JP6451438B2 - レーザー分析装置 - Google Patents
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Description
この非燃焼型排ガス処理装置として例えば、非特許文献1に記載のOG方式転炉排ガス回収装置が用いられている。
吹錬開始後、排ガス中の一酸化炭素濃度が高くない時点から排ガスを回収すると、回収した排ガスの燃料ガスとしての品位が低下するので好ましくない。このため、通常、以下の特許文献1に記載のように、転炉吹錬開始時の排ガスを大気中に放散し、転炉炉頂の輻射部の排ガス経路にガス中CO濃度分析計(炉頂CO分析計)を設け、排ガス中の一酸化炭素濃度を測定し、一酸化炭素濃度が所定濃度以上に上昇した時点で排ガス回収を開始している。
例えば、吹錬開始後、炉頂CO分析計で計測した一酸化炭素濃度が例えば25%以上、かつ、炉頂酸素分析計と炉下酸素分析計で計測した2箇所の排ガス中酸素濃度が一定濃度以下、例えば、2%以下となる条件が成立した場合に初めて排ガスの回収を開始する。
このような従来の分析方法では、炉下酸素分析計の分析応答遅れが存在するため、転炉吹錬開始後、排ガスを回収開始する時期が遅れる問題があり、可燃性ガスである転炉排ガスを十分に有効利用できていない問題があった。
このため、定期的にレーザー式ガス分析装置のメンテナンスが必要であり、メンテナンスの度にレーザー照射部101とレーザー受光部102の光軸ずれを修正する必要があった。
(1)本発明のレーザー分析装置は、配管または炉の周壁の一側に形成された挿通孔を遊挿して設けられた第1のインサーションチューブと、前記周壁の他側に形成された挿通孔を遊挿して設けられ、前記第1のインサーションチューブに対向するように設けられた第2のインサーションチューブと、前記第1のインサーションチューブを介しレーザー光を前記周壁の内側空間に照射する発光部と、前記内側空間を通過した前記レーザー光を前記第2のインサーションチューブを介し受光する受光部とを備え、前記第1のインサーションチューブが第1の架台に支持された管体に接続され、前記第2のインサーションチューブが第2の架台に支持された管体に接続され、前記第1の架台と前記第2の架台が前記周壁とは別個に基礎に支持されるとともに、前記インサーションチューブが前記挿通孔を遊挿した部分に形成されている隙間が前記インサーションチューブに外挿された伸縮管によって覆われ、記伸縮管を延長するように前記管体が前記インサーションチューブに外挿され、前記管体の外端が前記インサーションチューブの外側に配置された封止板で閉じられ、前記伸縮管と前記インサーションチューブとの間に形成されている空間部が前記封止板で閉じられる一方、前記封止板で閉じられた部分よりも外側に延在された前記インサーションチューブの外側端に前記発光部あるいは前記受光部が取り付けられ、前記管体を前記架台が支持することで前記インサーションチューブが前記架台に片持支持され、前記伸縮管と前記管体との接続部分が前記架台に支持されたたことを特徴とする。
また、インサーションチューブが周壁の挿通孔を遊挿した部分の隙間は伸縮管を備えた遮蔽機構が覆うので、隙間の部分を外部から遮断することができ、配管や炉などの内側空間に存在するガスを外部に出すことは無い。
伸縮管に接続された管体の外側開口部を封止板で覆うことにより、管体の外側端を封止板で閉じることができる。これにより、インサーションチューブの外側に伸縮管と管体により覆われて形成される空間部を封止板で閉じることができ、インサーションチューブの挿通孔遊挿部分の隙間を外部から隔離できる。
空間部からインサーションチューブの遊挿部分を介して周壁内部側にパージガスを供給することで遊挿部分を介して外部に出ようとするガスを阻止することができ、配管内や炉内からのガスの漏洩を防止できる。
(3)本発明において、前記伸縮管の一端側が延長管を介し前記挿通孔の開口周縁部に接続された構成を採用できる。
(4)本発明において、前記延長管より前記伸縮管が長く形成された構成を採用できる。
また、レーザー光の発光部と受光部の位置関係において光軸ずれや位置ずれを生じ難いので、長期間使用してもメンテナンス時の修正作業が不要となり、メンテナンス時の作業性を向上できる効果がある。
本実施形態のレーザー分析装置を採用したOG方式転炉排ガス回収装置の全体構成を図1に示す。
転炉1の炉頂部分にフード2が接続され、このフード2に輻射部3を介して2段のベンチュリースクラバー(集塵装置)4が接続され、2段目のベンチュリースクラバー4の後段に誘引送風機5を介し煙道を構成するための配管11が接続されている。配管11の途中部分に順に分岐路11Aと分岐路11Bが形成され、分岐路11Bには放散塔8が接続されている。分岐路11Aは分岐路11Bの途中部分に接続されている。分岐路11Bにおいて配管11から分岐された部分に第1の三方弁6Aが設けられ、配管11において分岐路11Bの分岐部分より若干下流側に第2の三方弁6Bが設けられ、分岐路11Aの内部に第3の三方弁7が設けられている。
