以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の上部左右位置と下側には、全3個のスピーカが配置されている。上部に配置された2個のスピーカは、各々、左右チャネルR,Lの音声を出力し、下側のスピーカは重低音を出力するよう構成されている。
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、中央開口HOが設けられている。そして、中央開口HOの下方には、不図示の可動演出体が隠蔽状態で収納されており、可動予告演出時には、その可動演出体が上昇して露出状態となることで、所定の信頼度の予告演出を実現している。ここで、予告演出とは、遊技者に有利な大当り状態が招来することを不確定に報知する演出であり、予告演出の信頼度とは、大当り状態が招来する確率を意味している。
中央開口HOには、例えば、19インチ程度の大型の液晶カラーディスプレイ(LCD)で構成されたメイン表示装置DS1が配置され、メイン表示装置DS1の右側には、例えば、5インチ程度の小型の液晶カラーディスプレイで構成されたサブ表示装置DS2が配置されている。また、メイン表示装置DS1の下方には、小型の液晶カラーディスプレイで構成された可動式の5インチ程度のサブ表示装置DS3〜DS4が、隠蔽状態で配置されている。
特に限定されるものではないが、メイン表示装置DS1は、その有効表示面積が、例えば、376.32(H)×301.056(V)mm程度で、画素ピッチが0.294(H)×0.294(V)mm程度である。また、サブ表示装置DS2〜DS4は、その有効表示面積が、例えば、64.8(H)×108.0(V)mm程度で、画素ピッチがメイン表示装置DS1の1/2以下に設定され、0.135(H)×0.135(V)mm程度である。
メイン表示装置DS1は、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DS1は、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19とを有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されることがあり、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、適宜な動画などによる予告演出が実行される。
サブ表示装置DS2は、固定状態で配置されているが、他の2個のサブ表示装置DS3〜DS4は、必要時に、何れか一方又は双方が隠蔽状態から上昇して、サブ表示装置DS2と協働した画像予告演出を実現するよう構成されている。すなわち、実施例のサブ表示装置DS3〜DS4は、単なる表示装置ではなく、予告演出を実行する可動演出体としても機能している。ここで、サブ表示装置DS3及び/又はサブ表示装置DS4による予告演出は、その信頼度が、出現個数などに応じて適宜に高く設定されており、遊技者は、大きな期待感をもってサブ表示装置DS3及び/又はDS4の出現に注目することになる。
本実施例では、メイン表示装置DS1だけでなく、サブ表示装置DS2〜DS4でも画像演出が実行されるが、メイン表示装置DS1は、図2(b)に示す通り、横H=1280ピクセル、縦V=1024ピクセルで構成され、各ピクセルP(i,j)は、RBG三色が各々8bitで輝度制御されることで、RGB三色とも256(=28)諧調を実現している。但し、本実施例の構成では、RBG三色を各々10bitで輝度制御して1024(=210)諧調を実現することもできる。
このように、メイン表示装置DS1の一フレームは、左上ピクセルP(1,1)から右下ピクセルP(H,V)まで、1280×1024ピクセルで構成されているので、これを1/60秒毎に更新する場合のドットクロック(ピクセルクロック)は、1280×1024×60に対応して、108MHz程度となり、これを一系統の伝送路でLVDS伝送するとノイズ重畳や誤送信のおそれがある。
そこで、本実施例では、P(1,1)〜P(H,V)のピクセルデータについて、水平方向(H)の奇数ピクセルと偶数ピクセルとを、別々の伝送路(LVDSa,LVDSb)で、LVDS(Low voltage differential signaling)伝送することで(図4参照)、伝送距離の大小に拘らずノイズの重畳や誤送信を回避している。この動作を図示すると、図2(b)に示す通りであり、1280列の縦ラインのうち、奇数ラインを伝送路LVDSaで伝送する一方、偶数ラインを伝送路LVDSbで伝送して、各伝送路のドットクロックを1/2に抑制することで(54MHz)、安定したLVDS伝送を実現している。
本明細書では、以下、表示画面の一フレームを奇数ラインと偶数ラインに分割する動作を、便宜上、ストライプ分割と称し、元の一フレームに復元する動作をストライプ連結と称することがある。なお、後述する第1構成、第2構成、及び第5構成の実施例では、一フレームを縦方向に分割するが、何ら限定されず、横方向のストライプ分割とストライプ連結も可能である。
また、水平一ラインや垂直一ラインごとに分割する必要は必ずしもなく、水平方向又は垂直方向の複数ラインを纏めた矩形枠毎に区分して分割する動作や、逆に連結する動作を採るのも好適である。なお、これらの点は、メイン表示装置DS1だけでなく、サブ表示装置DS2〜DS4についても同様である(第3構成、第4構成参照)。
次に、3つのサブ表示装置DS2〜DS4は、何れも、横480ピクセル、縦800ピクセルで構成され、各ピクセル(画素)は、RBG三色が各々8bitで輝度制御されることで、RGB三色とも256諧調を実現している。そして、これらの一フレームを1/60秒毎に更新する場合のドットクロックは、総ピクセル数に対応して、27MHz程度となる。
ここで、サブ表示装置DS2〜DS4で使用する画像データを、各々、LVDS伝送すると、たとえシリアル伝送とはいえ、各五対の差動信号路が必要となり、遊技機内部の配線が煩雑化する。そこで、本実施例では、各サブ表示装置DS2〜DS4への伝送路を、図11に関して後述する一対の差動信号で実現することで、表示装置の増加に拘わらず、それらへの配線数を大幅に抑制している。
また、本実施例では、合計4台の表示装置DS1〜DS4を配置するが、これらを単一の表示プロセッサ(VDP)を生成するべく、2個の表示装置DS3,DS4の各一フレームを混合させた複合フレームを生成している。なお、これらについては更に後述する。
遊技盤5の構成に戻って説明を続けると、遊技球が落下移動する遊技領域には、第1図柄始動口15a、第2図柄始動口15b、第1大入賞口16a、第2大入賞口16b、普通入賞口17、及び、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
第1図柄始動口15aの上部には、導入口INから進入した遊技球がシーソー状又はルーレット状に移動した後に、第1図柄始動口15に入賞可能に構成された演出ステージ14が配置されている。そして、第1図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの変動動作が開始されるよう構成されている。
第2図柄始動口15bは、左右一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉されるように構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで、開閉爪が開放されるようになっている。
なお、普通図柄表示部19は、普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止する。
第1大入賞口16aは、前後方向に進退するスライド盤を有して構成され、第2大入賞口16bは、下端が軸支されて前方に開放する開閉板を有して構成されている。第1大入賞口16aや第2大入賞口16bの動作は、特に限定されないが、この実施例では、第1大入賞口16aは、第1図柄始動口15aに対応し、第2大入賞口16bは、第1図柄始動口15bに対応するよう構成されている。
すなわち、第1図柄始動口15aに遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの変動動作が開始され、その後、所定の大当り図柄が特別図柄表示部Da〜Dcに整列すると、第1大当りたる特別遊技が開始され、第1大入賞口16aのスライド盤が、前方に開放されて遊技球の入賞が容易化される。
一方、第2図柄始動口15bへの遊技球の入賞によって開始された変動動作の結果、所定の大当り図柄が特別図柄表示部Da〜Dcに整列すると、第2大当りたる特別遊技が開始され、第2大入賞口16bの開閉板が開放されて遊技球の入賞が容易化される。特別遊技(大当り状態)の遊技価値は、整列する大当り図柄などに対応して種々相違するが、何れの遊技価値が付与されるかは、遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて予め決定される。
典型的な大当り状態では、大入賞口16の開閉板が開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板が閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態(確変状態)となるという特典が付与される。
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図であり、図4はその一部を詳細に図示したものである。図3に示す通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧や、電源異常信号ABN1、ABN2やシステムリセット信号(電源リセット信号)SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出などを実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて2つの表示装置DS1,DS2を駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
図示の通り、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、演出制御基板22に伝送される。また、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板32を経由して、払出制御基板24に伝送される。
制御コマンドCMD,CMD’,CMD”は、何れも16ビット長であるが、主制御基板21や払出制御基板24が関係する制御コマンドは、8ビット長毎に2回に分けてパラレル送信されている。一方、演出制御基板22から画像制御基板23に伝送される制御コマンドCMD’は、16ビット長をまとめてパラレル伝送されている。そのため、可動予告演出を含む予告演出を、多様化して多数の制御コマンドを連続的に送受信するような場合でも、迅速にその処理を終えることができ、他の制御動作に支障を与えない。
図示の通り、本実施例では、画像制御基板23及び演出制御基板22からアクセス可能な液晶インタフェイス基板28が設けられている。そして、液晶インタフェイス基板28は、現在時刻を計時可能な時計回路(リアルタイムクロック)RTCと、遊技実績情報を記憶するメモリ素子(Static Random Access Memory )SRAMが搭載されている。
また、本実施例では、画像制御基板23は、信号変換部CNVなどを搭載した液晶インタフェイス基板28を経由して、メイン表示装置DS1と3個のサブ表示装置DS2〜DS4を駆動している。ここで、液晶インタフェイス基板28と、画像制御基板23とは、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されている。同様に、演出制御基板23と液晶インタフェイス基板28についても、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されている。そのため、各電子回路の回路構成を複雑高度化しても基板全体の収納空間を最小化できると共に、接続ラインを最短化することで耐ノイズ性を高めることができる。
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンなどのコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24と液晶インタフェイス基板28に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。なお、主制御部21に対して、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部となる。
このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板35とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23が、表示装置DS1,DS2〜DS4やその他の回路基板と共に固定されている。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタC1〜C4によって電気的に接続されている。
電源基板20は、接続コネクタC2を通して、主基板中継基板32に接続され、接続コネクタC3を通して、電源中継基板33に接続されている。電源基板20には、交流電源の投入と遮断とを監視する電源監視部MNTが設けられている。電源監視部MNTは、交流電源が投入されたことを検知すると、所定時間だけシステムリセット信号SYSをLレベルに維持した後に、これをHレベルに遷移させる。
また、電源監視部MNTは、交流電源の遮断を検知すると、電源異常信号ABN1,ABN2を、直ちにLレベルに遷移させる。電源異常信号ABN1,ABN2は、電源投入後に速やかにHレベルとなる。
ところで、本実施例のシステムリセット信号は、交流電源に基づく直流電源によって生成されている。そのため、交流電源の投入(通常は電源スイッチのON)を検知してHレベルに増加した後は、直流電源電圧が異常レベルまで低下しない限り、Hレベルを維持する。したがって、直流電源電圧が維持された状態で、交流電源が瞬停状態となっても、システムリセット信号SYSがCPUをリセットすることはない。なお、電源異常信号ABN1,ABN2は、交流電源の瞬停状態でも出力される。
主基板中継基板32は、電源基板20から出力される電源異常信号ABN1、バックアップ電源BAK、及びDC5V,DC12V,DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。一方、電源中継基板33は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出制御部22に出力している。そして、演出制御部22は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま画像制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の電源異常信号ABN2や、バックアップ電源BAKを、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す電源リセット信号であり、この電源リセット信号によって演出制御部22のワンチップマイコン40と画像制御部23の内蔵CPU回路は、その他の回路素子やVDPを含む内部回路と共に電源リセットされるようになっている。
但し、このシステムリセット信号SYSは、主制御部21と払出制御部24には、供給されておらず、各々の回路基板21,24のリセット回路RSTにおいて電源リセット信号(CPUリセット信号)が生成されている。そのため、例えば、接続コネクタC2がガタついたり、或いは、配線ケーブルにノイズが重畳しても、主制御部21や払出制御部24のCPUが異常リセットされるおそれはない。演出制御部22と画像制御部23は、主制御部21からの制御コマンドに基づいて、従属的に演出動作を実行することから、回路構成の複雑化を回避するために、電源基板20から出力されるシステムリセット信号SYSを利用している。
主制御部21や払出制御部24に設けられたリセット回路RSTは、各々ウォッチドッグタイマを内蔵しており、各制御部21,24のCPUから、定時的なクリアパルスを受けない限り、各CPUは強制的にリセットされる。
また、この実施例では、RAMクリア信号CLRは、主制御部21で生成されて主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンに伝送されている。ここで、RAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチSWのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24は、電源基板20から電源異常信号ABN1,ABN2を受けることによって、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源BAKは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部24は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板32を経由して、払出制御部24に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部24からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONや、動作開始信号BGNを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。動作開始信号BGNは、電源投入後、払出制御部24の初期動作が完了したことを主制御部21に通知する信号である。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板31を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動式チューリップなどのソレノイド類を駆動している。ソレノイド類や検出スイッチは、主制御部21から配電された電源電圧VB(12V)で動作するよう構成されている。また、図柄始動口15への入賞状態などを示す各スイッチ信号は、電源電圧VB(12V)と電源電圧Vcc(5V)とで動作するインタフェイスICで、TTLレベル又はCMOSレベルのスイッチ信号に変換された上で、主制御部21に伝送される。
