JP6451401B2 - 車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置 - Google Patents

車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車の製造・組立工程において組立後のドア単体の状態で当該ドアに付帯しているドアヒンジの一部にシール剤を塗布するための装置に関する。
自動車の製造・組立工程において、車体(ボディ)にドアを組み付けるにあたり、車体側に先にドアヒンジを単体の状態で組み付けておき、そのドアヒンジのドア側ヒンジアームを座面としてドアを車体に組み付ける方法(例えば、特開2002−68037号公報および特開2006−206016号公報参照)に代えて、例えば特許文献1に記載されているように、ヘミング結合後のドア単体の状態で当該ドア側に先にドアヒンジを組み付けておき、そのドアヒンジの車体側ヒンジアームを座面としてドアを車体に組み付ける方法が採られることがある。なお、ドアヒンジは周知のようにドア側ヒンジアームと車体側ヒンジアームとをヒンジピンにて回動可能に連結したもので、ドア側ヒンジアームおよび車体側ヒンジアーム共にボルト・ナット締結にて相手側となるドアまたは車体に固定されることになる。
この場合において、ドアへのドアヒンジ組付後に、それに続く車体への組み付けに備えて、特許文献1にも記載されているように、車体側への座面となる車体側ヒンジアームに錆止めのためのシール剤を塗布する必要があるが、このシール剤の塗布は多くの場合に手作業(手塗り作業)にて行われているのが実情である。
特開平10−81138号公報
上記のようなドアヒンジにおける車体側ヒンジアームへのシール剤の塗布作業は、刷毛またはスタンプのような押付治具を用いて粘稠なシール剤を狭隘な領域に過不足なく均一に塗布する作業であるため、比較的単純な作業の割には仕上がり状態に個人差によるばらつき、例えば塗布量が多かったり少なかったり、あるいははみ出しやかすれ塗りといったばらつきが発生し易く、仕上がり品質の向上と安定化を図る上でそのシール剤塗布作業の自動化が強く要請されている。
本発明はこのような要請に応えるべくなされたもので、車両用ドアヒンジにおける車体側ヒンジアームへのシール剤の塗布作業の自動化を図り、もってシール剤の塗布品質の向上と安定化を図ったシール剤塗布装置を提供するものである。
本発明は、車体側ヒンジアームとドア側ヒンジアームとをヒンジピンにて結合してなる車両用のドアヒンジが上記ドア側ヒンジアームを着座面としてドア単体の状態で当該ドア側に予めねじ締め固定されていて、上記ドアヒンジのうち車体側への着座面となる車体側ヒンジアームに粘稠なシール剤を塗布する装置である。
この装置では、上記ドアを位置決め支持する位置決め支持手段と、上記位置決め支持状態のドアに付帯しているドアヒンジのうち車体側ヒンジアームに押し付けられることでその車体側ヒンジアームにシール剤を塗布する塗布パッドと、上記シール剤が貯留されているシール剤貯留手段と、上記シール剤貯留手段と塗布パッドとの間を往復移動して、車体側ヒンジアームにシール剤を塗布する前に塗布パッドの表面部にシール剤を付着させるシール剤付着手段と、を備えている。
そして、上記シール剤付着手段は塗布パッドの表面部に付着させたシール剤の付着量を一定にするためのスクレーパ機能を有していることを特徴とする。
本発明によれば、塗布パッドをドアヒンジの車体側ヒンジアームに押し付けるだけで粘稠なシール剤を塗布することができることはもちろんのこと、その塗布パッドの表面部にシール剤を付着させるシール剤付着手段がシール剤の付着量を一定にするためのスクレーパ機能を有しているので、結果として車体側ヒンジアームに塗布されるシール剤の塗布量が均一化または安定化して、シール剤の塗布品質が向上する。
本発明に係るシール剤塗布装置の第1の実施の形態を示す図で、装置全体の概略を示す斜視図。 図1のa方向から見た斜視図。 図2のb方向から見た正面説明図。 ドアヒンジの詳細を示す図で、(A)はアッパ側のドアヒンジ単独での斜視図、(B)はロア側のドアヒンジ単独での斜視図、 図1〜3の固定側ポストフレームにおける直立ポスト部単独での斜視図。 図1〜3の固定側ポストフレームにおける異形ポスト部単独での斜視図。 アッパ側のドアヒンジにおけるシール剤塗布領域とシール剤塗布パッドの形状との関係を示す図で、(A)はシール剤塗布パッドの正面図、(B)はシール剤塗布領域をクロスハッチングで示したアッパ側のドアヒンジの斜視図。 ロア側のドアヒンジにおけるシール剤塗布領域とシール剤塗布パッドの形状との関係を示す図で、(A)はシール剤塗布パッドの正面図、(B)はシール剤塗布領域をクロスハッチングで示したとロア側のドアヒンジの斜視図。 図1〜3に示したシール剤塗布装置の要部拡大斜視図。
