以下、本発明の一実施例に係る遊技機であるぱちんこ遊技機について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
<ぱちんこ遊技機の正面構成及びゲーム性の概要>
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技媒体である遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、同じく皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。下球皿16の下方に位置する下部前板18には複数のスピーカ19が設けられており、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力される。
遊技盤50は、扉14の陰に隠れた外レールと内レールにより区画された遊技領域52上に、アウト口58、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
また、遊技領域52の外における正面から見て左下の部位には、特別図柄等表示装置53が設置されており、この特別図柄等表示装置53には、図7(a)に示すように、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71が設けられている。なお、本実施例においては、第1特別図柄表示装置70及び第2特別図柄表示装置71を総称して特別図柄表示装置と称する場合もある。
図1及び図3に示すように、第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成(出力)する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」。図示略。)と、普通電動役物を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成(出力)する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物が拡開されると、所謂電チューサポートがされている状態となり、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
なお、第2始動入賞口63は第1始動入賞口62の下、すなわち第1始動入賞口62によって遊技球の入球が阻害される位置に設けられる。そのため、普通電動役物が拡開しない間は、第2始動入賞口63への入球は第1始動入賞口62により阻害されることとなり、第2始動入賞口63は入球困難な状態が維持される。したがって、遊技において第2始動入賞口63への入球を狙うためには、普通電動役物を拡開させる必要がある。なお、本実施例では、普通電動役物が拡開された結果、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなっているが、第1遊技と第2遊技の結果得られる利益等に応じて適宜設定すればよく、普通電動役物が拡開していない場合には一切入球しない構造、或いは第1始動入賞口62と同程度の開口巾を有するようにしても良い。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(図3のブロック図を参照)を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成(出力)する。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口に対して個々に有しても良いし、複数の一般入賞口72に入球した遊技球を一括して集合、検出しても良く、或いは各一般入賞口の配置位置(上下・左右)や設定される賞球個数(5個賞球と10個賞球)に応じて適宜グループ化して集合、検出しても良い。
図1に示すように、第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78(図3のブロック図を参照)と、第1大入賞口91を開閉させるための第1の開閉扉(図示略)、及び第1の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための第2の開閉扉、及び第2の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第1大入賞口91は、第1特別図柄192(図7(a)を参照)が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b,92bが各々設けられており、各装飾板には、遊技領域52を装飾するための文字や図形などが描かれている。この装飾板91b,92bには、第1の開閉扉、第2の開閉扉、第1大入賞口91、及び第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b,92bを不透明としてもよい。また、第1大入賞口91と第2大入賞口92は1の大入賞口(たとえば第1大入賞口91)のみを配置して共通的に利用しても良い。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に離れて第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている(図7(a)を参照)。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば右下隅にドットが付加された7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号αおよび記号βで表される。
なお、記号αと記号βは、7セグメントLEDのセグメント組み合わせで表示できる点灯パターンであって、そのパターン自体が文字等の意味をもつ配置とはなっていないものを示す。そのようなパターンを本明細書では便宜上「記号」と称し、その種類を区別するために「記号α」「記号β」として表記する。ちなみに、図7(a)における第2特別図柄の右側には、特別遊技における単位遊技の回数を示すラウンド数表示装置(符号省略)が2桁の7セグメントLEDとして設けられており、後述する第1又は第2特別遊技の発生に応じて両特別遊技のラウンド数を共用的に表示するようになっている。
前述の演出図柄表示装置60は、2つの液晶表示装置から構成されている。つまり、演出図柄表示装置60は、例えば17インチ程度の大型の液晶ディスプレイ(以下では「メイン液晶」と称する)160と、例えば6インチ程度の小型の液晶ディスプレイ(以下では「サブ液晶」と称する)161とを備えている。これらのうちサブ液晶161は、メイン液晶160の前方において、矩形の長手方向を左右方向に向けて配置されており、回転駆動機構(図示略)により、後述するように上下動及び回転が可能となっている。さらに、サブ液晶161は、メイン液晶160の下縁部中央の前方において画面(表示領域)を露出させており、遊技や演出の状況に応じて可動演出部材としても機能し、通常の下降位置からメイン液晶160の中央前方へ向かって上昇したり、上昇位置において長手方向を上下方向に向けるよう姿勢を変化させたりすることが可能になっている。
図7(b1),(b2)に示すように、メイン液晶160の表示領域194には、第1特別図柄192や第2特別図柄193に係る演出に用いられる左の装飾図柄190a、中の装飾図柄190b、右の装飾図柄190cの変動や停止の様子が表示される。さらに、メイン液晶160の表示領域194には、第1特別図柄192や第2特別図柄193に関係する各種の予告表示、演出のための各種のカットイン表示、及び、各種の背景表示なども行われる。装飾図柄190a〜190cは、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。メイン液晶160は、装飾図柄190a〜190cとして、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。
演出図柄表示装置60のメイン液晶160及びサブ液晶161は、本実施例では何れも液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例ではメイン液晶160の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄をメイン液晶160やサブ液晶161のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。また、本実施例では、装飾図柄190a〜190cを、第1特別図柄192と第2特別図柄193とで共通で採用したものを例示しているが、個別に表示したり、装置自体を別個に設けてもよく、本実施例のように共用する場合にはいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示をメイン液晶160の隅部やサブ液晶161などに表示しても良い。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69(図3を参照)を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成(出力)する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レールと外レールに案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、メイン液晶160の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、メイン液晶160の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される(図7(b1)を参照)。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190a〜190cの変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される(図7(b2)を参照)。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190a〜190cは、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である16回繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である4回だけ繰り返される特別遊技とがある。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「16R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。4回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「4R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたときに、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。なお、本実施例では、上記特別遊技の種類(単位遊技の実行回数、開放する大入賞口(特別遊技の全単位遊技に亘り第1大入賞口91・第2大入賞口92のいずれを開放させるか、或いは各単位遊技毎のいずれの大入賞口を開放させるか)、大入賞口の開放パターン等)は停止表示した特別図柄(第1特別図柄192、第2特別図柄193)に紐づいて決定されるように構成されているが、特別遊技の種類を別の抽選により決定しても良い。
停止時の第1特別図柄192所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193が小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。本実施例に係るぱちんこ遊技機10の小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返す。なお、小当り遊技についても前述した特別遊技のように複数の小当り種類を設け、開放する大入賞口や1単位遊技内の開放回数、開放パターンにバリエーションを持たせても良く、この種類の決定も特別遊技の種類を決定した際の手法と同様、小当りとなった特別図柄に基づき、或いは個別の抽選により行うことができる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。ここで、本実施例においては、確変状態及び時短状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。しかし、これに限らず、例えば全ての大当りを確変が伴う確変大当りとし、特別遊技後の第1特別図柄192及び第2特別図柄193、又は、第1特別図柄192或いは第2特別図柄193の変動表示の合計回数が所定回数(例えば100回)に達すると確変及び時短の双方或いは何れか一方が終了するようにしてもよい。また、本実施例では、16R大当りの場合はその特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合があるが、4R大当りの場合はその特別遊技の終了後に必ず確変が開始される。ただし、変形例としては確変を伴わない4R大当りを併設してもよい。なお、時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。この時短中の入球容易状態は、普通図柄(後述する)の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物の開放延長は、普通電動役物の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、時短中の入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における時短中の入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
第1特別図柄192について小当りが発生した場合は、その小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として限定頻度パターンテーブル(図示略)が参照される。このとき、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかに応じて異なる態様で第1特別図柄192の限定頻度パターンテーブルが参照され、変動パターンが選択される。例えば第2特別図柄193がはずれ図柄αで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として10回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。また、第2特別図柄193がはずれ図柄βで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として20回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。これにより、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかによって異なる態様で特別な演出を実行することができるので、演出の設計の幅を広げることができる。なお、以下では状況に応じて、限定頻度パターンテーブルを用いて行われる演出を限定頻度パターン演出と称する。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は特別図柄等表示装置53に設けられており、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。なお、本実施における「ランプ」の用語はLED等も含む意味を有している。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。多数の遊技効果ランプ(LED等、図示しない)がセンター飾り64の内部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。また、センター飾り64には、可動演出部材93が設けられており、これらが演出用のギミックを構成している。
また、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59に隣接して設けられる。
第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193いずれかの変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立せず、新たな図柄変動は開始されないが、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、新たな図柄変動が開始されることとなる。この際、保留記憶されていた乱数値を用いた抽選が実行され、大当りの有無や図柄の変動パターンなどが決定される。なお、本実施例の場合は、前述のように第2の遊技が優先的に実行されるので、第1特別図柄192については、第2特別図柄193の保留抽選値に対応する図柄変動が全て終わって、保留抽選値が全て消化されたことも変動開始条件となる。
普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。この操作ボタン82は、上球皿15の上部の外壁面に設けられており、上球皿15の左右方向の中央近傍に位置している。
操作ボタン82は、ボタン演出が実行された場合に遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、演出図柄表示装置60の表示領域194に操作ボタン82の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などが表示され、遊技者がこれに従って操作ボタン82を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出が挙げられる。
通常時は操作ボタン82の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン82の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。なお、操作ボタン82に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン82を振動させる振動演出を行うことも可能である。
メイン液晶160の表示領域194の下部には、図7(b1),(b2)中に示すように、第1の遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2の遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。ちなみに、保留表示については第1の遊技、第2の遊技の保留数が増加すると、夫々の遊技者からみて左側(図7(a)でも左側)を基準として順次表示が変化するようになっており、通常遊技時に多く入賞する第1始動入賞口62側(第1の遊技)の保留表示を基準側(左側)に、通常時にほとんど入賞しない第2始動入賞口63側(第2の遊技)の保留表示を右側に表示している。これは通常時の保留状態を遊技者が直感的に把握しやすくなることが期待できるためである。なお、普通図柄表示装置59の表示内容に対応した普通装飾図柄を、普通図柄表示装置59とは別途設けてもよく、この場合は、例えば演出図柄表示装置60を利用することが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成及び電気的構成の概要>
