JP6458983B2 - ダイシング装置 - Google Patents

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Description

本発明はダイシング装置に係り、特に半導体装置や電子部品が形成されたウェーハ等のワークを切削するダイシング装置に関する。
半導体装置や電子部品が形成されたウェーハ等のワークに対して切断や溝入れ加工を施すダイシング装置は、少なくともスピンドルによって高速に回転されるブレード(回転刃)と、ワークを保持するワークテーブルと、ワークテーブルとブレードとの相対的位置を変化させるX、Y、Z、θの各移動軸とを備え、各移動軸の動作により切断や溝入れ加工がワークに施される。
このようなダイシング装置において、特許文献1には、ワークのアライメントに使用する第1の撮像装置とは別にブレードを撮像する第2の撮像装置を設け、その第2の撮像装置を用いて第1の撮像装置とブレードとの相対的な位置関係を検出してブレードとワークとの相対的位置関係(特に溝加工における溝ピッチ方向に関する位置関係)が適切となるように調整することが提案されている。これによれば、ワークに対するブレードの相対的な位置に関して、装置上で認識する位置と実際の位置との位置ずれを検出して補正することができ、第1の撮像装置で認識されるワークの切削予定ラインの位置に、ブレードの先端部(刃先)を精度良く一致させることができる。
国際公開第2009/081746号
特許文献1の方法によれば、ダミーワークを実際に切削してその切削位置を測定することでブレードの位置ずれを検出するという従来のブレードの位置ずれ補正を行うことが不要となるため、ダミーワークの消費をなくし、加工費用を低減することができるという利点がある。
しかしながら、ブレードの位置ずれを検出するために、第2の撮像装置を第1の撮像装置の対向位置とブレードの対向位置とに移動させる必要がある。そのため、その移動による検出精度の低下が生じる。
また、ワークのアライメントや切削工程とは完全に独立した工程が必要となるため、加工時間の増加を招くという問題がある。特に、ブレードの位置は加工中の環境変化(水温、気温、ワークの加工位置、ブレードの摩耗)により変化するが、加工環境を常に一定に維持することが可能な装置を提供することはコストの増大を招く。したがって、加工環境に依存しない高精度な加工を実現するためには、ブレードの位置ずれ補正の実施頻度を多くすることが望まれるが、特許文献1の方法では位置ずれ補正の実施頻度を多くするほど、加工時間が増加してしまうという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加工時間の大幅な増加を招くことなく、高精度なブレードの位置ずれ補正を行うことができるダイシング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るダイシング装置は、ワークを保持するワークテーブルと、ワークの加工を行う加工手段と、ワークと加工手段とを相対的に移動させる移動機構と、ワークと加工手段とを同時に撮像し、加工手段の画像とワークの画像とを合成した合成画像を取得する撮像装置と、合成画像に基づいてワークに対する加工手段の相対的な位置を制御する制御部と、を備えている。
本態様によれば、撮像装置を移動させることなくワークに対する加工手段の相対的な位置を合成画像から同時に検出することができるため、加工時間の大幅な増加を招くことなく、高精度なブレードの位置ずれ補正を行うことができる。
本発明の他の態様に係るダイシング装置において、加工手段は、スピンドルにより回転するブレードであり、移動機構は、ワークに対して少なくともブレードの回転軸に平行するY方向及び回転軸に直交するX方向に相対的に移動させ、撮像装置は、ワークの表面に対して直交するZ方向に沿った光軸を有し、ワークの表面の像を結像するワーク用対物レンズと、Y方向に直交する方向に沿った光軸を有し、ワークの表面の像と同一面上に、かつ、Y方向が同一方向となるようにブレードの先端部の像を結像するブレード用対物レンズと、ワーク用対物レンズ及びブレード用対物レンズにより結像された像を撮像してワークの表面の画像とブレードの先端部の画像とを合成した合成画像を取得する撮像手段と、を備え、制御部は、合成画像におけるワークの表面の切削予定ラインのY方向の位置に対するブレードの先端部のY方向の位置の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、位置ずれ検出手段により検出された位置ずれに基づいて、移動機構により、ワークに対してブレードをY方向に相対的に移動させて切削予定ラインのY方向の位置とブレードの先端部のY方向の位置とを一致させる位置ずれ補正手段と、を備える態様とすることができる。
本態様によれば、ワークに対するブレードの相対的なY方向の位置に関して、ワークの表面の切削予定ラインの位置とブレードの先端部との位置ずれを補正することができ、高精度な加工が可能となる。
また、位置ずれを補正するために用いるワークの表面の画像及びブレードの先端部の画像は、ワーク用対物レンズ、ブレード用対物レンズ、及び撮像手段とからなる撮像装置をワーク及びブレードに対して移動させることなく合成画像として同時に取得することができるため、撮像装置を移動させることによる検出精度の低下が生じず、高精度な位置ずれ補正を行うことができる。
更に、ワークの切削予定ラインの切削を開始する直前の状態又は切削中においてもブレードの位置ずれを検出することが可能であるため、ブレードの位置ずれを検出するための特別な工程が不要となる。そのため、位置ずれを検出することによる加工時間の増加は生じない。そして、このことからブレードの位置ずれ補正を実施する頻度を多くすることができ、ブレードの位置ずれを生じさせないために加工環境を一定に維持する等のコストの増大を招く対応を図ることなく、加工環境に依存しない高精度な加工を実現することができる。
本発明の更に他の態様に係るダイシング装置において、ブレード用対物レンズは、ブレードの回転軸と交差する方向と異なる方向の光軸を有し、撮像装置により取得されるブレードの先端部の画像に基づいてブレードの摩耗量を検出するブレード摩耗検出手段を有する態様とすることができる。
