ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システムの構成:
(1−1)サーバ(経路案内システム)の構成:
(1−2)車載器の構成:
(2)経路案内処理:
(3)他の実施形態:
(1)システムの構成:
図1は、本発明の経路案内システムを含むシステム全体のブロック図である。本発明の経路案内システムは、サーバ10によって実現されており、サーバ10が車載器110と無線通信可能に構成されている。図示しないがサーバ10が複数の車載器110と無線通信可能に構成されている。
(1−1)サーバ(経路案内システム)の構成:
サーバ10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と、記録媒体30と、通信部45とを備える。制御部20は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。本実施形態において制御部20は、経路案内プログラム21を実行する。通信部45は、サーバ10が車載器110と通信するための回路である。
記録媒体30には、地図データ30aが記録されている。地図データ30aには、ノードデータと、リンクデータと、形状補間データと、施設データとが含まれている。ノードデータは、車両が通行する道路上の交差点に対応するノードの位置(水平位置、標高)等を示す。リンクデータは、ノード間を接続するリンクについての各種情報(区間長、道路種別、レーン数等)を示す。形状補間データは、例えばリンクの幅方向の中央の線上に設定された形状補間点の位置(水平位置、標高)を示す。施設データは、施設の情報(位置、名称、住所、電話番号、属性等)を施設ごとに記録したデータである。本実施形態において、少なくとも商業施設と駐車場とが施設の属性によって区別されていることとする。また、施設データにおいて、施設と当該施設と提携している駐車場(提携駐車場)との対応関係と、施設と当該施設の専用の駐車場(専用駐車場)との対応関係とが規定されている。提携駐車場とは、施設の利用者以外も利用できる駐車場であるが、施設の利用者には駐車料金等の優遇が受けられる駐車場である。専用駐車場とは、施設の利用者のみが利用できる駐車場であり、多くの場合、提携駐車場よりも駐車料金が低額となる駐車場である。
記録媒体30には、駐車場データ30bが記録されている。駐車場データ30bは、駐車場の空き情報や料金情報等を記録したデータある。図1に示すように5個の駐車場P1〜P5があることとすると、サーバ10は、駐車場P1〜P5のそれぞれと通信を行うことにより各駐車場P1〜P5についての空き情報や料金情報等を取得する。そして、サーバ10は、最後に駐車場P1〜P5から受信した最新の空き情報や料金情報等を駐車場データ30bに更新記録する。空き情報は、駐車場P1〜P5が備える駐車枠(車両1台が駐車できるスペース)のうち、空いている駐車枠の数(空き数)を示す。料金情報は、単位時間(日、時間、分)あたりの駐車料金を示す。
記録媒体30には、推奨経路データ30cが記録されている。推奨経路データ30cは、制御部20が公知の経路探索手法によって探索した車両の推奨経路を示す情報である。推奨経路は、出発地から目的地までを接続する一連のリンクによって構成される。なお、車両が直接進入できない施設が目的地とされた場合、当該施設に徒歩で行くために最適な駐車場が到着予定駐車場として設定される。この場合、推奨経路は、出発地から到着予定駐車場までを接続する一連のリンクによって構成される。複数の車両のそれぞれについて推奨経路が探索されており、複数の推奨経路が推奨経路データ30cに記録されている。
経路案内プログラム21は、経路探索部21aと優先度取得部21bと判定部21cと案内制御部21dとを含む。
経路探索部21aは、推奨経路を探索する機能を制御部20に実現させるモジュールである。具体的に、経路探索部21aの機能により制御部20は、車載器110から受信した経路探索要求から出発地と目的地とを取得し、出発地から目的地までを接続する一連のリンクで構成される最適な経路として推奨経路を探索する。また、制御部20は、車両が直接進入できない施設が目的地とされた場合、当該施設に徒歩で行くために最適な駐車場を到着予定駐車場として設定する。そして、制御部20は、出発地から到着予定駐車場へと向かう最適な経路として推奨経路を探索する。
また、経路探索部21aの機能により制御部20は、公知の経路探索手法によって、推奨経路を構成するリンクのコストの総和が小さくなるように推奨経路を探索する。リンクや当該リンクについてのコストは地図データ30aに記録されている。コストは、旅行時間や距離等が大きいほど大きい値に設定されており、当該コストにサーバ10が外部から取得した渋滞情報や規制情報や天候情報が動的に反映されてもよい。
優先度取得部21bは、目的地に関連する複数の駐車場の優先度を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。優先度取得部21bの機能により制御部20は、車両が直接進入できない施設が目的地とされた場合、当該施設に関連する駐車場を地図データ30aにて検索する。そして、目的地に関連する複数の駐車場が検索された場合、制御部20は、複数の駐車場の優先度を設定して取得する。本実施形態において、目的地に関連する駐車場とは、施設データにおいて目的地の施設に対応付けられている専用駐車場または提携駐車場であることとする。本実施形態において、制御部20は、専用駐車場の優先度を提携駐車場の優先度よりも大きく設定する。また、制御部20は、複数の専用駐車場が存在する場合、目的地の施設からの距離が小さい専用駐車場ほど優先度を大きく設定する。同様に、制御部20は、複数の提携駐車場が存在する場合、目的地の施設からの距離が小さい提携駐車場ほど優先度を大きく設定する。なお、優先度の設定手法として種々の手法を採用可能であり、例えば駐車料金やユーザの設定や駐車場の構造等に応じて優先度が設定されてもよい。
判定部21cは、到着予定の駐車場である到着予定駐車場へと向かう経路の案内が行われている場合において、到着予定駐車場へと向かう経路と、当該到着予定駐車場よりも優先度が小さい駐車場である到着候補駐車場へと向かう経路とが分岐する分岐地点に対して車両が所定距離まで接近した際に、到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。ここで、分岐地点とは、到着予定駐車場を到着予定地として探索された推奨経路と、到着候補駐車場を到着予定地として探索された推奨経路とが共通する区間の終点である。
経路探索部21aの機能により制御部20は、優先度が最も大きい到着予定駐車場を到着予定地とする推奨経路を探索すると、目的地に関連する駐車場のうち、優先度の大きさが2番以下の他の駐車場のそれぞれについても当該駐車場を到着予定地とする推奨経路を探索する。そして、判定部21cの機能により制御部20は、他の駐車場を目的地とする推奨経路のうち、到着予定駐車場を到着予定地とする推奨経路と共通する区間が最も小さくなる推奨経路を特定し、当該推奨経路の到着予定地となっている他の駐車場を到着予定駐車場として特定する。なお、各駐車場を到着予定地とする推奨経路は、出発地が共通する経路であるため、共通する区間は出発地を含む区間となる。判定部21cの機能により制御部20は、到着予定駐車場を到着予定地として探索された推奨経路と、到着候補駐車場を到着予定地として探索された推奨経路とが共通する区間の終点を分岐地点として特定する。
