JP6461050B2 - 高放射率コーティング組成物およびその製造プロセス - Google Patents

高放射率コーティング組成物およびその製造プロセス Download PDF

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Description

本開示は、概して、さまざまなタイプの基材に適用することができる高放射率コーティ
ングのための組成物、および高放射率コーティング組成物を製造するためのプロセスに関
する。より具体的に述べると、本開示は、(1)強度特性が向上している高放射率コーテ
ィング組成物、(2)二酸化チタン(TiO)が放射率向上剤として使用されている高
放射率コーティング組成物、および(3)産業廃棄物源または産業廃棄物流を使って高放
射率コーティング組成物を費用効果的に生産するための製造プロセスに関する。
世界中でエネルギー需要が増加しエネルギーコストが上昇していることから、エネルギ
ー使用者にとってエネルギーを節減または節約する必要性は、とりわけ産業団体では、必
然的に増大している。多くの場合、燃焼加熱器または炉を使用する産業、例えば精錬所お
よび石油化学コンビナートでは、燃焼加熱器効率を最大にすることで、燃料消費量を低減
しようとする試みがなされてきた。高放射率コーティング技術は、さまざまな高温用途に
とって、プロセス信頼性や安全な操業を損なうことなく、放射伝熱を効果的に増加させ、
エネルギーを節減するための、実証済み手段になっている。
放射率(記号εまたはeで表される)は、放射によってエネルギーを放出する表面の相
対的能力と広く定義することができる。より具体的に述べると、放射率は、特定材料によ
って放射されるエネルギーと同温度の黒体によって放射されるエネルギーとの比と定義す
ることができる。放射率の上昇は熱効率の増加に対応する。高温燃焼加熱器または炉用途
における高放射率コーティングに起因すると考えられる熱効率の増加は、燃焼加熱器また
は炉の性能または出力の増加および/または燃料消費量および総エネルギー需要の減少を
もたらす。
高放射率コーティングの利益および利点は、高放射率コーティングの性能を改良しよう
という長年にわたるさまざまな研究開発努力につながってきた。特に、a)放射伝熱を増
加させるために放射率値を向上させ、b)基材へのコーティング付着を改良し、c)多重
高温サイクル下でのコーティング寿命を延長し、d)放射剤の劣化を低減するために、放
射率向上剤(「放射剤(emissivity agent)」)を含む放射性コーティング組成物を開発
するための研究が行われてきた。
現在、数種類の高放射率コーティング組成物が市販されている。それらの組成物中の放
射剤は、さまざまな供給源に由来しうる。よく使用される放射剤の一つはシリコンカーバ
イド(SiC)であり、これは、中等度の温度までは、良好な放射率向上性能を示すこと
ができる。しかし、高い操業温度を伴う用途(例えば燃焼加熱器、炉、予熱器、改質装置
、他の耐火物用途、または航空宇宙用途)における放射剤としてのSiCの使用は、コー
ティング組成物の放射率および機械的強度の経時的な本質的減少に、そしてそれゆえに、
放射剤としてのSiCに依拠するコーティング組成物の性能または機能の総合的減少また
は劣化に、つながりうる。
1992年8月に公表された「Thermal Degradation Study of Silicon Carbide Threa
ds Developed for Advanced Flexible Thermal Protection Systems」と題するNASA Tech
nical Memorandum 130952において、H.K.TranとP.M.Sawkoは、400
℃を上回る温度ではSiCからSiOへの表面転移が観察されることを見いだした。S
iCからSiOへの表面転移は、SiC結合の温度誘発性分解と、それに続くSiO
の形成によるものであった。高温におけるSiCの分解反応は、次のように図解すること
ができる:SiC+O→SiO+CO
そのようなSiCの分解は、著しい材料収縮、意図せぬSiO不動態化、およびコー
ティング組成物寿命の短縮という望ましくない結果をもたらしうる。したがって、高放射
率コーティング組成物のための改良された放射剤が、特に高温における放射性コーティン
グの放射剤性能の改良に関して、必要とされている。残念ながら、高放射率コーティング
組成物に関する先行研究は、一定の物質が放射率値の向上に関して著しい影響力を潜在的
に有しうることを充分に考慮または認識することができていなかった。
上記に加えて、高放射率コーティング性能の態様は研究され改良されつつあるものの、
高放射率コーティング組成物を製造するための既存のプロセスは、そのような組成物の生
産の一定の経済的態様を適正に考慮しまたは対処することができていない。特に、より良
い性能を有する高放射率コーティングを開発するために、さまざまな努力が為されてきた
が、そのような努力は、そのようなコーティング組成物の生産コストおよび高放射率コー
ティング製品の最終価格をほとんど無視しているか、または不可避的に増加させた。した
がって、高放射率コーティング組成物を、より費用効果の高い方法で、調製、製造、また
は調合する必要がある。
NASA Technical Memorandum 130952, 「Thermal Degradation Study of Silicon Carbide Threads Developed for Advanced Flexible Thermal Protection Systems」
本願に記載する主題の実施形態は、幅広い温度範囲(例えば約400℃から約1300
℃)にわたって望ましい機械的強度特性および放射率を呈する熱放射性コーティングに向
けられる。割れおよびコーティングが適用された基材からの剥離を呈する他の放射性コー
ティングとは異なり、本明細書に記載する主題の実施形態は、室温からデコーキングサイ
クルにおいて典型的に使用される温度、例えば約1000℃から約1600℃またはそれ
以上までの反復温度サイクルに、割れまたは基礎を成す基材からの剥離を起こさずに耐え
る。同時に、本明細書に記載する実施形態によるコーティング組成物は、望ましい放射率
、例えば0.99程度の高い放射率を呈する。
一態様において、本明細書に記載する実施形態は、二酸化チタンの重量百分率がコーテ
ィング組成物の約28重量%未満かつコーティング組成物の少なくとも約10重量%であ
る、二酸化チタンを含む放射剤の集合(set)と、セラミックボライド(ceramic borides)、
セラミックカーバイド、およびセラミックナイトライドの少なくとも1つから選択される
マトリックス強度向上剤の集合との乾燥混和物を含む、熱放射性コーティングに向けられ
る。記載する主題のこの態様のいくつかの実施形態では、コーティングが乾量基準で30
wt%未満のSiCを含む。
もう一つの態様において、本明細書に記載する実施形態は、基材用の熱放射性コーティ
ング組成物を調製する方法であって、二酸化チタンを得る工程;二酸化チタンを含む放射
剤の集合を用意する工程;セラミックボライド、セラミックカーバイド、およびセラミッ
クナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含
むマトリックス強度向上剤の集合を用意する工程;少なくとも1つの充填剤(filler)が酸
化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および酸化ホウ素
からなる群より選択される、充填剤の集合を用意する工程;ならびに前記放射剤の集合、
前記マトリックス強度向上剤の集合、および前記充填剤の集合を混和する工程を含み、充
填剤が湿量基準(wet basis)でコーティング組成物の約2wt%から約60wt%を構成
する方法に向けられる。記載する主題のこの態様のいくつかの実施形態では、コーティン
グ組成物が乾量基準(dry basis)で30wt%未満のSiCを含むように、SiCが用意
される。
さらにもう一つの態様において、開示の実施形態は、熱放射性コーティング組成物を使
って基材の熱放射率を調節するための方法であって、目標放射率レベルまたは目標放射率
調節を特定する工程;目標放射率レベルまたは目標放射率調節を与えると予想されるコー
ティング組成物の二酸化チタン濃度を決定する工程;コーティング組成物について基材付
着特性の集合を決定する工程;決定された基材付着特性の集合を与えると予想されるコー
ティング組成物のSiC濃度を決定する工程;ならびに決定された二酸化チタン濃度およ
び決定されたSiC濃度を含む熱放射性コーティング組成物を用意する工程を含む方法に
向けられる。記載する主題のこの態様のいくつかの実施形態では、決定されたSiC濃度
が乾量基準で30wt%未満のSiCである。
もう一つの態様において、放射剤または放射率向上剤として使用される二酸化チタンは
、ポリオレフィン重合プロセスからの二酸化チタン含有廃棄物流から得られる。
図面において、同一の参照番号は類似する要素を特定している。図面中の要素のサイズ
および相対的位置は、必ずしも正確な縮尺では描かれていない。例えば、さまざまな要素
の形状および角度は正確な縮尺では描かれておらず、これらの要素の一部は、図面の読み
やすさを改善するために、恣意的に拡大され配置されている。さらに、図示した要素の特
定形状は、その特定要素の実際の形状に関して何らかの情報を伝えようと意図しているわ
けではなく、それらは単に、図面において容易に認識できるように選択されただけである

以下に、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
本開示の実施形態に従って高放射率コーティング組成物を調製する際に使用するためのTiOをポリオレフィン触媒廃棄物から抽出するまたは得るためのプロセスのフローチャートである。 本開示の実施形態に従って高放射率コーティング組成物を調製または生産するためのプロセスのフローチャートである。 本開示の実施形態に従って基材に高放射率コーティング組成物を適用するためのプロセスのフローチャートである。 擬似デコーキング条件に付した後の、基材に適用されたコーティング組成物の横断面の写真である。 擬似デコーキング条件に付した後の、基材に適用されたコーティング組成物の横断面の写真である。 擬似デコーキング条件に付した後の、基材に適用されたコーティング組成物の横断面の写真である。 1000℃温度域で操業した後の、市販のSiC含有コーティング組成物がコーティングされた高温炉の内壁表面の写真である。 1000℃温度域で操業した後の、市販のSiC含有コーティング組成物がコーティングされた高温炉の内壁表面の写真である。 1000℃温度域で操業した後の、市販のSiC含有コーティング組成物がコーティングされた高温炉の内壁表面の写真である。
本明細書では例示のために本開示の具体的実施形態を記載したが、本開示の要旨および
範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を加えうることは理解されるであろう。した
がって、添付のクレームによって限定される場合を除けば、本開示が限定されることはな
い。
以下の説明では、開示する主題のさまざまな態様の完全な理解が得られるように、一定
の具体的詳細を説明する。しかし開示する主題は、これらの具体的詳細を伴わずに実施し
うる。いくつかの例では、本明細書に開示する主題の実施形態を含む、周知の構造と、セ
ラミック前駆体を混合し、二酸化チタンを回収し、基材に高放射率コーティングを適用す
る方法とが、本開示の他の態様の説明を不明瞭にするのを避けるために、詳細には説明さ
れていない。
文脈上別段の必要がある場合を除き、本明細書およびそれに続く特許請求の範囲の全体
を通して、用語「を含む(comprise)」とその変形(例えば「comprises」および「compr