図1〜9は本発明に係るシール剤塗布装置を実施するためのより具体的な形態を示す図であり、特に図1は装置全体の斜視図を、図2は図1を矢印a方向から見た装置全体の斜視図をそれぞれ示している。また、図3は図2をb方向から見た正面説明図をそれぞれ示している。
図1〜3に示すように、ドア組立工程においてドアアウタパネルとドアインナパネルとをヘミング結合することで組み立てられたドア1には、直ちにアッパ側のドアヒンジ2とロア側のドアヒンジ3がボルト・ナット結合により組み付けられる。そして、双方のドアヒンジ2,3が組み付けられたドア1はハンドリングロボット7のハンド8に把持された上で、図1〜3に示すシール剤塗布装置9に搬入されて、双方がドアヒンジ2,3が下側となるような横向き直立姿勢にて位置決めされることになる。
この場合において、後述するように、ハンドリングロボット7のハンド8に把持されたドア1はシール剤塗布装置9のゲージ19,20上に当該ゲージ19,20を基準として位置決めされることになるが、ゲージ19,20を基準に位置決めされたドア1をハンドリングロボット7のハンド8が解放することはないので、図1〜3のような横向き直立姿勢での位置決め状態は継続して維持されることになる。
ドア1に組み付けられるアッパ側のドアヒンジ2の一例を図4の(A)に示し、ロア側のドアヒンジ3の一例を同図の(B)に示す。双方のドアヒンジ2,3共に、ドア側ヒンジアーム2aまたは3aと車体(ボディ)側ヒンジアーム2bまたは3bとをヒンジピン2cまたは3cにて回動可能に連結したものであり、ドア側ヒンジアーム2aまたは3aから張り出すように曲折形成したフランジ部2dまたは3dにボルト穴4が形成されている点で共通している。そして、アッパ側のドアヒンジ2については、その車体側ヒンジアーム2bに二本の取付ボルト5が設けられているのに対して、ロア側のドアヒンジ3については、その車体側ヒンジアーム3bに二つのボルト穴6が形成されている。
シール剤塗布装置9は、図1〜3に示すように、矩形枠状の台座10の上に左右で対をなす固定側ポストフレーム11と可動側ポストフレーム12とを配置したものである。双方のポストフレーム11,12は共に、下側のベースプレート13または14上において、直立ポスト部15と、外側にオーバーハングするように屈曲したクランク状の異形ポスト部16と、を所定距離隔てて対向するように立設することで形成されている。そして、固定側ポストフレーム11はそのベースプレート13が台座10に直接固定されているのに対して、可動側ポストフレーム12のベースプレート14は台座10に固定されておらず、可動側ポストフレーム12は固定側ポストフレーム11に対して接近離間可能に構成されている。
詳しくは、台座10上には多点停止可能な例えばエアシリンダタイプの直動型アクチュエータ17と直動型リニアガイド18とが平行に配置されていて、それらの直動型アクチュエータ17および直動型リニアガイド18の可動部にまたがるかたちで可動側ポストフレーム12のベースプレート14が固定されている。これにより、直動型アクチュエータ17の作動に応じて可動側ポストフレーム12が固定側ポストフレーム11に対して接近離間動作可能となっている。
固定側および可動側の双方のポストフレーム11,12における直立ポスト部15の上端にはゲージ19または20がそれぞれに配置されていて、図1〜3に示すようにこれら双方のゲージ19,20を受け基準としてドア1が位置決め載置されることになる。具体的には、後述する図5に示すように、各ゲージ19,20は先端部が上向きに屈曲した係止爪形状のものとして形成されていて、最先端面は鉛直な直立面19aまたは20aとなっている。そして、図1〜3に示すように、ドア1の端縁のうちアッパ側およびロア側のそれぞれのドアヒンジ2,3の取付位置相当部を双方のゲージ19,20の上面で支えるとともに、各ドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bの裏面を各ゲージ19,20の直立面19a,20aに当てて支えるようになっている。したがって、先に述べたように、ハンドリングロボット7のハンド8はドア1のハンドリング(搬送)機能を有しながらも、シール剤塗布装置9においては把持しているドア1を解放することはないので、上記双方のゲージ19,20とハンドリングロボット7とでドア1を位置決め支持するための位置決め支持手段が構成されていることになる。
