以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図16を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
また、正面視において第3図柄表示装置81の左方に、光演出装置1000が配設される。光演出装置1000は、背面から照射される光を上下方向に移動させる演出を行う装置であるが、詳細は後述する。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、第1入賞口64の下方左側には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に他の入賞口63,64,640と同程度の大きさの円形形状からなる第2特定入賞口650aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65a,650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第2可変入賞装置650は、具体的には、第2特定入賞口650aへ球を案内する案内路と、その案内路の第2特定入賞口650a側とは反対側となる開口部である開口651と、その開口651の開放および閉鎖を行うための駆動役物650bと、その駆動役物650bを開口651の下辺を軸に左右方向に開閉駆動するための小開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には小開放口ソレノイドを駆動して駆動役物650bを右方に傾倒し、球が第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65a,650aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71及び第2アウト口72が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入賞しなかった球は、第1アウト口71又は第2アウト口72を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される一方、第2アウト口72は、第2特定入賞口650aの左側に配設される。即ち、第2アウト口72は、第2特定入賞口650aを挟んで第1アウト口71の反対側に配設される。
よって、遊技領域を流下する球であって、第2特定入賞口650aよりも正面視右側(図2右側)において遊技領域の下端(内レール61又は外縁部材73)に達した球は、内レール61又は外縁部材73の傾斜に沿って流下され、第1アウト口71を通って球排出路へ案内される一方、第2特定入賞口650aよりも正面視左側において遊技領域の下端(内レール61)に達した球は、内レール61の傾斜(湾曲)に沿って流下され、第2アウト口72を通って球排出路へ案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5及び図6を参照して、第3図柄表示装置81(図2参照)の正面視左方に配設され、筒状部材1200、案内部材1300、光照射装置1400及び装飾部材1500から構成される光演出装置1000の構造について説明する。
図5は、光演出装置1000の正面斜視図であり、図6は、光演出装置1000の正面分解斜視図である。なお、図6は、筒状部材1200を軸心を含む平面で半分に分割した形状からなる第1半筒部材1201が背面側に配置された状態が図示され、その第1半筒部材1201と一対をなし、正面側に配置される第2半筒部材1202(図5参照)の図示が省略される。
図5及び図6に示すように、光演出装置1000は、遊技盤13(図2参照)の正面側に壁状に立設される外壁部82の下方に形成される。詳述すると、その外壁82には球が流下可能に穿設される孔が形成され、その孔の下方には、光演出装置1000の筒状部材1200を外嵌する金属製の導入筒83が延設される。
即ち、光演出装置1000は、球が導入筒83を流下する場合に通過する経路に配設されるものであり、導入筒83に回転可能に外嵌される筒状の筒状部材1200と、その筒状部材1200の内面側に形成されると共に球を所定の経路で案内する案内部材1300(図6参照)と、導入筒83に回転不能に外嵌されると共に筒状部材1200へ向けて光を照射する光照射装置1400と、筒状部材1200の正面側に配設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材1500と、を備える。
なお、樹脂材料としては、PET、PC、アクリル等の樹脂材料が例示される。
筒状部材1200、案内部材1300、光照射装置1400及び装飾部材1500の位置関係について説明すると、装飾部材1500が最も遊技者に近い正面側に配設され、その装飾部材1500の背面側に筒状部材1200とその筒状部材1200に内包される案内部材1300(図6参照)とが配設され、筒状部材1200及び案内部材1300の背面側に光照射装置1400が配設される。ここで、装飾部材1500は光透過性の樹脂材料から形成されるので、正面視において、装飾部材1500が透けて視認され、装飾部材1500の背面側に配設される筒状部材1200を視認することができる。
筒状部材1200は、第1半筒部材1201及び第2半筒部材1202が互いに嵌め合わせられることで断面円形状の筒形状に組み立てられ、組立状態(図5参照)において、導入筒83の外嵌溝83a(図6参照)に回転可能に外嵌軸支される。このとき、筒状部材1200は、導入筒83に片持ちで軸支されるので、筒状部材1200の回転時の摩擦は筒状部材1200の両端で発生するわけではなく、摺動端部1211に発生する摩擦に限定される。よって、筒状部材1200の回転時の摩擦を低減することができる。
更に、筒状部材1200は、導入筒83の外嵌溝83aに外嵌される摺動端部1211を一方の端部に備え、その一方の端部から他方に向けて拡径して形成されると共に金属材料から形成される拡径部1210と、その拡径部1210の一方の端部とは反対側の他方の端部に外嵌固定され、軸心方向に渡って同径の円筒形状に形成されると共に、光透過性の樹脂材料から形成される本体部1220と、を備える。即ち、筒状部材1200は、一対の半筒形状の部材から形成される拡径部1210と、一対の半筒形状の部材から形成される本体部1220との計4部材が互いに嵌め合わせられ組立てられることで形成される。
筒状部材1200を形成する4部材を嵌め合わせる方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各部材の対向する向きに嵌め合い用の爪(図示せず)を形成し、爪の嵌め合いで各部材を嵌め合わせる方法でも良いし、例えば、各部材の対向する箇所に円柱状の凸部(図示せず)を形成すると共に、その円柱状の凸部に対応する位置に、円柱状の凸部の径より若干小さな径の円形孔(図示せず)を形成し、円形孔に円柱状の凸部を嵌め込むことで各部材を嵌め合わせる方法でも良い。
拡径部1210は、金属材料から形成されるため、摺動端部1211が外嵌溝83aに摺動される際に部材が変形したり、削れたりすることを抑制でき、筒状部材1200の耐久性を向上させることができる。また、摺動摩擦により、筒状部材1200が回転しづらくなった場合でも、導入筒83と筒状部材1200の拡径部1210との間に油をさすことで、筒状部材1200を回転しやすくすることができる。なお、拡径部1210を形成する金属材料としては、真鍮やアルミニウム等が例示される。
本体部1220は、その内周面に上端部から下端部に亘って2重らせん状に張り出して形成されると共に、案内部材1300に沿って流下する球に上側(図7上側)の側面が当接される低透過率部1230と、低透過率部1230の形成される周面以外の周面であって径方向の厚みが一定とされる周面部1240と、を備え、拡径部1210と連設される端部の反対側の端部は開放される。なお、低透過率部1230の断面形状については後述する。
案内部材1300は、導入筒83の内部を流下する球を所定経路で流下させるためのレールとなる部材であって、無色で光透過性のシリコンゴム等の弾性材料により形成され、導入筒83の先端部に外嵌固定されるリング部1310と、そのリング部1310の図6正面視下端部右端から左下方向へ延設されると共に組立状態(図5参照)において筒状部材1200の本体部1220の側面に内側から近づけられる態様で形成される滑り部1320と、その滑り部1320の延設端から鉛直下方向へ延設される落下案内部1330と、その落下案内部1330の球が流下する側(図6左側)に増厚して形成される増厚部1340と、滑り部1320及び落下案内部1330の正面側および背面側の両側面からガイド状に延設されるガイド部1350と、を備える。
ガイド部1350の間隔は流下する球より若干大きく形成され、滑り部1320、落下案内部1330及び増厚部1340は、球が流下する側の側面が、球の半径よりも大きな曲率半径で中心部が凹んだハーフパイプ状に形成されるので、流下する球と当接する際に、滑り部1320、落下案内部1330及び増厚部1340の中心側に向けた力が球に与えられる。よって、低透過率部1230と当接する球を滑り部1320、落下案内部1330及び増厚部1340の中心軸上に寄せながら流下させることができる。これにより、球が流下する際に案内部材1300と当接することで球が水平方向に移動することを抑え、球を鉛直下方に効果的に流下させることができる。
滑り部1320は薄肉状に形成され、単一の球が滑り部1320上に配置される場合にはその形状が維持されるが、所定の個数以上の球が滑り部1320上に配置されると球の重みにより曲がり変形される態様で形成される。
光照射装置1400は、背面側から筒状部材1200及び装飾部材1500へ光を照射するものであり、導入筒83に外嵌固定される基盤部1410と、その基盤部1410の正面側に複数固定される光源1420と、を備える。本実施形態では、光源1420が、基盤部1410の中心軸上に、即ち、組立状態(図5参照)における正面視において、筒状部材1200の軸心上に上下等間隔に4個配設される。
基盤部1410は、導入筒83に外嵌固定される凹設部を一方の端部に備える嵌め込み部1411と、その嵌め込み部1411に穿設される締結孔1412と、嵌め込み部1411の一方の端部の反対側の端部である他方の端部から鉛直下方へ延設されると共に光源1420が正面側に配設される矩形板形状の本体部1413と、を備え、樹脂材料から形成される。
締結孔1412は、組立状態(図5参照)において、図示しない締結ねじにより遊技盤13の側面に締結固定される。よって、光照射装置1400は遊技盤13に移動不能に固定される。
光源1420は、指向性の弱い光を基盤部1410の正面方向(厚み方向)を出力方向とする態様で照射するため、組立状態(図5参照)において、筒状部材1200の軸心付近のみならず、筒状部材1200の軸心から離間した位置も含む全体に光を照射する。また、光源1420から照射される光は、筒状部材1200の軸心付近で最も明るさの度合いが強く、軸心から離れるにつれて明るさの度合いが弱められる態様(即ち、筒状部材1200の軸心付近へ光源1420の出力方向が向かう態様)で形成される。なお、装飾部材1500は、形成される波目模様に沿って光が移動されるように視認させる部材であるが、詳細については後述する。
なお、光源1420の光の出力方向とは、光源1420から照射される光の光度が最も強い方向を意味し、後述する各実施形態においても同様とする。
次いで、図7を参照して、組立状態における筒状部材1200及び案内部材1300の位置関係について説明する。
図7は、組立状態における導入筒83、筒状部材1200及び案内部材1300の部分断面図である。なお、導入筒83の中心軸を通ると共に遊技盤13(図2参照)に平行な平面で断面視される。
図7に示すように、組立状態において、案内部材1300の落下案内部1330が筒状部材1200の内周面に沿って配設される。球は、導入筒83を通過し案内部材1300に到達し、滑り部1320上を流下し(流下位置P1)、落下案内部1330に至り(流下位置P2)、その後、増厚部1340に到達する(流下位置P3)。
落下案内部1330には、上端部から所定距離下がった位置から増厚部1340が形成されるが、上端部から所定距離下がった位置に至るまで(例えば流下位置P2)は、筒状部材1200の低透過率部1230の張り出し端部1231と落下案内部1330の張り出し端部1231に対向する側面との距離が球の直径よりも大きく形成され、増厚部1340が形成される位置(例えば流下位置P3)においては、低透過率部1230の張り出し端部1231と増厚部1340の張り出し端部1231に対向する側面との距離が球の直径よりも小さく形成される。
即ち、球が流下位置P2にある時は、案内部材1300と筒状部材1200の張り出し端部1231との間隔が球の直径より大きく形成されるため、球は案内部材1300上を流下可能に形成される。一方で、球が流下位置P3にある時は、案内部材1300と筒状部材1200の張り出し端部1231との間隔が球の直径より小さく形成されるため、球は低透過率部1230に当接され、停止される。
そのため、球から低透過率部1230に力が作用される。ここで、低透過率部1230が筒状部材1200にらせん状に形成されているため、落下される球の重力方向の力が、低透過率部1230の延設方向に向けられる方向成分F1(図8(d)参照)と、低透過率部1230と対向する方向に向けられる方向成分F2(図8(d)参照)とに分解される。その方向成分F2の一部が筒状部材1200に軸直角方向に作用する力となり、筒状部材1200が低透過率部1230の球との当接位置を鉛直下方に移動させる側(図7上面視において、反時計回り)に回転される。
次いで、図8を参照して、筒状部材1200の回転のメカニズムについて説明する。図8(a)から図8(c)は、球が筒状部材1200を回転させる過程を時系列で説明する図であって、筒状部材1200及び案内部材1300の断面図であり、図8(d)は、図8(b)の矢印VIIId方向視における筒状部材1200の側面図である。なお、図8(a)から図8(c)は、導入筒83の中心軸を通ると共に遊技盤13(図2参照)に平行な平面で断面視され、図8(b)は、図8(a)に図示された状態から球が所定距離流下した状態が図示され、図8(c)は、図8(b)に図示された状態から球が所定距離流下した状態が図示される。
図8(a)に示すように、球が増厚部1340に到達する前においては、球は低透過率部1230に当接されず、落下案内部1330に沿って流下する。
図8(b)に示すように、球が筒状部材1200の低透過率部1230に当接されると、低透過率部1230に方向成分F2の力(図8(d)参照)が作用され、筒状部材1200は導入筒83を中心に方向成分F2の方向に沿った回転方向R1(上面視反時計回り)へ向けて回転される。ここで、球は案内部材1300の増厚部1340、ガイド部1350および筒状部材1200の内周面に水平方向(例えば、図8(d)左右方向)の移動を規制される。よって、球が低透過率部1230から離間することが防止され、方向成分F2の力を筒状部材1200の回転方向に効果的に作用させることができる。
図8(b)に示すように、方向成分F2(図8(d)参照)により筒状部材1200が回転方向R1に回転されると、球と低透過率部1230との接点が、筒状部材1200の下方(図8(b)下方)に移動される。そして、筒状部材1200が継続して回転されることで、図8(c)に示すように、球は筒状部材1200の下端に到達し、筒状部材1200の下端から下方へ排出され、遊技領域へ戻される。
即ち、筒状部材1200を回転させる駆動力を球の流下により生じさせることで、筒状部材1200を回転させる駆動モータが必要ないので、筒状部材1200を回転させるのに必要な動力コストを削減することができる。
また、駆動モータを配設しない分だけ省スペースに筒状部材1200を設置することができる。即ち、筒状部材1200等の役物を遊技盤正面側や遊技盤背面側に配設するスペースは一定の範囲に限定されるところ、筒状部材1200を回転させる駆動モータを配設不要としたことで使用可能となるスペースを、他の移動役物を配設するスペースとして活用することができる。よって、他の移動役物の配設自由度を向上させることができる。
また、球が筒状部材1200を回転させることで筒状部材1200の外観を変化させた(図11参照)後に、筒状部材1200を回転させた球を筒状部材1200の下端から排出し、再度遊技領域に戻すことが可能である。この場合、例えば、筒状部材1200を回転させた球が必然的に遊技領域外へ排出されるという事態を防止できるので、入賞数において遊技者が不利となることはない。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。
ここで、球は筒状部材1200に沿って重力の作用で落下され、筒状部材1200は落下される球から継続的に重力に起因する力を受けて回転されるので、筒状部材1200は球が筒状部材1200の内周側を落下している間継続的に回転される。
また、遊技領域を流下する際の球の速度は不規則であっても、球が筒状部材1200に当接されるまでに、導入筒83や案内部材1300の滑り部1320に沿って流下する際に与えられる衝突力や摩擦力により、球の速度は不規則さを認識されない程度まで減速されるので、筒状部材1200を回転させる球の流下速度の変動は抑制され、それに伴い筒状部材1200の回転速度の変動は抑制される。よって、流下速度や流下向きが不規則となる球を駆動力として用いる場合においても、筒状部材1200の回転の態様を規則的(継続的、速度変動が小さい)とすることができる。
図7に戻って説明する。筒状部材1200は球が増厚部1340に沿って鉛直下方に落下することに起因して回転されるところ、滑り部1320の下端において球が低透過率部1230に当接すると、球が鉛直下方に落下し始める前に低透過率部1230に当接することで、筒状部材1200の径方向へ向いた力のみが生じ、筒状部材1200に回転力を作用させることができない恐れがある。
一方、本実施形態では、球が増厚部1340に至る手前では、筒状部材1200の低透過率部1230に球は当接せず、球が増厚部1340に沿って鉛直下方に流下して初めて低透過率部1230に球を当接させる態様で形成することができる。これにより、筒状部材1200の低透過率部1230に球が当接することで筒状部材1200に回転力を生じさせることを確実にできる。
筒状部材1200が、何らかの原因で回転しづらくなった場合について説明する。上述したように、筒状部材1200は摺動端部1211が導入筒83の外嵌溝83aに回転可能に外嵌される。そのため、摺動端部1211と外嵌溝83aとの摩擦力が、球から筒状部材1200の低透過率部1230に向けて与えられる筒状部材1200の回転方向の力を上回る場合、筒状部材1200は回転されない。すると、導入筒83を通って球が更に入球される場合に、案内部材1300に沿って球が堆積する事態が生じる。この場合、導入筒83を流下した球が遊技領域に復帰されないので、遊技者にとって好ましくない事態となる。
一方、本実施形態では、案内部材1300が弾性ゴムから形成されているので、球が案内部材1300の上に堆積した場合に、その堆積した球の自重によって、案内部材1300を部分的(薄肉状に形成される滑り部1320から下方の部分)に下方(図7下方)へ曲がり変形させ、案内部材1300を筒状部材1200の対向する内周面から離間させることで、筒状部材1200の低透過率部1230と案内部材1300の増厚部1340とから堆積した球を脱落させ、球を流下させることができる。これにより、球が遊技領域に復帰可能となるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、図9を参照して、筒状部材1200の低透過率部1230の形状と、その低透過率部1230に光が入射される場合の光の経路について説明する。図9は、筒状部材1200の軸心を通る平面で断面視した筒状部材1200の部分断面図である。なお、図9は、切断面部分のみが図示されると共に、筒状部材1200に照射される光の経路が矢印L1,L2で図示される。
図9に示すように、低透過率部1230は、筒状部材1200の外周面との距離を一定に形成される(厚み一定で形成される)張り出し端部1231と、その張り出し端部1231の両側(図9上下側)において筒状部材1200の内周面(図9左側)と張り出し端部1231とを連結すると共に、筒状部材1200側に凹んだ形状に形成される一対の凹設側面部1232と、を備えて形成される。即ち、低透過率部1230は、台形形状の上底と下底とを結ぶ両側辺が内側に凹んだ断面形状で形成される。
周面部1240及び張り出し端部1231が厚み一定で形成されるため、平行光L1が筒状部材1200の内周側(図9左方)から筒状部材1200の周面部1240及び低透過率部1230の張り出し端部1231を通過する場合には、光は拡散されず、筒状部材1200の外周側(図9右方)において光の明るさの度合いは維持される。一方、平行光L2が筒状部材1200の内周側(図9左方)から筒状部材1200の凹設側面部1232を通過する場合には、凹設側面部1232の凹面形状の作用により、光は拡散され、筒状部材1200の外周側(図9右方)において視認される光の明るさの度合いは平行光L1の経路で進行する光に比較して弱められた状態で視認される。
