以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態について説明する。図1(a)は、本発明の通信プログラムの一実施形態であるデバイス制御アプリケーション(以下「デバイス制御アプリ」と称す)12bを搭載する端末10の電気的構成を示すブロック図である。詳細は後述するが、デバイス制御アプリ12bを搭載する端末10は、近距離無線通信を用いて多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)100の印刷機能を利用する場合の利便性に優れる。
本実施形態の端末10は、スマートフォンなどの端末として構成される。端末10には、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13、操作キー15、LCD16、タッチ
パネル17、メモリカードインターフェイス(メモリカードI/F)18、音声入出力部19、電話網通信部20、近距離通信部22、無線通信部23が設けられる。これらの各部は、バスライン24を介して互いに接続される。
CPU11は、フラッシュメモリ12等に記憶される固定値やプログラム等に従って、バスライン24と接続された各部を制御する。フラッシュメモリ12は、書換可能な不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11がデバイス制御アプリ12b等を実行するにあたり、各種データを一時的に記憶するためのテンポラリエリアを有する書換可能な揮発性のメモリである。
フラッシュメモリ12には、オペレーティングシステム(以下「OS」と称す)12aおよびデバイス制御アプリ12bが格納される。以降、アプリケーションやオペレーティングシステムなどのプログラムを実行するCPU11のことを、単にプログラム名で記載する場合もある。例えば「アプリケーション」という記載が「アプリケーションを実行するCPU11」を意味する場合もある。OS12aは、端末10の標準機能を実現するための基本ソフトウェアである。本実施形態では、OS12aとして、アンドロイド(登録商標)OSを採用する。
デバイス制御アプリ12bは、デバイス(本実施形態では、MFP100)のベンダによって提供されるアプリケーションであって、ユーザによって端末10にインストールされ、端末10からデバイスの利用を可能とする。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などを経由せずに、端末10から直接、デバイスの印刷機能やスキャン機能などを利用することを可能にする。
特に、本実施形態のデバイス制御アプリ12bは、MFP100の印刷機能を利用するトリガとなる通信が、近距離通信部22により行われる近距離無線通信であるか、無線通信部23により行われる無線通信であるかに応じて、それぞれ専用の印刷設定を使用する。よって、MFP100の印刷機能を利用するトリガとなる通信が、近距離通信部22または無線通信部23のいずれにより行われる通信であっても、好適な印刷設定を利用できる。なお、本実施形態では、近距離通信部22により行われる近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)標準規格に従う非接触通信である。一方、本実施形態では、無線通信部23により行われる無線通信は、Wi−Fi(登録商標)規格に基づく無線通信である。以下、NFC標準規格に従う非接触通信を「NFC通信」と称し、Wi−Fi(登録商標)規格に基づく無線通信を「Wi−Fi通信」と称することがある。後述する図3のフローチャートに示す各処理は、デバイス制御アプリ12bに従いCPU11により実行される。
また、フラッシュメモリ12には、NFC設定12c、Wi−Fi設定12d,12e、およびデバイス情報12fなどの情報が記憶される。より詳細には、NFC設定12c、Wi−Fi設定12d,12e、およびデバイス情報12fは、フラッシュメモリ12の、デバイス制御アプリ12bに割り当てられた記憶領域に記憶され、デバイス制御アプリ12bにより使用される。
NFC設定12cは、近距離通信部22により行われる近距離無線通信をトリガとしてMFP100の印刷機能を利用する場合に使用される現在の印刷設定である。本実施形態では、NFC設定12cは、デバイス制御アプリ12bが対応可能なMFP100の種類(本実施形態では、モデル名)とは無関係に1種類が設けられる。 以下、近距離通信部
22により行われる近距離無線通信をトリガとして行われる印刷、すなわち、印刷設定としてNFC設定12cを使用する印刷を「NFC印刷」と称することがある。本実施形態において、NFC印刷の開始トリガは、端末10をMFP100に近づけることに基づい
て、端末10とMFP100との間で確立されたNFC通信である。
一方、Wi−Fi設定12d,12eは、いずれも、無線通信部23により行われる無線通信をトリガとしてMFP100の印刷機能を利用する場合に使用される現在の印刷設定である。以下、無線通信部23により行われる無線通信をトリガとして行われる印刷、すなわち、印刷設定としてWi−Fi設定12d,12eを使用する印刷を「Wi−Fi印刷」と称することがある。本実施形態において、Wi−Fi印刷の開始トリガは、印刷ボタン52(図2参照)に対するタップ操作が行われたことに基づく、端末10からMFP100へのWi−Fi通信による、印刷指示の送信である。
より詳細には、Wi−Fi設定12dは、デバイス制御アプリ12bが対応可能なMFP100の種類とは無関係に1種類設けられる。一方、Wi−Fi設定12eは、デバイスの種類毎の設定である。Wi−Fi設定12eは、デバイス情報12fとして記憶されるMFP100のモデル名毎に設けられる。以下では、Wi−Fi設定12dを、「デフォルトのWi−Fi設定12d」と称し、Wi−Fi設定12eを、「デバイス毎のWi−Fi設定12e」と称することがある。
通信の相手先(以下、単に「相手先」と称す)のMFP100の種類を示すモデル名が選択された状態で、印刷ボタン52(図2参照)に対するタップ操作が行われた場合には、デバイス毎のWi−Fi設定12eのうち、選択された種類に対応する設定が用いられる。一方、相手先のMFP100の種類が選択されていない状態で印刷ボタン52に対するタップ操作が行われた場合、デフォルトのWi−Fi設定12dが用いられる。
図1(b)は、NFC設定12cおよびWi−Fi設定12d,12eの一例を示す図である。NFC設定12c、デフォルトのWi−Fi設定12d、および、デバイス毎のWi−Fi設定12eは、いずれも、用紙サイズや用紙種類などの項目41と、これら複数の項目41の各々に対応付けられる設定値42とから構成される。図1(b)に示す例では、便宜上、項目41を、用紙サイズと用紙種類との2種類のみとしているが、項目41の数は、2種類に限らず、1種類または3種類以上であってもよい。また、項目41としては、用紙サイズや、用紙種類に限らず、他の項目、例えば、モノクロ印刷またはカラー印刷を設定する項目や、片面印刷または両面印刷を設定する項目や、複数のページを1枚の用紙に集約して印刷する場合のレイアウトを設定する項目などであってもよい。
また、各設定12c〜12eは、項目41と設定値42との組み合わせを、用途40毎に有している。用途40は、印刷の用途を示す。用途40としては、例えば、写真の印刷、PDFファイルやOfficeファイルなどのドキュメントの印刷、Webページの印刷などが例示される。本実施形態では、デバイス制御アプリ12bを起動した場合にLCD16に表示されるメニュー画面(図示せず)にて用途が選択される。NFC設定12cおよびWi−Fi設定12d,12eのうち、メニュー画面にて選択された用途40に対応する項目41と設定値42との組み合わせが参照される。
各設定12c〜12eの各項目41に対する設定値42の設定範囲は、各設定12c〜12eに応じて異なる。具体的に、デバイス毎のWi−Fi設定12eの場合、各項目41に対する設定値42の設定範囲は、デバイスであるMFP100の能力(所謂、スペック)に応じた範囲となる。よって、デバイス毎のWi−Fi設定12eの設定値42は、MFP100の種類、すなわち、モデル名により特定される能力に応じた範囲内で設定可能である。
一方、NFC設定12cおよびデフォルトのWi−Fi設定12dの場合、それぞれ、各項目41に対し、デフォルトで1の設定範囲が設定されている。項目41の中には、N
FC設定12cとWi−Fi設定12dとで共通の範囲がデフォルトの設定範囲として設定されている項目もあるが、NFC設定12cとWi−Fi設定12dとで異なる範囲がデフォルトの設定範囲として設けられている項目もある。以下の説明では、後者の項目を「特定項目」と称することがある。
本実施形態では、NFC設定12cの場合、特定項目に対する設定範囲は、能力の高いデバイスを基準として設定される。本実施形態では、NFC設定12cにおける特定項目の1つである用紙サイズの設定範囲は、例えば、A3を最大のサイズとして含む範囲である。よって、NFC設定12cの特定項目に対する設定値42が、能力の高いデバイスを基準して決まる範囲内で設定可能であるので、能力の高いMFP100を相手先のデバイスとしてNFC印刷を行う場合であっても、その能力が犠牲にされることなく、能力を最大に発揮させた印刷を行うことができる。
これに対し、デフォルトのWi−Fi設定12dの場合、特定項目に対する設定範囲は、一般的なデバイスが利用できる範囲とされる。よって、Wi−Fi設定12dにおける特定項目に対する設定範囲は、能力の高いデバイスを基準として設定される、NFC設定12cにおける特定項目に対する設定範囲より狭い。本実施形態では、デフォルトのWi−Fi設定12dにおける特定項目の1つである用紙サイズの設定範囲は、一般的なデバイスが利用可能なA4を最大のサイズとして含む範囲とする。よって、デフォルトのWi−Fi設定12dの設定値42が、一般的なデバイスが利用できる範囲内で設定されるので、能力に合わず印刷できないという状況を防止できる。
また、各設定12c〜12eの各項目41に対する設定値42の設定範囲は、各用途40に応じても異なる。NFC設定12c、デフォルトのWi−Fi設定12d、およびデバイス毎のWi−Fi設定12eのいずれの場合も、項目41の中には、同じ種類であっても、用途40に応じて設定範囲が異なる項目41がある。例えば、用途40が写真の印刷である場合には、A3などの大きなサイズの用紙に印刷する可能性が低いので、他の用途40であれば、A3まで設定可能であったとしても、用紙サイズの設定範囲をA4などの比較的小さなサイズとする。設定可能な用紙サイズの上限を小さく制限することにより、画質優先の印刷を行うことができる。