図2Aは、推奨経路の例を示す図である。同図において、5個の駐車場P1〜P5が目的地(ショッピングセンター)Gに関連する駐車場として検索されていることとする。優先度は、P1>P2>P3>P4>P5となっていることとする。到着予定駐車場として優先度が最も大きい駐車場P1が設定されており、当該駐車場P1へと向かう推奨経路の案内が車両Cにて行われている。
ここで、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路、および、他の駐車場P2〜P5へと向かう推奨経路は、以下の地点を経由する経路である。
P1:出発地S〜ノードN1〜ノードN2〜ノードN3〜駐車場P1
P2:出発地S〜ノードN1〜駐車場P2
P3:出発地S〜ノードN1〜ノードN2〜ノードN3〜ノードN4〜駐車場P3
P4:出発地S〜ノードN1〜ノードN2〜ノードN3〜ノードN4〜駐車場P4
P5:出発地S〜ノードN1〜ノードN2駐車場P5
図2Aにおいて、他の駐車場P2〜P5を目的地とする推奨経路のうち、到着予定駐車場としての駐車場P1を到着予定地とする推奨経路と共通する区間が最も小さくなる推奨経路の到着予定地となっているのは駐車場P2であり、当該駐車場P2が到着候補駐車場として設定されることとなる。また、到着予定駐車場としての駐車場P1を到着予定地として探索された推奨経路と、到着候補駐車場としての駐車場P2を到着予定地として探索された推奨経路とが共通する区間(出発地S〜ノードN1)区間の終点のノードN1が分岐地点として特定されることとなる。
判定部21cの機能により制御部20は、分岐地点N1に対して車両Cが所定距離以内まで接近したか否かを判定する。所定距離は、例えばユーザによって設定されてもよい。例えば、到着予定駐車場の変更を早期に知りたいか否かをユーザが指定できるようにし、到着予定駐車場の変更を早期に知りたいと指定された場合に、到着予定駐車場の変更を早期に知りたいと指定されなかった場合よりも所定距離を小さく設定してもよい。むろん、所定距離は、予め設定された固定値であってもよい。制御部20は、車載器110から車両Cの現在位置を示す位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて分岐地点N1に対して車両Cが所定距離以内まで接近したか否かを判定する。
分岐地点N1に対して車両Cが所定距離以内まで接近したと判定すると、判定部21cの機能により制御部20は、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数と、到着予定駐車場の空き情報とに基づいて到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定する。具体的に、判定部21cの機能により制御部20は、駐車場データ30bに記録されている到着予定駐車場の最新の空き情報に基づいて、現在の到着予定駐車場における空き数を取得する。判定部21cの機能により制御部20は、各車両の推奨経路が記録された推奨経路データ30cを参照することにより、車両Cにて案内されている推奨経路と同一の推奨経路が案内されている他車両(以下、競合車両)の台数を取得する。すなわち、制御部20は、車両Cと同一の到着予定駐車場に向けて走行している競合車両の台数を取得する。そして、判定部21cの機能により制御部20は、競合車両の台数が到着予定駐車場の最新の空き数よりも少ない場合に、到着予定駐車場が駐車可能であると判定する。
案内制御部21dは、到着予定駐車場が駐車可能であると判定した場合、分岐地点から到着予定駐車場へと向かう経路を案内し、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、到着候補駐車場を新たな到着予定駐車場として設定し、分岐地点から新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように案内部としての車載器110を制御する。具体的に、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、到着候補駐車場、および、分岐地点から到着予定駐車に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定する。
表1は、図2Aの例において案内される経路を示す表である。ケース1は、車両Cが分岐地点N1に接近している場合である。ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路が案内されていることとなる。ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合、駐車場P1へと向かう推奨経路がそのまま案内される。
案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能であると判定した場合、新たな到着予定駐車場の候補から到着候補駐車場を除外する。上述したように、ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合、駐車場P1へと向かう推奨経路がそのまま案内される。このとき、制御部20は、目的地Gに関連する駐車場P1〜P5のうち、到着候補駐車場P2を新たな到着予定駐車場の候補から除外し、残りの駐車場P1,P3〜P5を新たな到着予定駐車場の候補として保持しておく。
一方、ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、到着候補駐車場としての駐車場P2と、分岐地点N1から到着予定駐車としての駐車場P1に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場P3〜P5のうち、優先度が最も大きい駐車場P2が新たな到着予定駐車場として設定される。駐車場P3〜P5は、分岐地点N1から到着予定駐車場としての駐車場P1に向かう経路上の分岐地点N2,N3から分岐する経路にて到着可能である。
また、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、空き情報に基づいて到着候補駐車場に空きがあると判定した場合、到着候補駐車場を新たな到着予定駐車場として設定し、分岐地点から新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように車載器110を制御する。ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、到着候補駐車場としての駐車場P2と、分岐地点N1から到着予定駐車としての駐車場P1に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場P3〜P5のうち、駐車枠に空きがある駐車場(空き数>0の駐車場)を絞り込み、当該駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場P2を新たな到着予定駐車場として設定する。図2Aの例では、特に示さない限り、駐車場P1〜P5に空きがあることとする。なお、この判定において、到着候補駐車場P2に向けて走行している車両の台数は考慮されない。
案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、新たな到着予定駐車場の候補から到着予定駐車場を除外する。ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、新たな到着予定駐車場の候補から到着予定駐車場としての駐車場P1を除外する。