本態様によれば、上述のブレードの位置ずれ補正に用いる撮像装置を用いて、位置ずれの検出と共に、又は、単独で、ブレードの摩耗量の検出を行うことができる。
本発明の更に他の態様に係るダイシング装置において、ワーク用対物レンズとブレード用対物レンズとを通過する光のうち、ワーク用対物レンズを通過するワークからの光を偏光する第1偏光板と、ブレード用対物レンズを通過するブレードからの光を偏光する第2偏光板であって、第1偏光板を通過したワークからの光の偏光方向に対して直交する方向に偏光する第2偏光板と、第1偏光板を通過したワークからの光と、第2偏光板を通過したブレードからの光とが通過する光路上において、光軸周りに回転可能に設けられた第3偏光板と、を備え、第3偏光板を光軸周りに回転させることによって、撮像装置により取得される合成画像におけるワークの表面の画像とブレードの先端部の画像との強度比を調整可能にした態様とすることができる。
本態様によれば、撮像装置が取得する合成画像において、ワークの表面の画像とブレードの先端部の画像との強度比を調整することが可能となり、処理内容等に応じて好適な強度比とすることができる。
本発明によれば、加工時間の大幅な増加を招くことなく、高精度なブレードの位置ずれ補正を行うことができ、高精度な加工を実現することができる。
本発明が適用されるダイシング装置を例示した全体構成図 加工部の構成を示した斜視図 撮像装置の光学系の構成図 撮像装置により撮像されるワーク画像を例示した図 撮像装置により撮像されるブレード画像を例示した図 撮像装置により撮像される合成画像を例示した図 制御部の構成を示したブロック図 撮像装置により撮像される合成画像を例示した図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されるダイシング装置を例示した全体構成図である。
ダイシング装置1は、フレームFにマウントされたワークWを多数枚収納したカセットを載置するロードポート51と、ワークWを搬送する搬送手段53と、ワークWを加工する加工部2と、加工済みのワークWをスピン洗浄する洗浄部52と、ダイシング装置1の内部に配置され、各部の動作を制御する制御部7等とから構成されている。
ロードポート51に載置されたカセットに収納された未加工のワークWは、搬送手段53により加工部2に搬送され、加工部2により個々のチップに分断するための切断や溝入れ加工等が施される。そして、加工部2により加工された加工済みのワークWは搬送手段53により洗浄部52に搬送され、洗浄部52により洗浄された後、搬送手段53によりロードポート51に搬送されてカセットに収納される。
加工部2は図2に示すように構成されており、加工部2は、互いに対向配置され先端にブレード21とブレードカバー(不図示)が取り付けられた高周波モータ内蔵型のスピンドル22、22と、ワークWの表面及びブレード21の先端部を撮像する撮像装置23と、ワークWを吸着保持するワークテーブル31とを有する。
なお、同図では2つのスピンドル22、22のうちの一方(右側)のスピンドル22の近傍に設けられた撮像装置23のみが示されているが、撮像装置23は両方のスピンドル22、22の近傍に設けられる。
加工部2には、Xベース36に設けられたXガイド34、34でガイドされ、リニアモータ35によって図のX−Xで示すX方向に駆動されるXテーブル33が設けられ、Xテーブル33にはθ方向に回転する回転テーブル32を介してワークテーブル31が設けられる。
これによって、搬送手段53によりロードポート51から搬送されたワークWは、ワークテーブル31により吸着保持されてワークテーブル31とともに移動し、アライメント時におけるθ方向の回転や切削時におけるX方向への切削送り等が行われる。
また、加工部2には門型のYベース44が設けられ、Yベース44の側面には、Yガイド42、42でガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューによって図のY−Yで示すY方向に駆動されるYテーブル41、41が設けられる。各Yテーブル41には夫々図示しない駆動手段によって図のZ−Zで示すZ方向に駆動されるZテーブル43が設けられ、Zテーブル43には先端にブレード21が取り付けられた高周波モータ内蔵型のスピンドル22及び撮像装置23が固定される。また、スピンドル22には不図示のブレードカバーが取り付けられ、そのブレードカバーによりブレード21の周辺部が覆われるとともに、ブレード21に切削液や冷却水を供給するための供給ノズルなどが配備される。
これによって、切削時においてブレード21が、スピンドル22により例えば1,000rpm〜80,000rpmで高速回転される。また、切削時において、ワークテーブル31に吸着保持されたワークWに対して、ブレード21がY方向にインデックス送りされると共にZ方向に切込み送りされる。
なお、X方向、Y方向、及びZ方向は互いに直交しており、ブレード21の回転軸はY方向に平行し、ワークWの表面(ワークテーブル31のワークWの保持面)はZ方向に直交する。
また、Yテーブル41、Zテーブル43、スピンドル22、及び撮像装置23は、左右に対向して2組設けられているが、同様の構成、作用を有するため、以下において一方(右側)のみに着目して説明する。
撮像装置23は、スピンドル22とともにZテーブル43に固定されることで、スピンドル22(ブレード21)に対する相対的な位置が固定された状態であり、かつ、Yテーブル41及びZテーブル43の駆動によりスピンドル22(ブレード21)と共にY方向及びZ方向に移動する。
また、撮像装置23は、顕微鏡と撮像素子とを有し、ワークWの表面(以下、ワーク表面という)と、ブレード21の外周縁である円環状の先端部(刃先:以下、ブレード先端部という)とを各々に対応する光学系を介して同時に撮像する。そして、ワーク表面の画像とブレード先端部の画像とが重畳(合成)された合成画像を取得する。また、同時でなければ、ワーク表面のみの画像とブレード先端部のみの画像を撮像することもできる。
これによって、後述のワークWのアライメントやブレード21の位置ずれ補正などに使用される画像が撮像装置23により取得される。
