JP6455276B2 - 圧延ロール - Google Patents

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Description

本発明は、例えば線材や棒鋼等となる各種金属素材を圧延加工する圧延ロールに関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に示されるような、線材や棒鋼等となる各種金属素材に対して圧延加工を施す圧延ロールが知られている。
この圧延ロールは、軸線回りに回転させられるシャフト部材と、シャフト部材の外周面に嵌合し、超硬合金等からなる圧延リングと、シャフト部材の外周面のうち軸線方向の一方側の端部に突設されて、圧延リングの軸線方向の一方側へ向けた移動を規制するフランジと、シャフト部材の外周面のうち軸線方向の他方側の端部に螺着する押圧ナットと、押圧ナットを軸線方向に貫通して形成される複数のネジ孔と、各ネジ孔に螺着するとともに、圧延リングの軸線方向の他方側に隣接配置されるスペーサを介して、該圧延リングを軸線方向の一方側へ向けて押圧するネジ軸と、を備えている。
この圧延ロールでは、ネジ孔に対するネジ軸(頭付ボルト)の螺着位置(ねじ込み量)を調整して、ネジ軸の頭部でスペーサを軸線方向の一方側へ向けて押し込むことにより、該スペーサを介して圧延リングが押圧されるとともに、フランジとの間に挟持されて、シャフト部材に固定される。
また、圧延加工時においては、圧延リング近傍に冷却水が供給される。
特許第3198877号公報
しかしながら、上記従来の圧延ロールにおいては、圧延リングを冷却するために供給される冷却水が、押圧ナットとスペーサの間(ネジ軸の頭部が配置される隙間)を通して、圧延リングとシャフト部材の間に浸入し、シャフト部材に腐食が生じるおそれがあった。
このようにシャフト部材に腐食が発生すると、圧延リングがスリップしたり、シャフト部材の摩耗が早まったりして、圧延加工の精度や工具寿命に影響する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、冷却水の浸入によるシャフト部材の腐食を防止して、圧延加工を長期にわたり精度よく安定して行うことができ、工具寿命を延長することができる圧延ロールを提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の圧延ロールは、軸線回りに回転させられるシャフト部材と、前記シャフト部材の外周面に嵌合する圧延リングと、前記シャフト部材の外周面に設けられ、前記シャフト部材に対する前記圧延リングの軸線方向の一方側へ向けた移動を規制する支持部と、前記シャフト部材の外周面に嵌合するとともに、前記圧延リングの軸線方向の他方側に設けられる介装リングと、前記シャフト部材の外周面に螺着するとともに、前記介装リングの軸線方向の他方側に隣接配置される押圧ナットと、前記押圧ナットを軸線方向に貫通して形成されるネジ孔と、前記ネジ孔に螺着するとともに、前記介装リングを軸線方向の一方側に向けて押圧可能なネジ軸と、を備え、前記押圧ナットには、軸線方向の一方側に向けて開口し、前記ネジ孔よりも径方向外側に位置する内周面を有する嵌合穴部が形成され、前記介装リングは、前記嵌合穴部内に嵌合する嵌合軸部を有し、前記嵌合穴部の内周面と前記嵌合軸部の外周面とは、互いに径方向に対向配置され、前記ネジ軸は、前記嵌合軸部における軸線方向の他方側の端面を押圧することで、前記介装リングを軸線方向の一方側に向けて押圧し、前記押圧ナットと前記介装リングの間における少なくとも一部以上が、前記嵌合穴部の内周面と前記嵌合軸部の外周面との間に設けられた環状のシール部材によって、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされていることを特徴とする。
この圧延ロールでは、押圧ナットのネジ孔に対するネジ軸の螺着位置(ねじ込み量)を調整し、該ネジ軸で介装リングを軸線方向の一方側へ向けて押し込むことにより、該介装リングを介して、圧延リングが軸線方向の一方側へ押圧される。圧延リングは、支持部により軸線方向の一方側へ向けた移動が規制されているため、軸線方向の両側から挟持されることとなり、シャフト部材に固定される。
本発明ではこのような構成を用いたことにより、例えば圧延リングを固定するために油圧調整機構等を用いるような、複雑で大掛かりな設備は不要となり、設備を簡素化することができる。
その一方で、本発明の上記構成では、押圧ナットのネジ孔に螺着するネジ軸が介装リングを押圧するため、押圧ナットと介装リングの間には、ネジ軸のねじ込み量に応じて隙間が形成されることになる。
そこで、この圧延ロールでは、押圧ナットと介装リングの間における少なくとも一部以上を、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールする構成を採用した。つまり、押圧ナットと介装リングの間における少なくとも一部以上がシールされており、これら部材同士の間を通して、圧延ロールの外部から内部へ液体が流入することが規制されている。これにより、圧延加工時に供給される冷却水が、これらの押圧ナットと介装リングの間を通して、圧延リングとシャフト部材の間に浸入することを防止できる。
このように冷却水の浸入を防止できるため、シャフト部材の腐食を防止することが可能になり、圧延リングのスリップやシャフト部材の摩耗が効果的に抑制される。