さらに、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、空き情報に基づいて到着候補駐車場に空きがないと判定した場合、分岐地点から到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように車載器110を制御する。ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、駐車場P2〜P5のうち、駐車枠に空きがある駐車場を絞り込み、当該駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場P2を新たな到着予定駐車場として設定するが、仮に駐車枠に空きがある駐車場が1個もなかったとした場合、駐車場P1へと向かう推奨経路がそのまま案内されることとなる。
本実施形態において、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路を示す案内情報130bを車載器110に送信することにより、車載器110は到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を実行する。車載器110は、推奨経路の案内として、例えば経由するノードにおける進行方向を案内してもよいし、ノード等の経由地や到着予定駐車場までの残距離を案内してもよい。
ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、新たな到着予定駐車場としての駐車場P2へと向かう推奨経路を示す案内情報130bを車載器110に送信する。一方、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合、新たな推奨経路を示す案内情報130bを車載器110に送信しない。もともと駐車場P1へと向かう推奨経路が案内されていたのであるから、新たな推奨経路を示す案内情報130bを送信しないことにより、駐車場P1へと向かう推奨経路の案内をそのまま継続させることができる。
次に、ケース1において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合(ケース2)について考える。ケース2において、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路が案内され、車両Cは分岐地点N2に対して所定距離以内に接近することとなる。分岐地点N2は、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路と、到着候補駐車場としての駐車場P5へと向かう推奨経路とが共通する区間(出発地S〜ノードN1〜ノードN2)の終点である。
ケース2において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合、駐車場P1へと向かう推奨経路がそのまま案内される。このとき、到着候補駐車場としての駐車場P5が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
一方、ケース2において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、到着候補駐車場としての駐車場P5と、分岐地点N2から到着予定駐車としての駐車場P1に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場P3,P4のうち、駐車枠に空きがある駐車場を絞り込み、当該駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場P3を新たな到着予定駐車場として設定する。このとき、もとの到着予定駐車場としての駐車場P1が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
次に、ケース2において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合(ケース3)について考える。ケース3において、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路が案内され、車両Cは分岐地点N3に対して所定距離以内に接近することとなる。分岐地点N3は、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路と、到着候補駐車場としての駐車場P3,P4へと向かう推奨経路とが共通する区間(出発地S〜ノードN1〜ノードN2〜ノードN3)の終点である。このように、複数の駐車場P3,P4が到着予定駐車場に該当する場合もあり得る。
案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、複数の到着候補駐車場が存在する場合、複数の到着候補駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定する。ケース2において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、複数の到着候補駐車場としての駐車場P3,P4のうち、駐車枠に空きがある駐車場を絞り込み、当該駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場P3を新たな到着予定駐車場として設定する。このとき、もとの到着予定駐車場としての駐車場P1が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
一方、ケース3において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であると判定した場合、駐車場P1へと向かう推奨経路がそのまま案内される。このとき、到着候補駐車場としての駐車場P3,P4が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
次に、ケース3において、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でないと判定した場合(ケース4)について考える。ケース4において、到着予定駐車場としての駐車場P3へと向かう推奨経路が案内され、車両Cは分岐地点N4に対して所定距離以内に接近することとなる。分岐地点N4は、到着予定駐車場としての駐車場P3へと向かう推奨経路と、到着候補駐車場としての駐車場P4へと向かう推奨経路とが共通する区間(出発地S〜ノードN1〜ノードN2〜ノードN3〜ノードN4)の終点である。
ケース4において、到着予定駐車場としての駐車場P3が駐車可能であると判定した場合、駐車場P3へと向かう推奨経路がそのまま案内される。このとき、到着候補駐車場としての駐車場P4が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
一方、ケース4において、到着予定駐車場としての駐車場P3が駐車可能でないと判定した場合、制御部20は、到着候補駐車場としての駐車場P4に空きがあれば、駐車場P4へと向かう推奨経路が案内される。ケース4において、到着予定駐車場としての駐車場P3が駐車可能でないと判定した場合であって、到着候補駐車場としての駐車場P4に空きがなければ、制御部20は、到着予定駐車場としての駐車場P3へと向かう推奨経路がそのまま案内される。このとき、到着候補駐車場としての駐車場P4が新たな到着予定駐車場の候補から除外される。
