JP3151769U - 中空品の成形装置及び中空品 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスと水との特徴を利用し、熱可塑性樹脂からなる中空品における中空部分の壁面の均一化を実現し得る中空品の成形装置を提供する。【解決手段】成形装置1は、第1成形型3、第2成形型4を備える成形機本体2と、キャビティー部5と余剰材料室6との間を連通又は遮断するストッパー8と、キャビティー部5内に材料を注入する材料注入口9と、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10と、ガス又は水を射出するガス・水射出ユニット11と、第2成形型4に設けたガス・水流路12と、第2成形型4に設けたガス・水射出バルブ13と、ガス・水流路12の排出端に取り付けたガス・水排出バルブ14と、成形機本体2、ガス・水射出ユニット11の成形プロセスに係る水の温度制御を含むプログラム制御を行う成形コントローラ21、操作/制御盤22と、を有するものである。【選択図】図1
Description
本考案は、ガスと水との特徴を利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化を実現し得る中空品の成形装置に関するものである。
従来、例えば、合成樹脂製の管体等のような中空品の成形手段としては、押し出し成形、引き抜き成形、ガス吹き込み成形等、種々の手段があるが、例えば成形金型を使用し、成形金型のキャビティー内に充填された成形材料内に高圧の水を注入して中空部分を形成して中空品を成形する成形機の場合、中空部分の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となり、高品質の中空品を製造することは難しい。
本考案に関連する従来技術として、例えば特許文献1には、中空品を構成する金型のキャビティー内に熱硬化性樹脂からなる樹脂材料を前記キャビティーがほぼ完全に充填されるように供給し、キャビティー内に供給された樹脂材料内に不活性ガス等を注入して中空部を形成し中空品を成形するように構成した成形装置が提案されている。
この成形装置の場合、中空部の形成に不活性ガス等を使用していることから、成形完了後の中空品の冷却に時間を有するものと推定される。
特開2003−170462号公報
本考案が解決しようとする問題点は、ガスと水とを中空品の中空部分形成に関与させて、中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得るような熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置及び成形手段が存在しない点である。
本考案に係る中空品の成形装置は、成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室を備える開閉可能な成形型を備える成形機本体と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記ガス・水流路の途中位置と前記キャビティー部の注入側との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係るプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス、水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことを最も主要な特徴とする。
請求項1、2記載の考案によれば、ストッパーにより仕切られる中空のキャビティー部及び余剰材料室を具備する第1成形型、第2成形型からなる成形機本体、キャビティー部内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ、第2成形型に設けたガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブ、ガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブを備え、更に制御手段からのガス、水を成形機本体に供給するガス・水射出ユニットを備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、これにより、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品の内面の高品質化を図ることもできる中空品の成形装置を実現し提供することができる。
請求項3、4記載の考案によれば、請求項1、2記載の考案に係る成形装置を使用して、熱可塑性樹脂材料の充填工程、ガスの注入工程、水の射出工程、水の排出工程及び圧縮エアーによる水の排出工程、成形された中空品の取り出し工程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品の内面の高品質化を図ることもできる中空品の成形手段を実現し提供することができる。
本考案は、特にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得る熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置を実現し提供するという目的を有するものである。
本考案に係る中空品の成形装置は、開閉可能な第1成形型、第2成形型を備える成形機本体と、前記成形機本体内の下側及び上側に設けた成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、前記第2成形型の上部に配置され余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、前記第2成形型の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記キャビティー部の下側に設けた材料導入空間部と、前記ガス・水流路の途中位置と材料導入空間部との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係る水の温度制御を含むプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス又は水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、第1成形型、第2成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことにより上記目的を実現した。
以下に、本考案の実施例に係る中空品30の成形装置1について図1乃至図9を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、対向面を接合、分離可能に構成した第1成形型3、第2成形型4を備える成形機本体2と、この成形機本体2内の下側及び上側に形成した中空のキャビティー部5及び余剰材料室6とを有している。
前記キャビティー部5は、前記第1成形型3、第2成形型4の対向する領域全体を成形品の外観形状に対応するように加工し成形品形状部7とすることにより形成している。