以上より本発明によれば、冷却水の浸入によるシャフト部材の腐食を防止して、圧延加工を長期にわたり精度よく安定して行うことができ、工具寿命を延長することができる。
また、ネジ軸が介装リングを押圧する部分(ネジ軸が介装リングに当接する部分)よりも径方向外側に位置する所定位置において、押圧ナットと介装リングとが互いに径方向に対向配置されている。そして、この所定位置にはシール部材が配設されており、該シール部材によって、押圧ナットと介装リングの間が、液体の通過を規制した状態とされてシールされている。
従って、圧延リングの固定時に、押圧ナットのネジ孔に対するネジ軸のねじ込み量を調整して、押圧ナットと介装リングの軸線方向の相対位置が変化した場合であっても(押圧ナットと介装リングとが軸線方向にスライド移動しても)、前記所定位置において、押圧ナットと介装リングの径方向の相対位置は変化しないため、この所定位置におけるシール部材によるシール状態が良好に維持される。
よって、上述した本発明の作用効果が、より安定して奏功される。
さらに、シール部材が配設される前記所定位置は、ネジ軸が介装リングを押圧する部分よりも径方向外側に配置されている。従って、調整スペースが必要とされがちな「ネジ軸が介装リングを押圧する部分」に対しても、シール部材によって冷却水の浸入が防止される。よって、前記調整スペースへの水溜りが防止される。
これにより、シャフト部材のみならず、押圧ナット、ネジ軸及び介装リングの腐食についても防止することができる。
また、本発明の圧延ロールにおいて、前記圧延リングの軸線方向の両端面に、軸線回りに延びる環状のシール部材が設けられることが好ましい。
また、本発明の圧延ロールにおいて、前記介装リングの軸線方向の一方側の端面に、軸線回りに延びる環状のシール部材が設けられることが好ましい。
上記構成のように、圧延リングの軸線方向の両端面や、介装リングの軸線方向の一方側の端面に、例えばOリング等の軸線回りに延びるシール部材が設けられていると、これらの端面を通して、冷却水が、圧延リングや介装リングと、シャフト部材との間に浸入することを防止できる。
これにより、シャフト部材の腐食をより確実に防止できる。
なお、圧延リングと介装リングとは、軸線方向に隣接して(直接的に接触して)配設されていてもよいし、これらの圧延リングと介装リングとの間に、スペーサが配置されていてもよい。いずれの構成であっても、圧延ロールの内部への冷却水の浸入が防止される。
また、本発明の圧延ロールにおいて、前記嵌合軸部における軸線方向の他方側の端面のうち、少なくとも前記ネジ軸が押圧する部分に、表面硬化処理が施されていることが好ましい。
この場合、介装リングにおける軸線方向の他方側の端面のうち、少なくともネジ軸が押圧する部分に表面硬化処理が施されているので、前記押圧する部分の硬度が高められている。
従って、押圧ナットのネジ孔にネジ軸をねじ込み、介装リングを介して圧延リングを軸線方向に押圧してシャフト部材に固定する際、介装リングの端面がネジ軸の押圧力により変形してしまう(窪んでしまう)ことを抑制できる。
これにより、シャフト部材に対して圧延リングを確実に固定することができる。また、ネジ軸によって介装リングの端面を繰り返し押圧しても、上述の作用効果が安定して奏功される。
なお、この表面硬化処理としては、例えば高周波焼き入れ等が挙げられる。
具体的に、介装リングの端面のうちネジ軸が押圧する部分の硬度は、例えばロックウェル硬さで45HRC以上であることが好ましい。これにより、介装リングの端面が変形することを格別顕著に抑制できる。
また、本発明の圧延ロールにおいて、前記支持部は、前記シャフト部材の外周面に螺着するとともに、前記圧延リングの軸線方向の一方側に配設される支持ナットであることが好ましい。
この場合、シャフト部材に対して圧延リングを固定するときに、支持部(支持ナット)の変形を抑えることができる。
具体的に、圧延リングを固定する際に、押圧ナットのネジ孔にネジ軸を締め込んでいくと、この圧延ロールには、軸線方向に例えば500〜600tもの大きな軸方向荷重(側圧)が作用し、この側圧を受ける支持部に応力が集中しやすくなる。
例えば従来のように、支持部として、シャフト部材に一体に形成されて外周面から突設するフランジを設けていると、このフランジに大きな側圧が作用して、フランジの根本部分に変形等が生じる可能性がある。フランジに変形等が生じた場合、シャフト部材に対して圧延リングを安定して固定できなくなる。
そこで本発明では、上記構成のように支持部として、シャフト部材の外周面に螺着する支持ナットを採用した。これにより、たとえ大きな側圧が作用した場合であっても、シャフト部材と支持ナットの螺着領域全体に応力が分散させられるため、支持ナットの変形等が抑えられる。
従って、圧延リングを安定して固定することができ、該圧延リングのスリップ等を防止できる。
本発明の圧延ロールによれば、冷却水の浸入によるシャフト部材の腐食を防止して、圧延加工を長期にわたり精度よく安定して行うことができ、工具寿命を延長することができる。
本発明の一実施形態に係る圧延ロールの要部を示す縦断面図である。 図1のII部を拡大して示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る圧延ロール1について、図面を参照して説明する。
〔圧延ロールの概略構成〕
本実施形態の圧延ロール1は、例えば線材や棒鋼等となる各種金属素材に対して、圧延加工を施すものである。圧延ロール1は、そのシャフト部材2に対して圧延機の回転トルクが伝達されることにより、軸線O回りに回転駆動させられる。