以上説明した本実施形態において、分岐地点に接近している段階で、現在の到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定し、到着予定駐車場の変更を行うことができる。従って、分岐地点を通り過ぎた後において、新たな到着予定駐車場へと向かう経路として、分岐地点に戻るような経路の案内が行われることを防止できる。すなわち、分岐地点を通過した後に、分岐地点を通過後に案内している経路と異なる経路にて到着する駐車場(もとの到着予定駐車場または到着候補駐車場)が新たな到着予定駐車場として設定されることを防止し、分岐地点に戻ってから新たな到着予定駐車場へと向かう経路が案内されることを防止できる。例えばケース1において分岐地点N1を通り過ぎた後に、到着予定駐車場が駐車場P1から駐車場P2に変更されるようなことを防止できる。
また、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、単数または複数の到着候補駐車場と、分岐地点よりも先の経路から分岐した経路にて到着可能な駐車場とのうち、優先度が最も大きい駐車場が新たな到着予定駐車場として設定される。分岐地点から分岐した経路にて到着可能な到着候補駐車場だけでなく、分岐地点よりも先の経路から分岐した経路にて到着可能な駐車場も考慮して、優先度が大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定できる。
到着予定駐車場を到着予定地として探索された推奨経路と、到着候補駐車場を到着予定地として探索された推奨経路とが共通する区間の終点を分岐地点とすることにより、分岐地点からもとの到着予定駐車場へと向かう経路を案内する場合も、分岐地点から新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内する場合のいずれにおいても、予め探索された推奨経路の範囲内の経路を案内できる。さらに、到着予定駐車場の現在の空き情報だけでなく、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮して到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定することにより、到着予定駐車場に到着した際に到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを正確に判定できる。
制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、空き情報に基づいて到着候補駐車場に空きがあると判定した場合、到着候補駐車場を新たな到着予定駐車場として設定することにより、新たな到着予定駐車場とする到着候補駐車場を空き情報に基づく判定によって絞り込むことができる。この判定において、新たな到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮しないようにすることにより処理を簡素化できる。このようにしても、新たな分岐地点(新たな到着予定駐車場へと向かう経路と、新たな到着予定駐車場より優先度が小さい到着候補駐車場へと向かう経路との分岐地点)に接近した際に、新たな到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮した判定が改めて行われるため、最終的には到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを正確に判定できる。例えば、ケース3において駐車場P3に向けて走行している車両の台数が考慮されないが、最終的にケース4において駐車場P3に向けて走行している車両の台数を考慮した上で駐車場P3が駐車可能であるか否かを判定できる。
制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、到着候補駐車場に空きがないと判定した場合、分岐地点から到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように車載器110を制御ことにより、到着候補駐車場に空きがない場合に、もともと優先度が大きかった到着予定駐車場へと向かう経路を案内できる。すなわち、到着候補駐車場と到着予定駐車場のいずれにおいても駐車できる可能性が低いのであれば、優先度が大きい到着予定駐車場へと向かう経路を案内すればよい。
(1−2)車載器の構成:
経路案内システムとしての車載器110は、車両に搭載されている。車載器110は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部120と記録媒体130とを備える。制御部120は、記録媒体130やROMに記憶されたプログラムを実行する。本実施形態において制御部120は、このプログラムの一つとして車載器プログラム121を実行する。
記録媒体130は、サーバ10の地図データ30aと同様の地図データ130aを記録する。車両は、GPS受信部141と車速センサ142とジャイロセンサ143とユーザI/F部144と通信部145を備えている。GPS受信部141は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を制御部120に出力する。車速センサ142は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部120に出力する。制御部120は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ143は、車両の水平面内における角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を制御部120に出力する。制御部120は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。ユーザI/F部144は、ユーザの指示を入力し、またユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる入力部を兼ねた表示部やスピーカー等の出力音の出力部を備えている。通信部145は、車載器110がサーバ10と通信するための回路である。
車載器プログラム121は、探索要求部121bと位置通知部121aと案内実行部121cとを含む。
探索要求部121bは、少なくとも出発地Sと目的地Gとを示す経路探索要求をサーバ10に送信する機能を制御部120に実現させるモジュールである。なお、出発地Sと目的地Gとは、車載器110の地図データ130aが示す施設から検索されてもよいし、サーバ10の地図データ30aが示す施設から検索されてもよい。探索要求部121bの機能により制御部120は、ユーザI/F部144におけるユーザの指定に基づいて出発地Sと目的地Gとを取得する。そして、探索要求部121bの機能により制御部120は、通信部145を介して、少なくとも出発地Sと目的地Gとを示す経路探索要求をサーバ10に送信する。なお、出発地Sは必ずしもユーザによって指定されなくてもよく、例えば車両Cの現在位置であってもよい。
