JP6463640B2 - 舶用排気タービン - Google Patents

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Description

本発明は、船舶に搭載されて、エンジンからの排ガスで駆動される舶用排気タービンに関する。
従来から、自動車や船舶には、エンジンからの排ガスで駆動される排気タービンが搭載されている(例えば、特許文献1,2参照)。排気タービンとしては、タービンインペラへ排ガスを噴射するノズルの開度および向きを変更するための可変ノズル機構が装備されたものがある。
例えば、特許文献1には、自動車に搭載される車用排気タービンに関し、図8および図9に示すように、可変ノズル機構の具体的な構造が開示されている。この可変ノズル機構は、図略のレバーによって回転されるユニゾンリング160と、複数のノズル部材130と、ユニゾンリング160とノズル部材130とを接続する複数のアーム140を含む。
より詳しくは、タービンインペラ170の周囲には導入路110が形成されている。各ノズル部材130は、導入路110に配置されたノズルベーン131と、導入路110に沿うプレート120を貫通する軸部132を有する。一方、ユニゾンリング160には、タービンインペラ170の軸心171を中心とする径方向(以下、単に「径方向r」という。)において各ノズル部材130の外側の位置にピン150が設けられている。各アーム140は、ノズル部材130の軸部132から径方向rにおいて外向きに延びており、アーム140の内側端部はノズル部材130の軸部132に回転不能に連結され、アーム140の二又状の外側端部はピン150と係合している。
このような構成のために、ユニゾンリング160が回転すると、各アーム140がノズル部材130の軸部132回りに揺動し、ノズル部材130のノズルベーン131の角度が変更される。これにより、隣り合うノズルベーン131の間に形成されたノズルの開度および向きが変更される。
特開2002−38967号公報 特開2014−163355号公報
ところで、船舶では、航海中は基本的にエンジンを停止することがないため、エンジンの稼働時間が自動車に比べて遥かに長い。従って、船舶に搭載される舶用排気タービンには、車用排気タービンよりも格段に高い耐久性が要求される。例えば、図8および図9に示すような可変ノズル機構では、アーム140がユニゾンリング160に設けられたピン150と摺動する。そのため、そのような構成の可変ノズル機構を舶用排気タービンで採用すると、アーム140およびピン150の摩耗という問題が生じる。なお、車用排気タービンでは、舶用排気タービンほど高い耐久性が求められないため、アーム140およびピン150の摩耗は特に問題とならない。
そこで、本発明は、耐久性に優れた舶用排気タービンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の舶用排気タービンは、船舶に搭載されて、エンジンからの排ガスで駆動される舶用排気タービンであって、タービンインペラの周囲に形成された導入路に沿うプレートと、前記導入路に配置されたノズルベーン、および前記プレートを貫通する軸部、を含む複数のノズル部材と、前記複数のノズル部材の軸部にそれぞれ連結された、前記軸部から側方に延びる複数のアームと、前記複数のアームにおける前記ノズル部材と反対側の端部にそれぞれ取り付けられた複数のローラと、前記複数のローラの間に介在し、かつ、前記タービンインペラの軸心を中心とする径方向における前記ローラの移動をガイドする複数の操作片を有するリンクリングと、前記リンクリングを回転させるためのインプットレバーと、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズル部材の軸部に連結されたアームに自転するローラが取り付けられているので、リンクリングが回転されたときには、ローラがリンクリングの操作片上を転動しながらタービンインペラの軸心を中心とする径方向に移動する。ローラが径方向に移動すると、各アームがノズル部材の軸部回りに揺動し、ノズル部材のノズルベーンの角度が変更される。これにより、隣り合うノズルベーンの間に形成されたノズルの開度および向きが変更される。このように、本発明ではアームに取り付けられたローラがリンクリングの操作片上を転動するので、アームおよびリンクリングの摩耗が抑制され、高い耐久性を得ることができる。