また、圧延加工時には、圧延ロール1の圧延リング3近傍に対して、外部から冷却水が供給される。
図1に示されるように、この圧延ロール1は、シャフト部材2と、圧延リング3と、支持ナット(支持部)4と、介装リング5と、押圧ナット6と、ネジ軸7と、スペーサ8と、シール部材9と、を備えている。
本実施形態の例では、圧延リング3、支持ナット4、介装リング5、押圧ナット6及びスペーサ8の外径が、互いに略同一とされている。ただしこれに限定されるものではなく、これら部材の外径は、互いに異なっていてもよい。
また、これら部材のうち、シャフト部材2、支持ナット4、介装リング5及び押圧ナット6は、例えばSCM材により形成される。圧延リング3は、例えばWC等の超硬合金により形成される。スペーサ8は、例えばS45C材により形成される。
なお、これらの部材を構成する材料の種類(材質)は、上記の例に限定されるものではない。
〔本明細書で用いる向きの定義〕
本明細書では、シャフト部材2の軸線Oが延びる方向を軸線O方向という。また、図1において、軸線O方向に沿って押圧ナット6から支持ナット4側へ向かう方向を軸線O方向の一方側(又は単に一方側)といい、支持ナット4から押圧ナット6側へ向かう方向を軸線O方向の他方側(又は単に他方側)という。
また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、軸線Oに接近する向きを径方向の内側といい、軸線Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
〔シャフト部材〕
シャフト部材2は、多段円柱状をなしている。シャフト部材2の両端部(又はいずれかの端部のみでもよい)は、不図示の圧延機に回転可能に支持されている。圧延加工時において、シャフト部材2は、軸線O回りの周方向のうち所定の回転方向に回転させられる。
図1において、シャフト部材2の軸線O方向の両端部は、両端部同士の間に位置する部分(中間部分)に比べて、小径となっている。そして、シャフト部材2の前記中間部分に対して、圧延リング3、支持ナット4、介装リング5、押圧ナット6及びスペーサ8が設けられている。
なお、本明細書でいう「シャフト部材2の外周面」とは、シャフト部材2のうち両端部間に位置する前記中間部分の外周面を指している。
図1に示される例では、シャフト部材2の外周面が、略一定の外径に形成されている。またこれにより、シャフト部材2の外周面に配設される圧延リング3、支持ナット4、介装リング5、押圧ナット6及びスペーサ8の内径が、互いに略同一とされている。
ただしこれに限定されるものではなく、例えば、シャフト部材2の外周面のうち、少なくとも圧延リング3及びスペーサ8を配設した部分が、この部分以外の他の部位に比べて、大径に形成されていてもよい。言い換えると、シャフト部材2の外周面のうち、押圧ナット6、介装リング5及び支持ナット4の少なくともいずれかが配設される部分が、圧延リング3及びスペーサ8が配設される部分よりも、小径とされていてもよい。なお、この場合、シャフト部材2の大径とされた部分の外径が、小径とされた部分に装着される部材(押圧ナット6、介装リング5及び支持ナット4)の外径よりも、小さくされる。
シャフト部材2の外周面のうち、軸線O方向の一方側の端部(図1における右端部)、及び他方側の端部(図1における左端部)には、それぞれ雄ネジ加工が施されており、雄ネジ部が形成されている。また、シャフト部材2の外周面のうち、軸線O方向の両端部間(雄ネジ部同士の間)に位置する部分については、単なる円柱外周面とされている。
〔圧延リング〕
圧延リング3は、円筒状をなしており、シャフト部材2の外周面に嵌合している。本実施形態では、圧延リング3が、シャフト部材2の外周面に、軸線O方向に間隔をあけて複数(図1の例では2つ)設けられている。ただしこれに限定されるものではなく、圧延リング3は、シャフト部材2の外周面に、1つのみ設けられていてもよい。
圧延リング3の外周面には、成形溝(カリバー)10が形成されている。成形溝10は、圧延リング3の外周面から径方向内側へ向けて窪んでいるとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
圧延加工時において、圧延リング3の成形溝10は、金属素材からなるワーク(被圧延材)に直接接触させられて、ワークを成形する。成形溝10の縦断面視(図1に示される軸線O方向に沿う断面視)の形状は、ワークに対応して設定される。
図1に示される例では、圧延リング3の外周面に、軸線O方向に間隔をあけて複数条の成形溝10が配置されている。ただしこれに限定されるものではなく、圧延リング3の外周面に形成される成形溝10は、1条のみであってもよい。
〔支持ナット〕
支持ナット(支持部)4は、シャフト部材2の外周面に設けられ、該シャフト部材2に対する圧延リング3の軸線O方向の一方側へ向けた移動を規制する。そして本実施形態では、このような機能を備える支持部として、シャフト部材2の外周面に螺着する支持ナット4が用いられている。
なお、支持ナット4の軸線O方向に沿う長さ(螺着領域)は、30mm以上であることが好ましい。
具体的に、支持ナット4は、シャフト部材2の外周面における圧延リング3の軸線方向の一方側に配設されているとともに、該シャフト部材2の外周面において一方側の端部に位置する雄ネジ部に螺着している。
図示の例では、支持ナット4の軸線O方向の他方側の端面(他方側を向く側面)に対して、圧延リング3の軸線O方向の一方側の端面(一方側を向く側面)が、直接当接している。ただしこれに限定されるものではなく、支持ナット4と圧延リング3の間には、スペーサ8が介装されていてもよい。
