JP6450303B2 - 熱処理装置、温度調節方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

熱処理装置、温度調節方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本開示は、熱処理装置、温度調節方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
現在、フォトリソグラフィ技術を用いて凹凸パターン(例えば、レジストパターン)を基板(例えば、半導体ウエハ、ガラスウエハその他の各種ウエハ)の表面に形成するための微細加工プロセスが、広く一般に行われている。特許文献1は、微細加工プロセスにおいて用いられる装置の一つである加熱処理装置を開示している。
当該加熱処理装置は、表面上に載置された基板を加熱する熱板を備える。当該熱処理装置は、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて基板を微細加工する際に、基板の表面に塗布されたレジスト液の溶剤を蒸発させるための加熱処理(プリベーキング)や、露光処理後に、基板上面の塗布膜の化学反応を促進させるための加熱処理(ポストエクスポージャーベーキング)や、現像処理後の加熱処理(ポストベーキング)などを実施する。
特開2001−093829号公報
加熱処理装置の起動時には、熱板の温度を常温から設定温度(数100℃程度)まで昇温させるのに時間を要していた。また、加熱処理装置においては、ロットごとに設定温度が異なる基板を処理する必要がある。そのため、次に処理される基板の設定温度(t1)が処理中の基板の設定温度(t2)よりも高い場合には、やはり、熱板の温度を設定温度t2から設定温度t1まで昇温させるのに時間を要していた。
加えて、近年、凹凸パターンの更なる微細化に伴い、基板を加熱する際の熱板の温度変動が凹凸パターンのばらつきに影響を与えやすくなっている。ところが、熱板の温度が設定温度に到達した直後は、熱板の雰囲気温度が熱板の温度に馴染んでいない。そのため、熱板の温度が設定温度に到達したとしても、熱板の雰囲気温度が安定化するまで待ち時間が生じていた。
そこで、本開示は、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とを図ることにより基板の処理効率を高めることが可能な熱処理装置、温度調節方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を説明する。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、基板に熱を付与するように構成された熱板と、熱板を加熱するように構成された第1のヒータと、第1のヒータに電圧を印加するように構成された電源と、電源から第1のヒータに印加される電圧を、電源の電源電圧と、電源電圧が昇圧された昇圧電圧との間で変更可能に構成された変圧器と、熱板の温度を測定するように構成された第1の温度センサと、制御部とを備え、制御部は、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を昇圧電圧に変更する第1の処理と、第1の処理の後、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を電源電圧に変更する第2の処理とを実行する。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置では、制御部が、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を昇圧電圧に変更する第1の処理を実行する。そのため、第1のヒータに昇圧電圧が印加されることにより、第1のヒータに印加される電力が増加する。従って、第1のヒータから熱板に付与される熱量が増加するので、熱板が目標温度に到達する時間が短縮される。また、第1のヒータからその周囲に付与される熱量が増加するので、熱板の雰囲気の温度が早期に上昇する。その結果、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、基板の処理効率を高めることが可能となる。
ところで、第1のヒータに昇圧電圧のみを印加する場合、熱板が目標温度に到達した後に熱板の温度を一定に保持するにあたり、第1のヒータに印加される電力を制限する必要がある。そのため、昇圧電圧が高くなるほど変圧器から第1のヒータに対する出力が小さくなり、変圧器を制御することが困難となる。しかしながら、本開示の一つの観点に係る熱処理装置では、制御部が、第1の処理の後、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を電源電圧に変更する第2の処理を実行する。そのため、目標温度に到達した後の熱板の温度を一定に保持するにあたり、変圧器の出力低下が抑制される。従って、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、熱板を出し入れ可能に構成された収容筐体と、収容筐体を加熱するように構成された第2のヒータと、収容筐体の温度を測定するように構成された第2の温度センサとを更に備え、電源は、第2のヒータにも電圧を印加するように構成されており、変圧器は、電源から第1のヒータに印加される電圧を、電源電圧と、電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧との間で変更可能に構成された第1の変圧モジュールと、電源から第2のヒータに印加される電圧を、電源電圧と、電源電圧が昇圧された第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成された第2の変圧モジュールとを有し、制御部は、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、第1の変圧モジュールを制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を第1の昇圧電圧に変更する第1の処理と、第1の処理の後、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が第1の目標温度に到達した場合に、第1の変圧モジュールを制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を電源電圧に変更する第2の処理と、収容筐体の設定温度が第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度よりも高い場合に、第2の変圧モジュールを制御して、電源から第2のヒータに印加される電圧を第2の昇圧電圧に変更する第3の処理と、第3の処理の後、第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度が所定の第2の目標温度に到達した場合に、第2の変圧モジュールを制御して、電源から第2のヒータに印加される電圧を電源電圧に変更する第4の処理とを実行してもよい。この場合、第1のヒータから熱板に付与される熱量と、第2のヒータから収容筐体に付与される熱量とが共に増加するので、熱板及び収容筐体がそれぞれ第1及び第2の目標温度に到達する時間がより短縮される。また、第1及び第2のヒータからその周囲に付与される熱量が増加すると共に、収容筐体が熱板を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板の雰囲気の温度がより早期に上昇する。その結果、基板の処理効率をより高めることが可能となる。加えて、変圧器(第1及び第2の変圧モジュール)を安定して動作させることが可能となる。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、熱板を出し入れ可能に構成された収容筐体と、収容筐体を加熱するように構成された第2のヒータと、収容筐体の温度を測定するように構成された第2の温度センサとを更に備え、電源は、第2のヒータにも電圧を印加するように構成されており、制御部は、第1の処理において、収容筐体の設定温度が第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度よりも高い場合に、変圧器を制御して、電源から第1及び第2のヒータにそれぞれ印加される電圧を昇圧電圧に変更し、第2の処理において、第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、変圧器を制御して、電源から第1及び第2のヒータに印加される電圧を電源電圧に変更してもよい。この場合、第1のヒータから熱板に付与される熱量と、第2のヒータから収容筐体に付与される熱量とが共に増加するので、熱板及び収容筐体が目標温度に到達する時間がより短縮される。また、第1及び第2のヒータからその周囲に付与される熱量が増加すると共に、収容筐体が熱板を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板の雰囲気の温度がより早期に上昇する。その結果、基板の処理効率をより高めることが可能となる。加えて、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
