JP6458220B2 - 軌道の潤滑管理方法 - Google Patents
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具体的には、例えば、所定の車両数(当該軌道における鉄道車両の通過頻度に応じて設定される車両数)が通過した後に、予め設定した量の潤滑材が塗布される。この場合、塗布の頻度と一回当たりの塗布量とによって、所定期間内の塗布量が決まることになる。
一方、潤滑材の塗布量が不足している場合には、鉄道車両と軌道との間に作用する横圧が増大して脱線の危険性が生じることや、車輪や軌道の摩耗が進行し易くなったり、騒音が増大するという問題がある。
このため、上記のような問題が生じないように、潤滑材の塗布の要否を適正に判断する必要があるが、これまでは経験や勘に頼って、塗布の頻度や一回当たりの塗布量を調整しているに過ぎず、適正な判断がなされているとは言い難かった。
しかしながら、実際の摩擦係数を精度良く算出することは極めて困難である。
しかしながら、特許文献1に記載の装置を用いたとしても、十分な精度で摩擦係数を算出できないため、潤滑材の塗布要否を適正に判断できないという問題がある。また、特許文献1には、算出した摩擦係数としきい値との差に応じて潤滑材(摩擦調整剤)の噴射量を調整することは提案されているものの、軌道の外軌側レール及び内軌側レールのいずれに潤滑材を噴射するかについては何ら提案されていない。
(A)車両の台車が有する前後一対の輪軸のそれぞれが具備する車輪と軌道との間に生じる接線力の大小のパターンと軌道の外軌側及び内軌側の潤滑状態とが相関を有するため、この接線力の大小のパターンに応じて軌道の外軌側及び内軌側の潤滑状態を予測可能であること、
(B)上記(A)により、軌道の潤滑の要否(軌道に対する潤滑材の塗布の要否)を、外軌側及び内軌側の区別も含めて適正に判断可能であること、
を知見した。
本発明は、本発明者らの上記知見に基づき完成したものである。
(1)第1ステップ:走行方向の前後に一対の輪軸を有する台車を備えた車両が軌道の曲線区間を走行している際に、前記一対の輪軸がそれぞれ具備する車輪と前記軌道との間に生じる接線力を測定する。
(2)第2ステップ:前記第1ステップで測定した前記一対の輪軸についての接線力に基づき、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の潤滑の要否を判断する。
また、本発明で測定する接線力は、営業車両(営業運転中の鉄道車両)によっても測定可能であるため、営業車両によって常時測定することにより、迅速な判断が可能である。
なお、第1しきい値及び第2しきい値と比較する接線力は、その向き(車両の走行方向と同じ向き、又は、走行方向と逆向き)には関係なく、大きさ(絶対値)を意味する。すなわち、例えば、「接線力が第1しきい値を超える」とは、接線力が何れの向きであったとしても、その絶対値が第1しきい値を超えることを意味する。
このため、本発明の前記第2ステップにおいて、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2しきい値以下である場合には、前記第1ステップにおける接線力の測定に異常が生じていると判断することが好ましい。
このため、潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値及び第2しきい値は、軌道の曲線区間の曲率半径に応じて設定することが好ましい。
すなわち、本発明の前記第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、前記車両が走行する軌道の曲線区間の曲線半径に応じて設定されていることが好ましい。
また、軌道の潤滑状態に変化がなかったとしても、車輪や軌道の摩耗に起因して接線力が変化することが考えられる。このため、潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値及び第2しきい値は、所定のタイミング毎に更新することが好ましい。
すなわち、前記第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、前記車両が前記軌道の曲線区間を走行している際に前記一対の輪軸についての接線力を所定期間繰り返し測定した結果に基づき決定され、所定のタイミング毎に更新されることが好ましい。
すなわち、前記第2ステップにおいて、前側の輪軸について、第1下側しきい値と該第1下側しきい値よりも大きな第1上側しきい値とを設定すると共に、後側の輪軸について、第2下側しきい値と該第2下側しきい値よりも大きな第2上側しきい値とを設定し、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1上側しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2上側しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が必要であると判断し、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1下側しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2上側しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における内軌側頭頂部の潤滑が必要であるが、外軌側ゲージコーナー部の潤滑は不要であり、なお且つ外軌側ゲージコーナー部の潤滑量を低下させる必要があると判断し、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1下側しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2下側しきい値以下である場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であり、なお且つ内軌側頭頂部の潤滑量を低下させる必要があると判断し、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1上側しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2下側しきい値以下である場合には、前記第1ステップにおける接線力の測定に異常が生じていると判断し、前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力及び後側の輪軸についての接線力が上記したいずれの場合にも該当しない場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であると判断することが好ましい。
なお、第1上側しきい値、第1下側しきい値、第2上側しきい値及び第2下側しきい値と比較する接線力は、その向き(車両の走行方向と同じ向き、又は、走行方向と逆向き)には関係なく、大きさ(絶対値)を意味する。すなわち、例えば、「接線力が第1上側しきい値を超える」とは、接線力が何れの向きであったとしても、その絶対値が第1上側しきい値を超えることを意味する。
このため、本発明による判断結果に従って軌道に潤滑を施せば、軌道の潤滑状態を適正化することができると共に、塗布装置の故障や潤滑材の枯渇などの異常を検知することも可能である。
まず最初に、本実施形態に係る軌道の潤滑管理方法(以下、適宜、単に「潤滑管理方法」という)で測定対象とする接線力について説明する。
図1は、車輪と軌道との間に生じる接線力を説明する図である。図1(a)は車両が備える台車の概略構成を示す側面図であり、図1(b)は車両が軌道の曲線区間を走行している際に生じる接線力を説明する模式的平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る潤滑管理方法は、走行方向Aの前後に一対の輪軸1(1a,1b)を有する台車100を備えた車両が走行する軌道(レール)Rの曲線区間での潤滑を対象としている。台車100は、台車枠2と、車両が備える車体200と台車枠2とを連結し車体200を支持する空気ばね3と、車輪11を有する輪軸1をベアリングを介して支持する軸箱体4と、軸箱体4を台車枠2に連結する軸箱体支持リンク5とを備えている。台車100が備える上記の構成要素及びその他の構成要素は、周知慣用の台車と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
接線力T1は、一対の輪軸1のうち前側(走行方向Aの前側)輪軸1aが具備する車輪11と軌道Rとの間に生じる接線力である。接線力T1は、前側の輪軸1aが具備する外軌側の車輪11と外軌側のレールR1との間にも生じるし、前側の輪軸1aが具備する内軌側の車輪11と内軌側のレールR2との間にも生じる。各接線力T1は、その向きが異なるだけであり、その大きさ(絶対値)は略同等である。
同様に、接線力T2は、一対の輪軸1のうち後側(走行方向Aの後側)の輪軸1bが具備する車輪11と軌道Rとの間に生じる接線力である。接線力T2は、後側の輪軸1bが具備する外軌側の車輪11と外軌側のレールR1との間にも生じるし、後側の輪軸1bが具備する内軌側の車輪11と内軌側のレールR2との間にも生じる。各接線力T2は、その向きが異なるだけであり、その大きさ(絶対値)は略同等である。
次に、本実施形態に係る潤滑管理方法で潤滑の要否を判断する軌道Rの潤滑部位について説明する。
図2は、軌道の構成及び軌道と車輪との接触状態を説明する図である。図2(a)は軌道の概略構成を示す正面図であり、図2(b)は軌道と車輪との接触状態を示す正面図である。図2(b)に示す黒丸は、軌道と車輪との主たる接触部位を意味する。
従来より、軌道Rにおいて潤滑を施す部位(潤滑材を塗布する部位)は、滑走・空転が生じるおそれを低減すると共に、潤滑材の消費を抑制するため、外軌側のレールR1についてはゲージコーナー部とされ、内軌側のレールR2については頭頂部とされている。
図2(a)に示すように、レールRの頭頂部6は、レールRの長手方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿ってレールRの頭部RHの頂部に延在する略平坦な表面を有する領域を意味する。また、レールRの頭部コーナー部7は、レールRの長手方向に沿ってレールRの頭部RHに延在する曲面及び略平坦な表面を有し、レールRの幅方向(図2の紙面の左右方向)に頭頂部6を挟んで形成された領域を意味する。一対の頭部コーナー部7のうち車輪11と接触する方の頭部コーナー部7がゲージコーナー部である。
このため、滑走・空転が生じるおそれを低減すると共に、潤滑材の消費を抑制するため、内軌側のレールR2については、頭頂部6が潤滑され、外軌側のレールR1については、ゲージコーナー部が潤滑される。
次に、本実施形態に係る潤滑管理方法について説明する。
本実施形態に係る潤滑管理方法は、第1ステップと第2ステップとを含むことを特徴とする。以下、各ステップについて順次説明する。
第1ステップでは、図1に示すように、走行方向Aの前後に一対の輪軸1a,1bを有する台車100を備えた車両が軌道Rの曲線区間を走行している際に、一対の輪軸1a,1bがそれぞれ具備する車輪11と軌道Rとの間に生じる接線力T1,T2を測定する。
接線力T2についても同様に、外軌側及び内軌側のいずれか一方についてのみ接線力T2を測定しても良いし、外軌側及び内軌側の双方について接線力T2を測定し、その測定値を平均化して用いることも可能である。歪ゲージ8を用いて外軌側及び内軌側のいずれか一方についてのみ接線力T2を測定する場合や、歪ゲージ8を用いて外軌側及び内軌側の双方について接線力T2を測定する場合の歪ゲージ8の貼り付け位置は接線力T1の場合と同様である。