ここで、固定側ポストフレーム11に対して可動側ポストフレーム12が接近離間動作可能となっているのは、多車種混流生産形態に対応するためであり、アッパ側およびロア側のそれぞれのドアヒンジ2,3同士のなすスパンは各車種のドア1に応じて微妙に異なっている。そのため、共通のシール剤塗布装置9にて多車種のドア1の生産・組立に対応しようとすると、ドア1の車種に応じて双方のゲージ19,20同士のなすスパンも微調整する必要がある。そこで、固定側ポストフレーム11のゲージ19を基準とし、ドア1の車種に応じて固定側ポストフレーム11に対して可動側ポストフレーム12を接近離間動作させることで双方のゲージ19,20同士のなすスパンを微調整することができるようになっている。
可動側ポストフレーム12側の一方のゲージ20が直立ポスト15に固定されているのに対して、固定側ポストフレーム11では直立ポスト15の上端部に進退(前進後退動作)駆動用アクチュエータとしてガイドロッド付きのエアシリンダユニット21が固定配置されていて、そのエアシリンダユニット21の先端の可動プレートに他方のゲージ19が固定されている。これにより、固定側ポストフレーム11ではエアシリンダユニット21の伸縮作動に応じてゲージ19が進退移動(前進後退動作)可能となっていて、ドア1の車種に応じてゲージ19の位置を選択的に使い分けることができるようになっている。これは、ドア1の車種に応じて当該ドア1の外板面の曲率度合いが異なるためで、ドア1の車種に応じてゲージ19の位置を選択的に使い分けることで上記と同様に多車種対応が可能となっている。
次に、固定側ポストフレーム11および可動側ポストフレーム12のうち上記ゲージ19,20以外の各部の詳細構造を説明する。図5は固定側ポストフレーム11の直立ポスト部15のみを、図6は同じく固定側ポストフレーム11の異形ポスト部16のみをそれぞれ示している。
図5に示す直立ポスト部15では、直立ポスト部15自体の高さ方向中間部にシール剤貯留手段として上面が開放された矩形深皿状のシール剤タンク22が固定配置されていて、このシール剤タンク22には粘稠なシール剤(防錆シール剤)が貯留されている。また、このシール剤タンク22に近接してシール剤付着手段としてのシール剤付着ユニット23が配置されている。このシール剤付着ユニット23は、図5のほか図1,2に示すように、直立ポスト部15とシール剤タンク22との間に昇降(上昇下降動作)駆動用アクチュエータとして直立姿勢にて配置されたガイドロッド付きのエアシリンダユニット24の上端の可動プレート24aに装着されているもので、エアシリンダユニット24の伸縮作動に応じて昇降動作(上昇下降動作)可能となっている。なお、図2,5ではシール剤付着ユニット24が下降した状態で示しているのに対して、図1,3ではシール剤付着ユニット24が上昇した状態を示している。
シール剤付着ユニット23は、エアシリンダユニット24の可動プレート24aから延長形成したブラケットプレート25の上面に上向きに傾斜したスクレーパ26を固定配置するとともに、ブラケットプレート25の下側にホルダ27を介して回転自在なシール剤付着ローラ28を支持させたもので、シール剤付着ユニット23の平面視ではスクレーパ26の先端はシール剤付着ローラ28の外周円筒面とほぼ一致するように設定してある。そして、シール剤付着ユニット23が最も下降している状態では、シール剤付着ローラ28がシール剤タンク22内に貯留されているシール剤に浸漬されるようになっている。同時に、シール剤付着ユニット23の平面視ではスクレーパ26およびシール剤付着ローラ28がシール剤タンク22の内部に臨むように配慮されている。
他方、図6に示す異形ポスト部16では、当該異形ポスト部16と対向することになる直立ポスト部15側に向かってシール剤タンク22よりも上方位置を指向するようにスタンプの如き短円筒状のシール剤塗布パッド29を設けてある。詳しくは、異形ポスト部16の側面に昇降(上昇下降動作)駆動用アクチュエータとしてガイドロッド付きのエアシリンダユニット30を直立姿勢にて固定配置してあるとともに、そのエアシリンダユニット30の上端の可動プレート30aに進退(前進後退動作)駆動用アクチュエータとしてガイドロッド付きのエアシリンダユニット31を水平姿勢にて固定配置してある。さらに、エアシリンダユニット31の先端の可動プレート31aにはエア駆動タイプのロータリーアクチュエータ32を固定配置してあり、そのロータリーアクチュエータ32の回転軸に例えば樹脂、ウレタンあるいは硬質スポンジ製のシール剤塗布パッド29を支持させてある。
