JP6456791B2 - スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物、スタッドレスタイヤ、及びそのゴム組成物の製造方法 - Google Patents

スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物、スタッドレスタイヤ、及びそのゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物、それを用いたスタッドレスタイヤ、及びそのゴム組成物の製造方法に関するものである。
氷雪路面は一般路面に比べて著しく摩擦係数が低下し滑りやすくなる。そのため、スタッドレスタイヤにおいては、氷上摩擦力を高めて氷上制動性能を向上させるために、植物性粒状体等の硬質材料を配合する手法が、種々提案されているが、更なる氷上制動性能の向上が求められている。
また、経年に伴うタイヤの硬化により、氷上制動性能が低下することが問題となっている。
そこで、氷上制動性能を向上させつつ、経年に伴う性能低下を抑制することができる技術が求められている。
なお、特許文献1には、ゴム組成物に対してキトサンを用いたものが開示されているが、タイヤの強度を向上させることを目的として、キトサン繊維を配合したものであり、スタッドレスタイヤ用トレッドにおいて、キトサン粒状体を配合することによる氷上制動性能の向上効果については開示されていない。
特開2009−1671号公報
本発明は、以上の点に鑑み、氷上制動性能を向上させつつ、経年に伴う性能低下を抑制したスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物、それを用いたスタッドレスタイヤ、及びそのゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記課題を解決するために、ジエン系ゴム、キトサン粒状体、及びモース硬度が2〜5である植物性粒状体を含有するスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物であって、ジエン系ゴム100質量部に対して、キトサン粒状体を0.5〜30質量部含有してなるものである。
このスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物は、上記キトサン粒状体を、鉱物油が浸透したキトサン粒状体とすることもできる。
また、ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体の混合物であるマスターバッチとモース硬度が2〜5である植物性粒状体を含有するスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物であって、ジエン系ゴム100質量部に対して、キトサン粒状体を0.5〜30質量部含有してなるものとすることもできる。
さらに、これらスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物を用いてトレッドを作製し、スタッドレスタイヤを作製することもできる。
これらスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法として、ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体を予め混合する工程、得られた混合物に対してモース硬度が2〜5である植物性粒状体を加え混合する工程を有する、スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法を用いることもできる。

本発明によれば、氷上制動性能を向上させつつ、経年に伴う性能低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、キトサン粒状体、及び植物性粒状体を含有するスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物であって、ジエン系ゴム100質量部に対して、キトサン粒状体を0.5〜30質量部含有してなるものである。
該ゴム組成物において、ゴム成分として用いられるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。上記ゴム成分は、好ましくは、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、又はこれらの2種以上のブレンドである。
ジエン系ゴムとして、天然ゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドを用いることが好ましく、特に好ましくは、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とのブレンドゴムを用いることである。その場合、両者の比率は、特に限定しないが、ゴム組成物の低温特性と加工性や耐引き裂き抵抗性とのバランスを考慮して、NR/BRの比率が、質量比で30/70〜80/20であることが好ましく、40/60〜70/30でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物に配合されるキトサン粒状体としては、キトサンを粉砕し、分級したものを用いることができる。ここでキトサンとは、甲殻類の殻や菌体の細胞壁に含まれる動物性の食物繊維であるキチンからアセチル基を外すことにより得られるものであり、分子内に多数の反応性に富むアミノ基を持つ多糖類である。
キトサン粒状体の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜30質量部であり、好ましくは1〜30質量部であり、より好ましくは10〜30質量部である。
キトサン粒状体の粒径は、特に限定されないが、90%体積粒径(D90)が0.1〜300μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。ここで、本明細書において、D90は、レーザ回折・散乱法により測定される粒度分布(体積基準)における積算値90%での粒径を意味し、例えば、光源として赤色半導体レーザ(波長680nm)を用いる島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「SALD−2200」により求められる。
