JP6458716B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性を有する電解質膜を挟んでカソード触媒層とアノード触媒層を配置した膜電極接合体を備える。カソード触媒層及びアノード触媒層は、電気化学反応を促進させるための触媒を備える。このような燃料電池を高い電圧で運転し続けると、カソード触媒層に備わる触媒に酸化被膜が形成され、発電性能の低下を引き起こす。そこで、カソード電位を低下させることにより、触媒から酸化被膜を除去して、発電性能を回復させることが知られている。
また、触媒に酸化被膜が形成されることによる性能低下のような可逆的な性能低下の他に、例えばカーボン担体の消失などのような不可逆的な性能低下がある。そこで、可逆的な性能低下を考慮して燃料電池の不可逆的な性能低下を判定する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−238476号公報
カソード電位を低下させて触媒の酸化被膜を除去することで、可逆的な性能低下を回復させること(すなわち短期的な性能低下を回復させること)ができる。しかしながら、この場合に、経年に伴う不可逆的な性能低下(すなわち長期的な性能低下)が大きくなる場合があることが新たに分かった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、短期的な性能回復と長期的な性能低下の抑制とを両立させることを目的とする。
本発明は、複数の触媒粒子が集まって形成された触媒を有するカソード触媒層及びアノード触媒層を電解質膜の両面に備えた燃料電池と、前記燃料電池が停止した後に再始動した際において、前記カソード触媒層における触媒有効表面積のうち前記複数の触媒粒子の内部に形成された酸化被膜で覆われた面積の割合である内部被膜率を取得する取得部と、前記内部被膜率が第1閾値未満又は前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記カソード触媒層の電位を低下させて酸化被膜を除去する回復処理を行い、前記内部被膜率が前記第1閾値以上且つ前記第2閾値未満である場合、前記回復処理を行わない、又は、前記第1閾値未満及び前記第2閾値以上で行う前記回復処理よりもカソード電位の低下に関する条件を緩やかにして前記回復処理を行う回復処理部と、を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
本発明によれば、短期的な性能回復と長期的な性能低下の抑制とを両立させることができる。
図1は、実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 図2(a)は、燃料電池セルの構成を示す図、図2(b)は、カソード触媒層及びアノード触媒層のカーボン粒子の近傍を拡大した図、図2(c)は、図2(b)の触媒の近傍を拡大した図である。 図3(a)は、触媒に形成される酸化被膜を示す図、図3(b)は、触媒粒子の溶出を示す図である。 図4は、制御装置による回復処理の一例を示すフローチャートである。 図5(a)及び図5(b)は、高電圧保持時間と酸化被膜率との関係を示すMAPである。 図6は、燃料電池の運転履歴を示す図である。 図7は、カソード電位が0.05V以下に保持された時間と触媒活性との関係を示すMAPである。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係る燃料電池システム100の構成を示す図である。燃料電池システム100は、駆動用電源を供給するためのシステムとして、例えば燃料電池自動車や電気自動車などに搭載されて使用される。図1のように、燃料電池システム100は、燃料電池スタック(以下、燃料電池と称す)10、酸化剤ガス配管系30、燃料ガス配管系40、冷却媒体配管系50、負荷装置60、及び制御装置70を含む。燃料電池10は、酸化剤ガスと燃料ガスの供給を受けて発電を行い、発電に伴う電力を発生する。酸化剤ガス配管系30は、酸化剤ガスとして例えば酸素を含む空気を燃料電池10に供給する。燃料ガス配管系40は、燃料ガスとして例えば水素ガスを燃料電池10に供給する。
