JP6447916B2 - アンテナ装置及びこれを備えた通信機器 - Google Patents

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本発明は、例えば携帯可能な無線機器(携帯電話、スマートフォン、無線ヘッドセット、無線活動量計、無線医療機器等)に用いられるアンテナ装置及びこれを備えた通信機器に関する。
近年、無線通信の広がりと共に、携帯電話機をはじめとする小型無線通信機器が普及し、より小型、薄型で高性能なアンテナ装置の需要が高まっている。このような小型のアンテナ装置として、例えば、特許文献1には、グランド面上の誘電体基板上に形成された給電素子の一方の非放射端に無給電素子をカップリングして形成したマイクロストリップアンテナが提案されている。
特開平7−58539号公報
しかしながら、上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
近年、携帯型無線機、とりわけウェアラブル機器と呼ばれる機器は小型化や薄型化が進んでおり、従来の携帯電話機やスマートフォンよりも遙かに小さくなっている。例えば、無線式ヘッドセットと呼ばれる無線装置は、スマートフォンをハンズフリーで通話するために頭部や耳に装着するものであるが、寸法が長さ20〜50mm、幅約10mm、厚み約5mm程度であり、薄くかつ小型である。このようなウェアラブル機器に搭載するアンテナ装置は、従来よりも薄く小型であることが要望されている。
上記特許文献1のアンテナは、グランド面上の誘電体基板上に給電素子及び無給電素子を形成した、いわゆるパッチアンテナを構成しているが、この場合、給電素子及び無給電素子に対向させて誘電体基板とグランド面とを配置する必要がある。特に、誘電体基板は一般的に3〜5mm程度の厚みであり、ヘッドセット等に搭載するための薄型化が難しいという不都合があった。また、パッチアンテナであるため、指向性が一定方向のみであり、GPSのような通信相手がある一定方向に決まっている状態でなければ十分なアンテナ性能が発揮できない。このため、特許文献1のアンテナは、無指向性が要求される機器、例えば無線式ヘッドセット等の用途に使用する場合に適していないという問題があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、薄型化が可能であると共に広帯域特性と無指向性の放射特性とが得られるアンテナ装置及びこれを備えた通信機器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るアンテナ装置は、回路基板と、前記回路基板に対向して離間配置されていると共に給電点が設けられたアンテナ導体膜とを備え、前記アンテナ導体膜が、前記給電点が配された給電導体部と、前記給電点が配されていない無給電導体部とに分割され、前記給電導体部と前記無給電導体部とが、互いに隙間を空けて隣接配置され、前記回路基板が、前記アンテナ導体膜に高周波電流を供給する高周波回路を備え、前記高周波回路と前記給電点とが給電接続部により接続されていることを特徴とする。
このアンテナ装置では、給電導体部と無給電導体部とが、互いに隙間を空けて隣接配置され、回路基板が、アンテナ導体膜に高周波電流を供給する高周波回路を備え、高周波回路と給電点とが給電接続部により接続されているので、誘電体部材やグランド面が不要になって薄型化や小型化が可能であると共に、無指向性の放射特性を得ることができる。特に、回路基板に形成された高周波回路の配線にも、高周波電流が流れ、アンテナエレメントとして機能することで、アンテナ導体膜と高周波回路の配線とが給電点の両側に延在したダイポールアンテナとして機能し、全方位の放射特性が得られる。また、アンテナ導体膜が面積を有する膜状であることで広帯域化を図ることができると共に、アンテナ導体膜が給電導体部と無給電導体部とに分割されているため、隙間(ギャップ)の静電容量によって波長短縮効果が得られ、小型化しても周波数が高い方へ偏移することを調整することができる。
第2の発明に係るアンテナ装置は、第1の発明において、前記アンテナ導体膜が、絶縁性フィルム上に形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ導体膜が、絶縁性フィルム上に形成されているので、アンテナ導体膜の部分がフレキシブルな絶縁性フィルムで支持されることで、薄く設置汎用性が高く、多様な箇所に設置することが可能になる。