位置通知部121aは、車両Cの現在位置を示す位置情報をサーバ10に送信する機能を制御部120に実現させるモジュールである。位置通知部121aの機能により制御部120は、GPS受信部141と車速センサ142とジャイロセンサ143等からの信号と、地図データ130aとに基づいて、公知のマップマッチングを行うことにより、リンク上において車両Cの現在位置を特定する。そして、制御部120は、現在位置と車載器110の識別情報とを示す位置情報をサーバ10に送信する。これにより、サーバ10は、車両Cの現在位置を取得でき、車両Cが分岐地点に対して所定距離以内まで接近したか否かを判定できる。
案内実行部121cは、サーバ10から送信された案内情報130bが示す推奨経路をユーザI/F部144に実行させる機能を制御部120に実現させるモジュールである。例えば、制御部120は、ノードN1〜N5に車両Cが接近した場合に、ノードN1〜N5における推奨経路上の進行方向等をユーザI/F部144に案内させる。制御部120は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内の実行中に、新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路を示す案内情報が受信された場合、当該新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を実行する。
(2)経路案内処理:
次に、サーバ10が実行する経路案内処理について説明する。図2Bは経路案内処理のフローチャートである。図2Bに示すように、経路案内処理は、初期経路案内処理(ステップS100)と経路変更処理(S200)とを含む。
初期経路案内処理について説明する。図3は、初期経路案内処理のフローチャートである。まず、経路探索部21aの機能により制御部20は、経路探索要求を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、車載器110から受信した経路探索要求が示す出発地Sと目的地Gとを取得する。次に、優先度取得部21bの機能により制御部20は、目的地Gに関連する駐車場を検索する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、目的地Gの施設に関連する駐車場として、目的地Gの施設の専用駐車場と提携駐車場を地図データ30aにて検索する。
次に、優先度取得部21bの機能により制御部20は、複数の駐車場が目的地Gに関連する駐車場として検索されたか否かを判定する(ステップS115)。複数の駐車場が目的地Gに関連する駐車場として検索されたと判定した場合(ステップS115:Y)、優先度取得部21bの機能により制御部20は、複数の駐車場の優先度を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、専用駐車場の優先度を提携駐車場の優先度よりも大きく設定するとともに、目的地Gの施設からの距離が小さい駐車場ほど優先度を大きく設定する。
次に、経路探索部21aの機能により制御部20は、目的地Gに関連する駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を到着予定駐車場として取得する。図2Aの例において、制御部20は、駐車場P1を到着予定駐車場として取得する。次に、経路探索部21aの機能により制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路を探索する(ステップS130)。
次に、経路探索部21aの機能により制御部20は、他の駐車場へと向かう推奨経路を探索する(ステップS135)。他の駐車場とは、目的地Gに関連する駐車場のうち、到着予定駐車場以外の駐車場である。図2Aの例において、駐車場P2〜P5が他の駐車場に該当する。なお、ステップS130,S135にて探索した推奨経路は記録媒体30に記録される。
次に、判定部21cの機能により制御部20は、推奨経路の比較により分岐地点を取得する(ステップS140)。図2Aの例において、制御部20は、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路と他の駐車場P2〜P5へと向かう推奨経路とを比較する。そして、制御部20は、駐車場P1,P2〜P5へと向かう推奨経路と駐車場P2へと向かう推奨経路とが共通する区間の終点である分岐地点N1と、駐車場P1,P3,P4へと向かう推奨経路と駐車場P5へと向かう推奨経路とが共通する区間の終点である分岐地点N2と、駐車場P1へと向かう推奨経路と駐車場P3,P4へと向かう推奨経路とが共通する区間の終点である分岐地点N3と、駐車場P3へと向かう推奨経路と駐車場P4へと向かう推奨経路とが共通する区間の終点である分岐地点N4とを取得する。
次に、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を車載器110に開始させる(ステップS145)。すなわち、制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路を示す案内情報130bを車載器110に送信することにより、車載器110は到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を開始させる。図2Aの例において、到着予定駐車場としての駐車場P1へと向かう推奨経路の案内が開始することとなる。到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を車載器110に開始させると、図2Bの経路変更処理(ステップS200)に進む。
一方、複数の駐車場が目的地Gに関連する駐車場として検索されたと判定しなかった場合(ステップS115:N)、経路探索部21aの機能により制御部20は、目的地Gに関連する唯一の駐車場へと向かう推奨経路を探索する。そして、案内制御部21dの機能により制御部20は、目的地Gに関連する唯一の駐車場へと向かう推奨経路の案内を車載器110に開始させ(ステップS160)、経路案内処理を終了する。これにより、車載器110では、目的地Gに関連する唯一の駐車場に車両Cが到着するか、案内の中止操作が行われるまで、当該駐車場へと向かう推奨経路の案内が行われることとなる。
次に、図2Bの経路変更処理(ステップS200)について説明する。図4は、経路変更処理のフローチャートである。経路変更処理は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内が開始された後において、サーバ10が到着予定駐車場を変更するための処理である。まず、判定部21cの機能により制御部20は、直近の分岐地点に対して車両Cが所定距離以内まで接近したか否かを判定する(ステップS205)。直近の分岐地点とは、図3のステップS140にて特定した分岐地点のうち、到着予定駐車場へと向かう推奨経路を走行した場合において、次に到達する分岐地点を意味する。
直近の分岐地点に対して車両Cが所定距離以内まで接近したと判定しなかった場合(ステップS205:N)、制御部20は、ステップS205に戻り、直近の分岐地点に対して車両Cが所定距離以内まで接近するまで待機する。直近の分岐地点に対して車両Cが所定距離以内まで接近したと判定した場合(ステップS205:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、到着予定駐車場が空いているか否かを判する(ステップS210)。具体的に、制御部20は、駐車場データ30bに記録されている到着予定駐車場の最新の空き情報が示す空き数が0よりも大きい場合に、到着予定駐車場が空いていると判定する。