燃料電池10は、固体高分子電解質型であり、多数の単電池(セル)を積層したスタック構造をしている。図2(a)は、燃料電池セル11の構成を示す図である。図2(a)のように、燃料電池セル11は、電解質膜12の両面に触媒電極層であるカソード触媒層13とアノード触媒層14が形成された膜電極接合体15を備える。膜電極接合体15の両側には、一対のガス拡散層(カソードガス拡散層16とアノードガス拡散層17)と、一対のセパレータ(カソード側セパレータ18とアノード側セパレータ19)と、が配置されている。
電解質膜12は、フッ素系樹脂材料又は炭化水素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。カソード触媒層13及びアノード触媒層14は、電気化学反応を進行する触媒(例えば白金)24を担持したカーボン粒子23と、プロトン伝導性を有するアイオノマー25と、を含む。カーボン粒子23は、多孔質のカーボン粒子であり、例えばカーボンブラックである。カソードガス拡散層16及びアノードガス拡散層17は、ガス透過性及び電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えばカーボンクロスやカーボンペーパなどの多孔質カーボン製部材によって形成されている。カソードガス拡散層16とアノードガス拡散層17は、膜電極接合体15と接触する面に撥水層を備えていてもよい。
カソード側セパレータ18及びアノード側セパレータ19は、ガス遮断性及び電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えばカーボンを圧縮してガス不透過とした緻密性カーボンなどのカーボン部材やプレス成型したステンレス鋼などの金属部材によって形成されている。カソード側セパレータ18とアノード側セパレータ19は、表面にガスや液体が流通する流路を形成するための凹凸を有する。カソード側セパレータ18は、カソードガス拡散層16との間に、空気や生成水が流通可能なカソードガス流路20を形成する。アノード側セパレータ19は、アノードガス拡散層17との間に、水素ガスや生成水が流通可能なアノードガス流路21を形成する。また、カソード側セパレータ18及びアノード側セパレータ19は、冷却媒体が流通可能な冷却用流路22を形成する。
図2(b)は、カソード触媒層13及びアノード触媒層14のカーボン粒子23の近傍を拡大した図、図2(c)は、図2(b)の触媒24の近傍を拡大した図である。図2(b)及び図2(c)のように、アイオノマー25は、カーボン粒子23を覆うように(すなわち、触媒24を覆うように)設けられている。触媒24は、複数の触媒粒子(例えば白金原子)26が集まって形成されている。アイオノマー25は、プロトン伝導性を有する。このため、複数の触媒粒子26の表面積のうちアイオノマー25で接している部分はプロトンの授受が可能で発電に寄与できるが、アイオノマー25に接していない部分はプロトンの授受ができず発電に寄与できない。カソード触媒層13及びアノード触媒層14において、プロトンの授受が可能で電気化学的に有効な触媒24の表面積を触媒有効表面積とする。
図1のように、酸化剤ガス配管系30は、エアコンプレッサ31、酸化剤ガス供給路32、加湿モジュール33、カソードオフガス流路34、及びエアコンプレッサ31を駆動するモータM1を備える。
エアコンプレッサ31は、モータM1により駆動され、外気から取り込んだ酸素を含む空気(酸化剤ガス)を圧縮して燃料電池10のカソード極に供給する。モータM1には、回転数を検出する回転数検出センサ3aが取り付けられている。酸化剤ガス供給路32は、エアコンプレッサ31から供給される空気を燃料電池10のカソード極に導く。燃料電池10のカソード極からはカソードオフガスがカソードオフガス流路34を介して排出される。