配管11の下流端側に回収弁9が設けられ、その下流側に接続管12を介しガスホルダー10が接続されている。
以上のように三方弁6A、6Bを操作することにより、転炉1から排出された排ガスをガスホルダー10に導くか、あるいは放散塔8から大気中に放散するかを選択することができる。
上述の通り、転炉1からの排ガスは上流側である転炉1から下流側である放散塔8あるいはガスホルダー10に向かって流される。以下、転炉1から放散塔8あるいはガスホルダー10までの排ガスの流れる経路を総称して排ガス経路という。
条件が1つでも外れた場合は回収条件が非成立となり、排ガスを放散塔8から大気中に放散する。なお、上記回収条件は一例であり、設備ごとに適宜変更することができる。
吹錬の経過とともに、炉頂酸素分析計21、炉下酸素分析計23で分析するガス中の酸素濃度が低下し、炉頂CO分析計22で分析する排ガス中の一酸化炭素濃度が上昇する。そして、分析したガス成分が回収条件成立に至ったときに、三方弁6A、6Bを回収側に操作するとともに回収弁9を開とし、ガスホルダー10への排ガス回収を開始する。
本実施形態のレーザー分析装置23は、詳細には、図2に示すように煙道を構成する水平配置された配管11の途中部分を横断面視した場合、周壁11aの直径方向一側に形成された挿通孔11bを若干の隙間dをあけて遊挿し、水平に設置された第1のインサーションチューブ25と、第1のインサーションチューブ25の外端部に接続された発光部26を備えている。また、図2の周壁11aの直径方向他側に形成された挿通孔11cを遊挿して水平に設置された第2のインサーションチューブ27と、第2のインサーションチューブ27の外端部に接続された受光部28と、受光部28に接続された演算処理装置29が設けられている。
本実施形態では配管11の内側空間Sを転炉1からの排ガスが通過するので、測定用レーザー光30は第1のインサーションチューブ25の先端部25aから内側空間Sに出た後、第2のインサーションチューブ27の先端部27aに入るまでの間に、排ガスの影響を受け、その後、受光部28に至る。
従って、管体24は門型フレーム33Aの頂部中央に設置されるとともに、4つの支持片33Bに挟まれた状態で固定され、水平に支持されており、第1のインサーションチューブ25は管体24に接続され、水平に片持支持されている。
第1のインサーションチューブ25の一端側は管体24を挿通して管体24の外側に延在され、管体24の外側端に一体化されているフランジ板44Aを挿通して該フランジ板44Aに隣接されている封止板44Bに接合されている。この接合構造については後に詳述する。
蓋板35の外側には第1のインサーションチューブ25の外径よりも内径の若干大きな短尺の延長管36が設けられ、この延長管36が第1のインサーションチューブ25に外挿されている。延長管36の一端側は蓋板35の透孔35aを通過して挿通孔11bの開口周縁部に接続され、延長管36の他端側にはリング板状の接続板37が取り付けられている。なお、図4に第1のインサーションチューブ25の挿通部分の拡大構造を示すが、図4は図2に示す第1のインサーションチューブ25を見る方向と反対方向から第1のインサーションチューブ25とその周囲部分を描いている。
以上の構成において、蓋板35、延長管36、接続板37、フランジ板39、伸縮管38、フランジ板40、41、管体24、フランジ板44A、封止板44Bにより、挿通孔11bの開口部の隙間dを外部から隔離するための遮蔽機構Hが構成されている。
第1のインサーションチューブ25の基端部側には観測用レーザー光の中継器43が複数枚のフランジ板44A、封止板44B、フランジ板44Cを介し接続されている。そして、この中継器43の外側に観測用レーザー光の発光部(発光ユニット)26が接続されている。
また、周壁11aにおいて第1のインサーションチューブ25が外側に突出された部分の上方に第1のインサーションチューブ25とその基端側の部分および中継器43と発光部26を覆うように庇型のカバーユニット46が設置されている。
第2のインサーションチューブ27はその基端部27bを配管11とは別個の基礎Gに支持されている鉄骨組構造の架台33により支持されている管体24に接続されている。この架台33は先の例の架台33と同等構造で設置位置と設置方向のみが異なる。即ち、門型フレーム33Aと支持片33B、33Bを備えこれらにより管体24が支持されている。
