JP6454146B2 - 中空成形品射出成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、輸送車両、医療機器、産業機器および手摺りなどに使用される中空成形品、その射出成形方法、および中空成形品射出成形システムに関するものである。
近年、中空成形品、特に中空部が長尺である長尺中空成形品においては、軽量化、省スペース化の観点や、デザイン、握り易さ等から異型を含む成形品に対するニーズが高まっており、断面形状の自由度が高く、かつ均一な肉厚で、内面の平滑性が高い製品が要求されるようになってきている。
中空成形品の成形方法としては射出成形法が知られている。そして、近年一般的な中空成形品の射出成形方法としては、金型内に溶融樹脂を充填した後、あるいは溶融樹脂の充填途中でガスを注入して溶融樹脂中に中空を形成するガスによるアシスト成形方法がある。しかし、ガスアシストによる射出成形法では、長尺中空成形品を成形する場合、ガス注入部周辺は高い圧がかかるため肉厚の薄い断面が得られるが、ガス注入部から遠い末端部はガスの圧力が落ちるため肉厚が厚くなってしまい、均一な肉厚の製品を得ることが難しく、また、異型を含む成形品の断面形状のトレース性が低かった。
一方、断面円形の均一な肉厚の製品を得ることができる射出成形方法としては、球や砲弾型のコアを溶融樹脂に注入するフローティングコアによる長尺中空成形方法がある(特許文献1参照)。
また、断面形状の自由度が高く異型を含む成形品を得ることができる射出成形方法としては、上述の溶融樹脂へのガスの注入に代えて、水を注入するウォーターアシスト成形方法がある(特許文献2参照)。
しかし、フローティングコア成形方法は樹脂内に球や砲弾型のコアをフローティングさせて中空を成形するため、断面形状が円形のパイプ形状中空成形品の成形に限られ、ニーズの高くなった異型を含む中空成形品の成形をすることができない。また、ウォーターアシスト成形方法は、異型を含む成形品の断面形状に対する自由度は高いが、水により成形品の内面が急冷されるため、内面の平滑性が低くなってしまうこと、内面の水を乾燥させる工程が必要となること、さらに吸水性のある樹脂を再利用する場合には捨てキャビティ内に排出された樹脂を乾燥させないと樹脂のリサイクルができないと云う欠点があった。
特開平10−180812号公報 特開2006−213041号公報
長尺中空成形品として、流体注入部分と末端部分に均一に内圧をかけて、均一な肉厚の成形品を得ることが求められている。
また、近年省スペースの観点や、デザイン、握り易さ等から、異型を含む成形品の断面形状に対する自由度が高く、かつ内面の平滑性が高い製品が要求されるようになってきた。
そこで、本発明は、樹脂を用いた長尺中空成形品において、異型を含む成形品の断面形状に高い自由度が有り、かつ肉厚が均一で内面平滑性の高い成形品を提供することを目的とするものである。また、本発明はそのような成形品を成形する射出成形方法および射出成形システムを提供することを目的とするものである。
既述の通り、ウォーターアシスト成形方法は、異型を含む成形品の断面形状に対する自由度は高いが、流体により成形品の内面が急冷されるため、内面の平滑性が低くなってしまうという難点がある。これは流体の熱伝導率が成形品の熱伝導率よりも高いためであり、流体を油等に変えても液体である以上ほとんど変わらず、内面の平滑性を改善することができなかった。
しかしながら、本発明者らは、当業者の常識を超えて、日夜鋭意研究した結果、発想を180°変え、圧縮性の流体を使用し加圧して、熱伝導率を低くして成形品内を徐冷し、かつその圧縮性の流体が成形品内の樹脂抵抗に負けずに加圧できるように非圧縮性の流体により加圧して成形する成形方法を見出した。
