JP6463061B2 - 光音響顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光音響顕微鏡に関するものである。
近年では一般に、エックス線、超音波、MRI(核磁気共鳴法)を用いたイメージング装置が医療分野で多く使われている。一方で、レーザーなどの光源から照射した光を生体などの被検体内に伝播させ、その伝播光等を検知することで、生体内の情報を得る光イメージング装置の研究も医療分野で積極的に進められている。また近年では、医療分野に限らず、美容に関する分野においても光イメージング装置に注目が集まっている。このような光イメージング技術の一つとして、光音響イメージングが提案されている。
さらに、近年、光音響イメージングを用いて高い空間分解能で可視化を可能とする装置として光音響顕微鏡が注目されている。光音響顕微鏡は光学レンズまたは音響レンズを用いることで光や音をフォーカスすることにより、高分解能の画像を取得することが可能である。非特許文献1では、音響レンズを用いることによってマウスなどの小動物の皮膚下の血管画像を高解像度にイメージングすることが可能な超音波フォーカス型の光音響顕微鏡を提示している。
In vivo dark−field reflection−mode photoacoustic microscopy, Vol.30, No.6, OPTICS LETTERS
しかしながら、非特許文献1はマウスなどの小動物を測定対象とした光音響顕微鏡を提案しており、光音響波を励起するためのレーザーを導光する光学系や、光音響波を受信する受信部が、支持部材で支持された測定対象の上部に配置された構成になっている。そのため、様々な大きさの測定対象物を測定する場合、その度に装置の高さを大幅に変更する必要があり、改善が求められている。特に、人体を測定する場合においては、個体差が大きいため、この問題はより深刻なものとなる。
上記の課題を解決する本発明は、光音響装置であって、
被検体に光を照射する光学素子と、
前記光の照射を受けて前記被検体で発生する光音響波を検知する光音響波検知手段と、
前記光学素子および前記光音響波検知手段を前記被検体に対して相対移動させる走査手段と、
前記被検体を保持する保持手段と、
前記保持手段と前記光音響波検知手段との間に音響マッチング材を収容するための収容部材と、
前記光音響波検知手段を前記被検体に対して相対移動させる走査手段と、
を有し、
前記光学素子および光音響波検知手段は、前記保持手段の前記被検体を保持する側とは反対側に位置するとともに、
前記保持手段は、前記音響波検知手段の鉛直上方に設けられ、
前記光音響波検知手段は、前記収容部材と一体化されていることを特徴とする。
本発明によって、簡単な構成で、様々な大きさの測定対象物の測定に対応する光音響顕微鏡を提供することが可能になる。
図1は本発明を適用できる光音響顕微鏡の構成の一例を示す図である。 図2は本発明を適用できる光音響顕微鏡の測定フローチャートの一例を示す図である。 図3は本発明を適用できる光音響顕微鏡の測定タイミングチャートの一例を示す図である。 図4は本発明を適用できる光音響顕微鏡の構成の他の一例を示す図である。 図5は本発明を適用できる光音響顕微鏡の構成の他の一例を示す図である。
以下、本発明の様々な実施の形態について、図面を用いて説明する。まず初めに、第一の実施形態について説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態について、超音波フォーカス型の光音響顕微鏡に基づき、説明する。本実施形態においては、図1に示すように、光を発生する光源であるパルス光源101と、被検体112に光を集光して照射する光学素子を構成するミラー111とを備える。なお、本実施形態においては、光の集光をより精密に行うため、パルス光源101から発生した光を被検体に導くための、ファイバー103、レンズ105、コニカルレンズ107を、好ましい形態として備えている。また、集光した光の照射を受けて被検体112で発生する光音響波を検知する光音響波検知手段である超音波トランスデューサー115と、被検体112を保持する保持手段である被検体保持容器117とを備える。そして、光学素子であるミラー111と光音響波検知手段である超音波トランスデューサー115とは、保持手段である被検体保持容器117の被検体112を保持する側とは反対側に位置している。これによって、簡易な構成でありながら、様々な大きさの被検体(測定対象物)の測定に対応する光音響顕微鏡を提供することが可能になる。これについて以下に説明する。
