JP6454954B2 - 組成物、これを用いた反射防止層およびその形成方法、ならびにそれを有するガラスおよび太陽電池モジュール - Google Patents

組成物、これを用いた反射防止層およびその形成方法、ならびにそれを有するガラスおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明はガラス表面に反射防止層を形成するのに利用される組成物等に関する。特に熱強化ガラスにおいて優れた耐久性と反射防止機能を有するコート層を形成する組成物に関する。またその反射防止層、その形成方法、および反射防止膜を形成したガラス、該ガラスを構成要素として含む太陽電池モジュールに関する。
現在、太陽電池用カバーガラス、建材用ガラス、自動車用ガラスおよびディスプレイ用ガラスにおいて広く熱強化処理が施されている。このような熱強化ガラスには、各用途への適用に際し、反射防止効果が付与されている。
強化ガラスへ反射防止効果を付与するためには従来CVD法により表面に反射防止層を形成する方法が採用されていた。しかしながらCVD法が適用できる材料において最も低い屈折率を示すのはMgFであるが、それでも屈折率は1.38程度である。そこで高反射性能、低コスト化のニーズからCVD法よりも低屈折率化を図れる湿式塗布方式が適用されつつある。
湿式塗布方式の場合、省プロセス化のためガラス表面にシロキサン系反射防止コーティング組成物を塗布後、熱強化プロセスにおいて熱強化と同時に塗布膜を硬化する方法が一般的である。
例えば、特許文献1において、コーティング組成物を塗布後ガラスの半溶融プロセスにおいて硬化するシロキサン系反射防止コーティング組成物が提案されている。また、特許文献2において、基板接着性に優れる反射防止コーティング組成物が提案されている。また、基板接着性向上に関し、特許文献3において、ポリイミド樹脂組成物にアミド酸構造を有する有機ケイ素化合物を添加することが提案されている。
特開平11―292568号公報 特開2012−505295号公報 特開平9−222729号公報
強化ガラスが適用される上記の各用途においては、温度サイクル試験、耐湿熱試験などで代表される耐久性試験をクリアする必要がある。特に加水分解性を有するシロキサン系コーティング組成物においては耐湿熱性が課題となる。例えば太陽電池用カバーガラスにおいては、屋外での長期使用のため、特に厳しい耐湿熱性が要求される。しかしながら、従来の反射防止コーティング組成物では、耐湿熱性が不十分であった。
本発明は上記課題を解決し、ガラス等にコーティングでき、耐湿熱性に優れた組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は、
(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子と、
(b)一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物と、
Si(OR (1)
(式中Rは同じでも異なってもよく、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
(c)一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物と、
Figure 0006454954
(一般式(2)、(3)中、Rは同じでも異なってもよく、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数3〜30の3価の炭化水素基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。nは1〜3の整数を表す。)
(d)溶媒と、
アルミキレート化合物またはチタンキレート化合物と、
を含有し、(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子を全固形分中50wt%以上含有することを特徴とする組成物である。
本発明の組成物はガラス基材に塗布した場合、熱強化プロセスにおいて硬化可能であり、得られた反射防止膜は優れた反射防止性能と耐湿熱性能を有する。また、エンボスガラスなど表面に凹凸を有する基板に塗布した場合でも優れた反射防止性能を有する。
鎖状シリカ粒子ついての概略説明図である。 本発明に係るエンボスガラスの表面断面図である。 本発明に係るエンボスガラス表面への液の塗布状態の概略説明図である。 本発明に係る反射防止膜を使用した太陽電池モジュールの概略説明図である。
本発明の組成物は以下の構成を有する。
(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子と、
(b)一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物と、
(RSi(OR4−m (1)
(式中Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。Rは同じでも異なってもよく、アルキル基、アシル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。mは0〜3の整数を表す。)
(c)一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物と、
Figure 0006454954
(一般式(2)、(3)中、Rは同じでも異なってもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、フェニル基、フェノキシ基またはそれらの置換体を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子から選ばれるいずれか複数の原子から構成される炭素数3〜30の3価の炭化水素基を表す。Rは同じでも異なってもよく、水素原子、またはケイ素原子を含まない炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子から選ばれるいずれか複数の原子から構成される炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。nは1〜3の整数を表す。)
(d)溶媒と、
を含有し、(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子を全固形分中50wt%以上含有する。以下、各成分について説明する。
(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子
本発明の鎖状シリカ粒子は、複数の一次粒子が他の材質からなる接合部を介することなくシロキサン結合などの化学結合により直接結合し、連続して鎖状になったものをいい、直線状に伸びた形状であっても、2次元的、もしくは3次元的に湾曲した形状であっても構わない。
鎖状シリカ粒子の平均一次粒子径(D、鎖状シリカ粒子の概略説明図である図1参照)は、5nm以上であり、7nm以上がより好ましい。Dが5nm未満では、本発明の組成物から得られる膜が構造的に弱く耐久性に劣る。また、Dは、40nm以下であり、30nm以下がより好ましい。Dが40nmを超えると、塗布膜厚が厚くなりすぎ、好ましい反射防止性能を得ることができない。
ここで本発明においては平均一次粒子径Dは以下のように測定された値とする。組成物をキャスト後乾燥したもの、もしくは組成物を用いて形成した膜を電子顕微鏡で観察し、任意の一次粒子30個についてそれぞれ長径と短径を測定し、それらの平均値を平均一次粒子径Dとする。