本開示の一つの観点に係る熱処理装置は、第1のヒータをPID制御動作によってフィードバック制御するように構成された出力回路部を更に備え、制御部は、第1の処理において、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、第1の制御パラメータに基づいて出力回路部を動作させることと、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が制御温度に到達した後に、第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータに基づいて出力回路部を動作させることとを実行してもよい。この場合、熱板の測定温度が制御温度に到達した後の昇温速度を、熱板の測定温度が制御温度に到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板の温度がオーバーシュートし難くなる。
変圧器は、電源から第1のヒータに印加される電圧を、電源電圧と、電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧と、電源電圧が昇圧され且つ第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成され、制御部は、第1の処理において、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を第1の昇圧電圧に変更することと、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が制御温度に到達した後に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を第2の昇圧電圧に変更することとを実行してもよい。この場合、熱板の測定温度が制御温度に到達した後の昇温速度を、熱板の測定温度が制御温度に到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板の温度がオーバーシュートし難くなる。
変圧器は、電源から第1のヒータに印加される電圧を、電源電圧と、電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧と、電源電圧が昇圧され且つ第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成され、制御部は、第1の処理において、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を第1の昇圧電圧に変更し、第2の処理において、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、変圧器を制御して、電源から第1のヒータに印加される電圧を第2の昇圧電圧に変更してもよい。この場合も、目標温度に到達した後の熱板の温度を一定に保持するにあたり、変圧器の出力低下が抑制される。従って、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
本開示の他の観点に係る温度調節方法は、基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、次に処理される基板の設定温度が温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱するヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更する第1の工程と、第1の工程の後、温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、ヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと変圧器によって変更する第2の工程とを含む。
本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程において、次に処理される基板の設定温度が温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱するヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更している。そのため、ヒータに昇圧電圧が印加されることにより、ヒータに印加される電力が増加する。従って、ヒータから熱板に付与される熱量が増加するので、熱板が目標温度に到達する時間が短縮される。また、ヒータからその周囲に付与される熱量が増加するので、熱板の雰囲気の温度が早期に上昇する。その結果、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、基板の処理効率を高めることが可能となる。
ところで、ヒータに昇圧電圧のみを印加する場合、熱板が目標温度に到達した後に熱板の温度を一定に保持するにあたり、ヒータに印加される電力を制限する必要がある。そのため、昇圧電圧が高くなるほど変圧器からヒータに対する出力が小さくなり、変圧器を制御することが困難となる。しかしながら、本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程の後、第2の工程において、ヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと変圧器によって変更している。そのため、目標温度に到達した後の熱板の温度を一定に保持するにあたり、変圧器の出力低下が抑制される。従って、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
本開示の他の観点に係る温度調節方法は、収容筐体内において基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧へと第1の変圧モジュールによって変更する第1の工程と、第1の工程の後、第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の第1の目標温度に到達した場合に、第1のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと第1の変圧モジュールによって変更する第2の工程と、収容筐体の設定温度が第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度よりも高い場合に、収容筐体を加熱する第2のヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された第2の昇圧電圧へと第2の変圧モジュールによって変更する第3の工程と、第3の工程の後、第2の温度センサによって測定される収容筐体の測定温度が所定の第2の目標温度に到達した場合に、第2のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと第2の変圧モジュールによって変更する第4の工程とを含む。
本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程において、次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧へと第1の変圧モジュールによって変更している。そのため、第1のヒータに昇圧電圧が印加されることにより、第1のヒータに印加される電力が増加する。第3の工程においても同様に、第2のヒータに印加される電力が増加する。第1のヒータから熱板に付与される熱量と、第2のヒータから収容筐体に付与される熱量とが共に増加するので、熱板及び収容筐体がそれぞれ第1及び第2の目標温度に到達する時間がより短縮される。また、第1及び第2のヒータからその周囲に付与される熱量が増加すると共に、収容筐体が熱板を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板の雰囲気の温度がより早期に上昇する。その結果、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、基板の処理効率をより高めることが可能となる。
ところで、第1及び第2のヒータにそれぞれ第1及び第2の昇圧電圧のみを印加する場合、熱板及び収容筐体がそれぞれ第1及び第2の目標温度に到達した後にこれらの温度を一定に保持するにあたり、第1及び第2のヒータに印加される電力を制限する必要がある。そのため、第1及び第2の昇圧電圧が高くなるほど第1及び第2の変圧モジュールから第1及び第2のヒータに対する出力が小さくなり、各変圧モジュールを制御することが困難となる。しかしながら、本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程の後、第2の工程において、第1のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと第1の変圧モジュールによって変更している。また、第3の工程の後、第4の工程において、第2のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと第2の変圧モジュールによって変更している。そのため、第1及び第2の目標温度にそれぞれ到達した後の熱板及び収容筐体の温度を一定に保持するにあたり、各変圧モジュールの出力低下が抑制される。従って、各変圧モジュールを安定して動作させることが可能となる。
本開示の他の観点に係る温度調節方法は、収容筐体内において基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、収容筐体の設定温度が温度センサによって測定される収容筐体の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧及び収容筐体を加熱する第2のヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更する第1の工程と、第1の工程の後、温度センサによって測定される収容筐体の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、第1及び第2のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと変圧器によって変更する第2の工程とを含む。
