<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔22が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤31が着脱可能に取り付けられている。遊技盤31は合板よりなり、遊技盤31の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔22を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤31の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤31の正面図である。
遊技盤31の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域PEへの遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル55を回転操作したことにより遊技球発射機構54(図2参照)から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル55の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤31において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,可変入球手段として可変入賞装置36,振分入球手段として振分入賞装置37,上作動口(第1始動入球部)38,下作動口(第2始動入球部)39,スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、可変入賞装置36、振分入賞装置37、上作動口38及び下作動口39への入球が発生すると、それが遊技盤31の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口38への入球が発生した場合及び下作動口39への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置36への入球が発生した場合及び振分入賞装置37への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口38に係る賞球個数よりも下作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。また、例えば可変入賞装置36に係る賞球個数よりも振分入賞装置37に係る賞球個数が多い、又は振分入賞装置37に係る賞球個数よりも可変入賞装置36に係る賞球個数が多いといったように、両入賞装置36,37の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤31の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤31には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されずに当該遊技領域PEの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置36、振分入賞装置37、上作動口38、下作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口38及び下作動口39は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。上作動口38及び下作動口39は共に上向きに開放されている。また、上作動口38が上方となるようにして両作動口38,39は鉛直方向に並んでいる。下作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。
電動役物39aは遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が下作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで下作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口39への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤31の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓孔22と対向しており、さらに窓孔22との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓孔22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。また、可変表示ユニット42には、図柄表示装置51を囲むようにしてセンターフレーム52が配設されている。このセンターフレーム52は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置51の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面Gの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置51では、上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置51において変動表示が行われる。
図柄表示装置51の表示内容について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置51にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置51の表示画面Gを示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置51の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて表示画面Gにおいて演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で演出が終了される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置51における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、遊技者にとって有利な状況になる場合に図柄表示装置51に表示される最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置51における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。
また、図柄表示装置51における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置51にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム52の上部には、役物用表示部44に対応した保留ランプ部53が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部53の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ部53が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技球発射機構54は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔22の下方に取り付けられている。遊技球発射機構54は、遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドを備えており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイドが駆動制御され、遊技球が発射されるように構成されている。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構54側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤31)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のオン操作及びオフ操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板80が設けられている。外部端子板80は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板80は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
次に、両入賞装置36,37のうち先ず振分入賞装置37の構成について説明する。
振分入賞装置37は、図4に示すように、回転体ユニット91を収容するとともに、当該回転体ユニット91に向けた遊技球の流入を許容する内部空間が形成されたベース体81を備えており、当該ベース体81に形成されたフランジが遊技盤31に前面側からネジ止め固定されている。
ベース体81には、回転体ユニット91への遊技球の導入を可能とする振分入賞口82が形成されており、振分入賞口82に入賞した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用検知センサ83が設けられている。カウント用検知センサ83は振分入賞口82の下流側に設けられており、当該カウント用検知センサ83にて遊技球が検知されたことに基づき、振分入賞装置37への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。
当該振分入賞口82に対しては一対の開閉片84が設けられている。開閉片84はソレノイドなどの振分入賞駆動部85に接続されており、当該振分入賞駆動部85が主制御装置71により駆動制御されることで、振分入賞口82からの遊技球の流入を不可とする閉鎖位置と遊技球の流入を可能とする開放位置とのそれぞれに配置可能となっている。なお、開閉片84が開放位置に配置されている状態を振分入賞口82の開放状態とも言い、開閉片84が閉鎖位置に配置されている状態を振分入賞口82の閉鎖状態とも言う。
振分入賞口82から流入した遊技球は回転体ユニット91に導かれることとなるが、ベース体81にはその流入した遊技球が回転体ユニット91に導かれる様子や回転体ユニット91に到達した遊技球の様子をパチンコ機10前方から視認可能とする窓部86が形成されている。つまり、振分入賞装置37内に流入した遊技球は、振分入賞装置37内に形成された転動領域又は回転体ユニット91への誘導通路を流下することとなるが、当該流下態様をパチンコ機10前方から視認可能となっている。
回転体ユニット91について図7を用いて説明する。図7は、回転体ユニット91の分解斜視図である。
回転体ユニット91は、誘導通路形成部材92と排出通路形成部材93とを備えている。誘導通路形成部材92には、その略中央に下方に凹んだ凹部94が形成されている。凹部94は、平面視で円形状をしている。そして、凹部94の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路95が形成されている。誘導通路95は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。
誘導通路95の奥側中央は、振分入賞口82から流入した遊技球が導出される位置となっており、当該遊技球は誘導通路95の奥側中央に到達する。この到達した遊技球は誘導通路95の左右いずれかの傾斜部を流下して誘導通路95の手前側に誘導され、この誘導された遊技球は凹部94側へ導かれる。
凹部94には、その底面にV入賞用通過部101が形成されている。V入賞用通過部101は、排出通路形成部材93に形成されたV入賞通路102に通じており、V入賞用通過部101を通過した遊技球はV入賞通路102を通じて振分入賞装置37の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路102にはV入賞用検知センサ103が設けられており、V入賞通路102を通過する遊技球はV入賞用検知センサ103により検知される。
なお、この検知結果は主制御装置71に入力される。また、V入賞用検知センサ103としては、磁気検知センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
また、凹部94の側面には排出用通過部104が形成されている。排出用通過部104は、排出通路形成部材93に形成された排出通路105に通じており、排出用通過部104を通過した遊技球は排出通路105を通じて振分入賞装置37の外部へ排出される。この場合に、排出通路105には排出用検知センサ106が設けられており、排出通路105を通過する遊技球は排出用検知センサ106により検知される。排出用検知センサ106及びV入賞用検知センサ103からの検知結果に基づき、振分入賞装置37内に遊技球が残存しているか否かが判定される。
なお、この検知結果は主制御装置71に入力される。また、排出用検知センサ106としては、磁気検知センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
排出通路形成部材93には下側からモータ111が取り付けられており、当該モータ111の上下方向に延びる出力軸112は、排出通路形成部材93及び誘導通路形成部材92を貫通している。そして、出力軸112には回転体113が固定されている。なお、モータ111は主制御装置71と電気的に接続されており、当該主制御装置71により駆動制御される。
回転体113は、誘導通路形成部材92の凹部94よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部94内に配置されている。そして、回転体113はモータ111の駆動に伴って回転する。回転体113の外周には内側に凹んだ10個の球案内部114が形成されており、これら球案内部114は等間隔で並んでいる。このうち、5個の球案内部114は無底のV入賞案内部114aとなっており、5個の球案内部114は有底の排出案内部114bとなっている。
各球案内部114は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路95の手前側から導出される遊技球はいずれかの球案内部114に入る。この場合に、V入賞案内部114aに入った遊技球は回転体113の回転に伴ってV入賞用通過部101の上部に到達し、V入賞通路102内に落下する。一方、排出案内部114bに入った遊技球は回転体113の回転に伴って排出用通過部104の横方に到達し、排出通路105内に入る。なお、以降の説明において、振分入賞装置37に入賞した遊技球がV入賞通路102内に落下することを、他の入賞と区別するためにV入賞する又はV入賞の発生とも言い、遊技球が排出通路105に入ることを、単に遊技球がV入賞しなかった又は遊技球が排出されたとも言う。
以上説明した振分入賞装置37内に入った遊技球は、誘導通路95を転がることで回転体113のいずれかの球案内部114に導出される。この場合に、V入賞案内部114aに入った遊技球は最終的にV入賞用検知センサ103により検知され、排出案内部114bに入った遊技球は最終的に排出用検知センサ106により検知される。V入賞用検知センサ103により遊技球が検知された場合には、後述する開閉実行モードにおいて次のラウンド遊技が継続される。ちなみに、振分入賞口82に入賞した遊技球は、V入賞案内部114a及び排出案内部114bのいずれかに必ず導かれる。すなわち、振分入賞口82に遊技球が入賞した場合、当該遊技球を用いてV入賞するか否かを判定するV入賞振分判定が自ずと行われるようになっている。
なお、回転体113における複数の球案内部114は、その半分がV入賞案内部114aであり、残りの半分が排出案内部114bである。また、回転体113は一定の速度で回転する。したがって、振分入賞装置37に1個の遊技球が入賞した場合に、その遊技球がV入賞用検知センサ103により検知される確率は1/2となっている。但し、これに限定されることはなく、当該確率が1/2よりも低くてもよく、高くてもよい。
ここで、図4に示すように、遊技盤31には、異常検知手段として振動検知センサ117が設けられている。振動検知センサ117は、振分入賞装置37周辺における遊技盤31の背面側に設置されている。振動検知センサ117は主制御装置71と電気的に接続されており、主制御装置71から動作電力(動作電圧)が供給されている状況において振動を検知するとともに、その検知結果を主制御装置71に対して出力するものである。これにより、パチンコ機10を叩いたり揺らしたりする不正行為を把握することができる。
すなわち、既に説明した通り、振分入賞装置37では遊技球の振分が行われるため、当該振分入賞装置37周辺を叩くことにより、振分入賞装置37の振分結果が有利な結果となるように遊技球を誘導させようとする不正行為が想定される。これに対して、振動検知センサ117が設けられていることにより、上記不正行為が行われた場合に、それを把握することが可能となる。
なお、振動検知センサ117の位置は、上記のものに限定されることはなく、振動を検知することができれば任意である。但し、振分入賞装置37に対する不正行為を抑制する観点に着目すれば、振分入賞装置37寄りに配置されている方が好ましい。
上記振動検知センサ117が接続されている主制御装置71は、上記振動検知センサ117によって振動を検知した場合に、その後の遊技を停止させる遊技停止機能を有している。
また、図3に示すように、主制御装置71には、遊技が停止している状態から復帰させるためのスイッチとして復帰スイッチ118が設けられている。遊技が停止されている状況において復帰スイッチ118をオンにする(押す)ことによって、遊技が再開されるようになっている。なお、復帰スイッチ118をオンにする操作が解除操作に対応する。
さらに、主制御装置71には、当選スイッチ119が設けられている。当該当選スイッチ119をオンにしながら(押しながら)復帰スイッチ118をオンにする(押す)と、復帰後の遊技状態が遊技者に対して有利な状態となるように設定されている。なお、当選スイッチ119をオンにしながら復帰スイッチ118をオンにする操作が特定解除操作に対応する。
次に、可変入賞装置36について図8を用いて説明する。図8(a),(b)は可変入賞装置36の縦断面図である。
可変入賞装置36は、遊技球が通過可能な大きさの大入賞口(又は特別入賞口)121が形成されているとともに、当該大入賞口121を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える開閉部材122を備えている。開閉部材122は可変入賞駆動部123により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。
また、可変入賞装置36には、大入賞口121を介して可変入賞装置36内に入球した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部124が形成されており、さらに当該入賞用通過部124の位置に検知領域が存在するようにしてカウント用検知センサ125が設けられている。カウント用検知センサ125は大入賞口121の下流側に設けられており、当該カウント用検知センサ125によって、可変入賞装置36に入賞した遊技球が個別に検知される。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板131と、電源を監視する停電監視基板135と、を具備している。
主制御基板131には、MPU132が搭載されている。MPU132には、当該MPU132により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM133と、そのROM133内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM134と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU132に対してROM133及びRAM134が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU132には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU132の入力側には、停電監視基板135及び払出制御装置78が接続されている。この場合に、停電監視基板135には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置79が接続されており、MPU132には停電監視基板135を介して電力が供給される。
また、MPU132の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、振分入賞装置37に設けられたカウント用検知センサ83、V入賞用検知センサ103及び排出用検知センサ106と、振動を検知する振動検知センサ117と、可変入賞装置36に設けられたカウント用検知センサ125と、その他入賞検知センサ136a〜136dとが含まれている。また、その他入賞検知センサ136a〜136dには、一般入賞口35、上作動口38、下作動口39及びスルーゲート41といった入賞対応入球部に対して1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれている。MPU132では、これら各種検知センサ83,103,106,117,125,136a〜136dの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU132では、上作動口38又は下作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。
さらに、MPU132の入力側には、復帰スイッチ118及び当選スイッチ119が接続されている。MPU132は、遊技停止状態である状況においてこれらスイッチ118,119の操作状況に応じて遊技を復帰させるか否かを決定するとともに、当該復帰後の遊技状態を決定する。
MPU132の出力側には、停電監視基板135、払出制御装置78、外部端子板80及び音声発光制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。外部端子板80には、例えば遊技停止したことに基づいて遊技停止を特定するための信号が出力される。
音声発光制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、音声発光制御装置72は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置71と電気的に接続されている。
また、MPU132の出力側には可変入賞駆動部123と、振分入賞駆動部85と、モータ111と、下作動口39の電動役物39aを開閉動作させる電動役物駆動部39bと、メイン表示部43と、役物用表示部44とが接続されている。主制御基板131には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU132は各種駆動部の駆動制御を実行する。
ここで、開閉実行モードにおいては大入賞口121や振分入賞口82が開閉されるように、MPU132にて可変入賞駆動部123や振分入賞駆動部85の駆動制御が実行される。また、電動役物39aの開放状態当選となった場合には、電動役物39aが開閉されるように、MPU132にて電動役物駆動部39bの駆動制御が実行される。また、各対応結果抽選が行われた場合には、MPU132においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU132において役物用表示部44の表示制御が実行される。
また、MPU132は、パチンコ機10の電源がオンである状況において常に回転体113が回転するようにモータ111の駆動制御を行う。なお、これに限られず、例えば振分が行われる期間に亘ってモータ111を駆動制御する構成としてもよい。
停電監視基板135は、主制御基板131と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板131や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置79にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がオフ状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置71のRAM134に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構54の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構54は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、遊技球発射機構54に設けられたソレノイドに対して電源及び発射制御装置79から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
音声発光制御装置72は、MPU142が搭載された音声発光制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部53,58a,58bやスピーカ部59を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置150に送信する。ちなみに、音声発光制御装置72は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置150と電気的に接続されている。
表示制御装置150は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき、所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
<主制御装置71のMPU132にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置71のMPU132にて各種抽選を行うための電気的な構成について図10を用いて説明する。
MPU132は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当否抽選、メイン表示部43の表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図10に示すように、当否抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モードの終了後のサポート種別を判定する際に使用するサポート種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、下作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1,C2,CINI,C4は、RAM134の各種カウンタエリア134bに設けられている。
各カウンタC1,C2,CINI,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短期間間隔で更新され、その更新値がRAM134の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファにおいて、大当たり乱数カウンタC1及びサポート種別カウンタC2に対応した各数値情報は、上作動口38又は下作動口39への入賞が発生した場合に、RAM134に取得情報記憶手段として設けられたカウンタ情報格納エリア134aに格納される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM134の電役保留エリア134cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
ここで、本パチンコ機10では、電動役物39aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口39の電動役物39aが単位期間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物39aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保期間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口39よりも上作動口38への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口38よりも下作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口39への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位期間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間(例えば、スルーゲート41への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の期間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保期間が選択され易い又は平均の確保期間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放期間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間を短くする、係る確保期間の平均期間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口38又は下作動口39に入賞したタイミングでRAM134のカウンタ情報格納エリア134aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM133における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア133aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルの内容について図11(a)を用いて説明する。
図11(a)に示すように、当否テーブルには、当否結果として非分岐対応結果及び分岐対応結果が設定されている。各対応結果は、各入賞装置36,37が予め定められた態様で開閉されるラウンド遊技が複数回行われる開閉実行モードへ遊技状態を移行させるものである。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限継続期間が経過すること、(2)振分入賞口82及び大入賞口121への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施形態においては、1回のラウンド遊技において振分入賞口82又は大入賞口121の開閉が1回行われる。
各対応結果においてラウンド遊技が行われる回数は予め定められており、具体的には16回に設定されている。この場合、非分岐対応結果は、開閉実行モードにおいて複数回のラウンド遊技が無条件に継続されるように設定されている一方、分岐対応結果は、開閉実行モード中において予め定められた継続条件が成立した場合にラウンド遊技が継続するように設定されている。当該継続条件は、(A)振分入賞口82(振分入賞装置37)に遊技球が入球(入賞)し、且つ(B)入球した遊技球がV入賞することである。なお、以降の説明において16回行われるラウンド遊技のうち何回目のラウンド遊技であるかを区別するために各ラウンド遊技を単に1R目のラウンド遊技、2R目のラウンド遊技、…、16R目のラウンド遊技と言い、さらに(A)の条件を前提条件ともいう。
