以下、本発明を歯科用超音波洗浄装置に具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1を示す概略構成図である。図1に示されるように、歯科用超音波洗浄装置1は、洗浄液供給装置2(洗浄液供給手段)、経路切換バルブ3、洗浄機本体4、洗浄液吸引排出装置5(洗浄液排出手段)、超音波発振器6及び制御装置7を備えている。歯科用超音波洗浄装置1は、超音波S1を伝搬させた洗浄液Wを流水として口腔内に注ぐことにより、洗浄対象としての歯や義歯の表面に洗浄液Wを介して超音波S1を照射して超音波洗浄を行う。
洗浄液供給装置2は、アルカリイオン水生成器10と、2つの給水ポンプ11,12とを備え、洗浄機本体4に洗浄液Wとしてのアルカリイオン水W1及び酸性水W2を供給する。洗浄液供給装置2におけるアルカリイオン水生成器10は、水道の蛇口などの水供給源13と接続されており、水供給源13から供給される洗浄水W0を電気分解してアルカリイオン水W1及び酸性水W2を生成する。より詳しくは、アルカリイオン水生成器10は、洗浄水W0が供給される電解槽15を備える。この電解槽15は、隔膜16によってアルカリ水生成槽17(第1生成槽)と酸性水生成槽18(第2生成槽)とに区画されている。電解槽15において、アルカリ水生成槽17に陰極が配置されるとともに酸性水生成槽18に陽極が配置される。そして、これら陰極及び陽極に通電することにより、洗浄水W0の電気分解を行う。この結果、アルカリ水生成槽17において、陰極には水酸化物イオンや水素などが多くなり、アルカリイオン水W1が生成される。一方、酸性水生成槽18において、陽極には水素イオンや酸素などが多くなり、酸性水W2が生成される。なお、本実施の形態において、アルカリ水生成槽17で生成されるアルカリイオン水W1の水素イオン指数(pH)は、8以上10以下である。また、酸性水生成槽18で生成される酸性水W2の水素イオン指数は、3以上6以下である。
そして、洗浄液供給装置2のアルカリイオン水生成器10と洗浄機本体4とをつなぐ給水経路19,20上には、アルカリイオン水W1及び酸性水W2を洗浄機本体4に送り出す給水ポンプ11,12が設けられている。具体的には、アルカリ水生成槽17につながる第1給水経路19の途中に給水ポンプ11が設けられるとともに、酸性水生成槽18につながる第2給水経路20の途中に給水ポンプ12が設けられている。さらに、アルカリイオン水生成器10と洗浄機本体4との間において、各給水ポンプ11,12の下流側に経路切換バルブ3が設けられている。経路切換バルブ3は、洗浄機本体4につながる給水経路を第1給水経路19と第2給水経路20とで切り換える。
洗浄機本体4は、ペン型の形状を有し把持可能な振動子ケース21(ハンドピース部)と、振動子ケース21内に装着され、洗浄液Wに超音波S1を伝搬させる円板状の超音波振動子22とを備える。超音波振動子22の直径は、例えばφ30mmであり、400kHzの周波数の超音波S1を洗浄液W(W1,W2)中に出力する。振動子ケース21において、一端側(図1では左側となる後端側)となる振動子装着部23に超音波振動子22が設けられている。また、振動子ケース21の側面には、超音波振動子22の振動面24に洗浄液Wを供給するための供給口25が設けられており、その供給口25には、経路切換バルブ3から延びる給水経路26が接続されている。さらに、振動子ケース21は、超音波振動子22と対向する他端側(図1では右側となる先端側)にいくに従って先細りした形状に形成され、その先端部には洗浄液Wを流水として出力する流出口27が設けられている。
本実施の形態において、振動子ケース21の外径は、作業者が手で持つことが可能なサイズであり、例えば40mm程度である。振動子ケース21における後端部の内径は、超音波振動子22のサイズに合わせて30mmとなっている。また、振動子ケース21において、先端部の流出口27の口径は、例えば5mm程度であり、超音波振動子22の振動面24から流出口27までの距離は、例えば50mm程度である。さらに、本実施の形態の洗浄機本体4において、振動子ケース21の流出口27には、流水の方向を変更可能な曲げノズル28が設けられている。この曲げノズル28は、流水の方向が吸引ノズル30側に向くように曲げられている。
具体的には、振動子ケース21の中心軸に対して、ノズル先端部の角度が5°〜90°となるように曲げられている。また、曲げノズル28におけるノズル先端の開口径(ノズル径)は、4mmであり、超音波S1の波長よりも大きくなるよう形成されている。なお、本実施の形態では、超音波S1の周波数が400kHz、洗浄液Wの音速が1500m/sであるため、超音波S1の波長は、3.75mm(=1500m/s÷400kHz)となる。
振動子ケース21の流出口27及び曲げノズル28の断面形状は円形である。また、曲げノズル28の角度は、固定であってもよいし、自由に調整できるように構成してもよい。具体的には、例えば、ノズル28を蛇腹状の管で構成し、ノズル28の角度を調整してもよい。また、振動子ケース21の中心軸を基準にしてノズルの曲げ方向を回転可能に構成してもよい。さらに、曲げノズル28の長さは、洗浄対象となる奥歯、前歯、歯間などの洗浄位置に応じて適宜変更してもよい。例えば、前歯を洗浄する場合には2cm程度の長さのノズルを用い、奥歯を洗浄する場合には5cm程度の長さのノズルを用いるようにしてもよい。