本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程において、収容筐体の設定温度が温度センサによって測定される収容筐体の測定温度よりも高い場合に、熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧及び収容筐体を加熱する第2のヒータに電源から印加される電圧を電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更している。そのため、第1及び第2のヒータに昇圧電圧が印加されることにより、第1及び第2のヒータに印加される電力が増加する。第1のヒータから熱板に付与される熱量と、第2のヒータから収容筐体に付与される熱量とが共に増加するので、熱板及び収容筐体が目標温度に到達する時間がより短縮される。また、第1及び第2のヒータからその周囲に付与される熱量が増加すると共に、収容筐体が熱板を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板の雰囲気の温度がより早期に上昇する。その結果、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、基板の処理効率をより高めることが可能となる。
ところで、第1及び第2のヒータに昇圧電圧のみを印加する場合、熱板及び収容筐体が目標温度に到達した後にこれらの温度を一定に保持するにあたり、第1及び第2のヒータに印加される電力を制限する必要がある。そのため、昇圧電圧が高くなるほど変圧器から第1及び第2のヒータに対する出力が小さくなり、変圧器を制御することが困難となる。しかしながら、本開示の他の観点に係る温度調節方法では、第1の工程の後、第2の工程において、温度センサによって測定される収容筐体の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、第1及び第2のヒータに電源から印加される電圧を電源電圧へと変圧器によって変更している。そのため、目標温度に到達した後の熱板及び収容筐体の温度を一定に保持するにあたり、変圧器の出力低下が抑制される。従って、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
第1の工程において、温度センサによって測定される熱板の測定温度が目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、ヒータをPID制御動作によってフィードバック制御するように構成された出力回路部を第1の制御パラメータに基づいて動作させることと、温度センサによって測定される熱板の測定温度が制御温度に到達した後に、第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータに基づいて出力回路部を動作させることとを行ってもよい。この場合、熱板の測定温度が制御温度に到達した後の昇温速度を、熱板の測定温度が制御温度に到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板の温度がオーバーシュートし難くなる。
第1の工程において、温度センサによって測定される熱板の測定温度が目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、電源からヒータに印加される電圧を電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧に変圧器によって変更することと、温度センサによって測定される熱板の測定温度が制御温度に到達した後に、電源からヒータに印加される電圧を電源電圧が昇圧され且つ第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧に変圧器によって変更することとを行ってもよい。この場合、熱板の測定温度が制御温度に到達した後の昇温速度を、熱板の測定温度が制御温度に到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板の温度がオーバーシュートし難くなる。
第1の工程において、次に処理される基板の設定温度が温度センサによって測定される熱板の測定温度よりも高い場合に、ヒータに電源から印加される電圧を、電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧へと変圧器によって変更し、第2の工程において、温度センサによって測定される熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、ヒータに電源から印加される電圧を、電源電圧が昇圧され且つ第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧へと変圧器によって変更してもよい。この場合も、目標温度に到達した後の熱板の温度を一定に保持するにあたり、変圧器の出力低下が抑制される。従って、変圧器を安定して動作させることが可能となる。
本開示の他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の温度調節方法を熱処理装置に実行させるためのプログラムを記録している。本開示の他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、上記の温度調節方法と同様に、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とを図ることにより基板の処理効率を高めることが可能となる。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、一時的でない有形の媒体(non-transitory computer recording medium)(例えば、各種の主記憶装置又は補助記憶装置)や、伝播信号(transitory computer recording medium)(例えば、ネットワークを介して提供可能なデータ信号)が含まれる。
本開示に係る熱処理装置、温度調節方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、熱板の昇温時間の短縮化と熱板の雰囲気温度の早期安定化とを図ることにより基板の処理効率を高めることが可能となる。
図1は、基板処理システムを示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、熱処理ユニットを側方から見た断面図である。 図5は、熱処理ユニットを上方から見た断面図である。 図6は、熱処理ユニット及びコントローラを示すブロック図である。 図7は、コントローラのハードウェア構成を示す概略図である。 図8は、熱板の温度を調節する方法を説明するためのフローチャートである。
以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[基板処理システム]
図1に示されるように、基板処理システム1(基板処理装置)は、塗布現像装置2(基板処理装置)と、露光装置3と、コントローラ10(制御部;熱処理装置)とを備える。露光装置3は、ウエハW(基板)の表面に形成されたレジスト膜R(図4参照)の露光処理(パターン露光)を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜(感光性被膜)の露光対象部分に選択的にエネルギー線を照射する。エネルギー線としては、例えばArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、g線、i線、又は極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)が挙げられる。
塗布現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウエハWの表面にレジスト膜Rを形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜Rの現像処理を行う。ウエハWは、円板状を呈してもよいし、円形の一部が切り欠かれていてもよいし、多角形など円形以外の形状を呈していてもよい。ウエハWは、例えば、半導体基板、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。ウエハWの直径は、例えば200mm〜450mm程度であってもよい。
図1〜図3に示されるように、塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インターフェースブロック6とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインターフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
