JP6456342B2 - 炭素繊維パイプ成形型 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素繊維パイプ成形後に、パイプから容易に成形型を取り除くことができる炭素繊維パイプ成形型、及び、炭素繊維パイプ製造方法に関する。
従来、運動会や祭り、災害時などに用いられるテントの構造材には、強度が必要なため、金属製のパイプが使用されてきた。運搬や組み立てが容易な製品を開発するため、軽く、強度を備えた代替材料が検討されていた。
近年、このような要望に応えることができる材料として、炭素繊維が各分野で実用化され始めている。この炭素繊維を用いてパイプを作れば、テントの構造材として、従来品よりも、軽く、強度を備えたパイプが得られる可能性がある。
このような炭素繊維パイプを製造する方法として、例えば、円柱状の成形型に剥離材と炭素繊維シートを巻き付け、150℃で熱硬化させ、円筒形状の炭素繊維パイプを作成する方法が知られている。しかしながら、実際に炭素繊維パイプを製造してみると、熱硬化後のパイプは、熱硬化によって縮むため、成形型から非常に抜けにくくなっており、成形型を抜き出す際に、成形型との摩擦によって、パイプ内面に傷ができたり、成形型の抜き出しに時間や手間がかかったりと生産性の悪さが問題となった。
このような問題を解決するための技術として、例えば特許文献1には、テーパー状のマンドレルに予めテ−プを巻き付けて成形型を形成し、中空管体を成形後、中空管体からマンドレルを引き抜き、その後、テ−プを中空管体内より除去する技術が開示されている。この技術によれば、マンドレルがテーパー形状であるので、テ−プを中空管体内より除去した後は、パイプ内面に傷を付けることなく、マンドレルを容易に引き抜くことができる。
また、例えば特許文献2には、軟化点もしくは融点が160℃〜300℃の熱可塑性樹脂をマトリックスとしかつ補強繊維を含有するプリプレグを、超高分子量ポリエチレンからなる熱膨張性の中子と該中子の外側に配された外型との間に介在させ、ついで該プリプレグおよび該中子を加熱して前記熱可塑性樹脂を軟化もしくは溶融させると共に該中子を膨張させた後、該中子および該プリプレグを冷却する技術が開示されている。この技術によれば、中子が冷却時に収縮してパイプとの摩擦が軽減するので、中子を容易に引き抜くことができる。
特開平8−52820号公報 特開平5−293908号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術は、テーパー形状の成形型(マンドレル)を使用するため、例えば、同一内径のパイプを得ようとした場合、テーパーの先端の細くなった部分に、何周もテープを巻かなければならず、毎回テープを付けたり外したりする手間がかかると共に、大量生産する場合には、大量のテープがゴミになってしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示された従来技術は、ゴム製のチューブからなる成形型(中子)を用いるため、金属に比べ劣化が早く、傷が入りやすいため、長期間、多頻度の使用には不向きという問題があった。
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、熱硬化してできた炭素繊維パイプから、容易に成形型を抜くことが可能で、製造時の手間や廃棄物が少なく、耐久性にも優れ、大量生産に好適な炭素繊維パイプ成形型、及び、炭素繊維パイプ製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、棒状の、第一内芯及び第二内芯からなる内芯と、前記第一内芯及び第二内芯が同一直線上に配された状態で、前記内芯によって支持され、前記第一内芯及び第二内芯の各々が外側に突出するよう前記内芯を取り囲むと共に、未硬化の炭素繊維シートが巻き付けられ、炭素繊維シートが熱硬化して炭素繊維パイプが成形された後、前記炭素繊維パイプから、前記内芯が抜き出された際に形成される中空部を介して抜き出される、一方向に長尺な複数のセグメントからなる外芯と、を備えることができる。前記構成によれば、外芯は、複数のセグメントからなり、内芯抜去後に中空部が形成され、この中空部の方向に複数のセグメントの各々を剥離して移動させることができるので、炭素繊維パイプから容易に抜き出せる。また、各セグメントは、炭素繊維パイプの内面から十分に離れた状態で抜き出せるため、製品に傷を付けることがなく、製品の仕上がりを良くできる。さらに、内芯は、二つの部品に分け、外芯の両端からそれぞれ突出させ、外芯との接触面積を小さくしたので、外芯から容易に抜き出せる。