このような鎖状シリカ粒子は堆積状態において粒子間空隙が大きくなるため、該粒子を用いることにより、本発明の組成物から得られる膜の屈折率を低くすることが可能となる。
具体的には単層の反射防止膜を用いて良好な反射防止効果を得るためには、その反射防止膜の屈折率が、透明基材の屈折率に対して1/2乗程度である必要がある。一般的な光学ガラスの屈折率は1.47〜1.70であるため、反射防止膜の屈折率としては1.21〜1.30程度が要求されることになる。なお、本明細書において屈折率は特に断りがない限り、測定波長633nmにおける値である。
通常の球状シリカのみを用いた場合には屈折率を該範囲に制御することは難しく、低屈折率化をはかるためには組成物中の粒子の含有比率を大きくする必要がある。そうすると粒子以外のマトリックス構造の含有比率が小さくなるため、耐湿熱性などの耐久性が著しく低くなる。鎖状シリカ粒子を用いることにより耐久性を維持しながら屈折率1.30以下の低屈折率膜を得ることが可能になる。
上記鎖状シリカ粒子の具体例としては、日産化学工業株式会社製の「スノーテックス(登録商標)−OUP」、「スノーテックス(登録商標)−UP」、「スノーテックス(登録商標)PS−M」、「スノーテックス(登録商標)PS−MO」、「スノーテックス(登録商標)PS−S」、「スノーテックス(登録商標)PS−SO」、「IPA−ST−UP」、日本国触媒化成工業株式会社製の「ファインカタロイドF−120」等が挙げられる。
本発明の組成物においては、全固形分中の(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子の含有量は50wt%以上であり、60wt%以上であることがより好ましい。この範囲よりも少ないと本発明の組成物から得られる膜の屈折率が低く制御できず、ガラスの反射防止膜として好ましい反射防止性能を得ることができない。
必要に応じ上記鎖状シリカ粒子と通常の球状シリカ粒子を併用することも好ましいが、全固形分中の鎖状シリカ粒子の含有量は50wt%以上である必要がある。
併用できる球状シリカ粒子の具体例としては、日産化学工業株式会社製の「IPA−ST」、「MIBK−ST」、「IPA−ST−L」、「IPA−ST−ZL」、「PGM−ST」、扶桑化学工業製の「クォートロンPL−2L」、「クォートロンPL−1」、「クォートロンPL−3」、「クォートロンPL−7」などが挙げられる。
(b)一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物
(b)の成分はコーティング層形成時に粒子間をつなぐマトリックスとしてはたらく。組成物中の(b)成分の含有量としては特に制限はないが、シロキサン比率が高まると耐湿熱性など耐久性は向上するので、全固形分中において50wt%以下の範囲内でできるだけ多めに含まれることが好ましい。全固形分中の含有量としては5wt%以上50wt%以下が好ましく、7wt%以上40wt%以下がさらに好ましい。該範囲であることにより、低屈折率と耐久性を両立することができる。
一般式(1)のRにおけるアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−スチリル基、p−メトキシフェニル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(1)のRにおけるアルキル基、アシル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
アルキル基の具体例としてはRにおけるものと同じものが挙げられるが、中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が好ましい。
アシル基の具体例としては、アセチル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としてはRにおけるものと同じものが挙げられるが、中でもフェニル基が好ましい。
一般式(1)のmは0から3の整数を表す。mが0の場合は4官能性シラン、mが1の場合は3官能性シラン、mが2の場合は2官能性シラン、mが3の場合は1官能性シランである。
4官能性シランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。
3官能性シランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリn−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリn−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリメトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸などが挙げられる。
2官能性シランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジn−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシランなどが挙げられる。
1官能性シランの具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリn−ブチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシランなどが挙げられる。
なお、これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのオルガノシランの中でも、膜の耐湿熱性、硬度からmが0の4官能性シランがこのましく用いられ、(b)成分としては、メチルシリケート51(メチルシリケートオリゴマー、平均4量体)メチルシリケート53(メチルシリケートオリゴマー、平均7量体)、エチルシリケート40(エチルシリケートオリゴマー、平均5量体)、エチルシリケート48(エチルシリケートオリゴマー、平均10量体)といったシリケートオリゴマーが特に好ましい。
シリケートオリゴマーを使用する場合、一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランにおいて、Rの80モル%以上が水素原子であることが好ましく、90モル%以上が水素原子であることがより好ましい。予め水酸基となっている成分が多いことにより、シロキサン硬化時において反応性シラノール基が増えるため高架橋密度の硬化膜を得ることができ、それによって、本発明の組成物から得られる膜の耐湿熱性や硬度がより向上するからである。
水酸基の比率を上げる方法としては特に限定はないが、シリケートオリゴマー、もしくはその溶液にOR基に対し化学当量以上の水を添加し、40℃以上に加熱し加水分解させる方法を例示することができる。このとき、必要に応じ酸、アルカリなどの加水分解触媒を併用することも好ましい。また、(b)成分単独の状態だけでなく、本発明の組成物の状態で加水分解を行う方法も好ましく用いることができる。
一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物はオルガノシラン化合物を加水分解した後、該加水分解物を溶媒の存在下、あるいは無溶媒で縮合反応させることによって得ることができる。
