JP6447928B2 - アルミニウム膜の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は長尺状の多孔性樹脂基材表面にアルミニウムを電気めっきして基材上にアルミニウム膜を形成するアルミニウム膜の製造方法及び製造装置に関する。
アルミニウムは表面に緻密な酸化膜を形成することにより不動態化し優れた耐食性を発揮する。このため鋼帯などの表面にアルミニウムめっきを施して耐食性を高めることが行われている。
例えば、鋼帯表面にアルミニウムめっきをするには、まず、コンダクタロールを通じて鋼帯をめっき室内に連続的に送給し、めっき室内のめっき液に浸漬された陽極内を走行させる。この時、鋼帯自体は陰極として作用するように電気的に接続されていることから、陽極と陰極である鋼帯との間で電解が起こり、鋼帯の表面にアルミニウムが電着し、アルミニウムめっきが形成される。めっき液内を走行する鋼帯はターンロールによって方向が変更され、今度は上向きに走行するが、この場合にも陽極との間でめっきが行われる。アルミニウムめっきが形成された鋼帯はめっき室を出てからコンダクタロールを経て系外に取り出される(特許文献1、2参照)。
また、三次元網目構造を有するアルミニウムからなる多孔体は、リチウムイオン電池の正極の容量を向上させるものとして有望である。現在では、アルミニウムの導電性、耐食性、軽量などの優れた特徴を生かして、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム等の活物質を塗布したものがリチウムイオン電池の正極として使用されている。この正極をアルミニウムからなる多孔体により形成することで、表面積を大きくし、アルミニウムの内部にも活物質を充填することが可能となる。これにより、電極を厚くしても活物質の利用率が減少することがなくなり、単位面積当たりの活物質の利用率が向上し、正極の容量を向上させることが可能となる。
本出願人は、上記のようなアルミニウム多孔体の製造方法として、三次元網目構造を有する樹脂成形体にアルミニウムを電気めっきする方法を提案している(特許文献3参照)。従来のアルミニウム溶融塩浴は高温にする必要があるため、樹脂成形体表面にアルミニウムを電気めっきしようとすると、樹脂が高温に耐えられず溶解してしまうなどの問題があった。しかしながら特許文献2に記載の方法によれば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(EMIC)や、1−ブチルピリジニウムクロリド(BPC)などの有機塩化物塩と塩化アルミニウム(AlCl3)とを混合することで、室温で液体のアルミニウム浴が形成され、樹脂成形体へのアルミニウムの電気めっきが可能となる。特に、EMIC−AlCl3系では液の特性が良好であり、アルミめっき液として有用である。
ところで、めっき液として溶融塩を用いた連続電気めっき装置では、めっき液である溶融塩が大気に接すると、空気中の水分と反応、吸湿して反応生成物を生じ、めっき液として要求される機能が損なわれる。特に、アルミニウム系のめっきに塩化物系の溶融塩を用いると、溶融塩が空気中の水分と反応することにより塩化水素が生成されて作業場環境が悪化したり、めっき装置の各構成材料が腐食したりするという問題がある。また、金属アルミニウムは非常に酸化されやすい特性を持つため、基材表面に形成されたアルミニウム膜はめっき液中に含まれる微量の溶存酸素とも反応して酸化アルミニウムとなってしまう。このような反応がめっき膜の成長と同時に起こると、アルミニウムの結晶粒が変化してしまい、めっき膜の機械強度が低下したり、電気伝導性が悪くなったりするという問題が生じる。
そこで、めっき液に溶融塩を用いた連続電気めっき装置においては、図7に示すように、めっき室1への長尺状シートW(以下「ワーク」ともいう)の入口部および出口部に2組のシールロール対を備えたシール室4、5を設けてめっき液を外気から完全に遮断された密閉系としてめっきが行われている(特許文献4参照)。
特開平05−222599号公報 特開平05−186892号公報 特開2012−007233号公報 特開2000−87287号公報
本発明者は図7に示されるような、めっき室1のワークの入口部および出口部に2組のシールロール対をそれぞれ有しN2 ガスを充填されたシール室4、5を設けたアルミニウム膜製造装置を作成した。そして、この装置を用い、めっき室内に外気から水分や酸素が進入しないことを更に確実にするために、めっき室のNガス圧を正圧として三次元網目構造を有する樹脂成形体にアルミニウムを電気めっきした。その結果、依然としてわずかに水分及び酸素が電解室に侵入するという問題があることが分かった。
