数又は上限までの残りの入賞個数を装飾図柄表示装置42にて入球検知対応表示としてのカウント表示するよう構成し、かかるカウント表示を先検知手段としての進入検知スイッチ941の検知に基づいて更新するように構成してもよい。例えば、出玉有り大当たり状態の各大当たりラウンドにおける第2可変入賞装置32bへの遊技球の入賞上限までの残り数を装飾図柄表示装置42にてカウント表示する構成であって、カウント表示として、大当たりラウンドの開始時には「8」を「赤色」で表示し、出玉有り大当たり状態中の進入検知スイッチ941の検知に基づいて、1つ減算した値(「8」であったのなら「7」)を「黄色」で表示し、第2カウントスイッチ223bの検知に基づいて、表示の値は変えず、色を「赤色」に変化させる。
また、カウント表示の色が「黄色」の状態において、第2始動入賞スイッチ224bや排出検知スイッチ943の検知が行われた場合には、カウント表示を1つ加算した値に戻すとともに、「赤色」に変化させる。尚、第2可変入賞装置32bが開状態とされる出玉有り大当たり状態中においても、入球サポート抽選が行われて、第2始動入賞装置33bが開状態とされることから、遊技球が進入検知スイッチ941に検知された後、第2可変入賞装置32bに到達する前に、第2始動入賞装置33bに入球する可能性が十分にある。また、本態様例では、第2可変入賞装置32bが表示対象検知手段に相当し、「赤色」のカウント表示が入球検知対応表示に相当し、「黄色」のカウント表示が先入球検知対応表示に相当する。
以上のような構成を採用することにより、出玉有り大当たり状態において、遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入してから、第2始動入賞スイッチ224bに検知されるまでのタイムラグが長くなり過ぎてしまい、遊技球が右打ち入賞ユニット901に進入してからのテンポが遅い(第2始動入賞装置33bへの入球に対応する進入効果音Aは発生したが、カウント表示が伴わない等)等の違和感や、遊技球を狙う位置はここであっているのか等の不安感などを与えてしまうといった事態を抑制することができる。また、遊技者が第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させたという実感(に近いもの)を与えることができる。
また、「黄色のカウント表示」が導出されている状態において、第2始動入賞スイッチ224bや排出検知スイッチ943の検知が行われた場合には、カウント表示を1つ加算した値に戻すとともに、「赤色」に変化させることによって、遊技者に対し、大当たりラウンド終了の契機となる遊技球の第2可変入賞装置32bへの入球上限までの正しい残り数を比較的迅速に知らせることができる。つまり、「黄色のカウント0」のままの場合、可変入賞装置32bに遊技球をもう1球入球させることができる状態であるのに、大当たりラウンド終了の契機となる制限時間が到来して大当たりラウンドが終了してしまうといった事態が発生し易くなってしまうことが懸念される。この点、「黄色のカウント0」から「赤色のカウント1」に戻すことで、遊技球をあと1つ可変入賞装置32bに入球可能であることをより積極的に知らせることができる。
尚、ラウンドごとの第2可変入賞装置32bへの入球数をカウントする機能(カウント手段)と、進入検知スイッチ941とを利用することで、大当たり状態中の各ラウンドにおいて遊技者が必要以上に遊技球を打ち出す行為の抑制をより一層図ることも可能となる。例えば、各大当たりラウンドの遊技球の入球上限が8カウントである場合に、現在の大当たりラウンドの第2可変入賞装置32bへの入球数が6球であり、かつ、残球カウンタが「2」の状態では、基本的に右打ち入賞ユニット901内の2つの残存球が第2可変入賞装置32bに入球して大当たりラウンド入球上限に達することから、遊技球をそれ以上右打ち入賞ユニット901に入球させても、次に大当たりラウンドが開始されるまでは、第2可変入賞装置32bに遊技球を入球させることはできない。そこで、カウント表示が「0」になった場合には、「0」を(黄色で)比較的大きく表示したり、遊技球を発射していると特定の効果音(例えばブザー音)やアナウンスを出力したり、装飾図柄表示装置42で今のラウンドでの遊技球の発射はもう十分である旨の表示を行ったりするように構成してもよい。この場合、効率の良い遊技球の発射をアシストすることができ、無駄玉の抑制を図ることができる。特に、上記第5実施形態のように、右打ち入賞ユニット901の入口から第2可変入賞装置32bに至るまでの遊技球の経路が比較的長い場合に、かかる作用効果がより顕著に奏されることとなる。
(cc)
(cc−1)上記第5実施形態では、進入検知スイッチ941及び排出検知スイッチ943が主制御装置261と電気的に接続され、主制御装置261において右打ち入賞スイッチ処理が行われているが、進入検知スイッチ941及び排出検知スイッチ943がサブ制御装置262と電気的に接続され、サブ制御装置262において、例えば、右打ち入賞スイッチ処理等の、進入検知スイッチ941の検知や排出検知スイッチ943の検知に基づいて行われる処理が行われるように構成してもよい。この場合、右打ち入賞ユニット901内の残存球を監視するためには(当然、右打ち入賞ユニット901内の残存球を監視しない構成とすることも可能)、第2始動入賞スイッチ224b、第2カウントスイッチ223bの検知情報を主制御装置261からサブ制御装置262に出力するとともに、サブ制御装置262側で残存球の演算を行うこととなる。
さらに、サブ制御装置262側で右打ち入賞スイッチ処理を行う構成において、サブ制御装置262と外部端子板240とを電気的に接続するとともに、サブ制御装置262から外部端子板240(を介してホールコンピュータ等)に対してエラー状態の発生に対応する信号を出力可能に構成してもよい。この場合、エラー状態が発生した場合に、パチンコ機10自体においてランプの発光態様が変化したり、エラー発生音が出力されたりするだけでなく、ホールコンピュータなどへの通報も行うことが可能となる。尚、右打ち入賞ユニットのステップS4803〜ステップS4808の処理について、主制御装置261ではなくサブ制御装置262(右打ち保留アイコン表示処理)で行われるように構成してもよい。
(cc−2)また、上記第5実施形態では、右打ち入賞ユニット901(入口役物931)に進入した遊技球が進入検知スイッチ941に検知された時点で、出玉有り大当たり中である場合には、第2可変入賞装置32bへの入球に対応する(入球するであろうとして)進入効果音Aが出力され、高入球状態である場合には、第2始動入賞装置33bへの入球に対応する(入球するであろうとして)進入効果音Bが出力されるとともに、装飾図柄表示装置42において、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて変動表示が保留される(であろう)ことを示す疑似保留アイコン963が表示されることとなるが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、進入効果音A、進入効果音B、疑似保留アイコン963を省略したり、かかる構成に代えて、又は、加えて、進入検知スイッチ941の検知に対応して発光する発光手段を設けたり、進入検知スイッチ941の検知に対応して動作する可動役物を設けたりすることとしてもよい。
(cc−3)さらに、疑似保留アイコン963の態様についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、図71に示すように、浮き輪型の疑似保留アイコン963が、装飾図柄表示装置42の表示部において、保留表示領域961よりも右方位置に出現し、左方の保留表示領域961に向けて移動していく(転がっていく)表示が行われ、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、疑似保留アイコン963が保留表示領域961の規定位置に到達して止まることで保留アイコン962としての表示態様に切替わるように構成してもよい。尚、基本的には、動作が止まることで正式な保留アイコン962となったことを意味するが、さらに、形状や色相等を変化させることとしてもよい。また、例えば、第2始動入賞スイッチ224bの検知が遅れるような場合には、時間稼ぎとして、疑似保留アイコン963が保留表示領域961の保留アイコン962表示予定位置においてその場でくるくると回転するような表示を行うこととしてもよい。加えて、疑似保留アイコン963が動作するのに対し、保留アイコン962は止まるといったパターンだけでなく、あまり動作しない(保留アイコン962としてのキャラクタが手を振る、表情を変える等の少しは動作する)、又は、動作が大きく変わる(保留表示領域961の所定の位置から抜け出さない程度の動作)によって、保留アイコン962と疑似保留アイコン963との差別化を行うようにしてもよい。但し、疑似保留アイコン962も動いてしまう構成の場合には、差別化としては弱くなるため、模様や色相等の態様の変化を伴うことが望ましい。
また、例えば、さらに、例えば、図72に示すように、保留アイコンとして雪だるま966が採用され、高入球状態における進入検知スイッチ941の検知に基づいて、保留表示領域961の上方から雪等が降ってくる表示が開始されるとともに、保留表示領域961の所定位置に疑似保留アイコンとしての作成中の雪だるま967が表示され、次第にでき上がっていくといったような構成としてもよい。
加えて、第5実施形態では、高入球状態において、保留アイコン962が表示される予定の位置に疑似保留アイコン963を表示し、疑似保留アイコン963が表示されていた位置に保留アイコン962を表示することによって、疑似保留アイコン963が保留アイコン962に切替わったことを遊技者が認識できるように構成しているが、疑似保留アイコン963自体が変位しているような場合には、その動きが繋がるように保留アイコン962が表示されることで疑似保留アイコン963が保留アイコン962に切替わったことを遊技者に認識させることとする。尚、上記第5実施形態では特に言及していないが、疑似保留アイコン963が表示されている状態で進入検知スイッチ941の検知が行われた場合には、今回分の疑似保留アイコン963を合わせて複数の疑似保留アイコン963が保留表示領域961に表示されることとなる。
(cc−4)また、上記実施形態では、疑似保留アイコン963とともに、疑似保留アイコン963の前方に表示される付加表示としての泡表示964が行われるように構成されているが、かかる態様についても特に限定されるものではない。例えば、舞台の幕のような付加表示、作業をしている最中の(例えば、疑似保留アイコン963の周りに作業足場を設置して作業員が作業を行っている)ような付加表示を行うこととしてもよい。尚、泡表示964等の付加表示を省略することも可能である。
但し、保留表示領域961において現在表示されているオブジェクトが、疑似保留アイコン963及び保留アイコン962のどちらであるのかが分かり難いといった事態を抑制するべく、泡表示964等の付加表示を行ったり、又は、疑似保留アイコン963自体が変位し続けているような態様(上記(cc−3)のように浮き輪が転がる、雪だるまが次第に出来上がっていく等)としたりすることが望ましい。この場合、疑似保留アイコン963の態様が確定していない、ひいては、疑似保留アイコン963に更なる変化の可能性があるといった印象を強く与えることができる。従って、疑似保留アイコン963を保留アイコン962と勘違いすることに起因するトラブル(保留があるのに変動表示が開始されない、或いは、保留が消えてしまった等)の発生を抑制することができる。
尚、上記のようなトラブルが発生した場合のために、例えば、進入検知スイッチ941の検知履歴(各検知の時間)、第2始動入賞スイッチ224bの検知履歴、第2カウントスイッチ223bの検知履歴、及び、排出検知スイッチ943の検知履歴を(所定量)記憶しておき、かかる検知履歴を装飾図柄表示装置42等においてアウトプットできるように構成してもよい。この場合、事情説明等に際してのデータが確実に得られることとなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。
(cc−5)また、第2変動表示が1つ以上保留されている状態において、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた後の段階でも、しばらくの間、疑似保留アイコン963を表示し続ける(当然、対応する変動表示の開始までには保留アイコン962の態様に切り替える)とともに、当該疑似保留アイコン963の態様に対して、第2始動入賞スイッチ224bの検知を契機として行われる各種抽選の結果を反映させることもできるように構成してもよい。例えば、疑似保留アイコンとして「卵」が表示され、「卵が割れて何かが飛び出した」という表示を行う場合の「何か」については、先発コマンドの受信に基づいて決定され、その後、保留アイコンとして、「卵の中から飛び出した何かの詳細な表示」が行われることとしてもよい。尚、ここでは、第2変動表示が1つ以上保留されている状態においては、疑似保留アイコン963から保留アイコン962に切替わるタイミングが比較的自由に設定可能であるということを意図しており、必ずしもかかる切替わるタイミングが第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた後にならなくてもよい。
(cc−6)保留アイコン962のパターンを、第2始動入賞スイッチ224bの検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて行われる抽選と、進入検知スイッチ941の検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて行われる抽選とに基づいて決定することとしてもよい。例えば、進入検知スイッチ941の検知に基づいて、サブ制御装置262が疑似保留アイコン963のベースを複数種類の中から1つ決定する。例えば、ベースには、「男」、「女」、「動物」、「ロボット」があるものとし、乱数カウンタ及びパターンテーブルを使用して決定する。続いて、第2始動入賞スイッチ224bの検知(先発コマンドの受信)に基づいて、疑似保留アイコン963、ひいては、保留アイコン962の「衣装」等の細部を決定する。すなわち、図73に示すように、装飾図柄表示装置42の保留表示領域961においては、進入検知スイッチ941の検知が行われると、疑似保留アイコン963として「男」、「女」、「動物」、又は、「ロボット」のいずれかのシルエットが表示され(図73は「男」の疑似保留アイコン963)、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われると、かかるシルエットの細部が次第に明らかにされていくようにして、「衣装」や「所持アイテム」等をはっきりと視認できる態様の保留アイコン962(図73は左が「男」の保留アイコン962で、右が「動物」の保留アイコン962)に切替表示される。以上のような構成を採用することにより、保留アイコン962及び疑似保留アイコン963を使用した演出性の向上等を図ることができる。
尚、保留アイコン962のうち、第2始動入賞スイッチ224bの検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて決定される対象や、進入検知スイッチ941の検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて決定される対象については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、図74に示すように、保留アイコン962として「車」が採用される場合に、進入検知スイッチ941の検知に基づいて、「車のフロント側半分」のみが疑似保留アイコン963として表示され、先発コマンドの受信に基づいて、「車のリア側半分」が付け足される格好で保留アイコン962としての車全体が表示されるように構成してもよい。この場合、疑似保留アイコン963は明らかに未完成の態様となり、疑似保留アイコン963を保留アイコン962と混同してしまうといった事態をより確実に回避することができる。
また、保留アイコン962のうち、第2始動入賞スイッチ224bの検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて決定されたパターンと、進入検知スイッチ941の検知(検知情報をサブ制御装置262が受信したこと)に基づいて決定されたパターンとの組合わせによって、例えば、大当たり状態や潜確モード等の期待度を教示・示唆するような構成としてもよい。すなわち、第2始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて、保留アイコン962のベース(先決めパーツ部)が「飛行機」に決定された場合であって、先発コマンドの受信に基づいて、外れに対応する変動情報であれば、比較的小型で基本的なペイント(後決めパーツ部)の飛行機に仕上がり易く、その一方で、大当たりに対応する変動情報であれば、比較的大型で派手なパイントの飛行機に仕上がり易く、さらには、大当たり状態発生の教示となる特殊なペイントが選択される可能性もあるように構成してもよい。このように、保留アイコン962のうち先発コマンドの受信を契機に決定される保留アイコン962の細部のパターン決定に際して、先発コマンドに含まれる当否抽選等の結果や、既に進入検知スイッチ941の検知を契機に決定されている保留アイコン962のベースを参照して、保留アイコン962の態様で大当たり状態等への当選期待度を教示・示唆するといった構成を採用することによって、保留アイコン962及び疑似保留アイコン963に対してより強い興味を抱かせることが可能となる。
尚、保留アイコン962のパターンに関し、基本的には、進入検知スイッチ941の検知に基づいて、疑似保留アイコン963の態様とともに決定され、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、既に決定されているパターンの保留アイコン962を表示するように構成してもよい。また、既に決定されているパターンの保留アイコン962をそのまま表示するか、或いは、当否抽選等の内容(先発コマンド)に対応させた保留アイコン962とするかの抽選を行ってもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた特別始動手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
また、一般に、パチンコ機には、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化する、所謂、電子チューリップやアタッカー等と呼ばれる可変入球装置が設けられている。そして、遊技球が可変入球装置に入球すると、遊技者に対して所定数の遊技球が払出されるように構成されている。
さらに、かかる可変入球装置は、所定条件の成立に基づいて開放されるようになっているが、一度の所定条件の成立に基づいて、開閉を定期的に複数回繰り返すものが多い。そこで、可変入球装置の開閉が定期的であることを利用して、可変入球装置が開状態となっているときに可変入球装置に至るようなタイミングで遊技球を発射し、可変入球装置が閉状態となっているときに可変入球装置に至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、可変入賞手段に入球しない遊技球を低減させ、ひいては、最終的に獲得する遊技球の総数を増やすことができる。
しかしながら、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者、或いは、上手くできない遊技者とが存在し、最終的に獲得する遊技球の総数に比較的大きな違いが生じてしまうことも珍しくない。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者間の技術格差による不公平感を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段A1−1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる特定入球ルート上の特定ポイントに配置され、前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な開閉部材とを備え、
前記開閉部材が前記閉状態にある場合に、(当該開閉部材が閉状態であることに起因して、前記特定ポイントを前記特定入賞口側に通過することのできない)遊技球に対し、通常とは別の(今よりも後の)タイミングで前記特定ポイントを通過させる機会を付与する時間差通過機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
開閉部材が閉状態とされている場合、遊技球が特定ポイントを特定入賞口側に通過する可能性は低く(事実上なく)、特定入賞口に入球する見込みが少ない(事実上ない)。これに対し、本手段A1−1によれば、開閉部材が閉状態とされている場合には、当該開閉部材が閉状態であることに起因して、特定ポイントを特定入賞口側に通過することのできない遊技球に対し、通常とは別のタイミングで(今よりも後のタイミングで)特定ポイントを通過させる機会を付与することができるようになっている。このため、遊技球をそのままいつも通りに特定ポイントに至らせても特定ポイントが閉状態にある開閉部材によって閉鎖されているタイミングで遊技球を特定ポイントに至らせる場合に比べて、遊技球を特定ポイントに至らせることで、そのときに開閉部材が開状態とされている可能性が高まる通常とは別のタイミングで(今よりも所定時間後のタイミングで)遊技球を特定ポイントに至らせることができ、ひいては、遊技球が特定ポイントを特定入賞口側に通過し、特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(電チューに具体化する場合には変動表示のテンポを上げる、及び、変動表示の保留をなくさないことができ、アタッカーに具体化する場合には、ラウンドをスムースに進行させることができる)ことができる。
また、一般に、開閉部材が開状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
手段A1−2.所定の契機に基づいて、前記開閉部材を開状態とするか否かの開閉抽選を行う開閉抽選手段を備え、
前記開閉抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記開閉抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあることを特徴とする手段A1−1に記載の遊技機。
手段A1−2によれば、開閉部材が比較的頻繁に開状態とされる第2状態と、開閉部材があまり開状態とされない第1状態とが存在することにより、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出して小気味よく遊技を進行できる状態と、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出しても遊技の進行がままならない状態とを作り出すことができる。従って、遊技球の打出し位置を実質的に変更しなければならない状況を作ったり、遊技状態に抑揚をつけたりすることができ、遊技性の向上を図ることができる。
尚、第2状態では、特定入賞口を狙って発射された遊技球のほぼ全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。特に、(上記したような技術的操作による格差是正の一環として)特定入賞口に遊技球が1つ入球したことに応じて1つの遊技球が払出されるような構成の場合、発射された遊技球が特定入賞口に入球しなければ(その他の入賞口には基本的に入球しない状況にあるものとして)、手持ちの遊技球が確実に減っていってしまうが、第2状態において発射された遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球する構成とする場合には、かかる事態を飛躍的に抑制することができる。従って、特定入賞口に入球した場合に払出し遊技球数が1つで、第2状態では、手持ちの遊技球数を極力減らしたくないといった遊技性をより確実に成立させることができる。
手段A1−3.前記特定ポイント(開閉部材)の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段A1−1又はA1−2に記載の遊技機。
手段A1−3によれば、特定ポイントに到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、特定ポイントに進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、時間差通過機会付与手段によって、開閉部材が閉状態とされている場合には、遊技球を別のタイミングで特定ポイントに至らせる機会を付与し、特定入賞口への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段A1−4.前記開閉部材は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、
前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされ、
