以下、実施例を図面を用いて説明する。なお、以下に記載される実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施例にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。また、本実施例における発明の用途や用語は、その要旨を逸脱しない限り、これに限定するものではない。
以下、本発明の一実施例を図1に沿って説明する。
図1は、本実施例に係る、列車制御検知用送受信装置100の構成を示すブロック図である。
軌道回路の優先度は運行に支障を及ぼす度合いによって決定し、故障すると列車運行に支障が出る軌道回路は優先度を高くして軌道回路(優先度高)104とし、故障しても別ルートで列車運行の継続が出来る軌道回路は優先度を低くして軌道回路(優先度低)105とする。
列車制御検知用送受信装置100は、軌道回路(優先度高)104および軌道回路(優先度低)105を備え、軌道回路(優先度高)104あるいは軌道回路(優先度低)105のいずれかと通信を行い、軌道回路(優先度高)104あるいは軌道回路(優先度低)105のいずれかに対し列車制御用信号を送信し、軌道回路(優先度高)104あるいは軌道回路(優先度低)105のいずれかから列車検知信号を受信する常用送受信器(優先度高)101と常用送受信器(優先度低)102と予備送受信器103を備える。
軌道回路(優先度高)104が常用送受信器(優先度高)101か常用送受信器(優先度低)102か予備送受信器103のどれと通信を行うか切り替えを行う、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106と常用送受信器接続先切替スイッチ108と予備送受信器接続先切替スイッチ109を備える。さらに、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107を備え、上記の切替スイッチと軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107を使用して、軌道回路(優先度低)105が常用送受信器(優先度低)102か予備送受信器103のどれと通信を行うか切り替えを行う。これらの切替スイッチ及び常用送受信器(優先度高)101と常用送受信器(優先度低)102と予備送受信器103を制御する制御部110を備える。
常用送受信器(優先度高)101と、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106と、軌道回路(優先度高)104はそれぞれN個(Nは1以上の整数)からなり、1からNまでの番号を割り当てる。番号n(nは1以上、N以下の整数)を割り当てた常用送受信器(優先度高)101と、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106と、軌道回路(優先度高)104をそれぞれ、常用送受信器(優先度高)101−nと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nと、軌道回路(優先度高)104−nとする。
常用送受信器(優先度低)102と、常用送受信器接続先切替スイッチ108と、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107と、軌道回路(優先度低)105は、それぞれM個(Mは1以上の整数)からなり、1からMまでの番号を割り当てる。番号m(mは1以上、M以下の整数)を割り当てた常用送受信器(優先度低)102と、常用送受信器接続先切替スイッチ108と、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107と、軌道回路(優先度低)105をそれぞれ、常用送受信器(優先度低)102−mと、常用送受信器接続先切替スイッチ108−mと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mと、軌道回路(優先度低)105−mとする。
予備送受信器103と、予備送受信器接続先切替スイッチ109はそれぞれK個(Kは1以上の整数)からなり、1からKまでの番号を割り当てる。番号k(kは1以上、K以下の整数)を割り当てた予備送受信器103と、予備送受信器接続先切替スイッチ109は、それぞれ、予備送受信器103−kと、予備送受信器接続先切替スイッチ109−kとする。
常用送受信器(優先度高)101−nは、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nと、論理部110に接続する。
軌道回路(優先度高)104−nは、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nと接続する。
軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nは、常用送受信器(優先度高)101−nと軌道回路(優先度高)104−nと常用送受信器接続先切替スイッチ108−1から常用送受信器接続先切替スイッチ108−Mと、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1から予備送受信器接続先切替スイッチ109−Kと論理部110に接続する。
さらに、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nは、軌道回路(優先度高)104−nの通信対象を、常用送受信器(優先度高)101−nか、常用送受信器接続先切替スイッチ108−1から常用送受信器接続先切替スイッチ108−Mか、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1から予備送受信器接続先切替スイッチ109−Kのいずれかにするか、通信対象無しに切り替えることができる。