これに対し、用途40がドキュメントの印刷である場合には、ユーザができるだけ大きいサイズの用紙への印刷を所望する可能性が存在するので、用紙サイズの設定範囲を制限することは好ましくない。よって、ドキュメントの印刷を用途40とする場合には、各設定12c〜12eにおける用紙サイズに対する設定範囲を制限することなく利用する。このように、各設定12c〜12eの各項目41に対する設定値42の設定範囲は、各用途40にそれぞれ適した範囲とされる。
各設定12c〜12eの各用途40における各項目41に対する設定値42は、必要
に応じて、ユーザが所望の値に変更できる。上述した通り、各設定12c〜12eの各項目41に対する設定値42の設定範囲は、各設定12c〜12eや、各用途40に応じて異なるので、ユーザは、各項目41に対する設定値42を、各設定12c〜12eや、各用途40に応じて決まる設定範囲内で適宜変更することができる。よって、印刷のタイプがNFC印刷であるかWi−Fi印刷であるかの違いや、用途40に応じた設定範囲内の設定値42を設定することができるので、印刷のタイプや用途40に対して好適な印刷結果を得ることができる。
図1(a)に戻る。デバイス情報12fは、MFP100の種類を示すモデル名と、当該モデル名に対応付けられたスペック情報とからなる情報である。スペック情報は、MFP100の能力を示す情報である。デバイス情報12fは、Wi−Fi印刷を利用可能な
MFP100のモデル名毎に記憶される。デバイス情報12fは、ユーザが適宜追加することができる。例えば、端末10とWi−Fi通信するMFP100から、モデル名および能力を取得し、取得したモデル名および能力を対応付け、デバイス情報12fとして、フラッシュメモリ12に記憶できる。
操作キー15は、端末10に指示などを入力するためのメカニカルキーであり、例えば、端末10の筺体に設けられる。LCD16は、各種画面を表示する液晶表示装置である。タッチパネル17は、LCD16に重ねて設けられ、指や棒などの指示体を接触または接近させることによって、端末10に指示などを入力する。メモリカードI/F18は、書換可能な不揮発性のメモリカードMCが装着されるインタフェースであり、メモリカードMCに対するデータの書き込み又は読み出しを制御する。音声入出力部19は、マイクやスピーカなどで構成された音声入出力用デバイスである。電話網通信部20は、携帯電話網(図示せず)を介した通話を行うための回路である。
近距離通信部22は、例えば10cm程度の短い距離を通信可能距離とする近距離無線通信で通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、近距離通信部22により行われる近距離無線通信は、NFC標準規格に従う非接触通信、すなわち、NFC通信である。本実施形態において、端末10は、近距離通信部122を有するMFP100との間でNFC通信を行うことが可能である。
無線通信部23は、無線LANによる無線通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、無線通信部23により行われる通信は、IEEE802.11b/gの規
格に準拠した無線LANによる無線通信である。端末10は、MFP100などの外部装置と、Wi−Fi規格に基づいた無線通信、すなわち、Wi−Fi通信を行うことができる。無線通信部23は、アドホックモードまたはインフラストラクチャーモードのいずれかのモードによって、MFP100の無線通信部123と無線接続される。アドホックモードは、中継装置であるアクセスポイント(図示せず)を介することなく、端末10(無線通信部23)とMFP100(無線通信部123)とを無線接続するためのモードである。一方、インフラストラクチャーモードは、アクセスポイントを介して、端末10と、MFP100と無線接続するためのモードである。
MFP100は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能などの各種機能を有している。MFP100は、各種機能を実現するための、プリンタ部124、スキャナ部125、およびファクシミリ通信部(図示せず)などを有する。MFP100は、近距離通信部22と同様の近距離通信部122を有している。また、MFP100は、無線通信部23と同様の無線通信部123を有している。
図2は、本実施形態のデバイス制御アプリ12bがLCD16に表示する画面の遷移の一例を模式的に示す図である。デバイス制御アプリ12bを起動した場合にLCD16に表示されるメニュー画面(図示せず)にて印刷の用途を選択し、続いて表示される対象選択画面(図示せず)にて印刷の対象とするデータ(以下「印刷対象データ」と称す)を選択すると、プレビュー画面50が表示される。プレビュー画面50には、対象選択画面にて選択された印刷対象データに基づく画像51と、印刷ボタン52と、設定ボタン53とが表示される。
印刷ボタン52は、プレビュー画面50に表示される画像51、すなわち、ユーザにより選択された印刷対象データに基づく画像51の印刷を指示するボタンである。より詳細には、印刷ボタン52は、画像51のWi−Fi印刷を指示するボタンである。印刷ボタン52に対するタップ操作が行われた場合、無線通信部23により行われる無線通信、すなわち、Wi−Fi通信によって、印刷指示が、MFP100に送信される。そして、か
かる指示の送信がトリガとなって、Wi−Fi印刷が行われる。
一方、プレビュー画面50がLCD16に表示された状態で、端末10の近距離通信部22のアンテナ部(図示せず)が、MFP100の近距離通信部122のアンテナ部(図示せず)に近づけられ、両者間でNFC通信が確立された場合には、画像51の印刷が、NFC印刷によって行われる。
設定ボタン53は、Wi−Fi設定画面60をLCD16に表示させるボタンである。設定ボタン53に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、プレビュー画面50から、Wi−Fi設定画面60に切り替わる。
Wi−Fi設定画面60は、Wi−Fi設定12d,12eに含まれる各項目41の設定値を表示する画面である。より詳細には、相手先のMFP100のモデル名が選択されている場合、Wi−Fi設定表示61には、選択されたモデル名に対応するWi−Fi設定12eのうち、選択されている用途40に対する各項目41および設定値42が表示される。一方、相手先のMFP100のモデル名が選択されていない場合、Wi−Fi設定表示61には、デフォルトのWi−Fi設定12dのうち、選択されている用途40に対する各項目41および設定値42が表示される。
Wi−Fi設定画面60には、Wi−Fi設定表示61と、OKボタン62と、Cancelボタン63と、NFC設定ボタン64とが表示される。Wi−Fi設定表示61には、該当するWi−Fi設定12d,12eのうち、選択された用途40に対する各項目41および現在の設定値42が、1の領域61aに1項目ずつ表示される。図2に示す例では、Wi−Fi設定表示61には、2つの領域61aが設けられ、2つの項目41に対する現在の設定値42が表示されている。
領域61aに対するタップ操作が行われた場合、タップ操作された領域61aに対応する項目41の設定値42の候補が選択肢としてLCD16に表示される(図示せず)。ユーザは、当該選択肢の中から、所望の設定値を選ぶことにより、現在の設定値42を変更できる。よって、ユーザは、Wi−Fi設定12d,12eの各設定値42を、Wi−Fi設定画面60にて所望の値に変更できる。
OKボタン62は、Wi−Fi設定画面60の表示後に変更されたものを含め、Wi−Fi設定12d,12eに含まれる各項目41に対する現在の設定値42の確定を指示するボタンである。Cancelボタン63は、Wi−Fi設定画面60の表示後に行われた設定値42の変更のキャンセルを指示するボタンである。Wi−Fi設定画面60において、OKボタン62またはCancelボタン63に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、Wi−Fi設定画面60から、プレビュー画面50に切り替わる。
NFC設定ボタン64は、NFC設定画面70をLCD16に表示させるボタンである。NFC設定ボタン64に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、Wi−Fi設定画面60から、NFC設定画面70に切り替わる。
NFC設定画面70には、NFC設定表示71と、OKボタン72と、Cancelボタン73とが表示される。NFC設定表示71には、NFC設定12cのうち、選択された用途40に対する各項目41および現在の設定値42が、1の領域71aに1項目ずつ表示される。図2に示す例では、NFC設定表示71には、2つの領域71aが設けられ、2つの項目41に対する現在の設定値42が表示されている。
領域71aに対するタップ操作が行われた場合、タップ操作された領域71aに対応する項目41の設定値42の候補が選択肢としてLCD16に表示される(図示せず)。ユーザは、当該選択肢の中から、所望の設定値を選ぶことにより、設定値42を変更できる。ユーザは、上述したWi−Fi設定画面60の場合と同様、NFC設定12cの各設定値42を、NFC設定画面70にて所望の値に変更できる。設定値42の候補として表示される選択肢は、用途40に適した組み合わせから構成される。よって、選択されている用途40に適した設定値42の候補が、選択肢として表示されるので、ユーザは、それらの候補の中から、選択されている用途40に応じた適切な設定値を設定できる。
OKボタン72は、NFC設定画面70の表示後に変更されたものを含め、NFC設定12cに含まれる各項目41に対する現在の設定値42の確定を指示するボタンである。NFC設定ボタン64に対する操作に基づき表示されたNFC設定画面70aにおいて、OKボタン72に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、NFC設定画面70から、Wi−Fi設定画面60に切り替わる。
一方、Cancelボタン73は、NFC設定画面70の表示後に行われた設定値42の変更のキャンセルを指示するボタンである。Wi−Fi設定画面60内のNFC設定ボタン64に対する操作に基づき表示されたNFC設定画面70(70a)において、Cancelボタン73に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、NFC設定画面70から、前画面であるWi−Fi設定画面60に切り替わる。
プレビュー画面50がLCD16に表示された状態で、端末10とMFP100とを近づけ、両者間でNFC通信を確立させた場合に、NFC設定12cにおける現在の設定値42が、相手先のMFP100が利用できない値である場合、すなわち、NFC設定12cが不適合である場合には、プレビュー画面50に替えて、エラー画面80がLCD16に表示される。