本発明は前記問題点に鑑みて、めっき室内に水分及び酸素が侵入することのないアルミニウム膜の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意探求を重ねた結果、めっき室の基材入口側及び基材出口側にシール室を設け、めっき室が外気に対して正圧となるようにめっき室に不活性ガスを供給すると共に、前記の二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス排気管から不活性ガスを強制排気することによりめっき室内への水分の侵入を防ぐことができるとの知見を得て本発明を完成した。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。
すなわち、本発明に係るアルミニウム膜の製造方法は、
溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造方法であって、
前記基材をめっき室の入口側に設けたシール室を通して前記めっき室に搬入する工程と、
前記めっき室で前記基材の表面にアルミニウム膜を電着させる工程と、
前記アルミニウム膜を電着させた前記基材を前記めっき室の出口側に設けたシール室を通して前記めっき室から搬出する工程と
を含み、
前記めっき室には前記めっき室が外気に対して正圧となるように不活性ガスを供給し、
前記二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス供給管から不活性ガスを供給し、
記二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス排気管から前記不活性ガスを強制排気するようにした
アルミニウム膜の製造方法、
である。
また、本発明の別の態様は、
溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造装置であって、
めっき室と、
前記めっき室の前記基材の入口側及び出口側のそれぞれに設けたシール室と、
前記めっき室に設けられ、前記めっき室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と、
前記二つのシール室のそれぞれに設けられ、前記シール室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と、
記二つのシール室のそれぞれに設けられ、前記シール室内の前記不活性ガスを強制排気する不活性ガス排気管と
を含むアルミニウム膜の製造装置、
である。
本発明により、溶融塩電解液を使用して基材上にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造方法及び製造装置において、めっき室に水分及び酸素が侵入するのを確実に防ぐことができる。
本発明の実施形態のアルミニウム膜製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態のアルミニウム膜製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態のアルミニウム膜製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態のアルミニウム膜製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態のアルミニウム膜製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態において用いるシール室の構成例を示す図である。 本発明の構成を備えていないアルミニウム膜の製造装置を示す図である。 アルミニウム多孔体の製造工程を示すフロー図である。 アルミニウム多孔体の製造工程を説明する断面模式図である 導電性塗料による樹脂多孔体表面の連続導電化工程の一例を説明する図である。 連続気孔を有する三次元網目構造を有する金属多孔体を示す図である。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造方法は、
溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造方法であって、
前記基材をめっき室の入口側に設けたシール室を通して前記めっき室に搬入する工程と、
前記めっき室で前記基材の表面にアルミニウム膜を電着させる工程と、
前記アルミニウム膜を電着させた前記基材を前記めっき室の出口側に設けたシール室を通して前記めっき室から搬出する工程と
を含み、
前記めっき室には前記めっき室が外気に対して正圧となるように不活性ガスを供給し、
前記の二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス排気管から前記不活性ガスを強制排気するようにした
アルミニウム膜の製造方法、
である。
本実施形態によれば、シール室に侵入してきた水分及び酸素を不活性ガス気流によって不活性ガス排気管から強制排気することによって外気中の水分及び酸素がめっき室に侵入するのを確実に防止することができるので、高品質のアルミニウムめっき膜を得ることができ、また、塩化水素などの有害物質の発生を防ぐことができる。