なお、本パチンコ機10においては、外れ結果が設定されていない構成となっているが、これに限られず、外れ結果を設定する構成としてもよい。この場合、外れ結果として、開閉実行モードへの移行契機となる特別外れ結果と開閉実行モードへの移行契機とならない通常外れ結果とを設定してもよい。
ここで、分岐対応結果と非分岐対応結果とで、開閉実行モード終了後の遊技状態が異なるように設定されている。具体的には、非分岐対応結果である場合、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなるように設定されている。当該高頻度サポートモードは、非分岐対応結果に当選する又は分岐対応結果においてV入賞するまで継続される。
一方、分岐対応結果である場合、開閉実行モードの終了後のサポートモードは、高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードのいずれかに振り分けられる。当該振分は、サポート種別カウンタC2の値に基づいて行われる。
サポート種別カウンタC2について説明する。サポート種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。サポート種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口38又は下作動口39に入賞したタイミングでRAM134のカウンタ情報格納エリア134aに格納される。
サポート種別カウンタC2に対する開閉実行モードの終了後における遊技状態の振分先は、ROM133における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア133bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図11(b)を用いて説明する。
図11(b)に示すように、分岐対応結果の振分先として、サポートなし分岐対応結果及びサポート付分岐対応結果が設定されている。サポートなし分岐対応結果は、継続条件が成立した場合(V入賞した場合)にラウンド遊技が継続して行われるとともに、当該ラウンド遊技が継続された開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる結果である。一方、サポート付分岐対応結果は、継続条件を満たした場合にラウンド遊技が継続して行われるとともに、当該ラウンド遊技が継続された開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる結果である。各サポートモードは、V入賞するまで又は非分岐対応結果に当選するまで継続する。このため、高頻度サポートモードは、サポートなし分岐対応結果である状況においてV入賞しない限り継続するようになっている。なお、継続する条件としてはこれに限られず、移行後において振分入賞口82の開放回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達するまでとしてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」がサポートなし分岐対応結果に対応しており、「10〜29」がサポート付分岐対応結果に対応している。高頻度サポートモードは、サポートなし分岐対応結果である状況においてV入賞しない限り継続するため、分岐対応結果である場合において高頻度サポートモードが継続する確率は約66.7%であるといえる。なお、高頻度サポートモードが継続する全確率は、上記確率と、非分岐対応結果に当選する確率(約0.3%)との和であり、約67.0%となっている。
<主制御装置71にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置71内のMPU132にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU132では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU132により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ83,103,106,117,125,136a〜136dの状態を読み込み、これら各種検知センサ83,103,106,117,125,136a〜136dの状態を判定して、検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ83,125,136a〜136dにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置78に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、カウント用検知センサ125によって可変入賞装置36への入賞が検知されている場合やカウント用検知センサ83によって振分入賞装置37への入賞が検知されている場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM134の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア134cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア134cに格納する。また、音声発光制御装置72に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部53を点灯させるための信号を出力する。音声発光制御装置72は、当該信号が受信されたことに基づいて保留ランプ部53を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定する場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1の数値情報及びサポート種別カウンタC2の数値情報を取得し、当該数値情報をカウンタ情報格納エリア134aに記憶させる。
その後、ステップS106にて、異常要因としての振動が検知されたか否かを監視する異常監視処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
異常監視処理について図13のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201にて、異常監視中であるか否かを判定する。具体的には、振動検知センサ117がアクティブであるか否か、すなわち振動検知センサ117に対して当該振動検知センサ117が動作可能な動作電圧を印加しているか否かを判定する。異常監視中でない場合には、ステップS202に進み、各種フラグ格納エリア134dに設けられた異常監視フラグ格納エリアに異常監視フラグがセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。異常監視フラグは、継続条件の成否判定(回転体ユニット91の振分)が行われている期間に亘ってセットされるフラグである。
異常監視フラグがセットされていない場合には、そのまま異常監視処理を終了する一方、異常監視フラグがセットされている場合には、ステップS203に進み、異常監視開始処理を実行する。異常監視開始処理では、振動検知センサ117をアクティブにする処理を実行する。具体的には、振動検知センサ117に対して動作電圧の印加を開始し、本異常監視処理を終了する。つまり、異常監視フラグがセットされていることに基づいて振動検知センサ117をアクティブにする。
ステップS201にて異常監視中であると判定する場合には、ステップS204に進み、振動検知センサ117によって振動が検知されたか否かを判定する。振動検知センサ117により振動が検知されていない場合には、ステップS207に進む一方、振動検知センサ117により振動を検知した場合には、ステップS205に進み、各種フラグ格納エリア134dに設けられた異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグをセットする。異常発生フラグは、MPU132において振動が検知されたことを特定するためのフラグであり、当該異常発生フラグの有無を確認することにより、異常要因としての振動の発生の有無を確認することができる。
続くステップS206では、各種カウンタエリア134bに設けられている異常監視タイマカウンタETを「0」に初期設定し、ステップS207に進む。異常監視タイマカウンタETは、振動が検知されたタイミングを基準として当該タイミングからの経過期間を把握するためのカウンタである。異常監視タイマカウンタETは、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1ずつ加算されるように構成されている。このため、異常監視タイマカウンタETの値を把握することにより、振動が検知されてからどれだけの期間が経過したかを把握することができる。
ステップS207では、異常監視フラグがセットされているか否かを判定する。異常監視フラグがセットされている場合にはそのまま本異常監視処理を終了する一方、異常監視フラグがセットされている場合にはステップS208にて異常監視終了処理を実行する。当該異常監視終了処理では、振動検知センサ117を停止させる処理を実行する。具体的には、振動検知センサ117に対する動作電圧の印加を停止する処理を実行する。これにより、振動検知センサ117は、その動作を停止する。そして、本異常監視処理を終了する。
すなわち、振動検知センサ117は異常監視フラグがセットされている期間に亘ってアクティブとなっている。換言すれば、異常監視フラグがセットされている期間が、異常要因としての振動を監視する異常監視期間といえる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。
通常処理において、ステップS301では、現在遊技停止中か否かを判定する。具体的には、RAM134の各種フラグ格納エリア134dに設けられた遊技停止フラグ格納エリアに遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、MPU132において遊技を停止すべきことを特定するためのフラグである。遊技停止フラグは所定の条件が成立した場合にセットされるものであり、遊技停止が解除された場合に消去される。
遊技停止中でない場合には、ステップS302〜ステップS309の処理を実行する。ステップS302〜ステップS309の処理うち、ステップS302〜S307の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余期間でステップS308,S309のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ず、ステップS302では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置78に送信する。また、開閉実行モードの演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声発光制御装置72に送信する。
続くステップS303では、遊技を進行させるための遊技制御処理を実行する。遊技制御処理では、カウンタ情報格納エリア134aに格納されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報に基づいて当否判定を行うとともに、上記当否判定の結果が分岐対応結果である場合には振分判定を行う。
詳細には、当否テーブルを参照することで、カウンタ情報格納エリア134aに格納されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報が非分岐対応結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。当該判定処理が当否判定処理に対応する。一致している場合には非分岐対応結果であると判定し、一致していない場合には分岐対応結果であると判定する。分岐対応結果であると判定する場合には、振分テーブルを参照することで、カウンタ情報格納エリア134aに格納されているサポート種別カウンタC2の数値情報がサポートなし分岐対応結果及びサポート付分岐対応結果のうちどちらの分岐対応結果に対応しているかを特定する処理を実行する。当該処理が振分判定処理に対応する。そして、特定した対応結果の種類に応じたフラグをRAM134にセットする。これにより、主制御装置71において今回の大当たり乱数カウンタC1の数値情報に対応した対応結果を特定することができるとともに、分岐対応結果にあってはその種別を特定することができる。なお、上記フラグは開閉実行モードが終了する場合にクリアされるように設定されている。
さらに、遊技制御処理では、上記特定された対応結果に基づいてメイン表示部43において最終的に停止表示させる絵柄の表示態様を決定する処理を実行する。具体的には、ROM133には、対応結果の種類に応じて異なる絵柄の表示態様が設定された停止結果テーブルが記憶されている。当該停止結果テーブルには、非分岐対応結果に対応付けられた第1停止結果と、分岐対応結果に対応付けられた停止結果であって上記第1停止結果と異なる第2停止結果が設定されている。本遊技制御処理では、停止結果テーブルを参照することで、今回特定された対応結果に対応した停止結果を把握する。そして、メイン表示部43にて予め定められた期間(具体的には0.1sec)に亘って変動表示させた後、今回特定された対応結果に対応する停止結果を表示させる。
ちなみに、第2停止結果には、サポート付分岐対応結果に対応したサポート付停止結果と、サポートなし分岐対応結果に対応したサポートなし停止結果と、が設定されている。サポート付停止結果とサポートなし停止結果とは、その表示態様が異なっている。第2停止結果を表示することを特定した場合には、今回の分岐対応結果の種別を把握し、当該種別に対応した停止結果を表示する。
すなわち、分岐対応結果である場合には、サポート付分岐対応結果に対応したサポート付停止結果、又はサポートなし分岐対応結果に対応したサポートなし停止結果が表示される。両者はその表示態様が異なっているため、メイン表示部43の停止結果を把握することによって、どちらの分岐対応結果に当選しているかを把握することができる。
なお、メイン表示部43の変動表示期間はこれに限られず、任意であり、また変動表示期間を変動させる構成としてもよい。但し、各作動口38,39への遊技球の入球と振分入賞口82の開放との関連付けを好適に行うことを鑑みれば、メイン表示部43の変動表示期間を短く設定する方が好ましい。
また、メイン表示部43の変動表示を行わない構成としてもよい。この場合、各作動口38,39への入賞とほぼ同時にメイン表示部43の停止結果が表示されることとなる。
ここで、メイン表示部43にて停止表示される絵柄の態様は、対応結果毎に異なっているため、遊技ホールの管理者などはメイン表示部43を目視することで、当該対応結果を目視確認することができ、例えば非分岐対応結果と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことが可能となる。その一方、メイン表示部43は図柄表示装置51の表示画面Gに比べて表示範囲が狭く、さらにはメイン表示部43に停止表示される絵柄の態様は遊技者が認識しづらいものとなっている。したがって、遊技者は対応結果をメイン表示部43からではなく図柄表示装置51の表示画面Gから確認することが期待され、表示画面Gへの注目度が高められる。
その後、ステップS304では、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高頻度サポートモードに移行する。
続くステップS305では、下作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM134の電役保留エリア134cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物39aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM134の各種フラグ格納エリア134dに設けられた高頻度サポートフラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、高頻度サポートフラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物39aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放期間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間が、1回の開放期間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、フラグ格納エリア134dの高頻度サポートフラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS306では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、発射ハンドル55に対して発射操作が行われていることに基づき電源及び発射制御装置79から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構54に設けられたソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。この場合、発射ハンドル55の回転操作量に応じた発射強度で遊技球が発射されるようにソレノイドが駆動制御される。
続くステップS307では、RAM134の各種フラグ格納エリア134dに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板135において停電の発生が確認され当該停電監視基板135からMPU132のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS308にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定期間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余期間内において、乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行する。
一方、ステップS307にて、停電フラグがセットされていると判定する場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS310以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS310では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS311にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS312にてRAM134のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS304の遊技状態移行処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS401では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM134の各種フラグ格納エリア134dに設けられた開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグがセットされているか否か(「1」であるか否か)を判定する。開閉実行モードフラグはMPU132において遊技状態が開閉実行モードに移行したことを特定するためのフラグである。
開閉実行モード中ではない場合にはステップS402に進み、メイン表示部43の変動表示が終了したか否かを判定する。メイン表示部43の変動表示が終了していない場合にはそのまま遊技状態移行処理を終了する一方、メイン表示部43の変動表示が終了している場合にはステップS403に進む。なお、メイン表示部43において変動表示を行なわない構成の場合には、今回の通常処理の処理回の遊技制御処理において作動口38,39の入賞に基づく当否判定の処理が実行されたか否かを判定する。
ステップS403では、各種フラグ格納エリア134dの開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグをセットする。これにより、MPU132において遊技状態が開閉実行モードに移行していることを特定することができる。
続くステップS404では、RAM134の各種カウンタエリア134bに設けられたラウンドカウンタRCに「16」をセットする。ラウンドカウンタRCは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数をMPU132にて特定するためのカウンタであり、ラウンド遊技が行われる毎に1減算されるように設定されている。
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405にて、RAM134の各種カウンタエリア134bに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機期間として「100」をセットする。タイマカウンタTにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図12)が起動される度に1減算されるように更新される。したがって、オープニング用の待機期間は0.2secとなっている。但し、当該待機期間は任意である。
また、開閉実行モードに移行した場合にはその契機となった対応結果の種類がいずれであっても、ステップS405にてオープニング用の待機期間がセットされる。したがって、契機となった対応結果の種類がいずれであっても開閉実行モードのオープニング用の待機期間は同一となっている。但し、これに限定されることはなく、オープニング用の待機期間が相違している構成としてもよい。
ステップS405の処理を実行した後は、ステップS406にて、今回の対応結果が分岐対応結果であるか否かを判定する。分岐対応結果である場合には、ステップS407にて第1オープニングコマンドを設定し、本遊技状態移行処理を終了する。一方、今回の対応結果が分岐対応結果でない場合には、ステップS408にて第1オープニングコマンドとは異なる第2オープニングコマンドを設定し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、設定された各オープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信される。当該オープニングコマンドを受信したことによる音声発光制御装置72における処理については、後に説明する。
一方、ステップS401にて、開閉実行モード中であると判定する場合にはステップS409に進む。ステップS409では、入賞口開閉処理を実行する。当該入賞口開閉処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS501にて、振分入賞口82又は大入賞口121のいずれかが開放中であるか否かを判定する。いずれの入賞口82,121も開放中ではない場合には、ステップS502にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本入賞口開閉処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、今回の開閉実行モードの契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」であるか否かを判定する。ここで、先の遊技状態移行処理(図14)のステップS404にてラウンドカウンタRCは「16」に初期設定されているため、当該判定処理を否定判定し、ステップS504に進む。
ステップS504では、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本入賞口開閉処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS505にて入賞口開放処理を実行する。
当該入賞口開放処理について、図17のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS601では、RAM134の各種カウンタエリア134bに設けられた入賞カウンタPCに、ラウンド遊技の一の終了条件である上限個数として「8」をセットする。
その後、ステップS602にて、今回の開閉実行モードの契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つ現状設定されているラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCはラウンド遊技が行われる毎に1ずつ減算されるように設定されているため、ラウンドカウンタRCの値が「16」であることは1R目であることを意味する。つまり、ステップS602では、分岐対応結果に係る開閉実行モード中であり且つ今回の開放に係るラウンド遊技が1R目であるか否かを判定しているとも言える。
開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCが「16」である場合(ステップS602:YES)には、ステップS603にてタイマカウンタTに「100」をセットする。既に説明したとおり当該タイマカウンタTは、タイマ割込み処理(図12)が2msec周期で起動される度に1減算されるように更新されるため、ステップS603では、上限開放期間として0.2secが設定されたことを意味する。
続くステップS604では、振分入賞口82の開放処理を実行する。当該開放処理では、振分入賞口82が開放状態となるように振分入賞駆動部85を駆動制御する。その後、ステップS605にて各種フラグ格納エリア134dに設けられた異常監視フラグ格納エリアに異常監視フラグをセットし、本入賞口開放処理を終了する。これにより、タイマ割込み処理(図12)の異常監視処理において、異常監視開始処理が実行され、振動検知センサ117がアクティブとなる。異常監視フラグは、継続条件が成立し得る期間に亘ってセットされる。これにより、継続条件が成立し得る期間に亘って振動検知センサ117はアクティブとなる。
一方、ステップS602を否定判定する場合、開閉実行モードの移行契機となった対応結果が非分岐対応結果である場合、又は開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つ今回の開放に係るラウンド遊技が2R目以降である場合を意味する。この場合、ステップS606に進み、タイマカウンタTに「15000」をセットする。既に説明したとおり当該タイマカウンタTは、タイマ割込み処理(図12)が2msec周期で起動される度に1減算されるように更新されるため、ステップS606では、上限開放期間として30secが設定されたことを意味する。
続くステップS607では、大入賞口121の開放処理を実行する。当該開放処理では、大入賞口121が開放状態となるように可変入賞駆動部123を駆動制御する。その後、本入賞口開放処理を終了する。
つまり、本パチンコ機10では、開閉実行モードにおいて各入賞口82,121の開閉が予め定められた特定回数(ラウンド遊技が行われる回数)に亘って行われる。この場合、非分岐対応結果である場合には、各ラウンドにおいて可変入賞装置36の大入賞口121が開放対象となっている。一方、分岐対応結果である場合には、1R目のみ振分入賞口82が開放対象となり、2R目以降では大入賞口121が開放対象となる。
ここで、既に説明した通り、分岐対応結果における継続条件には、振分入賞口82の開放が含まれている。このため、振分入賞口82への入賞が可能となる1R目のラウンド遊技が継続条件の成否に係るラウンド遊技となっている。すなわち、分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否かの判定処理は、継続条件の成否に係るラウンド遊技の開始タイミングであるか否かの判定処理であるとも言える。そして、異常監視フラグは、上記継続条件の成否に係るラウンド遊技が開始される場合にセットされるフラグであるとも言える。
振分入賞口82の1回の開放態様と大入賞口121の1回の開放態様とで、入賞口82,121が開放されてから閉鎖されるまでの上限開放期間(上限開放時間)が異なっている。詳細には、上限開放期間が長期間である30secに設定された長期間態様と、上限開放期間が上記長期間よりも短い短期間である0.2secに設定された短期間態様と、が設定されており、大入賞口121の開放態様は長期間態様に設定されており、振分入賞口82の開放態様は短期間態様に設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構54が駆動制御される。また、ラウンド遊技は、終了条件の上限個数が8個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長期間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い期間の上限開放期間が設定されていることとなる。したがって、長期間態様で可変入賞装置36の1回の開放が行われた場合には、その開放対象となった大入賞口121に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
一方、短期間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い期間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い期間の上限開放期間が設定されている。したがって、短期間態様で振分入賞装置37の1回の開放が行われた場合には、その開放対象となった振分入賞口82への入賞確率を低く抑えることが可能となる。ちなみに、短期間態様で開放されている振分入賞口82への遊技球の入賞が発生する場合とは、短期間態様による開放の対象となっている振分入賞口82周辺に遊技球が到達するように発射操作が行われている状況で、当該短期間態様による開放が開始される場合であり、入賞が発生するとしても遊技球1個又は2個程度である。すなわち、短期間態様は、各入賞口82,121への遊技球の入球個数が上限個数よりも少なくなるように設定された態様であるとも言える。
ここで、既に説明した通り、振分入賞装置37は、振分入賞口82を開放状態と閉鎖状態とに切り換える左右一対の開閉片84を備えている。当該開閉片84が開放位置に配置されている場合、振分入賞口82に入賞するパターンとしては、一対の開閉片84のうち一方の開閉片側から入賞するパターンと、他方の開閉片側から入賞するパターンとが想定される。このため、振分入賞口82の上限開放期間が遊技球の発射周期よりも短く設定されている場合であっても、遊技球が2個入賞し得るようになっている。
入賞口開閉処理(図16)の説明に戻り、ステップS505にて入賞口開放処理を実行した後は、ステップS506にて開放コマンドを設定した後に、本入賞口開閉処理を終了する。ステップS506にて設定された開放コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて音声発光制御装置72に送信される。音声発光制御装置72は、上記開放コマンドを受信したことに基づいて、当該開放コマンドに対応した処理を実行する。なお、当該開放コマンドには、振分入賞口82及び大入賞口121のうちどちらの入賞口が開放されたのかを特定するための情報が含まれている。