前記複数のローラのそれぞれは、超硬材からなってもよい。ノズル部材は、高温の排ガスと接触するために、ノズル部材自体およびノズル部材に連結されたアームが高温となって熱膨張する。一方、ローラは超鋼材で構成されているので、アームから熱が伝達されるローラの熱膨張が抑制される。その結果、リンクリングの操作片とローラとの間の隙間を小さく設定しても、径方向におけるローラの移動が阻害されることがない。それ故に、リンクリングの操作片とローラとの間の隙間を小さく設定することができ、これによりノズルの開度および向きを高精度に制御することができる。
上記の舶用排気タービンは、前記リンクリングと摺動可能に嵌合するガイドリングをさらに備え、前記ガイドリングは、炭素繊維強化炭素複合材からなってもよい。この構成によれば、炭素繊維強化炭素複合材は一般的に摩擦係数が小さいため、リンクリングの摺動抵抗を極めて小さくすることができる。
前記炭素繊維強化炭素複合材中の繊維は、前記タービンインペラの軸心と直交する平面と平行な方向に延びていてもよい。この構成によれば、径方向におけるガイドリングの熱膨張を小さく抑えることができ、リンクリングをスムーズに摺動させることができる。
例えば、上記の舶用排気タービンは、前記タービンインペラが取り付けられた回転軸を回転自在に支持し、かつ、前記プレートとの間に、前記複数のアームおよび前記リンクリングが収容される環状のリンク室を形成するハウジングをさらに備え、前記ガイドリングは、前記リンクリングの内側に配置され、前記ハウジングに固定されていてもよい。
上記の舶用排気タービンは、前記導入路を挟んで前記プレートと対向するフランジ部を有するシュラウドをさらに備え、前記シュラウドのフランジ部には、前記複数のノズル部材が存する領域と対応するリング状の、超硬材からなる保護プレートが取り付けられていてもよい。シュラウドに保護プレートが取り付けられていない場合は、ノズルベーンが熱膨張すると、熱膨張したノズルベーンがシュラウドのフランジ部に押し付けられて、フランジ部に傷が付くことがある。この場合、ノズルベーンがその傷に引っかかり、ノズルベーンの作動不良が生じるおそれがある。これに対し、シュラウドのフランジ部に保護プレートが取り付けられていれば、熱膨張したノズルベーンはその保護プレートに押し付けられる。そして、保護プレートは超硬材で構成されているので、ノズルベーンが押し付けられてもほとんど傷が付かない。そのため、ノズルベーンの作動不良を防止することができる。しかも、シュラウド全体を超硬材で構成しないので、低コストで上記の効果を得ることができる。
本発明によれば、耐久性に優れた舶用排気タービンを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る舶用排気タービンが搭載された船舶のエンジン回りの概略構成図である。 図1に示す舶用排気タービンの断面図である。 可変ノズル機構の一部の正面図であり、インプットレバーが基準位置にある状態を示す。 可変ノズル機構の一部の正面図であり、インプットレバーが基準位置からノズルの開度を大きくする方向に倒された状態を示す。 図3のV−V線に沿った断面図である。 図3のVI−VI線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態に係る舶用排気タービンの断面図である。 従来の車用排気タービンの一部の断面図である。 図8に示す車用排気タービンの可変ノズル機構の背面図である。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る舶用排気タービン1Aが搭載された船舶10を示す。図1では、排気タービン1Aが、船舶10に搭載された推進用エンジン2の燃費を向上させる役割を果たす。
船舶10には、舶用排気タービン1Aおよび推進用エンジン2に加えて、過給機11も搭載されている。過給機11は、エンジン2へ圧縮空気を供給する圧縮機12と、エンジン2からの排ガスで駆動されて圧縮機12を回転させるタービン13を含む。
エンジン2は、例えば2ストロークディーゼルエンジンであり、クランク軸21を含む。クランク軸21は、先端にプロペラ15が取り付けられたプロペラ軸14と連結されている。また、エンジン2は、内部で空気と燃料(燃料油および/または燃料ガス)の混合気を燃焼させる複数のシリンダ22(図1では、図面の簡略化のために2つのみを図示)と、シリンダ22へ圧縮空気を分配する給気マニホールド23と、シリンダ22から排出される排ガスを集合させる排気マニホールド24を含む。過給機11の圧縮機12は給気マニホールド23と接続されており、過給機11のタービン13は排気マニホールド24と接続されている。
排気タービン1Aは、減速機16を介してクランク軸21と連結されている。排気タービン1Aには、排気マニホールド24から排出される排ガスの一部が導かれ、排気タービン1Aは、エンジン2からの排ガスで駆動される。すなわち、排気タービン1Aは、排ガスからエネルギーを回収し、この回収したエネルギーでクランク軸21の回転をアシストする。