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。図2に示すように前枠12の背面には、遊技球を誘導又は回収するための機構を備えたセット基盤39が取着されており、このセット基盤39の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット48、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板45が取り付けられている。また、遊技盤背面には、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102、メイン基板102から受信される情報や独自に入力される情報に基づいて液晶ユニット42等の各種演出装置の動作を制御するサブ基板104がセット基盤39の開口に対応するような位置に取り付けられている。なお、ここでは演出図柄表示装置60の各液晶のうち、メイン液晶160の液晶ユニット42のみ図示する。
セット基盤39には、その上部に賞球を貯留する賞球タンク44、賞球タンク44に貯留された遊技球を整流案内する賞球通路、賞球通路と連絡し賞球タンク44内に貯留された球を1球単位で下方に流下排出可能な払出ユニット43、払出ユニット43から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿15又は下球皿16)に案内する賞球排出通路が図2のように遊技盤の上方から背面視右側部に亘って逆L字状に形成・配置されるとともに、遊技盤の背面中央に対応する位置に適宜広さの開口部が設けられている。
電源ユニット48は図2のように遊技機の背面視左下に設けられており、遊技機外部から供給される交流電源を遊技機全体(メイン基板102、サブ基板104を含む制御装置や液晶ユニット42等の演出装置など)で使用する各種の電圧に変換・生成して供給するものである。電源ユニット48の右側には、電源ユニット48から遊技機各部へ供給する電源を遮断するために傾倒スイッチで構成される電源スイッチ40が、遊技球が直撃落下してもオフにならないように、下側に傾倒したとき(スイッチの中央より下を押したとき)にオンとなるように設けられている。
払出制御基板45は、図2のように遊技機の背面視右下に設けられており、主に、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット43を制御する払出制御機能と、発射ハンドル17の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するように発射装置を制御する発射制御機能とを備えたものであり、CPU・ROM・RWM(リードライトメモリ、以下略。)を中心に適宜入出力回路等を備えている。
メイン基板102は、図2のように遊技盤50の背面視中央下部に設けられており、主に、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したことに基づく抽選処理等、遊技機の出球に関する処理や、サブ基板(演出制御基板)104、払出制御基板45等に対する制御指令(制御コマンド)、遊技状態情報等を出力する処理など、遊技機全体の中心的な制御機能を備えたものであり、前述の払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。
サブ基板104は、図2のように遊技盤の背面視中央上部に、液晶ユニット42と一体的に設けられており、主に、液晶ユニット42(及びサブ液晶161の液晶ユニット)における表示内容を制御する機能を備えたものであり、先のメイン基板102、払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。なお、サブ基板104は画像を制御する機能を有する関係上、サブ基板用の主CPUに加え、画像用のVDP、VDPを制御する画像制御専用のCPUも搭載している。
そして、これらのメイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。なお、メイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104の詳細については後述する。また、サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを総称したものである。そして、サブメイン基板301とサブサブ基板302の詳細については後述する。また、セット基盤39の図2中における右上部には、メイン基板102や払出制御基板45等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板49が設けられている。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能ブロック及び機能の概要>
図3は、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技制御装置100と、遊技制御装置100に対する入出力機器とを機能ブロックにより示している。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ19、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。なお、実際には遊技制御装置100の機能の一部として存在する払出制御基板45及び、この払出制御基板45により制御される部分の機能については一般的なものを採用可能であるため、図3での記載及び説明は割愛し、必要な部分については、適宜説明する。
また、本実施例においてブロック図中のブロックとして説明されている構成(特に各種の機能的手段や機能的部分)については、CPUやROM、RWMによって実現されている機能に該当するものが含まれている。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成の詳細>
次に、前述の各電気的構成(図2,図3参照)のうち主要なものについて説明する。先ず、図4に示すように、ぱちんこ遊技機10には、電源基板251、払出制御基板45、メイン基板102、及びサブ基板104が備えられている。電源基板251には、上記払出制御基板45等が接続されている。払出制御基板45には、上記メイン基板102、遊技球等貸出装置接続端子板252、及びハンドル接続基板253等が接続されており、メイン基板102には、遊技盤接続基板254や、演出インターフェースA基板(図示略)等が接続されている。そして、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256が接続されている。
ここで、電源基板251は、前述の電源ユニット48に備えられている。また、払出制御基板45には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、遊技球等貸出装置接続端子板は、球貨操作に用いられる球貨操作基板(図示略)等が接続される。ハンドル接続基板253には、発射装置のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続される。また、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256のほか、前述の通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1大入賞口91の入賞検出装置78や大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口92の入賞検出装置79や大入賞口ソレノイド81、一般入賞検出装置73、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。さらに、図柄表示基板256は、前述の特別図柄等表示装置53に備えられているものであり、図柄表示基板256には、第1特別図柄表示装置70や第2特別図柄表示装置71が設けられている。
前述の演出インターフェースA基板は、メイン基板102と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースA基板には、サブ基板104や、演出インターフェースB基板(図示略)が接続されている。また、サブ基板104には、前述の液晶ユニット42等が接続されている。
演出インターフェースB基板は、演出インターフェースA基板やサブ基板104と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースB基板には、図示を省略するが、プラ枠接続基板、各種の枠電飾基板、各種の枠モータ、センター飾り64の各種電飾基板、可動演出部材93の可動体モータ等が接続されている。ここで、枠モータは、遊技機枠に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
プラ枠接続基板には、上球皿15や下球皿16に設けられた皿電飾接続基板259、各種スピーカ19に接続される各種スピーカ接続基板のうちの下スピーカ接続基板260が接続されており、皿電飾接続基板259には、演出ボタン基板261が接続されている。演出ボタン基板261は、操作ボタン82が備えられたボタン装置に設けられているもので、操作ボタンが押圧操作されたことを検出するスイッチ(図示略)や、操作ボタン用発光体82a(図示略)等を搭載している。
次に、電源基板251やメイン基板102等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路(図示略)が内蔵されている。なお、ROM502としては、内蔵されたものと外付けされたものを併用してもよい。
RWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(電源断処理)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の制御開始処理において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされバックアップ電源の接続された外部RWMを利用することが可能である。
メイン基板102には、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501のNMI端子504、及び払出制御基板45のNMI端子514へ停電信号を出力するための回路である。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、電断信号をメイン基板102におけるCPU501のNMI端子504や他の基板へ出力する。電断信号の入力によって、メイン基板102におけるCPU501、払出制御基板45におけるCPU511は、即座にNMI割込処理を実行する。
なお、電源基板251の電源部541は、直流安定電圧が所定電圧未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、メイン基板102及び払出制御基板45は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
また、本実施例においては、サブメイン基板301にも、停電監視回路部506から電断信号に基づき、メイン基板102から、電断信号となり電源電圧の低下の有無を示す値(0又は1)が入力されている。サブメイン基板301のバックアップ機能については後述する。
なお、停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板45への電断信号の入力を省略することも可能である。
払出制御基板45において、演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRWM513とを備えている。
払出制御基板45のRWM513は、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
サブ基板104は、サブメイン基板301と、サブサブ基板302とにより構成されている。このうちサブメイン基板301は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び出力ポート528などが接続されている。また、サブメイン基板301には、音出力制御に用いられる音制御回路820が備えられている。
サブサブ基板302は、ビデオRWM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート530と、出力ポート529と、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート530の出力側には、ビデオRWM524、キャラクタROM525と、画像コントローラ526、及び出力ポート529が接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出図柄表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
サブサブ基板302のビデオRWM524は、演出図柄表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWM524の内容を書き替えることにより、演出図柄表示装置60の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出図柄表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRWM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRWM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出図柄表示装置60に表示させるものである。
電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板45等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧をメイン基板102や払出制御基板45等に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に例えば遊技場店員等によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板45へ、バックアップデータをクリアするためのRWM消去信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板45は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、RWM消去信号を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
<メイン基板及びサブ基板の機能的構成>
次に、メイン基板102及びサブ基板104について機能的な側面から説明する。本実施例におけるメイン基板102は、図5に示すように、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、条件保持手段176、特別遊技制御手段120、特定遊技制御手段122、開閉制御手段124、小当り遊技制御手段330、事前情報通知手段157、コマンド送信手段332を備える。
一方、本実施例におけるサブ基板104は、前述のようにサブメイン基板301とサブサブ基板302とにより構成されており、このうちサブメイン基板301は、図6中に示すように、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。また、サブメイン基板301は、コマンド受信手段304、演出態様送信手段305を備える。さらに、サブメイン基板301には、スピーカ出力等の制御を行う音制御手段312と、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段313とが備えられている。
なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブメイン基板301に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブメイン基板301に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブメイン基板301ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブメイン基板301への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブメイン基板301に配置される。このようにメイン基板102からサブメイン基板301へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブメイン基板301に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ一方的に送信しない限りサブメイン基板301から参照することはできない。
また、サブサブ基板302は、サブメイン基板301と同じく図6中に示すように、演出態様受信手段308、演出実行手段309などを備えている。
<<メイン基板の主要な機能>>
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。本実施例では、第1当否抽選値及び第2当否抽選値として取得する乱数は、ハードウエアで構成された1の生成装置を共用したハードウエア乱数(CPU501の内部で生成される内蔵乱数)とソフトウエアの乱数生成プログラム(割込毎に更新するカウンタ等)により抽出したソフトウエア乱数(ソフト乱数)とを演算(加算)した2段構成の乱数発生手段により生成されている。ちなみに、取得タイミングが全く同一であれば第1始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値と第2始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値とは同一の値が取得されるため一方の乱数取得系のみが故障して想定外の遊技確率とならないように設計されている。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
<<当否抽選に係る置数>>
図8は、第1当否抽選値、或いは第2当否抽選値となる乱数値である特別図柄当り乱数(以下では「当否乱数」と称する)と抽選結果との対応を示している。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、及び、はずれの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117(図5参照)は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当する場合だけでなく、「63403〜64878」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
また、本実施例においては、当否抽選値が「0〜63238」、及び「65535」となった場合、大当り範囲及び小当り範囲に該当しない真正のはずれとなる。すなわち、当否乱数値範囲の下限値である「0」から「63238」までの範囲と、上限値である「65535」に対応する抽選結果がはずれである。
さらに、当否抽選値が「64879〜65429」の場合には、第1の抽選においてのみ抽選結果が小当りとなり、第2の抽選おいては、抽選結果がはずれとなる。さらに、当否抽選値が「65430〜65534」の場合には、第1の抽選及び第2の抽選の何れにおいても、抽選結果は小当りとなる。つまり、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。本実施例においては、大当りに該当しなかった場合を広義にはずれと定めているが、広義のはずれの一部に小当りの抽選結果を割当てるゲーム性を採用していることから、説明を簡潔にするため、ここでは真正のはずれのみを狭義に「はずれ」と称する。
このように、当否乱数の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、例えば第1の抽選においては、図8中に示すように、数値範囲「0〜63238」が第1のはずれグループ、「63239〜63402」が第1の大当りグループ、「63403〜64878」が第2の大当りグループ、「64879〜65534」が小当りグループ、「65535」が第2のはずれグループとなっている。