エラー画面80には、NFC設定12cの変更を促すメッセージ81と、再設定を行う旨を指示する再設定ボタン82と、再設定を行わない旨を指示するCancelボタン83とを含む。Cancelボタン83に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、エラー画面80から、プレビュー画面50に切り替わる。
一方、再設定ボタン82に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、エラー画面80から、NFC設定画面70に切り替わる。この場合、相手先のMFP100が利用できないNFC設定12cにおける現在の設定値42に替えて、相手先のMFP100が利用できる範囲に含まれる、所定の設定値が表示される。
また、再設定ボタン82に対する操作に基づき表示されたNFC設定画面70bにおいて、NFC設定表示71に表示される各項目41のうち、相手先のMFP100が利用できないとされた設定値42に対応する項目41が、他の項目41と区別した態様で表示される。図2に示す例では、NFC設定画面70bにおいて、相手先のMFP100が利用できない設定値42に対応する項目41である用紙サイズを含む領域71aは、背景が着色され、他の項目41と区別されている。なお、図2では、着色をハッチングにて表している。よって、ユーザは、設定値42を再設定すべき項目41を一瞥にして把握することができるので、当該項目41の設定値42を、相手先のMFP100が利用できる値に再設定することが可能となる。
NFC設定画面70bにおいて、OKボタン72またはCancelボタン73に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示する画面は、NFC設定画面70から、プレビュー画面50に切り替わる。よって、同じNFC設定画面70であっても、Can
celボタン73が操作された場合の画面の切り替わり先は、NFC設定画面70が、NFC設定ボタン64に対する操作に基づき表示された画面70aであるか、再設定ボタン82に対する操作に基づき表示された画面70bであるかに応じて異なる。
NFC設定画面70bは、Wi−Fi設定画面60を経由することなく表示される画面であるので、ユーザが、NFC設定画面70bにてNFC設定値12cの設定値42を変更した後、Wi−Fi設定画面60にてWi−Fi設定値12d,12eの設定値42を変更する可能性は低い。本実施形態では、Cancelボタン73に対する操作に基づくNFC設定画面70bの切り替わり先を、Wi−Fi設定画面60でなく、プレビュー画面50とするので、利用可能性の低い画面の表示を防止することができる。
一方、NFC設定画面70aは、Wi−Fi設定画面60を経由して表示される画面であるので、ユーザは、NFC設定画面70bにてNFC設定値12cの設定値42を変更した後、Wi−Fi設定画面60にてWi−Fi設定値12d,12eの設定値42を変更する可能性も存在する。本実施形態では、Cancelボタン73に対する操作に基づくNFC設定画面70aの切り替わり先を、Wi−Fi設定画面60とするので、ユーザは、Wi−Fi設定値12d,12eの設定値42を変更できる。
図3は、印刷処理を示すフローチャートである。本処理は、デバイス制御アプリ12bに従って端末10のCPU11が実行する処理である。本処理は、メニュー画面(図示せず)にて印刷の用途が選択された後、対象選択画面(図示せず)にて印刷対象データが選択されると開始される。CPU11は、プレビュー画面50をLCD16に表示し(S301)、処理を待機する(S302:No,S315:No,S3324:No)。なお、S301にてプレビュー画像50に表示される画像51は、各設定12c〜12eが反映されていない、印刷対象データに基づく画像である。
プレビュー画面50が表示された状態でNFC印刷が開始された場合、すなわち、端末10とMFP100との間でNFC通信が確立された場合(S302:Yes)、CPU11は、相手先のMFP100から、NFC通信により受信したモデル名を取得する(S303)。次に、CPU11は、NFC設定12cに含まれる各項目41のうち、特定項目に対する設定値が、一部のモデル名に対応するMFP100が利用できない設定値(以下「特定値」と称す)であるか否かを判断する(S304)。
NFC設定12cにおける特定項目が特定値に設定されていると、CPU11が判断した場合(S304:Yes)、CPU11は、処理をS305に移行する。例えば、デバイス制御アプリ12bが対応可能なMFP100のうち、一部のモデル名に対応するMFP100がA3を利用できない場合に、NFC設定12cにおける用紙サイズがA3に設定されている場合には、CPU11は、S304の判断を肯定し、処理をS305に移行する。
S305において、CPU11は、相手先のMFP100がデバイス情報12fとして、フラッシュメモリ12に記憶されているかを判断する(S305)。CPU11は、S305の判断を、S303において取得したモデル名に基づいて行う。よって、S303において取得したモデル名がデバイス情報12fとして記憶されていない場合、CPU11は、S305の判断を否定する。CPU11がS305の判断を否定した場合(S305:No)、CPU11は、NFC通信を用い、相手先のMFP100に対し、能力を示すスペック情報を要求し、当該要求に応じてMFP100から受信したスペック情報を取得する(S306)。一方、CPU11がS305の判断を肯定した場合(S305:Yes)、CPU11は、デバイス情報12fとして記憶されている、モデル名に対応するスペック情報を取得する(S310)。
CPU11は、S306またはS310の処理後、相手先のMFP100が、NFC設定12cにおける現在の設定値42を利用できるかを判断する(S307)。具体的に、CPU11は、まず、相手先のMFP100またはデバイス情報12fから取得したスペック情報が示す、相手先のMFP100の能力から、現用途、すなわち、メニュー画面にて選択された用途に対し設定可能な範囲を求める。次に、CPU11は、NFC設定12cにおける現在の設定値42が、求めた範囲に包含されるか否かを判断する。そして、包含されるとCPU11が判断する場合、CPU11は、S307の判断を肯定する。
CPU11がS307の判断を肯定した場合(S307:Yes)、CPU11は、無線通信部23と、MFP100の無線通信部123とをアドホックモードで無線接続するための処理(ハンドオーバー処理)を実行する(S308)。具体的に、CPU11は、無線通信部23を介したWi−Fi通信を行うための無線設定として、MFP100からNFC通信により受信したSSIDを設定して、Wi−Fiによる無線接続を行う。
次に、CPU11は、印刷実行処理を実行し(S309)、本処理を終了する。具体的に、印刷実行処理(S309)において、CPU11は、印刷対象データと、現用途に対するNFC設定12cと、印刷指示とを、相手先のMFP100、すなわち、ハンドオーバー処理(S308)による接続先のMFP100に、無線通信部23を介するアドホックモードでのWi−Fi通信によって送信する。印刷対象データおよび現用途に対するNFC設定12cは、一まとまりのデータとしてMFP100に送信してもよいし、別々のデータとしてMFP100に送信してもよい。あるいは、印刷実行処理(S309)において、CPU11は、印刷対象データと現用途に対するNFC設定12cとから印刷データを生成し、生成した印刷データをMFP100に送信する構成としてもよい。
S304〜S310の処理によれば、相手先のMFP100が、NFC設定12cにおける現在の設定値42を利用できることを条件として、S309の印刷実行処理が行われるので、相手先のMFP100が利用できないNFC設定12cを用いて印刷実行処理が行われることを防止できる。
また、相手先のMFP100のモデル名がデバイス情報12fとして記憶されていれば、NFC通信によってスペック情報を取得することなく、デバイス情報12fとして記憶されている、当該モデル名に対応するスペック情報を用いて、相手先のMFP100が、NFC設定12cにおける現在の設定値42を利用できるか否かの判断を行う。よって、相手先のMFP100からのスペック情報の取得を、モデル名がデバイス情報12fとして記憶されていない場合に限ることができるので、その分、スペック情報を取得するための通信に要する時間を削減できる。
さらに、NFC設定12cにおける特定項目が特定値であることを条件として、S305〜S307,S310の処理が行われるので、相手先のMFP100が利用できないNFC設定12cを用いて印刷実行処理が行われることを確実に防止できる。また、NFC設定12cにおける特定項目が特定値でない、すなわち、NFC設定12cの各項目41に対する設定値41が、全てのMFP100で利用可能な値である場合には、S305〜S307,S310の処理を行うことなく、S309の印刷実行処理が行われるので、CPU11の処理負荷や処理に要する時間を最低限に抑制できる。
フローチャートの説明に戻る。S307において、相手先のMFP100がNFC設定12cにおける現在の設定値42を利用できないと、CPU11が判断した場合(S307:No)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、エラー画面80をLCD16に表示する(S311)。エラー画面80内のCancelボタン83に対するタップ操
作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S312:Cancel)、CPU11は、処理をS301に移行し、エラー画面80に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する。
エラー画面80内の再設定ボタン82に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S312:再設定)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、NFC設定画面70(70b)をLCD16に表示する(S313)。S313において、CPU11は、NFC設定12cにおける現用途に対する現在の設定値42に替えて、相手先のMFP100の能力に応じた、現用途にて設定可能な範囲に含まれる所定の設定値を、NFC設定表示71に表示する。CPU11は、相手先のMFP100が利用できない設定値42に対応する項目41を、他の項目41と区別した態様で表示する。例えば、CPU11は、相手先のMFP100が利用できない設定値42に対応する項目41を含む領域71aの背景を着色する。