図3は、撮像装置23の光学系の構成を示した構成図である。同図に示すように撮像装置23は、鉛直方向であるZ方向に沿った光路(「直線光路70」という)を有し、その直線光路70には、Z方向に沿った光軸を有するワーク用対物レンズ72と低倍結像レンズ74と低倍CCDカメラ76が配置される。
ワーク表面の画像を撮像する際には、ワーク用対物レンズ72がワークWの上方に配置され、ワーク表面からの光がワーク用対物レンズ72及び低倍結像レンズ74を通過して低倍CCDカメラ76に入射する。これにより、ワーク表面の像がワーク用対物レンズ72により拡大されて結像され、その結像された像が更に低倍結像レンズ74により拡大されて低倍CCDカメラ76により撮像される。そして、ワーク表面の像が電気信号(画像信号)として且つワーク画像として低倍CCDカメラ76により取得される。ここで、ワーク画像とは、ワーク表面を撮像して得られる画像をいうものとする。
なお、低倍CCDカメラ76には、撮像手段としての固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを備えるが、CCDイメージセンサに限らずCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなど、他の撮像手段を用いたものであってもよい。後述の高倍CCDカメラ88についても同様である。
直線光路70には低倍結像レンズ74とワーク用対物レンズ72との間において第1ビームスプリッタ80が配置され、第1ビームスプリッタ80により直線光路70から分岐される第1分岐光路82が設けられる。これにより、ワーク用対物レンズ72側から低倍結像レンズ74側へと向かって直線光路70を進行する光の一部は、第1ビームスプリッタ80により第1分岐光路82へと導かれる。
この第1分岐光路82には、ミラー84と高倍結像レンズ86と高倍CCDカメラ88が配置され、第1分岐光路82へと導かれた光は、ミラー84で反射して高倍結像レンズ86を通過した後、高倍CCDカメラ88に入射する。これにより、ワーク用対物レンズ72により結像されたワーク表面の像が高倍結像レンズ86によって拡大されて高倍CCDカメラ88により撮像され、画像信号として且つワーク画像として高倍CCDカメラ88により取得される。
ここで、低倍結像レンズ74と高倍結像レンズ86とは像の拡大倍率が相違し、低倍結像レンズ74よりも高倍結像レンズ86の方が拡大倍率が大きい。したがって、低倍CCDカメラ76と高倍CCDカメラ88とを比較すると、高倍CCDカメラ88の方が狭い視野範囲(画角)の画像を取得し、低倍CCDカメラ76の方が広い視野範囲(画角)の画像を取得する。これらの低倍CCDカメラ76と高倍CCDカメラ88とにより取得される画像は、ワーク表面に存在するパターン(ストリートやアライメントマークなど)の大きさや処理内容に応じて後述の制御部7において適切な倍率となる方の画像が適宜選択されて使用されるが、いずれの画像が使用されるかは特に明示しないものとする。また、低倍CCDカメラ76と高倍CCDカメラ88のいずれか一方のみのカメラを備えるものであってもよい。
図4は、撮像装置23により取得されるワーク画像として低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88により撮像されるワーク画像を例示した図である。同図のようにワーク画像にはワークに形成されたチップTや、ブレード21により切削する切削予定ラインとなるチップTの間に形成されたストリートS等の拡大像が存在する。また、同図のワーク画像において横方向が実空間におけるX方向に対応し、同図のワーク画像において縦方向が実空間におけるY方向に対応しており、同図のワーク画像において横方向に延びるストリートSの像領域が実空間においてX方向に平行する切削予定ラインの一部分に相当する。
なお、本明細書において切削予定ラインのY方向の位置とは、具体的には切削予定ライン(ストリートS)の中心線CSのY方向の位置を示しており、ワーク画像上においてはその中心線CSの縦方向の位置に相当する。
画像の縦横の方向と実空間の方向との対応関係は任意に設定、変更できる。
また、図3に示すように直線光路70の第1ビームスプリッタ80とワーク用対物レンズ72との間には、第2ビームスプリッタ90が配置され、第2ビームスプリッタ90により直線光路70から分岐されるX方向に沿った第2分岐光路92が設けられる。
これにより、低倍結像レンズ74側からワーク用対物レンズ72側へと向かって直線光路70を進行する光の一部は、第2ビームスプリッタ90により第2分岐光路92へと導かれ、第2分岐光路92を第2ビームスプリッタ90側に向かって進行する光は、第2ビームスプリッタ90により直線光路70に進入し、低倍結像レンズ74側へと進行する。
この第2分岐光路92には、X方向に沿った光軸を有するブレード用対物レンズ94が配置される。ブレード用対物レンズ94は、ブレード21に対して固定された位置に配置され、ブレード21の回転軸(スピンドル22の中心軸)に対して直交する方向に沿って配置される。
また、ブレード21の周辺部は、不図示のブレードカバーで覆われており、ブレードカバーには、ブレードカバーの外側からブレード先端部を撮像することができるように、ブレード用対物レンズ94とブレード先端部として撮像する領域との間を空間として連通させる開口部が設けられる。
また、ブレードカバーには、その開口部を開閉するシャッター96が設けられ、シャッター96は制御部7により制御されるモータにより開閉動作するようになっている。撮像装置23によりブレード先端部の撮像が行われるときにはシャッター96が開状態に設定され、撮像が行われないときにはシャッター96が閉状態に設定されて切削液等が開口部から飛散することが防止される。なお、シャッター96の代わりに透明な板を開口部に設置してもよい。
したがって、シャッター96によりブレードカバーの開口部が開状態に設定されると、ブレード先端部からの光は、ブレードカバーの開口部を通過してブレード用対物レンズ94に入射する。そして、ブレード用対物レンズ94に入射した光は、ブレード用対物レンズ94を通過して第2ビームスプリッタ90により直線光路70へと導かれ、ブレード先端部の像がブレード用対物レンズ94により拡大されて直線光路70上で結像され、かつ、ワーク用対物レンズ72により結像されたワーク表面の像と同一面上に結像される。