前記シャッタが突出した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段A1−1乃至A1−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A1−4によれば、シャッタが前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とすることができ、特定入賞口へのスムースな入球を実現することができる。また、例えば、前後に延びるシャッタを上方に回動させて特定入賞口を開放する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びるシャッタを下方に回動させて特定入賞口を開放させる構成において、シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下してシャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が特定入賞口に入球してしまうといった事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本手段のように、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記シャッタ、又は、閉位置にある前記シャッタと当接して支持する部材に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させ、損傷や衝突音の抑制を図ることができる。
手段A2−1.前記時間差通過機会付与手段は、(前記特定ポイントに到達したものの、)閉状態にある前記開閉部材によって前記特定ポイントの前記特定入賞口側への通過が規制された遊技球が案内される導入路と、前記導入路に進入した遊技球を前記特定ポイントに案内する再突入路とを備えていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
手段A2−1によれば、遊技球が特定ポイントに到達したのではあるが、開閉部材が未だ開状態とされていないため、少し時間を潰してから、再び、特定ポイントに行く、といった遊技球の一連の動作を導出することができる。つまり、遊技球が最初に特定ポイントに到達したときには開閉部材が閉状態であったが、時間差通過機会付与手段を経由して所定時間後、遊技球が再び特定ポイントに到達したタイミングでは、開閉部材が開状態とされている可能性がある。従って、初回の特定ポイントの通過へのトライが失敗しても、後程、再トライできるといったように、同じ遊技球が特定ポイントに複数回アクセスすることができるため、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。尚、当然のことながら、遊技球が最初に特定ポイントに到達したときに開閉部材が開状態であれば、その段階で遊技球が特定ポイントを通過して特定入賞口に入球することとなる。
手段A2−2.前記特定ポイントに到達した遊技球は、前記導入路へは、閉状態とされた前記開閉部材によって案内されることを特徴とする手段A2−1に記載の遊技機。
手段A2−2によれば、特定入賞口へのルートを開閉する開閉部材の閉状態時に、当該開閉部材によって、遊技球を導入路へと案内可能となるため、遊技球を導入路へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。本手段では、閉状態にある開閉部材が、遊技球を時間差通過機会付与手段の一部を構成している。
尚、「前記開閉部材は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされること」としてもよい。この場合、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とできる上、閉位置にあるシャッタの上面で確実に遊技球を案内することができる。
手段A2−3.前記特定ポイントから、前記導入路、及び、前記再突入路を経て、再び前記特定ポイントに至る遊技球の再突入ルートは、少なくとも前記特定ポイント以外では交差しないように構成されていることを特徴とする手段A2−1又はA2−2に記載の遊技機。
手段A2−3.再突入ルートの途中で、遊技球同士が正面衝突してしまうといった事態を防止することができる。従って、再突入ルートを移動する遊技球をより確実に、初期のタイミングで特定ポイントに案内することができる。尚、特定ポイントで遊技球同士が衝突しても、開閉部材が開状態とされていれば、そのまま特定ポイントを特定入賞口側に通過することとなる。
手段A2−4.遊技領域を移動する遊技球が通過可能、又は、入球可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した、又は、前記普通始動手段に入球した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口及び前記開閉部材は、前記特別始動手段に適用され、
前記入球サポート抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記入球サポート抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあり、
前記当否抽選にて当選して前記可変入賞手段が開状態とされる状態では、前記サポート抽選に関して前記第1状態とされる構成であって、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段A2−1乃至A2−3に記載の遊技機。
手段A2−4によれば、当否抽選にて当選して可変入賞手段が開状態とされる状態では、サポート抽選に関して第1遊技状態とされており、特別始動手段の開閉部材がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が導入路及び再突入路を経由するようになる。これに対し、例えば、可変入賞手段が特別始動手段の下流側にあると、遊技球が導入路及び再突入路を経由する分、遊技球の可変入賞手段へのアプローチが遅れてしまう。特に、特定ポイントから、導入路、及び、再突入路を経て、再び特定ポイントに至る遊技球の再突入ルートにおいて、たとえ特定ポイント上であっても再突入ルートが交差していれば、遊技球同士が接触して特別始動手段での滞留時間が長くなる等して、可変入賞手段により遊技球が入球し難くなってしまうおそれがある。この点、可変入賞手段を特別始動手段の上流側に配置することで、可変入賞手段への入球をスムースに行わせることができる。さらに、可変入賞手段が開状態とされる状態において、特別始動手段に進入する(開閉部材で特定入賞口への入球が防止される)遊技球の数を減らすことで、開閉部材の負担を軽減させることができる。
尚、可変入賞手段が開状態とされる状態においては、特別始動手段が第1状態とされていても、上流側の可変入賞手段において遊技球が入球し、特別始動手段側に流れる遊技球の数が減ることから、特別始動手段において大量の遊技球が入球して流れが悪くなる態様を遊技者に視認させなくても済む。
手段A3−1.前記開閉部材は、前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能なシャッタを備え、
前記シャッタが閉位置にある場合、当該シャッタによって前記特定入賞口への入球が規制された遊技球は、当該シャッタへの当接状態を保ちつつ、当該シャッタの長手方向に沿って移動する構成であって、
前記シャッタにより前記時間差通過機会付与手段が構成され、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタに当接している遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
手段A3−1によれば、開閉部材が閉状態にある場合、特定ポイントに到達した遊技球は、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されることとなるが、そのままシャッタへの当接状態を保ちつつ、シャッタの長手方向に沿って移動することとなる。そして、開閉部材が開状態とされる、つまり、シャッタが開放されると、シャッタに当接していた(寄りかかっていた、又は、載っていた)遊技球が、特定ポイントを通過して、特定入賞口に入球することとなる。このように、遊技球の特定ポイントにおける滞在時間を極力長くすることによって、開閉部材が開状態となれば特定入賞口に入球できる状態で、開閉部材が次に開状態となるタイミングを待つことができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。
さらに、開閉部材の開状態とされている開放時間が比較的短くても、シャッタに寄りかかっている(例えば、載っている)遊技球については、特定入賞口に入球させることができる。つまり、例えば、シャッタが閉じているときにシャッタ上に遊技球を載せておき、シャッタの短い開放でその全てを特定入賞口に入球させることができる。従って、開閉部材の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。このため、特定入賞口及び開閉部材を、当否抽選で当選して特別遊技状態となった場合に開放されるアタッカーに具体化した場合に、ラウンド間のインターバル中にシャッタに溜まった遊技球がラウンド開始とともにアタッカーに入球することとなり、時間効率の向上等を図ることができる。また、入球サポート抽選で当選して入球サポート状態となった場合に開放される電チューに具体化した場合に、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を入球させることが実現可能となり、これによって新たな遊技性を生み出すこともできる。
手段A3−2.前記シャッタは、(前後にスライド可能に構成されるとともに、)閉位置において前後方向に延在するとともに、長手方向が左右方向となる構成であって、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタの上面に載っている遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段A3−1に記載の遊技機。
手段A3−2によれば、特定入賞口を閉塞する閉位置にあるシャッタが前後に延びており、シャッタを開位置とした場合には、シャッタの支えを失った遊技球が下方に落下することで特定入賞口に入球するようになっている。このため、例えば、シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで特定入賞口に入球させるよりも、遊技球を特定入賞口に入球させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にあるシャッタを開位置とすることで、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されていた遊技球を比較的迅速に特定入賞口に入球させることができる。
手段A3−3.遊技球を前記シャッタのうち上流側の部位に案内する整流手段を備えていることを特徴とする手段A3−1又はA3−2に記載の遊技機。
手段A3−3によれば、シャッタに対し遊技球を確実に上流側の部位に案内することによって、シャッタに遊技球を当接させた状態(シャッタ状の載った状態)を極力長くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段A3−4.前記シャッタに対して遊技球が当接した状態を維持する脱落防止手段を有していることを特徴とする手段A3−1乃至A3−2に記載の遊技機。
手段A3−4によれば、遊技球がシャッタの上面から脱落することを抑制することができる。
手段A3−5.前記シャッタの上面に小さな凹凸が形成されていることを特徴とする手段A3−1乃至手段A3−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A3−5によれば、開閉部材が開位置となれば特定入賞口に入球できる状態を極力長時間キープすることができる。
手段A3−6.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口及び前記開閉部材は、前記可変入賞手段に適応され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも下流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段A3−1乃至A3−5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A3−1にあるように、閉状態にある開閉部材のシャッタは、遊技球を支持する(特に、シャッタが前後に延びる場合には、遊技球の下面側を支持する)必要があり、落下してきた遊技球を受け止める際等の負担が大きい。この点、本手段A3−6のように、可変入賞手段を特別始動手段の下流側に配置することで、特別始動手段に入球する分だけ可変入賞手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段A4−1.前記時間差通過機会付与手段は、前記特定入球ルートにおいて前記特定ポイントよりも上流側に設置され、
前記開閉部材が開状態、或いは、事実上、開状態に相当する状態にある場合、遊技球が前記時間差通過機会付与手段に到達してから第1時間経過後に前記特定ポイントに到達するように前記時間差通過機会付与手段が開状態とされ、
前記開閉部材が閉状態、或いは、事実上、閉状態に相当する状態にある場合、前記時間差通過機会付与手段が閉状態とされ、当該閉状態とされた時間差通過機会付与手段の作用によって、遊技球が前記時間差通過機会付与手段に到達してから前記第1時間よりも長い第2時間経過後に前記特定ポイントに到達するように構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
開閉部材が閉状態にある場合、時間差通過機会付与手段に到達した遊技球がそのまま特定ポイントに流下していったとしても、閉状態にある開閉部材に阻まれて特定入賞口に入球することができない。このような場合、手段A4−1によれば、通常のタイミングで遊技球を特定ポイントに到達させるのではなく、遊技球が特定ポイントに到達するタイミングを遅延させることで、極力、開閉部材が閉状態ではないとき、すなわち、開閉部材が開状態であるときに遊技球が特定ポイントに到達するように構成することができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。
尚、特定ポイントと、時間差通過機会付与手段との間の距離等によって、遊技球が時間差通過機会付与手段から特定ポイントに到達するまでの時間が変化する。このため、例えば、単純に、開閉部材が開状態となっている場合には、時間差通過機会付与手段を開状態としてそのまま遊技球を特定ポイントに至らせれば、特定ポイントを通過させることができるといった対応関係になるとは一概には言えない。そういった理由から、「前記開閉部材が、事実上、開状態に相当する状態にある場合」、「前記開閉部材が、事実上、閉状態に相当する状態にある場合」とは、特定ポイントと、時間差通過機会付与手段との間の距離等を考慮して、時間差通過機会付与手段に位置している遊技球が特定ポイントに到達する頃には開閉部材が開状態とされているだろう等とのシミュレート等を基に、機種毎に、時間差通過機会付与手段を閉状態とするタイミングや期間の設定を行うといった趣旨である。
また、開閉部材の開閉タイミングと、時間差通過機会付与手段作動タイミングとを同期させる同期手段を設けることとしてもよい。同期手段としては、例えば、機械的に連動させる連動機構であってもよいし、開放・作動契機、及び、開放・作動条件を同じにしてそれぞれ開放・作動させる制御手段であってもよいし、開閉部材の開放タイミングを計ってタイミングを合わせる制御手段であってもよい。
手段A4−2.前記時間差通過機会付与手段は、遊技球を停留させる第1状態と、停留させることなく通過させる第2状態とに状態変化可能なストッパーを備えていることを特徴とする手段A4−1に記載の遊技機。
手段A4−2によれば、開閉部材が閉状態にある場合には、特定ポイントの上流側で遊技球を停留させることができる。このため、遊技球が特定ポイントに到達するタイミングをずらすことで、当該遊技球が、開閉部材が開状態となった頃に、特定ポイントに至って通過するといった可能性を高めることができる。
手段A4−3.前記時間差通過機会付与手段は、遊技球が前記特定ポイントに至るまでに経由するルートの距離を長短させることのできる道程変更手段を備えていることを特徴とする手段A4−1に記載の遊技機。
手段A4−3によれば、遊技球をいつもよりも遠回りさせることで、特定ポイントにつくタイミングを遅延させることができる。
手段A4−4.前記開閉部材を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記入球サポート抽選の結果を教示する変動表示が表示される可変表示手段とを備え、
前記可変表示手段において変動表示が行われている状態では前記時間差通過機会付与手段が閉状態とされ、
前記可変表示手段において変動表示が停止表示されている状態では前記時間差通過機会付与手段が開状態とされることを特徴とする手段A4−1乃至A4−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A4−4によれば、特定入賞口に遊技球が入球し易そうな状況では特定入賞口に遊技球を案内し、特定入賞口に遊技球が入球し難そうな状況では遊技球が特定入賞口に到達するタイミングを(後に)ずらすといった構成を実現することができる。
上記手段A2、A3、A4は、基本的にそれぞれ単独で使用されることが考えられるが、手段A2に関しては特定ポイントよりも下流側に構成であり、手段A3に関しては特定ポイントの構成であり、手段A4に関しては特定ポイントよりも上流側の構成であることから、棲み分けが可能であり、場合によっては、これらを組み合わせて使用することも可能である。
手段B−1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口への遊技球の入球を可能とする開状態と、入球を不可能とする閉状態との間を状態変化可能な開閉部材とを備え、
前記開閉部材が前記開状態であれば前記特定入賞口に入球可能な第1特定ポイントに遊技球が到達した際に前記開閉部材が前記閉状態にある場合において、当該遊技球を前記開閉部材が前記開状態であれば前記特定入賞口に入球可能な第2特定ポイントへと案内する入球機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、開閉部材が閉状態とされている場合に、開閉部材が開状態であれば特定入賞口に入球可能な第1特定ポイントに遊技球が到達してしまったとしても、当該遊技球は、開閉部材が前記開状態であれば特定入賞口に入球可能な第2特定ポイントへと案内されることとなる。このため、特定入賞口に入球できなかった遊技球に対し、特定入賞口への入球を試みる機会が再度付与されることとなり、遊技球が特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定入賞口に入球しなかった遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。
また、本手段では、開閉部材が閉状態となるようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、所謂、止め打ち等の技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。
手段B−2.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1特定入賞口、及び、第2特定入賞口と、
前記第1特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第1特定入球ルート上の第1特定ポイントに配置され、前記第1特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な第1開閉部材と、
前記第2特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第2特定入球ルート上の第2特定ポイントに配置され、前記第2特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な第2開閉部材とを備え、
前記第1開閉部材が前記閉状態にある場合に、(当該第1開閉部材が閉状態であることに起因して、前記第1特定ポイントを前記第1特定入賞口側に通過することのできない)遊技球を、前記第2特定入球ルートへと案内する入球機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
第1開閉部材が閉状態とされている場合、遊技球が第1特定ポイントを第1特定入賞口側に通過する可能性は低く(事実上なく)、第1特定入賞口に入球する見込みが少ない(事実上ない)。これに対し、本手段B−1によれば、第1開閉部材が閉状態とされている場合には、当該第1開閉部材が閉状態であることに起因して、第1特定ポイントを第1特定入賞口側に通過することのできない遊技球を、第2特定入賞口へと至る第2特定入球ルートに案内することができるようになっている。このため、第1特定入賞口に入球できなかった遊技球に対し、第2特定入賞口への入球を試みる機会が付与されることとなり、遊技球が特定入賞口(第1特定入賞口及び第2特定入賞口)に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(電チューに具体化する場合には変動表示の回転数を上げることができ、アタッカーに具体化する場合には、ラウンドをスムースに進行させることができる)ことができる。
また、一般に、開閉部材が開状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、第1開閉部材が閉状態となっているときに第1特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が第2特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口(第1特定入賞口及び第2特定入賞口)に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
尚、当然のことながら、遊技球が最初に第1特定ポイントに到達したときに第1開閉部材が開状態であれば、その段階で遊技球が第1特定ポイントを通過して第1特定入賞口に入球することとなる。また、第1開閉部材及び第2開閉部材が開状態とされるタイミング、及び、閉状態とされるタイミングは同時であることとしてもよい。さらに、第1特定入賞口及び第2特定入賞口は同じ役割を有しており、例えば、第1特定入賞口及び第2特定入賞口のどちらに遊技球が入球しても、遊技者に払い出される遊技価値(賞球)の数は同じであることとしてもよく、第1特定入賞口及び第2特定入賞口への入球に基づいて所定の抽選が行われる場合、同じ乱数カウンタ及び同じ抽選テーブルを使用することとしてもよく、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、第1特定入賞口及び第2特定入賞口が規定時間の経過又は規定個数の入球を上限として開状態とされる期間であるラウンド期間を、閉状態とされるインターバル期間を挟みつつ、複数付与される構成の場合、第1特定入賞口及び第2特定入賞口へのどちらへの入球であっても、ラウンド期間の上限までを計る入球数としてカウントされることとしてもよい。尚、第1開閉部材と第2開閉部材とを連結して一体的に動作するように構成することで、これらを動作させる駆動手段の共通化を図ることができたり、また、別々に駆動制御する場合のように、同期させるタイミングを計るような制御等も行わなくても済み、構成や制御の簡素化等を図ることができる。
手段B−3.所定の契機に基づいて、前記開閉部材を開状態とするか否かの開閉抽選を行う開閉抽選手段を備え、
前記開閉抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記開閉抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあることを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、開閉部材が比較的頻繁に開状態とされる第2状態と、開閉部材があまり開状態とされない第1状態とが存在することにより、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出して小気味よく遊技を進行できる状態と、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出しても遊技の進行がままならない状態とを作り出すことができる。従って、遊技球の打出し位置を実質的に変更しなければならない状況を作ったり、遊技状態に抑揚をつけたりすることができ、遊技性の向上を図ることができる。
尚、第2状態では、特定入賞口を狙って発射された遊技球のほぼ全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。特に、特定入賞口に遊技球が1つ入球したことに応じて1つの遊技球が払出されるような構成の場合、発射された遊技球が特定入賞口に入球しなければ(その他の入賞口には基本的に入球しない状況にあるものとして)、手持ちの遊技球が確実に減っていってしまうが、第2状態において発射された遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球する構成とする場合には、かかる事態を飛躍的に抑制することができる。従って、特定入賞口に入球した場合に払出し遊技球数が1つで、第2状態では、手持ちの遊技球数を極力減らしたくないといった遊技性をより確実に成立させることができる。
手段B−4.前記第1特定ポイントの上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、第1特定ポイントに到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、第1特定ポイントに進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、第1開閉部材が閉状態とされている場合には、入球機会付与手段で遊技球を第2特定入球ルートに送って、第2特定入賞口への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段B−5.前記開閉部材(手段B−2に対応しては、少なくとも前記第1開閉部材)は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、