(2)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造方法は、前記不活性ガス排気管は、前記入口側シール室においては前記基材入口側に設けられており、前記出口側シール室においては前記基材出口側に設けられている上記(1)に記載のアルミニウム膜の製造方法、である。
本実施形態によれば、外部からシール室に侵入してくる水分及び酸素がめっき室に侵入する前に不活性ガスと共に排気することができる。
(3)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造方法は、前記二つのシール室のそれぞれに不活性ガスを供給する不活性ガス供給管を更に設けた上記(1)又は(2)に記載のアルミニウム膜の製造方法、である。
本実施形態によれば、シール室内の不活性ガスの流速を高めることができるので水分及び酸素がめっき室に侵入するのをより確実に防止することができる。
(4)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造方法は、前記シール室に設けられた前記不活性ガス供給管は、入口側シール室においては前記基材出口側に設けられており、出口側シール室においては前記基材入口側に設けられている上記(3)に記載のアルミニウム膜の製造方法、である。
本実施形態によれば、シール室内におけるめっき室側からシール室の排気管側に向かう不活性ガスの流速を更に高めることができるので水分及び酸素がめっき室に侵入するのをより確実に防止することができる。
(5)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造方法は、前記二つのシール室の前記基材の入口及び前記基材の出口のそれぞれをシールロールによってシールした上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアルミニウム膜の製造方法、である。
本実施形態によれば、シールロールによる外気侵入防止効果が加わるため、水分及び酸素がめっき室に侵入するのをより一層確実に防止することができる。
(6)本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造装置は、溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造装置であって、
めっき室と、
前記めっき室の前記基材の入口側及び出口側のそれぞれに設けたシール室と、
前記めっき室に設けられ、前記めっき室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と、
前記の二つのシール室のそれぞれに設けられ、前記シール室内の前記不活性ガスを強制排気する不活性ガス排気管と
を含むアルミニウム膜の製造装置、
である。
本実施形態によれば、シール室に侵入してきた水分及び酸素を不活性ガス気流によって不活性ガス排気管から強制排気するので外気中の水分及び酸素がめっき室に侵入するのを確実に防止することができるので、高品質のアルミニウムめっき膜を得ることができ、また、塩化水素などの有害物質の発生を防ぐことができる。
なお、めっき室あるいはシール室への不活性ガス供給、及びシール室での不活性ガスの強制排気は、めっき液への水分及び酸素混入を防止するために、めっき室への基材搬入の有無によらず、常時行う必要がある。これは、めっき液に水分が混入すると、めっき液と水分が反応して反応生成物を生じ、めっき液として要求される機能が損なわれることと、めっき液に酸素が混入すると、めっき時に形成されるアルミニウム膜がめっき液中に含まれる微量の溶存酸素と反応して酸化アルミニウムになってしまうことを防止するためである。
本発明に係るアルミニウム膜の製造方法及び装置について以下詳述する。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
通常の基材にめっきによってアルミニウム膜を形成する場合にはシールロールのみを設けたシール室によっても十分に水分を遮断することができる。しかしながら、三次元網目構造を有する樹脂成形体(以下、樹脂多孔体ともいう)にアルミニウムを電気めっきする場合には、シールロールのみでは水分の遮断効果が十分ではない。
これは、シールロールに挟まれた樹脂成形体が多孔質で連続気孔があり、この連続気孔内に保持された水分及び酸素がめっき室内に持ち込まれる為であると推察される。或いは、めっき室内の窒素ガス雰囲気内の水分及び酸素の濃度と外気中の水分又は酸素の濃度との濃度勾配により、水分及び酸素が前記連続気孔を通ってめっき室に拡散してくることが原因であると推察される。
特に、出口側シール室の後ろにアルミニウム膜を形成された基材表面に残留するめっき液を除去するために水洗装置を設けた場合には上記の現象によって水分がめっき室に侵入してくると推察される。
そこで、本発明者が、めっき液が収容されためっき室の入口側と出口側とにシール室を設け、このシール室に排気管を設けてめっき室から吹き出してくる不活性ガスを前記排気管から強制排気して、シール室内に気流を形成させるとめっき室への水分及び酸素の侵入を防止することができた。