加水分解反応の各種条件、例えば酸濃度、反応温度、反応時間などは、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して適宜設定することができるが、例えば、溶媒中、オルガノシラン化合物に酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、室温〜110℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは30〜130℃である。
加水分解反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などのハロゲン化水素系無機酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、クロム酸などのその他無機酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸、酢酸、クエン酸、蟻酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、ピルビン酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸などのカルボン酸を例示することができる。
酸触媒を低沸点のものを使用し、加水分解反応後に系中を酸触媒の沸点以上に制御することにより、酸成分の一部もしくは全部を除去することも組成物の保存安定性の点から好ましい。
酸触媒の好ましい含有量は、加水分解反応時に使用される全オルガノシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜5重量部である。酸触媒の量を上記範囲とすることで、加水分解反応が必要かつ十分に進行するよう容易に制御できる。
オルガノシラン化合物の加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、反応液をそのまま50℃以上、溶媒の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行うことが好ましい。また、ポリシロキサンの重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒を添加してもよい。
オルガノシラン化合物の加水分解反応および該加水分解物の縮合反応に用いられる溶媒は、特に限定されず、樹脂組成物の安定性、塗れ性、揮発性などを考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよいし、無溶媒で反応を行ってもよい。溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、1−t−ブトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;酢酸イソプロピル、、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルジグリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、トリアセチルグリセリンなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、安息香酸エチル、ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
(c)一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物
本発明の組成物が、一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物を含有することにより、その組成物から耐湿熱性に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明において課題となるガラスの耐湿熱性について、一般的にガラス、もしくは反射防止層がコーティングされたガラスは、高温高湿条件下で使用すると劣化により透過率の低下が認められる。このメカニズムはガラスのやけとして認識されている。
具体的には湿熱下において基材ガラス内部に含有されるナトリウムなどのアルカリ金属イオンが水蒸気中のプロトンイオンとのイオン交換により表面に移動し、大気中の水との反応でNaOHなどの水酸化物となる。これは強アルカリであるため、ガラス表面、もしくは反射防止層を溶解し、表面に凹凸を形成し白くもりを形成する。さらにNaOHなどのアルカリ水酸化物は水や大気中の二酸化炭素と反応しNaCO、NaHCOといった結晶物を形成する。また、NaOHによるガラスの溶解により、カルシウムイオンなど他の金属イオンが露出し、これと大気中の二酸化炭素との反応によりCaCOといった他の金属イオンの結晶物を形成する。これら結晶が異物となり、透過率を低下させる。
そこで、高温高湿条件下においても反射防止層の膜厚の低下もしくは透過率の低下が抑制されるようになっていれば、耐湿熱性が向上していると言える。膜の耐湿熱性が向上するメカニズムは推定であるが、以下のように考えられる。
一般式(2)で表される化合物はイミド構造を有しており、これはガラス基材への接着改良材としてはたらくと考えられる。
また、一般式(3)で表される化合物はアミド酸構造を有しており、これは組成物をガラス基材へ塗布した後に硬化する過程で脱水閉環し、一般式(2)で表される化合物になると思われる。したがって、接着改良材としての機能が発揮される。
さらに、一般式(3)で表される化合物は上記硬化時に(A)成分の粒子および/または(B)成分のシロキサンを硬化させる硬化触媒としてはたらき、高架橋密度の反射防止層が形成されることになると考えられる。そのため、水蒸気をバリアする機能がより高まると考えられる。
以上のように、反射防止層が高架橋密度であることや反射防止層とガラス基材との接着力が強まっていることにより、水蒸気が反射防止膜でバリアされ、ガラス基材への到達が抑制され、耐湿熱性が向上していると推定される。
ここで、組成物の硬化に関しては、基材が熱強化ガラスの場合、ガラスを熱強化、冷却後に組成物を塗布し、加熱硬化させることも可能であるが、耐湿熱性など耐久性をさらに向上させる観点から、組成物をガラス基材に塗布後、ガラス基材を熱強化するとともに硬化させるプロセスが好ましい。シロキサン系組成物を有機成分の熱分解によりSiO化し、半溶融のガラス基材と一体化でき、基板接着性をあげることができるからである。
熱強化プロセスは一般的に500℃以上750℃以下の温度でガラスを数十秒間熱風加熱する工程を含むため、組成物中の有機成分の熱分解がおこり、添加剤などはその期待した機能を失う。しかし、一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物を含有するものは化合物の耐熱性が高いためかその効果を維持する。そのためさらに耐湿熱性を上げることができる。
一般式(2)および(3)のRにおける炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
炭素数1〜6のアルキル基の具体例としてはRにおけるもののうち炭素数1〜6であるものと同じものが挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−_ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシル基などが挙げられる。