また、本発明の第2の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、前記外芯の複数のセグメントは、前記内芯抜去後に、最初に抜き出され、長尺方向に垂直な断面において、前記外芯の外形の一部をなす面を上面とした際に、底面は前記内芯の幅以下で、側面は、前記底面の両端辺から前記上面に向かって垂直または鋭角に成形されてなる第一セグメントと、二番目に抜き出される第二セグメントと、前記第二セグメント抜去後に抜き出される少なくとも一つの第三セグメントと、を備えることができる。前記構成によれば、外芯の複数のセグメントのうち、最初に抜き出される第一セグメントは、剥離方向に同幅、あるいは、剥離方向に広がるテーパー状に成形されているので、炭素繊維パイプから、セグメント自体を変形せずとも容易に剥離できる。また、炭素繊維パイプから第一セグメントが抜き出されると、残されたセグメントの移動可能な空間が広がるので、残された第二セグメント、第三セグメントも順に抜き出すことができる。
さらにまた、本発明の第3の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、前記外芯は、長尺方向に垂直な断面がすべて同一外形であるよう構成できる。前記構成によれば、従来のテーパー状の型を用いなくても容易に成形型を取り除くことができるため、同一内形のパイプが容易に製造でき、成形用のテープが要らないため、ゴミも出ず、環境に優しく、経済的である。
さらにまた、本発明の第4の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、前記第一内芯と前記第二内芯とは、それぞれ、一方向に長尺で、該長尺方向に垂直な断面が互いに同一の矩形となる直方体形状を有し、前記第一セグメントは、底面が、前記矩形の一辺と同幅で、前記第一内芯及び第二内芯と幅の同じ面で接し、側面が、前記底面の両端辺から前記上面に向かって垂直に成形されてなり、前記第二セグメントは、前記第一セグメントと同一形状であり、前記第一セグメントと対向するよう前記第一内芯及び第二内芯と接しており、前記第三セグメントは、前記第一セグメント及び第二セグメントを両側から挟み込む二つのセグメントからなるよう構成することができる。前記構成によれば、第一セグメントと第二セグメントを抜き取った後、第三セグメントを容易に抜き取ることができる。また、各セグメントの形状は加工に適し、精度の良い製品を製造できる。さらに、構造がシンプルなので、簡単に組み立てることができる。
さらにまた、本発明の第5の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、さらに、前記外芯の外側から両端に取り付けられ、前記複数のセグメントの位置を固定する固定部を備えることができる。前記構成によれば、固定部によって成形型の型崩れを防ぐことができるので、炭素繊維シートの巻き付けが容易になると共に、成形型が型崩れすることによる、仕上がりの悪さを改善することができる。また、仮留め用のテープも不要なため、ゴミも出ず、環境に優しく、経済的である。
さらにまた、本発明の第6の側面に係る炭素繊維パイプ成形型によれば、前記固定部は、前記外芯に取り付けられた状態において、前記内芯が抜き出される挿通孔を備えることができる。前記構成によれば、固定部に挿通孔を設けたことで、内芯の挿入具合を調整できると共に、固定部を取り付けたまま、内芯を取り除くことができる。また、固定部を押さえながら内芯を抜き取ることができるため、製品への負担を少なくできる。