先に説明した通り、演出制御基板22と画像制御基板23と液晶インタフェイス基板28とはコネクタ連結によって一体化されており、演出制御部22は、電源中継基板33を経由して、電源基板20から各レベルの直流電圧(5V,12V,32V)と、システムリセット信号SYSを受けている(図3及び図4(a)参照)。
また、演出制御部22は、主制御部21から制御コマンドCMDとストローブ信号STBとを受けている。そして、演出制御部22は、ランプ駆動基板36及びランプ駆動基板29やモータランプ駆動基板30に搭載されたドライバICに、ランプ駆動信号SDATAを、クロック信号CKに同期してシリアル伝送することで、多数のLEDランプや電飾ランプで構成されたランプ群を駆動して、制御コマンドCMDに基づくランプ演出を実現している。
本実施例の場合、ランプ演出は、三系統のランプ群CH0〜CH2によって実行されており、ランプ駆動基板36は、枠中継基板34,35を経由して、CH0のランプ駆動信号SDATA0を、クロック信号CK0に同期して受けている(クロック同期式シリアル通信)。なお、シリアル信号として伝送される一連のランプ駆動信号SDATA0は、動作制御信号ENABLE0がアクティブレベルに変化したタイミングで、ドライバICからランプ群CH0に出力されることで一斉に点灯状態が更新される。
以上の点は、ランプ駆動基板29についても同様であり、ランプ駆動基板29のドライバICは、ランプ群CH1のランプ駆動信号SDATA1を、クロック信号CK1に同期して受け、動作制御信号ENABLE1がアクティブレベルに変化したタイミングで、ランプ群CH1の点灯状態を一斉に更新している。
一方、モータランプ駆動基板30に搭載されたドライバICは、クロック同期式で伝送されるランプ駆動信号を受けてランプ群CH2を駆動すると共に、クロック同期式で伝送されるモータ駆動信号を受けて、複数のステッピングモータで構成された演出モータ群M1〜Mnを駆動している。なお、ランプ駆動信号とモータ駆動信号は、一連のシリアル信号SDATA2であって、クロック信号CK1に同期してシリアル伝送され、これを受けたドライバICは、動作制御信号ENABLE2がアクティブレベルに変化するタイミングで、ランプ群CH2やモータ群M1〜Mnの駆動状態を更新する。
また、演出制御部22は、画像制御部23に対して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’と、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSと、2種類の直流電圧(12V,5V)とを出力している。そして、画像制御部23では、制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DS1〜DS4を駆動して各種の画像演出を実行している。
図3及び図4(a)に示す通り、画像制御部23は、汎用ワンチップマイコンと同等の内部構成を有する内蔵CPU回路(画像演出制御装置)51と、VDP(Video Display Processor )52と、を内蔵した複合チップ50を中心に構成されている。また、内蔵CPUの制御プログラムを記憶する制御メモリ(PROM)53と、大量のデータを高速にアクセス可能なDRAM(Dynamic Random Access Memory)54と、画像制御に必要な大量のCGデータを記憶するCGROM55とが搭載されている。
そして、CGROM55から読み出したCGデータに基づいてVDP52が生成した画像データは、第1と第2のLVDS信号(LVDS_1, LVDS_2)と、RGBパラレル信号RGB_P として、液晶インタフェイス基板28に伝送される。図示の通り、液晶インタフェイス基板28には、各信号(LVDS_1, LVDS_2, RGB_P )の信号形式を変換する信号変換部CNVが搭載されている。後述するように、信号変換部CNVは、3個の変換回路TX1〜TX3(図9〜図11)で構成されている。
第1のLVDS信号LVDS_1は、メイン表示装置DS1用の画像データであって、図2(b)に関して説明した通り、1280×1024ピクセルで構成された一フレームを特定している。そして、本実施例では、この1280×1024個のピクセルデータを確実に伝送するべく、ドットクロック108MHzのLVDS信号LVDS_1を、信号変換部CNVで二系統のLVDS信号(LVDS_a,LVDS_b)にストライプ分割して、各々、1/60秒に640×1024ピクセル(=655,360)の画像データを伝送している(図2(b)参照)。
そのため、二系統のLVDS信号(LVDS_a,LVDS_b)のドットクロックは、信号変換部CNVの変換回路(図9参照)を経由することで、各々、54MHz程度に抑制されることになる。
また、第2のLVDS信号LVDS_2は、サブ表示装置DS2用の画像データであって、図2(b)に関して説明した通り、480×800ピクセルで構成された一フレームを特定している。そして、本実施例では、この480×800個のピクセルデータを、最小の伝送配線で伝送するべく、液晶インタフェイス基板28まで伝送されたLVDS信号LVDS_2(五対の差動信号)を、信号変換部CNVの変換回路TX2(図9(a)図11参照)において、一対の差動信号SER2に変換している。
一対の差動信号SER2で伝送されるデータは、サブ表示装置DS2用の画像データ(1ピクセル=24ビット長)である。そして、図11(b)に関し後述するように、本実施例では、27MHz程度のドットクロック(ピクセルクロック)の一周期の間に、スクランブル処理された36ビット長のシリアルデータを伝送する。そのため、通信速度としては、27MHz×36=972MHz程度となり、以下、本明細書では、このようなシリアル信号を、便宜上、高速シリアル信号SERiと称することにする(i=1〜5)。
なお、本実施例では、V−By−One信号ではなく、あえて、図11(b)に示す高速シリアル信号を使用する。そのため、メイン表示装置DS1の1/2以下の画素ピッチに設定されたサブ表示装置DS2〜DS4において、各画素(ピクセル)を256諧調で制御することができ、最高16,777,216(=2563)種類の色彩による高画質の画像演出(予告演出)が可能となる。なお、サブ表示装置DS2〜DS4における画像演出には、動画演出も含まれる。
次に、RGBパラレル信号RGB_P は、各8ビットで全24ビット長のRGB信号と、同期信号とを含んだパラレル信号である。但し、図2(b)に関して説明した通り、本実施例のVDP52は、表示装置DS3,DS4の各一フレームを混合させた複合フレームを、複合RGBパラレル信号RGB_P の形式で出力している。本実施例の場合、複合フレームは、480×800ピクセルの2倍であるので、結局、複合RGBパラレル信号RGB_P は、960×800(=768,000)ピクセルを特定し、そのドットクロックは54MHz程度となる。
そして、これを受けた信号変換部CNVの変換回路TX3(図12参照)は、複合RGBパラレル信号RGB_P を、表示装置DS3と表示装置DS4のRGBパラレルデータに分割すると共に、各RGBパラレルデータを、各々、一対の差動信号SER3,SER4に変換している。
特に限定されないが、この差動信号SER3,SER4は、上記した高速シリアル信号と同一形式である。また、信号変換部CNVを実現する各変換回路TX1〜TX3の構成や動作については、図9〜図12に基づいて更に後述する。
図4について説明を続けると、図4に示す通り、メイン表示装置DS1には、二系統のLVDS信号(LVDS_a,LVDS_b)を受けるLVDS受信部RV1が内蔵されている。そして、LVDS受信部RV1は、図2(b)に示す奇数ラインを特定するLVDS信号LVDS_aと、偶数ラインを特定するLVDS信号LVDS_bとに基づいて、1280×1024個のピクセルデータを復元し(ストライプ連結)、ストライプ連結されたRGBデータに基づいて、メイン表示装置DS1の一フレームの描画を実現している。
また、3系統の高速シリアル信号SER2〜SER4と、3つのサブ表示装置DS2〜DS4に対応して、シリアル受信回路RV2〜RV4が配置されている。そして、各シリアル受信回路RV2〜RV4では、受信した高速シリアル信号SER2〜SER4に基づいて、480×800個のピクセルデータを復元し、復元したRGBデータに基づいて、各表示装置DS2〜DS4の各一フレームの描画を実現している。
続いて、図4(a)に基づいて、演出制御部22の構成を更に詳細に説明する。図4(a)に示す通り、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・演出可動体による予告演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40(演出制御CPU40)と、演出制御CPU40の制御プログラムや各種の演出データENを記憶する制御メモリ(flash memory)41と、内蔵レジスタRG0〜RGnに設定される演出制御CPU40の指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声プロセッサ42と、再生される音声信号の元データである圧縮音声データなどを記憶する音声メモリ43と、音声プロセッサ42から出力される音声信号を受けるデジタルアンプ46と、を備えて構成されている。
本実施例の場合、制御メモリ41に記憶されている演出データENには、ランプ演出や音声演出の演出進行を管理するシナリオデータと、LEDの点滅態様を決定するランプ駆動データと、モータの回転態様を決定するモータ駆動データと、が含まれている。なお、ランプ駆動データやモータ駆動データは、1ビットずつ時間順次に出力されることで、ランプ駆動シリアル信号やモータ駆動シリアル信号となる。
ワンチップマイコン40には、複数のシリアル入出力ポートSIOと、複数のパラレル入出力ポートPIOとが内蔵されている。ここで、シリアル入出力ポートSIOには、CHiのランプ駆動信号又はモータ駆動信号SDATAiをクロック信号CKiに同期して出力するシリアル出力ポートSoiと、モータ群M1〜Mnの原点センサ信号(シリアル信号)をクロック信号CK3に同期して受けるシリアルポートSiとが含まれている。なお、i=0〜2であって、三系統のランプ群CH0〜CH2や、CH2のランプ群と共に駆動されるモータ群M1〜Mnに対応している。
一方、パラレル入出力ポートPIOは、出力ポートPo,Po’と入力ポートPiに区分され、入力ポートPiには、主制御部21からの制御コマンドCMD及びストローブ信号STBが入力される。一方、出力ポートPo’からは動作制御信号ENABLE0〜ENABLE2が出力され、出力ポートPoからは、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’が出力されるよう構成されている。詳細には、主制御基板21から出力された制御コマンドCMD及びストローブ信号(割込み信号)STBが、バッファ44において、ワンチップマイコン40の電源電圧3.3Vに対応する論理レベルに降圧された後、入力ポートPiに8ビット単位で二回に分けて供給される。また、割込み信号STBは、演出制御CPU40の割込み端子に供給され、受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得するよう構成されている。
演出制御部22が取得する制御コマンドCMDには、(1)異常報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(2)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、図柄種別を指定する制御コマンド(図柄指定コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当たり抽選における当否結果とが含まれている。
また、図柄指定コマンドには、大当たり抽選の結果に応じて、大当たりの場合には、大当たり種別に関する情報(15R確変、2R確変、15R通常、2R通常など)を特定する情報が含まれ、ハズレの場合には、ハズレを特定する情報が含まれている。変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、これらに加えて、リーチ演出や予告演出の有無などを含めて変動パターンコマンドで特定しても良いが、この場合でも、演出内容の具体的な内容は特定されていない。
そのため、演出制御部22では、変動パターンコマンドを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、画像制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した画像演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。
このような演出動作に同期した画像演出を実現するため、演出制御部22は、出力ポートPoを通して、画像制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、16ビット長の制御コマンドCMD’を出力している。なお、演出制御部22は、図柄指定コマンドや、異常報知用制御コマンドや、その他の制御コマンドを受信した場合は、その8ビット単位の制御コマンドを、16ビット長に纏めた状態で、割込み信号STB’と共に画像制御部23に向けて出力している。
先に説明した通り、本実施例の音声プロセッサ42は、演出制御CPU40から内蔵レジスタ(音声制御レジスタ)RG0〜RGnに受ける指示(音声コマンドSNDによる設定値)に基づいて、音声メモリ43をアクセスして、必要な音声信号を再生して出力している。図示の通り、音声プロセッサ42と、音声メモリ43とは、26ビット長の音声アドレスバスと、16ビット長の音声データバスで接続されている。そのため、音声メモリ43には、1Gビット(=226*16)のデータが記憶可能となる。本実施例の場合、音声メモリ43に記憶された圧縮音声データは、13ビット長のフレーズ番号(000H〜1FFFH)で特定されるフレーズ(phrase)圧縮データであり、一連の背景音楽の一曲分(BGM)や、ひと纏まりの演出音(予告音)などが、最高8192種類(=213)、各々、フレーズ番号に対応して記憶されている。そして、このフレーズ番号は、演出制御CPU40から音声プロセッサ42の音声制御レジスタRG0〜RGnに伝送される音声コマンドSNDの設定値によって特定される。
音声コマンドSNDは、複数(2又は3)バイト長であって、音声プロセッサ42に内蔵された多数の音声制御レジスタRG0〜RGnの何れかRGiに、所定の設定値を伝送するWrite 用途で使用される。但し、本実施例の音声コマンドSNDは、フレーズ番号などの設定値を書込むWrite 用途だけでなく、所定の音声制御レジスタRGiからステイタス情報(エラー情報)STSを読み出すRead用途でも使用される。なお、アクセス対象となる所定の音声制御レジスタRGiは、1バイト長のレジスタアドレスで特定される。
音声制御レジスタRGiへの設定値の設定(Write )は、必ずしも、音声制御レジスタ毎に個別的に実行する必要はなく、音声メモリ43に格納されているSACデータを指定して、一群の音声制御レジスタRGi〜RGjに対する一連の設定動作を完了させることもできる。ここで、SACデータとは、音声制御レジスタRGiのレジスタアドレス(1バイト)と、その音声制御レジスタRGiへの設定値(複数バイト)とを対応させた最大512個(最大1024バイト)の集合体を意味する。本実施例では、このようなSACデータが、必要組だけ、予め音声メモリ43に記憶されており、一組のSACデータは、単一のID情報である13ビット程度のSAC番号で特定されるようになっている。
したがって、本実施例の場合、Write 用途の音声コマンドSNDは、SAC番号を指定して一組のSACデータを特定するか、或いは、設定値とレジスタアドレスとを個別的に特定することになる。
図4(b)に接続関係の要部を記載している通り、演出制御CPU40と音声プロセッサ42は、1バイトデータを送受信可能なパラレル信号線(データバス)CD0〜CD7と、動作管理データを送信可能な2ビット長の動作管理データ線(アドレスバス)A0〜A1と、読み書き(read/write)動作を制御可能な2ビット長の制御信号線WR,RDと、音声プロセッサ42を選択するチップセレクト信号線CSとで接続されている。
パラレル信号線CD0〜CD7は、演出制御CPU40のデータバスで実現され、また、動作管理データ線A0〜A1は、演出制御CPU40のアドレスバスで実現されており、各々、演出制御CPU40に接続されている。そして、演出制御CPU40が、プログラム処理によって、例えば、IOREAD動作やIOWRITE動作を実行すると、制御信号WR,RDやチップセレクト信号CSが適宜に変化して、パラレル信号線CD0〜CD7で特定される音声制御レジスタRGiとの読み書き(R/W)動作が実現される。
具体的には、図4(b’)のタイムチャートに示す通りであり、音声制御レジスタRGiのレジスタアドレスと、音声制御レジスタRGiへの書込みデータは、各々、パラレル信号線CD0〜CD7を通してパラレル伝送される。そして、パラレル伝送された1バイトが、レジスタアドレスであるか、それとも、書込みデータ(ライトデータ)であるかは、動作管理データA0〜A1によって特定される。
したがって、図4(b)に示す通り、動作管理データ(アドレスデータA0〜A1)を、[00]→[01]と推移させる一方で、データバスの1バイトデータを、[音声制御レジスタRGiのレジスタアドレス]→[音声制御レジスタRGiへの書込みデータ]と推移させることで、所定の音声コマンドSNDが送信される。なお、SAC番号(13ビット)を送信する場合のように、書込みデータが複数バイト長の場合には、[01]の動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→[01]→[01]と繰り返しつつ、複数バイトの書込みデータを送信する。