一般式(2)および(3)中、Rは酸無水物の残基である。Rを構成する酸無水物は、芳香族環または脂肪族環を含有することが好ましい。このような酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、メチル無水フタル酸、無水コハク酸、グルタル酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、“リカシッド(登録商標)”HNA(商品名、新日本理化(株)社製)、“リカシッド”HNA−100(商品名、新日本理化(株)社製)や、これら酸無水物の一部の水素原子を炭素数1〜10の1価の有機基で置換したものを挙げることができる。炭素数1〜10の1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などのアルキル基、オキシメチル基、オキシエチル基、オキシn−プロピル基、オキシn−ブチル基、オキシn−ペンチル基などのオキシアルキル基などが挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が、容易に作製できる点で好ましい。前記酸無水物のうち、無水フタル酸、無水コハク酸、グルタル酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル無水フタル酸や、これらを炭素数1〜10の1価の有機基で置換したものが好ましい。なかでも、無水フタル酸、無水コハク酸、グルタル酸無水物が、透明性、接着性の観点からより好ましい。
一般式(2)および(3)のRにおけるケイ素原子を含まない炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子から選ばれるいずれか複数の原子から構成される炭素数1〜20の1価の基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基、2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシアルキル基、フェニル基などのアリール基、メトキシフェニルなどのヒドロキシアリール基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。この中で、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基が接着性の観点からより好ましい。Rはケイ素原子を含まないため、着色がなく、透明性が要求される反射防止層にとって好適である。
一般式(2)で表されるシラン化合物としては、例えば、1−(tert−ブチル)−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオン、1−イソプロピル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオン、1−イソブチル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオン、1−(tert−ペンチル)−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオン、1−(tert−ブチル)−3−(3−(ジメトキシ(メチル)シリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオン、1−(tert−ブチル)−3−(3−(トリメトキシシリル)エチル)ピロリジン−2,5−ジオンなどが挙げられる。
一般式(3)で表されるシラン化合物としては、例えば、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソプロピルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(イソプロピルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(イソブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ペンチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ペンチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリエトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリエトキシシリル)ペンタン酸、6−(ジメトキシ(メチル)シリル)−3−(tert−ブチルカルバモイル)へキサン酸、5−(ジメトキシ(メチル)シリル−2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)ペンタン酸、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ブタン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−4−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンカルボン酸、2−(tert−ブチルカルバモイル)−5−(2−(トリメトキシシリル)エチル)シクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。
これらのシラン化合物は、単独で使用してもよいし、混合しても良い。
これらのシラン化合物の製造方法としては、酸無水物を含有するシランカップリング剤とアルキルアミンとの反応によって製造する方法が、製造の容易さから好ましい。この場合、酸無水物を含有するシランカップリング剤の構造によっては、一般式(3)で表されるシラン化合物が2種類得られる場合や、一般式(2)で表されるシラン化合物および一般式(3)で表されるシラン化合物の混合物として得られる場合がある。ここで反応温度を高く或いは反応時間を長くし一般式(2)で表されるシラン化合物の閉環縮合をすすめると一般式(3)で表されるシラン化合物になる。しかし、本発明の目的においては特にこれらを分離、精製することなく混合体として使用することが可能である。また、この合成方法では少量のオリゴマー等の複製も考えられるが、接着性改良効果に大きく影響を及ぼすものでなく、考慮する必要はない。
好ましい含有量としては(a)成分の鎖状シリカ粒子および(b)成分のオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物の合計量100重量部に対し0.5重量部以上15重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上10重量部以下である。本範囲であることにより高透明性と基材への接着性を両立することができる。
(d)溶媒
溶媒としては、特に限定されず、コーティング組成物の安定性、塗れ性、揮発性などを考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよい。溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、1−t−ブトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;酢酸イソプロピル、、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルジグリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、エチルジグリコールアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、トリアセチルグリセリンなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、安息香酸エチル、ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