〔スペーサ〕
スペーサ8は、シャフト部材2の外周面において、軸線O方向に隣り合う圧延リング3同士の間に介装されている。なお、本実施形態の例では、スペーサ8が、シャフト部材2の外周面に1つのみ設けられているが、複数設けられていてもよい。
〔介装リング〕
図1及び図2に示されるように、介装リング5は、シャフト部材2の外周面に嵌合しており、圧延リング3の軸線O方向の他方側に設けられている。
本実施形態の例では、介装リング5の軸線O方向の一方側の端面(一方側を向く側面、つまり図2において右側を向く面)に対して、圧延リング3の軸線O方向の他方側の端面(他方側を向く側面、つまり図2において左側を向く面)が、直接当接している。ただしこれに限定されるものではなく、介装リング5と圧延リング3の間には、スペーサ8が介装されていてもよい。
図2において、介装リング5のうち、軸線O方向の他方側に位置する部分には、この部分以外の部位よりも外径が小さくされた嵌合軸部11が形成されている。図示の例では、嵌合軸部11の軸線O方向の長さが、介装リング5の軸線O方向の全長のうち半分程度とされている。
なお、嵌合軸部11は、介装リング5のうち少なくとも軸線O方向の他方側の端部に形成されていればよい。また、嵌合軸部11は、介装リング5の全長にわたって形成されていてもよい。
また、介装リング5(の嵌合軸部11)における軸線O方向の他方側の端面のうち、少なくともネジ軸7が押圧する部分(当接する部分)には、表面硬化処理が施されている。なお、この表面硬化処理としては、例えば高周波焼き入れ等が挙げられる。
具体的に、介装リング5の前記端面のうち、ネジ軸7が押圧する部分の硬度は、例えばロックウェル硬さで45HRC以上であることが好ましい。
〔押圧ナット〕
押圧ナット6は、シャフト部材2の外周面に螺着するとともに、介装リング5の軸線O方向の他方側に隣接配置される。押圧ナット6は、シャフト部材2の外周面において他方側の端部に位置する雄ネジ部に螺着している。
押圧ナット6の軸線O方向に沿う長さ(螺着領域)は、30mm以上であることが好ましい。なお、本実施形態の例では、押圧ナット6の軸線O方向の長さが、支持ナット4の軸線O方向の長さよりも小さくなっている。
押圧ナット6には、該押圧ナット6を軸線O方向に貫通するネジ孔12が形成されている。ネジ孔12は、軸線O上に位置する貫通孔(ナットを機能させるための雌ネジ孔)ではなく、押圧ナット6において軸線Oから径方向外側に離間した位置に形成された貫通孔である。つまりネジ孔12は、押圧ナット6の内周面と外周面の間に配置される。
また、押圧ナット6においてネジ孔12は、周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、これらのネジ孔12が、周方向に等間隔をあけて配置されている。
押圧ナット6のうち、軸線O方向の一方側に位置する部分には、この部分以外の部位よりも内径が大きくされた嵌合穴部13が形成されている。嵌合穴部13は、軸線O方向の一方側へ向けて開口している。嵌合穴部13の内周面は、ネジ孔12よりも径方向外側に位置している。
そして、嵌合穴部13の径方向内側には、介装リング5の嵌合軸部11が嵌合している。つまり、押圧ナット6と介装リング5とは、嵌合穴部13と嵌合軸部11とが嵌合する部分において、互いに径方向に対向配置されている。
なお、本明細書においては、嵌合穴部13の内周面と、嵌合軸部11の外周面とが嵌合する部分を指して、「所定位置」ということがある。
嵌合穴部13の底面(嵌合穴部13の内部において軸線O方向の一方側を向く面)と、嵌合軸部11における軸線O方向の他方側の端面(他方側を向く面)との間には、若干の隙間が設けられている。この隙間は、ネジ孔12に螺着して嵌合穴部13の底面から軸線O方向の一方側へ向けて突出する後述のネジ軸7が、嵌合軸部11における軸線O方向の他方側の端面に当接しているために設けられたものである。
また、押圧ナット6において嵌合穴部13よりも径方向外側に位置して軸線O方向の一方側を向く端面(押圧ナット6において最も軸線O方向の一方側に位置する面)と、介装リング5において嵌合軸部11よりも径方向外側に位置して軸線O方向の他方側を向く端面(介装リング5の嵌合軸部11以外の部位において最も軸線O方向の他方側に位置する面)との間にも、若干の隙間が設けられている。この隙間には、シリコンコーキング剤等のシール部材9a(9)が充填されている。
なお、嵌合軸部11が、介装リング5の軸線O方向の全長にわたって形成される場合には、押圧ナット6において嵌合穴部13よりも径方向外側に位置して軸線O方向の一方側を向く端面は、圧延リング3において軸線O方向の他方側を向く端面に対して、若干の隙間をあけて対向配置される。この場合も、前記隙間にはシリコンコーキング剤等のシール部材が充填される。
〔ネジ軸〕
ネジ軸7は、押圧ナット6のネジ孔12に螺着しているとともに、介装リング5を軸線O方向の一方側に向けて押圧可能である。本実施形態の例では、ネジ軸7として、該ネジ軸7の全長にわたって外径が一定に形成された、六角穴付き止めネジが用いられている。ただしこれに限定されるものではなく、例えばネジ軸7は、押圧ナット6の軸線O方向の他方側の端面から頭部が突出させられ、該頭部に連設されたネジ部が、ネジ孔12に螺着するとともに該ネジ孔12の軸線O方向の一方側の端部から突出させられた、頭付きボルトであってもよい。