前記余剰材料室6は、前記キャビティー部5に連通するように形成され中空形成時の余剰材料を収納するとともに、前記キャビティー部5と余剰材料室6との間に、図1に示すように、矢印方向に移動可能な仕切り用のストッパー8を挿脱可能に配置している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に第1成形型3に設けられキャビティー部5内に熱可塑性樹脂からなる材料を注入する材料注入口9と、第2成形型4の上部に配置され余剰材料室6に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10と、成形機本体2の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニット11と、第2成形型4の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニット11からのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路12と、前記キャビティー部5の下側に設けた材料導入空間部5aと、前記ガス・水流路12の途中位置と材料導入空間部5aとの間に配置したガス・水射出バルブ13と、前記ガス・水流路12の排出端の下部に取り付けたガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14と、を有している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に成形コントローラ21と、付属のスタンドアロン型の操作/制御盤22とからなる制御手段を備えている。
前記成形コントローラ21は、ガス、水を射出する機器で、その圧力と量を効率良く制御できるプログラムを備えた拡張性の高い機器であり、機器内部には、超高圧ポンプ、増圧機、アキュムレーター、温度調節機能を付加した貯水タンク等を実装し、前記ガス・水射出ユニット11にガス、水を供給するように構成している。
前記成形コントローラ21から前記ガス・水射出ユニット11へのガス、水の供給形態は、高圧ガスのみの供給、水のみ供給、ガスと水の双方の供給等の選択が可能な機器構成となっている。
これにより、本実施例に係る中空品30の成形装置1において、高圧ガスの注入で中空の製品を形成する、水を注入して中空の製品を形成する、更には、ガスと水の双方を注入し中空の製品を形成する等、様々な成形手段(又は方法)に対応可能な構成としている。
前記操作/制御盤22は、本実施例に係る中空品30の成形装置1における成形プロセスに係るプログラム制御を実行するように構成している。
前記成形コントローラ21と、成形機本体2との間で交信される信号としては、安全ドアー、非常停止等の安全に係る相互の信号、成形型開、成形型閉、材料射出許可、材料射出/充填/保圧完了等の成形型に係る相互の信号等を挙げることができる。
なお、図示しないが成形機本体側に設けた制御装置に、上述した場合と同等のプログラムが附加される成形機であれば、成形機側から直接成形プロセスの制御を実行することも可能である。
次に、本実施例に係る成形装置1を使用した中空品30の成形手段(又は方法)について説明する。
(1)材料の充填工程
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
このとき、キャビティー部5表面の成形品形状部7の形状が十分転写される量と圧力となるように充填条件を設定する。
また、材料充填後に材料の漏れが生じる不都合を防止するため、前記ガス・水排出バルブ14を開き、成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11へガスを供給しガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を流通させておく。
(2)ガスの注入工程
材料の充填工程終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
材料の充填工程終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
この場合、注入するガスの種類は、成形する中空品30の材料によって使い分けられるが、注入されたガスは直後に射出される水の圧力によって圧縮され温度が上昇することを考慮し、例えば、上昇した熱によって焼けが発生する材料では中空品30の内面の粗度が悪くなるため、空気等の酸素含有ガスは使用せず、窒素ガス等を注入し、中空品30の内面の焼けを防止する。
前記キャビティー部5内へ注入されたガスのガス圧によって中空部分31に相当する余剰材料は図3に示すように余剰材料室6へと押し流される。
(3)水の射出工程
次に、図4に示すように、ガスの充填工程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
次に、図4に示すように、ガスの充填工程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
この場合、キャビティー部5内に射出される水は、オペレータによる前記操作/制御盤22の操作の基にその量と圧力がプログラム制御され、これにより常に安定した動作が繰り返される。
このような水の射出によって、図5に示すように、更に中空部分31が拡大し、余剰材料は余剰材料室6へと流れ込む。そして、キャビティー部5内に中空部分31が十分形成されるまで水圧で保圧する。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
(4)水の排出工程
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
このとき、図6、図7に示すように、水圧によって圧縮され余剰材料室6に封じ込められた圧縮されているガスの反発力により中空部分31内の水が成形機本体2の外部へ排出される。この場合に、注入された水の先端に配するガスによって水の進路が急激に冷却されること無く進行するため、中空部分31内面の粗度が極めて円滑になるという効果を発揮させることができる。
(5)圧縮エアーによる水の排出工程
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
これにより、中空部分31の残留水分を排出するとき、成形された中空品30の余熱が効率よく冷却され成形サイクルの短縮を図ることができる。
(6)この後、前記第1成形型3、第2成形型4を開くことで、図9に断面形状を示すような内部に中空部分31を有する製品となる熱可塑性樹脂からなる中空品30を得ることができる。
本実施例に係る成形装置1及び成形手段で採用する上述したガスと、水とに考察を加えると、ガスは、圧力によって体積が自由に変化する。従って、成形される材料の溶融状態に応じた挙動が得られるが、一定した量と圧力の制御が困難である。
一方、水の体積は、圧力に影響されず常に一定した状態を保つことから圧力と量の制御が確実に行える。
上述したガスが保有する困難な点を水の特徴で補うことで、すなわち、ガスと水の特徴を効果的に利用することで、本実施例に係る中空品30の成形装置1及び中空品30の成形手段(又は方法)を実現するものである。
また、水が接触した前記中空部分31の壁面は急速に冷却されスキン層を形成する。水は、このスキン層を破壊しながら連続的にスキン層の形成と破壊を繰り返す結果、前記中空部分31の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となる。