一方、ステップS501にて、振分入賞口82又は大入賞口121のいずれかが開放中であると判定する場合には、ステップS507に進む。ステップS507では、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定することにより、現状の入賞口82,121の開放について上限開放期間が経過したか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」ではない場合には、ステップS508に進む。
ステップS508では、振分入賞口82又は大入賞口121のうち現状開放されている側に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定は、振分入賞口82についてはカウント用検知センサ83の検知結果に基づき行われ、大入賞口121についてはカウント用検知センサ125の検知結果に基づき行われる。入賞が発生していない場合には、そのまま本入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS509にて、1減算されるように入賞カウンタPCの数値情報を更新するとともに、RAM134の各種カウンタエリア134bに設けられたカウントカウンタCCの数値情報を1加算する処理を実行する。カウントカウンタCCは振分入賞装置37内に遊技球が残存しているか否かを特定するために用いられるカウンタである。当該カウントカウンタCCは、入賞口開放処理(図17)が実行される度に「0」に初期設定されるカウンタであり、具体的にはステップS601にて「0」がセットされる。
その後、ステップS510では、現状のラウンド遊技が継続条件の成否に係るラウンド遊技であるか否かを判定する。具体的には、今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つ今回のラウンド遊技が1R目であるか(ラウンドカウンタRCの値が「16」であるか)否かを判定する。今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つ今回のラウンド遊技が1R目である場合には、振分入賞口82が開放されるため、ステップS510の処理は、今回の入賞が振分入賞口82への入賞であるか否かを判定しているとも言える。
なお、上記判定処理に代えて、今回入賞を検知した検知センサが振分入賞口82のカウント用検知センサ83であるか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS510を肯定判定する場合、振分入賞口82に遊技球が入球したことを意味する。すなわち、分岐対応結果における継続条件のうち(A)の条件(前提条件)を満たしたことを意味する。この場合、ステップS511にて、カウントカウンタCCが「1」であるか否かを判定する。
カウントカウンタCCの値が「1」でない場合にはそのまま本入賞口開閉処理を終了する一方、カウントカウンタCCの値が「1」である場合には、ステップS512に進み、前提条件成立コマンドを設定し、本入賞口開閉処理を終了する。ここで設定された前提条件成立コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて音声発光制御装置72に送信される。当該前提条件成立コマンドを受信したことによる音声発光制御装置72における処理については、後に説明する。
かかる処理によれば、遊技球が振分入賞口82に対して最初に入賞した場合には前提条件成立コマンドを設定する処理を実行する一方、その後更に振分入賞口82に対して遊技球が入賞した場合には前提条件成立コマンドが設定されないようになっている。これにより、1R目のラウンド遊技において複数回前提条件コマンドが設定されることを抑制することができる。
今回の開放が継続条件の成否に係るものではない場合、すなわち今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が非分岐対応結果である場合又は分岐対応結果であって2R目以降のラウンド遊技である場合には、ステップS513に進み、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する処理を実行する。
入賞カウンタPCが「0」でない場合には、そのまま本入賞口開閉処理を終了する一方、入賞カウンタPCが「0」である場合には、ステップS514にて、閉鎖処理を実行する。閉鎖処理では、各入賞口82,121のうち現状開放されている入賞口が閉鎖状態となるように、対応する入賞駆動部85,123の駆動制御を終了する。
続くステップS515では、閉鎖コマンドを設定する。ここで設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72において入賞口82,121が閉鎖されたことが認識される。
なお、閉鎖コマンドには、振分入賞口82及び大入賞口121のうちどちらの入賞口が閉鎖されたのかを特定するための情報が含まれている。このため、音声発光制御装置72において上記情報に基づきどちらの入賞口が閉鎖されたのかを特定することができる。
続くステップS516では、1減算されるようにラウンドカウンタRCの数値情報を更新し、その後ステップS517にて、ラウンドカウンタRCが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「0」でない場合には、ステップS518にて、タイマカウンタTに「500」をセットした後に、本入賞口開閉処理を終了する。
ステップS518にてセットされた数値情報は、振分入賞口82又は大入賞口121のいずれかが開放状態から閉鎖状態となり、それに続けていずれかの入賞口82,121が再度開放状態となるまでの開放待機期間用の数値情報であり、本パチンコ機10では1secがセットされる。すなわち、各ラウンド遊技間には、各入賞口82,121が閉鎖状態となっているインターバル期間が設けられている。当該インターバル期間が設けられていることによって、各ラウンド遊技における遊技球の入球個数の誤検知に基づく遊技者への不利益が回避されている。
すなわち、各入賞口82,121の下流側にカウント用検知センサ83,125が設けられているため、各入賞口82,121に対して遊技球が入球するタイミングと当該遊技球がカウント用検知センサ83,125によって検知されるタイミングとの間には、遅延期間が生じる。このため、仮にインターバル期間が設けられていない場合、当該遅延期間によって所定のラウンド遊技中に入球した遊技球が当該ラウンド遊技に対して次のラウンド遊技にて入球したものと誤認されるおそれがある。すると、遊技者に対して不利益を与える不都合が生じ得る。
これに対して、本パチンコ機10においては、ラウンド遊技間にインターバル期間が設けられているため、インターバル期間中に上記遅延に係る遊技球のカウントを行うことができる。これにより、上記不都合を回避することができる。
また、インターバル期間が設けられているため、当該インターバル期間が設けられていない構成と比較して、必要以上に遊技者に対して利益を付与することを抑制することができる。
ラウンドカウンタRCが「0」である場合には、ステップS519に進み、タイマカウンタTにエンディング用の待機期間として「2000」をセットする。つまり、本パチンコ機10では、エンディング用の待機期間は4secとなっている。但し、当該待機期間は任意である。
そして、ステップS520にてエンディングコマンドを設定した後に、本入賞口開閉処理を終了する。ステップS520にて設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72において開閉実行モードが終了されることが認識される。
つまり、各入賞口82,121が開放されている状況において当該開放されている入賞口に8個の遊技球が入球された場合にはラウンド遊技を終了し、その後の開放期間に関わらず当該入賞口を閉鎖される。そして、16R目のラウンド遊技が終了した場合にはエンディングを行うように設定されている。
ここで、既に説明したとおり、分岐対応結果において1R目のラウンド遊技における振分入賞口82の開放期間は0.2secであり、当該期間中に入賞し得る遊技球数は1又は2個程度であるため、1R目のラウンド遊技において振分入賞口82に入賞する遊技球がラウンド遊技の上限個数である8個に到達することがない。詳細には、分岐対応結果に対応した1R目のラウンド遊技において入賞カウンタPCが「0」となることはない。このため、分岐対応結果における1R目のラウンド遊技の終了条件は実質的に上限継続期間のみである。よって、分岐対応結果に対応した1R目のラウンド遊技における遊技球の入賞に係る処理(ステップS511及びステップS512)においてラウンド遊技の終了条件の1つである上限個数の入賞があったか否かの判定をする必要がない。したがって、分岐対応結果に対応した1R目のラウンド遊技における遊技球の入賞に係る処理においてステップS513の判定処理及びステップS514〜ステップS520の閉鎖用処理が省略されている。なお、これに限られず、閉鎖用処理等を実行する構成としてもよい。
また、開閉実行モードを終了する場合にはその契機となった対応結果の種類がいずれであっても、ステップS519にてエンディング用の待機期間がセットされる。したがって、いずれの種類の開閉実行モードであってもエンディング用の待機期間は同一となっている。
一方、ステップS507にて、タイマカウンタTの値が「0」であると判定する場合には、ステップS521に進み、期間対応閉鎖処理を実行する。
期間対応閉鎖処理について図18のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS701にて閉鎖処理を実行し、ステップS702にて閉鎖コマンドを設定する。これらの処理はステップS514及びステップS515の処理と同様である。
その後、ステップS703では、今回の終了対象となったラウンド遊技が継続条件の成否判定に係るものであるか否かを判定する。具体的には、今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つ今回の終了対象となったラウンド遊技が1R目であるか否か(ラウンドカウンタRCの値が「16」であるか否か)を判定する。
分岐対応結果である場合、1R目のラウンド遊技において振分入賞口82が開放されるため、ステップS703の判定処理は、今回閉鎖対象となった入賞口が振分入賞口82であったか否かを判定する処理とも言える。
今回の閉鎖対象となった入賞口が振分入賞口82でない場合、すなわち今回の閉鎖対象となった入賞口が継続条件の成否に関与しない大入賞口121である場合にはステップS709に進む一方、今回の閉鎖対象となった入賞口が振分入賞口82である場合にはステップS704に進む。
ステップS704では、カウントカウンタCCが「0」であるか否かを判定する。カウントカウンタCCが「0」でない場合には分岐対応結果における1R目のラウンド遊技中において振分入賞口82に対して遊技球が少なくとも1個入賞したことを意味する。すなわち、前提条件が成立していることを意味する。この場合、ステップS709に進む。
なお、カウントカウンタCCは、振分入賞装置37に入賞した場合に1加算され、当該振分入賞装置37において振分判定が行われた場合に1減算されるカウンタである。そして、振分入賞口82の開放期間は、遊技球が振分入賞口82に対して入賞してから当該遊技球について振分判定が行われるまでの期間よりも短く設定されている。このため、振分入賞口82の開放中に振分判定が行われることがない。よって、振分入賞口82への入賞によりカウントカウンタCCの値が「1」以上となった場合、当該振分入賞口82が閉鎖するタイミングまでにカウントカウンタCCの値が「0」となることはない。
カウントカウンタCCが「0」である場合には(ステップS704:YES)、前提条件が成立しなかったことを意味する。この場合、ステップS705にて、異常監視フラグを消去する。これにより、振動検知センサ117による振動検知が終了する。すなわち、前提条件の不成立により継続条件の不成立が確定した場合、異常監視フラグを消去することにより、振動検知センサ117による振動の監視を終了する。
また、ステップS705では、異常発生フラグがセットされている場合には当該異常発生フラグを消去する処理を実行する。
その後、ステップS706〜ステップS708にて次のラウンド遊技を行わないための処理を実行する。
具体的には、ステップS706にてラウンドカウンタRCを「0」に設定し、ステップS707にてタイマカウンタTに今回の対応結果において継続条件が成立しなかったことを報知するための待機期間として「1250」を設定する。すなわち、継続条件不成立に対応した演出を実行するための演出期間として2.5secを設定する。
そして、ステップS708にて継続条件不成立コマンドを設定し、本期間対応閉鎖処理を終了する。ここで設定された継続条件不成立コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72は継続条件が成立しなかったことを報知する処理を実行する。
ステップS703を否定判定する場合、すなわち今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が非分岐対応結果である場合、又は分岐対応結果であり且つ今回の終了対象となったラウンド遊技が2R目以降のラウンド遊技である場合にはステップS709にてラウンドカウンタRCを1減算する処理を実行する。また、ステップS704を否定判定する場合にもステップS709に進み、ラウンドカウンタRCを1減算する処理を実行する。
続くステップS710では、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS711〜ステップS713にてインターバル期間の設定を行う。
ここで、分岐対応結果に対応した開閉実行モードにおいては、1R目から2R目までのインターバル期間と2R目以降の各インターバル期間とが異なっている。詳細には、ステップS711にて、分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」であるか否かを判定する。分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」でない場合、ステップS712にてタイマカウンタTに「500」をセットし、本期間対応閉鎖処理を終了する。
一方、分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」である場合、ステップS713にてタイマカウンタTに「3000」をセットし、本期間対応閉鎖処理を終了する。
すなわち、分岐対応結果に対応した開閉実行モードでは、1R目及び2R目間のインターバル期間は、2R目以降のインターバル期間よりも長くなっており、具体的には、2R目以降のインターバル期間が1secであるのに対して1R目及び2R目間のインターバル期間が6secとなっている。
ここで、分岐対応結果にて設定される1R目及び2R目間のインターバル期間は、遊技球が振分入賞口82に対して入賞してから当該遊技球についてV入賞の振分判定が行われるまでの最長期間よりも長く設定されている。詳細には、振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ103又は排出用検知センサ106によって検知されるのに要する最長期間よりも1R目及び2R目間のインターバル期間の方が長くなるように、当該インターバル期間及び誘導通路95の通路距離が設定されている。これにより、上記インターバル期間中に確実にV入賞判定が行われるようになっている。
ちなみに、既に説明したとおり、分岐対応結果における1R目のラウンド遊技では上限個数に到達し得ない。そのため、入賞口開閉処理(図16)の上限個数に対応した閉鎖処理(ステップS514〜ステップS520)におけるインターバル期間の設定処理(ステップS517〜ステップS520)では、上記ステップS711及びステップS713の処理が省略されている。
一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS714及びステップS715の処理を実行し、本期間対応閉鎖処理を終了する。これらの処理は、入賞口開閉処理のステップS519及びステップS520の処理と同一であるため、説明を省略する。
入賞口開閉処理(図16)の説明に戻り、ステップS503にて今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」である場合には、ステップS522に進む。
ここで、各入賞口82,121が閉鎖中である状況において(ステップS501:NO)、今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果であり且つラウンドカウンタRCの値が「15」である場合(ステップS502:NO,ステップS503:YES)、分岐対応結果における1R目及び2R目間のインターバル期間であることを意味する。この場合、2R目以降のラウンド遊技を行うか否かの判定処理を実行する。
具体的には、ステップS522では、各種フラグ格納エリア134dに設けられた継続フラグ格納エリアに継続フラグがセットされているか否かを判定する処理を実行する。継続フラグは、分岐対応結果である場合に2R目以降のラウンド遊技を行うことをMPU132にて特定するためのフラグである。継続フラグは、継続条件が成立した場合にセットされる。
継続フラグがセットされている場合には、ステップS504に進む一方、継続フラグがセットされていない場合には、ステップS523にて分岐用処理を実行し、本入賞口開閉処理を終了する。
分岐用処理について図19のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS801にて、振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞されたか、又は排出されたかを判定する。具体的には、V入賞用検知センサ103又は排出用検知センサ106のいずれかの検知結果が、遊技球が検知されたことを示す結果であるか否かを判定する。
遊技球のV入賞及び遊技球の排出のいずれもが検知されない場合には、そのまま本分岐用処理を終了する一方、遊技球のV入賞又は排出が検知された場合にはステップS802に進む。
ステップS802では、カウントカウンタCCを1減算する処理を実行する。そして、ステップS803に進む。
ステップS803では、今回検知された遊技球がV入賞に係るものであるか否かを判定する。
V入賞である場合には、ステップS804にてV入賞したことに対応するV入賞対応処理を実行する。
V入賞対応処理について図20のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS901にて継続フラグをセットする。その後、ステップS902にて、異常発生フラグがセットされているか否かを判定する。異常発生フラグは、既に説明した通り、振動検知センサ117により振動が検知された場合にセットされるフラグである。このため、異常発生フラグがセットされているか否かの判定処理は、今回のV入賞が振動に基づくものであるか否かを判定しているとも言える。なお、以降の説明において、振動が検知されている状況におけるV入賞(振動が検知された後のV入賞)を異常V入賞ともいう。
異常発生フラグがセットされていない場合、正規の遊技に基づくV入賞であることを意味する。この場合、ステップS903にて、正規に継続条件が成立したこと(正規にV入賞したこと)を報知するための期間としてタイマカウンタTに「1500」をセットし、ステップS904に進む。
続くステップS904では継続当選コマンドを設定し、本V入賞対応処理を終了する。ここで設定された継続当選コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72は継続条件が成立したことを報知する処理を実行する。
一方、異常発生フラグがセットされている場合には、今回のV入賞が振動に基づく異常V入賞である可能性があることを意味する。この場合、ステップS905〜ステップS910にて遊技停止に対応した処理を実行する。
具体的には、先ずステップS905にて、現在の状態を保存するために各種情報を保存する処理を実行する。ここで、保存される各種情報には、各種フラグ格納エリア134dに格納されている各種フラグ情報、及び各種カウンタエリア134bに格納されているカウンタ情報が含まれている。詳細には、例えば継続フラグがセットされている場合には当該継続フラグを保存する。
その後、ステップS906にてタイマ割込み処理の発生を禁止する。これにより、タイマ割込み処理の実行が制限されるため、読み込み処理及び各種入賞処理が実行されない。よって、仮に入賞が発生したとしてもその事実を特定することが不可となっており、上記入賞に基づく遊技球の払出は行われない。
続くステップS907では、遊技を停止させるための遊技停止処理を実行する。具体的には、各種フラグ格納エリア134dに設けられた遊技停止フラグ格納エリアに遊技停止フラグをセットする。当該遊技停止フラグがセットされることにより、MPU132において遊技停止状態であることを特定することが可能となる。
また、ステップS907では、外部端子板80を介して当該パチンコ機10と接続されている管理コンピュータに対して遊技停止が発生した旨の信号を送信する。これにより、管理コンピュータにおいて遊技停止状態であることを確認することができる。
さらに、ステップS907では、各入賞口82,121が開放中であるか否かを判定し、各入賞口82,121のいずれかが開放中である場合には当該開放中の入賞口を閉鎖する処理を実行するとともに、異常監視フラグを消去する。
続くステップS908〜ステップS910では、遊技停止コマンドを設定する処理を実行する。この場合、振動が検知されたタイミングから異常V入賞が生じたタイミングまでの期間に応じて、異なる遊技停止コマンドを設定する。
具体的には、先ずステップS908にて、異常監視タイマカウンタETの値が予め定められた特定値よりも小さいか否かを判定する。異常監視タイマカウンタETは、既に説明した通り、振動が検知されてからどれだけの期間が経過したかを把握するものであり、具体的には振動検知センサ117によって振動が検知されたタイミングにて初期値として「0」が設定され、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1ずつ加算されるように構成されている。
ステップS908では、異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも小さいか否かを判定する。すなわち、V入賞したタイミングが、振動が検知されてから1.0secの範囲内のタイミングであるか否かを判定する。当該1.0secが異常対応期間に対応する。
異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも小さい場合、今回の異常V入賞が振動との関連性が比較的高いものであることを意味する。この場合、ステップS909にて第1遊技停止コマンドを設定し、本V入賞対応処理を終了する。
一方、異常監視タイマカウンタETの値が「500」以上である場合、今回の異常V入賞が振動との関連性が比較的低いものであることを意味する。この場合、ステップS910にて第2遊技停止コマンドを設定し、本V入賞対応処理を終了する。
すなわち、異常V入賞のうち、振動との関連性が相対的に高いことが想定される異常V入賞に対応させて第1遊技停止コマンドが設定され、振動との関連性が相対的に低いことが想定される異常V入賞に対応させて第2遊技停止コマンドが設定される。ここで設定された各遊技停止コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72は異常V入賞に基づく遊技停止が発生したことを報知する処理を実行する。
かかる処理によれば、異常V入賞が発生した場合、今回の開閉実行モードの移行タイミングにおいて設定されているサポートモード及び今回の開閉実行モードの移行契機となった分岐対応結果の種別に関わらず、直ちに遊技が停止する。これにより、異常V入賞の発生を迅速に把握することができるとともに、異常V入賞後の遊技を直ちに中止させることができる。
ここで、上記異常対応期間(1.0sec)は、誘導通路95から導出された遊技球が、回転体113によって振り分けられ、V入賞用検知センサ103により検知されるまでに要する期間よりも長く設定されている。これにより、振動との関連性がより高いV入賞と、振動との関連性が比較的低いV入賞とを区分けすることができる。
すなわち、振分入賞口82に入賞してから誘導通路95によって回転体113に導出されるまでの遊技球の流下態様は、V入賞する場合及び排出される場合双方において共通であり、その自由度は低い。このため、振分入賞口82に入賞してから誘導通路95によって回転体113に導出されるまでの間に振動を与えたとしても、振分結果には当該振動の影響が及びにくい。
さらに、回転体113に導出されるまでの流下態様に基づいて、遊技球がV入賞するか否かを特定することは困難であるため、V入賞させるために振動を与えるべきであるか否かを判断することは困難となっている。となると、振分入賞口82に入賞してから誘導通路95によって回転体113に導出されるまでの間に振動を与える意味がないと想定される。
一方、誘導通路95によって回転体113に導出された遊技球が当該回転体113によって振り分けられるタイミングでは、遊技球の流下態様の自由度が高く、またV入賞するか否かの判断を比較的行い易い。このため、振動を与えて不正にV入賞させようとする場合、誘導通路95によって回転体113へ導出された遊技球が当該回転体113によって振り分けられるタイミングで振動を与えることが想定される。
これに対して、本実施形態によれば、区分けの基準となる異常対応期間は、誘導通路95から導出された遊技球が回転体113によって振り分けられV入賞用検知センサ103により検知されるまでに要する期間よりも長く設定されている。これにより、振動との関連性の相対的に高いV入賞と振動との関連性が相対的に低いV入賞とを好適に区分けすることができる。
分岐用処理(図19)の説明に戻り、今回の振分結果がV入賞ではない場合(ステップS803:NO)、振分結果が外れであること(遊技球が排出されたこと)を意味する。ステップS805にて、排出対応処理を実行する。当該排出対応処理について図21のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1001では、異常発生フラグがセットされているか否かを判定する。異常発生フラグがセットされていない場合には、今回の排出が正規なものであることを意味する。この場合、そのまま排出対応処理を終了する。
一方、異常発生フラグがセットされている場合には、ステップS1002に進み、高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートフラグがセットされていない場合、すなわち今回の開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモードが低頻度サポートモードである場合にはそのまま排出対応処理を終了する。
高頻度サポートフラグがセットされている場合、すなわち今回の開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモードが高頻度サポートモードである場合には、ステップS1003に進み、今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果であるか否かを判定する。
サポート付分岐対応結果である場合には、そのまま本排出対応処理を終了する一方、サポート付分岐対応結果でない場合、すなわちサポートなし分岐対応結果である場合には、ステップS1004〜ステップS1007にて、異常な外れが発生したことに対応した処理を実行する。なお、以降の説明において、振動が検知されている状況における排出を異常外れという。
具体的には、先ずステップS1004にて、異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも小さいか否かを判定する。異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも小さい場合、今回の異常外れ(排出)が振動との関連性が相対的に高いものであることを意味する。この場合、ステップS1005にて各種フラグ格納エリア134dに設けられた第1異常外れフラグ格納エリアに第1異常外れフラグをセットする。
一方、異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも大きい場合、今回の異常外れ(排出)が振動との関連性が相対的に低いものであることを意味する。この場合、ステップS1006にて各種フラグ格納エリア134dに設けられた第2異常外れフラグ格納エリアに第2異常外れフラグをセットする。
ステップS1005又はステップS1006の処理の実行後は、ステップS1007に進み、異常外れコマンドを設定し、本排出対応処理を終了する。ここで設定された異常外れコマンドは通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72は異常な状況下において遊技球が排出されたこと(V入賞しなかったこと)を報知する処理を実行する。
以上の処理によれば、今回の開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモードが高頻度サポートモードであり且つ今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポートなし分岐対応結果である状況(以下、単に特定状況とも言う)において、振動が検知された後に遊技球が排出された場合には、異常外れが発生したとして当該異常外れに対応した処理(ステップS1004〜ステップS1007)を実行する。これにより、高頻度サポートモードを意図的に継続させようとする不正行為を把握することができる。
すなわち、高頻度サポートモードは、サポートなし分岐対応結果に係る開閉実行モードにおいてV入賞するまで継続される。このため、高頻度サポートモードである状況においてサポートなし分岐対応結果に係る開閉実行モードにて遊技球がV入賞すると、当該高頻度サポートモードが終了してしまうため、遊技者にとって好ましくない。となると、メイン表示部43の停止結果に基づき今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果及びサポートなし分岐対応結果のいずれであるかを把握し、サポートなし分岐対応結果である場合には、V入賞しないように振動を与える不正行為が想定される。この場合、メイン表示部43の停止結果を、どちらの分岐対応結果であるかが識別不可にする構成も考えられるが、そうすると、どちらの分岐対応結果に基づく開閉実行モードであるかを把握することが困難になるため、遊技の管理性の観点から好ましくない。
これに対して、本実施形態によれば、高頻度サポートモードである状況でサポートなし分岐対応結果に係る開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードにおいて振動が検知された後に遊技球が排出された場合には、異常外れが発生したとして異常外れに対応した処理(ステップS1004〜ステップS1007)を実行することにより、上記不正行為を好適に把握することができる。