シール剤塗布パッド29は、双方のゲージ19,20に位置決め支持されているドア1に付帯しているドアヒンジ2または3の車体側ヒンジアーム2bまたは3bに押し付けられた状態で所定角度だけ正逆転動作することで、その車体側ヒンジアーム2bまたは3bにスタンプ転写の形態でシール剤を塗布する機能を有する。また、シール剤塗布パッド29は、車体側ヒンジアーム2bまたは3bに押し付けられるのに先立って、そのシール剤塗布パッド29の表面に対してシール剤付着ユニット23のスクレーパ26が摺動しつつシール剤付着ローラ28が転動することで、そのシール剤付着ローラ28からのシール剤の補給を受けて当該シール剤塗布パッド29の表面に所定厚みでシール剤が付着することになる。
以上のような各アクチュエータの配置により、シール剤塗布パッド29は昇降駆動用アクチュエータであるエアシリンダユニット30の伸縮作動に応じて昇降動作(上昇下降動作)が可能となっているとともに、進退駆動用アクチュエータであるエアシリンダユニット31の伸縮作動に応じて直立ポスト部15側に向かって前進後退動作が可能となっている。また、シール剤塗布パッド29はロータリーアクチュエータ32の作動に応じて所定角度の範囲で正逆転動作が可能となっている。
さらに、異形ポスト部16の上端部にはドアヒンジ2または3側に向けて視覚検査手段としてのCCDカメラ33を装着してある。なお、このCCDカメラ33はシール剤が塗布された後のドアヒンジ2または3の車体側ヒンジアーム2bまたは3bを撮像して、画像処理によるシール剤塗布状態の適否判定に使用される。同時に、その画像は各ドアヒンジ2,3ごとの車体側ヒンジアーム2b,3bにおける塗布状態の画像データとして記録・保存される。
以上のような固定側ポストフレーム11の直立ポスト部15(図5)および異形ポスト部16(図6)の構造は、可動側ポストフレーム12の直立ポスト部15および異形ポスト部16についても基本的に同様であるので、共に共通する部分には同一符号を付してある。
ここで、図7は図4の(A)に示したアッパ側のドアヒンジ2の車体側ヒンジアーム2bでのシール剤塗布形態とシール剤塗布パッド29との関係を示し、図8は図4の(B)に示したロア側のドアヒンジ3の車体側ヒンジアーム3bでのシール剤塗布形態とシール剤塗布パッド29との関係を示している。
図7の(B)に示すように、アッパ側のドアヒンジ2については、その車体側ヒンジアーム2bに一対の取付ボルト5が突設されているため、これらの取付ボルト5を避けるようにしてクロスハッチングを施した領域Q1の範囲にシール剤を塗布することが適正とされる。そこで、そのアッパ側のドアヒンジ2の車体側ヒンジアーム2bに押し付けられることになる可動側ポストフレーム12のシール剤塗布パッド29については、図7の(A)に示すように、その表面に二本の取付ボルト5を避けるべくそれらの二本の取付ボルト5を受容し得る環状溝34を形成してある。さらに、環状溝34を除いた表面全体に格子状の細溝35を形成してシール剤の保有能力を高めるようにしてある。
他方、図8の(B)に示すように、ロア側のドアヒンジ3については、その車体側ヒンジアーム3bに一対の取付穴6が形成されているため、これらの取付穴6を避けるようにしてクロスハッチングを施した領域Q2の範囲にシール剤を塗布することが適正とされる。そこで、そのロア側のドアヒンジ3の車体側ヒンジアーム3bに押し付けられることになる固定側ポストフレーム11のシール剤塗布パッド29については、図8の(A)に示すように、その表面に一対の取付穴6を避けるべく単一の偏心した逃げ穴36と当該逃げ穴36から径方向に延長された逃げ溝37を形成してある。ただし、逃げ穴36はシール剤塗布パッド29の厚み方向に貫通しているのに対して逃げ溝37は貫通していない。さらに、逃げ穴36および逃げ溝37を除いた表面全体に格子状の細溝38を形成してシール剤の保有能力を高めるようにしてある。
次に、上記のように構成されたシール剤塗布装置9の一連の動きとその作用について説明する。