本実施例の成形装置1及び成形手段の場合、ガスと水とを併用し、成形時に最初に前記キャビティー部5にガスを注入し、次いで水を射出するようにしているので、前記キャビティー部5内でまずガスが中空部分31を形成することになり、スキン層の形成を緩和し中空部分31の壁面が均一で滑らかになるという効果を奏するものである。
また、ガスは水に比べ冷却効率が低いため、接触表面の固化進行が遅くなりスキン層ができ難くなるという利点も有する。
以上説明した本実施例に係る成形装置1によれば、ガスと水の各々の特徴を効果的に利用するためのストッパー8により仕切られる中空のキャビティー部5及び余剰材料室6を具備する第1成形型3、第2成形型4からなる成形機本体2、キャビティー部5内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口9、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10、第2成形型4に設けたガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13、ガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14を備え、更に成形コントローラ21からのガス、水を成形機本体2に供給するガス・水射出ユニット11を備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品30を成形、実現することができる。
また、本実施例に係る成形手段(又は方法)によれば、既述した材料の充填工程、ガスの注入工程、水の射出工程、水の排出工程及び圧縮エアーによる水の排出工程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な中空品30を成形、実現することができる。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
本考案は、熱可塑性樹脂製の筒体、管体、中空部品の成形用として広範に適用可能である。
1 成形装置
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
本考案は、ガスと水との特徴を利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化を実現し得る中空品の成形装置に関するものである。
従来、例えば、合成樹脂製の管体等のような中空品の成形手段としては、押し出し成形、引き抜き成形、ガス吹き込み成形等、種々の手段があるが、例えば成形金型を使用し、成形金型のキャビティー内に充填された成形材料内に高圧の水を注入して中空部分を形成して中空品を成形する成形機の場合、中空部分の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となり、高品質の中空品を製造することは難しい。
本考案に関連する従来技術として、例えば特許文献1には、中空品を構成する金型のキャビティー内に熱硬化性樹脂からなる樹脂材料を前記キャビティーがほぼ完全に充填されるように供給し、キャビティー内に供給された樹脂材料内に不活性ガス等を注入して中空部を形成し中空品を成形するように構成した成形装置が提案されている。
この成形装置の場合、中空部の形成に不活性ガス等を使用していることから、成形完了後の中空品の冷却に時間を有するものと推定される。
特開2003−170462号公報
本考案が解決しようとする問題点は、ガスと水とを中空品の中空部分形成に関与させて、中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得るような熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置及び成形手段が存在しない点である。
本考案に係る中空品の成形装置は、成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室を備える開閉可能な成形型を備える成形機本体と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記ガス・水流路の途中位置と前記キャビティー部の注入側との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係るプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス、水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことを最も主要な特徴とする。
請求項1、2記載の考案によれば、ストッパーにより仕切られる中空のキャビティー部及び余剰材料室を具備する第1成形型、第2成形型からなる成形機本体、キャビティー部内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ、第2成形型に設けたガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブ、ガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブを備え、更に制御手段からのガス、水を成形機本体に供給するガス・水射出ユニットを備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、これにより、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品の内面の高品質化を図ることもできる中空品の成形装置を実現し提供することができる。
請求項3、4記載の考案によれば、請求項1、2記載の考案に係る成形装置を使用して、熱可塑性樹脂材料の充填、ガスの注入、水の射出、水の排出及び圧縮エアーによる水の排出、成形された中空品の取り出しの各過程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品の内面の高品質化を図ることもできる中空品を成形し実現することができる。
本考案は、特にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得る熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置を実現し提供するという目的を有するものである。
本考案に係る中空品の成形装置は、開閉可能な第1成形型、第2成形型を備える成形機本体と、前記成形機本体内の下側及び上側に設けた成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、前記第2成形型の上部に配置され余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、前記第2成形型の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記キャビティー部の下側に設けた材料導入空間部と、前記ガス・水流路の途中位置と材料導入空間部との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係る水の温度制御を含むプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス又は水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、第1成形型、第2成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことにより上記目的を実現した。
