以下本発明をその実施形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る位置検出装置の外観を示す模式図である。位置検出装置は、画像を表示する表示ユニット1と、先端が発光するペン型の発光体2と、表示ユニット1を用いた処理を行う処理ユニット3とを備えている。表示ユニット1と処理ユニット3とは通信線で接続されている。位置検出装置は二本の発光体2を備えており、各発光体2は異なる波長の光を発光するようになっている。例えば、一方の発光体2は青色光を発光し、他方の発光体2は赤色光を発光する。処理ユニット3は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、キーボード41及びマウス42が接続されている。使用者は、発光体2の先端を表示ユニット1の表面に接触させ、位置検出装置は、発光体2が発光した光を表示ユニット1内で受光し、受光した光の強度に基づいて、発光体2が接触した位置を検出する処理を行う。
図2は、実施形態1に係る表示ユニット1及び処理ユニット3の内部の電気的な構成を示すブロック図である。表示ユニット1は、画像を表示する表示部12を備える。表示部12は、液晶パネル又はEL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルと、表示パネルに画像を表示させるための制御回路とを含んでいる。また、表示ユニット1は、発光体2が発光した光を受光する受光部13を備えている。表示部12及び受光部13は、図示しないインタフェース部及び通信線を介して処理ユニット3に接続されている。処理ユニット3は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )31と、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)32と、光ディスク等の本発明の記録媒体5から情報を読み取るCD−ROMドライブ等のドライブ部33と、ハードディスク等の記憶部34とを備えている。CPU31は、記録媒体5からコンピュータプログラム51をドライブ部33に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム51を記憶部34に記憶させる。コンピュータプログラム51は必要に応じて記憶部34からRAM32へロードされ、ロードされたコンピュータプログラム51に基づいてCPU31は位置検出装置に必要な処理を実行する。記憶部34は、CPU31が実行すべき処理に必要なデータを記憶している。また、記憶部34は、位置検出装置を制御するための各種の設定データを記憶している。CPU31には、通信線及び図示しないインタフェース部を介して表示部12及び受光部13が接続されており、更に、図示しないインタフェース部を介してキーボード41及びマウス42が接続されている。CPU31は、キーボード41又はマウス42からの入力を受け付ける。なお、表示ユニット1と処理ユニット3との間は無線で接続されていてもよい。
図3は、ペン型の発光体2の内部構成を示すブロック図である。発光体2の先端は、シリコンゴム等の透光性のある材料で形成されたドーム状の先端部23になっている。先端部23の内側には発光素子21が配置されている。発光素子21は例えば発光ダイオードである。各発光体2は、互いに発光波長の異なる発光素子21を備えている。先端部23には感圧センサ24が連結している。先端部23が他の物体に接触した場合は、先端部23は押圧され、感圧センサ24は先端部23が押圧されたことを検出する。即ち、感圧センサ24は、先端部23が他の物体に接触したことを検出する。
また、発光体2は、発光素子21の点灯制御を行う制御部25と、電池22と、電池22からの電力を他の部分へ供給する電源回路26とを備えている。電池22は、例えば乾電池である。発光素子21及び感圧センサ24は制御部25に接続されている。制御部25は、先端部23が他の物体に接触したことを感圧センサ24が検出した場合に、発光素子21を点灯させる。先端部23が他の物体に接触したことを感圧センサ24が検出していない場合は、制御部25は発光素子21を消灯させる。電池22からの電力を電源回路26が供給することによって、発光素子21は発光が可能になっている。発光体2の長時間の使用に伴って電池22の残存容量が低下した場合は、電池22の起電力が低下し、発光素子21の発光強度は低下する。