本実施形態の例では、ネジ軸7における軸線O方向の両端部のうち、軸線O方向の一方側の端部が、ネジ孔12から一方側へ向けて突出しているとともに、介装リング5の嵌合軸部11において軸線O方向の他方側を向く端面に当接している。また、ネジ軸7の軸線O方向の他方側の端部は、ネジ孔12内に配置されている。そして、ネジ孔12内のうち、ネジ軸7よりも軸線O方向の他方側に位置する隙間には、シリコンコーキング剤等のシール部材9b(9)が充填されている。
なお、ネジ軸7が介装リング5に当接して該介装リング5を押圧する径方向の位置は、圧延リング3における径方向の中央部(圧延リング3の外周縁部と内周縁部から略等しい距離にある中央部分)に対応して設定されるか、或いは、圧延リング3の内周縁部に対応して設定されることが好ましい。
また、上述した「所定位置」、すなわち、嵌合穴部13の内周面と、嵌合軸部11の外周面とが嵌合する部分は、ネジ軸7が介装リング5を押圧する部分よりも、径方向の外側に配置されている。
〔シール部材〕
シール部材9は、圧延ロール1の外部から供給される冷却水が、該圧延ロール1の内部に浸入することを防止するものであり、弾性変形可能に形成されている。ただし、冷却水の浸入を防止できる機能を有していればよく、弾性変形不能であってもよい。
本実施形態では、シール部材9として、上述したシリコンコーキング剤等のシール部材9a、9bの他、Oリング等からなる複数のシール部材9c〜9gが設けられている。シール部材9c〜9gは、圧延ロール1に配設されたときに、いずれも軸線O回りに延びる環状をなしている。
上記複数のシール部材9c〜9gのうち、シール部材9c(9)は、押圧ナット6と介装リング5とが、互いに径方向に対向する上記「所定位置」に設けられている。
具体的に、このシール部材9cは、上記所定位置において、嵌合穴部13の内周面及び嵌合軸部11の外周面のいずれかに形成された環状溝内に収容されている。また、シール部材9cは、前記環状溝の3方の内壁(一対の側壁及び底壁)に密着しているとともに、該環状溝の開口部から僅かに突出するように設けられており、この環状溝に対向する周面部分に対しても、密着させられている。
そして、このシール部材9c及び上述したシール部材9aによって、押圧ナット6と介装リング5の間が、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシール(密閉、密封、封止)されている。具体的には、これらのシール部材9a、9cによって、押圧ナット6と介装リング5の間における少なくとも一部以上(本実施形態の例では2箇所)が、圧延ロール1の外部から内部への液体(冷却水)の通過を規制した状態とされて、シールされている。
なお、シール部材9cについては、軸線O方向に互いに間隔をあけて、又は隣接して、複数設けられていてもよい。
シール部材9d(9)は、介装リング5の軸線O方向の一方側の端面に設けられている。また、言い換えると、シール部材9d(9)は、圧延リング3の軸線O方向の他方側の端面に設けられている。
シール部材9dは、介装リング5における軸線O方向の一方側の端面、及び、該介装リング5の一方側に隣接する圧延リング3における軸線O方向の他方側の端面、のいずれかに形成された環状溝内に収容されている。また、シール部材9dは、前記環状溝の3方の内壁(一対の側壁及び底壁)に密着しているとともに、該環状溝の開口部から僅かに突出するように設けられており、この環状溝に対向する端面部分に対しても、密着させられている。
そして、このシール部材9dによって、介装リング5と圧延リング3の間が、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされている。具体的には、シール部材9dによって、介装リング5と圧延リング3の間における少なくとも一部以上(本実施形態の例では1箇所)が、圧延ロール1の外部から内部への液体(冷却水)の通過を規制した状態とされて、シールされている。つまりシール部材9dは、径方向に互いに間隔をあけて、又は隣接して、複数設けられていてもよい。
シール部材9e(9)は、圧延リング3の軸線O方向の一方側の端面に設けられている。また、言い換えると、シール部材9e(9)は、スペーサ8の軸線O方向の他方側の端面に設けられている。
シール部材9eは、圧延リング3における軸線O方向の一方側の端面、及び、該圧延リング3の一方側に隣接するスペーサ8における軸線O方向の他方側の端面、のいずれかに形成された環状溝内に収容されている。また、シール部材9eは、前記環状溝の3方の内壁(一対の側壁及び底壁)に密着しているとともに、該環状溝の開口部から僅かに突出するように設けられており、この環状溝に対向する端面部分に対しても、密着させられている。
そして、このシール部材9eによって、圧延リング3とスペーサ8の間が、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされている。具体的には、シール部材9eによって、圧延リング3とスペーサ8の間における少なくとも一部以上(本実施形態の例では1箇所)が、圧延ロール1の外部から内部への液体(冷却水)の通過を規制した状態とされて、シールされている。つまりシール部材9eは、径方向に互いに間隔をあけて、又は隣接して、複数設けられていてもよい。
シール部材9f(9)は、スペーサ8の軸線O方向の一方側の端面に設けられている。また、言い換えると、シール部材9f(9)は、圧延リング3の軸線O方向の他方側の端面に設けられている。