図1〜3のほか図9に示すように、シール剤塗布装置9にシール剤塗布対象となるドア1が搬入されるのに先立って、シール剤塗布装置9はシール剤塗布対象となるドア1の車種情報を受け取り、そのドア1の車種(仕様)に応じた位置に可動側ポストフレーム12が移動して位置決めされる。同時に、固定側ポストフレーム11ではシール剤塗布対象となるドア1の車種情報に応じてゲージ19が進退移動して、その位置が選択的に切り換えられる。これらにより、シール剤塗布対象となるドア1のアッパ側およびロア側のドアヒンジ2,3同士のなすスパンに応じて、双方のゲージ19,20同士のなすスパンが切り換えられる。
さらに、上記のような各種切り換え動作と相前後して、シール剤塗布装置9では双方のシール剤塗布パッド29の表面にシール剤を補給して付着させる予備動作が実行される。
この予備動作が実行されるまでの待機状態では、双方のシール剤付着ユニット23は図5に示す下降限位置にあって、それらのシール剤付着ユニット23のシール剤付着ローラ28はそれぞれのシール剤タンク22のシール剤のなかに浸漬されている。同様に、双方のシール剤塗布パッド29は図6に示す下降限位置で且つ後退限位置で待機している。この状態では、双方のシール剤塗布パッド29はその平面視において対応するシール剤付着ユニット23と共にシール剤タンク22のなかに臨んでいるとともに、シール剤塗布パッド29はシール剤付着ユニット23よりも高い位置にある。
予備動作に際しては、最初にシール剤塗布パッド29が前進動作し、平面視でみた場合にシール剤タンク22内においてシール剤塗布パッド29がシール剤付着ユニット23に対して接近動作することになる。
続いて、この前進限位置にあるシール剤塗布パッド29に対してシール剤付着ユニット23がシール剤塗布パッド29よりも高い位置(図1,2に示す位置)まで上昇動作する。シール剤付着ユニット23の上昇動作は、それまでシール剤タンク22のなかに浸漬されていたシール剤付着ローラ28がそのシール剤タンク22内のシール剤を大量に持ち出すことになる。そして、シール剤付着ユニット23の上昇動作時には、最初にスクレーパ26(図5)がシール剤塗布パッド29の表面を摺動するも、その直後にシール剤が大量に付着しているシール剤付着ローラ28がシール剤塗布パッド29の表面を転動するかたちとなる。それにより、シール剤塗布パッド29の表面にはシール剤が補給されるかたちでシール剤が付着することになる。
上昇限位置まで上昇動作したシール剤付着ユニット23は直ちに下降動作に移行して待機位置である下降限位置(図5に示す位置)まで戻る。このシール剤付着ユニット23の下降動作時には、先にシール剤付着ローラ28がシール剤塗布パッド29の表面を再度転動することになるものの、その直後にスクレーパ26がシール剤塗布パッド29の表面と摺動して、シール剤塗布パッド29の表面の余剰のシール剤を掻き落とすことになる。そのため、シール剤塗布パッド29の表面のシール剤の付着量が均一化され、シール剤塗布パッド29の表面では図7,8の(A)に示した多数の格子状の細溝35または38によって粘稠なシール剤が保持されることになる。
こうして、シール剤付着ローラ28によるシール剤の補給効果によってシール剤塗布パッド29の表面にシール剤が付着すると、シール剤塗布パッド29は当初の後退限位置(図6に示す位置)まで後退動作して待機することになる。
この場合において、シール剤付着ユニット23およびシール剤塗布パッド29は平面視において常にシール剤タンク22のなかに臨んでいるので、万が一シール剤の液だれが発生してもシール剤タンク22に戻されることになり、周囲を汚損してしまうようなことがない。
続いて、事前にドアヒンジ組付工程においてアッパ側およびロア側のドアヒンジ2,3がそれぞれ組み付けられたドア1が図1,3に示すハンドリングロボット7のハンド8に把持された状態でシール剤塗布装置9に搬入される。ハンドリングロボット7によって搬入されたドア1は、図1〜3のほか図9に示すように横向き直立姿勢にて双方のゲージ19,20の上に位置決め支持され、ハンドリングロボット7のハンド8はゲージ19,20上に位置決め支持されたドア1を解放しないために、そのハンドリングロボット7による支えによってドア1は双方のゲージ19,20上での横向き直立姿勢を維持することができる。
この位置決め支持状態では、双方のゲージ19,20の位置とドア1におけるアッパ側およびロア側のドアヒンジ2,3の位置が一致していて、ドア1の端縁のうちアッパ側およびロア側のそれぞれのドアヒンジ2,3の取付位置相当部を双方のゲージ19,20の上面で支えるとともに、各ドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bの裏面(図7,8の(B)参照)を各ゲージ19,20の先端面である直立面19a,20a(図参照)に当てて裏側からバックアップするかたちとなる。なお、このような位置決め支持状態は、予めティーチングされているハンドリングロボット7の移動軌跡に基づく自律的動作によってもたらされる。