図4は、表示ユニット1の模式的正面図であり、図5は、表示ユニット1の内部の部分的斜視図である。表示ユニット1は、矩形の導光板11を備えている。導光板11は透光性を有しており、表面又は背面にほぼ直交する光は透過する。表示部12に含まれる表示パネル121は、導光板11の背面側の位置に、導光板11に重ねて配置されている。導光板11は、表示パネル121よりも大きい。図4に示すように、正面視で、導光板11は表示パネル121を覆っている。CPU31は、表示部12に表示させるべき画像を表す画像データを生成し、表示部12へ送信する。表示部12は、画像データを受信し、受信した画像データに基づいた画像を表示パネル121に表示する。表示パネル121に表示された画像は、導光板11を通して使用者に視認される。
導光板11の表面は、表示ユニット1の表面になっており、発光体2の先端が接触される。導光板11へ表面に対して斜めに入射した光は、導光板11内を伝播する。発光体2の先端部23が表示ユニット1の表面に接触した場合、発光素子21が発光し、光が導光板11へ入射する。導光板11へ入射した光は、導光板11内を放射状に伝播する。一部の光は、導光板11の四隅の夫々へ向けて伝播する。図5中には、導光板11の四隅の内の二隅へ向けて伝播する光の経路を一点鎖線で示している。図6は、導光板11の一隅へ向けて伝播する光の経路に沿った表示ユニット1の模式的部分断面図である。図の上側が導光板11の正面側であり、図の下側が導光板11の背面側である。図中には、光の経路を矢印で示している。発光体2から入射した光は、導光板11の内部で反射を繰り返しながら伝播する。導光板11の四隅の背面には、夫々に光学部材14が配置されている。光学部材14は、導光板11の背面に交差する向きの内部反射面を有している。図6に示すように、発光体2から入射された光の内の一部は、導光板11の隅で光学部材14へ入射し、光学部材14へ入射した光は、内部反射面で反射して、導光板11の背面側へ出射する。このようにして、導光板11へ入射した光の内の一部は、四隅の夫々において導光板11の背面側へ出射する。
受光部13は、二つの撮像素子131及び二つの撮像素子132を含んでいる。撮像素子131及び132は、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor )イメージセンサである。撮像素子131の夫々は、導光板11の四隅の内の隣接する二隅の背面側に配置されている。また、撮像素子132の夫々は、導光板11の他の二隅の背面側に配置されている。図6に示すように、発光体2から導光板11へ入射した光の一部は、導光板11の背面側へ出射して、撮像素子131へ入射する。同様に、発光体2から導光板11へ入射した光の一部は、撮像素子132へ入射する。
受光部13は、撮像素子131及び撮像素子132が受光する光の波長を選別するための図示しない光学フィルタを含んでいる。より詳しくは、一方の発光体2が発光する波長の光を透過させ、他方の発光体2が発光する波長の光を遮断する光学フィルタが、光学部材14と撮像素子131との間に配置されている。また、一方の発光体22が発光する波長の光を遮断し、他方の発光体2が発光する波長の光を透過させる光学フィルタが、光学部材14と撮像素子132との間に配置されている。即ち、撮像素子131は、一方の発光体2からの光を受光し、他方の発光体2からの光は受光しない。撮像素子132は、一方の発光体2からの光は受光せず、他方の発光体2からの光を受光する。更に、光学部材14と撮像素子131及び撮像素子132の夫々との間には、レンズ等のその他の図示しない光学部品が配置されている。
撮像素子131及び132は、撮像を行い、撮像画像を生成する。生成した撮像画像には、発光体2からの光に起因する光像が含まれる。受光部13は、撮像素子131及び132の夫々が生成した撮像画像を表すデータを処理ユニット3へ送信する。CPU31は、受光部13から送信されたデータを受信し、受信したデータに基づいて、発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置、即ち発光体2の先端が表示ユニット1の表面に接触した位置を検出する処理を行う。
一方の発光体2からの光は二つの撮像素子131の夫々で受光され、夫々の撮像素子131が撮像画像を生成するので、発光体2からの光の光像を含む撮像画像は二つ生成される。図5に示すように、導光板11の表面に先端が接触した発光体2から導光板11の一隅までの光の経路がなす角度αは、発光体2の先端が接触する位置に応じて変化する。角度αが変化した場合、撮像画像中で、発光体2からの光の光像の位置が変化する。従って、撮像画像に含まれる発光体2からの光の光像の位置から、角度αを特定することができる。同様に、発光体2から導光板11の他の一隅までの光の経路がなす角度βは、もう一つの撮像素子131が生成した撮像画像に含まれる発光体2からの光の光像の位置から特定することができる。