ただし、本発明の舶用排気タービンは、クランク軸21の回転をアシストする用途に限らず、種々の用途に用いられ得る。例えば、排気タービン1Aは、発電機を回転させる用途に用いられてもよい。あるいは、排気タービン1Aにおける後述する可変ノズル機構が過給機11のタービン13に装備されていて、過給機11のタービン13が本発明の舶用排気タービンとなっていてもよい。
排気タービン1Aには、タービンインペラへ排ガスを噴射するノズルの開度および向きを変更するための可変ノズル機構が装備されている。以下、図2〜図6を参照して、排気タービン1Aの構成を詳細に説明する。
<全体構成>
図2に示すように、排気タービン1Aは、タービンインペラ32と、タービンインペラ32が取り付けられた回転軸31と、回転軸31をブッシュ39を介して回転自在に支持する第1ハウジング34を含む。また、排気タービン1Aは、タービンインペラ32の周囲に導入路44を形成するプレート35およびシュラウド41と、導入路44と連通する渦巻き室45を形成する第2ハウジング46を含む。以下、説明の便宜上、タービンインペラ32の軸心33を中心とする径方向を、単に「径方向R」といい、軸心33が延びる方向を、単に「軸方向X」という。
導入路44は、径方向Rと平行な、環状の流路である。渦巻き室45には、エンジン2からの排ガスが供給される。渦巻き室45に供給された排ガスは、導入路44を通じてタービンインペラ32に吹き付けられる。
プレート35は、導入路44に沿っており、タービンインペラ32の裏側にも広がっている。プレート35は、単一のプレートであってもよいし、複数のプレートに分割されていてもよい。プレート35は、第1ハウジング34に固定されている。
シュラウド41は、導入路44を挟んでプレート35と対向するフランジ部43と、フランジ部43の内側端部からプレート35と反対側に延びる管状部42を有する。すなわち、管状部42は、排気タービン1Aにおける排ガスの排出口を構成する。
<可変ノズル機構の構成>
可変ノズル機構は、図3、図5および図6に示すように、複数のノズル部材5、複数のアーム6、リンクリング8、インプットリンク91およびインプットレバー93を含む。ノズル部材5は、タービンインペラ32の周囲に、等角度間隔で配置されている。アームの数は、ノズル部材5の数と同じである。
上述した第1ハウジング34は、プレート35との間に環状のリンク室36を形成している。このリンク室36には、アーム6とリンクリング8が収容されている。
各ノズル部材5は、導入路44に配置されたノズルベーン51と、ノズルベーン51からプレート35を貫通してリンク室36内まで軸方向Xに延びる軸部52を含む。軸部52は、ブッシュ53を介してプレート35に回転自在に支持されている。ただし、ブッシュ53は省略可能である。
隣り合うノズルベーン51の間には、タービンインペラ32へ排ガスを噴射するノズル50が形成されている。図3は、上述したインプットレバー93が基準位置にある状態を示し、図4は、インプットレバー93が基準位置からノズル50の開度を大きくする方向に倒された状態を示す(当然、インプットレバー93が基準位置からノズル50の開度を小さくする方向に倒されることもある)。インプットレバー93を操作することによって、ノズル50の開度および向きが変更される。
図3、図5および図6に戻って、各アーム6は、ノズル部材5の軸部52から側方に(本実施形態では、径方向Rにおいて内向きに)延びている。各アーム6の外側端部は、ノズル部材5の軸部52に回転不能に連結されている。各アーム6の内側端部(すなわち、ノズル部材5と反対側の端部)には、ローラ7が取り付けられている。
本実施形態では、各ローラ7が、円盤状のホイール部71と、ホイール部71の中心から軸方向Xに延びる軸部72を有する。そして、軸部72が、アーム6の内側端部に回転自在に支持されている。ただし、ローラ7が中心に貫通穴を有するリング状であり、ローラ7が当該ローラ7を回転自在に支持する軸部材(図示せず)を介してアーム6に取り付けられていてもよい。
また、本実施形態では、各ローラ7が超硬材からなる。ローラ7に適した超硬材の組成は、例えば、質量パーセントで表示して、WC(タングステンカーバイド):72〜75%、Co(コバルト)+Ni(ニッケル):24〜26%、その他の成分:0〜2%である。
リンクリング8は、周方向に連続する本体部81と、本体部81から突出する複数の操作片82を有する。本実施形態では、本体部81が軸方向Xに薄い板状をなしており、操作片82が、本体部81のプレート35側の主面から軸方向Xに突出している。ただし、リンクリング8は、操作片82が本体部81から径方向Rにおいて外向きに突出するように構成されていてもよい。