ising」)は、非排他的(open)包含的(inclusive)に、すなわち「を含むが、それらに
限定されない」と解釈されるものとする。
本明細書の全体を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実
施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特質が少なくとも1つの実施形態
に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通してさまざまな場所に、「
一実施形態において」または「ある実施形態において」という語句が使われていても、そ
れは、必ずしも全てが同じ態様を指しているわけではない。さらにまた、それら特定の特
徴、構造、または特質は、本開示の1つまたはそれ以上の態様において、任意の適切な方
法で組み合わせることができる。
本開示の実施形態は、TiOが単に充填材として使用されていた先行高放射率コーテ
ィング組成物とは対照的に、二酸化チタン(TiO)が放射率向上剤として使用されて
いる高放射率コーティング組成物に向けられる。しかし高温条件下において、本発明者ら
は、TiOが温度誘発性TiO微細構造変換ゆえに放射率向上特性を呈することを観
察した。TiOにはアナターゼ、ルチル、ブルッカイトという3つの天然形がある。ア
ナターゼは、そのUV吸収特性ゆえに、主に光触媒用途に使用されている。アナターゼは
700℃を上回る温度では変換を起こしてルチルを生成し、ルチルは、顔料、化粧品およ
びセラミック産業においてよく使用されている。ルチルは高温において安定であり、良好
なエネルギー放射剤であることが、本発明者らによって観察されている。ブルッカイトは
、その入手可能性が限られているので、ほとんど利用されていない。
先行コーティング組成物における充填剤としてのTiOの使用は、TiOコストが
高いことから、典型的には、コーティング組成物の価格に悪影響を与えていた。本開示の
実施形態は、放射剤または放射率向上剤としてTiOを含むコーティング組成物であっ
て、そのTiOが、コーティング組成物におけるTiOの総合的機能または特質を含
まずに費用効果的に得られるものを提供する。本開示の特定実施形態はTiOを含有す
るコーティング組成物であって、TiOが産業廃棄物源、例えばポリオレフィン触媒の
生産と関連する廃棄物流から得られるものを提供する。そのようなタイプの廃棄物源から
TiOを得ることはTiOのコストの低下をもたらし、それが、そのようなTiO
を含む高放射率コーティング組成物の生産の経済的態様を改良する。産業廃棄物源からT
iOを得るためのプロセス、方法、または技法は、高放射率コーティング組成物製造プ
ロセスの態様に関連して、以下に詳述する。
以下にさらに詳しく説明するように、本開示の高放射率コーティング、コーティング系
またはコーティング組成物を、本明細書では「コーティング組成物」という。加えて、別
段の言明がある場合を除き、全ての百分率(%)は重量対重量パーセントであり、重量%
、%(w/w)、wt%または単に%とも表現する。用語「湿混和物(wet admixture)」
は、溶解状態にある、または溶液に関して、コーティング組成物の構成要素(constituent
s)または構成成分(components)の相対重量百分率を指し、用語「乾燥混和物(dry admixtu
re)」は、水およびあらゆる液状試薬から分離された、または水およびあらゆる液状試薬
を添加する前の、乾燥コーティング組成物の構成要素(constituents)または構成成分(com
ponents)の相対百分率を指す。湿混和物重量百分率と乾燥混和物重量百分率とがどのよう
に関係し、またはそれらがどのように変換可能であるかは、当業者には理解されるであろ
う。
本開示に関して、用語「集合(set)」は、公知の数学的定義に従って(例えばAn Introd
uction to Mathematical Reasoning: Numbers, Sets, and Functions, 「Chapter 11 : P
roperties of Finite Sets」 by Peter J. Eccles, Cambridge University Press(1998)
)に記載されている方法(例えば140ページに示されているもの)に相当する方法で)
、数学的に少なくとも1の濃度(cardinality)(集合の元の数)を呈する空でない元の
有限構成と定義される(すなわち、本明細書において定義される集合は、単項集合もしく
は一元集合、または多元集合であることができる)。
本開示のコーティング組成物は(湿混和物中に)(1)TiOを含まない、約2重量
%から60重量%の充填剤の集合または群;(2)TiOを含み、さらにシリコンカー
バイド(SiC)および/または酸化クロム(Cr)を含むことができる、約5重
量%から70重量%の放射剤または放射率向上剤の集合または群、(3)約5重量%から
20重量%のマトリックス強度向上剤の集合または群、および(4)約2重量%から30
重量%のバインダーの集合または群を含む。
本開示にいう充填剤は、充填剤より高価な構成成分の高放射率コーティング組成物にお
ける消費量を低下させるために、他の材料に加えられる材料である。限定するわけではな
いが、本開示において有用な充填剤には、酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ
素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、および酸化
ホウ素(B)などがある。
本開示にいう放射剤または放射率向上剤は、その放射剤または放射率向上剤が添加され
る高放射率コーティング組成物の放射率を増加させる材料である。限定するわけではない
が、好適な放射剤または放射率向上剤には、二酸化チタン(TiO)、シリコンカーバ
イド(SiC)、酸化クロム(Cr)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化鉄(Fe
)、ボロンシリサイド(BSi)、ボロンカーバイド(BC)、四ホウ化ケイ
素(SiB)、モリブデンジシリサイド(MoSi)、タングステンジシリサイド(
WSi)、および二ホウ化ジルコニウム(ZrB)などがある。
本明細書にいうマトリックス強度向上剤または熱強度向上剤は、そのようなマトリック
ス強度または熱強度向上剤を含む高放射率コーティング組成物の応力および熱応力に対す
る耐性を増加させる材料である。限定するわけではないが、さまざまな実施形態において
、有用なマトリックス強度向上剤または熱強度向上剤には、セラミックボライド、セラミ
ックカーバイド、および/またはセラミックナイトライド(例えば超高温セラミックス(
UHTC)などがあり、これらは、高い融点、実質的な化学的不活性、および極限的熱環
境において比較的良好な耐酸化性を呈する。特定実施形態において、マトリックス強度向
上剤は、限定するわけではないが、シリコンカーバイド(SiC)、二ホウ化ハフニウム
(HfB)、ハフニウムカーバイド(HfC)、ハフニウムナイトライド(HfN)、
二ホウ化タンタル(TaB)、タンタルカーバイド(TaC)、タンタルナイトライド
(TaN)、二ホウ化チタン(TiB)、チタンカーバイド(TiC)、チタンナイト
ライド(TiN)、二ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ジルコニウムカーバイド(Zr
C)、およびジルコニウムナイトライド(ZrN)を含む。加えて、一定の実施形態では
、バインダー、例えば限定するわけではないが、リン酸(HPO)、ナトリウムアル
ミノシリケートおよび/またはカリウムアルミノシリケートを含めて、例えばAl(H
P2O)、Al(PO、AlPO、および/またはKAlSiを形成
させることによって、熱強度を向上させることもできる。バインダーの具体例は、リン酸
(HPO)およびナトリウムシリケートを含有する水溶液である。
本発明者らは、コーティング組成物の放射率、基材への付着、および温度安定性の間に
構成要素依存的なトレードオフが存在しうることに気付いた。言い換えると、コーティン
グ組成物中の特定構成要素の重量百分率を調整すると、コーティング組成物の放射率、温
度安定性、および付着能に変化が起こりうる。放射率、コーティング付着または粘着、な
らびに高温熱安定性および化学安定性を同時に向上させるために、本開示によるいくつか
のコーティング組成物実施形態は、1つまたはそれ以上の他のコーティング組成物の構成
要素、例えばAlの重量百分率に対して、特定重量百分率のTiOを含む、また
は確立する。例えば、特定コーティング組成物実施形態は、湿混和物に対して重量で少な
くとも約8%から10%のTiOを含む。上記に加えて、または上記に代えて、本開示
によるコーティング組成物実施形態は、湿混和物に対して重量で約20%未満から22%
未満のTiOを含むことができ、Alの重量百分率は、所与のTiO重量百分
率の選択に基づいて確立または調整することができる。一定の実施形態では、さまざまな
放射率およびマトリックス付着能が得られるように、AlおよびTiOの重量百
分率を変化させまたは調整することができる。いくつかの実施形態において、とりわけT
iOがTiOの廃棄物源から回収される場合は、TiOおよびAlの湿混和
物重量百分率をそれぞれ約20%および22%と選択することができる。TiOが商業
的供給源から得られる実施形態では、TiOおよびAlの湿混和物重量百分率を
、それぞれ約18%および16%と選択することができる。特定実施形態では、TiO
およびAlの湿混和物重量百分率を、それぞれ約10%および32%と選択するこ
とができる。前記3つの実施形態では、乾量基準で、SiCが、30wt%未満、約20
wt%未満、約8wt%と30wt%未満との間、および約8wt%と約20wt%との
間の量で存在する。ある具体的実施形態では、SiC含量が乾量基準で約14wt%であ
る。
いくつかの実施形態では、マトリックス強度向上剤の集合または群の使用が、コーティ
ング組成物のマトリックス内での強度ならびに付着を改良する。より具体的には、マトリ
ックス強度向上剤が、作業温度または操業温度で分解して、他のコーティング組成物の構
成要素、例えば充填剤と共に、新しい、改変された、または再調合されたマトリックスを
形成または創出する能力を有する。そのようなマトリックス強度向上剤は、1つまたはそ
れ以上のセラミックボライド、セラミックカーバイド、またはセラミックナイトライドを
含むことができる。多くの実施形態において、SiCは、約400℃を上回る温度におい
てSiOおよびCOに分解して、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素と共に新しい
マトリックス(Al−SiO−SiC)を形成することができるマトリックス強
度向上剤として作用する。Al−SiO−SiCセラミックマトリックスは、機
械的強度、すなわちコーティング中の粒子間の結合強度を向上させるのに役立つ。コーテ
ィング中に存在するSiCが多いほど、Al−SiO−SiCマトリックスの生
成量が増える。本発明者らは、生成したAl−SiO−SiCマトリックスが元
のマトリックスの強度を増加させうることを観察したが、Al−SiO−SiC
マトリックスが多すぎるとマトリックスに欠陥が生じうることも観察した。コーティング
組成物中のSiC含量が一定のレベルになると、これらのマトリックス欠陥が優勢になり
、コーティング組成物の収縮によって証明されるとおり、機械的強度の低減を引き起こす
であろう。そのような収縮は、コーティングが適用された基材にコーティングを付着させ
た時に、コーティング組成物の割れおよび剥離を引き起こしうる。さらにまた、より多く
のSiCがSiOに分解して、分解反応からより多くのCOが生成するほど、より多
くのCOがコーティング組成物全体に拡散しようとすることが観察された。このCO