このようなシール剤塗布装置9によるドア1の位置決め支持状態において、図9に示すように、双方のシール剤塗布パッド29が上昇限位置まで上昇動作し、それに続いて双方のシール剤塗布パッド29が前進限位置まで前進動作することになる。この双方のシール剤塗布パッド29の前進動作に伴い、これらのシール剤塗布パッド29がそれぞれのドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bに押し付けられ、さらに双方のシール剤塗布パッド29が所定角度の範囲で正逆転動作することで、双方のシール剤塗布パッド29の表面に付着しているシール剤が転写されるかたちでそれぞれの車体側ヒンジアーム2b,3bに一様に塗布されることになる。なお、アッパ側およびロア側のドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bにおけるシール剤の適正な塗布範囲Q1,Q2は図7,8の(B)に示した通りである。
アッパ側およびロア側のドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bにシール剤が塗布されると、シール剤塗布パッド29が後退限位置まで後退動作し、それに続いてシール剤塗布パッド29が下降限位置まで下降動作して当初の待機状態に戻ることになる。
こうして、双方のシール剤塗布パッド29によるシール剤塗布が終了すると、固定側ポストフレーム11および可動側ポストフレーム12に設けてあるCCDカメラ33が、それぞれのドアヒンジ2,3のうちシール剤が塗布されたばかりの車体側ヒンジアーム2b,3bを撮像して、その撮像画像の画像処理に基づいて図示外の判定装置がシール剤塗布状態の適否判定を行う。同時にその撮像画像をシール剤塗布状態に関する品質管理データとして記録・保存する。
そして、上記シール剤塗布状態の適否判定の結果が「NG」であった場合には、例えば上記のような塗布動作を再度繰り返す。他方、上記シール剤塗布状態の適否判定の結果が「OK」であった場合には、各ドアヒンジ2,3へのシール剤塗布作業を終えたドア1はなおもハンドリングロボット7のハンド8が把持したままであるので、ドア1はハンドリングロボット7の再起動により次工程へと搬出される。
このように本実施の形態によれば、アクチュエータ駆動のシール剤塗布パッド29を各ドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bに押し付けるだけで粘稠なシール剤を塗布することができ、省人化が図れる。
また、シール剤塗布パッド29の表面にシール剤を付着させるシール剤付着ユニット23がシール剤の付着量を一定にするためのスクレーパ機能を有しているので、各ドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bに塗布されるシール剤の塗布量が均一化または安定化して、シール剤の塗布品質が向上することになる。しかも、シール剤の塗布状態をCCDカメラ33で撮像して塗布品質の適否判定を行うようにしているので塗布品質の定量化が図れて、シール剤の塗布品質が一段と向上する。
さらに、シール剤付着ユニット23およびシール剤塗布パッド29はそれらの平面視において常に下方のシール剤タンク22の内部に臨んでいるので、万が一シール剤が液だれ等により滴下することがあってもシール剤タンクに回収されることになり、周囲や付帯機器を等を汚損してしまうことがない。
ここで、上記実施の形態では、各ドアヒンジ2,3の車体側ヒンジアーム2b,3bにシール剤塗布パッド29を押し付けてシール剤を塗布する際に同時にシール剤塗布パッド29を正逆転駆動するようにしているが、シール剤の粘度や塗布条件次第ではシール剤塗布パッド29の正逆転駆動は必ずしも必要としない。
また、先の実施の形態では、シール剤塗布装置9へのドア1の搬入に先立ってシール剤塗布パッド29に予めシール剤を付着させて待機させるようにしているが、例えばシール剤塗布装置9でのサイクルタイムの冗長化が許容されるような場合には、当該シール剤塗布装置9へのドア1の搬入を待って、シール剤付着ユニット23によるシール剤塗布パッド29へのシール剤の補給・付着と、それに続くシール剤塗布パッド29の押し付けによるシール剤の塗布を行うようにしても良い。