そして、第1のはずれに対応する乱数個数は63239個である。さらに、大当り1に対応する乱数個数は164個であり、大当り2に対応する乱数個数は1476個である。そして、第1の遊技における通常確率時の大当り確率は164/65536であり、高確率時の大当り確率は1640(=1476+164)/65536である。さらに、小当りに対応する乱数個数は656個であり、小当り確率は656/65536である。
また、上述のように、当否乱数は「0〜65535」の範囲の値をとり得るものであり、本実施例では、当否乱数は「0〜65535」の数値範囲の内蔵乱数(ハードウエア乱数)と、「0〜65520」の数値範囲の特別図柄当りソフト乱数(ソフトウエア乱数)との合算により得られている。内蔵乱数は、内蔵乱数テーブルから抽出された値である。内蔵乱数テーブルにおいては、所定範囲の数値(例えば「0〜65535」)が任意の順序で配列されており、CPU501に入力されるクロックを用いハードウエア(カウンタ回路)によりカウント値が1ずつ加算される毎に、内蔵乱数テーブル中に任意に配列された数値が、数値の大小関係と直接には関係なく、配列された順序に従って取得対象となる。そして、取得された内蔵乱数テーブル中の数値が、抽出されてソフト乱数との演算に用いられる。このような内蔵乱数は、ハードウエア的な構成を含む乱数生成装置による乱数であるともいえる。
一方、ソフトウエア乱数は、プログラミングされたカウンタにより割込み毎にカウント値を1ずつ加算して、昇順或いは降順に配列された数値を取得対象とするソフトウエア的な構成の乱数生成装置による乱数であるといえる。そして、本実施例では、特別図柄当りソフト乱数の乱数個数は、素数である「65521」となっており、加算元である内蔵乱数に対して加算されるソフトウエア乱数のほうが、内蔵乱数よりも、乱数値範囲(乱数の大きさ)が小さく設定されている。なお、当否乱数の生成にあたっては、内蔵乱数とソフトウエア乱数とを単純に合算することに限らず、例えば積算する、或いは、所定数の加減乗除のうちの何れかをしたうえで互いに合算する等、他の演算により行ってもよい。
<<図柄抽選に係る置数>>
図5に示す第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する前述の図柄抽選値(特別図柄当り図柄乱数。以下では「図柄乱数」ともいう。)と、上述の当否判定の結果とに基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図9は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図9(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図9(b)は当否判定結果がはずれであった場合に参照するテーブルであり、図9(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および文字以外の記号α、記号βで表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、はずれの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、記号α、記号βがはずれに対応する。
図9(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜399」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜574」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う4R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「400〜599」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「575〜599」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「600〜759」に特別図柄「1」が対応付けられ、「760〜914」に特別図柄「5」が対応付けられ、「915〜999」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図9(b)に示す通り、記号αは図柄抽選値の範囲「0〜479」に対応付けられ、記号βは図柄抽選値の範囲「480〜999」に対応付けられる。なお、本実施例では記号α、記号βは何れも限定頻度パターン演出に対応付けられているが、はずれに限定頻度パターン演出に対応づけられていない記号(例えば、「−」(ハイフン)など)を付加してもよい。このようにすることにより、はずれの場合における限定頻度パターン演出の発生確率を更に細やかに設定できるようになる。例えば、記号「−」の図柄抽選値の割合を、記号α及び記号βの割合よりも十分に大きく設定することにより、はずれの殆どの場合は限定頻度パターン演出が実行されないという遊技制御を実現できる。
図9(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜199」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「200〜399」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「400〜599」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「600〜799」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「800〜999」に対応付けられる。
なお、本実施例では当否抽選の結果が大当りである場合、前述の図柄乱数の数値範囲における上限値である「999」には、確変を伴わず非確変となる特別図柄(非確変図柄)が割当てられている。また、これに限らず、下限値である「0」に非確変図柄の抽選結果を割当ててもよく、更に上限値及び下限値の双方に非確変図柄の抽選結果を割当ててもよい。
上述した図柄抽選は、ソフトウエア乱数により行われており、ソフトウエア乱数とハードウエア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。これは、当否抽選が不正行為の対象となり易いのに対し、図柄抽選は、当否抽選に比べれば不正行為の対象となり難いため、図柄抽選については、ハードウエア乱数を生成するのに必要な水晶発振器等の部品を用いずに済む構成としたためである。
また、前述のように、図柄乱数の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、例えば、第1の抽選において、大当りの場合は、図9(a)中に示すように、数値範囲「0〜399」、「400〜599」、「600〜759」、「760〜914」、及び、「915〜999」が、それぞれ特別図柄「1」、「3」、「5」、「7」、及び、「9」に対応付けられた各グループとなっている。また、限定頻度パターン演出に関しては、例えば、図9(b)中に示すように、数値範囲「0〜479」が記号αに対応付けられたグループとなっており、「480〜999」が記号βに対応付けられたグループとなっている。さらに、はずれの場合には、数値範囲「0〜199」、「200〜399」、「400〜599」、「600〜799」、及び、「800〜999」が、それぞれ特別図柄「0」、「2」、「4」、「6」、及び、「8」に対応付けられた各グループとなっている。
<<変動パターン抽選に係る置数>>
図5に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターン選択基準として複数の変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。
変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。複数の変動パターンテーブルは、変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ変動時間の選択傾向(選択される変動パターンの変動表示時間の長短に係る傾向)が異なるように定められている。
複数の変動パターンテーブルには、他の変動パターンテーブルとは演出内容の傾向が異なる選択基準である前述の限定頻度パターンテーブルが含まれる。限定頻度パターンテーブルは、第1図柄決定手段320により決定された第1特別図柄192が小当りに該当した場合に、その小当り遊技終了後の限定的な期間において参照される。
図10は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果がはずれのときは図10(a)に示されるはずれ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が16R大当りのときは図10(b)に示される16R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が4R大当りまたは小当りのときは図10(c)に示される4R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図10(a)においては、パターン抽選値「0〜2599」には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「2600〜4999」には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「5000〜49999」には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果がはずれの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、はずれ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、はずれ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図11において説明する。
図10(b)においては、パターン抽選値「0〜23519」には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「23520〜47039」には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「47040〜48999」には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値「49000〜49999」には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が16R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図10(c)においては、パターン抽選値「0〜23999」には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「24000〜49999」には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が4R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
上述したパターン抽選は、図柄抽選と同様に、ソフトウエア乱数により行われており、ソフトウエア乱数とハードウエア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。これは、図柄抽選と同様に、当否抽選が不正行為の対象となり易いのに対し、パターン抽選は、当否抽選に比べれば不正行為の対象となり難いため、パターン抽選については、ハードウエア乱数を生成するのに必要な水晶発振器等の部品を用いずに済む構成としたためである。
また、前述のように、変動パターン抽選値(以下、「変動パターン乱数」ともいう)の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、はずれの場合には、図10(a)中に示すように、パターン抽選値「0〜2599」、「2600〜4999」、「5000〜49999」は、それぞれ「スーパー1」のグループ、「スーパー2」のグループ、「ノーマル1」、「ノーマル2」、「リーチなし」が対応付けられたグループとなっている。また、16R大当りの場合には、図10(b)に示すように、パターン抽選値「0〜23519」、「23520〜47039」、「47040〜48999」、及び、「49000〜49999」は、それぞれ「スーパー1」、「スーパー2」、「ノーマル1」、「ノーマル2」の各リーチが対応付けられたグループとなっている。さらに、4R大当りまたは小当りの場合は、図10(c)に示すように、パターン抽選値「0〜23999」、「24000〜49999」は、それぞれ「スーパー3」、「ノーマル3」の各リーチが対応付けられたグループとなっている。なお、上述の「スーパー1」、「スーパー2」、「ノーマル1」、「ノーマル2」、及び、「リーチなし」の他の変動パターンを追加してもよく、更にこれらの各変動パターンを、例えば異なる変動時間の変動パターンに細分化してもよい。
図11は、はずれ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210aにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212aには、第1保留手段144による第1の抽選に係る保留数または第2保留手段146による第2の抽選に係る保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaに、第1保留手段144による第1の抽選の保留数または第2保留手段146による第2の抽選の保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaが保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、はずれのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から2599までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が2600から4999までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から2599までのパターン抽選値と抽選値が2600から4999までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が5000から49999までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaにはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212aでは、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、5000から49999をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214aaでは、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216aでは「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218aaにて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなしはずれ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。また、装飾図柄190の変動パターンとして、第1特別図柄192及び第2特別図柄193の各々の連続した複数回の変動に跨って適用されるような変動パターンを設定してもよい。
さらに、変動パターンの選択傾向に関して、確変中であるか否か、取得値の属性(当否やグループなど)、第1の抽選に係る保留数、及び、第2の抽選に係る保留数との関係において、選択傾向を設定するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、確変中で且つ当否抽選の結果がはずれである場合には、第1特別図柄192については、第1の抽選に係る保留数及び第2の抽選に係る保留数に関わらず、変動時間が相対的に長いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に高く設定し、第2特別図柄193については、第1の抽選に係る保留数に関わらず、第2の抽選に係る保留数に応じて、変動時間が相対的に長いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に低く設定する、といったことが可能である。また、確変中で且つ当否抽選の結果が大当り(又は小当り)である場合には、第1の抽選に係る保留数及び第2の抽選に係る保留数に関わらず、変動時間が相対的に短いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に低く設定する、といったことも可能である。
<<メイン基板におけるその他の主要な機能>>
図5に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選に係る特図抽選値をその抽選値に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選に係る特図抽選値として4個を上限として乱数値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選に係る特図抽選値をその抽選値に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選に係る特図抽選値として4個を上限として乱数値を保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選に係る特図取得値が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選に係る特図取得値が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを前述の演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、当否判定結果、停止図柄、変動パターン等を識別可能な値や、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始時のコマンドとしてサブメイン基板301へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信するようにしてもよい。これらの変動開始コマンドや変動停止コマンドの送信により、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、短い単位遊技を4回だけ繰り返す4R大当りがある。16R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92を短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
さらに、小当り遊技制御手段330には、小当り連続回数をサブメイン基板301へ通知する機能を備えており、小当り遊技が、間にはずれや大当りを挟まずに連続して発生した回数を計数して出力する。なお、サブメイン基板301に対して小当り連続回数を通知することに限らず、小当り連続回数が所定回数に達したか否か、或いは、所定の期間内に小当り連続回数が所定回数に達したか否か、といった事項を判定し、小当り連続回数が所定回数に達した場合には、その旨をサブメイン基板301に通知するようにしてもよい。