これにより、筒状部材1200の軸直角方向から光が照射され、筒状部材1200を挟んで光照射装置1400と対向する位置から筒状部材1200を視認する場合に、筒状部材1200の外周側では、張り出し端部1231及び周面部1240においては光の明るさの度合いが維持され、張り出し端部1231の両側に形成される凹設側面部1232においては光の明るさの度合いが弱められる。
よって、低透過率部1230により、光照射装置1400の光源1420から照射された光の明るさの度合いが維持された状態で視認される部分を低透過率部1230の幅方向両側の周面部1240と、低透過率部1230の張り出し端部1231とに3分割することができ、視認される光を細分化することができる。
次いで、図10を参照して、筒状部材1200の背面側から光照射装置1400により筒状部材1200へ向けて光を照射した場合の外観について説明する。図10は、組立状態における光演出装置1000の正面図である。なお、装飾部材1500の図示が省略されると共に、筒状部材1200を通して視認される光が帯状の網掛け模様で図示される。また、網掛け模様の濃淡により、視認される光の明るさの度合いの強弱が表現される。即ち、濃い部分ほど、より明るさの度合いが強く視認される。
図10に示すように、光照射装置1400から筒状部材1200へ向けて照射された光は、筒状部材1200の正面側に形成される低透過率部1230の張り出し端部1231及び周面部1240を通過して視認される光の明るさの度合いが強く維持された状態で視認され、その逆に凹設側面部1232を通過して視認される光は拡散され、光の明るさの度合いが弱められる。結果として、光が低透過率部1230により分割される態様で視認される。ここで、低透過率部1230が、筒状部材1200の内周面に2重らせん状に形成されているので、光の明るさの度合いが強い部分が、筒状部材1200の軸心に対して傾斜する帯状に視認される。
なお、筒状部材1200の背面側に形成される低透過率部1230によっても光は分割されるが、光照射装置1400の光源1420(図6参照)から照射される光の指向性が弱いために、筒状部材1200の背面側の低透過率部1230で光が分割されたとしても、筒状部材1200の正面側において、複数の光源1420から照射される光と合成されるので、光の分割の境界が判別しづらい態様で視認される。よって、光が分割される作用は、筒状部材1200の正面側の部分で顕著に視認されることとなり、それに伴って、光が筒状部材1200の軸心に対して傾斜された帯形状を成して視認される。
次いで、図11を参照して、筒状部材1200が回転されることで生じる筒状部材1200の外観の変化について説明する。図11(a)から図11(c)は、筒状部材1200の回転によって生じる外観の変化を時系列で説明する図であり、光演出装置1000の正面図である。なお、図11(b)は、図11(a)に図示された状態から筒状部材1200が回転方向R1で所定角度回転された状態が図示され、図11(c)は、図11(b)に図示された状態から筒状部材1200が回転方向R1で所定角度回転された状態が図示されると共に、図11(a)から図11(c)は、装飾部材1500の図示が省略される。
なお、図11では、筒状部材1200を通して視認される光が帯状の網掛け模様で図示される。また、網掛け模様の濃淡により、視認される光の明るさの度合いの強弱が表現される。即ち、濃い部分ほど、より明るさの度合いが強く視認される。
図11(a)から図11(c)に示すように、筒状部材1200が回転方向R1で回転されると、筒状部材1200の正面視における模様が、筒状部材1200の軸心方向(図11下方)に移動される態様で視認される。
詳述すると、低透過率部1230の一部に対応する代表部分Sに注目する場合に、筒状部材1200の回転により実際には代表部分Sは筒状部材1200の回転方向に移動されるのであるが、低透過率部1230が筒状部材1200の全周に渡って途切れることなく形成されているため、遊技者からすると、代表部分Sが下方に移動されるように誤解しやすい。即ち、代表部分Sが筒状部材1200の軸直角方向Xに移動されたのか、軸心方向Yに移動されたのかを判別することができない。
そのため、実際には筒状部材1200が軸回転し、低透過率部1230が軸直角方向Xに移動されたにも関わらず、低透過率部1230が筒状部材1200の軸心方向Yに移動されたように視認される。即ち、図11(b)では、図11(a)の状態から筒状部材1200が回転方向R1で回転されることで、代表部分Sが軸心方向Yに沿って位置Y0から位置Y1まで移動されたように誤解され易く、図11(c)では、図11(b)の状態から筒状部材1200が回転方向R1で回転されることで、代表部分Sが軸心方向Yに沿って位置Y1から位置Y2まで移動されたように誤解され易い。
これにより、光照射装置1400の光源1420(図6参照)を何ら制御することなく、正面視において筒状部材1200を通して視認される光の模様を、筒状部材1200の軸心方向に平行移動させることができる。
例えば、光照射装置1400の光源1420(図6参照)の光の出力方向を変化させることで、筒状部材1200を通して視認される光の位置を平行移動させる場合、その光の移動距離が長くなると、光源1420の光の出力方向を変化させる揺動角度が大きくなる。更に、光源1420と筒状部材1200との距離が短くなるほど、光源1420の光の出力方向を変化させる揺動角度が大きくなる。
よって、光源1420(図6参照)から照射される光の移動距離を長く保ったまま筒状部材1200と光源1420との距離を短くする場合には、光源1420の揺動角度を大きくする必要があり、光源1420の設計自由度が低くなる。一方で、筒状部材1200と光源1420との距離を離す場合には、光源1420の揺動角度を多少抑えることができるが、光演出装置1000の配設スペースが大きくなり、他の役物の配設スペースが抑制される。よって、他の役物の配設スペースを確保したまま、光源1420から照射される光を大きく移動させることは難しい。
一方、本実施形態によれば、光源1420(図6参照)から筒状部材1200へ照射される光の移動は、筒状部材1200が回転されることにより生じるので、筒状部材1200と光源1420との距離を短くしながら、光源1420から照射される光の移動距離を長く保つことができる。よって、他の役物の配設スペースを確保したまま、筒状部材1200を通して視認される光の移動距離を大きく確保することができる。
図7に戻って説明する。筒状部材1200の内周側に案内部材1300が配設される場合、光照射装置1400の光源1420(図6参照)から照射される光が案内部材1300に遮蔽され、正面視において、筒状部材1200の周面に視認される光の明るさの度合いが弱められる可能性がある。しかし、本実施形態では、案内部材1300が筒状部材1200の軸心から正面視左方に寄せられて配設される。即ち、案内部材1300が光照射装置1400の光源1420から照射される光の出力方向から離間された位置に配設されるため、光の明るさの度合いが弱められる影響を限定的にすることができる。
また、案内部材1300が、無色で光透過性のシリコンゴム等の弾性材料により形成されるので、光照射装置1400の光源1420(図6参照)から照射される光が案内部材1300に遮蔽されることにより光の明るさの度合いが弱められる度合いを小さくすることができる。
図5に戻って説明する。光演出装置1000は、最も正面側に装飾部材1500が配設され、正面視において、装飾部材1500が筒状部材1200を遮蔽する態様で形成される。なお、上述したように、装飾部材1500は樹脂材料から形成されると共に、光が透過する部分を有するので、筒状部材1200の正面側に視認される光は、装飾部材1500を介して視認可能に形成される。
次いで、図12を参照して、装飾部材1500について説明する。図12(a)は、装飾部材1500の正面図であり、図12(b)は、装飾部材1500の背面図であり、図12(c)は、図12(a)の矢印XIIc方向視における装飾部材1500の側面図であり、図12(d)は、図12(a)のXIId−XIId線における装飾部材1500の部分断面図であり、図12(e)は、図12(a)の矢印XIIe方向視における装飾部材1500の部分側面図である。なお、理解を容易とするために、図12(d)は、断面部分のみが部分的に図示され、その他の部分の図示が省略される。
図12に示すように、装飾部材1500は、矩形板形状に形成される本体部1510と、その本体部1510の背面側に離間され、本体部1510に平行に延在されると共に遊技盤13に締結される締結孔を有する一対の板形状の締結部1520と、本体部1510から締結部1520まで延設される矩形板形状の連結部1530と、を備える。
本体部1510は、背面側に帯状に張り出すと共に組立状態(図5参照)において筒状部材1200(図5参照)の軸心に傾斜する方向に沿って波状に形成される複数列の低透過率部1511と、正面側に低透過率部1511と交差する態様で張り出して形成される一筋の帯状部1512と、を備える。
図12(d)に示すように、低透過率部1511は、幅方向の両側面が装飾部材1500側に凹んだ形状に形成される。よって、上述した筒状部材1200の低透過率部1230の凹設側面部1232と同様の作用で光が拡散され、視認される光の明るさの度合いが弱められる。また、隣り合う低透過率部1511の間において装飾部材1500の断面形状が凹面形状に形成される(図12(d)参照)。
ここで、例えば、装飾部材1500の背面側から、装飾部材1500の幅方向全域に光が照射され、その光が上下方向(図12(a)上下方向)に移動される場合に、装飾部材1500の正面側から装飾部材1500を通してその光を視認すると、あたかも隣り合う低透過率部1511の間において光が低透過率部1511に沿って移動されるように視認される。
即ち、組立状態(図5参照)において、装飾部材1500が無い状態では、上述したように、筒状部材1200が回転されることで光が筒状部材1200の軸心方向に移動されるように視認されるが、装飾部材1500を通してその光の移動を視認すると、装飾部材1500の低透過率部1511に沿って光が移動されるように視認される。よって、光が筒状部材1200の軸心方向に傾斜した波形状に沿って移動するように視認させることができ、光の演出効果を複雑にすることができる。
次いで、図13を参照して、装飾部材1500が光を分割する作用について説明する。図13は、光演出装置1000の正面図である。なお、光演出装置1000の部分拡大正面図が合わせて図示される。なお、図13では、筒状部材1200を通して視認される光の模様が帯状の網掛け模様として図示される。また、光を図示する帯状の網掛け模様の濃淡により、視認される光の明るさの度合いの強弱が表現される。
図13に示すように、光が装飾部材1500の低透過率部1511を境に分割される。即ち、装飾部材1500は、隣り合う低透過率部1511間の断面形状が凹面形状で形成されるので、隣り合う低透過率部1511間を通って視認される光は、凹面形状の作用によって、隣り合う低透過率部1511を結ぶ方向(低透過率部1511の延設方向に直交する方向)に縮小される態様で視認される。そのため、光が低透過率部1511により分割される。そのため、筒状部材1200を通して光が視認される場合に比較して、光の外形を、より細分化することができる。
図12に戻って説明する。図12(e)に示すように、帯状部1512は、幅方向の両側面が装飾部材1500側に凹んだ形状に形成されると共に正面視において筒状部材1200の低透過率部1511の延設方向と交差する態様で形成されるので、筒状部材1200の回転により光が装飾部材1500の低透過率部1511に沿って移動される場合に、光は帯状部1512を横断する。その際、帯状部1512の形状の作用により光の外形が変化される。
次いで、図14を参照して、帯状部1512を光が通過する場合の経路について説明する。図14は、光の経路を模式的に図示した模式図である。
図14に示すように、紙面垂直方向に延設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される板T1は、帯状部1512と同様の断面形状を有し紙面垂直方向に延設される帯状部T2を有する。板T1の背面側(図14右側)から光を照射する光源L10,L11を板T1の正面側(図14左側)から視認すると、光が帯状部T2を通過しない場合(光源L10からの光)には、光は直進するが、光が帯状部T2の側面に形成される凹面形状の部分を通過する場合(光源L11からの光)には、光が凹面形状の作用で屈折される。すると、光源L11で入射された光は、仮想光源L12から入射されたように視認されるので、結果的に光の外形が縮められるように視認される。ここで、光源が光源L10の位置から光源L11の位置に移動されると、光の外形が、光の移動に伴って縮められる態様で視認される。
次いで、図15を参照して、帯状部1512を横断する光の外形の変化について説明する。図15(a)から図15(c)は、装飾部材1500を通して視認される光が上下方向に移動することによって生じる装飾部材1500の外観の変化を時系列で説明する図であり、光演出装置1000の部分拡大正面図である。
なお、理解を容易にするために、正面視において隣接する一対の低透過率部1230に挟まれた周面部1240を通して視認される光の模様のみを網掛け模様で図示し、他の部分の光の図示が省略され、図15(b)は、図15(a)に図示された状態から光が下方に移動された状態が図示され、図15(c)は、図15(b)に図示された状態から光が下方に移動された状態が図示される。
図15(a)に示すように、低透過率部1511に沿って移動される態様で視認される光の模様は、帯状部1512に差し掛かる前は、装飾部材1500の左右の位置に関わらず均一な幅(隣接する低透過率部1230の間隔と同等の幅)で視認される。一方、図15(b)に示すように、光の模様が帯状部1512に差し掛かると、帯状部1512付近の光が帯状部1512の幅方向に縮められる(帯状部1512に引き寄せられ、切断される、矢印S1に沿って流れる光)態様で視認される。
光が、図15(b)の状態から更に下方に移動されると、図15(c)に示すように、装飾部材1500の左側においては光が帯状部1512を横断し終わり、視認される光の模様の幅が復元されるのに対し、装飾部材1500の右側においては、帯状部1512付近の光が帯状部1512の幅方向に縮められる(帯状部1512に引き寄せられ、切断される、矢印S2に沿って流れる光)。よって、光が装飾部材1500の低透過率部1511に沿って移動される過程において、帯状部1512の左右の位置において順に、視認される光の模様が変化される。
よって、移動する光の模様を、その移動中に変化される態様で遊技者に視認させることができる。また、その光の模様の変化を、帯状部1512の配設位置に応じて、装飾部材1500の任意の部分で行わせることができるので、光演出装置の演出効果を向上させることができる。
次いで、図16を参照して、光演出装置1000の外観の変化について説明する。図16(a)及び図16(b)は、光演出装置1000の正面図である。なお、図16(b)は、図16(a)の状態から、筒状部材1200が所定角度回転された状態が図示される。
筒状部材1200は、上述したように、球が流下することで生じる力により回転され、その際、球は筒状部材1200の内周側を流下される。そのため、球に光が遮蔽され、正面視において球の影Shを視認することができる。この球の影Shが筒状部材1200の軸心方向へ移動される(図16(a)の状態から図16(b)の状態までに、球の影Shが移動される)ことにより、光が筒状部材1200の軸心方向へ移動される態様で遊技者に視認される効果を向上させることができる。
また、正面視において筒状部材1200を通して視認される光の明るさの度合いに強弱をつけることは、光照射装置1400の光源1420から照射される光の明るさの度合いの強弱を制御することによってもできるが、本実施形態では、流下する球の影Shを利用して、視認される光に強弱が生じるように形成される。よって、光照射装置1400の光源1420から照射される光の明るさの度合いの強弱の切り替えを制御する必要が無いので、光照射装置1400の制御コストを抑制することができる。
次いで、図17から図27を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態の光演出装置1000では、球が筒状部材1200の内周側を流下することで筒状部材1200が回転される場合を説明したが、第2実施形態の光演出装置2000では、球が筒状部材2200の外周側を流下することで、筒状部材2200が回転される場合を説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図17を参照して、光演出装置2000の全体構成について説明する。図17は、光演出装置2000の正面斜視図である。なお、図17では、装飾部材2500が取り外された状態が図示される。
図17に示すように、光演出装置2000は、導入筒83に回転可能に外嵌される筒状部材2200と、その筒状部材2200の外周側に配設されると共に球を所定の経路で流下させる案内部材2300と、導入筒83を中心に揺動可能に配設されると共に筒状部材2200へ向けて光を照射する光照射装置2400と、筒状部材2200の正面側に配設されると共に案内部材2300に当接される態様で配設され、光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材2500と、を備える。
光演出装置2000の配設位置の上側において、外壁部82に第1流下孔2084及び第2流下孔2085が球の直径より若干大きな内径で穿設される。
第1流下孔2084は、導入筒83の正面視左方に形成され、その第1流下孔2084の下側に案内部材2300が外壁部82の下方に垂下げられる態様で固着される。
案内部材2300は、第1流下孔2084を通過して流下する球を所定経路で流下させるためのレールとなる部材であって、十分な剛性を有する樹脂材料により形成され、一方の端部を外壁部82の下端に固着され、その一方の端部の反対側の端部である他方の端部が筒状部材2200へ向けて延設されると共に組立状態(図17参照)において筒状部材2200の本体部2220の側面に近づけられる態様で形成される滑り部2320と、その滑り部2320の延設端から鉛直下方向へ延設される落下案内部2330と、その落下案内部2330の球が流下する側(図17右側)が増厚して形成される増厚部2340と、滑り部2320の正面側および背面側の側面および落下案内部2330の背面側の側面からガイド状に延設されるガイド部2350と、を備え、第1流下孔2084を流下した球は、案内部材2300に沿って流下され、筒状部材2200の低透過率部2230に当接される。
滑り部2320、落下案内部2330及び増厚部2340は、球が流下する側の側面(図17右側)が、平板上に形成される。そのため、案内部材2300との関係では、球は流下中に鉛直下方および正面側に移動可能となる。一方、後述するように、装飾部材2500が正面側に配設され、球が正面側へ移動することが規制されるので、球の流下経路は鉛直下方に規制される。
第2流下孔2085は、導入筒83の正面視右方に形成されると共に、光照射装置2400の被衝突部2414の真上に形成される。第2流下孔2085を通って流下する球は、被衝突部2414に衝突し、その際に生じる衝突力により光照射装置2400の基盤部2410が揺動されるが、詳細については後述する。
筒状部材2200は、その外周面にらせん状に形成される低透過率部2230の間に周面部2240が形成される。なお、低透過率部2230の断面形状と、第1実施形態における低透過率部1230の断面形状との技術的特徴は共通するので、その説明を省略する。
周面部2240は、軸心を通る平面における断面形状が、筒状部材2200の内側に凹んだ凹面形状に形成される。次いで、図18を参照して、周面部2240の形状による光の屈折作用について説明する。
図18は、軸心を通る平面で断面視した筒状部材2200の部分拡大断面図である。なお、筒状部材2200の外周側が図18の左方、内周側が図18の右方として図示されると共に、切断面部分のみが図示される。
周面部2240は、軸心を通る平面における断面形状が、筒状部材2200の内側に凹んだ凹面形状に形成されるので、周面部2240の中心を通過する光は直進し、周面部の中心から離れた位置を通過するほど光は屈折される。そのため、図18に示すように、筒状部材2200の内周側に配設される光源L21から筒状部材2200の外周側へ向けて照射される光は、筒状部材2200の外周側から視認されると、仮想光源L22から照射されるように視認される。
即ち、筒状部材2200の正面側で、光照射装置2400(図17参照)から照射される光を筒状部材2200を通して視認する遊技者にとって、光は筒状部材2200の周面部2240の中心側(隣り合う低透過率部2230の間を結ぶ線の中点の集合)に寄せられた態様(光が縮められて、低透過率部2230から離された態様)で視認される。よって、光が筒状部材2200の低透過率部2230で分割される作用をより顕著なものにすることができる。