NFC設定画面70の表示中、ユーザは、NFC設定12cの現用途に対する各設定値42を所望の値に変更できる。S313の処理によって表示されたNFC設定画面70(70b)では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、NFC設定12cに対するデフォルトの設定範囲でなく、S306またはS310において取得した能力と現用途とに応じた範囲とされる。よって、NFC設定画面70bにて、ユーザが設定値42の再設定を行う場合には、相手先の能力の範囲を超えることなく設定値42を設定できる。
NFC設定画面70(70b)内のCancelボタン73に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S314:Cancel)、CPU11は、処理をS301に移行し、NFC設定画面70に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する。NFC設定画面70(70b)内のOKボタン72に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S314:OK)、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更されていなければ(S321:No)、CPU11は、処理をS301に移行し、NFC設定画面70に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する。
一方、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更された場合(S321:Yes)、CPU11は、NFC設定フラグ(図示せず)をTrueにセットし(S322)、処理をS301に移行する。NFC設定フラグは、RAM13内に設けられるフラグであり、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更されたかを示すフラグである。なお、当該NFC設定フラグは、デバイス制御アプリ12bのインストール時にFalseにセットされる。NFC設定フラグがFalseにセットされている場合、NFC設定12cの設定値42は、デバイス制御アプリ12bのインストール時の設定値から変更されていないことを示す。一方、NFC設定フラグがTrueにセットされている場合、NFC設定12cの設定値42はユーザにより設定された値であることを示す。
プレビュー画面50内の設定ボタン53に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S302:No,S315:Yes)、相手先のMFP100の種類(本実施形態では、モデル名)が選択されていれば(S316:Yes)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、Wi−Fi設定画面60を表示する(S323)。S323の処理によって表示されるWi−Fi設定画面60には、デバイス毎のWi−Fi設定12eのうち、選択された種類に対応するWi−Fi設定における現用途に対する現在の設定値42が、Wi−Fi設定表示61に表示される。
一方、相手先のMFP100の種類が選択されていなければ(S316:No)、CP
U11は、プレビュー画面50に替えて、Wi−Fi設定画面60を表示する(S317)。S317の処理によって表示されるWi−Fi設定画面60には、デフォルトのWi−Fi設定12dのうち、現用途に対する現在の設定値42が、Wi−Fi設定表示61に表示される。
Wi−Fi設定画面60の表示中、ユーザは、デフォルトのWi−Fi設定12dまたはデバイス毎のWi−Fi設定12eの、現用途に対する各設定値42を所望の値に変更できる。ただし、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、S317の処理によって表示されたWi−Fi設定画面60であるか、S323の処理によって表示されたWi−Fi設定画面60であるかに応じて異なる。すなわち、相手先のMFP100の種類が選択されていない状態で表示されたWi−Fi設定画面60では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、Wi−Fi設定12dに対するデフォルトの設定範囲と、現用途とに応じて決まる範囲とされる。一方、相手先のMFP100の種類が選択された状態で表示されたWi−Fi設定画面60では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、デバイス情報12fに含まれるスペック情報と現用途とに応じて決まる範囲とされる。
Wi−Fi設定画面60内のNFC設定ボタン64に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S318:Yes)、CPU11は、Wi−Fi設定画面60に替えて、NFC設定画面70(70a)をLCD16に表示する(S319)。S319において、CPU11は、NFC設定12cにおける現用途に対する現在の設定値42を、NFC設定表示71に表示する。NFC設定画面70の表示中、ユーザは、NFC設定12cの現用途に対する各設定値42を所望の値に変更できる。S319の処理によって表示されたNFC設定画面70(70a)では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、NFC設定12cに対するデフォルトの設定範囲と、現用途とに応じて決まる範囲とされる。
NFC設定画面70(70a)内のCancelボタン73に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S320:Cancel)、CPU11は、処理をS316に移行する。これにより、NFC設定画面70に替えて、Wi−Fi設定画面60がLCD16に表示される。
一方、NFC設定画面70(70a)内のOKボタン72に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S320:OK)、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更されていなければ(S321:No)、CPU11は、処理をS301に移行し、NFC設定画面70に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する。また、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更された場合(S321:Yes)、CPU11は、NFC設定フラグをTrueにセットし(S322)、処理をS301に移行する。
Wi−Fi設定画面60内のCancelボタン63に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S318:No,S327:Cancel)、CPU11は、処理をS301に移行し、Wi−Fi設定画面60に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する。
Wi−Fi設定画面60内のOKボタン62に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S327:OK)、Wi−Fi設定12d,12eの設定値42がユーザにより変更されていなければ(S328:No)、CPU11は、処理をS301に移行する。一方、Wi−Fi設定12d,12eの設定値42がユーザにより変更され、かつ、NFC設定フラグがFalseにセットされている場
合(S328:Yes,S329:No)、CPU11は、S317にてWi−Fi設定画面60に表示された、現用途に対するWi−Fi設定12dの現在の設定値42、または、S323にてWi−Fi設定画面60に表示された、現用途に対するWi−Fi設定12eの現在の設定値42を、同じ用途のNFC設定12cにコピーし(S330)、処理をS301に移行する。NFC設定フラグがTrueにセットされている場合(S329:Yes)、CPU11は、処理をS301に移行する。
S329,S330の処理によれば、NFC設定12cが、デバイス制御アプリ12bのインストール時の設定値のままであることを条件として、ユーザが、Wi−Fi印刷用に設定した設定値が、自動的に、NFC設定12cの設定値42として反映される。よって、ユーザは、NFC印刷用の設定値の設定を容易に行うことができる。特に、NFC設定フラグがTrueにセットされている場合、すなわち、ユーザがNFC設定12cを意図的に設定している場合には、S330の処理が実行されないので、意図的に設定したNFC設定12cが意図せずに変更されることを防ぐことができる。
プレビュー画面50が表示された状態でWi−Fi印刷が開始された場合、すなわち、プレビュー画面50内の印刷ボタン52に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S315:No,S324:Yes)、CPU11は、S309と同様の印刷実行処理を実行し(S325)、本処理を終了する。なお、S325の印刷実行処理で使用する設定は、相手先のMFP100の種類が選択されているか否かに応じた、現用途に対するWi−Fi設定12d,12eである。
上記第1実施形態によれば、MFP100の印刷機能を利用するトリガとなる通信が、近距離通信部22により行われる近距離無線通信である場合と、無線通信部23により行われる無線通信である場合とで、NFC印刷およびWi−Fi印刷に対し各々専用に設けられた印刷設定、すなわち、NFC設定12cをWi−Fi設定12d,12eが使い分けられる。よって、デバイス制御アプリ12bを用いて、NFC印刷またはWi−Fi印刷のいずれを行う場合であっても、印刷タイプに応じて適切な印刷設定を用いることができる。
なお、上記第1実施形態では、特定項目として、用紙サイズを例示したが、モノクロ印刷またはカラー印刷を設定する項目や、片面印刷または両面印刷を設定する項目なども、特定項目となり得る。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。図4は、第2実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示す各処理は、第2実施形態のデバイス制御アプリ12bに従いCPU11により実行される。
第1実施形態の印刷処理(図3)との相違点を中心に説明する。第2実施形態では、NFC設定12cの設定値42がユーザにより変更された場合に、所定条件下で、変更後のNFC設定12cの設定値42を、デバイス毎のWi−Fi設定12eにコピーする点が、第1実施形態と異なる。