特定遊技制御手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1図柄決定手段320または第2図柄決定手段322により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
事前情報通知手段157は、第1始動入賞口62に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第1抽選手段126による抽選値を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。また、第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第2抽選手段128による抽選値を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。これらの抽選値を示す情報を以下では「保留抽選値」とも呼ぶこととする。保留抽選値には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63のいずれへの入球かを示す情報と、事前判定結果としての当否範囲・図柄範囲・パターン範囲とが含まれる。
なお、変形例として、前述したように、確変継続期間を、例えば第1特別図柄192および(又は)第2特別図柄193の変動表示の回数が特別遊技終了後に100回に達するまでのように定めた場合には、確変継続回数の残り回数に応じて予告の演出を異ならせるといった演出が可能である。例えば、確変継続回数の残り回数が少なくなるほど、頻繁に予告演出を実行する、保留制御手段116に保留された情報を事前判定し予告演出を連続的に実行する、といったことが考えられる。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。また、開閉制御手段124は、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては第2始動入賞口63の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。
<<サブメイン基板の主要な機能>>
サブメイン基板301においては、メイン基板102からの各種コマンドをコマンド受信手段304が受信し、後述のように、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134などにより決定及び制御された演出態様に係る演出態様情報が、演出態様送信手段305を介して、サブサブ基板302へ送信される。
サブメイン基板301に備えられたパターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出図柄表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190a〜190cの停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が16R大当りや4R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190a〜190cとして揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字に係る装飾図柄を選択することが可能である。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190a〜190cが「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。
当否判定結果が小当りの場合もまた特定の組合せが選択されるが、例えば「757」のようなリーチはずれの表示が行われる場合や、「357」のような全て異なる図柄の組合せが表示される場合がもある。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、リーチはずれの組合せや、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが表示される。なお、大当りでも小当りでもない場合には、4R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せを選択するようにしてもよい。そして、演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様またははずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずにはずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、前述のように、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
サブメイン基板301における上述のノーマルリーチ、スーパーリーチは、前述のメイン基板102における「ノーマル1」、「ノーマル2」、「スーパー1」、「スーパー2」といった変動パターンに対応したものである。また、サブメイン基板301における上述のリーチなしパターンは、同じくメイン基板102における「リーチなし」の変動パターンに対応したものである。そして、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、メイン基板102の各変動パターンに対応して、サブメイン基板301の変動パターンが多数設けられており、メイン基板102で選択された変動パターンがサブメイン基板301にコマンドとして通知されると、サブメイン基板301では、指定された変動パターンに対して選択可能な複数の変動パターンのうちから、何れかの変動パターンが選択される。なお、メイン基板102における変動パターンが更に細分化されている場合には、サブメイン基板301における変動パターンも、メイン基板102における細分化に対応してより多数設けられる。また、サブメイン基板301における各種変動パターンは、前述の各種の予告演出パターンとの組合せで用いられることもある。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ19からの音声出力などの音出力(サウンド)に係る演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190a〜190cとして演出図柄表示装置60の表示領域194に変動表示させる。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190a〜190cの変動表示を含む図柄変動演出を演出図柄表示装置60に表示させる。
演出決定手段132は、事前情報通知手段157により通知された保留抽選値を所定のバッファ領域に格納する。さらに、演出決定手段132は、メイン基板102の第1抽選手段126および第2抽選手段128から通知された本判定結果としての当該変動(その時に実行されている変動表示)に関する抽選値と、事前情報通知手段157により予め通知されてバッファ領域に格納した保留抽選値とにしたがって予告演出を表示させる。具体的には、将来時点において図柄変動が行われる保留抽選値における大当りの発生有無を示唆するための前兆となる予告演出を表示させる。なお、演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するための所定の予告抽選を実行し、(例えば予め定められた確率にて)その予告抽選に当選したことを条件として、予告演出を表示させる。このように保留抽選値中の事前判定結果に応じて設定される予告演出は「先読み演出」と呼ばれる。
また、演出決定手段132は、入賞情報に設定された第1保留手段144における保留数(以下、「第1の保留数」とも呼ぶ。)と第2保留手段146における保留数(以下、「第2の保留数」とも呼ぶ。)、および、図柄変動の実行状況(すなわち保留の消化状況)に応じて、現在時点での第1の保留数および第2の保留数を特定する。演出表示制御手段134は、演出決定手段132において特定された第1の保留数および第2の保留数を、演出図柄表示装置60の第1保留数表示部196および第2保留数表示部197に表示させる。また、演出決定手段132において保留数が新たに特定されると、第1保留数表示部196および第2保留数表示部197の表示を逐次更新する。
<<先読み演出の各種パターン>>
前述の先読み演出が実行される場合は、それ以前に出現している通常の演出パターンとは異なる演出パターン(視覚的なものや聴覚的なもの等を含む)が実行されるが、このような先読み演出に係る演出パターンの具体的態様や実行開始タイミングは一様ではなく、変化に富んでいる。
例えば、先読み演出の一例として、図7(b1),(b2)中に示す第1保留数表示部196や第2保留数表示部197での保留表示を用いるもの挙げることができる。さらに、保留表示において行われる通常と異なる演出パターン(以下では「保留変化」と称する)としては、保留球表示の色彩、形状、或いは模様等を変化させるものや、フラッシュを繰返すように保留表示を点滅させるもの、又はこれらの組合せによるものなどを挙げることができる。そして、これらのうち保留球表示の形態を変化させるものとしては、保留球表示の色彩を、例えば通常は緑色であるのに対し、所定のタイミングで赤色や金色に変化させるもの等を例示できる。さらに、保留球表示の形状を変化させるものとしては、通常の真円形状から演出のストーリーに関係する各種アイテムや人物の形態(いずれも動画を含む)に変化させるものや、保留変化前の形態に対して相似形を保ったまま拡大させるものなどを例示することができる。また、保留球表示の模様を変化させるものとしては、通常の模様なしの単色柄の表示から動物体表模様に変化させるものなどを例示することができる。さらに、保留表示を点滅させるものとしては、点滅の周期を異ならせるものなどを例示することができる。
さらに、このような保留変化のタイミングも多様であり、例示すれば、保留変化の対象となる始動入賞(遊技球の検出。以下では「対象入賞」と称する場合がある。)を基準としたものや、他の始動入賞(同様に以下では「他入賞」と称する場合がある)を基準としたものを挙げることができる。さらに、他入賞を基準とする保留変化のタイミングには、対象入賞よりも先に発生した始動入賞(以下では「先行入賞」と称する場合がある)に係る変動表示(以下では「先行変動」と称する場合がある)の状態を基準とするものや、対象入賞よりも後に発生した始動入賞(以下では「後行入賞」と称する場合がある)を基準としたものなどがある。
なお、本実施形態では、先読み演出に係る演出パターンとして保留表示を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出パターンの停止のための制御にも適用可能である。そして、演出パターンの停止のための制御の態様としては、例えば、複数回の変動表示に亘り連続性のある演出(以下では「連続予告」と称する。)が実行された場合に、当該連続予告を終了するか否かの抽選を、先読みした遊技状態の抽選結果に基づいて決定することが挙げられる。
以上例示したような先読み演出に関して、特別図柄の図柄群の種別を伝える構成を採用することが可能である。すなわち、前述の第1特別図柄192(或いは第2特別図柄193)として、例えば各々256種類等の多数の図柄を設定し、第1特別図柄表示装置70(或いは第2特別図柄表示装置71)を構成するLEDの点灯パターンの違いによって多数の図柄を区別できるようにする。そして、これらの多数の図柄を、当否抽選の結果に紐づけた態様で、例えば16種類に分類し、各々が複数の図柄群からなる複数のグループを形成する。さらに、各図柄群に対して、サブメイン基板301で識別可能な符号を割当て、メイン基板102からサブメイン基板301へ、乱数抽選により取得された数値が属する図柄群の符号を、演出パターンを指定するコマンドに含めて送信する。そして、サブメイン基板301は、メイン基板102からのコマンドに基づき、何れの図柄群に係るコマンドであるかを判定し、判定結果に基づき、当否抽選の結果に関連付けて先読み演出を実行する。
ここで、図柄群としては、例えば、小当りのパターン(装飾図柄190a〜190cの停止組合せ態様、大入賞口の開放パターン、など)の違い、或いは、時短の有無、時短のパターン(大当り後50回、100回、次回の大当りまで、など)の違い毎に割当てられたものを考えることができる。
なお、先読み演出に係るコマンドは、当否、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つの情報を1セットとして含むよう、構成することが可能である。さらに、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数は、前述のようにグループ分けされているので、グループを示す情報をコマンドに含めて通信を行うことが可能である。なお、「グループ分け」の用語を「ブロック分け」、「群分け」等の用語に置き換えても、技術上の意義が同様のものとすることができる。
また、状況に応じて先読みコマンドの送信条件を変更設定し、送信条件が設定された状況においては、送信条件に応じたコマンド送信を行うという構成も採用が可能である。例えば、大当り中(特別遊技中)は、第2の遊技に係る第2特別図柄193のみを有効とし、第2特別図柄193に係るコマンドのみを送信することが考えられる。また、第1の遊技及び第2の遊技の何れに係る抽選であるのかといった点や、通常の遊技状態であるのか又は確変(或いは時短や電チューサポート)などがある特定遊技状態であるのかといった点、などに応じ、使用するテーブル類(例えば、当否判定テーブル、図柄判定テーブル、変動パターンテーブル、など)を切換えることも可能である。
なお、保留表示については、上述のような先読み演出を行う遊技状態に限らず、他の種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合で互いの保留表示の態様を異ならせること、普通電動役物の開放延長を行っている場合(開放延長機能作動中の場合)と開放延長を行っていない場合(開放延長機能未作動の場合)で互いの保留表示の態様を異ならせること、などが可能である。保留表示の具体的な態様としては、第1保留数表示部196(または第2保留数表示部197)の形状を、真円から特定のキャラクタやアイテムの形状に変える、といったことを挙げることができる。なお、遊技状態に応じ異ならせた保留表示態様での演出の開始や終了のタイミングを、対応する遊技状態が発生したタイミングに対し遅延させたり、早めたりすることも可能である。
さらに、前述の連続予告の一態様として、前述のように事前情報通知手段157の通知に基づき行われる先読み演出とは異なり、特別図柄の1回の変動中の演出として、変動演出が複数回行われたように装飾図柄190a〜190cの変動表示を行う擬似的な連続予告(以下では「擬似連」と称する)が設けられている。この擬似連においては、特別図柄の1回の変動に係る変動演出中に、遊技者に、装飾図柄190a〜190cがはずれて停止したと思わせるための演出が実行される。この場合の演出としては、装飾図柄190a〜190cに、はずれの組合せ(又は、停止が確定した表示態様となる確定停止時には表示されない組合せ)で、例えば一定の位置に留まりながらも僅かに揺れているといった仮停止表示の態様や、一旦低速変動となってから止まったように見せかけて直ぐに高速変動を再開する態様などを例示できる。
なお、上述の「擬似連」については、以下のように説明することができる。先ず、特別図柄の1回の変動内で、演出図柄表示装置60等での演出上の「変動⇒仮停止」が繰り返されることを擬似連と称する。さらに、この「変動⇒仮停止」を1単位とすると、その繰り返し回数が擬似連回数となる。また、この1単位に係る変動を「擬似変動」と称する。そして、特別図柄に係る1回の変動内での擬似連回数が多いほど(擬似変動を重ねるほど)大当りとなる期待度が高い。また、擬似連回数に応じて、仮停止時の装飾図柄組合せ態様の傾向が異なっても良い。
さらに、擬似連における仮停止時のみ出現しうる特殊装飾図柄(例えば「★」マークなど)を設けてもよく、その場合、特殊装飾図柄は特定の図柄列(例えば中図柄列190b)にのみ出現することとしても良い。また、擬似連回数が多くなるにつれ(擬似変動を重ねるにつれ)、擬似変動にて表示される予告演出は、より大当り期待度の高いものとなる傾向とする(つまり、成り上がっていくといった態様や、ランクアップしていくといった態様となる)。すなわち、N回目の擬似変動にて表示される予告演出よりも、N+1回目の擬似変動にて表示される予告演出のほうが、大当り期待度が高い予告演出となりやすい、といった演出と大当り期待度との関係を設定することが可能である。
また、擬似変動にて表示される予告演出として、N回目の擬似変動とN+1回目の擬似変動で、予告系統(例えば、ステップアップ予告系統、台詞予告系統、群予告系統、次回予告系統など。)が同じとなっても良いし、これらの予告系統の間で切り替わっても良い。この場合、大当り期待度に応じて、同じとするか切り替えるかのいずれとするかの確率を異ならせて良い(切り替わった場合のほうが、大当り期待度が高い設計として良い)。さらに、擬似変動後にリーチとならない場合は、擬似変動後にリーチとなる場合よりも、予告演出の成り上がりが起こりにくい、といった演出傾向の設定が可能である。つまり、N+1回目の擬似変動後、結局リーチに成らない場合は、リーチになる場合よりも、N+1回目の擬似変動にて表示される予告演出は、N回目の擬似変動にて表示される予告演出から成り上がっていないことが多い、といったようなものである。
<リーチ演出の具体例>
<<リーチストック演出に係る表示内容の一例>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における特徴的な演出制御態様について説明する。本実施例においては、前述のようにメイン基板102にて、リーチ演出が対応付けられていない「リーチなし」の変動パターンや、リーチ演出が対応付けられた「ノーマル1」、「ノーマル2」、「ノーマル3」、「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」などの変動パターンの選択が行われる(図10参照)。さらに、本実施例においては、リーチ演出の一態様としてリーチストック演出(以下では「ストック演出」と称する)が実行される場合がある。
このストック演出に係る一連の演出においては、具体的な演出内容は後述するが、一旦リーチの組合せで表示された装飾図柄(ここでは左装飾図柄190a及び右装飾図柄190c)を、抽選結果の表示を留保し、所定タイミングで、表示画面上にストック図柄として一旦備蓄(ストック)する演出であるストック演出が行われる。その後、改めて装飾図柄190a,190c(或いは、中装飾図柄190bを含めた装飾図柄190a〜190c)が登場して、変動表示が行われ、先にストックされたストック図柄を特定タイミングで放出する演出(放出演出)が実行される。そして、この放出演出の後、大当りとなるか、或いは、演出が発展するか否かといった期待を遊技者に抱かせるための演出が行われる。以下に、図12〜図19等に基づき、ストック演出や放出演出を行う一連の演出(ストック関連演出)について具体的に説明する。
先ず、第1特別図柄192又は第2特別図柄193(図7(a)参照)の変動に係る変動演出として、メイン液晶160において、装飾図柄190(a)〜190(c)の変動表示が開始される(図7(b1)参照)。この際、前述のサブ液晶161は、長手方向を横方向(左右方向)に向けた倒伏状態で、且つ、メイン液晶160の前方下方で待機した状態となっている。なお、第1特別図柄192又は第2特別図柄193の変動に係る変動演出としては、変動表示中であることを示す演出に限らず、例えば、大当りの期待度を示唆する演出や、大当り抽選の結果を示すための演出などといったものも含まれる。