加湿モジュール33は、酸化剤ガス供給路32を流れる低湿潤状態の空気と、カソードオフガス流路34を流れる高湿潤状態のカソードオフガスと、の間で水分交換を行い、燃料電池10に供給される空気を適度に加湿する。カソードオフガス流路34は、カソードオフガスをシステム外に排出する。カソードオフガス流路34のカソード極出口付近には、背圧調整弁A1が配設されている。燃料電池10から排出される空気の圧力、すなわちカソード背圧は、背圧調整弁A1によって調圧される。カソードオフガス流路34における燃料電池10と背圧調整弁A1との間には、カソード背圧を検出する圧力センサ3bが取り付けられている。
燃料ガス配管系40は、燃料ガス供給源41、燃料ガス供給路42、燃料ガス循環路43、アノードオフガス流路44、燃料ガス循環ポンプ45、気液分離器46、及び燃料ガス循環ポンプ45を駆動するモータM2を備える。
燃料ガス供給源41は、燃料ガスである水素ガスを燃料電池10に供給するタンクである。燃料ガス供給路42は、燃料ガス供給源41から放出される水素ガスを燃料電池10のアノード極に導く。燃料ガス供給路42には、上流側から順にタンクバルブH1、レギュレータH2、インジェクタH3が配設されている。これらは、水素ガスを燃料電池10に供給する又は供給を遮断する電磁弁である。圧力センサ4aの計測値に基づき、インジェクタH3を制御することで、燃料電池10に供給する水素の流量を制御する。
燃料ガス循環路43は、未反応水素ガスを燃料電池10に還流させる。燃料ガス循環路43には、上流側から順に気液分離器46、燃料ガス循環ポンプ45、及び逆止弁(不図示)が配設されている。燃料電池10から排出された未反応水素ガスは、燃料ガス循環ポンプ45により適度に加圧され、燃料ガス供給路42に導かれる。燃料ガス供給路42から燃料ガス循環路43への水素ガスの逆流は、逆止弁によって抑制される。アノードオフガス流路44は、燃料電池10から排出された水素ガスを含むアノードオフガスや気液分離器46内に貯留された水をシステム外に排出する。アノードオフガス流路44には、排出弁H5が配設されている。
冷却媒体配管系50は、冷媒流路51、ラジエータ52、冷媒循環ポンプ53、及び冷媒循環ポンプ53を駆動するモータM3を備える。ラジエータ52は、冷媒流路51を介して燃料電池10に冷却媒体を供給すると共に、燃料電池10の冷却に用いられた後の冷却媒体を受け取る。冷却媒体として、例えば水、空気などを用いることができる。冷媒循環ポンプ53は、冷却媒体の流通速度を調整する。燃料電池10内部の温度は、冷媒循環ポンプ53によって調整される。冷媒流路51における燃料電池10と冷媒循環ポンプ53との間には、燃料電池10から流出する冷媒の温度を検出する温度センサ5aが取り付けられている。
負荷装置60は、燃料電池10の電気的特性を測定するための装置である。負荷装置60は、燃料電池10(燃料電池スタック)の両外側に配置した一対の集電板の間に電気的に接続され、燃料電池10の総電圧を検出する。なお、負荷装置60は、各燃料電池セルのセパレータ間に電気的に接続され、セル毎の電圧を検出する構成でもよい。
制御装置70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータを含んで構成される。制御装置70は、ROMに記憶されたプログラムに従って、システムの運転を制御する。ROMには、上記プログラムの他に、システムの制御に用いられる各種マップや閾値なども記憶されている。制御装置70は、燃料電池10に対する要求出力や、負荷装置60及び各種センサの出力などに基づいて、各種バルブや、燃料ガス循環ポンプ45、冷媒循環ポンプ53、及びエアコンプレッサ31などを制御し、後述する回復処理を含むシステムの運転を制御する。制御装置70は、回復処理において、取得部71、回復処理部72として機能する。取得部71は、後述する内部被膜率を取得する。回復処理部72は、酸化被膜を除去する回復処理を行う。