一般に、被検体は形状が様々である。よって、被検体を保持手段で保持すると、保持手段に接していない側の被検体の外形部の位置は、被検体ごとに様々になる。ここで、保持手段に接していない側の被検体の外形部とは、図1における被検体112の矢印124で示す部分である(点線123より上の部分である)。しかし、いかなる形状の被検体であっても、保持手段に接している側の外形部の位置は、保持手段の設置位置によって決まるため、同じになる。よって、保持手段の被検体を保持する側と反対側に音響波検出手段や光学素子を配置することによって、被検体と音響波検出手段や光学素子との位置関係、具体的には距離は、一様に決定するため、被検体ごとに音響波検出手段や光学素子の位置を変える必要がない。よって、光学素子であるミラー111と光音響波検知手段である超音波トランスデューサー115とは、保持手段である被検体保持容器117の被検体112を保持する側とは反対側に位置していると、様々な大きさの被検体(測定対象物)の測定に対応する光音響顕微鏡を提供することが可能になる。尚、保持手段の被検体を保持する側とは反対側とは、図1の矢印125で示す側であり、また、被検体保持容器117の鉛直下側(重力方向の下方)である。尚、図1における鉛直下向き(重力方向)は、Z軸のマイナス方向である。
また、このような構成の光音響顕微鏡においては、測定の際に誤って被検体が動いても、被検体が装置に衝突するなどの問題も生じない。
以下、更に本実施の形態について、好ましい形態を図1から図3に基づき説明する。
パルス光源101は測定制御部102の制御によりパルス光を発光する。パルス光は光ファイバー103を通り被検体に照射するための光学系に導光される。具体的には、ファイバー103から出たパルス光104はレンズ105でコリメートされ、ビームスプリッター106で一部のパルス光が反射される。ビームスプリッター106を透過したパルス光はコニカルレンズ107によって円環上に広げられる。一方、ビームスプリッター106で反射された一部のパルス光は、レンズ108で集光されて、フォトディテクター109で検知される。検知された信号は、データ収集ボード(DAQボード)110でデジタル信号に変換されて内部メモリに蓄積される。フォトディテクター109で検知されたパルス光信号は、光音響信号の光量変動に起因する誤差を補正したり、光音響波の測定タイミングを決めるトリガー信号として使用する。
コニカルレンズ107で円環上に広げられたパルス光104は、ミラー111で反射されることで、再び集光される。光音響波の測定時は該光焦点の位置が被検体112の内部に来るように位置合わせをする。被検体112内部で拡散したパルス光の拡散光は、光の吸収係数に依存して被検体内部の血液などの光吸収体113に吸収され、そこから光音響波114が発生する。光音響波114はミラー111の中央付近に設置された超音波トランスデューサー115で検出され、その音圧強度変化は電気信号に変換される。超音波トランスデューサー115には音響レンズが備えられ、その焦点位置から発生した音波を感度良く検出することができる。これは付言すると、音響レンズの焦点位置は、集光された光の焦点位置に概略一致している。なお、この音響レンズの焦点はパルス光の焦点領域に包含されるような位置に来るように設計されていてもよい。超音波トランスデューサー115と被検体112の間には、ミラー111に固定された水槽116と、その上部に配置され、被検体112を保持する被検体保持容器117が存在する。つまり、保持手段である被検体保持容器117と光音響波検知手段であるトランスデューサー115との間に、凹状部材である水槽116が位置している。なお、被検体保持容器117は被検体の位置を固定する部材であると好ましい。また被検体保持容器117は、図1に図示していない他の筺体に固定されている。水槽116内には光音響測定時には水が存在し、これにより光音響波114の伝達の際の音響インピーダンスマッチングが図られている。また、被検体112に接する被検体保持容器117には被検体112を保持する側に凹部を有し、該凹部には光音響波114の音響インピーダンスマッチングのための超音波ジェルなどが充填されている。さらに被検体保持容器117の底面はフィルムなどの光音響波114の透過率が高い素材が貼られている。
超音波トランスデューサー115によって検出され、電気信号に変換された光音響信号114は信号増幅器118に送られ、信号強度を増幅される。その後、データ収集ボード(DAQボード)110でデジタル信号に変換され内部メモリに蓄積される。データ収集ボード110に蓄積されたデータは信号処理部119に送られて信号処理を行う。その後、画像処理部120で画像処理を行い、表示部121で画像データとして表示される。