溶媒の選択としては、蒸発速度、コーティング材料と、コーティング材料が塗布される基材との塗れ性が良好なもの、またコーティング材料中の溶質の凝集や沈殿を防ぐ観点も考慮する。例えば蒸発を早くしたり、乾燥温度を低くする場合は低沸点溶媒単独、あるいはブレンド比を大きくする事が好ましく、乾燥温度を高くしたり、液を開放系で使用する場合などにおいて、液の凝集を抑制したい場合には高沸点溶媒単独、あるいはこのブレンド比を大きくすることが好ましい。
また、有機溶媒以外にも水を単独で用いたりブレンド系で用いることも好ましい。本発明で用いられる好ましい溶媒としては微粒子の分散安定性が良好な親水性アルコール溶媒が好ましく、具体的にはメタノールやエタノール、イソピルアルコールが好ましい。また基材との塗れ性、乾燥後塗膜の表面均一性の面から、プロピレングリコールモノエチルエーテルもしくは水が好ましい。またこれらのブレンド系も好ましい。
(その他の成分)
本発明の組成物は、金属キレート化合物を含有していてもよい。金属キレート化合物としては、金属及び多座配位子を有しているものであれば特に限定されず、更に金属が有機基を有していてもよい。
金属キレート化合物における金属としては、例えば、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、銅、クロム、コバルト等が挙げられる。多座配位子としては、例えば、アセチルアセトナトイオン及びエチルアセトアセテートが挙げられる。有機基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。
金属キレート化合物の具体例としては、アルミキレート化合物としてはトリメトキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリ−iso−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジメトキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジエトキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジn−プロポキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジiso−プロポキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジn−ブトキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジsec−ブトキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジtert−ブトキシ・ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノメトキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノn−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノiso−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノn−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノsec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、モノtert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリメトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ−iso−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジメトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジn−プロポキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジiso−プロポキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジn−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジsec−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジtert−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノメトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノn−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノiso−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノn−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノsec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノtert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等が例示できる。チタン、ジルコニウム、銅、クロム、コバルト等他の金属種の金属キレート化合物の場合、上記アルミニウムキレート化合物における上記配位子、有機基を金属の配位数に応じて有するキレート化合物を好ましく用いることができる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらはシロキサンの硬化触媒や、金属による架橋効果により、組成物から得られる膜の耐久性や硬度をより向上させる。特に、金属キレート化合物の金属種の中でもアルミニウム、チタンが特に耐湿熱性向上に効果があり、上述した一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物と併用したときに相乗的に耐湿熱性が向上する。
金属キレート化合物による耐湿熱性向上の機構は推定であるが、シロキサンの硬化触媒としての作用と、反射防止層形成後の金属架橋効果による水蒸気バリア性の向上と考えられる。これらにより、金属キレート含有品は高温高湿条件下でのガラス基材もしくは反射防止層の溶解を抑制することができる。また、金属キレート化合物において特定の金属種の使用により、高温高湿条件下での透過率の低下も抑制することができる。特に、アルミニウム、チタン系の金属キレート化合物を使用する場合は透過率の低下は認められず、金属キレート化合物添加により膜厚保持以外に透過率の点からも耐湿熱性は向上する。すなわち、反射防止層がコーティングされたガラスの湿熱試験においては試験前後の透過率の変化が小さくなる。