以下では、三次元網目構造を有する樹脂成形体(以下、「樹脂多孔体」ともいう)にアルミニウムを電気めっきしてアルミニウム膜を製造する各工程の概要について述べ、合わせて本発明におけるシール室の具体的構成について詳述する。
(アルミニウム膜の製造工程の概要)
本発明に係るアルミニウム膜の製造装置は、めっき室に収容されためっき液中に基材を搬送させて、該基材上にアルミニウムを電着させて基材上にアルミニウム膜を形成するアルミニウム膜の製造装置である。
図8は、アルミニウム多孔体の製造工程を示すフロー図である。また図9は、フロー図に対応して基材となる多孔性樹脂基材(以下、「樹脂多孔体」ということがある)を芯材としてアルミニウム膜を形成する様子を模式的に示したものである。両図を参照して製造工程全体の流れを説明する。
まず樹脂多孔体の準備101を行う。図9(a)は、樹脂多孔体の例として、連通気孔を有する樹脂多孔体の表面を拡大視した拡大模式図である。樹脂多孔体31を骨格として気孔が形成されている。次に樹脂多孔体表面の導電化102を行う。この工程により、図9(b)に示すように樹脂多孔体1の表面には薄く導電体による導電層32が形成される。
続いて溶融塩中でのアルミニウムめっき103を行い、導電層が形成された樹脂多孔体の表面にアルミニウム膜33を形成する(図9(c))。これで、樹脂多孔体を基材として表面にアルミニウム膜33が形成されたアルミニウム構造体が得られる。必要に応じてアルミニウム構造体から基体樹脂の除去104を行う。
樹脂多孔体31を分解等して消失させることにより金属層のみが残ったアルミニウム多孔体33を得ることができる(図9(d))。
以下各工程について順を追って説明する。
(多孔性樹脂基材の準備)
三次元網目構造を有し連通気孔を有する樹脂多孔体を準備する。樹脂多孔体の素材は任意の樹脂を選択できる。ポリウレタン、メラミン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の発泡樹脂成形体が素材として例示できる。発泡樹脂成形体と表記したが、連続した気孔(連通気孔)を有するものであれば任意の形状の樹脂成形体を選択できる。例えば繊維状の樹脂を絡めて不織布のような形状を有するものも発泡樹脂成形体に代えて使用可能である。
発泡樹脂成形体の気孔率は80%〜98%、気孔径は50μm〜500μmとするのが好ましい。発泡ウレタン及び発泡メラミンは気孔率が高く、また気孔の連通性があるとともに熱分解性にも優れているため発泡樹脂成形体として好ましく使用できる。
発泡ウレタンは気孔の均一性や入手の容易さ等の点で好ましく、発泡メラミンは気孔径の小さなものが得られる点で好ましい。
樹脂多孔体には発泡体製造過程での製泡剤や未反応モノマーなどの残留物があることが多く、洗浄処理を行うことが後の工程のために好ましい。基体樹脂が骨格として三次元的に網目を構成することで、全体として連続した気孔を構成している。発泡ウレタンの骨格はその延在方向に垂直な断面において略三角形状をなしている。ここで気孔率は、次式で定義される。
気孔率=(1−(樹脂多孔体の重量[g]/(樹脂多孔体体積[cm]×素材密度)))×100[%]
また、気孔径は、樹脂多孔体表面を顕微鏡写真等で拡大し、1インチ(25.4mm)あたりの気孔数をセル数として計数して、平均孔径=25.4mm/セル数として平均的な値を求める。
(樹脂多孔体表面の導電化)
電気めっきを行うために、樹脂多孔体の表面をあらかじめ導電化処理する。
本発明においては、カーボン等の導電性粒子を含有した導電性塗料を樹脂多孔体表面に塗布して導電化処理を行う。
まず、導電性塗料としてのカーボン塗料を準備する。導電性塗料としての懸濁液は、好ましくは、カーボン粒子、粘結剤、分散剤および分散媒を含む。導電性粒子の塗布を均一に行うには、懸濁液が均一な懸濁状態を維持している必要がある。このため、懸濁液は、20℃〜40℃に維持されていることが好ましい。その理由は、懸濁液の温度が20℃未満になった場合、均一な懸濁状態が崩れ、樹脂多孔体の網状構造をなす骨格の表面に粘結剤のみが集中して層を形成するからである。この場合、塗布されたカーボン粒子の層は剥離し易く、強固に密着した金属めっきを形成し難い。一方、懸濁液の温度が40℃を越えた場合は、分散媒の蒸発量が大きく、塗布処理時間の経過とともに懸濁液が濃縮されてカーボンの塗布量が変動しやすい。また、カーボン粒子の粒径は、0.01〜5μmで、好ましくは0.01〜0.5μmである。粒径が大きいと樹脂多孔体の空孔を詰まらせたり、平滑なめっきを阻害したりする要因となり、小さすぎると十分な導電性を確保することが難しくなる。
樹脂多孔体へのカーボン粒子の塗布は、上記懸濁液に対象となる樹脂多孔体を浸漬し、絞りと乾燥を行うことで可能である。