このようなキトサン粒状体としては、例として、大日精化工業株式会社から「ダイキトサン」の商品名で市販されており、これを粉砕し、分級し、所望の粒径とすることにより使用することができる。
本実施形態に係るゴム組成物に配合される植物性粒状体は、種子の殻、果実の核、穀物及びその芯材などの粉砕物が挙げられ、これらの少なくとも1種を配合することができる。例えば、胡桃(クルミ)、杏(あんず)、椿、桃、梅、銀杏、落花生、栗などの果実の核や種子の殻の粉砕物、米、麦、アワ、ひえ、とうもろこしなどの穀物の粉砕物や、トウモロコシの穂芯などの穀物芯材の粉砕物などが挙げられる。これらはモース硬度が2〜5程度であり、氷よりも硬いので、氷雪路面に対して引っ掻き効果を発揮することができる。
これら植物性粒状体は、ゴムとのなじみを良くして脱落を防ぐために、ゴム接着性改良剤の樹脂液で表面処理されたものを用いることが好ましい。ゴム接着性改良剤としては、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物と天然ゴムラテックスまたはジエン系合成ゴムラテックスとの混合物が挙げられる。
これら植物性粒状体の粒径は、特に限定されないが、引っ掻き効果を発揮するとともにトレッドからの脱落を防止するため、D90が100〜600μmであることが好ましく、より好ましくは150〜500μmであり、更に好ましくは200〜400μmである。
植物性粒状体の配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量部である。
本実施形態に係るキトサン粒状体は、あらかじめ鉱物油中に混合し、鉱物油が浸透したキトサン粒状体とすることができる。
キトサン粒状体に鉱物油を浸透させておくことにより、経年に伴う性能の低下をさらに抑制することができるが、その理由は次のように考えられる。すなわち、キトサンは正電荷となるアミノ基を有していることから、鉱物油中の負電荷と吸着することにより、経年に伴う鉱物油の移行及び放出を抑制することができるものと考えられる。
鉱物油としては、特に限定されないが、具体例として、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
鉱物油の配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましく、15〜30質量部であることがさらに好ましい。
キトサン粒状体として、鉱物油が浸透したキトサン粒状体を用いる場合、該ゴム組成物中に含まれるキトサン粒状体の全てを、鉱物油が浸透したキトサン粒状体を由来としてもよく、追加のキトサン粒状体を配合してもよい。キトサン粒状体に鉱物油を浸透させることによる上記効果を高める観点から、該ゴム組成物中に含まれるキトサン粒状体のうち、50質量%以上(より好ましくは70質量%以上)が、鉱物油が浸透したキトサン粒状体由来であることが好ましい。
キトサン粒状体として、鉱物油が浸透したキトサン粒状体を用いる場合、該ゴム組成物中に含まれる鉱物油の全てを、鉱物油が浸透したキトサン粒状体を由来としてもよく、追加の鉱物油を配合してもよい。キトサン粒状体に鉱物油を浸透させることによる上記効果を高める観点から、該ゴム組成物中に含まれる鉱物油のうち、50質量%以上(より好ましくは70質量%以上)が、鉱物油が浸透したキトサン粒状体由来であることが好ましい。
鉱物油が浸透したキトサン粒状体の作製方法は、特に限定されないが、例えば攪拌機に、鉱物油及びキトサン粒状体を入れ混合することにより得られる。
本実施形態に係るゴム組成物には、ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体を予め混合したマスターバッチを用いてもよい。すなわち、該ゴム組成物は、当該マスターバッチと植物性粒状体とを混練することにより得られたものであってもよい。
一実施形態としては、マスターバッチの作製時には、補強性充填剤を混合しないことが好ましく、ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体の3成分でのみ、マスターバッチを構成することがより好ましい。すなわち、補強性充填剤は、マスターバッチ作製時には混合せず、植物性粒状体や加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤とともに、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で混合することが好ましい。
上記マスターバッチを用いた場合、マスターバッチ作製時に、キトサン粒状体に鉱物油が浸透することから、上記鉱物油が浸透したキトサン粒状体を用いた場合と同様に、経年に伴う性能低下をさらに抑制することができる。
上記マスターバッチに含まれるジエン系ゴムとしては、上述した各種ジエン系ゴムが挙げられ、好ましくは、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群から選択された少なくとも1種であり、より好ましくは天然ゴムである。
上記マスターバッチに含まれる鉱物油としては、上述した各種鉱物油が挙げられ、好ましくはパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、及びアロマ系オイルからなる群から選択された少なくとも1種である。
上記マスターバッチを用いる場合の鉱物油の配合量は、特に限定されないが、該ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴム100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることがさらに好ましい。
上記マスターバッチを用いる場合、該ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムの全てをマスターバッチ由来としてもよく、追加のジエン系ゴムを配合してもよい。例えば、ゴム組成物中に含まれるジエン系ゴムのうち、30質量%以上をマスターバッチ由来のジエン系ゴムとしてもよい。