図1の122の枠線で囲われた部材は、走査手段である二次元面上に走査可能な自動ステージ(不図示)と、その二次元面と垂直な方向の調整を行う機構(不図示)の上に設置されている。この走査手段によって、光学素子であるミラー111及び音響波検出手段であるトランスデューサー115を被検体112に対して走査することが可能となる。そしてこの二次元走査により被検体112にフォーカスされたパルス光104の焦点と超音波トランスデューサー115の音波焦点の位置を移動し、各測定位置において光音響波を検出することで二次元面の光音響信号データを取得することができる。なお、この際、水槽116はミラー111に固定されているため上記のステージ走査とともに走査されるが、被検体112と接する被検体保持容器117は走査されない。すなわち、被検体保持容器117と被検体との相対位置は、ステージ走査が行われる光音響波測定中は変化しない。したがって、自動ステージの走査中には、水槽116と被検体保持容器117との相対位置が変化する。そのため、水槽116の上部の開放部は被検体保持容器117の底面の面積よりも大きく設計されており、ステージ走査中も相互に干渉しないようになっている。このことは、換言すると、保持手段である被検体保持容器117は、凹状部材である水槽116に内包されるように位置しているので、ステージ走査中も相互に干渉しないといえる。このようにして、走査手段である自動ステージは、光学素子であるミラー111と音響波検出手段であるトランスデューサー115と凹状部材である水槽116とを同期させながら被検体112に対して走査することが可能となる。また、上記の二次元面と垂直な方向の位置を調整する機構(不図示)によって、超音波トランスデューサー115の超音波焦点の被検体112内部の深さを調整することができる。
尚、上述の構成では、水槽116とミラー111とが固定されている構成で説明したが、これに限らず、水槽116とミラー111とが同期して動くように構成されていれば、両者が固定されていなくてもよい。また、いずれの場合でも、ミラー111とレンズ105及びコニカルレンズ107とが、これらの相対位置が変化しないように同期して走査されるのが好ましい。更には、ミラー111、レンズ105、コニカルレンズ107と共に、ビームスプリッター106、レンズ108及びフォトディテクター109も同期して走査されるのがより好ましい。
また、水槽116とミラー111とが固定されている構成としては、水槽116とミラーが別体で構成され、これらが互いに固定されている構成に限らず、水槽116の底部の一部をミラー111が兼ねる構成でもよい。例えば、水槽116の底部の一部がミラーで構成されていても良い。また更には、ミラー111とトランスデューサー115とで、水槽116の底部の一部または全部を構成しても良い。
なお、測定制御部102ではパルス光源101の発光制御を行うほか、前述の自動ステージ(不図示)の制御、データ収集ボード110のデータサンプリングに関する制御を行う。
なお、上記で説明した構成では、パルス光104の焦点領域は超音波トランスデューサー115に具備された音響レンズの超音波焦点を包含する構成になっているが、光フォーカス型の光音響顕微鏡のようにこの関係が逆になっている構成でもよい。すなわち、対物レンズなどを用いてパルス光104をフォーカスした焦点領域が、超音波トランスデューサー115の音響レンズの超音波焦点の領域に包含される構成になっていても良い。光フォーカス型の光音響顕微鏡を用いることで、光の焦点の大きさが光音響顕微鏡の解像度を決定するため、より高解像度の光音響画像を取得することが可能になる。
なお水槽116の上部の開放部は、水が水槽の外に跳ねることを防止するため、防水性の高いビニールなどの素材を用いたカバーで覆われていてもよい。また、水槽116には、メンテナンス性能を向上するために必要な時に水を供給し、排出するダクトや弁が接続されていてもよい。また、その操作を自動で行うためのコントローラなどが別途備えられていてもよい。また水槽116内に供給する液体は水でなくても良く、パルス光104の透過性が高く、光音響波114の音響インピーダンスマッチングが取れるものであれば良い。
[データ取得プロセス]
次に、上記で説明した超音波フォーカス型の光音響顕微鏡を用いて、被検体112内部から発生した光音響信号の二次元面データを取得し、画像表示する方法について具体的に説明する。
(フローチャート)
初めに、測定手順について図2の測定のフローチャートを用いて説明する。
まず、光音響測定の対象となる被検体112を被検体保持容器117に設置する(フロー201)。なお、被検体保持容器の内部にはあらかじめ音響インピーダンスマッチングをとるための超音波ジェルなどを入れておく。または、被検体を設置後、超音波ジェルを内部に注入してもよい。この場合、被検体保持容器にはジェル注入用に注入ダクトや排出ダクトがついていても良い。
次に、測定制御部102から各種測定装置を動作させるための、測定パラメータの設定をする(フロー202)。測定パラメータとは、具体的には光音響測定の測定ピッチ、測定範囲、1箇所あたりの光音響信号の保存サンプリング周波数、保存時間、自動ステージの走査速度、加速度、パルス光源101の発光周波数、光量、波長などである。