第3の発明に係るアンテナ装置は、第1又は第2の発明において、前記アンテナ導体膜の表面が、前記給電点の部分を除いて絶縁膜で覆われていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ導体膜の表面が、給電点の部分を除いて絶縁膜で覆われているので、アンテナ導体膜の表面を保護してアンテナ導体膜と回路基板とのショートを防止することができる。
第4の発明に係るアンテナ装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記隙間が、前記アンテナ導体膜の中央部に形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、前記隙間が、アンテナ導体膜の中央部に形成されているので、隙間が中央部から外れて形成されている場合よりも高い波長短縮効果を得ることができる。
第5の発明に係るアンテナ装置は、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記隙間が、両端部分よりも中央部分が狭く形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、前記隙間が、両端部分よりも中央部分が狭く形成されているので、隙間を介して電磁気的に結合されている給電導体部から無給電導体部に高周波電流が流れる際、隙間の中央部分から、経路長の異なる高周波電流を無給電導体部全体に広がるように流すことができる。したがって、隙間の幅を端部分に対して中央部分を狭く設定することにより、高周波側の電流経路となる中央部分を流れる経路長の短い高周波電流を多くすることにより、高周波側に帯域を広げることができる。また、逆に、低周波側の電流経路となる端部分より中央部分の隙間の幅を狭くすると、低周波側に帯域を広げることができる。
第6の発明に係る通信機器は、筐体と、前記筐体内に設置された第1から第5の発明のいずれかのアンテナ装置とを備えていることを特徴とする。
すなわち、この通信機器では、筐体内に設置された第1から第5の発明のいずれかのアンテナ装置を備えているので、全体形状の薄型化や小型化が可能になると共に、広帯域特性と無指向性の放射特性とを得ることができる。
第7の発明に係る通信機器は、第6の発明において、前記アンテナ導体膜が、前記筐体の内面に貼り付けられていることを特徴とする。
すなわち、この通信機器では、アンテナ導体膜が、筐体の内面に貼り付けられているので、筐体内でアンテナ導体膜が大きなスペースを占有せず、全体の薄型化や小型化を図ることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のアンテナ装置によれば、給電導体部と無給電導体部とが、互いに隙間を空けて隣接配置され、回路基板が、アンテナ導体膜に高周波電流を供給する高周波回路を備え、高周波回路と給電点とが給電接続部により接続されているので、薄型化や小型化が可能であると共に、広帯域特性と無指向性の放射特性とを得ることができる。
したがって、本発明のアンテナ装置を備えた通信機器は、全体形状の薄型化や小型化が可能になると共に、広帯域特性と無指向性の放射特性とが得られ、無線ヘッドセット等に好適である。
本発明に係るアンテナ装置及びこれを備えた通信機器の第1実施形態において、アンテナ装置を示す概念図である。 第1実施形態において、アンテナ導体膜を示す下面図である。 第1実施形態において、アンテナ導体膜を示す断面図である。 第1実施形態において、アンテナ装置の動作原理を示すための説明図である。 第1実施形態において、内部を透視した通信機器の2つの例を示す概略的な斜視図である。 第2実施形態において、アンテナ導体膜を示す平面図である。 第3実施形態において、アンテナ導体膜のいろいろな例を示す平面図である。 第4実施形態において、アンテナ導体膜のいろいろな例を示す平面図である。 本発明に係るアンテナ装置及びこれを備えた通信機器の実施例について、VSWR特性(電圧定在波比)を測定した結果を示すグラフである。 本発明の実施例について、周波数帯域を広げた場合のVSWR特性を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明に係るアンテナ装置及びこれを備えた通信機器の第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
本実施形態におけるアンテナ装置1は、例えば2.4GHz帯の無線LANやBluetooth(登録商標)に用いられるものであって、図1及び図2に示すように、回路基板2と、回路基板2に対向して離間配置されていると共に給電点FPが設けられたアンテナ導体膜3とを備えている。