シール部材9fは、スペーサ8における軸線O方向の一方側の端面、及び、該スペーサ8の一方側に隣接する圧延リング3における軸線O方向の他方側の端面、のいずれかに形成された環状溝内に収容されている。また、シール部材9fは、前記環状溝の3方の内壁(一対の側壁及び底壁)に密着しているとともに、該環状溝の開口部から僅かに突出するように設けられており、この環状溝に対向する端面部分に対しても、密着させられている。
そして、このシール部材9fによって、スペーサ8と圧延リング3の間が、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされている。具体的には、シール部材9fによって、スペーサ8と圧延リング3の間における少なくとも一部以上(本実施形態の例では1箇所)が、圧延ロール1の外部から内部への液体(冷却水)の通過を規制した状態とされて、シールされている。つまりシール部材9fは、径方向に互いに間隔をあけて、又は隣接して、複数設けられていてもよい。
シール部材9g(9)は、圧延リング3の軸線O方向の一方側の端面に設けられている。また、言い換えると、シール部材9g(9)は、支持ナット4の軸線O方向の他方側の端面に設けられている。
シール部材9gは、圧延リング3における軸線O方向の一方側の端面、及び、該圧延リング3の一方側に隣接する支持ナット4における軸線O方向の他方側の端面、のいずれかに形成された環状溝内に収容されている。また、シール部材9gは、前記環状溝の3方の内壁(一対の側壁及び底壁)に密着しているとともに、該環状溝の開口部から僅かに突出するように設けられており、この環状溝に対向する端面部分に対しても、密着させられている。
そして、このシール部材9gによって、圧延リング3と支持ナット4の間が、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされている。具体的には、シール部材9gによって、圧延リング3と支持ナット4の間における少なくとも一部以上(本実施形態の例では1箇所)が、圧延ロール1の外部から内部への液体(冷却水)の通過を規制した状態とされて、シールされている。つまりシール部材9gは、径方向に互いに間隔をあけて、又は隣接して、複数設けられていてもよい。
なお、上述した各シール部材9c〜9gが収容される環状溝は、超硬合金からなる圧延リング3に形成するよりは、該圧延リング3以外の鋼材等からなる他の部材(比較的硬度が低く靱性が確保された材料)に形成することが好ましい。
〔本実施形態による作用効果〕
この圧延ロール1では、押圧ナット6のネジ孔12に対するネジ軸7の螺着位置(ねじ込み量)を調整し、該ネジ軸7で介装リング5を軸線O方向の一方側へ向けて押し込むことにより、該介装リング5を介して、圧延リング3が軸線O方向の一方側へ押圧される。圧延リング3は、支持ナット4により軸線O方向の一方側へ向けた移動が規制されているため、軸線O方向の両側から挟持されることとなり、シャフト部材2に固定される。またスペーサ8についても、上記同様の作用により、シャフト部材2に固定される。
本実施形態ではこのような構成を用いたことにより、例えば圧延リング3を固定するために油圧調整機構等を用いるような、複雑で大掛かりな設備は不要となり、設備を簡素化することができる。
その一方で、本実施形態の上記構成では、押圧ナット6のネジ孔12に螺着するネジ軸7が介装リング5を押圧するため、押圧ナット6と介装リング5の間には、ネジ軸7のねじ込み量に応じて隙間が形成されることになる。
そこで、この圧延ロール1では、押圧ナット6と介装リング5の間における少なくとも一部以上を、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールする構成を採用した。つまり、押圧ナット6と介装リング5の間における少なくとも一部以上がシールされており、これら部材6、5同士の間を通して、圧延ロール1の外部から内部へ液体が流入することが規制されている。これにより、圧延加工時に供給される冷却水が、これらの押圧ナット6と介装リング5の間を通して、圧延リング3とシャフト部材2の間に浸入することを防止できる。
このように冷却水の浸入を防止できるため、シャフト部材2の腐食を防止することが可能になり、圧延リング3のスリップやシャフト部材2の摩耗が効果的に抑制される。
以上より本実施形態によれば、冷却水の浸入によるシャフト部材2の腐食を防止して、圧延加工を長期にわたり精度よく安定して行うことができ、工具寿命を延長することができる。
また、本実施形態では、ネジ軸7が介装リング5を押圧する部分(ネジ軸7が介装リング5に当接する部分)よりも径方向外側に位置する所定位置において、押圧ナット6と介装リング5とが互いに径方向に対向配置されている。そして、この所定位置にはシール部材9cが配設されており、該シール部材9cによって、押圧ナット6と介装リング5の間が、液体の通過を規制した状態とされてシールされている。
従って、圧延リング3の固定時に、押圧ナット6のネジ孔12に対するネジ軸7のねじ込み量を調整して、押圧ナット6と介装リング5の軸線O方向の相対位置が変化した場合であっても(押圧ナット6と介装リング5とが軸線O方向にスライド移動しても)、前記所定位置において、押圧ナット6と介装リング5の径方向の相対位置は変化しないため、この所定位置におけるシール部材9cによるシール状態が良好に維持される。
よって、上述した本実施形態の作用効果が、より安定して奏功される。