次に、光音響測定を行うために、超音波トランスデューサー115の音響焦点の被検体112内部における深さの調整などのアライメントを行う(フロー203)。この調整は、前述したステージ走査を行う二次元面に対して垂直な方向の調整が可能な高さ調整機構によって行う。この深さは、もっとも鮮明な画像を取得した被検体内部の表面からの深さに応じて調整する。ただし、光音響波の被検体内部組織による散乱や減衰、パルス光104の被検体内部における拡散に起因して、被検体の深い位置ほど鮮明な画像化が困難になるという特性がある。したがって、深さ調整はこの特性を考慮して事前の検討を通して実験的に設定する。
次に、フロー202で設定された測定パラメータや測定範囲に基づき、光音響信号の取得を該当範囲内の各測定位置において行う。光音響測定を実施するためのタイミングチャートについては後述する。
ここでは、各測定位置における光音響信号取得フローを説明する。まずパルス光104を被検体112に照射し、次に被検体内部に存在するヘモグロビンなどの光吸収体から発生した光音響波114を超音波トランスデューサー115で検出し電気信号に変換する。変換された光音響信号は信号増幅器118で増幅され、その後、データ収集ボード(DAQボード)110でデジタル信号に変換され内部メモリに蓄積される。データ収集ボード110に蓄積されたデータは、測定制御部102の制御にしたがって、信号処理部119に送られる。自動ステージで測定位置を移動しながらすべての測定箇所で測定を実施し、光音響測定を終了する。
続いて、信号処理部119において、取得した各箇所の光音響信号の信号処理を行う(フロー205)。施す信号処理として、パルス光源101のパルス幅を考慮したデコンボリューションや、包絡線検波などを場合に応じて行う。また、あらかじめ信号に付加されるノイズに特徴的な周波数が分かっており、光超音波信号の主たる周波数と分離できる場合は、ノイズに起因する特定の周波数成分を除去することなども可能である。また、被検体の表面や被検体保持容器117や水槽116などに反射することで、光音響波の音源から直接伝達された波に対して遅延して超音波トランスデューサーに到達した光音響波などは信号から除去する。また、被検体の表面で発生した光音響波が顕著に存在する場合はそれをこの工程において削除することも可能である。
続いて、画像処理部120において、信号処理を行った光音響信号の、自動ステージ走査面および被検体の深さ方向の信号強度分布をもとにボクセルデータを作成し、適宜画像処理を行う(フロー206)。このとき、既知のアーティファクトがあればボクセルデータから適宜除去する。また、例えば被検体内の血中ヘモグロビンの酸素飽和度を算出する場合などに、複数のパルス光の波長で取得した光音響信号強度のボクセルデータから酸素飽和度値を格納したボクセルデータを作成しておくことも可能である。あるいは、被検体内の血中ヘモグロビンを主な光吸収体としてパルス光の波長を設定し、測定を行った場合に、例えば取得したボクセルデータから血管の画像を二値化し抽出するなどの処理も可能である。
続いて、表示部121において、フロー206で光音響信号強度分布から作成されたボクセルデータをユーザーの希望する表示方法で表示する(フロー207)。例えば、3次元の各軸に垂直な断面で表示する方法や、各軸の方向についてのボクセルデータの最大値、最小値または平均値の二次元分布として表示する方法を用いる。また、このときにユーザーがボクセルデータ内でROI(注目領域)を設定して、その領域内の吸収体の形状に関する統計的な情報や酸素飽和度情報を表示するようにユーザーインターフェースのプログラムが構成されていても良い。
(タイミングチャート)
次に図3のタイミングチャートを用いて、光音響信号の測定における、各動作のタイミングを説明する。なお、ここでは説明を簡単に行うために信号形状やタイミングを簡略的に示している。図中301はパルス光源101の発光タイミングである。パルス光源の発光タイミングは測定制御部102で制御されている。ただし、これに限らず、例えば自動ステージのエンコーダーからの等移動距離間隔または等時間間隔で出力されるトリガー信号に基づいて発光タイミングが制御されていてもよい。302はフォトディテクター109で検出されたパルス光から生成された、光音響信号の測定開始参照用のトリガー信号である。このトリガー信号はパルス光源の発光タイミングを制御する信号を参照としても良い。303の信号は、信号301のタイミングで発光するパルス光によって励起され、超音波トランスデューサーに到達した光音響波を示している。この信号は、被検体内部で発生した光音響波の発生タイミングに対して、発生源からトランスデューサーに到達する時間分の遅延をもって発生する(受信される)。信号304はトランスデューサーに到達した光音響波を測定し、メモリに蓄積するサンプリングタイミングである。必要に応じて、測定トリガー信号に対して遅延した時刻から測定を開始し、光音響波の画像化に必要な時間サンプリングを行う。データ収集ボード(DAQボード)110のメモリが十分あるならば、遅延せずに測定を開始しても良い。また、測定サンプリング周波数は、発生する光音響波の主周波数に対し少なくとも二倍以上であって、可能な限り十分大きな周波数に設定しておく。