すなわち、本発明の中空成形品の形成方法は、射出成形用金型のキャビティに溶融樹脂を射出し、溶融樹脂に加圧流体を流入させることにより、キャビティにシャットオフピンを介して連通した捨てキャビティへ余分な溶融樹脂を排出しながら、キャビティ内の溶融樹脂内に中空部を形成する射出成形による中空成形品を形成する方法であって、
シャットオフピンを閉じた状態で、キャビティに溶融樹脂を射出充填した後、
シャットオフピンを開いた状態で、加圧流体として窒素ガス等の圧縮性流体を水等の非圧縮性流体により加圧しながらキャビティ内の溶融樹脂に注入し、捨てキャビティへ余分な溶融樹脂を排出した後、
圧縮性流体のみを溶融樹脂内に加圧圧縮して保持し、キャビティ内の溶融樹脂の内側を徐冷することを特徴とするものである。
なお、圧縮性流体を非圧縮性流体で加圧しながら溶融樹脂に注入する際には、キャビティへの流体注入路に供給された圧縮性流体の後方に、その流体注入路の容量よりも少ない量の非圧縮性流体を供給することが好ましい。
本発明は、中空成形品が長尺である場合に特に効果があり、例えば全長/外径の比が5以上の長尺成形品に適している。
圧縮性流体は主として気体であるが、特に不活性ガスであることが好ましい。
非圧縮性流体は主として液体であるが、特に水であることが好ましい。
本発明の中空成形品射出成形システムは、キャビティと、キャビティにシャットオフピンを介して連通した捨てキャビティと、キャビティに流体を注入する流体注入用バルブを有する射出成形用金型と、
キャビティ内の溶融樹脂に流体注入用バルブを介して加圧流体を注入させることにより、捨てキャビティ内へ余分な溶融樹脂を排出しながら、キャビティ内の溶融樹脂内に中空部を形成する加圧流体注入装置と、
加圧流体注入装置から供給される加圧流体を射出成型用金型の流体注入用バルブへと導入する流体注入ホースとを備え、
流体注入用バルブと流体注入ホースとを含む流体注入路が、捨てキャビティへ排出される余分な溶融樹脂の容積よりも大きい容量を有し、
この加圧流体注入装置が、圧縮性流体を収容する圧縮性流体収容部と、非圧縮性流体を収容する非圧縮性流体収容部と、これら両収容部から圧縮性流体と非圧縮性流体を切り替えてキャビティに供給する流体切換え供給手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、ここで「流体注入ホース」は内部に流体輸送用の輸送路を有するものであればよく、フレキシブルなホースのみならず、金属製あるいは樹脂製などのフレキシブルでない管(パイプ)などを含むものとする。
上記中空成形品射出成形システムにおいては、加圧流体注入装置が、流体注入路に供給する非圧縮性流体の流量を計量する計量手段を備えているものであることが好ましい。
また、この中空成形品射出成形システムは、加圧流体注入装置が、非圧縮性流体による圧縮性流体への加圧力を制御する圧力制御手段を備えているものであることが好ましい。
また圧力制御手段は、流体注入路内に供給された非圧縮性流体を後方から加圧する機構を備えていることが好ましい。
本発明の中空成形品の射出成形方法および中空成形品射出成形システムによれば、圧縮性流体を非圧縮性流体で加圧しながら溶融樹脂内に注入するので、成形時に十分な圧力で加圧することができ、異型を含む断面形状など形状自由度の高い中空成形品を得ることができるとともに、肉厚の均一な成形品を得ることができる。また、圧縮性流体を加圧圧縮して保持し、溶融樹脂の内側を徐冷するので、内面の平滑性の高い成形品を得ることができる。
本発明の実施形態に係る射出成形システムの全体構成を示す概略図である。 上記実施形態において、キャビティ内に溶融樹脂を注入する工程を示す概略構成図である。 同実施形態において、圧縮性流体である不活性ガスを非圧縮性流体である水で加圧しつつ溶融樹脂内に注入する工程を示す概略構成図である。 同実施形態において、溶融樹脂中に不活性ガスを注入加圧した状態で徐冷する工程を示す概略構成図である。 同実施形態において、中空成形品の成形後、非圧縮性流体である水を回収する工程を示す概略構成図である。 本発明の他の実施形態に係る射出成形システムの全体構成を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る中空成形品の射出成形システムおよび射出成形方法の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1を参照して本発明の一実施形態による中空成形品射出成形システムの構成を説明する。図1は本実施形態の全体概略構成を示す図である。