キャリアブロック4は、図1及び図3に示されるように、キャリアステーション12と、搬入搬出部13とを有する。キャリアステーション12は複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、少なくとも一つのウエハWを密封状態で収容する。キャリア11の側面11aには、ウエハWを出し入れするための開閉扉(図示せず)が設けられている。キャリア11は、側面11aが搬入搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
搬入搬出部13は、キャリアステーション12及び処理ブロック5の間に位置している。搬入搬出部13は、複数の開閉扉13aを有する。キャリアステーション12上にキャリア11が載置される際には、キャリア11の開閉扉が開閉扉13aに面した状態とされる。開閉扉13a及び側面11aの開閉扉を同時に開放することで、キャリア11内と搬入搬出部13内とが連通する。搬入搬出部13は、受け渡しアームA1を内蔵している。受け渡しアームA1は、キャリア11からウエハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウエハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
処理ブロック5は、図1及び図2に示されるように、BCTモジュール14と、HMCTモジュール15と、COTモジュール16と、DEVモジュール17とを有する。BCTモジュール14は下層膜形成モジュールである。HMCTモジュール15は中間膜(ハードマスク)形成モジュールである。COTモジュール16はレジスト膜形成モジュールである。DEVモジュール17は現像処理モジュールである。これらのモジュールは、床面側からDEVモジュール17、BCTモジュール14、HMCTモジュール15、COTモジュール16の順に並んでいる。
BCTモジュール14は、ウエハWの表面上に下層膜を形成するように構成されている。BCTモジュール14は、複数の塗布ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA2(図2参照)とを内蔵している。塗布ユニットは、下層膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットは、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。BCTモジュール14において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて下層膜とするための加熱処理が挙げられる。下層膜としては、例えば、反射防止(SiARC)膜が挙げられる。
HMCTモジュール15は、下層膜上に中間膜を形成するように構成されている。HMCTモジュール15は、複数の塗布ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA3(図2参照)とを内蔵している。塗布ユニットは、中間膜形成用の塗布液をウエハWの表面に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットは、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。HMCTモジュール15において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させて中間膜とするための加熱処理が挙げられる。中間膜としては、例えば、SOC(Spin On Carbon)膜、アモルファスカーボン膜が挙げられる。
COTモジュール16は、中間膜上に熱硬化性且つ感光性のレジスト膜Rを形成するように構成されている。COTモジュール16は、図2及び図3に示されるように、複数の塗布ユニットU1と、複数の熱処理ユニットU2(熱処理装置)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA4とを内蔵している。塗布ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(レジスト剤)を中間膜の上に塗布して塗布膜を形成するように構成されている。熱処理ユニットU2は、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。COTモジュール16において行われる熱処理の具体例としては、塗布膜を硬化させてレジスト膜とするための加熱処理(PAB:Pre Applied Bake)が挙げられる。熱処理ユニットU2の詳細については後述する。
DEVモジュール17は、露光されたレジスト膜の現像処理を行うように構成されている。DEVモジュール17は、複数の現像ユニット(図示せず)と、複数の熱処理ユニット(図示せず)と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送アームA5と、これらのユニットを経ずにウエハWを搬送する直接搬送アームA6とを内蔵している。現像ユニットは、レジスト膜Rを部分的に除去してレジストパターンを形成するように構成されている。熱処理ユニットは、例えば熱板によりウエハWを加熱し、加熱後のウエハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行うように構成されている。DEVモジュール17において行われる熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には、図2及び図3に示されるように、棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、床面からHMCTモジュール15に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインターフェースブロック6側には、棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は床面からDEVモジュール17の上部に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インターフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11のウエハWを取り出して露光装置3に渡し、露光装置3からウエハWを受け取って棚ユニットU11に戻すように構成されている。
コントローラ10は、基板処理システム1を部分的又は全体的に制御する。コントローラ10の詳細については後述する。
[熱処理ユニットの構成]
次に、熱処理ユニットU2の構成について、図4〜図6を参照してさらに詳しく説明する。なお、本明細書ではCOTモジュール16の熱処理ユニットU2の構成を説明しているが、BCTモジュール14、HMCTモジュール15及びDEVモジュール17の熱処理ユニットの構成も熱処理ユニットU2と同等である。
熱処理ユニットU2は、図4及び図5に示されるように、筐体100内に、ウエハWを加熱する加熱部110と、ウエハWを冷却する冷却部120とを有する。筐体100のうち冷却部120に対応する部分の両側壁には、ウエハWを筐体100の内部に搬入すると共にウエハWを筐体100外へと搬出するための搬入出口101が形成されている(図5参照)。
加熱部110は、蓋部111(収容筐体)と、熱板収容部112(収容筐体)とを有する。蓋部111は、熱板収容部112の上方に位置しており、熱板収容部112から離間した上方位置と熱板収容部112上に載置される下方位置との間で上下動が可能である。蓋部111は、下方位置にあるときに熱板収容部112とともに処理室PRを構成する。
蓋部111の中央には、処理室PRから気体を排気するための排気部111aが設けられている。蓋部111の内部には、蓋部111を加熱するように構成されたヒータ111b(第2のヒータ)と、蓋部111の温度を測定するように構成された温度センサ111c(第2の温度センサ)とが配置されている。
熱板収容部112は、円筒状を呈しており、その内部に熱板113を収容している。熱板113の外周部は、支持部材114によって支持されている。支持部材114の外周は、筒状を呈するサポートリング115によって支持されている。サポートリング115の上面には、上方に向けて開口したガス供給口115aが形成されている。ガス供給口115aは、処理室PR内に不活性ガスを噴き出すように構成されている。
熱板113は、図5に示されるように、円形状を呈する平板である。熱板113の外形は、ウエハWの外形よりも大きい。熱板113には、その厚さ方向に貫通して延びる貫通孔HLが3つ形成されている(図5参照)。熱板113の上面には、ウエハWを支持する少なくとも3つの支持ピンPNが立設されている。支持ピンPNの高さは、例えば100μm程度であってもよい。熱板113の下面には、熱板113を加熱するように構成されたヒータ116(第1のヒータ)が配置されている。熱板113の内部には、熱板113の温度を測定するように構成された温度センサ117(第1の温度センサ)が配置されている。
図4に示されるように、熱板113の下方には昇降機構119が配置されている。昇降機構119は、筐体100外に配置されたモータ119aと、モータ119aによって上下動する3つの昇降ピン119bとを有する。昇降ピン119bはそれぞれ、対応する貫通孔HL内に挿通されている。昇降ピン119bの先端が熱板113及び支持ピンPNよりも上方に突出している場合、昇降ピン119bの先端上にウエハWを載置可能である。昇降ピン119bの先端上に載置されたウエハWは、昇降ピン119bの上下動に伴い昇降する。