到着予定駐車場が空いていると判定した場合(ステップS210:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、案内中の経路が一致する他車両(競合車両)があるか否かを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、各車両の推奨経路が記録された推奨経路データ30cを参照することにより、車両Cにて案内されている推奨経路と同一の推奨経路が案内されている競合車両の台数を取得し、当該台数が0よりも大きい場合に競合車両があると判定する。なお、案内中の推奨経路が一致することは、到着予定駐車場も一致することを意味する。案内中の推奨経路が一致するとは、推奨経路のうち、車両Cの現在位置よりも到着予定駐車場側の区間が一致することを意味する。制御部20は、競合車両のうち、車両Cの現在位置よりも後方(出発地S側)を走行している車両、すなわち車両Cよりも遅く到着予定駐車場に到着する可能性が大きい車両を無視してもよい。
案内中の経路が一致する競合車両があると判定した場合(ステップS215:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、競合車両の台数が到着予定駐車場の空き数より少ないか否かを判定する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、到着予定駐車場において現在空いている駐車枠に競合車両が駐車した場合に、空いている駐車枠が残るか否かを判定する。
競合車両があると判定しなかった場合(ステップS215:N)、または、競合車両の台数が到着予定駐車場の空き数より少ないと判定した場合(ステップS220:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能であると判定する(ステップS225)。一方、競合車両の台数が到着予定駐車場の空き数より少ないと判定しなかった場合(ステップS220:N)、判定部21cの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定する(ステップS230)。
到着予定駐車場が駐車可能であると判定すると、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場を除外する(ステップS235)。すなわち、制御部20は、到着予定駐車場を新たな到着予定駐車場の候補から除外する。例えば、図2Aと表1のケース1において、分岐地点N1に接近している際に、到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能であれば、到着候補駐車場としての駐車場P2が除外されることとなる。
次に、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を継続する(ステップS240)。すなわち、制御部20は、新たな到着予定駐車場を設定しない。むろん、新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路を示す案内情報130bは車載器110に送信されない。これにより、車載器110では、もとの到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内が継続することとなる。
次に、判定部21cの機能により制御部20は、未接近の分岐地点があるか否かを判定する(ステップS245)。すなわち、図3のステップS140にて特定した分岐地点のうち、未除外の駐車場へと向かう推奨経路上の分岐地点であって、車両Cが未だに接近していない分岐地点があるか否かを判定する。
未接近の分岐地点があると判定した場合(ステップS245:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、ステップS205に戻る。すなわち、制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路を走行した場合に、次に車両Cが到達する予定の分岐地点を対象として経路変更処理を行う。例えば、図2Aと表1のケース1において、分岐地点N1の次に車両Cが到達する予定の分岐地点として、分岐地点N2を対象とする経路変更処理(ケース2)が次に行われることとなる。
一方、未接近の分岐地点があると判定しなかった場合(ステップS245:N)、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能であることを通知する(ステップS250)し、処理を終了する。ここで、未接近の分岐地点がない場合、分岐地点に戻るか、推奨経路以外の経路を走行しない限り、到着予定駐車場以外の駐車場へと到着できない。すなわち、未接近の分岐地点がない場合、新たな到着予定駐車場を設定することは望ましくなく、現在の到着予定駐車場が最終的に確定することとなる。そのため、到着予定駐車場が駐車可能であることを通知することにより、ユーザは現在の到着予定駐車場が最終的に確定したことを認識できる。
次に、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定された場合(ステップS230)の処理を説明する。
まず、判定部21cの機能により制御部20は、到着候補駐車場と他の駐車場(未除外)のいずれかに空きがあるか否かを判定する(ステップS260)。すなわち、制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、到着候補駐車場、および、分岐地点から到着予定駐車に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場のうち、現在において空きがある駐車場を絞り込む。図2Aと表1のケース1では、分岐地点N1に接近している際に、到着候補駐車場としての駐車場P2と、未除外の他の駐車場P3〜P5のうち空きがある駐車場が絞り込まれる。なお、未除外の他の駐車場とは、分岐地点から到着予定駐車に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場を意味する。また、到着候補駐車場が複数存在する場合もあり、図2Aと表1のケース3では、分岐地点N3に接近している際に、到着候補駐車場としての2個の駐車場P3,P4のうち、現在において空きがある駐車場が絞り込まれることとなる。
到着候補駐車場と他の駐車場(未除外)のいずれかに空きがあると判定しなかった場合(ステップS260:N)、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を継続する(ステップS265)。すなわち、到着候補駐車場と他の駐車場(未除外)のいずれにも空きがない場合、制御部20は、新たな到着予定駐車場を設定しない。図2Aと表1のケース4では、分岐地点N4に接近している際に、もとの到着予定駐車場としての駐車場P3が駐車可能でなく、かつ、到着候補駐車場としての駐車場P4に空きがなければ、駐車場P3へと向かう推奨経路の案内がそのまま継続されることとなる。