なお、上述した光の屈折の作用は、凹面形状の曲面が光源L21側に形成されているか、光源L21の反対側に形成されているかに関わらず生じ、また、凹面形状の曲面が周面部2240の内側および外側両面に形成されていても生じる。そのため、筒状部材2200の背面側に配設される光照射装置2400(図17参照)から照射される光は、筒状部材2200の背面側部分に形成される周面部2240を通過することで一度屈折され、筒状部材2200の正面側部分に形成される周面部2240を通過することで再度屈折される。次いで、図19を参照して、筒状部材2200の背面側の部分である第1半筒部分2201を通して視認される光の模様について説明する。
図19(a)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の正面図であり、図19(b)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の側面図である。なお、図19(a)及び図19(b)は、筒状部材2200を軸心を含む平面で半分に分割した形状からなる第1半筒部材2201が背面側に配置された状態が図示され、その第1半筒部材2201と一対をなし、正面側に配置される部分である第2半筒部材2202が破線で図示される。また、図19(a)は、光照射装置2400の光源1420から照射される光が筒状部材2200の第1半筒部材2201を通して視認される場合の光の模様が図示され、図19(b)は、光照射装置2400の光源1420から照射される光の経路が矢印で図示される。
図19(b)に示すように、光照射装置2400の光源1420からは指向性の弱い光が照射され、筒状部材2200は背面側から幅方向広範囲に光を照射される。また、その照射される光は、正面視において筒状部材2200の軸心付近で最も明るさの度合いが強く、筒状部材2200の軸心から離れるほど明るさの度合いが弱められる態様で視認される。
上述したように、筒状部材2200の周面部2240に視認される光は、周面部2240の凹面形状の作用により、それぞれ周面部2240の中心側に寄せられた態様で視認される。よって、視認される光の模様が低透過率部2230から遠ざけられるので、低透過率部2230により分割される光の境界が、よりはっきりと判別可能となる。
ここで、凹面形状の曲率は自由に選択可能である。例えば、凹面形状の曲率を小さく形成することで、筒状部材2200の周面部2240に視認される光の模様を、より細幅にすることができる。次いで、図20を参照して、筒状部材2200を通して視認される光の模様について説明する。
図20(a)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の正面図であり、図20(b)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の側面図である。図20(a)は、光照射装置2400の光源1420から照射される光が筒状部材2200を通して視認される場合の光の模様が図示され、図20(b)は、光照射装置2400の光源1420から照射される光の経路が矢印で図示される。
上述したように、筒状部材2200の周面部2240は凹面形状の作用により、それぞれ周面部2240の中心側に寄せられた態様で視認される。さらに、上述した凹面形状の作用は、筒状部材2200の背面側の部分である第1半筒部材2201及び正面側の部分である第2半筒部材2202で生じる。そのため、第1半筒部材2201で細幅の外形に分割された光は、第2半筒部材2202により、細幅の光の長幅方向を分割される態様で更に分割される。
即ち、正面視において、筒状部材2200を通して視認される光照射装置2400の光源1420から照射される光の模様は、低透過率部2230で四方を囲まれた領域に縮められて視認される。よって、筒状部材2200の周面に、互いに離間した複数の光が形成されるように視認させることができる。これにより、光照射装置2400に配設される光源1420の個数を抑制しながら、筒状部材2200を通して視認される光の個数を増加させることができる。
また、例えば、光照射装置2400の光源1420の形状が星型に形成される場合、低透過率部2230で四方を囲まれた各領域に形成される光の外形は、それぞれ星型に形成されるので、光源の形状の工夫を損なうことなく、筒状部材2200を通して視認される光の個数を増加させることができる。
ここで、周面部2240の凹面形状の曲率は自由に選択可能である。周面部2240の凹面形状の曲率を小さく形成することで、正面視において低透過率部2230で四方を囲まれた領域に視認される光の模様を、より小径にすることができる。この場合、分割された光が別々のものとして判別され易くなり、光の個数を増加させることによる演出効果を向上させることができる。
次いで、図21及び図22を参照して、光照射装置2400の揺動について説明する。まず、図21を参照して、光照射装置2400の形状について説明する。
図21(a)は、光照射装置2400の上面図であり、図21(b)は、光照射装置2400の正面図であり、図21(c)は、光照射装置2400の側面図である。
図21に示すように、光照射装置2400は、背面側から筒状部材2200(図17参照)及び装飾部材2500(図17参照)へ光を照射する装置であり、導入筒83に外嵌固定される基盤部2410と、その基盤部2410の正面側に複数固定される光源1420と、を備える。本実施形態では、第1実施形態と同様に、光源1420が、基盤部2410の中心軸上に、即ち、組立状態(図17参照)における正面視において筒状部材2200の軸心上に、上下等間隔に4個配設される。
基盤部2410は、導入筒83に外嵌固定される凹設部を一方の端部に備える嵌め込み部2411と、その嵌め込み部2411に、組立状態(図17参照)において導入筒83の中心軸を中心とする円に沿って曲げられた長穴形状で、穿設される摺動孔2412と、嵌め込み部2411の形成される一方の端部の反対側の端部である他方の端部から鉛直下方へ延設されると共に光源1420が正面側に配設される矩形板形状の本体部2413と、嵌め込み部2411の一方の端部の側面に張り出して形成される板状部であり、正面側より背面側の方が、下降された態様で形成される被衝突部2414と、を備える。
被衝突部2414は、組立状態(図17参照)において流下孔2285の鉛直下方に形成される部分であり、被衝突部2414が、流下孔2285を流下した球に衝突されることにより、光照射装置2400が導入筒83を中心に揺動される。被衝突部2414は、背面側ほど下降された態様に形成されるので、球が被衝突部2410に衝突されることにより、光照射装置2400は、上面視(図21(a)参照)時計回りに揺動される。
本実施形態では、摺動孔2412の内周側を、遊技盤13の背面側に固着される摺動軸P21(図22参照)が摺動することにより、光照射装置2400の揺動方向に大きな荷重が負荷されても、摺動軸P21と摺動孔2412の端部とが当接され、光照射装置2400の揺動角度が規制される。また、光照射装置2400は揺動されたとしても、図示しないねじりバネの付勢力R21(図22参照)により、初期位置に復帰される。
よって、通常時は筒状部材2200の軸心付近に光の出力方向を向けておいて、球が被衝突部2414に衝突した場合にのみ光照射装置2400を揺動させ、光の出力方向を変化させるという演出を行うことができる。次いで、図22を参照して、光照射装置2400が揺動されることによる、正面視における筒状部材2200を通して視認される光の模様の変化を説明する。
図22(a)及び図22(b)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の上面図であり、図22(c)及び図22(d)は、筒状部材2200及び光照射装置2400の正面図である。なお、図22(a)及び図22(c)は、光照射装置2400が初期位置に配置された状態が図示され、図22(b)及び図22(d)は、光照射装置2400が揺動された状態が図示される。
図22(a)に示すように、初期位置では、光照射装置2400に付勢力R21が働き、光照射装置2400の摺動孔2412の上面視右端が摺動軸P21に当接された状態で光照射装置2400の姿勢が維持される。この場合、正面視において、照射される光の明るさの度合いは、筒状部材2200の軸心付近で最も強くなり、軸心から離れるにつれて明るさの度合いが弱められる。
図22(a)の状態から、第2流下孔2085(図17参照)を通過した球が被衝突部2414に衝突されると、光照射装置2400に回転力F21が作用され、光照射装置2400が上面視時計回りに揺動される(図22(b)参照)。この場合、正面視において視認される光は、筒状部材2200の軸心から所定距離左方にずれた位置において最も明るさの度合いが強く視認される。即ち、光照射装置2400が揺動されることで、光の出力方向が左方に移動される態様で視認される。
更に、光照射装置2400には、付勢力R21が作用されるため、光照射装置2400は再度初期位置に復帰される。それに伴って、光の出力方向が正面視右方に移動される態様で視認される。従って、球が光照射装置2400の被衝突部2414に衝突することで、光の明るさの度合いが強く形成される位置が左右方向に往復する態様で視認される。
ここで、光照射装置2400の光の出力方向を変化させる方法としては、光源1420の光の出力方向を駆動モータ等で制御して変化させることも考えられるが、その場合、駆動源の材料コストや、駆動源を制御する制御コスト等が必要となる。
一方、本実施形態によれば、球が被衝突部2414に衝突するたびに、正面視における光の出力方向が左右方向に往復されるので、光が左右に振動する演出は行いながら、駆動モータ等の配設は不要とすることができる。よって、光の演出効果を向上させると共に、駆動源に必要とされる材料コストや制御コストは抑制することができる。
また、第1実施形態で上述したように、筒状部材2200(筒状部材1200,図11参照)が回転されることで、筒状部材2200の周面に視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様は軸心方向に移動される態様で視認される。一方で、光照射装置2400が揺動されることで光の出力方向が左右方向に振動される態様で視認される。よって、光が上下左右に移動する態様の演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
光を上下左右に移動させる態様においても、光を移動させる駆動力は流下する球の運動エネルギーのみであるので、光の演出効果を向上させると共に、駆動源に必要とされる材料コストや制御コストを抑制することができる。
次いで、図23から図26を参照して、第1流下孔2084を通過した球の流下経路が分岐される仕組みについて説明する。まず、図23を参照して、筒状部材2200の低透過率部2230の形成パターンについて説明する。
図23は、筒状部材2200の展開図である。なお、筒状部材2200の外周側が正面側に図示されると共に、理解を容易にするために低透過率部2230の形状が簡略化して図示される。
図23に示すように、低透過率部2230は、2重らせん状に形成され、球の直径より大きな幅で分断される部分を有する第1らせん状部2230aと、筒状部材2200の下端付近で傾斜角度が変化される第2らせん状部2230bと、を備える。第1らせん状部2230a及び第2らせん状部2230bは、筒状部材2200の上端部から下端部に亘ってそれぞれ延設される。
ここで、低透過率部2230の傾斜角度とは、例えば正面視において、筒状部材2200の軸心と低透過率部2230とがなす角度を意味する。
第1らせん状部2230aは、筒状部材2200の周面からの張り出しが部分的に抑制される分断部を有し、第2らせん状部2230bは、傾斜角度が変化される起点となる折れ曲がり部2233を有する。
ここで、分断部は、組立状態(図17参照)において、装飾部材2500の分岐溝2531(図24参照)の形成される高さに対応する位置(分岐溝2531が形成され始める高さ)に形成される。
次いで、図24を参照して、組立状態(図17参照)において、案内部材2300に背面が当接される態様で配設され、流下する球を案内する役割を有する装飾部材2500の形状について説明する。図24(a)は、装飾部材2500の正面図であり、図24(b)は、装飾部材2500の背面図であり、図24(c)は、装飾部材2500の上面図である。なお、図24(c)は、組立状態(図17参照)における筒状部材2200の外形が破線で図示される。
図24に示すように、装飾部材2500は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、矩形板形状に形成される本体部2510と、その本体部2510の背面側に本体部2510と平行に形成されると共に遊技盤13(図2参照)に締結される締結孔を有する板形状の締結部2520と、本体部2510から締結部2520まで延設されると共に組立状態(図25参照)において筒状部材2200と同心円形状の曲面が背面側に形成される連結部2530と、を備える。
本体部2510は、背面側に帯状に張り出して形成されると共に組立状態(図25参照)において筒状部材2200の軸心方向に対して傾斜した方向に沿った複数列の波状に形成される低透過率部2511と、その低透過率部2511と交差する態様(即ち、組立状態で正面視において低透過率部2511の延設方向と交差する態様)で正面側に張り出して形成される複数の帯状部2512と、を備える。なお、低透過率部2511及び帯状部2512の断面形状の技術的思想は、第1実施形態における低透過率部1511及び帯状部1512の断面形状の技術的思想と同一なので、説明を省略する。
図24(a)に示すように、帯状部2512は、装飾部材2500の正面側に上下(図24(a)上下位置)に2筋が形成されると共に、正面視において低透過率部2511と交差するごとに、張り出す部分と平坦化される部分とが交互に形成される。また、隣り合う一対の低透過率部2511に挟まれる領域において、2筋の帯状部2512の内のどちらか一方の筋の帯状部2512が張り出す場合には、その一方の反対側の他方の筋の帯状部2512は平坦化される態様で形成される。よって、後述するように、装飾部材2500を通して視認される移動する光(図27参照)の模様の変化を複雑なものとすることができる。
装飾部材2500の連結部2530は、図24(c)に示すように、背面に屈曲した溝状に形成されると共に球が案内されて流下可能な形状に形成される分岐溝2531(図24(b)参照)を有する。
分岐溝2531は、装飾部材2500の連結部2530の背面部分から本体部2510へ向けて下降傾斜され、所定位置で屈曲され鉛直下方に延設されると共に装飾部材2500の下端まで延設される溝形状に形成される(図24(b)参照)。ここで、分岐溝2531が、連結部2530の背面側から形成され始める高さ方向の位置(図24(b)上下方向位置)は、組立状態(図25参照)において、筒状部材2200の第1らせん状部2230aの分断部が形成される高さ方向の位置と一致する態様で形成されるので、後述するように、球の流下する経路を分岐させることができる。
分岐溝2531の深さ寸法および幅寸法は、組立状態(図25参照)において、筒状部材2200の周面部2240に当接されて流下する球が通過可能な寸法に形成される。本実施形態においては、分岐溝2531の幅寸法は、球の直径より若干大きな寸法に形成され、分岐溝2531の深さ寸法は、組立状態において、筒状部材2200の周面部2240に当接されて球が流下する場合に、若干隙間が空く寸法に形成される。よって、球が装飾部材2500の分岐溝2531に沿って流下可能に形成される。
分岐溝2531の形成深さよりも側面側(図24(b)右方)に形成される連結部2530の背面部分は、組立状態(図25参照)において、案内部材2300の落下案内部2330の正面側の側面と当接可能に形成される。それに伴い、分岐溝2531の形成深さよりも中央側(図24(b)左方)に形成される連結部2530の背面部分は、組立状態において、案内部材2300のガイド部2350と対向配置され、球が案内部材2300に沿って流下する際の正面側のガイドとして機能する。
即ち、組立状態(図25参照)において、第1流下孔2084を流下した球は、案内部材2300の落下案内部2330(若しくは増厚部2340)、ガイド部2350、筒状部材2200の周面部2240及び装飾部材2500の連結部2530の背面側の側面により形成される経路で流下される。
ここで、案内部材2300に沿って球が流下する態様について、図25及び図26を参照して説明する。まず、図25を参照して、球と筒状部材2200の低透過率部2230との当接開始時において、球が、第1らせん状部2230aに当接して流下する場合を説明する。
図25は、球が案内部材2300に沿って流下する過程を時系列で説明する図であり、図25(a)から図25(c)は、組立状態における筒状部材2200、案内部材2300及び装飾部材2500の正面図である。なお、光照射装置2400の図示が省略され、筒状部材2200は、装飾部材2500に遮蔽される部分が破線で図示され、装飾部材2500は、分岐溝2531が破線で図示されると共に、理解を容易にするために低透過率部2511及び帯状部2512の図示が省略される。なお、図25(b)は、図25(a)に図示された状態から球が所定距離流下した状態が図示され、図25(c)は、図25(b)に図示された状態から球が所定距離流下した状態が図示される。
図25(a)に示すように、球は筒状部材2200の第1らせん状部2230aに当接して流下される。ここで、球は水平方向への移動を案内部材2300の落下案内部2330、ガイド部2350、筒状部材2200の周面部2240及び装飾部材2500の連結部2530の背面側の側面により防止されるので、球は鉛直下方に流下され、その球の自重により筒状部材2200の低透過率部2230が押されることにより、筒状部材2200が回転される。筒状部材2200が回転されることにより、球と低透過率部2230との当接位置が下方に移動され、それに伴い球が下方に流下される。
なお、球が流下することにより、筒状部材2200が回転され、筒状部材2200の周面にらせん状に形成される低透過率部2230が回転されるので、第1実施形態で上述した通り、回転される筒状部材2200を通して視認される光は、筒状部材2200の軸心方向に移動される態様で視認されるが、第1実施形態で説明した技術思想と同様の技術思想なので、説明が省略される。
球が、図25(b)の位置まで流下すると、球の下側に、第1らせん状部2230aの分断部が配置される。即ち、球を下から支えていた低透過率部2230が、球の下に形成されなくなり、球が鉛直下方へ流下する際の抵抗が最小となる。そして、球は鉛直下方へ流下し、第2らせん状部2230bに当接する。そして、図25(c)に示すように、球は低透過率部2230の傾斜角度が小さく変化する部分(折れ曲がり部2233より下方の部分)を通って筒状部材2200の下方に流下する。即ち、球が流下する過程において、流下する位置は、終始、筒状部材2200の正面視左方とされる。
また、筒状部材2200の回転速度に着目すると、図25(a)から図25(b)までは、約一定の速度で球が流下し、それに伴い筒状部材2200の回転速度も約一定となると考えられるが、図25(b)においては、球が自由落下するので、筒状部材2200に対して作用される球の自重による力が無くなり、筒状部材2200の回転速度は図25(a)の状態に比べて小さくなる。
更に、図25(c)では、球に当接される低透過率部2230の内、折れ曲がり部2233より下方の傾斜角度が図25(a)の場合よりも小さく形成される。そのため、図25(a)の状態から球が所定距離流下する場合に筒状部材2200が回転される回転角度は、図25(c)の状態から球が所定距離流下する場合に筒状部材2200が回転される回転角度よりも大きくなる。
例えば球が同じ速度で流下したとすると、図25(a)の状態から球が所定距離流下する場合に比べて、図25(c)の状態から球が所定距離流下する場合の方が、筒状部材2200の回転角度は小さくなる。そのため、球の流下速度が変動しにくい場合であっても、筒状部材2200の回転速度を変化させることができる。
よって、図25に示す経路で球が流下する過程において、筒状部材2200の回転速度が変化可能に形成される。そのため、筒状部材2200が回転されることで光が筒状部材2200の軸心方向に移動される演出を複雑なものとすることができ、演出効果を向上させることができる。
また、図25(c)に示すように、低透過率部2230の傾斜角度が小さい部分は筒状部材2200の下端部分(折れ曲がり部2233より下方の部分)のみに形成され、低透過率部2230の傾斜角度が小さい部分に当接した状態で球は筒状部材2200の下方に排出される。そのため、低透過率部2230の傾斜角度が小さい部分に当接して球が流下する場合の筒状部材2200の回転速度を遊技者が記憶しておけば、筒状部材2200の回転速度を確認することで筒状部材2200の下端から球が排出されるタイミングを確認することができる。よって、球(若しくは球の影Sh)に注目せずとも、筒状部材2200を通して視認される外観の変化の態様を確認することで、球の流下位置を確認することができる。