冷却部120は、図4及び図5に示されるように、加熱部110に隣接して位置している。冷却部120は、載置されたウエハWを冷却する冷却板121を有する。冷却板121は、図5に示されるように、略矩形状を呈する平板である。冷却板121のうち加熱部110側の端部は、加熱部110に向けて突出した円弧状を呈している。冷却板121には、例えばペルチェ素子などの冷却部材121aが内蔵されている。冷却部材121aは、冷却板121を所定の設定温度に調節できる。
冷却板121は、加熱部110側に向かって延伸するレール122に取付けられている。冷却板121は、駆動部123により駆動されレール122上を水平移動可能である。加熱部110側まで移動した冷却板121は、熱板113の上方に位置する。
冷却板121には、図5に示されるように、レール122の延在方向に沿って延びる2本のスリット124が形成されている。スリット124は、冷却板121における加熱部110側の端部から冷却板121の中央部付近まで延びるように形成されている。スリット124により、加熱部110側に移動した冷却板121と熱板113上に突出した昇降ピン119bとの干渉が防止される。
図4に示されるように、冷却板121の下方には昇降機構125が配置されている。昇降機構125は、筐体100外に配置されたモータ125aと、モータ125aによって上下動する3つの昇降ピン125bとを有する。昇降ピン125bはそれぞれ、スリット124を通過可能に構成されている。昇降ピン125bの先端が冷却板121よりも上方に突出している場合、昇降ピン125bの先端上にウエハWを載置可能である。昇降ピン125bの先端上に載置されたウエハWは、昇降ピン125bの上下動に伴い昇降する。
熱処理ユニットU2は、図4に示されるように、変圧器200と、変圧器200を介してヒータ111b,116に電圧を印加するように構成された直流又は交流の電源PSとを有する。すなわち、変圧器200は、電源PSとヒータ111b,116との間に配置されている。変圧器200は、図6に示されるように、変圧モジュール210,220を含む。
変圧モジュール210(第1の変圧モジュール)は、リレー211,213と、昇圧トランス212と、出力回路部214とを含む。リレー211は、電源PSに接続されており、電源PSの電源電圧VPSの出力回路部214への出力をON/OFF可能に構成されている。昇圧トランス212は、電源PSの電源電圧VPSを昇圧して昇圧電圧VB1を生成する。リレー213は、昇圧トランス212に接続されており、昇圧電圧VB1の出力回路部214への出力をON/OFF可能に構成されている。
出力回路部214は、リレー211,213からの入力電力を所望の出力電力に変換し、当該出力電力をヒータ116に印加するように構成されている。出力回路部214は、例えば、熱板113の目標温度THPtと温度センサ117による熱板113の測定温度THPmとの偏差に基づいて入力電力をPID制御し、測定温度THPmが目標温度THPtに近づくように出力電力をフィードバック制御する。このように、変圧モジュール210は、電源PSからヒータ116に印加される電圧を、電源電圧VPSと昇圧電圧VB1との間で変更可能に構成されている。
変圧モジュール220(第2の変圧モジュール)は、リレー221,223と、昇圧トランス222と、出力回路部224とを含む。リレー221は、電源PSに接続されており、電源PSの電源電圧VPSの出力回路部224への出力をON/OFF可能に構成されている。昇圧トランス222は、電源PSの電源電圧VPSを昇圧して昇圧電圧VB2を生成する。リレー223は、昇圧トランス222に接続されており、昇圧電圧VB2の出力回路部224への出力をON/OFF可能に構成されている。
出力回路部224は、リレー221,223からの入力電力を所望の出力電力に変換し、当該出力電力をヒータ111bに印加するように構成されている。出力回路部224は、例えば、蓋部111の目標温度TLtと温度センサ111cによる蓋部111の測定温度TLmとの偏差に基づいて入力電力をPID制御し、測定温度TLmが目標温度TLPtに近づくように出力電力をフィードバック制御する。このように、変圧モジュール220は、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を、電源電圧VPSと昇圧電圧VB2との間で変更可能に構成されている。
[コントローラの構成]
コントローラ10は、図6に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラ10の機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラ10を構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取る。記録媒体RMは、基板処理システム1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMとしては、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。
記憶部M2は、種々のデータを記憶する。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み取られたプログラム及び温度センサ111c,117からそれぞれ入力された熱板113及び蓋部111の各測定温度THPm,TLmの他、例えば、ロットごとに設定されたウエハWの熱処理のための設定温度TWset、ロットごとに設定された蓋部111の熱処理のための設定温度TLset、出力回路部214,224におけるPID制御のための制御パラメータ(比例項、積分項、微分項)等を記憶する。設定温度TSET,TLset及び制御パラメータは、例えば、外部入力装置(図示せず)を介して入力されてもよい。
処理部M3は、各種データを処理する。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板処理システム1の各部(例えば、昇降機構119,125、駆動部123、リレー211,213,221,223及び出力回路部214,224)を動作させるための信号を生成する。
指示部M4は、処理部M3において生成された信号を基板処理システム1の各部(例えば、昇降機構119,125、駆動部123、リレー211,213,221,223及び出力回路部214,224)に送信する。具体的には、指示部M4は、モータ119aに上昇信号又は下降信号を送信し、昇降ピン119bを昇降させる。指示部M4は、モータ125aに上昇信号又は下降信号を送信し、昇降ピン125bを昇降させる。指示部M4は、各リレー211,213,221,223にON/OFF信号を送信し、出力回路部214,224への入力電力を切り替える。指示部M4は、出力回路部214に電力変換信号を送信し、例えばPID制御のための制御パラメータ(比例項、積分項、微分項)を変更することにより、入力電圧を所定の出力電圧に変換する。
コントローラ10のハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成される。コントローラ10は、ハードウェア上の構成として、例えば図7に示す回路10Aを有する。回路10Aは、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路10Aは、具体的には、プロセッサ10Bと、メモリ10Cと、ストレージ10Dと、ドライバ10Eと、入出力ポート10Fとを有する。プロセッサ10Bは、メモリ10C及びストレージ10Dの少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポート10Fを介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。ドライバ10Eは、基板処理システム1の各種装置をそれぞれ駆動する回路である。入出力ポート10Fは、ドライバ10Eと基板処理システム1の各種装置との間で、信号の入出力を行う。
本実施形態では、基板処理システム1は、一つのコントローラ10を備えているが、複数のコントローラ10で構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラ10によって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラ10の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10が複数のコンピュータ(回路10A)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路10A)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路10A)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラ10は、複数のプロセッサ10Bを有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサ10Bによって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサ10Bの組み合わせによって実現されていてもよい。
[温度調節方法]
続いて、図8(a)を参照して、熱処理ユニットU2における熱板113の温度調節方法を説明する。まず、コントローラ10は、次に処理されるウエハWの設定温度TWsetが温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmよりも高いか否かを判断する(ステップS11)。設定温度TWsetは、処理されるウエハWに応じて種々の温度となりうるが、例えば50℃〜450℃程度であってもよい。設定温度TWsetが測定温度THPm以下である場合には(ステップS11でNO)、熱板113の温度調節処理を終了する。