本実施の形態において、振動子ケース21及び曲げノズル28は、ステンレスなどの金属材にて形成されている。なお、振動子ケース21及び曲げノズル28は、金属以外に、ガラス、セラミック、樹脂などを用いて形成してもよい。
吸引ノズル30は、イチョウの葉のように扇型に拡がった吸入口33と、吸入口33に接続された吸引配管34と、吸引配管34の基端に設けられたジョイント部35とを有し、ジョイント部35を介して洗浄液吸引排出装置5に接続されている。本実施の形態の吸引ノズル30は、振動子ケース21の外周面に突設された把持柄41に固定されている。また、吸引ノズル30の吸入口33は、扇型の底面部36とその両側に形成されたガイド部37とを有し、口腔内を超音波洗浄した使用済みの洗浄液Wを洗浄対象42(例えば、歯)の下側で受けて排水する(図2参照)。なお、洗浄対象42としては、歯の表面や歯根以外に歯科用インプラントなどであってもよい。
洗浄液吸引排出装置5は、洗浄液Wを回収する回収容器43と、回収容器50に接続されるポンプ44とを備える。洗浄液吸引排出装置5において、ポンプ44を駆動することにより、洗浄液Wを吸引ノズル30で吸引するとともに、吸引した洗浄液Wを回収容器43内に回収する。
超音波発振器6は、振動子ケース21内に設けられた超音波振動子22と電気的に接続されており、所定の発振周波数の駆動信号を出力することで超音波振動子22を駆動する。この結果、超音波振動子22は、超音波発振器6の発振周波数に応じた超音波S1を発生する。なお、本実施の形態において、超音波発振器6から超音波振動子22に供給される平均供給電力は、約12Wである。また、超音波発振器6の発振周波数は、400kHzである。
洗浄機本体4における後端側には、洗浄モードを切り換えるモード切換スイッチ45が設けられている。本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、アルカリイオン水W1を供給しながら超音波洗浄を行う第1洗浄モードと、酸性水W2を供給しながら超音波洗浄を行う第2洗浄モードとが設定されている。モード切換スイッチ45は、第1洗浄モードと第2洗浄モードとを切り換えるスイッチ操作に応じた操作信号を制御装置7に出力する。本実施の形態では、モード切換スイッチ45、経路切換バルブ3、及び制御装置7によって洗浄モード切換手段が構成されている。
制御装置7は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のコンピュータにより構成されている。制御装置7は、洗浄条件を設定するための入力操作等を行う操作パネル46(設定操作部)と、洗浄条件や洗浄モードなどを表示するための表示パネル47(告知手段)とを備えている。制御装置7は、経路切換バルブ3、モード切換スイッチ45、超音波発振器6、洗浄液供給装置2及び洗浄液吸引排出装置5等に電気的に接続されており、装置全体を統括的に制御する。
本実施の形態において、制御装置7の操作パネル46で設定される洗浄条件としては、超音波S1の出力強度条件、アルカリイオン水W1及び酸性水W2の供給量条件、並びにアルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数条件などである。洗浄条件設定手段としての制御装置7は、操作パネル46で設定された洗浄条件をRAMに記憶するとともに、その洗浄条件に基づいて、洗浄液供給装置2、超音波発振器6等を制御する。また、制御装置7の操作パネル46には、洗浄ボタン48が設けられている。制御装置7は、その洗浄ボタン48のボタン操作によって、超音波洗浄の処理を開始したり終了したりする。
本実施の形態では、歯科用超音波洗浄装置1の電源として、例えば、家庭用電源(図示略)が用いられている。なお、歯科用超音波洗浄装置1の電源をバッテリ電源に変更し、家庭用電源がない場所でも歯科用超音波洗浄装置1を利用できるように構成してもよい。
次に、本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1を用いて、洗浄対象42としての歯に付着した歯垢を洗浄除去する方法について説明する。
先ず、作業者(具体的には、歯医者)は、歯科用超音波洗浄装置1の電源(図示略)をオンする。そして、作業者は、洗浄対象42の汚れ具合を確認し、制御装置7の操作パネル46を操作して、その汚れ具合に対応した洗浄条件(超音波S1の出力強度、洗浄液W(W1,W2)の供給量、洗浄液W(W1,W2)の水素イオン指数等)を予め設定する。その後、作業者は、洗浄液供給装置2の電源スイッチ(図示略)をオンする。すると、アルカリイオン水生成器10において、洗浄水W0の電気分解によりアルカリイオン水W1が生成されるとともに酸性水W2が生成される。なおこのとき、アルカリイオン水生成器10は、制御装置7から出力される水素イオン指数の設定信号に基づいて、電解槽15の各電極への通電量を制御することで、各生成槽17,18で生成するアルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数を調整する。