拡散は、コーティング組成物表面下の小さな気泡または空隙によって証明される。これら
の小さな気泡または空隙もコーティング組成物の機械的強度を低下させ、それがコーティ
ング組成物の実用寿命を短縮しうる。
図4Aおよび図4Bに、基材に適用され、ナフサクラッキング炉における多重デコーキ
ングサイクルをシミュレートした条件(すなわち室温と1600℃で1時間の保持との間
を22サイクル)に付した後の、本明細書に記載する実施形態によるコーティング組成物
の横断面の写真を示す。図4Aおよび図4Bでは、コーティング組成物と基礎を成す基材
との間の分離は見られない。図4Cは、基材に適用され、5回の、図4Aおよび図4Bの
試料と同じ擬似デコーキングサイクルに付した、市販の高放射率コーティング組成物の横
断面の写真を示す。図4Cの試料は、コーティングと基材との間に目に見える割れを示し
、コーティングと基材との間の剥離を証明している。
上記に加えて、または上記に代えて、一定の実施形態において、マトリックス強度向上
剤は、二ホウ化ハフニウム(HfB)、ハフニウムカーバイド(HfC)、ハフニウム
ナイトライド(HfN)、二ホウ化タンタル(TaB)、タンタルカーバイド(TaC
)、タンタルナイトライド(TaN)、二ホウ化チタン(TiB)、チタンカーバイド
(TiC)、チタンナイトライド(TiN)、二ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ジル
コニウムカーバイド(ZrC)、およびジルコニウムナイトライド(ZrN)の1つまた
はそれ以上を含むことができる。
上に言明したように、本開示のコーティング組成物は、バインダーまたは結合剤として
役立つ1つまたはそれ以上の化学品または物質を含むことができる。そのようなバインダ
ーは、コーティング組成物とそのコーティング組成物が適用される基材との間の結合を促
進する。さらにまた、前記バインダーは、コーティングの分子間(例えばAl分子
とAl分子の間)の結合を促進することによって、コーティング組成物のサポート
を容易にし、または実現し、それが、コーティング組成物マトリックスそのもののマトリ
ックス構造の創出を容易にする。多くの実施形態では、バインダーがHPOを含有す
る水溶液であるか、またはそれを含む。基材のタイプに応じてさまざまな実施形態では、
バインダーがナトリウムシリケート(NaSiO)であるか、またはそれを含む。一
定の実施形態では、バインダーが、Al−SiO−SiCマトリックスのサポー
トを容易にし、または実現する。
本開示による高放射率コーティング組成物の一実施形態は、約2.8%から75%のA
、約13.9%から27.8%のTiO、約8.3%から25.0%のSiC
、約4.2%から11.1%の酸化クロムCr、および約5.6%のSiOの乾
燥混和物を含み、ここで上記百分率のそれぞれは重量百分率である。溶液型またはスラリ
ー型(湿混和物)である対応するコーティング組成物は、重量百分率基準で、約2%から
54%のAl、約10%から40%のTiO、約6%から18%のSiC、約3
%から8%のCr、約4%のSiO、および約2%から28%のHPOを含
有する水を含む。
上記に加えて、着色されたコーティング組成物を形成させるために、着色剤をコーティ
ング組成物に含めることができる。限定するわけではないが、着色剤の例には、カドミウ
ムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド、カドミウムオレンジディープ、カ
ドミウムリトポンオレンジ、およびカドミウムリトポンレッドなどがある。着色剤の範囲
または希釈率は、着色剤の製造者の仕様書から得ることができる。耐火物用途における高
温強度を向上させることが公知である安定剤も、必要に応じて、コーティング組成物に組
み込むことができる。限定するわけではないが、安定剤の例には、ベントナイト、カオリ
ン、マグネシウムアルミナシリカ粘土、安定化酸化ジルコニウム、板状アルミナ、および
他のボールクレー安定剤などがある。
高放射率コーティング組成物製造プロセスの態様
ポリオレフィン触媒廃棄物からTiO を抽出するまたは得るためのプロセス態様
図1に、ポリオレフィン触媒を含有する廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶液から、
本開示の実施形態に従って、高放射率コーティング、コーティング系またはコーティング
組成物(以下、コーティング組成物と総称する)を調製する際に使用するためのTiO
を抽出するまたは得るためのプロセス100のフローチャートを示す。本明細書にいう廃
棄物源、廃棄物流、および廃棄物溶液は可換的に使用され、限定するわけではないが、こ
れには、重合プロセス、例えばオレフィンの重合によるポリオレフィンの生産に使用され
た触媒を含むプロセス流またはプロセスバッチが含まれる。廃棄物源、廃棄物流および廃
棄物溶液は必ずしも処分用ではなく、消費された触媒を含有し、再使用のために再活性化
することができる流れ、溶液、および供給源が含まれる。
第1プロセス部分110では、TiOおよび/またはそこからTiOを得るまたは
抽出することができる1つまたはそれ以上の形態の1つまたはそれ以上のTi化合物また
は組成物を含む少なくとも1つの供給源、流れ、または溶液、例えばTiOおよび/ま
たはそこからTiOを得るまたは抽出することができる1つまたはそれ以上の形態の1
つまたはそれ以上のTi化合物または組成物を含む廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶
液を、用意し、または得る。
本開示の実施形態では、ポリエチレン重合プロセスと関連する触媒を含有する廃棄物源
、廃棄物流、または廃棄物溶液を用意する。そのような触媒含有廃棄物源、廃棄物流、ま
たは廃棄物溶液はTiOを含みまたは保持することができる。さまざまな実施形態にお
いて、TiOを含む触媒含有廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶液は、チーグラー・
ナッタ触媒が関与するプロセス、例えばチーグラー・ナッタ触媒の調製および使用と関連
するプロセスから得ることができる。
一定の実施形態において、触媒含有廃棄物源は、単独重合、または他のオレフィンの共
重合、例えばポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリシクロオレフィン
、ポリクリタジエン(polycritadiene)、ポリイソプロペン、無定形ポリ−α−オレフィ
ンおよびポリアセチレンなどが関与するプロセスから得ることができる。さまざまな実施
形態において、好適な触媒含有廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶液は、上記に加えて
、または上記に代えて、充分な量または実質的な量のTiOをそこから得るまたは抽出
することができ、一般に簡単なかつ/または経済的な抽出プロセスを必要とする、TiO
に富む供給源および/またはTi包含供給源を含む触媒系を利用する他のプロセスから
得ることができる。
特定実施形態において、TiOを含む供給源、流れ、または溶液は、イルメナイト型
鉱石(すなわち鉱石ベースのTiO源)から得ることができる。例えば、TiOを含
む供給源、流れ、または溶液は、メンブレンベースの電気透析プロセス(例えば米国特許
第4,107,264号明細書に記載されているメンブレンベースの電気透析プロセス)
または有機リン酸抽出プロセス(例えば米国特許第4,168,297号明細書に記載さ
れている不純物除去のための有機リン酸抽出プロセスなど)を使って、イルメナイト型鉱
石から得ることができる。加えて、またはもう一つの選択肢として、具体的実施形態にお
いて、第1プロセス部分110において用意されるTiOを含む供給源、流れ、または
溶液は、TiO顔料生産プロセス、例えば米国特許第5,094,834号明細書に記
載のTiO顔料生産プロセスから得ることもできる。
第2プロセス部分120では、公知の量および濃度の塩基性溶液または塩基性物質を、
考慮中のTiO供給源(例えば触媒含有廃棄物および/または鉱石ベースのTiO
)に導入または添加することにより、触媒含有廃棄物源のpH値を調整する。代表的実施
形態において、塩基性溶液は、限定するわけではないが、水酸化ナトリウム(NaOH)
および水酸化アンモニウム(NHOH)の一方を含むことができる。例えば、NaOH
の添加により、触媒含有廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶液のpHを約1.0から9
.0または約2.0から8.0、または約2.0から7.0に調整することができる。触
媒含有廃棄物源、廃棄物流、または廃棄物溶液のpHを調整するために使用される1つま
たはそれ以上の他の塩基性溶液は、好ましくは、TiOと反応しない。
第3プロセス部分130では、考慮中の(pH調整済み)TiO源、例えば触媒含有
廃棄物および/または鉱石ベースのTiO供給源から、TiOを沈殿または分離させ
る。多くの実施形態では、処理済みTiO源を、沈降させ、TiOの沈殿を容易にし
、または実現する。沈降または沈殿、それゆえに完全な分離のために見越しておく継続時
間は、所望の分離を達成するのに要求されるとおりに調整または選択することができる。
例えば、TiO源は、約10時間、12時間、15時間、またはそれ以上にわたって沈
降させることができる。
第4プロセス部分140では、沈殿したTiOを回収し、不純物除去、例えば塩化ナ
トリウム(NaCl)などの塩類の除去のために、充分に洗浄する。いくつかの実施形態
では、収集した沈殿TiOを脱イオン水で、例えば約3回から6回またはそれ以上洗浄
する。洗浄に続いて、沈殿TiOを酸素の存在下で熱処理することで、TiOをルチ
ルに熱分解し、かつ/または揮発性画分を除去する。この熱処理プロセスは約900℃か
ら約1100℃の温度で行うことができる。熱処理の温度は調整することができ、典型的
には、約1660±10℃であるTiOの融点より低い。か焼または熱処理プロセスの
継続時間は約4時間、5時間、またはそれ以上(例えば約7時間以上)とすることができ
る。
第5プロセス部分150では、か焼反応または熱処理プロセスの完了後に、結果として
得られたTiOを収集する。収集されたTiOを冷却してもよく、その後、約65メ
ッシュ未満の平均粒径まで粉砕する。TiOを他の平均粒径または等価なUSふるい系
列または65メッシュより大きいもしくは小さいタイラーメッシュサイズに容易に粉砕で
きることは、当業者には理解されるであろう。
高放射率コーティング組成物を調製または生産するためのプロセスの態様
図2に、本開示の実施形態に従ってコーティング組成物を調製または生産するためのプ
ロセス200のフローチャートを図解する。
図2を参照して説明する実施形態では、コーティング組成物を調製または生産するため
のプロセス200がバッチ式で行われる。本明細書に記載するコーティング組成物を調製
する実施形態は、バッチ式プロセスに限定されるわけではなく、連続プロセスも使用でき
ることを理解すべきである。第1プロセス部分210では、混合容器または混合タンクを
用意する。混合容器は、その中の粒子または内容物の混合および分配が容易になるように
構成される。多種多様な混合容器が当分野では公知である。一般にそのような混合容器に
は、少なくとも何らかの形態のインペラ、撹拌機、および/またはバッフルが装備され、
場合によってはさらに、回転ブレードが装備される。
第2プロセス部分220では、コーティング組成物を調製するために使用される予め決
定された量のセラミック前駆体、放射剤または放射率向上剤、およびマトリックス強度向
上剤を混合容器に導入する。そのようなセラミック前駆体には、酸化アルミニウム(Al
)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(