一方、設定温度TWsetが測定温度THPmより高い場合には(ステップS11でYES)、コントローラ10は、リレー211をOFFにすると共に、リレー213をONにする(ステップS12)。すなわち、コントローラ10は、変圧モジュール210を制御して、電源PSからヒータ116に印加される電圧を昇圧電圧VB1に変更する。次に、コントローラ10は、温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmが目標温度THPtに到達したか否かを判断する(ステップS13)。熱板113の温度調節に際し、熱板113の温度をウエハWの設定温度TWsetとすることが目的であるので、オーバーシュートを考慮して、目標温度THPtは、設定温度TWset以下であってもよいし、例えば設定温度TWsetよりも5℃〜10℃程度低い温度であってもよい。測定温度THPmが目標温度THPtに到達していない場合には(ステップS13でNO)、測定温度THPmが目標温度THPtに到達するまで待機する。
一方、測定温度THPmが目標温度THPtに到達した場合には(ステップS13でYES)、コントローラ10は、リレー211をONにすると共に、リレー213をOFFにする(ステップS14)。すなわち、コントローラ10は、変圧モジュール210を制御して、電源PSからヒータ116に印加される電圧を電源電圧VPSに変更する。
続いて、図8(b)を参照して、熱処理ユニットU2における蓋部111の温度調節方法を説明する。まず、コントローラ10は、蓋部111の設定温度TLsetが温度センサ111cよって測定される蓋部111の測定温度TLmよりも高いか否かを判断する(ステップS21)。設定温度TLsetは、処理されるウエハWに応じて種々の温度となりうるが、一般的に設定温度TWsetよりも低く、例えば50℃〜350℃程度であってもよい。設定温度TLsetが測定温度TLm以下である場合には(ステップS21でNO)、蓋部111の温度調節処理を終了する。
一方、設定温度TLsetが測定温度TLmより高い場合には(ステップS21でYES)、コントローラ10は、リレー221をOFFにすると共に、リレー223をONにする(ステップS22)。すなわち、コントローラ10は、変圧モジュール220を制御して、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を昇圧電圧VB2に変更する。次に、コントローラ10は、温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmが目標温度TLtに到達したか否かを判断する(ステップS23)。蓋部111の温度調節に際し、蓋部111の温度を蓋部111の設定温度TLsetとすることが目的であるので、オーバーシュートを考慮して、目標温度TLtは、設定温度TLset以下であってもよいし、例えば設定温度TLsetよりも5℃〜10℃程度低い温度であってもよい。測定温度TLmが目標温度TLtに到達していない場合には(ステップS23でNO)、測定温度TLmが目標温度TLtに到達するまで待機する。
一方、測定温度TLmが目標温度TLtに到達した場合には(ステップS23でYES)、コントローラ10は、リレー221をONにすると共に、リレー223をOFFにする(ステップS24)。すなわち、コントローラ10は、変圧モジュール220を制御して、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を電源電圧VPSに変更する。
[作用]
以上のような本実施形態では、次に処理されるウエハWの設定温度TWsetが温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmよりも高い場合に(ステップS11でYES)、コントローラ10が、変圧モジュール210を制御して、電源PSからヒータ116に印加される電圧を昇圧電圧VB1に変更している(ステップS12)。そのため、ヒータ116に昇圧電圧VB1が印加されることにより、ヒータ116に印加される電力が増加する。同様に、蓋部111の設定温度TLsetが温度センサ111cよって測定される蓋部111の測定温度TLmよりも高い場合に(ステップS21でYES)、コントローラ10が、変圧モジュール220を制御して、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を昇圧電圧VB2に変更している(ステップS22)。そのため、ヒータ111bに印加される電力が増加する。このように、ヒータ116から熱板113に付与される熱量と、ヒータ111bから蓋部111に付与される熱量とが共に増加するので、熱板113及び蓋部111がそれぞれ目標温度THPt,TLtに到達する時間がより短縮される。また、ヒータ111b,116からその周囲に付与される熱量が増加すると共に、蓋部111が熱板収容部112と共に熱板113を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板113の雰囲気温度がより早期に上昇する。その結果、熱板113の昇温時間の短縮化と熱板113の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、ウエハWの処理効率をより高めることが可能となる。
ところで、ヒータ111b,116にそれぞれ昇圧電圧VB1,VB2のみを印加する場合、熱板113及び蓋部111がそれぞれ目標温度THPt,TLtに到達した後にこれらの温度を一定に保持するにあたり、ヒータ111b,116に印加される電力を制限する必要がある。そのため、昇圧電圧VB1,VB2が高くなるほど変圧モジュール210,220からヒータ111b,116に対する出力が小さくなり、各変圧モジュール210,220を制御することが困難となる。しかしながら、本実施形態では、測定温度THPmが目標温度THPtに到達した場合(ステップS13でYES)、コントローラ10が、変圧モジュール210を制御して、電源PSからヒータ116に印加される電圧を電源電圧VPSに変更している。同様に、測定温度TLmが目標温度TLtに到達した場合(ステップS23でYES)、コントローラ10が、変圧モジュール220を制御して、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を電源電圧VPSに変更している。そのため、目標温度THPt,TLtにそれぞれ到達した後の熱板113及び蓋部111の温度を一定に保持するにあたり、各変圧モジュール210,220の出力低下が抑制される。従って、各変圧モジュール210,220を安定して動作させることが可能となる。
[他の実施形態]
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、ステップS12において、コントローラ10が出力回路部214に指示して、温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmが目標温度THPtよりも低い制御温度THPcに到達するまで、出力回路部214が第1の制御パラメータ(比例項PHP1、積分項IHP1、微分項DHP1)で出力電圧をPID制御してもよい。温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達した後、同じステップS12において、コントローラ10が出力回路部214に指示して、出力回路部214が第2の制御パラメータ(比例項PHP2、積分項IHP2、微分項DHP2)で出力電圧をPID制御してもよい。比例項PHP2が比例項PHP1よりも大きくなるように第1の制御パラメータから第2の制御パラメータへと変更されると、比例帯が大きくなるので、オーバーシュートし難くなる。積分項IHP2が積分項IHP1よりも大きくなるように第1の制御パラメータから第2の制御パラメータへと変更されると、目標温度THPt近傍において出力が減少するので、オーバーシュートし難くなる。微分項DHP2が微分項DHP1よりも小さくなるように第1の制御パラメータから第2の制御パラメータへと変更されると、目標温度THPt近傍において出力が減少するので、オーバーシュートし難くなる。このように、第1の制御パラメータに対して第2の制御パラメータを所定の値に設定することで、熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達した後の昇温速度を、熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板113の温度がオーバーシュートし難くなる。
ステップS22においても上記と同様に、コントローラ10が出力回路部224に指示して、温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmが目標温度TLtよりも低い制御温度TLcに到達するまで、出力回路部224が第1の制御パラメータ(比例項PL1、積分項IL1、微分項DL1)で出力電圧をPID制御してもよい。温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmが制御温度TLcに到達した後、同じステップS22において、コントローラ10が出力回路部224に指示して、出力回路部224が第2の制御パラメータ(比例項PL2、積分項IL2、微分項DL2)で出力電圧をPID制御してもよい。