ワーク用対物レンズ72により結像されたブレード先端部の像は、ワーク表面の像と同様に、直線光路70の低倍結像レンズ74及び第1分岐光路82の高倍結像レンズ86を介して低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88の各々により撮像され、画像信号として且つブレード画像として低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88の各々により取得される。ここで、ブレード画像とはブレード先端部を撮像して得られる画像をいうものとする。
また、ブレード先端部として撮像装置23により撮像する領域(撮像対象領域)は、そのZ方向の位置(高さ)が、ブレード21の回転軸の位置(高さ)と相違しており、ブレード21の回転軸の位置(高さ)に対してZ方向にずらした位置となっている。即ち、ブレード用対物レンズ94の光軸はブレード21の回転軸に交差する方向と異なる方向を向いており、撮像装置23によるブレード21の撮影方向(撮影視野の中心の方向)は、ブレード21の回転軸の方向に対してブレード21の外周側に所定角度ずらした方向となっている。本実施の形態では、ブレード21の回転軸よりもZ方向に上側となる範囲を撮像対象領域としている。
これにより、円環状のブレード先端部のうちの撮像対象領域において、Z方向の位置が上側になるほどブレード用対物レンズ94に対する距離が増加する。焦点が合う距離は、摩耗が生じていないブレード先端部に対して、撮像対象領域のうちのブレード画像上で中央付近に写り込むに部分に設定されており、ブレード先端部60の像として、焦点が合う部分が最も細く、その部分から離れるほどピンぼけにより太くなる画像が取得される。このような画像を取得することで、後述のようにブレード先端部の摩耗状況を確認することが可能となる。
なお、本実施の形態のようなブレード先端部の摩耗状況の確認機能は備えないものとしてもよく、その場合には、ブレード21の回転軸とZ方向の位置が一致するブレード先端部の位置周辺部を撮像対象領域としてもよいし、それ以外のブレード先端部の領域を撮像対象領域としてもよい。
図5は、撮像装置23により取得されるブレード画像として低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88により撮像されるブレード画像を例示した図である。同図に示すようにブレード画像には円環状のブレード先端部の一部分をブレード21の回転軸に対して直交する方向から観察したときのブレード先端部60の拡大像が存在する。また、同図のブレード画像において横方向が実空間におけるZ方向に対応し、同図のブレード画像において縦方向が実空間におけるY方向に対応しており、実空間においてY方向に直交する平面に沿ったブレード先端部は、同図のブレード画像において横方向に延びる帯状の像として写る。また、同図に示すように焦点が合わせられている中央部分が最も細く写り、左右の端に行くほどぼやけて太く写る。
なお、本明細書においてブレード先端部(又はブレード21)のY方向の位置とは、具体的にはブレード先端部の厚み方向の中心のY方向の位置を示し、ブレード画像上においては横方向に延びる帯状の像の中心線C60の位置であって、その中心線C60の縦方向の位置に相当する。
また、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88により撮像される画像は、実際には、図4に示したようなワーク画像と図5に示したようなブレード画像とを所定の強度比(輝度比)重畳(合成)した図6に示したような合成画像となる。
合成画像では、ワーク表面のY方向とブレード先端部のY方向とが一致し、ワーク表面のX方向とブレード先端部のZ方向とが一致するようにワーク画像とブレード画像とが重ね合わされる。そして、実空間においてワーク表面のX方向に平行する切削予定ラインのY方向の位置とブレード先端部のY方向の位置とが一致している場合には、合成画像上においても同図のようにそれらの切削予定ライン(ストリートS)とブレード先端部60の各々の中心線CS、C60の縦方向の位置が一致する。
即ち、合成画像は、ワーク表面の画像上において、実空間におけるブレード先端部のY方向の位置に対応する位置にブレード先端部の画像を重ねて示したものであり、合成画像における切削予定ライン(ストリートS)の中心線CSの縦方向の位置とブレード先端部60の中心線C60の縦方向の位置との位置ずれの大きさは実空間における切削予定ラインとブレード先端部とのY方向の位置ずれの大きさを示す。
なお、撮像装置23は、後述のように合成画像以外にも、図4のようなワーク画像のみの画像や図5のようなブレード画像のみの画像を選択的に取得することも可能である。
また、図3に示すように、直線光路70の第1ビームスプリッタ80と第2ビームスプリッタ90との間には、第3ビームスプリッタ100が配置され、第3ビームスプリッタ100により直線光路70から分岐される第3分岐光路102が設けられる。これにより、第3分岐光路102を第3ビームスプリッタ100側に向かって進行する光は、直線光路70に進入し、ワーク用対物レンズ72側へと進行する。
この第3分岐光路102には、ケーラー照明用光学系104と白色のLED光源106が配置される。
したがって、LED光源106から出射された白色の照明光はケーラー照明用光学系104及び第3ビームスプリッタ100を介して直線光路70に進入し、ワーク用対物レンズ72側へと進行する。そして、その照明光は、第2ビームスプリッタ90により直線光路70と第2分岐光路92の各々を進行する照明光として分割された後、直線光路70を進行する照明光はワーク用対物レンズ72を介してワーク表面に照射され、ワーク表面を照明する。また、第2分岐光路92を進行する照明光はブレード用対物レンズ94を介してブレード先端部に照射され、ブレード先端部を照明する。