その後、作業者は、洗浄機本体4(振動子ケース21)を片手で持って洗浄機本体4を移動させ、患者の口腔内の洗浄対象42に曲げノズル28の先端を向けて配置するとともに、吸引ノズル30の扇型の吸入口33を洗浄対象42の下方に配置する。つまり、曲げノズル28と吸引ノズル30との間に洗浄対象42の歯を挟み込むようにする(図2参照)。さらに、作業者は、洗浄機本体4のモード切換スイッチ45を操作し、例えば第1洗浄モードを選択した後、制御装置7の洗浄ボタン48をオンする。
制御装置7は、モード切換スイッチ45の操作信号に基づいて、洗浄モードが第1洗浄モードである旨を判断する。そして、制御装置7は、経路切換バルブ3を制御して、アルカリイオン水生成器10のアルカリ水生成槽17につながる第1給水経路19と洗浄機本体4への給水経路26とを連通させる。さらに、制御装置7は、洗浄液Wとしてのアルカリイオン水W1の供給量が予め設定された供給量となるよう、第1給水経路19上の給水ポンプ11を駆動する。この結果、アルカリ水生成槽17のアルカリイオン水W1が給水経路19,26を通じて洗浄機本体4に供給される。また、制御装置7は、給水ポンプ11の駆動に同期して、洗浄液吸引排出装置5のポンプ44を駆動する。さらに、制御装置7は、表示パネル47に、洗浄モードが第1洗浄モードである旨を文字等で表示し、モード切換スイッチ45の切換状態を作業者に告知する。
そして、制御装置7は、超音波発振器6を作動させて超音波振動子22を駆動する。これにより、洗浄機本体4の振動子ケース21内において、超音波振動子22からアルカリイオン水W1に400kHzの超音波S1が伝搬される。振動子ケース21の先端部は流出口27に向けて先細り形状となっており、超音波S1が伝搬されたアルカリイオン水W1は、先端部にて流水が収束された後、流出口27及び曲げノズル28を介して口腔内の洗浄対象42に当たる。このとき、洗浄対象42にはアルカリイオン水W1中を伝搬する超音波S1が作用して洗浄対象42の汚れ(粘膜状の歯垢や口腔粘膜上の微生物や食物残渣等)が除去される。そして、作業者は、洗浄後のアルカリイオン水W1を吸引ノズル30で吸引し、洗浄廃液として洗浄液吸引排出装置5の回収容器43内に排水する。
本実施の形態では、アルカリイオン水W1による超音波洗浄を所定時間(例えば、1分間程度)行った後、作業者は、モード切換スイッチ45を操作して、洗浄モードを第1洗浄モードから第2洗浄モードに切り換え、酸性水W2を用いた超音波洗浄を行う。具体的には、制御装置7は、モード切換スイッチ45の操作信号に基づいて、洗浄モードが第2洗浄モードである旨を判断する。そして、制御装置7は、経路切換バルブ3を制御して、アルカリイオン水生成器10の酸性水生成槽18につながる第2給水経路20と洗浄機本体4への給水経路26とを連通させる。また、制御装置7は、第1給水経路19上の給水ポンプ11を停止するとともに、第2給水経路20上の給水ポンプ12を駆動する。この結果、酸性水生成槽18の酸性水W2が給水経路20,26を通じて洗浄機本体4に供給される。
そして、洗浄機本体4内において、超音波振動子22から酸性水W2に400kHzの超音波S1が伝搬された後、流出口27及び曲げノズル28を介して口腔内の洗浄対象42に流水として酸性水W2が出力される。この結果、口腔内において、洗浄対象42の殺菌が行われる。またこのとき、作業者は、洗浄後の酸性水W2を吸引ノズル30で吸引し、洗浄廃液として洗浄液吸引排出装置5の回収容器43内に排水する。さらに、制御装置7は、表示パネル47に、洗浄モードが第2洗浄モードである旨を文字等で表示し、モード切換スイッチ45の切換状態を作業者に告知する。
酸性水W2による超音波洗浄を所定時間(例えば、30秒間程度)行った後、作業者は、制御装置7における操作パネル46の洗浄ボタン48をオフする。このとき、制御装置7は、洗浄終了時の処理として中和処理を行う。具体的には、制御装置7は、経路切換バルブ3を制御することにより、第2洗浄モードの第2給水経路20から第1洗浄モードの第1給水経路19に給水経路を切り換える。さらに、制御装置7は、第2給水経路20上の給水ポンプ12を停止するとともに、第1給水経路19上の給水ポンプ11を駆動する。これにより、アルカリイオン水W1を洗浄機本体4に供給し、アルカリイオン水W1による洗浄機本体4及び洗浄対象42の中和処理を行う。この中和処理は、例えば5秒〜10秒程度行う。この後、制御装置7は、超音波発振器6による発振動作を停止させるとともに、第1給水経路19上の給水ポンプ11や洗浄液吸引排出装置5のポンプ44の駆動を停止させて、超音波洗浄の処理を終了する。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、第1洗浄モードにおいて、洗浄液供給装置2から洗浄機本体4にアルカリイオン水W1が供給され、アルカリイオン水W1を用いて超音波洗浄が行われる。アルカリイオン水W1は、タンパク、脂質などの除去に優れる。このため、アルカリイオン水W1を洗浄液として用いることで洗浄効率を高めることができ、洗浄対象42の歯垢、特に歯茎や歯周ポケットにおける歯垢を確実に除去することができる。また、第2洗浄モードでは、洗浄液供給装置2から洗浄機本体4に酸性水W2が供給される。この酸性水W2を用いて、超音波洗浄を行うことにより、口腔内を確実に殺菌することができる。従って、本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1を用いれば、洗浄対象42としての歯または義歯に付着した歯垢を効率よく除去することができ、口腔内を清潔に保つことができる。