第2のインサーションチューブ27においては、その基端部側に中継器43を介して受光部28が接続されている点が異なり、受光部28に演算処理装置29が接続されている点が異なるが、その他の構造は先の第1のインサーションチューブ25の周辺構造と同等である。
以上の構成において、第2のインサーションチューブ27に対し、蓋板35、延長管36、接続板37、フランジ板39、伸縮管38、フランジ板40、41、44A、封止板44Bが設けられているので、これらにより、挿通孔11bの開口部の隙間を外部から隔離するための遮蔽機構Hが構成されている。
第1のインサーションチューブ25を挿通孔11bに遊挿し、第2のインサーションチューブ27を挿通孔11cに遊挿しているので、配管11が振動または微小位置ずれることがあっても、配管11とインサーションチューブ25、27が相互干渉することがなく、インサーションチューブ25、27が配管11の影響を受けて位置ずれや角度ずれを起こすことがない。第1のインサーションチューブ25と第2のインサーションチューブ27は配管11とは個別の基礎Gに支持された第1の架台33と第2の架台33により支持されているので、配管11が振動し、位置ずれしてもインサーションチューブ25、27の位置ずれ、角度ずれは生じない。
また、長期間の使用によってもインサーションチューブ25、27に位置ずれや角度ずれを生じない。インサーションチューブ25、27の位置ずれや角度ずれが生じないので、発光部26と受光部28の相対位置ずれ、相対角度ずれも生じない。
一般市販のレーザー分析装置においては、光軸が3度程度ずれた場合でも計測値が変わるか計測不能となる場合があるので、上述の構造は極めて有効である。
また、延長管36の外周壁にパージガスの供給管34aを接続すると、空間部Kにパージガスを満たすことができ、このパージガスを空間部K側から挿通孔11b、11cを介し配管11の内側に流すようにするならば、配管11の内側空間に存在している排ガスが空間部K側に流れ込まないようにパージガスでブロックすることができ、排ガスの外部漏洩を確実に防止できる。
伸縮管38の外側の端部に接続されているフランジ板40、41、封止板44Bは支持台33Cを介し架台33により支持されるので、伸縮管38の外側端部も安定支持される。
燃焼炉や調質炉などにおいても、炉内雰囲気中に含まれる酸素や一酸化炭素などの量に応じて炉の制御を行う場合があるので、本発明構造を適用し、レーザー光を用いて炉内雰囲気中のガス濃度や温度を計測することができる。
Claims (4)
- 配管または炉の周壁の一側に形成された挿通孔を遊挿して設けられた第1のインサーションチューブと、前記周壁の他側に形成された挿通孔を遊挿して設けられ、前記第1のインサーションチューブに対向するように設けられた第2のインサーションチューブと、前記第1のインサーションチューブを介しレーザー光を前記周壁の内側空間に照射する発光部と、前記内側空間を通過した前記レーザー光を前記第2のインサーションチューブを介し受光する受光部とを備え、
前記第1のインサーションチューブが第1の架台に支持された管体に支持され、前記第2のインサーションチューブが第2の架台に支持された管体に支持され、前記第1の架台と前記第2の架台が前記周壁とは別個に基礎に支持されるとともに、
前記インサーションチューブが前記挿通孔を遊挿した部分に形成されている隙間が前記インサーションチューブに外挿された伸縮管によって覆われ、
前記伸縮管を延長するように前記管体が前記インサーションチューブに外挿され、前記管体の外端が前記インサーションチューブの外側に配置された封止板で閉じられ、前記伸縮管と前記インサーションチューブとの間に形成されている空間部が前記封止板で閉じられる一方、
前記封止板で閉じられた部分よりも外側に延在された前記インサーションチューブの外側端に前記発光部あるいは前記受光部が取り付けられ、前記管体を前記架台が支持することで前記インサーションチューブが前記架台に片持支持され、前記伸縮管と前記管体との接続部分が前記架台に支持されたことを特徴とするレーザー分析装置。 - 前記空間部から前記インサーションチューブの遊挿部分を介し前記周壁の内側に向けてパージガスを流すパージガス供給手段が接続されたことを特徴とする請求項1に記載のレーザー分析装置。
- 前記伸縮管の一端側が延長管を介し前記挿通孔の開口周縁部に接続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー分析装置。
- 前記延長管より前記伸縮管が長く形成されたことを特徴とする請求項3に記載のレーザー分析装置。
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