特定した角度α及び角度βを用いて、三角測量法により、一方の発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を計算することができる。同様にして、撮像素子132が生成した撮像画像に基づいて、他方の発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を計算することができる。角度α及び角度βを特定する方法、及び発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を計算する方法の詳細は、特許文献1に開示されている。CPU31は、コンピュータプログラム41に従って、特許文献1に開示された方法と同様の処理を実行する。このようにして、CPU31は、発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を検出する処理を行う。
CPU31は、更に、検出した光の入射位置に応じた処理を実行する。例えば、CPU31は、検出した位置の履歴を線で示す画像を表す画像データを生成し、生成した画像データに基づいた画像を表示部12に表示させる処理を行う。即ち、使用者が発光体2を用いて表示ユニット1の表面に書き込んだ文字又は絵を表す画像が表示部12に表示される。また、例えば、CPU31は、発光体2の接触位置に対応する命令を使用者から受け付けるグラフィカルユーザインタフェースを実現するための処理を実行する。
本実施形態においては、位置検出装置は、受光部13で受光した光の強度に基づいて、発光体2が内蔵している電池22の残存容量が不足しているか否かを判定する。残存容量は、電池22が放電することが可能な残存する電気容量である。図7は、実施形態1における位置検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。CPU31は、コンピュータプログラム51に従って以下の処理を実行する。受光部13は、随時、撮像素子131及び132の夫々が生成した撮像画像を表すデータを処理ユニット3へ送信する。CPU31は、随時、受光部13から送信された撮像画像を表すデータを受信する(S101)。二つの撮像素子131及び二つの撮像素子132が夫々に撮像画像を生成するので、CPU31は、四つの撮像画像を表すデータを受信する。CPU31は、受信したデータが表す撮像画像に含まれる光像の光の強度を検出し(S102)、検出した光の強度が所定の下限値を超過しているか否かを判定する(S103)。所定の下限値は、記憶部34に予め記憶されている。下限値は、撮像素子131及び132が受光することができる光の強度の最小値以上であり、CPU31が受光部13からのデータに基づいて検出することができる光の強度の最小値以上である。検出した光の強度が下限値以下である場合は(S103:NO)、CPU31は、処理をS101へ戻す。検出した光の強度が下限値以下である場合は、発光体2からの光が導光板11へ入射していない場合である。
発光体2からの光が導光板11へ入射した場合は、光の強度が下限値を超過する。検出した光の強度が下限値を超過している場合は(S103:YES)、CPU31は、検出した光の強度が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する(S104)。CPU31は、撮像素子131及び132が生成した撮像画像に基づいた光の強度の何れかが下限値を超過している場合にS104の処理を実行する。閾値は、電池22の起電力の低下に伴う発光体2の発光強度の低下を検出するための基準となる値であり、下限値を超過した値である。閾値は、予め記憶部34に記憶されている。S104では、CPU31は、閾値を記憶部34から読み出し、検出した光の強度と比較する。撮像素子131が生成した撮像画像に基づいた光の強度が下限値を超過している場合は、CPU31は、二つの撮像素子131が生成した撮像画像に基づいた光の強度の内、低い方の光の強度と閾値とを比較する。撮像素子132が生成した撮像画像に基づいた光の強度が下限値を超過している場合でも、CPU31は、同様に、二つの撮像素子132が生成した撮像画像に基づいた光の強度の内、低い方の光の強度と閾値とを比較する。
検出した光の強度が閾値以下である場合は(S104:YES)、CPU31は、発光体2が内蔵している電池22の残存容量が不足していると判定する(S105)。CPU31は、次に、電池22の残存容量が不足していることを使用者に報知するための報知画像と、使用者が発光体2の先端を表示ユニット1の表面に接触させる位置を指示する所定の図形を表示部12に表示させる(S106)。報知画像及び図形を表すデータは、予め記憶部34に記憶されている。CPU31は、報知画像及び図形を表すデータを記憶部34から読み出し、表示部12へ送信する。表示部12は、報知画像及び図形を表すデータを受信し、受信したデータに基づいた画像を表示パネル121を用いて表示する。なお、CPU31は、検出した光の強度が閾値以下である場合に、S105の処理を行わずに、S106の処理を行ってもよい。S106の後、CPU31は、処理をS101へ戻す。