続いて、多くの場合は様々な予告を経て、図12(a)に示すようにリーチとなり、左右の装飾図柄190a,190cが、同じ種類の図柄(ここでは「三」図柄)の組み合わせで仮停止した、横方向に1ラインのリーチ表示の状態となる。ここで、本実施例では、説明が煩雑にならないよう、図9(a),(c)示す大当りや小当りの場合の特別図柄「0」〜「9」に対して、漢数字の「零」〜「九」の装飾図柄の組合せが割り当てられているものとする。しかし、これに限定されるものではなく、装飾図柄の種類や、装飾図柄の組合せの数をより多くし、例えば1つの特別図柄に複数種類の装飾図柄の組合せが対応付けられているようにしてもよい。この点は、大当り抽選の結果がはずれの場合でも同様であり、はずれの場合には、例えば1つの特別図柄により多くの種類の装飾図柄の組合せを対応付けることが考えられる。
また、本実施例では、小当りとなった場合にも、装飾図柄190a〜190cを用いて、偶数の漢数字によるぞろ目の表示が行われるようになっているが、これに限らず、小当りの表示としてぞろ目の表示を行わないようにしてもよい。つまり、実質的に出球の獲得が見込めない小当りに対しては、遊技者の期待を煽るリーチ演出等の演出を実行しないことが、演出効果の面からは有効である。このため、リーチ演出や高信頼度演出などの高期待度演出は大当りのみについて行うとともに、小当りについては、高期待度演出を行わないようにし、例えば不揃いの装飾図柄190a〜190cの組合せの表示を実行する、といったことが考えられる。そして、この場合には、例えば、特別図柄の「1」〜「9」を大当りとし、「0」をはずれとし、更にアルファベット等の記号を追加して、「A」を小当りの特別図柄とする、といったことが可能である。
この後、サブ液晶161が、上方へ移動し、メイン液晶160の前で画面を前方に向けたまま所定方向(ここでは時計回り)に90°回転する。そして、サブ液晶161は、図12(b)に示すように、長手方向を上下に向けた起立状態となる。この際メイン液晶160では、サブ液晶161を強調するための演出が実行される。サブ液晶161を強調するための演出としては、例えば図12(b)中に示すように、サブ液晶161の周囲に位置する表示領域で、サブ液晶161に後光164が差しているような表示を行ったり、或いは、炎やオーラが現れる表示を行ったりすることを例示できる。
さらに、図12(c)に示すように、メイン液晶160に表示されていた「三」の装飾図柄190a,190cからなるリーチ図柄が、サブ液晶161に向かって移動しながら徐々に縮小化されて表示される。本実施例では、この際の演出内容の一態様として、リーチ図柄が、図中に二点鎖線で輪郭を示すような通常サイズから、実線で示すような小さなサイズに変形しながら、サブ液晶161に吸い込まれていく様子の演出が実行される。本実施例では、リーチ図柄がサブ液晶161に吸い込まるまでの過程において、装飾図柄190a,190cが、図12(c)中に示すように、メイン液晶160とサブ液晶161に跨って表示される状態が生じるようになっている。
続いて、図12(d)に示すように、サブ液晶161において、横方向に1ラインのリーチ図柄291a,291bが表示され、これらの一連の演出により、リーチ図柄291a,291bがサブ液晶161にストック(リーチストック)される。この後、図12(e)に示すように、サブ液晶161は倒伏状態となって下降し、メイン液晶160の前から下方に移動して元の待機していたときの位置(待機位置)に戻る。
ここで、本実施例では、メイン液晶160中のリーチ図柄がサブ液晶161に移動し、その後にサブ液晶161が倒伏してリーチストックが完了するまでの間に、リーチストック中であることを示す演出が実行される。このリーチストック中であることを示す演出としては、前述の装飾図柄190a,190cがサブ液晶161に吸い込まれる様子の表示のほか、図12(b)に示す後光164等の表示と同様の表示や、「リーチストック」の文字の表示を行う等、種々の演出態様を採用することが可能である。
さらに、図12(f)に示すように、メイン液晶160において、装飾図柄190a,190cの補充が行われ、装飾図柄190a〜190cによる特別図柄の変動に係る演出が改めて行われる。そして、図示は省略するが、「二」図柄による、リーチ表示が再度行われ、この「二」の組合せのリーチ図柄が、前述の「三」の場合と同様に(図12(c)参照)、サブ液晶161に移動してストックされる演出が行われる。
メイン液晶160において装飾図柄190a,190cの補充が行われる場合の演出態様としては、リーチストック時の中装飾図柄190bの表示を半透明化や縮小化したうえで継続し、装飾図柄190a,190cを改めて登場させ、装飾図柄190a〜190cの透明度を下げて視認可能とする演出態様を例示できる。また、この他にも、中装飾図柄190bを見えないように一旦隠した後、左中右の装飾図柄190a〜190cを纏めて登場させる、といった態様も採用が可能である。さらに、中装飾図柄190bを一旦隠す態様としては、消去のほか、何らかの画像の背後に見えないように配置する、といったものを例示できる。
これらの2回のストック演出を経て、図13(a)中に示すように、「二」と「三」の2組のリーチ図柄(291a及び291c,292a及び292c)が、サブ液晶161の画面中において上下2段にストックされる。この結果、サブ液晶161の表示領域には、横2ラインのリーチが保有される。
なお、図13(a)は、その後に更に装飾図柄190a〜190cの変動表示を経て、メイン液晶160に「一」図柄によるリーチ表示がされた状態を示している。つまり、図13(a)は、特別図柄の1回の変動に係る変動演出において、メイン液晶160で3回のリーチ表示が行われた状態を示している。そして、この状態においては、サブ液晶161に2ラインのリーチ図柄がストックされ、メイン液晶160に1ラインのリーチ図柄が、3回目のリーチとして表示され、演出図柄表示装置60に全体として合計3ラインのリーチが保有されていることになる。
続いて、図13(b)に示すように演出がルーレット演出に発展し、第1ルーレット(以下では「修羅場ルーレット」と称する)295が表示される。この修羅場ルーレット295には、8つの目(選択肢)が描かれており、4種類のアイテムA〜Dが各目に順に割り当てられている。つまり、修羅場ルーレット295上においては、4種類のアイテムA〜Dが、順に2箇所ずつ、180°離間した位置に表示されている。そして、この修羅場ルーレット295を用いた修羅場リーチの演出(修羅場リーチ演出)においては、修羅場ルーレット295の各目が、例えば時計回りに順に反転表示(強調表示)される。そして、反転表示部位が時計回りに移動するとともに、反転表示部位の移動速度が徐々に低下し、反転表示部位が停止して最後に反転表示された目が、後述のように指定されたアイテム(ここではアイテムB)であった場合に、ルーレット成功となる。
アイテムの指定は、図13(c)に示すように、メイン液晶160にメッセージを表示することにより行われる。ここでは、メイン液晶160に「アイテムBを百個作り上げれば超修羅場リーチに発展」とのメッセージが、例えば緑色の文字を用いて表示されて、アイテムBの指定と、指定通りの結果となった場合の、発展先の演出の紹介が行われている。そして、ルーレット成功の場合には、リーチ演出が、大当り期待度が相対的に低いスーパーリーチである弱リーチの演出から、大当り期待度が相対的に高いスーパーリーチである強リーチ(ここでは後述する「超修羅場リーチ1」)の演出に発展する。ここで、弱リーチと強リーチの区別については、例えば、演出の発展の有無が不明なリーチの演出、又は、リーチが発展するかどうかを煽るための演出を伴うリーチを「弱リーチ」とし、この弱リーチよりも大当りの期待が高く、煽りの度合いを高めたリーチの演出を「強リーチ」とすることも可能である。
一方、修羅場ルーレット295が指定されたアイテムBの目で停止しなかった場合には、修羅場リーチ演出におけるルーレットの失敗(演出上の「ハズレ」)となり、図13(d)に示すように、メイン液晶160にハズレの中装飾図柄190b(ここでは「八」図柄)と、「失敗」の文字293が表示される。さらに、本実施例では、ルーレットに失敗した場合には、そのまま大当り抽選の結果がはずれであることを示すはずれの態様での確定表示が行われる場合と、リーチ演出が、サブ液晶161にストックされた図柄を利用して、弱リーチから次の段階の弱リーチに進展する場合とがある。ここで、「次の段階の弱リーチ」は、先に実行される弱リーチの演出と比べて大当りの期待度が高いリーチの演出であるが、前述の強リーチよりも大当りの期待度が低いリーチ演出である。なお、修羅場ルーレット295の構成や演出態様としては、上述のものに限らず、種々のものを採用することが可能である。例えば、修羅場ルーレット295に「×」などのように、明確に消極的な意味を表す目を設け、「×」以外の目で停止した場合はルーレット成功とし、「×」の目で停止した場合はルーレット失敗とする、といった演出態様も採用が可能である。
また、上述の実施例では、メッセージ(図13(c)参照)により指定されたアイテムが、修羅場ルーレット295(図13(b)参照)で選択された場合に、ルーレット成功となって次の演出に発展するようにしているが、これに限らず、修羅場ルーレット295で選択されたアイテムに応じた演出内容に発展するといった演出態様も採用が可能である。このような演出態様においては、例えば図13を流用して説明すれば、図13(b)に示す修羅場ルーレット295でアイテムBが選択された場合には、図13(c)に示すように、選択された目に応じた演出に発展し、メイン液晶160に選択結果に応じたメッセージである「アイテムBを百個作り上げれば超修羅場リーチに発展」の文章が、例えば緑色の文字を用いて表示される。そして、アイテムBを百個作れるか否かの内容の演出が実行され、アイテムBを百個作り上げることができた場合には、メッセージ内容に対する成功となり、作り上げることができなかった場合にはメッセージ内容に対する失敗となる(図13(d)参照)。このような演出態様は、後述する2回目以降の修羅場ルーレット295の演出(図13(g)参照)についても同様に適用できるものである。
そして、ルーレットでの失敗(或いはメッセージ内容に対する失敗)を経て「次の段階の弱リーチ」に進展する場合には、例えば、図13(e)に示すように、メイン液晶160における「一」図柄のリーチ表示が消去され、サブ液晶161がメイン液晶160の前に上昇する。そして、メイン液晶160において、サブ液晶161を強調する表示が行われ、図13(f)に示すように、サブ液晶161にストックされていた「二」図柄がメイン液晶160に放出されて移動し、放出された図柄(放出図柄)である「二」の装飾図柄190a,190cにより、リーチ(放出リーチ)の表示が行われる。以下では、ルーレットで失敗した後に行われる弱リーチのリーチ演出を「追っかけリーチ」、或いは「放出リーチ」と称する。そして、この追っかけリーチとなった後には、図13(f)に示すように、サブ液晶161が下降して元の待機位置に戻るようになっている。また、本実施例では、この追っかけリーチは、放出演出によりリーチになる演出となっている。
続いて、図13(g)に示すように、再度、修羅場ルーレット295が表示され、図13(h)に示すようにメッセージ表示により、アイテムの指定と、その後の遊技状況の説明が行われる。ここでは、メイン液晶160に「アイテムCが完成すれば超修羅場リーチに発展」との赤色の文字のメッセージにより、アイテムCが指定されている。ここで、本実施例では、先の弱リーチよりも、放出後の「次の段階の弱リーチ」のほうが大当り期待度や、強リーチへの発展期待度が高くなっており、そのことがメイン液晶160に表示されたメッセージの文字色を異ならせること(ここでは赤色とすること)で遊技者に示されている。そして、ルーレット成功の場合には、図13(i)に示すように、「超修羅場」の文字が描かれた特殊図柄(以下では「超修羅場絵柄」、或いは「第1特殊絵柄」と称する場合がある)296が中装飾図柄190bの代わりに停止する様子と、「成功」の文字294が表示され、リーチ演出が、強リーチである超修羅場リーチに発展する。なお、ここでは、先の弱リーチの後に「次の段階の弱リーチ」に進展するものとして説明しているが、例えば、両方の弱リーチを一つの弱リーチとして纏めて捉え、最初の修羅場ルーレット295(図13(b)参照)を伴う弱リーチに失敗して、次の修羅場ルーレット295(図13(g)参照)に進展するものとして把握することも可能である。
一方、修羅場ルーレット295上の反転表示部位が指定されたアイテムCの目で停止しなかった場合には、修羅場リーチ演出におけるルーレットの失敗(演出上のハズレ)となり、図13(d)に示す場合と同様に、ハズレを示す装飾図柄190bや「失敗」の文字293の表示が行われる。そして、この2回目の修羅場ルーレット295で失敗した場合も、1回目の場合と同様に、そのままはずれの確定表示が行われる場合と、リーチ演出が、サブ液晶161に残されている図柄を利用して、次の段階の弱リーチに進展する場合とがある。
さらに、本実施例では、2回目のルーレットで成功した場合には、リーチ演出が強リーチに発展し、図14(a)に示すように、メイン液晶160に、「必殺」の文字からなる必殺役物297が表示される。そして、この必殺役物297が予め定められた所定の態様に変化し、その後に、強リーチの演出が次の段階に進展する。ここで、必殺役物297については、立体的な描画態様が採用されており、例えばその色彩が下方から上方へ向かって変化し、黒色系の暗い態様から、徐々に明るい赤色系に変わると、必殺役物が完成した態様となる。なお、ここでは、メイン液晶160に表示される「必殺」の文字を必殺役物297としている。しかし、これに限らず、例えば「必殺」の文字の形状を有する可動演出部材を採用し、複数の構成部材が組み合わさって「必殺」の文字の可動演出部材が完成した場合に、必殺役物が完成したとすることが可能である。
続いて、図14(b)に示すようにルーレット演出に発展し、第2ルーレット(以下では「超修羅場ルーレット」と称する)298が表示される。この超修羅場ルーレット298には、前述の修羅場ルーレット295(図13(b)又は図13(g)を参照)よりも多数の目を有しているように描かれており、2種類のキャラクタA,Bが、各目に交互に割り当てられている。そして、メイン液晶160には、例えば連続した5個の目のみが同時に表示されるようになっており、この超修羅場ルーレット298が、例えば反時計回りに回転変位して停止すると、指示マーク299により指示された目のキャラクタ(ここではキャラクタA)に係る当りとなる。つまり、本実施例では、演出上の主人公としてキャラクタAが採用されており、このキャラクタAが選択された場合にはルーレット成功となる。そして、その後は、キャラクタAを用いて演出が継続されるが、超修羅場ルーレット298で、主人公ではないキャラクタBが選択された場合には、その後の演出に進展しないようになっている。そして、図14(c)中に示すように、図中に符号Aで示すキャラクタAと、符号Cで示す他のキャラクタ(ここではキャラクタC)との対決場面が表示されて、大当りの期待を煽るための演出が実行される。この後、図示は省略するが、大当り抽選の結果が大当りである場合には、キャラクタAがキャラクタCとの対決に勝利して、そのまま大当りとなる場合がある。
また、キャラクタAがキャラクタCとの対決に敗北するなどの演出を経て、リーチ演出が進展した場合には、2回目の追っかけリーチとなる。この際、図14(d)に示すように、一旦、ハズレの組合せとなるように中装飾図柄190b(ここでは「一」図柄)が表示されるが、この装飾図柄190bとキャラクタAの画像等とで、発展の期待を煽るための演出が行われ、図14(e)に示すように、サブ液晶161がメイン液晶160の前に上昇する。そして、メイン液晶160にて例えば後光164の表示が行われた後、サブ液晶161にストックされていた「三」のリーチ図柄291a,291bが、図14(f)に示すように、メイン液晶160に移動して、左右の装飾図柄190a,190cとなる。図14(f)に示す例では、この際、「まだまだ」の文字300が併せて表示されている。
続いて、図14(g)に示すように、再度キャラクタAとキャラクタCとの対決場面が表示され、大当りとなるか否かの期待を煽るための演出が実行される。そして、大当り抽選の結果が大当りである場合には、図14(h)に示すように、中央の装飾図柄190bが「三」の図柄で停止し、サブ液晶161から最後に放出された「三」の装飾図柄190a,190cとともに3桁が同じ図柄で揃った大当りの組合せが表示される。なお、図示は省略するが、この後に装飾図柄190a〜190cについて再抽選の演出が実行される。この再抽選の演出においては、装飾図柄190a〜190cが、メイン液晶160の画面の奥へ縮小しながら移動して一旦見えなくなる表示が行われ、装飾図柄190a〜190cが再度前進しながら拡大される。そして、装飾図柄190a〜190cが、再抽選前の元の大きさになった場合に、4Rの確変大当りに対応「三」のままとなるのか、16R確変大当りに対応する「七」に昇格するのか、といった緊張を高めるような演出が行われる。
<<リーチライン数と演出分岐との関係>>
<<<1ライン保有時>>>
以上は、リーチストックに係る演出を経て、装飾図柄190a〜190cの確定表示が行われるまでにおける演出態様の一例を示したものであるが、次に、図15〜図17に基づき、成立したリーチのライン数に応じた演出の発展態様に係る特徴について説明する。ここで、図15〜図17は、何れも最初の修羅場リーチ(修羅場ルーレット295(図13(b)参照)が登場するリーチ)が実行された以降における演出の分岐(演出分岐)を示している。そして、図15は、1ラインのリーチ図柄が保有された状態で修羅場リーチとなった場合の、その後の演出分岐の一例を示している。また、図16は、2ラインのリーチ図柄が保有された状態で修羅場リーチとなった場合の、その後の演出分岐の一例を示しており、図17は、図14(a)に示す状況と同様に、3ラインのリーチ図柄が保有された状態で修羅場リーチとなった場合の、その後の以降の演出分岐の一例を示している。ここで、本実施例におけるラインの保有は、メイン液晶160に表示されているライン数とサブ液晶161の表示されているライン数の合計により定まるようになっている。つまり、ライン数は、サブ液晶161にストックしている数のみを表しているわけではなく、メイン液晶160でその時点で展開しているリーチと、サブ液晶161でストックされているリーチとの両方を合わせて「保有」という事象を構成し、リーチライン数が決定されるようになっている。
先ず、図15に示すように、リーチライン数が1ラインの状態で修羅場リーチとなる場合には、メイン液晶160に装飾図柄190a,190cによるリーチ図柄が表示されている状態から、修羅場ルーレット295が登場する(S101)。そして、この場合の演出分岐の可能性としては、図15中に示すように、超修羅場絵柄停止(S102)、修羅場リーチ1(S103)、第2特殊絵柄停止(S104)、第3特殊絵柄停止(S105)、或いは、ハズレ(S106)の何れかの演出系統への分岐が挙げられる。ここで、装飾図柄190a〜190cの停止は、前述の確定停止を除いては、暫定的な停止態様である仮停止である。そして、このことは、前述の擬似連中における途中段階の停止や、各特殊絵柄の停止などについても同様である。また、一実施例として前述したように、修羅場ルーレット295で演出の分岐先を決めるような場合には、修羅場ルーレット295の目に、超修羅場絵柄停止(S102)、修羅場リーチ1(S103)、第2特殊絵柄停止(S104)、第3特殊絵柄停止(S105)、及び、ハズレ(S106)に対応するものを設けておくことが可能である。
これらのうち、超修羅場絵柄停止(S102)は、前述の超修羅場絵柄(第1特殊絵柄)296が仮停止表示される演出(図13(i)参照)を示している。そして、前述の修羅場ルーレット(S101)から超修羅場絵柄停止(S102)の演出系統へ演出が分岐した場合には、後述する必殺役物完成(S108)に演出が進行する。この修羅場ルーレット(S101)から超修羅場絵柄停止(S102)を経て必殺役物完成(S108)に至る演出は、図13(g)〜図14(a)を用いて説明した前述の演出の展開と同様のものとすることができる。
