JP6455421B2 - 急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法 - Google Patents

急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属板を連続的に通板しながら焼鈍を行う連続焼鈍設備において、急冷焼入れ時に金属板に発生する形状不良を抑制しつつ、金属板の冷却速度の低下を抑えることのできる金属板の急冷焼入れ装置及び製造方法に関する。
鋼板をはじめとする金属板の製造においては、連続焼鈍設備において、金属板を加熱後に冷却し、相変態を起こさせる等して材質の造り込みを行う。近年、自動車業界では車体の軽量化と衝突安全性の両立を目的として、薄肉化した高張力鋼板(ハイテン)の需要が増している。ハイテンの製造時には、鋼板を急速に冷却する技術が重要となる。鋼板の冷却速度が最も速い技術の1つとして、水焼入れ法が知られている。水焼入れ法では、加熱された鋼板を水中に浸漬させると同時に、水中内に設けられたクエンチノズルにより冷却水を鋼板に噴射することで、鋼板の急冷焼入れが行われる。鋼板の急冷焼入れ時には、鋼板に反りや波状変形等の形状不良が発生するという問題がある。このような鋼板の急冷焼入れ時における形状不良を防止するために、従来、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、連続焼鈍炉での急冷焼入れ時に生じる金属板の波状変形を抑制するために、急冷焼入工程に付される鋼板の張力を変えることのできる張力変更手段として、ブライドルロールを急冷焼入部前後に設ける手法が提案されている。また、特許文献2には、焼入れの際に鋼板の表裏面の少なくとも幅方向の全域に亘って張力を付与することにより、鋼板を平坦状に矯正する手法が提案されている。
しかし、特許文献1に記載された方法は、高温の鋼板に大きな張力をかけるため鋼板の破断が起きるおそれがある。また、高温の鋼板に接触する急冷焼入れ部前のブライドルロールには大きなサーマルクラウンが発生し、ブライドルロールと鋼板とが幅方向に不均一に接触し、その結果、鋼板に座屈が発生したり疵が発生したりするので、鋼板形状を改善することができないという問題がある。また、特許文献2に記載された方法では、張力15N/mmとすることで反り量が数mm程度まで減少しているが、このような高張力では鋼帯に絞りが発生する恐れがある。
これらの問題を解決するための技術を、本出願人は特願2014−240836号において出願している。特願2014−240836号にて用いられる急冷焼入れ装置を図1に示す。図1では、水槽1内に、金属板5に冷却水を吹き付けて水温まで冷却させるための噴出装置4を設ける。噴出装置4において、ノズル14、24から冷却水を金属板5に噴射することで金属板5の急冷を行うとともに、水面下に配置した拘束ロール7で金属板5を拘束することによって、急冷時の金属板の変形を抑制している。
特開2011−184733号公報 特開平11−193418号公報
図1に示す急冷焼入れ装置を用いると、確かに急冷焼入れ時の鋼板の変形を防止できるものの、金属板が噴出装置4内を通過する際に、一時的に金属板の冷却速度が低下することで、金属板の特性が低下するという課題が残っていることが見出された。具体的には、金属板の冷却速度の低下に起因して、所望の引張強度を有する金属板が得られないことがある。
本発明者らの検討によると、高温の金属板と接する拘束ロール7の近傍にて、特に金属板の冷却速度の低下が起こりやすいことが見出された。より具体的に、図2を用いて説明する。図2において矢印で示されるように、噴出装置4の内側において、ノズル14、24から噴出した水は金属板5の表裏面に当たる。この際に、拘束ロール7よりも上側及び下側に位置するノズル14、24からの水は金属板5に当たって十分な冷却能を発揮する。一方で、拘束ロール7と重なる高さに位置するノズル14、24から噴出された水は、拘束ロール7に阻まれて金属板5の表裏面まで到達することができないことにより、拘束ロール7の近傍にて金属板の冷却速度が低下しやすくなることが見出された。また、高温の金属板5と常に接触している拘束ロール7は温度が上昇しやすい。