このようにして送信された音声コマンドは、通信異常がない限り、その後、実効化される。但し、複数バイト長のデータが互いに整合しないなど、通信異常が認められる場合には、その音声コマンドSNDが実効化させることはない。そして、音声制御レジスタRGnのエラーフラグがセットされるが、このエラーフラグ(ステイタス情報STS)は、アドレスバスの動作管理データA0〜A1を、[01]から[10]に推移させることで、演出制御CPU40がRead動作によって受信することができる。
このように、この実施例では、動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→・・・[01]→[10]と推移させる最終サイクルにおいて、複数ビット長のエラー情報(異常時はFFH)を取得することができる。そして、正当にパラレル送信できなかった音声コマンドSNDを再送することで、音声演出を適切に進行させることができる。したがって、本実施例の構成によれば、音声演出が突然、途絶えるような不自然さを確実に解消されることができる。
なお、図4(b)の構成では、演出制御CPU40は、エラー情報を含んだステイタス情報STSを、音声プロセッサ42からパラレル受信しているが、何ら、この構成に限定されるものではない。すなわち、音声プロセッサ42が通信エラーを認識すると、演出制御CPU40に割込み信号を出力する構成を採るのも好適であり、この場合には、演出制御CPU40の割込み処理プログラムにおいて、通信エラーが生じた音声コマンドを再送すればよい。このような構成を採れば、殆どの場合に無駄な処理となる、エラーフラグ(ステイタス情報STS)の取得処理、すなわち、動作管理データA0〜A1を[10]に遷移させる処理を省略することができる。
図3及び図4(a)に示す通り、本実施例では、デジタルアンプ46の出力によって、遊技機上部の左右スピーカと、遊技機下部のスピーカとを駆動している。そのため、音声プロセッサ42は、3チャネルの音声信号を生成する必要があり、これをパラレル伝送すると、音声プロセッサ42とデジタルアンプ46との配線が複雑化する。
そこで、本実施例では、音質の劣化を防止すると共に、配線の複雑化を回避するため、音声プロセッサ42とデジタルアンプ46との間は、4本の信号線で接続されており、具体的には、転送クロック信号SCLKと、チャネル制御信号LRCLKと、2ビット長のシリアル信号SD1,SD2との合計4ビットの信号線に抑制されている。
ここで、SD1は、遊技機上部に配置された左右スピーカのステレオ信号R,Lを特定するPCMデータについてのシリアル信号であり、SD2は、遊技機下部に配置された重低音スピーカのモノラル信号を特定するPCMデータについてのシリアル信号である。そして、音声プロセッサ42は、チャネル制御信号LRCLKをLレベルに維持した状態で、左チャネルの音声信号Lを伝送し、チャネル制御信号LRCLKをHレベルに維持した状態で、右チャネルの音声信号Rを伝送する。重低音スピーカは、本実施例では1個であるので、モノラル音声信号が伝送されているが、ステレオ音声信号として伝送できるのは勿論である。
何れにしても本実施例では、4種類の音声信号を4本のケーブルで伝送可能であるので、最小のケーブル本数によってノイズによる音声劣化のない信号伝達が可能となる。すなわち、シリアル伝送であるのでパラレル伝送より圧倒的にケーブル本数が少ない。
このようなシリアル信号SD1,SD2は、クロック信号SCLKの立上りエッジに同期して、デジタルアンプ46に取得される。そして、デジタルアンプ46内部で、所定ビット長毎にパラレル変換され、DA変換後にD級増幅されて各スピーカに供給されている。
図4(a)に関して説明を続けると、演出制御基板22には、ワンチップマイコン40のシリアル入出力ポートSIOのシリアル出力ポートSoiから出力されるシリアルデータSDATAiとクロック信号CKiを転送するバッファ回路47〜49が設けられている(i=0〜2)。
ここで、出力バッファ47は、シリアル出力ポートSo0が出力するランプ駆動信号SDATA0とクロック信号CK0を、ランプ駆動基板36のシフトレジスタ回路(ドライバIC)に転送している。また、出力バッファ48は、シリアル出力ポートSo1が出力するランプ駆動信号SDATA1とクロック信号CK1を、ランプ駆動基板29のドライバICに転送している。なお、各ランプ駆動基板29,36に搭載されたドライバICが、CH0とCH1のランプ群を点灯駆動することは先に説明した通りである。
一方、バッファ回路49は、入出力バッファとして機能しており、シリアル出力ポートSo2が出力するシリアル信号SDATA2を、クロック信号CK2と共にモータランプ駆動基板30に転送している。また、一群の演出モータM1〜Mnの原点位置を示す原点センサ信号(シリアル信号)を、クロック信号CK3に同期してワンチップマイコン40のシリアル入力ポートSiに転送している。
本実施例の場合、バッファ回路49が転送するシリアル信号SDATA2は、ランプ群CH2を点灯させるためのランプ駆動信号(シリアル信号)と、演出モータM1〜Mnを回転させるためのモータ駆動信号(シリアル信号)とが連続するよう構成されている。そして、モータランプ駆動基板30では、これら一連のシリアル信号を16ビット長毎に分断すると共に、各16ビット長をパラレル信号に変換して、ランプ演出と可動予告演出を実行している。具体的には、制御コマンドCMDに対応して抽選決定された演出動作として、一連のランプ演出を実行すると共に、モータ駆動信号を受信した場合には、演出モータM1〜Mnを回転させて適宜な可動予告演出を実行している。
次に、図4(a)の左側に示す通り、本実施例では、演出制御CPU40のデータバスとアドレスバスは、液晶インタフェイス基板28にも及んでいる。説明の便宜上、図4(a)の左側に、この関係を図示しているが、時計回路RTCは、演出制御CPU40のアドレスバスの下位4ビットと、データバスの下位4ビットとでCPUに接続されており、任意にアクセス可能に構成されている。また、遊技実績情報を記憶するメモリ素子SRAMは、演出制御CPU40のアドレスバスの16ビットと、データバスの下位16ビットとで、演出制御CPU40のランダムアクセスを可能にしている。
時計回路RTCは、現在年月日や現在時刻を計時する時計IC(リアルタイムクロック)であり、メモリ素子SRAMと共に、演出制御基板22から受ける電源電圧で充電される二次電池BTで永続的に動作している。すなわち、遊技機に電源が投入されている状態で、二次電池BT(図5)が充電される一方、遊技機の電源が遮断された後は、充電状態の二次電池BTに基づいて、時計回路RTCの計時動作が継続され、演出データも永続的に記憶保持される(バックアップ動作)。
図5に示す通り、実施例の時計回路RTCは、4ビットのデータバスと、4ビットのデータバスと、Read/Write動作用のコントロールバスRD+WRとを通して、演出制御CPU40に接続されている。そして、演出制御CPU40は、遊技動作に関する重要な遊技情報や異常情報を、時計回路RTCから取得した年月日情報及び曜日情報や時刻情報を付加して、メモリ素子SRAMに記憶するようにしている。
この時計回路RTCは、CS1とCS0バーの2種類のチップセレクト端子を有しており、各端子への入力電圧が正常レベルであることを条件に、演出制御CPU40からのアクセスを許可するようになっている。ここで、CS0バー端子は、アドレスデコーダの出力を受ける通常のチップセレクト端子である。一方、CS1端子は、電源異常検出部ERの出力(電圧降下信号)Voを受けており、CS1端子が異常レベルの出力Voを受けた場合には、時計回路RTCの異常検出フラグFosが自動的にセットされるようになっている。
本実施例の場合、この異常検出フラグFosは、他の異常検出フラグTEMPと共に、電源投入時に演出制御CPU40によって判定され、仮に、異常検出フラグFosがセット状態であれば、その時の年月日及び時刻が報知されるようになっている。そのため、もし、時計機能の異常が認められた場合には、これに素早く対処することができる。
なお、電源遮断時に二次電池BTの電圧が降下しても、二次電池BTの電圧レベルは、電源復帰によって素早く回復してCS1端子が正常レベルに戻るので、演出制御CPU40からのアクセスが許可されることになる。したがって、異常検出フラグFosの判定処理を設ける本実施例の構成を採らない場合には、時計回路RTCの異常を永続的に検出できないおそれがある。
また、実施例の時計回路RTCは、一週間に一回、例えば、毎金曜日の21時50分に、割込み信号IRQを出力するよう構成されおり、割込み信号IRQを受けた演出制御CPU40では、それまでにメモリ素子SRAMに蓄積した遊技情報や異常情報について、適宜に集計するようにしている。
なお、集計する遊技情報は、大当り状態に関する履歴情報をまとめたものであり、例えば、(1)大当り状態となるまでに要した図柄始動口への入賞回数、(2)大当り状態の図柄や、確変か否かの大当り状態の集計値や統計値、(3)大当り状態に至った予告演出やリーチ演出の種類、(4)連チャン回数、(5)連チャンによる払出球数の時間的な増加推移、などが含まれる。そして、これらの集計情報や統計情報は、遊技者の求めに応じて適宜に報知される。遊技者の指示は、例えば、デモ演出中のチャンスボタン11の押圧で特定され、報知内容は表示装置DS1に表示される。
一方、集計する異常情報には、例えば、(1)ドア開放回数、(2)違法行為を検出する検知センサの検出種別や検出回数や検出時刻、(3)閉塞状態の図柄始動口15や大入賞口16を針金などで無理に開放しようとする行為の検出回数や検出頻度や検出時刻などが含まれる。そして、これらの集計情報は、係員による特別な操作に対応して、表示装置DS1に表示される。
図5(a)に示す通り、実施例の時計回路RTCは、Bank0〜Bank2の3つの内部レジスタテーブルを内蔵して構成されている。但し、Bank2のレジスタテーブルは、時刻設定や年月日設定に関するものであるので、図5(b)と図5(c)に、Bank0とBank1のレジスタテーブルだけ記載している。何れにしても、各レジスタテーブルは、4バイト×16個のレジスタで構成されおり、内部回路が計時した現在年月日と現在時刻は、Bank0のレジスタテーブル(図5(b))に書込まれるよう構成されている。
図5(b)に示すように、Bank0のレジスタテーブルにおいて、1番レジスタのビット3は、異常検出フラグFosであり、14番レジスタのビット2は、内蔵温度センサが異常温度を検出したことを示す温度異常フラグTEMPである。そして、本実施例では、演出制御部22のCPUリセット時に、異常検出フラグFosの値を判定することで、異常な計時動作の継続を防止している。また、時計回路RTCを演出制御CPU40に近接配置すると共に、適宜な時間間隔で、温度異常フラグTEMPの値を繰り返し判定することで、演出制御CPU40の温度異常を素早く検出している。
また、Bank0のレジスタテーブルにおいて、15番レジスタのビット0は、レジスタテーブルが更新中であることを示すBusyフラグである。そして、本実施例では、Busyフラグが非Busy状態(更新完了)であることを条件に、Bank0のレジスタテーブルから、現在年月日と現在時刻を取得している。そのため、本実施例では、更新動作中の中途半端、又は不合理な時計情報を取得するおそれがなく、メモリ素子SRAMに記憶される時計情報の正当性が担保される。例えば、1時59分59秒から2時0分0秒に更新中の時計情報を取得すると、1時0分0秒の時計情報を取得してしまうおそれがある。
また、Bank1のレジスタテーブルは、割込み信号IRQの発生時刻を設定可能に構成されている。そこで、本実施例では、Bank1の1番レジスタのビット0に1をセットすることで割込み発生を指示し(Interrupt Enable)、Bank1の0番レジスタ〜8番レジスタに、金曜の曜日指定と、21時30分00秒の時刻情報を設定している。
続いて、画像制御部23について図6〜図8を参照しつつ詳細に説明する。先ず、図6(a)は、画像制御部23を構成する複合チップ50について、関連する回路素子も含めて図示した回路ブロック図である。図示の通り、実施例の複合チップ50には、内蔵CPU回路51とVDP回路52とが内蔵されている。そして、内蔵CPU回路51とVDP回路52とは、互いの送受信データを中継するCPUIF回路56を通して接続されると共に、VDP回路52から内蔵CPU回路51に対して、Vブランク割込み信号(VBLANK)が供給されるようになっている。
ここで、Vブランク割り込み信号は、表示装置DS1の垂直同期信号に対応するもので、表示装置DS1の一フレーム分の画像データの出力が完了したタイミングを1/60秒毎に規定している。この実施例では、3つの表示回路74A/74B/74Cのうち、表示回路74Aが定常的に機能するよう構成される一方、表示回路74B〜74Cは、必要時に機能して、表示回路74Aに同期して動作するので、結局、垂直同期信号(Vブランク割り込み信号)は、表示回路74Aの出力動作が終わったことを意味することになる。
Vブランク割り込みに基づくシーケンス動作については後述するが、CPUIF回路56には、図6に示す通り、制御プログラムや、必要な制御データを不揮発的に記憶する制御メモリ(PROGRAM_ROM )53と、2Mバイト程度の記憶容量を有するワークメモリ(RAM)57とが接続され、各々、内蔵CPU回路51からアクセス可能に構成されている。
内蔵CPU回路51は、汎用のワンチップマイコンと同等の性能を有する回路であり、制御メモリ53の制御プログラムに基づき画像演出を統括的に制御する画像制御CPU63と、プログラムが暴走状態になるとCPUを強制リセットするウォッチドッグタイマ(WDT)58と、16kバイト程度の記憶容量を有してCPUの作業領域として使用されるRAM59と、CPUを経由しないでデータ転送を実現するDMAC(Direct Memory Access Controller )60と、複数の入力ポートSi及び出力ポートSoを有するシリアル入出力ポート(SIO)61と、複数の入力ポートPi及び出力ポートPoを有するパラレル入出力ポート(PIO)62と、を有して構成されている。
便宜上、本明細書では、入出力ポートとの表現を使用するが、画像制御部23において、入出力ポートには、独立して動作する入力ポートと出力ポートとが含まれている。この点は、以下に説明する入出力回路64pや入出力回路64sについても同様である。
パラレル入出力ポート62は、入出力回路64pを通して外部機器(演出制御基板22)に接続されており、画像制御CPU63は、入力回路64p及びパラレル入力ポートPiを経由して、演出制御部22が出力する制御コマンドCMD’と割込み信号STB’を受信するようになっている。一方、この実施例では、シリアル入出力ポート61と、DMAC60については、これらを使用していない。
次に、VDP回路52について説明すると、VDP回路52には、画像演出を構成する静止画や動画の構成要素となる圧縮データを記憶するCGROM55と、4Gbit程度の記憶容量を有する外付けDRAM(Dynamic Random Access Memory)54と、メイン表示装置DS1と、サブ表示装置DS2とが接続されている。
特に限定されるものではないが、この実施例では、CGROM55は、62Gbit程度の記憶容量のNAND型フラッシュメモリで構成されたフラッシュSSD(solid state drive )で構成されており、シリアル伝送によって必要な圧縮データを取得するよう構成されている。そのため、パラレル伝送において不可避的に生じるスキュー(ビットデータ毎の伝送速度の差)の問題が解消され、極限的な高速伝送動作が可能となる。
なお、NAND型のフラッシュメモリは、ハードディスクより機械的に安定であり、且つ高速アクセスが可能である一方で、シーケンシャルアクセスメモリであるため、DRAMやSRAM(Static Random Access Memory )に比較するとアクセス速度に劣り、アクセス速度は、内蔵VRAM71>外付けDRAM54>CGROM55の順番に遅くなる。但し、一群の圧縮データ(CGデータ)を、描画動作に先行してDRAM54に読み出しておくプリロード動作を実行することで、描画動作時におけるCGデータの円滑なランダムアクセスを実現することができる。
VDP回路52は、詳細には、VDPの動作を規定する各種の動作パラメータが設定されるレジスタ群70と、各表示装置DS1,DS2に表示すべき画像データの生成時に使用される48Mバイト程度のVRAM(Video RAM )71と、チップ内部の各部間のデータ送受信及びチップ外部とのデータ送受信を制御するデータ転送回路72と、プリロード動作を実行するプリローダ73と、VRAM71の画像データを読み出して、適宜な画像処理を並列的に実行する3系統(A/B/C)の表示回路74と、CGROM55から読み出した圧縮データをデコードするグラフィックスデコーダ75と、デコード後の静止画データや動画データを適宜に組み合わせて各表示装置DS1〜DS4の一フレーム分の画像データを生成する描画回路76と、描画回路76の動作の一部として、適宜な座標変換によって立体画像を生成するジオメトリエンジン77と、シリアルデータ送受信可能なSMC部78と、3系統(A/B/C)の表示回路74の出力を適宜に選択出力する出力選択部79と、出力選択部79が出力する画像データをLVDS信号に変換する2系統のLVDS部80a,80bと、出力選択部79が出力する画像データをデジタルRGB信号のままパラレル出力するデジタルRGB部80cと、CPUIF回路56とのデータ送受信を中継するCPUIF部81と、CGROM55からのデータ受信を中継するCGバスIF部82と、外付けDRAM54とのデータ送受信を中継するDRAMIF部83と、VRAM71とのデータ送受信を中継するVRAMIF部84と、を有して構成されている。
特に限定されないが、この実施例では、3系統(A/B/C)の表示回路74のうち、表示回路74Aが第1のLVDS部80aに対応し、表示回路74Bが第2のLVDS部81bに対応し、表示回路74CがデジタルRGB部80cに対応している。そして、図4に関して説明した通り、第1のLVDS信号LVDS_1と、第2のLVDS信号LVDS_2と、RGBパラレル信号RGB_P は、液晶インタフェイス基板28に配置された信号変換部CNVに伝送されるよう構成されている。