(2)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、洗浄液供給装置2のアルカリイオン水生成器10において、洗浄水W0の電気分解により、アルカリイオン水W1及び酸性水W2を効率よく生成することができる。また、給水ポンプ11,12を駆動するにより、所定量のアルカリイオン水W1及び酸性水W2を洗浄機本体4に確実に供給することができる。
(3)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1において、モード切換スイッチ45が洗浄機本体4の振動子ケース21に設けられている。この場合、作業者が洗浄機本体4の振動子ケース21を手で持った状態で、モード切換スイッチ45を容易に操作することができ、歯科用超音波洗浄装置1の操作性が向上する。
(4)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、超音波洗浄に先立ち、作業者が制御装置7の操作パネル46を操作することで、超音波S1の出力強度条件、アルカリイオン水W1及び酸性水W2の供給量条件、並びにアルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数条件といった洗浄条件を設定することができる。この場合、洗浄対象42のサイズや歯垢の付着度合等に応じた所望の条件を設定することができるため、超音波洗浄を効率よく確実に行うことができる。
(5)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、表示パネル47の表示文字等によって、モード切換スイッチ45の切換状態が告知されるので、作業者は、洗浄モードを確認しつつ、洗浄対象42の超音波洗浄を行うことができる。
(6)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、第2洗浄モードによる酸性水W2を用いた超音波洗浄の終了後に、アルカリイオン水W1による中和処理を行っている。この中和処理により、洗浄機本体4内及び洗浄対象42表面を酸性の状態から中性の状態に戻すことができるため、超音波洗浄後における洗浄対象42表面の酸蝕症を防止することができる。
(7)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、洗浄機本体4における先端部に設けられた流出口27から口腔内に向けて洗浄液Wを流水として出力しているので、洗浄対象42としての歯に対して超音波S1を確実に作用させることができる。この結果、洗浄対象42に付着した歯垢を効率よく確実に除去することができる。
(8)本実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1では、洗浄機本体4の近傍に経路切換バルブ3が設けられている。そして、経路切換バルブ3によって、アルカリ水生成槽17につながる第1給水経路19と酸性水生成槽18につながる第2給水経路20とが切り換えられる。このように構成すると、洗浄モードの切り換え時において、洗浄モードに対応した洗浄液Wを素早く洗浄機本体4に供給することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、第1洗浄モードによるアルカリイオン水W1を用いた超音波洗浄を行った後、第1洗浄モードから第2洗浄モードに切り換え、酸性水W2による超音波洗浄を行っていたが、これに限定されるものではない。上記実施の形態とは逆に、第2洗浄モードによる酸性水W2を用いた超音波洗浄を行った後、第2洗浄モードから第1洗浄モードに切り換え、アルカリイオン水W1による超音波洗浄を行ってもよい。またこの場合、洗浄終了時の処理として、制御装置7は、経路切換バルブ3を制御して第1洗浄モードから第2洗浄モードに切り換え、酸性水W2による洗浄機本体4及び洗浄対象42の中和処理を行ってもよい。このようにすると、洗浄終了時において、洗浄機本体4内及び洗浄対象42の表面をアルカリ性の状態から中性の状態に戻すことができる。
・上記実施の形態では、第1洗浄モードによるアルカリイオン水W1の超音波洗浄と第2洗浄モードによる酸性水W2の超音波洗浄とを1回ずつ行うものであったが、それら超音波洗浄を交互に複数回ずつ行ってもよい。
・上記実施の形態では、制御装置7の操作パネル46(設定操作部)を操作することで各洗浄条件を設定するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示される歯科用超音波洗浄装置1Aのように、設定スイッチなどの設定操作部51を洗浄機本体4に設け、その設定操作部51を操作することで超音波洗浄の洗浄条件を設定するように構成してもよい。この場合、例えば、洗浄能力の異なる3種類の洗浄条件(高洗浄条件、中洗浄条件、低洗浄条件)が設定され、設定操作部51にはそれら3種類の洗浄条件を設定するためのスイッチ52が設けられている。作業者は、設定操作部51(スイッチ52)を操作することにより、洗浄対象42の汚れ度合いに対応した洗浄条件を選択する。なお、洗浄液供給装置2のアルカリイオン水生成器10は、設定操作部51で設定された水素イオン指数条件に基づいて、アルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数を調整する機能を有している。