以下に、本考案の実施例に係る中空品30の成形装置1について図1乃至図9を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、対向面を接合、分離可能に構成した第1成形型3、第2成形型4を備える成形機本体2と、この成形機本体2内の下側及び上側に形成した中空のキャビティー部5及び余剰材料室6とを有している。
前記キャビティー部5は、前記第1成形型3、第2成形型4の対向する領域全体を成形品の外観形状に対応するように加工し成形品形状部7とすることにより形成している。
前記余剰材料室6は、前記キャビティー部5に連通するように形成され中空形成時の余剰材料を収納するとともに、前記キャビティー部5と余剰材料室6との間に、図1に示すように、矢印方向に移動可能な仕切り用のストッパー8を挿脱可能に配置している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に第1成形型3に設けられキャビティー部5内に熱可塑性樹脂からなる材料を注入する材料注入口9と、第2成形型4の上部に配置され余剰材料室6に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10と、成形機本体2の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニット11と、第2成形型4の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニット11からのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路12と、前記キャビティー部5の下側に設けた材料導入空間部5aと、前記ガス・水流路12の途中位置と材料導入空間部5aとの間に配置したガス・水射出バルブ13と、前記ガス・水流路12の排出端の下部に取り付けたガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14と、を有している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に成形コントローラ21と、付属のスタンドアロン型の操作/制御盤22とからなる制御手段を備えている。
前記成形コントローラ21は、ガス、水を射出する機器で、その圧力と量を効率良く制御できるプログラムを備えた拡張性の高い機器であり、機器内部には、超高圧ポンプ、増圧機、アキュムレーター、温度調節機能を付加した貯水タンク等を実装し、前記ガス・水射出ユニット11にガス、水を供給するように構成している。
前記成形コントローラ21から前記ガス・水射出ユニット11へのガス、水の供給形態は、高圧ガスのみの供給、水のみ供給、ガスと水の双方の供給等の選択が可能な機器構成となっている。
これにより、本実施例に係る中空品30の成形装置1において、高圧ガスの注入で中空の製品を形成する、水を注入して中空の製品を形成する、更には、ガスと水の双方を注入し中空の製品を形成する等、様々な成形手段に対応可能な構成としている。
前記操作/制御盤22は、本実施例に係る中空品30の成形装置1における成形プロセスに係るプログラム制御を実行するように構成している。
前記成形コントローラ21と、成形機本体2との間で交信される信号としては、安全ドアー、非常停止等の安全に係る相互の信号、成形型開、成形型閉、材料射出許可、材料射出/充填/保圧完了等の成形型に係る相互の信号等を挙げることができる。
なお、図示しないが成形機本体側に設けた制御装置に、上述した場合と同等のプログラムが附加される成形機であれば、成形機側から直接成形プロセスの制御を実行することも可能である。
次に、本実施例に係る成形装置1を使用した中空品30の成形過程について説明する。
(1)材料の充填過程
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
このとき、キャビティー部5表面の成形品形状部7の形状が十分転写される量と圧力となるように充填条件を設定する。
また、材料充填後に材料の漏れが生じる不都合を防止するため、前記ガス・水排出バルブ14を開き、成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11へガスを供給しガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を流通させておく。
(2)ガスの注入過程
材料の充填終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
材料の充填終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
この場合、注入するガスの種類は、成形する中空品30の材料によって使い分けられるが、注入されたガスは直後に射出される水の圧力によって圧縮され温度が上昇することを考慮し、例えば、上昇した熱によって焼けが発生する材料では中空品30の内面の粗度が悪くなるため、空気等の酸素含有ガスは使用せず、窒素ガス等を注入し、中空品30の内面の焼けを防止する。
前記キャビティー部5内へ注入されたガスのガス圧によって中空部分31に相当する余剰材料は図3に示すように余剰材料室6へと押し流される。
(3)水の射出過程
次に、図4に示すように、ガスの充填過程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
次に、図4に示すように、ガスの充填過程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
この場合、キャビティー部5内に射出される水は、オペレータによる前記操作/制御盤22の操作の基にその量と圧力がプログラム制御され、これにより常に安定した動作が繰り返される。
このような水の射出によって、図5に示すように、更に中空部分31が拡大し、余剰材料は余剰材料室6へと流れ込む。そして、キャビティー部5内に中空部分31が十分形成されるまで水圧で保圧する。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
(4)水の排出過程
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
このとき、図6、図7に示すように、水圧によって圧縮され余剰材料室6に封じ込められた圧縮されているガスの反発力により中空部分31内の水が成形機本体2の外部へ排出される。この場合に、注入された水の先端に配するガスによって水の進路が急激に冷却されること無く進行するため、中空部分31内面の粗度が極めて円滑になるという効果を発揮させることができる。
(5)圧縮エアーによる水の排出過程