次いで、図26を参照して、球と筒状部材2200の低透過率部2230との当接開始時において、球が筒状部材2200の第2らせん状部2230bに当接して流下する場合を説明する。
図26は、球が案内部材2300に沿って流下する過程を時系列で説明する図であり、図26(a)から図26(c)は、組立状態における筒状部材2200、案内部材2300及び装飾部材2500の正面図である。なお、光照射装置2400の図示が省略され、筒状部材2200は、装飾部材2500に遮蔽される部分が破線で図示され、装飾部材2500は、締結部2520及び分岐溝2531が破線で図示されると共に、理解を容易にするために低透過率部2511及び帯状部2512の図示が省略される。なお、図26(b)は、図26(a)に図示された状態から球が所定距離流下した状態が図示され、図26(c)は、図26(b)に図示された状態から球が分岐溝2531に沿って流下した状態が図示される。
図26(a)に示すように、球は筒状部材2200の第2らせん状部2230bに当接して流下される。ここで、球は水平方向への移動を案内部材2300の落下案内部2330、ガイド部2350、筒状部材2200の周面部2240及び装飾部材2500の連結部2530の背面側の側面により防止されるので、球は鉛直下方に流下され、その球の自重により筒状部材2200の低透過率部2230が押されることにより、筒状部材2200が回転される。筒状部材2200が回転されることにより、球と低透過率部2230との当接位置が下方に移動され、それに伴い球が下方に流下される。
球が図26(b)の位置まで流下すると、球の正面側に装飾部材2500の分岐溝2531が配置される。球は下方に流下する場合には、筒状部材2200を回転させることで流下するので、筒状部材2200から抵抗力を受ける。そのため、球は下方に流下するよりも、分岐溝2531へ向けて流下する方が抵抗が低くなる。よって、球は分岐溝2531を通って流下される。
そして、図26(c)に示すように、球は、筒状部材2200の正面側を通って下方に流下される。即ち、球は流下する過程において、途中までは筒状部材2200の正面視左方において鉛直下方に流下するが、途中から筒状部材2200の正面側を通って下方に流下する。
よって、球が、筒状部材2200の第1らせん状部2230aに当接されるか、第2らせん状部2230bに当接されるかによって、球が流下する経路を変化させることができる。
第1実施形態で上述したように、球は、正面視において、光照射装置2400(図21参照)から照射される球の影Shを生じ、球が流下することでその球の影Shが移動されるので、光の中に影を作るという演出を行うことができる(図16参照)。本実施形態では、更に、球の流下経路を分岐させることができるので、光の中に生じる球の影Shの移動経路を複数形成可能とし、球の影Shによる演出のパターンを増加させることができる。
なお、球が、筒状部材2200の第1らせん状部2230aに当接されるか、第2らせん状部2230bに当接されるかは、球が流下された時の筒状部材2200の姿勢により決定される。そして、例えば、球が筒状部材2200の下方へ排出されたあと、筒状部材2200の回転が終了するまでの時間にばらつきが生じる場合には、球が流下された時の筒状部材2200の姿勢はランダムに決定される。そのため、流下する球が筒状部材2200から排出された後で筒状部材2200の回転が停止される時の筒状部材2200の姿勢は不規則に変化される。よって、球の流下経路の選択(球が第1らせん状部2230aに当接されるか第2らせん状部2230bに当接されるかの選択)も不規則となり、球の経路を分岐させることによる演出を不規則なものとし、その演出効果を向上させることができる。
また、球と筒状部材2200の低透過率部2230との当接開始時において、球が、第1らせん状部2230aに当接される場合も、第2らせん状部2230bに当接される場合も、筒状部材2200の下方から球が排出される直前は低透過率部2230の傾斜角度が小さい部分(折れ曲がり部2233の下側部分)に当接される態様で形成される。
よって、球と筒状部材2200の低透過率部2230との当接開始時において、球が、第1らせん状部2230aに当接されるか、第2らせん状部2230bに当接されるかに関わらず、球が所定距離流下する場合に筒状部材2200が回転される回転角度は、球と低透過率部2230との当接直後よりも球が筒状部材2200の下方に排出される直前の方が小さくなる。
よって、球と筒状部材2200の低透過率部2230との当接開始時において、球が、第1らせん状部2230aに当接されるか、第2らせん状部2230bに当接されるかに関わらず、筒状部材2200の回転速度が変化可能に形成される。そのため、筒状部材2200が回転されることで筒状部材2200の軸心方向に移動される光の移動速度が変化可能に形成されるので、光の移動速度が一定速度となることで演出が単調となることを防止でき、筒状部材2200を通して視認される光の移動による演出効果を向上させることができる。
また、低透過率部2230の傾斜角度が小さい部分に当接して球が流下する場合の筒状部材2200の回転速度を遊技者が記憶しておけば、筒状部材2200の回転速度を確認することで筒状部材2200の下端から球が排出されるタイミングを確認することができる。よって、球(若しくは球の影Sh)に注目せずとも、筒状部材2200を通して視認される外観の変化の態様を確認することで、球の流下位置を確認することができる。
次いで、図27を参照して、帯状部2512を横断する光の外形の変化について説明する。図27は、装飾部材2500を通して視認される光が上下方向に移動することによって生じる外観の変化を時系列で説明する図であり、図27(a)及び図27(b)は、装飾部材2500の部分拡大正面図である。なお、図27(b)は、図27(a)に図示された状態から光が下方に移動された状態が図示される。なお、装飾部材2500を通して視認される光が下方に移動される技術的思想は、装飾部材1500を通して視認される光が下方に移動される技術的思想と同一なので、ここでは説明を省略する。
図27(a)及び図27(b)に示すように、光は、帯状部2512に差し掛かる前は、装飾部材2500の左右の位置に関わらず均一な幅で視認される。一方、光が帯状部2512に差し掛かると、帯状部2512付近の光の幅方向(帯状部2512の延設方向と直交する方向)が縮められる。
装飾部材2500は、上述したように、帯状部2512が、一対の低透過率部2511に挟まれる領域ごとに、張り出す部分と平坦化される部分とが交互に形成される。そのため、上側の筋の帯状部2512に光が差し掛かることで光が縮められる部分と、下側の筋の帯状部2512に光が差し掛かることで光が縮められる部分とでは、その部分が挟まれる一対の低透過率部2511が異なる。即ち、一対の低透過率部2511で挟まれる領域をそれぞれ周面A,Bとして表現する場合に、上側の筋の帯状部2512に光が差し掛かることで光が縮められる周面Aと、下側の筋の帯状部2512に光が差し掛かることで光が縮められる周面Bとが異なる。
この場合、例えば、上側の筋の帯状部2512に光が差し掛かった場合は、周面Aでは光が縮められる一方、隣接する周面Bでは光は縮められない。また、下側の筋の帯状部2512に光が差し掛かった場合は、周面Bでは光が縮められる一方、隣接する周面Aでは光は縮められない。
よって、光の外形において、光が縮められる部分と光の外形が維持される部分とが帯状部2512の筋に沿って交互に(周面Aと周面Bとで交互に)形成されるので、装飾部材2500を通して視認される光の模様をより複雑な形状にすることができる。
また、上下に移動される光が装飾部材2500を通して視認される場合に、光が帯状部2512に差し掛かる際に光が縮められる周面を、複数の帯状部2512の位置(上側か下側か)により、周面Aか周面Bかで異ならせることで、視認される光の外形の変化をより複雑なものとすることができる。
よって、装飾部材2500を通して視認される移動する光の模様が、その移動中に変化される態様が複雑なものとなり、また、その光の模様の変化を、装飾部材2500の任意の位置で行わせることができるので、光演出装置2000(図17参照)の演出効果を向上させることができる。
ここで、例えば、装飾部材2500の背面側から、装飾部材2500の幅方向全域に光が照射され、その光が上下方向(図27上下方向)に移動される場合に、装飾部材2500の正面側から装飾部材2500を通してその光を視認すると、あたかも隣り合う低透過率部2511の間において光が低透過率部2511に沿って移動されるように視認できる。
そのため、組立状態(図17参照)において、筒状部材2200が回転されることで、光が筒状部材2200の軸心方向に移動されるように視認される場合に、装飾部材2500を通してその光の移動を視認すると、装飾部材2500の低透過率部2511に沿って光が移動されるように視認される。よって、光が筒状部材2200の軸心方向に傾斜して移動するように視認させることができ、光の移動による演出効果を向上させることができる。
次いで、図28から図31を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態の光演出装置1000では、球が筒状部材1200に当接された状態で鉛直下方へ流下する過程で、球が筒状部材1200の低透過率部1230を自重による力で押して進むことで筒状部材1200が回転される場合を説明したが、第3実施形態の光演出装置3000では、球が、筒状部材3200の内周側に形成される伝達部3300に衝突することで、筒状部材3200が回転される場合を説明する。なお、各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図28は、光演出装置3000の正面斜視図である。図28は、筒状部材3200の側面および装飾部材1500の図示が部分的に省略されると共に、筒状部材3200の内部構造が部分的に図示される。
図28に示すように、光演出装置3000は、外壁部82に形成される導入筒3083を球が流下する場合に通過する経路に配設されるものであり、導入筒3083に回転可能に外嵌される筒状の筒状部材3200と、導入筒3083に回転不能に外嵌されると共に筒状部材3200へ向けて光を照射する光照射装置1400と、筒状部材3200の正面側に配設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材1500と、を備える。
導入筒3083は、外壁部82の下方に延設される金属材料から形成される筒状の部材であって、短径方向の内径寸法が球の直径よりも若干大きくされると共に遊技盤13(図2参照)の左右方向に長径方向を向けて形成される長穴の周囲に一方の端部が固定され、その一方の端部の反対側の端部である他方の端部の外周面に周囲に渡って円環状に形成される溝形状の外嵌溝3083a(図30参照)を有する。
導入筒3083は、一方の端部から他方の端部へ向かうにつれて内径の長径方向が縮径され、他方の端部においては筒形状の内径および外径が円形状となる態様で形成されると共に、長径方向における縮径の度合いが非対象とされる(図30参照)。そのため、導入筒3083へ球が入球する向きの内、導入筒3083の長径方向への向きの自由度を向上させることができ、導入筒3083の下端において、筒状部材3200を回転可能に外嵌することができると共に、導入筒3083の長径方向の内周面にそって球が流下する向きによって、流下する球の筒状部材3200の軸心に対する流下方向(軸心に対する角度)を複数種類形成することができる。
筒状部材3200は、筒形状を軸心を含む平面で分割した形状からなる部材が互いに向き合い嵌め合わせられることで断面円形状に組立てられ、組立状態(図28参照)において、導入筒3083の外嵌溝3083a(図30参照)に回転可能に外嵌される。更に、筒状部材3200は、導入筒3083の外嵌溝3083aに外嵌される摺動端部3211を一方の端部(図28上側)に備え、その一方の端部から他方の端部(図28下側)へ向けて同心円状に拡径して形成されると共に金属材料から形成される拡径部3210と、その拡径部3210の他方の端部に一方の端部(図28上側)が外嵌固定され、その一方の端部から、反対側の端部である他方の端部(図28下側)へ向かうにつれて縮径される態様で形成されると共に光透過性の樹脂材料から形成される本体部3220と、その本体部3220の上端付近に形成されると共に本体部3220の内周面から軸心付近まで延設される複数の伝達部3300と、を備える。
拡径部3200は、金属材料から形成されるため、摺動端部3211が外嵌溝3083a(図30参照)に摺動される際に部材が変形したり、削れたりすることを抑制でき、筒状部材3200の耐久性を向上させることができる。また、摺動摩擦により、筒状部材3200が回転しづらくなった場合でも、油をさすことで、筒状部材3200を回転しやすくすることができる。なお、拡径部3200を形成する金属材料としては、真鍮やアルミニウム等が例示される。
本体部3220は、その内周面に2重らせん状に張り出して形成される低透過率部3230(図31参照)と、その低透過率部3230の形成される周面を連結する周面であって径方向の厚みが一定とされる周面部3240と、を備え、一方の端部(図28上側)から、他方の端部(図28下側)へ向かうにつれて軸心に直交する平面における断面形状が同心円形状で縮径され、他方の端部において球が排出可能な開口が形成される。なお、低透過率部3230の断面形状の技術的思想は、第1実施形態における低透過率部1230の断面形状の技術的思想と共通なので、説明を省略する。
また、筒状部材3200は、導入筒3083に片側で外嵌され、軸支されるので、筒状部材3200の回転時の摩擦は筒状部材3200の両端で発生するわけではなく、摺動端部3211に発生する摩擦に限定される。よって、筒状部材3200の回転時の摩擦を低減することができる。
次いで、図29を参照して、伝達部3300の形状について説明する。図29(a)は、筒状部材3200の本体部3220の上面図であり、図29(b)は、図29(a)のXXIXb−XXIXb線における伝達部3300の断面図であり、図29(c)は、図29(a)のXXIXc−XXIXc線における伝達部3300の断面図である。なお、図29(a)は、大径側から軸心方向視した形状が図示され、図29(b)及び図29(c)は、断面部分のみが図示される。
伝達部3300は、筒状部材3200の内周面から、径方向内方へ向けて等間隔に立設される6個の変形羽部を備え、それらの各変形羽部は形状が共通なので、1の変形羽部について説明し、他の変形羽部については説明を省略する。伝達部3300は、樹脂材料から形成され、筒状部材3200の周面付近において形成される第1被衝突面3310と、筒状部材3200の軸心付近において形成される第2被衝突面3320と、第1被衝突面3310及び第2被衝突面3320を径方向に連結する棒形状の連結部3330と、を備える。
なお、上面視において、筒状部材3200の周面付近で最も空隙が広くなる隣り合う第1被衝突面3310の空間の距離G31は、球の直径に比較して小さく形成されるので、筒状部材3200の周面付近において、筒状部材3200の内周側を流下する球は、いずれかの第1被衝突面3310に必ず衝突する。そのため、筒状部材3200は、流下する球に衝突されることにより回転され、その後、球は第1被衝突面3310及び第2被衝突面3320の上下方向の間隙(図28参照)を通過して球は流下される。
また、上面視において、筒状部材3200の軸心を挟んで向かい合う第2被衝突面3320の空間の距離G32は、球の直径に比較して大きく形成されるので、筒状部材3200の軸心付近を流下する球は、伝達部3300のいずれの部分にも衝突せず流下可能に形成される。
図29(b)に示すように、伝達部3300の第1被衝突面3310は、筒状部材3200の径方向内側から視認される形状が、右方に下降傾斜される板形状に形成される。そのため、球が流下し、第1被衝突面3310に衝突する場合には、筒状部材3200が上面視反時計回りに回転される。本実施形態では、鉛直方向に対する傾斜角度がθで形成される。
図29(c)に示すように、伝達部3300の第2被衝突面3320は、筒状部材3200の径方向内側から視認される形状が、左方に下降傾斜される板形状に形成される。そのため、球が流下し、第2被衝突面3320に衝突する場合には、筒状部材3200が上面視時計回りに回転される。本実施形態では、鉛直方向に対する傾斜角度が第1被衝突3310の傾斜角度と等しくθで形成される。
即ち、球が第1被衝突面3310又は第2被衝突面3320に衝突することで、筒状部材3200を時計回り又は反時計回りの両方向に回転可能とされるので、後述するように、筒状部材3200が回転されることで、正面視において視認される光が上向きに移動される態様で遊技者に視認させることも下向きに移動される態様で遊技者に視認させることもできる。
ここで、第1被衝突面3310及び第2被衝突面3320は、傾斜される方向が鉛直方向に対して逆方向に形成されると共に、傾斜角度が等しいθで形成されるため、流下する球が、例えば、鉛直下向き及び等速で第1被衝突面3310又は第2被衝突面3320に衝突した場合、その衝突により筒状部材3200が受ける回転方向の衝突力の大きさは等しい。しかし、衝突が起きる筒状部材3200の軸心からの距離が異なるので、生じる回転トルクが異なる。
即ち、球が第1被衝突面3310に衝突する場合の方が、球が第2被衝突面3320に衝突する場合に比べ、回転トルクが大きくなる。回転トルクが大きい場合の方が、筒状部材3200は、より高速で回転される。
よって、球の衝突により回転される筒状部材3200は、上面視時計回りに回転する場合の回転速度に比べて、上面視反時計回りに回転する場合の回転速度の方が大きくなる。これにより、正面視で視認される光が、筒状部材3200が回転されることにより筒状部材3200の軸心方向に移動されるように視認される(図31参照)際の光の移動速度を方向ごと(上向きか下向きか)で変化させることができ、光の移動の演出の速度の態様を増やすことができる。
次いで、図30を参照して、筒状部材3200の内周面を流下する球の経路と、筒状部材3200との関係について説明する。図30は、導入筒3083及び筒状部材3200の断面図である。なお、筒状部材3200の軸心および導入筒3083の一方の端部の長径方向軸を含む平面で断面視される。
図30に示すように、導入筒3083の内径は長径方向が徐々に縮径される態様で形成されると共に、その縮径の度合いが長径方向に対して非対象に形成されるので、導入筒3083の内周面にそって流下することで、球は筒状部材3200の軸心方向に対して大きく傾斜した向きで第1被衝突面3310へ向かう方向D31や、筒状部材3200の軸心方向に対して小さく傾斜した向きで第2被衝突面3320へ向かう方向D32等の経路で流下可能である。
また、例えば、球が筒状部材3200の軸心方向に沿って流下する場合には、伝達部3300の中心部の空隙(図29参照)を球が通過することで、球は伝達部3300のどこにも衝突されず、筒状部材3200は回転されない。
例えば、球が方向D31で流下した場合、球は伝達部3300の第1被衝突面3310に衝突し、筒状部材3200は上面視反時計回りに回転される。また、例えば、球が方向D32で流下した場合、球は伝達部3300の第2被衝突面3320に衝突し、筒状部材3200は上面視時計回りに回転される。
ここで、球が筒状部材3200の内周側を流下する際に、筒状部材3200を通して光が視認される場合、第1実施形態で上述したように、視認される光に球の影Sh(図16参照)が生じる。伝達部3300に至るまでの球の流下経路は複数の経路が生じうるため、正面視において、光演出装置3000を流下する球の影Shの移動経路も複数の経路が生じうる。よって、正面視において筒状部材3200を通して視認される球の影Shの移動経路の種類を増やすことができ、演出効果を向上させることができる。
次いで、図31を参照して、正面視において、筒状部材3200を通して視認される光の模様の変化について説明する。図31(a)から図31(c)は、光演出装置3000の正面図である。なお、図31(b)は、図31(a)に図示された状態から筒状部材3200が上面視反時計回りに所定角度回転された状態が図示され、図31(c)は、図31(a)に図示された状態から筒状部材3200が上面視時計回りに所定角度回転された状態が図示されると共に、図31(a)から図31(c)は、装飾部材1500の図示が省略される。
なお、筒状部材3200が回転されることで、正面視における低透過率部3230の位置が筒状部材3200の軸心方向に移動され、筒状部材3200を通して視認される光が軸心方向に移動される態様で視認される技術的思想は、筒状部材1200(図11参照)が回転されることで、筒状部材1200を通して視認される光が軸心方向に移動される態様で視認される第1実施形態で上述した技術的思想と共通なので、説明が省略される。
図31(b)に示すように、筒状部材3200が上面視反時計回り(回転方向R1)で回転されると、低透過率部3230が上方向(図31(b)上方向)に移動される。この場合、筒状部材3200を通して視認される光は、上方向に移動される態様で視認される。ここで、筒状部材3200は上方に向かうにつれて断面形状が拡径されるので、正面視において、筒状部材3200の幅や低透過率部3230に囲まれる各領域の面積が、筒状部材3200の下側よりも上側の方が大きくなる。