拘束ロール7が高温化することによっても、拘束ロール7の近傍における金属板5に対する冷却速度は低下しやすくなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、急冷焼入れ時に金属板に発生する形状不良を抑制しつつ、拘束ロールの近傍で金属板の冷却速度が低下することを抑えることのできる金属板の急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する金属板の急冷焼入れ装置であって、金属板を浸漬させる液体を収容した水槽と、少なくとも一部が前記水槽の液体中に設けられ、金属板の表面及び裏面に液体を噴射する複数のノズルを備えた噴出装置と、前記噴出装置の入側端部と出側端部との間に設けられ、金属板を拘束する一対の拘束ロールと、を備え、前記拘束ロールは、液体を通す中空部と、外周面から中空部まで貫通するスリットとを有することを特徴とする急冷焼入れ装置。
[2]前記水槽に収容された液体を、前記中空部に圧送する送液手段を備えることを特徴とする前記[1]に記載の急冷焼入れ装置。
[3]前記スリットの長手方向と前記拘束ロールの軸線方向とが平行であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の急冷焼入れ装置。
[4]高温の金属板を水槽中に収容された液体に浸漬させて冷却する金属板の急冷焼入れ方法であって、噴出装置のノズルにより、液体に浸漬された金属板の表裏面に液体を噴射しつつ、噴出装置の入側端部と出側端部との間に設けられた一対の拘束ロールにより、金属板を拘束し、前記拘束ロールの中空部に液体を圧送し、拘束ロールの外周面と中空部とを連通するスリットから液体を噴出させることを特徴とする急冷焼入れ方法。
[5]前記拘束ロールの中空部には、水槽中に収容された液体が圧送されることを特徴とする前記[4]に記載の急冷焼入れ方法。
[6]前記スリットの長手方向と前記拘束ロールの軸線方向とが平行であることを特徴とする前記[4]又は[5]に記載の急冷焼入れ方法。
本発明によって、急冷焼入れ時に、拘束ロールの近傍において金属板の冷却速度が一時的に低下してしまうことを防止することができる。
図1は、従来の急冷焼入れ装置を示す説明図である。 図2は、図1の噴出装置4付近を示す拡大図である。 図3は、本発明に係る急冷焼入れ装置を示す説明図である。 図4は、図4の噴出装置4付近を示す拡大図である。 図5は、本発明で用いられる拘束ロールの斜視図である。 図6は、本発明で用いられる拘束ロールの断面図である。 図7は、本発明例の結果を示すグラフである。 図8は、比較例の結果を示すグラフである。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図3は本発明の実施の形態に係る急冷焼入れ装置を示す図であり、図4は急冷焼入れ装置の噴出装置4付近の拡大図である。急冷焼入れ装置は、連続焼鈍炉の均熱帯の出側に設けられた冷却設備に適用される。図3では、連続焼鈍炉の均熱帯の出口に設けられた一対のシールロール3が示されている。急冷焼入れ装置は、金属板5を冷却するための液体である水2を収容した水槽1と、金属板5に水2を吹き付けて冷却するための噴出装置4と、金属板5を拘束して変形を防ぐ拘束ロール17とを備えている。また、噴出装置4の出側には、金属板5の搬送方向を変更するシンクロール6が設けられる。
噴出装置4は、水を噴出する複数のノズル14、24と、ノズル14、24を保持するノズルユニット34、44とからなる。ノズルユニット34及び44は、金属板5を通板するための間隙を内側に形成する。前記間隙中を金属板5が通板される際に、金属板5の表裏面に向かってノズル14、24から水が噴出される。図3(及び図4)の例では、金属板5の左側を表面とし、右側を裏面とする。図の左側には、ノズル14を金属板5の表面に向けるようにノズルユニット34が配置され、図の右側には、ノズル24を金属板5の裏面に向けるようにノズルユニット44が配置される。
また、図3及び図4の例では、ノズルユニット34及び44は、それぞれ搬送方向に沿って2つずつに分割される。金属板5の表面側には、入側ノズルユニット34aと出側ノズルユニット34bとが設けられ、裏面側には、入側ノズルユニット44aと出側ノズルユニット44bとが設けられる。拘束ロール17は、入側ノズルユニット34a、44aと出側ノズルユニット34b、44bとの間に設けられる。これにより、拘束ロール17は、噴出装置の入側端部(図3における入側ノズルユニット34a、44aの入側端面)と、噴出装置の出側端部(図3における出側ノズルユニット34b、44bの出側端面)との間に設けられることになる。