さらにまた、本発明の第7の側面に係る炭素繊維パイプ製造方法によれば、棒状の、第一内芯及び第二内芯からなる内芯を、同一直線上に配し、一方向に長尺な複数のセグメントによって、前記複数のセグメントの両端から前記内芯の各々が外側に突出するように取り囲み、前記複数のセグメントからなる外芯を形成すると共に、前記外芯の位置が固定されるよう前記外芯の両端を固定して炭素繊維パイプ成形型を組み立てる工程と、前記組み立てられた炭素繊維パイプ成形型の外芯に剥離材を巻き付け、該剥離材の上に未硬化の炭素繊維シートを巻き付け、前記未硬化の炭素繊維シートを熱硬化させて炭素繊維パイプを成形する工程と、前記炭素繊維シートを熱硬化させた後、前記外芯の両端の固定を解き、前記内芯を抜き出して中空部を形成した後、前記熱硬化した炭素繊維パイプから、前記複数のセグメントを前記中空部の方向に剥離させて抜き出す工程と、を含むことができる。前記構成によれば、外芯は、複数のセグメントからなり、内芯抜去後に中空部が形成され、この中空部の方向に複数のセグメントの各々を剥離して移動させることができるので、炭素繊維パイプから容易に抜き出せる。また、各セグメントは、炭素繊維パイプの内面から十分に離れた状態で抜き出せるため、製品に傷を付けることがなく、製品の仕上がりを良くできる。また、内芯は、二つの部品に分け、外芯の両端からそれぞれ突出させ、外芯との接触面積を小さくしたので、外芯から容易に抜き出せる。さらにまた、外芯の両端を固定することで、成形型の型崩れを防ぐことができるので、炭素繊維シートの巻き付けが容易になり、加えて、成形型が型崩れすることによる、仕上がりの悪さを改善することができる。
本実施の形態に係る炭素繊維パイプ成形型の模式図である。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプ成形型の、第一内芯側の固定部を外した状態を示す模式正面図である。 図2におけるA−A'模式断面図である。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプ成形型の内芯を取り除いた状態を示す、図2におけるA−A'模式断面図である。 炭素繊維パイプの形状及びそれに対応する炭素繊維パイプ成形型にバリエーションがあることを示す図であって、図5Aは、丸パイプ状の炭素繊維パイプに対する炭素繊維パイプ成形型の一実施形態を示す図であり、図5Bは、角パイプ状の炭素繊維パイプに対する炭素繊維パイプ成形型の一実施形態を示す図であり、図5Cは、図5Aに示す丸パイプ状の炭素繊維パイプに対する炭素繊維パイプ成形型の他の実施形態を示す図であり、図5Dは、六角パイプ状の炭素繊維パイプに対する炭素繊維パイプ成形型の一実施形態を示す図である。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの製造方法の概略を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの製造方法の成形型組立工程を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの製造方法のパイプ成形工程を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの製造方法の成形型抜出工程を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの成形型組立工程の説明図である。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプのパイプ成形工程の説明図である。 本実施の形態に係る炭素繊維パイプの成形型抜出工程の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための炭素繊維パイプ成形型1、及び、炭素繊維パイプ製造方法を例示するものであって、本発明はそれらを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
なお、本明細書においては、熱処理後の硬化した前の炭素繊維のシートを炭素繊維シートCS(Carbon fiber sheet)、熱処理後の硬化した炭素繊維のパイプを炭素繊維パイプCP(Carbon fiber pipe)と記載する。また、同形とは、形のみならず、大きさも同じとする。