次に、前述の修羅場リーチ1(S103)の演出系統について説明する。ここで、修羅場リーチ1(S103)は、修羅場ルーレット295を用いた修羅場リーチの演出(修羅場リーチ演出)のことであり、ここでは、以降に出現する他の種類の修羅場リーチと区別できるよう、「修羅場リーチ1」の名称を付している。そして、この修羅場リーチ1(S103)の演出系統に演出が分岐した場合には、更に修羅場ルーレット295の成功(S107)又は失敗(ハズレ(S112))の何れかに分岐する。そして、ハズレ(S112)に演出が分岐した場合(大当り抽選の結果がはずれの場合)には、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。この場合の演出態様としては、図13(c),(h)に示す演出態様と同様のものとすることができる。
演出が成功(S107)に分岐した場合には、必殺役物完成(S108)、超修羅場ルーレット(S109)、強リーチである超修羅場リーチ(S110)を経て、大当り抽選の結果が大当りの場合にはアタリ(S111)へ進展する。修羅場リーチ1(S103)の成功(S107)から必殺役物完成(S108)、超修羅場ルーレット(S109)、超修羅場リーチ(S110)に至る演出は、図13(g)〜図14(c)を用いて説明した前述の演出の展開と同様のものとすることができる。なお、本実施例では、演出上の当りや成功を「アタリ」と称し、演出上のはずれや失敗を「ハズレ」と称する場合があるが、確定停止時の「アタリ」や「ハズレ」は大当り抽選の結果を表すものとなる。
ここで、ルーレットに係る演出は、その後の演出分岐における分岐手前の演出であり、ルーレットに係る成功又は失敗の演出は、分岐先の演出であるということがいえる。さらに、ルーレットに係る成功は、積極的結果への分岐であり、失敗は消極的結果への分岐であるといえる。そして、この「積極的結果」や「消極的結果」は、大当り抽選の結果である大当りやはずれを表す場合もあるが、その後の発展に繋がる場合などには、大当り抽選の結果に対応しない場合もあるものである。この点は、前述した、或いは、後述する各種のルーレット演出についても同様である。なお、分岐手前の演出としては、ルーレット演出に限定されず、成功と失敗に分岐可能な演出であれば、他の演出態様も採用が可能である。
次に、前述の第2特殊絵柄停止(S104)の演出系統について説明する。この第2特殊絵柄停止(S104)には、図中に破線の矢印で示すように、前述の修羅場リーチ(S103)から分岐する場合もある。第2特殊絵柄停止(S104)は、第2特殊絵柄(図示略)が停止(仮停止)表示される演出を示している。ここで用いられる第2特殊絵柄は、上述の超修羅場絵柄296と同様に特殊絵柄の一種として設けられているものであり、この第2特殊絵柄が停止すると、サブ液晶161がメイン液晶160の前に上昇する演出(サブ液晶出現(S114))、又は、後述する第4特殊絵柄がメイン液晶160に表示される演出(第4特殊絵柄出現(S116))の何れかに演出が分岐する。
そして、第2特殊絵柄としては、遊技者が、サブ液晶161を用いた演出に進展することを想起できるような絵や文言が描かれたものを例示できる。より具体的には、サブ液晶161の液晶ディスプレイを装飾しているケーシングが、例えば宝石箱のようなものであれば、「宝石」の文字や絵などが描画された札の絵柄を例示できる。そして、この第2特殊絵柄は、前述した擬似連における仮停止時のみ出現しうる特殊装飾図柄として機能しているものであり、リーチ時において中図柄列にこの第2特殊絵柄が仮停止することで、そのリーチがストックされる、といった一連の演出が実行されている。
この第2特殊絵柄停止(S104)から、サブ液晶出現(S114)に演出が分岐した場合には、図12(a)〜図13(c)に示したように、サブ液晶161が上昇して起立状態となり(図12(b)参照)、メイン液晶160に表示されていた装飾図柄190a,190cがサブ液晶161に移動し(図12(c)参照)、ストックされて1ラインが獲得される(図13(a),(b)参照)。そして、その後にメイン液晶160で改めて装飾図柄の変動表示が行われ(図13(c)参照)、再度メイン液晶160でリーチ表示が行われた場合には、メイン液晶160とサブ液晶161とで合計2ラインのリーチ図柄が保有されたことになり、後述する2ライン保有時の演出フロー(図16参照)に移行する。
一方、第2特殊絵柄停止(S104)から第4特殊絵柄出現(S116)に演出が分岐した場合には、図示は省略するが、第4特殊絵柄が出現する。この第4特殊絵柄は、前述の超修羅場絵柄(第1特殊絵柄)296や第2特殊絵柄と同様に、特殊絵柄の一種として設けられているものであり、この第4特殊絵柄がメイン液晶160で停止すると、後述する特殊リーチ演出(S117)に発展する。ここで、第4特殊絵柄や特殊リーチ演出(S117)の態様については後述する。
次に、前述の第3特殊絵柄停止(S105)の演出系統について説明する。第3特殊絵柄停止(S105)は、第3特殊絵柄(図示略)が仮停止表示される演出を示している。ここで用いられる第3特殊絵柄は、前述の超修羅場絵柄296や第2特殊絵柄と同様に、特殊絵柄の一種として設けられているものである。そして、この第3特殊絵柄が停止すると、上述の第4特殊絵柄出現(S116)の場合と同様に、第4特殊絵柄が出現し(S118)、特殊リーチ演出(S119)に発展する。
第3特殊絵柄としては、遊技者が、特殊リーチ演出(S117)に発展することを想起できるような絵や文言が描かれたものを例示できる。これに対して、前述の第4特殊絵柄としては、上述の第3特殊絵柄とは異なる態様で、第3特殊絵柄と同様に、遊技者が、特殊リーチ演出(S119)に発展することを想起できるような絵や文言が描かれたものを例示できる。ここで、本実施例では、第3特殊絵柄の他に第4特殊絵柄を設けているが、これに限定されるものではなく、第4特殊絵柄を設けず、例えば、演出発展契機となる役物動作(可動演出部材の動作)を設け、この可動演出部材を第4特殊絵柄に代替して用いてもよい。
次に、前述のハズレ(S106)の演出は、他のハズレ(S112,S113)の演出と同様に、大当り抽選の結果がはずれの場合に変動演出をはずれの内容で確定させる演出である。そして、このハズレ(S106)においては、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
<<<2ライン保有時>>>
次に、サブ液晶161に1ラインがストックされ、メイン液晶160のリーチ図柄と合せて2ラインが保有された場合の演出分岐の一例について、図16に基づき説明する。なお、前述の1ライン保有時と同様に進展する演出については同一符号を付し、その説明は省略する。
先ず、リーチライン数が2ラインの状態で修羅場リーチとなると、1ライン保有時と同様に、メイン液晶160に装飾図柄190a,190cによるリーチ図柄が表示され、更にサブ液晶161に1ラインのストック図柄が表示されている状態(図13(f)に示す状況と同様な状況)から、修羅場ルーレット295が登場する(S101)。そして、この場合に超修羅場絵柄停止(S102)、修羅場リーチ1(S103)、第2特殊絵柄停止(S104)、第3特殊絵柄停止(S105)への演出分岐の可能性がある点は1ライン保有時と同様である。しかし、2ライン保有時に係る本実施形態では、1ライン保有時のハズレ(図15のS106参照)への分岐がなく、演出の発展が保証されている。つまり、ストックを残したまま変動演出がハズレ(はずれ)で確定停止することはなく、何らかの演出に発展するようになっている。
また、修羅場リーチ1(S103)の演出系統において、超修羅場リーチ(S110)でハズレ(S113)となった後に、ストック図柄の放出を伴う追っかけリーチ(S131)が実行され、前述の追っかけリーチ(図13(f)参照)と同様に、サブ液晶161に保有されていたストック図柄がメイン液晶160に放出される。ここで、図13(f)は、後述する3ライン保有があった場合における追っかけリーチの一例を示すものであるが、ここで説明している2ライン保有時には、サブ液晶161にストック図柄が一組も表示されていない点で、図13(f)の3ライン保有時とは異なる。
この後、大当りの期待を煽る超修羅場あおり(S132)の演出に進展し、大当り抽選の結果に応じてアタリ(S133)又はハズレ(S134)に分岐する。ここで、超修羅場あおり(S132)の演出は、超修羅場リーチ(S110)でハズレとなった後に、再度同じ種類のリーチ演出を実行するが、そのリーチ演出において当落に係る煽り部分の演出のみを行うものであり、必ずしも放出演出である追っかけリーチ(S131)等の実行を要するものではない。つまり、超修羅場リーチ(S110)に係る一連の演出は、前半部分と後半部分に分けることができ、超修羅場あおり(S132)の演出は、一連の演出の後半部分のみを行うものとなっている。そして、超修羅場あおり(S132)は、その前段階のリーチ演出と必ずセットで実行されるといったものではなく、一連の演出の途中から再度煽り演出を実行する、といった考え方に基づくものである。この点は、この後に説明する3ライン保有時の各種の超修羅場リーチについても同様である。そして、超修羅場あおり(S132)としては、前述の超修羅場ルーレット(S109)や超修羅場リーチ(S110)のような演出を行うことが考えられる。このため、前述の超修羅場ルーレット(S109)や超修羅場リーチ(S110)は1回目の超修羅場あおりの演出(1回目の強リーチ)として捉えることができ、このような意味において、超修羅場あおり(S132)は2回目の超修羅場あおり(2回目の強リーチ)であるということができる。その意味で、図21中では、S132について「超修羅場あおり2回目」と記載している。
さらに、同じく修羅場リーチ1(S103)の演出系統において、修羅場リーチ1(S103)の後にハズレ(S112)となった場合には、追っかけリーチ(S136)となり、その後は修羅場ルーレット295を用いる修羅場ルーレット(S137)に進展する。そして、この場合には、前述の修羅場リーチ1(S103)とは異なる意味を持った修羅場リーチである修羅場リーチ2(S138)に発展するが、この修羅場リーチ2(S138)の演出態様としては、図13(g),(h)に示す演出態様と同様のものとすることができる。ここで、図13(g),(h)は、後述する3ライン保有時の修羅場リーチ2の一例を示すものであり、2ライン保有時には、サブ液晶161にストック図柄が一組も表示されていない点で、後述する3ライン保有時の修羅場リーチ2(S138)とは異なる。
さらに、修羅場リーチ2(S138)の後に演出が成功(S139)に分岐すると、必殺役物完成(S140)、超修羅場ルーレット(S141)、超修羅場リーチ(S142)へと演出が進行する。修羅場リーチ2(S142)の後にハズレ(S144)となると、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
修羅場リーチ2の後に成功(S139)、必殺役物完成(S140)、超修羅場ルーレット(S141)、超修羅場リーチ(S142)と演出が進行した場合には、大当り抽選の結果に応じてアタリ(S133)又はハズレ(S134)に分岐する。また、修羅場リーチ2(S138)から成功(S139)を経て必殺役物完成(S140)に至る演出は、図13(g)〜図14(a)を用いて説明した前述の演出の展開と同様のものとすることができる。
さらに、本実施例においては、2ライン保有時の超修羅場絵柄停止(S102)の演出系統、及び、第2特殊絵柄停止(S104)の演出系統は、1ライン保有時と同様としている。しかし、第3特殊絵柄停止(S105)の演出系統においては、第4特殊絵柄の出現を行わずに、特殊リーチ演出(S119)に発展する点で、1ライン保有時とは演出の構成を異ならせている。
このような2ライン保有時には、修羅場リーチ(S103)から1回の追っかけリーチ(S131)を経由する演出系統に分岐すると、リーチ図柄を2組使用して、超修羅場リーチ(S110)、超修羅場あおり(S132)といった2回の強リーチに進むことができるようになっている。
<<<3ライン保有時>>>
次に、サブ液晶161に2ラインがストックされ、メイン液晶160のリーチ図柄と合せて3ラインが保有された場合の演出分岐の一例について、図17に基づき説明する。なお、前述の1ライン保有時や2ライン保有時と同様に進展する演出については同一符号を付し、その説明は省略する。
先ず、リーチライン数が3ラインの状態で修羅場リーチとなると、1ライン保有時等と同様に、メイン液晶160に装飾図柄190a,190cによるリーチ図柄が表示され、更にサブ液晶161に2ラインのストック図柄が表示されている状態(図14(a)参照)から、修羅場ルーレット295が登場する(S101)。そして、この場合に超修羅場絵柄停止(S102)、修羅場リーチ1(S103)、第2特殊絵柄停止(S104)、第3特殊絵柄停止(S105)への演出分岐の可能性がある点は1ライン保有時や2ライン保有時と同様である。また、1ライン保有時のハズレ(図15のS106参照)への分岐がない点は、2ライン保有時と同様である。
さらに、この3ライン保有時には、修羅場リーチ1(S103)の演出系統において、前述した2回目の超修羅場あおり(S132)に続いてハズレ(S134)となった後に、ストック図柄の放出を伴う追っかけリーチ(S151)が実行され、図13(f)に示すように、サブ液晶161に保有されていたストック図柄292a,292cがメイン液晶160に放出される。
この後、大当りの期待を煽る3回目の超修羅場あおりの演出(S152)に進展し、大当り抽選の結果に応じてアタリ(S153)又はハズレ(S154)に分岐する。ここで、修羅場あおり(S152)としては、前述の超修羅場ルーレット(S109)や超修羅場リーチ(S110)のような演出を行うことが考えられる。
さらに、同じく修羅場リーチ1(S103)の演出系統において、超修羅場リーチ(S142)の後にハズレ(S145)となった場合には、追っかけリーチ(S156)となり、その後は超修羅場ルーレット298(図14(b)参照)を用いる超修羅場あおり(S157)に進展する。この超修羅場あおり(S157)としては、修羅場リーチ1(S103)の最初のハズレ(S112)以降の演出系統における、前述の超修羅場ルーレット(S141)や超修羅場リーチ(S142)のような演出を行うことが考えられる。そして、前述の超修羅場ルーレット(S141)や超修羅場リーチ(S142)は、ハズレ(S112)の演出系統における1回目の超修羅場あおりの演出として捉えることができ、このような意味において、超修羅場あおり(S157)は、ハズレ(S112)の演出系統における2回目の超修羅場あおりであるということができる。
そして、大当り抽選の結果が大当りの場合には、このハズレ(S112)の演出系統における2回目の超修羅場あおり(S157)の後に演出がアタリ(S153)に進展し、メイン液晶160にて大当りの装飾図柄190a〜190cの組合せ表示される(図14(h)参照)。一方、大当り抽選の結果がはずれの場合には、演出がハズレ(S154)に進展し、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
さらに、同じく修羅場リーチ1(S103)の演出系統において、修羅場リーチ2(S138)の後にハズレ(S144)となった場合には、追っかけリーチ(S161)となり、その後は修羅場ルーレット(S162)、修羅場リーチ3(S163)と演出が進行する。そして、修羅場リーチ3(S163)の後に、大当り抽選の結果に応じてハズレ(S169)となると、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。これに対して、修羅場リーチ3(S163)の後に成功(S164)となると、必殺役物完成(S165)、超修羅場ルーレット(S166)、超修羅場リーチ(S167)と演出が進行する。そして、大当り抽選の結果に応じて、演出がアタリ(S168)又はハズレ(S170)に分岐する。
さらに、本実施例においては、3ライン保有時の第3特殊絵柄停止(S105)の演出系統にて、第4特殊絵柄の出現を行わずに、特殊リーチ演出(S119)に発展する点で、1ライン保有時とは演出の構成を異ならせている。
このような3ライン保有時には、修羅場リーチ(S103)から2回の追っかけリーチ(S131,S151)を経由する演出系統に分岐すると、リーチ図柄を3組使用して、超修羅場リーチ(S110)、2回目の超修羅場あおり(S132)、3回目の超修羅場あおり(S152)といった3回の強リーチに進むことができるようになっている。このような3ライン保有時の基本系統に対し、例えば、修羅場リーチ1(S103)から修羅場リーチ2(S138)、ハズレ(S144)、追っかけリーチ(S161)、必殺役物完成(S165)、超修羅場ルーレット(S166)、及び、超修羅場リーチ(S167)と経由する演出系統は、強リーチが超修羅場リーチ(S167)のみの1回とされており、図16に示す2ライン保有時の、2回の強リーチの演出が実行される基本の演出系統(超修羅場リーチ(S110)、超修羅場あおり(S132)を経由する演出系統)に比べて、強リーチの回数が少ないものとされている。
なお、本実施例では、メイン液晶160に表示された状態のリーチ図柄を含めてストック演出に係るライン数を規定しているが、これに限定されず、ライン数を、サブ液晶161にストックされたリーチ図柄のライン数のみにより規定するようにしてもよい。
<<ストック態様と大当り信頼度との関係>>
本実施例においては、ストック演出のライン数と大当り信頼度との関係は、前述のような基本の演出系統に係る対比においては、ライン数が増えるほど強リーチの回数が相対的に多くなりやすく、大当りの信頼度が高まる(高信頼度演出となる)ように設定されている。なお、ここでは説明を簡略化するために、前述のスーパー2の変動パターン(図10(b)参照)の全ての場合においてストック演出が実行されるものとして説明する。
図10(b)中に示すように、スーパー2の変動パターンが選択され得る16R大当りの場合には、パターン抽選値は、「23520〜47039」の数値範囲をとり、数値個数は23520個となっている。この数値範囲のうち、1ラインには「23520〜27047」の3528個の数値が割り当てられ、2ラインには「27048〜35044」の7997個の数値が割り当てられ、3ラインには「35045〜47039」の11995個の数値が割り当てられている。そして、スーパー2の変動パターンで大当りとなる場合には、1ラインのストック演出が15%(=3528/23520)の確率で選択されることになる。また、2ラインのストック演出は約34%(≒7997/23520)の確率で選択され、3ラインのストック演出は約51%(≒11995/23520)の確率で選択される。そして、はずれにおけるスーパー2では、この関係が逆になり、それらをトータル(当りとはずれの両方を勘案)すると、演出発生割合としては、1ライン>2ライン>3ラインの関係を成立させることが望ましい。つまり、大当りに関して、1ラインのような低期待度のものは出やすく外れやすい、3ラインのような高期待度のものは出にくく外れにくい、といった大当り信頼度との関係を設定することが望ましい。
さらに、本実施例では、基本の演出系統については、ライン数毎に強リーチの最大出現回数が異なっており、1ラインでは最大で1回の強リーチが出現し、2ラインでは最大で2回の強リーチが出現し、3ラインでは最大で3回の強リーチが出現するようになっている。ここで、1ライン保有時において強リーチに発展する際の演出は、超修羅場リーチ(S110)を経由する演出である。また、前述したように、2ライン保有時における基本の演出系統は、超修羅場リーチ(S110)、及び超修羅場あおり(S132)を経由する演出系統であり、3ライン保有時における基本の演出系統は、超修羅場リーチ(S110)、超修羅場あおり(S132)、及び、超修羅場あおり(S152)を経由する演出系統である。このように、本実施例では、基本の演出系統に係る対比のうえでは、強リーチでの再チャレンジの回数が多いほど大当り期待度が高まるようになっている。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、前述のように、例えば2ラインで強リーチが2回の場合のほうが、3ラインで強リーチが1回の場合よりも、大当り信頼度が高くなる、といった大当り信頼度の設定も可能なものである。また、本発明は、保有数が多くてもなかなか強リーチに発展しない場合よりは、保有数が少なくてもすぐに強リーチに発展するほうが大当り期待度が高くなる、といった大当り信頼度の設定も可能なものである。