金属キレートの好ましい含有量は(a)成分の鎖状シリカ粒子および(b)成分のオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物の合計量100重量部に対し0.5重量部以上15重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上10重量部以下である。本範囲であることにより高透明性と耐湿熱性を両立することができる。
本発明の組成物は、酸成分を含有していてもよい。酸成分としては、例えば、有機酸及び無機酸が挙げられる。
有機酸としては、例えば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、などの有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸及びトリフルオロエタンスルフォン酸などの有機スルフォン酸化合物が挙げられる。
無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸及びフッ酸等が挙げられる。
これらのなかで、異物化せず、熱硬化時に熱分解することから有機カルボン酸が好ましく用いられ、特に蟻酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸が好ましい。これら酸成分は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせてもよい。
酸成分の好ましい含有量は組成物全体に対して0.001wt%以上1wt%以下である。本範囲にあることにより、組成物の硬化と塗布膜の透明性をより高いレベルで両立することができる。
酸成分はシロキサンの硬化触媒であるため、組成物の基板塗布後の硬化を早めることができる。例えば太陽電池用カバーガラスにおいてはぎらつき防止のため、表面にエンボス加工されたガラスが一般的である。このようなガラスの表面に組成物を塗布した場合、エンボス凹凸の凸部分から凹部分に液の流れ込みがおこるためコーティング層の膜厚が不均一なものとなり、反射防止膜による透過率向上効果は小さなものになる。そこで酸成分で塗布後の硬化を早めることにより、液の流れ込みが抑制され、エンボス凹凸に比較的コンフォーマルなコート層が形成される。そのため、凹凸基板においても大きな透過率向上効果を得ることができる。
図2Aはエンボス基板の概略説明図である。ガラスにより異なるが、一般的にはエンボス高さHは5〜15nm、エンボス周期Wは500〜2000nmのものが多い。
図2Bはエンボス基板への膜の塗布状態の説明図である。乾燥前に凹部への液の流れ込みがおこると、塗布膜1の膜厚が不均一なものになる。
本発明の組成物は一般式(2)および(3)で表されるシラン化合物以外のシランカップリング剤を含有していてもよい。
シランカップリング剤の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリメトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、などが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量に特に制限は無いが、使用する場合、好ましくは粒子/シロキサン合計量100重量部に対して0.1〜15重量部の範囲である。本範囲にあることにより、保存安定性と塗布膜の基板への接着性を両立することができるために好ましい。
本発明の組成物は、界面活性剤を含有しても良い。界面活性剤を含有することで、塗布ムラが改善し均一な塗布膜が得られる。フッ素系界面活性剤や、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
フッ素系界面活性剤の具体的な例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N′−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、市販品としては、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F444、同F475、同F477(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製))、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15、FTX−218、DFX−218((株)ネオス製)などのフッ素系界面活性剤がある。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、SH28PA、SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、BYK067A,BYK310、BYK322、BYK331、BYK333,BYK355(ビックケミー・ジャパン(株)製)などが挙げられる。
界面活性剤の含有量は、組成物中、0.0001〜1重量%とするのが一般的である。
その他、本発明の組成物は、架橋剤、熱ラジカル発生剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、消泡剤、シリカ粒子以外の金属化合物粒子などの各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の組成物は、固形分濃度としては特に制限はないが、0.3重量%〜30重量%が好ましい範囲である。本範囲であることにより、良好な保存安定性と塗布時の膜厚制御性を両立することができるため好ましい。
次に、本発明の組成物を用いてガラス表面に反射防止層を形成する方法を詳細に説明する。本発明の組成物を用いた反射防止層の形成方法は、ガラス表面に本発明の組成物を塗布し、これを加熱硬化する工程を含むものである。
塗布方法としてはスリットコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、スリット印刷法、ディップコート法など公知の塗布方法によってガラス基板に塗布することができる。 中でも、塗布精度、メンテナンス性からスリットコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ディップコート法が特に好ましい。
塗布膜厚はフレネルの式から、最大の反射防止機能を得たい波長の1/4程度に制御することが好ましい。例えば太陽電池のカバーガラスにおいては90nm以上200nm以下の膜厚で塗布することが好ましい。
塗布後、室温にて溶媒乾燥することも好ましく、加熱により溶媒乾燥することも好ましい。凹凸基板に塗布する場合は加熱により乾燥を早めることで、液の流れ込みを抑制することができるため好ましい。乾燥条件は特に限定はないが、50℃以上350℃以上が好ましく、生産性から50℃以上150℃以下がさらに好ましい。
続いて本発明の組成物を硬化するが、このとき、ガラスの熱強化とともに組成物を硬化することが、膜の耐久性、プロセスコストの点から好ましい。すなわち、熱強化工程は塗膜の硬化処理であると共に、ガラスを強化するための一工程でもあることが好ましい。
加熱温度は500〜750℃程度が好ましく、600〜720℃程度がより好ましい。加熱温度が本範囲であることにより、熱強化ガラスの強度と反射防止膜の耐久性を両立することができるためより好ましい。
加熱処理後の積層体は加熱炉から取り出され、直ちにその表面への空気の吹き付けにより冷却される。