さらに、シール部材9cが配設される前記所定位置は、ネジ軸7が介装リング5を押圧する部分よりも径方向外側に配置されている。従って、調整スペースが必要とされがちな「ネジ軸7が介装リング5を押圧する部分」に対しても、シール部材9cによって冷却水の浸入が防止される。よって、前記調整スペースへの水溜りが防止される。
これにより、シャフト部材2のみならず、押圧ナット6、ネジ軸7及び介装リング5の腐食についても防止することができる。
なお、本実施形態では、押圧ナット6と介装リング5とが互いに径方向に対向配置される所定位置に、シール部材9cが設けられて、押圧ナット6と介装リング5の間が、液体の通過を規制した状態とされてシールされていると説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、押圧ナット6の嵌合穴部13と、介装リング5の嵌合軸部11との嵌合のみによって、押圧ナット6と介装リング5の間を、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールすることが可能な場合には、シール部材9cは設けられていなくてもよい。またこの場合、シール部材9aについても同様に、設けられなくてもよい。
また、本実施形態では、圧延リング3の軸線O方向の両端面、介装リング5の軸線O方向の一方側の端面、スペーサ8の軸線O方向の両端面、支持ナット4の軸線O方向の他方側の端面に、軸線O回りに延びる環状のシール部材9d〜9gが設けられているので、これらの端面を通して、冷却水が、圧延リング3・介装リング5・スペーサ8・支持ナット4と、シャフト部材2と、の間に浸入することを防止できる。
これにより、シャフト部材2の腐食をより確実に防止できる。
なお、圧延リング3の軸線O方向の両端面、介装リング5の軸線O方向の一方側の端面、スペーサ8の軸線O方向の両端面、支持ナット4の軸線O方向の他方側の端面において、シール部材9d〜9gを設けることなく、対向する端面同士の当接(密着)のみによって、端面同士の間を、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールすることが可能な場合には、これらの端面にシール部材9d〜9gが設けられていなくてもよい。
また、圧延リング3と介装リング5とは、本実施形態で説明したように、軸線O方向に隣接して(直接的に接触して)配設されていてもよいし、本実施形態とは異なり、これらの圧延リング3と介装リング5との間に、スペーサ8が配置されていてもよい。いずれの構成であっても、圧延ロール1の内部への冷却水の浸入が防止される。
また、押圧ナット6における軸線O方向の他方側の端面に開口するネジ孔12には、シリコンコーキング剤等のシール部材9bが充填されているため、ネジ軸7を軸線O方向に移動させても、該ネジ軸7とネジ孔12との間のシール性が確保されて、この間を通して圧延ロール1の内部に冷却水が浸入することを防止できる。
また、本実施形態では、介装リング5における軸線O方向の他方側の端面のうち、少なくともネジ軸7が押圧する部分に表面硬化処理が施されているので、前記押圧する部分の硬度が高められている。
従って、押圧ナット6のネジ孔12にネジ軸7をねじ込み、介装リング5を介して圧延リング3を軸線O方向に押圧してシャフト部材2に固定する際、介装リング5の端面がネジ軸7の押圧力により変形してしまう(窪んでしまう)ことを抑制できる。
これにより、シャフト部材2に対して圧延リング3を確実に固定することができる。また、ネジ軸7によって介装リング5の端面を繰り返し押圧しても、上述の作用効果が安定して奏功される。
なお、介装リング5の端面のうちネジ軸7が押圧する部分の硬度を、ロックウェル硬さで45HRC以上とした場合には、介装リング5の端面が変形することを、格別顕著に抑制することができる。
また、本実施形態では、シャフト部材2に対する圧延リング3の軸線O方向の一方側へ向けた移動を規制するための支持部として、シャフト部材2の外周面に螺着するとともに、圧延リング3の軸線方向の一方側に配設される支持ナット4を用いたので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、シャフト部材2に対して圧延リング3を固定するときに、支持部(支持ナット4)の変形を抑えることができる。
具体的に、圧延リング3を固定する際に、押圧ナット6のネジ孔12にネジ軸7を締め込んでいくと、この圧延ロール1には、軸線O方向に例えば500〜600tもの大きな軸方向荷重(側圧)が作用し、この側圧を受ける支持部に応力が集中しやすくなる。
ここで、例えば従来のように、支持部として、シャフト部材に一体に形成されて外周面から突設するフランジを設けていると、このフランジに大きな側圧が作用して、フランジの根本部分に変形等が生じる可能性がある。フランジに変形等が生じた場合、シャフト部材に対して圧延リングを安定して固定できなくなる。
このため本実施形態では、上記構成のように支持部として、シャフト部材2の外周面に螺着する支持ナット4を採用した。これにより、たとえ大きな側圧が作用した場合であっても、シャフト部材2と支持ナット4の螺着領域全体に応力が分散させられるため、支持ナット4の変形等が抑えられる。
従って、圧延リング3を安定して固定することができ、該圧延リング3のスリップ等を防止できる。
なお、支持ナット4の軸線O方向の長さ(螺着領域)が30mm以上であると、応力分散の効果がより安定的に得られやすい。また押圧ナット6についても、支持ナット4に作用する側圧と同様の側圧が作用(反作用)することがあるため、軸線O方向の長さ(螺着領域)は30mm以上であることが好ましい。