分岐用処理(図19)の説明に戻り、V入賞対応処理又は排出対応処理の実行後は、ステップS806にて遊技停止か否かを判定する。具体的には、遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する。V入賞対応処理(図20)のステップS907の処理にて遊技停止フラグがセットされている場合には、そのまま本分岐用処理を終了する。
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合には、ステップS807に進み、振分入賞口82に入賞した遊技球が全て排出されたか否かを判定する。具体的には、カウントカウンタCCの値が「0」であるか否かを判定する。カウントカウンタCCは、初期値が「0」であり、カウント用検知センサ83により振分入賞口82への入賞が検知された場合に1加算され、V入賞用検知センサ103又は排出用検知センサ106により遊技球のV入賞又は排出が検知された場合に1減算されるものである。このため、カウントカウンタCCが「0」であるか否かを判定する処理は、カウント用検知センサ83により検知された遊技球数がV入賞用検知センサ103及び排出用検知センサ106により検知された遊技球数の総数と同一となったか否かを判定する処理であるとも言える。
カウントカウンタCCの値が「0」である場合には、ステップS808に進み、第1異常外れフラグ及び第2異常外れフラグのうちいずれかがセットされているか否かを判定する。
いずれかの異常外れフラグがセットされている場合には、異常外れが発生したことを意味する。この場合、ステップS815に進む。一方、いずれの異常フラグもセットされていない場合には、継続条件の成否判定が正規に完了したことを意味する。この場合、ステップS809にて、異常監視フラグを消去するとともに、異常発生フラグがセットされている場合にはそれを消去する。そして、ステップS810にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合には、そのまま本分岐用処理を終了する一方、継続フラグがセットされていない場合には、ステップS811〜ステップS813にて継続条件不成立に対応した処理を実行する。これらの処理は、期間対応閉鎖処理(図18)におけるステップS706〜ステップS708の処理と同様であるため、説明を省略する。
ここで、継続条件の正否の振分判定が完了したことに基づいて異常監視フラグを消去する(ステップS809)。つまり、異常監視フラグは、継続条件の成否判定の開始タイミング(振分入賞口82の開放タイミング)から、継続条件の成否判定の完了タイミング(全遊技球について回転体ユニット91による振分が完了するタイミング)に亘ってセットされている。異常監視フラグがセットされている期間に亘って振動検知センサ117はアクティブとなっているため、振動検知センサ117は継続条件の成否判定が行われている期間に亘ってアクティブ(振動を検知可能)となっているとも言える。
カウントカウンタCCが「0」でない場合には、ステップS814にてタイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本分岐用処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS815に進む。
ここで、カウントカウンタCCの値が「0」でなく、タイマカウンタTの値が「0」である場合、振分入賞装置37に遊技球が停留している異常が発生したことを意味する。分岐対応結果である状況において設定される1R目及び2R目間のインターバル期間は、振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ103によって検知されるまでに要する最長期間よりも長く設定されている。このため、カウントカウンタCCの値が「0」でない状況においてタイマカウンタTの値が「0」である場合、振分入賞装置37に遊技球が停留している異常の発生が想定される。すなわち、ステップS807及びステップS814の処理は、振分入賞装置37内に入賞した遊技球の振分が正常に行われたか否かを判定する処理であるとも言える。
ステップS808を肯定判定する場合、又はステップS814を肯定判定する場合、ステップS815〜ステップS818にて、遊技停止に対応した処理を実行する。ステップS815〜ステップS817の処理は、V入賞対応処理(図20)におけるステップS905〜ステップS907の処理と同一であるため説明を省略する。
ステップS818では、遊技停止コマンド設定処理を実行する。当該遊技停止コマンド設定処理について図22のフローチャートを用いて説明する。
本パチンコ機10においては、遊技が停止するまでの遊技の進行状況に応じて異なる遊技停止コマンドを設定する。具体的には、先ずステップS1101にて異常外れフラグ(第1異常外れフラグ又は第2異常外れフラグ)がセットされているか否かを判定する。異常外れフラグは、既に説明した通り、特定状況下において異常外れが発生した場合(異常発生としての振動が検知された後に遊技球が排出された場合)に設定されるフラグである。異常外れフラグがセットされている場合、ステップS1102に進み、セットされている異常外れフラグが第1異常外れフラグであるか否かを判定する。第1異常外れフラグは、異常外れのうち振動との関連性が比較的高いと想定される異常外れが発生した場合に設定されるものである。
第1異常外れフラグがセットされている場合には、ステップS1103にて、振動による不正行為との関連性が比較的高いと想定される異常外れに対応した第3遊技停止コマンドを設定し、本遊技停止コマンド設定処理を終了する。
一方、第1異常外れフラグがセットされていない場合、第2異常外れフラグがセットされていることを意味する。第2異常外れフラグは、異常外れのうち振動との関連性が比較的低いと想定される異常外れが発生した場合に設定されるものである。この場合、ステップS1104にて、振動による不正行為との関連性が比較的低いと想定される異常外れに対応した第4遊技停止コマンドを設定し、本遊技停止コマンド設定処理を終了する。
なお、振分入賞口82に対して遊技球が2つ入賞した場合、両異常外れフラグがセットされ得る。詳細には、振動の検知タイミングから1.0sec以内に一方の遊技球が排出され、更に振動の検知タイミングから1.0sec以降のタイミングにて他の遊技球が排出された場合、両異常外れフラグがセットされることとなる。この場合、第3遊技停止コマンドが優先的に設定されるようになっている。
異常外れフラグが設定されていない場合(ステップS1101:NO)、振分入賞装置37内において遊技球が振分されずに停留していることを意味する。この場合、ステップS1105にて、第5遊技停止コマンドを設定し、本遊技停止コマンド設定処理を終了する。
各種遊技停止コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS302にて、音声発光制御装置72に送信され、音声発光制御装置72は異常発生による遊技停止を報知するための処理を実行する。
ここで、分岐用処理(図19)の1処理回において、排出対応処理における異常外れコマンドの設定と、遊技停止コマンドの設定とが同一処理回中に実行される場合がある。具体的には、例えば特定状況下において振分入賞装置37に入賞した遊技球のうち最後の振分に係る遊技球が異常外れとなった場合、異常外れコマンドの設定と、第3遊技停止コマンド又は第4遊技停止コマンドの設定とが同一処理回中に実行される。
これに対して、遊技停止コマンド設定処理では、既に異常外れコマンドが設定されている場合には、当該異常外れコマンドの設定を消去して、新たに遊技停止コマンドを設定する。これにより、1処理回においてコマンドが2つ設定されることによって生じ得る音声発光制御装置72の処理負荷の局所的増大及び遊技者に視認される報知態様の混乱等の不都合が回避されている。
遊技状態移行処理(図15)の説明に戻り、入賞口開閉処理の実行後、ステップS410にてラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCが「0」でない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する一方、ラウンドカウンタRCが「0」である場合にはステップS411進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合にはそのまま本遊技状態移行処理を終了する一方、タイマカウンタTの値が「0」である場合にはステップS412にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理では開閉実行モードフラグを消去する。そして、今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果を把握し、当該把握結果に基づいて開閉実行モードの遊技状態を決定する。具体的には、上記対応結果が非分岐対応結果である場合には、開閉実行モード後の遊技状態を高頻度サポートモードに設定する。一方、対応結果が分岐対応結果である場合には、今回の開閉実行モードにおいて継続条件が成立したか否かを判定する。具体的には、継続フラグがセットされているか否かを判定する。そして、継続フラグがセットされていると判定する場合には、今回の分岐対応結果がサポートなし分岐対応結果及びサポート付分岐対応結果のどちらであるかを把握し、その把握結果に基づいてサポートモードを設定する。詳細には、サポート付分岐対応結果である場合には、高頻度サポートモードとなるよう高頻度サポートフラグをセットし、継続フラグを消去する。一方、サポートなし分岐対応結果である場合には、低頻度サポートモードとなるよう高頻度サポートフラグを消去し、継続フラグを消去する。
また、継続フラグがセットされていない場合には、現状設定されているサポートモードを維持する。具体的には、高頻度サポートフラグがセットされている場合にはセットされている状態を維持し、高頻度サポートフラグがセットされていない場合にはセットされていない状態を維持する。そして、継続フラグを消去する。
例えば、高頻度サポートモード中にサポートなし分岐対応結果に当選し、当該サポートなし分岐対応結果に係る開閉実行モードにおいてV入賞した場合には、当該開閉実行モードの終了時の移行処理において、高頻度サポートフラグを消去する。
<音声発光制御装置72にて実行される演出決定処理について>
次に、音声発光制御装置72内のMPU142にて実行される演出決定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出決定処理は、MPU142により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ずステップS1201では、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドは、開閉実行モードに移行する場合に設定されるコマンドである。
オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS1202にてオープニングコマンドの種類を把握する。具体的には、今回受信したオープニングコマンドが、開閉実行モードの移行契機となった対応結果が分岐対応結果である場合に設定される第1オープニングコマンドであるか、開閉実行モードの移行契機となった対応結果が非分岐対応結果である場合に設定される第2オープニングコマンドであるかを把握する。
その後、ステップS1203にて、上記オープニングコマンドに対応した音声の出力パターン及び光の制御パターンが設定されたデータテーブルを音声発光制御装置72のROM143から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って演出を表示ランプ部58a及びスピーカ部59にて行わせる。
また、ステップS1203では、各オープニングコマンドに対応したオープニング演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する処理を実行する。表示制御装置150では、上記演出コマンドに基づいて、開閉実行モードに移行したことに対応した演出が図柄表示装置51を通じて行われるようにするためのデータテーブルをプログラムROM153から読み出し、その読み出したデータテーブルに従って演出を図柄表示装置51にて開始させる。
ここで、非分岐対応結果に対応した開閉実行モード用の演出は、遊技の進行状況に関わらず同一に設定されている。具体的には、第2オープニングコマンドがMPU132から出力されたことに基づき音声発光制御装置72にて読み出されるデータテーブル、及び第2オープニングコマンドに対応した第2オープニング演出コマンドがMPU142から出力されたことに基づき及び表示制御装置150にて読み出されるデータテーブルには、オープニング用の演出を実行するための区間に対応したテーブルと、ラウンド遊技中(大入賞口121の開放中)の演出を実行するための区間に対応したテーブルと、インターバル期間中(大入賞口121の閉鎖中)の演出を実行するための区間に対応したテーブルと、エンディング用の演出を実行するための区間に対応したテーブルと、が予め含まれている。
ステップS1203では、音声発光制御装置72及び表示制御装置150にて、オープニング用の演出を実行するための区間に対応したテーブルを演出の実行用にセットする。これにより、オープニングの演出が実行される。そして、開放コマンド、閉鎖コマンド及びエンディングコマンドがMPU132から出力され、これらのコマンドに対応する各種演出コマンドがMPU142から出力される毎に、上記各テーブルの中から実行対象とするテーブルを切り換える。これにより、非分岐対応結果における各種演出が順次実行される。なお、以降の説明において、非分岐対応結果(第2オープニングコマンド)に対応したデータテーブルにおける各テーブルの切換態様及び演出の態様については説明を省略する。
一方、分岐対応結果に対応した開閉実行モード用の演出は、遊技の進行状況に応じて変化するようになっている。詳細には、第1オープニングコマンドがMPU132から出力されたことに基づき音声発光制御装置72にて読み出されるデータテーブル、及び第1オープニングコマンドに対応した第1オープニング演出コマンドがMPU142から出力されたことに基づき及び表示制御装置150にて読み出されるデータテーブルには、オープニング用の演出を実行するための区間に対応したオープニングテーブルと、1R目のラウンド遊技中の演出を実行するための区間に対応した第1ラウンドテーブルと、2R目以降のラウンド遊技中の演出を実行するための区間に対応した第2ラウンドテーブルと、インターバル期間中の演出を実行するための区間に対応したインターバルテーブルと、エンディング用の演出を実行するための区間に対応したエンディングテーブルと、が含まれている。
また、上記各データテーブルには、前提条件成立用の演出を実行するためのテーブルと、継続条件不成立用の演出を実行するためのテーブルと、継続当選用の演出を実行するためのテーブルとが含まれており、継続条件の成否に応じて態様が異なるよう設定されている。また、上記各データテーブルには、異常外れ用の演出を実行するためのテーブルが含まれている。
ステップS1203では、音声発光制御装置72及び表示制御装置150にて、オープニングテーブルを演出の実行用にセットする。これにより、オープニング演出が実行される。そして、その後に出力されるコマンドに応じて、実行対象とするテーブルを切り換える。
ちなみに、オープニングテーブルに設定されているオープニング演出として、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が行われるとともに、振分入賞口82への入賞を狙うべき旨の報知がなされる演出が設定されている。これにより、振分入賞口82への入賞を狙う遊技が行われることとなる。
その後、オープニングコマンドを受信していない場合又はステップS1203の処理の実行後は、ステップS1204に進み、開放コマンド又は閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。開放コマンド又は閉鎖コマンドを受信している場合には、ステップS1205にて、開閉対応処理を実行する。当該開閉対応処理では、上記各コマンドに含まれる情報に基づいて、どちらの入賞口に対応したコマンドであるかを把握する。そして、その把握結果に基づいて音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルを切り換える処理を実行するとともに、受信したコマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドの受信に基づいて実行対象とするテーブルを切り換える処理を実行する。
テーブルの切り換えについて具体的に説明すると、振分入賞口82の開放コマンド(1R目のラウンド遊技の開始に対応した開放コマンド)が出力された場合には、実行対象とするテーブルを第1ラウンドテーブルに切り換える。一方、大入賞口121の開放コマンド(2R目以降のラウンド遊技の開始に対応した開放コマンド)が出力された場合には、実行対象とするテーブルを第2ラウンドテーブルに切り換える。
ちなみに、第1ラウンドテーブルに設定されている演出として、表示画面Gにおいてリーチ表示が行われるとともに、振分入賞口82への入賞を狙うべき旨の報知がなされる演出が設定されている。これにより、振分入賞口82の開放中に振分入賞口82への入賞を狙うよう促される。
また、大入賞口121の閉鎖コマンド(2R目以降のラウンド遊技の終了に対応した閉鎖コマンド)が出力された場合には、実行対象とするテーブルをインターバルテーブルに切り換える。一方、振分入賞口82の閉鎖コマンド(1R目のラウンド遊技の終了に対応した閉鎖コマンド)が出力された場合には、実行対象とするテーブルを切り換えることなく、現在設定されているテーブルを維持する。
ステップS1204を否定判定する場合又はステップS1205の処理の実行後は、ステップS1206に進み、前提条件成立コマンドを受信しているか否かを判定する。前提条件成立コマンドを受信している場合にはステップS1207に進み、前提条件成立演出対応処理を実行する。当該処理では、音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルを、前提条件成立用の演出を実行するためのテーブルに切り換えるとともに、前提条件成立コマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドを受信したことに基づいて、表示制御装置150において実行対象とするテーブルを、前提条件成立用の演出を実行するためのテーブルに切り換える。これにより、前提条件成立用の演出が実行される。当該演出は、継続条件不成立用の演出、継続当選用の演出、又は異常外れ用の演出が実行されるまで実行される。
前提条件成立用の演出としては、表示画面Gにて前提条件が成立したことの報知を行った後に、回転体ユニット91への注目を促す報知が行われる演出が設定されている。これにより、遊技者は、遊技球の振分態様に注目することとなる。
ステップS1206を否定判定する場合又はステップS1207の処理の実行後は、ステップS1208に進み、継続条件不成立コマンドを受信しているか否かを判定する。継続条件不成立コマンドを受信している場合にはステップS1209に進み、不成立演出対応処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルを、継続条件不成立用の演出を実行するためのテーブルに切り換えるとともに、継続条件不成立コマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドを受信したことに基づいて、表示制御装置150において実行対象とするテーブルを、継続条件不成立用の演出を実行するためのテーブルに切り換える。これにより、継続条件不成立用の演出が実行され、その後、開閉実行モードが終了する。
継続条件不成立用の演出としては、表示画面Gにて外れリーチ結果を停止表示させるとともに、継続条件不成立である旨の報知が行われる演出が設定されている。当該演出は、2.5secに亘って実行される。
ステップS1208を否定判定する場合又はステップS1209の処理の実行後は、ステップS1210に進み、継続当選コマンドを受信しているか否かを判定する。継続当選コマンドを受信している場合にはステップS1211に進み、継続当選演出対応処理を実行する。当該処理では、音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルを切り換える処理を実行するとともに、受信した継続当選コマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドの受信に基づいて実行対象とするテーブルを、継続当選用の演出を実行するためのテーブルに切り換える処理を実行する。これにより、継続当選用の演出が実行される。当該演出は、2R目のラウンド遊技が開始されるまで行われる。
継続当選用の演出としては、表示画面Gにて大当たり結果(大当たり図柄の組み合わせ)を停止表示させるとともに、継続当選(V入賞したこと)の旨の報知が行われる演出が設定されている。当該演出は、3.0secに亘って実行される。
ステップS1210を否定判定する場合又はステップS1211の処理の実行後は、ステップS1212に進み、異常外れコマンドを受信しているか否かを判定する。異常外れコマンドを受信している場合にはステップS1213に進み、異常外れ対応処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルを、異常外れ用の演出を実行するためのテーブルに切り換えるとともに、異常外れコマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドを受信したことに基づいて、表示制御装置150において実行対象とするテーブルを、異常外れ用の演出を実行するためのテーブルに切り換える。これにより、異常外れの発生に対応した演出が実行される。
異常外れ用の演出としては、表示画面Gにて異常外れが発生した旨の報知が行われる演出が設定されている。当該演出は、全遊技球について回転体ユニット91による振分が完了するまで(遊技が停止するまで)実行される。
ステップS1212を否定判定する場合又はステップS1213の処理の実行後は、ステップS1214に進み、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合にはステップS1215に進み、エンディング演出対応処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置72において実行対象とするテーブルをエンディングテーブルに切り換えるとともに、エンディングコマンドに対応した演出コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記演出コマンドを受信したことに基づいて、表示制御装置150において実行対象とするテーブルをエンディングテーブルに切り換える。これにより、エンディング演出が実行され、その後、開閉実行モードが終了する。
ステップS1214を否定判定する場合又はステップS1215の処理の実行後は、ステップS1216に進み、遊技停止コマンドを受信しているか否かを判定する。遊技停止コマンドを受信している場合にはステップS1217に進み、今回受信した遊技停止コマンドの種類を把握する。そして、ステップS1218にて、遊技停止報知対応処理を実行する。当該処理では、音声発光制御装置72において設定されるデータテーブルを、今回受信した遊技停止コマンドに対応する遊技停止用のデータテーブルに設定するとともに、今回受信した遊技停止コマンドに対応する報知コマンドを表示制御装置150に対して送信する。表示制御装置150は、上記報知コマンドの受信に基づいて、当該報知コマンドに対応したデータテーブルを切り換える処理を実行する。
ここで、遊技停止コマンドが複数種類設定されていることに対応させて、遊技停止用のデータテーブルは複数種類予め用意されている。具体的には、音声発光制御装置72のROM143及び表示制御装置150のプログラムROM153には、第1遊技停止コマンド又はそれに対応した報知コマンドに対応させて第1遊技停止用のデータテーブルと、第2遊技停止コマンド又はそれに対応した報知コマンドに対応させて第2遊技停止用のデータテーブルと、第3遊技停止コマンド又はそれに対応した報知コマンドに対応させて第3遊技停止用のデータテーブルと、第4遊技停止コマンド又はそれに対応した報知コマンドに対応させて第4遊技停止用のデータテーブルと、第5遊技停止コマンド又はそれに対応した報知コマンドに対応させて第5遊技停止用のデータテーブルと、が記憶されている。そして、上記各遊技停止用のデータテーブルのうち、今回受信した遊技停止コマンド又はそれに対応する報知コマンドに対応するデータテーブルを読み出し、当該データテーブルに従って遊技停止に係る報知を行う。
各遊技停止に係る報知態様について具体的に説明すると、第1遊技停止用のデータテーブルには、エラーランプ部58bが点滅するとともに、表示画面Gにて「振動との関連性が高い異常なV入賞が発生しました」といった文字が表示される態様が設定されている。これにより、振動との関連性が高い異常V入賞の発生が明示される。
第2遊技停止用のデータテーブルには、エラーランプ部58bが点滅するとともに、表示画面Gにて「振動との関連性が低い異常なV入賞が発生しました」といった文字が表示される態様が設定されている。これにより、振動との関連性が低い異常V入賞の発生が明示される。
第3遊技停止用のデータテーブルには、エラーランプ部58bが点滅するとともに、表示画面Gにて「振動との関連性が高い異常な外れが発生しました」といった文字が表示される態様が設定されている。これにより、振動との関連性が高い異常外れの発生が明示される。
第4遊技停止用のデータテーブルには、エラーランプ部58bが点滅するとともに、表示画面Gにて「振動との関連性が低い異常な外れが発生しました」といった文字が表示される態様が設定されている。これにより、振動との関連性が低い異常外れの発生が明示される。
第5遊技停止用のデータテーブルには、エラーランプ部58bが点滅するとともに、表示画面Gにて「振分エラーが生じました」といった文字が表示される態様が設定されている。これにより、遊技球の振分が正常に終了しなかったことが明示される。
ステップS1216を否定判定する場合又はステップS1218の処理の実行後は、本演出決定処理を終了する。
通常処理(図14)の説明に戻り、ステップS301にて遊技停止中である場合、具体的には遊技停止フラグがセットされている場合には、ステップS313に進み、遊技停止中処理を実行し、再度ステップS301に戻る。この場合、ステップS302〜ステップS309の遊技の進行に係る処理は実行されない。このため、遊技の正常な進行が制限される。
また、遊技停止中、各入賞口82,121は閉鎖している。これにより、各入賞口82,121への入賞は不可となっている。
なお、遊技停止中には、ステップS307及びステップS310〜ステップS312の処理の実行も制限されるが、これに限られず、遊技停止中であってもこれらの処理を実行する構成としてもよい。具体的には例えばステップS313の実行後に上記各処理を実行する構成としてもよい。
遊技停止中処理について図24のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1301にて、解除操作が行われたか否かを判定する。具体的には、復帰スイッチ118がオンになっているか否かを判定する。復帰スイッチ118がオフの場合、そのまま遊技停止中処理を終了する一方、復帰スイッチ118がオンの場合には、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、解除操作が特定解除操作であるか否かを判定する。具体的には、復帰スイッチ118と合わせて当選スイッチ119がオンであるか否かを判定する。当選スイッチ119がオンである場合には、ステップS1303にて特定解除処理を実行し、本遊技停止中処理を終了する。特定解除処理では、遊技停止を解除するとともに、解除後の遊技状態を2R目以降のラウンド遊技が実行される状態にする。
具体的には、遊技停止の解除に係る処理として、遊技停止フラグを消去するとともに、タイマ割込み処理の割り込みを許可する。また、異常発生フラグを消去する。
また、解除後の遊技状態を遊技者に有利な状態に設定する処理として、開閉実行モードフラグ及び継続フラグがセットされているかを確認する。これらのフラグがセットされている場合には、上記各フラグがセットされている状態を維持する一方、上記各フラグがセットされていない場合には、上記各フラグをセットする。そして、ラウンドカウンタRCに「15」をセットし、タイマカウンタTに「3000」をセットする。これにより、6秒後に2R目のラウンド遊技が開始される。
一方、解除操作が特定解除操作ではない場合、ステップS1304にて通常解除処理を実行し、本遊技停止中処理を終了する。当該遊技停止中処理では、遊技停止を解除するとともに、解除後の遊技状態を通常の遊技状態にリセットする。
具体的には、遊技停止の解除に係る処理として、遊技停止フラグを消去するとともに、タイマ割込み処理の割り込みを許可する。また、異常発生フラグを消去する。
また、解除後の遊技状態を設定する処理として、開閉実行モードフラグを消去するとともに、継続フラグがセットされている場合には当該継続フラグを消去する。そして、ラウンドカウンタRCに「0」をセットし、タイマカウンタTに「0」をセットする。これにより、解除後の遊技状態が通常の遊技状態となる。
かかる処理によれば、遊技停止を解除するには、内枠13を開放させて、主制御装置71の裏側に設けられた復帰スイッチ118を操作する必要がある。このため、管理者のみが上記遊技停止の解除を行うことができるようになっている。
また、遊技停止中は、遊技停止の要因が表示画面Gにて表示されているため、管理者は上記遊技停止の要因を容易に把握することができるとともに、当該遊技停止の要因に基づいて今回の遊技停止が不正行為に基づくものか振動検知センサ117の誤動作等であるかを判断することができる。そして、振動検知センサ117の誤動作等による遊技停止と判断した場合には、当選スイッチ119をオンし(押し)ながら復帰スイッチ118をオンする(押す)ことによって遊技者に対して正規の特典を付与することが可能となる。一方、今回の遊技停止が不正行為に基づくものである場合には復帰スイッチ118のみをオンことによって遊技状態を通常の遊技状態にリセットすることができる。
ここで、通常パチンコ機10の動作をリセットする場合、パチンコ機10の電源をオフにして再度オンにする構成が考えられる。この場合、パチンコ機10の立ち上げ処理が実行されるため、当該立ち上げ処理を行う期間分だけ遊技を行うことができない。このため、遊技の再開をスムーズに行うことができない。
これに対して、本実施形態によれば、パチンコ機10の電源投入の際の立ち上げ処理を実行することなく遊技を再開することができるため、遊技の再開をスムーズに行うことができる。
特に、継続フラグがセットされた状態を維持しつつ遊技を停止することができるとともに、遊技を復帰させる場合には当該継続フラグを消去しない状態で復帰させることが可能となっている。これにより、RAM134の各エリアの情報を初期化する構成と比較して、スムーズな遊技の復帰が実現されている。
<振動検知に基づいて遊技が停止される場合について>
次に、振動検知に基づいて遊技が停止される場合について図25を用いて説明する。図25は、遊技停止が発生する場合を説明するための説明図である。