すなわち、到着候補駐車場と他の駐車場(未除外)のいずれにも空きがない場合、現在の到着予定駐車場が駐車可能ではないが、他の駐車場も駐車可能でないため、むやみに到着予定駐車場の変更を行うことなく、優先度の大きい到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内が継続されることとなる。この場合も、現在の到着予定駐車場が最終的に確定するため、制御部20は、経路変更処理を終了する。ただし、到着予定駐車場が駐車可能であることの通知(ステップS250)はスキップされる。
到着候補駐車場と他の駐車場(未除外)のいずれかに空きがあると判定した場合(ステップS260:Y)、案内制御部21dの機能により制御部20は、空きがあると判定された駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を新たな到着予定駐車場に設定する(ステップS270)。すなわち、到着候補駐車場と除外されていない駐車場のうち、空いている駐車場が絞り込まれ、当該絞り込まれた駐車場のなかで優先度が最も大きい駐車場が新たな到着予定駐車場に設定されることとなる。図2Aと表1のケース3では、分岐地点N3に接近している際に、もとの到着予定駐車場としての駐車場P1が駐車可能でなく、かつ、到着候補駐車場としての駐車場P3,P4のいずれにも空きがあれば、優先度が大きい駐車場P3が新たな到着予定駐車場として設定されることとなる(ケース4)。
次に、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場の変更を通知する(ステップS275)。ここでは、新たな到着予定駐車場の名称などが通知されてもよい。次に、案内制御部21dの機能により制御部20は、新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を車載器110にて開始させる(ステップS280)。すなわち、制御部20は、新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路(図3のステップS135にて探索済)を記録媒体30から取得し、当該推奨経路を示す案内情報130bを車載器110に送信する。これにより、新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内が車載器110にて開始することとなる。
新たな到着予定駐車場へと向かう推奨経路の案内を開始すると、判定部21cの機能により制御部20は、未接近の分岐地点があるか否かを判定する(ステップS285)。すなわち、到着予定駐車場を変更した場合においても、図3のステップS140にて特定した分岐地点のうち、未除外の駐車場へと向かう推奨経路上の分岐地点であって、車両Cが未だに接近していない分岐地点があるか否かを判定する。
未接近の分岐地点があると判定した場合(ステップS285:Y)、制御部20は、ステップS205に戻る。これにより、到着予定駐車場を変更した後において、次の分岐地点に接近した際に、さらに到着予定駐車場を変更するか否かを判定することができる。一方、未接近の分岐地点があると判定しなかった場合(ステップS285:N)、制御部20は、経路変更処理を終了する。すなわち、変更後の到着予定駐車場が最終的に確定するため、制御部20は、経路変更処理を終了する。
(3)他の実施形態:
前記実施形態においては、サーバ10が本発明の各手段を備えたが、車載器110が本発明の各手段を備えてもよい。すなわち、車載器110が本発明の経路案内システムを構成してもよい。なお、判定部21cの機能により制御部20は、必ずしも到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数と、到着予定駐車場の空き情報とに基づいて到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定しなくてもよく、到着予定駐車場の空き情報のみに基づいて到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定してもよい。また、判定部21cの機能により制御部20は、ステップS255において、到着予定駐車場の空き情報のみに基づいて各駐車場が空いているか否かを判定するのではなく、各駐車場に向けて走行している車両の台数と、各駐車場の空き情報とに基づいて各駐車場が駐車可能であるか否かを判定してもよい。
また、案内制御部21dの機能により制御部20は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、到着候補駐車場に空きがないと判定した場合、いずれの駐車場も駐車が困難であることをユーザに通知したり、駐車場までの案内を行わず目的地周辺(所定距離以内)までの案内を行うに留めたりしてもよい。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。本発明の経路案内システムの各手段は車両に搭載された車載器に備えられてもよいし、車両と通信可能に構成されたサーバに備えられてもよいし、車載器とサーバに分散して備えられてもよい。目的地とは、ユーザが訪問を意図している地点であり、例えばユーザが入力した目的地であってもよいし、ユーザが入力したキーワードに基づいて検索された目的地であってもよい。目的地に関連する駐車場とは、目的地の施設の管理者が管理する専用の駐車場であってもよいし、目的地の施設と提携している駐車場であってもよいし、目的地から所定距離以内の駐車場であってもよいし、目的地と類似する名称等を有する駐車場であってもよい。優先度は、目的地に訪問する駐車場として望ましい度合いを意味してもよく、例えば目的地までの距離が小さいほど優先度が大きくなってもよいし、駐車場金が安いほど優先度が大きくなってもよいし、目的地の施設との専用関係や提携関係の有無に応じて優先度が異なってもよい。また、優先度を決定する基準(距離、駐車場金、専用関係、提携関係等)がユーザによって選択可能であってもよい。
到着予定駐車場とは、目的地に関連する駐車場であり、現在案内が行われている経路を走行した場合に到着する予定の駐車場である。一方、到着候補駐車場とは、目的地に関連する駐車場であり、到着予定駐車場よりも優先度が小さい駐車場である。到着予定駐車場へと向かう経路は案内されているが、到着候補駐車場へと向かう経路は案内されていないこととなる。分岐地点とは、到着予定駐車場へと向かう経路と、到着候補駐車場へと向かう経路とが分岐する地点であり、道路に設けられた交差点やジャンクション等が該当する。分岐地点に対して車両が所定距離まで接近した際とは、分岐地点を通り過ぎるタイミングよりも前の時刻を意味する。所定距離を大きくすることにより、分岐地点を通り過ぎるタイミングよりも前において、余裕をもって新たな到着予定駐車場が設定されたことをユーザに認識させることができる。所定距離を小さくすることにより、到着予定駐車場が駐車可能であるか否かの判定のタイミングを遅くすることができ、できるだけ新しい駐車場の空き情報に基づいて到着予定駐車場が駐車可能であるか否を判定できる。所定距離は、少なくとも所定距離を走行する期間内(分岐地点に到達する前)において新たな到着予定駐車場へと向かう経路の案内を開始できる距離に設定されていればよく、例えばユーザによって設定可能であってもよいし、車速や制限速度が大きいほど大きい距離に設定されてもよい。
案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能であると判定した場合、少なくとも分岐地点から到着予定駐車場へと向かう経路を案内部に案内させればよく、むろん車両の現在地から分岐地点を経由して到着予定駐車場へと向かう経路を案内部に案内させてもよい。