図6(b)には、CPUIF部81、CGバスIF部82、DRAMIF部83、及び、VRAMIF部84と、レジスタ群70、CGROM55、DRAM54、及びVRAM71との関係が図示され、特に、レジスタ群70については、その一部が具体的に記載されている。図示の通り、CGROM55とCGバスIF部82は、シリアル回線で接続されており、アドレス情報Txの送信に対応して、CGROM55がシーケンシャルアクセスされ、一群のCGデータ(圧縮データ)Rxが、順次読み出されるようになっている。
CGROM55から読み出されたCGデータは、第1実施例では、CGバスIF部82→VRAMIF部84を経由して、VRAM71に格納されるが、図7のタイミングT1+δの矢印は、この読出し動作を示している。図7に示す通り、VRAM71には、グラフィックスデコーダ75の作業領域として、静止画デコード領域と動画デコード領域とが確保されており、CGデータの種別に応じた位置に、CGデータが圧縮状態のまま格納される。また、図7や図8に示す通り、VRAM71には、デコード後の一フレーム分の画像データを配置するフレームバッファFB領域も確保されている。
一方、プリローダ73を機能させる第2実施例では、CGデータは、デコード処理に必要なタイミングに先行して、CGバスIF部82→DRAMIF部83を経由して、DRAM54のプリロード領域に格納され、その後の必要なタイミングでランダムアクセスされて、VRAM71に転送される。但し、何れの実施例でも、VRAM71の静止画デコード領域や動画デコード領域に格納されたCGデータは、グラフィックスデコーダ75によってデコードされた後、描画回路76によって、VRAM71のフレームバッファFB領域の適所に展開される。なお、図7のタイミングT1+δ’の矢印は、この動作を示している。
図6(a)に戻って説明を続けると、データ転送回路72は、VDP回路内部のリソース(記憶媒体)と外部記憶媒体を、転送元ポート又は転送先ポートとして、これらの間でデータ転送動作を実行する回路である。転送元ポートには、VRAM71の他、CPUバス、CGバス、外部DRAMバスに接続された記憶媒体(リソース)が含まれる。同様に、転送先ポートには、VRAM71の他、CPUバス、CGバス、外部DRAMバスに接続された記憶媒体が含まれる。また、データ転送回路72は、一群の描画コマンドによって一フレーム分の表示画像を特定するディスプレイリストDLを、描画回路76(必要時にはプリローダ73)に送信する動作も担当している。
プリローダ73は、データ転送回路72によって送信されたディスプレイリストDLを解釈して、その中で参照しているCGROM55上のCGデータを、予め指定されているDRAM54のプリロード領域に転送する回路である。また、このとき、プリローダ73は、CGデータの参照先を、転送後のアドレスに書換えたディスプレイリストDLを出力する。そして、書換えたディスプレイリストDLは、データ転送回路72によって描画回路76に送信される。
但し、第1実施例では、プリローダ73を使用していない。一方、第2実施例では、プリローダレジスタ(図6(b)参照)への設定値に基づき、外付けDRAM54に、十分な記憶領域のプリロード領域を設定している。そして、この第2実施例では、プリロード領域として設定された記憶領域を使い切らない限り、プリロードされた圧縮データは、その後の圧縮データによって上書き消去されることなく維持される。そのため、プリロード処理を使用する第2実施例では、必要な圧縮データが、プリロード領域に存在しない場合に限り、CGROM55をアクセスすることになる。なお、プリロード領域に十分な記憶領域が確保されているので、複数フレーム分のCGデータを一気にプリロードしても何も問題が生じない。
描画回路76は、データ転送回路72によって、内蔵RAM59から外付けDRAM54に転送されたディスプレイリストDL(図7のタイミングT1’参照)の描画コマンドを順番に解析して、グラフィックスデコーダ75や、ジオメトリエンジン77などと協働して、VRAM71に形成されたフレームバッファFBに、表示装置DS1〜DS4の一フレーム分の画像を描画する回路である。
すなわち、描画回路76は、ディスプレイリストDLの描画コマンドを解析するDisplaylist Analyzer(以下、DLアナライザという)と、頂点の座標変換や照明演算を実行するGeometry Pipeline と、トライアングル描画時のソースアドレスとデスティネーションアドレスを生成するTriangle Rasterizer と、テクスチャをサンプリングし、バイリニアフィルタリングを実行するTexture Sampler と、画素間演算用のフレームバッファとZバッファを取得するFramebuffer Sampler と、αブレンドなどの処理を施して、フレームバッファFBに書き込む画素データを生成するPixel Generator などを含んで構成されている。
ここで、ディスプレイリストDLは、描画する順番に記載された一群の描画コマンドで構成されており、一フレームのどの位置に、どのような画像を描画するかを規定するコマンドも含まれ、描画すべき画像のCGROMなどの記憶位置(ソースアドレス)も特定されている。そして、描画回路76のDLアナライザは、このようなディスプレイリストDLを解釈して、他のGeometry Pipeline 、Triangle Rasterizer 、Texture Sampler 、Framebuffer Sampler 、Pixel Generator と協働して、内蔵VRAM71に確保されたフレームバッファFBに、表示装置DS1〜DS4の各一フレーム分の画像データを生成している(図8参照)。なお、4個の表示装置DS1〜DS4に対して、3つのフレームバッファFBa〜FBcしか存在せず、個数が一致しない矛盾点の解消については後で説明する。
本実施例のディスプレイリストDLは、表示装置DS1用の描画コマンド群と、表示装置DS2用の描画コマンド群と、表示装置DS3用の描画コマンド群と、表示装置DS4用の描画コマンド群とに大別され、最終行または適当な位置には、ストライプ連結用のストライプ連結処理JOINが記載されている。ここで、ストライプ連結処理JOINとは、表示装置DS3と表示装置DS4の画像データを連結するために、遊技機の開発時に事後的に作成された描画コマンド列であり、描画回路76(DLアナライザ)がアクセス可能なサブルーチンJOINとして、電源リセット時に、例えば、内蔵VRAM71や外付けDRAM54に記憶される。ストライプ連結処理JOINを構成する描画コマンド列をCGROM55や制御メモリ53に格納しておくのも好適であるが、実施例では、電源リセット時に、制御メモリ53から内蔵VRAM71に転送している。
何れにしても、ストライプ連結処理JOINの動作は、所定のメモリ(実施例は内蔵VRAM71)に格納された一連の描画コマンド列を、描画回路76が実行することで実現される。但し、ディスプレイリストDLには、この描画コマンド列の存在位置(内蔵VRAM71であることの特定)と、描画コマンド列の開始アドレスと、描画コマンド列の総データサイズとを特定するだけで足りるので、ディスプレイリストDLが長文化したり、図13のステップST3に示す画像制御CPU63の制御負担が増加することはない。
図8に示す通り、本実施例のフレームバッファFBは、表示回路74A/74B/74Cに対応して、三区分(FBa,FBb,FBc)されているが、各フレームバッファFB(FBa,FBb,FBc)の描画位置は、ディスプレイリストDLに記載された所定の描画コマンドによって特定される。図9に関して後述するように、フレームバッファFBaには、メイン表示装置DS1の一フレーム分(1280×1024ピクセル)の画像データが配置され、フレームバッファFBbには、サブ表示装置DS2の一フレーム分(480×800ピクセル)の画像データが配置される。
一方、フレームバッファFBcには、サブ表示装置DS3の一フレームと、サブ表示装置S4の一フレームとを複合させた複合フレームの480×800×2ピクセル分の画像データが配置される。
これら三区分されたフレームバッファFB(FBa,FBb,FBc)は、何れも、描画領域と表示領域に機能的に区分されたダブルバッファであり、2つの領域(領域0と領域1)を、交互に用途を切り換えて使用している。すなわち、描画回路76が、2つの領域の何れか一方の領域に、画像データが書込んでいるとき、表示回路74は、他方の領域の画像データを読み出して出力している。
特に限定されるものではないが、本実施例では、表示装置DS1〜DS4の一フレームは、最大状態では、3種類又はそれ以上の画像(動画と静止画)で構成されている。すなわち、表示装置DS1〜DS4では、最大状態では、一又は複数の動画が再生される一方で、これに重ねて時間的に変化する静止画が背景画に重ねて表示されるよう構成されている。
静止画の基本形状は、スプライト画像として予めCGROM55に記憶されており、この基本形状を、適宜に拡大/縮小/回転/変形させると共に、配置位置を変更させることで、時間的な変化を実現している。一方、動画は、所定時間、滑らかに変化するいわゆるムービーであって、複数枚のフレームが、MPEG符号化方式などの動画圧縮手法で圧縮されてCGROM55に記憶されている。
特に限定されないが、本実施例の動画は、IフレームとPフレームとで構成されたIPストリーム動画である。ここで、Pフレームとは、過去フレームから予測したデータとの差分をエンコードするPピクチャ(Predictive Picture)で構成されたフレームを意味し、圧縮率が高いものの、順次再生が必須となる。一方、Iフレームとは、他のフレームに依存することなく、単独でエンコード可能なIピクチャ(Intra Picture )で構成されたフレームを意味する。
このような構成に対応して、グラフィックスデコーダ75は、静止画デコーダと動画デコーダに区分され、所定の圧縮アルゴリズムでエンコード(圧縮)された静止画と動画を、各々に対応する伸張アルゴリズムでデコード(伸張)している。例えば、静止画は、1枚の静止画を構成する画像データ毎に所定のアルゴリズムで圧縮され、IPストリーム動画のPフレームは、一連の動画を実現する複数枚の静止画データが、フレーム間のデータ差分値などに基づいて圧縮されている。
次に、表示回路74は、フレームバッファFBの画像データを読み出して、最終的な画像処理を施した上で出力する回路である(図8参照)。図8に示す通り、表示回路74での画像処理には、スケーラが機能してフレーム画像を拡大/縮小するスケーリング処理と、微妙なカラー補正処理と、画像全体の量子化誤差が最小化するディザリング処理と、が含まれている。なお、スケーリング処理には、縦長縮小された動画データ(縦長縮小データ)について、動画デコード後のフレームデータの拡大処理が含まれている。
図8に示す通り、本実施例では、上記の動作を並列的に実行する3系統の表示回路74A/74B/74Cが設けられており、各表示回路74A/74B/74Cは、各々に対応するフレームバッファFBa/FBb/FBcの画像データを読み出して、上記の最終画像処理を実行している。そして、これらの画像処理を経たでデジタルRGBデータ(合計24ビット)が、水平同期信号や垂直同期信号と共に、出力選択回路79に向けて出力される。
出力選択部79は、表示回路74Aの出力信号をLVDS部80aに伝送し、表示回路74Bの出力信号をLVDS部80bに伝送し、表示回路Cの出力信号をデジタルRGB部80cに出力している。そして、先に説明した通り、LVDS部80aとLVDS部80bは、画像データ(合計24ビットのデジタルRGBデータ)をLVDS信号に変換して、クロック信号を伝送する一対を加えた全五対の差動信号LVDS_1,LVDS_2 を、液晶インタフェイス基板28の信号変換部CNVに出力している。同様に、デジタルRGB部80cは、同期信号などを付加したRGBパラレル信号RGB_P を、信号変換部CNVに出力している。
次に、SMC部78(Serial Management Controller)は、LEDコントローラとMotorコントローラとを内蔵した複合コントローラである。そして、外部基板に搭載したLED/Motorドライバ(シフトレジスタを内蔵するドライバIC)に対して、クロック信号に同期してLED駆動信号やモータ駆動信号を出力する一方、適宜なタイミングで、ラッチパルスを出力可能に構成されている。
上記したVDP回路52の内部回路及びその動作に関し、内部回路が実行すべき動作内容は、画像制御CPU63が、レジスタ群70に設定する動作パラメータ(設定値)で規定され、VDP回路52の実行状態は、レジスタ群70の動作ステイタス値をREADすることで特定できるようになっている。レジスタ群70は、画像制御CPU63のメモリマップ上、1Mバイト程度のメモリ空間(0〜FFFFFH)にマッピングされた多数のレジスタを意味し、画像制御CPU63は、CPUIF部81を経由して動作パラメータのWRITE(設定)動作と、動作ステイタス値のREAD動作を実行するようになっている(図6(b)参照)。
レジスタ群70には、割り込み動作などシステム動作に関する初期設定値が書込まれる「システム制御レジスタ」と、画像制御CPU63とVDP回路52の内部回路との間のデータ転送回路72によるデータ転送処理に関する設定値などが書込まれる「データ転送レジスタ」と、グラフィックスデコーダ75のエラー発生などを含む実行状況を特定可能な「GDECレジスタ」と、描画コマンドや描画回路76に関する設定値が書込まれる「描画レジスタ」と、プリローダ73の動作に関する設定値が書込まれる「プリローダレジスタ」と、三区分された表示回路A/B/Cの各動作に関する設定値が書込まれる「表示レジスタ」と、LEDコントローラ(SMC部78)に関する設定値が書込まれる「LED制御レジスタ」と、Motorコントローラ(SMC部78)に関する設定値が書込まれる「モータ制御レジスタ」とが含まれており、これらの制御レジスタは、各々複数バイト長で構成されている。
より詳細には、「プリローダレジスタ」には、(1) プリロード領域をDRAM54に設定するか、VRAM84に設定するかの設定、(2) プリロード領域の先頭アドレス、(3) プリロードデータ領域を、何フレーム分使用するかの設定、(4) 一フレーム当たりのデータサイズなどが設定される。また、「データ転送レジスタ」には、データ転送元やデータ転送先が設定され、「表示レジスタ」には、表示回路A/B/Cに対応して、フレームバッファFBa/FBb/FBcの開始位置及びバッファサイズや、各フレームバッファFBa/FBb/FBcにおいて、時間的に切り換わる描画領域と表示領域の切換指示や、スケーラの縦横拡大率などが設定される。また、「描画レジスタ」「プリローダレジスタ」「データ転送レジスタ」には、描画動作、プリロード動作、データ転送動作について、各動作の実行開始が指示される。
何れにしても、画像制御CPU63が、レジスタ群70の何れかに適宜な設定値を書込むことで、VDP回路52の内部動作が実現される。したがって、画像制御CPU63は、適宜な時間間隔で更新するディスプレイリストDLと、上記したレジスタ群70を構成するレジスタへの設定値に基づいて、ディスプレイリストDLに基づく画像演出を実現することになる。なお、この実施例では、ランプ演出やモータ演出は、演出制御基板22の演出制御CPU40が担当するので、SMC部78を使用することはなく、LED制御レジスタやモータ制御レジスタに設定値が書込まれることもない。
図9(a)は、VDP回路52に内蔵されたフレームバッファFBa〜FBcと、液晶インタフェイス基板28の信号変換部CNVと、4個の表示装置DS1〜DS4との関係を確認的に図示したものである。また、図9(b)は、ストライプ連結処理を説明する図面である。なお、本明細書では、この図9(a)の回路構成を、便宜上、第1構成と称することがある。
図9(a)に示す通り、フレームバッファFBは、メイン表示装置DS1用のフレームバッファFBaと、サブ表示装置DS2用のフレームバッファFBbと、2つのサブ表示装置DS3,DS4用のフレームバッファFBcの他に、サブ表示装置DS3と、サブ表示装置DS4のための作業領域WK3,WK4が確保されている。各フレームバッファFBa/FBb/FBcは、ダブルバッファ構造であり、各々、1280×1024ピクセル分、480×800ピクセル分、480×800×2ピクセル分の記憶領域が確保されている。
なお、本明細書の添付図面では、他の実施例の場合も含め、便宜上、作業領域WK1〜WK4を各一区画に図示しているが、プログラム処理上は、作業領域WKiについても、フレームバッファFBa/FBb/FBcと同様のダブルバッファ構造とする方が好適である。
フレームバッファFBaと、フレームバッファFBbの画像データは、ディスプレイリストDLを構成する一群の描画コマンド列に基づいて構築されている。より詳細には、描画回路76のDLアナライザが、外付けDRAM54のディスプレイリストDLの描画コマンド列を解釈して、他のGeometry Pipeline 、Triangle Rasterizer 、Texture Sampler 、Framebuffer Sampler 、Pixel Generator と協働して、表示装置DS1,DS2に必要な画像データを、フレームバッファFBa,FBbに構築している。
この点は、フレームバッファFBcについても基本的に同一であるが、フレームバッファFBcの画像データは正確には、二段階に生成される。この点は、図9(b)に示す通りであり、描画回路76は、ディスプレイリストDLの一群の描画コマンド列を解釈して、先ず、表示装置DS3と表示装置DS4の画像データをフレームバッファの作業領域WK3,WK4に別々に構築する。次に、ディスプレイリストDLの最終行に記載されているストライプ連結処理JOIN(描画コマンド列)に基づいて、作業領域WK3と作業領域WK4の画像データを読出し、これらをストライプ連結して、フレームバッファFBcに書込む。
図9(b)は、この関係を図示したものであり、表示装置DS3の一フレームを構成するピクセルP(1,1)〜P(480,800)と、表示装置DS4の一フレームを構成するピクセルP(1,1)〜P(480,800)を特定する画像データが連結されて、複合フレームのピクセルP(1,1)〜P(960,800)が生成されている。