該ゴム組成物中に含まれる鉱物油の全てをマスターバッチ由来としてもよく、追加の鉱物油を配合してもよい。マスターバッチによる上記効果を高める観点から、該ゴム組成物中に含まれる鉱物油のうち、30質量%以上(より好ましくは50質量%以上)がマスターバッチ由来の鉱物油であることが好ましい。
該ゴム組成物中に含まれるキトサン粒状体の全てをマスターバッチ由来としてもよく、追加のキトサン粒状体を配合してもよい。マスターバッチによる上記効果を高める観点から、該ゴム組成物中に含まれるキトサン粒状体のうち、50質量%以上(より好ましくは70質量%以上)がマスターバッチ由来のキトサン粒状体であることが好ましい。
上記マスターバッチの製造方法としては、特に限定されないが、例えばバンバリーミキサーを用いて、ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体を混合することにより、調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物には、補強性充填剤を配合してもよい。
補強性充填剤としては、カーボンブラック及び/又はシリカを用いることが好ましい。すなわち、補強性充填剤は、カーボンブラック単独でも、シリカ単独でも、カーボンブラックとシリカの併用でもよい。好ましくは、カーボンブラック、又はカーボンブラックとシリカの併用である。補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えば上記ジエン系ゴム100質量部に対して10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部であり、更に好ましくは30〜80質量部である。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。カーボンブラックの配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜80質量部程度の範囲が好ましく、より好ましくは15〜50質量部である。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカを配合する場合、その配合量としては、ゴムのtanδのバランスや補強性などの観点からジエン系ゴム100質量部に対して10〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは15〜50質量部である。
シリカを配合する場合、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤を併用することが好ましく、その配合量はシリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているプロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。さらに、例えばレンゴー株式会社から「ビスコパール」として市販されているような多孔性セルロース粒子等の氷上制動性能を向上させる公知の成分を配合することもできる。
上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し調製することができる。例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴムに対し、キトサン粒状体、植物性粒状体、補強性充填剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加して混練し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加して混練することにより、ゴム組成物を調製することができる。
一実施形態としては、第一混合段階(ノンプロ練り工程)の前に、ジエン系ゴム、鉱物油及びキトサン粒状体を予め混合する工程を設け、混合物であるマスターバッチを作製し、第一混合段階(ノンプロ練り工程)において、得られたマスターバッチに対して、植物性粒状体、補強性充填剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加して混練する。この際、必要に応じて、追加のジエン系ゴム、鉱物油、又はキトサン粒状体を添加することもできる。次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加して混練することにより、ゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物は、スタッドレスタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いられ、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、トレッドを形成することができる。スタッドレスタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに用いられるので、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。ただし、実施例7〜9については、あらかじめ下記NR、パラフィン系オイル、及びキトサン粒状体を混合したマスターバッチを用いて調製した。
表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・NR:RSS#3
・マスターバッチ1:NR/パラフィン系オイル/キトサン粒状体=50/10/0.5(質量比)で混合。
・マスターバッチ2:NR/パラフィン系オイル/キトサン粒状体=50/10/10(質量比)で混合。
・マスターバッチ3:NR/パラフィン系オイル/キトサン粒状体=50/10/30(質量比)で混合。
・BR:JSR(株)製「BR01」(ハイシスBR)
・カーボンブラック(N339):東海カーボン(株)製「シーストKH」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:エボニック社製「Si75」