これに対し、図3(b)に示すように、曲率が0.0025未満の曲線区間では、条件1〜4のいずれの場合にも接線力T2の値は近似したものとなる。ただし、実際に騒音や摩耗の問題が顕在化するために潤滑を施している軌道Rの曲線区間は、その大半の曲率が0.025以上である。そして、少なくとも曲率が0.0025以上の曲線区間では、条件1、2の場合には接線力T2(接線力T2の絶対値)は比較的大きくなる一方、条件3、4の場合には接線力T2(接線力T2の絶対値)は比較的小さくなることが分かる。このため、適切なしきい値を設定することにより、条件1、2の場合と、条件3、4の場合とを区別できることが分かる。
第2ステップでは、第1ステップで測定した一対の輪軸1a,1bについての接線力T1,T2に基づき、軌道Rの曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の潤滑の要否を判断する。以下、第2ステップにおける具体的な判断内容について説明する。
また、第1ステップで測定した接線力T1が第1しきい値Th1以下であり、第1ステップで測定した接線力T2が第2しきい値Th2を超えている場合(表2の条件Cの場合)には、軌道Rの曲線区間における内軌側頭頂部の潤滑が必要であるが外軌側ゲージコーナー部の潤滑は不要であると判断する。
また、第1ステップで測定した接線力T1が第1しきい値Th1以下であり、第1ステップで測定した接線力T2が第2しきい値Th2以下である場合(表2の条件Dの場合)には、軌道Rの曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であると判断する。
さらに、第1ステップで測定した接線力T1が第1しきい値Th1を超え、第1ステップで測定した接線力T2が第2しきい値Th2以下である場合(表2の条件Bの場合)には、第1ステップにおける接線力T1,T2の測定に異常が生じていると判断する。
このため、潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値Th1及び第2しきい値Th2は、軌道Rの曲線区間の曲率半径rに応じて設定することが好ましい。
すなわち、前述の第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値Th1及び第2しきい値Th2は、車両が走行する軌道Rの曲線区間の曲線半径rに応じて設定されていることが好ましい。
また、図3に示す例では、少なくとも曲率1/rが0.0025以上の曲線区間では、曲線半径rに関わらず(曲率1/rに関わらず)、第2しきい値Th2を2.5[kN]程度に一律に設定することで、条件1、2の場合と、条件3、4の場合とを区別できると考えられる。しかしながら、曲線半径rが小さくなる(曲率1/rが大きくなる)につれて、条件1、2の場合の接線力T2(接線力T2の絶対値)は大きくなる一方、条件3、4の場合の接線力T1は変化が少ないため、条件1、2の場合を他の条件3、4の場合と区別し易いようにするには、第2しきい値Th2を一律に設定するのではなく、曲率半径rに応じて設定する(例えば、曲率半径rが小さくなるに従って段階的に第2しきい値Th1の値を大きくする)ことが好ましい。
また、軌道Rの潤滑状態に変化がなかったとしても、車輪11や軌道Rの摩耗に起因して接線力T1,T2が変化することが考えられる。このため、潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値Th1及び第2しきい値Th2は、所定のタイミング毎に更新することが好ましい。
すなわち、第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる第1しきい値Th1及び第2しきい値Th2は、車両が軌道Rの曲線区間を走行している際に一対の輪軸1a,1bについての接線力T1,T2を所定期間繰り返し測定した結果に基づき決定され、所定のタイミング毎に更新されることが好ましい。
すなわち、第1ステップで測定した接線力T1が第1上側しきい値Thu1を超え、第1ステップで測定した接線力T2が第2上側しきい値Thu2を超えている場合(図4の条件Eの場合)には、軌道Rの曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が必要であると判断する。
また、第1ステップで測定した接線力T1が第1下側しきい値Thd1以下であり、第1ステップで測定した接線力T2が第2上側しきい値Thu2を超えている場合(図4の条件Fの場合)には、軌道Rの曲線区間における内軌側頭頂部の潤滑が必要であるが、外軌側ゲージコーナー部の潤滑は不要であり、なお且つ外軌側ゲージコーナー部の潤滑量を低下させる必要があると判断する。
また、第1ステップで測定した接線力T1が第1下側しきい値Thd1以下であり、第1ステップで測定した接線力T2が第2下側しきい値Thd2以下である場合(図4の条件Gの場合)には、軌道Rの曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であり、なお且つ内軌側頭頂部の潤滑量を低下させる必要があると判断する。
また、第1ステップで測定した接線力T1が第1上側しきい値Thu1を超え、第1ステップで測定した接線力T2が第2下側しきい値Thd2以下である場合(図4の条件Hの場合)には、第1ステップにおける接線力T1,T2の測定に異常が生じていると判断する。