次に、本実施形態の反射防止膜を太陽電池モジュールに適用した場合について、図を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態に係る反射防止膜を、白板強化ガラス上に形成して得られる積層体を備えた太陽電池モジュールの模式断面図である。
図3に示す太陽電池モジュール10は、カバーガラスとしての白板強化ガラス3とその表面上に形成された反射防止膜2とを備えている。このガラス積層体は、上述の反射防止膜の形成方法を利用して作製される。太陽電池モジュール10の裏面側には耐水性に優れたバックシート6を配した構造となっている。バックシート6としては、通常PVF(ポリビニルフルオライド)樹脂によりAlフィルム等の金属箔を挟んだ積層構造を有するフィルムが好適に用いられる。太陽電池セル4と白板強化ガラス3やバックシート6との間の間隙には、封止材5が充填されている。封止材5には、例えばEVA(エチレンビニルアセテート)という光透過性の高い熱硬化型樹脂が用いられる。この封止材5は、間隙の充填と同時に、白板強化ガラス3、太陽電池セル4及びバックシート6を相互に接着する機能を有している。白板強化ガラス3に反射防止膜2を有することで、太陽電池モジュール10の表面側からの光の取り込み量が多くなり、発電効率に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
なお、本発明の組成物は太陽電池用カバーガラス以外にも建材用ガラス、自動車用ガラスおよびディスプレイ用ガラスにも使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
DAA:ダイアセトンアルコール(bp 169℃)
IPA:イソプロピルアルコール(bp 82℃)
PGME:1−メトキシ−2−プロパノール(bp 118℃)
PGMEA:プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(bp 146℃)
M−51:メチルシリケート51(メチルシリケートオリゴマー、平均4量体)
MeTMS:メチルトリメトキシシラン
PhTMS:フェニルトリメトキシシラン
SuccTMS:3−(トリメトキシシリルプロピル)コハク酸無水物
AcrylTMS:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
AL−A:アルミニウムトリスアセチルアセトネート
Ti−A:チタンテトラアセチルアセトネート
Zc−Aジルコニウムトリス(アセチルアセトネート)エチルアセトアセテート
OX−SC:オキセタニルシリケート。
(1)シリカ粒子の平均一次粒子径
シリカ粒子の平均一次粒子径(D)は、シリカ粒子の分散液をシリコン基板上にスピンコートし、電子顕微鏡で観察し、任意の一次粒子30個について長径と短径を測定し、それらの平均値をそれぞれDとした。結果を表1にまとめた。
日産化学株式会社製スノーテックスOUP(水ゾル)、IPA−ST−UP(IPAゾル)、スノーテックスST−PS−MO(水ゾル)、スノーテックスST−O(水ゾル)について測定を行った。スノーテックスOUP,IPA−ST−UP,スノーテックスST−PS−MOは鎖状シリカであった。
(2)固形分濃度測定
アルミカップに測定したい溶液を1g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分を秤量して、溶液の固形分濃度を求めた。
(3)光線透過率の測定
日立ハイテクノロジーズ(株)の積分球式分光光度系U−4100を用いて測定を行った。なお、波長400〜700nmにおける透過率Tの平均値として算出した。
(4)屈折率の測定
組成物をシリコンウェハー上に厚さが1.5〜4μmとなるように、スピンコーターを用いて塗布し、ついで150℃のオーブンで10分間、加熱、乾燥させ、700℃にて1h焼成しコーティング膜を得た。プリズムカプラー(METRICON社製:MODEL2010)でコーティング膜の波長633nmでの屈折率を測定した。
(5)加水分解比率の測定
カールフィッシャー水分量滴定装置により溶液中の水分量を定量し、予め添加した水分量との差から加水分解による水の消費量を求め、加水分解比率を計算した。
(6)初期特性評価
350mm×350mm、3.2mm厚の平板白板ガラス上にドライ膜厚130nmとなるように組成物を片面にスリット塗布した。これを150℃で5分間プリベークを実施し、680℃で熱強化を実施した。本ガラスについて透過率(T塗布品)を測定し、組成物を塗布する前の透過率(T未塗布品)の値と比較して平板透過率向上値(T塗布品−T未塗布品)として算出した。また、鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度は手動式鉛筆引っかき硬度試験器(コーティングテスター株式会社製 No.850−56)を用いJIS K−5600−5−4(1999)に則り測定した。
また、基材を平板白板ガラスからエンボス白板ガラスに変更して同じ操作を行い、エンボス透過率上昇値として測定した。
(7)耐湿熱性評価
100mm×50mm、膜厚0.8mmの青板ガラスの片面にドライ膜厚130nmとなるように組成物をスリット塗布し、150℃で5分間プリベークした。その後反対面にも同じドライ膜厚となるように組成物をスリット塗布し、150℃で5分間プリベークした。本ガラスについて600℃で1時間加熱処理を行い、両面に反射防止膜を形成したガラスを作成した。本ガラスを121℃、2.1気圧、100%RHの処理条件で240時間静置した。触針式膜厚計により処理前後の反射防止膜の膜厚をそれぞれ測定し、膜厚保持率を算出した。また、処理前後のガラスの透過率をそれぞれ測定し、処理前後の透過率変化を算出した。ここで、処理前後の膜厚変化、透過率変化が小さいものが耐湿熱性が良好である。
なお、膜厚については、処理前、処理後の測定ごとに両面の硬化膜の一部を切り欠け、触針式の表面粗さ形状測定機サーフコム1400D(商品名、(株)東京精密製)を用い測定をおこない、両面の膜厚の平均値を採用した。
合成例1 シランカップリング剤混合溶液(A−1)の合成
PGMEA200gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(160mmol)とt−ブチルアミン11.70g(160mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、40℃にて2時間撹拌した。その後、80℃まで昇温し、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにPGMEAで希釈し、3−(tert−ブチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸、2−(2−(tert−ブチルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸の混合溶液(A−1、一般式(3)に該当)を得た。
合成例2 シランカップリング剤混合溶液(A−2)の合成
PGME400gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(160mmol)とt−ブチルアミン11.70g(160mmol)を加えて室温にて30分撹拌した後、60℃にて2時間撹拌した。その後、140℃まで昇温し、PGMEと水を共沸させながら、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20重量%になるようにPGMEで希釈して、イミドシラン化合物である1−(tert−ブチル)−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオンの溶液(A−2、一般式(2)に該当)を得た。