前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされ、
前記シャッタが突出した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、シャッタが前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とできる上、例えば、回動するシャッタで特定入賞口を閉鎖する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本手段のように、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記開閉部材のうち遊技球と接触し、遊技球の前記特定ポイントの通過を規制する部位に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させることができる。
手段B−6.前記開閉部材が閉状態にある際に前記第1特定ポイントに到達した遊技球は、前記第2ポイント(手段B−2に対応しては、前記第2特定入球ルート)へは、閉状態とされた前記開閉部材によって案内されることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、第1特定ポイント(第1特定入賞口への第1特定入球ルート)を開閉する開閉部材の閉状態時に、当該開閉部材によって、遊技球を第2特定ポイント(第2特定入球ルート)へと案内可能となるため、遊技球を第2特定ポイント(第2特定入球ルート)へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。また、本手段では、閉状態にある(第1)開閉部材が、入球機会付与手段を構成している。
手段B−7.前記第2特定ポイント(手段B−2に対応しては、前記第2特定入球ルート)へは、遊技球が前記入球機会付与手段によって案内された場合にのみ進入可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
第1特定ポイントで(第1)特定入賞口に入球できなかった遊技球が第2特定ポイントで(第2)特定入賞口に入球する可能性はあるが、第2特定ポイントで(第2)特定入賞口に入球できなかった遊技球が第1特定ポイントで(第1)特定入賞口に入球する可能性はないため、例えば、入球機会付与手段を介さずに、ダイレクトに第2特定ポイントで(第2)特定入賞口にも遊技球が進入可能に構成される場合には、特定入賞口に遊技球が入球する可能性が低下してしまう。この点、手段B−7によれば、先ず第1特定ポイントで(第1)特定入賞口への入球を図り、それがダメだった場合に、第2特定ポイントで(第2)特定入賞口への入球を図るといった順番を順守させることができ、特定入賞口への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
手段B−8.遊技領域を移動する遊技球が通過可能、又は、入球可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した、又は、前記普通始動手段に入球した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口、並びに、前記開閉部材は、前記特別始動手段に適用され、
前記入球サポート抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記入球サポート抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあり、
前記当否抽選にて当選して前記可変入賞手段が開状態とされる状態では、前記サポート抽選に関して前記第1状態とされる構成であって、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段B−1乃至B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、当否抽選にて当選して可変入賞手段が開状態とされる状態では、サポート抽選に関して第1遊技状態とされており、特別始動手段の開閉部材がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が第2特定入球ルートを経由し、さらには、第2特定入賞口にも入球せずに、特別始動手段の外部に排出されるようになる。これに対し、例えば、可変入賞手段が特別始動手段の下流側にあると、遊技球が特別始動手段(の第1特定入球ルート、及び、第2特定入球ルート)を経由する分、遊技球の可変入賞手段へのアプローチが遅れてしまう。この点、可変入賞手段を特別始動手段の上流側に配置することで、可変入賞手段への入球をスムースに行わせることができる。
尚、可変入賞手段が開状態とされる状態においては、特別始動手段が第1状態とされていても、上流側の可変入賞手段において遊技球が入球し、特別始動手段側に流れる遊技球の数が減ることから、特別始動手段において大量の遊技球が入球して流れが悪くなる態様を遊技者に視認させなくても済む。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた特別始動手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
また、一般に、パチンコ機には、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化し、遊技球が入球することで所定数の賞球が付与される可変入球装置が設けられている。
ところで、可変入球装置が開状態とされる特別遊技状態において、一定のリズムで遊技球を発射させ続けていても、遊技領域には遊技釘等の各種遊技部材が配設されていることから、可変入球装置の開放タイミングと、遊技球が可変入球装置に到達するタイミングとが上手く噛み合わず、なかなか入球させることができない状況が生じてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、より効率的に可変入球装置に遊技球を入球させることのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態とに状態変化する可変入球装置とを備え、
前記可変入球装置は、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能なシャッタとを備え、
前記シャッタが閉位置にある場合に、当該シャッタによって前記特定入賞口への入球が規制された遊技球を、当該シャッタへの当接状態を保ちつつ規定方向に変位させる入球機会付与手段を備え、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタに当接している遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、可変入球装置が閉状態にある場合、可変入球装置に到達した遊技球は、シャッタによって特定入賞口への入賞が規制されることとなるが、そのままシャッタへの当接状態を保ちつつ、規定方向に移動することとなる。そして、シャッタが開位置とされ、可変入球装置が開状態とされた場合に、シャッタに当接していた(寄りかかっていた、又は、載っていた)遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球することとなる。このように、シャッタが開位置とされれば特定入賞口に入球することとなる位置(状態)における遊技球の滞在時間を極力長くすることによって、可変入球装置が開状態となれば特定入賞口に入球できる遊技球の状態を保ちつつ、可変入球装置が次に開状態となるタイミングを待つことができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができる。
さらに、可変入球装置の開状態とされている開放時間が比較的短くても、シャッタに寄りかかっている(例えば、載っている)遊技球については、特定入賞口に入球させることができる。つまり、例えば、シャッタが閉じているときにシャッタ上に遊技球を載せておきさえすれば、シャッタの短い開放でその全てを特定入賞口に入球させることができる。従って、可変入球装置の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。このため、特定入賞口及び開閉部材を、当否抽選で当選して特別遊技状態となった場合に開放されるアタッカーに具体化した場合に、ラウンド間のインターバル中にシャッタに溜まった遊技球がラウンド開始とともにアタッカーに入球することとなり、時間効率の向上等を図ることができる。また、入球サポート抽選で当選して入球サポート状態となった場合に開放される電チューに具体化した場合に、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を入球させることが実現可能となり、これによって新たな遊技性を生み出すこともできる。
また、本手段では、可変入球装置が閉状態となるようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、可変入球装置が、閉状態となる期間を挟みつつ、所定回数開状態とされる状態(例えば、遊技者にとって有利な特別遊技状態)において、所謂、止め打ち等の技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。
手段C−2.前記入球機会付与手段は、前記閉位置にある前記シャッタに当接した遊技球に対し、前記シャッタへの当接状態を保ちつつ、前記シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、シャッタが開位置となれば遊技球を特定入賞口に入球させることのできる状態を極力長時間キープすることができる。従って、可変入球装置が複数回開状態とされる期間において、可変入球装置が閉状態となっている際に可変入球装置に到達するようなタイミングで遊技球を打ち出してしまっても、当該遊技球は、可変入球装置が開状態とされたならば直ちに可変入球装置に入球可能な位置において移動しつつもその範囲内で極力留まり、可変入球装置が次に開状態とされるタイミングを待つことができる。結果として、可変入球装置への入球の可能性を高めるといった上記作用効果が一層確実に奏されることとなる。
例えば、「少なくとも前記閉位置にある前記シャッタは前後に延びて、その上面に遊技球を載置可能に構成され、前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に載っている遊技球を、当該シャッタの上面において、(例えば、蛇行させながら)当該シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させること」としてもよい。
尚、「前記入球機会付与手段として、前記シャッタの上面に小さな凹凸が形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタが開位置となれば特定入賞口に入球できる状態を極力長時間キープするといった作用効果が確実に奏される。また、例えば、シャッタの上面を中央が低く左右が高い略円弧状に形成し、シャッタに載った遊技球が左右に往復転動するとともに、勢いが弱まった場合にシャッタから落下するように構成してもよい。
手段C−3.前記シャッタは、遊技領域に突出して前記特定入賞口の上方において前後方向に延在する前記閉位置と、全部または大部分が遊技領域から退出して前記特定入賞口を上方に開口させる開位置との間を前後にスライド可能に構成され、
前記シャッタが前記開位置とされた場合に、当該シャッタの上面に載っている遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段C−1又はC−2に記載の遊技機。
手段C−3によれば、可変入球装置の閉状態ではシャッタの上面に遊技球を載せて(溜めて)おき、可変入球装置が開状態となった場合に、シャッタの支えを失った遊技球が下方に落下することで、特定入賞口に入球するようになっている。このため、例えば、シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで特定入賞口に入球させるよりも、遊技球を特定入賞口に入球させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にあるシャッタを開位置とすることで、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されていた遊技球を比較的迅速に特定入賞口に入賞させることができる。
また、例えば、前後に延びるシャッタを上方に回動させて特定入賞口を開放する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びるシャッタを下方に回動させて特定入賞口を開放させる構成において、シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下して重さや衝撃などでシャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が特定入賞口に入球してしまうといった事態を回避することができる。
尚、「前記シャッタは、長手方向が左右方向となる構成であって、前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の前記シャッタの長手方向に対して交差する方向に蛇行させながら前記シャッタの長手方向下流側に向けて、前記シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させること」としてもよい。一般に、遊技盤とその前方に配置される透明な板状体とによって画定される遊技領域の前後の幅は、遊技球の直径の2倍よりも狭くなっている。このため、シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の前記シャッタの短手方向に対して交差する方向に蛇行させながら、又は、略円形状の前記シャッタの中心側から外周側に向けて旋回させながら、シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させようとすると、シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くする必要が生じる上、シャッタ上を移動する遊技球の好適なスタート地点として遊技盤の前面よりも後方のポイントを選択せざるを得なくなってしまうおそれがある。この場合、構成の複雑化等を招くおそれがある。この点、シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状のシャッタの長手方向に対して交差する方向に蛇行させるだけであれば、シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くしなくても、シャッタに載った遊技球を、シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させることができる。従って、かかる不具合を払拭することができる。
手段C−4.前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に凹凸を形成することで形成されていることを特徴とする手段C−3に記載の遊技機。
例えば、シャッタ側に凹凸を形成するのではなく、閉位置にあるシャッタの上方において、特定入賞口の開口周縁部から内周側に突出する突部を形成することで入球機会付与手段を構成し、シャッタの上面に載った遊技球を前記突部で誘導して蛇行させながら移動させる構成とする場合、シャッタを開位置に変位させても、突部が特定入賞口の開口周縁部から内周側に突出したままの状態で残ることとなるため、特定入賞口への遊技球の入球し易さが低下してしまうおそれがある。
この点、本手段C−4のように、シャッタ側に入球機会付与手段を構成する凹凸を形成することによって、シャッタが開位置へと変位すれば、入球機会付与手段についても、全体又は大部分が遊技領域外に退出するため、かかる不具合を払拭することができる。
手段C−5.前記可変入球装置は、遊技盤に取付けられる略板状のベース板を備え、
前記ベース板には、前記シャッタを出没させる収容開口部が形成され、
前記ベース板の前面のうち前記収容開口部の上方部位は、上方に向けて後方傾斜するとともに、
前記シャッタの上面を移動する遊技球に対し、遊技球の中央よりも下側の部分と当接可能に構成されていることを特徴とする手段C−4に記載の遊技機。
上記手段C−3のように、シャッタが前後に延びて前後に変位可能に構成される場合であって、上記手段C−4のように、シャッタの上面に凹凸が形成される場合には、シャッタを遊技盤側に引いて開位置とする際に、シャッタに載っている遊技球が、シャッタの上面の凸部と、ベース板とで圧接され、その力で弾け飛んでしまうことが懸念される。
この点、手段C−5によれば、シャッタを開位置とする際に、シャッタに載っている遊技球が、シャッタの上面の凸部と、ベース板とで挟まれそうな位置にあったとしても、上方に向けて後方傾斜し、かつ、遊技球の中央部よりも下側の部位と当接するベース板の収容開口部の上方部位に遊技球が載り上げるようにして比較的スムースにシャッタの凸部を特定入賞口側に乗り越えることができる。従って、シャッタを開位置とする際にシャッタに載っていた遊技球をより確実に特定入賞口に入球させることができるとともに、可変入球装置等の損傷を抑制することができる。
手段C−6.前記シャッタが前記閉位置へと変位した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段C−3乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記シャッタ、又は、閉位置にある前記シャッタと当接して支持する部材に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させ、損傷や衝突音の抑制を図ることができる。
手段C−7.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記可変入賞手段によって前記可変入球装置が構成され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも下流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段C−3乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C−3にあるように、閉位置にあるシャッタは、落下してきた遊技球を受け止める必要があり、その際等の負担が大きい。この点、本手段C−7のように、可変入球装置としての可変入賞手段を、特別始動手段の下流側に配置することで、特別始動手段に入球する分だけ可変入賞手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段C−8.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特別始動手段によって前記可変入球装置が構成され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段C−3乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
閉位置にあるシャッタは、落下してきた遊技球を受け止める必要があり、その際等の負担が大きい。この点、本手段C−8のように、可変入球装置としての特別始動手段を、可変入賞手段の下流側に配置することで、可変入賞手段に入球する分だけ特別始動手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段C−9.前記可変入球装置の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段C−1又はC−8のいずれかに記載の遊技機。
手段C−9によれば、可変入球装置に到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、可変入球装置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。このため、シャッタへの落下地点、すなわち、シャッタに当接しながら移動する遊技球のスタート地点のばらつきを抑制することができる。さらには、シャッタに当接しながら移動する遊技球の初速度のばらつきを抑制することができる。従って、遊技球がシャッタに当接しながら移動する時間を極力長くして、特定入賞口への入球確率を向上させるといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、「整流手段は、遊技球をシャッタのうち上流側の部位に案内すること」としてもよい。また、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合せてもよい。
手段C−10.前記シャッタは、
少なくとも前記閉位置では前後に延び、前記特定入賞口を閉塞可能な第1シャッタと、
少なくとも前記閉位置では前後に延び、前記第1シャッタの上方において、前記第1シャッタから遊技球の直径以上の距離を隔てて併設される第2シャッタとを備え、
前記第1シャッタ及び前記第2シャッタは、同時に、前記開位置と前記閉位置との間を変位可能に構成され、
前記閉位置にある前記第2シャッタに落下した遊技球は、当該第2シャッタ上を移動して前記閉位置にある前記第1シャッタに落下し、前記第1シャッタ上を移動するとともに、
前記閉位置にある前記第1シャッタ及び前記第2シャッタが前記開位置へと変位した場合には、前記第1シャッタ及び前記第2シャッタに載っている遊技球が前記特定入賞口に入球することを特徴とする手段C−1乃至C−9のいずれかに記載の遊技機。
手段C−10によれば、第1シャッタに落下する遊技球の位置や速度を第2シャッタである程度限定することができ、第1シャッタ上における遊技球の移動を好適なものとすることができる。また、閉位置にある第1シャッタに載っている遊技球だけでなく、閉位置にある第2シャッタに載っている遊技球についても、第1シャッタ及び第2シャッタが開位置へと変位することで、特定入賞口に入球することから、遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった作用効果がより一層確実に奏される。
D.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機は、遊技球を用いて遊技が行われ、当該遊技球が移動可能な遊技領域を備えるとともに、発射装置にて発射された遊技球がかかる遊技領域に案内される構成となっている。また、一般に、パチンコ機には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な各種入賞手段が設けられている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
ところで、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことがあり、その場合には、興趣の低下を招くおそれがある。
特に、遊技球が比較的入球し易い開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態とに変化する入賞手段が頻繁に開状態とされる状態において、かかる入賞手段への入球が見込めるルートに遊技球を打ち出してさえいれば、基本的に遊技者の手持ちの遊技球をほとんど減らすことなく遊技を進行することができるといった遊技性であるのにもかかわらず、かかる状況下で該当のルートに遊技球を打ち出していても、手持ちの遊技球がどんどん減っていってしまうような場合には、著しい興趣の低下を招くおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技球の入賞手段への入球に関するばらつきを抑制することのできる機能を備えた遊技機を提供することにある。
手段D−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な始動入賞手段、及び、可変入賞手段と、
遊技領域を移動する遊技球が通過可能な普通始動手段と、
前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記可変入賞手段へ入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動手段を通過する遊技球を検知する普通始動検知手段とを備え、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われ、
前記普通始動検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞手段を開状態とさせるか否かの入球サポート抽選が行われ、
前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の上流側に位置する一方が開状態であれば当該一方に入球することのできる入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記一方が閉状態であったために前記一方に入球することのできなかった遊技球を、他方が開状態であれば当該他方に入球することのできる入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、始動入賞手段、及び、可変入賞手段のうち、一方が閉状態であったために当該一方に入球できなかった遊技球が、他方の入球ポイント(入口)に至ることもなく、遊技領域から排出されてしまうといった事態を防止することができる。これにより、始動入賞手段、及び、可変入賞手段のうち、一方に入球することのできなかった遊技球が、他方に入球する可能性を確実に高めることができ、遊技領域に打ち出された遊技球がどの入賞手段にも入球せずに遊技領域から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことを抑制することができ、かかるばらつきに起因する興趣の低下を抑止することができる。