(炭素繊維パイプ成形型1の構成)
本実施の形態に係る炭素繊維パイプ成形型1の構成図を図1に、第一内芯21側の固定部4を外した炭素繊維パイプ成形型1の正面図を図2に、図2におけるA−A'断面図を図3に、内芯2を取り除いた炭素繊維パイプ成形型1の図2におけるA−A'断面図を図4に示す。これらの図に示すように、本実施の形態に係る炭素繊維パイプ成形型1は、一方向に長尺で、長尺方向に垂直な断面が互いに同一形状の第一内芯21及び第二内芯22を同一直線上に配した内芯2と、一方向に長尺な複数のセグメントからなり、第一内芯21及び第二内芯22の各々が外側に突出するように内芯2を取り囲む外芯3と、外芯3の外側から両端に取り付けられ、複数のセグメントの位置を固定する固定部4とで構成される。
(内芯2)
内芯2は、第一内芯21と第二内芯22とからなり、外芯3の端部を両端の内側から支持し、外芯3を構成するセグメントの位置が内側に移動しないよう位置を固定すると共に、炭素繊維パイプCP成形後、炭素繊維パイプCPから最初に抜き出される。内芯2は、抜き出された際に中空部23を形成する。中空部23が形成されることにより、内芯2に続いて抜き出される外芯3は、炭素繊維パイプCPと接触せずに抜き出すことができる。また、内芯2は、熱処理前に挿通孔41から一部を引き出すなどして、外芯3に挿入する長さを調整することで、抜き出す際の摩擦が少なくなり、外芯3から抜き出しやすくできる。
第一内芯21と第二内芯22とは、図1〜図3に示すように、一方向に長尺で、長尺方向に垂直な断面が互いに同一の正方形となる直方体形状の金属棒である。炭素繊維パイプCPから成形型を取り除く際に、抵抗が少なくなるよう、表面処理や加工を行ってもよい。また、端部は、面を取るなどして、外芯3や挿通孔41に挿入しやすくしてもよい。内芯2の形状は、前記形状に限定されず、外芯3の端部に挿脱可能な形状であればよく、丸棒、角柱など適宜選択できる。なお、素材は、アルミ合金、ステンレス鋼、またはインバー材料など金属棒を前提に説明したが、熱処理に耐えられる素材であればよく、金属棒に限られない。
(外芯3)
外芯3は、長尺方向の長さが互いに等しい第一セグメント31と、第二セグメント32と、第三セグメント33とからなり、各セグメントの相対的な位置が動かないよう、各セグメントの両端が、内芯2と固定部4とによって、内側及び外側から固定される。外芯3は、炭素繊維シートCSが巻き付けられることで、成形型として使用され、炭素繊維パイプCP成形後に取り出される部材である。
また、各セグメントの長尺方向の長さが等しいものを例に説明したが、各セグメントの長尺方向の長さは、等しくなくても良く、固定部4を取り付けた後に、位置が動かず、露出する部分の長さが所望のパイプの長さより長ければよい。また、各セグメントの長尺方向の長さや端部の形状を変え、固定部4の特定の場所に嵌められるようにすれば、間違った位置に取り付けることを防ぐことができる。
また、炭素繊維パイプCPの内形が異なる場合の炭素繊維パイプ成形型1の例を図5に示す。図5に示すように、長尺方向に垂直な断面の形状は、所望のパイプの内形と同一の外形であればよく、図5Aに示すような円形や楕円形の他、図2に示すような正方形、図5Bに示すような長方形、或いは、図5Dに示すような六角形などの多角形であってもよい。
(第一セグメント31)
第一セグメント31は、内芯2抜去後に、最初に抜き出される部材であり、図1に示すように、一方向に長尺で、長尺方向に垂直な断面の形状が、内芯2の断面と等しい正方形である直方体形状の金属棒である。
ただし、第一セグメント31は、前記形状に限られず、図5Aに示すように、底面が、内芯2の一辺と同幅で、側面が、底面の両端辺から外面(特許請求の範囲における「上面」に対応する。)に向かって垂直に成形された形状であってもよいし、図5Bに示すように、長尺方向に垂直な断面において、底面は内芯2の一辺の幅以下で、側面は、前記底面の両端辺から前記上面に向かって垂直または鋭角に形成されていればよい。このような構成にすることで、内芯2が抜き出された際に形成される中空部23の方向に容易に移動させることができるので、炭素繊維パイプCPから、少ない摩擦で、容易に抜き出すことができる。