また、ストック図柄の用法に係る演出態様と大当り信頼度との関係としては、他にも種々の態様を考えることができる。例えば、ストック演出を実行しながらも、放出演出は実行せず、ストックされた図柄を使用しないまま大当りとなる場合のリーチ演出の大当り信頼度は、放出演出を実行するリーチ演出の大当り信頼度よりも高い、といったものを例示できる。そして、このような演出態様によれば、ストック図柄を使用せずにリーチ演出が発展する場合は、ストック図柄を使用してリーチ演出が発展する場合に比べて、大当りが発生し易い、といった演出が可能となる。
<<特殊リーチ演出の一例>>
次に、前述の特殊リーチ演出(図15〜図17中のS117,S119参照)の一実施態様について、図18に基づき説明する。この特殊リーチ演出は、擬似連に紐づけされていない演出態様であり、図15〜図17中の最初の修羅場ルーレット(S101)以降において、煽りのための演出を行いながら、テンポよく迅速にリーチライン数を増やしていく機能を有している。また、特殊リーチ演出においては、修羅場リーチに係る煽りを所定回数(ここでは10回)繰り返した後、ライン数を所定数(ここでは最大数である10ライン)まで増加させたか否か応じて、異なる態様の特殊リーチ演出に進展する。以下では、特殊リーチ演出(S117)に発展した場合の一例を説明する。
特殊リーチ演出(S117)に発展すると、図18(a)中の最上段に示すように、1回目の修羅場リーチ(S181)の演出が実行される。この特殊リーチ演出(S117)で実行される10回の修羅場リーチ(S181〜S190)は、特殊リーチ演出(S117)以外で実行される前述の修羅場リーチの演出の一部を省略し、煽り部分のみを実行するものとなっている。
そして、特殊リーチ演出(S117)で実行される修羅場リーチ(S181〜S190)には、1回につき2〜3秒程度の時間が割り当てられている。さらに、特殊リーチ演出(S117)での修羅場リーチ(S181〜S190)においては、演出が成功(S201〜S210)と失敗(S211〜S220)に分岐するようになっており、成功(S191)の場合にはリーチライン数を1ライン増加させる。また、失敗(S201)の場合には、リーチライン数を増加させることなく、次の回の修羅場リーチ(S182)に進展する。そして、修羅場リーチが第1回から第10回に亘り繰り返され(S181〜S190)、演出がそのうちの何回で成功(S201〜S210)に分岐したかに応じて、即ち成功回数に応じて、メイン液晶160に表示されるライン数が異なるようになっている。
ここで、図18の右側中段に示す図18(b)には、特殊リーチ演出(S117)中におけるメイン液晶160の表示例を付加して示している。そして、この表示例においては、装飾図柄190a〜190cの変動方向が、通常時の上から下への縦スクロールから、右から左への横スクロールに変更されている。さらに、図18(b)中においては、上段では左から順に「一」〜「六」の装飾図柄が停止しており、下段では左から「六」〜「一」の装飾図柄が停止している。また、中段においては、装飾図柄がスクロール変動中の状態にある。
そして、この表示例においては、6回の修羅場リーチで成功し、メイン液晶160に、上段の装飾図柄190aと下段の装飾図柄190cのうちの、同じ図柄の組合せを結ぶ6ラインが対角的に出現し、6ラインのリーチが発生していることが示されている。ここで、図18(b)中に符号301で示すのは、前後の装飾図柄間に配置され、大当りの組合せの表示には用いられない所謂ブランク図柄である。なお、このブランク図柄301を設けないことも可能である。
さらに、10回の修羅場リーチ(S181〜S190)を終えた後、ライン数が0〜9ラインの何れかであれば、必殺役物完成(S211)の演出を経て、他の態様の特殊リーチ演出である大吉リーチ(S212)に発展する。この大吉リーチは(S212)においては、成立した全てのリーチラインをそのまま示すのではなく、一部に絞って、例えば5〜8ラインのライン表示を行うことが考えられる。そして、残された各リーチラインを順に使用して演出上の「ハズレ」となる抽選演出を繰り返し、例えば、最後に残ったリーチラインを使用して、大当り抽選の結果に応じて、アタリ(S213)又はハズレ(S214)の演出に分岐する。
この際、2つのリーチラインが残った状態で、各リーチラインを確変図柄(ここでは「七」図柄)と非確変図柄(例えば「二」図柄)とし、確変図柄で大当りとなるか、非確変図柄で大当りとなるか、或いは、はずれとなるか、を示す演出を行うことが考えられる。また、例えば4ラインや3ラインが残った途中の状態で、大当りかはずれかの結果を示してしまうことも考えられる。この場合は、大吉リーチ(S212)で直ぐに結果が出たという印象を遊技者に与えることができる。
一方、10回の修羅場リーチ(S181〜S190)の全てで成功した場合は、全部成功(S215)、必殺役物完成(S216)の演出を経て全回転リーチ(S217)に発展する。そして、全回転リーチ(S217)に発展した場合には、100%の割合で、その後にアタリ(S203)に進展し、装飾図柄190a〜190cが大当りの組合せで表示される。つまり、大当りとなる場合に限り、10回の修羅場リーチ(S181〜S190)の全てで成功する場合があるようになっている。
ここで、大吉リーチ(S212)の演出態様として、成立しているライン数によって大当り信頼度を示し、ライン数が多いほど大当りの信頼度が高くなるといったものを採用することができる。そして、多数のリーチラインを同時に示す演出態様により、遊技者の大当りへの期待を煽ることが可能となる。
<<ストック演出に係るストックの各種態様>>
これまで説明したように、ストック演出としては、擬似連の回数に紐づけてストックする態様や、前述の特殊リーチ演出(S117)のように擬似連の回数に紐づけず、1回の変動演出内で複数個のストックを行う態様などを設けることができる。また、装飾図柄190a〜190c以外のものをモチーフとしたストック図柄を採用することも考えられる。そして、この装飾図柄190a〜190c以外のストック図柄としては、例えば、福引券などのように、遊技者が何らかの利益の獲得を想像できるアイテムの絵柄を採用し、ストックされた福引券の数や種類に応じてリーチ演出を繰り返し出現させる、といった演出態様が考えられる。
<<ストックの消化に係る各種態様>>
また、ストック演出に関しては、ストックされた図柄をどのように消化していくかといった考え方によって、幾つかの演出の態様を例示できる。図19は、ストック演出において3ラインを保有した場合における、ストック図柄に係る三つの消化態様を示している。以下に、これらの消化態様について、順に説明する。
<<<第1消化態様>>>
先ず、図19(a)は第一消化態様を示すものである。この第一消化態様は、弱リーチの演出が行われる度にリーチラインが順に消滅していくものであり、前述した3ライン保有時(図17参照)における修羅場リーチ1(図17中のS103)以降の演出分岐に対応したものとなっている。そして、図19(a)中においては、上段から弱リーチ1回目〜3回目について、演出が成功した場合と失敗した場合とが、上段と下段に分けて記載されている。さらに、各回の弱リーチにおいて強リーチに発展した場合における展開は、図中の右側にそれぞれ記載されている。また、この第一消化態様の説明にあたっては、図17中の対応箇所も併せて記載する。
すなわち、図19(a)中の最上段に示す1回目の弱リーチ(修羅場リーチ1(S103)に対応)において、弱リーチの演出が成功(S107)に分岐した場合には、3ラインを保有したまま強リーチ(超修羅場リーチ(S110))に発展する。そして、図中右側に示すように、この強リーチの1回目に演出が成功(S111)に進展した場合には、大当り(アタリ)となり、失敗(S113)に進展した場合には1ラインが消滅する。そして、3ライン保有時の追っかけリーチ(S131)から、2回目の強リーチである超修羅場あおり(S132。次に説明する。)へ発展する。
続いて、3ライン保有時の強リーチ2回目においては、成功(アタリ(S133))に分岐した場合には、大当りとなり、失敗(S134)に分岐した場合には、更に1ラインが消滅する。そして、3ライン保有時の追っかけリーチ(S151)から3回目の強リーチである超修羅場あおり(S152)へ発展する。そして、この3ライン保有時の強リーチ3回目においては、図19(a)中右側の次段に示すように、成功(アタリ(S153))に分岐した場合には、大当りとなり、大当り抽選の結果に従って失敗(S154)に分岐した場合には、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
図19(a)中の最上段に示す第1回目の弱リーチ(修羅場リーチ1(S101)に対応)において、演出が失敗(ハズレ(S112)に分岐した場合には、1ラインが消滅し、図19(a)中の中段に示す2回目の弱リーチ(追っかけリーチ(S136)〜修羅場リーチ2(S138))へ演出が進展する。この2回目の弱リーチで演出が成功(S139)に分岐した場合には、2ラインを保有したまま強リーチ(必殺役物完成(S140)〜超修羅場リーチ(S142))に発展する。
そして、図19中の右側に示すように、この強リーチの1回目に演出が成功(アタリ(S143))に進展した場合には、大当りとなり、失敗(ハズレ(S145))に分岐した場合には、更に1ラインが消滅する。さらに、2ライン保有時の追っかけリーチ(S156)から2回目の2回目の強リーチである超修羅場あおり(S157)へ演出が発展する。また、図19(a)中右側の次段に示すように、2ライン保有時の2回目の強リーチ(超修羅場あおり(S157))において成功(アタリ(S158))に分岐した場合には、大当りとなり、大当り抽選の結果に従い、失敗(ハズレ(S159))に分岐した場合には、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
図19(a)中の中段に示す第2回目の弱リーチ(追っかけリーチ(S136)〜修羅場リーチ(S138))において、演出が失敗(ハズレ(S144)に分岐した場合には、1ラインが消滅し、図19(a)中の下段に示す3回目の弱リーチ(追っかけリーチ(S161)〜超修羅場リーチ3(S163))へ演出が進展する。この3回目の弱リーチで演出が成功(S164)に分岐した場合には、1ラインを保有したまま強リーチ(必殺役物完成(S165)〜超修羅場リーチ(S167))に発展する。
そして、図19中右側に示すように、演出が成功(アタリ(S168))に進展した場合には、大当りとなり、失敗(ハズレ(S170))に分岐した場合には、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。また、前述の3回目の弱リーチ(追っかけリーチ(S161)〜超修羅場リーチ3(S163))で演出が失敗(ハズレ(S169)に分岐した場合には、1ラインが消滅し、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
<<<第2消化態様>>>
次に、第二消化態様について図19(b)に基づき説明する。この第二消化態様は、前述の図17に示す演出態様とは異なり、必ず3回弱リーチを行い、成功した分だけ強リーチに引き継ぐといったものである。すなわち、図19(b)中における左側の図表の最上段に示すように、3回の弱リーチの全てで成功の演出に進展すれば、3ラインの強リーチに発展する。また、右側の図表の最上段から、左右の図表の下段に向かって交互に示すように、弱リーチ1回目、弱リーチ2回目、弱リーチ3回目の順で『失敗、成功、成功』、『成功、失敗、成功』、或いは、『失敗、成功、成功』といったように、成功の演出に2回進展した場合には、2ラインの強リーチに発展する。
さらに、弱リーチ1回目、弱リーチ2回目、弱リーチ3回目の順で『失敗、失敗、成功』、『失敗、成功、失敗』、或いは、『成功、失敗、失敗』といったように、成功の演出に1回のみ進展した場合には、1ラインの強リーチに発展する。そして、右側の図表の最下段に示すように、3回とも失敗(『失敗、失敗、失敗』)の場合には、ハズレとなって、装飾図柄190a〜190cがリーチはずれの態様で停止表示(確定停止表示)される。
なお、この第2消化態様においては、3回行われる成功又は失敗への分岐の際に、成否の判定を行う演出が終わったリーチ図柄をメイン液晶160又はサブ液晶161の画面上に残すことが考えられる。この場合、成否の判定に係る演出が終わったリーチ図柄を、透明度を上げて薄く表示したり、影を付加して暗く表示したりすることにより、目立たないようにすることが可能である。
<<<第3消化態様>>>
次に、第三消化態様について図19(c)に基づき説明する。この第三消化態様は、弱リーチを最大で3回行い、弱リーチが成功し次第、順次3ラインリーチに発展するといったものである。すなわち、図19(c)中に上段から示すように、1回目の弱リーチで成功すれば3ラインの強リーチに発展し、1回目の弱リーチでは失敗しても、2回目の弱リーチで成功すれば同様に3ラインの強リーチに発展する。さらに、1回目及び2回目の弱リーチでは失敗しても、3回目の弱リーチで成功すれば同じく3ラインの強リーチに発展し、3回すべての弱リーチで失敗すると、大当り抽選の結果に従い、ハズレとなる。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したように本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、リーチ発生などの所定タイミングでストック演出を行い、特定タイミングで放出演出を行うようにしているので、ストック演出に時間的要素を取り込むことができ、ストック演出を多様化して、ストック演出の趣向性を向上することが可能となる。
すなわち、これまでのストック演出においては、ストックされる図柄の数(リーチの組わせ数など)の多寡と大当り信頼度とを関係付けることは行われていたが、ストックのタイミングや、放出のタイミングを大当り信頼度と関係付けたものは見られなかった。そして、従来は、変動演出中のタイミングと大当り信頼度との関係を規定し、どのような段階でストックが行われるか、ストックされた図柄が放出されるか、といった要素により遊技者の期待を煽ることは行われていなかった。このため、本実施例に係るぱちんこ遊技機10のように、リーチ発生などの所定タイミングでストック演出を行い、特定タイミングで放出演出を行うようにすることにより、新規なストック演出を実現でき、ストック演出の趣向性を向上することが可能となる。
また、1回の特別図柄の変動に係る変動演出中に、レベルゲージを模した信頼度メータのようなものを用いて信頼度が高まっていることを表示し、メータの指示量が多くなるほど、或いは、メータの指示量が最大値に達すれば、大当り信頼度が高い、といった演出が行われることもあった。本実施例に係るストック演出と、このようなメータを用いる演出と比較すると、信頼度メータ等を用いた場合には、信頼度メータ等と演出装飾図柄との関係が間接的なものとなるため、信頼度メータの用途は、そのときに表示されているリーチ図柄についての期待度を表すことに制限されてしまう。
しかし、本実施例のように、図柄のストックと放出を行うことで信頼度予告を行うことにより、複数のリーチ図柄と大当り信頼度との紐づけ(関係付け)を行うことが容易となり、ストック図柄を含めたリーチ図柄から、遊技者が直接的に大当り信頼度を体感し易くなる。つまり、信頼度メータはリーチ図柄を直接的に表現するものではないが、本実施例によれば、ストック図柄を含めたリーチ図柄を直接的に信頼度メータ等のように機能させることができる。さらに、信頼度メータ等では実現が難しい、リーチ図柄との直接的な関係の提示が可能となる。そして、メータの形態に制限されない多様な信頼度予告の演出が可能となり、ストック演出の趣向性を向上できる。
さらに、本実施例によれば、ストックされた図柄に対して、時間の経過とともに大当りの信頼度が高くなるといった演出要素を与えることが可能になり、このことによっても新規なストック演出を実現でき、ストック演出の趣向性を向上することが可能となる。そして、複数のストック図柄の各々に対して直接的に信頼度を設定していくような非線形の分断された信頼度設定とは異なり、時間的に後に放出された図柄ほど大当りの期待度が高くなるといった線形の連続的な信頼度設定を行うことができる。さらに、ストックされた一連の図柄に連続した関係を持たせることによって、遊技者に、累積的に大当り信頼度への期待を抱かせることが可能になる。
なお、本実施例におけるストック図柄は、その後のリーチの権利を示すのであるともいうことができ、ストック演出によって、その後のリーチの権利を、演出の展開と関連付けて遊技者に示すことが可能である。
<<ストック演出に係るその他の態様>>
上述したように演出の多様化を可能としたストック演出については、以下のような要素を更に付加することが考えられる。例えば、各図柄に属性を持たせ、図柄に応じた態様で図柄を用いることが挙げられる。具体的には、各図柄について異なる大当り信頼度や、ストック難易度などを設定し、例えば「一」図柄は強リーチに発展し易いが、大当り信頼度は低く、「七」図柄は強リーチに発展し難いが、大当り信頼度は高い、といった態様を例示できる。
また、「七」図柄はストックされ難いが、放出された場合のリーチの発展が確定している、といったものも例示できる。さらに、メイン液晶160でのリーチ図柄が奇数図柄であった場合にはストック演出に進展し易いが、偶数図柄であった場合にはストック演出に進展し難い、といったものも例示できる。また、ストック演出に進展しても、実際にストックされるまでには至らない、といったものも例示できる。
また、複数種類のリーチ図柄がストックされている状況において、或る煽り演出の所定の段階で放出される図柄の種類に応じて、その後の演出の展開が異なるといったことも考えられる。具体的には、「一」図柄と「七」図柄がストックされている状況において、「一」図柄が放出される追っかけリーチが実行された場合と、「七」図柄が放出される追っかけリーチが実行された場合とでは、「七」図柄が放出された場合のほうが大当り信頼度の高いリーチに発展する、といったものを例示できる。また、「二」図柄、「三」図柄、「四」図柄がストックされている状況において、その後に偶数図柄である「二」図柄、「四」図柄が先に放出され、奇数図柄である「三」図柄が最後に放出された場合には、大当り信頼度が高い、といったものも例示できる。さらに、偶数図柄が放出された場合には、その後に演出上の「成功」に進展し難いが、奇数図柄が放出された場合には、その後に「成功」に進展し易く、更に、「七」図柄が放出された場合には、その後の「成功」への進展が確定する、といったものも例示できる。
また、通常はストック図柄の放出が行われる煽り段階で、敢えてストック図柄を放出せずに持ち越し、このようにストック図柄を持ち越した場合には大当り期待度が高い、といった態様も考えられる。この場合には、ストック図柄を持ち越すことで、その後の展開が有利になる、といった演出を実行することが可能になる。さらに、所定の煽り段階(例えば最後の煽り段階など)でストック図柄が残存している場合には、大当りが確定する、或いは、大当り期待度がきわめて高くなる、といった態様も考えられる。
また、放出演出の態様について、図柄に係る放出の順番は、必ずしもストックされた順番に一致するものでなくてもよい。すなわち、図柄の放出順序については、先にストックされた図柄から先に放出される演出態様に限らず、例えば、大当りに対応していない「二」図柄や「四」図柄などの偶数図柄を先に放出して消化し、確変図柄である「七」や、その他の大当り図柄などの奇数図柄を後に放出して使用する、といったことも考えられる。
さらに、ストック図柄を、特別遊技を跨いで使用する演出態様も考えられる。具体的には、「二」図柄と「三」図柄がストックされ、「二」図柄が放出されて大当りが発生した場合に、「三」図柄を残存させて持ち越し、特別遊技の終了後に比較的早い段階で、ストックされている「三」図柄の放出演出を行う、といったものを例示できる。この場合、例えば、「三」図柄がストックされた状態で、「二」図柄のスペシャルリーチが発生し、そのまま大当りとなる、といった演出が可能となる。そして、大当りの発生時における保留中に、大当りの保留抽選値が存在すれば、大当りとなる保留抽選値に基づく特別図柄の変動の際に、残存していた「三」図柄を用いて、所謂保留連荘の演出を行う、といったことも可能となる。また、保留連荘以外にも、例えば「二」図柄が放出され且つ「三」図柄を残存させた状態で大当りした場合、一旦「二二二」で仮停止した後に、「三三三」に変化することが確定的になる(つまり、確変昇格が確定的となる。)といった演出も可能となる。