・パラフィン系オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスP200」
・キトサン粒状体:大日精化工業(株)「ダイキトサンPVL」をボールミルで粉砕し、ふるいで分級したもの(D90=30μm)。
・鉱物油が浸透したキトサン粒状体:上記パラフィン系オイル中に、上記キトサン粒状体を入れ、攪拌機で混合したもの(180rpmで20分間)。
・植物性粒状体:クルミ殻粉砕物((株)日本ウォルナット製「ソフトグリット#46」)に対し、特開平10−7841号公報の段落0015に記載に方法に準じてRFL処理液(レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物とラテックスの混合物を主成分とするもの)で表面処理を施したもの(処理後の植物性粒状体のD90=300μm)。
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・ワックス:日本精≡(株)製「OZOACE0355」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
上記マスターバッチ1〜3は、バンバリーミキサーを用いて、天然ゴム(RSS#3)50質量部に対して、パラフィン系オイルを10質量部、キトサン粒状体をそれぞれ0.5質量部、10質量部、30質量部添加し、回転数50rpmで制御し120℃で排出することにより得た。
得られた各ゴム組成物を用いてスタッドレスタイヤを作製した。タイヤサイズは、195/65R15として、そのトレッドに各ゴム組成物を適用し、常法に従い加硫成形することによりタイヤを製造した。各ゴム組成物について、硬度を測定し、各タイヤについて、耐摩耗性能、氷上制動性能、老化後氷上制動性能、及び耐老化性能を評価した。評価方法は次の通りである。
・硬度:室温(23℃)にて、JIS K7215に準拠し、評価した。
・耐摩耗性能:上記タイヤ4本を2000ccの4WD車に装着し、一般乾燥路面において2500km毎に左右ローテーションさせながら10000km走行させて、走行後の4本のトレッド残溝深さの平均値を、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど耐摩耗性能が良好である。
・氷上制動性能:上記タイヤ4本を2000ccの4WD車に装着し、氷盤路(気温−3±3℃)上で40km/h走行からABS作動させて制動距離を測定し(n=10の平均値)、制動距離の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、氷上路面での制動性能に優れることを示す。
・老化後氷上制動性能:70℃の恒温槽にてタイヤを60日間放置し、老化後の氷上制動性能を上記と同様に測定し、制動距離の逆数について老化前の比較例1の値を100とした指数で表示した。
・耐老化性能:老化後の氷上制動性能/老化前の氷上制動性能×100(%)で表示した。値が大きいほど耐老化性能が良好である。
Figure 0006456791
結果は、表1に示す通りであり、比較例1と実施例1〜3の比較により、ジエン系ゴム100質量部に対してキトサン粒状体を0.5〜30質量部配合することにより、耐摩耗性能の維持ないし向上、並びに氷上制動性能及び耐老化性能の向上が認められた。
比較例2ではジエン系ゴム100質量部に対してキトサン粒状体を0.1質量部配合しているが、比較例1と比較し、耐摩耗性能、氷上制動性能、及び耐老化性能の向上は認められず、比較例4ではジエン系ゴム100質量部に対してキトサン粒状体を35質量部配合しているが、比較例1と比較し、耐摩耗性能が低下した。
さらに、実施例1〜3と実施例4〜6の比較により、鉱物油が浸透したキトサン粒状体を用いることにより、耐老化性能のさらなる向上が認められた。
実施例1〜3と実施例7〜9の比較により、ジエン系ゴム、鉱物油、キトサン粒状体の混合物であるマスターバッチを用いることにより、耐摩耗性能、及び耐老化性能のさらなる向上が認められた。
本発明のスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種スタッドレスタイヤに用いることができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム、キトサン粒状体、及びモース硬度が2〜5である植物性粒状体を含有するスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物であって、
    キトサン粒状体の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜30質量部であることを特徴とする、スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記キトサン粒状体が、鉱物油の浸透したキトサン粒状体であることを特徴とする、請求項1に記載のスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体の混合物であるマスターバッチとモース硬度が2〜5である植物性粒状体を含有するスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物であって、
    キトサン粒状体の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜30質量部であることを特徴とする、スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて作製したトレッドを備えるスタッドレスタイヤ。
  5. 請求項1に記載のスタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
    ジエン系ゴム、鉱物油、及びキトサン粒状体を予め混合する工程と、
    得られた混合物に対してモース硬度が2〜5である植物性粒状体を加え混合する工程を有する、スタッドレスタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
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