(第二セグメント32)
第二セグメント32は、内芯2抜去後に、二番目に抜き出される部材であり、前記第一セグメント31と同一形状であり、前記第一セグメント31と対向するよう前記第一内芯21及び第二内芯22と接するよう配置される。
ただし、第二セグメント32は、前記形状及び配置に限られず、第一セグメント31抜去後に炭素繊維パイプCPから剥離して抜き出すことができ、第二セグメント32抜去後に第三セグメント33が抜き出すことができる形状であればよく、例えば図5Cに示すように、外芯3の第一セグメント31以外の部分を二分割するような形状であってもよい。
(第三セグメント33)
第三セグメント33は、第一セグメント31及び第二セグメント32と一体となって外芯3を形成し、第二セグメント32抜去後に抜き出される部材である。
図1に示すように、長尺方向に垂直な断面の形状が、内芯2と同一の長さの辺と、内芯2の三倍の長さの辺で構成される長方形である直方体形状の二本の金属棒で、第一セグメント31及び第二セグメント32を両側から挟み込むように配置される。
ただし、第三セグメント33は、前記形状及び配置に限られず、第二セグメント32抜去後に炭素繊維パイプCPから順に剥離して抜き出すことができる形状、数であればよく、例えば図5Cに示すように、外芯3の第一セグメント31以外の部分を二分割するような形状であってもよい。
なお、外芯3の各々の素材は、アルミ合金、ステンレス鋼、またはインバー材料など金属棒を前提に説明したが、金属棒に限られず、熱処理に耐えられる素材であればよい。また、内芯2と同じ素材が好ましい。
(固定部4)
固定部4は、外芯3の外側から両端に取り付けられ、複数のセグメントの位置を固定する部材である。また、固定部4は、外芯3に取り付けられた際、内芯2が通り抜けられる大きさ、位置に挿通孔41が設けられており、挿通孔41から内芯2の挿入具合を調整することができる。
図1〜図2に示すように、固定部4は、二つの部品からなり、長尺方向に垂直な断面の形状が、それぞれ外芯3と同形の正方形であり、外芯3を挿入する外芯取付部42を有し、外芯3取り付け部の側面に、貫通するネジ穴43が設けられている。このネジ穴43に外側から六角ボルト44を取り付け、六角ボルト44を締めることで、挿入された外芯3が動かないよう押さえつけて、固定することができる。挿通孔41は、外芯3取り付け部の中央に内芯2よりやや大きな貫通穴として設けられている。
固定部4は、内形の細いパイプなどを製造する際には、端部の形状を手で押さえやすい大きさ・形状にすると、内芯2の抜き出し作業が簡単で製品を傷つける心配が少ない。なお、素材は、アルミ合金、ステンレス鋼、またはインバー材料など熱処理に耐えられる素材であればよい。また、膨張率の観点から内芯2及び外芯3と同じ素材が好ましい。
(炭素繊維パイプ製造方法)
本実施の形態に係る炭素繊維パイプCPの製造方法の概略についてのフローチャートを図6に示す。この図に示すように、炭素繊維パイプCPの製造方法は、主に、ステップST101の炭素繊維パイプ成形型1を組み立てる成形型組立工程と、ステップST102の炭素繊維パイプ成形型1に未硬化の炭素繊維シートCSを巻き付け、熱硬化させて炭素繊維パイプCPを成形するパイプ成形工程と、ステップST103の炭素繊維パイプCPから炭素繊維パイプ成形型1を抜き出す成形型抜出工程からなる。
また、本実施の形態に係る炭素繊維パイプCPの製造方法の成形型組立工程についてのフローチャートを図7に、パイプ成形工程についてのフローチャートを図8に、成形型抜出工程についてのフローチャートを図9に示す。
さらに、本実施の形態に係る炭素繊維パイプCPの製造工程における、成形型組立工程図を図10に、パイプ成形工程図を図11に、成形型抜出工程図を図12に示す。以下、図7〜図12を用いて炭素繊維パイプCPの製造方法を具体的に説明する。
はじめに、図7及び図10に基づいて、炭素繊維パイプ成形型1を組み立てる工程について説明する。まず、ステップST201において、図10Aに示すように、アルミ合金製平板からなるセグメントA、B(特許請求の範囲における「第三セグメント」の一例に対応する。)を、アルミ合金製角材からなり、内芯2と接する面が上を向くよう配置されたセグメントC(特許請求の範囲における「第二セグメント」の一例に対応する。)を挟み込むように配置する。
