JP6457990B2 - 判定装置、判定方法及び学習装置 - Google Patents
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Description
上記事情に鑑み、本発明は、配管における流体の漏れをより精度よく検知する技術の提供を目的としている。
レベル補正処理は、配管の漏水に関連する音響信号の音圧(振幅)が略一定となるように予め設定された補正係数を用いることによって音響信号を補正する処理である。言い換えると、レベル補正処理は、異なる複数地点において漏水がない状態において観測される音響信号の音圧(振幅)の範囲が等しくなるように音響信号を正規化する処理である。上述したように、センサは複数の位置に設けられる。センサによって感度が異なることや、センサの設置位置に応じた配管等の構造の違い等の理由で、同じレベルの漏水であっても、得られる音響信号の音圧が異なる場合がある。図2は、音響信号の音圧の相違の具体例を示す図である。図2(A)に示される音響信号と、図2(B)に示される音響信号とは、それぞれ同じ現象に起因する音が異なる設置位置で異なるセンサによって取得された音響信号である。このように、センサが異なることや設置位置などが異なることによって、同じ現象に起因する音であっても、異なる音圧(振幅)として取得される。
ノイズ除去処理は、漏水に関係のない音の信号(ノイズ)を音響信号から除去する処理である。図4は、ノイズを含む音響信号の具体例を示す図である。図4の例では、時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、時刻t5〜t6の各時間においてノイズが生じている。ノイズ除去処理では、これらのノイズが除去される。ノイズ除去処理は、どのように実現されてもよい。例えば、漏水音以外の周波数成分を除去するようなバンドパスフィルタを用いてノイズ除去処理が実現されてもよい。例えば、閾値以上の音圧の信号を除去するようにノイズ除去処理が実現されてもよい。また、ノイズ除去処理は以下のように行われてもよい。
(1)音圧の平均値が一定のしきい値以上の値のデータをノイズとして判定する方法。
(2)音圧の分散値が一定のしきい値以上の値のデータをノイズとして判定する方法。
(3)音圧の分散の分散値が一定のしきい値以上の値のデータをノイズとして判定する方法。
(4)周波数成分に対する平均値、分散値等の定常性を示す統計値を計算し、一定の変動があったものをノイズとして除去する方法。
(a)判定対象の音響信号全体の平均音圧、分散、分散の分散値それぞれについて最小値及び標準偏差を計算し、最小値に標準偏差の定数倍の値を加えた値をしきい値とする方法。
(b)水道管の管種、水圧、埋設深度等の設置条件に基づいた固定の値で判定する方法。
判定部107は、所定の期間にわたって仮の判定処理を実行し、漏水が生じているという仮の判定結果が連続して得られた場合に、最終的に漏水が生じていると判定してもよい。このように構成されることによって、降雨や強風や生活活動などによって音響データに混入する音と漏水によって生じる音とを精度よく区別することが可能となる。すなわち、より精度よく漏水を判定することが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
Claims (6)
- 流体の配管に設けられた複数の音圧センサによって取得される音響データのうち、前記流体の漏れが生じていない時点で取得された音響データを、所定の短時間の複数の信号に分割することによって複数の分割信号を生成し、前記分割信号に基づいて、音圧の分布を示すヒストグラムに応じた第一特徴ベクトルと、各周波数における音圧の値を有する第二特徴ベクトルと、を組み合わせた特徴ベクトルを教師データとして生成する教師データ生成部と、
前記教師データ生成部によって生成された前記教師データを用いることで学習処理を行い識別器を生成する学習処理部と、
前記学習処理部によって生成された識別器を用いて、新たに取得された音響データに基づいて前記配管において前記流体の漏れが生じているか否か判定する判定部と、
を備え、
前記教師データ生成部は、時間的に連続するn個(nは2以上の整数)の音響信号に基づいてn個の前記第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルを生成し、n個の第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルの同じ次元の成分毎のn個の値の統計値を各次元の成分の値として有する1つの第三特徴ベクトルを前記教師データとして生成する判定装置。 - 前記音響データにおいて、前記流体の漏れに関係の無い音の信号であるノイズを除去する第一データ補正部をさらに備え、
前記教師データ生成部は、前記第一データ補正部によって前記ノイズが除去された後の音響データを用いて前記教師データを生成する、請求項1に記載の判定装置。 - 前記音響データについて、前記流体の漏れに関する音の音圧が前記複数の音圧センサにおいて所定の範囲内の値となるようにレベル補正処理を行う第二データ補正部をさらに備え、
前記教師データ生成部、前記学習処理部及び前記判定部は前記第二データ補正部によって前記レベル補正処理が行われた音響データを用いる、請求項1又は2に記載の判定装置。 - 前記判定部は、前記配管において前記流体の漏れが生じているという判定結果が所定の期間にわたって連続して得られた場合に、漏れが生じていると最終的に判定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
- 流体の配管に設けられた複数の音圧センサによって取得される音響データのうち、前記流体の漏れが生じていない時点で取得された音響データを、所定の短時間の複数の信号に分割することによって複数の分割信号を生成し、前記分割信号に基づいて、音圧の分布を示すヒストグラムに応じた第一特徴ベクトルと、各周波数における音圧の値を有する第二特徴ベクトルと、を組み合わせた特徴ベクトルを教師データとして生成する教師データ生成ステップと、
前記教師データ生成ステップにおいて生成された前記教師データを用いることで学習処理を行い識別器を生成する学習処理ステップと、
前記学習処理ステップにおいて生成された識別器を用いて、新たに取得された音響データに基づいて前記配管において前記流体の漏れが生じているか否か判定する判定ステップと、
を有し、
前記教師データ生成ステップにおいて、時間的に連続するn個(nは2以上の整数)の音響信号に基づいてn個の前記第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルを生成し、n個の第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルの同じ次元の成分毎のn個の値の統計値を各次元の成分の値として有する1つの第三特徴ベクトルを前記教師データとして生成する、判定方法。 - 流体の配管に設けられた複数の音圧センサによって取得される音響データのうち、前記流体の漏れが生じていない時点で取得された音響データを、所定の短時間の複数の信号に分割することによって複数の分割信号を生成し、前記分割信号に基づいて、音圧の分布を示すヒストグラムに応じた第一特徴ベクトルと、各周波数における音圧の値を有する第二特徴ベクトルと、を組み合わせた特徴ベクトルを教師データとして生成する教師データ生成部と、
前記教師データ生成部によって生成された前記教師データを用いることで学習処理を行い識別器を生成する学習処理部と、を備え、
前記教師データ生成部は、時間的に連続するn個(nは2以上の整数)の音響信号に基づいてn個の前記第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルを生成し、n個の第一特徴ベクトル及び前記第二特徴ベクトルの同じ次元の成分毎のn個の値の統計値を各次元の成分の値として有する1つの第三特徴ベクトルを前記教師データとして生成する、学習装置。
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