具体的に、CPU11がS322の処理を実行した後、相手先のMFP100の種類が選択されており、かつ、変更後のNFC設定12cの設定値42が、選択されている相手先のMFP10が利用可能な値であれば(S401:Yes,S402:Yes)、CPU11は、現用途に対するNFC設定12cの現在の設定値42(すなわち、変更後の設定値42)を、選択されているMFP100に対する、同じ用途のWi−Fi設定12e
にコピーし(S403)、処理をS301に移行する。一方、相手先のMFP100の種類が選択されていない場合(S401:No)、または、変更後のNFC設定12cの設定値42が、選択されている相手先のMFP10に利用できない値である場合(S402:No)、CPU11は、S403の処理を行うことなく、処理をS301に移行する。
上記各処理によれば、ユーザは、Wi−Fi印刷用の設定値の設定を容易に行うことができる。特に、変更後のNFC設定12cの設定値42が、選択されている相手先のMFP10に設定できない値である場合には、S403の処理が実行されないので、用紙サイズとしてA3を利用できないMFP100に、用紙サイズとしてA3が設定されることを防止できる。
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。図5は、第3実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す各処理は、第3実施形態のデバイス制御アプリ12bに従いCPU11により実行される。
第1実施形態の印刷処理(図3)との相違点を中心に説明する。第1実施形態では、NFC印刷の際に、デバイスであるMFP100の印刷方式を考慮することなく1のNFC設定12cを用いる構成とした。これに代えて、第3実施形態では、デバイスの印刷方式が、インクジェット方式であるか、レーザ方式であるかに応じたNFC設定12cを用いる。つまり、MFP100のプリンタ部124が、インクジェットプリンタであるか、レーザプリンタであるかに応じたNFC設定12cを用いる。よって、本実施形態のNFC設定12cには、印刷方式がインクジェット方式であるデバイスに対する設定と、印刷方式がレーザ方式であるデバイスに対する設定とが含まれる。
具体的に、CPU11は、S303の処理後、相手先のMFP100から、NFC通信により受信したエンジンタイプを取得する(S501)。MFP100の印刷方式がインクジェット方式であるかレーザ方式であるかは、エンジンタイプで区別できる。よって、NFC設定ボタン64に対するタップ操作をCPU11が受け付けた場合(S318:Yes)、CPU11は、S501で取得したエンジンタイプに基づき、相手先のMFP100の印刷方式を判断する(S502)。
印刷方式がインクジェット方式であるとCPU11が判断した場合(S502:インク)、CPU11は、Wi−Fi設定画面60に替えて、NFC設定画面70をLCD16に表示する(S503)。S503において、CPU11は、インク用のNFC設定12cにおける現用途に対する現在の設定値42を、NFC設定表示71に表示する。S503の処理によって表示されたNFC設定画面70では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、インク用のNFC設定12cに対するデフォルトの設定範囲と、現用途とに応じて決まる範囲とされる。
一方、印刷方式がレーザ方式であるとCPU11が判断した場合(S502:レーザ)、CPU11は、Wi−Fi設定画面60に替えて、NFC設定画面70をLCD16に表示する(S504)。S504において、CPU11は、レーザ用のNFC設定12cにおける現用途に対する現在の設定値42を、NFC設定表示71に表示する。S504の処理によって表示されたNFC設定画面70では、各項目41に対する設定値42として設定可能な範囲は、レーザ用のNFC設定12cに対するデフォルトの設定範囲と、現用途とに応じて決まる範囲とされる。
上記第3実施形態によれば、相手先のデバイス(本実施形態では、MFP100)の印
刷方式に応じた適切なNFC設定12cを用いてNFC印刷を実行できる。例えば、一般的に、レーザ方式のデバイスは、光沢紙への印刷を想定していないので、レーザ用のNFC設定12cにおける項目41のうち、用紙種類に対する設定値42の設定範囲から光沢紙を除外することにより、レーザ方式のデバイスに適したNFC設定12cを用いたNFC印刷を実行することができる。
次に、図6および図7を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、Wi−Fi印刷またはNFC印刷用のいずれを行うかにかかわらず、共通のメニュー画面(図示せず)から、印刷の用途を選択する構成とした。これに代えて、第4実施形態では、印刷の用途を選択するためのメニュー画面を、Wi−Fi印刷用とNFC印刷用とで別々に設ける。第4実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6は、第4実施形態のメニュー画面を模式的に示す図である。メニュー画面120は、Wi−Fi印刷用のメニュー画面である。メニュー画面120は、第4実施形態のデバイス制御アプリ12bを起動した場合にLCD16に表示される画面である。メニュー画面120には、Wi−Fi印刷の用途を選択するボタン121が設けられる。図6に示す例では、ボタン121として、写真の印刷を選択するボタン121aと、ドキュメントの印刷を選択するボタン121bと、Webページの印刷を選択するボタン121cとが設けられる。また、メニュー画面120には、NFC印刷の利用を指示するボタン122が設けられる。
ボタン121a〜121cのいずれかに対するタップ操作が行われた場合、操作されたボタン121に対応するWi−Fi印刷の用途が選択されるとともに、対象選択画面(図示せず)が、メニュー画面120に替えてLCD16に表示される。ボタン122に対するタップ操作が行われた場合、メニュー画面120に替えて、NFC印刷用のメニュー画面130がLCD16に表示される。
メニュー画面130には、NFC印刷の用途を選択するボタン131が設けられる。図6に示す例では、ボタン131として、ボタン121a〜121cと同様のボタン131a〜131cとが設けられる。ボタン131a〜131cのいずれかに対するタップ操作が行われた場合、操作されたボタン131に対応するNFC印刷の用途が選択されるとともに、対象選択画面が、メニュー画面131に替えてLCD16に表示される。
図7は、第4実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す各処理は、第4実施形態のデバイス制御アプリ12bに従いCPU11により実行される。第1実施形態の印刷処理(図3)との相違点を中心に説明する。第4実施形態の印刷処理は、デバイス制御アプリ12bが起動されると開始される。CPU11は、メニュー画面120をLCD16に表示する(S701)。
ボタン121a〜121cのいずれかに対する操作をCPU11が受け付けた場合、すなわち、Wi−Fi印刷の用途がユーザにより選択された場合(S702:用途選択)、CPU11は、Wi−Fiフラグ(図示せず)をセットし(S703)、NFCフラグ(図示せず)をクリアする(S704)。Wi−FiフラグおよびNFCフラグは、RAM13に設けられるフラグである。Wi−Fiフラグは、メニュー画面120からWi−Fi印刷の用途が選択されたか否かを示すフラグである。Wi−Fiフラグがセットされている場合、Wi−Fi印刷の用途が選択されたことを示す。一方、NFCフラグは、メニュー画面130からNFC印刷の用途が選択されたか否かを示すフラグである。NFCフラグがセットされている場合、NFC印刷の用途が選択されたことを示す。CPU11は、S704の処理後、メニュー画面120に替えて、対象選択画面(図示せず)を表示す
る(S705)。
一方、ボタン122に対する操作をCPU11が受け付けた場合(S702:NFC印刷)、CPU11は、メニュー画面120に替えて、NFC用のメニュー画面130をLCD16に表示する(S711)。CPU11は、NFCフラグ(図示せず)をセットし(S712)、Wi−Fiフラグ(図示せず)をクリアする(S713)。次に、CPU11は、NFC印刷の用途がユーザにより選択されることを待機する(S714:No)。ボタン131a〜131cのいずれかに対する操作をCPU11が受け付けた場合(S714:Yes)、CPU11は、メニュー画面130に替えて、対象選択画面を表示する(S705)。
S705において対象選択画面が表示されると、CPU11は、印刷対象データがユーザにより選択されることを待機する(S706:No)。印刷対象データがユーザにより選択されると(S706:Yes)、CPU11は、Wi−FiフラグまたはNFCフラグのうち、セットされているフラグがいずれであるかを判断する(S707)。
Wi−FiフラグがセットされているとCPU11が判断した場合(S707:Wi−Fiフラグ)、CPU11は、Wi−Fi設定12d,12eを用いてプレビュー用の画像51を生成する(S708)。より詳細には、相手先のMFP100のモデル名が選択されていない場合には、デフォルトのWi−Fi設定12dを用いて、画像51を生成する。一方、相手先のMFP100のモデル名が選択されている場合には、Wi−Fi設定12eのうち、選択されたMFP100に対応する設定を用いて、画像51を生成する。次に、CPU11は、印刷ボタン52を表示するよう設定し(S709)、対象選択画面に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する(S710)。S710にてプレビュー画像50に表示される画像51は、各設定12c〜12eが反映された、印刷対象データに基づく画像である。CPU11は、S710の処理後、図3におけるS302〜S330の処理を実行する。
よって、メニュー画面120から、Wi−Fi印刷用の用途が選択された場合には、Wi−Fi設定12d,12eを用いて生成された画像51と、印刷ボタン52とが表示されたプレビュー画面50がLCD16に表示される。ユーザは、画像51からWi−Fi印刷による印刷結果をプレビュー画面50にて確認することができる。また、ユーザは、プレビュー画面50内に表示された印刷ボタン52に対し、タップ操作を行うことで、Wi−Fi印刷を開始できる。