よって、筒状部材3200が回転され、光が上方向に移動されるにつれて、光の外形が大きくなる態様で視認される。即ち、光が移動される変化と、光が拡大される変化との2つの変化を同時に遊技者に視認させることができるので、光の演出効果を向上させることができる。
図31(c)に示すように、筒状部材3200が上面視時計回り(回転方向R2)で回転されると、低透過率部3230が下方向(図31(c)下方向)に移動される。この場合、筒状部材3200を通して視認される光は、下方向に移動される態様で視認される。ここで、筒状部材3200は下方に向かうにつれて断面形状が縮径されるので、正面視において、筒状部材3200の幅や低透過率部3230に囲まれる各領域の面積が、筒状部材3200の上側よりも下側の方が小さくなる。
よって、筒状部材3200が回転され、光が下方向に移動されるにつれて、光の外形が小さくなる態様で視認される。即ち、光が移動される変化と、光が縮小される変化との2つの変化を同時に遊技者に視認させることができるので、光の演出効果を向上させることができる。
次いで、図32から図36を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態の光演出装置1000では筒状部材1200が軸心に垂直な断面形状が円形に形成される場合を説明したが、第4実施形態の光演出装置4000では、筒状部材4200が軸心に垂直な断面形状が楕円形で形成され、筒状部材4200の外周面で筒状部材4200と併設される屈折部材4430に荷重を与えることが可能とされる場合を説明する。なお、各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図32は、光演出装置4000の正面斜視図である。図32に示すように、光演出装置4000は、外壁部82に形成される導入筒83を球が流下する場合に通過する経路に配設されるものであり、導入筒83に回転可能に外嵌される筒状の筒状部材4200と、案内部材1300(図6参照)と、導入筒83に回転不能に外嵌されると共に筒状部材4200へ向けて光を照射する光照射装置4400と、筒状部材4200の正面側に配設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材(図示せず)と、を備える。
図32に示すように、筒状部材4200は、軸心に垂直な断面形状が楕円形状に形成され、組立状態において、導入筒83の外嵌溝83a(図6参照)に回転可能に軸支される。
筒状部材4200は、導入筒83の外嵌溝83a(図6参照)に外嵌される摺動端部1211を一方の端部(図32上側)に備え、その一方の端部から他方の端部(図32下側)へ向けて拡径して形成されると共に金属材料から形成される拡径部1210と、その拡径部1210の他方の端部に一方の端部(図32上側)が外嵌固定され、その一方の端部から、反対側の端部である他方の端部(図32下側)へ同一形状で延設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される本体部4220と、を備える。
本体部4220は、第1実施形態における本体部1220(図5参照)を基本として、軸心に垂直な断面形状が、長径方向の長さDa及び短径方向の長さDb(Da>Db)から形成される楕円形状になるように外周を部分的に増厚した形状で形成される(図33(b)参照)。そのため、第1実施形態で上述したように、筒状部材4200の内周面に低透過率部1230(図6参照)が張り出して形成され、その低透過率部1230に、案内部材1300(図6参照)に沿って流下する球が当接することで、筒状部材4200が回転される。
また、本体部4220の外周面には、低透過率部1230と略同一ピッチで形成され、本体部4220の軸心に一定の傾斜角度で傾斜されるらせん状に形成されると共に、光の透過率が本体部4220の他の部分に比較して低く形成される外周側低透過率部4230が形成される。
外周側低透過率部4230は、本体部4220に形成したい外周側低透過率部4230の形状以外の部分にテープを貼ることでマスクを施し、透過率の低い塗料をスプレーし、塗料が乾いた後でテープを剥がすことで形成される。
筒状部材4200と光照射装置4400とは、後述する光照射装置4400の正面側に揺動可能に配設される屈折部材4430に筒状部材4200が当接し揺動させることが可能な関係で形成される。次いで、図33を参照して、筒状部材4200及び光照射装置4400の位置関係について説明する。
図33(a)は、筒状部材4200及び光照射装置4400の側面図であり、図33(b)及び図33(c)は、筒状部材4200及び光照射装置4400の上面図である。なお、図33(b)は、筒状部材4200が短径方向を光照射装置4400へ向けた状態が図示され、図33(c)は、筒状部材4200が長径方向を光照射装置4400へ向けた状態が図示される。
図33(a)から図33(c)に示すように、光照射装置4400は、背面側から筒状部材4200及び装飾部材1500(図5参照)へ光を照射する装置であり、導入筒83に外嵌固定される基盤部1410と、その基盤部1410の正面側に複数固定される光源1420と、光源1420の正面側に揺動可能に形成される屈折部材4430と、を備える。
本実施形態では、光源1420が、基盤部1410の中心軸上に、即ち、組立状態(図32参照)における正面視において、筒状部材4200の軸心上に上下等間隔に4個配設される。それらの光源1420の内、最も上に配設される光源1421と、上から3番目に配設される光源1423とにそれぞれ屈折部材4430が配設されると共に、それらの屈折部材4430は互いに水平方向(図33(b)紙面に沿った方向)において逆方向に揺動される態様で形成される。
図33(b)及び図33(c)に示すように、筒状部材4200及び光照射装置4400は、筒状部材4200が短径方向を光照射装置4400へ向けた状態(図33(b)参照)では、屈折部材4430に筒状部材4200が当接されず、筒状部材4200が長径方向を光照射装置4400へ向けた状態(図33(c)参照)では、屈折部材4430に筒状部材4200が当接されると共に屈折部材4430が揺動される位置関係で配置される。
屈折部材4430が揺動されることで、光照射装置4400の光源1421,1423から照射される光の進行方向が変化され、正面視において視認される光の外形の態様が変化される。次いで、図34を参照して、揺動前後の屈折部材4430の態様と、光源1421,1423から照射される光の経路について説明する。
図34(a)及び図34(b)は、光照射装置4400の基盤部1410及び屈折部材4430の上面図である。なお、図34(a)は、屈折部材4430の一端と基盤部1410との間に配設されるコイルスプリングの弾性力により屈折部材4430が基盤部1410に対して傾斜した姿勢とされる状態が図示され、図34(b)は、屈折部材4430が筒状部材4200に当接されることで屈折部材4430が基盤部1410側に押し付けられ、屈折部材4430が基盤部1410に対して平行な姿勢とされる状態が図示される。また、図34(a)及び図34(b)は、光源1420から照射される光の代表的な経路L41,L42が図示されると共に、筒状部材4200の外形が破線で図示される。
図34に示すように、屈折部材4430は、矩形板形状の本体部4431と、その本体部4431の一端に形成される爪部4432と、その爪部4432が形成される一端の反対側の他端において基盤部1410に対向する側に形成されるストッパ部4433と、を備え、光透過性の材料から形成される。なお、光透過性の材料としては、PET、PC、アクリル等の樹脂材料や、プレート状のガラス等が例示される。
本体部4431は、厚さ一定の矩形板形状に形成される。爪部4432は、本体部4431の側面から馬蹄形に張り出す一対(図34(a)参照、片方が図示される)の部分からなる。馬蹄形に張り出す一対の部分のそれぞれが、基盤部1410の正面側に上下方向に向けて延設される揺動軸に摺動可能に外嵌されることで、屈折部材4430は、基盤部1410に対して、水平方向に揺動可能に形成される。
ストッパ部4433は、基盤部1410側に開口を有する箱状に形成され、その内周側にコイルスプリングを収容可能な大きさに形成されると共に、ストッパ部4433が基盤部1410に押し付けられた状態において屈折部材4430の本体部と基盤部1410とが平行となる高さまで張り出される。なお、ストッパ部4433が基盤部1410に押し付けられた状態において、コイルスプリングはストッパ部4433に収容され、ストッパ部4433の張り出し端面は基盤部1410に当接される(図34(b)参照)。
光源1421から照射される光の経路L41,L42について説明する。図34(a)に示すように、屈折部材4430が基盤部1410に押し付けられることなく、基盤部1410に対して傾斜される姿勢を取る場合、光源1421から照射される光の内で下側の経路L41を通る光は、上側の経路L42を通る光に比較して屈折部材4430に到達するまでの距離が短くなり、屈折部材4430を通過することで、左方向(図34(a)下方向)に屈折される。
一方、図34(b)に示すように、屈折部材4430が基盤部1410に押し付けられる場合、光源1421から照射される光の内で下側の経路L41を通る光も上側の経路L42を通る光も共に、屈折部材4430に到達するまでの距離は同等となり、光源1421から照射される光は直進する。
よって、筒状部材4200へ向けて照射される光の進行方向を屈折部材4430の姿勢によって変化させることができる。ここで、屈折部材4430の姿勢の変化は、上述したように、筒状部材4200の姿勢の変化と連動するので、筒状部材4200の姿勢の変化と筒状部材4200へ向けて照射される光の進行方向(軸直角方向)の変化を連動させることができる。次いで、図35及び図36を参照して、筒状部材4200を通して視認される光の態様について説明する。
図35及び図36は、筒状部材4200及び光照射装置4400の正面図である。なお、図35は、筒状部材4200が短径方向を光照射装置4400へ向けた状態(図33(b)参照)が図示され、図36は、筒状部材4200が長径方向を光照射装置4400へ向けた状態(図33(c)参照)が図示されると共に、図35及び図36は、光源1420から照射された光が筒状部材4200を通して視認される場合の光の模様が網掛けで図示される。
図33(b)及び図35に示すように、筒状部材4200の短径方向が光照射装置4400へ向けられた状態では、屈折部材4430が光照射装置4400の基盤部1410に対して傾斜した姿勢を取るので、屈折部材4430が正面側に配設される光源1421(図33(a)の最も上)及び光源1423(図33(a)の上から3つ目)から照射される光は、水平方向へ屈折される。
上述したように、光源1421,1423の正面にそれぞれ配設される屈折部材4430は、互いに逆方向に揺動される態様で形成されるので、光源1421,1423から照射される光の屈折方向はそれぞれ逆方向になる。即ち、光源1421の正面に配設される屈折部材4430は、正面視右側(図33(a)手前側)を軸に揺動されるので、光源1421から照射される光は、正面視右側に屈折される。また、光源1423の正面に配設される屈折部材4430は、正面視左側(図33(a)奥側)を軸に揺動されるので、光源1423から照射される光は、正面視左側に屈折される。
これにより、光照射装置4400の光源1420(図33参照)から照射される光が形成する模様は、筒状部材4200を通して正面視においてS字カーブを描いた形状で視認される。これは、光源1420を予めS字カーブを描いた形状(視認させたい光の模様に対応した形状)に配置する場合には容易に形成可能であるが、光源1420の配置位置は基盤部1410の設計に依存するため、所望の位置に光源1420を配置できない場合も少なくない。
一方で、本実施形態のように、屈折部材4430を利用して光源1420(図33参照)から照射される光を屈折させることで、光源1420の配置に寄らずとも、視認される光の模様を設計することができる。よって、筒状部材4200を通して視認される光の模様の設計自由度を向上させることができる。
図33(c)及び図36に示すように、筒状部材4200の長径方向が光照射装置4400へ向けられた状態では、屈折部材4430が光照射装置4400の基盤部1410に対して押しつけられ、基盤部1410と屈折部材4430の本体部4431とが平行に配置され、屈折部材4430が正面側に配設される光源1421(図33(a)の最も上)及び光源1423(図33(a)の上から3つ目)から照射される光は、直進する。
ここで、図33(c)に示すように、筒状部材4200の長径方向が光照射装置4400へ向けられた状態では、筒状部材4200の増厚された部分(長径方向の部分)の内、背面側の部分が、凸レンズとして作用する。よって、光源1420から照射される光の指向性が弱いために、筒状部材4200の軸心から離れた位置に照射される光が筒状部材4200の正面側の側面へ向けて照射される範囲を、筒状部材4200の軸心付近に集中させることができる。
よって、図36に示すように、正面視において、筒状部材4200の軸心付近に光を集中させることができる。これにより、筒状部材4200の短径方向が光照射装置4400へ向けられた状態における光源1420から照射された光が左右方向に広がって視認される態様と、筒状部材4200の長径方向が光照射装置4400へ向けられた状態における光源1420から照射された光が軸心付近に集光される態様とで、特に水平方向(図35及び図36左右方向)の光の形状(模様)の違いを大きくすることができ、筒状部材4200を通して視認される光の形状(模様)を変化させる演出効果を向上させることができる。
ここで、図33(b)及び図35に示される状態から、図33(c)及び図36に示される状態に至るまでには、屈折部材4430の揺動角度が徐々に変化されるので、筒状部材4200を通して視認される光源1420(図33参照)から照射される光の模様が、徐々に軸心に集光される態様で視認される。即ち、光の模様が断続的に変化されるのではなく、連続的に変化されるので、光の模様の変化を遊技者が判別しやすくすることができる。
ここで、図33(b)及び図33(c)に記載される鋭角な所定角度αに含まれる筒状部材4200の外周面の水平方向の周長はそれぞれ異なる。即ち、長径方向(図33(c)参照)から視認する場合の方が、短径方向(図33(b)参照)から視認する場合に比較して、所定角度αにおける外周面の周長が長くなる。
外周側低透過率部4230は傾斜角度一定で形成されるので、筒状部材4200の周長と、筒状部材4200が回転される場合に筒状部材4200を軸直角方向から視認することで外周側低透過率部4230が筒状部材4200の軸心方向へ移動されるように視認される移動幅とは比例関係にある。
そのため、筒状部材4200が回転速度一定で回転される場合に、図33(b)の状態から所定角度αだけ筒状部材4200が回転される際に、正面視において視認される外周側低透過率部4230が筒状部材4200の軸心方向へ移動される移動幅よりも、図33(c)の状態から所定角度αだけ筒状部材4200が回転される際に、正面視において視認される外周側低透過率部4230が筒状部材4200の軸心方向へ移動される移動幅の方が大きくなる。
即ち、筒状部材4200が一定速度で回転される場合であっても、筒状部材4200が回転されることで筒状部材4200の軸心方向に移動される態様で視認される光の、移動速度が一定とはならず、移動速度に緩急が形成される。よって、筒状部材4200の回転速度が一定で形成される場合であっても、光の移動速度を変化させることができるため、視認される光を移動させる演出を効果的に行うことができる。
次いで、図37から図40を参照して、第5実施形態について説明する。第4実施形態の光演出装置4000では筒状部材4200が軸心に垂直な断面形状が楕円形に延設される場合を説明したが、第5実施形態の光演出装置5000では、筒状部材5200が軸心に垂直な断面形状が楕円形で形成されると共に、その楕円形の長径方向と短径方向とが軸心方向における所定の位置で切替られる態様で形成される場合を説明する。なお、光演出装置5000は、光照射装置4400を備えるが、その光照射装置4400については第4実施形態で上述した通りであるので、光照射装置4400についての説明を省略すると共に、各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図37(a)は、筒状部材5200の上面図であり、図37(b)は、筒状部材5200の正面図である。図37(b)に示すように、筒状部材5200は、導入筒83(図6参照)に外嵌される摺動端部1211を一方の端部(図37(b)上側)に備え、その一方の端部から他方の端部(図37(b)下側)へ向けて拡径して形成されると共に金属材料から形成される拡径部1210と、その拡径部1210の他方の端部に一方の端部(図37(b)上側)が外嵌固定され、その一方の端部から、反対側の端部である他方の端部(図37(b)下側)へ延設されると共に光透過性の樹脂材料から形成される本体部5220と、を備える。
本体部5220は、第1実施形態における本体部1220(図5及び図6参照)を基本として、軸心に垂直な断面形状が、長径方向の長さDa及び短径方向の長さDb(Da>Db)から形成される楕円形状になるように外周を部分的に増厚した形状で形成される。また、筒状部材5200の軸心に垂直な断面形状を、その筒状部材5200の軸心に沿って一方の端部から他方の端部に移動しつつ視認する場合に、その楕円形状の長径方向と短径方向との関係が、本体部5220の軸心方向中間の位置Mで入れ替えられる態様で形成される。
また、本体部5220の外周面には、低透過率部1230と略同一ピッチで形成され、本体部5220の軸心に一定の傾斜角度で傾斜されるらせん状に形成されると共に、光の透過率が本体部5220の他の部分に比較して低く形成される外周側低透過率部4230が形成される。
ここで、第1実施形態で上述したように、筒状部材5200の内周面に張り出して形成される低透過率部1230(図6参照)に、案内部材1300(図6参照)に沿って流下する球が当接することで、筒状部材5200が回転される。次いで、図38から図40を参照して、筒状部材5200が回転される場合の外観の変化について説明する。
図38から図40は、筒状部材5200が回転される過程を時系列で説明する図であり、図38(a)、図39(a)及び図40(a)は、筒状部材5200及び光照射装置4400の上面図であり、図38(b)、図39(b)及び図40(b)は、筒状部材5200及び光照射装置4400の正面図である。なお、図38(b)、図39(b)及び図40(b)は、光源1420から照射された光が筒状部材5200を通して視認される筒状部材5200の外観が図示される。
筒状部材5200と光照射装置4400とは、筒状部材5200が長径方向を光照射装置4400へ向けた場合には、ストッパ部4433(図34参照)が光照射装置4400の基盤部1410に押し付けられると共に、筒状部材5200の短径方向を光照射装置4400へ向けた場合には、筒状部材5200と屈折部材4430とは当接されない位置関係に形成される。
図38に示すように、筒状部材5200の位置Mから上側が短径方向を光照射装置4400へ向けると共に、位置Mから下側が長径方向を光照射装置4400へ向ける場合には、光照射装置4400の下側に配設される屈折部材4430(図34参照)が揺動されることに伴い、位置Mの下側において光が軸心に集光された態様で視認され、位置Mの上側においては光の形状がS字カーブを描いた形状で左右に広げられて視認される。
図39に示すように、図38から上面視時計回りに45°回転されると、位置Mの上側および下側の両方において、筒状部材5200が屈折部材4430(図34参照)に当接され、屈折部材4430は基盤部1410に傾斜した姿勢を取る。そのため、光照射装置4400から照射される光は屈折部材4430により屈折され、正面視において筒状部材5200を通して視認される光の外形は、S字カーブを描いた形状で左右に広げられて視認される。なお、この場合の屈折部材4430の基盤部1410に対する傾斜角度は、筒状部材5200に当接されない際の傾斜角度に比較して小さな角度で形成される。
図40に示すように、図39の状態から更に上面視時計回りに45°回転されると、筒状部材5200の位置Mから下側が短径方向を光照射装置4400へ向けると共に、位置Mから上側が長径方向を光照射装置4400へ向ける態様で形成される。この場合、光照射装置4400の上側に配設される屈折部材4430(図34参照)が揺動されることに伴い、位置Mの上側において光が軸心に集光された態様で視認され、位置Mの下側においては光の形状がS字カーブを描いた形状で左右に広げられて視認される。よって、正面視において筒状部材5200を通して視認される光の模様の変化の態様を、軸心に垂直な断面形状が一定の楕円形状で形成される場合(図32参照)に比較して増加させることができる。