本実施形態による中空成形品射出成形システム1は、キャビティ2と、キャビティ2にシャットオフピン3を介して連通した捨てキャビティ4と、キャビティ2に流体を注入する流体注入用ニードルバルブ5を有する射出成形用金型10と、キャビティ2内の溶融樹脂Rに流体注入用ニードルバルブ5を介して加圧流体を注入させることにより、捨てキャビティ4内へ余分な溶融樹脂Rを排出しながら、キャビティ2内の溶融樹脂R内に中空部を形成する加圧流体注入装置20とを備えている。
なお、加圧流体注入装置20と射出成形用金型10のニードルバルブ5とは流体注入ホース19により接続されている。すなわち、本構成では、流体注入ホース19およびニードルバルブ5により加圧流体の流体注入路が構成されている。なお、このとき加圧流体注入装置20と射出成形用金型10との間を接続するニードルバルブ5および流体注入ホース19の容量の和(以下、「注入路容量」)は、所望の成形品における中空の容積、すなわち加圧流体により捨てキャビティに排出される余分な溶融樹脂の容積よりも大きくなるように設定されている。注入路容量は、捨てキャビティに排出される余分な溶融樹脂の容積の1.1倍以上、さらには1.2倍以上、特には1.33倍以上であることが好ましい。なお、捨てキャビティの容量は、排出される余分な樹脂の量に応じて設定されるものであり、一般に中空形成のために排除される樹脂量とほぼ同等の容量である。
加圧流体注入装置20は、圧縮性流体を収容する圧縮性流体収容部(ここでは、不活性ガスタンク)23と、非圧縮性流体を収容する非圧縮性流体収容部(ここでは、水タンク)24と、両収容部23、24から圧縮性流体と非圧縮性流体を切り替えてキャビティ2に供給する流体切換え供給手段(ここでは、ライン切り替えバルブ)21とを備えている。
ガスタンク23および水タンク24はそれぞれ、加圧、減圧が可能なポンプ(圧力制御手段)を備えており、必要に応じて加圧、あるいは減圧を行うことができる。また、本実施形態においては、中空成形品の成形後に、非圧縮性流体および圧縮性流体を回収排出するドレーン25を備えている。
なお、圧縮性流体は、主として気体であり、具体的には空気、窒素ガス等が挙げられるが、中空成形品内の酸化変色や圧縮による焼けを防止するため、入手しやすい窒素ガスが最適である。また、非圧縮性流体は、主として液体であり、具体的には油、水等が挙げられるが、取扱い性や汎用性を考慮すると水が最適である。
なお、各タンクには、流体の流量を計量する計量手段が備えられていることが好ましい。非圧縮性流体の計量手段を備えることにより、溶融樹脂内への圧縮性流体の注入のため、圧縮性流体後方から非圧縮性流体を供給して圧縮性流体を加圧する際に、非圧縮性流体がキャビティ内に入らないように、非圧縮性流体の供給量を注入路容量よりも少なく調整するのが容易となる。
射出成形用金型10は、後述のノズル31へのガスの逆流防止用のシャットオフピン6と、キャビティ2に溶融樹脂を注入するための樹脂流路(スプルー)7を備えている。別途備えられる図示していない樹脂射出装置の成形機ノズル31がスプルー7に接続され、ノズル31から射出される溶融樹脂がスプルー7を介してキャビティ2内に注入される。
次に、図1〜図5を参照して、本実施形態に係る長尺中空成形品の成形方法について説明する。