一方、NFCフラグがセットされているとCPU11が判断した場合(S707:NFCフラグ)、CPU11は、NFC設定12cを用いてプレビュー用の画像51を生成する(S715)。次に、CPU11は、印刷ボタン52を非表示にするよう設定し(S716)、対象選択画面に替えて、プレビュー画面50をLCD16に表示する(S710)。よって、メニュー画面130から、NFC印刷用の用途が選択された場合には、NFC設定12cを用いて生成された画像51が表示されたプレビュー画面50がLCD16に表示される。ユーザは、画像51からNFC印刷による印刷結果をプレビュー画面50にて確認することができる。NFC印刷用の用途が選択されたことに基づき表示されるプレビュー画面50には、印刷ボタン52が表示されないので、NFC印刷を行いたいユーザが、誤ってWi−Fi印刷を行ってしまうことを防止できる。
上記第4実施形態によれば、印刷の用途を選択するためのメニュー画面が、Wi−Fi印刷用とNFC印刷用とで別々に設けられているので、ユーザは、意図する印刷のタイプがWi−Fi印刷であるかNFC印刷であるかを意識しつつ、印刷の用途を選択することができる。
なお、上記第4実施形態において、S710において表示されるプレビュー画面50が、メニュー画面130にてNFC印刷の用途が選択されたことに基づき表示された画面である場合、当該プレビュー画面50内の設定ボタン53に対する操作が行われた場合に、Wi−Fi設定画面60でなく、NFC設定画面70を表示する構成としてもよい。
次に、図8から図10を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。上述した第4実施形態では、Wi−Fi印刷用のメニュー画面120において、Wi−Fi印刷またはNFC印刷のいずれを行うかを選択できる構成とした。これに代えて、第5実施形態では、設定ボタン53に対する操作が行われた場合にLCD16に表示される設定画面160において、Wi−Fi印刷またはNFC印刷のいずれを行うかを選択する。第5実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図8は、本実施形態のデバイス制御アプリ12bがLCD16に表示する画面の遷移の一例を模式的に示す図である。本実施形態のプレビュー画面50は、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aと、NFC印刷用のプレビュー画面50bとから構成される。Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aは、Wi−Fi印刷が選ばれている場合にLCD16に表示される画面である。一方、NFC印刷用のプレビュー画面50bは、NFC印刷が選ばれている場合にLCD16に表示される画面である。
図8に示すように、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aには、画像51と、印刷ボタン52と、設定ボタン53とが表示される。一方、NFC印刷用のプレビュー画面50bには、NFC印刷では操作する必要のない印刷ボタン52に代えて、NFC印刷を開始させるための操作を報せるメッセージ55が表示される以外は、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aと同様の画面である。よって、NFC印刷用のプレビュー画面50bがLCD16に表示された場合、ユーザは、メッセージ55に基づき、NFC印刷を開始させるための操作を把握できる。また、NFC印刷用のプレビュー画面50bには、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aのような印刷ボタン52が表示されないので、NFC印刷を行いたいユーザが、誤ってWi−Fi印刷を行ってしまうことを防止できる。
プレビュー画面50(50a,50b)の設定ボタン53に対するタップ操作が行われた場合、LCD16に表示される画面は、プレビュー画面50から、デバイス設定画面160に切り替わる。デバイス設定画面160は、使用デバイスとして、Wi−Fi印刷用のデバイスまたはNFC印刷用のデバイスのうち、いずれのデバイスを使用するかを設定する画面である。以下、「Wi−Fi印刷用のデバイス」および「NFC印刷用のデバイス」を、それぞれ、「Wi−Fiデバイス」および「NFCデバイス」と称す。
デバイス設定画面160は、デバイス設定領域165を含む。デバイス設定領域165は、使用デバイスを設定する領域である。デバイス設定領域165には、Wi−Fiデバイスに対応するラジオボタン165aと、NFCデバイスに対応するラジオボタン165bとが設けられる。ユーザは、ラジオボタン165a,165bのいずれかにチェックを入れることにより、Wi−FiデバイスまたはNFCデバイスのいずれかを、使用デバイスとして設定できる。Wi−Fiデバイスが設定された場合、当該デバイスを用いたWi−Fi印刷が行われる。一方、NFCデバイスが設定された場合には、当該デバイスを用いたNFC印刷が行われる。つまり、デバイス設定画面160は、Wi−Fi印刷またはNFC印刷のいずれを行うかを選択する画面として機能する。
プレビュー画面50aの設定ボタン53に対するタップ操作が行われた場合、その時点ではWi−Fiデバイスが設定されているので、ラジオボタン165aにチェックが入っ
た状態のデバイス設定画面160が表示される。一方、プレビュー画面50bの設定ボタン53に対するタップ操作が行われた場合には、ラジオボタン165bにチェックが入った状態のデバイス設定画面160が表示される。
デバイス設定画面160は、設定値表示領域161を含む。ラジオボタン165a,165bのいずれにチェックが入っているかに応じて、設定値表示領域161の表示内容は変化する。具体的に、ラジオボタン165aにチェックが入っている場合、設定値表示領域161には、第1実施形態のWi−Fi設定画面60と同様に、Wi−Fi設定12d,12eのうち、選択されている用途に対する各項目および設定値が表示される。一方、ラジオボタン165bにチェックが入っている場合、設定値表示領域161には、第1実施形態のNFC設定画面70と同様に、NFC設定12cのうち、選択された用途に対する各項目および現在の設定値が表示される。デバイス設定画面160が表示された状態で、ユーザが、操作キー15の1つであるBackボタンを操作した場合、LCD16に表示される画面は、デバイス設定画面160から、ラジオボタン165aまたはラジオボタン165bのうち、チェックが入っているラジオボタンに対応するプレビュー画面50a,50bに切り替わる。
ユーザは、デバイス設定画面160において、ラジオボタン165bのチェックを、ラジオボタン165aに入れ替えることによって、使用デバイスをWi−Fiデバイスに切り替えることができる。チェックをラジオボタン165bからラジオボタン165aに入れ替えた場合、使用デバイスがWi−Fiデバイスに切り替えられたことに伴い、デバイス設定画面160の設定値表示領域161の表示内容は、Wi−Fi設定12d,12eに応じた内容に変化する。
OS12aは、NFC通信を行うか否かの設定(以下「端末のNFC設定」と称す)を有するので、NFC印刷を行うためには、当該端末のNFC設定がオンに設定されている必要がある。つまり、デバイス制御アプリ12bにおいてNFCデバイスを設定したとしても、端末のNFC設定がオフに設定されていれば、NFC印刷を実行することができない。よって、本実施形態では、ユーザが、NFCデバイスを設定しようと、ラジオボタン165aからラジオボタン165bに入れ替えた場合、端末のNFC設定がオフであれば、エラー表示180が表示されるよう構成される。エラー表示180は、端末のNFC設定をオンにするかを問い合わせるメッセージ181と、Yesボタン182と、Noボタン183とが表示される。
ユーザが、Noボタン183に対する操作を行った場合、端末のNFC設定はオンに変更されることなく、ラジオボタン165aのチェックを入れ替える前のデバイス設定画面160が表示される。一方、ユーザが、Yesボタン82に対する操作を行った場合、LCD16に表示される画面は、デバイス設定画面160から、OS12aの設定画面130に切り替わる。ユーザは、設定画面130において、端末のNFC設定をオンに設定することができる。
設定画面130が表示された状態で、ユーザがBackボタンを操作した場合、端末のNFC設定がオンに変更されていれば、LCD16に表示される画面は、ラジオボタン165bにチェックが入ったデバイス設定画面160に切り替えられる。一方、端末のNFC設定がオンに変更することなく、ユーザがBackボタンを操作した場合には、設定画面13に替えて、再度、エラー表示180が表示されたデバイス設定画面160が表示される。よって、設定画面130にて端末のNFC設定がオンにされたか否かに応じて、Backボタンを操作した後の表示が異なるので、ユーザは、端末のNFC設定がオンに設定されているか否かを明確に把握できる。
一方、端末のNFC設定がオンに設定されている場合には、デバイス制御アプリ12bにおいてNFCデバイスを設定すれば、NFC印刷を行うことができる。よって、ユーザが、デバイス設定画面160において、チェックをラジオボタン165aからラジオボタン165bに入れ替えた場合に、端末のNFC設定がオンに設定されていれば、使用デバイスがNFCデバイスに切り替えられたことに伴い、デバイス設定画面160の設定値表示領域161の表示内容は、NFC設定12cに応じた内容に変化する。
Wi−Fiデバイスが設定された状態、すなわち、Wi−Fi印刷が選択された状態で、NFC印刷を行うことはできない。よって、本実施形態では、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aが表示された状態で、端末10を、NFCデバイスであるMFP100にかざした場合、つまり、近距離通信部22のアンテナ部(図示せず)を、近距離通信部122のアンテナ部(図示せず)に近づけた場合には、エラー表示170が表示されるよう構成される。
エラー表示170は、そのときに設定されているWi−Fiデバイスを、NFCデバイスに切り替えるかを問い合わせるメッセージ171と、Yesボタン172と、Noボタン173とが表示される。ユーザが、Noボタン173に対する操作を行った場合、使用デバイスは切り替えられることなく、エラー表示170が消去される。
一方、ユーザが、Yesボタン172に対する操作を行った場合、使用デバイスが、Wi−Fiデバイスから、NFCデバイスに切り替えられる。かかる場合、LCD16に表示される画面は、ラジオボタン165bにチェックが入ったデバイス設定画面160に切り替えられる。よって、Wi−Fiデバイスが設定されているにもかかわらず、ユーザが、NFC印刷を行おうとした場合に、エラー表示170を介して、NFCデバイスを設定できるので、ユーザインタフェースとしての操作性に優れる。