[好ましい構成の説明]
ここでは、上記に説明した本実施形態における光音響顕微鏡の好ましい構成について説明する。
被検体112へ照射するパルス光104は、被検体112を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を用いる。パルス光104のパルス幅は数ピコから数百ナノ秒オーダーのものであり、被検体が生体の場合には数ナノから数十ナノ秒のパルス光を採用することが好ましい。パルス光104を発生するパルス光源101としてはレーザーが好ましいが、レーザーの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプなどを用いることも可能である。
パルス光源101のレーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いれば、光学特性値分布の波長による違いを測定することも可能になる。
パルス光源101の波長に関しては、400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
なお、パルス光104として複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学係数を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較する。これによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化することも可能である。
上記の第一の実施形態に示された光音響顕微鏡を用いることで、人や大きな動物を測定対象とする場合であっても、簡単な構成で高いユーザビリティを提供することが可能である。
次に、上記第一の実施形態の変形例(実施形態2という)を、図4を用いて説明する。
この形態と上述の図1に示す形態(以下実施形態1という)との相違は、実施形態1の図1の水槽116の代わりに、超音波ジェル401を用いることで光音響波114の音響インピーダンスマッチングを図ることである。水よりも粘性の高い超音波ジェルを用いることで、枠線122で囲われた光学系が傾いた状態でも光音響測定を行うことが可能である。尚、水よりも粘性の高い超音波ジェルとしては、例えば、AQUASONIC CLEAR ULTRASOUND GEL(parker Laboratories, inc.)等が使用できる。
その他の構成に関しては、図1を用いて説明した上述の実施形態1と同様の機能のためここでは説明を省略する。
上記の図4に示す変形例(実施形態2)の光音響顕微鏡においても、人や大きな動物を測定対象とする場合であっても、実施形態1と同様に簡単な構成で高いユーザビリティを提供することが可能である。また、上記の形態では、被検体保持容器117の凹部に設けられた音響マッチング剤として水を用いたが、水に替えて、上記実施形態2における超音波ジェル401を用いることも可能である。この場合、実施形態2で述べたとおり、被検体保持容器117が傾いた状態でも光音響測定を行うことが可能となる。このように、上述の実施形態1においては被検体保持容器117が被検体を鉛直方向に対して支持する形態で説明したが、これに限らず、被検体保持容器117に接する側の被検体の形状が規定できるように保持出来れば十分で有る。つまり、被検体保持手段である被検体保持容器117の被検体を保持する側とは反対側に、光学素子と光音響波検知手段とが位置していれば、光学素子や光音響波検知手段の配置を変えることなく、様々な形状の被検体測定が可能となる。
[第二の実施形態]
次に第二の実施形態について、図5を用いて説明する。
この形態と上述の第一の実施形態(実施形態1、及び2)との相違は、第一の実施形態が、被検体を保持する保持手段を有していたのに対して、被検体保持手段を設けずに、音響波検知手段であるトランスデューサー115と光学素子であるミラー111との少なくとも一方によって被検体112を支持することである。このため、光音響波検知手段及び光学素子は、光音響波検知手段の音響波受信部と光学素子の光射出部との少なくとも一方で前記被検体を支持可能なように、該音響波受信部及び該光射出部が鉛直上向きになるように位置している、これによって、簡易な構成でありながら、様々な大きさの被検体(測定対象物)の測定に対応する光音響顕微鏡を提供することが可能になる。