図8は、報知画像及び図形を表示した表示ユニット1の例を示す模式図である。表示ユニット1には、電池22の残存容量が不足していること及び電池22の交換が必要であることを文字で報知する報知画像61と、所定の図形62とが表示されている。電池22の残存容量が不足している状態で使用者が発光体2を表示ユニット1の表面に接触させた場合、図8に示すごとき報知画像及び図形が表示されることになる。報知画像61の内容を確認した使用者は、発光体2が内蔵する電池22を交換する。使用者は、次に、図形62を指定するように、電池22を交換した発光体2の先端を表示ユニット1の表面に接触させる。
S104で、光の強度が閾値を超過している場合は(S104:NO)、CPU31は、前述した方法で発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を検出する(S107)。撮像素子131が生成した撮像画像に基づいた光の強度が下限値を超過している場合は、CPU31は、一方の発光体2からの光が入射した位置を検出する。撮像素子132が生成した撮像画像に基づいた光の強度が下限値を超過している場合は、CPU31は、他方の発光体2からの光が入射した位置を検出する。CPU31は、次に、報知画像61及び図形62を表示部12で表示中であるか否かを判定する(S108)。報知画像61及び図形62を表示中ではない場合は(S108:NO)、CPU31は、検出した位置に応じた処理を実行し(S109)、処理を終了する。処理を終了した後は、CPU31は、S101から処理を繰り返す。
報知画像61及び図形62を表示部12で表示中である場合は(S108:YES)、CPU31は、検出した位置が表示部12に表示した図形62に対応する位置であるか否かを判定する(S110)。例えば、検出した位置が、表示パネル121により表示された図形62の正面の位置にあればよい。検出した位置が図形62に対応する位置ではない場合は(S110:NO)、CPU31は、処理をS101へ戻す。検出した位置が図形62に対応する位置である場合は(S110:YES)、CPU31は、表示部12で表示している報知画像61及び図形62を消去する(S111)。CPU31は、報知画像61及び図形62を消去させるための制御信号を表示部12へ送信し、表示部12は、制御信号を受信し、受信した制御信号に応じて報知画像61及び図形62を消去する。S111が終了した後は、CPU31は、処理を終了する。処理を終了した後は、CPU31は、S101から処理を繰り返す。
なお、以上の例では、発光体2が内蔵する電池22が乾電池である例を示したが、電池22は二次電池であってもよい。この形態では、CPU31は、S106で、電池22の充電が必要であることを報知するための報知画像を表示部12に表示させる。報知画像の内容を確認した使用者は、発光体2が内蔵する電池22を充電する。また、S101〜S111の処理で用いられる下限値及び閾値は、撮像素子131と撮像素子132とで異なる値であってもよい。
以上詳述したごとく、本実施形態においては、位置検出装置は、発光体2からの光の強度に基づいて、発光体2が内蔵する電池22の状態を報知する。電池22の残存容量が不足した場合は、発光体2の発光強度が低下するので、位置検出装置は、光の強度を閾値と比較することで、電池22の残存容量の不足を判定することができる。このため、位置検出装置は、電池22の残存容量が不足した場合に、電池22の残存容量の不足を判定して報知することができる。また、位置検出装置は、電池22の残存容量の不足を報知する報知画像を表示する。使用者は、報知画像の内容を確認することで、電池22の残存容量が不足していることを知り、電池22の交換又は充電が必要なことを知ることができる。また、位置検出装置は、電池22の残存容量の不足を報知する際に、所定の図形を表示する。使用者は、電池22の交換又は充電が行われた発光体2の先端を、図形に対応する位置に接触させる。これにより、使用者は、電池22の交換又は充電が行われたことを位置検出装置に入力する。位置検出装置は、図形に対応した位置を検出した場合に、報知画像及び図形を消去する。この処理により、位置検出装置は、電池22の残存容量の不足が解消されたことを確認し、発光体2からの光の入射位置を検出する処理を再開することが可能となる。本実施形態によって、使用者が電池22の交換又は充電を適宜行うことが可能となり、電池22の残存容量の不足によって発光体2からの光の入射位置の検出が困難になることが防止される。従って、位置検出装置は、発光体2からの光の入射位置を検出する処理及び検出した位置に応じた処理を安定して実行することが可能となる。