常用送受信器(優先度低)102−mは、常用送受信器接続先切替スイッチ108−mと論理部110に接続する。
常用送受信器接続先切替スイッチ108−mは、常用送受信器(優先度低)102−mと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−Mと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−Nと、論理部110に接続する。
さらに、常用送受信器接続先切替スイッチ108−mは、常用送受信器(優先度低)102−mの通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−Mか、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−Nのいずれかにするか、通信対象無しに切り替えることができる。
軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mは、軌道回路(優先度低)105−mと、常用送受信器接続先切替スイッチ108−1から常用送受信器接続先切替スイッチ108−Mと、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1から予備送受信器接続先切替スイッチ109−Kと、論理部110に接続する。
さらに、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mは、軌道回路(優先度低)105−mの通信対象を、常用送受信器接続先切替スイッチ108−1から常用送受信器接続先切替スイッチ108−Mか、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1から予備送受信器接続先切替スイッチ109−Kのいずれかにするか、通信対象無しに切り替えることができる。
軌道回路(優先度低)105−mは、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mと、接続する。
予備送受信器103−kは、予備送受信器接続先切替スイッチ109−kと、論理部110に接続する。
予備送受信器接続先切替スイッチ109−kは、予備送受信器103−kと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−Nと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−Mと、論理部110に接続する。
さらに、予備送受信器接続先切替スイッチ109−kは、予備送受信器103−kの通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−Nか、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−Mのいずれかにするか、通信対象無しに切り替えることができる。
論理部110は、常用送受信器(優先度高)101−1から常用送受信器(優先度高)101−Nと、常用送受信器(優先度低)102−1から常用送受信器(優先度低)102−Mと、予備送受信器103−1から予備送受信器103−Kと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−Nと、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−1から軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−Mと、常用送受信器接続先切替スイッチ108−1から常用送受信器接続先切替スイッチ108−Mと、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1から予備送受信器接続先切替スイッチ109−Kに接続する。
論理部110は、常用送受信器(優先度高)101−1から常用送受信器(優先度高)101−Nおよび、常用送受信器(優先度低)102−1から常用送受信器(優先度低)102−Mの全てが正常のとき、1以上N以下の全ての自然数nに対し、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−nを制御して、軌道回路(優先度高)104−nの通信対象を、常用送受信器(優先度高)101−nにし、かつ、1以上M以下の全ての自然数mに対し、常用送受信器接続先切替スイッチ108−mを制御して、常用送受信器(優先度低)102−mの通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mにし、かつ、1以上M以下の全ての自然数mに対し、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−mを制御して、軌道回路(優先度低)105−mの通信対象を、常用送受信器接続先切替スイッチ108−mにし、かつ、1以上K以下の全ての自然数kに対し、予備送受信器接続先切替スイッチ109−kを制御して、予備送受信器103−kの通信対象を、通信対象無しに切り替える。
常用送受信器(優先度高)101、または、常用送受信器(優先度低)102、または、予備送受信器103のいずれか(以下、これらをまとめて送受信器と呼ぶ)に異常が発生した時の論理部110の動作を図2から図7に従って説明する。
図2は、本実施例に係る、送受信器に異常が発生した場合の切替処理を示すフローチャートである。