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
これにより、中空部分31の残留水分を排出するとき、成形された中空品30の余熱が効率よく冷却され成形サイクルの短縮を図ることができる。
(6)この後、前記第1成形型3、第2成形型4を開くことで、図9に断面形状を示すような内部に中空部分31を有する製品となる熱可塑性樹脂からなる中空品30を得ることができる。
本実施例に係る成形装置1及び成形手段で採用する上述したガスと、水とに考察を加えると、ガスは、圧力によって体積が自由に変化する。従って、成形される材料の溶融状態に応じた挙動が得られるが、一定した量と圧力の制御が困難である。
一方、水の体積は、圧力に影響されず常に一定した状態を保つことから圧力と量の制御が確実に行える。
上述したガスが保有する困難な点を水の特徴で補うことで、すなわち、ガスと水の特徴を効果的に利用することで、本実施例に係る中空品30の成形装置1及び中空品30を成形、実現する手段である。
また、水が接触した前記中空部分31の壁面は急速に冷却されスキン層を形成する。水は、このスキン層を破壊しながら連続的にスキン層の形成と破壊を繰り返す結果、前記中空部分31の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となる。
本実施例の成形装置1及び中空品の成形過程の場合、ガスと水とを併用し、成形時に最初に前記キャビティー部5にガスを注入し、次いで水を射出するようにしているので、前記キャビティー部5内でまずガスが中空部分31を形成することになり、スキン層の形成を緩和し中空部分31の壁面が均一で滑らかになるという効果を奏するものである。
また、ガスは水に比べ冷却効率が低いため、接触表面の固化進行が遅くなりスキン層ができ難くなるという利点も有する。
以上説明した本実施例に係る成形装置1によれば、ガスと水の各々の特徴を効果的に利用するためのストッパー8により仕切られる中空のキャビティー部5及び余剰材料室6を具備する第1成形型3、第2成形型4からなる成形機本体2、キャビティー部5内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口9、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10、第2成形型4に設けたガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13、ガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14を備え、更に成形コントローラ21からのガス、水を成形機本体2に供給するガス・水射出ユニット11を備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品30を成形し実現することができる。
また、本実施例に係る中空品の成形過程によれば、既述した材料の充填過程、ガスの注入過程、水の射出過程、水の排出過程及び圧縮エアーによる水の排出過程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な中空品30を成形し実現することができる。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
本考案は、熱可塑性樹脂製の筒体、管体、中空部品の成形用として広範に適用可能である。
1 成形装置
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
本考案は、ガスと水との特徴を利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化を実現し得る中空品の成形装置及び中空品に関するものである。
従来、例えば、合成樹脂製の管体等のような中空品の成形手段としては、押し出し成形、引き抜き成形、ガス吹き込み成形等、種々の手段があるが、例えば成形金型を使用し、成形金型のキャビティー内に充填された成形材料内に高圧の水を注入して中空部分を形成して中空品を成形する成形機の場合、中空部分の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となり、高品質の中空品を製造することは難しい。
本考案に関連する従来技術として、例えば特許文献1には、中空品を構成する金型のキャビティー内に熱硬化性樹脂からなる樹脂材料を前記キャビティーがほぼ完全に充填されるように供給し、キャビティー内に供給された樹脂材料内に不活性ガス等を注入して中空部を形成し中空品を成形するように構成した成形装置が提案されている。
この成形装置の場合、中空部の形成に不活性ガス等を使用していることから、成形完了後の中空品の冷却に時間を有するものと推定される。
特開2003−170462号公報
本考案が解決しようとする問題点は、ガスと水とを中空品の中空部分形成に関与させて、中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得るような熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置及び成形手段が存在しない点である。
本考案に係る中空品の成形装置は、成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室を備える開閉可能な成形型を備える成形機本体と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記ガス・水流路の途中位置と前記キャビティー部の注入側との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係るプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス、水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことを最も主要な特徴とする。
請求項1、2記載の考案によれば、ストッパーにより仕切られる中空のキャビティー部及び余剰材料室を具備する第1成形型、第2成形型からなる成形機本体、キャビティー部内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ、第2成形型に設けたガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブ、ガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブを備え、更に制御手段からのガス、水を成形機本体に供給するガス・水射出ユニットを備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、これにより、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品の内面の高品質化を図ることもできる中空品の成形装置を実現し提供することができる。