(実施形態2)
位置検出装置では、表示ユニット1の表面に対する発光体2の接触が浅い場合若しくは短時間である場合、又は発光体2の接触位置が撮像素子から遠い場合に、撮像素子で受光する光の強度が低下する。従って、実施形態1に係る位置検出装置では、電池22の残存容量の不足とは別の原因で受光部13で受光する光の強度が低下し、その結果、電池22の残存容量が不足しているとの誤った報知を行う虞がある。実施形態2に係る位置検出装置は、誤った報知を防止するために、発光体2からの光を受光した時間の積算値に基づいて、電池22の残存容量の不足を判定する。位置検出装置の構成は、実施形態1と同様である。
図9及び図10は、実施形態2における位置検出装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。CPU31は、コンピュータプログラム51に従って以下の処理を実行する。受光部13は、随時、撮像素子131及び132の夫々が生成した撮像画像を表すデータを処理ユニット3へ送信する。CPU31は、随時、受光部13から送信された撮像画像を表すデータを受信する(S201)。CPU31は、受信したデータが表す撮像画像に含まれる光像の光の強度を検出し(S202)、検出した光の強度が予め定められた閾値を超過しているか否かを判定する(S203)。閾値は、発光体2からの光が入射しているか否かを判定するための基準となる値である。閾値は、撮像素子131及び132が受光することができる光の強度の最小値以上であり、CPU31が受光部13からのデータに基づいて検出することができる光の強度の最小値以上である。閾値は、予め記憶部34に記憶されている。S203では、CPU31は、閾値を記憶部34から読み出し、検出した光の強度と比較する。検出した光の強度が閾値以下である場合は(S203:NO)、CPU31は、処理をS101へ戻す。検出した光の強度が閾値以下である場合は、発光体2からの光が導光板11へ入射していない場合である。
検出した光の強度が閾値を超過している場合は(S203:YES)、CPU31は、時間測定を開始する(S204)。CPU31は、撮像素子131及び132が生成した撮像画像に基づいた光の強度の何れかが閾値を超過している場合にS204の処理を実行する。CPU31は、次に、実施形態1と同様の方法で発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を検出し(S205)、検出した位置に応じた処理を実行する(S206)。撮像素子131が生成した撮像画像に基づいた光の強度が閾値を超過している場合は、CPU31は、一方の発光体2からの光が入射した位置を検出する。撮像素子132が生成した撮像画像に基づいた光の強度が閾値を超過している場合は、CPU31は、他方の発光体2からの光が入射した位置を検出する。なお、CPU31は、S205及びS206の処理と他の処理とを並行して実行してもよい。
CPU31は、次に、受光部13から送信された撮像画像を表すデータを受信し(S207)、光の強度を検出し(S208)、検出した光の強度が閾値を超過しているか否かを判定する(S209)。光の強度が閾値を超過している場合は(S209:YES)、CPU31は、処理をS205へ戻す。光の強度が閾値以下である場合は(S209:NO)、CPU31は、時間測定を終了する(S210)。S204〜S209の処理により、CPU31は、検出した光の強度が閾値を超過している間の時間を測定する。記憶部34は、撮像素子131及び132の夫々について、測定した時間を積算した積算時間を記憶している。CPU31は、次に、測定した時間を記憶部34に記憶している積算時間に加算することにより、検出した光の強度が閾値を超過している間の時間を積算する(S211)。撮像素子131が生成した撮像画像に基づいた光の強度が閾値を超過している場合は、CPU31は、撮像素子131について記憶されている積算時間に測定した時間を加算する。撮像素子132が生成した撮像画像に基づいた光の強度が閾値を超過している場合は、CPU31は、撮像素子132について記憶されている積算時間に測定した時間を加算する。S211での処理により、新たな積算時間が計算される。