論理部110は、送受信器に異常が発生したとき(以下、異常発生送受信器501と呼ぶ)、異常発生送受信器501を通信対象としている軌道回路(以下、切替対象軌道回路502と呼ぶ)が存在するか確認する(図2の202)。切替対象軌道回路502が存在しなければ(図2の202のNO)、論理部は処理を終了する(図2の206)。切替対象軌道回路502が存在してれば(図2の202のYES)、論理部はその切替対象軌道回路502の優先度を確認する(図2の203)。その切替対象軌道回路502の優先度が高い(図2の203の「高い」)、すなわち、その切替対象軌道回路502が軌道回路(優先度高)104の一つであれば、論理部は軌道回路(優先度高)104の通信対象切替処理を行う(図2の204)。その切替対象軌道回路502の優先度が低い(図2の203の「低い」)、すなわち、その切替対象軌道回路502が軌道回路(優先度低)105の一つであれば、論理部は軌道回路(優先度低)105の通信対象切替処理を行う(図2の205)。これらの処理のいずれかの行った後、論理部は処理を終了する(図2の206)。
図3は、軌道回路(優先度高)104の通信対象切替処理を示すフローチャートである。この場合、切替対象軌道回路502は軌道回路(優先度高)104の一つなので、切替対象軌道回路502を軌道回路(優先度高)104−p(pは1以上、N以下の整数)とする。
論理部は、予備送受信器103の中に、軌道回路(優先度高)104と軌道回路(優先度低)105のどの軌道回路も通信対象としていないものがあるか確認し(図3の302)、あれば(図3の302のYES)そのうちの一つである予備送受信器103−r(rは1以上、K以下の整数)を任意に選択し、それを切替対象軌道回路502の通信対象とし(図3の308)、軌道回路(優先度高)104の通信対象切替処理を終了する(図3の309)。
予備送受信器103の中に、軌道回路(優先度高)104と軌道回路(優先度低)105のどの軌道回路も通信対象としていないものがなければ(図3の302のNO)、論理部は、軌道回路(優先度低)105のいずれかの軌道回路が通信対象にしている送受信器があるか確認する(図3の303)。
軌道回路(優先度低)105のいずれかの軌道回路が通信対象にしている送受信器がなければ(図3の303のNO)、論理部は、切替対象軌道回路502の通信対象を、通信対象無しにし(図3の305)、切替対象軌道回路502への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信し(図3の307)、軌道回路(優先度高)104の通信対象切替処理を終了する(図3の309)。
軌道回路(優先度低)105のいずれかの軌道回路が通信対象にしている送受信器があれば(図3の303のYES)、論理部は、そのうちの一つを任意に選択する。以下、選択した送受信器を切替対象送受信器503と呼ぶ。このときに、切替対象送受信器503を通信対象としている軌道回路を切断対象軌道回路504と呼ぶ。切断対象軌道回路504は軌道回路(優先度低)105のいずれかなので、それを軌道回路(優先度低)105−q(qは1以上、M未満の整数)とする。
論理部は、切断対象軌道回路504の通信対象を、通信対象無しにし(図3の304)、切断対象軌道回路504への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信する(図3の306)。さらに、論理部は、切替対象軌道回路502の通信対象を、切替対象送受信器503にして(図3の308)、軌道回路(優先度高)104の通信対象切替処理を終了する(図3の309)。
図5は、軌道回路(優先度高)104の通信対象を予備送受信器103に切り替える切替処理の動作例を示す図である。図5は図1を元に、各送受信器とスイッチと軌道回路の接続の線の記載を省略している。図5の例により、図3の302のYESから図3の308の動作を説明する。
この場合、論理部110は、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)の通信対象を異常発生送受信器501から予備送受信器103−rに切り替える。異常発生送受信器501は常用送受信器(優先度高)101−pとする。切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)と接続する軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106は軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pである。予備送受信器103−rと接続する予備送受信器接続先切替スイッチ109は予備送受信器接続先切替スイッチ109−rである。
よって、論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pを切り替え、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)の通信対象を、予備送受信器接続先切替スイッチ109−rにする。これにより、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度高)101−p)は、軌道回路に対し列車制御用信号を送信したり、軌道回路から列車検知信号を受信したりすることがなくなる。
さらに、論理部110は、予備送受信器接続先切替スイッチ109−rを切り替え、予備送受信器103−rの通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pにする。
このように、軌道回路(優先度高)104−pの通信対象は必ずしも常用送受信器(優先度高)101−pとは限らず、予備送受信器103のうちのいずれかになる場合がある。