さらに、上記実施の形態では、一対のゲージ19,20とハンドリングロボット7とにより、作業対象となるドア1を位置決め支持する位置決め支持手段が構成されているが、位置決め支持手段はこれのみに限定されない。例えば、シール剤塗布装置9の機能とハンドリングロボット7の機能とを分割し、ハンドリングロボット7が把持しているドア1をシール剤塗布装置9のゲージ19,20側に移載したならば、当該シール剤塗布装置9側のクランプ機能でドア1をクランプして、そのドア1をハンドリングロボット7の把持から一旦解放するようにしても良い。
1…ドア
2…アッパ側のドアヒンジ
2a…ドア側ヒンジアーム
2b…車体側ヒンジアーム
2c…ヒンジピン
3…ロア側のドアヒンジ
3a…ドア側ヒンジアーム
3b…車体側ヒンジアーム
3c…ヒンジピン
7…ハンドリングロボット(位置決め支持手段)
9…シール剤塗布装置
19,20…ゲージ(位置決め支持手段)
22…シール剤タンク(シール剤貯留手段)
23…シール剤付着ユニット(シール剤付着手段)
26…スクレーパ
28…シール剤付着ローラ
29…シール剤塗布パッド
33…CCDカメラ(視覚検査手段)

Claims (7)

  1. 車体側ヒンジアームとドア側ヒンジアームとをヒンジピンにて結合してなる車両用のドアヒンジが上記ドア側ヒンジアームを着座面としてドア単体の状態で当該ドア側に予めねじ締め固定されていて、上記ドアヒンジのうち車体側への着座面となる車体側ヒンジアームに粘稠なシール剤を塗布する装置であって、
    上記ドアを位置決め支持する位置決め支持手段と、
    上記位置決め支持状態のドアに付帯しているドアヒンジのうち車体側ヒンジアームに押し付けられることでその車体側ヒンジアームにシール剤を塗布する塗布パッドと、
    上記シール剤が貯留されているシール剤貯留手段と、
    上記シール剤貯留手段と塗布パッドとの間を往復移動して、車体側ヒンジアームにシール剤を塗布する前に塗布パッドの表面部にシール剤を付着させるシール剤付着手段と、
    を備えていて、
    上記シール剤付着手段は塗布パッドの表面部に付着させたシール剤の付着量を一定にするためのスクレーパ機能を有していることを特徴とする車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  2. 上記塗布パッドの下方にシール剤貯留手段として上面が開放されたシール剤タンクが配置されていて、
    上記シール剤付着手段はシール剤タンク内のシール剤に浸漬した下降位置と塗布パッドよりも上方の上昇位置との間を昇降移動して、塗布パッドの表面部にシール剤を付着させるものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  3. 上記シール剤付着手段はシール剤付着ローラとその上方に配置されたスクレーパとを有していて、
    当該シール剤付着手段の下降動作時にはシール剤付着ローラがシール剤タンク内のシール剤に浸漬されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  4. 上記シール剤付着手段は、下降位置からの上昇動作時に塗布パッドの表面部にシール剤付着ローラにてシール剤を付着させる一方、上昇位置からの下降動作時に塗布パッドの表面部に付着しているシール剤の付着量をスクレーパにて一定化させるものであることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  5. 上記塗布パッドは前進後退動作可能で且つ昇降動作可能となっていることを特徴とする請求項4に記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  6. 上記塗布パッドとシール剤付着手段は平面視において常にシール剤タンク内に臨んでいることを特徴とする請求項5に記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
  7. 上記車体側ヒンジアームでのシール剤の塗布状態を検査する視覚検査手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の車両用ドアヒンジのシール剤塗布装置。
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