請求項3、4記載の考案によれば、請求項1、2記載の考案に係る成形装置を使用して、熱可塑性樹脂材料の充填、ガスの注入、水の射出、水の排出及び圧縮エアーによる水の排出、成形された中空品の取り出しの各過程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び冷却効率向上による成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる外観が成形機本体のキャビティー部に対応する形状の中空品を得ることが可能であり、また、射出する水の温度制御を行えば中空品における中空部分の内面の高品質化を図ることもできる中空品を成形し実現することができる。
本考案は、特にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品における中空部分の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し得る熱可塑性樹脂からなる中空品の成形装置を実現し提供するという目的を有するものである。
本考案に係る中空品の成形装置は、開閉可能な第1成形型、第2成形型を備える成形機本体と、前記成形機本体内の下側及び上側に設けた成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室と、前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、前記第2成形型の上部に配置され余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、前記第2成形型の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、前記キャビティー部の下側に設けた材料導入空間部と、前記ガス・水流路の途中位置と材料導入空間部との間に配置したガス・水射出バルブと、前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係る水の温度制御を含むプログラム制御を行う制御手段と、を有し、前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス又は水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、第1成形型、第2成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことにより上記目的を実現した。
以下に、本考案の実施例に係る中空品30の成形装置1について図1乃至図9を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、キャビティー部5内に充填された熱可塑性樹脂からなる成形用の材料(図2乃至図8中で黒塗りで示す)にガス及び水を射出し、中空の熱可塑性樹脂からなる成形品30を成形する装置である。ここに、ガスとは、空気、不活性ガス、炭酸ガス等の種々の気体を意味するものとして以下の説明を行う。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、対向面を接合、分離可能に構成した第1成形型3、第2成形型4を備える成形機本体2と、この成形機本体2内の下側及び上側に形成した中空のキャビティー部5及び余剰材料室6とを有している。
前記キャビティー部5は、前記第1成形型3、第2成形型4の対向する領域全体を成形品の外観形状に対応するように加工し成形品形状部7とすることにより形成している。
前記余剰材料室6は、前記キャビティー部5に連通するように形成され中空形成時の余剰材料を収納するとともに、前記キャビティー部5と余剰材料室6との間に、図1に示すように、矢印方向に移動可能な仕切り用のストッパー8を挿脱可能に配置している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に第1成形型3に設けられキャビティー部5内に熱可塑性樹脂からなる材料を注入する材料注入口9と、第2成形型4の上部に配置され余剰材料室6に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10と、成形機本体2の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニット11と、第2成形型4の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニット11からのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路12と、前記キャビティー部5の下側に設けた材料導入空間部5aと、前記ガス・水流路12の途中位置と材料導入空間部5aとの間に配置したガス・水射出バルブ13と、前記ガス・水流路12の排出端の下部に取り付けたガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14と、を有している。
本実施例に係る中空品30の成形装置1は、更に成形コントローラ21と、付属のスタンドアロン型の操作/制御盤22とからなる制御手段を備えている。
前記成形コントローラ21は、ガス、水を射出する機器で、その圧力と量を効率良く制御できるプログラムを備えた拡張性の高い機器であり、機器内部には、超高圧ポンプ、増圧機、アキュムレーター、温度調節機能を付加した貯水タンク等を実装し、前記ガス・水射出ユニット11にガス、水を供給するように構成している。
前記成形コントローラ21から前記ガス・水射出ユニット11へのガス、水の供給形態は、高圧ガスのみの供給、水のみ供給、ガスと水の双方の供給等の選択が可能な機器構成となっている。
これにより、本実施例に係る中空品30の成形装置1において、高圧ガスの注入で中空の製品を形成する、水を注入して中空の製品を形成する、更には、ガスと水の双方を注入し中空の製品を形成する等、様々な成形手段に対応可能な構成としている。
前記操作/制御盤22は、本実施例に係る中空品30の成形装置1における成形プロセスに係るプログラム制御を実行するように構成している。
前記成形コントローラ21と、成形機本体2との間で交信される信号としては、安全ドアー、非常停止等の安全に係る相互の信号、成形型開、成形型閉、材料射出許可、材料射出/充填/保圧完了等の成形型に係る相互の信号等を挙げることができる。
なお、図示しないが成形機本体側に設けた制御装置に、上述した場合と同等のプログラムが附加される成形機であれば、成形機側から直接成形プロセスの制御を実行することも可能である。
次に、本実施例に係る成形装置1を使用した中空品30の成形過程について説明する。
(1)材料の充填過程
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
まず、図2に示すように、成形機本体2の第1成形型3、第2成形型4を接合状態(閉状態)とし、かつ、前記ストッパー8により余剰材料室6への流入をストッパーにて遮蔽する状態して、材料注入口9から成形用の熱可塑性樹脂からなる材料を成形機本体2のキャビティー部5に充填する。
このとき、キャビティー部5表面の成形品形状部7の形状が十分転写される量と圧力となるように充填条件を設定する。
また、材料充填後に材料の漏れが生じる不都合を防止するため、前記ガス・水排出バルブ14を開き、成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11へガスを供給しガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を流通させておく。