図25に示すように、振動検知に基づく遊技停止の条件は、(1)開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモード、(2)今回の対応結果(開閉実行モードの移行契機となった分岐対応結果の種別)、及び(3)振分結果に応じて設定されている。
具体的には、特定状況下で異常外れが生じた場合、すなわち(1)開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモードが高頻度サポートモードであり、且つ(2)今回の対応結果がサポートなし分岐対応結果である状況において(3)異常外れが生じた場合(図25における(D)参照)には、遊技が停止される。これにより、管理者が直接現場にて確認し、不正行為が行われたか否かを判断することができる。よって、高頻度サポートモードを意図的に継続させる目的で、意図的に振分結果が外れ結果となるよう振動を与える不正行為を抑制することが可能となる。
この場合、遊技の停止タイミングは、異常外れが発生したタイミングではなく、継続条件の成否判定が完了したタイミングとなっている。これにより、異常外れが発生した後にV入賞することが可能となっているため、振動検知センサ117の誤動作により遊技者に対して不利益を付与する不都合を回避することができる。
すなわち、異常外れが発生したタイミングで直ちに遊技停止となると、その後にV入賞した場合であっても当該V入賞に対応する処理(読み込み処理等)は実行されない。このため、振動検知が振動検知センサ117の誤動作である状況において外れが生じた後にV入賞した場合、当該V入賞が認識されないこととなり、遊技者が不利益を被る不都合が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、全遊技球の振分が完了したことに基づいて遊技停止するため、振動検知後に外れが生じた後に正規の遊技に基づくV入賞が発生した場合に、その事実を把握することができる。これにより、振動検知の誤動作によって生じ得る不都合を回避することができる。
また、(3)異常V入賞が生じた場合には、(1)開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモード、及び(2)今回の対応結果の種類に関わらず、遊技が停止する(図25における(A),(C),(E),(G)参照)。これにより、管理者が直接現場にて確認し、不正行為が行われたか否かを判断することができ、不正にV入賞させる目的で振動を与える不正行為を好適に抑制することができる。
特に、異常V入賞が生じた場合は、直ちに遊技が停止される。これにより、異常V入賞が発生した後の遊技において利益が付与されることを抑制することができる。
一方、特定状況以外の条件下で異常外れが生じた場合(図25における(B),(F),(H)参照)、遊技は停止されない。これにより、遊技者に対して不正な利益が付与されることを抑制しつつ、遊技の円滑な進行を確保することができる。
特に、開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果である状況において遊技球が排出される場合、悔しさのあまりパチンコ機10を叩く行為が行われる場合がある。このような場合にまで遊技が停止すると、遊技のスムーズな進行が阻害されるとともに、管理負担の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態では、開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果である状況において振動が検知され且つ遊技球が排出される場合には、遊技を停止しない。これにより、上記行為による遊技の停止が回避されるため、遊技のスムーズな進行を確保することができるとともに、管理負担の増大化を抑制することができる。
<振動検知に基づく遊技停止までの態様について>
次に、振動検知に基づく遊技停止の様子について図26及び図27のタイミングチャートを用いて説明する。
先ず異常V入賞が発生する場合の様子について図26のタイミングチャートを用いて説明する。
図26(a)は振分入賞口82の開閉態様を示し、図26(b)は振動検知センサ117のアクティブ状況を示し、図26(c)は振分入賞口82への入賞状況を示し、図26(d)は振動検知センサ117における振動検知の状況を示し、図26(e)は異常対応期間を示し、図26(f)はV入賞の状況を示し、図26(g)は遊技停止の状況を示す。
先ず、t1のタイミングにて、振分入賞口82が開放され、1R目のラウンド遊技が開始される。この場合、異常監視フラグがセットされ、振動検知センサ117がアクティブとなる。
そして、t2及びt3のタイミングにて、振分入賞口82に対して遊技球が入賞し、t4のタイミングにて振分入賞口82が閉鎖され、1R目のラウンド遊技が終了する。
その後、t5のタイミングにて、振動検知センサ117により振動が検知される。当該振動の検知に基づいて、異常発生フラグがセットされるとともに、異常監視タイマカウンタETの値が「0」に設定され、異常対応期間のカウントが開始される。
ここで、振動検知センサ117は、継続条件の成否判定が行われている期間に亘ってアクティブになっているため、異常発生フラグは、継続条件の成否判定(回転体ユニット91による振分)が行われている状況において振動検知センサ117により振動が検知された場合にセットされるフラグであるとも言える。
続くt6のタイミングにて、振分入賞口82に入賞した2つの遊技球のうち一方の遊技球がV入賞する。当該V入賞に基づき遊技停止に係る処理が実行され、遊技停止中となる。遊技停止中は、各作動口38,39及び大入賞口121等への入賞を読み込む処理を実行するタイマ割込み処理が実行されないとともに、通常処理における当否判定処理、V入賞対応処理が含まれている遊技状態移行処理等の主要な処理が実行されない。このため、仮にt6のタイミングよりも後のタイミングにて、振分入賞口82に入賞した遊技球のうち他方の遊技球がV入賞した場合であっても、当該V入賞はなかったものとして扱われ、V入賞対応処理は実行されない(図26(f)の点線参照)。
また、上記V入賞は、異常対応期間中(振動検知タイミングから1.0sec以内)に行われたものであるため、第1遊技停止コマンドが設定される。そして、音声発光制御装置72及び表示制御装置150では、第1遊技停止コマンドに基づく各種演出に係る処理が実行される。これにより、振動との関連性の高い異常V入賞が発生したことが報知される。
なお、遊技停止中は割込み処理の実行が禁止されているため、異常監視タイマカウンタETのカウントが停止する(図26(e)の点線参照)。
次に、高頻度サポートモードである状況においてサポートなし分岐対応結果に係る開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード中に異常外れが発生する場合の様子について図27のタイミングチャートを用いて説明する。
図27(a)は振分入賞口82の開閉態様を示し、図27(b)は振動検知センサ117のアクティブ状況を示し、図27(c)は振分入賞口82への入賞状況を示し、図27(d)は振動検知センサ117における振動検知の状況を示し、図27(e)は異常対応期間を示し、図27(f)はV入賞の状況を示し、図27(g)は排出の状況を示し、図27(h)は遊技停止の設定状況を示す。
先ず、t11のタイミングにて、振分入賞口82が開放され、1R目のラウンド遊技が開始される。この場合、異常監視フラグがセットされ、振動検知センサ117がアクティブとなる。
そして、t12及びt13のタイミングにて、振分入賞口82に対して遊技球が入賞し、t14のタイミングにて振分入賞口82が閉鎖され、1R目のラウンド遊技が終了する。
その後、t15のタイミングにて、振動検知センサ117により振動が検知される。当該振動の検知に基づいて、異常発生フラグがセットされるとともに、異常監視タイマカウンタETの値が「0」に設定され、異常対応期間のカウントが開始される。
続くt16のタイミングにて、振分入賞口82に入賞した2つの遊技球のうち一方の遊技球が排出される。当該排出は異常対応期間中に行われたものであるため、第1異常外れフラグがセットされるとともに異常外れコマンドが設定される。そして、音声発光制御装置72及び表示制御装置150では、異常外れコマンドに基づく各種演出に係る処理が実行される。これにより、異常外れが発生したことが報知される。
なお、他方の遊技球の振分が完了していないため、遊技を停止することなくその後の遊技を継続する。
その後、t17のタイミングにて異常監視タイマカウンタETの値が「500」よりも大きくなり、異常対応期間が経過する。
そして、t18のタイミングにて他方の遊技球がV入賞する。当該V入賞に基づき遊技停止に係る処理が実行され、遊技停止中となる。
また、上記V入賞に基づき遊技停止コマンドが設定される。この場合、上記V入賞が異常対応期間の経過タイミングよりも後(振動検知タイミングから1.0sec以降)に行われたものであるため、第2遊技停止コマンドが設定される。そして、音声発光制御装置72及び表示制御装置150では、第2遊技停止コマンドに基づく各種演出に係る処理が実行される。これにより、振動との関連性の低い異常V入賞が発生したことが報知される。
ここで、仮に振動が検知されたタイミング(t15のタイミング)や、一方の遊技球の振分が行われたタイミング(t16のタイミング)にて直ちに遊技停止となると、t18のタイミングにてV入賞した場合であってもV入賞対応処理は実行されない。つまり、V入賞に基づく特典付与の期待度が実質的に低下する。このため、仮に上記振動の検知が誤動作である場合、遊技者に対して不利益を付与する不都合が生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、全遊技球の振分が完了したことに基づいて遊技停止するため、振動検知後に正規の遊技に基づいてV入賞した場合にその事実を把握することができる。これにより、振動検知の誤動作によって生じ得る不都合を回避することができる。
また、遊技停止に係る処理にて異常監視フラグが消去される。これにより、振動検知センサ117が停止する。t12のタイミングからt18のタイミングまでの期間が異常監視期間に対応する。
ここで、異常監視期間は異常対応期間よりも長く設定されている。詳細には、継続条件の成否判定に要する期間、具体的には振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ103により検知されるまでに要する期間が異常対応期間よりも長くなるように異常対応期間は短く設定されている。これにより、異常対応期間の経過タイミングよりも後のタイミングにて、遊技球のV入賞又は排出が行われ得る。よって、振動との関連性が相対的に高いものと低いものとを好適に区分けすることができる。
ちなみに、仮に、t18のタイミングにて他方の遊技球がV入賞するのではなく排出された場合、全遊技球の振分が完了したことに基づく遊技停止に係る処理が実行され、遊技停止中となる。そして、t16のタイミングにて設定された第1異常外れフラグに対応した第3遊技停止コマンドが設定され、音声発光制御装置72及び表示制御装置150において当該第3遊技停止コマンドに基づく各種演出に係る処理が実行される。これにより、振動との関連性の高い異常外れが発生したことが報知される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
振動検知センサ117を設け、特定状況下(高頻度サポートモードである状況において開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポートなし分岐対応結果である状況)において異常監視期間中に異常外れが発生した場合には当該異常監視期間の経過後に遊技停止に係る処理を実行する構成とした。当該異常監視期間を、振分入賞口82の開放タイミングから当該振分入賞口82に入賞した全遊技球について回転体ユニット91による振分が完了するタイミングまでの期間に設定した。これにより、全遊技球について回転体ユニット91による振分が完了するタイミングよりも前のタイミングにて遊技停止となることによって生じ得る不都合、具体的には振動検知センサ117の誤動作により遊技者に対して不利益を付与する不都合を回避することができる。
一方、異常V入賞が発生した場合には、開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモード及び今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果に関わらず、遊技を直ちに停止する構成とした。これにより、異常V入賞の発生を迅速に把握することができるとともに、当該異常V入賞後の遊技を直ちに禁止することができる。この場合、既にV入賞しているため、振分入賞装置37内に残存している遊技球の振分を待たなくても、遊技者の利益は確保されている。このため、遊技を直ちに停止する構成としても遊技者に不利益は生じない。
遊技停止中は、タイマ割込み処理の割込みを禁止した。これにより、タイマ割込み処理における読み込み処理が実行されないため、仮に大入賞口121に入賞したとしてもその事実を把握することができない。また、遊技停止中は、各入賞口82,121が閉鎖しているため、当該各入賞口82,121への入賞が不可となる。さらに、遊技球発射制御処理が実行されないため、遊技球の発射も不可となる。よって、遊技の進行が困難となるため、遊技停止中にも関わらず遊技を続行しようとする行為を抑制することができる。
遊技停止中に、特定解除操作が行われた場合には、遊技停止を解除するとともに、解除後の遊技状態を2R目以降のラウンド遊技が開始される状態にする構成とした。これにより、管理者が今回の遊技停止が振動検知センサ117の誤動作等に起因するものであるか不正行為に起因するものであるかを判断し、誤動作等によるものであると判断した場合には遊技者に対して本来得られるべきであった利益を付与することができる。
さらに、遊技停止を解除する解除処理は、パチンコ機10の再起動(立ち上げ処理)を要しない構成とした。これにより、スムーズな遊技の再開を実現することができる。特に、継続フラグがセットされている場合には当該継続フラグをセットした状態で遊技停止し、継続フラグを消去しない状態で遊技停止からの復帰を行うことが可能な構成とした。これにより、RAM134の各エリアを初期化して再設定する構成と比較して、スムーズな遊技の再開を実現することができる。
解除操作及び特定解除操作に用いられる復帰スイッチ118及び当選スイッチ119をパチンコ機10の内部に設けられた主制御装置71に取り付けた。これにより、これらのスイッチ118,119を操作するためにはパチンコ機10を開放させる必要があり、遊技者が解除操作及び特定解除操作を行うことが困難になっている。これにより、遊技者が不正にこれらの操作を行うことを抑制することができる。
また、振動が検知された後にV入賞又は外れが発生した場合、振動検知タイミングからV入賞タイミング(外れタイミング)までの期間に応じて、振動との関連性が比較的高い異常V入賞(又は異常外れ)と、振動との関連性が比較的低い異常V入賞(又は異常外れ)と、を区分けする構成とした。これにより、不正行為に基づく異常V入賞であるか否かをより好適に把握することができる。
また、振動を検知した状況において異常V入賞又は異常外れが発生した場合には遊技停止コマンド設定処理を実行し、異常報知を行う構成とした。当該異常報知の報知態様は、異常V入賞である場合と異常外れである場合とで異なっており、さらに振動との関連性の高低によって異なっている構成とした。これにより、遊技停止となった異常要因を好適に把握することができ、不正行為が行われたか否かを好適に判断することができる。
異常V入賞した場合には遊技停止させる一方、特定状況以外の条件下で異常外れが生じた場合には遊技停止させない構成とした。これにより、不正に利益を得る目的で故意にV入賞を発生させる不正行為を抑制しつつ、遊技のスムーズな進行を確保することができる。
特に、開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果である状況において遊技球が排出される場合、悔しさのあまりパチンコ機10を叩く行為が行われる場合がある。このような場合にまで遊技が停止すると、遊技のスムーズな進行が阻害されるとともに、管理負担の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態では、開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポート付分岐対応結果である状況において振動が検知され且つ遊技球が排出される場合には、遊技を停止しない構成とした。これにより、上記行為による遊技の停止が回避されるため、遊技のスムーズな進行を確保することができるとともに、管理負担の増大化を抑制することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、遊技盤200の構成及び遊技の流れ等が第1実施形態と相違する。当該相違する点について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成ついては同一の符号を付すとともにその説明を省略する。
先ず、遊技盤200の構成について図28を用いて説明する。図28は遊技盤200の正面図である。
遊技盤200には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口201、特別入球手段として設けられた特電入賞装置202、第1作動口(又は第1始動入球部)203、第2作動口(又は第2始動入球部)204、スルーゲート205、可変表示ユニット206、振分入球手段として設けられた振分入賞装置207、メイン表示部としての特図表示部208及び役物用表示部としての普図表示部209等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口201は複数設けられている。
スルーゲート205への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口201、特電入賞装置202、第1作動口203、第2作動口204及び振分入賞装置207への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口203への入球が発生した場合、第2作動口204への入球が発生した場合及び振分入賞装置207への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口201への入球が発生した場合及び特電入賞装置202への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口203に係る賞球個数よりも第2作動口204に係る賞球個数が多いといったように、両作動口203,204の賞球個数が相違していてもよい。また、振分入賞装置207に係る賞球個数が、両作動口203,204の少なくとも一方に比べて多い構成としてもよく、一般入賞口201及び特電入賞装置202の少なくとも一方と同一又はそれよりも多い構成としてもよい。また、特電入賞装置202に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤200の最下部にはアウト口200aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口200aを通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤200には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘200bが植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット206が設けられている。当該可変表示ユニット206の周縁部が遊技盤200の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット206の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット206よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット206よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット206よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量(回転量)で発射ハンドル55の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射ハンドル55の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル55の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
第1作動口203は、下側領域PE4に設置されている。第1作動口203は上向きに開放されており、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第1作動口203への入賞確率は一定となっている。また、第1作動口203は可変表示ユニット206に形成されたステージ206aの真下に配置されており、可変表示ユニット206に形成された誘導通路を介してステージ206a上に流入した遊技球であってステージ206aの中央から可変表示ユニット206外に排出される遊技球は第1作動口203に入賞し易くなっている。第1作動口203には検知センサ203aが設けられており、当該検知センサ203aにより第1作動口203に入賞した遊技球が検知される。検知センサ203aは主制御装置71に対して接続されており、検知結果は主制御装置71に入力される。
ここで、上記のように第1作動口203が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合のいずれにおいても第1作動口203への入賞が可能である。但し、ステージ206aへの誘導通路の入口が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口203への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘200bの配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口203への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PE3を流下した遊技球は第1作動口203への入賞がほとんど発生しないようになっている。
第2作動口204は、右側領域PE3に設置されている。つまり、第2作動口204は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が可能である。
第2作動口204の構成について図29を参照しながら説明する。図29(a),(b)は第2作動口204の構成を示す概略図である。第2作動口204には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物204aが設けられている。
普電役物204aは遊技盤200の背面側に搭載された普電用の駆動部204bに連結されており、当該普電用の駆動部204bにより駆動されて図29(a)に示す閉鎖状態及び図29(b)に示す開放状態のいずれかに配置される。普電用の駆動部204bは、主制御装置71に対して電気的に接続されており、主制御装置71からの信号に基づいて駆動する。普電役物204aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口204に入賞できず、普電役物204aが開放状態となることで第2作動口204への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物204aが遊技領域PE側に突出し、第2作動口204への入賞をガイドする。第2作動口204には検知センサ204cが設けられており、当該検知センサ204cにより第2作動口204に入賞した遊技球が検知される。検知センサ204cは主制御装置71に対して接続されており、当該検知センサ204cの検知結果は主制御装置71に対して入力される。
なお、第2作動口204への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物204aが切り換えられる構成としてもよい。また、普電役物204aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物204aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口204自身の変位により行われる構成としてもよい。
右側領域PE3において第2作動口204の上方にはスルーゲート205が設けられている。つまり、スルーゲート205は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が可能である。スルーゲート205は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート205に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PEを流下する。これにより、スルーゲート205に入賞した遊技球が第2作動口204へ入賞することが可能となっている。スルーゲート205には検知センサ205aが設けられており、当該検知センサ205aによりスルーゲート205に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート205への入賞に基づき第2作動口204の普電役物204aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート205への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図表示部209にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物204aが所定の態様で開放状態となる。
また、普図表示部209に隣接した位置には、普図保留表示部211が設けられている。遊技球がスルーゲート205を入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部211の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口203又は第2作動口204への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図表示部208及び可変表示ユニット206の図柄表示装置51における表示演出を通じて明示される。
特図表示部208について詳細には、特図表示部208には、第1特図表示部208aと、第2特図表示部208bとが設けられている。第1特図表示部208aでは、第1作動口203への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した停止結果が表示される。また、第2特図表示部208bでは、第2作動口204への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
図柄表示装置51では、第1作動口203への入賞に基づき第1特図表示部208aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口204への入賞に基づき第2特図表示部208bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置51では、第1作動口203又は第2作動口204への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する後述の分岐実行モード中や開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
第1作動口203又は第2作動口204への入賞に基づいて表示画面Gにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応しているとともに当該開閉実行モード後に高頻度サポートモードに設定される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組み合わせが形成され、開閉実行モードへの移行に対応しているとともに当該開閉実行モード後に低頻度サポートモードに設定される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組み合わせが形成される。また、後述する分岐実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口203,204への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部208a,208b及び図柄表示装置51にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、可変表示ユニット206の前面側において図柄表示装置51の下方には、図28に示すように、特図保留表示部212が設けられている。遊技球が第1作動口203に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部212の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。但し、第2作動口204に入賞した個数は保留されないため、これに対応した保留表示部は設けられていない。
第1作動口203への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には特電入賞装置202への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。一方、第2作動口204への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には、振分入賞装置207への入賞が可能となる分岐実行モード又は特電入賞装置202への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
振分入賞装置207は、右側領域PE3において第2作動口204の下方の位置に設けられている。つまり、振分入賞装置207は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合には入賞が可能である。一方、特電入賞装置202は下側領域PE4において第1作動口203の下方であってアウト口200aの上方に設けられている。つまり、特電入賞装置202は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル55が操作されている場合のいずれにおいても入賞が可能である。
両入賞装置202,207のうち特電入賞装置202は第1実施形態における可変入賞装置36と同一の構成であるため、説明を省略する。振分入賞装置207について図30を参照しながら説明する。図30(a)は振分入賞装置207の側方から見た状態の縦断面図であり、図30(b)は振分入賞装置207の背面側から見た状態の縦断面図である。
図30(a)に示すように、振分入賞装置207は、遊技球が通過可能な大きさの振分入口221が形成されているとともに、当該振分入口221を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える振分側の開閉部材222を備えている。振分側の開閉部材222は振分入口用の駆動部223により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。振分入口221は案内通路224の入口を構成しており、振分入口221から流入した遊技球は案内通路224を下流側へと流下する。