また、本実施形態では、押圧ナット6のネジ孔12が、周方向に等間隔をあけて配置されているので、これらのネジ孔12に螺着する各ネジ軸7により、介装リング5を周方向に均等に押圧することができる。従って、介装リング5を介した圧延リング3の固定が、より安定して行える。
また、ネジ軸7が介装リング5を押圧する径方向の位置が、圧延リング3における径方向の中央部(圧延リング3の外周縁部と内周縁部から略等しい距離にある中央部分)に対応して設定される場合には、圧延リング3に軸線O方向の押圧力が安定して伝達されやすくなり、圧延リング3やスペーサ8をより固定しやすくなる。
また、ネジ軸7が介装リング5を押圧する径方向の位置が、圧延リング3における内周縁部に対応して設定される場合には、例えば長期の使用により、圧延リング3を外周から再研磨して該圧延リング3の外径が小さくなったとしても、ネジ軸7により圧延リング3を、工具寿命まで安定して押圧することができる。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、介装リング5における軸線O方向の他方側の端面のうち、少なくともネジ軸7が押圧する部分に、表面硬化処理が施されていることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、介装リング5の材質そのものに、硬度の高い素材を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、図1に示されるように、圧延リング3、支持ナット4、介装リング5、押圧ナット6及びスペーサ8における軸線O方向の各端面が、軸線Oに垂直な平面とされているが、これに限定されるものではない。
また、前述の実施形態では、支持部として支持ナット4を用いたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば支持部として、シャフト部材2の外周面から径方向外側へ向けて突出するとともに、周方向に沿って延びる環状のフランジを用いてもよい。ただしこの場合、500〜600t程度の側圧が作用しても変形等が生じない程度に、フランジにおける軸線O方向の長さ(フランジ厚)を十分に確保することが好ましい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 圧延ロール
2 シャフト部材
3 圧延リング
4 支持ナット(支持部)
5 介装リング
6 押圧ナット
7 ネジ軸
9c シール部材
9d シール部材
9e シール部材
9f シール部材
9g シール部材
12 ネジ孔
O 軸線

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転させられるシャフト部材と、
    前記シャフト部材の外周面に嵌合する圧延リングと、
    前記シャフト部材の外周面に設けられ、前記シャフト部材に対する前記圧延リングの軸線方向の一方側へ向けた移動を規制する支持部と、
    前記シャフト部材の外周面に嵌合するとともに、前記圧延リングの軸線方向の他方側に設けられる介装リングと、
    前記シャフト部材の外周面に螺着するとともに、前記介装リングの軸線方向の他方側に隣接配置される押圧ナットと、
    前記押圧ナットを軸線方向に貫通して形成されるネジ孔と、
    前記ネジ孔に螺着するとともに、前記介装リングを軸線方向の一方側に向けて押圧可能なネジ軸と、を備え、
    前記押圧ナットには、軸線方向の一方側に向けて開口し、前記ネジ孔よりも径方向外側に位置する内周面を有する嵌合穴部が形成され、
    前記介装リングは、前記嵌合穴部内に嵌合する嵌合軸部を有し、
    前記嵌合穴部の内周面と前記嵌合軸部の外周面とは、互いに径方向に対向配置され、
    前記ネジ軸は、前記嵌合軸部における軸線方向の他方側の端面を押圧することで、前記介装リングを軸線方向の一方側に向けて押圧し、
    前記押圧ナットと前記介装リングの間における少なくとも一部以上が、前記嵌合穴部の内周面と前記嵌合軸部の外周面との間に設けられた環状のシール部材によって、外周から内周側への液体の通過を規制するようにシールされていることを特徴とする圧延ロール。
  2. 請求項1に記載の圧延ロールであって、
    前記圧延リングの軸線方向の両端面に、軸線回りに延びる環状のシール部材が設けられることを特徴とする圧延ロール。
  3. 請求項1又は2に記載の圧延ロールであって、
    前記介装リングの軸線方向の一方側の端面に、軸線回りに延びる環状のシール部材が設けられることを特徴とする圧延ロール。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の圧延ロールであって、
    前記嵌合軸部における軸線方向の他方側の端面のうち、少なくとも前記ネジ軸が押圧する部分に、表面硬化処理が施されていることを特徴とする圧延ロール。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の圧延ロールであって、
    前記支持部は、前記シャフト部材の外周面に螺着するとともに、前記圧延リングの軸線方向の一方側に配設される支持ナットであることを特徴とする圧延ロール。
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