なお、もととも到着予定駐車場へと向かう経路を案内部に案内させているため、到着予定駐車場が駐車可能であると判定した場合には、もともとの経路の案内を継続すればよい。
この場合、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能であることをユーザに通知してもよい。
一方、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、案内制御手段は、到着候補駐車場を新たな到着予定駐車場として設定する。すなわち、案内制御手段は、到着予定駐車場を変更する。そして、案内制御手段は、少なくとも分岐地点から新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内部に案内させればよい。むろん、案内制御手段は、車両の現在地から分岐地点を経由して新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内部に案内させてもよい。この場合、案内制御手段は、到着予定駐車場が変更されたことをユーザに通知してもよい。また、案内制御手段は、車両が分岐地点に到達するよりも前に、新たな到着予定駐車場へと向かう経路の案内を案内部にて開始させればよい。
さらに、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能であると判定した場合、新たな到着予定駐車場の候補から到着候補駐車場を除外してもよい。これにより、分岐地点を通過した後に、分岐地点を通過後に案内している経路と異なる経路にて到着する駐車場(もとの到着予定駐車場または到着候補駐車場)が新たな到着予定駐車場として設定されることを防止し、分岐地点に戻ってから新たな到着予定駐車場へと向かう経路が案内されることを防止できる。また、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、新たな到着予定駐車場の候補から到着予定駐車場を除外してもよい。
また、分岐地点は、到着予定駐車場を到着予定地として探索された推奨経路と、到着候補駐車場を到着予定地として探索された推奨経路とが共通する区間の終点であってもよい。これにより、分岐地点からもとの到着予定駐車場へと向かう経路を案内する場合も、分岐地点から新たな到着予定駐車場(到着候補駐車場)へと向かう経路を案内する場合のいずれにおいても、予め探索された推奨経路の範囲内の経路を案内できる。推奨経路とは、公知の経路探索手法によって探索することができ、旅行時間や走行距離等に応じたコストが最小化するように探索された経路であってもよい。
さらに、判定手段は、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数と、到着予定駐車場の空き情報とに基づいて到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定してもよい。
このように、到着予定駐車場の現在の空き情報だけでなく、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮して到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを判定することにより、到着予定駐車場に到着した際に到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを正確に判定できる。到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数とは、到着予定駐車場の現在の空きを埋める可能性が大きい車両の台数を意味する。判定手段は、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数として、同一の経路を走行して到着予定駐車場に向かっている車両の台数を取得してもよいし、経路の異同に拘わらず到着予定駐車場に向かっている車両の台数を取得してもよい。また、判定手段は、到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数として、自車両よりも早く到着予定駐車場に到着すると予測される他の車両の台数を取得してもよい。
また、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、空き情報に基づいて到着候補駐車場に空きがあると判定した場合、到着候補駐車場を新たな到着予定駐車場として設定し、分岐地点から新たな到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように案内部を制御してもよい。これにより、新たな到着予定駐車場とする到着候補駐車場を空き情報に基づく判定によって絞り込むことができる。この判定において、新たな到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮しないようにすることにより処理を簡素化できる。新たな分岐地点(新たな到着予定駐車場へと向かう経路と、新たな到着予定駐車場より優先度が小さい到着候補駐車場へと向かう経路との分岐地点)に接近した際に、新たな到着予定駐車場に向けて走行している車両の台数も考慮した判定が改めて行われるため、最終的には到着予定駐車場が駐車可能であるか否かを正確に判定できる。
さらに、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、空き情報に基づいて到着候補駐車場に空きがないと判定した場合、分岐地点から到着予定駐車場へと向かう経路を案内するように案内部を制御してもよい。これにより、到着候補駐車場に空きがない場合に、もともと優先度が大きかった到着予定駐車場へと向かう経路を案内できる。すなわち、到着候補駐車場と到着予定駐車場のいずれにおいても駐車できる可能性が低いのであれば、優先度が大きい到着予定駐車場へと向かう経路を案内すればよい。
また、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定し、かつ、複数の到着候補駐車場が存在する場合、複数の到着候補駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定してもよい。これにより、複数の到着候補駐車場が存在する場合、複数の到着候補駐車場のうち優先度が最も大きい駐車場へと向かう経路を案内できる。
さらに、案内制御手段は、到着予定駐車場が駐車可能でないと判定した場合、到着候補駐車場、および、分岐地点から到着予定駐車に向かう経路から分岐する経路にて到着可能な駐車場のうち、優先度が最も大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定してもよい。これにより、分岐地点から分岐した経路にて到着可能な到着候補駐車場だけでなく、分岐地点よりも先の経路から分岐した経路にて到着可能な駐車場も考慮して、優先度が大きい駐車場を新たな到着予定駐車場として設定できる。
さらに、本発明のように、駐車場に到着できる経路を案内する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えた経路案内システム、経路案内システムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、経路案内システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。