次に、ステップST202において、図10Bに示すように、セグメントCの上に、アルミ合金製角材からなる、第一内芯21、第二内芯22を、一端が外側に突出するように配置する。
その後、ステップST203において、図10Cに示すように、内芯2の上に、アルミ合金製角材からなるセグメントD(特許請求の範囲における「第一セグメント」の一例に対応する。)を配置する。
さらに、ステップST204において、図10Dに示すように、内芯2が挿通孔41を通して外側に突出するように、アルミ合金からなる固定部4を外芯3に嵌め込む。
次にステップST205において、図10Eに示すように、内芯2の挿入具合を、材質や形状に合わせて、外芯3が内側方向に変形せずに支持でき、かつ挿入量が少なくなるよう調節する。調整後、ステップST206において、図10Fに示すように、外芯3が動かないよう固定部4側面のネジ穴43に取り付けた六角ボルト44を締めて、固定する。
続いて、図8及び図11に基づいて、炭素繊維パイプCPを成形する工程について説明する。まず、ステップST301において、図11Aに示すように、組み立てられた炭素繊維パイプ成形型1に、テープ状の剥離材PM(PEELING MEMBER)を巻き付けた後、ステップST302において、図11Bに示すように、未硬化の炭素繊維シートCSを巻き付け、さらにステップST303において、図11Cに示すように、外側から剥離材PMを巻き付ける。
ステップST304に示すように、未硬化の炭素繊維シートCSを巻き付けた炭素繊維パイプ成形型1を150℃の工業用加熱炉に30分間入れ(特許請求の範囲における「熱処理」の一例に対応する。)、熱硬化させて、炭素繊維パイプCPを成形する。熱処理の温度や時間は、炭素繊維シートCSの種類や厚みによって変わるため、前述の時間や温度に限られない。
最後に、図9及び図12に基づいて、成形された炭素繊維パイプCPから炭素繊維パイプ成形型1を抜き取る工程について説明する。まず、炭素繊維シートCSを熱硬化させた後、炭素繊維パイプCP及び炭素繊維パイプ成形型1の温度が下がったところで、図12Aに示すように、炭素繊維パイプCPの外側に貼り付いている剥離材PMを取り除く。
次に、ステップST401において、図12Bに示すように、外芯3の両端を固定していた固定部4の六角ボルト44を取り外す。
ステップST402において、図12Cに示すように、固定部4を押さえて、挿通孔41から第一内芯21を抜き出す。同様に他端の挿通孔41から第二内芯22を抜き出し、中空部23を形成する。
中空部23が形成された後、ステップST403において、図12Dに示すように、固定部4を取り外す。
次に、ステップST404において、図12Dの状態のセグメントDの両端を、中空部23の方向に向かって(この図において上から下に向かって)、ハンマーで叩き、図12Eに示すように、炭素繊維パイプCPから剥離させて、抜き出す。
ステップST405において、セグメントCが上に配置されるよう上下を反転させて、セグメントDと同様に、セグメントCの両端を、中空部23の方向に向かって(上から下に向かって)、ハンマーで叩き、図12Fに示すように、炭素繊維パイプCPからセグメントCを剥離させて抜き出す。
その後、ステップST406において、セグメントBが上に配置されるよう回転させて、セグメントBの両端を、中空部23の方向に向かって(上から下に向かって)、ハンマーで叩き、図12Gに示すように、炭素繊維パイプCPからセグメントBを剥離させて抜き出す。
次いで、ステップST407において、セグメントAが上に配置されるよう回転させて、セグメントAの両端を、中空部23の方向に向かって(上から下に向かって)、ハンマーで叩き、図12Hに示すように、炭素繊維パイプCPからセグメントAを剥離させて抜き出す。なお、本実施形態では、炭素繊維パイプCPの外周に巻き付けられた剥離剤PMを最初に取り除いた後、内芯2及び外芯3を取り除いたが、剥離剤PMを付けたまま、内芯2及び外芯3を取り除き、その後、外周に巻き付けられた剥離剤PMを取り除いてもよい。なお、成形型がパイプから外れにくい場合は、パイプが痛まないよう、当て布の上からパイプを叩くとよい。また、セグメントA及びセグメントBはいずれを先に抜き出してもよい。