また、これらの照明光は、第3分岐光路102のケーラー照明用光学系104を介しているため、輝度ムラの少ない均一な照明光としてワーク表面及びブレード先端部に照射される。
そして、このようにワーク表面及びブレード先端部に照射された照明光が反射して、ワーク表面からの光として直線光路70のワーク用対物レンズ72に入射し、また、ブレード先端部からの光として第2分岐光路92のブレード用対物レンズ94に入射することで、上述のように各々の像が合成画像として取得される。
なお、LED光源106は、LED以外の光源であってもよく、また、ブレード先端部に水(切削液等)が付着していることを考慮すると、照明光の波長としては水による吸収の少ない波長であることが望ましい。
また、直線光路70における第2ビームスプリッタ90とワーク用対物レンズ72との間、第2分岐光路92における第2ビームスプリッタ90とブレード用対物レンズ94との間、直線光路70における第1ビームスプリッタ80と第3ビームスプリッタ100との間の各々には、透過軸の方向に偏光した光のみを通過させる第1偏光板110、第2偏光板112、及び第3偏光板114が配置される。
第1偏光板110と第2偏光板112の透過軸は、第1偏光板110と第2偏光板112の各々を通過して第2ビームスプリッタ90で合流し、第3偏光板114へと入射する各々の光が互いに直交する方向に偏光した光となるような向きに配置される。例えば、第1偏光板110の透過軸が図3の紙面に平行するX方向の向きに配置される場合には、第2偏光板112の透過軸は図3の紙面に直交するY方向の向きに配置される。
第3偏光板114は光軸周りに回転可能に設けられており、透過軸の方向が変更可能となっている。第3偏光板114の回転は制御部7により制御されるモータの駆動により行われる。
これらの第1偏光板110〜第3偏光板114によれば、LED光源106から出射された照明光は、第1偏光板110及び第2偏光板112において各々の透過軸の方向に応じた偏光方向に偏光した照明光として、ワーク表面及びブレード先端部に照射される。そして、ワーク表面からワーク用対物レンズ72に入射し、第1偏光板110に到達した光のうち、第1偏光板110の透過軸の方向に偏光した光、即ち、主としてワーク表面に照射された偏光した照明光の反射光が、第1偏光板110を通過して直線光路70の第3偏光板114へと進行する。また、ブレード先端部からブレード用対物レンズ94に入射し、第2偏光板112に到達した光のうち、第2偏光板112の透過軸の方向に偏光した光、即ち、主としてブレード先端部に照射された偏光した照明光の反射光が、第2偏光板112を透過して直線光路70の第3偏光板114へと進行する。
第3偏光板114へと進行するこれらのワーク表面からの光とブレード先端部からの光は互いに直交する方向を偏光方向として偏光しており、第3偏光板114の透過軸の方向とのなす角に応じた透過率で第3偏光板114を透過する。
したがって、第3偏光板114を回転させて透過軸の方向を調整することで、第3偏光板114を透過するワーク表面からの光とブレード先端部からの光の各々の透過率を変更することができる。これによって、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88の各々により得られる合成画像において、ワーク画像とブレード画像との強度比を調整することができる。
例えば、上述の例のように、第1偏光板110の透過軸がX方向の向きに配置され、第2偏光板112の透過軸がY方向の向きに配置されているとする。このとき、第3偏光板114の透過軸の方向をX方向に一致させると、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88により取得される画像はブレード画像が重畳されないワーク画像のみの画像となる。そして、第3偏光板114の透過軸の方向をX方向からY方向へと回転させて徐々に変化させていくと、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88により取得される画像は、ワーク画像にブレード画像が重畳された合成画像となり、ワーク画像に対してブレード画像の強度が徐々に強くなる。第3偏光板114の透過軸の方向をY方向に一致させたときには、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88により取得される画像はワーク画像が重畳されないブレード画像のみの画像となる。
制御部7は、撮像装置23により取得した画像に基づいて行う処理内容等に応じて第3偏光板114の回転位置を変更することで、ワーク画像とブレード画像とが適切な強度比となる合成画像、ワーク画像のみの画像、又は、ブレード画像のみの画像を取得する。
なお、図3に示すように、第2分岐光路92の第2偏光板112とブレード用対物レンズ94との間には、フィルタ116が配置される。フィルタ116は、合成画像におけるワーク画像に対してブレード画像の波長を選択するために配置される。即ち、LED光源106は、ワーク表面の観察に適した白色の照明光(波長帯の広い光)を出射するものであるのに対して、ブレード21の観察のためには水に対して透過性がある波長の光(例えば、約400〜約600nmの波長の光)が望ましい。更に、シリコン屑による散乱の小さな波長の光(例えば、600nm周辺の波長の光)がより望ましい。そこで、フィルタ116が配置される。フィルタ116としては、例えばLPF(ロングウェーブパスフィルタ)、SPF(ショートウェーブパスフィルタ)等が望ましい。
図3に示した撮像装置23においては、ワーク表面の像を結像させる光路を直線光路70としたが、ブレード先端部の像を結像させる光路を直線光路としてもよく、光学系の構成は適宜変更可能である。
次に、上述の撮像装置23を用いた制御部7の各種処理について説明する。
図7は、制御部7の構成を示したブロック図である。同図に示すように制御部7は、駆動手段200、アライメント手段202、切削制御手段204、位置ずれ検出手段206、位置ずれ補正手段208、ブレード摩耗検出手段210等を有する。