ここで、図38(b)に図示される状態から図39(b)に図示される状態を経て図40(b)に図示される状態に至るまでには、屈折部材4430の揺動角度が徐々に変化されるので、筒状部材5200を通して視認される光源1420から照射される光の模様が、徐々に軸心に集光されたり、徐々に軸心から離間されたりする態様で視認される。即ち、光の模様が断続的に変化されるのではなく、連続的に変化されるので、光の模様の変化を遊技者が判別しやすくすることができる。
また、位置Mを境にして、筒状部材5200の軸心方向に移動される態様で視認される光の移動速度の緩急が際立たせられる。例えば、位置Mよりも上側において、筒状部材5200がその短径方向を光照射装置4400に向ける姿勢で形成される場合(図38(a)参照)、所定角度α(図38(a)参照)に含まれる筒状部材5200の外周面の水平方向の周長が位置Mの上側よりも位置Mの下側において長くなる。
よって、筒状部材5200が図38(a)に図示される状態から所定角度αだけ上面視時計回りに回転される場合に、正面視において外周側低透過率部4230が筒状部材5200の軸心方向に移動される態様で視認される移動幅は、位置Mの上側よりも位置Mの下側の方が大きくなる。即ち、筒状部材5200が上面視時計回りに回転され、筒状部材5200を通して視認される光の模様が上方向に移動される態様で視認される場合に、図38に図示される状態の時間的な前後において、位置Mを境に光の移動速度が緩やかになる。
例えば、位置Mよりも上側において、筒状部材5200がその長径方向を光照射装置4400に向ける姿勢で形成される場合(図40(a)参照)、所定角度α(図40(a)参照)に含まれる筒状部材5200の外周面の水平方向の周長が位置Mの下側よりも位置Mの上側において長くなる。
よって、筒状部材5200が図40(a)に図示される状態から所定角度αだけ上面視時計回りに回転される場合に、正面視において外周側低透過率部4230が筒状部材5200の軸心方向に移動される態様で視認される移動幅は、位置Mの下側よりも位置Mの上側の方が大きくなる。即ち、筒状部材5200が上面視時計回りに回転され、筒状部材5200を通して視認される光の模様が上方向に移動される態様で視認される場合に、図40に図示される状態の時間的な前後において、位置Mを境に光の移動速度が急激になる。
よって、筒状部材5200の回転速度が一定で形成される場合であっても、位置Mで光の筒状部材5200の軸心方向への移動速度の緩急を切り替えることで、より光の移動速度の変化を判別しやすくすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。
上記第1実施形態では、筒状部材1200の本体部1220が光透過性の樹脂材料から筒状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、筒の両端を形成する一対のリング状部材と、そのリング状部材を繋ぐ複数の連結部材からなる金属製の骨組みに、光透過性の樹脂材料からなる曲げられた板状のパネル壁材が嵌め込まれることで筒状部材1200が構成され、部分的に光透過部を有する態様に構成されても良い。この場合は、筒状部材1200が回転されることで、金属性の連結部材が光照射装置1400から照射される光を遮蔽するので、視認される光の模様を変化させることができる。
上記第1実施形態では、装飾部材1500が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、金属製の骨組みに、光透過性の樹脂材料からなる平面板状のパネル壁材が嵌め込まれることで、部分的に光透過部を有する態様に構成されても良い。この場合には、装飾部材1500に低透過率部1511を形成せずとも、金属製の骨組みが光を遮蔽するので、光照射装置1400から照射された光を、装飾部材1500で光透過部ごとに分割することができる。
上記第1実施形態では、筒状部材1200の一方の端部のみが導入筒83に回転可能に外嵌される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、筒状部材1200の両端を軸支する態様で形成されていても良い。この場合は、筒状部材1200の回転軸が安定するために、筒状部材1200に与えられる力が効果的に回転方向へ向けられる。よって、筒状部材1200を回転させるのに必要な力を小さくすることができる。
上記第1実施形態では、筒状部材1200の低透過率部1230及び装飾部材1500の低透過率部1511が張り出して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、筒状部材1200の本体部1220及び装飾部材1500の本体部1510の表面が段差のない態様で形成されても良い。この場合は、低透過率部1230,1511に該当する部分にすりガラス状の表面加工を施したり、塗装を行ったりすることで、部分的に光の透過率が低い部分を形成することができる。すると、例えば筒状部材1200や装飾部材1500が樹脂材料から形成される場合に、低透過率部1230,1511の形成パターンを変化させる要求があったとしても、部材の形状がそのままであれば、同一の金型をそのまま使用して筒状部材1200や装飾部材1500を生産し、その後で表面加工や塗装を行うことで、対応することができる。よって、部材の生産コストを抑制することができる。
上記第1実施形態では、装飾部材1500の低透過率部1511が波状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、低透過率部1511が直線状に形成されていても良い。この場合には、筒状部材1200の回転により筒状部材1200の軸心方向に移動される態様で視認される光を、低透過率部1511の延設方向に移動される態様で視認させることができる。
上記第1実施形態では、筒状部材1200が球の自重により回転される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、筒状部材1200を回転させる駆動源を別で配設しても良い。この場合には、例えば、正面視における筒状部材1200の低透過率部1230の下降速度が、球の自重による流下速度よりも速くなる態様で筒状部材1200が回転されると、球は筒状部材1200の低透過率部1230に上側から押される。すると、球は自重で流下する場合に比較し加速され、筒状部材1200の下端から排出される球の速度が増速される。ここで、球が流下することで回転される風車の印象を遊技者は有しているので、球が回転可能な部材に接触すると、球の流下速度が落ちるという先入観がある。よって、筒状部材1200が球の速度を加速させることで、遊技者に意外性のある印象を与えることができる。
上記第1実施形態では、低透過率部1511が複数列の波状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、低透過率部1511が縦方向および横方向に複数列形成され、格子状に形成されても良い。この場合には、低透過率部1511が複数列の波状(縞状)に形成される場合に比較し、更に光を細分化することができる。
上記第1実施形態では、筒状部材1200が外壁部82に固定された導入筒83に外嵌される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、筒状部材1200が水平方向に平行移動される態様で形成されても良い。この場合には、光照射装置1400が移動不能に固定されていても、筒状部材1200及び光照射装置1400の相対的な位置関係を変化させることができる。即ち、正面視において、筒状部材1200と光照射装置1400から照射される光の出力方向との位置関係を変化させることができ、筒状部材1200の強く照らされる位置を水平移動させることができるので、筒状部材1200を通して視認される外観を変化させることができる。
上記第2実施形態では、光照射装置2400の基盤部2410に球が衝突されることで光照射装置2400が揺動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光照射装置2400を揺動させる駆動源を別で配設しても良い。この場合には、球が流下するか否かに関わらず、光照射装置2400を揺動させることができるので、球が光演出装置2000付近を流下する以前においても、遊技者の興味を引くことができ、遊技者に光演出装置2000付近に球を狙わせることができる。
上記第3実施形態では、低透過率部3230は、延設方向に垂直な断面形状が変化しない場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、低透過率部3230の延設方向に垂直な断面形状の幅方向の寸法が周期的に増減する態様で形成されても良い。この場合、正面視において筒状部材3200が視認されると、低透過率部3230が延設方向に沿って太くなったり細くなったりする態様で視認され、それに伴い周面部3240も低透過率部3230の延設方向に沿って太くなったり細くなったりする態様で視認される。そのため、周面部3240を通して視認される光の外形も、大きくなったり小さくなったりする態様で視認される。よって、筒状部材3200が回転される場合に、周面部3240を通して視認される光の外形を拡大縮小することができる。
上記第3実施形態では、低透過率部3230が筒状部材3200の軸心に対する傾斜角度が一定で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、低透過率部3230が筒状部材3200の軸心に対する傾斜角度を変化させながら延設される態様で形成されても良い。この場合には、低透過率部3230が筒状部材3200の正面視において波状に形成されるので、筒状部材3200が回転されると、筒状部材3200を通して視認される光は、軸心方向に上下動しながら移動される態様で視認される。
上記第3実施形態では、低透過率部3230が筒状部材3200の軸心に傾斜して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、低透過率部3230が、その延設方向に垂直な断面形状の幅方向の寸法が周期的に増減する態様で形成される場合において、低透過率部3230が筒状部材3200の軸直角方向に形成されていても良い。この場合には、筒状部材3200が回転されることで、低透過率部3230の太く形成される部分および細く形成される部分が水平方向に移動され、周面部3240を通して視認される光の外形が大きくなったり小さくなったりする態様で視認される。よって、筒状部材3200が回転される場合に、周面部3240を通して視認される光の外形を拡大縮小することができる。
上記第3実施形態では、低透過率部3230が外周面に張り出して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、外周面に断面形状が半円形状で形成される溝が形成されても良い。この場合には、溝の窪みを含む筒状部材3200の側面が部分的に凹面形状に形成される。その凹面形状の作用により、光が拡散され、溝部分が他の周面に比較して暗く視認されるので、光を溝で分割することができる。
上記第4実施形態では、本体部4220に外周側低透過率部4230の形状以外の部分にテープを貼ることでマスクを施し、透過率の低い塗料をスプレーし、塗料が乾いた後でテープを剥がすことで、外周側低透過率部4230が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、外周側低透過率部4230をすりガラス状に形成しても良い。この場合には、筒状部材4200の本体部4220を樹脂成型する際に、外周側低透過率部4230を同時に形成することができ、塗装を行う工程を削減できるので、筒状部材4200の本体部4220の生産コストを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<筒状部材の回転により光の模様を変化させる技術思想の一例>
遊技盤に回転可能に軸支されると共に光透過部を有する筒状部材と、その筒状部材へ向けて光を照射する光照射装置と、を備え、前記筒状部材は、光の透過率の低い部分であり、前記筒状部材の周面に形成されると共に前記筒状部材が回転されることにより一方向視において視認される位置が変化される態様で形成される低透過率部を備え、前記光照射装置から照射される光が前記筒状部材を通して視認されることを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様を変化させることができ、光照射装置から照射される光の演出効果を向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
これに対し、遊技機A0によれば、筒状部材が回転されることで、一方向視における低透過率部の位置が変化される。そのため、筒状部材が回転されることにより、一方向視において筒状部材を通して視認される、光照射装置から照射される光の明るさの度合いの分布が変化される。即ち、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様が変化可能に形成されるので、光照射装置から照射される光の演出の態様を増加させることができる。
なお、筒状部材が光透過部を有するとは、筒状部材が少なくとも一部において光を透過させる部分を有することを意味する。この意味において、筒状部材の態様は特に限定されるものではなく、例えば、筒状部材そのものが光透過性材料から形成されても良いし、筒状部材が光透過性材料と、光を遮蔽する材料とから形成されても良い。
筒状部材を形成する材料としては、ガラスまたは樹脂材料等が例示される。例えば、樹脂材料を選択した場合は、成形型を製造することで、同一形状の筒状部材を量産することができる。
筒状部材の周面に形成される低透過率部の態様としては、筒状部材の周面において厚みが増して形成されることで透過率を低下させる場合、筒状部材の周面に曲面や凹面を形成し、光を拡散させることで透過率を低下させる場合、筒状部材の周面が着色(例えば黒色に着色)されることで透過率を低下させる場合または表面加工(溝加工、シボ加工等)により光を散乱させることで透過率を低下させる場合等が例示される。
なお、光の明るさの度合いが維持されるとは、部材を透過した光が十分に遊技者の目に届くことで、明るさが過度に損なわれないことを意味し、光の明るさの度合いが弱められるとは、部材を透過した光がほとんど目に届かず、暗く視認されることを意味する。
遊技機A0において、前記低透過率部は、前記筒状部材の軸心に対して傾斜された帯状に形成されることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、低透過率部が、筒状部材の軸心に対して傾斜された帯状に形成されるので、例えば、正面視において、筒状部材が回転されることで低透過率部が軸方向に移動されるように遊技者に対して視認させることができる。即ち、光の明るさの度合いが弱められる部分(低透過率部が形成される部分)が軸方向に移動されるように視認させることができると同時に、光の明るさの度合いが弱められる部分以外の周面部である光の明るさの度合いが維持される部分も軸方向に移動されるように視認させることができる。即ち、光照射装置の光源を制御することなく、筒状部材に照射される光が筒状部材の軸方向に移動されるように遊技者に視認させることができるので、光照射装置の演出効果を向上させることができる。
例えば、低透過率部が、筒状部材の周面にらせん状に形成される場合には、筒状部材に照射される光を筒状部材の軸方向の同一方向に連続的に移動させることができる。また、低透過率部の傾斜角度を部分的に変化させることで、筒状部材が同じ速度で回転される場合でも、光の移動速度を部分的に変化させることができる。
ここで、筒状部材の低透過率部の傾斜角度とは、例えば、筒状部材の軸心と、その軸心と正面視において交差する低透過率部とがなす角度を意味する。
遊技機A1において、前記筒状部材の前記光照射装置に近い側の側面である一方の側面に配設される前記低透過率部と、前記筒状部材の前記一方の側面の反対の側面である他方の側面に配設される前記低透過率部とが、少なくとも前記筒状部材を挟んで前記光照射装置の反対側から前記筒状部材を視認する場合に、交差された態様で視認可能に形成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、光照射装置から筒状部材へ照射された光を細分化することができる。
光照射装置から筒状部材へ照射された光は、まず一方の側面に形成される低透過率部により分割され、次いで、他方の側面に形成される低透過率部により分割される。即ち、光が一方の側面と他方の側面との両方で分割される。よって光照射装置から筒状部材へ照射された光を細分化することができ、光照射装置の光源を増加させることなしに、筒状部材を通して視認可能な光の個数を増加させることができる。
ここで、光が分割されるとは、光の明るさの度合いの弱められる部分である低透過率部を境に、光の明るさの度合いが維持される部分が分けられる態様で視認されることを意味する。
遊技機A1又はA2において、前記低透過率部が、らせん状に形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、低透過率部が、らせん状に形成されるので、例えば正面視において、筒状部材が回転されることで低透過率部が軸方向の同一方向に継続して移動されるように遊技者に視認させることができる。
例えば、筒状部材の両端部まで低透過率部が形成されている場合において、筒状部材の両端部が視認不能に隠されていれば、あたかも、その隠された両端部の内の一方の端部から光が発生し、その反対側の端部である他方の端部まで移動するように見せる演出をすることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記低透過率部は、前記筒状部材の周面から前記筒状部材の径方向に張り出して形成されると共に前記筒状部材の周面に沿って延設され、その延設方向と垂直な断面形状において、前記筒状部材の周面に連設される両側面の内少なくとも一方の側面が、前記筒状部材の周面側に凹んだ曲面状に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、低透過率部を形成するのに必要な材料コストの増加を抑えつつ、筒状部材を通過する光の明るさの度合いの強弱の変化を際立たせることができる。
ここで、筒状部材の周面の厚みを増すことで光の透過率を低下させる場合、他の部分との光の強弱をつけるためには、低透過率部に相当の厚みが必要であり、筒状部材の材料コストが嵩む。
これに対し、遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、低透過率部の側面が筒状部材の周面側に凹んだ曲面状に形成される。即ち、低透過率部の側面と筒状部材の周面とが交わる部分に凹面形状が形成され、低透過率部の側面に入射される光が凹面形状の作用により拡散される。そのため、低透過率部に相当の厚みを持たせなくとも、低透過率部の側面に照射される光が拡散され、光の明るさの度合いが弱められた状態で視認される。これにより、低透過率部の凹面形状の側面を通過して視認される光と、それ以外の部分を通過して視認される光とで光の明るさの度合いが変化され、光の明るさの度合いの強弱を際立たせることができる。よって、材料コストの増加を抑えつつ、筒状部材を通過する光の明るさに強弱を形成する効果を際立たせることができる。
遊技機A4において、前記低透過率部は、張り出し端に張り出し端部を備え、前記両側面が前記張り出し端部を介して連結されると共に前記両側面が前記筒状部材の周面側に凹んだ曲面状に形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、照射される光を細分化する効果を向上させることができる。即ち、低透過率部の両側面を通過する光は凹面形状の作用により光が拡散され、視認される光の明るさの度合いが弱められる一方で、両側面を結ぶ張り出し端部を通過する光は、視認される光の明るさが維持される。
この場合、一の低透過率部に、光の明るさの度合いが弱められた状態で視認される部分(両側面)を独立して複数形成することができ、結果として、光の明るさの度合いが強い部分として視認される箇所の個数を増やすことができる。即ち、低透過率部の内、張り出し端部を、両側面に比較して光の明るさの度合いが強い部分とすることができ、よって、照射される光を細分化する効果を向上させることができる。
遊技機A0からA5のいずれかにおいて、前記低透過率部がらせん状に形成され、前記筒状部材は、隣り合う前記低透過率部の間に形成される周面部を備え、その周面部の周方向に垂直な断面形状が凹面形状に形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A0からA5のいずれかの奏する効果に加え、低透過率部で分割される光の境界を判別しやすくすることができる。
ここで、隣り合う低透過率部に挟まれた周面部が凹面形状で形成されていなくとも、光照射装置から照射される光が低透過率部を介して視認されることにより、光は分割される。しかしこの場合、光照射装置から照射される光は、光の模様をそのまま切断したように視認されるので、光を各個別に独立したものと視認させることは難しい。