案内通路224は、図30(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域225と、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域(又は有利用領域)226と、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域(又は不利用領域)227と、を備えている。また、分岐位置には、上流領域225から当該分岐位置に到達した遊技球をV入賞用領域226及び排出用領域227のいずれかに振り分ける振分手段としてシャッタ228が設けられている。シャッタ228がシャッタ用の駆動部229により駆動されていない状態では分岐位置に到達した遊技球が排出用領域227へ流入することとなり、シャッタ228がシャッタ用の駆動部229により駆動されている状態では分岐位置に到達した遊技球がV入賞用領域226へ流入することとなる。
上流領域225に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用の検知センサ225aが設けられている。カウント用の検知センサ225aにて遊技球が検知されたことに基づき、振分入賞装置207への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。また、V入賞用領域226に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてV入賞用の検知センサ226aが設けられている。V入賞用の検知センサ226aにて遊技球が検知されたことに基づき、特電入賞装置202が開閉される開閉実行モードに移行する。また、排出用領域227に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして排出用の検知センサ227aが設けられている。排出用の検知センサ227a及びV入賞用の検知センサ226aからの検知結果に基づき、振分入賞装置207内に遊技球が残存しているか否かが判定される。
ここで、振分入賞装置207の背面側には振動検知センサ117が設けられている。振動検知センサ117は、案内通路224において二股に分岐している箇所の背面側に設けられている。振動検知センサ117は、第1実施形態と同様に主制御装置71に対して電気的に接続されており、主制御装置71から動作電力が供給されている状況において振動を検知し、その検知結果を主制御装置71に対して出力するものである。これにより、パチンコ機10を叩いたりゆすったりすることにより、振分入賞装置207の振分結果が有利な結果となるように遊技球を誘導させようとする不正行為を抑制することができる。
この場合、振動との関連性が高いV入賞であるか否かを判断するための異常対応期間は、案内通路224において遊技球が上流領域225から分岐位置まで流下するのに要する最長期間よりも長く設定されている。これにより、振動との関連性の高いV入賞と、振動との関連性の低いV入賞とをより好適に区分けすることができる。なお、異常対応期間は振分入口221に入賞した遊技球がV入賞用領域226の検知センサ226aにより検知されるまでに要する期間よりも短く設定されている。
ちなみに、振分入賞装置207に入賞した遊技球が80%の確率でV入賞用領域226に誘導されるようにシャッタ用の駆動部229の駆動タイミングが設定されているが、具体的な確率は任意であり、排出用領域227に誘導される確率の方が高い構成としてもよい。但し、第2作動口204への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となることの有利性を高める上では、第2作動口204への入賞に基づき分岐実行モードへ移行する確率と振分入賞装置207に入賞した遊技球がV入賞用領域226に流入する確率との積が、第1作動口203への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となる確率よりも高くなるようにシャッタ228の振分確率が設定されていることが好ましい。例えば、V入賞用領域226に誘導される確率の方が高く設定されていることが好ましく、75%以上100%未満の確率でV入賞用領域226に誘導されることがより好ましい。
また、振分入賞装置207は、入賞した遊技球がV入賞用領域226及び排出用領域227のいずれに振り分けられるのかをパチンコ機10前方から視認可能となるように形成されていることが好ましく、具体的には振分入賞装置207の前面側が有色透明又は無色透明に形成されていることが好ましい。
<MPU132にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU132にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図31を用いて説明する。
MPU132は、各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、普電役物204aの開放抽選、第1特図表示部208a及び第2特図表示部208bの表示の設定、図柄表示装置51の図柄表示の設定、普図表示部209の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モード後に設定するサポートモードの種別の抽選に使用するサポート種別カウンタC2と、図柄表示装置51が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部208a,208b及び図柄表示装置51における変動表示期間を決定する第1変動種別カウンタCS1と、普電役物204aを開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する電動役物開放カウンタC4と、普図表示部209における変動表示期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、を用いることとしている。
大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口203又は第2作動口204への入賞が発生した場合に、大当たり抽選用の取得情報記憶手段として設けられた特図保留エリア231に格納される。特図保留エリア231は第1実施形態におけるカウンタ情報格納エリア134aに対応したものである。特図保留エリア231は、第1特図保留エリア232と、第2特図保留エリア233と、特図用の実行エリア234と、を備えている。
第1特図保留エリア232は、第1エリア232a、第2エリア232b、第3エリア232c及び第4エリア232dを備えており、第1作動口203への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア232a〜232dに格納される。
この場合、第1エリア232a〜第4エリア232dには、第1作動口203への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア232a→第2エリア232b→第3エリア232c→第4エリア232dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア232a〜232dが設けられていることにより、第1作動口203への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリア232において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
一方、第2特図保留エリア233は、保留記憶可能なエリアは複数設けられていない。そして、遊技回用の演出、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であって第2特図保留エリア233に保留情報が取得されていない状況で第2作動口204への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、第2特図保留エリア233に格納される。
特図用の実行エリア234は、いずれかの特図表示部208a,208bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部208aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア232の第1エリア232aに格納された保留情報が特図用の実行エリア234に移動される。一方、第2特図表示部208bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア233に格納された保留情報が特図用の実行エリア234に移動される。
ちなみに、第1特図保留エリア232及び第2特図保留エリア233双方に保留情報が格納されている場合には、第2特図保留エリア233に格納されている保留情報が優先的に特図用の実行エリア234に移動されるよう設定されている。これにより、第1特図保留エリア232及び第2特図保留エリア233双方に保留情報が格納されている場合には、第2特図保留エリア233に格納されている保留情報について当否判定処理及び変動開始処理が優先的に実行される。
電動役物開放カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート205への入賞が発生した場合に、サポート抽選用の取得情報記憶手段として設けられた普図保留エリア235に格納される。普図保留エリア235は、第1実施形態における電役保留エリア134cに対応したものである。普図保留エリア235は、第1エリア235a、第2エリア235b、第3エリア235c及び第4エリア235dを備えており、スルーゲート205への入賞履歴に合わせて、電動役物開放カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア235a〜235dに格納される。
この場合、第1エリア235a〜第4エリア235dには、スルーゲート205への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア235a→第2エリア235b→第3エリア235c→第4エリア235dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア235a〜235dが設けられていることにより、スルーゲート205への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア235において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
また、普図保留エリア235には、普図用の実行エリア236が設けられている。普図用の実行エリア236は、普図表示部209にて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部209の変動表示を開始する際には、普図保留エリア235の第1エリア235aに格納された保留情報が普図用の実行エリア236に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、第1実施形態で説明した通り、0〜399の範囲内で定期的に更新されるループカウンタであり、遊技球が第1作動口203又は第2作動口204に入賞したタイミングで特図保留エリア231に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM133における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア133aに大当たり用の当否テーブル(又は大当たり用の当否情報群)として記憶されている。本実施形態では、大当たり用の当否テーブルとして、第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブル(又は第1当否情報群)と、第2作動口204への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブル(又は第2当否情報群)と、が設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、大当たり乱数カウンタC1を参照することによる当否結果として、非分岐対応結果と、分岐対応結果との他に外れ結果が設定されている。
また、本実施形態における非分岐対応結果は、特電入賞装置202が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続期間(又は特電用の上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が、特電入賞装置202に設けられた大入賞口202aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が15ラウンドに設定されている。
各ラウンド遊技の開放継続期間は同一となっており、その開放継続期間は遊技球の発射周期と、上記入賞の上限個数との積以上の上限入賞対応期間である29.5secとなっている。
一方、分岐対応結果とは、振分入賞装置207が開閉される分岐実行モードへ遊技状態を移行させるとともに、当該分岐実行モードにおける遊技結果に応じて、特電入賞装置202が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
分岐実行モードは、予め定められた分岐用の開放継続期間(又は分岐用の上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた分岐用の上限個数の遊技球が振分入口221に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで振分入口221の開放が連続して実行されるとともに、振分入口221の開放状態が終了され且つ振分入賞装置207内に遊技球が残存していない状態となるまで継続する遊技のことである。
分岐用の開放継続期間は、遊技状態に関係なく共通のものが使用され、遊技球の発射周期と、対応する上限個数との積未満である1.6secとなっている。つまり、本パチンコ機10では、上記のとおり遊技球の発射周期は0.6secとなっている。また、分岐用の入賞の上限個数はラウンド遊技の入賞の上限個数と同一の8個に設定されている。そうすると、分岐用の開放継続期間は、遊技球の発射周期と、入賞の上限個数との積未満が設定されていることとなり、振分入賞装置207へ入賞を狙う態様で発射操作が継続されたとしても振分入口221への上限個数の入賞は発生しづらい。
分岐実行モードにおいてV入賞用領域226に遊技球が入賞することで、開閉実行モードに移行する。この開閉実行モードの内容は、非分岐対応結果を契機として実行される開閉実行モードと同様である。
なお、分岐実行モードでは、サポートモードは低頻度サポートモードになるように設定されている。
第1特図用の当否テーブルでは、図32(a)に示すように、当否結果として、非分岐対応結果と、外れ結果と、が設定されており、分岐対応結果は設定されていない。非分岐対応結果となる乱数の数は2個に設定されており、第1特図用の当否テーブルが参照されることで非分岐対応結果となる確率は1/200となる。
一方、第2特図用の当否テーブルでは、図32(b)に示すように、当否結果として、非分岐対応結果と、外れ結果と、分岐対応結果と、が設定されている。非分岐対応結果となる乱数の数は第1特図用の当否テーブルと同様に2個に設定されている。したがって、第2特図用の当否テーブルが参照されることで非分岐対応結果となる確率は第1特図用の当否テーブルが参照される場合と同一の1/200となっている。但し、これに限定されることはなく、例えば当該確率は相違しているものの、遊技者にとっては見た目上同様となるように略同一に設定されていてもよく、大きく相違していてもよい。
分岐対応結果となる乱数の数は、非分岐対応結果となる乱数の数よりも多く、さらには外れ結果となる乱数の数よりも多くなるように設定されている。さらに言うと、非分岐対応結果となる乱数の数と外れ結果となる乱数の数とを足した数よりも多い数となるように設定されている。具体的には、外れ結果となる乱数の数が1個に設定されていることで、非分岐対応結果となる乱数の数は残りの197個に設定されている。したがって、第2特図用の振分テーブルが参照された場合には、分岐対応結果が最も選択され易く、その確率は90%以上100%未満であり、具体的には99%程度となっている。
次に、サポート種別カウンタC2について説明する。
サポート種別カウンタC2は、第1実施形態で説明した通り、0〜29の範囲内で定期的に更新されるループカウンタであり、遊技球が第1作動口203又は第2作動口204に入賞したタイミングで特図保留エリア231に格納される。
サポート種別カウンタC2は開閉実行モードの終了後における第2作動口204の普電役物204aのサポートモードを決定するために利用される。
ここで、高頻度サポートモードでサポート当選となった場合であって、1回の開放が行われてから次の開放が行われるまでの閉鎖期間は1回の開放継続期間よりも長く設定されている。また、いずれのサポートモードであってもサポート当選となった場合のサポート実行モードは、第2作動口204に上限個数である8個の入賞が発生した場合に終了するが、当該上限個数は任意であり、さらに当該上限個数が設定されていなくてもよい。
また、スルーゲート205への入賞が発生するとともにそれに対してサポート抽選が行われた場合には普図表示部209にて抽選結果が明示されることとなるが、当該抽選結果が明示されるまで変動表示が継続される期間の設定態様が高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで相違している。
具体的には、高頻度サポートモードでは高頻度用の普図変動期間として単一の2.74secが設定されており、当該2.74secの間に亘って変動表示が継続された後に抽選結果の表示が固定の最終停止期間である0.6secに亘って維持される。そして、サポート当選である場合にはその最終停止期間が経過した後に普電役物204aが開放状態となる。
一方、低頻度サポートモードでは低頻度用の普図変動期間が複数種類設定されている。かかる複数種類の普図変動期間の情報は、ROM133において普図変動期間テーブル(又はサポート用の表示継続期間情報群)として設定されている。そして、普図表示部209の変動表示を開始する際に第2変動種別カウンタCS2から取得した数値情報に応じた普図変動期間が普図変動期間テーブルから読み出される。複数種類の低頻度用の普図変動期間には、高頻度用の普図変動期間よりも短い期間及び長い期間が含まれているが、それらの選択率を考慮した平均期間は高頻度用の普図変動期間よりも長いものとなっている。
上記のように低頻度用の普図変動期間が複数種類設定されていることにより、低頻度サポートモードではスルーゲート205に遊技球が入賞してから第2作動口204が開放状態となるまでの期間が不規則なものとなる。そして、上記のとおり低頻度サポートモードではサポート当選となった際に第2作動口204への入賞が発生する確率が低く設定されており、かかる構成に対して普図変動期間が不規則な構成を適用することで、低頻度サポートモードにおける第2作動口204への入賞を発生しづらいものとすることが可能となる。その一方、低頻度サポートモードにおける上記平均期間は高頻度用の普図変動期間よりも長く設定されているため、低頻度サポートモードではサポート抽選が実行される頻度が高頻度サポートモードの場合よりも低くなる。
ちなみに、低頻度サポートモードにおいて第2作動口204への入賞を発生しづらくするための手法としては、上記構成に加えて又は代えて、普図表示部209にてサポート当選に対応した結果を表示してから普電役物204aが開放状態となるまでの期間を複数種類設定し、それら複数種類の期間から抽選により選択する構成としてもよい。
以上のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口204への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口204よりも第1作動口203への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口203よりも第2作動口204への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口204への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
サポート種別カウンタC2に対する振分結果は、ROM133における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア133bに振分テーブルとして記憶されている。本実施形態では、振分テーブルとして、第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口204への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。そして、これらの振分結果には、低頻度結果と、継続結果と、高頻度結果と、が設定されている。
振分結果が低頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。この低頻度サポートモードは高頻度サポートモードに設定されるまで継続される。
振分結果が高頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
振分結果が継続結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、当該開閉実行モードの移行の契機となった遊技回が実行されていた際のサポートモードに設定される。この場合に低頻度サポートモードが設定された際には、次に高頻度サポートモードに設定されるまでその低頻度サポートモードが継続される。一方、高頻度サポートモードが設定された際には、終了基準回数の設定が新たに行われ、移行後において遊技回数が当該終了基準回数に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
第1特図用の振分テーブルでは、図33(a)に示すように、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低頻度結果に対応しており、「10〜14」が継続結果に対応しており、「15〜29」が高頻度結果に対応している。したがって、低頻度サポートモードにおいて第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に低頻度サポートモードが設定される確率と高頻度サポートモードが設定される確率とは同一となっている。なお、実際には確率が相違するものの、見た目上同様と見なされる程度に確率が略同一となっている構成としてもよい。
一方、高頻度サポートモードにおいて第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に高頻度サポートモードが設定される確率の方が、低頻度サポートモードが設定される確率よりも高く設定されており、具体的には高頻度サポートモードが設定される確率が67%となっている。また、高頻度サポートモードにおいて第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、低頻度サポートモードにおいて第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した場合よりも、高頻度サポートモードに設定される確率が高く設定されている。
第2特図用の振分テーブルでは、図33(b)に示すように、「0〜29」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低頻度結果に対応しており、「10〜29」が継続結果に対応している。したがって、低頻度サポートモードにおいて第2作動口204への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に高頻度サポートモードに設定されることはなく低頻度サポートモードが維持される。
一方、高頻度サポートモードにおいて第2作動口204への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に高頻度サポートモードが設定される確率の方が、低頻度サポートモードが設定される確率よりも高く設定されており、具体的には高頻度サポートモードが設定される確率が67%となっている。この確率は、高頻度サポートモードにおいて第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際にその後に高頻度サポートモードが設定される確率と同一となっている。なお、実際には確率が相違するものの、見た目上同様と見なされる程度に確率が略同一となっている構成としてもよい。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が第1作動口203又は第2作動口204に入賞したタイミングで特図保留エリア231に格納される。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、分岐実行モードに移行しないことを条件として、ROM133のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、第1変動種別カウンタCS1について説明する。
第1変動種別カウンタCS1は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示部208a,208bにおける変動表示期間(表示継続期間)と、図柄表示装置51における図柄の変動表示期間(表示継続期間)とをMPU132において決定する上で用いられる。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示部208a,208bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置51による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
変動表示期間の決定に際しては、ROM133の変動表示期間テーブル記憶エリア(変動表示期間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示期間テーブル(変動表示期間情報群)が参照される。
この変動表示期間テーブルは、低頻度サポートモードにおいて第1作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、低頻度サポートモードにおいて第2作動口204に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいて第1作動口203に係る保留情報又は第2作動口204に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、いずれの作動口203,204を契機とした場合であっても、高頻度サポートモード中の変動表示期間は低頻度サポートモード中の変動表示期間よりも短く設定されている。具体的には、高頻度サポートモード中の変動表示期間はいずれの作動口203,204を契機とした場合であっても0.64secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。つまり、高頻度サポートモード中に読み出される変動表示期間の情報は第1作動口203に係る保留情報を契機とした場合及び第2作動口204に係る保留情報を契機とした場合のいずれであっても同一となっている。これにより、予め記憶しておく変動表示期間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。また、高頻度サポートモードでは第2作動口204への入賞を狙って遊技が行われ、第1作動口203への入賞は第2作動口204への入賞を狙っている過程で意図せず発生するものであるため、その遊技回用の演出は短縮することが好ましい。
また、低頻度サポートモードにおいて第1作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数が多いほど短い変動表示期間が選択される構成であるのに対して、高頻度サポートモードにおいて第1作動口203に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合には保留情報の数に依存しない。この点からも、予め記憶しておく変動表示期間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。
次に、第2変動種別カウンタCS2について説明する。
第2変動種別カウンタCS2は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2は、低頻度サポートモードにおいて普図表示部209における変動表示期間(表示継続期間)をMPU132において決定する上で用いられる。第2変動種別カウンタCS2は、低頻度サポートモードにおいて普図表示部209における変動表示の開始時に取得される。
なお、分岐実行モード及び開閉実行モードのいずれでもなく、さらにサポートモードが低頻度サポートモードである場合が本パチンコ機10の通常遊技状態に相当する。また、各抽選用のカウンタがRAM134に設けられている構成に代えて、MPU132が乱数の更新に寄与しないように専用回路として設けられていてもよい。
次に、上記構成のパチンコ機10の遊技の流れについて図34の概略図を参照しながら説明する。
先ず、低頻度サポートモードであるST1の状態において遊技領域PEにおける左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技球を発射することで、第1作動口203への入賞が発生する(ST2の状態)。この入賞に基づき取得された保留情報は第1特図保留エリア232に格納される。そして、通常処理(図14)におけるステップS303の遊技制御処理にて、上記保留情報について当否判定に係る処理が行われる。当該当否判定は、第1特図用の当否テーブル及び第1特図用の振分テーブルを用いて行われる。そして、今回の当否結果を特定するとともに、当該特定された当否結果及び第1変動種別カウンタCS1等に基づいて、特図表示部208(第1特図表示部208a)における絵柄の変動表示期間及び停止結果を把握する処理が行われる。その後、把握された変動表示期間に亘って特図表示部208にて絵柄の変動表示を行い、当該変動表示期間が経過した後に今回の当否結果に対応した停止結果を表示する処理が実行される。
ここで、上記当否結果が外れ結果である場合には、ST1の状態に戻る。一方、第1作動口203への入賞に基づき取得された保留情報に係る当否結果が非分岐対応結果である場合には、開閉実行モードに移行する(ST3の状態)。
上記開閉実行モードへの移行契機となった保留情報が低頻度結果又は継続結果に対応している場合には、開閉実行モードの終了後にST1の状態に戻る。一方、当該保留情報が高頻度結果に対応している場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードであるST4の状態に移行する。当該構成について具体的には、遊技状態移行処理(図15)におけるステップS412における開閉実行モード終了後の移行処理にて、本開閉実行モードへの移行契機となった保留情報に係る当否結果を把握し、当該把握結果に基づき高頻度サポートフラグをセットの有無を決定する。