駆動手段200は、図2の加工部2においてワークテーブル31をθ方向及びX方向に移動させる移動機構のモータ、及び、スピンドル22をY方向及びZ方向に移動させる移動機構のモータを適宜制御してワークW又はブレード21を所期の方向又は位置に移動させ、ワークWとブレード21とを相対的に移動させる。また、移動機構には各動作部の位置を検出する位置検出手段が設けられており、各位置検出手段からの位置情報に基づいてワークWのX方向及びθ方向の位置やブレード21のY方向及びZ方向の位置等を検出する。
また、駆動手段200は、撮像装置23における第3偏光板114を回転させるモータを制御し、撮像装置23により取得される合成画像におけるワーク画像とブレード画像の強度比を変更する。その他、ダイシング装置1における各動作部の動作を制御する。
アライメント手段202は、未加工のワークWをワークテーブル31に吸着保持させた直後の加工開始前のワークWのアライメント時において、駆動手段200を通じて撮像装置23の第3偏光板114の回転位置を制御し、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88によりワーク画像のみの画像が得られる回転位置に第3偏光板114を設定する。
これにより、低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88から図4に示したようなワーク画像のみの画像を取得し、取得したワーク画像に基づいてワーク表面の予め登録されたパターン(ストリートやアライメントマークなど)を検出する。なお、本処理は、低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88からワーク画像のみの画像ではなく合成画像を取得して合成画像に基づいて行うことも可能である。
そして、駆動手段200を通じてワークWをθ方向に回転させ、切削予定ラインをX方向に対して平行に配置し、ワークWをX方向の予め決められた位置に配置する。これにより、ワークWのアライメントを実施する。
なお、ワークWの行列状に配列された複数の矩形のチップを個々のチップに分断する場合、切削予定ラインは、互いに直行する2方向の各々の方向に沿って所定間隔おきの複数の切削予定ラインが存在する。そして、一方向の切削予定ラインの切削が全て終了した後、ワークWをθ方向に90°回転させて他方向の切削予定ラインの切削を行うが、ワーク画像に基づくワークWのアライメントは、ワークWのそれらの2方向の切削予定ラインのうち、最初に切削を行う方向の切削予定ラインの切削開始前のみに行うものであってもよいし、両方向の切削予定ラインの切削開始前の両方において行うものであってもよい。
切削制御手段204は、ワークWのアライメント終了後、そのワークWにおいて最初に切削する切削予定ライン(第1切削予定ライン)の切削開始前において、駆動手段200を通じてブレード21をY方向に移動させてブレード先端部のY方向の位置(Y座標値)を第1切削予定ラインのY方向の位置(Y座標値)に一致させる。
そして、ブレード21をZ方向に移動させ、ワークWに対して所定の切込み量となる位置までブレード21を切込み送りした後、ワークWをX方向に移動させる。これによって、ワークWの第1切削予定ラインの位置をブレード21で切削する。
この後、ブレード21をZ方向にワークWから離間させた後、ブレード21をY方向にインデックス送りし、ブレード先端部のY方向の位置を次に切削する切削予定ラインのY方向の位置に一致させる。そして、第1切削予定ラインの切削時と同様の制御を行う。このような制御をワークWの全ての切削予定ラインに対して繰り返し実施することにより、ワークWの切削を終了する。
位置ずれ検出手段206は、例えば、切削制御手段204によりブレード先端部のY方向の位置(Y座標値)が第1切削予定ラインのY方向の位置に一致された後の第1切削予定ラインの切削開始前において、駆動手段200を通じて撮像装置23の第3偏光板114の回転位置を制御し、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88によりワーク画像とブレード画像とが適度な強度比となる合成画像が得られる回転位置に第3偏光板114を設定する。
これにより、撮像装置23から図6に示したような合成画像を取得する。そして、その合成画像に基づいてワークWの切削予定ラインに対するブレード先端部のY方向の位置ずれを検出する。
ここで、切削予定ラインに対してブレード先端部のY方向の位置ずれが生じていない場合、即ち、切削予定ラインのY方向の位置とブレード先端部のY方向の位置とが一致している場合には、図6に示したように合成画像上において切削予定ライン(ストリートS)の中心線CSの縦方向の位置と、ブレード先端部60の中心線CSの縦方向の位置とが一致する。
一方、位置ずれが生じている場合には、図8に示すように合成画像上において切削予定ライン(ストリートS)の中心線CSの縦方向の位置と、ブレード先端部60の中心線CSの縦方向の位置とにずれが生じる。
したがって、位置ずれ検出手段206は撮像装置23から取得した合成画像上において、切削予定ライン(ストリートS)の中心線CSの縦方向の位置と、ブレード先端部60の中心線CSの縦方向の位置とが一致しているか否かを検出することで、位置ずれが生じているか否かを判断する。また、位置ずれが生じている場合に、合成画像上における中心線CSの縦方向の位置とブレード先端部60の中心線CSの縦方向の位置とのずれの大きさを検出することで、実空間におけるワークWの切削予定ラインに対するブレード先端部のY方向の位置ずれの大きさ(ずれ量)を検出することもできる。
位置ずれ補正手段208は、位置ずれ検出手段206によりブレード先端部の位置ずれが検出された場合、駆動手段200を通じてY方向の正又は負の向きにブレード21を移動させ、ブレード先端部のY方向の位置を第1切削予定ラインのY方向の位置に一致させて位置ずれを補正する。
例えば、位置ずれ補正の第1の方法として、ブレード21がスピンドル22の本体から離れる方向を正の向きとした場合に、第1切削予定ラインに対するブレード先端部のY方向の位置ずれが正の向きに生じていた場合には、ブレード21を負の向きに移動させ、位置ずれが負の向きに生じていた場合には、ブレード21を正の向きに移動させる。