上記の実施形態では、電源電圧VPSと昇圧電圧VB1,VB2との2段階で電圧値を変更していたが、3段階以上で電圧値を段階的に変更してもよい。例えば、ステップS12において、温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmが目標温度THPtよりも低い制御温度THPcに到達するまで、電源PSからヒータ116に印加される電圧を昇圧電圧VB1へと変圧モジュール210によって変更してもよい。温度センサ117によって測定される熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達した後、同じステップS12において、電源SPからヒータ116に印加される電圧を昇圧電圧VB1よりも低く且つ電源電圧VPSよりも高い昇圧電圧VB3へと変圧モジュール210によって変更してもよい。この場合も、熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達した後の昇温速度を、熱板113の測定温度THPmが制御温度THPcに到達するまでの昇温速度よりも小さくできる。そのため、熱板113の温度がオーバーシュートし難くなる。昇圧電圧VB3は、例えば、電源電圧VPSよりも10V〜20V程度高い電圧であってもよい。
ステップS22においても上記と同様に、温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmが目標温度TLtよりも低い制御温度TLcに到達するまで、電源PSからヒータ111bに印加される電圧を昇圧電圧VB2へと変圧モジュール220によって変更してもよい。温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmが制御温度TLcに到達した後、同じステップS22において、電源SPからヒータ111bに印加される電圧を昇圧電圧VB2よりも低く且つ電源電圧VPSよりも高い昇圧電圧VB4へと変圧モジュール220によって変更してもよい。昇圧電圧VB4は、例えば、電源電圧VPSよりも10V〜20V程度高い電圧であってもよい。
ステップS13,S23において、熱板113又は蓋部111が目標温度THPt,TLtよりも5℃〜10℃程度低い温度に到達したときに、電源電圧VPSに変更してもよい。
ステップS13,S23において、熱板113又は蓋部111が目標温度THPt,TLtを超えた場合(オーバーシュートした場合)に、電源電圧VPSに変更してもよい)。
上記の実施形態では、変圧器200が2つの変圧モジュール210,220を含んでいたが、変圧器200が1つの変圧モジュール210を含んでいてもよい。この場合、出力回路部214からの出力電力はヒータ111b,116の双方に印加される。そのため、蓋部111の設定温度TLsetが温度センサ111cによって測定される蓋部111の測定温度TLmよりも高い場合に、コントローラ10が、変圧モジュール210(変圧器200)を制御して、電源PSからヒータ111b,116に印加される電圧を昇圧電圧VB5に変更してもよい。また、測定温度TLmが目標温度TLtに到達した場合、コントローラ10が、変圧モジュール210(変圧器200)を制御して、電源PSからヒータ111b,116に印加される電圧を電源電圧VPSに変更してもよい。この場合も、ヒータ116から熱板113に付与される熱量と、ヒータ111bから蓋部111に付与される熱量とが共に増加するので、熱板113及び蓋部111が目標温度TLtに到達する時間が短縮される。また、ヒータ111b,116からその周囲に付与される熱量が増加すると共に、蓋部111が熱板収容部112と共に熱板113を収容して熱の外部への放散を抑制しているので、熱板113の雰囲気温度がより早期に上昇する。その結果、熱板113の昇温時間の短縮化と熱板113の雰囲気温度の早期安定化とが図られるので、ウエハWの処理効率を高めることが可能となる。加えて、変圧モジュール210(変圧器200)を安定して動作させることも可能となる。
蓋部111にヒータ111b及び温度センサ111cが設けられていなくてもよい。この場合、熱板113の温度調節が行われるが、蓋部111の温度調節は行われない。
上記の実施形態では、リレー213,223の前段に昇圧トランス212,222がそれぞれ接続されており、リレー211,221の前段には昇圧トランスが接続されていなかったが、リレー211,221の前段にも昇圧トランスがそれぞれ接続されていてもよい。この場合、リレー211,221の前段における昇圧トランスはそれぞれ、電源PSの電源電圧VPSを昇圧して昇圧電圧VB6,VB7を生成する。これらの昇圧電圧VB6,VB7は、昇圧トランス212,222による昇圧電圧VB1,VB2よりも低く設定される。この場合も、目標温度THPt,TLtにそれぞれ到達した後の熱板113及び蓋部111の温度を一定に保持するにあたり、各変圧モジュール210,220の出力低下が抑制される。従って、各変圧モジュール210,220を安定して動作させることが可能となる。
1…基板処理システム、10…コントローラ(制御部;熱処理装置)、100…筐体、110…加熱部、111…蓋部(収容筐体)、111b…ヒータ(第2のヒータ)、111c…温度センサ(第2の温度センサ)、112…熱板収容部(収容筐体)、113…熱板、116…ヒータ(第1のヒータ)、117…温度センサ(第1の温度センサ)、200…変圧器、210,220…変圧モジュール、211,213,221,223…リレー、212,222…昇圧トランス、214,224…出力回路部、PR…処理室、PS…電源、RM…記録媒体、U2…熱処理ユニット(熱処理装置)、W…ウエハ(基板)。

Claims (13)

  1. 基板に熱を付与するように構成された熱板と、
    前記熱板を加熱するように構成された第1のヒータと、
    前記第1のヒータに電圧を印加するように構成された電源と、
    前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を、前記電源の電源電圧と、前記電源電圧が昇圧された昇圧電圧との間で変更可能に構成された変圧器と、
    前記熱板の温度を測定するように構成された第1の温度センサと、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、
    次に処理される基板の設定温度が前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記昇圧電圧に変更する第1の処理と、
    前記第1の処理の後、前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記電源電圧に変更する第2の処理とを実行する、熱処理装置。
  2. 前記熱板を出し入れ可能に構成された収容筐体と、
    前記収容筐体を加熱するように構成された第2のヒータと、
    前記収容筐体の温度を測定するように構成された第2の温度センサとを更に備え、
    前記電源は、前記第2のヒータにも電圧を印加するように構成されており、
    前記変圧器は、
    前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を、前記電源電圧と、前記電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧との間で変更可能に構成された第1の変圧モジュールと、
    前記電源から前記第2のヒータに印加される電圧を、前記電源電圧と、前記電源電圧が昇圧された第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成された第2の変圧モジュールとを有し、
    前記制御部は、
    次に処理される基板の設定温度が前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記第1の変圧モジュールを制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記第1の昇圧電圧に変更する第1の処理と、
    前記第1の処理の後、前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記第1の目標温度に到達した場合に、前記第1の変圧モジュールを制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記電源電圧に変更する第2の処理と、
    前記収容筐体の設定温度が前記第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度よりも高い場合に、前記第2の変圧モジュールを制御して、前記電源から前記第2のヒータに印加される電圧を前記第2の昇圧電圧に変更する第3の処理と、
    前記第3の処理の後、前記第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度が所定の第2の目標温度に到達した場合に、前記第2の変圧モジュールを制御して、前記電源から前記第2のヒータに印加される電圧を前記電源電圧に変更する第4の処理とを実行する、請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記熱板を出し入れ可能に構成された収容筐体と、
    前記収容筐体を加熱するように構成された第2のヒータと、
    前記収容筐体の温度を測定するように構成された第2の温度センサとを更に備え、
    前記電源は、前記第2のヒータにも電圧を印加するように構成されており、
    前記制御部は、