一方、遊技機A6によれば、光照射装置から照射された光が筒状部材を通して視認される場合に、周面部の凹面形状の作用により、光が隣り合う低透過率部の間に形成される周面部に縮小された態様で視認される。そのため、低透過率部と、その低透過率部と隣り合う筒状部材の周面部との境界から周面部の内側に向けて光を寄せた状態で視認させることができ、低透過率部で分割される光の境界を判別しやすくすることができる。
なお、低透過率部に囲まれる部分とは、例えば正面視において、筒状部材の正面側の低透過率部および背面側の低透過率部により囲まれる部分を意味する。
遊技機A3からA6のいずれかにおいて、前記筒状部材が、一方の端部から、一方の端部の反対側の端部である他方の端部に近づくにつれて軸心に垂直な断面形状が拡径される態様で形成されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A3からA6のいずれかの奏する効果に加え、筒状部材が一方の端部から他方の端部に近づくにつれて拡径される態様で形成されるので、例えば、正面視において低透過率部で囲まれる部分の面積は、一方の端部側よりも他方の端部側の方が大きくなる。よって、例えば、筒状部材が回転されることにより、光が筒状部材の一方の端部から他方の端部へ向けて移動されるように視認される場合には、低透過率部で囲まれた領域に細分化されて視認される光が、徐々に拡大される態様で視認される。これにより、光照射装置の光源を制御することなしに、光を拡大または縮小させる演出をすることができる。
遊技機A0からA6のいずれかにおいて、前記筒状部材の軸心に垂直な断面形状が、外周が楕円形状で形成され、その楕円形状の壁面の厚さが、長径方向の端から短径方向の端へ向かうにつれて抑制されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A0からA6のいずれかの奏する効果に加え、筒状部材が楕円形状で形成され、その楕円形状の壁面の厚さが、長径方向の端から短径方向の端へ向かうにつれて抑制されるので、筒状部材の長径方向の両端において凸レンズ形状が形成される。そのため、筒状部材の長径方向から光が照射される場合、光が筒状部材の軸心付近に集光される。よって、筒状部材の長径方向から光が照射される場合に、筒状部材を挟んで光を照射する光源の反対側から筒状部材を通して視認される光の模様を、筒状部材の軸心付近に集光させることができる。
遊技機A8において、前記筒状部材の楕円形状断面における長径方向と短径方向との関係が、前記筒状部材の一方の端部から所定距離の位置までは維持され、その一方の端部から所定距離の位置を越えた他方の端部側では反転されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、光の筒状部材の軸心付近における集光の度合いの変化を、筒状部材の一方の端部から所定距離の位置で逆転させることができる。
即ち、筒状部材の一方の端部から所定距離を基準として、筒状部材の一方の端部側と筒状部材の他方の端部側とでは、例えば正面視における筒状部材の外形の変化の態様が逆転される。例えば、筒状部材の一方の端部側で遊技者の視線の方向に一致する筒状部材の方向が、長径方向から短径方向に変化される場合には、筒状部材の他方の端部側では、遊技者の視線の方向に一致する筒状部材の方向が、短径方向から長径方向に変化される。
そのため、光が筒状部材の軸心付近に集光される度合いの変化を、筒状部材の一方の端部から所定距離で逆転させることができ、演出効果を向上させることができる。
<光源の出力方向を筒状部材の軸直角方向に傾かせる技術思想の一例>
遊技機A0からA9のいずれかにおいて、前記光照射装置から照射される光の出力方向もしくは進行方向が、前記筒状部材の軸心に垂直な平面において変更可能に形成されることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A0からA9のいずれかの奏する効果に加え、筒状部材の軸心に垂直な平面において光の出力方向もしくは進行方向を変更することで、筒状部材の演出効果を向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、この場合、例えば、光照射装置から照射される光の出力方向が一定に形成されると、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様の、光の明るさの度合いが強く視認される位置や範囲もしくは弱く視認される位置や範囲を大きく変化させることはできない。そのため、筒状部材の演出の態様が限定的なものとなるという問題点を有していた。
これに対し、遊技機B1によれば、遊技機A0からA9のいずれかの奏する効果に加え、光照射装置から照射される光の出力方向もしくは進行方向が、筒状部材の軸心に垂直な平面において変更可能に形成されるので、例えば正面視において、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いが最も強く視認される位置を軸直角方向に沿って変更することができる。よって、光照射装置から照射される光の出力方向が一定に形成される場合であっても、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様の、光の明るさの度合いが強く視認される位置や範囲もしくは弱く視認される位置や範囲を大きく変化させることができ、筒状部材の演出の態様を増加させることができる。
なお、光の出力方向とは、照射される光が屈折等で曲げられる前において、光の光度が最も強い方向を意味し、光の進行方向とは、照射される光の光度が最も強い方向が屈折等により曲げられながら進行する方向を意味する。
遊技機B1において、前記低透過率部が、らせん状に形成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、筒状部材が回転されることにより、光照射装置から筒状部材へ照射される光が筒状部材の軸心方向に移動されるように遊技者に視認させることができるので、筒状部材の軸直角方向に光を移動させる作用と光が筒状部材の軸心方向に移動されるように遊技者に視認させることができることとの相乗効果により、光が上下左右に移動されるように遊技者に視認させることができる。
遊技機B1又はB2において、前記光照射装置が、光を照射する複数の光源と、その複数の光源が固定される基盤部とを備え、その基盤部が前記筒状部材に対して揺動可能に形成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、光を筒状部材の軸直角方向に移動させる部材の姿勢の変化を最小限に抑えることができる。
即ち、光照射装置と筒状部材との間に光の進行方向を変更させるための別部材を配置し、その別部材の姿勢を変えて光の進行方向を変更する場合、その別部材は光照射装置よりも筒状部材に近い位置に配設されるため、光源の光の出力方向を直接変化させる揺動角度よりも大きな揺動角度で別部材の姿勢を変化させることを要する。
一方、遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、光照射装置の光源が固定される基盤部が揺動可能に形成されるため、筒状部材と光の進行方向(もしくは出力方向)を変える位置との距離を十分にとることができる。そのため、基盤部の揺動角度を抑えつつ、光の筒状部材の軸直角方向への移動距離は確保することができる。
遊技機B1又はB2において、前記筒状部材と前記光照射装置との間に前記光照射装置から前記筒状部材へ向けて照射される光を屈折可能に形成される屈折部材を備え、前記光照射装置が、光を照射する複数の光源と、その複数の光源が固定される基盤部とを備え、前記屈折部材は、前記複数の光源の前記筒状部材側にそれぞれ配設されると共に前記筒状部材の軸直角方向に揺動可能に形成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、光照射装置の複数の光源にそれぞれ配設される屈折部材が揺動可能に形成されるので、光照射装置から照射される光の進行方向を、屈折部材の揺動により変化させることができる。この場合、屈折部材は各個別々に配設されるため、屈折部材の設計次第で、どの屈折部材を揺動させるかを任意に選択することができる。即ち、どの光源から照射される光の進行方向を変えるかを選択することができるので、光照射装置の光の演出の自由度を向上させることができる。
例えば、筒状部材の軸方向に沿って光照射装置の光源が複数個配設される場合に、全ての光源が同方向に同角度で揺動されると、光の明るさの度合いが最も強く視認される領域が筒状部材の軸直角方向に平行移動される。また、例えば、筒状部材の軸心方向に沿って光照射装置の光源が複数個配設される場合に、隣り合う光源が逆方向に揺動されると、光の明るさの度合いが最も強く視認される領域がS字カーブを描いた形状に視認される態様で形成される。
遊技機B4において、前記筒状部材は、軸心に垂直な断面形状が、軸心からの距離が前記筒状部材の軸心から前記屈折部材までの距離よりも短い短径方向と、その短径方向よりも長い径を有する長径方向とを有する楕円形状に形成され、その長径方向を前記屈折部材に向けることで前記筒状部材と前記屈折部材とが当接され、その屈折部材が揺動可能に形成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、筒状部材が回転され、屈折部材に短径方向を向ける場合には屈折部材と短径方向とが離間することにより屈折部材は力を受けず、屈折部材は停止したままとなる。一方、屈折部材に長径方向を向ける場合には、屈折部材と長径方向とが当接されることで、屈折部材が揺動される。よって、筒状部材の回転を、筒状部材の周面に視認される光の明るさの度合いの強弱により形成される模様を変化させる用途と、屈折部材を揺動させて光の進行方向を変化させる用途とに兼用することができる。
なお、筒状部材が短径方向および長径方向を有する形状としては、楕円形状、星形状、鍵穴形状、長棒形状等が例示される。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記光照射装置から照射される光の進行方向が変更されるのに要する駆動源は、遊技盤を流下する球の運動エネルギーであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、光照射装置から照射される光の進行方向を変化させるための駆動源を配設不要とできるので、駆動源の配設個数を抑制することができる。
なお、球の運動エネルギーで光の進行方向を変える態様としては、球が光照射装置に直接衝突することで光照射装置が揺動される場合や、球が光照射装置以外の別の部材である筒状部材に衝突し、その筒状部材が回転されることで光照射装置の光の進行方向が変化されることで球の運動エネルギーが光の進行方向の変化に間接的に作用する場合や、球に衝突された筒状部材が光を屈折させる屈折部材に当接し、その屈折部材の姿勢を変化させる場合等が例示される。
<筒状部材を球の運動エネルギーで回転させる技術思想の一例>
遊技機A0からA9,B1からB6のいずれかにおいて、前記筒状部材は、遊技盤を流下する球の運動エネルギーが伝達されることにより回転されることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A0からA9,B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、筒状部材を駆動させる駆動源を別で用意する必要が無いので、筒状部材を回転させる駆動源(例えば駆動モータ)を、動作させるために必要となる動力コストを削減することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、例えば、筒状部材を駆動モータで回転させる構造の場合、筒状部材を回転させる駆動モータの動力コストが余分にかかるという問題点を有していた。
これに対し、遊技機C1によれば、遊技盤を流下する球の運動エネルギーにより筒状部材が回転される。よって、筒状部材を回転させる駆動モータが必要ないので、筒状部材を回転させるのに必要な動力コストを削減することができる。
また、駆動モータを配設しない分だけ省スペースに筒状部材を設置することができる。即ち、筒状部材等の役物を遊技盤正面側や遊技盤背面側に配設するスペースは一定の範囲に限定されるところ、筒状部材を回転させる駆動モータを配設不要としたことで使用可能となるスペースを、他の移動役物を配設するスペースとして活用することができる。よって、他の移動役物の配設自由度を向上させることができる。
筒状部材を球の運動エネルギーで回転させる態様としては、筒状部材の側面に径方向に張り出す部分が形成され、その張り出す部分が流下する球に押されることで筒状部材が回転される態様と、筒状部材に球が衝突されることで筒状部材が回転される態様とが例示される。
遊技機C1において、前記筒状部材の側面に沿って所定の経路で球を流下させる案内部材を備え、前記低透過率部は、前記案内部材により球が流下される側の側面に帯状に張り出して形成され、前記筒状部材の周面に沿ったらせん状に形成されると共に前記案内部材により流下される球に当接される位置に形成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加えて、案内部材に沿って所定の経路で流下する球が筒状部材の低透過率部に当接し、球が低透過率部を押し進める態様で、筒状部材が回転される。そのため、球が流下する間中、継続して球から筒状部材に力が与えられるので、筒状部材を継続的に回転させることができ、光照射装置の演出効果を向上させることができる。
遊技機C2において、前記低透過率部は、前記筒状部材の軸心に対する傾斜角度の大きさが変化される折れ曲がり部を有することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、筒状部材の回転する速度を、折れ曲がり部を境に変化させることができる。
ここで、筒状部材の低透過率部が球に押されることで筒状部材が回転される場合、球の自重により筒状部材が回転されることになるので、球から筒状部材に与えられる力に変動が生じにくく、筒状部材の回転速度が一定に保たれ易い。そのため、筒状部材の回転による演出が単調となりやすい。
これに対し、遊技機C3によれば、筒状部材の低透過率部の傾斜角度が折れ曲がり部で変化されるので、低透過率部の傾斜角度の変化前と変化後とでは、球が筒状部材の外周面を軸心方向に所定距離流下する場合の筒状部材の回転角度が異なるため、球の流下速度が同じであれば、低透過率部の傾斜角度の変化前と変化後とでは、筒状部材の回転速度が変化される。例えば、球の鉛直方向への流下速度が等しい場合、低透過率部の傾斜角度が小さくなると、筒状部材の回転速度は小さくなる。
そのため、当接される球の自重により筒状部材が回転されるという球の速度変化が生じにくい場合でも、筒状部材の回転速度を変化させることができる。これにより、形成可能な筒状部材の回転速度を増やすことができる。
また、流下する球の位置が視認しづらい状況においても、流下する球の位置と筒状部材の回転速度の変化のタイミングとを対応づけることで、筒状部材の回転速度の変化を確認することで球が流下している位置を確認することができる。例えば、筒状部材から球が排出される直前で低透過率部の傾斜角度が変化される態様で低透過率部が形成されていると、筒状部材の回転速度の変化がいつ生じるかを確認することで、球が筒状部材の端から排出されるタイミングを確認することができる。
遊技機C2又はC3において、前記案内部材が前記筒状部材から離れる方向に変形可能に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、何らかの理由で一時的に筒状部材が回転不能となった場合に、球が流下せず停止されたとしても、案内部材が筒状部材から離れる方向に変形されることで、球の流下が再開され、それに伴って継続して遊技を行うことができる。
即ち、筒状部材が何らかの原因で回転不能となると、案内部材に沿って流下する球が低透過率部に当接されることで停止されるため、球が流下せず遊技を継続することが困難になる。
通常であれば、ここで遊技を停止して、遊技機を修理する必要がある。しかし、更に球が案内部材に案内されると、案内部材上に球が複数個堆積されることにより、案内部材に大きな荷重がかかる。すると、案内部材が筒状部材から離れる方向に変形され、筒状部材の側面と案内部材との距離が確保され、球が低透過率部および案内部材の間から脱落され、球の流下が再開されるので、遊技を継続することができる。
案内部材が過荷重により変形可能な場合としては、案内部材が弾性ゴムで形成される場合や、案内部材が薄肉の金属板で形成される場合が例示される。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記案内部材が、前記筒状部材の軸心を通ると共に前記光照射装置から照射される光の出力方向に直交する平面と交差される前記筒状部材の一対の側面部分の内、少なくとも一方の側面に対向して配設されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C2からC4のいずれかの奏する効果に加え、案内部材が、光照射装置から照射される光の出力方向から離間された位置に配設されるので、光照射装置から照射される光が案内部材および案内部材に沿って流下する球に遮光される影響を小さくすることができる。
ここで、例えば、光照射装置から照射される光が筒状部材の軸心からずれた位置に照射される場合には、一対の側面部分のそれぞれと、光の出力方向との距離がそれぞれ異なるが、案内部材が光の出力方向から、より離間される方の側面部分に対向して配設されることで、より光照射装置から照射される光が案内部材および案内部材に沿って流下する球に遮光される影響を小さくすることができる。
また、例えば、筒状部材の外周側に低透過率部が形成され、それに伴い筒状部材の外周側に案内部材が配設される場合には、筒状部材の内周側に案内部材を配設する必要が無いので、正面視において筒状部材へ向けて光照射装置から照射される光が案内部材および案内部材に沿って流下する球によって遮光される影響を更に小さくすることができる。
遊技機C1において、前記筒状部材は、周面から張り出して形成されると共に流下する球が衝突可能な位置に形成される伝達部を備え、その伝達部は、流下する球が衝突する面であると共に前記筒状部材の軸心に対して傾斜して形成される被衝突面を有することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、球に衝突される伝達部の被衝突面が筒状部材の軸心に対して傾斜して形成されるので、球が伝達部に衝突される際に生じる力を筒状部材の回転方向に効果的に作用させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、この場合、例えば、筒状部材の側面に形成される帯状の張り出し部分が、流下する球に当接され、球の自重で回転される仕組みで形成されると、球は筒状部材の側面に形成される帯状の張り出し部分に当接されることで流下速度が抑えられ(減速され)、その後は筒状部材に到達した際の球の流下速度に寄らず、球の自重と筒状部材の回転方向の摩擦との吊り合い関係により、球はほぼ等速で流下する。よって、筒状部材の回転速度を大きく変化させることは難しいという問題点を有していた。
これに対し、遊技機C6によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、球が伝達部に衝突すると、流下する球の速度により異なる大きさの運動エネルギーが伝達部を通して筒状部材に伝達され、その運動エネルギーにより筒状部材が軸直角方向に回転されることから、流下する球の速度を異ならせることにより、筒状部材が回転する速度を異ならせることができる。
遊技機C6において、前記伝達部が複数形成され、それらの複数の伝達部は、流下する球に衝突されることで前記筒状部材を一方の回転方向へ向けて回転させる回転力を前記筒状部材に生じさせる態様で前記被衝突面が形成されるものと、流下する球に衝突されることで前記筒状部材を一方の回転方向の反対方向である他方の回転方向へ向けて回転させる回転力を前記筒状部材に生じさせる態様で前記被衝突面が形成されるものとが少なくとも配設されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、球が伝達部に衝突されることで、筒状部材が一方もしくは他方の双方向へ向けて回転可能に形成される。そのため、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの強弱により形成される模様の変化の方向を双方向に形成することができる。
なお、流下する球に衝突されることで筒状部材を一方の回転方向へ向けて回転させる回転力を筒状部材に生じさせる態様で被衝突面が形成されるとは、被衝突面の法線であって、流下する球に対向する側に伸びる法線が、筒状部材の一方の回転方向の反対方向である他方の回転方向へ向けられる態様で被衝突面が形成されることを意味する。
また、流下する球に衝突されることで筒状部材を一方の回転方向へ向けて回転させる回転力を筒状部材に生じさせる態様で形成される被衝突面と、流下する球に衝突されることで筒状部材を一方の回転方向の反対方向である他方の回転方向へ向けて回転させる回転力を筒状部材に生じさせる態様で形成される被衝突面とが、単一の伝達部に形成されていても良い。