図6は、軌道回路(優先度高)104の通信対象を、対象無しに切り替える切替処理の動作例を示す図である。図6は図1を元に、各送受信器とスイッチと軌道回路の接続の線の記載を省略している。図6の例により、図3の305の動作を説明する。切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)と接続する軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106は軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pである。
論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pを切り替え、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)の通信対象を、通信対象無しに切り替える。
図7は、軌道回路(優先度高)104の通信対象を、軌道回路(優先度低)105が通信対象としている常用送受信器(優先度低)102に切り替える切替処理の動作例を示す図である。図7は図1を元に、各送受信器とスイッチと軌道回路の接続の線の記載を省略している。図7の例により、図3の303のYES、図3の304、図3の306、図3の308の動作を説明する。切断対象軌道回路504(軌道回路(優先度低)105−q)と接続する軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107は軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qである。切替対象送受信器503を通信対象は常用送受信器(優先度低)102−qとする。切替対象送受信器503(通信対象は常用送受信器(優先度低)102−q)と接続する常用送受信器接続先切替スイッチ108は、常用送受信器接続先切替スイッチ108−qである。
この場合、論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qにより、切断対象軌道回路504(軌道回路(優先度低)105−q)の通信対象を、通信対象無しに切り替え、切断対象軌道回路504(軌道回路(優先度低)105−q)への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信する。
論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pを切り替え、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度高)104−p)の通信対象を、常用送受信器接続先切替スイッチ108−qにする。これにより、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度高)101−p)は、軌道回路に対し列車制御用信号を送信したり、軌道回路から列車検知信号を受信したりすることがなくなる。
論理部110は、常用送受信器接続先切替スイッチ108−qにより、切替対象送受信器503(通信対象は常用送受信器(優先度低)102−q)の通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−pに切り替える。
このように、軌道回路(優先度高)104−pの通信対象は必ずしも常用送受信器(優先度高)101−pとは限らず、常用送受信器(優先度低)102のうちのいずれかになる場合がある。
図4は、軌道回路(優先度低)105の通信対象切替処理を示すフローチャートである。この場合、切替対象軌道回路502は軌道回路(優先度低)105の一つなので、切替対象軌道回路502を軌道回路(優先度低)105−q(qは1以上、M以下の整数)とする。
論理部は、予備送受信器103の中に、軌道回路(優先度高)104と軌道回路(優先度低)105のどの軌道回路も通信対象としていないものがあるか確認し(図4の402)、あれば(図4の402のYES)そのうちの一つである予備送受信器103−s(sは1以上、K以下の整数)を任意に選択し、それを切替対象軌道回路502の通信対象とし(図4の404)、軌道回路(優先度低)105の通信対象切替処理を終了する(図4の406)。
予備送受信器103の中に、軌道回路(優先度高)104と軌道回路(優先度低)105のどの軌道回路も通信対象としていないものがなければ(図4の402のNO)、論理部は、切替対象軌道回路502の通信対象を、通信対象無しにし(図4の403)、切替対象軌道回路502への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信し(図4の405)、軌道回路(優先度低)105の通信対象切替処理を終了する(図4の406)。
図8は、軌道回路(優先度低)105の通信対象を予備送受信器103に切り替える切替処理の動作例を示す図である。図8は図1を元に、各送受信器とスイッチと軌道回路の接続の線の記載を省略している。図8の例により、図4の402のYESから図4の404の動作を説明する。この場合、論理部110は、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)の通信対象を異常発生送受信器501から予備送受信器103−sに切り替える。異常発生送受信器501は常用送受信器(優先度低)102−qとする。切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)と接続する軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107は軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qである。予備送受信器103−sと接続する予備送受信器接続先切替スイッチ109は予備送受信器接続先切替スイッチ109−sである。異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度低)102−q)と接続する常用送受信器接続先切替スイッチ108は常用送受信器接続先切替スイッチ108―qである。