入側ノズルユニット34a、44aは、一部が水中に浸漬し、残部が水上から出るように、設けられる。通板されてきた金属板5は、水上に出ている入側ノズルユニット34a、44aの内側の間隙に装入され、次いで水中に浸漬して、ノズル14及び24から水が噴出される。尚、高温の金属板5が水中に導入された際に発生する水の噴き上げを抑えるため、開口部が水面よりも上部に位置するノズルは、下方向に向いて斜めに設けられ、斜め下に向かって水を噴出する。
金属板5は、入側のノズルユニット34a、44aを通過した後に、拘束ロール17により拘束される。拘束ロール17は、金属板5の急冷時に生じうる変形を防止するために、水中において金属板5を表裏面から挟みつける。一対の拘束ロール17は、中心軸を金属板5の搬送方向にずらして配置することが好ましい。中心軸をずらして配置することで、金属板5の拘束力を増大させ、形状矯正力を高めることができる。
金属板5は、拘束ロール17を通過した後に、出側ノズルユニット34b、44bの間隙を通過する。この際にも、出側ノズルユニット34b、44bに設けられたノズル14、24によって金属板5の表裏面に水が噴出される。
図3の例では、入側ノズルユニット34a、44aと出側ノズルユニット34b、44bとが、拘束ロール17を挟むように設けられており、拘束ロール17と重なる高さ位置にはノズルユニット及びノズルが設けられていない。このような例では、入側ノズルユニット34a、44aの最も出側に位置するノズル(図3では上から3番目のノズル)と、出側ノズルユニット34b、44bの最も入側に位置するノズル(図3では下から4番目のノズル)との間では、金属板5に水が当たらず、金属板5の温度が下がりにくくなる。
また、連続的に金属板5を通板していると、高温の金属板5と常に接触することになる拘束ロール17の温度は上昇する。これにより、拘束ロール17による拘束時に、金属板5は冷えにくく、冷却速度が落ちてしまう。上記のように、拘束ロールの近傍では、ノズルから噴出された水が十分に金属板に当たらないことに加えて、拘束ロール自体の温度が上がってしまうことによって、金属板5の温度が下がりにくくなる。
本発明では、中空部とスリットとを備えた拘束ロール17を用いることにより、拘束ロール17の近傍における金属板5に対する冷却速度の低下を防止することができる。
図5のように、本発明で用いられる拘束ロール17は、内側に中空部17dを備える。中空部17dは、拘束ロール17の長手方向全体に亘って設けられる。拘束ロール17は、断面形状において外周面17aと内周面17bとが同心円状を形成する、筒状体である。図示していないものの、拘束ロール17は中空状のシャフトと接続され、シャフトを通して中空部17dに液体が圧送される。中空部17dに液体媒が供給されることにより、液体と接触する内周面17bを通して、拘束ロール17が冷却される。中空部17dに供給される液体としては、通常水槽1内に収容された液体が用いられ、典型例として水2が挙げられる。図示していないが、水槽1中に収容された水2を中空部17dに圧送する送水手段(送液手段)が設けられていてもよい。より具体的には、水槽1中に設けられた配管と配管の途中に設けられたポンプとを用いて、水槽1中の水2を吸い上げ、シャフトを通して中空部17dに水2を圧送することができる。
また、拘束ロール17は、外周面17aと中空部17dとを貫通するスリット17cを備える。これにより、中空部17dに、軸線方向に沿って圧送された水(水槽1内に収容された液体)は、スリット17cを通って、拘束ロール17の周方向へと噴出する。周方向へ噴出した水は、高速で回転する拘束ロール17の外周面17aに膜状に存在することになる。これにより、外周面17aを通して拘束ロール17が冷却される。以上のように、水を中空部17dに圧送することで、外周面17a及び内周面17bを通して、拘束ロール17の温度上昇を防止することができる。
図5に示すように、スリット17cは、拘束ロール17の軸線方向に沿って設けられることが好ましく、より具体的にはスリット17cの長手方向と拘束ロール17の軸線方向とが平行となるように設けられることが好ましい。これにより、金属板5を幅方向に均一に冷却することができる。また、設けられるスリット17cの数は1本であってもよいし複数本であってもよいが、拘束ロール17の周方向の温度むらをなくすという観点からは、拘束ロール17の周方向に均等に、複数本(更に好ましくは3〜6本)のスリット17cを設けることが好ましい。尚、スリットは、一辺が1〜3mmで他辺が2000mmの長方形又はひし形形状であることが好ましい。また、スリットに供給する水量の一例として、約500m/hr程度が挙げられる。