ここで、触媒24に形成される酸化被膜について説明する。図3(a)は、触媒24に形成される酸化被膜27を示す図、図3(b)は、触媒粒子26の溶出を示す図である。燃料電池10のセル電圧(すなわちカソード電位)が0.8V以上の高電圧を維持した状態が継続されると、図3(a)のように、カソード触媒層13に含まれる触媒24の酸化が進行して酸化被膜27が形成される。酸化被膜27は、触媒24を形成する密集状態の複数の触媒粒子26の最表面に位置する酸化被膜27aと、密集状態の内部に位置する(すなわち、最表面に露出していない)酸化被膜27bと、で構成される。ここで、触媒有効表面積のうち複数の触媒粒子26の内部に形成された酸化被膜27bで覆われた面積の割合を内部被膜率とする。なお、燃料電池10が高いセル電圧を維持し続けている場合とは、例えば燃料電池10を搭載する燃料電池自動車が渋滞などで長時間アイドリング運転していたり、市街地などで低速走行している場合など、燃料電池への要求出力が小さい状態が継続する場合である。
酸化被膜27が形成されると、燃料電池10の発電性能が低下してしまう。したがって、酸化被膜27を除去して性能低下を回復させる回復処理が行われる。複数の触媒粒子26の最表面の酸化被膜27aは、カソード電位を0.65V程度に低下させることで除去でき、複数の触媒粒子26の内部の酸化被膜27bは、カソード電位を0.4V程度に低下させることで除去できる。しかしながら、発明者は、性能低下を回復させるために酸化被膜27aに加えて酸化被膜27bも除去した場合、図3(b)のように、触媒粒子26間に隙間が生じ、その後の燃料電池10の運転において、表面に位置する触媒粒子26が溶出し易くなることを新たに見出した。触媒粒子26が溶出してしまうと、触媒量が減少することになるため、不可逆的な性能低下が進行することになり、経年時の性能低下が大きくなってしまう。そこで、短期的な性能回復と長期的な性能低下の抑制とを考慮した回復処理について以下に説明する。
図4は、制御装置70による回復処理の一例を示すフローチャートである。図4のように、制御装置70は、イグニッションオフ信号を検出した後、燃料電池10の運転を停止させる(ステップS10)。次いで、制御装置70は、燃料電池10の停止時点での内部被膜率を取得する(ステップS12)。制御装置70は、例えば以下の方法によって内部被膜率を取得する。
制御装置70は、セル電圧が0.8V未満になった場合に時間カウントがリセットされるタイマーと電圧平均値がリセットされる電圧平均値取得ロジックと、を備え、燃料電池10の運転に関する情報を記憶部(不図示)に記憶している。すなわち、制御装置70は、これらタイマー及び電圧平均値取得ロジックを用いて取得した、0.8V以上の高電圧を連続して維持した時間(以下、保持時間と称す場合がある)と、そのときの電圧平均値と、を記憶部に記憶している。また、制御装置70は、図5(a)及び図5(b)に示すMAPを予め記憶部に記憶している。図5(a)及び図5(b)は、高電圧保持時間と酸化被膜率との関係を示すMAPである。図5(a)及び図5(b)の横軸は、セル電圧が高電圧の状態を連続して保持した時間である。縦軸は、カソード触媒層13における触媒有効表面積のうち酸化被膜27で覆われた面積の割合である酸化被膜率である。また、図5(a)及び図5(b)において、I型と示された斜線領域は、触媒有効表面積のうち複数の触媒粒子26の最表面に形成された酸化被膜27aで覆われた面積の割合である。II型と示された斜線領域は、触媒有効表面積のうち複数の触媒粒子26の内部に形成された酸化被膜27bで覆われた面積の割合(すなわち、内部被膜率)である。なお、図5(a)は、セル電圧が0.9Vの場合のMAPであり、図5(b)は、セル電圧が0.8Vの場合のMAPである。
制御装置70は、記憶部に記憶された、0.8V以上の高電圧を連続して維持した時間及びそのときの電圧平均値と、図5(a)及び図5(b)に示すMAPと、を用いて、内部被膜率を取得する。ここで、図6を用いて、内部被膜率の具体的な取得例を説明する。図6は、燃料電池10の運転履歴を示す図である。図6のように、セル電圧が0.8V以上の状態を50秒間連続して維持した後(そのときの電圧平均値は0.8Vであるとする)、0.8V未満に下がり、その後0.8V以上に上昇して120秒間連続して0.8V以上の状態を維持(そのときの電圧平均値は0.9Vであるとする)して、燃料電池10が停止されたとする。この場合、制御装置70は、0.8V以上の高電圧を連続して50秒間維持しそのときの電圧平均値が0.8Vであるとの情報と、0.8V以上の高電圧を連続して120秒間維持しそのときの電圧平均値が0.9Vであるとの情報と、が記憶部に記憶されている。制御装置70は、図5(b)を参照して、0.8Vの電圧が50秒間連続して維持した場合の内部被膜率は5%であることを取得する。また、制御装置70は、図5(a)を参照して、0.9Vの電圧が120秒間連続して維持した場合の内部被膜率は10%であることを取得する。これらから、制御装置70は、燃料電池10の停止時点での内部被膜率は15%であることを取得する。