そして、このようにブレード21をY方向に移動させている際に、位置ずれ検出手段206が撮像装置23から合成画像を連続的に取得し、各時点で取得されるワーク画像とブレード画像とに基づいて位置ずれを検出する。位置ずれ補正手段208は位置ずれ検出手段206が位置ずれを検出しなくなったときにブレード21の移動を停止させる。これによって、ブレード21のY方向の位置を第1切削予定ラインのY方向の位置に一致させることができる。
また、位置ずれ補正の第2の方法として、位置ずれ検出手段206は、第1切削予定ラインに対するブレード先端部のY方向の位置ずれを検出した場合に、その大きさ(ずれ量)も検出するものとする。位置ずれ補正手段208は、その位置ずれ検出手段206からそのずれ量を取得し、駆動手段200を通じてブレード21をその位置ずれが減少する向きにずれ量分だけ移動させる。これによって、ブレード21のY方向の位置を第1切削予定ラインのY方向の位置に一致させることができる。
以上のような位置ずれ補正の処理は、各ワークWの切削開始前に1回のみ行うだけでもよいし、各切削予定ラインの切削開始前において行うようにしてもよいし、複数本の切削予定ラインごとに行うようにしてもよい。また、各切削予定ラインの切削中においても位置ずれ検出手段206により位置ずれの検出を行うことは可能であり、これによって位置ずれが検出された場合、切削制御手段204による切削を中断させて位置ずれ補正を行った後、切削を再開するようにしてもよいし、位置ずれが検出されたときの切削予定ラインの切削終了後、次の切削予定ラインへのブレード先端部のインデックス送りの際に、検出した位置ずれのずれ量を反映させた送り量として位置ずれ補正を行ってもよい。
また、位置ずれ補正手段208は、位置ずれ検出手段206により位置ずれが検出された場合に、そのずれ量に基づいて、駆動手段200が認識しているブレード21のY方向の位置(認識位置)を補正するようにしてもよい。
例えば、駆動手段200は位置検出手段により実測される例えばYテーブル41のY方向の位置に基づいてブレード先端部のY方向の位置を認識しており、その認識位置をYB(座標値YB)とする。そして、Y方向の正の向きにブレード先端部の位置ずれが生じている場合のずれ量を正の値、負の向きに位置ずれが生じている場合のずれ量を負の値として、上記のように検出されたずれ量がDYであったとする。
このとき、位置ずれ補正手段208は、駆動手段200が位置検出手段により認識するブレード先端部の認識位置をYBからYB+DYとなるように補正する。これにより、認識位置の補正後において、環境変化などのよるブレード21の位置変化が生じなければ、駆動手段200が認識するブレード先端部のY方向の認識位置と実際に設定されるY方向の位置との位置ずれを無くすことができ、ブレード先端部を切削予定ラインの位置に精度良く一致させることができる。
ここで、位置ずれ補正の第1の方法では、位置ずれ補正前に合成画像に基づいてずれ量DYを検出することは必ずしも必要ではなく、合成画像に基づくずれ量DYを検出しない場合には、位置ずれ補正のために要したブレード21のY方向への移動量DMを検出してずれ量DY=−DMとすることで認識位置の補正を行うことができる。
また、位置ずれ補正の第2の方法では、合成画像に基づいて検出したずれ量DYにより直接的にブレード21を移動させるのではなく、認識位置を補正することによって、補正前と同一の認識位置にブレード21が移動して結果的にずれ量分の移動が行われるようにしてもよい。
ブレード摩耗検出手段210は、駆動手段200を通じて撮像装置23の第3偏光板114の回転位置を制御し、低倍CCDカメラ76及び高倍CCDカメラ88によりブレード画像のみの画像が得られる回転位置に第3偏光板114を設定する。これにより、低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88から図5に示したようなブレード画像のみの画像を取得する。
ここで、上述のようにブレード画像において、ブレード先端部の像は焦点が合う部分が最も細くなる。
一方、ブレード先端部の撮像対象領域の焦点が合う部分は、ブレード21の直径によって変化し、ブレード先端部に摩耗が生じると、ブレード画像上において最も細く写る部分の位置も変化する。即ち、図5に示したようなブレード画像上において最も細く写る部分がブレード先端部の摩耗と共に右側(実空間におけるZ方向の下側に相当)に移動する。
そこで、ブレード摩耗検出手段210は、撮像装置23から取得したブレード画像においてブレード先端部が最も細く写る位置を検出し、検出した位置に基づいてブレード先端部(刃先)の摩耗の大きさ(摩耗量)を検出する。具体的には、図5のブレード画像上においてブレード先端部が最も細く写る位置の横方向の位置を検出する。そして、検出した横方向の位置が、摩耗が全く生じていないときの位置に対して画像上でどの程度移動したかを検出することでブレード先端部の摩耗量を検出する。
そして、その結果、摩耗量が事前に決められた閾値を超えた場合には、不図示のモニタ等にブレード21の交換を促す警告表示等を行う。
なお、本処理は、低倍CCDカメラ76又は高倍CCDカメラ88からブレード画像のみの画像ではなく合成画像を取得して行うことも可能であり、位置ずれ補正時などにおいて合成画像を取得している際に、位置ずれ補正の処理などの他の処理と併せて行うことも可能である。
以上、上記実施の形態では、加工手段としてスピンドル22により回転するブレード21を使用したダイシング装置に本発明を適用した場合について説明したが、加工手段としてレーザ光をワークWに照射するレーザ照射手段などの他の手段を用いたダイシング装置においても同様に本発明を適用することができる。その場合において、ブレード先端部の位置に相当する加工手段における加工位置を直接撮像することができない場合には、その加工位置に対応して設けられたマークなどの特定部分を撮像するようにしてもよい。