図示の通り、この実施例では、複合フレームの奇数縦ラインが表示装置DS3の縦ラインであり、複合フレームの偶数縦ラインが表示装置DS4の縦ラインを意味する。そして、複合フレームの画像データは、表示回路74Cに読み出されて、ストライプ連結された複合RGBパラレル信号RGB_P として、信号変換部CNVの信号変換回路TX3に伝送される。先に説明した通り、複合RGBパラレル信号RGB_P のドットクロックは、54MHz程度である。
図9(a)に戻って信号変換部CNVと表示装置DS1〜DS4の関係について説明を続けると、3個のサブ表示装置DS2〜DS4に対応して、3個のシリアル受信回路RV2〜RV4が配置され、各シリアル受信回路RV2〜RV4は、一対の差動信号線で伝送される高速シリアル信号SER2〜SER4からRGBパラレルデータを復元している。また、メイン表示装置DS1には、LVDS受信部RV1が内蔵されており、LVDS受信部RV1は、LVDS信号からRGBパラレルデータを復元している。
図9(a)に示す通り、信号変換部CNVは、3個の信号変換回路TX1〜TX3を有して構成され、信号変換回路TX1と信号変換回路TX2は、各々、出力選択回路79を経由して、LVDS信号LDVS_1とLVDS信号LDVS_2とを受けている。ここで、各LVDS信号LDVS_1,LDVS_2は、例えば、全六対または全五対の差動信号線で伝送されており、何れの場合も、RGB信号と、垂直/水平同期信号と、一対のクロック信号とを含んでいる。
なお、以下の説明では、便宜上、LVDS信号LDVS_1を全六対とし、LVDS信号LDVS_2を全五対とするが、何ら限定されず、他の構成、例えば、LVDS信号LDVS_1を全五対としても良いのは勿論である。
何れにしても、各信号変換回路TX1,TX2はクロック信号に同期して必要な動作を実行している。すなわち、信号変換回路TX1は、例えば、全六対のLVDS信号LDVS_1に関して、一入力二出力(Single-In Dual-Out)の信号変換動作(ストライプ分割動作)を実行している。
一方、信号変換回路TX2は、例えば、全五対のLVDS信号LDVS_2を受けて、一対の高速シリアル信号SER2に変換している。先に説明した通り、信号変換回路TX2が出力する高速シリアル信号SER2は、一対の差動信号線で高速伝送されるドットクロック27MHz程度、通信速度972MHz程度のシリアル信号を意味する。すなわち、シリアル伝送路SER2では、ドットクロック(ピクセルクロック)の一周期間に、スクランブル処理された36ビット長のシリアルデータが伝送されるので、通信速度としては、27MHz×36=972MHz程度となる。
また、信号変換回路TX3は、出力選択回路79を経由して、ストライプ連結された複合RGBパラレル信号RGB_P と、ピクセルクロックPCLKを受けて、複合RGBパラレル信号RGB_P をストライプ分割した後、2系統の高速シリアル信号SER3,SER4に変換している。先に説明した通り、本明細書で高速シリアル信号とは、便宜上の用語であるが、複合RGBパラレル信号RGB_P をストライプ分割した結果、2系統の高速シリアル信号SER3,SER4のドットクロックは、何れも27MHz程度となり、各々、サブ表示装置DS3,DS4の画像データを特定している。
続いて、図10に基づいて、信号変換部CNVの信号変換回路TX1について具体的に説明する。図示の通り、信号変換回路TX1は、LVDS信号LVDS_1のクロック信号RCCK1 を受ける位相同期回路PLL と、LVDS信号LVDS_1(RA1 〜RE1 )からRGBパラレル信号に復元するデシリアライザDe-serializeと、1280×1024ピクセル分のRGBパラレル信号について、奇数ピクセルと偶数ピクセルのRGBデータにストライプ分割する分割回路Inter Link Multiplexと、ストライプ分割されたRGBデータを2系統のLVDS信号LVDS_a,LVDS_bに変換して出力する2系統の出力回路LVDS-TX serialize と、を有して構成されている。
なお、256階調を実現する構成を採る場合には、五対のLVDS信号(RA1 〜RE1 、TA1 〜TE1 、TA2 〜TE2 )のうち、四対のLVDS信号(RA1 〜RD1 、TA1 〜TD1 、TA2 〜TD2 )のみを使用することになる。
図10(b)と、図10(c)〜図10(d)とは、1024階調を実現する場合における信号変換回路TX1に入力されるLVDS信号LVDS_1と、信号変換回路TX1から出力されるLVDS信号LVDS_a,LVDS_bとの関係を図示したものである。図示の通り、ドットクロック108MHz程度で伝送されるピクセルデータ3×8×1024×1280bit(図10(b)参照)が、周波数1/2のドットクロック54MHzに緩和されて、2系統のLVDS信号LVDS_a,LVDS_bとして出力される。
このように、本実施例では、信号変換回路TX1において、ドットクロックの周波数が1/2倍に緩和されるので、高画質の画像データを伝送しても、伝送ミスやノイズ重畳を未然防止することができる。
次に、図11は、信号変換部CNVの信号変換回路TX2の内部構成を示すブロック図である。図示の通り、信号変換回路TX2は、五対のLVDS信号LVDS_2を受けてパラレル変換してRGBデータを復元するSP変換部S-P Converter と、復元されたRGBデータに、同期信号や他の制御データを付加して高速シリアル信号の基礎データを生成するエンコーダEncodeと、高速シリアル信号の基礎データをシリアル変換して高速シリアル信号SER2として出力するPS変換部P-S Converter とを有して構成されている。
図11(b)と図11(c)は、信号変換回路TX2に入力される五対のLVDS信号LVDS_2と、信号変換回路TX2から出力される高速シリアル信号SER2との関係を図示したものである。図示の通り、1ピクセル分の画像データ(7×4=28ビット)は、これに他の制御データを付加することで、合計36ビット長のシリアルデータに変換される。したがって、通信速度としては、972MHz程度(27MHz×36)に高速化されるが、ドットクロックの周波数は、27MHz程度である。
図12(a)は、信号変換部CNVの信号変換回路TX3の内部構成を示すブロック図である。図示の通り、信号変換回路TX3は、一フレームが960×800ドットで構成される複合RGBパラレル信号RGB_P と同期クロックを受けて、これを時間順次に偶数ピクセルと奇数ピクセルに切り分ける入力バッファInput Bufferと、偶数/奇数ピクセルのRGBパラレル信号に、同期信号や他の制御データを付加して2系統の高速シリアル信号の基礎データを生成する一対のエンコーダEncodeと、2系統の基礎データを各々シリアル変換して高速シリアル信号SER3,SER4として出力する一対のPS変換部P-S Converter と、を有して構成されている。
図9に示す通り、信号変換回路TX3には、ストライプ連結された複合RGBパラレル信号RGB_P を受けるが、入力バッファInput Bufferが、RGBパラレル信号を時間順次に偶数ピクセルと奇数ピクセルに切り分けることで、ストライプ分割の処理が実現される。
次に、図12(b)は、高速シリアル信号SER2〜SER4を受けるシリアル受信回路RV2〜RV4の内部構成を示すブロック図である。図示の通り、シリアル受信回路RV2〜RV4は、高速シリアル信号SERiをパラレル変換するパラレル変換部S-P Converter と、パラレルデータからRBGデータを復元するデコーダDecodeと、を有して構成されている。そして、復元されたRGBパラレルデータが、他の同期信号と共にサブ表示装置に出力されることで、サブ表示装置DS2〜DS4には、各々、一フレーム480×800ドットの画像が描画される。
以上の通り、図9に示す第1構成では、メイン表示装置DS1へのLVDS信号LVDS_1を、ドットクロック周波数を抑制した2系統のLVDS信号LVDS_a,LVDS_bに分割するので、大型の表示装置を使用した高画質の表示動作を実現することができる。また、メイン表示装置への伝送距離が長くても、伝送ミスやノイズ重畳の問題が生じない。
また、図9に示す第1構成では、信号変換回路TX2,TX3を配置することで、サブ表示装置DS2〜DS4に向かう信号伝送路は、全て高速シリアル信号SER2〜SER4で構成される。そのため、表示装置の個数を増加させたにも拘らず、遊技機内部の配線がシンプルとなる。また、ドットクロックが27MHzであり、サブ表示装置DS2〜DS4を使用した高画質で多様な画像演出が可能となる。
続いて、表示装置DS1〜DS4を使用して実行される画像演出の制御動作について、図13(a)〜図13(d)のフローチャートと、図8や図14の動作説明図を参照しつつ説明する。これらの画像演出は、演出制御CPU40から制御コマンドCMD’を受ける画像制御CPU63と、画像制御CPU63に指示されて機能するVDP回路52と、によって実現される。そして、画像制御CPU63からVDP回路52に対する指示は、レジスタ群70に書込まれる動作パラメータによって特定される。なお、以下の説明では、便宜上、全ての表示装置DS1〜DS4が機能する演出タイミングについて説明するが、実際には、表示装置DS3〜DS4の一方又は双方が機能しない演出タイミングも存在する。
図13に示す通り、画像演出動作は、画像制御CPU63によって所定時間毎に実行されるディスプレイリストDLの更新処理(図13(a)〜図13(b))と、画像制御CPU63から受けるディスプレイリストDLに基づいて動作する描画回路76、及び、表示回路74の各シーケンス動作(図13(c)〜図13(d))と、によって実現される。なお、描画回路76、及び、表示回路74が、以下に説明するシーケンス動作を実現するよう、画像制御CPU63は、電源リセット時やその後の必要なタイミングで、必要な動作パラメータをレジスタ群70に設定している。
以上を踏まえて説明すると、画像制御CPU63は、1/60秒毎のVブランク割込みで規定される一定時間δ(例えば1/30秒)毎に、ディスプレイリストDLの更新処理を開始し(ST1)、描画回路76、及び、表示回路74のシーケンス動作を開始させている(ST2)。図6に関して説明した通り、Vブランク割り込みは、表示回路74Aの出力動作が終わったことを意味するが、ステップST2の処理に基づき、描画回路76と、表示回路74A/74B/74Cは、間欠的に、自らの動作を並列的に実行する(図14参照)。
最初に、図14を参照して、描画回路76と表示回路74のシーケンス動作について概略的に説明する。先ず、T1から始まる実行周期で、CPU63が生成したディスプレイリストDLは、T1+δから始まる実行周期で、描画回路76に解釈され、描画回路76が生成した画像データが、フレームバッファFBa〜FBcに作成される。なお、全ての表示装置DS1〜DS4が機能する演出タイミングでは、ディスプレイリストDLには、4個の表示装置DS1〜DS4の表示画面を特定する一連の描画コマンド列が4区分されて記載されており、一連の描画コマンドの最終行には、表示装置DS3〜DS4の画像データをストライプ連結するためのストライプ連結処理JOINが記載されている。
そのため、フレームバッファFBcには、ストライプ連結処理JOINに基づいて描画回路76がストライプ連結した480×800×2ピクセル分の画像データが展開されている。そして、これらの画像データが、T1+2δから始まる実行周期で、表示回路74によって出力される。したがって、本実施例では、3回の実行周期を経て、画像演出についての一単位動作が完了することになる。
以上の関係は、図7にも記載の通りであり、T1’のタイミングでDRAM54に転送されたディスプレイリストDLに基づき、T1+δのタイミングで、CGROM55のCGデータがVRAM71に読み出され(但し必要時に限る)、同じ実行周期で、フレームバッファFBa〜FBcに画像データが作成される(タイミングT1+δ’)。そして、この画像データは、T1+2δのタイミングで、図9に示す3系統の通信路を通して、表示装置DS1〜DS4に出力される。
以上、概略説明をしたので、続いて、図13(b)に基づいて、ステップST2の処理を具体的に説明する。画像制御CPU63は、表示回路74A〜74Cの表示領域を切換えるべく、各表示回路74A〜74Cに対応する所定の表示レジスタに、所定値を設定すると共に、表示動作の開始を指示する(ST10〜ST12)。
図7に示す通り、フレームバッファFBa〜FBcはダブルバッファ構造(0/1)になっており、その一方が、描画回路76のアクセス対象となる描画領域であり、他方が、表示回路74のアクセス対象となる表示領域である。そして、ステップST10〜ST12の処理によって、描画領域と表示領域が入れ替わることになり、それまでに描画回路76がフレームバッファFBa〜FBcに生成した一フレーム分の画像データが、この実行周期で、表示回路74A〜74Cによって表示装置DS1〜DS4に向けて出力されることになる。
本実施例では、表示回路74A〜74Cの動作周期が1/60秒に設定されているのに対して、画像制御CPU63の動作周期が1/30秒であるので、表示回路74A/74B/74Cは、実際には、同一の画像データを2度出力して、同一フレームを連続して二回表示することになる。なお、表示装置DS3/DS4が機能しないタイミングでは、破線で示すように、ステップST11/ST12の処理がスキップされる。また、表示装置DS3/DS4が表示動作を終えるべきタイミングでは、表示回路74B/74Cに対応する所定の表示レジスタに、所定値を設定することで、表示動作を停止させる。
表示回路74についての上記の処理(ST10〜ST12)と共に、画像制御CPU63は、描画回路76の動作を規定する所定の描画レジスタに、描画動作の動作開始を指示する(ST13)。その結果、描画回路76についても、1/30秒毎に所定の動作を開始することになる。なお、描画回路76や表示回路74が実行すべき動作内容は、電源リセット時やその後の必要なタイミングで、画像制御CPU63によって、描画レジスタや表示レジスタに設定されることは先に説明した通りである。
図13(b)から図13(a)に戻って説明を続けると、画像制御CPU63は、上記したステップST2の処理で、描画回路76や表示回路74のシーケンス動作を指示した後、画像演出シナリオに基づいて、次の一フレームについてのディスプレイリストDLを作成する。ここで、画像演出シナリオは、演出制御CPU40から受けた制御コマンドCMD’で特定される画像演出を具体化したものである。
すなわち、画像演出シナリオには、一定時間継続される一連の動画や、描画位置や配置姿勢や拡大縮小率が適宜に規定される静止画(背景画像や予告画像を含む)について、(1) 一連の動画演出の開始時刻や終了時刻、(2) どの静止画を、どの時刻に、どの位置に、どのように描くか、などが規定されている。なお、動画演出とは言っても、表示装置の描画画像が、迅速かつ円滑に変化するだけであり、一定時間毎に、同一又は異なる次の画像データ(フレーム画像データ)を、表示装置に描画する点では静止画と同じである。
そして、画像制御CPU63は、このような構成の演出シナリオを参照して、各タイミング(T1,T1+δ,T1+2δ,・・・)で、表示装置DS1,DS2の表示画像を特定する一群の描画コマンドを列記したディスプレイリストDLを生成する。ディスプレイリストDLは、動画については、時間的に進行する動画のどの部分を表示するかを、CGROMの記憶位置を特定して規定し、スプライト画像などの静止画については、CGROMの何処に記憶されている画像を、表示装置のどの位置に、どのように描くかなどを規定している。
ディスプレイリストDLを構成する描画コマンド列が、4個の表示装置DS1〜DS4に対応して4区分されていること(DL=DLi1+DLi2+DLi3+DLi4)、及び、一連の描画コマンドの最終行または適当な位置にストライプ連結処理JOINが記載されていることは、前記した通りである(DL=DLi1+DLi2+DLi3+DLi4+JOIN)。
そして、このようなディスプレイリストDLは、画像制御CPU63に指示されたデータ転送回路72によって、内蔵RAM59から、外付けDRAM54に転送される(ST4)。図7のタイミングT1’の矢印は、この動作を図示したものである。なお、画像制御CPU63は、動作周期ごとに、各表示装置一フレームを特定する一のディスプレイリストDLを生成する必要はなく、複数タイミングでの表示内容を特定する複数のディスプレイリストDL1,DL2・・・を、一の動作周期でまとめて生成しても良い。
また、図14には、画像制御CPU63によるステップST13の処理が、CPU63から描画回路76へ向かう縦方向の矢印で示され、画像制御CPU63によるステップST10〜ST12の処理が、CPU63から表示回路A/B/Cに向う縦方向の矢印で示されている。
続いて、図13(c)〜(d)や図14を参照しつつ、描画回路76、グラフィックスデコーダ75、及びジオメトリエンジン77などが協働して実行する描画動作について確認的に説明する。図14に示す通り、この描画動作は、一定時間(δ)毎に繰り返されるが、便宜上、以下の説明では、書換え後のディスプレイリストDL1に基づいて実行されるタイミングT1+2δ以降の描画動作を説明する。
描画回路76は、外付けDRAM54に記憶されているディスプレイリストのうち、未処理で最古のディスプレイリストであるディスプレイリストDL1に記載されている描画コマンドを順番に解析して(図13(c)のSS20)、描画コマンドが指定する静止画や動画について、グラフィックスデコーダ75やジオメトリエンジン77を機能させる。
そして、グラフィックスデコーダ75によってデコードされた静止画データや動画データは、各々、内蔵VRAM71に確保されている静止画デコード領域や動画デコード領域に伸張展開される(SS22〜SS23)。次に、デコード後の静止画データや動画データが、描画コマンドによって規定される描画態様で、VRAM71のフレームバッファFB(FBa,FBb,FBc)の所定位置に書込まれることで描画処理が実行される(SS24)。なお、描画態様には、フレームバッファFB(FBa,FBb,FBc)における描画位置が含まれるが、スプライト画像などの場合には、更に、描画姿勢や拡大縮小率などが規定される場合があり、ジオメトリエンジン77が機能する。