なお、セル電圧が0.8V未満になった場合に、時間カウントを一度リセットするのは以下の理由によるものである。すなわち、セル電圧が0.8V未満になると、複数の触媒粒子26の最表面に形成された酸化被膜27aは速やかに除去される。その後、セル電圧が0.8V以上になった場合は、最表面に形成された酸化被膜27aが優先して形成されることから、時間カウントをリセットして、図5(a)及び図5(b)を参照することが好ましいためである。
なお、電圧平均値が0.8V、0.9V以外の場合は、図5(a)及び図5(b)のMAPから電圧平均値でのMAPを内挿で求め、当該MAPを用いて内部被膜率を取得すればよい。例えば、電圧平均値が0.85Vである場合には、図5(a)及び図5(b)のMAPを平均化したMAPを求め、当該MAPを用いて内部被膜率を取得すればよい。
次いで、制御装置70は、イグニッションオン信号を検出して燃料電池10を始動させた後(ステップS14)、燃料電池10が停止していた時間を取得する(ステップS16)。制御装置70は、例えばタイマー(不図示)を用いて、燃料電池10が停止していた時間を取得することができる。
次いで、制御装置70は、燃料電池10が停止していた間に酸化被膜27が除去された量を取得する(ステップS18)。制御装置70は、例えば記憶部に予め記憶された図7のMAPを用いて、酸化被膜27の除去量を取得する。図7は、カソード電位が0.05V以下に保持された時間と触媒活性との関係を示すMAPである。図7の横軸は、0.05V以下に保持された時間である。縦軸は、触媒活性である。
制御装置70は、ステップS16で取得した時間と、図7のMAPと、を用いて、停止していた間に酸化被膜27が除去された量を取得する。例えば、停止していた時間が5時間であったとすると、図7のMAPから、グラフの漸近線で触媒活性が100%回復するとした場合に、5時間経過後では触媒活性が70%程度回復することから、停止していた時間に70%の酸化被膜27が除去されたことを取得する。
次いで、制御装置70は、ステップS12で取得した停止時点での内部被膜率と、ステップS18で取得した停止していた間に除去された酸化被膜27の量と、に基づいて、始動時に残存している内部被膜率を取得する(ステップS20)。例えば、停止時点での内部被膜率が15%で、停止していた間に70%の酸化被膜27が除去されたとすると、始動時に残存している内部被膜率は4.5%であることを取得する。
次いで、制御装置70は、ステップS20で取得した始動時の内部被膜率が第1閾値以上且つ第2閾値未満であるか否かを判断する(ステップS22)。第1閾値及び第2閾値は、制御装置70に予め記憶されている。内部被膜率が第1閾値未満又は第2閾値以上である場合(ステップS22でNo)、制御装置70は、ステップS24に移行し、通常の処理条件(例えば、カソード電位をVに下げた状態をt秒間維持)にて酸化被膜27を除去する回復処理を行うことを設定する。内部被膜率が第1閾値未満である場合は、複数の触媒粒子26の内部に形成された酸化被膜27bが少ないため、短期的な性能回復のための通常の処理条件で回復処理を行ったとしても、触媒粒子26の溶出が抑えられるためである。また、内部被膜率が第2閾値以上である場合は、酸化被膜27による性能低下が著しく、酸化被膜27の除去を優先して短期的な性能回復を図ることが望ましいため、通常の処理条件で回復処理を行うものである。