論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qを切り替え、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)の通信対象を、予備送受信器接続先切替スイッチ109−sにする。論理部110は、常用送受信器接続先切替スイッチ108―qを切り替え、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度低)102−q)の接続対象を、通信対象無しにする。これにより、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度低)102−q)は、軌道回路に対し列車制御用信号を送信したり、軌道回路から列車検知信号を受信したりすることがなくなる。
さらに、論理部110は、予備送受信器接続先切替スイッチ109−sを切り替え、予備送受信器103−sの通信対象を、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qにする。このように、軌道回路(優先度低)105−qの通信対象は必ずしも常用送受信器(優先度低)102−qとは限らず、予備送受信器103のうちのいずれかになる場合がある。
図9は、軌道回路(優先度低)105の通信対象を、対象無しに切り替える切替処理の動作例を示す図である。図9は図1を元に、各送受信器とスイッチと軌道回路の接続の線の記載を省略している。図9の例により、図4の403から405の動作を説明する。この場合、論理部110は、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)の通信対象を異常発生送受信器501から通信対象無しに切り替える。異常発生送受信器501は常用送受信器(優先度低)102−qとする。切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)と接続する軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107は軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qである。論理部110は、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−qを切り替え、切替対象軌道回路502(軌道回路(優先度低)105−q)の通信対象を、通信対象無しに切り替える。
論理部110は、常用送受信器接続先切替スイッチ108―qを切り替え、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度低)102−q)の接続対象を、通信対象無しにする。これにより、異常発生送受信器501(常用送受信器(優先度低)102−q)は、軌道回路に対し列車制御用信号を送信したり、軌道回路から列車検知信号を受信したりすることがなくなる。
本実施形態において、切替対象軌道回路502の通信対象として切り替えることのできる常用送受信器(優先度低)102、あるいは、予備送受信器103が無い場合(図3の303のNO、図4の402のNO)、論理部は、切替対象軌道回路502の通信対象を通信対象無しにし(図3の305、図4の403)、切替対象軌道回路502への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信しているが(図3の307、図4の405)、切替対象軌道回路502の通信対象を通信対象無しにせず、切替対象軌道回路502への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信するだけでもよい。
本実施形態における常用送受信器の優先度は高い、低いの2通りであるが、3通り以上であっても良い。3通り以上の場合、予備送受信器は全ての常用送受信器の代替になり代わる事ができ、優先度が低位の常用送受信器は、優先度が高位の常用送受信器の代替になり代われるとしてもよい。
本実施例によれば、常用送受信器(優先度低)102が常用送受信器(優先度高)101の代替になれるため、予備送受信器103の設備数を削減出来る。例えば、運行に致命的な影響を及ぼす軌道回路(優先度高)104の通信対象となっている常用送受信器(優先度高)101が故障したとき、利用可能な予備送受信器103が無い場合、運行に致命的な影響を及ぼさない軌道回路(優先度低)105の通信対象となっている常用送受信器(優先度低)102を上記の常用送受信器(優先度高)101の代替として切り換えることで、システムダウンにならず最低限の列車運行を行うことができるという利点を有している。
以下、本発明の別の実施例を図10を用いて説明する。
本実施例は、図1に示す実施の形態に保守端末1001を追加したものである。
保守端末1001は論理部110と通信し、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、常用送受信器接続先切替スイッチ108、予備送受信器接続先切替スイッチ109の切替状況を取得して表示する。これにより、常用送受信器(優先度高)101のそれぞれ、常用送受信器(優先度低)102のそれぞれ、予備送受信器103のそれぞれの通信対象を表示し、軌道回路(優先度高)104のそれぞれ、軌道回路(優先度低)105のそれぞれの通信対象を表示する。