合成例3 シランカップリング剤混合溶液(B−1)の合成
PGMEA200gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(160mmol)とt−ペンチルアミン13.95g(160mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、40℃にて2時間撹拌した。その後、80℃まで昇温し、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにPGMEAで希釈し、2−(2−(t−ペンチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(tert−ペンチルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸の混合溶液(B−1、一般式(3)に該当)を得た。
合成例4 シランカップリング剤混合溶液(C−1)の合成
PGMEA200gに3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物41.97g(160mmol)とイソプロピルアミン9.45g(160mmol)を加えてしばらく室温にて撹拌した後、40℃にて2時間撹拌した。その後、80℃まで昇温し、6時間反応させた。得られた溶液を固形分濃度が20%になるようにPGMEAで希釈し、2−(2−(イソプロピルアミノ)―2−オキソエチル)−5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸、3−(イソプロピルカルバモイル)−6−(トリメトキシシリル)へキサン酸の混合溶液(C−1、一般式(3)に該当)を得た。
シロキサン重合例
500mLの三口フラスコにKBM−13(信越化学工業製メチルトリメトキシシラン)を55.07g、KBM−103(信越化学工業製フェニルトリメトキシシラン)を45.82g、X−12−967C(信越化学工業製トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物)を30.30g,KBM5103(信越化学工業製3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)94.77g、DAA(ダイアセトンアルコール)を338.94g仕込み、窒素雰囲気下40℃で攪拌しながら水64.46gにリン酸0.45g溶かしたリン酸水溶液を30分かけて添加した。滴下終了後、40℃で1時間攪拌した後、70℃に昇温し30分攪拌した。その後、オイルバスを115℃まで昇温した。昇温開始後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから1時間加熱した。(内温は100〜110℃)得られた溶液を氷浴にて冷却し、ポリシロキサン溶液S−1を得た。ポリシロキサン溶液の固形分濃度は35%であった。
シロキサン加水分解
M−51(メチルシリケートオリゴマー、平均重合度4)に水を添加し、70℃で1時間加熱し、加水分解液S−2を得た。氷浴で冷却後水分消費量を計算した結果加水分解比率は85%であった。
実施例2〜5、7、8、11、13、参考例1、6、9、10、12
表2〜3記載の組成で各組成物を調合し上記の方法により屈折率測定、初期特性評価および耐湿熱性評価を行った。表4に示すとおり、透過率向上値は良好で、耐湿熱試験における膜厚保持率は高く、透過率の変化も小さく、良好な耐湿熱性を示した。また、組成物中にアルミキレートまたはチタンキレートが含まれる場合においては、耐湿熱性が相乗的に向上した。また、メチルシリケートの加水分解品も特に耐湿熱性が高かった。
比較例1
表2〜3記載の組成で組成物を調合し上記の方法により屈折率測定、初期特性評価および耐湿熱性評価を行った。鎖状シリカ粒子の含有量が全固形分中50wt%未満と少なかったため、表4に示すとおり、屈折率が高く、透過率向上効果は小さかった。
比較例2〜6
表2〜3記載の組成で組成物を調合し上記の方法により屈折率測定、初期特性評価および耐湿熱性評価を行った。一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物を用いず、他のシラン化合物を用いるか、または何も用いなかったところ、表4に示すとおり、耐湿熱性は大幅に低下した。
比較例7〜8
表2〜3記載の組成で組成物を調合し上記の方法により屈折率測定、初期特性評価および耐湿熱性評価を行った。添加粒子を鎖状シリカ粒子以外の球状粒子に変更したところ、表4に示すとおり、屈折率を低く制御することができず透過率向上効果は小さかった。
Figure 0006454954
Figure 0006454954
Figure 0006454954
Figure 0006454954
D 一次粒子径
H エンボス高さ
W エンボス周期幅
1 塗布膜
2 反射防止膜
3 白板強化ガラス
4 太陽電池セル
5 封止材
6 バックシート
10 太陽電池モジュール

Claims (6)

  1. (a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子と、
    (b)一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物と、
    Si(OR (1)
    (式中Rは同じでも異なってもよく、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアシル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
    (c)一般式(2)もしくは(3)で表されるシラン化合物と、
    Figure 0006454954
    (一般式(2)、(3)中、Rは同じでも異なってもよく、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数3〜30の3価の炭化水素基を表す。Rは同じでも異なってもよく、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。nは1〜3の整数を表す。)
    (d)溶媒と、
    アルミキレート化合物またはチタンキレート化合物と、
    を含有し、(a)平均一次粒子径が5〜40nmの鎖状シリカ粒子を全固形分中50wt%以上含有することを特徴とする組成物。
  2. さらに有機カルボン酸を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1または2記載の組成物をガラス表面に塗布し、その後加熱によりガラスを熱強化するとともに組成物を硬化する工程を含む反射防止層の形成方法。
  4. 請求項1または2記載の組成物を硬化してなる反射防止層。
  5. 請求項記載の反射防止層を有するガラス。
  6. 請求項記載のガラスが太陽電池用カバーガラスであり、該カバーガラスを含む太陽電池モジュール。
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