詳述すると、一般に、被検体は形状が様々であるが、光音響波検知手段の音響波受信部と光学素子の光射出部との少なくとも一方で前記被検体を支持可能であれば、被検体の形状によらず、被検体と音響受信部や光射出部との位置関係、具体的には距離が、一様に決まるため、被検体ごとに音響波検出手段や光学素子の位置を変える必要がない。そして、この状態で被検体の測定を行うため、光音響波検知手段及び光学素子は、音響波受信部及び該光射出部が鉛直上向きになるように位置している。よって、光音響波検知手段及び光学素子は、光音響波検知手段の音響波受信部と光学素子の光射出部との少なくとも一方で前記被検体を支持可能なように、該音響波受信部及び該光射出部が鉛直上向きになるように位置していることで、様々な形状の被検体(測定対象物)の測定に対応する光音響顕微鏡を提供することが可能になる。尚、鉛直上向きとは、図5におけるZ軸のプラス方向である。また更には、被検体が人、特に人の顔である場合には、音響波検出手段や光学素子といった、大がかりな装置が、被検体である顔の下部(鉛直下側)に位置するため、装置が上部に配置された際に感じる圧迫感や恐怖心などの心理的悪影響も発生しない。
なお、図5に示す本実施の形態においては、トランスデューサー115と被検体112との間には、超音波ジェル501を用いることで光音響波114の音響インピーダンスマッチングを図っている。なお、音響波ジェル501には、第一の実施形態の変形例(実施形態2)と同様に、水よりも粘性の高いジェルを用いることで、枠線122で囲われた光学系が傾いた状態でも光音響測定を行うことが可能である。
その他の構成に関しては第一の実施形態と同様の機能であるため、ここでは説明を省略する。
上記の第二の実施形態に示された光音響顕微鏡を用いることで、人や大きな動物を測定対象とする場合であっても、第一の実施形態(実施形態1や実施形態2)と同様に簡単な構成で高いユーザビリティを提供することが可能である。
101 光源
111 ミラー
115 トランスデューサー
117 被検体保持容器

Claims (11)

  1. 被検体に光を照射する光学素子と、
    前記光の照射を受けて前記被検体で発生する光音響波を検知する光音響波検知手段と、
    前記光学素子および前記光音響波検知手段を前記被検体に対して相対移動させる走査手段と、
    前記被検体を保持する保持手段と、
    前記保持手段と前記光音響波検知手段との間に音響マッチング材を収容するための収容部材と、
    前記光音響波検知手段を前記被検体に対して相対移動させる走査手段と、
    を有し、
    前記光学素子および光音響波検知手段は、前記保持手段の前記被検体を保持する側とは反対側に位置するとともに、
    前記保持手段は、前記音響波検知手段の鉛直上方に設けられ、
    前記光音響波検知手段は、前記収容部材と一体化されていること
    を特徴とする光音響装置
  2. 前記光学素子は、前記収容部材と一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記光音響波検知手段は、音響レンズを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光音響装置。
  4. 前記光学素子は、前記光を集光し、
    前記音響レンズの焦点位置は、前記集光された光の焦点位置に概略一致していること
    を特徴とする請求項3に記載の光音響装置。
  5. 前記保持手段は、前記被検体を保持する側に凹部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光音響装置。
  6. 前記保持手段は、前記収容部材に内包されるように位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光音響装置。
  7. 前記走査手段は、前記光学素子と前記音響波検出手段と前記収容部材との相対位置を保ちながら前記被検体に対して走査することを特徴とする請求項6に記載の光音響装置。
  8. 前記光を発生する光源をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光音響装置。
  9. 前記光音響波検知手段と前記被検体との間の距離を調整するための調整機構をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光音響装置。
  10. 前記光音響波検知手段によって検知された光音響波に基づいて、前記被検体内の特性情報を取得する信号処理部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光音響装置。
  11. 前記特性情報に基づく画像を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の光音響装置。
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