手段D−2.前記可変入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、前記特定入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記特定入賞口を閉鎖する閉位置と、前記特定入賞口を開放する開位置との間を変位可能な特定開閉部材とを備え、
前記特定開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記特定入賞口への入球の機会を付与する特定入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
特定開閉部材が閉位置にある場合には、遊技球が入球ポイントを特定入賞口側に通過する可能性はなく、特定入賞口に入球する見込みがない。これに対し、本手段D−2によれば、開閉部材が閉位置とされている場合に特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、今よりも後のタイミングで特定入賞口への入球機会を付与することができる。このため、遊技球が入球ポイントを特定入賞口側に通過し、特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。
従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、入球ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、入球ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させることができる。
また、一般に、開閉部材が開位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、開閉部材が閉位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
尚、特別遊技状態では、特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球の(ほぼ)全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。
手段D−3.前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞口と、前記始動入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記始動入賞口を閉鎖する閉位置と、前記始動入賞口を開放する開位置との間を変位可能な始動開閉部材とを備え、
前記始動開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記始動入賞口への入球の機会を付与する始動入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−3によれば、対象を始動入賞手段として、基本的に上記手段D−2と同様の作用効果が奏される。尚、始動入賞手段が比較的頻繁に開状態とされるような入球サポート状態では、始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球の(ほぼ)全てが、始動入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。
手段D−4.前記可変入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、前記特定入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記特定入賞口を閉鎖する閉位置と、前記特定入賞口を開放する開位置との間を変位可能な特定開閉部材とを備え、
前記特定開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記特定入賞口への入球の機会を付与する特定入球機会付与手段を備え、
前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞口と、前記始動入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記始動入賞口を閉鎖する閉位置と、前記始動入賞口を開放する開位置との間を変位可能な始動開閉部材とを備え、
前記始動開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記始動入賞口への入球の機会を付与する始動入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−4によれば、上記手段D−2及び手段D−3の作用効果が奏される。また、上記手段D−1に記載されているように、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方に入球しなかった遊技球は、入球案内手段によって、他方へと案内される。つまり、始動入賞手段が比較的頻繁に開状態とされるような入球サポート状態と、可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態とが連続して導出されるような状況においては、遊技球を遊技領域の同じ位置に打ち出しているだけで、始動入賞手段及び可変入賞手段のどちらかにかなりの高確率で(ほぼ全ての)遊技球が入球することとなる。従って、入球サポート状態や特別遊技状態において、ほとんど無駄球が発生せず、非常に効率的な遊技を行うことができる。結果として、入球サポート状態や特別遊技状態において快適な遊技を行うことができ、遊技球が入賞手段になかなか入球しない状況が続いて不快な思いをする(当否抽選の結果を教示する演出等に集中できない)といった事態を回避することができる。
手段D−5.前記始動入賞手段は、前記可変入賞手段よりも遊技領域の上流側に位置し、前記始動入賞手段に入球しなかった遊技球が前記可変入賞手段に案内されることを特徴とする手段D−2又はD−4に記載の遊技機。
手段D−2又はD−4の可変入賞手段を採用する場合、閉状態にある可変入賞手段に到達した遊技球が閉状態を維持する可変入賞手段を抜けるまでに比較的多くの時間を要することとなる。このため、始動入賞手段が入球案内手段を介して可変入賞手段の下流側に位置する場合、遊技球が始動入賞手段になかなか到達しないといった事態を招くことになる。特に、一般に、始動入賞手段が複数回開放される際のインターバル(開状態とされる期間の間にある閉状態とされている期間)と、可変入賞手段が複数回開放される特別遊技状態のインターバルとを比較しても、特別遊技状態のインターバルの方が長く、それに併せて可変入賞手段の特定入球機会付与手段を設計すると、かかる傾向がより顕著なものとなる。
この点、手段D−5のように始動入賞手段を可変入賞手段の上流側に配置することによって、始動入賞手段を狙って遊技球を打ち出してから、該遊技球が始動入賞手段に到達するまでの時間を比較的短くすることができ、スムースな遊技の進行を図ることができる。加えて、例えば、始動入賞手段が入球案内手段を介して可変入賞手段の下流側にある場合には、閉状態が維持される状態の可変入賞手段に遊技球が到達すれば、始動入賞手段への入球がほぼ確実となるのであるが、そこから実際に始動入賞手段へ入球するまで(始動入賞検知手段に検知されるまで)に比較的多くの時間を要することから、そのタイムラグに違和感を与えてしまうことが懸念されるが、始動入賞手段を可変入賞手段の上流側とすることで、かかる違和感の発生を回避することができる。
また、手段D−2又はD−4の可変入賞手段を採用する場合でも、特別遊技状態中において始動入賞手段に遊技球を入球させることが可能となる。従って、特別遊技状態中において可変入賞手段の入球ポイントに到達した遊技球のほぼ全てが可変入賞手段に入球し、無駄球はほとんど発生しない(遊技者の損はない)構成において、始動入賞手段への遊技球の入球に基づいて2個以上の遊技球の払出しがある場合には、遊技者にとって有利になる方(始動入賞手段に入球した分だけ余分に払出される遊技球が増える)への若干の変化を付与することができる。
手段D−6.前記可変入賞手段は、前記始動入賞手段よりも遊技領域の上流側に位置し、前記可変入賞手段に入球しなかった遊技球が前記始動入賞手段に案内されることを特徴とする手段D−2又はD−4に記載の遊技機。
手段D−6によれば、手段D−2又はD−4の可変入賞手段を採用する場合、特別遊技状態中において始動入賞手段に遊技球が入球することがほぼなくなるため、始動入賞手段への入球に基づいた遊技球の払出しが事実上行われなくなる。従って、特別遊技状態において始動入賞手段に遊技球が入球するかしないかによって、特別遊技状態中における遊技球の払出し総数が比較的大きく変化してしまうことを回避することができる。結果として、可変入賞手段が開状態とされる同一種別の特別遊技状態における遊技球の払出し総数をほぼ一定とすることができ、遊技球の払出し(ペイアウト率)に関する設計を行い易くすることができる。また、遊技コンセプト(所定の特別遊技状態の特徴)として、遊技球の払出し数にばらつきの少ない特別遊技状態を導出することができる。
また、特別遊技状態において、可変入賞手段の上流側で(可変入賞手段にまで到達すれば可変入賞手段に入球する筈の)遊技球が可変入賞手段に入球するといった事態が生じないことから、特別遊技状態を比較的スムースかつ迅速に進行することができる。
尚、本手段D−6と、上記手段D−5とでは、可変入賞手段と始動入賞手段との配置が逆になっているが、機種毎のコンセプトに合った方を採用すればよい。すなわち、例えば、「始動入賞手段への遊技球の入球に基づいて1個の遊技球の払出しがある構成」において、これでは遊技球の増加が全く見込めず、可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態において始動入賞手段に遊技球が入球することを時間の無駄と捉えて、手段D−6のように可変入賞手段を上流側に配置してもよいし、或いは、遊技球のペイアウト率を増加させることなく、特別遊技状態の消化に要する時間(特別遊技状態用の演出を導出できる時間)を極力長くして、特別遊技状態そのものをより楽しんでもらう(特別遊技状態中の演出を楽しんでもらう)ベく、手段D−5のように始動入賞手段を上流側に配置してもよい。
手段D−7.前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の上流側に位置する前記一方の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−6のいずれかに記載の遊技機。
手段D−7によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方に遊技球が到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、前記一方に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減させることができる。従って、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段における遊技球の流れを比較的スムースなものとすることができる。
特に、手段D−2乃至D−4に関しては、開閉部材が閉状態とされている場合には、遊技球を別のタイミングで入球ポイントに至らせる機会を付与し、入賞口への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段D−8.前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の下流側に位置する前記他方へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
手段D−8によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方を遊技球が経由することなく、遊技領域下流側に位置する他方に到達するといった事態を防止することができる。従って、先ず前記一方への入球を図り、それがダメだった場合に、前記他方への入球を図るといった順番を順守させることができ、始動入賞手段及び可変入賞手段への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
手段D−9.前記始動入賞手段と、前記可変入賞手段とがユニット化されて前記遊技盤に取付けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−8のいずれかに記載の遊技機。
手段D−9によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段の遊技機への着脱作業性の向上を図るとともに、始動入賞手段と可変入賞手段との間の相対位置をよりきっちりと決めることができる。
手段D−10.遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記始動入賞手段、前記可変入賞手段、及び、前記入球案内手段の前方を覆う前装飾部を備えていることを特徴とする手段D−1乃至D−9のいずれかに記載の遊技機。
手段D−10によれば、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段の一体感を高めることができる。つまり、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段の構造や、これらを移動する遊技球の複雑な動きに惑わされることなく、始動入賞手段が比較的頻繁に開放される入球サポート状態や、可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態において、前装飾部で覆われた部分に遊技球が至れば(前装飾部の裏側に遊技球が入球すれば)、始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、前装飾部で覆われた部分としては、始動入賞手段及び可変入賞手段の両方の機能を具備するものになるため、始動入賞手段と可変入賞手段とが別々に存在する構成しかなかった従来の遊技機に比べ、目新しさを付与するとともに、これを利用した新たな演出等を導出することができる。
尚、「前記前装飾部のうち少なくともその後方の遊技領域を遊技球が通過可能となっている部位においては透視性を有するように構成されていること」としてもよい。例えば、少なくとも遊技球が裏側を通過する部位については、透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成することとしてもよい。この場合、初めて遊技を行う遊技者等が、前装飾部の裏側で何が起きているか見えないことで不安になる等といった事態を解消することができる。また、例えば、前装飾部を所定の情報を遊技者に教示するための場所として使用してもよい。例えば、前装飾部に機種情報(機種名や当否抽選の確率等)を表示するように構成してもよい。加えて、前装飾部によって、始動入賞手段及び可変入賞手段の一部(例えば、遊技領域を移動する遊技球を受け入れて、遊技盤に形成された開口部側に案内する球受部の前壁)を構成することとしてもよい。
手段D−11.前記入球サポート抽選において、第1確率で当選する低入球状態と、前記第1確率よりも高確率で当選する高入球状態とが設定され、
前記前装飾部の設置範囲において、前記高入球状態に対応する高入球対応状態と、前記特別遊技状態に対応する特別遊技対応状態と、それ以外の状態に対応する通常対応状態とに状態変化可能な状態示唆手段を備えていることを特徴とする手段D−10に記載の遊技機。
手段D−11によれば、前装飾部を視認し続けるだけでも、状態示唆手段の態様によって、遊技球が始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することができる。
手段D−12.前記前装飾部は、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち遊技領域上流側に位置する一方への遊技球の進入経路に対応した位置に入口役物を備えていることを特徴とする手段D−10又はD−11に記載の遊技機。
手段D−12によれば、入口役物が、遊技球をどこに移動させればよいのかの目印となることから、遊技者の遊技性への理解を助けることができる。
手段D−13.前記入口役物を状態変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴とする手段D−12に記載の遊技機。
手段D−13によれば、装飾性や演出性の向上を図ることができる。さらに、入口役物を状態変化させることで、遊技球の打出し位置の目印としてより目立たせたり、或いは、状態変化によって所定の情報を示唆・教示したりすることができる。
尚、「入口役物の状態変化」とは、入口役物の変位、入口役物に設けられた電飾等の表示部材の態様変化(例えば、入口役物が所定のキャラクターを模しており、その目の位置に3色LEDが設けられており、その発光色が状況に応じて変化する等)が挙げられる。また、入口役物の変位としても、入口役物全体が変位可能に構成されている場合だけではなく、入口役物が部分的(1箇所でも複数箇所でも可)に変位可能に構成されている場合も含む趣旨である。
手段D−14.前記入口役物は、少なくとも一部が変位可能に構成され、
前記入口役物が変位したとしても、遊技領域の遊技球の移動経路に変化が生じないよう構成されていることを特徴とする手段D−13に記載の遊技機。
手段D−14によれば、入口役物はあくまでも役物(飾り)であり、変位可能に構成されるものの、変位によって遊技球の移動経路に影響を及ぼすものではない。このため、たとえ入口役物を複雑に動かす等しても、始動入賞手段や可変入賞手段へ遊技球を良好に入球させることが可能である上、比較的自由に設計することもできる入口役物の態様によって様々な情報を示唆・教示することもできる。
尚、「前記役物駆動手段は、前記入口役物を回転変位させること」としてもよい。この場合、入口役物を変位させることに伴って遊技球の移動経路に変化が生じないように構成しつつ、入口役物を回転させる機構の大型化や複雑化を回避することができる。また、「前記始動入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる始動駆動手段と、前記可変入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる可変駆動手段とを備え、前記入口役物は、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち一方の開閉動作と連動し、前記始動駆動手段又は前記可変駆動手段によって前記役物駆動手段が構成されていること」としてもよい。この場合は、入口役物の変位制御の簡素化等を図ることができる。
手段D−15.前記入球サポート抽選において、第1確率で当選する低入球状態と、前記第1確率よりも高確率で当選する高入球状態とが設定され、
前記入口役物は、前記高入球状態に対応する高入球対応状態と、前記特別遊技状態に対応する特別遊技対応状態と、それ以外の状態に対応する通常対応状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段D−12乃至D−14のいずれかに記載の遊技機。
手段D−15によれば、入口役物の態様によって、遊技球が始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することができる。尚、上記手段D−11に対応しては、入口役物によって「状態示唆手段」が構成されることとなる。
手段D−16.前記前装飾部は、前記遊技盤、又は、前記遊技盤に取付けられた前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段に取付けられるとともに、
前記前装飾部には、前後に貫通し、前記遊技盤の前面側に立設された遊技釘を前方に露出させるための釘露出孔が形成されていることを特徴とする手段D−10乃至D−15のいずれかに記載の遊技機。
手段D−16によれば、前装飾部を取付けるために、遊技盤が取付けられる遊技盤取付枠や、遊技盤取付枠の前方に設けられる前面枠等の形状を変更しなくても済む。このため、遊技盤やこれに取付けられる各種部材だけを交換し、遊技盤取付枠等はそのまま再使用するといった遊技機のリユースをスムースに行うことができる。
また、前装飾部に釘露出孔が形成されることによって、始動入賞手段や可変入賞手段の近傍に遊技釘を設けたり、遊技釘の配置を気にすることなく、前装飾部を比較的広範囲に(前装飾部の外周縁が始動入賞手段や可変入賞手段から極力離間させるようにして)設けたりすることができる。しかも、遊技釘を避けるようにして前装飾部の外周縁を形成しなくてもよいことから、前装飾部のデザイン性の向上と、遊技釘による遊技球の移動ルートの形成とを両立させることができる。また、長年の使用等により遊技釘の角度が変わる等して遊技釘のメンテナンス(角度調節等)が必要になった場合でも、前装飾部を取外すことなくかかる作業を行うことができる。
尚、前装飾部と遊技釘との位置関係としては、前装飾部と遊技盤との間に遊技球が通過可能に構成されていれば、遊技釘の前部が釘露出孔を貫通して前装飾部の前方に位置してもよいし、遊技釘全体が前装飾部よりも後方に位置していてもよい。また、「前記前装飾部には、遊技球の経路に対応して前後に貫通する球詰り解消孔が形成されていること」としてもよい。この場合、万一、前装飾部の裏側で球詰りが発生したとしても、球詰り解消孔を介して前装飾部を取外すことなく解消することが可能となる。また、前装飾部の裏側を通過する遊技球の視認性を向上させることができる。
尚、「前記前装飾部は、前記遊技盤に取付けられた前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段に取付けられること」としてもよい。すなわち、前装飾部をねじ等で遊技盤に直接取り付けるとなると、基本的に前記ねじ等が前方に露出して意匠性の低下を招くことが懸念されるが、前装飾部を始動入賞手段及び可変入賞手段に取付ける構成とすることで、前装飾部の裏面側でかかる取付けを行って、取付しに使用されるねじ等が視認されないように構成することができる。しかしながら、かかる構成を採用する場合、今度は、始動入賞手段及び可変入賞手段を遊技盤に取付ける作業が比較的困難なものとなることが懸念される。つまり、前装飾部が、始動入賞手段及び可変入賞手段の遊技盤への取付部の前方をも覆う構成とする場合、該取付部の前方にドライバーなどの工具を好適に位置させることができない。これに対し、「前記前装飾部には、前後に貫通し、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段の前記遊技盤への取付部位を前方に露出させるための工具孔が形成されていること」としてもよい。この場合、前装飾部が始動入賞手段及び可変入賞手段の前方を覆っていても、始動入賞手段及び可変入賞手段の遊技盤への取付作業を比較的容易に行うことができ、さらに、前装飾部の取付部位や、始動入賞手段及び可変入賞手段の取付部位が前方から視認されることに起因して意匠性の低下を招くことを低減させることができる。
手段D−17.前記前装飾部によって前方を覆われる範囲に関し、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち遊技領域上流側に位置する前記一方の前記入球ポイントに到達することが確実となる遊技球の進入経路において、通過する遊技球を検知する先検知手段を備えていることを特徴とする手段D−10乃至D−16のいずれかに記載の遊技機。
手段D−17によれば、前装飾部で覆われた領域に遊技球が進入したことへのリアクションを比較的素早く発生させることができ、その場合、前装飾部の存在する領域に遊技球が入球したというイメージを強めることができる。従って、前装飾部の存在する領域を、始動入賞手段と可変入賞手段とがまとめられた入賞領域としてより確実に認識させることができる。
さらに、前装飾部の存在する領域に遊技球が進入してから、始動入賞検知手段や可変入賞検知手段(特に、遊技領域下流側に位置する方)に遊技球が検知されるまでには、比較的長いタイムラグが生じることが懸念され、始動入賞検知手段や可変入賞検知手段による検知のタイミングで入球の報知を行ったとしても、(前装飾部の存在する領域に遊技球が進入したことの記憶が少し遠くなって)かかる報知がもはや何に対応しているかを把握し難い上、前装飾部に進入した時点で何も反応がないと遊技者に不安感を与えてしまう。この点、先検知手段の検知に基づいて所定の反応を示すことで、かかる懸念を払拭することができる。
また、遊技領域において遊技球の移動ルートが複数存在して、遊技者が遊技モード等の状況に応じて対象の移動ルートを狙って遊技球を打ち分けるような構成の場合に、始動入賞手段や可変入賞手段が設置された移動ルートが対象の移動ルートではない状況において、当該移動ルートに遊技球が打ち出されてしまっていることをより確実に把握することができ、これに基づいて、正しい移動ルートを示す報知等を行うことも可能となる。
手段D−18.前記先検知手段の検知に基づいて、効果音を発生可能な進入効果音発生手段を備えていることを特徴とする手段D−17に記載の遊技機。