CPU31は、次に、計算した積算時間が積算時間の予め定められた閾値を超過しているか否かを判定する(S212)。積算時間の閾値は、発光体2が内蔵している電池22の残存容量が不足しているか否かを判定するための基準となる値である。積算時間がより長くなるほど、発光体2はより長時間発光していることになり、電池22はより長時間使用されたことになり、電池22の残存容量はより低下する。例えば、積算時間の閾値は9時間である。積算時間の閾値は、予め記憶部34に記憶されている。S212では、CPU31は、積算時間の閾値を記憶部34から読み出し、積算時間と比較する。積算時間が閾値以下である場合は(S212:NO)、CPU31は、S211で計算した積算時間を記憶部34に記憶させ(S213)、処理を終了する。処理を終了した後は、CPU31は、S201から処理を繰り返す。
積算時間が閾値を超過している場合は(S212:YES)、CPU31は、発光体2が内蔵している電池22の残存容量が不足していると判定する(S214)。CPU31は、次に、実施形態1と同様にして、報知画像及び図形を表示部12に表示させる(S215)。表示部12は、表示パネル121を用いて、電池22の残存容量が不足していることを使用者に報知する報知画像を表示し、所定の図形を表示する。報知画像の内容を確認した使用者は、発光体2が内蔵する電池22を交換するか、又は充電を行う。使用者は、次に、表示された図形を指定するように、電池22を交換した発光体2の先端を表示ユニット1の表面に接触させる。なお、CPU31は、積算時間が閾値を超過している場合に、S214の処理を行わずに、S215の処理を行ってもよい。
CPU31は、次に、受光部13から送信された撮像画像を表すデータを受信し(S216)、光の強度を検出し(S217)、検出した光の強度が閾値を超過しているか否かを判定する(S218)。光の強度が閾値以下である場合は(S218:NO)、CPU31は、処理をS216へ戻す。光の強度が閾値を超過している場合は(S218:YES)、CPU31は、発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を検出する(S219)。CPU31は、検出した位置が表示部12に表示した図形に対応する位置であるか否かを判定する(S220)。検出した位置が図形に対応する位置ではない場合は(S220:NO)、CPU31は、処理をS216へ戻す。検出した位置が図形に対応する位置である場合は(S220:YES)、CPU31は、表示部12で表示している報知画像及び図形を消去し(S221)、記憶部34に記憶している積算時間をリセットする(S222)。例えば、CPU31は、S222で、積算時間の値をゼロに書き換える。S222が終了した後、CPU31は、処理を終了する。処理を終了した後は、CPU31は、S201から処理を繰り返す。なお、S201〜S221の処理で用いられる光の強度の閾値及び積算時間の閾値は、撮像素子131と撮像素子132とで異なる値であってもよい。
以上詳述したごとく、本実施形態においては、位置検出装置は、発光体2からの光の強度が所定の閾値を超過している間の時間を積算し、積算時間に基づいて、発光体2が内蔵する電池22の残存容量が不足しているか否かを判定する。発光体2を長時間使用した場合は、電池22の残存容量が低下し、同時に積算時間も長くなるので、位置検出装置は、積算時間を閾値と比較することで、容易に電池22の残存容量の不足を判定することができる。このため、位置検出装置は、電池22の残存容量が不足した場合に、電池22の残存容量の不足を判定して報知することができる。発光体22の使用時間に基づいて判定が行われるので、電池22の残存容量の不足とは別の原因で受光部13で受光する光の強度が低下したとしても、電池22の残存容量が不足していると誤って判定されることがない。従って、位置検出装置は、電池22の残存容量が十分であるにも関わらず電池22の残存容量が不足しているとの誤った報知を行うことを防止することができる。本実施形態においても、電池22の残存容量の不足が報知されるので、使用者が電池22の交換又は充電を適宜行うことが可能となり、電池22の残存容量の不足によって発光体2からの光の入射位置の検出が困難になることが防止される。従って、位置検出装置は、発光体2からの光の入射位置を検出する処理及び検出した位置に応じた処理を安定して実行することが可能となる。
以上の実施形態1及び2においては、位置検出装置は、キーボード41及びマウス42を備えている形態を示したが、位置検出装置は、キーボード41及びマウス42を備えていない形態であってもよく、他の付属品を備えた形態であってもよい。
(実施形態3)
図11は、実施形態3に係る位置検出装置の外観を示す模式図である。実施形態3に係る位置検出装置は、表示ユニット1及び発光体2からなり、処理ユニット3を備えていない。図12は、実施形態3に係る表示ユニット1の内部の電気的な構成を示すブロック図である。表示ユニット1は、表示部12及び受光部13に加えて、CPU31、RAM32及び記憶部34を備えている。記憶部34は、コンピュータプログラム51を記憶している。表示ユニット1のその他の構成は、実施形態1及び2と同様である。また、発光体2の構成は実施形態1及び2と同様である。本実施形態に係る位置検出装置は、タブレット型のコンピュータであり、必要な情報処理を表示ユニット1内で実行する。