図1は、射出成形用金型内のキャビティ2に樹脂Rを注入する前の工程を示している。溶融樹脂Rを充填する前には、バルブ21を不活性ガスタンク23からの流路が開となるように調整して、流体注入ホース19から、キャビティ2内に不活性ガスGを注入し、エアを排気しておく。すなわち、樹脂注入直前は、流体注入ホース19およびキャビティ2内は大気圧程度の不活性ガスGで満たされている。このパージ工程は、捨てキャビティ4側のシャットオフピン3を閉とした状態で行う。なお、ニードルバルブ5は、全行程を通して開であるが、ニードルバルブ5の金型側開口は、溶融樹脂Rのキャビティ2内への充填時に溶融樹脂Rがニードルバルブ5内に侵入しないクリアランスに調整されている。
図2は、射出成形用金型10内のキャビティ2に溶融樹脂Rを注入する工程を示している。射出成形用金型10の樹脂流路(スプルー)7のシャットオフピン6が開かれて、別途備えられ図示していない樹脂射出装置の射出成形機ノズル31から溶融樹脂Rがキャビティ2へ完全充填される。この時、キャビティ2から捨てキャビティ4に通じる捨てキャビティ側シャットオフピン3は閉じており、捨てキャビティ4へ溶融樹脂Rが排出されないようにし、中空成形品の表面外観を形成する。溶融樹脂をキャビティへ完全充填するフルショット法を採用することにより、充填により成形品の外表面は金型に沿った滑らかな仕上げとすることができる。
図3は、キャビティ2への樹脂充填後、圧縮性流体である不活性ガスGをキャビティ2内の溶融樹脂中に注入する工程を示している。
キャビティ2へ溶融樹脂Rが充填された後、捨てキャビティ4に通じる捨てキャビティ4側シャットオフピン3は開とする。そして、切り替えバルブ21を水タンク24側のラインが開となるように調整し、注入ホース19内の不活性ガスGの後方から非圧縮性流体である水Wを注入ホース19内に導入し、不活性ガスGを水Wで加圧しながら注入ニードルバルブ5からキャビティ2へ不活性ガスGを注入する。この際、不活性ガスGのキャビティ2への注入に伴い余分な溶融樹脂Rは捨てキャビティ4へ排出されるようになっている。
図4は、樹脂中に不活性ガスGを注入加圧後、加圧状態を保持して徐冷する工程を示している。
捨てキャビティ4へ余分な樹脂Rが排出され、キャビティ内の樹脂Rの内部に不活性ガスGが満たされ、非圧縮性流体である水Wにより、不活性ガスGが加圧圧縮されている。水Wで加圧するため、不活性ガスGなどの圧縮性流体のみを用いたガスアシスト成形方法の場合と比較して、溶融樹脂内に注入された圧縮性流体をより加圧することができ、ガスアシスト成形方法で問題になっていた肉厚の不均一性を抑制し、より均一な肉厚の成形品を得ることができる。
なお、注入ホース19の容量は樹脂内に注入される不活性ガスの容量よりも大きいので、非圧縮性流体である水Wが、キャビティ2内に入ることなく、注入ニードルバルブ5またはバルブ5に接続されている注入ホース19内で留まる。なお、水Wをキャビティ2内に侵入させないようにさせるためには、水Wの注入ホース19への注入量を注入ホース19の容量以下となるようにすることも必要である。
所定時間、樹脂中に不活性ガスGを加圧状態で保持して所定時間徐冷を行うことにより、溶融樹脂Rが固化し、中空成形品40を得ることができる。不活性ガスGのような圧縮性流体は、水Wなどの非圧縮性流体と比較して熱伝導率が低いため樹脂を急激に冷却せず、徐々に冷却させることができるので、成形品内面の平滑性の高いものを得ることができる。
図5は、中空成形品40の成形後、注入ホース19内の水Wおよびキャビティ内の不活性ガスGを回収する工程を示している。
注入切り替えバルブ21を、水ラインが開となるように調整し、水タンク24の圧力制御手段により水ラインを減圧することにより水、および不活性ガスGを注入ホース内バルブ21側に引くことができる、そして水W、ガスGはドレーン25に排出される。