手段D−18によれば、前装飾部の存在する領域に遊技球が入球したというイメージをより強めることができる。また、遊技者としては、前装飾部の裏側に入球していった遊技球が遊技機側でしっかりと認識(カウント)されているということが分かることから、安心感を得ることができる。尚、進入効果音発生手段による音声態様によって、遊技球が始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを教示することも可能である。
手段D−19.前記先検知手段に検知された遊技球のうち前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のどちらにも入球しなかった遊技球を検知する排出検知手段を備えていることを特徴とする手段D−17又はD−18に記載の遊技機。
手段D−19によれば、先検知手段、始動入賞検知手段、可変入賞検知手段、及び、排出検知手段の検知情報に基づいて、不正な入球がないか、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段において球詰りが発生していないか等の確認を行うことができる。
手段D−20.前記発射手段による遊技球を打ち出す強さを調節可能な発射強さ調節手段を備え、
前記遊技領域は、
第1役物が設置された第1ルートと、
第2役物が設置された第2ルートとを備え、
前記第1ルートを移動する遊技球は、前記第2役物への到達は不可能に構成され、
前記第2ルートを移動する遊技球は、前記第1役物への到達は不可能に構成され、
前記発射強さ調節手段は、遊技者が操作可能に構成され、遊技者の操作に伴って変位する操作部を備え、
前記操作部を特定方向に沿って変位させることで、前記発射手段による遊技球を打ち出す強さが調節可能に構成されるとともに、打ち出す強さを調節して、遊技球を前記第1ルートと、前記第2ルートとに打ち分け可能に構成され、
前記始動入賞手段は、少なくとも前記第1ルートを経由してきた遊技球が入球可能な第1始動入賞手段と、前記第2ルートに設けられる前記第2役物としての第2始動入賞手段とを備え、
前記可変入賞手段は、少なくとも前記第1ルートを経由してきた遊技球が入球可能で、前記第1始動入賞手段への入球に基づく当否抽選の対象とされる第1可変入賞手段と、前記第2ルートに設けられ、前記第2始動入賞手段への入球に基づく当否抽選の対象とされる前記第2役物としての第2可変入賞手段とを備え、
前記普通始動手段は、前記第2ルートに設けられ、遊技球の通過に基づいて前記第2始動入賞手段を対象とする入球サポート抽選が行われる前記第2役物としての第2普通始動手段を備え、
前記入球案内手段は、前記第2始動入賞手段と、前記第2可変入賞手段との間の遊技球の移動を案内するようにして設けられていることを特徴とする手段D−1乃至D−18のいずれかに記載の遊技機。
手段D−20によれば、第2始動入賞手段と第2可変入賞手段との間には入球案内手段が設けられており、上記手段1等で記載したように、遊技球をより効率的に第2始動入賞手段や第2可変入賞手段に入球させることが可能となる。但し、当該構成においては、無駄球の発生を抑制し、スムースに(テンポよく)遊技を進行させることができるといった作用効果が奏されるものの、第2ルートの遊技球の挙動としては、第2始動入賞手段及び第2可変入賞手段のうち上流側に位置する一方の入球ポイントにまで到達してしまえば、ほぼ同じような移動ルートを辿ることになる。
この点、本手段D−20のように、第2始動入賞手段及び第2可変入賞手段だけでなく、第1ルートから到達可能な第1始動入賞手段及び第1可変入賞手段が設けられており、こちらについては遊技球の多彩な挙動(移動ルート)を選択させることができる。従って、遊技球の挙動がほぼ一定となることに起因して興趣の低下等を招いてしまうといった事態を回避することができ、第1ルートに遊技球を打ち出す状態において、遊技球の挙動を楽しむといった遊技機本来の面白みを維持することができる。
一方、遊技者にとって有利な状態となった場合に第2ルートに遊技球を打ち出す構成とすることによって、第2始動入賞手段や第2可変入賞手段への入球が見込めるにもかかわらず、遊技球が第2始動入賞手段や第2可変入賞手段に上手く入球しないといった事態を回避することができる。従って、遊技球を第2ルートに打ち出す状態では、遊技球が第2始動入賞手段や第2可変入賞手段に入球しないといったストレスをなくし、快適に遊技を進行させることができる。
次に、上記手段D−2乃至D−4に記載の始動入球機会付与手段や特定入球機会付与手段の態様例を挙げる。
手段D−21.前記入球機会付与手段(特定入球機会付与手段、始動入球機会付与手段)は、(前記入球ポイントに到達したものの、)前記閉位置にある前記開閉部材(特定開閉部材、始動開閉部材)によって前記入球ポイントの前記入賞口(特定入賞口、始動入賞口)側への通過が規制された遊技球が案内される導入路と、前記導入路に進入した遊技球を前記入球ポイントに案内する再突入路とを備えていることを特徴とする手段D−2乃至D−4のいずれかの記載を含む遊技機。
手段D−21によれば、遊技球が入球ポイントに到達したのではあるが、開閉部材が未だ開位置とされていないため、少し時間を潰してから、再び、入球ポイントに行く、といった遊技球の一連の動作を導出することができる。つまり、遊技球が最初に入球ポイントに到達したときには開閉部材が閉位置であったが、入球機会付与手段を経由して所定時間後、遊技球が再び入球ポイントに到達したタイミングでは、開閉部材が開位置とされている可能性がある。従って、初回の入球ポイントの通過へのトライが失敗しても、後程、再トライできるといったように、同じ遊技球が入球ポイントに複数回アクセスすることができるため、入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。尚、当然のことながら、遊技球が最初に入球ポイントに到達したときに開閉部材が開位置であれば、その段階で遊技球が入賞口に入球することとなる。
手段D−22.前記入球ポイントに到達した遊技球は、前記導入路へは、閉位置とされた前記開閉部材によって案内されることを特徴とする手段D−21に記載の遊技機。
手段D−22によれば、入賞口へのルートを開閉する開閉部材が閉位置にある場合に、当該開閉部材によって、遊技球を導入路へと案内可能となるため、遊技球を導入路へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。本手段では、閉位置にある開閉部材が入球機会付与手段の一部を構成している。
尚、「前記開閉部材は、遊技領域に突出する閉位置と、遊技領域から退出する開位置との間を前後方向にスライド可能に構成されていること」としてもよい。この場合、遊技球が落下する動作によって入賞口に入球していく構成とできる上、閉位置にある開閉部材の上面で確実に遊技球を案内することができる。
手段D−23.前記入球ポイントから、前記導入路、及び、前記再突入路を経て、再び前記入球ポイントに至る遊技球の再突入ルートは、少なくとも前記入球ポイント以外では交差しないように構成されていることを特徴とする手段D−21又はD−22に記載の遊技機。
手段D−23によれば、再突入ルートの途中で、遊技球同士が正面衝突してしまうといった事態を防止することができる。従って、再突入ルートを移動する遊技球をより確実に、初期のタイミングで入球ポイントに案内することができる。尚、入球ポイントで遊技球同士が衝突しても、開閉部材が開位置とされていれば、そのまま入球ポイントを入賞口側に通過することとなる。
手段D−24.前記開閉部材(特定開閉部材、始動開閉部材)が前記閉位置にある場合、当該開閉部材によって前記入賞口(特定入賞口、始動入賞口)への入球が規制された遊技球は、当該開閉部材への当接状態を保ちつつ、当該開閉部材の長手方向に沿って移動する構成であって、
前記開閉部材により前記入球機会付与手段(特定入球機会付与手段、始動入球機会付与手段)が構成され、
前記開閉部材が前記開位置とされた場合に、当該開閉部材に当接している遊技球が、前記入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段D−2乃至D−4のいずれかの記載を含む遊技機。
手段D−24によれば、開閉部材が閉位置にある場合、入球ポイントに到達した遊技球は、開閉部材によって入賞口への入球が規制されることとなるが、そのまま開閉部材への当接状態を保ちつつ、開閉部材の長手方向に沿って移動することとなる。そして、開閉部材が開位置とされると、開閉部材に当接していた(寄りかかっていた、又は、載っていた)遊技球が、入球ポイントを入賞口側に通過して、入賞口に入球することとなる。このように、遊技球の入球ポイントにおける滞在時間を極力長くすることによって、開閉部材が開位置となれば入賞口に入球できる状態で、開閉部材が次に開位置となるタイミングを待つことができる。従って、入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。
さらに、開閉部材の開位置とされている開放時間が比較的短くても、開閉部材に寄りかかっている(例えば、載っている)遊技球については、入賞口に入球させることができる。つまり、例えば、開閉部材が閉じているときに開閉部材上に遊技球を載せておき、開閉部材の短い開放でその全てを入賞口に入球させることができる。従って、開閉部材の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。このため、例えば、入賞口及び開閉部材を、当否抽選で当選して特別遊技状態となった場合に開放される可変入賞手段に具体化した場合に、ラウンド間のインターバル中に開閉部材に溜まった遊技球がラウンド開始とともに可変入賞手段(特定入賞口)に入球することとなり、時間効率の向上等を図ることができる。また、例えば、入球サポート抽選で当選した場合に開放される始動入賞手段に具体化した場合に、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を入球させることが実現可能となり、これによって新たな遊技性を生み出すこともできる。
手段D−25.前記入球機会付与手段(特定入球機会付与手段、始動入球機会付与手段)は、前記開閉部材(特定開閉部材、始動開閉部材)が前記開位置であれば前記入賞口(特定入賞口、始動入賞口)に入球可能な第1入球ポイントに遊技球が到達した際に前記開閉部材が前記閉位置にある場合において、当該遊技球を前記開閉部材が前記開位置であれば前記入賞口に入球可能な第2入球ポイントへと案内することを特徴とする手段D−2乃至D−4のいずれかの記載を含む遊技機。
手段D−25によれば、開閉部材が閉位置とされている場合に、開閉部材が開位置であれば入賞口に入球可能な第1入球ポイントに遊技球が到達してしまったとしても、当該遊技球は、開閉部材が前記開位置であれば入賞口に入球可能な第2入球ポイントへと案内されることとなる。このため、入賞口に入球できなかった遊技球に対し、入賞口への入球を試みる機会が再度付与されることとなり、遊技球が入賞口に入球する可能性を高めることができる。従って、入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、入賞口に入球する遊技球の数と、入賞口に入球しなかった遊技球の数との割合において、入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。
手段D−26.前記入賞口(特定入賞口、始動入賞口)は、第1入賞口と、第2入賞口とを備え、
前記開閉部材(特定開閉部材、始動開閉部材)は、
前記第1入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第1入球ルート上の第1入球ポイントに配置され、前記第1入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能な第1開閉部材と、
前記第2入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第2入球ルート上の第2入球ポイントに配置され、前記第2入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能な第2開閉部材とを備え、
前記入球機会付与手段(特定入球機会付与手段、始動入球機会付与手段)は、前記第1開閉部材が前記閉位置にある場合に、(当該第1開閉部材が閉位置であることに起因して、前記第1入球ポイントを前記第1入賞口側に通過することのできない)遊技球を、前記第2入球ルートへと案内することを特徴とする手段D−2乃至D−4のいずれかの記載を含む遊技機。
手段D−26によれば、第1開閉部材が閉位置とされている場合には、当該第1開閉部材が閉位置であることに起因して、第1入球ポイントを第1入賞口側に通過することのできない遊技球を、第2入賞口へと至る第2入球ルートに案内するようになっている。このため、第1入賞口に入球できなかった遊技球に対し、第2入賞口への入球を試みる機会が付与されることとなり、遊技球が入賞口(第1入賞口及び第2入賞口)に入球する可能性を高めることができる。従って、入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、入球ポイントを通過して入賞口に入球する遊技球の数と、入球ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に入賞口に入球させることができ、入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。
手段D−27.前記第2入球ポイント(手段D−25に対応しては、前記第2入球ルート)へは、遊技球が前記入球機会付与手段によって案内された場合にのみ進入可能に構成されていることを特徴とする手段D−25又はD−26に記載の遊技機。
第1入球ポイントで(第1)入賞口に入球できなかった遊技球が第2入球ポイントで(第2)入賞口に入球する可能性はあるが、第2入球ポイントで(第2)入賞口に入球できなかった遊技球が第1入球ポイントで(第1)入賞口に入球する可能性はないため、例えば、入球機会付与手段を介さずに、ダイレクトに第2入球ポイントで(第2)入賞口にも遊技球が進入可能に構成される場合には、入賞口に遊技球が入球する可能性が低下してしまう。この点、手段D−27によれば、先ず第1入球ポイントで(第1)入賞口への入球を図り、それがダメだった場合に、第2入球ポイントで(第2)入賞口への入球を図るといった順番を順守させることができ、入賞口への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
E.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機には遊技盤が設けられるとともに、その前方には、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域が形成されている。また、遊技盤の前面側には、遊技領域を移動する遊技球の挙動を多彩なものとする遊技釘や、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入賞手段や、遊技状態の示唆や演出を行う表示手段が設けられているとともに、当該遊技盤の前面を含め、遊技機のうち遊技者から視認される前面側の部位には、装飾性の向上等を図るため、多数の電飾部材や各種デザインの施された装飾部材等が設けられている(例えば、特開2006−271480号公報等参照)。
近年、遊技盤の前面に配置される入賞手段や表示手段の数や大きさが増加・増大する傾向にあり、その影響で、遊技球の移動する遊技領域が減少する傾向にある。換言すれば、遊技球が移動可能な遊技領域の面積を増やせば、その分、入賞手段や表示手段を設置できる面積が減ってしまい、他機種と比べて見劣りしてしまうことが懸念される。このため、「見劣り」を抑制しつつ、遊技球の移動可能な領域を最低限確保しようとした場合、どの機種も似たような盤面構成となり、オリジナリティーを出すことが難しくなってきている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、独創性に富んだ視認態様を実現可能な遊技機を提供することにある。
手段E−1.遊技球を発射させる発射手段と、
前面側に複数の遊技釘が立設された遊技盤と、
前記遊技盤の前方に所定距離を隔てて配置される透明な略板状の透明体とを備え、
前記遊技盤と前記透明体との間において、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域が形成された遊技機であって、
遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、自身の後方を移動する遊技球を前方から視認可能に構成される前装飾部を備え、
前記前装飾部は、前記遊技盤、又は、前記遊技盤に取付けられた遊技部材に取付けられるとともに、
前記前装飾部には、前後に貫通し、前記遊技盤の前面側に立設された遊技釘を前方に露出させるための釘露出孔が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段E−1によれば、遊技領域における遊技球が通過可能な部位よりも前方において、遊技者に所定の情報(装飾等)を見せることのできる前装飾部を、遊技釘が設置される範囲にも設けることができ、遊技釘の配置を気にすることなく、前装飾部の面積をある程度確保することができる。このため、従来、遊技者から見え難いような場所に配置されていた情報や、スペースの確保が難しく設置が制限されていたような情報を、遊技球が移動する遊技領域の範囲内に設置することができる。特に、前装飾部は、遊技領域の遊技球が通過する部位よりも前方に位置することから、遊技者により近く、遊技盤の前面や、遊技領域の周りや、遊技盤が取付けられる遊技機本体の前方において開閉可能に設けられている扉体の前面等とともに、立体的な装飾や遊技領域の内周側及び外周側を跨いだモチーフの表現等を行うことができる。
さらに、前装飾部は、遊技盤又は遊技盤に取付けられた遊技部材に取付けられている。このため、前装飾部を取付けるために、遊技盤が取付けられる遊技盤取付枠や、遊技盤取付枠の前方に設けられる前面枠等の形状を変更しなくても済む。このため、遊技盤やこれに取付けられる各種部材だけを交換し、遊技盤取付枠等はそのまま再使用するといった遊技機のリユースをスムースに行うことができる。
また、前装飾部後方の遊技領域は遊技球が移動可能に構成されるとともに、当該領域を移動する遊技球を視認可能に構成されている。このため、前装飾部が設置されることと引き換えに、(遊技盤を正面視した場合の)遊技球が移動可能な領域が狭められてしまうといった事態を回避することができる。さらに、前装飾部には、遊技釘を前方に露出するための釘露出孔が形成されている。このため、前装飾部の後方を遊技球が移動可能ではあるが、遊技釘は設置不可能であるといった事態を回避することができる。従って、遊技釘を避けるようにして前装飾部の外周縁を形成しなくても済み(前装飾部を避けるようにして遊技釘を配置しなくても済み)、前装飾部のデザイン性の向上と、遊技釘による遊技球の移動ルートの形成とを両立させることができる。
また、長年の使用等により遊技釘の角度が変わる等して遊技釘のメンテナンス(角度調節等)が必要になった場合でも、前装飾部を取外すことなくかかる作業を行うことができる。さらに、例えば、遊技釘の代わりに、前装飾部に対して一体的に形成された樹脂製の棒状体を設けるような場合に比べ、耐久性の向上等を図ることができる
加えて、前装飾部を設置するために遊技盤と透明体との間の距離を広げるといったことを行う必要もなく、遊技機の基本設計を変更するとともに、遊技機の前後幅が広がってしまう(遊技ホール等では遊技機の設置スペースが決まっており、前後幅が増えた場合、遊技機の前面が前方の遊技者側に寄って遊技領域全体が見渡し難くなってしまうおそれがある)といった事態を回避することができる。
また、前装飾部は、透明体よりも後方の遊技者側からでは接触不可能な位置に設けられていることから、外部からの接触によって前装飾部が損傷したり、遊技機から離脱したりしてしまうといった事態を防止することができる。尚、前装飾部は、前面側又は内部に文字をプリント(プリントしたシールを張着)したり、前面側又は内部を(凹凸)加工したりすることで、情報を付帯していることとしてもよい。この場合、遊技領域を移動する遊技球が前装飾部に接触しても、情報が削られる等して見え難くなるといった事態を抑制することができる。
尚、前装飾部と遊技釘との位置関係としては、前装飾部と遊技盤との間に遊技球が通過可能に構成されていれば、遊技釘の前部が釘露出孔を貫通して前装飾部の前方に位置してもよいし、遊技釘全体が前装飾部よりも後方に位置していてもよい。加えて、前装飾部においては、文字や数字等の記号情報によって表される情報(機種情報、版権元等)を有していてもよいし、例えば、凹凸加工したり、模様を描いたり、着色を施したりすることによって表される情報(装飾、背景等)を有していてもよい。また、「前記釘露出孔から前方に臨むようにして配置される遊技釘は、その他の遊技釘と同じ釘が使用されていること」としてもよい。この場合、遊技釘を統一することができ、遊技機の生産性の向上、コストの削減等を図ることができる。加えて、前装飾部のうち遊技球がその裏側を通過し得ない部位については透視性を有さなくてもよい。また、透視性を有するべく、例えば、少なくとも遊技球が裏側を通過する部位については、透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成することとしてもよい。加えて、前装飾部によって、始動入賞手段及び可変入賞手段の一部(例えば、遊技領域を移動する遊技球を受け入れて、遊技盤に形成された開口部側に案内する球受部の前壁)を構成することとしてもよい。
手段E−2.前記前装飾部には、その後方を遊技球が通過可能な遊技球経路に対応して、前後に貫通する球詰り解消孔が形成されていることを特徴とする手段E−1に記載の遊技機。
手段E−2によれば、万一、前装飾部の裏側で球詰りが発生したとしても、前装飾部を取外すことなく球詰り解消孔を介して解消することが可能となる。また、前装飾部の裏側を通過する遊技球の視認性を向上させることができる。
手段E−3.前記前装飾部は、前記遊技盤に取付けられた遊技部材に取付けられ、
前記前装飾部には、前後に貫通し、前記遊技部材の前記遊技盤への取付部位を前方に露出させるための工具孔が形成されていることを特徴とする手段E−1又はE−2に記載の遊技機。
前装飾部をねじ等で遊技盤に直接取り付けるとなると、基本的に前記ねじ等が前方に露出して意匠性の低下を招くことが懸念されるが、前装飾部を遊技部材に取付ける構成とすることで、前装飾部の裏面側でかかる取付けを行って、取付しに使用されるねじ等が視認されないように構成することができる。しかしながら、かかる構成を採用する場合、今度は、遊技部材を遊技盤に取付ける作業が比較的困難なものとなることが懸念される。つまり、前装飾部が、遊技部材の遊技盤への取付部の前方をも覆う構成とする場合、該取付部の前方にドライバーなどの工具を好適に位置させることができない。
これに対し、手段E−3によれば、前装飾部のうち遊技部材の遊技盤への取付部位の前方に位置する部位において工具孔が形成されている。この場合、前装飾部が遊技部材の前方を覆っていても、遊技部材の遊技盤への取付作業を比較的容易に行うことができ、さらに、前装飾部の取付部位や、遊技部材の取付部位が前方から視認されることに起因して意匠性の低下を招くことを低減させることができる。
尚、前装飾部を遊技部材に対して係止手段によって係止されることで取付けられる場合、分解作業が比較的大変なものとなることが懸念される。また、遊技部材の遊技盤への取付部位が前装飾部の設置範囲よりも外方に位置するように構成した場合、意匠性の低下等を招くおそれがある。このため、本手段のように、前装飾部に工具孔を設けることで、ねじ等の取付部材を使用して、前装飾部が取付けられた遊技部材を遊技盤に取付けることが望ましい。
手段E−4.前記前装飾部は、前記透明体から離間していることを特徴とする手段E−1乃至E−3のいずれかに記載の遊技機。
手段E−4によれば、前装飾部の振動が透明体に伝達することに起因する異音の発生等を防止したり、製造誤差等により前装飾部と透明体とが圧接するような格好となってしまって前装飾部が損傷等してしまうことを防止したりすることができる。
手段E−5.前記前装飾部は、複数の入賞手段の前方を覆うように構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−4のいずれかに記載の遊技機。
手段E−5によれば、より広範囲にわたるダイナミックな装飾等を行うことができる。
手段E−6.前記前装飾部の設置範囲において、前記前装飾部で前方が覆われている前記複数の入賞手段に対して遊技球が入球したことを、入球のあった入賞手段を個別に判別可能な格好で教示可能な入球教示手段を備えていることを特徴とする手段E−5に記載の遊技機。
手段E−6によれば、入球教示手段によって、前装飾部で前方が覆われている複数の入賞手段のうちどこに遊技球が入球したのかをより明確に把握することができる。
手段E−7.前記前装飾部によって前方が覆われている前記入賞手段への入球が可能な状態において、前記前装飾部によって前方が覆われた領域に遊技球が進入することによって、当該遊技球が必ずいずれかの前記入賞手段に入球することを特徴とする手段E−5又はE−6に記載の遊技機。
手段E−7によれば、前装飾部によって前方が覆われた領域に遊技球を打ち出すことが事実上可能(狙っても遊技者に損益が出ない)な状況であれば、前装飾部によって前方が覆われた領域を狙って遊技球を打ち出すといった遊技性を付加することができる。
手段E−8.前記前装飾部によって前方が覆われた領域に遊技球が進入可能となる位置に入口役物を備えていることを特徴とする手段E−7に記載の遊技機。
手段E−8によれば、入口役物が、遊技球をどこに移動させればよいのかの目印となることから、遊技者の遊技性への理解を助けることができる。
手段E−9.前記入口役物を状態変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴とする手段E−8に記載の遊技機。
手段E−9によれば、装飾性や演出性の向上を図ることができる。さらに、入口役物を状態変化させることで、遊技球の打出し位置の目印としてより目立たせたり、或いは、状態変化によって所定の情報を示唆・教示したりすることができる。