拘束ロール17は、熱伝導率に優れるとともに、金属板5の挟圧時における荷重に耐えられる強度を備えた材質で形成されていればよい。拘束ロール17の材質としては、例えば、炭素鋼、SUS304、SUS310、セラミック等が挙げられる。尚、拘束ロール17の表面には、適宜めっき層を設けることもできる。
図6では、拘束ロール17の軸線方向とは垂直の断面図を示す。図6(a)はスリット17cが設けられていない部分の断面図であり、図6(b)はスリット17cが設けられている部分の断面図である。図6(b)の例では、スリット17cは、拘束ロール17の周方向に、6つ設けられている。
本発明に係る急冷焼入れ装置は、金属板5の搬送方向に沿って一体として形成された、非分割型のノズルユニットによって形成されていてもよい。
例えば、図1及び図2に示す左右のノズルユニット34、44は、搬送方向に分割されることなく、それぞれ一体として形成されている。このようなノズルユニット34、44の間隙の内側に設けられる拘束ロールとして、上述した中空部17dとスリット17cとを備えた拘束ロール17を用いることができる。
図1及び図2で示す非分割型のノズルユニットを採用する例において、ノズルユニット34、44に設けられた複数のノズル14、24のうち、開口部が拘束ロール17の高さと重なるノズルが存在することがある(図1及び図2の例では、ノズルユニット34の上から5番目及び6番目のノズルと、ノズルユニット44の上から4番目及び5番目のノズルが該当する)。よって、拘束ロール17の近傍では、水が金属板5に十分に当たらず、金属板5に対する冷却速度が低下しやすい状態にある。
このような場合でも、上述した拘束ロール17を用いることにより、中空部17dに水を通すことで拘束ロール17の温度上昇を防ぐことができ、拘束ロール17近傍における金属板5に対する冷却速度の低下を防止することができる。
尚、拘束ロール17の着脱及びメンテナンス等が容易となることや、ノズルの開口部と金属板5までの距離を近づけて冷却能力を高められること、等を勘案すると、非分割型のノズルユニット(図2)よりも分割型のノズルユニット(図4)を採用する方がより好ましい。
図示していないが、噴出装置4における各ノズルは、ポンプを途中に設けた配管に接続される。ポンプによって、水槽1内の水2が配管内を汲み上げられて、ノズル14、24へと圧送されることにより、ノズル14、24の開口部から高圧水が噴出される。
また、水槽1内の水2は、焼入れに適した水温となるように維持される。水槽1内の水2の一部が、外部のクーリングタワー等の冷却設備に送られて冷却された後に、冷却後の水2が水槽1へと戻されることで、水槽1内の水温上昇が防止される。例えば、水槽1内の水温としては、0℃超50℃以下が好ましく、10℃以上40℃以下が特に好ましい。
本発明に係る急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法は、高強度冷延鋼板(ハイテン)の製造方法に適用することが特に好ましい。より具体的には、引張強度が580MPa以上である鋼板の製造方法に適用することが好ましい。引張強度の上限は特に制限されないが、一例として1600MPa以下であればよい。ハイテンの製造時には、鋼板を急速に冷却することで、緻密な組織制御を行うことが重要となる。従来の急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法では、拘束ロール17近傍での冷却速度が低下することで、所望の金属組織を作りこむことができず、ハイテンの強度が所望値よりも低下してしまうという問題が発生している。本発明に係る急冷焼入れ装置及び急冷焼入れ方法を適用してハイテンを製造することで、拘束ロール17近傍での冷却速度の低下を防ぎ、より確実に所望の強度のハイテンを製造することができる。