    前記第1の処理において、前記収容筐体の設定温度が前記第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度よりも高い場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1及び第2のヒータにそれぞれ印加される電圧を前記昇圧電圧に変更し、
    前記第2の処理において、前記第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1及び第2のヒータに印加される電圧を前記電源電圧に変更する、請求項1に記載の熱処理装置。
  4. 前記第1のヒータをPID制御動作によってフィードバック制御するように構成された出力回路部を更に備え、
    前記制御部は、前記第1の処理において、
    前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、第1の制御パラメータに基づいて前記出力回路部を動作させることと、
    前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記制御温度に到達した後に、前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータに基づいて前記出力回路部を動作させることとを実行する、請求項1に記載の熱処理装置。
  5. 前記変圧器は、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を、前記電源電圧と、前記電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧と、前記電源電圧が昇圧され且つ前記第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成され、
    前記制御部は、前記第1の処理において、
    前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記第1の昇圧電圧に変更することと、
    前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記制御温度に到達した後に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記第2の昇圧電圧に変更することとを実行する、請求項1に記載の熱処理装置。
  6. 前記変圧器は、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を、前記電源電圧と、前記電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧と、前記電源電圧が昇圧され且つ前記第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧との間で変更可能に構成され、
    前記制御部は、
    前記第1の処理において、次に処理される基板の設定温度が前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記第1の昇圧電圧に変更し、
    前記第2の処理において、前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記変圧器を制御して、前記電源から前記第1のヒータに印加される電圧を前記第2の昇圧電圧に変更する、請求項1に記載の熱処理装置。
  7. 基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、
    次に処理される基板の設定温度が温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記熱板を加熱するヒータに電源から印加される電圧を前記電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記ヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源電圧へと前記変圧器によって変更する第2の工程とを含む、温度調節方法。
  8. 収容筐体内において基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、
    次に処理される基板の設定温度が第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧を前記電源の電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧へと第1の変圧モジュールによって変更する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記第1の温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が所定の第1の目標温度に到達した場合に、前記第1のヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源電圧へと前記第1の変圧モジュールによって変更する第2の工程と、
    前記収容筐体の設定温度が第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度よりも高い場合に、前記収容筐体を加熱する第2のヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源の電源電圧が昇圧された第2の昇圧電圧へと第2の変圧モジュールによって変更する第3の工程と、
    前記第3の工程の後、前記第2の温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度が所定の第2の目標温度に到達した場合に、前記第2のヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源電圧へと前記第2の変圧モジュールによって変更する第4の工程とを含む、温度調節方法。
  9. 収容筐体内において基板に熱を付与するように構成された熱板の温度を調節する方法であって、
    前記収容筐体の設定温度が温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度よりも高い場合に、前記熱板を加熱する第1のヒータに電源から印加される電圧及び前記収容筐体を加熱する第2のヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源の電源電圧が昇圧された昇圧電圧へと変圧器によって変更する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記温度センサによって測定される前記収容筐体の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記第1及び第2のヒータに前記電源から印加される電圧を前記電源電圧へと前記変圧器によって変更する第2の工程とを含む、温度調節方法。
  10. 前記第1の工程において、
    前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、前記ヒータをPID制御動作によってフィードバック制御するように構成された出力回路部を第1の制御パラメータに基づいて動作させることと、
    前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記制御温度に到達した後に、前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータに基づいて前記出力回路部を動作させることとを行う、請求項7に記載の温度調節方法。
  11. 前記第1の工程において、
    前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記目標温度よりも低い制御温度に到達するまで、前記電源から前記ヒータに印加される電圧を前記電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧に前記変圧器によって変更することと、
    前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が前記制御温度に到達した後に、前記電源から前記ヒータに印加される電圧を前記電源電圧が昇圧され且つ前記第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧に前記変圧器によって変更することとを行う、請求項7に記載の温度調節方法。
  12. 前記第1の工程において、次に処理される基板の設定温度が前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度よりも高い場合に、前記ヒータに前記電源から印加される電圧を、前記電源電圧が昇圧された第1の昇圧電圧へと変圧器によって変更し、
    前記第2の工程において、前記温度センサによって測定される前記熱板の測定温度が所定の目標温度に到達した場合に、前記ヒータに前記電源から印加される電圧を、前記電源電圧が昇圧され且つ前記第1の昇圧電圧よりも低い第2の昇圧電圧へと前記変圧器によって変更する、請求項7に記載の温度調節方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか一項に記載の温度調節方法を熱処理装置に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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