尚、「入口役物の状態変化」とは、入口役物の変位、入口役物に設けられた電飾等の表示部材の態様変化(例えば、入口役物が所定のキャラクターを模しており、その目の位置に3色LEDが設けられており、その発光色が状況に応じて変化する等)が挙げられる。また、入口役物の変位としても、入口役物全体が変位可能に構成されている場合だけではなく、入口役物が部分的(1箇所でも複数箇所でも可)に変位可能に構成されている場合も含む趣旨である。
手段E−10.前記入口役物は、少なくとも一部が変位可能に構成され、
前記入口役物が変位したとしても、遊技領域の遊技球の移動経路に変化が生じないよう構成されていることを特徴とする手段E−9に記載の遊技機。
手段E−10によれば、入口役物はあくまでも役物(飾り)であり、変位可能に構成されるものの、変位によって遊技球の移動経路に影響を及ぼすものではない。このため、たとえ入口役物を複雑に動かす等しても、前装飾部裏側の入賞手段へ遊技球を良好に入球させることが可能である上、比較的自由に設計することもできる入口役物の態様によって様々な情報を示唆・教示することもできる。
尚、「前記役物駆動手段は、前記入口役物を回転変位させること」としてもよい。この場合、入口役物を変位させることに伴って遊技球の移動経路に変化が生じないように構成しつつ、入口役物を回転させる機構の大型化や複雑化を回避することができる。
手段E−11.遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な始動入賞手段、及び、可変入賞手段と、
遊技領域を移動する遊技球が通過可能な普通始動手段と、
前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記可変入賞手段へ入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動手段を通過する遊技球を検知する普通始動検知手段とを備え、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われ、
前記普通始動検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞手段を開状態とさせるか否かの入球サポート抽選が行われ、
前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の上流側に位置する一方が開状態であれば当該一方に入球することのできる入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記一方が閉状態であったために前記一方に入球することのできなかった遊技球を、他方が開状態であれば当該他方に入球することのできる入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備え、
前記前装飾部は、少なくとも前記始動入賞手段、前記可変入賞手段、及び、前記入球案内手段の前方を覆うことを特徴とする手段E−1乃至E−10のいずれかに記載の遊技機。
手段E−11によれば、始動入賞手段、及び、可変入賞手段のうち、一方が閉状態であったために当該一方に入球できなかった遊技球が、他方の入球ポイント(入口)に至ることもなく、遊技領域から排出されてしまうといった事態を防止することができる。これにより、始動入賞手段、及び、可変入賞手段のうち、一方に入球することのできなかった遊技球が、他方に入球する可能性を確実に高めることができ、遊技領域に打ち出された遊技球がどの入賞手段にも入球せずに遊技領域から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことを抑制することができ、かかるばらつきに起因する興趣の低下を抑止することができる。
また、前装飾部の存在によって、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段の一体感を高めることができる。つまり、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段の構造や、これらを移動する遊技球の複雑な動きに惑わされることなく、始動入賞手段が比較的頻繁に開放される入球サポート状態や、可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態において、前装飾部で覆われた部分に遊技球が至れば(前装飾部の裏側に遊技球が入球すれば)、始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、前装飾部で覆われた部分としては、始動入賞手段及び可変入賞手段の両方の機能を具備するものになるため、始動入賞手段と可変入賞手段とが別々に存在する構成しかなかった従来の遊技機に比べ、目新しさを付与するとともに、これを利用した新たな演出等を導出することができる。
手段E−12.前記前装飾部は、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち遊技領域上流側に位置する一方への遊技球の進入経路に対応した位置に入口役物を備えていることを特徴とする手段E−11に記載の遊技機。
手段E−12によれば、入口役物が、遊技球をどこに移動させればよいのかの目印となることから、遊技者の遊技性への理解を助けることができる。
手段E−13.前記入口役物を状態変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴とする手段E−12に記載の遊技機。
手段E−13によれば、装飾性や演出性の向上を図ることができる。さらに、入口役物を状態変化させることで、遊技球の打出し位置の目印としてより目立たせたり、或いは、状態変化によって所定の情報を示唆・教示したりすることができる。
尚、「入口役物の状態変化」とは、入口役物の変位、入口役物に設けられた電飾等の表示部材の態様変化(例えば、入口役物が所定のキャラクターを模しており、その目の位置に3色LEDが設けられており、その発光色が状況に応じて変化する等)が挙げられる。また、入口役物の変位としても、入口役物全体が変位可能に構成されている場合だけではなく、入口役物が部分的(1箇所でも複数箇所でも可)に変位可能に構成されている場合も含む趣旨である。
手段E−14.前記入口役物は、少なくとも一部が変位可能に構成され、
前記入口役物が変位したとしても、遊技領域の遊技球の移動経路に変化が生じないよう構成されていることを特徴とする手段E−13に記載の遊技機。
手段E−14によれば、入口役物はあくまでも役物(飾り)であり、変位可能に構成されるものの、変位によって遊技球の移動経路に影響を及ぼすものではない。このため、たとえ入口役物を複雑に動かす等しても、始動入賞手段や可変入賞手段へ遊技球を良好に入球させることが可能である上、比較的自由に設計することもできる入口役物の態様によって様々な情報を示唆・教示することもできる。
尚、「前記役物駆動手段は、前記入口役物を回転変位させること」としてもよい。この場合、入口役物を変位させることに伴って遊技球の移動経路に変化が生じないように構成しつつ、入口役物を回転させる機構の大型化や複雑化を回避することができる。また、「前記始動入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる始動駆動手段と、前記可変入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる可変駆動手段とを備え、前記入口役物は、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち一方の開閉動作と連動し、前記始動駆動手段又は前記可変駆動手段によって前記役物駆動手段が構成されていること」としてもよい。この場合は、入口役物の変位制御の簡素化等を図ることができる。
手段E−15.前記入球サポート抽選において、第1確率で当選する低入球状態と、前記第1確率よりも高確率で当選する高入球状態とが設定され、
前記入口役物は、前記高入球状態に対応する高入球対応状態と、前記特別遊技状態に対応する特別遊技対応状態と、それ以外の状態に対応する通常対応状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段E−13又はE−14に記載の遊技機。
手段E−15によれば、入口役物の態様によって、遊技球が始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することができる。
手段E−16.前記前装飾部によって前方を覆われる範囲に関し、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうち遊技領域上流側に位置する前記一方の前記入球ポイントに到達することが確実となる遊技球の進入経路において、通過する遊技球を検知する先検知手段を備えていることを特徴とする手段E−11乃至E−15のいずれかに記載の遊技機。
手段E−16によれば、前装飾部で覆われた領域に遊技球が進入したことへのリアクションを比較的素早く発生させることができ、その場合、前装飾部の存在する領域に遊技球が入球したというイメージを強めることができる。従って、前装飾部の存在する領域を、始動入賞手段と可変入賞手段とがまとめられた入賞領域としてより確実に認識させることができる。
さらに、前装飾部の存在する領域に遊技球が進入してから、始動入賞検知手段や可変入賞検知手段(特に、遊技領域下流側に位置する方)に遊技球が検知されるまでには、比較的長いタイムラグが生じることが懸念され、始動入賞検知手段や可変入賞検知手段による検知のタイミングで入球の報知を行ったとしても、(前装飾部の存在する領域に遊技球が進入したことの記憶が少し遠くなって)かかる報知がもはや何に対応しているかを把握し難い上、前装飾部に進入した時点で何も反応がないと遊技者に不安感を与えてしまう。この点、先検知手段の検知に基づいて所定の反応を示すことで、かかる懸念を払拭することができる。
また、遊技領域において遊技球の移動ルートが複数存在して、遊技者が遊技モード等の状況に応じて対象の移動ルートを狙って遊技球を打ち分けるような構成の場合に、始動入賞手段や可変入賞手段が設置された移動ルートが対象の移動ルートではない状況において、当該移動ルートに遊技球が打ち出されてしまっていることをより確実に把握することができ、これに基づいて、正しい移動ルートを示す報知等を行うことも可能となる。
手段E−17.前記先検知手段の検知に基づいて、効果音を発生可能な進入効果音発生手段を備えていることを特徴とする手段E−16に記載の遊技機。
手段E−17によれば、前装飾部の存在する領域に遊技球が入球したというイメージをより強めることができる。また、遊技者としては、前装飾部の裏側に入球していった遊技球が遊技機側でしっかりと認識(カウント)されているということが分かることから、安心感を得ることができる。尚、進入効果音発生手段による音声態様によって、遊技球が始動入賞手段又は可変入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することも可能である。
手段E−18.前記先検知手段に検知された遊技球のうち前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のどちらにも入球しなかった遊技球を検知する排出検知手段を備えていることを特徴とする手段E−16又はE−17に記載の遊技機。
手段E−18によれば、先検知手段、始動入賞検知手段、可変入賞検知手段、及び、排出検知手段の検知情報に基づいて、不正な入球がないか、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段において球詰りが発生していないか等の確認を行うことができる。
手段E−19.前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の上流側に位置する前記一方の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段E−11乃至E−18のいずれかに記載の遊技機。
手段E−19によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方に遊技球が到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、前記一方に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段における遊技球の流れを比較的スムースなものとすることができる。尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段E−20.前記始動入賞手段、及び、前記可変入賞手段のうち、遊技領域の下流側に位置する前記他方へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成されていることを特徴とする手段E−11乃至E−19のいずれかに記載の遊技機。
手段E−20によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方を遊技球が経由することなく、遊技領域下流側に位置する他方に到達するといった事態を防止することができる。従って、先ず前記一方への入球を図り、それがダメだった場合に、前記他方への入球を図るといった順番を順守させることができ、始動入賞手段及び可変入賞手段への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
手段E−21.前記始動入賞手段と、前記可変入賞手段とがユニット化されていることを特徴とする手段E−11乃至E−20のいずれかに記載の遊技機。
手段E−21によれば、始動入賞手段及び可変入賞手段の遊技機への着脱作業性の向上を図るとともに、始動入賞手段と可変入賞手段との間の相対位置をよりきっちりと決めることができる。
手段E−22.前記可変入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、前記特定入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記特定入賞口を閉鎖する閉位置と、前記特定入賞口を開放する開位置との間を変位可能な特定開閉部材とを備え、
前記特定開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記特定入賞口への入球の機会を付与する特定入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段E−11乃至E−21のいずれかに記載の遊技機。
特定開閉部材が閉位置にある場合には、遊技球が入球ポイントを特定入賞口側に通過する可能性はなく、特定入賞口に入球する見込みがない。これに対し、本手段E−22によれば、開閉部材が閉位置とされている場合に特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、今よりも後のタイミングで特定入賞口への入球機会を付与することができる。このため、遊技球が入球ポイントを特定入賞口側に通過し、特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。
従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、入球ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、入球ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させることができる。
また、一般に、開閉部材が開位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、開閉部材が閉位置となっているときに入球ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄球の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
尚、特別遊技状態では、特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球の(ほぼ)全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。
手段E−23.前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞口と、前記始動入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記始動入賞口を閉鎖する閉位置と、前記始動入賞口を開放する開位置との間を変位可能な始動開閉部材とを備え、
前記始動開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記始動入賞口への入球の機会を付与する始動入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段E−11乃至E−22のいずれかに記載の遊技機。
手段E−23によれば、対象を始動入賞手段として、基本的に上記手段E−21と同様の作用効果が奏される。尚、始動入賞手段が比較的頻繁に開状態とされるような入球サポート状態では、始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球の(ほぼ)全てが、始動入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。
手段E−24.前記可変入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、前記特定入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記特定入賞口を閉鎖する閉位置と、前記特定入賞口を開放する開位置との間を変位可能な特定開閉部材とを備え、
前記特定開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記特定入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記特定入賞口への入球の機会を付与する特定入球機会付与手段を備え、
前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞口と、前記始動入賞口に入球する遊技球が通過することとなる前記入球ポイントに配置され、前記始動入賞口を閉鎖する閉位置と、前記始動入賞口を開放する開位置との間を変位可能な始動開閉部材とを備え、
前記始動開閉部材が前記閉位置にあるタイミングで前記始動入賞口への入球ポイントに到達した遊技球に対して、当該タイミングよりも後のタイミングで再度前記始動入賞口への入球の機会を付与する始動入球機会付与手段を備えていることを特徴とする手段E−11乃至E−21のいずれかに記載の遊技機。
手段E−24によれば、上記手段E−22及び手段E−23の作用効果が奏される。また、上記手段E−11に記載されているように、始動入賞手段及び可変入賞手段のうち遊技領域の上流側に位置する一方に入球しなかった遊技球は、入球案内手段によって、他方へと案内される。つまり、始動入賞手段が比較的頻繁に開状態とされるような入球サポート状態と、可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態とが連続して導出されるような状況においては、遊技球を遊技領域の同じ位置に打ち出しているだけで、始動入賞手段及び可変入賞手段のどちらかにかなりの高確率で(ほぼ全ての)遊技球が入球することとなる。従って、入球サポート状態や特別遊技状態において、ほとんど無駄球が発生せず、非常に効率的な遊技を行うことができる。結果として、入球サポート状態や特別遊技状態において快適な遊技を行うことができ、遊技球が入賞手段になかなか入球しない状況が続いて不快な思いをする(当否抽選の結果を教示する演出等に集中できない)といった事態を回避することができる。
手段E−25.前記始動入賞手段は、前記可変入賞手段よりも遊技領域の上流側に位置し、前記始動入賞手段に入球しなかった遊技球が前記可変入賞手段に案内されることを特徴とする手段E−22又はE−24に記載の遊技機。
手段E−22又はE−24の可変入賞手段を採用する場合、閉状態にある可変入賞手段に到達した遊技球が閉状態を維持する可変入賞手段を抜けるまでに比較的多くの時間を要することとなる。このため、始動入賞手段が入球案内手段を介して可変入賞手段の下流側に位置する場合、遊技球が始動入賞手段になかなか到達しないといった事態を招くことになる。特に、一般に、始動入賞手段が複数回開放される際のインターバル(開状態とされる期間の間にある閉状態とされている期間)と、可変入賞手段が複数回開放される特別遊技状態のインターバルとを比較しても、特別遊技状態のインターバルの方が長く、それに併せて可変入賞手段の特定入球機会付与手段を設計すると、かかる傾向がより顕著なものとなる。
この点、手段E−25のように始動入賞手段を可変入賞手段の上流側に配置することによって、可変入賞手段を狙って遊技球を打ち出してから、該遊技球が可変入賞手段に到達するまでの時間を比較的短くすることができ、スムースな遊技の進行を図ることができる。加えて、例えば、始動入賞手段が入球案内手段を介して可変入賞手段の下流側にある場合には、閉状態が維持される状態の可変入賞手段に遊技球が到達すれば、始動入賞手段への入球がほぼ確実となるのであるが、そこから実際に始動入賞手段へ入球するまで(始動入賞検知手段に検知されるまで)に比較的多くの時間を要することから、そのタイムラグに違和感を与えてしまうことが懸念されるが、始動入賞手段を可変入賞手段の上流側とすることで、かかる違和感の発生を回避することができる。
また、手段E−22又はE−24の可変入賞手段を採用する場合でも、特別遊技状態中において始動入賞手段に遊技球を入球させることが可能となる。従って、特別遊技状態中において可変入賞手段の入球ポイントに到達した遊技球のほぼ全てが可変入賞手段に入球し、無駄球はほとんど発生しない(遊技者の損はない)構成において、始動入賞手段への遊技球の入球に基づいて2個以上の遊技球の払出しがある場合には、遊技者にとって有利になる方(始動入賞手段に入球した分だけ余分に払出される遊技球が増える)への若干の変化を付与することができる。
手段E−26.前記可変入賞手段は、前記始動入賞手段よりも遊技領域の上流側に位置し、前記可変入賞手段に入球しなかった遊技球が前記始動入賞手段に案内されることを特徴とする手段E−22又はE−24に記載の遊技機。
手段E−26によれば、手段E−22又はE−24の可変入賞手段を採用する場合、特別遊技状態中において始動入賞手段に遊技球が入球することがほぼなくなるため、始動入賞手段への入球に基づいた遊技球の払出しが事実上行われなくなる。従って、特別遊技状態において始動入賞手段に遊技球が入球するかしないかによって、特別遊技状態中における遊技球の払出し総数が比較的大きく変化してしまうことを回避することができる。結果として、可変入賞手段が開状態とされる同一種別の特別遊技状態における遊技球の払出し総数をほぼ一定とすることができ、遊技球の払出し(ペイアウト率)に関する設計を行い易くすることができる。また、遊技コンセプト(所定の特別遊技状態の特徴)として、遊技球の払出し数にばらつきの少ない特別遊技状態を導出することができる。
また、特別遊技状態において、可変入賞手段の上流側で(可変入賞手段にまで到達すれば可変入賞手段に入球する筈の)遊技球が可変入賞手段に入球するといった事態が生じないことから、特別遊技状態を比較的スムースかつ迅速に進行することができる。
尚、本手段E−26と、上記手段E−25とでは、可変入賞手段と始動入賞手段との配置が逆になっているが、機種毎のコンセプトに合った方を採用すればよい。すなわち、例えば、「始動入賞手段への遊技球の入球に基づいて1個の遊技球の払出しがある構成」において、これでは遊技球の増加が全く見込めず、無駄と捉えて、手段E−26のように可変入賞手段を上流側に配置してもよいし、或いは、遊技球のペイアウト率を増加させることなく、特別遊技状態の消化に要する時間(特別遊技状態用の演出を導出できる時間)を極力長くして、特別遊技状態そのものをより楽しんでもらう(演出を楽しんでもらう)ベく、手段E−25のように始動入賞手段を上流側に配置してもよい。
F.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機は、遊技球を用いて遊技が行われ、当該遊技球が移動可能な遊技領域を備えるとともに、発射装置にて発射された遊技球がかかる遊技領域に案内される構成となっている。また、一般に、パチンコ機には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な各種入賞手段が設けられている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
ところで、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことがあり、その場合には、興趣の低下を招くおそれがある。特に、入賞手段が、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間を状態変化する開閉式入賞手段である場合には、開閉式入賞手段への入球具合に対して遊技者の注意がより強く働くため、かかる懸念がより一層顕著なものとなる。