操作片82は、複数のローラ7の間に介在し、かつ、径方向Rにおけるローラ7の移動をガイドするように構成されている。具体的には、各操作片82は、径方向Rにおいて内向きに先細りとなる台形状をなしており、隣り合う操作片82の互いに対向する側面同士が平行となっている。
リンクリング8の内側には、リンクリング8と摺動可能に嵌合するガイドリング37が配置されている。ガイドリング37は、第1ハウジング34に固定されている。ガイドリング37には、リンクリング8の本体部81の内側端部と係合する窪み37aが形成されている。また、ガイドリング37には、リンクリング8の本体部81の内側端部を窪み37a内に保持するための押えリング38が取り付けられている。
本実施形態では、ガイドリング37が、炭素繊維強化炭素複合材(Carbon Fiber Reinforced Carbon Composite、いわゆるC/Cコンポジット)からなる。炭素繊維強化炭素複合材中の繊維は、タービンインペラ32の軸心33と直交する平面と平行な方向に延びていることが望ましい。径方向におけるガイドリング37の熱膨張を小さく抑えることができ、リンクリング8をスムーズに摺動させることができるからである。例えば、径方向Rにおけるガイドリング37の熱膨張係数は、0.5×10-6[1/℃]以下である。
上述したインプットリンク91は、リンクリング8に対してプレート35と反対側に配置されている。インプットリンク91は、軸方向Xに延びる軸部材92を介してインプットレバー93と回転不能に連結されている。インプットレバー93は、リンクリング8を回転させるためのものである。なお、軸部材92は、第1ハウジング34に取り付けられた軸受部材94によって回転自在に支持されている。
インプットリンク91は、径方向Rにおいて軸部材92からリンクリング8と重なり合う位置まで延びており、インプットリンク91の内側端部には、径方向Rにおいて内向きに開口する開口95が形成されている。換言すれば、インプットリンク91は、開口95を規定する一対の係合片96を有する。
一方、リンクリング8には、インプットリンク91の開口95と係合するインプットローラ84が軸部材83を介して取り付けられている。本実施形態では、リンクリング8における1つの操作片82がある肉厚部分にネジ穴が形成されており、このネジ穴に、軸部材83の一端部に形成されたネジ山が螺合している。インプットローラ84は、軸部材83に、回転自在に支持されている。ただし、インプットローラ84の代わりに、インプットリンク91の開口95と係合するピンがリンクリング8に取り付けられていてもよい。
このような構成により、インプットレバー93を操作すれば、図4に示すように、インプットリンク91が揺動し、インプットローラ84が一方の係合片96上を転動しながらリンクリング8が回転する。これに伴い、各アーム6に取り付けられたローラ7がリンクリング8の操作片82の一方の側面上を転動しながら径方向Rに移動する。ローラ7が径方向に移動すると、各アーム6がノズル部材5の軸部52回りに揺動し、ノズル部材5のノズルベーン51の角度が変更される。これにより、ノズル50の開度および向きが変更される。
このように、本実施形態の排気タービン1Aではアーム6に取り付けられたローラ7がリンクリング8の操作片82上を転動するので、アーム6およびリンクリング8の摩耗が抑制され、高い耐久性を得ることができる。
ところで、ノズル部材5は、高温の排ガスと接触するために、ノズル部材5自体およびノズル部材5に連結されたアーム6が高温となって熱膨張する。一方、本実施形態では、ローラ7が超鋼材で構成されているので、アーム6から熱が伝達されるローラ7の熱膨張が抑制される。その結果、リンクリング8の操作片82とローラ7との間の隙間を小さく設定しても、径方向Rにおけるローラ7の移動が阻害されることがない。それ故に、リンクリング8の操作片82とローラ7との間の隙間を小さく設定することができ、これによりノズル50の開度および向きを高精度に制御することができる。
なお、ノズル50の開度および向きを高精度に制御する必要がない場合には、ローラ7が超鋼材で構成されていなくてもよいことは言うまでもない。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る舶用排気タービン1Bを説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施形態の舶用排気タービン1Bが第1実施形態の舶用排気タービン1Aと異なる点は、シュラウド41のフランジ部43に保護プレート47が取り付けられている点のみである。保護プレート47は、ノズル部材5が存する領域と対応するリング状である。また、保護プレート47は、超硬材からなる。保護プレート47に適した超硬材の組成は、例えば、質量パーセントで表示して、WC:89〜92%、Co+Ni:8〜10%、その他の成分:0〜1%である。