図10は実用上の製造工程の一例として、骨格となる帯状の樹脂多孔体を導電化する処理装置の構成例を模式的に示す図である。図示の如く、この装置は長尺状基体樹脂(以下「帯状樹脂」ともいう)51を供給するサプライボビン52と、導電性塗料の懸濁液54を収容した槽55と、槽55の上方に配置された1対の絞りロール57と、走行する帯状樹脂51の側方に対向して設けられた複数の熱風ノズル56と、処理後の帯状樹脂51を巻き取る巻取りボビン58とを備えている。また、帯状樹脂51を案内するためのデフレクタロール53が適宜配置されている。以上のように構成された装置において、三次元網状構造を有する帯状樹脂51は、サプライボビン52から巻き戻され、デフレクタロール53により案内されて、槽55内の懸濁液54内に浸漬される。槽55内で懸濁液54に浸漬された帯状樹脂51は、上方に向きを変え、懸濁液54の液面上方の絞りロール57の間を走行する。このとき、絞りロール57の間隔は、帯状樹脂51の厚さよりも小さくなっており、帯状樹脂51は圧縮される。従って、帯状樹脂51に含浸された過剰な懸濁液は、絞り出されて槽55内に戻る。
続いて、帯状樹脂51は、再び走行方向を変える。ここで、複数のノズルから構成された熱風ノズル56が噴射する熱風により懸濁液の分散媒等が除去され、充分に乾燥された上で帯状樹脂51は巻取りボビン58に巻き取られる。尚、熱風ノズル56の噴出する熱風の温度は40℃から80℃の範囲であることが好ましい。以上のような装置を用いると、自動的かつ連続的に導電化処理を実施することができ、目詰まりのない網目構造を有し、且つ、均一な導電層を具備した骨格が形成されるので、次工程の金属めっきを円滑に行うことができる。
(アルミニウム膜の形成:溶融塩めっき)
次に溶融塩中で電解めっきを行い、樹脂多孔体表面にアルミニウム膜を形成する。
溶融塩浴中でアルミニウムのめっきを行うことにより特に三次元網目構造を有する樹脂多孔体のように複雑な骨格構造の表面に均一に厚いアルミニウム膜を形成することができる。
表面が導電化された樹脂多孔体を陰極とし、アルミニウムを陽極として溶融塩中で直流電流を印加する。
また、溶融塩としては、有機系ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である有機溶融塩、アルカリ金属のハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である無機溶融塩を使用することができる。比較的低温で溶融する有機溶融塩浴を使用すると、基材である樹脂多孔体を分解することなくめっきができ好ましい。有機系ハロゲン化物としてはイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等が使用でき、具体的には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(EMIC)、ブチルピリジニウムクロライド(BPC)が好ましい。
溶融塩中に水分や酸素が混入すると溶融塩が劣化するため、めっきは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、かつ密閉した環境下で行うことが好ましい。
溶融塩浴としては窒素を含有した溶融塩浴が好ましく、中でもイミダゾリウム塩浴が好ましく用いられる。溶融塩として高温で溶融する塩を使用した場合は、めっき膜の成長よりも樹脂が溶融塩中に溶解や分解する方が早くなり、樹脂多孔体表面にめっき膜を形成することができない。イミダゾリウム塩浴は、比較的低温であっても樹脂に影響を与えず使用可能である。イミダゾリウム塩として、1,3位にアルキル基を持つイミダゾリウムカチオンを含む塩が好ましく用いられ、特に塩化アルミニウム−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(AlCl−EMIC)系溶融塩が、安定性が高く分解し難いことから最も好ましく用いられる。発泡ウレタンや発泡メラミンなどへのめっきが可能であり、溶融塩浴の温度は10℃から100℃、好ましくは25℃から45℃である。低温になる程めっき可能な電流密度範囲が狭くなり、樹脂多孔体表面全体へのめっきが難しくなる。100℃を超える高温では樹脂多孔体の形状が損なわれる不具合が生じやすい。
金属表面への溶融塩アルミニウムめっきにおいて、めっき表面の平滑性向上の目的でAlCl−EMICにキシレン、ベンゼン、トルエン、1,10−フェナントロリンなどの添加剤を加えることが報告されている。本発明者らは特に三次元網目構造を備えた樹脂多孔体上にアルミニウムめっきを施す場合に、1,10−フェナントロリンの添加によりアルミニウム多孔体の形成に特有の効果が得られることを見出した。すなわち、多孔体を形成するアルミニウム骨格が折れにくいという第1の特徴と、多孔体の表面部と内部とのめっき厚さの差が小さい均一なめっきが可能であるという第2の特徴が得られるのである。
一方、樹脂が溶解等しない範囲で溶融塩として無機塩浴を用いることもできる。無機塩浴とは、代表的にはAlCl−XCl(X:アルカリ金属)の2成分系あるいは多成分系の塩である。このような無機塩浴はイミダゾリウム塩浴のような有機塩浴に比べて一般に溶融温度は高いが、水分や酸素など環境条件の制約が少なく、全体に低コストでの実用化が可能となる。樹脂が発泡メラミンである場合は、発泡ウレタンに比べて高温での使用が可能であり、60℃〜150℃での無機塩浴が用いられる。