これに対し、複数の開閉式入賞手段をまとめて配置するとともに、これら複数の開閉式入賞手段に対して遊技球が順序通りに案内されるように構成することで、遊技球がいずれかの開閉式入賞手段に入球する可能性を高めることが考えられる。しかしながら、複数の開閉式入賞手段をまとめて配置する等した場合、遊技球をどこから入賞させたらよいのか(、或いは、遊技球がどこの開閉式入賞手段に入球するのか)等を把握し難くなることが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技球の入賞手段への入球に関するばらつきを抑制しつつ、遊技球の狙い所が分かり難いといった事態を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段F−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な第1開閉式入賞手段と、
前記第1開閉式入賞手段よりも遊技領域の下流側に配置され、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な第2開閉式入賞手段と、
前記第1開閉式入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1入賞検知手段と、
前記第2開閉式入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2入賞検知手段とを備え、
前記第1開閉式入賞手段が開状態であれば当該第1開閉式入賞手段に入球することのできる第1入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記第1開閉式入賞手段が閉状態であったために前記第1開閉式入賞手段に入球することのできなかった遊技球を、前記第2開閉式入賞手段が開状態であれば当該第2開閉式入賞手段に入球することのできる第2入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備え、
前記第2開閉式入賞手段へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成され、
前記第1開閉式入賞手段への遊技球の進入経路(前記第1開閉式入賞手段に到達することが確実となる遊技球の進入経路)に対応した位置において入口役物を備えていることを特徴とする遊技機。
手段F−1によれば、第1開閉式入賞手段が閉状態であったために当該第1開閉式入賞手段に入球できなかった遊技球が、第2開閉式入賞手段の入球ポイント(入口)に至ることもなく、遊技領域から排出されてしまうといった事態を防止することができる。これにより、第1開閉式入賞手段に入球することのできなかった遊技球が、第2開閉式入賞手段に入球する可能性を確実に高めることができ、遊技領域に打ち出された遊技球がどの入賞手段にも入球せずに遊技領域から排出されてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、遊技領域に打ち出した遊技球のうち、どこかの入賞手段に入球した遊技球の数と、どこの入賞手段にも入球することなく遊技領域から排出される遊技球の数との比率に比較的大きなばらつきが生じてしまうことを抑制することができ、かかるばらつきに起因する興趣の低下を抑止することができる。
また、本手段1によれば、第1開閉式入賞手段への遊技球の進入経路に対応した位置に入口役物が設けられているため、入口役物が、遊技球をどこに移動させ、1まとまりになった第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段に対してどこから入球させればよいのかの目印となる。従って、遊技球の狙い所が分かり難いといった事態を抑制することができる。
さらに、本手段1によれば、遊技領域上流側に位置する第1開閉式入賞手段を遊技球が経由することなく、遊技領域下流側に位置する第2開閉式入賞手段に到達するといった事態を防止することができる。従って、先ず第1開閉式入賞手段への入球を図り、それがダメだった場合に、第2開閉式入賞手段への入球を図るといった順番を順守させることができ、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
尚、「前記第1開閉式入賞手段又は前記第2開閉式入賞手段が開状態とされている場合に、前記入口役物を通過した遊技球は、その全て、或いは、そのほぼ全てが、前記第1開閉式入賞手段又は前記第2開閉式入賞手段に入球すること」としてもよい。また、「遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な始動入賞手段、及び、可変入賞手段と、遊技領域を移動する遊技球が通過可能な普通始動手段と、前記普通始動手段を通過する遊技球を検知する普通始動検知手段と、前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、前記可変入賞手段へ入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段とを備え、前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、前記可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われ、前記普通始動検知手段の検知に基づいて、前記始動入賞手段を開状態とさせるか否かの入球サポート抽選が行われる構成であって、前記第1開閉式入賞手段及び前記第2開閉式入賞手段のうちの一方が、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうちの一方を構成し、前記第1開閉式入賞手段及び前記第2開閉式入賞手段のうちの他方が、前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のうちの他方を構成すること」としてもよい。
手段F−2.少なくとも前記第1開閉式入賞手段、前記第2開閉式入賞手段、及び、前記入球案内手段の前方を覆うとともに、前記入口役物を具備する前装飾部を備えていることを特徴とする手段F−1に記載の遊技機。
手段F−2によれば、第1開閉式入賞手段、第2開閉式入賞手段、及び、入球案内手段の一体感を高めることができる。つまり、第1開閉式入賞手段、第1開閉式入賞手段、及び、入球案内手段の構造や、これらを移動する遊技球の複雑な動きに惑わされることなく、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段が開状態とされる状態において、入口役物に遊技球が至れば(前装飾部で覆われた部分に遊技球が入球すれば)、第1開閉式入賞手段又は第2開閉式入賞手段のどちらかに入球するのだという比較的分かり易い視認イメージとすることができる。また、前装飾部で覆われた部分としては、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段の両方の機能を具備するものになるため、第1開閉式入賞手段と第2開閉式入賞手段とが別々に存在する構成しかなかった従来の遊技機に比べ、目新しさを付与するとともに、これを利用した新たな演出等を導出することができる。
加えて、本手段の前装飾部が設けられてしまうと、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段に対してどこから遊技球を入球させればよいのかがより分かり難くなってしまうことが懸念されるものの、上記手段F−1に記載の入口役物の存在によって、かかる懸念を払拭することができる。
尚、「前装飾部は、遊技盤又は遊技盤に取付けられた第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段に取付けられていること」としてもよい。この場合、前装飾部を取付けるために、遊技盤が取付けられる遊技盤取付枠や、遊技盤取付枠の前方に設けられる前面枠等の形状を変更しなくても済む。このため、遊技盤やこれに取付けられる各種部材だけを交換し、遊技盤取付枠等はそのまま再使用するといった遊技機のリユースをスムースに行うことができる。
さらに、「前装飾部後方の遊技領域は遊技球が移動可能に構成されるとともに、当該領域を移動する遊技球を視認可能に構成されていること」としてもよい。例えば、少なくとも遊技球が裏側を通過する部位については、透明または半透明な材料で構成する、或いは、スリットを形成することとしてもよい。この場合、初めて遊技を行う遊技者等が、前装飾部の裏側で何が起きているか見えないことで不安になる等といった事態を解消することができる。また、例えば、前装飾部を所定の情報を遊技者に教示するための場所として使用してもよい。例えば、前装飾部に機種情報(機種名や当否抽選の確率等)を表示するように構成してもよい。
また、前装飾部後方の遊技領域を遊技球が通過可能であることによって、前装飾部が設置されることと引き換えに、(遊技盤を正面視した場合の)遊技球が移動可能な領域が狭められてしまうといった事態を回避することができる。さらに、「前装飾部には、遊技釘を前方に露出するための釘露出孔が形成されていること」としてもよい。この場合、前装飾部の後方を遊技球が移動可能ではあるが、遊技釘は設置不可能であるといった事態を回避することができる。従って、遊技釘を避けるようにして前装飾部の外周縁を形成しなくても済み(前装飾部を避けるようにして遊技釘を配置しなくても済み)、前装飾部のデザイン性の向上と、遊技釘による遊技球の移動ルートの形成とを両立させることができる。また、長年の使用等により遊技釘の角度が変わる等して遊技釘のメンテナンス(角度調節等)が必要になった場合でも、前装飾部を取外すことなくかかる作業を行うことができる。
加えて、「前記前装飾部は、前記遊技盤に取付けられた前記第1開閉式入賞手段、及び、前記第2開閉式入賞手段に取付けられ、前記前装飾部には、前後に貫通し、前記第1開閉式入賞手段、及び、前記第2開閉式入賞手段の前記遊技盤への取付部位を前方に露出させるための工具孔が形成されていること」としてもよい。すなわち、前装飾部をねじ等で遊技盤に直接取り付けるとなると、基本的に前記ねじ等が前方に露出して意匠性の低下を招くことが懸念されるが、前装飾部を第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段に取付ける構成とすることで、前装飾部の裏面側でかかる取付けを行って、取付しに使用されるねじ等が視認されないように構成することができる。しかしながら、かかる構成を採用する場合、今度は、第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段を遊技盤に取付ける作業が比較的困難なものとなることが懸念される。つまり、前装飾部が、第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段の遊技盤への取付部の前方をも覆う構成とする場合、該取付部の前方にドライバーなどの工具を好適に位置させることができない。
これに対し、前装飾部のうち第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段の遊技盤への取付部位の前方に位置する部位において工具孔を形成することとすれば、前装飾部が第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段の前方を覆っていても、第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段の遊技盤への取付作業を比較的容易に行うことができ、さらに、前装飾部の取付部位や、第1開閉式入賞手段、及び、第2開閉式入賞手段の取付部位が前方から視認されることに起因して意匠性の低下を招くことを低減させることができる。
手段F−3.遊技領域を移動する遊技球が、前記前装飾部で前方が覆われた部分に進入し、かつ、前記第1開閉式入賞手段及び前記第2開閉式入賞手段のどちらにも入球しなかった場合には、前記前装飾部で覆われていない遊技領域へと移動することを特徴とする手段F−2に記載の遊技機。
手段F−3によれば、遊技領域を移動する遊技球が、前装飾部で前方が覆われた部分に進入したが、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段のどちらにも入球しなかったことを比較的分かり易く把握することができる。つまり、例えば、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段が開状態とされるような状態ではないときに、遊技球を前装飾部で前方が覆われた部分に進入させても、当然、当該遊技球は、第1及び第2開閉式入賞手段のどちらにも入球する筈がない。このとき、第1及び第2開閉式入賞手段のどちらにも入球しなかった遊技球が遊技領域外に排出されるまで前装飾部で覆われた部位を移動し続けるとすると、第1及び第2開閉式入賞手段のどちらかに入賞したのか、或いは、どちらにも入賞しなかったのかを視認し難い。
この点、前装飾部で覆われた部位へと進入したが、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段のどちらにも入球しなかった遊技球については、再び、前装飾部で覆われていない遊技領域へと移動するように構成されている。このため、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段が開状態とされるような状態ではないときや、進入経路における遊技球の一時的な球詰り等に遊技球が前装飾部で覆われた部分に進入したことに対する賞球(遊技球の払出し)がないとする勘違いに起因するトラブルや、興趣の低下等の発生を回避することができる。
手段F−4.前記前装飾部には、その後方を遊技球が通過可能な遊技球経路に対応して、前後に貫通する確認孔が形成されていることを特徴とする手段F−2又はF−3に記載の遊技機。
手段F−4によれば、前装飾部の後方を移動する遊技球の存在をより認識し易くすることができる。従って、前装飾部の後方に移動した遊技球がどこに行ってしまったのかが気になる遊技者(初心者等)の不安を低減させることができる。
尚、「前記前装飾部には、その後方を遊技球が通過可能な遊技球経路に対応して、前後に貫通する球詰り解消孔が形成されていること」としてもよい。この場合、万一、前装飾部の裏側で球詰りが発生したとしても、前装飾部を取外すことなく球詰り解消孔を介して解消することが可能となる。
手段F−5.前記入口役物を状態変化させて、前記入口役物の視認態様を変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴とする手段F−1乃至F−4のいずれかに記載の遊技機。
手段F−5によれば、装飾性や演出性の向上を図ることができる。さらに、入口役物を状態変化させることで、遊技球の打出し位置の目印(目標)としてより目立たせたり、或いは、状態変化によって所定の情報を示唆・教示したりすることができる。
尚、「入口役物の状態変化」とは、入口役物の変位、入口役物に設けられた電飾等の表示部材の態様変化(例えば、入口役物が所定のキャラクターを模しており、その目の位置に3色LEDが設けられており、その発光色が状況に応じて変化する等)が挙げられる。また、入口役物の変位としても、入口役物全体が変位可能に構成されている場合だけではなく、入口役物が部分的(1箇所でも複数箇所でも可)に変位可能に構成されている場合も含む趣旨である。
手段F−6.前記入口役物は、少なくとも一部が変位可能に構成され、
前記入口役物が変位したとしても、遊技領域の遊技球の移動経路に変化が生じないよう構成されていることを特徴とする手段F−5に記載の遊技機。
手段F−6によれば、入口役物はあくまでも役物(飾り)であり、変位可能に構成されるものの、変位によって遊技球の移動経路に影響を及ぼすものではない。このため、たとえ入口役物を複雑に動かす等しても、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段へ遊技球を良好に入球させることが可能である上、比較的自由に設計することもできる入口役物の態様によって様々な情報を示唆・教示することもできる。
尚、「前記役物駆動手段は、前記入口役物を回転変位させること」としてもよい。この場合、入口役物を変位させることに伴って遊技球の移動経路に変化が生じないように構成しつつ、入口役物を回転させる機構の大型化や複雑化を回避することができる。また、「前記第1開閉式入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる第1駆動手段と、前記第2開閉式入賞手段を開状態と閉状態とに状態変化させる第2駆動手段とを備え、前記入口役物は、前記第1開閉式入賞手段及び前記第2開閉式入賞手段のうち一方の開閉動作と連動し、前記第1駆動手段又は前記第2駆動手段によって前記役物駆動手段が構成されていること」としてもよい。この場合は、入口役物の変位制御の簡素化等を図ることができる。
手段F−7.前記第1開閉式入賞手段への入球が望める第1入球可能状態と、前記第1開閉式入賞手段への入球が望めない第1入球不可能状態とが設定されるとともに、
前記第2開閉式入賞手段への入球が望める第2入球可能状態と、前記第2開閉式入賞手段への入球が望めない第2入球不可能状態とが設定され、
前記入口役物は、前記第1入球可能状態に対応する第1対応状態と、前記第2入球可能状態に対応する第2対応状態と、それ以外の状態に対応する通常対応状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする手段F−5又はF−6に記載の遊技機。
手段F−7によれば、入口役物の態様によって、遊技球が第1開閉式入賞手段又は第2開閉式入賞手段のどちらに入球する状態なのか、或いは、その両方共に入球し得ない状態なのかを把握することができる。尚、前記通常対応状態から前記第1対応状態に状態変化する際の前記入口役物の動作パターン、及び、前記通常対応状態から前記第2対応状態に状態変化する際の前記入口役物の動作パターンは、それぞれ複数存在することとしてもよい。この場合、入口役物の挙動を演出としてより効果的に利用することができる。
手段F−8.前記入口役物によって前方を覆われる前記第1開閉式入賞手段への遊技球の進入経路において、通過する遊技球を検知する先検知手段を備えていることを特徴とする手段F−1乃至F−7のいずれかに記載の遊技機。
手段F−8によれば、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段に遊技球を入球させるための入口となる入口役物で覆われた領域に遊技球が進入したことへのリアクションを比較的素早く発生させることができ、その場合、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段がまとめられた領域(手段F−2等の前装飾部の存在する領域)に遊技球が入球したというイメージを強めることができる。従って、入口役物(の裏側)に遊技球を進入(入球)させれば、第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段のどちらかに遊技球を入球させることができるものとしてより確実に認識させることができる。
さらに、入口役物に遊技球が進入してから、第1入賞検知手段や第2入賞検知手段(特に、遊技領域下流側に位置する第2入賞検知手段)に遊技球が検知されるまでには、比較的長いタイムラグが生じることが懸念され、第1入賞検知手段や第2入賞検知手段による検知のタイミングで入球の報知を行ったとしても、(入口役物に遊技球が進入したことの記憶が少し遠くなって)かかる報知がもはや何に対応しているかを把握し難い上、入口役物に進入した時点で何も反応がないと遊技者に不安感を与えてしまう。この点、先検知手段の検知に基づいて所定の反応を示すことで、かかる懸念を払拭することができる。
また、遊技領域において遊技球の移動ルートが複数存在して、遊技者が遊技モード等の状況に応じて対象の移動ルートを狙って遊技球を打ち分けるような構成の場合に、第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段が設置された移動ルートが対象の移動ルートではない状況において、当該移動ルートに遊技球が打ち出されてしまっていることをより確実に把握することができ、これに基づいて、正しい移動ルートを示す報知等を行うことも可能となる。
手段F−9.前記先検知手段の検知に基づいて、効果音を発生可能な進入効果音発生手段を備えていることを特徴とする手段F−8に記載の遊技機。
手段F−9によれば、入口役物に遊技球が進入したというイメージをより強めることができる。また、遊技者としては、入口役物に進入していった遊技球が遊技機側でしっかりと認識(カウント)されているということが分かることから、安心感を得ることができる。
手段F−10.前記先検知手段に検知された遊技球のうち前記始動入賞手段及び前記可変入賞手段のどちらにも入球しなかった遊技球を検知する排出検知手段を備えていることを特徴とする手段F−8又はF−9に記載の遊技機。
手段F−10によれば、先検知手段、始動入賞検知手段、可変入賞検知手段、及び、排出検知手段の検知情報に基づいて、不正な入球がないか、始動入賞手段、可変入賞手段、及び、入球案内手段において球詰りが発生していないか等の確認を行うことができる。
手段F−11.前記第1開閉式入賞手段が開状態とされる第1遊技状態において前記第1開閉式入賞手段に入球した遊技球の数、又は、当該遊技球の入球数に応じて払い出された遊技球の数を表示可能な第1表示手段、及び、
前記第2開閉式入賞手段が開状態とされる第2遊技状態において前記第2開閉式入賞手段に入球した遊技球の数、又は、当該遊技球の入球数に応じて払い出された遊技球の数を表示可能な第2表示手段
のうち少なくとも一方を備えていることを特徴とする手段F−1乃至F−10のいずれかに記載の遊技機。
手段F−11によれば、入口役物に進入していった遊技球が第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段に入球し、遊技機側でしっかりと認識(カウント)されているということが分かることから、安心感を得ることができる。
尚、「前記第1遊技状態又は前記第2遊技状態にあるか否かの情報と、前記先検知手段の検知情報とに基づいて、前記第1表示手段又は前記第2表示手段によって表示される数値を変更(更新)可能に構成されるとともに、前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段の検知情報に基づいて、前記第1表示手段又は前記第2表示手段によって表示される数値以外の態様を変更可能に構成されていること」としてもよい。すなわち、例えば、第1遊技状態又は第2遊技状態にある場合に遊技球が入口役物に進入すれば、当該遊技球のほぼ全てが第1開閉式入賞手段又は第2開閉式入賞手段に入球する構成であっても、先検知手段で遊技球が検知された段階では、実際に遊技球が第1開閉式入賞手段や第2開閉式入賞手段に入球したわけではない。このとき、先検知手段に反応させて、第1表示手段又は第2表示手段のカウントを行う場合、万一、遊技球が入球検知手段に検知された後、該当の開閉式入賞手段に入球しなかった場合(下流側の開閉式入賞手段に入球する前にたまたま上流側の開閉式入賞手段に入球してしまった(そのような配置にならないことが望ましい)、途中で球詰りしてしまった等)には、遊技者が遊技球の入球数の上限に達したので、これ以上遊技球を発射する必要がないと判断して、遊技球を発射することを止めてしまい、結果として、遊技者が損益を被ってしまう等することが懸念される。この点、第1表示手段や第2表示手段で、開閉式入賞手段に入球した数を表示することによって、上記不具合を回避することができる。
手段F−12.前記入口役物の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段F−1乃至F−11のいずれかに記載の遊技機。
手段F−12によれば、遊技球が入口役物に到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、入口役物に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、入口役物、第1及び第2開閉式入賞手段、並びに、入球案内手段における遊技球の流れを比較的スムースなものとすることができる。尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
G.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機は、遊技球を用いて遊技が行われ、当該遊技球が移動可能な遊技領域を備えるとともに、発射装置にて発射された遊技球がかかる遊技領域に案内される構成となっている。また、一般に、パチンコ機には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な各種入賞手段が設けられている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
ところで、遊技領域に打ち出した遊技球を入賞手段に効率的に入球させるべく、遊技領域を移動する遊技球が進入可能な特定領域において、特定領域に入球した遊技球が入球可能なように複数の入賞手段を設けることが考えられる。つまり、遊技球の移動経路をある程度限定することによって入賞手段への入球の可能性を高めるとともに、さらに、例えば、これら複数の入賞手段(上流側のものは開閉式)に対して遊技球が順序通りに案内されるように構成するといった場合には、遊技球をより効率的に入賞手段に入球させることが可能となる。
しかしながら、遊技球が特定領域に進入してから、入賞手段に至るまでの間に比較的大きなタイムラグが発生する場合があり、遊技球が特定領域に進入したはずなのに何らリアクションがない、或いは、意図していない(悪い意味に捉えられる)リアクションが導出された場合には、遊技者に違和感や不信感等を与えてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の入賞手段が配置された特定領域を有する構成においてより好適な遊技の進行を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段G−0.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が進入可能な特定領域(第5実施形態では、遊技領域のうち右打ち入賞ユニット901の後方領域)と、