CaO)、および酸化ホウ素(B)から選択される充填剤が含まれる。例示的放射
剤または放射率向上剤には二酸化チタン(TiO)が含まれ、いくつかの実施形態では
、さらなる放射率向上剤が、シリコンカーバイド(SiC)、酸化クロム(Cr
、二酸化ケイ素(SiO)、酸化鉄(Fe)、ボロンシリサイド(BSi)、
ボロンカーバイド(BC)、四ホウ化ケイ素(SiB)、モリブデンジシリサイド(
MoSi)、タングステンジシリサイド(WSi)、および二ホウ化ジルコニウム(
ZrB)から選択される。マトリックス強度向上剤の例には、シリコンカーバイド(S
iC)、二ホウ化ハフニウム(HfB)、ハフニウムカーバイド(HfC)、ハフニウ
ムナイトライド(HfN)、二ホウ化タンタル(TaB)、タンタルカーバイド(Ta
C)、タンタルナイトライド(TaN)、二ホウ化チタン(TiB)、チタンカーバイ
ド(TiC)、チタンナイトライド(TiN)、二ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ジ
ルコニウムカーバイド(ZrC)、およびジルコニウムナイトライド(ZrN)が含まれ
る。多くの実施形態では、セラミック前駆体、放射剤または放射率向上剤、およびマトリ
ックス強度向上剤が、一様な混合を保証するために選択された特別なまたは予め決定され
た平均粒径を有する。例えば、セラミック前駆体、放射剤または放射率向上剤、およびマ
トリックス強度向上剤は、約65メッシュ、約200メッシュ、または約325メッシュ
の粒径を有しうる。
第3プロセス部分230では、コーティング組成物の構成成分を、約250ミクロンよ
り大きい残渣を実質的に含まないよく混合された混合物が生産されるように意図された混
合パラメータの集合に従って、混合容器中で撹拌または配合する。
第4プロセス部分240では少なくとも1つのバインダーを混合容器に添加する。前述
のように、バインダーはコーティング組成物マトリックスをサポートし、コーティング組
成物とコーティング組成物が適用される基材または表面との間の結合を促進するのを助け
る。したがってバインダーはコーティング組成物が適用される基材のタイプに基づいて選
択される。いくつかの実施形態では、基材がシリカ断熱レンガ、セラミック繊維、セラミ
ックモジュール、耐火レンガ、プラスチック耐火物、キャスタブル耐火物、ファイバーラ
イト(fiberlite)、セラミックタイル、ファイバーボードのアレイ、および耐火モルタ
ルの少なくとも1つから選択される場合に、リン酸(HPO)を含有する水溶液をバ
インダーとして使用することができる。リン酸の濃度は、例えば約10%、15%、また
は20%容積/容積の範囲になるように選ぶことができる。いくつかの実施形態では、基
材が金属である場合に、ナトリウムシリケート(NaSiO)が好適なバインダーで
ある。
第5プロセス部分250では、混合容器へのバインダーの添加に続いて、セラミック前
駆体およびバインダーを含む混合物内容物を、約250ミクロンより大きくない残渣によ
って証明される一様なバインダー分散系が得られるように撹拌するか、かき混ぜる。
第6プロセス部分260では、結果として得られたコーティング組成物を混合容器から
収集する。コーティング組成物は、コーティング組成物を貯蔵し、含有し、受容し、また
は保持するための予め定められた容積を有するバケツまたは個別容器に移すことができる
基材にコーティング組成物を適用するためのプロセスの態様
図3は、本開示の実施形態に従って基材にコーティング組成物を適用するためのプロセ
スのフローチャートである。
第1プロセス部分310では、基材が用意される。基材は、シリカ断熱レンガ、セラミ
ック繊維、セラミックモジュール、耐火レンガ、プラスチック耐火物、キャスタブル耐火
物、耐火モルタル、ファイバーライト、セラミックタイル、ファイバーボードのアレイ、
および金属の少なくとも1つから選択することができる。基材は、炉(例えばクラッキン
グ炉)の内壁(inner lining)、構造、および/または部品、燃焼加熱器、予熱器、改質
装置、現場の他の耐火装置、セラミック自動車部品、耐火航空宇宙部品、または使用時に
高温にさらされる海洋部品であることができる。
第2プロセス部分320では、基材をコーティング用に調製する。特定実施形態では、
コーティングに先だって、基材をキュアリングし、焼成し、または清浄化する。例えば基
材は、湿気および化学品を除去するために、ある具体的継続時間にわたって、所望の温度
に加熱することによって、キュアリングすることができる。いくつかの実施形態では、基
材とコーティング組成物との間の結合に悪影響を及ぼしまたは干渉しうる塵埃または粒子
を除去するために、集塵装置を使って、基材を清浄化する。
第3プロセス部分330では、本開示の実施形態によるコーティング組成物を用意する
。コーティング組成物は、本明細書に記載する方法と同一または類似する方法で調製する
ことができ、スラリーの形態をとりうる。コーティング組成物中の粒子または沈渣が貯蔵
中に沈降しうるので、使用に先だって、必要であれば、完全な粒子分散を保証するために
コーティング組成物をかき混ぜる。現場作業で基材にコーティング組成物を適用する前に
コーティング組成物を撹拌するために、ポータブル電動ミキサーを使用することができる
。他のタイプのミキサーまたはかき混ぜ機もしくは撹拌機も使用できることが理解される
第4プロセス部分340では、コーティング組成物を制御された方法で基材の表面に適
用する。コーティング組成物は、関連分野の当業者には公知の方法(すなわち表面コーテ
ィング方法)を使って基材の表面に適用することができる。例示的方法には、ブラシ、ブ
レード、または噴霧機による適用が含まれる。
第5プロセス部分350では、コーティングされた基材を乾燥プロセスに付す。例えば
、基材上のコーティングを約1日から3日またはそれ以上にわたって乾燥させる。
以下の代表的実施例1〜3では、本開示に記載するタイプのコーティング組成物の効果
、機能、および/または特性を例証する。本開示の範囲が以下の代表的実施例に限定され
ないことは、当業者には理解されるであろう。
実施例1
コーティング組成物の放射率に対するTiO 含量の変動の効果
この実施例では、コーティング組成物の放射率に対するTiO含量の効果を例証する
。一般論として、TiOの量を増加させると放射率が増加し、TiO含量を増加させ
た結果としてのこの放射率の増加は、400℃から1000℃では顕著であり、1100
℃および1200℃ではあまり明白ではなく、1300℃では最も目立たない。これは、
TiO含量を増加させることの、放射率値に対する効果は、放射率値を決定する温度が
上昇するにつれて減少することを示唆している。
図2の第2プロセス部分に従ってコーティング組成物を調製する際にTiOを放射剤
または放射率向上剤として使用した場合に、TiO含量がコーティング組成物の放射率
に及ぼす効果を調べるための実験を行った。
5つの放射性コーティング組成物(A)、(B)、(C)、(D)、および(E)を調
製した。コーティング組成物のそれぞれを調製した後、それらを、所定の寸法を持つ断熱
レンガの試験片にスプレーすることによって適用した。高放射率コーティング組成物のス
プレーコーティングは、市販の吹き付け器を使って行った。滑らかで良好な塗り坪を達成
するために、コーティング組成物のバルク密度を約1.50〜1.70kg/Lに制御し
た。約1〜2mmのノズル径および約4〜5バールの圧力を使用した。ノズルとコーティ
ング表面との間の距離は約50cmに維持した。断熱レンガは20×20×2.5cmで
あり、約1.8kg/m2のコーティング率を使用した。コーティングを硬化させるため
に、コーティングされた基材を800℃の高温炉で5時間加熱した後、コーティングを周
囲温度まで冷ました。コーティングし冷却した基材を試験して、それらの放射率を決定し
た。
放射率は、標準的な高温計を使って測定した。各基材試料を表示の温度まで加熱し、基
材の温度を測定し、高温計が正しい温度を表示するように、放射率値を調整した。400
℃から1300℃までにわたる温度におけるコーティング組成物(A)から(E)のそれ
ぞれの放射率値を測定した。各試験片に同じ技法を使用する限り、他の方法または技法を
代替的に使用することで放射率値を測定しうることもまた、当業者には理解される。
コーティング組成物(A)から(E)の調製
各コーティング組成物(A)から(E)は、予め決定された量のセラミック前駆体と放
射率向上剤とを使って調製した。使用したセラミック前駆体は、酸化アルミニウム(Al
)、シリコンカーバイド(SiC)、酸化クロム(Cr)、二酸化ケイ素(
SiO)を含んでいた。二酸化チタン(TiO)を放射率向上剤として使用した。別
段の言明がある場合を除き、セラミック前駆体および二酸化チタンは市販の供給源から得
た。コーティング組成物(A)から(E)のそれぞれを調製するために使用したセラミッ
ク前駆体は約325メッシュ未満の平均粒径を有していた。
湿混和物基準で、最終コーティング組成物(A)から(E)のそれぞれにおけるTiO
の重量百分率は、約10%と40%の間でさまざまであったが、SiC、Cr
およびSiOの重量百分率は一定に保たれた。さらに、充填剤の量を減少させてTiO
の量を増加させた時の放射率に対するTiO含量の硬化を評価するために、Al
の重量百分率を、増加するTiOの重量百分率に対して、約42%と2%の間で減少
するように変動させた。
コーティング組成物(A)から(E)のそれぞれにおけるセラミック前駆体の含量は次
のとおりであった:
コーティング組成物(A)
コーティング組成物(A)は、重量で、約42%のAl、0%のTiO、18
%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
コーティング組成物(B)
コーティング組成物(B)は、重量で、約32%のAl、10%のTiO、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
コーティング組成物(C)
コーティング組成物(C)は、重量で、約22%のAl、20%のTiO、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
コーティング組成物(D)
コーティング組成物(D)は、重量で、約12%のAl、30%のTiO、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
コーティング組成物(E)
コーティング組成物(E)は、重量で、約2%のAl、40%のTiO、18
%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
上述の、予め決定された量のセラミック前駆体および放射率向上剤を、混合タンクに導
入し、次に撹拌することで、約250ミクロンより大きい残渣が存在しないことによって
証明される一様な混合を達成した。撹拌に続いて、約17%容積/容積のリン酸(H
)を含有する水溶液をバインダーとして混合タンクに導入した。より具体的には、約
28重量%の、17%容積/容積のHPOを含有する水溶液を、撹拌した混合物に添
加することで、合計100重量%にした。その結果得られた混合物を数分間撹拌し、そこ
からコーティング組成物を得た。
上述の技法を使ってコーティング組成物を基材に適用した。
結果
表1に示すように、コーティング組成物(A)から(E)では、TiO含量を増加さ
せると、放射率の増加が起こり、放射率の増加は約400℃から1000℃の温度ではと
りわけ顕著であった。より具体的に述べると、約20%またはそれ以上のTiOの重量
百分率は、約1000℃において、TiOが存在しない場合の約0.93〜0.96と
いう放射率値と比べて、約0.98〜0.99という放射率値をもたらした。一般に、約
20%またはそれ以上の重量百分率でTiOを含めると、TiOを除外したコーティ