ST4の状態において遊技領域PEにおける右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技球を発射することで、スルーゲート205への入賞が発生する(ST5の状態)。この場合に、サポート当選とならない場合にはST4の状態に戻る。一方、サポート当選となった場合には第2作動口204が開放状態となる(ST6の状態)。この場合に、第2作動口204への入賞が発生しなかった場合にはST4の状態に戻る。一方、第2作動口204への入賞が発生した場合(ST7の状態)には、その入賞に基づき取得された保留情報について当否判定が行われる。
第2作動口204への入賞に基づく当否判定は、第2特図用の当否テーブル及び第2特図用の振分テーブルが参照される。そして、今回の当否結果を特定するとともに、当該当否結果及び第1変動種別カウンタCS1に基づいて特図の変動表示期間及び特図表示部208(第2特図表示部208b)の停止結果を把握する処理が行われる。その後、把握された変動表示期間に亘って特図表示部208にて特図の変動表示を行い、当該変動表示期間が経過した後に今回の当否結果に対応した停止結果を第2特図表示部208bに表示する処理が実行される。当該停止結果が表示されることにより、今回の当否結果が外れ結果、分岐対応結果及び非分岐対応結果のいずれであるかが明示されるとともに、各対応結果である場合には、その振分結果、すなわち低頻度結果及び継続結果のいずれであるかが明示される。これにより、遊技者が、今回の当否結果及びその振分結果を把握することができるようになっている。
なお、既に説明した通り、第2作動口204への入賞に基づき取得される保留情報は、第1作動口203への入賞に基づき取得される保留情報よりも優先的に消化される。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して第2作動口204への入賞する期待度が高くなっている。これにより、ST1の状態(低頻度サポートモードの状態)と比較して、ST4の状態(高頻度サポートモードの状態)の方が、第2作動口204に遊技球が入賞し易くなっており、ST7の状態に移行し易くなっている。
第2作動口204への入賞に基づき取得された保留情報についての当否結果が、外れ結果である場合にはST4の状態に戻り、分岐対応結果である場合には分岐実行モードに移行し(ST8の状態)、非分岐対応結果である場合には開閉実行モードに移行する(ST10の状態)。
ここで、ST8の状態である分岐実行モードにおいてV入賞用領域226への入賞が発生しなかった場合にはST4の状態に戻り、V入賞用領域226への入賞が発生した場合(ST9の状態)には、ST10の状態である開閉実行モードに移行する処理が実行される。当該処理について具体的には、例えば第2特図表示部208bの変動終了後、今回の当否結果が分岐実行モードの移行に対応する結果であるか否かを判定する。分岐実行モードである場合には、振分入口221を開放状態とするための分岐用の開放設定処理を実行する。当該振分入口221の開放は、分岐用の開放継続期間が経過する、又は予め定められた上限個数(例えば8個)入賞するまで継続される。この場合、V入賞用領域226への入賞が検知センサ226aにより検知された場合には、RAM134の各種フラグ格納エリア134dのV入賞フラグ格納エリアにV入賞フラグをセットする。当該V入賞フラグは、第1実施形態における継続フラグに相当する。
その後、振分入口221が閉鎖され、更に振分入賞装置207に残存している遊技球が存在しなくなった場合に、今回の開放に基づき振分入口221に入賞した遊技球がV入賞用領域226に入賞したか否か、すなわちV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。V入賞フラグがセットされている場合にはST10の状態へ移行させ、V入賞フラグがセットされていない場合にはST4の状態に移行させる。
ここで、既に説明した通り、第2特図用の振分テーブルには、振分結果として継続結果と低頻度結果とが設定されている。このため、ST8の状態(分岐実行モード)への移行契機となった分岐対応結果の振分結果が継続結果である場合にはST4の状態(高頻度サポートモード)に移行し、分岐実行モードへの移行契機となった分岐対応結果の振分結果が低頻度結果である場合にはST1の状態(低頻度サポートモード)に移行する。
以上のように構成された本パチンコ機10によれば、分岐実行モードにおいて意図的にV入賞を発生させる目的で振動を与える不正行為が行われる場合がある。これに対して、第1実施形態に示したように、振動検知センサ117により振動が検知された状況においてV入賞用領域226への入賞が生じた場合には、遊技を停止する構成とする。これにより、不正行為が行われたか否かを確認することができ、意図的にV入賞を発生させる不正行為を抑制することができる。
また、分岐実行モードに移行する場合、第2特図表示部208bの停止結果を把握することにより今回の分岐実行モードの振分結果を把握し、当該振分結果が低頻度結果である場合には、V入賞が発生しないよう意図的に振動を与える不正行為が行われる場合がある。
これに対して、第1実施形態に示したように、振動検知センサ117により振動が検知された状況において遊技球が排出された場合(遊技球が排出用領域227を通過した場合)には、振分入賞装置207に残存している遊技球が存在しなくなったことに基づいて遊技を停止する構成とすることにより、上記意図的にV入賞が発生しないようにする不正行為を抑制しつつ、振分入賞装置207に残存している遊技球が存在している状態で遊技を停止することによって生じ得る不都合、すなわちその後のV入賞が無効として扱われることにより生じる遊技者への不利益の付与を回避することができる。
ちなみに、本実施形態における異常監視期間は、振分入賞装置207が開放されてから、当該振分入賞装置207に入賞した遊技球の振分が完了するまで(上流領域225の検知センサ225aにより検知された遊技球数と、V入賞用領域226の検知センサ226a及び排出用領域227の検知センサ227aにより検知された遊技球数の総数とが同一になるまで)の期間に設定されている。
なお、遊技停止に係る構成について具体的に説明すると、分岐実行モードに移行し、振分入口221が開放されることに基づき振動検知センサ117をアクティブにする。そして、振動検知センサ117により振動が検知されたことに基づいて異常発生フラグをセットし、異常監視タイマカウンタETによる期間のカウントをスタートさせる。その後、V入賞用領域226への入賞の発生が検知センサ226aにより検知された場合には、V入賞フラグをセットする。そして、異常発生フラグがセットされているか否かを判定し、異常発生フラグがセットされている場合には直ちに遊技を停止させる。
一方、振分結果が低頻度結果である分岐対応結果に基づく分岐実行モードが実行されている状況において排出用領域227への入球が検知センサ227aにより検知された場合には、異常発生フラグがセットされているか否かを判定し、異常発生フラグがセットされている場合には、異常外れフラグをセットする。そして、上流領域225の検知センサ225aにより検知された遊技球数と、V入賞用領域226の検知センサ226a及び排出用領域227の検知センサ227aにより検知された遊技球数との関係に基づき、振分入賞装置207内に残存球が存在するか否かを判定する処理を実行する。当該判定処理にて残存球が存在すると判定する場合には、そのまま遊技を継続する一方、判定処理にて残存球が存在しないと判定する場合には、遊技を停止させる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、異常検知手段として振動検知センサ117を設けたが、これに限られず、例えば振動検知センサ117に代えて、異常検知手段として磁気検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、振分入賞装置37周辺に磁石等を近づけることで振分入賞装置37の振分結果が有利な結果となるように遊技球を誘導させようとする不正行為を把握することができる。
さらに、振動検知センサ117及び磁気検知センサ双方を設ける構成としてもよい。この場合、振動又は磁気のいずれか一方が検知されたことに基づいて異常発生に対応した処理(ステップS205及びステップS206の処理)を実行する構成とするとよい。これにより、振動させる不正行為及び磁石等を用いる不正行為双方を好適に抑制することができる。
(2)上記第1実施形態では、振動検知センサ117は、振分入賞口82の開放タイミングからアクティブとなる構成としたが、これに限られず、例えばオープニングの開始タイミングといった振分入賞口82の開放タイミングよりも前のタイミングからアクティブとなる構成としてもよい。これにより、振動を与えることで振分入賞口82に対して不正に入賞させようとする不正行為を把握することができる。この場合、オープニングの開始タイミングから振分入賞口82の閉鎖タイミングまでに振動を検知した場合、異常報知の態様を、不正な入賞が発生した旨の報知が行われる態様にするとよい。
また、パチンコ機10がアクティブとなっている期間(パチンコ機10の電源がオンとなっている期間)又は遊技が行われている期間に亘って振動検知センサ117をアクティブとする構成としてもよい。この場合、遊技機本体12が開放されているか否かを検知する開放センサを設け、当該開放センサの検知結果に応じて、異常検知用の処理を実行するか否かを判定する構成とするとよい。具体的には、振動検知センサ117により振動が検知された状況において開放センサによって遊技機本体12が開放中であることが把握された場合、異常検知用の処理を実行しない構成とするとよい。これにより、例えば異常検知用の処理として、所定のエラー音の出力とエラー表示を行う処理を実行する構成にあっては、メンテナンスのために遊技機本体12を開放させた場合に、上記エラー音の出力等が行われないため、メンテナンス時の煩わしさを抑制することができる。
なお、第2実施形態についても同様である。
(3)上記各実施形態では、開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモード及び開閉実行モードの移行契機となった分岐対応結果の種別に関わらず、異常V入賞が発生した場合には遊技を停止させる構成としたが、これに限られず、例えば開閉実行モードに移行するタイミングにおいて設定されているサポートモードが高頻度サポートモードであって今回の開閉実行モードの移行契機となった対応結果がサポートなし分岐対応結果である状況において異常V入賞が発生した場合には、遊技を停止させない構成としてもよい。これにより、振動検知センサ117の誤動作等が生じた場合であっても遊技が継続されるため、遊技の進行をスムーズに行うことができる。この場合、当該異常V入賞に基づいて高頻度サポートモードが終了するため、遊技者としては不利な結果となり、管理者側の被害は少ない。このため、遊技を停止させないことによって生じ得る被害は軽減されている。但し、異常V入賞を発生させる不正行為を抑制する観点及び処理負荷の軽減の観点に着目すれば、異常V入賞が発生した場合には一律に遊技を停止させる構成のほうが好ましい。
また、異常監視期間中に振動の発生か検知された場合、異常V入賞又は異常外れの発生の有無に関わらず遊技を停止させる構成としてもよい。
(4)上記各実施形態では、異常監視期間は、振分入賞口82又は振分入口221の開放タイミングから当該振分入賞口82又は振分入口221に入賞した全遊技球について振分が完了するタイミングまでの期間と同一に設定されているが、これに限られず、例えば上記期間よりも長く設定してもよい。これにより、振動による異常をより好適に検知することができる。但し、速やかに遊技を停止させる観点に着目すれば、上記期間と同一に設定する構成のほうがよい。
(5)上記各実施形態では、遊技停止中は、タイマ割込み処理及び通常処理における遊技の進行に係る処理の実行が禁止されていたが、これに限られず、例えばタイマ割込み処理の実行のみを禁止したり、通常処理における遊技の進行に係る処理の実行のみを禁止したりする構成としてもよい。要は、通常の遊技の継続が困難になる構成となっていればよい。
(6)上記各実施形態では、異常V入賞の発生又は特定状況下での異常外れの発生に基づき遊技停止コマンド設定処理を実行し、異常報知を行う構成としたが、これに限られず、当該遊技停止コマンド設定処理を実行しない構成としてもよい。この場合、当選スイッチ119を設ける必要がなくなる。但し、確認の容易性の観点に着目すれば、異常報知を行う構成のほうがよい。
また、上記構成の場合、例えば解除操作が実行された場合に、主制御装置71に保存されている継続フラグ又は異常外れフラグの有無を把握する処理を実行し、その把握結果に応じて解除後の遊技状態を決定する処理を実行する構成とするとよい。但し、管理者が判断する余地を残す点に着目すれば、特定解除操作であるか否かで解除後の遊技状態を決定する構成のほうがよい。
(7)上記各実施形態では、特定解除操作が行われた場合には、特定解除処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えば解除操作が特定解除操作であり且つ継続フラグがセットされている場合に、特定解除処理を実行する構成としてもよい。これにより、V入賞が発生していないにも関わらず特定解除処理が実行される不都合を回避することができる。
(8)上記各実施形態では、各解除処理はパチンコ機10の立ち上げ処理を要しない構成としたが、これに限られず、例えば立ち上げ処理を実行する構成としてもよい。この場合、不定値やバグ等の発生が生じにくいため、安全に遊技を再開させることができる。但し、遊技のスムーズな再開を行う観点に着目すれば、立ち上げ処理を要しない構成のほうが好ましい。
(9)上記各実施形態では、解除操作及び特定解除操作に用いられる復帰スイッチ118及び当選スイッチ119は主制御装置71に設けられていたが、これに限られず、任意の位置に設けてもよい。但し、遊技者が解除操作等を行いにくい点を鑑みれば、パチンコ機10の背面側の部位、又はパチンコ機10の内部に設けられている構成のほうが好ましい。
(10)上記各実施形態では、解除操作として復帰スイッチ118の操作が設定されており、特定解除操作として当選スイッチ119を押しながらの復帰スイッチ118の操作が設定されていたが、これに限られず、例えば、パチンコ機10にRAMクリアスイッチを別途設け、解除操作としてRAMクリアスイッチを操作した状態で電源をオフにする操作を設定し、特定解除操作として電源をオフにする操作を設定してもよい。要は、解除操作が行われたのか特定解除操作が行われたのかをパチンコ機10が識別可能であればその具体的な態様は任意である。
(11)上記各実施形態では、振動検知タイミングからV入賞タイミング(外れタイミング)までの期間に応じて、振動との関連性が比較的高い異常V入賞(異常外れ)と、振動との関連性が比較的低い異常V入賞(異常外れ)と、を区分けする構成としたが、これに限られず、区分けしない構成としてもよい。
(12)上記第1実施形態では、異常対応期間は振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ103によって検知されるまでに要する期間よりも短く設定されていたが、これに限られない。例えば異常対応期間を振分入賞口82に入賞した遊技球がV入賞用検知センサ103によって検知されるまでに要する期間よりも長く設定してもよい。この場合、振動の影響を受けた振分を好適に把握することができる。但し、正規の遊技に基づく振分が異常なものとして扱われる可能性があることを鑑みれば、異常対応期間は短く設定されている方がよい。
第2実施形態についても同様に、異常対応期間は振分入口221に入賞した遊技球がV入賞用領域226の検知センサ226aにより検知されるまでに要する期間よりも短く設定されていたが、これに限られず、上記期間よりも長く設定する構成としてもよい。
(13)上記第1実施形態では、異常監視期間を、振分入賞口82の開放タイミングから当該振分入賞口82に入賞した全遊技球について回転体ユニット91による振分が完了するタイミングまでの期間に設定し、全遊技球の振分が完了したタイミングにて遊技停止に係る処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えば振分入賞口82が閉鎖してから、予め定められた固定期間が経過したタイミングで遊技停止に係る処理を実行する構成としてもよい。この場合、固定期間は、振分入賞口82に入賞した遊技球が振分入賞装置37から排出されるまでに要する最長期間よりも長く設定されているとよい。この場合、残存する遊技球をカウントする必要がないため、処理負荷の軽減を図ることができる。但し、直ちに遊技を停止する点に着目すれば、全遊技球の振分が完了するタイミングにて遊技停止に係る処理を実行する構成のほうが好ましい。第2実施形態についても同様である。
(14)上記各実施形態では、異常V入賞が生じた場合、2R目のラウンド遊技が開始される前に遊技を停止させる構成としたが、これに限られず、例えば2R目のラウンド遊技が開始されてから遊技を停止する構成としてもよい。但し、遊技者に対して不正な利益を付与しない観点に着目すれば、2R目のラウンド遊技が開始される前に遊技を停止させる構成のほうがよい。
(15)上記各実施形態では、ステップS204にて振動検知センサ117により振動が検知されたと判定する場合には、一律でステップS205及びステップS206の処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えば継続フラグ(第2実施形態においてはV入賞フラグ)がセットされているか否かを判定する処理を設けてもよい。そして、継続フラグがセットされている場合には、ステップS205及びステップS206の処理を実行しないようにしてもよい。これにより、既に正規の遊技に基づくV入賞が発生しているにも関わらず、遊技が停止される不都合を回避することができる。
(16)上記各実施形態では、分岐対応結果としてサポート付分岐対応結果とサポートなし分岐対応結果とを設定したが、これに限られず、例えば開閉実行モードの終了後の遊技状態が非分岐対応結果となる確率が相対的に高い高確率モードに対応した分岐対応結果と相対的に低い低確率モードに対応した分岐対応結果とを設定する構成としてもよい。この場合、高確率モードを維持しようとして意図的にV入賞させないようにする不正行為が行われ得る。これに対して、本発明を適用することにより、上記不正行為を抑制することができる。
さらに、遊技状態として、抽選モードとして高確率モードと低確率モードとを備えるとともにサポートモードとして高頻度サポートモードと低頻度サポートモードを備える構成としてもよい。かかる構成において、例えば、開閉実行モードに移行するとともに、当該開閉実行モード中にV入賞が発生した場合にはその開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モードであり且つ高頻度サポートモードとなる特定遊技結果を設定してもよい。この場合、高確率モードであり且つ高頻度サポートモードである状況において上記特定遊技結果に当選した場合には、開閉実行モード中にV入賞が発生しないように振動を与える不正行為が行われる場合がある。これに対して、本発明を適用することにより、上記不正行為を抑制することができる。要は、特定事象としてのV入賞が発生することにより、遊技者にとって有利な状態から不利な状態へ降格する場合があるパチンコ機10において上記不正行為が行われる場合があり、当該パチンコ機10に対して本発明を適用することができる。
(17)上記各実施形態では、異常V入賞又は異常外れが生じた場合、遊技を停止させる構成としたが、これに限られず、例えば遊技を続行する構成としてもよい。この場合、外部端子板80を介して異常V入賞又は異常外れが生じたことを管理コンピュータに対して出力する構成とし、さらに異常V入賞又は異常外れが生じた旨の報知を実行する構成とするとよい。これにより、管理者が異常V入賞又は異常外れが生じたことを把握することができる。
また、異常V入賞が発生した場合には、2R目以降のラウンド遊技を実行することなく開閉実行モードを終了する構成としてもよく、異常外れが発生した場合には、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードにする構成としてもよい。
(18)(17)において、通常のV入賞(又は外れ)が発生した場合と異常V入賞(又は異常外れ)が発生した場合とで、その後のラウンド演出の態様を異ならせる構成としてもよい。これにより、遊技を停止させることなく、異常V入賞(又は異常外れ)が発生したことを把握することができる。
(19)上記各実施形態では、非分岐対応結果及び分岐対応結果においてラウンド数は同一に設定されていたが、これに限られず、相違させてもよい。また、ラウンド遊技の回数が相違する又はラウンド遊技中の入賞用の上限個数や各入賞口82,121(第2実施形態における大入賞口202a及び振分入口221)の開放期間が相違する複数種類の開閉実行モードを設定し、対応結果に応じて移行先の開閉実行モードが複数種類の中から選択する構成としてもよい。この場合であっても、異常V入賞又は異常外れが発生した場合には、ラウンド遊技を継続させることなく遊技を停止させるとよい。
なお、この場合、メイン表示部43(第2実施形態における特図表示部208)の他に現在のラウンド及びラウンド数を示すラウンド表示部を設けるとよい。これにより、今回の開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数及びラウンド遊技の消化状況を把握することができる。
(20)上記各実施形態では、ラウンド遊技の終了条件は、上限個数の入賞又は開放期間の経過のいずれか一方を満たした場合に設定されていたが、これに限られない。例えば、各入賞装置36,37(第2実施形態における各入賞装置202,207)に終了口を設けるとともに、ラウンド遊技が所定の期間だけ経過した場合に当該終了口への入賞が可能となる構成とし、さらに当該終了口に遊技球が入賞した場合にラウンド遊技が終了する構成としてもよい。
(21)上記第1実施形態では、1回のラウンド遊技において振分入賞口82又は大入賞口121が1回開放される構成としたが、これに限られず、1回のラウンド遊技中に各入賞口82,121の開閉が複数回行われる構成としてもよい。例えば1R目のラウンド遊技において2回振分入賞口82が開放される構成としてもよい。この場合、振分入賞口82における1回目の開放に係る入賞を継続条件の前提条件とし、2回目の開放が行われるまでに回転体ユニット91による振分が行われる構成とするとよい。
かかる構成において、異常V入賞又は異常外れが生じた場合には、振分入賞口82の2回目の開放が行われないように設定してもよい。これにより、振分入賞口82の開閉態様が通常とは異なるため、異常V入賞又は異常外れが発生したことを把握可能となる。
(22)上記各実施形態では、対応結果として分岐対応結果と非分岐対応結果とを設定したが、これに限られず、分岐対応結果のみを設ける構成としてもよい。
(23)上記各実施形態では、分岐対応結果に係る開閉実行モードにおいて、1R目のラウンド遊技及びその後のインターバル期間中に継続条件の成否判定を行う構成としたが、これに限られず、2R目以降のラウンド遊技及びその後のインターバル期間中に継続条件の成否判定を行う構成としてもよい。
(24)上記第1実施形態では、振分入賞口82と大入賞口121とを別々に設けたが、これに限られず、1の入賞口を設ける構成としてもよい。但し、入賞が継続条件に係るものであるかそうでないかを明確にする点に着目すれば、振分入賞口82と大入賞口121とを別々に設ける構成の方がよい。第2実施形態における大入賞口202a及び振分入口221についても同様である。
(25)上記各実施形態では、遊技を停止させる条件として、異常要因としての振動が検知された後にV入賞又は外れが生じた場合を設定したが、これに限られず、例えばV入賞又は外れが生じた後に振動が検知された場合に遊技を停止させる構成としてもよい。これにより、V入賞又は外れが生じたタイミングと異常要因を検知したタイミングとの間にタイムラグがあった場合でも好適に対応することができる。
(26)上記各実施形態では、異常V入賞が発生した場合には直ちに遊技を停止させる構成としたが、これに限られず、例えば異常V入賞が発生した場合であっても全遊技球の振分が完了したタイミングにて遊技を停止させる構成としてもよい。
(27)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.異常要因の発生を検知する異常検知手段(振動検知センサ117)と、
当該異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知されたことに基づいて異常対応処理を実行する異常対応手段(MPU132におけるステップS205、ステップS206、ステップS804〜ステップS808、ステップS814〜ステップS818の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記異常対応手段は、予め定められた異常監視期間(振動検知センサ117がアクティブな期間)において前記異常検知手段にて前記異常要因の発生が検知されたことに基づき前記異常対応処理を実行する場合、当該異常監視期間が経過した場合に当該異常対応処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、異常監視期間中に異常要因の発生が検知された場合には異常対応処理を実行することにより、異常要因の発生に対応することができる。これにより、不正に利益を得る目的で意図的に異常要因を発生させる不正行為を抑制することができる。
かかる構成において、異常監視期間が経過した場合に異常対応処理を実行することで、異常監視期間中におけるトータルの監視結果として異常対応処理を実行することが可能となり、異常監視期間中において異常要因の発生の都度、異常対応処理を実行する構成に比べて、必要以上に異常対応処理が実行されてしまうことを抑制することができる。
特徴A2.特定事象の発生を検知する特定事象検知手段(V入賞用検知センサ103)と、
前記特定事象検知手段により前記特定事象の発生が検知されたことに基づいて、当該特定事象の発生に対応した特典を遊技者に付与するための特定事象対応処理を実行する特定事象対応手段(MPU132においてステップS522を肯定判定する処理及びステップS901の処理等を実行する機能)と、
を備え、
前記異常監視期間は、当該異常監視期間中に前記特定事象が発生し得るよう設定されており、
前記異常対応処理には、前記特定事象対応処理の実行を制限する制限処理(MPU132におけるステップS301を否定判定する処理、及びステップS816、ステップS817、ステップS906、ステップS907の処理等を実行する機能)が含まれていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定事象の発生に基づいて遊技者に対して特典が付与されるため、特定事象が発生し得る期間中に意図的に特定事象を発生させようとする不正行為を行うことが想定される。これに対して、本特徴によれば、特定事象が発生し得る期間に亘って異常監視が行われるため、上記不正行為に起因する異常要因の発生を好適に検知することができ、上記不正行為を抑制することができる。
かかる構成において、仮に異常監視期間中に異常要因の発生が検知されたことに基づいて直ちに制限処理が実行されると、異常要因の発生タイミング以降において特定事象が発生したとしても特定事象対応処理が実行されないため、特定事象に基づいて特典が付与される期待度が実質的に低下する。このため、特定事象検知手段の誤動作が発生した場合、遊技者に対して不利益を与える不都合が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、異常監視期間中には制限処理は実行されないため、異常監視期間中における特定事象対応処理の実行は確保されている。これにより、上記不都合を回避することができる。
なお、「制限処理」としては、例えば特定事象の発生が不可又は困難となるようにする処理や、特定事象検知手段により特定事象の発生が検知された場合であってもその検知結果を無効化する処理などが考えられる。
特徴A3.前記特定事象が発生したことが前記特定事象検知手段により検知された場合に所定の発生情報(継続フラグ)を記憶手段(継続フラグ格納エリア)に記憶させる更新手段(MPU132におけるステップS901の処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象対応処理は、前記記憶手段に前記発生情報が記憶されている場合に実行されるものであり、
予め定められた解除条件が成立した場合に前記異常対応処理を終了させるための解除処理を実行するとともに、前記記憶手段に前記発生情報が記憶された状態を維持させながら当該解除処理を実行可能な解除手段(MPU132におけるステップS1303及びステップS1304の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、異常対応処理の実行タイミングよりも前のタイミングにて特定事象が発生した場合、発生情報を消去することなく解除処理が行われる場合がある。これにより、解除処理の実行後に、異常対応処理の実行タイミングよりも前のタイミングにて発生した特定事象に基づく特定事象対応処理を実行させることができるため、異常検知手段の誤動作等に起因して異常対応処理が行われた場合であっても、遊技者の利益を確保することができる。
特徴A4.前記解除手段は、
前記解除条件として予め定められた第1解除操作(解除操作)が行われた場合に前記解除処理を実行するとともに、前記記憶手段に前記発生情報が記憶されている場合には当該発生情報を消去する第1解除手段(MPU132におけるステップS1304の処理を実行する機能)と、
前記解除条件として前記第1解除操作とは異なる第2解除操作(特定解除操作)が行われた場合に前記解除処理を実行するとともに、前記記憶手段に前記発生情報が記憶されている場合には当該発生情報を維持する第2解除手段(MPU132におけるステップS1303の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、解除操作の態様に応じて、発生情報を維持させるか消去するかを決定することができる。これにより、今回の異常対応処理が不正行為に基づくものであると管理者が判断した場合には第1解除操作を行うことにより、遊技者が不正な利益を得ることを回避することができる。一方、今回の異常対応処理が異常検知手段の誤動作に基づくものであると管理者が判断した場合には第2解除操作を行うことにより、遊技者に対して正規の利益を提供することができる。
特徴A5.前記異常検知手段によって前記異常要因の発生が検知された異常要因発生タイミングから前記特定事象検知手段によって前記特定事象の発生が検知された特定事象発生タイミングまでの期間を把握する期間把握手段(MPU132におけるステップS206の処理及び異常監視タイマカウンタETを更新する処理を実行する機能)を備え、
前記異常対応処理には、第1異常対応処理(MPU132におけるステップS909、S1005及びステップS1103の処理)と当該第1異常対応処理とは異なる第2異常対応処理(MPU132におけるステップS910、ステップS1006、及びステップS1104の処理)とが設定されており、
前記異常対応手段は、前記期間把握手段による把握結果に応じて、前記各異常対応処理のうちいずれの異常対応処理を実行するかを決定する決定手段(MPU132におけるステップS908、ステップS1004の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