なお、水W、ガスGはドレーンに排出させず、それぞれのタンクに回収するようにしてもよい。タンクに回収すれば、水、ガスを再利用することができる。水、ガスのいずれか一方のみを再利用する構成とすることも可能である。なお、従来のウォーターアシストの場合、水が樹脂内に注入されるため、水に樹脂が混じることがあり、水の再利用の際にはフィルター等を設置しなければ、再現性のある成形品を得ることができなかった。本構成を用いれば、水は汚染されないため、そのままタンクに回収し、再利用することができ好ましい。
図6は、上記実施形態の設計変更例の射出成形システム11の全体構成を示す概略図である。
注入ホース19の途中にリザーバ29を備えた点が図1に示した実施形態と異なる。リザーバ29を備え、不活性ガスGを溜めておくことにより、後方からの水により圧縮され、キャビティ内に注入される不活性ガスGの流量を十分なものとし、水がキャビティ内に注入されないように容易に制御することもできる。なお、注入ホース19の長さが十分長ければ、図1に示した先の実施形態のように、リザーバを備えていなくても構わない。
本実施形態に係る中空成形品の成形方法は、長尺な中空成形品の製造に限定されるものではないが、輸送車両、医療機器、産業機器および手摺りなどに使用される、全長/外径の比が5以上である長尺中空成形品の製造に特に適する。
そのような長尺中空成形品を形成する樹脂の種類としては、生産性を考慮して、押出し、射出成形、熱プレスおよび真空成形などに使用されている熱可塑性樹脂を使用することができる。熱可塑性の樹脂の内、ポリアミドイミド、PPS樹脂、LCP樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、PBT樹脂、PET樹脂、変性PPO樹脂、変性PPE樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを用いることができ、また、これらを一構成成分とするアロイ材料および共重合体等も使用することができる。
長尺中空成形品として肉厚を均一化し剛性を上げる必要があるため、長尺中空成形品を形成する樹脂に無機充填材を添加(含有)させることが好ましい。このとき、長尺中空成形品に対して無機充填材を5〜60%wt添加することが好ましい。無機充填材を含有させる樹脂としては、耐熱性と耐薬品性とを要する用途には結晶性の樹脂が好ましく、中でも両性能のバランスを考慮するとポリアミド樹脂が最も好ましい。
樹脂に添加する無機充填材の種類としては、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、ワラステナイトなどの繊維状、ウィスカー状充填材、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、硫酸バリウムなどの充填材が挙げられる。その中でも、剛性、強度、コスト面からガラス繊維が好ましい。ガラスの繊維長が平均長さ約100μm以上、500μm以下のものが好ましく使用される。また、ガラス繊維の平均径φ(直径)は、3μ以上50μm未満のものが使用でき、コスト面と強度面から5μm以上30μm未満のものを使用することが好ましい。
更に、無機充填材は、その表面を、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤、その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理したものとすることで、より優れた機械的強度を得ることができるため好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
[使用樹脂]
実施例1、2および比較例1〜4には下記の2種類の熱可塑性樹脂のいずれかを用いた。
樹脂1:旭化成ケミカルズ(株)製レオナ 14G33(商品名);ポリアミド(PA)66樹脂、ガラス繊維(GF)33質量%含有 密度=1390kg/m3