(2)ガスの注入過程
材料の充填終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
材料の充填終了後保圧を確認し、図3に示すように、前記ストッパー8を開き、前記ガス・水排出バルブ14を閉じた後、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11からガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分31を形成していく。
この場合、注入するガスの種類は、成形する中空品30の材料によって使い分けられるが、注入されたガスは直後に射出される水の圧力によって圧縮され温度が上昇することを考慮し、例えば、上昇した熱によって焼けが発生する材料では中空品30の内面の粗度が悪くなるため、空気等の酸素含有ガスは使用せず、窒素ガス等を注入し、中空品30の内面の焼けを防止する。
前記キャビティー部5内へ注入されたガスのガス圧によって中空部分31に相当する余剰材料は図3に示すように余剰材料室6へと押し流される。
(3)水の射出過程
次に、図4に示すように、ガスの充填過程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
次に、図4に示すように、ガスの充填過程終了直後に、前記成形コントローラ21からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13を経てキャビティー部5に所定の圧力の水を射出を開始し、中空部分31の形成を進行させる。
この場合、キャビティー部5内に射出される水は、オペレータによる前記操作/制御盤22の操作の基にその量と圧力がプログラム制御され、これにより常に安定した動作が繰り返される。
このような水の射出によって、図5に示すように、更に中空部分31が拡大し、余剰材料は余剰材料室6へと流れ込む。そして、キャビティー部5内に中空部分31が十分形成されるまで水圧で保圧する。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
また、前記成形コントローラ21に、図示しないが水用の加熱装置(ヒーター)及び冷却装置(熱交換器)を設け、射出水の温度制御を可能な構成とすれば、中空品30の内面の急激な冷却を緩和し、熱可塑性樹脂の特性毎に最適な効果を発揮し、各々中空品30の内面の高品質化を図ることができる。
(4)水の排出過程
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
次に、図6に示すように、前記ガス・水排出バルブ14を開き、ガス・水射出ユニット11からの水の供給を停止した後、前記キャビティー部5内における中空部分31からガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水排出バルブ14を経る流路で水を排出する。
このとき、図6、図7に示すように、水圧によって圧縮され余剰材料室6に封じ込められた圧縮されているガスの反発力により中空部分31内の水が成形機本体2の外部へ排出される。この場合に、注入された水の先端に配するガスによって水の進路が急激に冷却されること無く進行するため、中空部分31内面の粗度が極めて円滑になるという効果を発揮させることができる。
(5)圧縮エアーによる水の排出過程
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
次に、図8に示すように、成形の最終段階として前記圧縮エアー射出バルブ10を開き、圧縮エアーを余剰材料室6、キャビティー部5内の中空部分31に射出することによって内部に滞留している水分を成形機本体2の外部へと排出させる。
これにより、中空部分31の残留水分を排出するとき、成形された中空品30の余熱が効率よく冷却され成形サイクルの短縮を図ることができる。
(6)この後、前記第1成形型3、第2成形型4を開くことで、図9に断面形状を示すような内部に中空部分31を有する製品となる熱可塑性樹脂からなる中空品30を得ることができる。
本実施例に係る成形装置1及び成形手段で採用する上述したガスと、水とに考察を加えると、ガスは、圧力によって体積が自由に変化する。従って、成形される材料の溶融状態に応じた挙動が得られるが、一定した量と圧力の制御が困難である。
一方、水の体積は、圧力に影響されず常に一定した状態を保つことから圧力と量の制御が確実に行える。
上述したガスが保有する困難な点を水の特徴で補うことで、すなわち、ガスと水の特徴を効果的に利用することで、本実施例に係る中空品30の成形装置1及び中空品30を成形、実現する手段である。
また、水が接触した前記中空部分31の壁面は急速に冷却されスキン層を形成する。水は、このスキン層を破壊しながら連続的にスキン層の形成と破壊を繰り返す結果、前記中空部分31の壁面の粗度が均一とならず荒れた面となる。
本実施例の成形装置1及び中空品の成形過程の場合、ガスと水とを併用し、成形時に最初に前記キャビティー部5にガスを注入し、次いで水を射出するようにしているので、前記キャビティー部5内でまずガスが中空部分31を形成することになり、スキン層の形成を緩和し中空部分31の壁面が均一で滑らかになるという効果を奏するものである。
また、ガスは水に比べ冷却効率が低いため、接触表面の固化進行が遅くなりスキン層ができ難くなるという利点も有する。
以上説明した本実施例に係る成形装置1によれば、ガスと水の各々の特徴を効果的に利用するためのストッパー8により仕切られる中空のキャビティー部5及び余剰材料室6を具備する第1成形型3、第2成形型4からなる成形機本体2、キャビティー部5内に熱可塑性樹脂材料を注入する材料注入口9、内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブ10、第2成形型4に設けたガス・水射出ユニット11、ガス・水流路12、ガス・水射出バルブ13、ガス・水流路12の他端側を開閉するガス・水排出バルブ14を備え、更に成形コントローラ21からのガス、水を成形機本体2に供給するガス・水射出ユニット11を備える構成の基に、ガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な熱可塑性樹脂からなる中空品30を成形し実現することができる。
また、本実施例に係る中空品の成形過程によれば、既述した材料の充填過程、ガスの注入過程、水の射出過程、水の排出過程及び圧縮エアーによる水の排出過程を順に実行することにより、成形時にガスと水との特徴を巧みに利用し、中空品30における中空部分31の壁面の均一化及び成形サイクルの短縮化を実現し、良質な中空品30を成形し実現することができる。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
なお、本実施例に係る成形装置1においては、前記キャビティー部5及び前記余剰材料室6を縦形配置としたが、キャビティー部5及び余剰材料室6を横並びの配置しても実施可能である。
本考案は、熱可塑性樹脂製の筒体、管体、中空部品の成形用として広範に適用可能である。
1 成形装置
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