ング組成物(A)と比較して、温度に応じて、放射率値が約1%から6%増加した。どの
温度でも、TiOの添加は、放射率の増加をもたらすか、少なくとも減少をもたらさな
いことが観察された。
コーティング組成物(C)、(D)、および(E)は、最も高い放射率値を異なる温度
で生じることがわかった。これらのコーティング組成物は、約20%またはそれ以上のT
iOおよび約22%未満のAlを含んでいた。さらに、約400℃から1100
℃の温度では、少なくとも約10%のTiO重量百分率が、望ましい放射率の増加、す
なわちそれぞれ0.03および0.01放射率単位を引き起こすことがわかった。
上に挙げた組成物の構成要素の乾燥混和物重量百分率は、例えば28重量%のHPO
含有水溶液を混合タンクまたは容器に添加したことを考慮して、全部で72%のパーセ
ント乾燥重量に対して、明記された湿重量百分率を標準化することなどによって算出でき
ることは、当業者には理解されるであろう。
実施例2
コーティング組成物の放射率に対するTiO の供給源の効果
この実施例では、触媒含有廃棄物流から得たTiOが、廃棄物ではない商業的供給源
からのTiOを含有するコーティング組成物と同じ放射率値を与えることを示す。
放射剤または放射率向上剤として使用されるTiOの供給源が、図2の第2プロセス
部分220に従って調製されるコーティング組成物の放射率に及ぼす効果を比較する実験
を行った。
4つの放射性コーティング組成物(A)、(B)、(C)、および(D)を調製した。
コーティング組成物のそれぞれの調製後に、上記実施例1に記載したものと同じ基材およ
び技法を使って、コーティング組成物を適用した。次に、約400℃から1300℃まで
にわたる温度におけるコーティング組成物(A)から(D)のそれぞれの放射率値を、上
記実施例1で説明した方法と同じ方法で測定した。
コーティング組成物(A)から(D)の調製
予め決定された量のセラミック前駆体および放射率向上剤を使って各コーティング組成
物(A)から(D)を調製した。セラミック前駆体は、酸化アルミニウム(Al
、シリコンカーバイド(SiC)、酸化クロム(Cr)、および二酸化ケイ素(S
iO)を含んでいた。二酸化チタン(TiO)を放射率向上剤として使用した。Al
、SiC、Cr、およびSiOは、実施例1において同じ材料を提供した
供給源と同じ商業的供給源から得た。TiOは、実施例1で使用したTiOを提供す
る供給源と同じ商業的供給源から得るか、ポリオレフィン触媒含有廃棄物源、廃棄物流、
または廃棄物溶液、例えば図1のプロセス100に関して上に説明した供給源から得た。
この実施例において使用した、ポリオレフィン触媒含有廃棄物流からTiOを得るため
のプロセスの詳細を以下に説明する。コーティング組成物(A)から(D)のそれぞれを
調製するために使用したセラミック前駆体および放射率向上剤は、約325メッシュ未満
の平均粒径を有していた。
湿混和物基準で、最終コーティング組成物(A)および(B)のそれぞれにおけるTi
の重量百分率は約10%に維持し、最終コーティング組成物(C)および(D)のそ
れぞれのTiO重量百分率は約20%に維持した。コーティング組成物(A)および(
B)では、Alの重量百分率を約32wt%に維持した。コーティング組成物(C
)および(D)についてはAl重量百分率を約22wt%に維持した。SiC、C
、およびSiOの重量百分率を、コーティング組成物(A)から(D)につい
て、一定に保持した。コーティング組成物(A)から(D)のそれぞれにおけるセラミッ
ク前駆体の含量または量およびTiOの供給源は次のとおりであった:
コーティング組成物(A)
コーティング組成物(A)は、重量で、約10%のTiO、32%のAl、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。TiOは商業的供
給源から得られた。
コーティング組成物(B)
コーティング組成物(B)は、重量で、約10%のTiO、32%のAl、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。TiOはポリオレ
フィン触媒含有廃棄物流抽出プロセスから得られた。
コーティング組成物(C)
コーティング組成物(C)は、重量で、約20%のTiO、22%のAl、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。TiOは商業的供
給源から得られた。
コーティング組成物(D)
コーティング組成物(D)は、重量で、約20%のTiO、22%のAl、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。TiOはポリオレ
フィン触媒含有廃棄物流抽出プロセスから得られた。
ポリオレフィン触媒含有廃棄物流からのTiO の抽出
実施例2でTiOの供給源として使用したポリオレフィン触媒含有廃棄物流は、ポリ
エチレン製造プロセスから得られた。
ポリエチレン触媒含有廃棄物流または流出物(以下「PE触媒廃棄物」)をポリエチレ
ン製造プロセスから収集した。水酸化ナトリウム(NaOH)を含有する溶液を導入する
ことによって、PE触媒廃棄物のpHを、約2.0から7.0に調整した。pH調整を行
うとTiOおよびAl(OH)が析出し、その混合物を終夜、沈降させた。塩化ナト
リウム(NaCl)などの塩を除去するためにTiOを含有する沈殿部分を脱塩水で約
4〜5回、充分に洗浄した。洗浄したTiOを、次に、約500℃で終夜乾燥し、揮発
性画分を除去すると共に、TiOがそのルチル形にあることを保証するために、約10
00℃で約5時間か焼した。その結果得られたTiOを約65メッシュ未満の平均粒径
に粉砕した。
セラミック前駆体およびTiOを混合タンクに導入し、その中で撹拌した。撹拌に続
いて、約17%容積/容積のリン酸(HPO)を含有する水溶液を混合タンクに導入
して、バインダーとした。より具体的には、約28重量%の、17%容積/容積のH
を含有する水溶液を、撹拌したセラミック前駆体およびTiOに添加することで、
合計100重量%にした。その結果得られた混合物を数分間撹拌し、そこからコーティン
グ組成物を得た。
上記実施例1で説明したものと同じ技法を使って、同じタイプの基材に混合物を適用し
た。
結果
実施例1に記載したものと同じ方法で、コーティング組成物(A)から(D)を保持す
る試験片について、放射率値を決定した。コーティング組成物(A)から(D)のそれぞ
れの放射率値を示す結果を、下記表2に掲載する。結果は、10%TiOおよび使用し
たセラミック前駆体が等しい重量分率である時、コーティング組成物(B)は、コーティ
ング組成物(A)と、約1000℃および1300℃の温度において、同一または本質的
に同一の放射率値を有し、約1100℃および1200℃の温度では、ほとんどまたはほ
ぼ同一の放射率値を有することを示している。加えて、結果は、20%TiOの重量分
率が等しく、セラミック前駆体の重量分率が同一である時、コーティング組成物(D)は
、コーティング組成物(C)と比較して、約1100℃の温度で同一の放射率値を有し、
約1000℃、1200℃および1300℃の温度でほとんどまたはほぼ同一の放射率値
を有することも実証している。これらの結果は、本開示において説明するようにポリオレ
フィン触媒含有廃棄物源からのTiO(これは放射剤または放射率向上剤として機能す
る)を使って調製されたコーティング組成物が、廃棄物でない商業的供給源からのTiO
を使って調製されたコーティング組成物と比較して、放射率を測定する温度に依存して
、同一、本質的に同一、ほぼ同一、または匹敵する放射率値を有することを示している。
上に挙げた組成物の構成要素の乾燥混和物重量百分率は、例えば28重量%のHPO
含有水溶液を混合容器に添加したことを考慮して、全部で72%のパーセント乾燥重量
に対して、明記された湿重量百分率を標準化することなどによって算出できることは、当
業者には理解されるであろう。
実施例3
高放射率コーティング組成物表面付着性試験
本開示の高放射率コーティング組成物と、そのコーティング組成物を適用した基材との
間の結合を評価するために、実験を行った。
この実施例では、以下のパラグラフで述べるように、2つのコーティング組成物を調製
した。
コーティング組成物(A)および(B)の調製
予め決定された量のセラミック前駆体を使ってコーティング組成物(A)および(B)
を調製した。セラミック前駆体は酸化アルミニウム(Al)、シリコンカーバイド
(SiC)、酸化クロム(Cr)、二酸化ケイ素(SiO)を含んでいた。二酸
化チタン(TiO)を放射率向上剤として使用した。Al、SiC、Cr
、およびSiOは市販の供給源に由来し、約425メッシュ未満の平均粒径を呈した。
TiOは、実施例2で述べたように回収ポリエチレン触媒から得られ、約65メッシュ
未満の平均粒径を有した。コーティング組成物(A)から(B)におけるセラミック前駆
体の含量は、次のとおりであった:
コーティング組成物(A)
コーティング組成物(A)は、重量で、約32%のAl、10%のTiO、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
コーティング組成物(B)
コーティング組成物(B)は、重量で、約22%のAl、20%のTiO、1
8%のSiC、8%のCr、および4%のSiOを含んだ。
セラミック前駆体およびTiOを混合タンクに導入し、その中で撹拌した。撹拌に続
いて、約17%容積/容積のリン酸(HPO)を含有する水溶液を混合タンクに導入
して、バインダーとした。より具体的には、約28重量%の、17%容積/容積のH
を含有する水溶液を、撹拌したセラミック前駆体に添加することで、合計100重量
%にした。その結果得られた混合物を25rpmで数分間撹拌してから、コーティング組
成物を収集した。
この実施例では、シリカ断熱レンガを基材として使用した。コーティング組成物の適用
に先だって、集塵装置を使って基材を清浄化した。2.5ミリメートル吹き付け器を使用
し、制御された方法で、コーティング組成物を基材にスプレーした。より具体的には、吹
き付け器の圧力を約5〜6バールとし、適用されるコーティングの量を約1〜1.6kg
/mとした。
付着性試験に先だって、コーティングされた基材を約800℃で約5時間加熱した。加
熱した基材を、次に、周囲温度まで冷ました。
付着性試験は、ナフサクラッキング炉で行われるデコーキングサイクルをシミュレート
するように計画した。ナフサクラッキング炉の操業では、炉が約1100℃の操業温度に
加熱され、典型的には1稼働年で8回のデコーキングサイクルがある。デコーキングサイ
クル中は、約1100℃の操業温度に加熱された炉が周囲温度に冷まされる。周囲温度へ
の冷却後に、炉は再び操業温度まで加熱されて、2サイクル目を開始する。それゆえに、
放射性コーティング組成物が典型的な年間デコーキング条件下で少なくとも1年の稼働年
数を有することを立証するために、コーティングされた基材を約5時間にわたって約16
00℃(これはナフサクラッキング炉の実際の操業温度より約45%高い)まで加熱する
ことによって付着性試験を行い、次に加熱された基材を周囲温度に冷却することで、1デ
コーキングサイクルをシミュレートした。この擬似デコーキングサイクルを8回繰り返し
た。1回のデコーキングサイクルの完了に続いて、基材上のコーティングを、収縮および
割れについて観察した。光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、および/または別の観察技法を
使って、表面の態様および基材へのコーティング組成物の界面付着を評価することができ
る。この実施例では、加熱および冷却プロセス、それに続くコーティングおよび基材の光
学的観察、検査および測定によるコーティング組成物表面の状態および界面付着の評価を
、8回繰り返した。コーティング組成物(A)および(B)を適用した耐熱レンガの横断
面の写真を、図4Aおよび図4Bに提示する。