さらに、第1ステップで測定した接線力T1及びT2が上記したいずれの場合にも該当しない場合(図4の条件Iの場合)には、軌道Rの曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であると判断する。なお、図4の条件Iのうち、Thd1<T1≦Thu1、Thd2<T2≦Thu2に該当する場合(図4に「条件I(適正)」と示す場合)は、前述した表3に示す条件9に該当し、外軌側及び内軌側の双方が適正に潤滑されているため、外軌側及び内軌側の双方の潤滑は不要である。その他の場合の条件I(図4に「条件I(許容)」と示す場合)については、外軌側及び内軌側の双方共に完全には適正な潤滑がなされているとはいえないものの、少なくとも現在(接線力T1,T2測定時)は何らかの処置を施す必要が無いため、外軌側及び内軌側の双方の潤滑は不要であると判断している。
2・・・台車枠
3・・・空気ばね
4・・・軸箱体
5・・・軸箱体支持リンク
8・・・歪ゲージ
11・・・車輪
100・・・台車
200・・・車体
R・・・軌道
R1・・・外軌側のレール
R2・・・内軌側のレール
T1,T2・・・接線力
Claims (6)
- 走行方向の前後に一対の輪軸を有する台車を備えた車両が軌道の曲線区間を走行している際に、前記一対の輪軸がそれぞれ具備する車輪と前記軌道との間に生じる接線力を測定する第1ステップと、
前記第1ステップで測定した前記一対の輪軸についての接線力に基づき、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の潤滑の要否を判断する第2ステップと、
を含むことを特徴とする軌道の潤滑管理方法。 - 前記第2ステップにおいて、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が第1しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が第2しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が必要であると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における内軌側頭頂部の潤滑が必要であるが外軌側ゲージコーナー部の潤滑は不要であると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2しきい値以下である場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であると判断することを特徴とする請求項1に記載の軌道の潤滑管理方法。 - 前記第2ステップにおいて、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2しきい値以下である場合には、前記第1ステップにおける接線力の測定に異常が生じていると判断することを特徴とする請求項2に記載の軌道の潤滑管理方法。 - 前記第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、前記車両が走行する軌道の曲線区間の曲線半径に応じて設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の軌道の潤滑管理方法。
- 前記第2ステップにおいて潤滑の要否を判断するのに用いる前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、前記車両が前記軌道の曲線区間を走行している際に前記一対の輪軸についての接線力を所定期間繰り返し測定した結果に基づき決定され、所定のタイミング毎に更新されることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の軌道の潤滑管理方法。
- 前記第2ステップにおいて、前側の輪軸について、第1下側しきい値と該第1下側しきい値よりも大きな第1上側しきい値とを設定すると共に、後側の輪軸について、第2下側しきい値と該第2下側しきい値よりも大きな第2上側しきい値とを設定し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1上側しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2上側しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が必要であると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1下側しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2上側しきい値を超えている場合には、前記軌道の曲線区間における内軌側頭頂部の潤滑が必要であるが、外軌側ゲージコーナー部の潤滑は不要であり、なお且つ外軌側ゲージコーナー部の潤滑量を低下させる必要があると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1下側しきい値以下であり、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2下側しきい値以下である場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であり、なお且つ内軌側頭頂部の潤滑量を低下させる必要があると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力が前記第1上側しきい値を超え、前記第1ステップで測定した後側の輪軸についての接線力が前記第2下側しきい値以下である場合には、前記第1ステップにおける接線力の測定に異常が生じていると判断し、
前記第1ステップで測定した前側の輪軸についての接線力及び後側の輪軸についての接線力が上記したいずれの場合にも該当しない場合には、前記軌道の曲線区間における外軌側ゲージコーナー部及び内軌側頭頂部の双方の潤滑が不要であると判断することを特徴とする請求項1に記載の軌道の潤滑管理方法。
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