樹脂2:旭化成ケミカルズ(株)製レオナ 53G33(商品名);PA66樹脂と低吸水PAとのアロイ品、GF33質量%含有 密度=1350kg/m3
[射出成形用金型]
実施例1、2および比較例1〜4には下記の2種類の射出成形用金型のいずれかを用いた。
金型1:外径φ25mmの円形断面を有するL字型全長約400mmの長尺成形品用金型
金型2:コーナー部にのみ楕円(長径35mm、短径18mm)断面を有し、他の部分は外径φ25mmの円形断面を有するL字型全長約400mmの長尺成形品用金型
[実施例1]
180ton横型射出成形機、金型1を使用した。金型1のキャビティ内、流体注入ホース内を窒素ガス(純度99.99%)でパージした後、熱可塑性樹脂である樹脂1を樹脂温度設定290℃で溶融させ、金型温度設定80℃の金型1のキャビティにフルショット充填し、流体注入ニードルバルブから窒素ガスを非圧縮性の流体である水で加圧注入し、キャビティ内の樹脂中に加圧圧縮した窒素ガスを所定時間保持して徐冷し、L字型長尺中空成形品を成形した。このとき、水の注入量は200ccとした。
なお、このとき注入ホース、ニードルバルブ、キャビティを含む注入路全体に対して注入される水および窒素ガスを含む総注入容量は550ccとした。
[実施例2]
実施例1において、水の注入量を250ccとしたこと以外は実施例1と同様の方法でL字型長尺中空成形品を成形した。
[実施例3]
金型1に代えて金型2を用い、水の注入量を220ccとしたこと以外は実施例1と同様の方法で異型を含むL字型長尺中空成形品を成形した。
[実施例4]
実施例3において、樹脂1に代えて樹脂2を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で異型を含むL字型長尺中空成形品を成形した。
[比較例1]
実施例2において、窒素ガスを非圧縮性の流体である水で加圧注入することなく、窒素ガスのみを注入ホースに供給する、所謂ガスアシスト成形方法により、異型を含むL字型長尺中空成形品を成形した。
[比較例2]
実施例1において、窒素ガスを非圧縮性の流体である水で加圧注入することなく、流体注入ニードルバルブ側にセットした砲弾型のフローティングコアを圧縮性の不活性ガスとして窒素ガス(純度99.99%)で押し飛ばしながら溶融樹脂中に中空を形成する、所謂フローティングコア成形方法により、L字型長尺中空成形品を成形した。
[比較例3]
実施例1において、窒素ガスのみを溶融樹脂中に注入するのではなく、溶融樹脂中に水を注入して中空を形成する、所謂ウォーターアシスト成形方法により、L字型長尺中空成形品を成形した。水の注入量は400ccとした。
[比較例4]
比較例3において、樹脂1を樹脂2に代えたウォーターアシスト成形方法により、L字型長尺中空成形品を成形した。
[比較例5]
実施例2において、窒素ガスのみを溶融樹脂中に注入するのではなく、溶融樹脂中に水を注入して中空を形成する、所謂ウォーターアシスト成形方法により、異型を含むL字型長尺中空成形品を成形した。水の注入量は430ccとした。
上記実施例1、2および比較例1〜5の成形方法で得られた成形品について、以下の評価を行い、表1に纏めた。
[断面形状トレース性]
金型の形状に沿った断面形状が形成されていれば良(○)、金型の形状に沿った断面形状が得られなかった場合(×)と評価した。
[内面平滑度評価方法]
JIS B0601:1982に基づき、内面の平滑度を測る尺度として、長尺中空成形品を長さ方向に切削し、内面の最大高さRmaxを求めた。Rmaxが小さいほど平滑度が高いことを意味する。
[リサイクル性]
中空形成時に捨てキャビティ内に排出された余分な樹脂をそのままリサイクルできる場合には可(○)、リサイクルできない、あるいはリサイクルするためには他の処理を要する場合には不可(×)と評価した。
[乾燥工程の要否]
成形品に対して、乾燥工程が必要な場合は要、乾燥工程が不要な場合は不要と評価した。