ここで、高洗浄条件のスイッチ52が操作された場合、例えば超音波S1の出力強度が12W、洗浄液W(W1,W2)の供給量が2.0L/分、アルカリイオン水W1の水素イオン指数が10、及び酸性水W2の水素イオン指数が4となる洗浄条件が設定される。また、中洗浄条件のスイッチ52が操作された場合、例えば超音波S1の出力強度が8W、洗浄液W(W1,W2)の供給量が1.5L/分、アルカリイオン水W1の水素イオン指数が9、及び酸性水W2の水素イオン指数が5となる洗浄条件が設定される。さらに、低洗浄条件のスイッチ52が操作された場合、例えば超音波S1の出力強度が4W、洗浄液W(W1,W2)の供給量が1.0L/分、アルカリイオン水W1の水素イオン指数が8、及び酸性水W2の水素イオン指数が6となる洗浄条件が設定される。そして、制御装置7は、設定操作部51の操作信号に基づいて、設定操作部51で選択された洗浄条件を判断し、その洗浄条件となるよう超音波発振器6や洗浄液供給装置2を制御する。このようにすると、汚れ具合に応じた最適な洗浄条件で洗浄対象42の超音波洗浄を行うことができる。
・また、洗浄条件を設定する設定操作部を、洗浄液供給装置2におけるアルカリイオン水生成器10に設けてもよい。さらに、脚で操作するフットスイッチに設定操作部を設けてもよい。図4には、フットスイッチ53を有する歯科用超音波洗浄装置1Bの具体例を示している。図4に示されるように、フットスイッチ53には、3種類の洗浄条件(高洗浄条件、中洗浄条件、低洗浄条件)に対応した3つのスイッチ54a,54b,54cを有する設定操作部55が設けられている。さらに、フットスイッチ53には、第1洗浄モードと第2洗浄モードとを切り換える2つのスイッチ56a,56bからなるモード切換スイッチ57が設けられるとともに、超音波洗浄の処理を開始及び停止するための洗浄ボタン58が設けられている。歯科用超音波洗浄装置1Bでは、フットスイッチ53にモード切換スイッチ57が設けられているため、洗浄機本体4にはモード切換スイッチが設けられていない。その代わりに、洗浄機本体4には、告知手段としての表示パネル59が設けられており、表示パネル59にモード切換スイッチ57の切換状態を文字にて告知するように構成している。このように歯科用超音波洗浄装置1Bを構成すると、作業者は、脚でフットスイッチ53を操作することで、洗浄モードの切換、洗浄条件の設定等を容易に行うことができる。また、作業者は、洗浄機本体4の表示パネル59に表示された文字によって、モード切換スイッチ57の切換状態を容易に確認することができる。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A,1Bにおいて、洗浄液供給装置2は、アルカリイオン水W1を供給する第1給水経路19、及び酸性水W2を供給する第2給水経路20によって洗浄機本体4に接続されていたが、これに限定されるものではない。図5に示される歯科用超音波洗浄装置1Cのように、アルカリイオン水W1及び酸性水W2を供給するための共通の給水経路60によって洗浄液供給装置2Aと洗浄機本体4とが接続されていてもよい。なおこの場合、洗浄液供給装置2Aは、アルカリイオン水生成器10Aと給水ポンプ61とによって構成される。そして、アルカリイオン水生成器10Aには、アルカリ水生成槽17のアルカリイオン水W1及び酸性水生成槽18の酸性水W2のうちのいずれか一方の洗浄液Wを送出するための切換バルブ62が設けられている。アルカリイオン水生成器10Aにおいて、切換バルブ62は、モード切換スイッチ45の操作信号に基づいて作動し、洗浄モードに対応した洗浄液W(W1,W2)を送出するように構成されている。また、共通の給水経路60の途中に、給水ポンプ61が設けられ、この給水ポンプ61を駆動することで、洗浄モードに応じた洗浄液W(W1,W2)が共通の給水経路60を通じて洗浄機本体4に供給される。このように洗浄液供給装置2Aを構成した場合でも、アルカリイオン水W1を用いた超音波洗浄を行うことで、洗浄対象42の歯垢などを効率よく除去することができる。また、酸性水W2を用いた超音波洗浄を行うことにより、洗浄対象42の殺菌を行うことができる。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A,1Cでは、洗浄機本体4にモード切換スイッチ45が設けられ、スイッチ操作によって洗浄モードを切り換えるように構成されていたが、これに限定されるものではない。洗浄液供給装置2におけるアルカリイオン水生成器10にモード切換スイッチ45を設けてもよい。さらに、図6に示される歯科用超音波洗浄装置1Dのように、モード切換スイッチ45を省略し、制御装置7によって自動的に洗浄モードを切り換えるように構成してもよい。具体的には、先ず、制御装置7が経路切換バルブ3を制御して第1給水経路19を介してアルカリイオン水W1を洗浄機本体4に供給し、超音波洗浄を行う。