保守端末1001は、正常な常用送受信器(優先度低)102のいずれか、または、正常な予備送受信器103のいずれかの内、軌道回路(優先度高)104、あるいは、軌道回路(優先度低)105のいずれかと通信可能で、かつ、軌道回路(優先度低)105のいずれかを通信対象にしているものを表示する。
保守端末1001は、論理部110と通信し、列車の進入を抑止した切替対象軌道回路502が有る場合は、その軌道回路に対して列車の進入を抑止している旨を表示する。
保守端末1001は、論理部110と通信し、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、常用送受信器接続先切替スイッチ108、予備送受信器接続先切替スイッチ109への制御指示を発行する。
論理部110は、定期的に、あるいは切替状況に変化があったときに、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、常用送受信器接続先切替スイッチ108、予備送受信器接続先切替スイッチ109の切替状況を保守端末1001へ送信する。
論理部110は、列車の進入を抑止した切替対象軌道回路502が有る場合は、その切替対象軌道回路502の情報を保守端末1001に送信する。
論理部110は、保守端末1001から制御指示を受信したとき、それに従って軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、常用送受信器接続先切替スイッチ108、予備送受信器接続先切替スイッチ109を制御する。
本実施例の動作例を説明する。説明を単純にするため、常用送受信器(優先度高)101と軌道回路(優先度高)104をそれぞれ2台、常用送受信器(優先度低)102と軌道回路(優先度低)105をそれぞれ2台、予備送受信器103を1台とする。
図11は保守端末1001における切替スイッチ1100の通信対象を示す図の例である。切替スイッチ1100は、切替スイッチの1番目の通信対象1101の通信対象を、切替スイッチの2番目の通信対象1102から切替スイッチの5番目の通信対象1105のいずれかか、通信対象無しに切り替える機能を持つ。切替スイッチの1番目の通信対象1101の通信対象が無い場合、切替スイッチの1番目の通信対象1101の端点と切替スイッチの通信対象無しを示す図1106を線でつないで表示する(図11の(a))。切替スイッチの1番目の通信対象1101の通信対象が切替スイッチの3番目の通信対象1103の場合、切替スイッチの1番目の通信対象1101の端点と切替スイッチの3番目の通信対象1103の端点を線でつないで表示する(図11の(b))。切替スイッチの1番目の通信対象1101の通信対象が切替スイッチの2番目の通信対象1102、切替スイッチの4番目の通信対象1104、切替スイッチの5番目の通信対象1105のときも、それぞれ同様に示す。さらに、保守端末1001に切替スイッチ1100へ切替指示を入力するとき、GUI(Graphical User Interface)により通信対象を選択する。
図12は、保守端末1001がこの構成を表示する例である。軌道回路(優先度高)104のu番目(軌道回路(優先度高)104−u、uは1以上2以下の整数)を軌道回路(優先度高)uとし、常用送受信器(優先度高)101のu番目(常用送受信器(優先度高)101−u)を常用送受信器(優先度高)uとする。
軌道回路(優先度低)105のu番目(軌道回路(優先度低)105−u)を軌道回路(優先度低)uとし、常用送受信器(優先度低)102のu番目(常用送受信器(優先度低)102−u)を常用送受信器(優先度低)uとする。
全ての装置が正常であるとき、軌道回路(優先度高)104−uは常用送受信器(優先度高)101−uを通信対象とし、軌道回路(優先度低)105−uは常用送受信器(優先度低)102−uを通信対象とし、予備送受信器103−1は通信対象無しとなる。
軌道回路(優先度高)104−uが常用送受信器(優先度高)101−uを通信対象としていることを図12の106−uで示す。
軌道回路(優先度低)105−uが常用送受信器(優先度低)102−uを通信対象としていることを、図12の軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−uと常用送受信器接続先切替スイッチ108−uで示す。
予備送受信器103が通信対象無しであることを、図12の予備送受信器接続先切替スイッチ109−1で示す。
図13は、常用送受信器(優先度低)102−2に異常が発生したときの保守端末1001の表示例である。常用送受信器(優先度低)102−2に異常が発生したとき、予備送受信器103−1を通信対象としている軌道回路が無いので、論理部110は、軌道回路(優先度低)105−2の通信対象を予備送受信器103−1にするために、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−2の通信対象を予備送受信器接続先切替スイッチ109−1にし、予備送受信器接続先切替スイッチ109−1の通信対象を軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−2にする。さらに、常用送受信器(優先度低)102−2の通信対象を無しにするために、常用送受信器接続先切替スイッチ108−2の通信対象を無しにする。