表1に示す通り、本発明の実施例1〜4は、内面平滑度が比較例1、3−5と比較して高く、リサイクル性もよく、また、乾燥工程が不要である。比較例2のフローティングコア成形方法では高い内面平滑度、リサイクル性、乾燥工程不要と、本発明と同様の効果が得られるが、フローティングコアの通り道が中空となるため中空の断面が全域に亘って同一の円形であるものしか成形できず、従来技術の項で述べた通り、異型断面を含む形状の成形品を成形することができない。これに対し、本発明は、実施例3、4のように異型の断面形状を含む金型2に対しても実施例1と同様に断面形状トレース性が高かった。比較例1のガスアシスト成形では、ガス注入口と反対の端部側で中空形状が先細りを生じ、異型を含む金型に対し断面円形の中空となり、断面形状トレース性が低かった。
比較例3−5のようなウォーターアシスト成形の場合、断面形状トレース性はあるが、内面平滑度が低く、リサイクル性も悪く、さらには成形品の乾燥工程を要する。本発明の成形方法は徐冷であるため、ウォーターアシストの場合と比較して冷却時間はかかるが、乾燥工程が不要であり、設備に要するコストを抑制することができる。
実施例2はより多くの非圧縮性流体(水)を注入ホースに注入しており、圧縮性流体である窒素ガスがキャビティ内においてより圧縮された状態で保持されるため、実施例1よりも平滑性が高い内面を有する成形品を得ることができた。なお、実施例3と実施例4とでは樹脂材料のみが異なるが、平滑度に差が生じた。これは、平滑度が樹脂材料の固化スピードにも依存するものであることを示す結果である。
1、11 射出成形システム
2 キャビティ
3 捨てキャビティ側シャットオフピン
4 捨てキャビティ
5 流体注入用ニードルバルブ
6 射出成型機ノズル側逆流防止用のシャットオフピン
7 樹脂通路(スプルー)
10 射出成形用金型
19 流体注入ホース
20 加圧流体注入装置
21 流体切り替え供給手段
23 不活性ガスタンク(圧縮性流体収容部)
24 水タンク(非圧縮性流体収容部)
25 ドレーン
29 リザーバ
31 射出成形機ノズル
40 中空成形品

Claims (5)

  1. 射出成形用金型のキャビティに溶融樹脂を射出し、該溶融樹脂に加圧流体を流入させることにより、前記キャビティにシャットオフピンを介して連通した捨てキャビティへ余分な前記溶融樹脂を排出しながら、前記キャビティ内の溶融樹脂内に中空部を形成する射出成形による中空成形品を形成する方法であって、
    前記シャットオフピンを閉じた状態で、前記キャビティに前記溶融樹脂を射出充填後、
    前記シャットオフピンを開いた状態で、前記加圧流体として圧縮性流体を非圧縮性流体により加圧しながら前記キャビティ内の前記溶融樹脂に注入し、前記捨てキャビティへ余分な前記溶融樹脂を排出した後、
    前記圧縮性流体のみを前記溶融樹脂内に加圧圧縮して保持し、前記キャビティ内の溶融樹脂の内側を徐冷することを特徴とする中空成形品射出成形方法。
  2. 前記圧縮性流体を前記キャビティに注入する流体注入路に供給された前記圧縮性流体の後方に、該流体注入路の容量よりも少ない量の前記非圧縮性流体を供給し、前記圧縮性流体を該非圧縮性流体で加圧しながら前記溶融樹脂に注入することを特徴とする請求項1記載の中空成形品射出成形方法。
  3. 前記中空成形品が、全長/外径の比が5以上であることを特徴とする請求項1または2記載の中空成形品射出成形方法。
  4. 前記圧縮性流体が不活性ガスであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の中空成形品射出成形方法。
  5. 前記非圧縮性流体が水であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の中空成形品射出成形方法。
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