最後に、ステップST408において、図12Iに示すように、炭素繊維パイプCPの内側に貼り付いている剥離材PMを取り除き、所望の炭素繊維パイプCPを得る。
以上説明したように、本発明に係る炭素繊維パイプ成形型1及び炭素繊維パイプ製造方法によれば、テーパー状の成形型を使用せずとも、成形後の炭素繊維パイプCPから容易に成形型を抜くことができる。また、本発明に係る炭素繊維パイプ成形型1は、繰り返し、再利用が可能で、ゴミも少なく、効率良く炭素繊維パイプCPを生産することができる。
本発明に係る炭素繊維パイプ成形型及び炭素繊維パイプ製造方法は、同一内形の炭素繊維パイプの成形に好適である。また、製造された炭素繊維パイプは、従来金属製材料が使用されてきた集会用テントの構造材の代替材料として使用可能である。
1…炭素繊維パイプ成形型
2…内芯
21…第一内芯、22…第二内芯、23…中空部
3…外芯
31…第一セグメント、32…第二セグメント、33…第三セグメント
4、4a、4b…固定部
41…挿通孔、42…外芯取付部、43…ネジ穴、44…六角ボルト
CP…炭素繊維パイプ
CS…未硬化の炭素繊維シート
PM…剥離材

Claims (6)

  1. 棒状の、第一内芯及び第二内芯からなる内芯と、
    前記第一内芯及び第二内芯が同一直線上に配された状態で、前記内芯によって支持され、前記第一内芯及び第二内芯の各々が外側に突出するよう前記内芯を取り囲むと共に、未硬化の炭素繊維シートが巻き付けられ、炭素繊維シートが熱硬化して炭素繊維パイプが成形された後、前記炭素繊維パイプから、前記内芯が抜き出された際に形成される中空部を介して抜き出される、一方向に長尺な複数のセグメントからなる外芯と、
    を備え、
    前記第一内芯及び第二内芯は、前記炭素繊維シートが熱硬化する前において、前記外芯との接触面積を調整できるよう配される炭素繊維パイプ成形型。
  2. 請求項1に記載の炭素繊維パイプ成形型であって、
    前記外芯の複数のセグメントは、
    前記内芯抜去後に、最初に抜き出され、長尺方向に垂直な断面において、前記外芯の外形の一部をなす面を上面とした際に、底面は前記内芯の幅以下で、側面は、前記底面の両端辺から前記上面に向かって垂直または鋭角に成形されてなる第一セグメントと、
    二番目に抜き出される第二セグメントと、
    前記第二セグメント抜去後に抜き出される少なくとも一つの第三セグメントと、
    を備える炭素繊維パイプ成形型。
  3. 請求項2に記載の炭素繊維パイプ成形型であって、
    前記外芯は、長尺方向に垂直な断面がすべて同一外形である炭素繊維パイプ成形型。
  4. 請求項3に記載の炭素繊維パイプ成形型であって、
    前記第一内芯と前記第二内芯とは、それぞれ、一方向に長尺で、該長尺方向に垂直な断面が互いに同一の矩形となる直方体形状を有し、
    前記第一セグメントは、底面が、前記矩形の一辺と同幅で、前記第一内芯及び第二内芯と幅の同じ面で接し、側面が、前記底面の両端辺から前記上面に向かって垂直に成形されてなり、
    前記第二セグメントは、前記第一セグメントと同一形状であり、前記第一セグメントと対向するよう前記第一内芯及び第二内芯と接しており、
    前記第三セグメントは、前記第一セグメント及び第二セグメントを両側から挟み込む二つのセグメントからなる炭素繊維パイプ成形型。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の炭素繊維パイプ成形型であって、さらに、
    前記外芯の外側から両端に取り付けられ、前記複数のセグメントの位置を固定する固定部を備える炭素繊維パイプ成形型。
  6. 請求項5に記載の炭素繊維パイプ成形型であって、
    前記固定部は、前記外芯に取り付けられた状態において、前記内芯が抜き出される挿通孔を備える炭素繊維パイプ成形型。
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