この後、保守のため常用送受信器(優先度高)101−2を切り離す必要が生じたとき、保守員が、保守端末1001により、軌道回路(優先度高)104−2の通信対象を予備送受信器103−1にし、軌道回路(優先度低)105−2の通信対象を通信対象無しにする例を示す。図13の状態で、軌道回路(優先度低)105−2の通信対象を無しにするために、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107−2の通信対象を無しにする。予備送受信器接続先切替スイッチ109−1の通信対象を軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−2にする。軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106−2の通信対象を予備送受信器接続先切替スイッチ109−1にする。このとき、軌道回路(優先度低)105−2の通信対象が無しになったので、論理部110は軌道回路(優先度低)105−2への列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信する。
図14は、保守端末1001で常用送受信器(優先度高)101−2を切り離したときの表示例である。
図15は、図12の状態において保守端末1001が軌道回路と送受信器の状態および通信対象を示す表示例である。図12の状態では、「軌道回路(優先度高)1」の通信対象が「常用送受信器(優先度高)1」であるので、「軌道回路(優先度高)1」を示す列「A」と、「常用送受信器(優先度高)1」を示す行「1」の交わる欄に「接続」と表示する。他の軌道回路、送受信器も同様である。各軌道回路はそれぞれの送受信器を通信対象としており、論理部110はその軌道回路への列車進入を抑止しないため、それぞれの軌道回路の列に「進入可」と表示する。全ての送受信器が正常であるため、それぞれの送受信器の行に「正常」と表示する。「常用送受信器(優先度高)1」、「常用送受信器(優先度高)2」は他の軌道回路を通信対象とすることができないため、それぞれの行に「代替不可」と表示する。「常用送受信器(優先度低)1」と「常用送受信器(優先度低)2」は軌道回路の通信対象となっており、かつ、他の軌道回路を通信対象とすることができるため、それぞれの行に「代替可*」と表示する。「代替可*」の表示のある送受信器は、他の軌道回路を通信対象とすることができるが、その場合、すでに通信対象となっている軌道回路との通信ができなくなり、その軌道回路への列車の進入ができなくなる。
予備送受信器は軌道回路の通信対象となっておらず、他の軌道回路を通信対象とすることができるため、その行に「代替可」と表示する。
図16は、図13の状態において保守端末1001が軌道回路と送受信器の状態および通信対象を示す表示例である。「常用送受信器(優先度低)2」に異常が発生したので、その行に「異常」と表示する。さらに、「常用送受信器(優先度低)2」は他の軌道回路を通信対象とすることができないため、その行に「代替不可」と表示する。「軌道回路(優先度低)2」は予備送受信器103−1を通信対象とするため、「常用送受信器(優先度低)2」の列と予備送受信器の行の交わる欄に「接続」と表示する。
図17は、図14の状態において保守端末1001が軌道回路と送受信器の状態および通信対象を示す表示例である。「軌道回路(優先度低)2」の通信対象を無しにしたので、「軌道回路(優先度低)2」の列から「接続」の表示を消し、「進入不可」と表示する。「軌道回路(優先度高)2」の通信対象を予備送受信器103−1にしたので、「軌道回路(優先度高)2」の列と予備送受信器の行の交わる欄に「接続」と表示する。
本実施例によれば、保守端末1001により、軌道回路がどの送受信器を通信対象にしているかが容易に分かり、軌道回路(優先度高)104、あるいは、軌道回路(優先度低)105のいずれをも通信対象としていない予備送受信器103が無い場合に、通信対象として切り替え可能な常用送受信器(優先度低)102、あるいは、予備送受信器103が容易に分かる。さらに、保守端末1001により、列車の進入を抑止した軌道回路が容易に分かる。
これらの実施例では、切替スイッチ(軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、および、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、および、常用送受信器接続先切替スイッチ108、および、予備送受信器接続先切替スイッチ109)は独立した別のものである必要は無く、本実施例の機能を満たすものであれば、一体のものでも良い。
これらの実施例では、予備送受信器103を備えているが、予備送受信器103を備えなくても良い。その場合、通信対象になっていない予備送受信器103の存在を確認する制御(図3の302、図4の402)において、常にNOとするか、切替対象軌道回路502を予備送受信器103に切り替える制御(図3の302、図4の402、404)を無くす。軌道回路(優先度高)104が通信対象とする常用送受信器(優先度高)101に異常が発生したとき、いずれかの軌道回路(優先度低)105の通信対象を無しとし、その軌道回路(優先度低)105が通信対象としていた常用送受信器(優先度低)102を上記の軌道回路(優先度高)104の通信対象とすることにより、軌道回路(優先度高)104の制御を継続することができる。
さらに、論理部110および保守端末1001を備えなくてもよい。その場合、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度高)106、あるいは、軌道回路接続先切替スイッチ(優先度低)107、あるいは、常用送受信器接続先切替スイッチ108、あるいは、予備送受信器接続先切替スイッチ109の切り替えを手動で行い、送受信器に異常が発生したときの切替処理を実施する。
通信対象を無しにした軌道回路(軌道回路(優先度高)104、あるいは、軌道回路(優先度低)105)への列車の進入を運用により手動で抑止する場合は、列車の進入を抑止する列車制御用信号を送信する処理(図3の307、図4の405)が無くてもよい。
これらにより、設備の削減、または、機能の削減ができ、開発、製造、設置、保守等のコストの削減が可能になる。