S…ストリート、T…チップ、W…ワーク、1…ダイシング装置、2…加工部、7…制御部、21…ブレード、22…スピンドル、23…撮像装置、31…ワークテーブル、32…回転テーブル、33…Xテーブル、34…Xガイド、35…リニアモータ、36…Xベース、41…Yテーブル、42…Yガイド、43…Zテーブル、44…Yベース、51…ロードポート、52…洗浄部、53…搬送手段、60…ブレード先端部、70…直線光路、72…ワーク用対物レンズ、74…低倍結像レンズ、76…低倍CCDカメラ、80…第1ビームスプリッタ、84…ミラー、86…高倍結像レンズ、88…高倍CCDカメラ、90…第2ビームスプリッタ、94…ブレード用対物レンズ、96…シャッター、100…第3ビームスプリッタ、104…ケーラー照明用光学系、106…LED光源、110…第1偏光板、112…第2偏光板、114…第3偏光板、116…フィルタ、200…加工手段、202…アライメント手段、204…切削制御手段、206…位置ずれ検出手段、208…位置ずれ補正手段、210…ブレード摩耗検出手段

Claims (3)

  1. ワークを保持するワークテーブルと、
    前記ワークの加工を行う加工手段と、
    前記ワークと前記加工手段とを相対的に移動させる移動機構と、
    前記ワークと前記加工手段とを同時に撮像し、前記加工手段の画像と前記ワークの画像とを合成した合成画像を取得する撮像装置と、
    前記合成画像に基づいて前記ワークに対する前記加工手段の相対的な位置を制御する制御部と、
    を備えたダイシング装置であって、
    前記加工手段は、スピンドルにより回転するブレードであり、
    前記移動機構は、前記ワークに対して少なくとも前記ブレードの回転軸に平行するY方向及び該回転軸に直交するX方向に相対的に移動させ、
    前記撮像装置は、
    前記ワークの表面に対して直交するZ方向に沿った光軸を有し、前記ワークの表面の像を結像するワーク用対物レンズと、
    Y方向に直交する方向に沿った光軸を有し、前記ワークの表面の像と同一面上に、かつ、Y方向が同一方向となるように前記ブレードの先端部の像を結像するブレード用対物レンズと、
    前記ワーク用対物レンズ及び前記ブレード用対物レンズにより結像された像を撮像して前記ワークの表面の画像と前記ブレードの先端部の画像とを合成した合成画像を取得する撮像手段と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記合成画像における前記ワークの表面の切削予定ラインのY方向の位置に対する前記ブレードの先端部のY方向の位置の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記位置ずれ検出手段により検出された位置ずれに基づいて、前記移動機構により、前記ワークに対して前記ブレードをY方向に相対的に移動させて前記切削予定ラインのY方向の位置と前記ブレードの先端部のY方向の位置とを一致させる位置ずれ補正手段と、
    を備え、
    前記ブレード用対物レンズは、前記ブレードの回転軸と交差する方向と異なる方向の光軸を有し、前記撮像装置により取得される前記ブレードの先端部の画像に基づいて前記ブレードの摩耗量を検出するブレード摩耗検出手段を有するダイシング装置。
  2. ワークを保持するワークテーブルと、
    前記ワークの加工を行う加工手段と、
    前記ワークと前記加工手段とを相対的に移動させる移動機構と、
    前記ワークと前記加工手段とを同時に撮像し、前記加工手段の画像と前記ワークの画像とを合成した合成画像を取得する撮像装置と、
    前記合成画像に基づいて前記ワークに対する前記加工手段の相対的な位置を制御する制御部と、
    を備えたダイシング装置であって、
    前記加工手段は、スピンドルにより回転するブレードであり、
    前記移動機構は、前記ワークに対して少なくとも前記ブレードの回転軸に平行するY方向及び該回転軸に直交するX方向に相対的に移動させ、
    前記撮像装置は、
    前記ワークの表面に対して直交するZ方向に沿った光軸を有し、前記ワークの表面の像を結像するワーク用対物レンズと、
    Y方向に直交する方向に沿った光軸を有し、前記ワークの表面の像と同一面上に、かつ、Y方向が同一方向となるように前記ブレードの先端部の像を結像するブレード用対物レンズと、
    前記ワーク用対物レンズ及び前記ブレード用対物レンズにより結像された像を撮像して前記ワークの表面の画像と前記ブレードの先端部の画像とを合成した合成画像を取得する撮像手段と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記合成画像における前記ワークの表面の切削予定ラインのY方向の位置に対する前記ブレードの先端部のY方向の位置の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記位置ずれ検出手段により検出された位置ずれに基づいて、前記移動機構により、前記ワークに対して前記ブレードをY方向に相対的に移動させて前記切削予定ラインのY方向の位置と前記ブレードの先端部のY方向の位置とを一致させる位置ずれ補正手段と、
    を備え、
    前記ワーク用対物レンズと前記ブレード用対物レンズとを通過する光のうち、前記ワーク用対物レンズを通過する前記ワークからの光を偏光する第1偏光板と、
    前記ブレード用対物レンズを通過する前記ブレードからの光を偏光する第2偏光板であって、前記第1偏光板を通過した前記ワークからの光の偏光方向に対して直交する方向に偏光する第2偏光板と、
    前記第1偏光板を通過した前記ワークからの光と、前記第2偏光板を通過した前記ブレードからの光とが通過する光路上において、光軸周りに回転可能に設けられた第3偏光板と、
    を備え、
    前記第3偏光板を光軸周りに回転させることによって、前記撮像装置により取得される合成画像における前記ワークの表面の画像と前記ブレードの先端部の画像との強度比を調整可能にしたダイシング装置。
  3. 前記ブレード用対物レンズは、前記ブレードの回転軸と交差する方向と異なる方向の光軸を有し、前記撮像装置により取得される前記ブレードの先端部の画像に基づいて前記ブレードの摩耗量を検出するブレード摩耗検出手段を有する請求項2に記載のダイシング装置。
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