高強度冷延鋼板の組成の具体例として、質量%で、Cが0.04%以上0.25%以下、Siが0.01%以上2.50%以下、Mnが0.80%以上3.70%以下、Pが0.001%以上0.090%以下、Sが0.0001%以上0.0050%以下、sol.Alが0.005%以上0.065%以下、必要に応じて、Cr、Mo、Nb、V、Ni、Cu、及びTiの少なくとも1種以上がそれぞれ0.5%以下、さらに必要に応じて、B、Sbがそれぞれ0.01%以下、残部がFe及び不可避的不純物である例が挙げられる。
尚、本発明の実施形態は、鋼板を水冷する例に限定されるものではなく、鋼板以外の金属板全般の冷却に適用することができ、また、水以外の冷媒を用いた急冷焼入れにも適用することができる。
以下に、実施例を用いて本発明についてより具体的に説明する。
(本発明例1)
図3及び図4に示した急冷焼入れ装置を用いて、板厚1.0mm、板幅1000mmで引張強さ1470MPa級の高張力冷延鋼板を、通板速度1.0m/sで製造した。通板中には、拘束ロール17の中空部17dに水槽1内の水2を圧送した。
また、急冷焼入れ装置に通板中の鋼板の温度を測定した。具体的には、熱電対型の温度計を用いて、鋼板の被測定領域の温度を経時的に測定した。尚、鋼板の冷却開始温度(噴出装置4に入る直前の温度)は740℃であり、冷却終了温度は50℃であった。冷却開始後の経過時間と鋼板の温度との関係から、鋼板の冷却速度を計算した。結果を図7に示す。
(比較例1)
図1及び図2に示した急冷焼入れ装置を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして実験を行った。尚、拘束ロール7としては、中実状のものを用いた。
図7(本発明例)では、鋼板の冷却速度は時間によって低下せず、ほぼ一定であった。一方、図8(比較例)では、経過時間が0.2(s)と0.4(s)との間で、冷却速度が約40%(1500℃/s→900℃/s)低下している。この冷却速度が低下する時間には、鋼板は拘束ロール7の近傍を通過していることが分かった。以上より、本発明に係る急冷焼入れ装置を用いることで、拘束ロール近傍における金属板の冷却速度の低下を抑えられることが示された。
また、本発明例1によって製造された鋼板の引張強度はほぼ1470MPaであったのに対し、比較例1によって製造された鋼板の引張強度は約1400MPaであり、引張強度の低下が見られた。本発明を適用することで、拘束ロール近傍での冷却速度の低下に伴う、鋼板の特性低下を防止することができた。
1 水槽
2 水
3 シールロール
4 噴出装置
5 金属板
6 シンクロール
7、17 拘束ロール
14、24 ノズル
17a 外周面
17b 内周面
17c スリット
17d 中空部
34、44 ノズルユニット
34a、44b 入側ノズルユニット
34b、44b 出側ノズルユニット

Claims (5)

  1. 高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する金属板の急冷焼入れ装置であって、
    金属板を浸漬させる液体を収容した水槽と、少なくとも一部が前記水槽の液体中に設けられ、金属板の表面及び裏面に液体を噴射する複数のノズルを備えた噴出装置と、
    前記噴出装置の入側端部と出側端部との間に設けられ、金属板を拘束する一対の拘束ロールであって、液体を通す中空部と、外周面から中空部まで貫通するスリットとを有する拘束ロールと、
    前記水槽に収容された液体を、前記中空部に圧送する送液手段と、を備えることを特徴とする急冷焼入れ装置。
  2. 前記スリットの長手方向と前記拘束ロールの軸線方向とが平行であることを特徴とする請求項1に記載の急冷焼入れ装置。
  3. 高温の金属板を水槽中に収容された液体に浸漬させて冷却する金属板の急冷焼入れ方法であって、
    噴出装置のノズルにより、液体に浸漬された金属板の表裏面に液体を噴射しつつ、
    噴出装置の入側端部と出側端部との間に設けられた一対の拘束ロールにより、金属板を拘束し、
    前記拘束ロールの中空部に液体を圧送し、拘束ロールの外周面と中空部とを連通するスリットから液体を噴出させることを特徴とする急冷焼入れ方法。
  4. 前記拘束ロールの中空部には、水槽中に収容された液体が圧送されることを特徴とする請求項3に記載の急冷焼入れ方法。
  5. 前記スリットの長手方向と前記拘束ロールの軸線方向とが平行であることを特徴とする請求項3又は4に記載の急冷焼入れ方法。
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