遊技機C6又はC7において、前記伝達部は、前記筒状部材の内周側に形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C6又はC7の奏する効果に加え、筒状部材が回転するのに要するスペースを最小限に抑えることができる。
ここで、筒状部材の外周側に伝達部が形成される場合、筒状部材の伝達部と他の部材との衝突を避けるために、筒状部材の回転時に形成される伝達部の軌跡上には空間を形成しておく必要がある。そのため、筒状部材の配設スペースが大きくなり、それに伴い他の役物を配設するスペースが抑制される。
これに対し、遊技機C8によれば、遊技機C6又はC7の奏する効果に加え、球の衝突力で筒状部材を回転させる伝達部が筒状部材の内周側に形成されるので、筒状部材を配設するスペースが抑制され、それに伴い、他の役物を配設するスペースを大きく確保することができる。
遊技機C6からC8のいずれかにおいて、前記伝達部は、前記筒状部材の側面付近においては、流下する球に衝突されることで前記筒状部材を一方の回転方向へ向けて回転させる回転力を前記筒状部材に生じさせる態様で形成される一方、前記筒状部材の側面から離間した位置においては、流下する球に衝突されることで前記筒状部材を一方の回転方向の反対方向である他方の回転方向へ向けて回転させる回転力を前記筒状部材に生じさせる態様で形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C6からC8のいずれかの奏する効果に加え、球が伝達部のどこに衝突するかによって、筒状部材の回転速度や回転方向を異ならせることができる。これにより、筒状部材の動きをより不規則にすることができる。
筒状部材は球に衝突される際に与えられる力で回転される。ここで、例えば、回転可能に形成された筒状部材に回転方向の力を与える場合、軸心に近い位置で筒状部材に力を与えるよりも、軸心から離れた位置で筒状部材に力を与える方が筒状部材に与える回転トルクが大きくなり、筒状部材の回転速度を大きくすることができる。
即ち、例えば、伝達部が筒状部材の内周側に形成される場合には、球が筒状部材の側面付近で伝達部に衝突すると、筒状部材に大きな回転トルクが生じ、筒状部材が一方の回転方向に大きな速度で回転される。一方で、球が筒状部材の軸心付近で伝達部に衝突すると、筒状部材に生じる回転トルクは小さくなり、筒状部材が他方の回転方向に回転される回転速度は小さくなる。そのため、球が筒状部材の伝達部に、どの位置で衝突するかによって筒状部材の回転方向および回転速度を変化させる演出をすることができる。よって、筒状部材の回転方向や回転速度を不規則にすることができる。
<装飾部材の模様により、光の移動する方向を変化させる技術思想の一例>
遊技機A0からA9,B1からB6又はC1からC9のいずれかにおいて、前記筒状部材を遮蔽する態様で配設されると共に光透過部を有する装飾部材を備え、その装飾部材は、光の透過性の低い部分であって、複数列形成されると共に前記筒状部材の軸心に対して傾斜された方向に沿って帯状に延設される低透過率部を有し、前記筒状部材の低透過率部は、前記筒状部材の周面に沿ったらせん状に形成されることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A0からA9,B1からB6又はC1からC9のいずれかの奏する効果に加え、筒状部材へ向けて照射される光を、筒状部材の軸心に対して傾斜された方向に移動される態様で遊技者に視認させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、この場合、光が筒状部材の軸心方向や軸直角方向に移動されるように視認させることには適しているが、例えば光が軸心に傾斜した方向に移動されるように視認させることは難しいという問題点を有していた。
これに対し、遊技機D1によれば、筒状部材を遮蔽する態様で配設される装飾部材に低透過率部が筒状部材の軸心に傾斜して複数列形成されるので、筒状部材の回転により筒状部材の低透過率部が筒状部材の軸心方向へ移動される態様で視認されることに伴い筒状部材の軸方向に移動される態様で視認される光を、装飾部材の低透過率部に沿って移動される態様で遊技者に視認させることができる。
また、装飾部材の低透過率部により、装飾部材を通して視認される光を低透過率部ごとに分割することができ、光を細分化することができる。これにより、光照射装置から照射される光の演出効果を向上させることができる。
装飾部材の低透過率部としては、部分的に粗加工されて光を散乱させることで透過率を低下させる場合や、部分的に厚く形成される場合や、部分的に凹レンズ形状に形成される場合等が例示される。
なお、装飾部材が光透過部を有するとは、装飾部材が少なくとも一部において光を透過させる部分を有することを意味する。この意味において、装飾部材の態様は特に限定されるものではなく、例えば、装飾部材そのものが光透過性材料から形成されても良いし、装飾部材が光透過性材料と、光を遮蔽する材料とから形成されても良い。
遊技機D1において、前記装飾部材の低透過率部の延設方向に垂直な平面における前記装飾部材の断面形状が、前記装飾部材の前記複数列の低透過率部の内、隣り合った前記低透過率部間において、凹面形状に形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、隣り合う低透過率部により光が細分化される効果を顕著にすることができる。
ここで、例えば、光が移動される方向として視認される方向を、筒状部材の軸心方向から、筒状部材の軸心に対して傾斜された方向に変化させる方法としては、筒状部材の軸心方向に対して傾斜された長穴形状の開口を有する板で遮蔽する方法が挙げられる。しかし、この場合には、開口の境界付近で光の回折が生じるため、開口を通して視認される光が開口の面積よりも広がって視認されやすい。そのため、例えば、長穴形状の開口が複数列形成される場合には、隣り合う開口の近接端間の間隔よりも、開口から視認される光の近接端の間隔が狭くなる。そのため、開口ごとの光の境界を判別しづらくなる。
一方、遊技機D2によれば、装飾部材の隣り合う低透過率部間の断面形状が凹面形状で形成されることで、その凹面形状の部分を通って視認される光は、凹面形状の作用によって、隣り合う低透過率部を結ぶ方向に縮小される態様で視認される。そのため、低透過率部により分割される光の境界を判別しやすくさせることができる。
遊技機D1又はD2において、前記装飾部材は、複数列に形成される前記装飾部材の前記低透過率部と交差する態様で延設されると共に、その延設方向に垂直な断面形状の幅方向の寸法が張り出し端に近づくほど短縮される態様で形成されると共に、その幅方向の両側面が装飾部材側に凹んだ曲面状に形成される帯状部を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、低透過率部に沿って移動される光が帯状部を横切る際に、帯状部の両側面が装飾部材側に凹んだ曲面状に形成されることにより形成される凹面形状の作用によって、帯状部の幅方向に縮小されて視認される。そのため、移動される光の外形を、移動の過程で縮小させたり、縮小された状態から元の状態に戻したりすることで、光の外形を変化させる演出を行うことができる。
遊技機D3において、前記帯状部が、少なくとも一の前記装飾部材の前記低透過率部において、その低透過率部の一方の側に形成される前記帯上部の形成位置と、その一方の側の反対側である他方の側に形成される前記帯状部の形成位置とが低透過率部の延設方向にずらされて形成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、光が低透過率部に沿って移動される態様で視認される場合に、一の低透過率部の幅方向の内、一方の側では光の外形が縮小される一方、その一方の側の反対側である他方の側では光の外形が維持されることにより、一の低透過率部の幅方向両側において光の外形の変化が異なったものとなるので、光の外形の変化を判別しやすくすることができる。
<球の影を光の演出に利用する技術思想の一例>
遊技機A0からA9,B1からB6,C1からC9又はD1からD4のいずれかにおいて、球が前記光照射装置から照射される光を遮りながら流下することを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A0からA9,B1からB6,C1からC9又はD1からD4のいずれかの奏する効果に加え、光照射装置から照射される光が球により遮られるので、視認される光に球の影が生じ、結果として視認される光の形状を変化させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機がある(例えば特開2008−113910号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、この場合、筒状部材を通して視認される光の形状は、筒状部材の形状に左右されるため、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの強弱による模様の変化は規則的なものとなり、その演出効果も限定的となるという問題点を有していた。
これに対し、遊技機E1によれば、流下する球が光照射装置の照射する光を遮るため、球の流下する部分で視認される光に影を生じ、視認される光の模様を変化させることができる。また、球が光を遮ることで生じる影は、流下する球の個数や、球の流下位置により様々な態様で視認されるため、光の明るさの度合いの強弱による模様の種類を増やすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機E1において、球が流下する経路が複数形成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、球が流下する経路が複数用意される。よって、球が流下する経路を異ならせることにより、視認される球の影の移動経路を変化させることができる。
遊技機E2において、前記筒状部材を遮蔽する態様で配設されると共に光透過部を有する装飾部材を備え、その装飾部材は、前記筒状部材の軸心に対して傾斜して複数列形成される光の透過性の低い部分である低透過率部を有し、前記装飾部材の前記筒状部材側の側面に前記経路が形成可能とされることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、装飾部材は低透過率部により光を分割させる用途と、球の流下経路を変化させる用途とに兼用される。よって、装飾部材とは別の部材を配設することにより球の流下経路を変化させる場合に比較して、必要な部材の配設個数を削減できるので、材料コストおよび組立てコストを抑制することができる。
遊技機E3において、前記筒状部材の前記低透過率部は、前記筒状部材の径方向外側に張り出して2重らせん状に形成されると共に所定の経路で流下する球が当接可能な位置に形成され、前記筒状部材の前記低透過率部に球が当接されることで前記筒状部材が回転可能に形成され、前記2重らせん状に形成される低透過率部の内の1方のらせん状の低透過率部に球が当接される場合には、前記装飾部材に形成される1の前記経路を球が流下する一方で、前記1方のらせん状の低透過率部とは異なる他方のらせん状の低透過率部に球が当接される場合には、前記装飾部材に形成される1の前記経路とは異なる経路で球が流下することを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、球が筒状部材のどの位置に当接するかにより、球が複数の経路の内どの経路で流下されるかが決められるため、球を一定の経路で筒状部材に到達させながら、球が筒状部材に当接した後の流下経路を複数に変化させることができる。
即ち、例えば、装飾部材に形成される複数の経路に沿って球を流下させる場合に、球を各経路に案内する部材を用意する必要があるとすると、必要部材が多くなる。また、一の経路から、球を複数の経路に分岐させる場合には、各経路に球を分岐させる分岐路や、球の流下する経路を変化させるスイッチなどの機能部材を配設する必要があり、それに伴って材料コストや組立てコストが増加する。
それに対して、遊技機E4によれば、球を一定の経路で筒状部材に到達するように案内する場合であっても、筒状部材が回転されることで筒状部材の姿勢が変化され、球に当接される筒状部材の箇所が変化される。これにより、球が当接される筒状部材の低透過率部が、1方のらせん状の低透過率部と他方のらせん状の低透過率部とで選択され、それに伴い、球が装飾部材に形成される1の経路を流下するか、他の経路を流下するかで球の流下経路が変化される。即ち、球を複数の経路で流下させる効果を維持しながら、球を各経路に案内する部材を不要とできる。よって、材料コストや組立てコストを低減しながら、球が筒状部材に当接した後の流下経路を複数に変化させることができる。
遊技機A0からA9,B1からB6,C1からC9,D1からD4又はE1からE4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA9,B1からB6,C1からC9,D1からD4又はE1からE4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA9,B1からB6,C1からC9,D1からD4又はE1からE4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に配設される拡散部材と、その拡散部材の背面側に配設される光照射装置とを備え、その光照射装置から照射される光が拡散部材により拡散され、拡散部材の正面側に配設される装飾部材が照らされる遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2008−113910号公報)。
上述した従来の遊技機では、光照射装置から照射される光が遊技者に視認される態様は、限定的である。即ち、例えば、光照射装置の光源の位置により、拡散部材の照らされる位置は決定され、光源の発光状態をいくら変化させても、拡散部材が照らされる位置(光の模様)は変化されない。そのため、遊技者に視認される光の態様は限定的なものとなり、光照射装置から照射される光の演出を限定的なものとする問題点を有していた。
そこで、本願出願人は、上述の遊技機に加えて、光照射装置の正面側に筒状部材が配設され、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより模様が形成され、その視認される模様が筒状部材の回転により変化され、筒状部材の光り方が変化される遊技機を開発した(本願出願時未公知)。しかし、この場合、例えば、光照射装置から照射される光の出力方向が一定に形成されると、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様の、光の明るさの度合いが強く視認される位置や範囲もしくは弱く視認される位置や範囲を大きく変化させることはできない。そのため、筒状部材の演出の態様が限定的なものとなるという問題点を有していた。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、光照射装置から照射される光の出力方向が一定に形成される場合であっても、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様の、光の明るさの度合いが強く視認される位置や範囲もしくは弱く視認される位置や範囲を大きく変化させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、遊技盤に回転可能に軸支されると共に光透過部を有する筒状部材と、その筒状部材へ向けて光を照射する光照射装置と、を備え、前記筒状部材は、光の透過率の低い部分であり、前記筒状部材の周面に形成されると共に前記筒状部材が回転されることにより一方向視において視認される位置が変化される態様で形成される低透過率部を備えると共に、遊技盤を流下する球の運動エネルギーが伝達されることにより回転され、前記光照射装置から照射される光が前記筒状部材を通して視認され、前記光照射装置から照射される光の出力方向もしくは進行方向が、前記筒状部材の軸心に垂直な平面において変更可能に形成される。
なお、筒状部材が光透過部を有するとは、筒状部材が少なくとも一部において光を透過させる部分を有することを意味する。この意味において、筒状部材の態様は特に限定されるものではなく、例えば、筒状部材そのものが光透過性材料から形成されても良いし、筒状部材が光透過性材料と、光を遮蔽する材料とから形成されても良い。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記筒状部材と前記光照射装置との間に前記光照射装置から前記筒状部材へ向けて照射される光を屈折可能に形成される屈折部材を備え、前記光照射装置が、光を照射する複数の光源と、その複数の光源が固定される基盤部とを備え、前記屈折部材は、前記複数の光源の前記筒状部材側にそれぞれ配設されると共に前記筒状部材の軸直角方向に揺動可能に形成される。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記筒状部材は、軸心に垂直な断面形状が、軸心からの距離が前記筒状部材の軸心から前記屈折部材までの距離よりも短い短径方向と、その短径方向よりも長い径を有する長径方向とを有する楕円形状に形成され、その長径方向を前記屈折部材に向けることで前記筒状部材と前記屈折部材とが当接され、その屈折部材が揺動可能に形成される。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記光照射装置から照射される光の進行方向が変更されるのに要する駆動源は、遊技盤を流下する球の運動エネルギーである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、光照射装置から照射される光の出力方向もしくは進行方向が、筒状部材の軸心に垂直な平面において変更可能に形成されるので、例えば正面視において、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いが最も強く視認される位置を軸直角方向に沿って変更することができる。よって、光照射装置から照射される光の出力方向が一定に形成される場合であっても、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様の、光の明るさの度合いが強く視認される位置や範囲もしくは弱く視認される位置や範囲を大きく変化させることができ、筒状部材の演出の態様を増加させることができる。
また、筒状部材が回転されることで、一方向視における低透過率部の位置が変化される。そのため、筒状部材が回転されることにより、一方向視において筒状部材を通して視認される、光照射装置から照射される光の明るさの度合いの分布が変化される。即ち、筒状部材を通して視認される光の明るさの度合いの違いにより形成される模様が変化可能に形成されるので、光照射装置から照射される光の演出の態様を増加させることができる。
更に、遊技盤を流下する球の運動エネルギーにより筒状部材が回転される。よって、筒状部材を回転させる駆動モータが必要ないので、筒状部材を回転させるのに必要な動力コストを削減することができる。
また、駆動モータを配設しない分だけ省スペースに筒状部材を設置することができる。即ち、筒状部材等の役物を遊技盤正面側や遊技盤背面側に配設するスペースは一定の範囲に限定されるところ、筒状部材を回転させる駆動モータを配設不要としたことで使用可能となるスペースを、他の移動役物を配設するスペースとして活用することができる。よって、他の移動役物の配設自由度を向上させることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、光照射装置の複数の光源にそれぞれ配設される屈折部材が揺動可能に形成されるので、光照射装置から照射される光の進行方向を、屈折部材の揺動により変化させることができる。この場合、屈折部材は各個別々に配設されるため、屈折部材の設計次第で、どの屈折部材を揺動させるかを任意に選択することができる。即ち、どの光源から照射される光の進行方向を変えるかを選択することができるので、光照射装置の光の演出の自由度を向上させることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、筒状部材が回転され、屈折部材に短径方向を向ける場合には屈折部材と短径方向とが離間することにより屈折部材は力を受けず、屈折部材は停止したままとなる。一方、屈折部材に長径方向を向ける場合には、屈折部材と長径方向とが当接されることで、屈折部材が揺動される。よって、筒状部材の回転を、筒状部材の周面に視認される光の明るさの度合いの強弱により形成される模様を変化させる用途と、屈折部材を揺動させて光の進行方向を変化させる用途とに兼用することができる。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、光照射装置から照射される光の進行方向を変化させるための駆動源を配設不要とできるので、駆動源の配設個数を抑制することができる。