一方、内部被膜率が第1閾値以上且つ第2閾値未満である場合(ステップS22でYes)、制御装置70は、ステップS26に移行し、回復処理を行わないことを設定する。内部被膜率が第1閾値以上である場合は、複数の触媒粒子26の内部に形成された酸化被膜27bが多く、通常の処理条件で回復処理を行うと、その後の燃料電池10の運転で触媒粒子26が溶出することが懸念される。また、内部被膜率が第2閾値未満である場合は、酸化被膜27による性能低下にまだ余裕があり、酸化被膜27を優先して除去しなければならない状況ではないことが想定される。したがって、内部被膜率が第1閾値以上且つ第2閾値未満である場合は、長期的な性能低下の抑制のために、回復処理を行わないようにするものである。
次いで、制御装置70は、アイドリング運転中か否かを判断し(ステップS28)、アイドリング運転中と判断した場合に(ステップS28でYes)、ステップS24、S26で設定した条件に基づいて回復処理を行う又は行わない(ステップS30)。制御装置70は、回復処理において、エアコンプレッサ31を制御してカソードガスの供給量を一時的に少なくすることで、カソード電位を下げる制御を行う。
以上説明したように、実施例1によれば、制御装置70は、燃料電池10が再始動した際における内部被膜率を取得する(ステップS20)。そして、制御装置70は、内部被膜率が第1閾値未満又は第2閾値以上である場合、回復処理を行い、第1閾値以上且つ第2閾値未満である場合、回復処理は行わない(ステップS24、S26、S30)。これにより、上述したように、短期的な性能回復と長期的な性能低下の抑制とを両立させることができる。
なお、実施例1では、図4のステップS26において、内部被膜率が第1閾値以上且つ第2閾値未満である場合に、回復処理を行わないことを設定する場合を例に示したが、この場合に限られない。内部被膜率が第1閾値以上且つ第2閾値未満である場合に、内部被膜率が第1閾値未満及び第2閾値以上で行う回復処理よりもカソード電位の低下に関する条件を緩やかにして回復処理を行うことを設定してもよい。この場合でも、複数の触媒粒子26の内部に形成された酸化被膜27bが除去されることを抑制できるため、長期的な性能低下の抑制を図ることができる。なお、カソード電位の低下に関する条件を緩やかにする方法として、例えば、カソード電位を通常の処理条件でのカソード電位Vよりも高いVとすることや、カソード電位を下げた状態を維持する時間を通常の処理条件でのt秒間よりも短いt秒間にすることや、回復処理の処理頻度を少なくすることや、これらの組み合わせが取り得る。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 燃料電池
11 燃料電池セル
12 電解質膜
13 カソード触媒層
14 アノード触媒層
15 膜電極接合体
16 カソードガス拡散層
17 アノードガス拡散層
18 カソード側セパレータ
19 アノード側セパレータ
23 カーボン粒子
24 触媒
25 アイオノマー
26 触媒粒子
30 酸化剤ガス配管系
31 エアコンプレッサ
33 加湿モジュール
40 燃料ガス配管系
41 燃料ガス供給源
45 燃料ガス循環ポンプ
46 気液分離器
50 冷却媒体配管系
52 ラジエータ
53 冷媒循環ポンプ
60 負荷装置
70 制御装置
71 取得部
72 回復処理部

Claims (1)

  1. 複数の触媒粒子が集まって形成された触媒を有するカソード触媒層及びアノード触媒層を電解質膜の両面に備えた燃料電池と、
    前記燃料電池が停止した後に再始動した際において、前記カソード触媒層における触媒有効表面積のうち前記複数の触媒粒子の内部に形成された酸化被膜で覆われた面積の割合である内部被膜率を取得する取得部と、
    前記内部被膜率が第1閾値未満又は前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記カソード触媒層の電位を低下させて酸化被膜を除去する回復処理を行い、前記内部被膜率が前記第1閾値以上且つ前記第2閾値未満である場合、前記回復処理を行わない、又は、前記第1閾値未満及び前記第2閾値以上で行う前記回復処理よりもカソード電位の低下に関する条件を緩やかにして前記回復処理を行う回復処理部と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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