(めっき装置)
図1に本発明の実施形態に係るアルミニウム膜の製造装置の一例を示す。
アルミニウム膜の製造装置はめっき室1と、めっき室1の基材入口側に設けられる入口側シール室4と基材出口側に設けられる出口側シール室5とを含む。
基材を送り出すサプライボビン20から繰り出された基材W(以下、ワークともいう)は入口側シール室4を通ってめっき室1内に搬入される。めっき室1内でアルミニウム膜を形成されたワークWは出口側シール室5を経て水洗装置22で水洗されたのち巻取りボビン21に巻き取られる。
−めっき室−
図1に示すようにめっき室1は陽極2とめっき液3とを含む。
めっき室1にはめっき室1内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給管6が設けられており、めっき室内を不活性ガス雰囲気とするとともに、外気に対して正圧となるようにする。不活性ガスは溶融塩と反応しない窒素ガス、アルゴン等のガスであればよくコスト的には窒素を用いることが好ましい。
以下では、不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合について説明する。
めっき室1としては従来使用されているものを使用することができ、液中給電方式のものであっても、液外給電方式のものであっても良い。
図1には基材がめっき液中を水平方向に搬送されるものを示したが、ワークを搬送ドラムの円周面に沿って搬送しながらアルミニウム膜を形成するタイプのものであってもよい。
−入口側シール室及び出口側シール室−
図1に本発明におけるシール室の実施形態の一つを示す。
シール室4、5には窒素ガス排気管7が設けられており、めっき室1から吹き出して来た窒素ガスを窒素ガス排気管7から強制排気することによってシール室4、5内に窒素ガスの気流を形成する。窒素ガス排気管7はめっき室から遠い位置に、すなわち、入口側シール室においては基材の入口に近い位置に、出口側シール室においては基材の出口に近い位置に設けることが好ましい。窒素ガス排気管7を上記したような位置に設けることによって入口側シール室内にはめっき室1から基材入口へと流れる気流が形成され、また、出口側シール室内にはめっき室1から基材出口側へと流れる気流が形成されるので、水分及び酸素がめっき室に侵入してくるのを防ぐ効果が大きくなる。
図2及び図3に本発明におけるシール室の他の実施形態を示す。
図2及び図3に示したものは、シール室4、5にも窒素ガス供給管8を設けたものである。
窒素ガス供給管8から窒素ガスを供給することによりシール室4、5内に形成される気流の流速が増し、水分及び酸素がめっき室に侵入してくるのを防ぐ効果がより大きくなる。
窒素ガス供給管8によって供給される窒素ガスはワークに対して傾斜を持ってワークに吹き付けられることが好ましい。このように窒素ガスを供給することによって、めっき室1側から窒素ガス排気管7側に向かう気流を形成しやすくすると共に、ワークWの気孔内に存在している水分及び酸素を窒素ガスによって置換し水分及び酸素をワークから追い出す。ワークから追い出された水分及び酸素はシール室内の気流に乗って排気管7から排気される。
図4及び図5に本発明におけるシール室の他の実施形態を示す。
図4に示したものは図1に示したものにおけるシール室4、5のそれぞれに二組のシールロール対9を設けたものであり、また、図5に示したものは図2に示したものにおけるシール室4、5のそれぞれに二組のシールロール対9を設けたものである。
シール室にこのようなシールロールを設けることによってめっき室への水分及び酸素の侵入がより効果的に防ぐことができる。
図6に示したものは、シール室4の基材入口に外気侵入防止用のシールプレート(シール材)10を設けたものである。このシールプレートはその端部がワークWの表面と接触するように配置されており、これにより基材入口から外気が侵入するのを防止している。
シールプレートはワークの表面を傷付けることがない材料であればよいが、弾力性のある材料であることが好ましい。また、シール室5の基材出口にも同様の外気侵入防止用のシールプレート(シール材)10を設ける。
(洗浄)
めっきされた樹脂多孔体表面にアルミニウム膜が形成されたアルミニウム構造体に窒素ブローでめっき液を十分除去した後、洗浄してアルミニウム多孔体を得る。
洗浄液としては通常は水を用いるが、有機溶剤を用いても良い。
以上の工程により骨格の芯として樹脂多孔体を有するアルミニウム構造体(アルミニウム多孔体)が得られる。各種フィルターや触媒担体などの用途によっては、このまま樹脂と金属の複合体として使用しても良い。また使用環境の制約などから、樹脂が無い金属構造体として用いる場合には樹脂を除去しても良い。樹脂の除去は、有機溶媒、溶融塩、又は超臨界水による分解(溶解)、加熱分解等任意の方法で行うことができる。ここで、高温での加熱分解等の方法は簡便であるが、アルミニウムの酸化を伴う。アルミニウムはニッケル等と異なり、一旦酸化すると還元処理が困難であるため、たとえば電池等の電極材料として使用する場合には、酸化により導電性が失われることから用いることが出来ない。