コーティングと基材との間の付着の品質を評価するために、コーティング組成物(A)
および(B)を、ASTM番号C1624−05に従って2タイプの付着性試験に付した
。1つ目の試験は、コーティングに付着させたドリーを利用するプルオフ試験であった。
プルオフ試験では、ドリーに、ドリーを付着させた表面から離れる方向の力を加えた。付
着性試験の実行に役立つデバイスの一例は、ニューヨーク州オグデンズバーグのDeFe
lsko Corporationから入手することができるPosiTest(登録商
標)プルオフ式付着性試験機である。2つ目の試験は、ASTM C1624−05に従
って機械的破損モードを評価するための引っ掻き試験であった。
結果
コーティングおよび基材の光学的観察、検査および測定からわかるとおり、コーティン
グ組成物(A)および(B)はどちらも、シリカ断熱レンガ基材への良好な付着を呈した
。200ミクロンのコーティング膜厚では、3000psiの最大荷重でもコーティング
は基材からはがれなかった。引っ掻き試験で試験した場合、200ミクロンのコーティン
グ膜厚は、38Nの付着強さを呈した。加えて、コーティング組成物(A)および(B)
はどちらも、8サイクルの加熱および冷却による熱ショックに耐えた。
図4Cは、湿量基準で約23wt%のSiC含量を有する、SZETがQZという商品
名で販売している市販の高放射率コーティング組成物の光学像である。市販のコーティン
グは、基材とコーティングとの間の割れによって証明されるとおり、基材から剥離した。
開示する実施形態のコーティング組成物と同じレベルの基材付着、耐熱性、および機械的
特性を呈さない高放射率コーティングでコーティングされた表面では、そのような剥離が
明白になる。図5A〜図5Cは、1200℃で3年間の操業後の、市販の高放射率コーテ
ィング組成物でコーティングされたナフサクラッキング炉の内壁表面の写真である。図5
A〜図5Cに示すコーティング組成物は、最初の3ヶ月間の操業中は満足できる性能を呈
し、その間は3%から4%のエネルギー節減が観察されたが、最初の3ヶ月が過ぎた後は
、エネルギー節減が約0.5%に低下したことによって証明されるとおり、性能が劇的に
低下した。加えて、3ヶ月の稼働後は、基礎を成す基材からのコーティング表面のある程
度の剥離も観察された。3年にわたるそのような操業後に、図5A〜図5Cに示すコーテ
ィングは、乾量基準で、約22%のSiC含量を有していた。この量に基づくと、炉壁に
最初に適用されたコーティング組成物は、乾量基準で約30%から40%のSiCを含有
していたと見積もられる。図5A〜図5Cにおいて、市販のコーティングの付着特性およ
び熱特性が充分でないために、コーティングは、基礎を成す基材から剥離し始めているか
、剥離してしまっている。理論に束縛されることは望まないが、図5A〜図5Cにおける
コーティングの剥離によって証明される性能の低下は、元のコーティングのSiC含量が
乾量基準で30%またはそれ以上であることの結果であると考えられる。
これらの結果は、乾量基準で30%未満のSiCを含有するコーティング組成物(A)
および(B)が、シリカ断熱レンガ基材への良好な付着を促進し、維持し、ナフサクラッ
キング炉の少なくとも1稼働年をシミュレートした条件下で良好な耐熱性を有し、維持す
ることを示している。図4Cに図示した市販のコーティング組成物とは異なり、コーティ
ング組成物(A)および(B)は、8回の擬似デコーキングサイクル後も、それぞれの基
材から剥離しなかった。加えて、これらの結果は、コーティング組成物(A)および(B
)にまたがるTiO重量百分率範囲±この範囲の極値に対して約5%から20%(例え
ば約10%から15%)の重量百分率変動に包含されるTiO重量百分率と、乾量基準
で30%未満のSiCとを含む、本開示のコーティング組成物が、向上した放射率と望ま
しい基材付着特性との両方を与えうることを示している。例えば、少なくとも約8%から
10%のTiOの湿混和物重量百分率、または約22%未満から23%未満のTiO
湿混和物重量百分率、または約10%から20%の間のTiOの湿混和物重量百分率と
、乾量基準で30%未満、さらには乾量基準で約20%未満のSiC含量を有する本開示
のコーティング組成物は、向上した放射率および望ましい基材付着特性を与える。本開示
の代表的コーティング組成物実施形態では、TiO重量百分率を、ある特定コーティン
グ組成物から別の特定コーティング組成物へと変化させる時に、組成物の構成要素の特定
集合の重量百分率(例えばAlの重量百分率)を相応に調整することができ、した
がって他の組成物の構成要素の重量百分率は一定のままに保つことができる。
上に挙げた組成物の構成要素の乾燥混和物重量百分率は、例えば28重量%のHPO
含有水溶液を混合容器に添加したことを考慮して、全部で72%のパーセント乾燥重量
に対して、明記された湿重量百分率を標準化することなどによって算出できることは、当
業者には理解されるであろう。
実施例1〜3に報告した結果は、驚くべきであり、かつ/または予想外であった。それ
らの結果は、TiOが熱放射性コーティング組成物中の放射率向上剤として作用できる
こと、および産業廃棄物源または産業廃棄物流、例えばポリオレフィン重合プロセスに関
連するものから得られるTiOは、向上した放射率(例えば0.01から0.06放射
率単位またはそれ以上の増加)ならびにかなりの回数の熱サイクルおよび/または長期間
にわたって剥離を呈さない基材への付着特性を有するコーティング組成物を生産するため
に使用することができることを示している。さらにまた、特定実施形態において、本明細
書に記載する実施形態に従って向上した放射率と基材付着特性との両方を与えるコーティ
ング組成物は、乾量基準で約30%を上回るSiCと、適当な放射率向上を与えるために
湿混和物基準で20%から22%のTiO(例えば約20%未満のTiO)かつ少な
くとも約8%から10%のTiOとを含む必要がない。同様に、本開示の特定実施形態
によるコーティング組成物は、乾量基準で約30%を上回るSiCと、適当な放射率向上
を与えるために乾燥混和物基準で、27%から30%のTiO2(例えば約27%未満か
ら29%未満(例えば約28%未満)のTiO)かつ少なくとも約11%のTiO
を含む必要がない。一定の実施形態において、本開示の実施形態によるコーティング組成
物は、乾量基準で30%未満のSiCと、湿混和物基準で約8%から16%の間のTiO
、または乾燥混和物基準で約11%から22%の間のTiOを含むことができる。
本開示によって提供されるコーティング組成物の代表的実施例を下記実施例4〜6で説
明する。本開示の範囲が以下の組成物に限定されないことは、当業者には理解されるであ
ろう。
実施例4
スラリー混和物の形態のコーティング組成物を本開示に従って調製した。本組成物は、
約22重量%の酸化アルミニウム(Al)、約18重量%のシリコンカーバイド(
SiC)、約8重量%の酸化クロム(Cr)、約4重量%の二酸化ケイ素(SiO
)、約20重量%の二酸化チタン(TiO)、および約17%容積/容積のHPO
を含有する約28重量%の水を含んだ。TiOは、商業的供給源、または上記実施例
2で述べた処理済みポリオレフィン触媒廃棄物流、またはそれら2つの供給源の併用から
選択した。商業的供給源からのTiOは、廃棄物流から回収されたTiOより高い純
度を有する。例えば、商業的供給源からのTiOは99%を上回る純度を呈し、一方、
廃棄物源からのTiOは、上述の実施形態に従ってAlに転化することができる
Al(OH)が存在するために、80%から90%の純度を有する。
コーティング組成物は図2のプロセス200を使って調合した。
本コーティング組成物は、約1.5〜1.6kg/リットルの密度、約1000℃で約
0.97より高い放射率、約1200℃で約0.85より高い放射率(実施例1の説明に
従って測定した場合)を有し、光学的観察によれば、コーティングされた基材に対して良
好な表面付着を呈した。吹き付け器を使って本コーティング組成物を基材に直接適用した
。その改良された放射率および付着能ゆえに、この実施例で述べるコーティング組成物で
コーティングされた表面を含む炉では、その燃料ガス消費量の減少量が、望ましくは約4
%、または約30〜32トン/時間の炉処理量で約100〜200キログラムの燃料ガス
/時間になるであろう。算出される燃料消費量の減少は、ナフサ供給原料処理量が約30
〜32トン/時間であり、通常の燃料消費量が約5トン/時間の燃料ガスであるクラッキ
ング炉に基づいている。この実施例のコーティングを適用した後は、炉の燃料ガス消費量
が、約100〜200キログラム/時間または約2%から4%、減少した。この燃料ガス
の節減はデコーキングサイクルを10回反復した後も一定のままだった。
実施例5
乾燥混和物の形態のコーティング組成物を本開示に従って調製した。本組成物は、約3
0.5重量%の酸化アルミニウム(A1)、約25.0重量%のシリコンカーバイ
ド(SiC)、約11.1重量%の酸化クロム(Cr)、約5.6重量%の二酸化
ケイ素(SiO)、および約27.8重量%の二酸化チタン(TiO)を含んだ。T
iOは、商業的供給源、または実施例2で述べた処理済みポリオレフィン触媒廃棄物流
、または商業的供給源と廃棄物源との併用から選択した。商業的供給源からのTiO
、廃棄物流から回収されたTiOより高い純度を有する。例えば、商業的供給源からの
TiOは99%を上回る純度を呈し、一方、廃棄物源からのTiOは、上述の実施形
態に従ってAlに転化することができるAl(OH)が存在するために、80%
から90%の純度を有する。
コーティング組成物は図2のプロセス200を使って調合した。ただし、プロセス部分
240は省いた。セラミック前駆体、すなわちAl、SiC、Cr、SiO
、および商業的供給源からの放射率向上性TiOは、約325メッシュ未満の平均粒
径を有し、一方、実施例2に従って処理されたポリオレフィン触媒含有廃棄物流からのT
iOは、約65メッシュ未満の平均粒径を有した。
輸送および貯蔵が容易なように、乾燥混和物の形態のコーティング組成物を調製した。
基材をコーティングする前に、乾燥コーティング混和物を、17容量%の濃度のリン酸水
溶液と、制御された方法で(例えばミキサーの構成に応じて)よく混合することで、セラ
ミック前駆体の粉末または粒子が凝集したり、混合容器の側面に張り付いたりするのを防
止した。
調製したコーティングを、炉の内壁を形成する断熱レンガに適用した。この炉は、約4
50℃で操業した場合、元々は約1.25トン/時間の燃料ガスを消費した。本コーティ
ングは、コーティングされた炉を約450℃で操業した場合に、放射率0.98を有し、
それが約4%または50kg/時間の燃料ガス消費量につながった。
実施例6
スラリー混和物の形態のコーティング組成物を本開示に従って調製した。本組成物は、
約2重量%の酸化アルミニウム(Al)、約18重量%のシリコンカーバイド(S
iC)、約8重量%の酸化クロム(Cr)、約4重量%の二酸化ケイ素(SiO
)、約40重量%の二酸化チタン(TiO)、および約17%容積/容積のHPO
を含有する約28重量%の水を含んだ。TiOは、商業的供給源、または上記で述べた
処理済みポリオレフィン触媒廃棄物流、またはそれら2つの供給源の併用から選択した。
商業的供給源からのTiOは、廃棄物流から回収されたTiOより高い純度を有する
。例えば、商業的供給源からのTiO2は99%を上回る純度を呈し、一方、廃棄物源か
らのTiOは、上述の実施形態に従ってAlに転化することができるAl(OH
が存在するために、80%から90%の純度を有する。
コーティング組成物は図2のプロセス200を使って調合した。
本コーティング組成物は、約1.5〜1.6kg/リットルの密度、約1000℃で約
0.98より高い放射率、約1200℃で約0.86より高い放射率(実施例1に従って
測定)を有し、コーティングされた基材に対して極めて良好な表面付着を有した。上記実