図9は、第5実施形態の印刷処理を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す各処理は、第5実施形態のデバイス制御アプリ12bに従いCPU11により実行される。本処理は、上述した第1実施形態と同様、メニュー画面(図示せず)にて印刷の用途が選択された後、対象選択画面(図示せず)にて印刷対象データが選択されると開始される。CPU11は、使用デバイスとして設定されているデバイスが、Wi−Fiデバイスであるか、NFCデバイスのいずれであるかを判断する(S901)。
使用デバイスがWi−Fiデバイスであると、CPU11が判断した場合(S707:Wi−Fiデバイス)、CPU11は、上述したS708と同様に、Wi−Fi設定12d,12eを用いてプレビュー用の画像51を生成する(S902)。次に、CPU11は、印刷ボタン52を表示するよう設定し(S903)、対象選択画面に替えて、プレビュー画面50、より詳細には、プレビュー画像50aをLCD16に表示する(S904)。
一方、使用デバイスがNFCデバイスであると、CPU11が判断した場合(S901:NFCデバイス)、CPU11は、上述したS715と同様に、NFC設定12cを用いてプレビュー用の画像51を生成する(S906)。次に、CPU11は、メッセージ55の表示を設定し(S907)、対象選択画面に替えて、プレビュー画面50、より詳細には、プレビュー画像50bをLCD16に表示する(S904)。
CPU11は、S904の処理後、処理を待機する(S302:No,S315:No,S324:No)。プレビュー画面50が表示された状態でNFC印刷が開始された場合(S302:Yes)、NFCデバイスが使用デバイスとして設定されていれば(S905:Yes)、CPU11は、ハンドオーバー処理を実行し(S308)、印刷実行処
理を実行し(S309)、本処理を終了する。
一方、NFCデバイスが使用デバイスとして設定されていない場合、すなわち、Wi−Fiデバイスが設定されている場合(S905:No)、CPU11は、エラー表示170を表示する(S908)。エラー表示170内のNoボタン173に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S909:NFCデバイス非設定)、CPU11は、エラー表示170を消去し(S911)、処理をS302に移行する。
エラー表示170内のYesボタン172に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S909:NFCデバイス設定)、CPU11は、使用デバイスとして、NFCデバイスを設定し(S910)、処理をS912に移行する。
プレビュー画面50内の設定ボタン53に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S302:No,S315:Yes)、NFCデバイスが使用デバイスとして設定されていれば(S912:NFCデバイス)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、ラジオボタン165bにチェックが入ったデバイス設定画面160をLCD16に表示する(S913)。S913の処理によって表示されたデバイス設定画面160の設定値表示領域161には、NFC設定12cのうち、選択された用途に対する各項目および現在の設定値が表示されるが、各項目に対する設定値として設定可能な範囲は、上述したS319と同様、NFC設定12cに対するデフォルトの設定範囲と、現用途とに応じて決まる範囲とされる。
一方、Wi−Fiデバイスが使用デバイスとして設定されている場合(S912:Wi−Fiデバイス)、相手先のWi−FiデバイスであるMFP100の種類(本実施形態では、モデル名)が選択されていれば(S915:Yes)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、ラジオボタン165aにチェックが入ったデバイス設定画面160をLCD16に表示する(S917)。S917の処理によって表示されたデバイス設定画面160の設定値表示領域161には、デバイス毎のWi−Fi設定12eのうち、選択された種類に対応するWi−Fi設定における現用途に対する現在の設定値が表示される。
Wi−Fiデバイスが使用デバイスとして設定されているが、相手先のWi−Fiデバイス(本実施形態では、MFP100)の種類が選択されていない場合(S915:No)、CPU11は、プレビュー画面50に替えて、ラジオボタン165aにチェックが入ったデバイス設定画面160をLCD16に表示する(S916)。S916の処理によって表示されたデバイス設定画面160の設定値表示領域161には、デフォルトのWi−Fi設定12dのうち、現用途に対する現在の設定値が表示される。
CPU11は、S913、S916、またはS917の処理後、デバイス設定画面160に対するユーザの設定変更を受け付ける処理である、設定変更受付処理を実行し(S914)、処理をS901に移行する。設定変更受付処理(S914)の詳細については、図10を参照して後述する。プレビュー画面50が表示された状態でWi−Fi印刷が開始された場合(S315:No,S324:Yes)、CPU11は、印刷実行処理を実行し(S325)、本処理を終了する。
図10は、上述した設定変更受付処理(S914)を示すフローチャートである。CPU11は、使用デバイスの変更またはBackボタンに対する操作の受け付けを待機する(S1001:No,S1014:No)。使用デバイスがNFCデバイスからWi−F
iデバイスに変更されたこと、すなわち、ラジオボタン165bのチェックがラジオボタン165aに入れ替えられたことをCPU11が受け付けた場合(S1001:Wi−Fiデバイス)、CPU11は、使用デバイスとして、Wi−Fiデバイスを設定する(S1005)。
CPU11は、相手先のWi−Fiデバイスの種類が選択されている場合(S1006:Yes)、S918の場合と同様のデバイス設定画面160をLCD16に表示する(S1008)。一方、相手先のWi−Fiデバイスの種類が選択されていない場合(S1006:No)、S917の場合と同様のデバイス設定画面160をLCD16に表示する(S1007)。CPU11は、S1007またはS1008の処理後、処理をS1001に移行する。
使用デバイスがWi−FiデバイスからNFCデバイスに変更されたこと、すなわち、ラジオボタン165aのチェックがラジオボタン165bに入れ替えられたことをCPU11が受け付けた場合(S1001:NFCデバイス)、端末のNFC設定がオンに設定されていれば(S1002;Yes)、CPU11は、使用デバイスとして、NFCデバイスを設定する(S1003)。次に、CPU11は、S913の場合と同様のデバイス設定画面160をLCD16に表示し(S1004)、処理をS1001に移行する。
一方、端末のNFC設定がオンに設定されていない場合(S1002;No)、CPU11は、エラー表示180を表示する(S1009)。エラー表示180内のNoボタン183に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S1010:No)、CPU11は、エラー表示180を消去し(S1013)、処理をS1001に移行する。
エラー表示180内のYesボタン182に対するタップ操作をタッチパネル17が検知したことを、CPU11が受け付けた場合(S1010:Yes)、CPU11は、CPU11は、OS12aに設定画面130をLCD16に表示させる(S1011)。よって、ユーザは、Yesボタン182に対するタップ操作を行うことで、設定画面130から、端末のNFC設定を行うことができる。
OS12aによる設定画面130の表示中、ユーザが、Backボタンを操作すると、OS12aは、設定画面130を消去し、それにより、CPU11が実行する処理は、デバイス制御アプリ12bに従う処理に戻される。CPU11は、S1011の処理後、CPU11が実行する処理がデバイス制御アプリ12bに従う処理に戻るのを待機する(S1012:No)。そして、戻ってきた場合には(S1012:Yes)、CPU11は、デバイス制御アプリ12bに従い、処理をS1002に移行する。
ユーザが、設定画面130において端末のNFC設定をオンに設定した場合には、Backボタンが操作されたことに伴い、CPU11は、S1004の処理を実行する。よって、かかる場合は、使用デバイスとしてNFCデバイスが選択されたデバイス設定画面160がLCD16に表示される。一方、ユーザが、端末のNFC設定をオンに設定することなく、Backボタンを操作した場合には、エラー表示180が再度表示される。
上記第5実施形態によれば、使用デバイスを、Wi−FiデバイスからNFCデバイスに切り替えた場合に、端末のNFC設定がオンに設定されていなければ、エラー表示180を介して、設定画面130をOS12aに表示させることができる。これにより、ユーザは、設定画面130から、端末のNFC設定をオンに設定することができる。OS12aの設定画面130から端末のNFC設定を変更することは、OS12aを搭載する端末10における基本操作である。よって、ユーザは、端末のNFC設定の変更を、最も分か
り易い画面にて行うことができるので、利便性が良い。
また、デバイス設定画面160において、ユーザが、使用デバイスとしてWi−Fiデバイスを設定しているにもかかわらず、印刷ボタン52に対する操作でなく、NFC印刷を行うかのように、端末10を、NFCデバイス(本実施形態では、MFP100)に近づけた場合には、エラー表示170が表示される。よって、ユーザは、NFC印刷を所望する場合に、エラー表示170を介して、使用デバイスをNFCデバイスに切り替えることができるので、Wi−Fi印刷およびNFC印刷を使い分ける上での利便性が良い。
上記各実施形態において、デバイス制御アプリ12bが、通信プログラムの一例である。端末10が、通信装置の一例である。MFP100が、外部装置の一例である。近距離通信部22が、第1通信部の一例である。無線通信部23が、第2通信部の一例である。フラッシュメモリ12が、記憶部の一例である。CPU11が、制御部の一例である。タッチパネル17が、操作部の一例である。LCD16が、表示部の一例である。NFC設定12cが、第1設定の一例である。Wi−Fi設定12d,12eが、第2設定の一例である。印刷機能が、機能の一例である。写真の印刷、ドキュメントの印刷、Webページの印刷が、用途の一例である。NFC通信が、近距離無線通信方式の一例である。Wi−Fi通信が、近距離無線通信方式とは異なる無線通信方式の一例である。用紙サイズが、特定の項目の一例である。モデル名が、外部装置の種類の一例である。スペック情報が、能力情報の一例である。インクジェット方式が、第1の印刷方式の一例である。レーザ方式が、第2の印刷方式の一例である。NFC設定12cのうち、印刷方式がインクジェット方式であるデバイスに対する設定、および、印刷方式がレーザ方式であるデバイスに対する設定が、それぞれ、第1印刷設定および第2印刷設定の一例である。エンジンタイプが、第2情報の一例である。