本実施形態においても、位置検出装置は、発光体2からの光が導光板11の表面に入射した位置を検出し、検出した位置に応じた処理を実行する。また、位置検出装置は、実施形態1又は2と同様の処理を実行することにより、発光体2からの光の強度に基づいて、発光体2が内蔵する電池22の残存容量が不足しているか否かを判定し、電池22の残存容量が不足している場合に、電池22の残存容量が不足していることを報知する。なお、位置検出装置は、報知画像を表示する方法以外の方法で電池22の残存容量の不足を報知する形態であってもよい。本実施形態においても、使用者が電池22の交換又は充電を適宜行うことが可能となり、電池22の残存容量の不足によって発光体2からの光の入射位置の検出が困難になることが防止される。従って、位置検出装置は、発光体2からの光の入射位置を検出する処理及び検出した位置に応じた処理を安定して実行することが可能となる。
なお、実施形態1〜3においては、電池22の残存容量の不足を文字で報知する報知画像を位置検出装置が表示する形態を示したが、位置検出装置は、その他の方法で報知を行う形態であってもよい。例えば、位置検出装置は、電池22の残存容量の不足を絵で示した報知画像を表示する形態であってもよい。また、位置検出装置は、報知画像を表示する方法以外の方法で電池22の残存容量の不足を報知する形態であってもよい。例えば、位置検出装置は、発光部を表示ユニット1に備え、発光部を発光させることで電池22の残存容量の不足を報知する形態であってもよい。また、例えば、位置検出装置は、所定の信号を外部へ出力すること、又は所定の音声出力することで電池22の残存容量の不足を報知する形態であってもよい。
また、実施形態1〜3においては、位置検出装置が二本の発光体2を備えた形態を示したが、位置検出装置は、一本の発光体2を備えた形態であってもよく、三本以上の発光体2を備えた形態であってもよい。いずれの形態においても、表示ユニット1は、一本の発光体2につき、二つの撮像素子を備えている。また、実施形態1〜3においては、発光体2の先端が表示ユニット1の表面に接触した場合に発光体2が発光する形態を示したが、発光体2は、その他のタイミングで発光する形態であってもよい。例えば、発光体2は、押下ボタンを備え、使用者が押下ボタンを押下した場合に発光する形態であってもよい。また、実施形態1〜3においては、発光体2の先端が導光板11の表面に接触する形態を示したが、位置検出装置は、導光板11を覆うシート状又は板状の透明部材を備え、透明部材の表面に接触した発光体2からの光が導光板11へ入射する形態であってもよい。また、実施形態1〜3においては、二つの撮像素子を利用して三角測量により光の入射位置を検出する形態を示したが、位置検出装置は、その他の方法で光の入射位置を検出する形態であってもよい。また、撮像素子の配置は、実施形態1で説明した例以外の配置であってもよい。また、実施形態1〜3においては、導光板11及び表示部12が表示ユニット1で一体となった形態を示したが、位置検出装置は、導光板11と表示パネル121とが分離した形態であってもよい。例えば、位置検出装置は、表示パネル121を含む表示部と、導光板11及び撮像素子を含むペンタブレットとを備え、表示部とペンタブレットとは別体になっている形態であってもよい。
以上のように、本発明に係る位置検出装置は、電池(22)を内蔵しており、先端が発光するペン型の発光体(2)と、該発光体(2)からの光が表面に入射して内部を伝播する導光板(11)と、該導光板(11)の内部を伝播した前記発光体(2)からの光を受光する受光部(13)と、該受光部(13)での受光結果に基づいて、前記発光体(2)からの光が前記導光板(11)の表面に入射した位置を検出する検出手段(31)とを備える位置検出装置において、前記受光部(13)が受光した光の強度を検出する手段(31)と、該手段が検出した光の強度に基づいて、前記発光体(2)が内蔵する電池(22)の状態を報知する報知手段(31、12)とを備えることを特徴とする。
本発明に係る位置検出装置は、前記報知手段(31、12)は、前記光の強度を予め定められた閾値と比較する手段(S104)と、前記光の強度が前記閾値以下である場合に、前記電池(22)の残存容量が不足していることを報知する手段(S106)とを有することを特徴とする。