このため、アルミニウムの酸化が起こらないように、以下に説明する溶融塩中での熱分解により樹脂を除去する方法が好ましく用いられる。
(樹脂の除去:溶融塩中熱分解)
溶融塩中での熱分解は以下の方法で行う。表面にアルミニウム膜を形成した樹脂多孔体を溶融塩に浸漬し、アルミニウム膜に負電位を印加しながら加熱して樹脂多孔体を分解する。溶融塩に浸漬した状態で負電位を印加すると、アルミニウムを酸化させることなく樹脂多孔体を分解することができる。加熱温度は樹脂多孔体の種類に合わせて適宜選択できるが、アルミニウムを溶融させないためにはアルミニウムの融点(660℃)以下の温度で処理する必要がある。好ましい温度範囲は500℃以上600℃以下である。また印加する負電位の量は、アルミニウムの還元電位よりマイナス側で、かつ溶融塩中のカチオンの還元電位よりプラス側とする。
樹脂の熱分解に使用する溶融塩としては、アルミニウムの電極電位が卑となるようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の塩が使用できる。具体的には塩化リチウム(LiCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化アルミニウム(AlCl)からなる群より選択される1種以上を含むと好ましい。このような方法によって連通気孔を有し、表面の酸化層が薄く酸素量の少ないアルミニウム多孔体を得ることができる
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の範囲によって示され、特許請求の範囲の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
参考例1]
図1に示す本発明の実施形態に係るアルミニウム膜製造装置を用いて多孔性樹脂基材にアルミニウムめっき膜を形成した。めっきの条件は以下の通りとした。
(多孔性樹脂基材)
基材として、幅1m、厚さ1mm、気孔率95体積%、1インチ当たりの気孔数(セル数)約50個の発泡ウレタンを用意した。そして、この発泡ウレタンをカーボン懸濁液に浸漬して乾燥させることにより導電性を付与させた。カーボン懸濁液の成分は、黒鉛とカーボンブラックを17質量%、樹脂バインダーを7質量%含み、更に、浸透剤及び消泡剤を含むものとした。カーボンブラックの粒径は0.5μmとした。
(シール室)
入口側シール室4及び出口側シール室の長さは500mm、高さ200mmとした。
排気管7からシール室内のガスを吸引して強制排気した。
(めっき室)
めっき室1の二つの窒素ガス供給管6から窒素ガスを合計で4.0m/minの流量で供給した。
(めっき条件)
めっき条件は下記の通りとした。
めっき液の組成 :AlCl/EMIC=2mol/1mol
通電電流 :1000A
ワーク :発泡ウレタン(厚さ1mm、幅1000mm、孔径0.5mm) ワークの速度 :150mm/分
ワークの浸漬長さ:2m
(評価)
上記のめっき装置を24時間稼動させた後、めっき室内の雰囲気ガス(窒素ガス)をエアポンプで吸引採取してこれを[サンプリングガス1]とし、めっき装置を収納した部屋(以下一般室という)内のサプライボビン付近の雰囲気ガスをエアポンプで吸引採取してこれを[サンプリングガス2]とした。
[サンプリングガス1]について、露点及び酸素濃度のそれぞれを露点計(静電容量式)及び酸素濃度計で分析した。
また、[サンプリングガス2]について、塩化水素濃度を塩化水素濃度計で分析した。
分析結果を表1に示す。
参考例2]
図4に示す本発明の実施形態に係るシールロール9を備えたアルミニウム膜製造装置を用い、めっき室1の二つの窒素ガス供給管6から窒素ガスを合計で3.5m/minの流量で供給したことを除いては参考例1と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
参考例3]
参考例1において、シール室4の基材入口側及びシール室5の基材出口側に図6に示すシールプレート10を設け、めっき室の二つの窒素ガス供給管6から窒素ガスを合計で3.5m/minの流量で供給したことを除いては参考例1と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[実施例
図2に示す本発明の実施形態に係るアルミニウム膜製造装置を用い、めっき室1の二つの窒素ガス供給管6から窒素ガスを合計で3.3m/minの流量で供給すると共に、シール室4、5の窒素ガス供給管8から窒素ガスを合計で0.2m/minの流量で供給したことを除いては参考例1と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[実施例