施例1で述べたように吹き付け器を使って本コーティング組成物を断熱レンガ基材に直接
適用した。本コーティング組成物は、露出表面に適用した場合、炉における少なくとも約
20%の熱損失低下に寄与した。この20%という熱損失の低下は、コーティング組成物
の適用前および適用後の炉の外表面の温度を決定し、従来の熱伝達法則を適用して炉壁を
通した伝導および周囲条件(例えば室温および風速)における炉壁表面における対流によ
る熱損失の差を算出することに基づいた。
実施例7
下記表3に示す組成を有する高放射率コーティングの断熱レンガ基材に対する付着特性
および粘着特性を評価するために、引っ掻き試験法(ASTM C1624−05(10
))を、組成物1、2および3で行った。一般に、引っ掻き試験法は、120°の円錐角
および200μmのチップ半径を有するロックウェルCダイヤモンドチップまたは超硬合
金チップを含む球状円錐針で、被験コーティング−基材系を横切るように針を一定速度で
引くことによって引っ掻き傷を生成させることからなる。コーティング基材系を横切るよ
うに針を引くときに、一定のまたは漸増する荷重が、固定された速度で、針によって基材
に加えられる。荷重が漸増する場合、臨界荷重(Lc)は、認識できる破損が起こる最小
荷重と定義される。
引っ掻き試験におけるコーティング損傷の推進力は、弾塑性圧入応力、摩擦応力および
残留内部応力の組み合わせである。低荷重レジームでは、これらの応力が、基材にまだ完
全に付着したままであるコーティングのコンフォーマルまたは引張割れをもたらす。これ
らの応力の発生が第1臨界荷重を定義する。高荷重レジームでは、もう一つの臨界荷重が
定義され、それが、スポーリング、座屈またはチッピングによる基材からのコーティング
の脱離の発生に対応する。
この実施例では、CSM Instruments SA Revetest引っ掻き
試験機(RST)を使って、各試料で3回の引っ掻きを行った。RSTは、軟質基材上の
ハードコーティングならびに硬質基材上のソフトコーティングの付着/粘着強さを試験す
るのに適している。120°の円錐角を有する硬質金属チップを使って測定を行った。試
験条件およびパラメータを表3に列挙する。測定後に各試料をダスタースプレーで清浄化
し、針との初期接触点と、基材からのコーティングの剥離が起こった場所との間の距離を
測定した。適用した力/距離曲線を使って、剥離が起こった場所に対応する荷重を決定し
た。各試料について剥離が起こった時の荷重を下記表4に報告する。
上記実施例1で述べた技法を使って各コーティング組成物を調製した。実施例3で述べ
たように湿コーティング組成物を断熱レンガ基材に適用することによって、各試料を調製
した。引っ掻き試験の前に、コーティングを1200℃で5時間焼いた。焼いたコーティ
ングは200マイクロメーター厚だった。
表4に報告する結果は、21.4Nから38.8Nまでの範囲にわたる荷重で試料組成
物が基材から剥離したことを示している。これらの結果は断熱レンガ基材への試料組成物
の付着の代表例である。
コーティング組成物の調合、調製、または選択の追加態様
本開示のいくつかの実施形態によれば、1つまたはそれ以上の他のコーティング組成物
の構成要素(例えばAlなどの充填剤)の濃度に対してTiO濃度を(例えば湿
または乾燥混和物重量百分率基準で)変化させた時に放射率がどのように影響を受けるか
またはどのように影響を受けると予想することができるかを明示するデータを参照しまた
は利用することにより、考慮中のコーティング組成物についての目標放射率レベル、また
はコーティング組成物の集合または群についての放射率向上の尺度を、決定または推定す
ることができる。そのようなデータは、電子フォーマット(例えば表またはデータベース
)または非電子フォーマットで保存することができる。加えて、そのようなデータは、T
iO濃度を(例えば充填剤に対する相対的基準で)変化させた時に、予め決定された期
間、かなりの期間または長期間、例えば少なくとも6ヶ月、約1年、または1年を超える
期間にわたって、1つまたはそれ以上のタイプの基材へのコーティング組成物付着がどの
ような影響を受けると予想されるかを含むことまたは明示することもできる。そのような
データに基づいて、適当な量のTiOを含めた結果として向上した放射率と、適当な期
間にわたって望ましい基材付着特性を与えるコーティング組成物を特定し、選択し、容易
に調製することができる。
前述の課題の少なくとも1つに対処するために、本開示の特定実施形態を上に記載した
。一定の実施形態に関連する特徴、機能、プロセス、プロセス部分、利点、および代替的
選択肢を、これらの実施形態との関連において説明したが、他の実施形態もそのような利
点を呈しうるし、本開示の範囲に包含されるために全ての実施形態が必ずしもそのような
利点を呈する必要があるわけではない。上に開示した特徴、機能、プロセス、プロセス部
分、利点、およびその代替的選択肢を望ましく組み合わせて異なる方法、プロセス、シス
テム、または用途にしうることは、理解されるであろう。上に開示した特徴、機能、プロ
セス、プロセス部分またはその代替的選択肢ならびに現時点では予測または予期できない
さまざまな代替的選択肢、当業者が後に加えうる変更、変形または改良は、下記のクレー
ムに包含される。
上述のさまざまな実施形態を組み合わせてさらなる実施形態を提供することができる。
本明細書中で言及しかつ/または出願データシートに列挙されている米国特許、米国特許
出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は全て、参照によ
りそのまま本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要であれば、さまざまな特許
、出願および刊行物の概念を使用してさらなる実施形態を提供するために、変更すること
ができる。
これらの改変および他の改変は、上の詳細な説明に照らして、実施形態に加えることができる。一般に以下のクレームでは、使用される用語を、クレームを本明細書に開示した具体的実施形態に限定すると解釈するのではなく、そのクレームに付与される均等の全範囲に沿って考えうる全ての実施形態を包含すると解釈すべきである。したがってクレームが本開示によって限定されることはない。
以下は本開示の一実施形態である。
[1]
二酸化チタンの重量百分率がコーティング組成物の約28重量%未満かつコーティング組成物の少なくとも約10重量%である、二酸化チタンを含む放射剤の集合;および
セラミックボライド、セラミックカーバイド、およびセラミックナイトライドの少なくとも1つから選択されるマトリックス強度向上剤の集合の
乾燥混和物を含む、熱放射性コーティング組成物。
[2]
前記コーティング組成物が約11〜22重量%の二酸化チタンを含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[3]
前記コーティング組成物が少なくとも約10重量%の二酸化チタンおよび約400℃と1300℃の間の温度域において増加した放射率値を含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[4]
前記コーティング組成物が少なくとも約20重量%の二酸化チタンおよび約1000℃の温度において少なくとも約0.95の放射率値を含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[5]
前記コーティング組成物中の二酸化チタンの重量百分率が増加するにつれて、約1000℃の温度における前記コーティング組成物の放射率値が増加する、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[6]
前記放射剤の集合が、二酸化チタンに加えて、シリコンカーバイド、酸化クロム、二酸化ケイ素、酸化鉄、ボロンシリサイド、ボロンカーバイド、四ホウ化ケイ素、モリブデンジシリサイド、タングステンジシリサイド、および二ホウ化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1つの放射剤を含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[7]
前記マトリックス強度向上剤の集合が、シリコンカーバイド、二ホウ化ハフニウム、ハフニウムカーバイド、ハフニウムナイトライド、二ホウ化タンタル、タンタルカーバイド、タンタルナイトライド、二ホウ化チタン、チタンカーバイド、チタンナイトライド、二ホウ化ジルコニウム、ジルコニウムカーバイド、およびジルコニウムナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[8]
酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および酸化ホウ素からなる群より選択される少なくとも1つの充填剤をさらに含む、上記[7]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[9]
前記コーティング組成物が溶液成分をさらに含み、前記コーティング組成物の湿混和物中の二酸化チタンの重量百分率が約20重量%未満かつ少なくとも約10重量%である、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[10]
前記コーティング組成物の湿混和物における二酸化チタンの重量百分率が約8重量%から16重量%の間にある、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[11]
前記溶液成分がバインダーを含む、上記[9]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[12]
前記バインダーがリン酸および/またはナトリウムシリケートを含む、上記[11]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[13]
酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ホウ素から選択される約2重量%から約60重量%の充填剤をさらに含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[14]
重量基準で約8%から30%未満のSiCを乾量基準でさらに含む、上記[1]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[15]
重量基準で約8%から約20%のSiCを乾量基準で含む、上記[14]に記載の熱放射性コーティング組成物。
[16]
基材用の熱放射性コーティング組成物を調製する方法であって、
二酸化チタンを得る工程;
二酸化チタンを含む放射剤の集合を用意する工程;
セラミックボライド、セラミックカーバイド、およびセラミックナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含むマトリックス強度向上剤の集合を用意する工程;
少なくとも1つの充填剤が酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および酸化ホウ素からなる群より選択される、充填剤の集合を用意する工程;ならびに
前記放射剤の集合、前記マトリックス強度向上剤の集合、および前記充填剤の集合を混和する工程
を含み、少なくとも1つの充填剤が湿量基準でコーティング組成物の約2wt%から約60wt%を構成する、方法。
[17]
前記二酸化チタンが、産業廃棄物源および鉱石ベースの供給源の少なくとも1つから得られる、上記[16]に記載の方法。
[18]
前記産業廃棄物源がポリオレフィン重合プロセス廃棄物源を含む、上記[17]に記載の方法。
[19]
前記産業廃棄物源がチーグラー・ナッタ触媒含有廃棄物源を含む、上記[18]に記載の方法。
[20]