また、本実施例では、ストック演出を擬似連の演出の一態様として行う演出態様を例示しているが、ストック演出を、前述の先読み演出として行うことも可能である。例えば、サブメイン基板301が、メイン基板102から受信した保留抽選値に係る情報を参照し、保留の消化に合せて、複数ストックされている図柄から、大当り信頼度が低いという属性を持った図柄(例えば偶数図柄)を順次放出する。この際、大当り信頼度が高いという属性を持った図柄(例えば奇数図柄)は、ストックしたまま残存させておく。そして、対象となる保留(対象保留)に係る保留抽選値に基づく特別図柄の変動が行われ、この変動に係る変動演出が実行される場合に、上述の奇数図柄を放出し、大当り信頼度の高い演出を展開する、といったことを例示できる。また、先読み演出としてストック演出を行い、対象保留に係る変動演出が実行される場合に、ストック図柄を放出する、といったことも可能である。
さらに、確変中と通常時とで、ストック演出が持つ意味を異ならせるといったことも考えられる。具体的には、確変中はストック演出が常に実行されるが、通常時には所定の確率(例えばリーチ全体のうちの10%程度)でしかストック演出が出現しない、といったものを例示できる。また、確変中にストック演出が出現した場合には大当り確定となる、といったものも例示できる。さらに、確変中と通常時とでは、ストック演出に係る大当り期待度が異なるといった信頼度設定や、或いは、ストック演出の発生確率が異なるといった演出選択率の設定も可能である。
このように、図柄の属性に応じて、ストック、放出、発展、特別遊技、確変等の期待度が異なるようにすることが考えらえる。さらに、同じ種類のストック図柄であっても、ストックされるタイミングや放出されるタイミングによって、発展、特別遊技、確変等の期待度が異なるようにすることが考えらえる。
以上説明したように、本発明に係る各実施形態によれば、ストックされる図柄の数のみに着目するのではなく、ストック演出の時間軸に着目し、「いつストックするのか」、「いつ放出されるのか」といった時間に係る興味を遊技者に与え、遊技者が推測を働かせることのできるポイントを増やすことで、新規なストック演出を実現できるようになる。
なお、本実施例では、演出図柄表示装置60として、メイン液晶160とサブ液晶161を備え、サブ液晶161にストック図柄を移動させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄表示装置60としてメイン液晶160の1つのみ搭載し、メイン液晶160の表示領域194を第1表示領域と第2表示領域とに分け、第2表示領域にストック図柄を表示するようにしてもよい。
また、本実施例に係るぱちんこ遊技機10は、以下のようにも把握することが可能である。すなわち、本実施例に係る発明は、遊技を司る主制御手段(メイン基板など)と、前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段からの演出に係る演出制御指令に応じた制御処理を行う演出制御手段(サブメイン基板など)と、遊技盤に形成された遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能な第1始動口(第1始動入賞口など)と、前記遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能であり、遊技者に相対的に不利な閉鎖状態と、前記閉鎖状態よりも遊技者に有利な開放状態とをとり得る第2始動口(第2始動入賞口など)と、前記遊技領域に配置され、入賞不能状態及び入賞可能状態をとり得る可変入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口など)と、 前記演出制御手段により制御される演出手段(演出図柄表示装置など)と、を備え、前記主制御手段は、前記第1始動口又は前記第2始動口への遊技球の入球に基づき取得した大当り乱数値を用いて大当り抽選を行い、前記大当り抽選の結果を示すための特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄など)を変動表示の後に停止表示させ、前記大当り抽選の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に前記可変入賞口を前記入賞可能状態とする特別遊技を実行し、遊技球が前記第1始動口又は前記第2始動口に入球しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記大当り乱数値を含む特別図柄保留記憶情報を所定数内で保留記憶し、前記演出制御手段は、前記主制御手段からの前記演出制御指令に基づき、前記演出手段に、前記特別図柄の変動表示に係る変動演出を行わせることが可能であり、前記変動演出において、変動表示、及び、前記大当り抽選の結果に対応した組合せでの停止表示が可能な装飾図柄の表示を行わせ、前記装飾図柄の変動表示中に、前記装飾図柄が大当りの組合せ(3桁のぞろ目など)で停止表示される可能性があることを示すリーチ表示(2桁が揃った状態の表示など)を行うリーチ演出を実行可能であり、前記リーチ演出は、前記リーチ表示に用いられた前記装飾図柄であるリーチ図柄(リーチ表示を構成する図柄)を所定タイミング(リーチ発生時など)で、前記演出手段の前記リーチ図柄が表示された主表示領域(メイン液晶など)から、前記リーチ図柄の移動先となるストック表示領域(サブ液晶など)に移動させ、ストック図柄として保有するストック演出と、前記ストック図柄を、前記所定タイミングよりも後の特定タイミング(リーチ後の煽り演出を行う演出発展時など)で、前記主表示領域に移動させて前記装飾図柄とする放出演出(ストック図柄の放出を行う演出など)と、を実行可能であり、 前記所定タイミングは、前記特別図柄に係る演出に含まれる前記リーチ演出が出現した際のタイミングであり、前記特定タイミングは、前記リーチ演出が次の段階に進むか否かの状況であることを示す煽り段階演出(煽り演出、スペシャルリーチ演出など)が出現した際のタイミングであり、前記演出制御手段は、前記ストック演出を、前記装飾図柄の前記変動表示の開始から前記停止表示までの間に複数回行うことにより、前記ストック表示領域に複数組の前記リーチ図柄を保有することが可能であり、前記放出演出を、前記ストック表示領域に保有された各組の前記リーチ図柄について順次行うことが可能であり、前記ストック演出により前記リーチ図柄の数が多くなるほど前記大当りの発生の期待度が高くなる場合があり、前記放出演出により前記ストック図柄が放出されるタイミングが後になるほど前記大当りの発生の期待度が高くなる場合があり、前記ストック図柄が存在する場合には、前記煽り段階演出において前記リーチ演出が次の段階に進む期待度が高くなる場合があることを特徴とするぱちんこ遊技機、であるともいえる。
<<特別図柄と装飾図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄192又は第2特別図柄193)と、これに対応した装飾図柄190a〜190cとは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、装飾図柄190a〜190cの変動時間が、特別図柄(第1特別図柄192又は第2特別図柄193)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し装飾図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、装飾図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、装飾図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、装飾図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間に対してある程度短くなり得るものであり、特別図柄が変動開始した後に装飾図柄が変動開始し、特別図柄が変動停止した後に装飾図柄が変動停止するということが生じ得る。なお、装飾図柄の変動開始時と変動停止時との遅延の程度についは、通常は、変動開始時には送信すべきコマンドの数が相対的に多く、停止時には相対的に少ないことから、変動停止時の遅延の程度は、変動開始時に比べて小さい(少ない)と考えられる。
<封入式遊技機への適用>
また、本願発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば封入循環式のぱちんこ遊技機にも適用が可能である。封入循環式のぱちんこ遊技機としては以下のようなものを例示できる。なお、前述の実施例のぱちんこ遊技機10と同様の部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、封入循環式のぱちんこ遊技機は、内部に遊技媒体としての遊技球を封入しており、遊技者が発射ハンドル17を操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤50前面の遊技領域52に打込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域52の構成としては、前述のぱちんこ遊技機10のように遊技球を遊技者に引き渡すタイプのぱちんこ遊技機と同様の構成を採用できる。さらに、遊技球を遊技者に引き渡す必要がないことから、遊技球を一旦溜めるための上球皿15、下球皿16といった構成はなくてもよい。
遊技領域52で入賞した遊技球、及び入賞しなかった遊技球はセット基盤39に形成された球回収樋に案内され、揚送装置(図示略)により揚送される。揚送装置は、揚送モータにより回転する揚送用スクリューが内蔵されており、この揚送用スクリューが回転することによりパチンコ球(遊技球)が揚送される。揚送装置の背部には、揚送途中のパチンコ球と接触することによりそのパチンコ球を研磨する研磨部材が設けられており、パチンコ球は揚送されつつ、その表面が研磨される。
揚送装置の球入口側(下方側)及び球排出口側(上方側)には、遊技球の検出スイッチが設けられており、これら検出スイッチにより、揚送されるパチンコ球が検出される。揚送装置の球排出口の近傍には球発射装置が設けられており、揚送後の(上方側の)検出スイッチで検出された遊技球は、球送り装置により球発射装置に供給される。球送り装置は、遊技者が発射ハンドル17を操作して遊技球を1発打つ毎に次の遊技球を1つ打球発射位置に送り込む機能を有する。さらに、遊技球の循環経路途中に遊技球過不足検出スイッチが設けられ、循環経路内のパチンコ球が所定個数(たとえば50個)になっているか否かを検出する。
ぱちんこ遊技機の所定側の側方位置に該ぱちんこ遊技機に対して遊技用装置の一例のカードユニット(CU)が1対1に対応設置されている。この点は、前述のぱちんこ遊技機10と同様である。カードユニットは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持球数、あるいは貯球数等)を用いて対応するぱちんこ遊技機における封入球を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
このぱちんこ遊技機においては、現在の持球数の管理は、カードユニット側においてぱちんこ遊技機側の遊技球数の変動を算出することにより行われている。ぱちんこ遊技機側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行なっているが、その遊技球数はぱちんこ遊技機側において遊技球数が0となったときにぱちんこ遊技機自ら打球発射を迅速に停止させる制御を行なうためだけに用いられる副次的なものである。このようにすることにより、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に関する主管理機能をカードユニット側に持たせてぱちんこ遊技機側のコストを抑えることにより、封入式遊技機を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができる。
ぱちんこ遊技機とCUとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときには、ぱちんこ遊技機側の払出制御基板は、メイン基板からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、払出制御基板自身が記憶している払出チップIDをカードユニット側へ送信する。カードユニット側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット側とぱちんこ遊技機側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信され、ぱちんこ遊技機側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
それ以降の電源投入時においては、ぱちんこ遊技機側からカードユニット側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
カードユニット側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じぱちんこ遊技機が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット側とぱちんこ遊技機側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信されてその新たな接続時刻データをぱちんこ遊技機側において記憶することとなる。
カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、ぱちんこ遊技機に対してメインチップID等の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対してはメインチップID等が送信される。さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して認証が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、カードユニットからの認証要求の受理の通知が行われる。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、ぱちんこ遊技機で保持しているリカバリ情報が送信される。続いて、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、ぱちんこ遊技機に対して接続状態であることが通知され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、接続状態であることが通知される。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの要求がされ、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの終了が通知される。
さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、各種(遊技動作)が指示され、遊技台情報(加減算データ等)の送信が要求される。カードユニットはこのコマンドを使用して、遊技台の状態を定期的に確認する。ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、遊技動作指示の実行結果および遊技台情報(加減算データ等)が通知される。カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、通信コネクションの接合を要求するコマンドが送信される。
また、ぱちんこ遊技機で遊技をしている最中に遊技球がなくなったことが検知された場合には、払出制御基板は自動的に打球発射モータの駆動を停止させて球を遊技領域に打込めない遊技禁止状態に制御する。なお、打球発射が停止するのみで、その段階で既に可変表示装置が可変表示中であった場合にはその可変表示を続行する。また発射停止制御を行なった段階で第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の保留球数の記憶がある場合には、その記憶に基づいた可変表示装置の可変表示制御が続行される。
遊技球数の主たる管理はカードユニットで行なわれているが、ぱちんこ遊技機において遊技球数が0になったことに伴う遊技禁止制御(発射停止制御)を行なうときにのみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数が0になったことを判定して遊技禁止制御(発射停止制御)を行なう。その後、動作応答として、最終的な球関連情報をカードユニットに送信して最終的な遊技球数「0」をカードユニット側において確定させる。このように制御する理由は、ぱちんこ遊技機側において遊技球数が0になった瞬間に打球発射停止制御を行なう必要があるためである。
たとえば、遊技球数の主たる管理を行なっているカードユニット側において、ぱちんこ遊技機側から送られてくる遊技球数=0になったときの加算球数および減算球数を含む動作応答のレスポンスの受信を待って、カードユニット側において最終的な遊技球数を算出してそれが0となることにより、遊技を禁止させるための禁止要求有の動作指示のコマンドをぱちんこ遊技機側へ送信し、それを受けて初めてぱちんこ遊技機側において打球発射停止制御を行なった場合には、レスポンスおよびコマンドの送受信の間に、パチンコ球が弾発発射されてその間に新たな減算球数が発生する可能性があり、ぱちんこ遊技機側において、遊技球数が既に「0」になっているにも拘らず新たな減算球数が発生して結局遊技球数がマイナスになってしまうという不都合が生じる。このような不都合を防止するため、遊技球数が0になったときの打球発射停止制御のみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に基づいて制御している。
このように、打球発射停止制御に代表されるような遊技制御は、ぱちんこ遊技機自身が記憶している遊技球数に基づいて行なうために、カードユニットで管理記憶している遊技球数に基づいてこのような遊技制御を行なう場合に比較して、遊技球数の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
なお、ここでは、打球発射停止制御を払出制御基板が行なう例を示しているが、メイン基板が打球発射停止制御を行なうように構成してもよい。この場合、たとえば、払出制御基板は、遊技球数0を判定した段階で遊技球数が0であることを示す信号をメイン基板へ送信する。メイン基板は、この信号を受けて、発射モータの駆動を禁止する。
カードユニットによるこのような遊技禁止の処理は、前枠12や扉14の開放があった時や、各種カードの返却操作が遊技者によって行われたときにも実行される。なお、ぱちんこ遊技機は、禁止拒否の応答が可能となっており、異常等の何らかの事情によりカードユニットの指示に従えず、例えば前枠12や扉14の開放ができないといった状況の場合には、この禁止拒否の応答をカードユニットへ送信する。なお、遊技禁止には、発射モータの駆動の禁止のみでなく、その他の遊技事項、例えば球貸なども含まれている。
また、このような封入循環式のぱちんこ遊技機においては、球貸を所定金額(例えば500円分や1000円分)ごとに行わず、投入金額(例えば10000円)分の球貸を纏めておこなうことも可能である。遊技者への遊技球の引き渡しを必要としないので、このような球貸形態への適応は容易に行うことができる。
なお、本願発明においては、カードユニットを添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機として包括的に把握することが可能である。