図5に示す本発明の実施形態に係るシールロール9を備えたアルミニウム膜製造装置を用い、めっき室1の二つの窒素ガス供給管6から窒素ガスを合計で3.0m/minの流量で供給すると共に、シール室4、5の窒素ガス供給管8から窒素ガスを合計で0.2m/minの流量で供給したことを除いては参考例1と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[比較例1]
参考例1において、窒素ガス排気管7からシール室4、5内のガスを強制排気しなかったこと以外は参考例1と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[比較例2]
参考例2において、窒素ガス排気管7からシール室4、5内のガスを強制排気しなかったこと以外は参考例2と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[比較例3]
参考例3において、窒素ガス排気管7からシール室4、5内のガスを強制排気しなかったこと以外は参考例3と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例において、窒素ガス排気管7からシール室4、5内のガスを強制排気しなかったこと以外は実施例と同様にしてめっき装置を稼動し、サンプリングガスを採取した。
サンプリングガスの分析結果を表1に示す。
めっき室酸素濃度は0.5%未満であれば許容範囲とする。
めっき室露点は−30℃未満であれば許容範囲とする。
HClは0.1ppm未満であれば漏洩無しとする。
Figure 0006447928
1 めっき室
2 陽極
3 めっき液
4 入口側シール室
5 出口側シール室
6 不活性ガス(窒素ガス)供給管
7 不活性ガス(窒素ガス)排気管
8 不活性ガス(窒素ガス)供給管
9 シールロール
10 シールプレート
11 押さえロール
12 給電ロール
13 搬送ロール
14 貯留槽
15 ポンプ
20 サプライボビン
21 巻取りボビン
22 水洗装置
31 樹脂多孔体
32 導電層
33 アルミニウム膜
51 長尺状多孔性樹脂基材(帯状樹脂)
52 サプライボビン
53 デフレクタロール
54 導電性塗料の懸濁液
55 槽
56 熱風ノズル
57 絞りロール
58 巻取りボビン
W ワーク

Claims (5)

  1. 溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造方法であって、
    前記基材をめっき室の入口側に設けたシール室を通して前記めっき室に搬入する工程と、
    前記めっき室で前記基材の表面にアルミニウム膜を電着させる工程と、
    前記アルミニウム膜を電着させた前記基材を前記めっき室の出口側に設けたシール室を通して前記めっき室から搬出する工程と
    を含み、
    前記めっき室には前記めっき室が外気に対して正圧となるように不活性ガスを供給し、
    前記二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス供給管から不活性ガスを供給し、
    記二つのシール室のそれぞれに設けた不活性ガス排気管から前記不活性ガスを強制排気するようにした
    アルミニウム膜の製造方法。
  2. 前記不活性ガス排気管は、前記めっき室の前記入口側に設けたシール室においては前記基材が搬入される入口側に設けられており、
    前記出口側に設けたシール室においては前記基材が搬出される出口側に設けられている
    請求項1に記載のアルミニウム膜の製造方法。
  3. 前記二つのシール室に設けられた前記不活性ガス供給管は、前記めっき室の前記入口側に設けたシール室においては前記基材が搬出される出口側に設けられており、前記出口側に設けたシール室においては前記基材が搬入される入口側に設けられている請求項1または請求項2に記載のアルミニウム膜の製造方法。
  4. 前記二つのシール室の前記基材の入口及び前記基材の出口のそれぞれをシールロールによってシールした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム膜の製造方法。
  5. 溶融塩電解液中で、導電性が付与された長尺状の多孔性樹脂基材の表面にアルミニウムを電着させるアルミニウム膜の製造装置であって、
    めっき室と、
    前記めっき室の前記基材の入口側及び出口側のそれぞれに設けたシール室と、
    前記めっき室に設けられ、前記めっき室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と、
    前記二つのシール室のそれぞれに設けられ、前記シール室に不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と、
    記二つのシール室のそれぞれに設けられ、前記シール室内の前記不活性ガスを強制排気する不活性ガス排気管と
    を含むアルミニウム膜の製造装置。
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