2 成形機本体
3 第1成形型
4 第2成形型
5 キャビティー部
5a 材料導入空間部
6 余剰材料室
7 成形品形状部
8 ストッパー
9 材料注入口
10 圧縮エアー射出バルブ
11 ガス・水射出ユニット
12 ガス・水流路
13 ガス・水射出バルブ
14 ガス・水排出バルブ
21 成形コントローラ
22 操作/制御盤
30 中空品
31 中空部分
Claims (4)
- 成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室を備える開閉可能な成形型を備える成形機本体と、
前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、
前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、
余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、
前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、
一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、
前記ガス・水流路の途中位置と前記キャビティー部の注入側との間に配置したガス・水射出バルブと、
前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、
前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係るプログラム制御を行う制御手段と、
を有し、
前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス、水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことを特徴とする中空品の成形装置。 - 開閉可能な第1成形型、第2成形型を備える成形機本体と、
前記成形機本体内の下側及び上側に設けた成形用材料の成形品形状部を形成するキャビティー部及び余剰材料を収納する余剰材料室と、
前記キャビティー部と余剰材料室との間を連通又は遮断するストッパーと、
前記キャビティー部内に材料を注入する材料注入口と、
前記第2成形型の上部に配置され余剰材料室に射出端を臨ませて、中空形成後成形品内部の残留水を排出する圧縮エアー射出バルブと、
前記成形機本体の外部に配置されたガス又は水を射出するガス・水射出ユニットと、
前記第2成形型の下部に設けられるとともに、一端側をガス・水射出ユニットからのガス又は水の注入端とし、他端側をガス又は水の排出端としたガス・水流路と、
前記キャビティー部の下側に設けた材料導入空間部と、
前記ガス・水流路の途中位置と材料導入空間部との間に配置したガス・水射出バルブと、
前記ガス・水流路の排出端の下部に取り付けたガス・水流路の他端側を開閉するガス・水排出バルブと、
前記成形機本体、ガス・水射出ユニットの成形プロセスに係る水の温度制御を含むプログラム制御を行う制御手段と、
を有し、
前記キャビティー部内への熱可塑性樹脂材料充填、ガス又は水の注入による成形される中空品の中空部分形成及び余剰材料の余剰材料室への流し込み、水、ガスの順による排出、圧縮エアーによる中空品における中空部分の冷却、第1成形型、第2成形型の解放による熱可塑性樹脂からなる中空品の取り出しを行うように構成したことを特徴とする中空品の成形装置。 - 成形機本体の成形型を閉状態とし、余剰材料室への流入をストッパーにて遮蔽する状態として、材料注入口から熱可塑性樹脂からなる成形用の材料を成形機本体のキャビティー部に充填する工程と、
材料の充填工程終了後、ストッパーを開き、ガス・水排出バルブを閉じた後、制御手段からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブを経てキャビティー部に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分を形成して中空品とするとともに余剰材料を余剰材料室へと押し流す工程と、
ガスの充填工程終了直後に、制御手段からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブを経てキャビティー部に所定の圧力の水の射出を開始し、中空部分の形成を進行するとともに余剰材料を更に余剰材料室へ流し込む工程と、
ガス・水排出バルブを開き、前記キャビティー部内における中空部分からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水排出バルブを経る流路で水を排出する工程と、
圧縮エアー射出バルブを開き、圧縮エアーを余剰材料室、キャビティー部内の中空部分に射出し内部に滞留している水分を成形機本体の外部へ排出する工程と、
成形型を開き製品となる熱可塑性樹脂からなる中空品を取り出す工程と、
を経て成形するようにしたことを特徴とする中空品。 - 成形機本体の第1成形型、第2成形型を閉状態とし、余剰材料室への流入をストッパーにて遮蔽する状態として、材料注入口から熱可塑性樹脂からなる成形用の材料を成形機本体のキャビティー部に充填する工程と、
材料の充填工程終了後、ストッパーを開き、ガス・水排出バルブを閉じた後、制御手段からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブ、材料導入空間部を経てキャビティー部に適量の所定の圧力のガスを注入し、充填されている材料中に中空部分を形成して中空品とするとともに余剰材料を余剰材料室へと押し流す工程と、
ガスの充填工程終了直後に、制御手段からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水射出バルブを経てキャビティー部に所定の圧力で温度制御された水の射出を開始し、中空部分の形成を進行するとともに余剰材料を更に余剰材料室へ流し込む工程と、
ガス・水排出バルブを開き、前記キャビティー部内における中空部分からガス・水射出ユニット、ガス・水流路、ガス・水排出バルブを経る流路で水を排出する工程と、
圧縮エアー射出バルブを開き、圧縮エアーを余剰材料室、キャビティー部内の中空部分に射出し内部に滞留している水分を成形機本体の外部へ排出する工程と、
第1成形型、第2成形型を開き製品となる熱可塑性樹脂からなる中空品を取り出す工程と、
を経て成形するようにしたことを特徴とする中空品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008007747U JP3151769U (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 中空品の成形装置及び中空品 |
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CN108556226A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-09-21 | 安徽韵通管业有限公司 | 一种hdpe双壁波纹管冷却装置 |
-
2008
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