さらに、制御装置7は、所定時間(例えば1分)が経過した後に経路切換バルブ3を制御して給水経路を切り換え、第2給水経路20を介して酸性水W2を洗浄機本体4に供給して、超音波洗浄を行う。このように、流路切り換えスイッチ45がなくても、制御装置7及び経路切換バルブ3によって洗浄モードを自動的に切り換えることができる。なお、歯科用超音波洗浄装置1Dでは、制御装置7及び経路切換バルブ3により、洗浄モード切換手段が構成される。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Dにおいて、洗浄液供給装置2,2Aは、アルカリイオン水生成器10,10Aを備えるものであったが、これに限定されるものではない。洗浄液供給装置2において、アルカリイオン水生成器10,10Aに代えて、アルカリイオン水W1を貯留する第1貯留容器(ペットボトルなど)と、酸性水W2を貯留する第2貯留容器(ペットボトルなど)とを設けてもよい。なおこの場合、第1給水経路19に第1貯留容器を接続するとともに、第2給水経路20に第2貯留容器を接続し、給水ポンプ11,12を駆動することによりアルカリイオン水W1や酸性水W2を洗浄機本体4に送り出すように構成する。このようにしても、上記実施の形態と同様に、第1洗浄モードにおいて、第1貯留容器のアルカリイオン水W1を用いて超音波洗浄を行うことにより、洗浄対象42の歯垢を確実に除去することができる。また、第2洗浄モードにおいて、第2貯留容器の酸性水W2を用いて超音波洗浄を行うことにより、口腔内の殺菌を確実に行うことができる。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Dにおいて、洗浄液供給装置2,2Aは、洗浄液Wとしてアルカリイオン水W1及び酸性水W2を供給するものであったが、アルカリイオン水W1及び酸性水W2に加えて中性の洗浄水W0を洗浄機本体4に供給する機能を有していてもよい。図7には、その歯科用超音波洗浄装置1Eの具体例を示している。歯科用超音波洗浄装置1Eにおいて、洗浄液供給装置2Bは、上記実施の形態と同様にアルカリイオン水生成器10を備え、洗浄水W0の電気分解によりアルカリイオン水W1及び酸性水W2を生成して第1給水経路19及び第2給水経路20に送り出す。さらに、洗浄液供給装置2Bは、水供給源13から供給される中性の洗浄水W0をそのまま第3給水経路64に送り出す機能を有している。また、洗浄液供給装置2Bと洗浄機本体4との間に経路切換バルブ3Aが設けられている。そして、制御装置7が経路切換バルブ3Aを制御することにより、アルカリイオン水W1を洗浄機本体4に供給する第1洗浄モードと、酸性水W2を洗浄機本体4に供給する第2洗浄モードと、中性の洗浄水W0を洗浄機本体4に供給する第3洗浄モードとが切り換えられる。
図7の歯科用超音波洗浄装置1Eを使用する場合、例えば、酸性水W2を用いた超音波洗浄の終了後に、第2洗浄モードから第3洗浄モードに切り換え、中性の洗浄水W0による洗浄機本体4及び洗浄対象42のすすぎ洗いを行う。また、アルカリイオン水W1を用いた超音波洗浄の終了後には、第1洗浄モードから第3洗浄モードに切り換え、中性の洗浄水W0による洗浄機本体4及び洗浄対象42のすすぎ洗いを行う。このように、中性の洗浄水W0を用いてすすぎ洗いを行うことにより、洗浄機本体4及び洗浄対象42を酸性またはアルカリ性の状態から中性の状態に戻すことができる。
・図8に示される歯科用超音波洗浄装置1Fのように、洗浄機本体4に供給する洗浄液W(W1,W2)の供給量を測定する流量測定器66を設けてもよい。流量測定器66は、超音波を利用して洗浄液Wの流速を測定し、流速から流量を計算する超音波流量計であり、経路切換バルブ3と洗浄機本体4との間の給水経路26上に設けられている。歯科用超音波洗浄装置1Fでは、流量測定器66の測定結果に基づいて、予め設定された洗浄液Wの供給量条件となるよう洗浄液供給装置2の給水ポンプ11,12の駆動能力が調整される。このようにすると、超音波洗浄に適した供給量の洗浄液Wを洗浄機本体4に供給することができ、洗浄対象42の歯垢を確実に除去することができる。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Fにおいて、例えば洗浄機本体4内に洗浄液W(W1,W2)の水素イオン指数を測定するpH測定器を設けてもよい。また、洗浄液供給装置2,2A,2Bのアルカリイオン水生成器10,10Aは、pH測定器の測定結果に基づいて洗浄機本体4に供給する洗浄液Wの水素イオン指数を調整する機能を有していてもよい。この場合、アルカリイオン水W1による歯垢等の除去効果や、酸性水W2による殺菌効果を確実に得ることができる。