また、4区分されたディスプレイリストDL1(=DL11+DL12+DL13+DL14)のうち、3区分目の描画コマンド列DL13と、4区分目の描画コマンド列DL14に基づく画像データは、各々、作業領域WK3と作業領域WK4に生成された後、最終のストライプ連結処理JOINに基づいたストライプ連結処理によってフレームバッファFBcに纏められる(図9及びSS24参照)。なお、フレームバッファFBa/FBb/FBcは、各々、描画領域と表示領域に区分されたダブルバッファ構造であるので、描画動作(SS24)では、より正確には、フレームバッファFBa/FBb/FBcの描画領域に画像データが書込まれることになる。
このようにして、全ての描画コマンドについての描画処理が終われば、間欠的に開始される次回の描画動作まで待機状態となる(SS25)。なお、図7には、タイミングT1+δ’において、フレームバッファFB(FBa+FBb+FBc)に、必要な画像が描画されることが矢印で記載されている。
最後に、図13(d)に基づいて表示回路74の動作を説明する。この表示動作も、一定時間(δ)毎に繰り返されるが、便宜上、以下の説明では、図14に示すタイミングT1+2δ以降の表示動作を説明する。先に説明した通り、このタイミングでは、ディスプレイリストDL1に基づく画像データ(A1,B1,C1)が、フレームバッファFBa/FBb/FBcの描画領域に確保されている。そして、この描画領域は、タイミングT1+2δ以降の表示動作では、表示領域として機能する。
図13(d)に示す通り、表示回路74A/74B/74Cは、各々に対応するフレームバッファFBa/FBb/FBcの表示領域に格納されている画像データ(A1,B1,C1)を読み出して、出力選択部79に出力する(SS30)。ここで、フレームバッファFBaの画像データ(A1)は、表示装置DS1の一フレームを特定する画像データであり、フレームバッファFBbの画像データ(B1)は、表示装置DS2の一フレームを特定する画像データである。また、フレームバッファFBcの画像データ(C1)は、ストライプ連結された画像データであって、表示装置DS3〜DS4の複合フレームを特定している。
その後は、出力選択部79の動作に基づき、表示回路74Aが出力するフレームバッファFBaの画像データ(A1)が、LVDS部80aを経由してLVDS信号LVDS_1として出力され、表示回路74Bが出力するフレームバッファFBbの画像データ(B1)が、LVDS部80bを経由してLVDS信号LVDS_2として出力される。また、表示回路74Cが出力するフレームバッファFBcの画像データ(C1)は、デジタルRGB部80cを経由して複合RGBパラレル信号RGB_P として出力される。
図9に示す通り、LVDS部80aが出力する画像データ(A1)に関するLVDS信号LVDS_1は、信号変換回路TX1において、ストライプ分割されて、ドットクロックの緩和された2系統のLVDS信号LVDS_a,LVDS_aとなり、これら2系統のLVDS信号LVDS_a,LVDS_aが表示装置DS1に伝送された後、LVDS受信部RV1においてストライプ連結されることで、1280×1024ピクセルの表示画面を実現する。
また、LVDS部80bが出力する画像データ(B1)に関するLVDS信号LVDS_2は、信号変換回路TX2において、高速シリアル信号SER2に変換され、一対の差動信号ラインを経由して、シリアル受信回路RV2に伝送され、シリアル受信回路RV2でRGBパラレル信号に復元されることで、表示装置DS2における480×800ピクセルの表示画面を実現する。
一方、デジタルRGB部80cが出力する画像データ(C1)は、表示装置DS3〜DS4についての複合フレームを特定する複合RGBパラレル信号RGB_P であり、信号変換回路TX3において、ストライプ分割された上で、高速シリアル信号SER3,SER4に変換され、各一対の差動信号ラインを経由して、シリアル受信回路RV3と、シリアル受信回路RV4に伝送される。そして、各シリアル受信回路RV3〜RV4でRGBパラレル信号に復元されることで、表示装置DS3と表示装置DS4における各480×800ピクセルの表示画面を実現する。
以上の動作は、タイミングT1+2δから始まる表示動作だけでなく、タイミングT1+3δから始まる表示動作でも同じである。すなわちが、タイミングT1+3δから始まる表示動作では、表示回路74A/74B/74Cが、画像データA2/B2/C2を出力して、各表示装置DS1〜DS4に表示されることになる。
以下、同じ動作を繰り返すので、表示装置DS1〜DS4には、1/30秒毎に更新される画像データAi/Bi/Ciが表示されることになる。なお、表示回路74A/74B/74Cは1/60毎の動作するよう初期設定されているので、同一の画像データAi/Bi/Ciが連続して二度出力されることは先に説明した通りである。そのため、表示装置DS1〜DS4に表示される動画は、その再生速度が30fps(Frames Per Second )となる。
以上、プリローダ73を機能させない第1実施例を説明したが、CGROM55をシーケンシャルアクセスする弱点をカバーするには、プリローダ73を活用するのも好適である、図15及び図16は、プリローダ73を使用する第2実施例を示している。図15に示す通り、第2実施例の画像演出動作は、画像制御CPU63によって所定時間毎に実行されるディスプレイリストの更新処理(図15(a))と、画像制御CPU63から受けるディスプレイリストに基づいて動作するプリローダ73、描画回路76、及び、表示回路74の各シーケンス動作(図15(b)〜図15(d))によって実現される。なお、プリローダ73についても、描画回路76や表示回路74と同様に、以下に説明するシーケンス動作を実現するよう、電源リセット時やその後の必要なタイミングで、画像制御CPU63が、必要な動作パラメータをレジスタ群70に設定している。
画像制御CPU63は、所定時間δ毎に、リスト更新処理を開始し(ST1)、プリローダ73、描画回路76、及び、表示回路74のシーケンス動作を開始させる(ST2)。図16(a)に示す通り、画像制御CPU63、プリローダ73、描画回路76、及び表示回路74は、一定時間(δ)間隔で間欠的に、各々、自らの動作を並列的に実行することになる。なお、図16(b)は、CPU回路の内蔵RAM59と、VDP回路の内蔵VRAM71と、外付けDRAM54と、CGROM55について、各メモリの内容を模式的に示している。
画像制御CPU63の動作について説明を続けると、ステップST2の処理に続いて、画像制御CPU63は、演出シナリオに基づいてディスプレイリストDLを更新する(ST3)。そして、画像制御CPU63は、このような構成の演出シナリオを参照して、各タイミング(T1,T1+δ,T1+2δ,・・・)で、表示装置DS1の表示画像を特定する一群の描画コマンドを列記したディスプレイリストDL1、DL2,・・・を生成する。
次に、このように構成されたディスプレイリストDLを、外付けDRAM54の規定領域に転送して、次のリスト更新タイミングに達するのを待つ(ST4)。図16(a)及び図16(b)には、タイミングT1から開始される画像制御CPU63の動作の結果、ディスプレイリストDL1が生成され、これがタイミングT1’で外付けDRAM54に転送されることが図示されている。
このディスプレイリストDL1は、第2実施例では、一タイミング遅れたタイミングT1+δで、プリローダ73によって書換え処理がされ、更に一タイミング遅れたタイミングT1+2δで、書換え後のディスプレイリストDL1に基づいて描画回路76によって描画処理がされる。そして、更に一タイミング遅れたタイミングT1+3δで、表示回路74の表示動作に基づいて、ディスプレイリストDL1によって特定される表示画面が表示装置DS1〜DS4に現れる。
このように、第2実施例では、プリローダ73、描画回路76、及び表示回路74が、一タイミングずつ遅れて動作するよう構成されている。そのため、タイミングT1から開始されるプリローダ73は、外付けDRAM54の未処理で最古のディスプレイリストを処理することで、具体的には、一つ手前のタイミングで生成されたディスプレイリストを処理することになる。言い換えると、タイミングT1に画像制御CPU63が生成したディスプレイリストDL1は、タイミングT1+δから開始されるプリローダ73の動作に基づき、以下の通りに処理される。
以下、タイミングT1+δ以降を説明すると、プリローダ73は、外付けDRAM54の規定領域に記憶されている、未処理で最古のディスプレイリストであるディスプレイリストDL1を解析する。そして、ディスプレイリストDL1に、CGROMのCGデータの必要とする描画コマンドを検出した場合には、その一群のCGデータを外付けDRAM54のCGデータ領域に取得するべく、必要な情報をCGバスIF部82に伝える。また、この先読み(プリロード)処理に関わる描画コマンドにおける、CGデータの記憶位置をCGROM55のソースアドレス値から、DRAM54に確保したCGデータ領域のアドレス値に書換える(SS10)。
以上の動作は、CGROMのCGデータを必要とする描画コマンドを検出する毎に、繰り返し実行され、表示装置DS1〜DS4の各一フレームを構築するためのCGデータ(圧縮データ)が、全て、CGROM55からDRAM54のCGデータ領域に確保されることになる。なお、一度、DRAM54のCGデータ領域に確保したCGデータは、その後も使用可能に管理されているので、それ以前のタイミングで確保したCGデータを使用する場合には、プリロード処理(SS11)がスキップされ(図15(b)の破線参照)、CGデータの記憶位置をCGROM55のソースアドレス値から、DRAM54に確保したCGデータ領域のアドレス値に書換える処理(SS10)だけが実行される。
そして、表示装置DS1〜DS4の各一フレームを特定するディスプレイリストDL1について、そこに記載された全描画コマンドについて、必要なCGデータのDRAM54への転送処理や、デイプレイリストの書換え処理が終了すれば、間欠的に開始される次回のプリロード動作まで待機することになる(SS12)。なお、図16(b)には、タイミングT1+δにおいて、必要なCGデータがCGROM55から外付けDRAM54に転送される状態が矢印で記載されている。なお、転送されたCGデータは圧縮状態のままである。
描画動作(SS20〜SS24)や出力動作(SS30)については、動作タイミングが遅れるだけで動作内容は第1実施例と同じである。なお、図16(b)には、タイミングT1+2δにおいて、フレームバッファFBaに、必要な画像が描画され、タイミングT1+3δに出力されることが矢印で記載されている。この表示回路74の表示動作も、一定時間(δ)毎に繰り返される。
なお、この実施例では、ステップSS10〜SS11の処理は、必ずしも、単一のディスプレイリストDLに限定されず、複数n個のディスプレイリストDLiについて順番に実行することもできる。この場合、画像制御CPU63は、一の動作周期δで、複数のディスプレイリストDLiを生成してDRAM54に転送し、プリローダ73は、複数のディスプレイリストDLiを可能な限り先行して解釈実行することになる。
以上の通り、第2実施例では、一連の動作を、プリローダ73と、描画回路76と、表示回路74とが、連動して各々が担当する処理を並列的に実行するので、高画質で高速に変化する大画面の画像演出を支障なく実現することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、メイン表示装置DS1やサブ表示装置DS2〜DS4について、縦横ドット数や、ドットクロックについての数値は、それぞれ一例を示したに過ぎず、適宜に変更されるのは勿論である。
また、例えば、図9に示す実施例では、(1) メイン表示装置DS1の一フレームを特定するLVDS信号LVDS_1を、信号変換回路TX1で、ドットクロック54MHzの2つのLVDS信号LVDS_1,LVDS_2に分割すると共に、(2) 表示装置DS3,DS4の複合フレーム(複合ピクセル)を特定する複合RGBパラレル信号RGB_P を、信号変換回路TX3で、ドットクロック27MHzの2つの高速シリアル信号SER3,SER4に分割しているが特に限定されない。
図17は第2構成を例示したものであり、表示装置DS2と表示装置DS3の画像データについて、ディスプレイリストに基づいて、一旦、作業領域WK2と作業領域WK3に、各480×800ピクセル分の画像データを生成した後、ディスプレイリストに記載されているストライプ連結処理JOINに基づいてストライプ連結し、合計2×480×800ピクセル分の複合フレームの画像データを、フレームバッファFBbに転送している。
そして、表示回路74Bは、フレームバッファFBbの画像データを読み出して、出力選択部79を経由して、ドットクロック54MHzのLVDS信号LVDS_2を出力している。この第2構成では、信号変換部CNVには、図21に示す信号変換回路TX2’と、図22に示す信号変換回路TX3’が搭載されている。
図21に示す通り、信号変換回路TX2’は、図11の信号変換回路TX2と類似する構成を有しており、受信したLVDS信号LVDS_2をパラレル変換するパラレル変換部S-P Converter と、パラレル変換部S-P Converter が出力するパラレルデータを、奇数ピクセルと偶数ピクセルの画像データに切り分けて出力するバッファ回路Data Buffer と、切り分けられた奇数ピクセルデータと偶数ピクセルデータを受けて高速シリアル信号の基礎データを生成する一対のデコーダDecodeと、デコーダDecodeの出力をシリアル変換して高速シリアル信号SER2,SER3を出力する一対のシリアル変換部P-S Converter と、を有して構成されている。
図21(b)は、表示装置DS3,DS4の複合フレームの画像データを、奇数ピクセルと偶数ピクセルに切り分けるストライプ分割処理を図示したものであり、ストライプ連結された2×480×800ピクセル分の画像データが、ストライプ分割されることで、ドッドクロック周波数が1/2倍になることが示されている。
ところで、表示装置DS4の画像データについては、図17に示す通り、ディスプレイリストに基づいて、フレームバッファFBcに生成され、これを表示装置74Cが読み出して、出力選択部79を経由して、RGBパラレル信号RGB_P として出力している。このRGBパラレル信号RGB_P は、図22に示す信号変換回路TX3’において、高速シリアル信号SER4に変換される。
図22に示す通り、信号変換回路TX3’は、図12の信号変換回路TX3と類似する構成を有しており、一フレームが480×800ドットで構成されるRGBパラレル信号と同期クロックを受ける入力バッファInput Bufferと、RGBパラレル信号に、同期信号や他の制御データを付加して高速シリアル信号の基礎データを生成するエンコーダEncodeと、高速シリアル信号の基礎データをシリアル変換して高速シリアル信号SER4として出力するPS変換部P-S Converter と、を有して構成されている。
この第2構成では、信号変換回路TX3’及び信号変換回路TX2’を配置することで、サブ表示装置DS2〜DS4に向かう信号伝送路は、全て高速シリアル信号SER2〜SER4で構成されており、表示装置の個数を増加させたにも拘らず、遊技機内部の配線がシンプルとなる。また、ドットクロックが27MHzであり、サブ表示装置DS2〜DS4を使用した高画質で多様な画像演出が可能となる。
図18は、第3構成を例示したものであり、表示装置DS2〜DS4の画像データについて、ディスプレイリストに基づいて、一旦、作業領域WK2〜WK4に、各480×800ピクセル分の画像データを生成した後、ディスプレイリストに記載されている横方向の水平連結処理JION’に基づいて、フレームバッファFBbに、3×480×800ピクセル分の複合フレームの画像データを転送している。
水平連結処理JOIN’は、所定の矩形枠データを、別の矩形枠データに転送する一連の描画コマンド列であって、ストライプ連結処理JOINと同様のサブルーチン処理である。但し、図18に示す通り、作業領域WK2,WK3,WK4には、仮想的に矩形枠を構成する各480×800ピクセル分の画像データが格納されるので、水平連結処理JOIN’の実行は、原理的には、矩形枠データの移動を実現する描画コマンドを、3回実行することで終わる。
そして、表示回路74Bは、フレームバッファFBbの画像データを読み出して、出力選択部79を経由して、ドットクロック81MHzのLVDS信号LVDS_2を出力している。図18に示す通り、この第3構成では、表示回路74CやフレームバッファFBcは機能しておらず、また、信号変換部CNVには、信号変換回路TX1の他には、信号変換回路TX4だけが配置されている。
信号変換回路TX4は、図21の回路構成と類似の内部回路を有しており、図23に示す通り、受信したLVDS信号LVDS_2をパラレル変換するパラレル変換部S-P Converter と、パラレル変換部S-P Converter が出力するパラレルデータを、所定ピクセル毎に最大4区分(1〜4)して出力するバッファ回路Data Buffer と、所定区分数(1〜4)に区分されたピクセルデータを受けて高速シリアル信号の基礎データを生成するデコーダDecodeと、デコーダDecodeの出力をシリアル変換して高速シリアル信号SERiを出力するシリアル変換部P-S Converter と、を有して構成されている。
切り分けピクセル単位や、1〜4の区分範囲内の区分数は、適宜に設定可能であるが、実施例では、信号変換回路TX4への設定値に基づいて、切り分けピクセル単位=480ピクセル、区分数=3に設定することで、3×480×800ピクセルの複合フレームの画像データを、480ピクセル毎に3区分して、各々480×800ピクセルデータを伝送する高速シリアル信号SER2〜SER4を出力している。
次に、図19は、第4構成を例示したものであり、信号変換部CNVには、RGBパラレル信号RGB_P を受けて信号変換回路TX4と同様の動作をする信号変換回路TX4’が搭載されている。ここで、信号変換回路TX4’と、信号変換回路TX4は、入力信号がRGBパラレル信号RGB_P かLVDS信号LVDS_2かの違いがある程度であり、見かけ上の内部動作は全く同一である。そして、フレームバッファFBcに生成された、3×480×800ピクセル分のサブ表示装置DS2〜DS4の複合フレームの画像データが、高速シリアル信号SER2〜SER4として、サブ表示装置DS2〜DS4に向けて出力される。
