JP6459189B2 - 二剤式固化組成物 - Google Patents
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しかしながら、そのゲル化速度は、十分速いとは言えず、ゲル固化までにかなりの時間を要する。そのため、より速くゲル固化するものが望まれている
(A)タマリンドガムを含む第1剤と、
(B)多価アルコールを含む第2剤と、を混合して反応させることにより固化する固化組成物であって、
前記多価アルコールが、分子内に4個以上のOH基を有することを特徴としている。
上記(A)(B)は、それぞれ独立して包装される形態、隔壁を有する一包装形態中に別個に充填された形態で等で供給され、使用時に(A)(B)が混合される。(A)(B)が混合されると、この混合物は適度な時間でゲル化し固化する。そして、この固化後の混合物は、ピールオフすることができる。これにより、特に顔などの皮膚にパックとして適用した際に、所望の箇所にて持続的に配合した成分を接触させることができ、最終的にピールオフするだけで、洗い流し或いは拭き取りが不要となり、非常に簡便に使用できるようになる。
(A)1剤には、その他に水、多価アルコール、他の増粘剤を含むことが好ましい。ここで使用される多価アルコールは、タマリンドガムを固化させる能力の大きくない、分子内にOH基を2又は3個有するものが好ましく、タマリンドガムをゲル固化させない程度の、タマリンドガムが増粘剤として作用する量を配合すればよい。(A)1剤における、多価アルコールの量は、(A)1剤においてタマリンドガムの3倍量(重量)未満にすることが好ましい。この量にすることにより、(A)1剤においてタマリンドガムは増粘剤として作用し、(A)1剤をゲル固化させずジェル状に容易に保つことができる。
上記分子内に4個以上のOH基を有する多価アルコールとしては、ポリグリセリンが好ましい。上記ポリグリセリンとしては、2量体以上のポリグリセリンであればよく、2〜100量体のグリセリンが好ましい。入手のし易さから、ジグリセリン(グリセリン2量体)、トリグリセリン(グリセリン3量体)、ヘキサグリセリン(グリセリン6量体)、デカグリセリン(グリセリン10量体)、およびグリセリン40量体等がより好ましいものとして挙げられる。これら分子内に4個以上のOH基を有する多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
前記(A)(B)のいずれか又は両方には、水が含まれることが好ましい。この水の配合量は、(A)(B)の混合物を総量として、10〜60重量%が好ましいが、より好ましくは20〜50重量%である。
上記疎水化セルロースは、疎水性基を有するセルロースであり、この疎水性基としては、炭素数10以上のアルキル基が挙げられる。炭素数の上限は特に限定されないが、入手の困難性から30以下が好ましい。特に好ましいのはステアリル基である。この疎水化セルロースを用いた場合には、(A)(B)の混合性、塗布時の液だれ性、ピールオフ性のいずれもが特に良好である。
上記カチオン化セルロースは、カチオン性基を有するセルロースであり、このカチオン性基としてはアンモニウム基が好ましい。
(A)1剤に、セルロース誘導体を配合した場合、タマリンドガムのゲル固化を阻害する作用があり、ゲル固化時間が長くなってしまう。(B)2剤にポリグリセリンを配合し、(A)(B)を混合すると、ゲル固化の阻害作用があるにもかかわらず、ゲル固化時間を短縮することができる。
酸としては、有機酸、無機酸のいずれでもよく、これらの1種または2種以上が用いられる。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸などがあげられる。
無機酸としてはリン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸などがあげられる。
これらの酸の中でも、特に入手し易いクエン酸が好ましい。
炭酸塩の配合量は、(A)(B)の総量に対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。炭酸塩の配合量が0.1重量%以下であると、この炭酸塩と反応する酸の量がどれだけ多くても二酸化炭素の発生量が少なくなり、美容もしくは医療効果が得られない場合がある。炭酸塩の配合量が10重量%以上であると、これと反応化学的に等量以上の酸を反応させると二酸化炭素の発生量が多く、混合組成物にて二酸化炭素の気泡を多く含みすぎるため、混合組成物における粘度が低下する可能性がある。そのため、液だれを起こし、所望の二酸化炭素を皮膚に供給することが困難になり、充分な美容もしくは医療効果が得られないことがある。
保湿剤としては、コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、ヒドロキシエトキシエチルグアニジン、カゼイン等が挙げられる。
調製した第1剤組成物2.5gおよび第2剤組成物1.0gを混合し、混合物を皮膚に塗布して当該混合物が固化し、皮膚からピールオフできるまでの時間を測定した。
Claims (5)
- OH基が3個以下の多価アルコールを含む固化組成物であって、
(A)タマリンドガムを含む第1剤と、
(B)4〜40個のグリセリンが重合したポリグリセリンを含む第2剤、
からなる二剤式の固化組成物であり、使用時に(A)および(B)を混合して反応させることにより固化することを特徴とする固化組成物。 - (A)は、増粘剤(タマリンドガムを除く)を含むことを特徴とする請求項1に記載の固化組成物。
- 前記増粘剤は、疎水化セルロースであることを特徴とする請求項2に記載の固化組成物。
- 混合後、皮膚に適用して固化させた後、ピーリングするピールオフパックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固化組成物。
- (A)は塩基性物質を含み、(B)は酸性物質を含み、混合により二酸化炭素を発生することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固化組成物。
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