前記特定領域を移動する遊技球が入球可能な第1入賞手段(第5実施形態では、第2始動入賞装置33b)と、
前記特定領域を移動する遊技球が入球可能な第2入賞手段(第5実施形態では、第2可変入賞装置32b)と、
前記第1入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1入賞検知手段(第5実施形態では、第2始動入賞スイッチ224b)と、
前記第2入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2入賞検知手段(第5実施形態では、第2カウントスイッチ223b)と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段(第5実施形態では、装飾図柄表示装置42)とを備え、
前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のうち少なくとも一方は、検知が行われた場合に、当該検知に対応する入球検知対応処理(第5実施形態では、保留アイコン962を表示させる処理)を実行することとなる対象検知手段(第5実施形態では、第2始動入賞検知スイッチ224b)として構成され、
前記特定領域において前記対象検知手段よりも上流側に配置され、前記特定領域を移動する遊技球を検知可能な先検知手段(第5実施形態では、進入検知スイッチ941)を備え、
前記先検知手段によって検知された遊技球が、前記対象検知手段に対応する前記第1入賞手段又は前記第2入賞手段に入球可能に構成され、
前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知対応処理に関する先入球検知対応処理(第5実施形態では、疑似保留アイコン963を表示させる処理)を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段G−0によれば、対象検知手段の検知に基づいて行われる入球検知対応処理に関する処理(先入球検知対応処理)が、対象検知手段よりも上流側に配置される先検知手段の検知に基づいて行われるようになっている。このため、対象検知手段の検知が行われるかもしれない(入球検知対応処理が実行されるかもしれない)といった演出(示唆等)を行うことができ、演出の多様化等を図ることができる。また、対象検知手段の検知に対応するリアクションをいち早く導出することができる。従って、対象検知手段が遊技者から視認し難い位置に配置され、遊技球が特定領域に入球してから対象検知手段の検知に対応するリアクションが行われるまでの間にタイムラグがあり過ぎて、前記リアクションが何に対応するものなのかが分かり難い、或いは、対象検知手段の検知がしっかりと行われているのか不安になってしまうといった懸念を払拭することができる。特に、「特定のタイミングで前記特定領域に入球し、前記先検知手段によって検知された遊技球が、前記対象検知手段に対応する前記第1入賞手段又は前記第2入賞手段に入球するように構成されている」場合には、かかる作用効果がより一層奏されることとなる。
手段G−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
遊技領域を移動する遊技球が進入可能な特定領域(第5実施形態では、遊技領域のうち右打ち入賞ユニット901の後方領域)と、
前記特定領域を移動する遊技球が入球可能な第1入賞手段(第5実施形態では、第2始動入賞装置33b)と、
前記特定領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、前記第1入賞手段よりも前記特定領域の下流側に配置された第2入賞手段(第5実施形態では、第2可変入賞装置32b)と、
前記第1入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1入賞検知手段(第5実施形態では、第2始動入賞スイッチ224b)と、
前記第2入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2入賞検知手段(第5実施形態では、第2カウントスイッチ223b)と、
識別情報を変動表示可能な可変表示手段(第5実施形態では、装飾図柄表示装置42)とを備え、
前記第1入賞検知手段及び前記第2入賞検知手段のうち少なくとも一方は、検知が行われた場合に、前記可変表示手段において、当該検知に対応する入球検知対応表示(第5実施形態では、保留アイコン962)を導出することとなる表示対象検知手段(第5実施形態では、第2始動入賞検知スイッチ224b)として構成され、
前記特定領域において前記第1入賞手段よりも上流側に配置され、前記特定領域を移動する遊技球を検知可能な先検知手段(第5実施形態では、進入検知スイッチ941)を備え、
前記先検知手段によって検知された遊技球が、前記表示対象検知手段に対応する前記第1入賞手段又は前記第2入賞手段に入球可能に構成され、
前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記可変表示手段において、前記入球検知対応表示を模した前記入球検知対応表示とは異なる態様の先入球検知対応表示(第5実施形態では、疑似保留アイコン963)を導出可能に構成されるとともに、
前記先入球検知対応表示が表示されている状態において、前記表示対象検知手段の検知が行われた場合に、前記可変表示手段において、前記先入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出されることを特徴とする遊技機。
手段G−1によれば、遊技球が特定領域に進入してから第1入賞手段又は第2入賞手段に入球するまで、ひいては、第1入賞検知手段又は第2入賞検知手段(表示対象検知手段)に検知されるまでの間に比較的長めのタイムラグが生じてしまうような場合であっても、特定領域に進入した遊技球が、第1入賞検知手段よりも上流側に配置される先検知手段に検知された段階で、表示対象検知手段の検知があった場合に可変表示手段に表示されることとなる入球検知対応表示を模した先入球検知対応表示を導出させるように構成されている。つまり、遊技球が特定領域に進入したものの、それに対するリアクションがなく、遊技球を特定領域に進入させることに何か意味があるのか等といったような不安を遊技者に与えてしまうといった事態を防止したり、遊技者が第1入賞手段や第2入賞手段に遊技球を入球させている実感がわかないといった事態を抑制したりすることができる。従って、複数の入賞手段が配置された特定領域を有する構成において、より好適な遊技の進行を図ることができる。
また、先検知手段の検知に基づいて、表示対象検知手段の検知が行われるかもしれない(入球検知対応表示が表示されるかもしれない)といった演出(示唆等)を行うことができ、演出の多様化等を図ることができる。尚、「前記先入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出される」とは、先入球検知対応表示が入球検知対応表示に切替わったことが遊技者に認識できるようになっていることを意図しており、例えば、表示される位置が同じ、或いは、先入球検知対応表示が変位しているような場合には、動きが繋がるように表示される等が挙げられる。また、「前記入球検知対応表示とは異なる態様」とは、形状・模様・色相等が異なる場合だけでなく、同じ外形状のものでも動きが違うといった場合も含む趣旨である。
手段G−2.前記第1入賞手段、及び、前記第2入賞手段は、前記特定領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態とに状態変化可能な開閉式の入賞手段であって、
前記特定領域には、前記第1入賞手段が開状態であれば当該第1入賞手段に入球することのできる第1入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記第1入賞手段が閉状態であったために前記第1入賞手段に入球することのできなかった遊技球を、前記第2入賞手段が開状態であれば当該第2入賞手段に入球することのできる第2入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備え、
前記第2入賞手段へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成され、
前記第1入賞手段が開状態とされる第1開放状態、前記第2入賞手段が開状態とされる第2開放状態、及び、前記第1開放状態及び前記第2開放状態のどちらでもない通常状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段を備え、
前記第1開放状態及び前記第2開放状態のうち前記表示対象検知手段による遊技球の検知が望める開放状態において、前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記先入球検知対応表示が導出され、
それ以外の前記開放状態、又は、前記通常状態において、前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記先入球検知対応表示が導出されないように構成されていることを特徴とする手段G−1に記載の遊技機。
手段G−2によれば、特定領域に進入した遊技球が表示対象検知手段に検知され、入球検知対応表示が導出される可能性がある場合にのみ、先検知手段の検知に基づいて先入球検知対応表示が導出されるように構成されている。従って、例えば、通常状態においても先検知手段の検知に基づいて先入球検知対応表示が導出されてしまうことに起因して、先入球検知対応表示が表示されるものの、一向に入球検知対応表示に切替え表示されることなく、先入球検知対応表示そのものも消去されてしまうといった表示態様が導出され、遊技者に混乱を招いたり、遊技者に不快感等を与えたりしてしまうといった事態をより確実に防止することができる。このように、遊技者が遊技球を所定の開放状態において特定領域に進入させることで、所定の開放状態に対応する入賞手段への入球に対応する(対応する入賞手段への入球を予想させる)リアクションが導出されることから、遊技者にとっての遊技球を入賞手段に入賞させた、ひいては、遊技を進行させているという(疑似的な)実感をより強めることができる。
手段G−3.前記特定領域に進入し、前記第1入賞手段及び前記第2入賞手段に入球することなく、前記特定領域から排出される遊技球を検知する排出検知手段を備えていることを特徴とする手段G−1又はG−2に記載の遊技機。
手段G−3によれば、特定領域に存在する遊技球の数(増減)を把握することが可能となる。つまり、先入球検知対応表示が表示されている状態において、第1入賞検知手段及び第2入賞検知手段のうち表示対象検知手段に該当しない方の入賞検知手段、又は、排出検知手段の検知が行われた場合に、先入球検知対応表示を(1つ)消去することができる。これにより、先入球検知対応表示が、入球検知対応表示に切替表示される可能性がないにもかかわらず、可変表示手段において表示され続けてしまうといった事態を回避することができる。
手段G−4.前記先検知手段の検知に基づいて、効果音を発生可能な進入効果音発生手段を備えていることを特徴とする手段G−1乃至G−3のいずれかに記載の遊技機。
手段G−4によれば、遊技球が特定領域に進入したことに対するリアクションを増やすことができ、遊技球を特定領域に進入させることに意味があるということをより確実に遊技者に認識させることができる。尚、手段G−2に対応して、第1開放状態であれば第1入賞手段への入球に対応する効果音、第2開放状態であれば第2入賞手段への入球に対応する効果音、通常状態であれば効果音なしとするように構成されていることとしてもよい。
手段G−5.前記先入球検知対応表示が表示される場合には、前記先入球検知対応表示とは異なる態様の付加表示が、前記先入球検知対応表示の少なくとも一部の前方に重なるようにして表示され、
前記先入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出される場合には、当該先入球検知対応表示に対応して表示されていた前記付加表示が消去されることを特徴とする手段G−1乃至G−4のいずれかに記載の遊技機。
手段G−5によれば、先入球検知対応表示の態様を、少なくとも一部が明らかにされていない態様とすることによって、先入球検知対応表示の態様が確定していない、ひいては、先入球検知対応表示に更なる変化の可能性があるといった印象を強く与えることができる。結果として、遊技者が先入球検知対応表示と、入球検知対応表示とを混同してしまうといった事態を抑制することができ、先入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いすることで発生し得るトラブル(例えば、先入球検知対応表示が行われただけであるが、これを入球検知対応表示と勘違いすることで入球検知対応表示が行われた場合に実行され得る処理が実行されないじゃないかというようなトラブル)の発生を抑制することができる。
尚、「前記先検知手段の検知履歴(各検知の時間)、前記表示対象検知手段の検知履歴(各検知の時間)をそれぞれ記憶可能な検知履歴記憶手段を設け、検知履歴記憶手段の記憶情報を出力可能に構成されていること」としてもよい。つまり、例えば、先入球検知対応表示を入球検知対応表示と勘違いすること等によって万一トラブルが発生した場合に、事情説明等に際してのデータが確実に得られる(例えば、可変表示手段等で表示可能としたり、ホールコンピュータに送られるようにしたりする)こととなり、前記トラブルがこじれてしまうといった事態を回避することができる。また、その他にも、特定領域に設けられているが、対象の表示対象検知手段ではない入賞検知手段の検知履歴や、上記手段G−3の排出検知手段の検知履歴についても検知履歴記憶手段においてそれぞれ(個別に)記憶可能に構成してもよい。
手段G−6.前記先入球検知対応表示は、前記先入球検知対応表示自体が変位し続けているような態様をなし、
前記先入球検知対応表示に代えて、前記入球検知対応表示が導出される場合には、当該先入球検知対応表示が表示されていた位置において停止された、又は、ほぼ停止された態様の前記入球検知対応表示が導出されることを特徴とする手段G−1乃至G−5のいずれかに記載の遊技機。
手段G−6によれば、先入球検知対応表示は動作している態様をなし、入球検知対応表示は停止又はほぼ停止した態様をなすように区別することによって、遊技者が先入球検知対応表示と、入球検知対応表示とを混同してしまうといった事態を抑制することができる。従って、基本的に上記手段G−5と同様の作用効果が奏される。
手段G−7.前記特定領域の前方を覆うようにして、透視性を有する前装飾部が設けられていることを特徴とする手段G−1乃至G−6のいずれかに記載の遊技機。
手段G−7によれば、特定領域の一体感を高めることができ、第1入賞手段及び第2入賞手段を包含する特定領域全体を入賞ユニットとして印象付けることができる。このため、第1入賞手段及び第2入賞手段のどちらを狙う場合でも、特定領域といった比較的大きな的を狙えば良いといった具合に、遊技イメージの簡素化を図り、難しく考えることなく、気軽に遊技を楽しんでもらうことができる。
また、前装飾部が設けられている場合、透視性がある(透明又は半透明な素材で構成される、或いは、開口が格子状に形成されている等)とはいえ、特定領域の視認性は幾分低下する。つまり、特定領域に進入した遊技球が第1入賞手段や第2入賞手段に入球するのか否かの判断が幾分確認し難くなり、結果として、特定領域の入口以外の部位を観察するような機会も低減し易い。この点、上記手段G−1のように、特定領域の内部を直接視認して確認しなくても、特定領域に遊技球が進入して間もなく、当該遊技球が特定領域に進入したことで入球検知対応表示やこれに対応する処理などが行われることを可変表示手段を視認しているだけで把握することができる。
手段G−8.遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態との間で状態変化可能な始動入賞手段と、
前記始動入賞手段に入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
前記始動入賞検知手段の検知に基づいて遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記可変表示手段において識別情報を変動表示させるとともに、所定時間後、前記当否抽選の結果に基づいて前記識別情報を停止表示させる表示制御手段とを備える遊技機において、
前記主制御手段は、
前記当否抽選に用いられる当否乱数生成手段と、
前記当否抽選にて当選する値として、前記当否乱数生成手段で生成され得る値のうち予め定められた値を記憶する当選値記憶手段と、
前記可変表示手段における変動表示の内容を決定するために使用される変動情報を記憶可能な複数の保留エリアを有する保留記憶エリアとを備え、
前記始動入賞検知手段の検出に基づいて、前記当否乱数生成手段の値を抽出する判別値抽出処理と、
前記判別値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値を、前記保留記憶エリアのいずれかの保留エリアに記憶する判別値格納処理と、
前記判別値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値が、前記当選値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する第1当否判別処理と、
前記第1当否判別処理の結果を記憶する結果記憶処理と、
前記可変表示手段における変動表示の実行に先立って、当該変動表示に対応する変動情報としての前記当否乱数生成手段の値が、前記当選値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かの情報に基づいて、特別遊技状態を発生させるか否かを決定する第2当否判別処理と、
前記第2当否判別処理の結果に基づいて、変動表示の設定を行う変動表示設定処理とを実行可能な構成であって、
前記第1入賞手段及び前記第2入賞手段のうち一方は、前記始動入賞手段により構成されるとともに、
前記表示対象検知手段は、前記始動入賞検知手段により構成され、
前記可変表示手段では、前記保留記憶エリアの各保留エリアに変動情報が記憶されていることを示す保留情報オブジェクトが表示され、
前記保留情報オブジェクトにより前記入球検知対応表示が構成され、
前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記可変表示手段において、前記保留情報オブジェクトを模した前記先入球検知対応表示としての擬似保留情報オブジェクトを導出可能に構成されていることを特徴とする手段G−1乃至G−7のいずれかに記載の遊技機。
手段G−8によれば、保留記憶エリアが複数の保留エリアを有し、変動表示の設定に関わる当否乱数生成手段等の値を複数回分記憶可能であるため、結果的に、変動表示が保留されることとなる。また、本手段では、当否乱数生成手段の値が保留記憶エリアに記憶された時点で、当否抽選の結果等を把握することができることから、変動表示が保留された段階で、変動表示の内容を遊技者に教示・示唆することができる。従って、例えば、既に変動表示が保留されているときに新たに変動表示が保留された場合、当該新たに保留された変動表示が実行される前段階、すなわち、当該変動表示が保留されるよりも前に保留された変動表示が行われている際に、新たに変動表示が保留されたことに基づいて表示された保留情報において、対応する変動表示の内容を教示・示唆することができる。この場合、演出性の向上等を図ることができる。
さて、例えば、特定の状態(第1開放状態又は第1開放状態)において遊技球を特定領域に進入させれば、該遊技球はほぼ始動入賞手段に入球するといった構成において、遊技球が、特定領域に進入してから、特定領域に設けられた始動入賞手段に入球して表示対象検知手段に検知されるまでの間に比較的長いタイムラグが存在する場合、遊技球が本当に始動入賞手段に入球するのか不安になったりすることが懸念される。
この点、本手段では、保留情報オブジェクトによって入球検知対応表示が構成されており、(例えば、特定領域の始動入賞手段に遊技球が入球可能な高入球状態において)遊技球が特定領域に進入して先検知手段に検知された場合には、当該先検知手段の検知が行われた段階で、先入球検知対応表示としての疑似保留情報オブジェクトが表示されることとなる。従って、遊技者は、遊技球が特定領域に進入してから間もなく(遊技球が特定領域に進入した段階で)、当該遊技球が特定領域に進入したことによって、変動表示を実行させる権利が(ほぼ)得られることを把握することができる。結果として、遊技球が特定領域に進入することと、その結果(その特典等)との対応関係を分かり易くすることができる。
手段G−9.前記保留情報オブジェクトは、
前記先検知手段の検知を契機として行われる抽選の結果に基づいてパターンが決定される先決めパーツ部と、
前記始動入賞検知手段の検知を契機として行われる抽選の結果に基づいてパターンが決定される後決めパーツ部とを備え、
前記疑似保留情報オブジェクトは前記先決めパーツによって構成されていることを特徴とする手段G−8に記載の遊技機。
手段G−9によれば、保留情報オブジェクト及び疑似保留オブジェクトを使用した演出性の向上等を図ることができる。尚、「後決めパーツ部のパターンは、当否抽選の結果、及び、先決めパーツ部のパターンを参照して決定され、先決めパーツ部と、後決めパーツ部との組合わせによって、特別遊技状態の発生への当選期待度が変化すること」としてもよい。この場合、保留情報オブジェクト及び疑似保留情報オブジェクトに対してより強い興味を抱かせることが可能となる。
手段G−10.遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開状態と、遊技球の入球を規制する閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
所定条件の成立に基づいて、前記可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段とを備える遊技機において、
前記第1入賞手段及び前記第2入賞手段のうち一方は、前記可変入賞手段により構成されるとともに、
前記表示対象検知手段は、前記可変入賞検知手段により構成され、
前記可変表示手段では、前記可変入賞検知手段の検知情報をカウントするカウント表示が導出され、
前記カウント表示により前記入球検知対応表示が構成され、
前記先検知手段の検知が行われた場合に、前記可変表示手段において、前記カウント表示を模した前記先入球検知対応表示としての擬似カウント表示を導出可能に構成されていることを特徴とする手段G−1乃至G−9のいずれかに記載の遊技機。
手段G−10によれば、例えば、特定領域の可変入賞手段が開状態とされる特別遊技状態において特定領域に遊技球を進入させれば(ほぼ)可変入賞手段に遊技球が入球するといったような構成において、遊技球が特定領域に進入したが、当該遊技球の進入に対するリアクションがなく、どのような特典が付与されるのかも把握できないといった事態を回避することができ、また、遊技者が可変入賞手段に遊技球を入球させたという実感(に近いもの)を与えることができる。
手段H.上記手段Dの「始動入賞手段及び可変入賞手段」、上記手段Eの「遊技部材又は入賞手段(始動入賞手段、及び、可変入賞手段)」、上記手段Fの「第1開閉式入賞手段及び第2開閉式入賞手段」、上記手段Gの「第1入賞手段及び第2入賞手段」が、上記手段A2又は手段A3に記載の特定入賞口と、開閉部材と、入球機会付与手段とによって構成される入賞手段、上記手段Bに記載の特定入賞口と、開閉部材と、入球機会付与手段とによって構成される入賞手段、上記手段Cに記載の可変入賞手段のいずれかによって構成されていることを特徴とする遊技機。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
10…パチンコ機、32a…第1可変入賞装置、32b…第2可変入賞装置、33a…第1始動入賞装置、33b…第2始動入賞装置、34…スルーゲート、42…装飾図柄表示装置、43L…第1特別表示装置、43R…第2特別表示装置、46…保留ランプ、223a,223b…カウントスイッチ、224a,224b…始動入賞スイッチ、225…スルーゲートスイッチ、261…主制御装置、262…サブ制御装置。

Claims (2)

  1. 遊技球を発射させる発射手段と、
    遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
    遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する許容状態と、遊技球の入球を規制する規制状態とに状態変化可能な第1入賞手段と、
    前記第1入賞手段よりも遊技領域の下流側に配置され、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する許容状態と、遊技球の入球を規制する規制状態とに状態変化可能な第2入賞手段と、
    前記第1入賞手段へ入球した遊技球を検知する第1入賞検知手段と、
    前記第2入賞手段へ入球した遊技球を検知する第2入賞検知手段とを備え、
    前記第1入賞手段が許容状態であれば当該第1入賞手段に入球することのできる第1入球ポイントに到達したにもかかわらず、前記第1入賞手段が規制状態であったために前記第1入賞手段に入球することのできなかった遊技球を、前記第2入賞手段が許容状態であれば当該第2入賞手段に入球することのできる第2入球ポイントにまで案内する入球案内手段を備え、
    前記第2入賞手段へは、遊技球が前記入球案内手段によって案内された場合にのみ到達可能に構成され、
    前記第1入賞手段への遊技球の進入経路に対応した位置において役物を備え
    前記役物を状態変化させることのできる役物駆動手段を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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