なお、第3構成の場合も含め、複合フレームの画像データは、必ずしも、水平連結処理JOIN’によって生成する必要はなく、縦横に連結しても良く、このような複合フレームであっても、信号変換回路TX4,TX4’において、適宜に切り分けて、高速シリアル信号SER2〜SER4を生成することができる。なお、信号変換回路TX4’は、縦1×横4の水平連結や、縦2×横2の縦横連結にも対応可能であるので、4つ目のサブ表示装置DS5を配置するのも好適である。
ところで、この第4構成では、メイン表示装置DS1の画像データについては、ディスプレイリストに基づいて、作業領域WK1に1280×1024ピクセル分の画像データを生成した後、ディスプレイリストに記載されたストライプ分割処理DIVを実行して、フレームバッファFBaと、フレームバッファFBbに再配置している。なお、ストライプ分割処理DIVは、ストライプ連結処理の逆の動作を実行する描画コマンド列で構成されており、描画回路76(DLアナライザ)がアクセス可能なサブルーチンDIVとして、電源リセット時に、例えば、内蔵VRAM71や外付けDRAM54に記憶されている。
そして、表示回路74Aと表示回路74Bは、フレームバッファFBaとフレームバッファFBbの画像データを読み出し、出力選択部79を通して、ドットクロック周波数を54MHzに抑制したLVDS信号LVDS_1,LVDS_2を出力している。この第4構成では、信号変換部CNVに信号変換回路TX1を配置することなく、2系統のLVDS信号LVDS_1,LVDS_2を出力できる利点がある。
但し、作業領域WK1を使用する構成は、必ずしも、必須ではなく、より簡素化することも可能である。図24は、作業領域WK1を使用しない第4構成の変形例を図示したものである。
ここでは、第1構成〜第3構成や第5構成と同様、1280×1024ピクセル分の画像データを、直接フレームバッファFBaに生成し、表示回路74AがフレームバッファFBaの画像データを読み出す構成を採っている。そして、出力選択回路79において、ストライプ分割の動作を実行させることで、奇数ストライプ分の画像データをLVDS信号LDVS_1として出力し、偶数ストライプ分の画像データをLVDS信号LDVS_2として出力している。
最後に、図20は、第5構成を例示したものであり、4個のサブ表示装置DS2〜DS5を設ける構成例を示している。図示の通り、表示装置DS2〜DS3の画像データは、例えばストライプ連結されてフレームバッファFBbに配置され、表示装置DS4〜DS5の画像データは、例えばストライプ連結されてフレームバッファFBcに配置される。
そして、これらの画像データは、表示回路74B,74Cに読み出され、出力選択部79を経由して、LVDS信号LVDS_2と、RGBパラレル信号RGB_P として、信号変換部CNVに伝送される。図示の通り、信号変換部CNVには、信号変換回路TX2’と、信号変換回路TX3は配置されているので、これらの回路を経由することで、4種類の高速シリアル信号SER2〜SER5に変換されて、サブ表示装置DS2〜DS5に向けて出力される。これら第3構成〜第5構成においても、第1構成と同様の優れた効果を発揮することができる。
ところで、第1構成〜第5構成において、信号伝送距離が長い場合でも、安定した信号伝送性能を確保したところである。そこで、このような目的のためには、図20に示す第6構成のように、信号変換部CNVから出力されるLVDS信号LVDS_a,LVDS_bを受けるドライブ基板を設けるのが好ましい。ドライブ基板には、例えば、図10(a)に示す信号変換回路TX1が配置される。図10に示す通り、信号変換回路TX1には、LVDS受信部LVDS-Rx と、LVDS送信部LVDS-Tx が、各々上下2段に配置されており、二組のLVDS信号LVDS_a,LVDS_bをそのまま出力するドライブ動作(Dual-In Dual-Out)も可能に構成されている。
そこで、第6構成では、信号変換部CNVの信号変換回路TX1において、図10に関して説明したSingle-In Dual-Outの動作を実行する一方、ドライブ基板の信号変換回路TX1においては、Dual-In Dual-Outのドライブ動作を実行することで、信号劣化を未然防止している。
また、第1構成〜第5構成の何れも、画像インタフェイス基板28に信号変換部CNVを配置し、信号変換部CNVを経由して画像データを転送するため接続コネクタの個数分だけ機器構成が大型化する傾向となる。そこで、可能な限り、画像インタフェイス基板28を小型化するためには、接続コネクタの個数を減らすのが効果的である。そこで、第6実施例では、信号変換回路TX2’と信号変換回路TX3の出力SER2〜SER5を単一の接続コネクタ(集合コネクタ)で受けている。この集合コネクタは、信号中継基板の集合コネクタに接続されており、伝送された高速シリアル信号SER2〜SER5は、信号中継基板で4個の出力用の接続コネクタに伝送されるようになっている。この構成では、信号中継基板を設けた分だけ、画像インタフェイス基板28の大型化を抑制できる利点がある。
最後に、ストライプ連結処理JOINについて、図25に基づいて具体的に例示する。図25に再掲する通り、例えば、図9(b)に示す実施例では、表示装置DS3用の画像データ(480×800ピクセル分)は、作業領域WK3に完成され、表示装置DS4用の画像データ(480×800ピクセル分)は、作業領域WK4に完成される。
そして、その後、これら完成状態の画像データは、ディスプレイリストの最終位置に記載されたストライプ連結処理JOINによって、960×800ピクセル分の記憶領域を有するフレームバッファFBcに纏められる必要がある。
そこで、このような動作を実現するため、図25に示す実施例では、フレームバッファFBcは、960×800個の各ピクセルP(i,j)について、RGBデータを特定する3バイトとは別に、α値を特定するαチャンネルを有して構成されている。ここで、α値とは、各ピクセル位置P(i,j)に設定された透過度情報であって、フレームバッファFBcに上書きする新規画像(source)と、フレームバッファFBcの元画像(destination )との透明度を規定するαブレンド処理を特定する値である。
特に限定されないが、α値を1バイト構成とすれば、各ピクセル位置P(i,j)の情報が、合計4バイトで特定されることになり、フレームバッファFBcは、合計、960×800×4バイト長のデータ容量を有することになる。
このような構成を有するフレームバッファFBcに対して、ストライプ連結処理JOINでは、最初に、奇数列ピクセルを特定するαチャンネルに、α値=0を書込む一方、偶数列ピクセルを特定するαチャンネルに、α値=255を書込んでいる(SS51)。
次に、作業領域WK3に格納されている完成状態の表示装置DS3の画像データ(480×800ピクセル分)を、横方向に拡大して、960×800ピクセル分の画像データとして、フレームバッファFBcに書込む(SS52)。
2倍拡大処理は、作業領域WK3からフレームバッファFBcに画像データを転送させる描画コマンドにおいて、source側の画像領域(作業領域WK3)と、destination 側の画像領域(横方向に大きいフレームバッファFBc)を指定するだけで足りる。すなわち、destination 側のフレームバッファFBcが、source側と比較して横方向に2倍であることから、描画回路(Pixel Generator )において自動的に横方向の拡大処理が実行される。
また、この2倍拡大処理では、作業領域WK3の1列目の画像データが、フレームバッファFBcの1列目と2列目にコピーされ、作業領域WK3の2列目の画像データが、フレームバッファFBcの3列目と4列目にコピーされるよう構成されている。以下同様であり、作業領域WK3のN列目の画像データが、フレームバッファFBcの2*N−1列目と、2*N列目にコピーされてdestination 画像となる。
次に、作業領域WK4に格納されている完成状態の表示装置DS4の画像データを、横方向に2倍拡大して、960×800ピクセル分の画像データとして、フレームバッファFBcの画像データとの間でαブレンド処理を実行する(SS53)。この場合も、拡大処理によって、作業領域WK4のN列目の画像データが、フレームバッファFBcの2*N−1列目と2*N列目に作用し、その位置のdestination 画像との間でαブレンド処理がされる。
αブレンド処理では、例えば、図25の式1に示すように、Cr=Cd*(1−α/255)+Cs*α/255の演算が実行される。この演算式において、Cdは、フレームバッファFBcの、各ピクセル位置P(i,j)に書込まれた元画像(Destination )のRGB情報、つまり、ステップSS52の処理で、フレームバッファFBcに書込まれた作業領域WK3の画像データ(横拡大された表示装置DS3の960×800ピクセル分)である。
一方、Csは、横拡大された作業領域WK4のSource画像(表示装置DS4の960×800ピクセル分)のRGB情報であり、Crは、αブレンド処理後のフレームバッファFBcのRGB情報である。なお、αブレンド処理式において、255は、1バイト構成(n=8)のα値の上限値であり、データ構成に対応して変化する(2n−1)。
先に説明した通り、α値は、ステップSS50の処理によって、図25に示す奇数ピクセル列では0、偶数ピクセル列では255であるので、結局、奇数ピクセル列に対応するフレームバッファFBcでは、Cr=Cdの関係より、元画像(Destination )、つまり、サブ表示装置DS3用の画像データが、そのまま残ることなる。
一方、偶数ピクセル列に対応するフレームバッファFBcでは、Cr=Csの関係より、元画像(Destination )が消滅して、上書きされる新規画像(Source)、つまり、サブ表示装置DS4用の画像データだけが記憶されることになる。
そして、これらの結果、フレームバッファFBcには、表示装置DS3と表示装置DS4の画像データがストライプ連結されて格納されることになる。
なお、以上説明したαブレント処理では、横拡大されたサブ表示装置DS4の画像をSource画像としたが、これに代えて、横拡大されたサブ表示装置DS3の画像をSource画像としても良いのは勿論である。また、奇数ピクセル列に、サブ表示装置DS4の画像を残すか、サブ表示装置DS3の画像を残すかも任意であり、これに対応して、変換回路TX3などの出力側の回路接続を変更すれば良い。
また、実施例では、ストライプ連結処理JOINにステップSS51の処理を設け、ディスプレイリストの実行毎にα値の設定を行ったが、フレームバッファのαチャンネルが上書きされない構成を採る場合には、電源リセット後、一回だけステップSS51を実行するのでも良い。
また、実施例では、2つのサブ表示装置DS3,DS4に対応して作業領域WK3,WK4を2つ設けたが、フレームバッファFBcを使用して、何れか一方の画像データを完成させても良い。但し、この場合には、サブ表示装置DS3/DS4の画像データを完成させるまでに、フレームバッファFBcのαチャンネルを書き換えない構成を採る必要がある。
以上、第1構成(図9)、第2構成(図17)、第5構成(図20)に関して、ストライプ連結処理について説明したが、第3構成(図18)、第4構成(図19、図24)では、画像データ連結用のαブレンド処理は不要である。
すなわち、作業領域WKiに完成した矩形枠の画像データを、フレームバッファFBに確保された別の矩形枠に転送する描画コマンドを使用することで、水平連結、垂直連結、縦横連結が可能であることは先に説明した通りである。
また、図19に示す第4構成におけるストライプ分割処理DIVは、ストライプ連結処理の逆動作を実行すれば良い。
先ず、1280×1024ピクセルより前後1列(1024ピクセル)だけ余裕のある、−1列〜1281列の記憶容量を有する作業領域WK0を確保し(図19参照)、作業領域WK0のαチャンネルについて、その奇数列にα値0を書込み、偶数列にはα値255を書込む。なお、−1列目の画像データについてはαブレンド処理が実行されず、また、1281列目の画像データは活用されないので、これらのα値は任意である。
次に、作業領域WK1の1280×1024ピクセル分の画像データGbsを、作業領域WK0の1列〜1280列に書込み、この作業領域WK0の画像データGbsと、作業領域WK1の画像データGbsを1ピクセルだけ画面の右方向にずらせた画像データGbs’との間で、2列目から1281列目に対して、Cr=Cd*(1−α/255)+Cs*α/255のαブレンド演算Lを実行する。
すると、作業領域WK0の1列目は画像データGbsが残り、2列目以降の偶数列では、Cr=Csとなって画像データGbsが消滅し、画像データGbsより1ピクセルずれた画像データGbs’が上書きされることになる。
一方、3列目以降の奇数列では、Cr=Cdとなって画像データGbsが残るので、結局、作業領域WK0の1列〜1280列において、奇数列と、その右側の偶数列には、同じ画像データが配置されることになる。
そこで、次に、このように完成された作業領域WK0の画像データ(1280×1024ピクセル)を、左右方向に1/2の容量を有するフレームバッファFBaに転送する。すると、この転送処理によって、左右ピクセルが自動的に横縮小されるので、フレームバッファFBaには、640×1024ピクセル分の奇数ストライプ画像データが完成されることになる。
続いて、作業領域WK1の1280×1024ピクセル分の画像データGbsを、作業領域WK0の1列〜1280列に書込み、この作業領域WK0の画像データGbsと、作業領域WK1の画像データGbsを1ピクセルだけ左方向にずらせた画像データGbs”との間で、1列目から1280列目に対して、Cr=Cs*(1−α/255)+Cd*α/255のαブレンド演算Rを実行する。
すると、作業領域WK0の奇数列では、Cr=Csとなって画像データGbs”が上書きされる一方、偶数列では、Cr=Cdとなって、画像データGbsが残るので、偶数列と、その左側の奇数列には、同じ画像データが配置されることになる。
そこで、次に、このように完成された作業領域WK0の画像データ(1280×1024ピクセル)を、左右方向に1/2のフレームバッファFBbに転送する。すると、この転送処理によって、左右ピクセルが自動的に横縮小されるので、フレームバッファFBbには、640×1024ピクセル分の偶数ストライプ画像データが完成されることになる。
以上、第1構成〜第6構成について例示的に説明したが、集合コネクタや中継基板を配置する構成も含め、第1構成〜第6構成の内部構成を、適宜に交換ないし組み合わせても良いことは勿論であり、各々、同様の効果を発揮することができる。
ところで、ここまで説明した第1構成〜第6構成は、特に、サブ表示装置DS2〜DS4までの伝送距離が1m以下である場合に好適に適用される。しかし、更に長い伝送距離であって、好適には、2m以上の伝送距離を確保したい場合もある。
また、伝送距離の長短に拘らず、各表示装置DS1〜DS5に節電機構を付加したい場合や、サブ表示装置DS2〜DS4の全部又は一部を、役物演出に参加させたい場合もある。しかし、このような要請に応えるために、配線数が増えたのでは機器内部が煩雑化し、組立上や保守用に大変不便である。
そこで、以下に説明する第7構成では、サブ表示装置DS4で表示されるべき480×800ピクセル分のRGB画像データ(RGBパラレル信号RGB_P )を、信号変換回路TX5においてストライプ分割し、伝送速度を緩和した2経路(2LANE)の高速シリアル信号SER6,SER7としてシリアル伝送している。
図26に示す第7構成を、図17に示す第2構成と対比すれば明らかなように、この第7構成では、高速シリアル信号SER6,SER7として伝送される画像データのドットクロック周波数が、1/2の13.5MHzに抑制されるので、その分だけ伝送距離を長くすることができる。
本発明者の実験では、2m程度の伝送距離でも問題がないことが、アイパターンで確認されている。なお、アイパターン(Eye Pattern )とは、信号波形の遷移を多数サンプリングし、オシロスコープに重ね合わせて表示した図形である。
図26に示す通り、この第7構成では、信号変換回路TX5に対応してシリアル受信回路RV5が配置されている(図28参照)。そして、シリアル受信回路RV5は、2経路で伝送された高速シリアル信号SER6,SER7を受けてパラレル信号に復元し、ストライプ連結した480×800ピクセル分のRGB画像データを、一のサブ表示装置DS4に供給している。
また、この実施例では、RGB画像データ(24ビット)などの表示装置DS4駆動用の信号に加えて、表示装置DS4のLEDバックライトを調光制御するための調光信号DIMを伝送している。ここで、調光信号DIMは、1ビット長のPWM信号であり、高速シリアル信号を構成する36ビット長シリアルデータ(図11(b)参照)の一部(1ビット)として伝送される。
そして、シリアル受信回路RV5で復元された調光信号DIMは、調光回路LGHに供給されて表示装置DS4のバックライトを階調制御している。したがって、この実施例では、例えば、デモ演出時に、サブ表示装置DS4のバックライト光を消光させる省電力機能を発揮することもでき、しかも、この調光制御のために配線数が増えることもない。
図28は、信号変換回路TX5と、シリアル受信回路RV5と、調光回路LGHと、表示装置のバックライト部との関係を図示したものである。信号変換回路TX5の基本構成は、図22に示す信号変換回路TX3’と基本的に同じであり、RGB画像データを受けて、高速シリアル信号を出力する内部構成を有している。
但し、この実施例では、DUAL端子をHレベルに維持(制御)することで、ストライプ分割された2LANEの高速シリアル信号SER6,SER7を出力している。また、信号変換回路TX5は、RGBパラレル信号(24ビット)、同期信号HS,VS(2ビット)、及び、データイネーブル信号DE(1ビット)を、27MHzピクセルクロックPCLKに同期して内部回路(Input Buffer)に取得すると共に、内蔵CPU回路51から受ける調光信号DIM(1ビット)を、同じ内部回路(Input Buffer)に取得している。なお、調光信号DIMは、内蔵CPU回路51の演出制御に基づき、パラレル入出力ポート(PIO)62、出力回路64pを経由して出力される(図6参照)。