・図9に示される歯科用超音波洗浄装置1Gのように、洗浄液供給装置2Cから洗浄液吸引排出装置5Aにアルカリイオン水W1や酸性水W2を供給し、使用済みの洗浄液W(W1,W2)の中和処理を行うように構成してもよい。この歯科用超音波洗浄装置1Gでは、アルカリイオン水生成器10Bの各生成槽17,18と洗浄液吸引排出装置5Aの回収容器43とが給水経路69,70を介して接続され、給水経路69,70の途中にポンプ71,72が設けられている。この場合、制御装置7は、超音波洗浄で用いた洗浄液Wの水素イオン指数や供給量に基づいて、所定量の洗浄液Wを洗浄液供給装置2Cから洗浄液吸引排出装置5Aに供給する。これにより、回収容器43内の洗浄液Wの水素イオン指数をアルカリ性または酸性の状態から中性の状態にすることができる。このため、回収容器43内の洗浄液Wをそのまま下水道等に廃棄することができ、洗浄液Wの廃棄コストを抑えることができる。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Gでは、告知手段としての表示パネル47,59を用いて、モード切換スイッチ45,57の切換状態を告知するものであったが、これに限定するものではない。例えば、制御装置7に告知手段としてのスピーカを設け、モード切換スイッチ45,57の切換状態をスピーカから音声にて告知するように構成してもよい。また、洗浄機本体4の振動子ケース21に、告知手段として、第1洗浄モード用のLED及び第2洗浄モード用のLEDを設け、モード切換スイッチ45,57の切換状態に応じたLEDを点灯することでその切換状態を告知するように構成してもよい。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Gでは、洗浄条件として、超音波S1の出力強度条件、アルカリイオン水W1及び酸性水W2の供給量条件、並びにアルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数条件を操作パネル46や設定操作部51,55で設定するよう構成したがこれに限定されるものではない。超音波S1の出力強度条件、アルカリイオン水W1及び酸性水W2の供給量条件、並びにアルカリイオン水W1及び酸性水W2の水素イオン指数条件のうちの少なくとも1つを操作パネル46や設定操作部51,55で設定するよう構成するものであればよい。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Gでは、ペン型の洗浄機本体4を用いたがこれに限定されるものではなく、図10に示されるようなガン型の洗浄機本体4Aを用いてもよい。図10の洗浄機本体4Aでは、振動子ケース21の後端部に把持部75が連結されている。また、把持部75の前面(例えば中指や薬指等で操作可能な部位)には、超音波S1や洗浄液W(W1,W2)の出力を指示するためのトリガースイッチ77が突設されている。さらに、把持部75の上端面(例えば親指及び人差し指で操作可能な部位)に、洗浄モードを切り換えるモード切換スイッチ79が設けられている。なお、モード切換スイッチ79は、回転位置にて洗浄モードを切り換えるダイヤル式のスイッチであるが、押しボタン式等のスイッチを用いてもよい。このように構成したガン型の洗浄機本体4Aを用いれば、洗浄モードを片手で容易に切り換えることができ、口腔洗浄を迅速かつ確実に行うことができる。さらに、図11に示すガン型の洗浄機本体4Bのように、把持部75の上端面に、告知手段としての表示パネル80を設けてもよい。このように洗浄機本体4Bを構成すると、表示パネル80に表示された文字によって、洗浄モードを容易に確認することができる。なお、ガン型の洗浄機本体4A,4Bの場合、振動子ケース21及び把持部75によってハンドピース部が構成される。
・上記実施の形態の歯科用超音波洗浄装置1,1A〜1Gでは、水道の蛇口を水供給源13としていたが、水供給源13としての水道の蛇口に浄水器を設け、その浄水器にて水道水の不純物を除去した中性の洗浄水W0をアルカリイオン水生成器10,10A,10Bに供給するよう構成してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記洗浄機本体の前記ハンドピース部は、その基端側に前記超音波振動子が収納されるとともに先端側に行くに従って先細りした形状を有する先端部に前記洗浄液の流出口が設けられ、前記流出口から前記口腔内に向けて前記洗浄液を流水として出力することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(2)請求項3において、前記アルカリイオン水生成器は、前記アルカリイオン水を生成する第1生成槽と前記酸性水を生成する第2生成槽とを有し、前記アルカリイオン水生成器と前記洗浄機本体との間に前記経路切換バルブが設けられ、前記経路切換バルブは、前記洗浄機本体につながる給水経路を前記第1生成槽につながる第1給水経路と前記第2生成槽につながる第2給水経路とで切り換えることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(3)請求項3において、前記洗浄モード切換手段は、前記モード切換スイッチの操作信号に基づいて、前記経路切換バルブを制御して前記給水経路を切り換える制御装置をさらに備えことを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(4)請求項1または2において、前記洗浄モード切換手段は、前記アルカリイオン水及び前記酸性水の給水経路を切り換える経路切換バルブと、前記経路切換バルブを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記超音波洗浄の経過時間に応じて、前記経路切換バルブを制御して前記給水経路を自動的に切り換えることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(5)請求項1または2において、前記洗浄モード切換手段は、前記第1洗浄モードと前記第2洗浄モードとを切り換えるスイッチ操作に応じた操作信号を出力するモード切換スイッチを備え、前記洗浄液供給手段は、前記アルカリイオン水と前記酸性水とで共通の給水経路によって前記洗浄機本体に接続され、前記モード切換スイッチの操作信号に基づいて、洗浄モードに対応した前記洗浄液を前記共通の給水経路を介して前記洗浄機本体に供給することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(6)請求項1において、前記洗浄液供給手段は、前記アルカリイオン水を貯留する第1貯留容器と、前記酸性水を貯留する第2貯留容器と、前記第1貯留容器のアルカリイオン水及び前記第2貯留容器の酸性水を前記洗浄機本体に送り出すポンプとを備えることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(7)請求項4において、前記洗浄液供給手段は、前記洗浄条件設定手段により設定された洗浄条件に基づいて、前記洗浄機本体に供給する前記洗浄液の水素イオン指数を調整する機能を有することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(8)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記洗浄機本体には、前記洗浄液の水素イオン指数を測定するpH測定器が設けられ、前記洗浄液供給手段は、前記pH測定器の測定結果に基づいて、前記洗浄機本体に供給する前記洗浄液の水素イオン指数を調整する機能を有することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(9)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記洗浄液の供給量を測定する流量測定器を備え、前記洗浄液供給手段は、前記流量測定器の測定結果に基づいて、前記洗浄機本体に供給する前記洗浄液の供給量を調整する機能を有することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(10)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記アルカリイオン水の水素イオン指数が8以上10以下であり、前記酸性水の水素イオン指数が3以上6以下であることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(11)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記口腔内を洗浄した使用済みの前記洗浄液を排出する洗浄液排出手段をさらに備えることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(12)技術的思想(11)において、前記洗浄液供給手段から前記洗浄液排出手段に前記アルカリイオン水または前記酸性水を供給し、前記使用済みの洗浄液の中和処理を行うようにしたことを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(13)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液として前記アルカリイオン水及び前記酸性水に加えて中性の洗浄水を供給する機能を有し、前記洗浄モード切換手段は、前記アルカリイオン水を前記洗浄機本体に供給する第1洗浄モードと、前記酸性水を前記洗浄機本体に供給する第2洗浄モードと、前記中性の洗浄水を前記洗浄機本体に供給する第3洗浄モードとを切り換えることを特徴とする歯科用超音波洗浄装置。
(14)技術的思想(13)に記載の歯科用超音波洗浄装置の使用方法であって、前記酸性水を用いた前記超音波洗浄の終了後に、前記洗浄モード切換手段により前記第2洗浄モードから前記第3洗浄モードに切り換え、前記中性の洗浄水による前記洗浄機本体及び前記洗浄対象のすすぎ洗いを行うことを特徴とする歯科用超音波洗浄装置の使用方法。
(15)請求項1乃至7のいずれか1項に記載の歯科用超音波洗浄装置の使用方法であって、前記第1洗浄モードによる超音波洗浄と前記第2洗浄モードによる超音波洗浄とを交互に複数回行うことを特徴とする歯科用超音波洗浄装置の使用方法。
(16)請求項4に記載の歯科用超音波洗浄装置の使用方法であって、前記第1洗浄モード及び前記第2洗浄モードによる前記超音波洗浄に先立ち、前記洗浄条件設定手段により、各洗浄モードにおける前記超音波の出力条件、前記アルカリイオン水及び前記酸性水の供給量条件、並びに前記アルカリイオン水及び前記酸性水の水素イオン指数条件のうちの少なくとも1つを設定することを特徴とする歯科用超音波洗浄装置の使用方法。
(17)口腔内における洗浄対象としての歯または義歯の表面に洗浄液を介して超音波を照射して超音波洗浄を行う方法であって、前記洗浄液としてアルカリイオン水を供給して超音波洗浄を行った後、前記洗浄液として酸性水を供給して超音波洗浄を行うことを特徴とする、超音波による歯または義歯の洗浄方法。