本発明に係る位置検出装置は、前記報知手段(31、12)は、前記光の強度を予め定められた閾値と比較する手段(S203)と、前記光の強度が前記閾値を超過している間の時間を測定する手段(S204、S210)と、該手段が測定した時間を積算する手段(S211)と、該手段が積算した時間が予め定められた閾値を超過した場合に、前記電池の残存容量が不足していることを報知する手段(S213、S215)とを有することを特徴とする。
本発明に係る位置検出装置は、画像を表示する表示部(12)と、前記残存容量が不足していることを前記報知手段(31、12)が報知する際に、所定の図形を前記表示部(12)に表示させる手段(S106、S215)と、前記表示部(12)に表示した前記図形に対応する位置を前記検出手段(31)が検出した場合に、前記残存容量が不足していることを前記報知手段(31、12)が報知している状態を終了させる手段(S111、S221)とを更に備えることを特徴とする。
本発明に係る位置検出装置は、前記報知手段(31)は、前記残存容量が不足していることを示す画像を前記表示部(12)に表示させるように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る報知方法は、電池(22)を内蔵しており、先端が発光するペン型の発光体(2)と、該発光体(2)からの光が表面に入射して内部を伝播する導光板(11)と、該導光板(11)の内部を伝播した前記発光体(2)からの光を受光する受光部(13)と、該受光部(13)での受光結果に基づいて、前記発光体(2)からの光が前記導光板(11)の表面に入射した位置を検出する検出手段(31)とを備える位置検出装置で、前記発光体(2)が内蔵する電池(22)の状態を報知する方法であって、前記受光部(13)が受光した光の強度を検出し、検出した光の強度を予め定められた閾値と比較し、前記光の強度が前記閾値以下である場合に、前記電池(22)の残存容量が不足していることを報知することを特徴とする。
本発明に係る報知方法は、電池(22)を内蔵しており、先端が発光するペン型の発光体(2)と、該発光体(2)からの光が表面に入射して内部を伝播する導光板(11)と、該導光板(11)の内部を伝播した前記発光体(2)からの光を受光する受光部(13)と、該受光部(13)での受光結果に基づいて、前記発光体(2)からの光が前記導光板(11)の表面に入射した位置を検出する検出手段(31)とを備える位置検出装置で、前記発光体(2)が内蔵する電池(22)の状態を報知する方法であって、前記受光部(13)が受光した光の強度を検出し、検出した光の強度を予め定められた閾値と比較し、前記光の強度が前記閾値を超過している間の時間を測定し、測定した時間を積算し、積算した時間が予め定められた閾値を超過した場合に、前記電池(22)の残存容量が不足していることを報知することを特徴とする。
本発明においては、発光体(2)からの光が導光板(11)へ入射した位置を検出する位置検出装置は、発光体(2)からの光の強度に基づいて、発光体(2)が内蔵する電池(22)の状態を報知する。これにより、電池(22)の残存容量が不足した場合に、使用者に報知される。使用者は、電池(22)の残存容量に対処することができる。
本発明においては、位置検出装置は、光の強度が閾値以下である場合に、電池(22)の残存容量が不足していることを報知する。電池(22)の残存容量が不足した場合は、発光体(2)の発光強度が低下するので、位置検出装置は、光の強度を閾値と比較することで電池(22)の残存容量の不足を判定することができる。
本発明においては、位置検出装置は、光の強度が所定の閾値を超過している間の時間を積算し、積算時間が所定の閾値を超過した場合に、電池(22)の残存容量が不足していることを報知する。発光体(2)を長時間使用した場合は、電池(22)の残存容量が低下し、同時に積算時間も長くなるので、位置検出装置は、積算時間を閾値と比較することで電池(22)の残存容量の不足を判定することができる。
本発明においては、位置検出装置は、電池(22)の残存容量が不足していることを報知する際に、所定の図形を表示部(12)に表示し、その後、図形に対応した位置を検出した場合に、電池(22)の残存容量の不足を報知している状態を終了する。使用者は、電池(22)の交換又は充電が行われた発光体(2)を用いて図形に対応する位置を指定する。位置検出装置は、図形に対応した位置を検出することにより、電池(22)の残存容量の不足が解消されたことを確認し、位置検出の処理を再開することが可能となる。
本発明においては、位置検出装置は、電池(22)の残存容量が不足していることを示した画像を表示部(12)に表示することにより、残存容量の不足を報知する。使用者は、表示された画像の内容を確認することで、電池(22)の残存容量が不足していることを知ることができる。