信号変換回路TX5に取得された上記の合計28ビットの信号は、同一論理レベルが継続して、DCバランスが崩れることを防止するべく、適宜にエンコードされ、且つ、ストライプ分割されて、合計36ビット長のシリアルデータとしてシリアル伝送される(図11(b)参照)。
図11(b)に示す通り、高速シリアル信号SER6,SER7において、36ビット長のシリアルデータは、この実施例では、27MHzのピクセルクロックPCLKに同期して更新される。
図28に示す通り、シリアル受信回路RV5は、信号変換回路TX5に対応する内部構成を有しており、DUAL端子がHレベルに固定されることで、2LANEの高速シリアル信号SER6,SER7の受信回路として機能する。そして、S-P Converter におけるパラレル変換の後、適宜にデコードされ、ストライプ連結されたRGBパラレル信号(24ビット)と、同期信号HS,VS(2ビット)と、データイネーブル信号DE(1ビット)が、ピクセルクロックPCLKと共に出力される。
また、この動作に合わせて、調光信号DIMも復元されて調光回路LGHに向けて出力される。調光回路LGHは、例えば、白色LEDドライバTPS6116xA(Texas Instrument)で構成され、制御端子CTRLに受けるPWM信号たる調光信号DIMのパルス幅(デュティー比)に基づいて、バックライト部のLEDランプ群を調光制御する。
したがって、本実施例によれば、配線数を増加させることなく、表示装置DS4の輝度を適宜に調整することができる。例えば、予告演出時に限ってサブ表示装置DS4を機能させるような遊技機では、デモ演出時だけでなく、予告演出時以外のタイミングでも、バックライトを消光させることができる。
以上の通り、図26に示す第7構成によれば、ストライプ分割された2LANEの高速シリアル信号SER6,SER7を出力することで、伝送距離を2m以上に延ばすことができる。しかも、図28に示す信号変換回路TX5によれば、2LANE伝送か、1LANE伝送かをDUAL端子によって適宜に選択できるので、伝送距離をそれほど必要としない他機種の遊技機にも、信号変換部CNVの回路基板をそのまま使用できる利点がある。
図27は、図26の信号変換部CNVをそのまま使用して、ピクセルクロック27MHzの1LANE伝送の機器構成を採る場合を示している。この第8構成では、DUAL端子をLレベルに維持(制御)すると共に、調光信号DIMに変えてモータ駆動信号DRを信号変換回路TX5に供給し、高速シリアル信号として伝送されたモータ駆動信号DRによってサブ表示装置DS4を適宜に可動させている。
モータ駆動信号DRは、例えば、一対の演出モータMr,Mrを駆動可能な8ビット長であり、PS変換部PSCで1ビット長の複合駆動信号に変換されて、信号変換回路TX5に供給される。そして、シリアル受信回路RV5で抽出された1ビット長の複合駆動信号は、SP変換部SPCで8ビット長のモータ駆動信号に復元されて、演出モータMr,Mrに供給される。
図30は、PS変換部PSCとSP変換部SPCの内部構成を図示したものである。PS変換部PSCは、ラッチ回路を有して構成され、ラッチ回路は、外部から受ける入力制御信号CTL0,CTL1に基づき、8ビット長のパラレルデータを取得する。取得されたパラレルデータは、サンプリング周波数50kHzであって、1/50mS毎に機能するシリアライザにおいて、適宜にスクランブルされてDCバランスを確保したシリアル信号として出力される。
一方、SP変換部SPCは、伝送レート2.5MHz程度のシリアル信号(シングルエンド信号)が、デシリアライザでパラレル信号に復元され、出力回路に伝送される。そして、出力回路に伝送されたパラレル信号は、外部から受ける出力制御信号CTL0,CTL1に基づいて出力される。但し、実施例では、出力制御信号CTL0をLレベル、出力制御信号CTL1をHレベルに固定することで、取得したモータ駆動データを無制御状態で出力している。
図31は、PS変換部PSCとSP変換部SPCを追加して、モータ駆動データを高速シリアル信号の一部として伝送する回路例を示している。図31の左側に示す通り、実施例のPS変換部PSCでは、入力制御信号CTL1をHに固定する一方、データ更新時に、入力制御信号CTL0をLレベルに変化させることで、モータ駆動信号DRをラッチ回路に取得させている。
具体的には、入力制御信号CTL0がLレベルからHレベルに復帰する立上りエッジで、モータ駆動信号DRがラッチ回路に取得される。そして、シリアライザは、1/50mS毎に内部動作を繰り返し、更新されたモータ駆動信号をシリアル信号として繰り返し出力している。
特に限定されないが、出力されるシリアル信号(シングルエンド信号)の伝送レートは、2.5MHzであり、RGBデータの伝送レートを規定するピクセルクロック27MHzの1/10以下であって、RGBデータに混合させて高速シリアル信号として伝送しても何の問題もない。
先に説明した通り、実施例のSP変換部SPCでは、出力制御信号CTL0をLレベル、出力制御信号CTL1をHレベルに固定することで、取得したモータ駆動データを無制御状態で出力している(図31の右側参照)。
そして、この構成に対応して、実施例のSP変換部SPCでは、内蔵されたデジタルフィルタ回路をON状態に設定しており(FILT=H)、3サンプリング周波数分の取得データが一致することを条件に、新規データとして出力回路に伝送されるようになっている。したがって、モータ駆動データを、無制御状態(垂れ流し状態)で出力し続けても何の問題が生じない。
以上説明した通り、DUAL端子を、適宜にH/L制御することで、同じ信号変換部CNVを搭載する回路基板の共通化を図りつつ、第7構成又は第8構成を実現することができ、サブ表示装置への伝送距離の違いに対処することができる。なお、第8構成では、シリアル受信回路RV5を使用したが、調光信号DIMやモータ駆動信号DRを伝送しない場合には、図12(b)に示すシリアル受信回路を使用してコスト削減を図っても良い。
また、第7構成において、調光信号DIMを送らなくても良いし、調光信号DIMの代わりに、モータ駆動信号DRを送っても良いのは勿論である。同様に、第8構成で、モータ駆動信号DRを送らなくても良いし、モータ駆動信号DRの代わりに、調光信号DIMを送っても良い。
また、第7構成や第8構成は、サブ表示装置DS4について説明したが、LVDS信号を受けてストライプ分割された2系統のLVDS信号(LVDS_a + LVDS_b )を出力する信号変換回路TX1(図9、図17、図18、図20)についても、調光信号DIMやその他の信号を合わせて送信する構成を採るのも好適である。
以上、単一のメイン表示装置DS1を前提にして、多数のサブ表示装置DS2〜DS4を配置する構成について説明したが、メイン表示装置DS1を分割構成とする場合にも本発明を好適に適用することができる。
図32は、12インチ程度で同一形状の液晶表示装置DS1a,DS1bを二個配置してメイン表示装置DS1を実現すると共に、5インチ程度の4個のサブ表示装置DS2〜DS5を設けた実施例(第9構成)を示している。この構成では、メイン表示装置DS1が、12インチの2倍の大きさとなるので、19インチで構成されるメイン表示装置(第1構成〜第8構成)より大画面を実現することができる。しかも、2つの表示装置DS1a,DS1bを連動させて上下方向に可動させることで、新たな画像演出を実現することが可能となる。なお、ここでは、表示装置DS1a,DS1bの表示画面は、各々、例えば、横800×縦600ドットのピクセルを有していることにする。
2つの表示装置DS1a,DS1bの可動構成については、後述するとして、先ず、画像インタフェイス基板28の回路構成について説明する。フレームバッファFBbの構築された表示装置DS2,DS3用の複合画像データ(ストライプ連結された480×800×2ピクセル分)は、第2構成(図17)の場合と同様、信号変換回路TX2’において、ストライプ分割されることで、ドッドクロック周波数が1/2倍の2系統の高速シリアル信号に変換される。そして、シリアル受信回路RV2aやシリアル受信回路RV2bにおいて、RBGパラレルデータに復元されて各表示装置DS2,DS3に供給される。
一方、フレームバッファFBcの構築された表示装置DS4,DS5用の複合画像データ(ストライプ連結された480×800×2ピクセル分)は、第1構成(図9)の場合と同様、信号変換回路TX3において、ストライプ分割されることで、ドッドクロック周波数が1/2倍の高速シリアル信号に変換される。そして、シリアル受信回路RV3やシリアル受信回路RV4において、RBGパラレルデータに復元されて各表示装置DS4,DS5に供給される。
以上の構成は、先に説明した第1構成や第2構成と類似しているが、この第9構成では、液晶表示装置DS1a,DS1bを二個配置してメイン表示装置DS1を実現するので、フレームバッファFBaには、ストライプ連結された表示装置DS1a,DS1b用の800×600×2ピクセル分の画像データが構築される。
ストライプ連結の手法は、図25に関して説明した通りである。表示装置DS1aと表示装置DS1bに、各々、独立的な画像を表示する場合には、各々のディスプレイリストDL1a,DL1bに基づき、各800×600ピクセル分の画像データが、800×600×2ピクセル分の作業領域WK0に生成される(図32(b)参照)。
一方、表示装置DS1aと表示装置DS1bに、統一的な画像を表示する場合には、手前側の表示装置DS1の下方表示枠FM(図34(a)参照)の分だけ大きい、図32(b’)に例示する800×(600×2+δ)ピクセル分の作業領域WK0が確保される。そして、この800×(600×2+δ)ピクセル分の描画領域に、単一のディスプレイリストDL1に基づく統一的な画像データが生成される。
但し、何れの場合も、ディスプレイリストの最後のコマンド列に基づく図25(a)の処理を経て、合計2×800×600ピクセル分の複合フレームの画像データがフレームバッファFBaに生成される(図32(e)参照)。具体的に確認すると、表示装置DS1aと表示装置DS1b用の画像データを、各々横方向に2倍拡大して、作業領域WK1,WK2に一時記憶し(図32(c)参照)、αブレンド演算を実行して得られる複合画像データをフレームバッファFBaに生成する。なお、統一画像においては、表示装置DS1の下方表示枠FMの領域(上下幅δ)が欠落した複合画像データが、フレームバッファFBaに生成されることになる(図34(b)参照)。
何れにしても、表示回路74Aは、フレームバッファFBaの画像データを読み出して、ドットクロック80MHzのLVDS信号LVDSを出力し、信号変換回路TX1は、スプライト分割により、ドットクロック40MHzの2種類のLVDS信号を出力する。このように、第9構成では、ドットクロック周波数が1/2に緩和された2系統のLVDS信号が、画像インタフェイス基板28から各表示装置DS1a,DS1bに伝送されるので、周波数が低い分だけ、伝送距離を長く確保することができ、各表示装置DS1a,DS1bにおける自由な可動演出が可能となる。
画像インタフェイス基板28に配置される信号変換回路TX1は、図10(a)に示す通りであり、2種類のLVDS信号は、各々、表示装置DS1a用の画像データと、表示装置DS1b用の画像データを伝送する信号に他ならない。そして、各表示装置DS1a,DS1bに内蔵されたLVDS受信部RV1a,RV1bによってRGBパラレル信号が復元されて、各表示画面が構築される。
続いて、図33に基づいて、表示装置DS1aと表示装置DS1bの可動機構STRについて説明する。図33(a)は、可動機構STRの主要部を背面側から見た斜視図であり、図33(c)は、可動機構STRを表面側から見た斜視図である。
図33(a)に示す通り、この可動機構STRは、連動して一体回転する2つの左右の駆動モータMOR,MOLと、各モータMOR,MOLに駆動され、回転ローラRO,ROを経由して周回するファンベルトBT,BTと、後方位置において左右のファンベルトBT,BTに保持される左右一対の後方保持片HLb,HLbと、後方保持片HLb,HLbに固定される後方ベース板BSbと、前方位置において左右のファンベルトBT,BTに保持される左右一対の前方保持片HLa,HLaと、前方保持片HLa,HLaに固定される前方ベース板BSaと、前後位置に離間して配置された合計4本の案内ポールGDa,GDa,GDb,GDbと、を有して構成されている。
ここで、表示装置DS1bは、後方ベース板BSbに固定され、一方、表示装置DSaは、前方ベース板BSaで固定されることで保持される。また、前方保持片HLa,HLaと後方保持片HLb,HLbには、各々、案内ポールGDa,GDa,GDb,GDbを受け入れる受入穴が設けられており、表示装置DS1a,DS1bと一体化された各保持片HLa,HLbは、各々に対応する案内ポールGDa,GDbに案内されて上下方向に円滑に昇降移動するようになっている。
図33(b)は、2つの表示装置DS1a,DS1bの位置関係と、移動位置を示してものである。図33(b1)は、初期状態を示しており、上側に位置する表示装置DS1aと、下側に位置する表示装置DS1bとが、重合することなく上下方向に連続することで、12インチの2倍の表示画面を形成している。なお、表示装置DS1aの下方表示枠FMが、表示装置DS1bの上方表示枠の位置に一致するので、2つの表示装置DS1a,DS1bは、下方表示枠FMの部分を除いて一枚の表示画面を形成する。
ここで、2つの駆動モータMOR,MOLは、連動して一体回転するよう構成されているので、例えば、駆動モータMOR,MOLが、図示の反時計方向に一体回転を開始すると、上側の表示装置DS1aが降下することに対応して、下側の表示装置DS1bが上昇することになる。
そして、二つの表示装置DS1a,DS1bが前後方向に重合する図33(b2)の重合状態を経て、更に、表示装置DS1aが降下して限界位置に達すると、図33(b3)の状態になる。図示の通り、表示装置DS1aの降下限界は、表示装置DS1bの上昇限界であり、上側に位置する表示装置DS1bと下側に位置する表示装置DS1aによって、12インチの2倍の表示画面が形成される。
なお、図33(b3)の状態から、駆動モータMOR,MOLが、図示の時計方向に一体回転すると、図33(b2)の重合状態を経て、図33(b1)の初期状態に戻ることになる。
そこで、本実施例では、駆動モータMOR,MOLを、時計方向又は反時計方向に適宜量だけ回転させることで、初期状態(b1)と重合状態(b2)とを含んだ演出動作Aや、重合状態(b2)と降下限界(b3)とを含んだ演出動作Bや、初期状態(b1)と降下限界(b3)とを含んだ演出動作Cなどによって、遊技者を盛り上げている。これらの可動演出は、好適には、予告演出として実行される。また、演出動作A〜演出Cに対応して、フレームバッファFBaには適宜な画像データが生成される。
図34は、可動演出の初期状態(b1)において、作業領域WK0に、表示装置DS1a,DS1b毎の独立的な画像データが生成される場合(図34(a)と、作業領域WK0に一体的な画像データが生成される場合(図34(b)とを示している。
図34(a)の場合には、画像制御CPU63(図6)は、表示装置DS1aに表示すべき一フレーム画像を特定するディスプレイリストDL1aと、表示装置DS1bに表示すべき一フレーム画像を特定するディスプレイリストDL1bとをVDP回路52に出力する。一方、図34(b)の場合には、画像制御CPU63(図6)は、表示装置DS1aと表示装置DS1aとで表示される一フレーム画像(800×(600×2+δ)ピクセル)を特定するディスプレイリストDL1をVDP回路52に出力することになる。先に説明した通り、800×δピクセルの画像は、表示装置DS1aの下方表示枠FMに対応する非表示部分を構成する。
また、図34(c)や図34(d)に例示するような、二つの表示装置DS1a,DS1bの重合状態や、図33に示す動作A〜動作Cの移動動作中についても、表示装置DS1aと表示装置DS1aとで表示される一フレーム画像(800×(600×2+δ)又は800×600×2ピクセル)を特定するディスプレイリストDL1がVDP回路52に出力される。
但し、かなりの速度で移動させる場合には、表示画像を確実に目視することが遊技者にとって困難であるので、表示装置の移動に対応した過渡的な画像を表示するのが好適である(図34参照)。過渡的な画像にすることで、表示装置の高速移動に伴って、仮に、表示画面の崩れることがあっても、遊技者に不快感を与えることがない。なお、表示装置DS1a,DS1aの可動演出は、他の役物と協働させるのも好適であり、図34(d)では、二つの表示装置DS1a,DS1bの重合状態において、他の役物YAKUが表示画面の前面に出現して、適宜に開閉するなど、遊技者を更に盛り上げる予告演出を実現している。
そして、何れの場合にも、作業領域WK0に構築された画像データは、図32(b)〜図32(e)の手順を経て、フレームバッファFBaにスプライト連結され、信号変換回路TX1でスプライト分割された後、LVDS受信部RV1a,RV1bを経て各表示装置DS1a,DS1bに供給される。先に説明した通り、画像インタフェイス基板28から表示装置DS1a,DS1bまでに伝送されるLVDS信号の周波数が、他の実施例の場合の1/2に緩和されるので、信号伝送距離の限界が緩和される分だけ、移動距離の長い派手な可動演出が可能となる。なお、移動中の画像を過渡的な画像にすることで、移動速度を高速化できることは先に説明した通りである。
また、図33の実施例では、二つの表示装置DSa,DSbを上下に配置して、互いに上下方向に移動させたが、二つの表示装置DSa,DSbを左右に配置して、互いに左右方向に移動させるのも好適である。なお、二つの表示装置に限定されず、3個又はそれ以上を適宜に配置し、これらを直線的又は非直線的に縦横に移動させるのも好適である。
以上、本明細書では、弾球遊技機に関して各種の構成を説明したが、本発明は、弾球遊技機に限らず、回胴遊技機など、画像演出を伴う他の遊技機においても好適に活用できることは勿論である。