シュラウド41に保護プレート47が取り付けられていない場合は、ノズルベーン51が熱膨張すると、熱膨張したノズルベーン51がシュラウド41のフランジ部43に押し付けられて、フランジ部43に傷が付くことがある。この場合、ノズルベーン51がその傷に引っかかり、ノズルベーン51の作動不良が生じるおそれがある。これに対し、シュラウド41のフランジ部43に保護プレート47が取り付けられていれば、熱膨張したノズルベーン51はその保護プレート47に押し付けられる。そして、保護プレート47は超硬材で構成されているので、ノズルベーン51が押し付けられてもほとんど傷が付かない。そのため、ノズルベーン51の作動不良を防止することができる。しかも、シュラウド41全体を超硬材で構成しないので、低コストで上記の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、アーム6は、必ずしもノズル部材5の軸部52から径方向Rにおいて内向きに延びている必要はなく、図8および図9に示す構成のように、ノズル部材5の軸部52から径方向Rにおいて外向きに延びていてもよい。あるいは、アーム6は、軸部52から、径方向Rに対して斜め内向きまたは斜め外向きに延びていてもよい。
また、ガイドリング37は、必ずしもリンクリング8の内側に配置されている必要はなく、リンクリング8の外側に配置されていてもよい。この場合、リンクリング8は、操作片82が本体部81から径方向Rにおいて内向きに突出するように構成されていてもよい。
また、炭素繊維強化炭素複合材からなるガイドリング37は、必ずしも設けられている必要はない。ただし、炭素繊維強化炭素複合材からなるガイドリング37が設けられていれば、炭素繊維強化炭素複合材は一般的に摩擦係数が小さいため、リンクリング8の摺動抵抗を極めて小さくすることができる。
1 舶用排気タービン
10 船舶
2 エンジン
31 回転軸
32 タービンインペラ
33 軸心
34 第1ハウジング
35 プレート
36 リンク室
37 ガイドリング
41 シュラウド
43 フランジ部
44 導入路
47 保護プレート
5 ノズル部材
51 ノズルベーン
52 軸部
6 アーム
7 ローラ
8 リンクリング
82 操作片
93 インプットレバー

Claims (6)

  1. 船舶に搭載されて、エンジンからの排ガスで駆動される舶用排気タービンであって、
    タービンインペラの周囲に形成された導入路に沿うプレートと、
    前記導入路に配置されたノズルベーン、および前記プレートを貫通する軸部、を含む複数のノズル部材と、
    前記複数のノズル部材の軸部にそれぞれ連結された、前記軸部から側方に延びる複数のアームと、
    前記複数のアームにおける前記ノズル部材と反対側の端部にそれぞれ取り付けられた複数のローラと、
    前記複数のローラの間に介在し、かつ、前記タービンインペラの軸心を中心とする径方向における前記ローラの移動をガイドする複数の操作片を有するリンクリングと、
    前記リンクリングを回転させるためのインプットレバーと、
    を備える、舶用排気タービン。
  2. 前記複数のローラのそれぞれは、超硬材からなる、請求項1に記載の舶用排気タービン。
  3. 前記リンクリングと摺動可能に嵌合するガイドリングをさらに備え、
    前記ガイドリングは、炭素繊維強化炭素複合材からなる、請求項1または2に記載の舶用排気タービン。
  4. 前記炭素繊維強化炭素複合材中の繊維は、前記タービンインペラの軸心と直交する平面と平行な方向に延びている、請求項3に記載の舶用排気タービン。
  5. 前記タービンインペラが取り付けられた回転軸を回転自在に支持し、かつ、前記プレートとの間に、前記複数のアームおよび前記リンクリングが収容される環状のリンク室を形成するハウジングをさらに備え、
    前記ガイドリングは、前記リンクリングの内側に配置され、前記ハウジングに固定されている、請求項3または4に記載の舶用排気タービン。
  6. 前記導入路を挟んで前記プレートと対向するフランジ部を有するシュラウドをさらに備え、
    前記シュラウドのフランジ部には、前記複数のノズル部材が存する領域と対応するリング状の、超硬材からなる保護プレートが取り付けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の舶用排気タービン。
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