S309の処理を実行するCPU11が、第1データ送信手段の一例である。S325の処理を実行するCPU11が、第2データ送信手段の一例である。S302,S324の処理を実行するCPU11が、第1判断手段の一例である。S307の処理を実行するCPU11が、第2判断手段の一例である。S306の処理を実行するCPU11が、能力取得手段の一例である。S303の処理を実行するCPU11が、第1情報取得手段の一例である。S305の処理を実行するCPU11が、第3判断手段の一例である。S304の処理を実行するCPU11が、第4判断手段の一例である。S313の処理を実行するCPU11が、設定変更手段、第1表示制御手段、第6表示制御手段の一例である。S301,S710の処理を実行するCPU11が、第2表示制御手段、第5表示制御手段の一例である。S317,S323の処理を実行するCPU11が、第3表示制御手段の一例である。S319の処理を実行するCPU11が、第4表示制御手段の一例である。S330の処理を実行するCPU11が、第1設定反映手段の一例である。S329の処理を実行するCPU11が、第5判断手段の一例である。S403の処理を実行するCPU11が、第2設定反映手段の一例である。S501の処理を実行するCPU11が、第2情報取得手段の一例である。S502の処理を実行するCPU11が、第6判断手段の一例である。S914の処理を実行するCPU11が、設定手段の一例である。S913の処理を実行するCPU11が、第7表示制御手段の一例である。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、デバイス制御アプリ12bが搭載される通信装置として、スマートフォンなどの端末10を例示したが、NFC通信およびWi−Fi通信が可能な装置であれば、種々の装置を通信装置として採用できる。例えば、タブレット端末や、
ノート型のパーソナルコンピュータや、携帯電話や、デジタルカメラや、音楽再生装置などの装置が、NFC通信およびWi−Fi通信が可能に構成されている場合、これらの各装置を、デバイス制御アプリ12bを搭載するための通信装置として採用できる。また、上記各実施形態では、端末10のOS12aがアンドロイドOSであるものとして説明したが、他のOSを採用する構成としてもよい。
上記各実施形態では、1のデバイス制御アプリ12bによって、NFC印刷とWi−Fi印刷との両方を実行できる構成としたが、NFC印刷を行うためのアプリケーションと、Wi−Fi印刷を行うためのアプリケーションとが各々独立した構成であっても、本発明を適用できる。
上記各実施形態では、端末10がMFP100の印刷機能を利用する場合に、本発明を適用する構成としたが、印刷機能以外の機能、例えば、スキャン機能を利用する場合にも、本発明を適用可能である。例えば、MFP100のスキャン機能を利用するトリガとなる通信が、近距離通信部22により行われる通信であるか、無線通信部23により行われる通信であるかに応じて、それぞれ専用のスキャン設定を準備しておき、MFP100のスキャン機能を利用するトリガとなる通信が、近距離通信部22または無線通信部23のいずれにより行われたかで、MFP100に送信するスキャン設定を使い分けるようにしてもよい。
上記各実施形態では、外部装置として、印刷機能などの複数の機能を有するMFP100を例示したが、プリンタやスキャナなどの単機能に特化された装置なども、外部装置として採用できる。また、上記各実施形態では、端末10とMFP100との間で行うWi−Fi通信をアドホックモードで行うものとして説明したが、アクセスポイント(図示せず)を介するインフラストラクチャーモードでのWi−Fi通信を利用する構成としてもよい。また、印刷対象データの通信をWi−Fi通信で行わず、NFC通信で行う構成としてもよい。あるいは、Wi−Fi通信に替えて、Bluetooth(登録商標)などの各種無線通信方式を用いて、印刷対象データの通信を行う構成としてもよい。また、上記各実施形態では、近距離無線通信方式として、NFC通信を例示したが、TransferJet(登録商標)など、他の規格に従う近距離無線通信方式を採用してもよい。
上記各実施形態では、モデル名の取得(S303)、スペック情報の取得(S306)、および、エンジンタイプの取得(S501)を、NFC通信により行う構成としたが、これらの情報をWi−Fi通信により取得する構成としてもよい。
上記第2実施形態では、相手先のMFP100の種類が選択されていない場合には、変更後のNFC設定12cの設定値42が、Wi−Fi印刷の設定として反映されない構成であった。これに代えて、相手先のMFP100の種類が選択されていない場合には、変更後のNFC設定12cの設定値42が、デフォルトのWi−Fi設定12dにコピーされる構成としてもよい。かかる場合、変更後のNFC設定12cにおける特定項目の設定値42が、デフォルトのWi−Fi設定12dにおける設定項目の設定範囲内、すなわち、一般的なデバイスが利用できる範囲内であることを、コピーを許可する条件とすることが好ましい。
あるいは、相手先のMFP100の種類が選択されていない場合、相手先のMFP100のモデル名をNFC通信によって取得し、取得したモデル名がデバイス情報12fに記憶されている場合には、当該モデル名に対応するWi−Fi設定12eに、変更後のNFC設定12cの設定値42をコピーする構成としてもよい。このとき、取得したモデル名がデバイス情報12fに記憶されていない場合には、変更後のNFC設定12cの設定値42を、取得したモデル名に対応するWi−Fi設定12eとして新たに追加する構成と
してもよい。
上記各実施形態では、S303にて、相手先のMFP100のモデル名を、NFC通信により受信し、S307にて、現在のNFC設定12cが利用可能であると判断された場合に、ハンドオーバー処理(S308)が実行される構成とした。これに代えて、端末10とMFP100との間でNFC通信が確立された場合に、ハンドオーバー処理を行い、相手先のMFP100のモデル名を、Wi−Fi通信により受信する構成としてもよい。
上記各実施形態では、OKボタン62またはOKボタン72が操作されたことに基づいて、Wi−Fi設定12d,12eまたはNFC設定12cのコピーを行う構成としたが、設定のコピーを指示するためのコピーボタンを設け、Wi−Fi設定12d,12eやNFC設定12cが変更されたか否かにかかわらず、コピーボタンが操作された場合に、設定のコピーを行う構成としてもよい。
上記各実施形態では、NFC設定画面70bにおいて、相手先のMFP100が利用できないとされた設定値42に対応する項目41が、他の項目41と区別される態様の一例として、相手先のMFP100が利用できない設定値42に対応する項目41の背景を着色することを例示した。これに代えて、相手先のMFP100が利用できない設定値42のみを表示する構成としてもよい。また、エラー画面80に、相手先のMFP100が利用できないとされた設定値42に対応する項目41を表示する構成としてもよい。
上記第4実施形態では、プレビュー画面50が、Wi−Fi印刷用の用途が選択されたことに基づき表示されたものであるか、NFC印刷用の用途が選択されたことに基づき表示されたものであるかに応じて、印刷ボタン52が表示されるか否かという点において、プレビュー画面50の表示態様が異なる構成であった。また、上記第5実施形態では、NFC印刷用のプレビュー画面50bには、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50aに表示される印刷ボタン52を表示せず、代わりにメッセージ55を表示する点において、プレビュー画面50a,50bの表示態様が異なる構成であった。上記各実施形態での例示に限らず、例えば、背景色の相違や、Wi−Fi印刷とNFC印刷とを区別可能な文字や記号などの表示、等によって、Wi−Fi印刷用のプレビュー画面50(50a)と、NFC印刷用のプレビュー画面50(50b)とを区別する構成としてもよい。
上記第5実施形態では、使用デバイスを、Wi−FiデバイスからNFCデバイスに切り替えたときに、端末のNFC設定がオンに設定されていない場合、エラー表示180を介して、設定画面130をOS12aに表示させる構成とした。これに代えて、使用デバイスを、Wi−FiデバイスからNFCデバイスに切り替えたときに、端末のNFC設定がオンに設定されていない場合、設定画面130をOS12aに表示させることなく、デバイス制御アプリ12bが、端末のNFC設定をオンに設定する構成としてもよい。かかる場合、ユーザが自身で操作を行うことなく、端末のNFC設定が自動的にオンに設定されるので、利便性が良い。なお、かかる場合にも、エラー表示180を表示させ、端末のNFC設定をオンに設定するか否かを、ユーザに問い合わせる構成としてもよい。
上記第5実施形態では、エラー表示170内のYesボタン172に対するタップ操作が行われたことに基づき、S910の処理が実行されることによって、自動的にNFCデバイスが使用デバイスとして設定される構成としたが、S910の処理を省略する構成としてもよい。かかる場合、ラジオボタン165aにチェックが入ったデバイス設定画面160が表示されることになるので、ユーザは、チェックをラジオボタン165bに入れることにより、NFCデバイスを使用デバイスとして設定することができる。また、S910の処理の後、デバイス設定画面160を表示することなく、プレビュー画面50を表示する構成としてもよい。この場合、プレビュー画面50は、NFC印刷用の用途が選択さ
れたことに基づいた表示態様となる。
上記各実施形態および変形例では、CPU11が、図3〜図5,図7,図9,図10に記載される各処理を実行する構成として説明したが、これら各図に記載される各処理を、複数のCPUが協同的に実行する構成としてもよい。また、ASICなどのICが、単独で、または、複数によって協働的に、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。また、CPU11とASICなどのICとが協同して、上記各図に記載される各処理を実行する構成してもよい。
上記第1〜第5実施形態により説明した各特徴や、上述した各変形例を適宜組み合わせて実施する構成としてもよい。例えば、図9のS905においてYesと判断された場合に、S308の処理を行う前に、図3のS303〜S307,S310の処理を実行する構成としてもよい。