前記産業廃棄物源から二酸化チタンを得ることが、
産業廃棄物源のpHを約7.0から約9.0の間に調整すること;および
pH調整した産業廃棄物源から二酸化チタンを沈殿させること
を含む、上記[17]に記載の方法。
[21]
前記産業廃棄物源から二酸化チタンを得ることが、沈殿した二酸化チタンを熱分解プロセスに付すことをさらに含む、上記[20]に記載の方法。
[22]
前記放射剤の集合が、二酸化チタンに加えて、シリコンカーバイド、酸化クロム、二酸化ケイ素、酸化鉄、ボロンシリサイド、ボロンカーバイド、四ホウ化ケイ素、モリブデンジシリサイド、タングステンジシリサイド、および二ホウ化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1つの放射剤を含む、上記[16]に記載の方法。
[23]
前記マトリックス強度向上剤の集合が、シリコンカーバイド、二ホウ化ハフニウム、ハフニウムカーバイド、ハフニウムナイトライド、二ホウ化タンタル、タンタルカーバイド、タンタルナイトライド、二ホウ化ジルコニウム、ジルコニウムカーバイド、およびジルコニウムナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含む、上記[16]に記載の方法。
[24]
前記コーティング組成物の乾燥混和物が、約28重量%未満の二酸化チタンかつ少なくとも約10重量%の二酸化チタンを含む、上記[16]に記載の方法。
[25]
前記コーティング組成物の乾燥混和物が、約22重量%未満の二酸化チタンかつ少なくとも約10重量%の二酸化チタンを含む、上記[24]に記載の方法。
[26]
前記コーティング組成物の湿混和物が、約20重量%未満の二酸化チタンかつ少なくとも約10重量%の二酸化チタンを含む、上記[16]に記載の方法。
[27]
前記コーティング組成物の湿混和物が、約16重量%未満の二酸化チタンかつ少なくとも約8重量%の二酸化チタンを含む、上記[26]に記載の方法。
[28]
前記コーティング組成物中に存在する二酸化チタンの重量百分率を調整することによって、前記コーティング組成物の放射率値を増加させること
をさらに含む、上記[16]に記載の方法。
[29]
前記コーティング組成物中の二酸化チタンの重量百分率が、湿量基準で少なくとも20%であり、前記コーティング組成物が、約1000℃の温度で少なくとも約0.95の放射率値を有する、上記[28]に記載の方法。
[30]
リン酸およびナトリウムシリケートからなる群より選択される少なくとも1つのバインダーを用意すること;および
前記少なくとも1つのバインダーを前記放射剤の集合、前記マトリックス強度向上剤の集合、および前記充填剤の集合を混和して、コーティング組成物を形成させること
をさらに含む、上記[16]に記載の方法。
[31]
複数の表面を有する基材を用意すること;および
前記基材の少なくとも1つの表面に前記コーティング組成物を適用すること
をさらに含む、上記[16]に記載の方法。
[32]
前記基材が、シリカ断熱レンガ、セラミック繊維、セラミックモジュール、耐火レンガ、プラスチック耐火物、キャスタブル耐火物、耐火モルタル、ファイバーライト、セラミックタイル、ファイバーボードのアレイ、および金属からなる群より選択される、上記[31]に記載の方法。
[33]
前記基材が、炉、燃焼加熱器、セラミック自動車部品、耐火航空宇宙部品、または海洋部品の一部分を含む、上記[32]に記載の方法。
[34]
前記炉がクラッキング炉を含む、上記[33]に記載の方法。
[35]
前記コーティング組成物の湿混和物が約2重量%から約60重量%の充填剤を含有する、上記[16]に記載の方法。
[36]
重量基準で約8%から30%未満のSiCを乾量基準で用意することをさらに含む、上記[16]に記載の方法。
[37]
重量基準で約8%から約20%のSiCを乾量基準で用意することを含む、上記[36]に記載の方法。
[38]
熱放射性コーティング組成物を使って基材の熱放射率を調節するための方法であって、
目標放射率レベルまたは目標放射率調節を特定する工程;
前記目標放射率レベルまたは前記目標放射率調節を与えると予想されるコーティング組成物の二酸化チタン濃度を決定する工程;
コーティング組成物について基材の付着特性の集合を決定する工程;
決定された基材の付着特性を与えると予想されるコーティング組成物のSiC濃度を決定する工程;ならびに
決定された二酸化チタン濃度および決定されたSiC濃度を含む熱放射性コーティング組成物を用意する工程
を含む、方法。
[39]
前記決定された二酸化チタン濃度を含む熱放射性コーティング組成物を用意することが、産業廃棄物流または鉱石ベースの二酸化チタン供給源から二酸化チタンを抽出することを含む、上記[38]に記載の方法。
[40]
前記産業廃棄物流がポリオレフィン重合プロセス廃棄物源を含む、上記[39]に記載の方法。
[41]
前記ポリオレフィン重合プロセス廃棄物源がチーグラー・ナッタ触媒含有廃棄物源を含む、上記[40]に記載の方法。
[42]
前記産業廃棄物流から二酸化チタンを抽出することが、
前記産業廃棄物流のpHを約7.0から約9.0の間に調整すること;および
pH調整済みの産業廃棄物流から二酸化チタンを沈殿させること
を含む、上記[41]に記載の方法。
[43]
コーティング組成物のSiC濃度を決定することが、重量基準で約8%から30%未満という、乾量基準でのSiC濃度を選択することをさらに含む、上記[38]に記載の方法。
[44]
乾量基準でのSiC濃度が重量基準で約8%から約20%である、上記[43]に記載の方法。

Claims (17)

  1. 乾量基準でコーティング組成物の22重量%未満かつ少なくとも10重量%の二酸化チタンを含む少なくとも1つの放射剤;および
    乾量基準でコーティング組成物の8重量%以上かつ30重量%未満のシリコンカーバイドを含む少なくとも1つのマトリックス強度向上剤の
    乾燥混和物を含む、熱放射コーティング組成物であって、
    前記放射剤および前記マトリックス強度向上剤がタイラーメッシュサイズで65から325メッシュの粒径を有する、熱放射性コーティング組成物
  2. 前記コーティング組成物が乾量基準でコーティング組成物の11〜22重量%の二酸化チタンを含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  3. 前記コーティング組成物が、乾量基準でコーティング組成物の少なくとも10重量%の二酸化チタンを含み、二酸化チタンを含まないコーティング組成物と比較して400℃と1300℃の間の温度域において増加した放射率値を示す、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  4. 前記コーティング組成物が、乾量基準でコーティング組成物の少なくとも20重量%の二酸化チタンを含み、1000℃の温度において少なくとも0.95の放射率値を示す、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  5. 前記コーティング組成物中の二酸化チタンの重量百分率が増加するにつれて、1000℃の温度における前記コーティング組成物の放射率値が増加する、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  6. 前記放射剤が、二酸化チタンに加えて、シリコンカーバイド、酸化クロム、二酸化ケイ素、酸化鉄、ボロンシリサイド、ボロンカーバイド、四ホウ化ケイ素、モリブデンジシリサイド、タングステンジシリサイド、および二ホウ化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1つの放射剤を含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  7. 前記マトリックス強度向上剤が、シリコンカーバイドに加えて、セラミックボライド、シリコンカーバイドを除くセラミックカーバイドおよびセラミックナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  8. 前記マトリックス強度向上剤が、シリコンカーバイドに加えて、二ホウ化ハフニウム、ハフニウムカーバイド、ハフニウムナイトライド、二ホウ化タンタル、タンタルカーバイド、タンタルナイトライド、二ホウ化チタン、チタンカーバイド、チタンナイトライド、二ホウ化ジルコニウム、ジルコニウムカーバイド、およびジルコニウムナイトライドからなる群より選択される少なくとも1つのマトリックス強度向上剤を含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  9. 酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、および酸化ホウ素からなる群より選択される少なくとも1つの充填剤をさらに含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  10. 酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ホウ素からなる群より選択される、乾量基準でコーティング組成物の2.08重量%から85.7重量%の充填剤をさらに含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  11. 乾量基準でコーティング組成物の8重量%から20重量%のシリコンカーバイドを含む、請求項1に記載の熱放射コーティング組成物。
  12. 熱放射コーティング組成物を使って基材の熱放射率を調節するための方法であって、
    目標放射率レベルまたは目標放射率調節を特定する工程;
    前記目標放射率レベルまたは前記目標放射率調節を与えると予想されるコーティング組成物の放射剤である二酸化チタン濃度を決定する工程であって、前記二酸化チタン濃度が乾量基準でコーティング組成物の22重量%未満かつ少なくとも10重量%である、工程;
    コーティング組成物について少なくとも1つの基材付着特性を決定する工程;
    決定された基材付着特性を与えると予想されるコーティング組成物のマトリックス強度向上剤であるシリコンカーバイド濃度を決定する工程であって、前記シリコンカーバイド濃度が乾量基準でコーティング組成物の8重量%以上かつ30重量%未満である、工程;ならびに
    決定された二酸化チタン濃度および決定されたシリコンカーバイド濃度を含む熱放射コーティング組成物を用意する工程
    含み
    前記放射剤および前記マトリックス強度向上剤がタイラーメッシュサイズで65から325メッシュの粒径を有する、方法。
  13. 前記決定された二酸化チタン濃度を含む熱放射性コーティング組成物を用意することが、産業廃棄物流または鉱石ベースの二酸化チタン供給源から二酸化チタンを抽出することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記産業廃棄物流がポリオレフィン重合プロセス廃棄物源を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ポリオレフィン重合プロセス廃棄物源がチーグラー・ナッタ触媒含有廃棄物源を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記産業廃棄物流から二酸化チタンを抽出することが、
    前記産業廃棄物流のpHを7.0から9.0の間に調整すること;および
    pH調整済みの産業廃棄物流から二酸化チタンを沈殿させること
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シリコンカーバイド濃度が乾量基準でコーティング組成物の8重量%から20重量%である、請求項12に記載の方法。
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