異常要因と特定事象とが連続して発生した場合、当該特定事象は異常要因に起因して発生した可能性が高い。これに対して、本特徴によれば、異常要因発生タイミングから特定事象発生タイミングまでの期間を把握し、当該把握結果に応じて実行される異常対応処理が異なっている。これにより、異常対応処理の実行態様に基づいて、異常要因の発生と関連性が高い特定事象の発生と、異常要因の発生と関連性が低い特定事象の発生とを区分けをすることができる。よって、遊技者に不利益を与えないようにしつつ、異常要因を発生させて特定事象を意図的に発生させる不正行為を抑制することができる。
特徴A6.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構54)と、
当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段(振分入賞装置37,207)と、
を備え、
前記特定事象は、前記入球手段への入球の発生又は当該入球に基づき生じる事象であり、
前記異常検知手段は、前記異常要因として振動又は磁気を検知するものであることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技領域を流下する遊技球の流下経路を入球手段に向けた経路に変更させる目的で意図的に振動させる又は磁石等を近づける不正行為が想定される。これに対して、特徴A2の構成を適用することにより、上記不正行為に対応することができるとともに、正規の遊技者へ与える影響を低減することができる。
特徴A7.前記入球手段は、
内部空間を遊技機前方から視認可能な状態で区画するとともに前記遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間に入球可能とする入口部(第1実施形態における振分入賞口82、第2実施形態における振分入口221)が形成された空間区画部(第1実施形態におけるベース体81、第2実施形態における振分入賞装置207)と、
前記入口部を開閉するとともに、予め定められた開閉動作条件が成立したことに基づいて開閉動作する入口開閉手段(第1実施形態における開閉片84、第2実施形態における開閉部材222)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、通過が発生したことに基づいて遊技者にとって有利な状態となる有利通過部(第1実施形態におけるV入賞用通過部101、第2実施形態におけるV入賞用領域226)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、前記有利通過部を通過しない遊技球を前記内部空間から排出させる排出部(第1実施形態における排出用通過部104、第2実施形態における排出用領域227)と、
前記内部空間に設けられ、当該内部空間に入球した遊技球を前記有利通過部及び前記排出部のいずれかに振り分ける振分手段(第1実施形態における回転体113、第2実施形態におけるシャッタ228)と、
を備えた振分入球手段であり、
前記特定事象は、前記入口部への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記有利通過部を通過することであり、
前記特定事象検知手段は、前記有利通過部を通過する遊技球を検知する当選検知手段(第1実施形態におけるV入賞用検知センサ103、第2実施形態における検知センサ226a)であり、
前記異常監視期間は、前記入口部の開閉動作が行われる開閉動作期間と、当該開閉動作の終了後の所定期間と、を合わせた期間であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、入口部に遊技球が入球し、且つその入球した遊技球が有利通過部を通過することが当選検知手段により検知された場合に、特定事象対応処理が実行される。この場合、入口部又は有利通過部に遊技球を通過させるべく、遊技機を叩いたり、揺らしたりする不正行為又は磁石等を近づける不正行為が想定される。
これに対して、本特徴によれば、開閉動作期間に亘って振動又は磁気を検知するため、上記各不正行為を把握することができる。さらに、異常監視期間には開閉動作の終了後の所定期間が含まれているため、入口部に遊技球が入球してから有利通過部に遊技球が通過するまでにタイムラグが生じている場合であっても、当該タイムラグに対応することができる。
ここで、異常監視期間中に異常検知手段により振動又は磁気が検知されたことに基づいて直ちに異常対応処理を実行すると、その後特定事象対応処理が実行されなくなる。このため、仮に異常検知手段の誤動作が生じた場合には、特典が付与される期待度が低下する。
これに対して、本特徴によれば、異常監視期間が経過した場合に異常対応処理を実行することにより、入口部の開閉動作中及びその後の所定期間中に異常対応処理が行われないようになっている。これにより、特典が付与される期待度が確保されている。
特徴A8.前記入口部に入球した遊技球を検知する入口検知手段(第1実施形態におけるカウント用検知センサ83、第2実施形態における検知センサ225a)と、
前記排出部を通過した遊技球を検知する排出検知手段(第1実施形態における排出用検知センサ106、第2実施形態における検知センサ227a)と、
を備え、
前記所定期間は、前記開閉動作の終了タイミングから、前記当選検知手段及び前記排出検知手段により検知された遊技球数の総数が前記入口検知手段により検知された遊技球数と同一になるタイミングまでの期間であることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、開閉動作期間中に入口部に入球した全遊技球の振分が完了するまで振動又は磁気を検知する。そして、全遊技球の振分が完了した後に異常対応処理を実行する。これにより、異常検知手段の誤動作等によって入口部に入球した遊技球の振分が行われるタイミングよりも前のタイミングにて異常対応処理が実行され、遊技者に対して不利益を与える不都合を回避することができる。
特に、本特徴によれば、全遊技球の振分が完了した後に直ちに異常対応処理を実行することができる。これにより、異常要因の発生タイミングから異常対応処理の開始タイミングまでの期間を短くすることができる。
特徴A9.前記所定期間は、前記入口部に遊技球が入球してからその遊技球が前記有利通過部を通過したことが前記当選検知手段により検知されるのに要する最長期間よりも長い期間に設定されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A9によれば、有利通過部を遊技球が通過するか否か分からない状態中に異常監視期間が終了し、異常対応処理が実行されることがない。これにより、遊技球が有利通過部を通過するか否か分からない状態中に異常対応処理が行われ、遊技者に対して不利益を与える不都合を回避することができる。
特に、本特徴によれば、入口部に入球した全遊技球の振分が完了したか否かを特定する必要がなく、異常監視期間を予め定められた固定期間として設定することができる。このため、上記不都合を回避しつつ、処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴A10.前記入球手段は、
内部空間を遊技機前方から視認可能な状態で区画するとともに前記遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間に入球可能とする入口部(第1実施形態における振分入賞口82、第2実施形態における振分入口221)が形成された空間区画部(第1実施形態におけるベース体81、第2実施形態における振分入賞装置207)と、
前記入口部を開閉するとともに、予め定められた開閉動作条件が成立したことに基づいて開閉動作する入口開閉手段(第1実施形態における開閉片84、第2実施形態における開閉部材222)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、通過が発生したことに基づいて遊技者にとって有利な状態となる有利通過部(第1実施形態におけるV入賞用通過部101、第2実施形態におけるV入賞用領域226)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、前記有利通過部を通過しない遊技球を前記内部空間から排出させる排出部(第1実施形態における排出用通過部104、第2実施形態における排出用領域227)と、
前記内部空間に設けられ、当該内部空間に入球した遊技球を前記有利通過部及び前記排出部のいずれかに振り分ける振分手段(第1実施形態における回転体113、第2実施形態におけるシャッタ228)と、
を備えた振分入球手段であり、
前記特定事象は、前記入口部への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記有利通過部を通過することであり、
前記特定事象検知手段は、前記有利通過部を通過する遊技球を検知する当選検知手段(第1実施形態におけるV入賞用検知センサ103、第2実施形態における検知センサ226a)であり、
前記異常監視期間には、前記入口部の開閉動作が行われる開閉動作期間が含まれており、
前記異常対応手段は、前記異常監視期間において前記異常検知手段により前記異常要因が検知され且つ当該異常監視期間において前記入口部に入球した遊技球が前記排出部から排出された場合、当該異常監視期間が経過した場合に前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴A6乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、入口部に遊技球が入球し且つその入球した遊技球が有利通過部を通過することが当選検知手段により検知された場合に、特定事象対応処理が実行される。この場合、入口部又は有利通過部に遊技球を通過させるべく、遊技機を叩いたり、揺らしたりする不正行為又は磁石等を近づける不正行為が想定される。
これに対して、本特徴によれば、開閉動作期間に亘って振動又は磁気を検知するため、上記各不正行為を把握することができる。
かかる構成において、異常検知手段により異常要因が検知された状況において遊技球が排出部から排出された場合には、異常対応処理は、直ちに実行されることなく異常監視期間が経過した場合に実行される。これにより、異常検知手段により異常要因が検知された状況においてある遊技球が排出部から排出された場合であっても、その後に別の遊技球が有利通過部を通過し、特定事象対応処理が実行され得る。よって、遊技者の利益は確保されている。したがって、異常検知手段の誤動作等に起因して遊技者に対して不利益を与えることとなる不都合を回避することができる。
特徴A11.予め定められた抽選契機に基づいて、遊技状態を移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(MPU132における当否判定処理及び振分判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が第1抽選結果(サポート付分岐対応結果)である状況において遊技球が前記有利通過部を通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な第1状態(高頻度サポートモード)に設定する第1設定手段(MPU132における開閉実行モード終了時の移行処理においてサポートモードを高頻度サポートモードにする処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1抽選結果とは異なる第2抽選結果(サポートなし分岐対応結果)である状況において遊技球が前記有利通過部を通過したことに基づいて、遊技状態を前記第1状態よりも遊技者に不利な第2状態(低頻度サポートモード)に設定する第2設定手段(MPU132における開閉実行モード終了時の移行処理においてサポートモードを低頻度サポートモードにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記入口開閉手段は、前記抽選手段による抽選結果が少なくとも前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果である場合に開閉動作するものであり、
前記抽選手段の抽選結果を反映する抽選結果報知が、前記振分手段による振分が行われるタイミングよりも前に報知手段(メイン表示部43)にて実行されるようにする報知制御手段(MPU132における遊技制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、抽選結果が少なくとも第1抽選結果又は第2抽選結果である場合には入口開閉手段の開閉動作が行われ、入口部への入球が可能となる。これにより、遊技球が有利通過部を通過することができるようになる。そして、遊技球が有利通過部を通過することに基づいて、遊技状態が第1状態又は第2状態に移行する。
かかる構成において、抽選結果を反映する抽選結果報知が、振分手段による振分が行われるタイミングよりも前に報知手段にて実行される。この場合、仮に抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において遊技球が有利通過部を通過すると、遊技状態が第2状態に移行する。このため、第1状態への移行を期待している遊技者としては、第2状態への移行を阻止すべく、異常要因として例えば遊技台を揺らしたり、磁石等を近づけたりして遊技球が排出されるように遊技球を誘導する不正行為を行う場合がある。
特に、現在の遊技状態が第1状態であって抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において遊技球が有利通過部を通過すると、遊技状態が第1状態から第2状態に降格するため、遊技球を排出させたい事情が生じ得る。
これに対して、異常監視期間において異常検知手段により異常要因が検知され且つ当該異常監視期間において入口部に入球した遊技球が排出部から排出された場合には異常対応処理を実行することにより、遊技球を意図的に排出させる不正行為を抑制することができる。
特徴A12.前記異常対応手段は、前記異常監視期間において前記異常検知手段により前記異常要因が検知され且つ当該異常監視期間において前記入口部に入球した遊技球が前記有利通過部を通過した場合、当該異常監視期間の経過タイミングよりも前のタイミングにて前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、異常監視期間において異常検知手段により異常要因が検知され且つ当該異常監視期間において遊技球が有利通過部を通過した場合には、その異常監視期間の経過を待つことなく異常対応処理が実行され得る。これにより、異常要因に基づく特定事象が発生したにも関わらず通常の遊技が行われる不都合を回避することができる。
この場合、異常対応処理の実行タイミングよりも前のタイミングにて既に遊技球が有利通過部を通過しているため、直ちに異常対応処理を実行しても遊技者に対して不利益を与えることはない。このため、遊技者の利益は確保されている。
上記特徴A群は以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、遊技球が流下する遊技領域を備え、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球することで所定数の遊技球が払い出されるものがある。また、遊技領域に設けられた入球部のうち作動口への遊技球の入球に基づいて当否抽選を行い、当選結果であることに基づいて、大入賞口の開放動作が繰り返し発生する特別遊技状態に移行するものがある。
また、遊技領域に入球部が設けられているとともに、当該入球部への入球に基づいて内部空間が開放状態となり当該内部空間に設けられた有利口に遊技球が入球したことに基づいて特別遊技状態に移行するものもある。
ここで、上記パチンコ遊技機においては、磁石等を用いて遊技球を所望の箇所に入球させる行為や、パチンコ遊技機を手で叩く等により振動を与えその振動により遊技球を所望の箇所に入球させる不正行為が想定される。
上記のような不正行為に対処する上では、その不正行為によって生じ得る異常要因、詳細には磁気又は振動等を検知する検知手段を設け、当該検知手段にて当該要因を検知した場合にそれに対応した特別の処理を制御装置にて行う構成が考えられる。例えば、特別の処理として、その後の遊技を禁止する処理が考えられる。
しかしながら、不正行為を発生させる要因の種類によっては、その要因が不正行為を原因とするのではなく、正規の遊技を行っている過程で偶発的に生じてしまう場合もあり得る。このような場合において、直ちに特別の処理を実行すると、正規に遊技を行っている遊技者に不利益を与えたり、不快感を与えたりしてしまうおそれがある。
なお、以上の事情はパチンコ遊技機に限定されることはなく、不正行為によって生じ得る要因を検知する検知手段を備えるとともに、当該検知手段にて当該要因を検知した場合にそれに対応した特別の処理を制御装置にて行う他の遊技機においても同様に発生する事情である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構54)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切り換わり可能な可変入球手段(第1実施形態における振分入賞装置37、第2実施形態における振分入賞装置207)と、
予め定められた抽選契機に基づいて、遊技状態を移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(MPU132における当否判定処理及び振分判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が第1抽選結果又は前記第1抽選結果とは異なる第2抽選結果である場合に、当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(MPU132における入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1抽選結果(サポート付分岐対応結果)である状況において前記可変入球手段への遊技球の入球又は当該入球に基づき生じる特定事象(V入賞)が発生したことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な第1状態(高頻度サポートモード)に設定する第1設定手段(MPU132における開閉実行モード終了時の移行処理においてサポートモードを高頻度サポートモードにする処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2抽選結果(サポートなし分岐対応結果)である状況において前記特定事象が発生したことに基づいて、遊技状態を前記第1状態よりも遊技者に不利な第2状態(低頻度サポートモード)に設定する第2設定手段(MPU132における開閉実行モード終了時の移行処理においてサポートモードを低頻度サポートモードにする処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記特定事象は、前記可変入球手段が前記開状態となった場合に、所定期間の範囲内において発生し得る事象であり、
前記抽選手段の抽選結果を反映する抽選結果報知が、前記所定期間の終了タイミングよりも前に報知手段(第1実施形態におけるメイン表示部43、第2実施形態における特図表示部208)にて実行されるようにする報知制御手段(MPU132における遊技制御処理を実行する機能)と、
異常要因の発生を検知する異常検知手段(振動検知センサ117)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2抽選結果である状況において前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知され且つ前記特定事象が発生しなかった場合に、異常対応処理を実行する異常対応手段(MPU132におけるステップS205、ステップS206、ステップS804〜ステップS808、ステップS814〜ステップS818の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、抽選結果が第1抽選結果又は第2抽選結果である場合には可変入球手段の可変入球制御が行われ、可変入球手段への入球が可能となる。これにより、所定期間の範囲内において特定事象が生じ得る状況となる。そして、特定事象が発生したことに基づいて、遊技状態が第1状態又は第2状態に移行する。
かかる構成において、抽選結果を反映する抽選結果報知が、所定期間の終了タイミングよりも前に報知手段にて実行される。このため、遊技者は、抽選結果を確認するべく報知手段に注目した後、可変入球制御が行われる可変入球手段に注目することとなることが考えられる。
この場合、第1状態を期待しながら遊技を行っている状況において抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である場合、第1状態への移行を期待している遊技者としては、第2状態への移行を阻止すべく、異常要因として例えば遊技台を揺らしたり、磁石等を近づけたりして特定事象が発生しないように遊技球を誘導する不正行為を行う場合がある。
特に、仮に現在の遊技状態が第1状態であって抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において特定事象が発生すると、遊技状態が第1状態から第2状態に降格するため、特定事象を発生させたくない事情が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において異常要因の発生が検知され且つ特定事象が発生しなかった場合には異常対応処理を実行するため、上記不正行為を抑制することができる。
特徴B2.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1実施形態における各作動口38,39、第2実施形態における各作動口203,204)と、
当該始動入球部への入球に基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(払出制御装置78において賞球コマンドに基づいて払出装置77を制御する機能)と、
を備え、
前記抽選手段は、前記始動入球部への入球に基づいて前記抽選を行うものであり、
前記始動入球部は、開状態と閉状態とに切り換わり可能に構成されており、
前記始動入球部において予め定められた動作態様で開閉動作が行われるように前記始動入球部を制御する開閉制御手段(MPU132における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記動作態様として、前記始動入球部への入球の期待度が相対的に高低となる高期待度態様(高頻度サポートモード)と低期待度態様(低頻度サポートモード)とがあり、
前記第1状態は、前記動作態様が前記高期待度態様である状態であり、
前記第2状態は、前記動作態様が前記低期待度態様である状態であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、高期待度態様において始動入球部に遊技球が入球する期待度は、低期待度態様におけるそれよりも高いため、遊技者に対して付与される特典の期待度及び抽選手段による抽選が行われる頻度が高い。これにより、始動入球部の動作態様が高期待度態様である状態は、低期待度態様である状態と比較して、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
かかる構成において、抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において特定事象が発生すると、始動入球部の動作態様が低期待度態様に移行する。このため、上記状況において特定事象を発生させないように異常要因を意図的に発生させる不正行為が行われることが想定される。
これに対して、特徴B1の構成を適用することにより、上記不正行為を好適に抑制することができる。
特徴B3.前記異常対応手段は、前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知され且つ前記特定事象が発生した場合には、前記遊技状態及び前記抽選結果に関わらず前記異常対応処理を実行することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、異常要因に基づく特定事象が発生した場合には、遊技状態及び抽選結果に関わらず異常対応処理が実行される。これにより、意図的に特定事象を発生させようとする不正行為を好適に抑制することができる。
特徴B4.前記異常対応手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1抽選結果である状況において前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知され且つ前記特定事象が発生しなかった場合には、前記異常対応処理を実行しないことを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、抽選手段による抽選結果が第1抽選結果である状況において異常検知手段により異常要因の発生が検知され且つ前記特定事象が発生しなかった場合には、異常対応処理は実行されない。これにより、仮に抽選手段による抽選結果が第1抽選結果である状況において異常検知手段の誤動作等が生じた場合であっても、通常の遊技の進行が阻害されにくい。よって、上記誤動作等によって通常の遊技の進行が阻害される不都合を回避することができ、円滑な遊技を実現することができる。
また、抽選結果が第1抽選結果である状況において特定事象が発生しなかった場合、悔しさのあまり遊技機を叩いたりする行為が行われる場合がある。このような場合にまで異常対応処理を実行すると、遊技の円滑な進行に支障が生じるとともに、管理負担の増大化が懸念される。
これに対して、本特徴によれば、上記のような行為に起因する異常要因が発生した場合には、そのまま遊技を続行することができるため、遊技を円滑に進行させることができるとともに、管理負担の増大化を抑制することができる。
特徴B5.前記可変入球手段は、
内部空間を遊技機前方から視認可能な状態で区画するとともに前記遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間に入球可能とする入口部(第1実施形態における振分入賞口82、第2実施形態における振分入口221)が形成された空間区画部(第1実施形態におけるベース体81、第2実施形態における振分入賞装置207)と、
前記入口部を開閉するとともに、予め定められた開閉動作条件が成立したことに基づいて開閉動作する入口開閉手段(第1実施形態における開閉片84、第2実施形態における開閉部材222)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、通過が発生したことに基づいて遊技者にとって有利な状態となる有利通過部(第1実施形態におけるV入賞用通過部101、第2実施形態におけるV入賞用領域226)と、
前記内部空間において入球した遊技球が通過可能な位置に設けられ、前記有利通過部を通過しない遊技球を前記内部空間から排出させる排出部(第1実施形態における排出用通過部104、第2実施形態における排出用領域227)と、
前記内部空間に設けられ、当該内部空間に入球した遊技球を前記有利通過部及び前記排出部のいずれかに振り分ける振分手段(第1実施形態における回転体113、第2実施形態におけるシャッタ228)と、
を備えた振分入球手段であり、
前記特定事象は、前記入口部への入球が発生し、且つその入球した遊技球が前記有利通過部を通過することであり、
前記報知制御手段は、前記所定期間の終了タイミングとして前記振分手段による振分が行われるタイミングよりも前に前記報知手段にて前記抽選結果報知を実行させるものであり、
前記異常対応手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2抽選結果である状況において、前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知され且つ遊技球が前記排出部から排出された場合に、前記異常対応処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において、異常要因が発生し且つ当該振分手段によって遊技球が排出部に振り分けられた場合に、異常対応処理を実行する。これにより、遊技球を排出部に排出させるために意図的に異常要因を発生させる不正行為を抑制することができる。
特徴B6.前記異常検知手段は、前記異常要因として振動又は磁気を検知するものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技領域を流下する遊技球の流下経路を所望の経路(特定事象が発生する経路又は特定事象が発生しない経路)に変更させる目的で意図的に振動させたり磁石等を近づけたりする不正行為が想定される。これに対して、振動又は磁気を検知することにより、上記不正行為に対応することができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、遊技球が流下する遊技領域を備え、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球することで所定数の遊技球が払い出されるものがある。また、遊技領域に設けられた入球部のうち作動口への遊技球の入球に基づいて当否抽選を行い、予め定められた特定抽選結果であることに基づいて内部空間が開放状態となり、特定事象として当該内部空間に設けられた有利口に遊技球が入球したことに基づいて、大入賞口の開放動作が繰り返し発生する特別遊技状態に移行するものがある。
また、例えば上記特定抽選結果として、第1抽選結果と第2抽選結果とが設定されており、今回の抽選結果が第1抽選結果である状況において有利口に遊技球が入球した場合に、上記特別遊技状態後の遊技状態が遊技者にとって有利な第1状態に移行する一方、今回の抽選結果が第2抽選結果である状況において有利口に遊技球が入球した場合に、上記特別遊技状態後の遊技状態が第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態に移行するものが知られている。
上記パチンコ遊技機においては、磁石等を用いて遊技球を所望の箇所、例えば有利口に入球させる行為や、遊技機を手で叩く等により振動を与えその振動により遊技球を所望の箇所、例えば有利口に入球させる不正行為が行われる場合がある。
上記のような不正行為に対処する上では、その不正行為によって生じ得る異常要因、詳細には磁気又は振動等を検知する検知手段を設け、当該検知手段にて当該要因を検知し且つ遊技球が有利口に入球した場合にそれに対応した特別の処理を制御装置にて行う構成が考えられる。
しかしながら、上記パチンコ遊技機では、遊技状態によっては意図的に遊技球を有利口に入球させないようにする不正行為が行われる場合があり、上記構成では当該不正行為に対応できないことを本願発明者は見出した。
なお、以上の事情はパチンコ遊技機に限定されることはなく、抽選手段による抽選結果が第1抽選結果である状況において特定事象が発生することに基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な第1状態に移行させる一方、抽選手段による抽選結果が第2抽選結果である状況において特定事象が発生することに基づいて遊技状態を第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態に移行させる他の遊技機においても同様に発生する事情である。