上記アンテナ導体膜3は、給電点FPが配された給電導体部3Aと、給電点FPが配されていない無給電導体部3Bとに分割され、給電導体部3Aと無給電導体部3Bとが、互いに隙間G(ギャップ)を空けて隣接配置されている。給電導体部3Aと無給電導体部3Bとは、隙間Gを介して電磁気的に結合(カップリング)している。
この隙間Gは、アンテナ導体膜3の長手方向における中央部に形成されている。なお、本実施形態では、外形が同じ寸法の矩形状を有した給電導体部3Aと無給電導体部3Bとの間に隙間Gが形成されている。
アンテナ導体膜3は、例えば銅、アルミニウム、銀、ニッケル等の金属箔で形成され、厚さが例えば10〜50μmである。
上記回路基板2は、アンテナ導体膜3に高周波電流を供給する高周波回路2aを備え、高周波回路2aと給電点FPとが給電接続部4により接続されている。なお、給電点FPは、給電導体部3Aのほぼ中央部に設定されている。
上記給電接続部4は、例えば高周波回路2aと給電点FPとの間に設置され高周波回路2aから高周波電流を給電点FPに伝達させる小型で低背な板バネ等の金属端子や線材(ケーブル等)等である。なお、給電接続部4の接触位置(給電点FP)を変更することで、共振周波数と特性インピーダンスとが変わり、インピーダンス整合を接触位置で調整することができる。
また、給電接続部4の高さ、すなわち回路基板2とアンテナ導体膜3との間隔を変更することでも、共振周波数と特性インピーダンスを調整することができる。
上記アンテナ導体膜3は、絶縁性フィルム5上に形成されている。この絶縁性フィルム5は、例えばポリイミド、PET等で形成され、厚さが例えば10〜100μmである。
また、アンテナ導体膜3の表面は、給電点FPの部分を除いて絶縁膜6で覆われている。この絶縁膜6は、例えばカバーレイフィルム、レジスト等で形成されている。
すなわち、アンテナ導体膜3は、図3に示すように、基材である絶縁性フィルム5の表面に第1接着剤7aで接着され、さらにアンテナ導体膜3上には第2接着剤7bで絶縁膜6が接着されている。
なお、給電点FPは、アンテナ導体膜3(給電導体部3A)が露出した矩形状の窓部3a内に設定されている。すなわち、給電導体部3Aの窓部3aに露出した部分が給電端子となる。また、絶縁性フィルム5の裏面には、第3接着剤7cを介して剥離紙8が接着されている。この剥離紙8を剥離して露出した第3接着剤7cによって絶縁性フィルム5上に設けられたアンテナ導体膜3を、所定の箇所に貼り付けることが可能である。さらに、柔軟性を得るためにこれら積層全体の厚さを0.15mm程度に設定している。
本実施形態のアンテナ装置1では、図1に示すように、アンテナ導体膜3の長さがλ/4になる共振をもつ周波数に対して、アンテナ導体膜3及び高周波回路2aの導体に流れる電流(イメージ電流、高周波電流)によって、その周辺に電磁界が発生する。そのため、図4に示すように、ダイポールアンテナと同様になり、指向性がλ/2ダイポールアンテナと同じ全方位の放射特性となる。なお、図1において符号Eは電界を示し、符号Jmは磁流を示す。
このアンテナ装置1では、給電点FPに近づくほど漏れ電界Eが小さくなり、反対側は逆の磁流Jmが発生する。なお、電界Eだけでなく磁流Jmも逆相の磁流Jmがあるために小さくなる。このため、アンテナ導体膜3の端部からは放射がほとんどなく、漏れ電界E及び磁流Jmによる放射は、経路(放射部分)が非常に短いため、アンテナ導体膜3の表面に流れる電流による放射よりも周波数が高く、不要輻射(ノイズ)となる。
なお、マクスウェル方程式の下記2式の対比から、電流に対して、仮想的な「磁流」(磁界の時間的変動)を想定している。
∇×H=J+dD/dt
∇×E=dB/dt(=Jm;磁流)
(H:磁場、J:電流密度、D:電束密度、E:電場、B:磁束密度)
なお、特許文献1のようなパッチアンテナでは、平板のパッチのエッジ部分とグランド面との間で電気力線(漏れ電界)が発生し、その電気力線によって放射が発生する。すなわち、パッチとグランド面との間が放射源となる。電気力線は、エッジ部分に沿って発生し、直交する磁流が大きいため、これが放射に寄与する。パッチアンテナでは、エッジ部分の長さが波長のλ/2の長さになる共振をもつ周波数で放射し、グランド面より下にはほとんど放射されないことから、一定方向の指向性を有している。
アンテナ導体膜3の全体的なサイズは、図2に示すように、例えば長手方向(図2のX方向)で10〜30mm、短手方向(Y方向)で5〜20mm、隙間Gの幅が0.1〜2mm程度が好ましい。
回路基板2の大きさは、アンテナ導体膜3よりも大きいことが好ましく、特に長手方向に2倍程度の大きさであることが望ましい。また、回路基板2の短手方向は、アンテナ導体膜3と同等であることが好ましい。
回路基板2とアンテナ導体膜3との距離は、例えば1〜5mmが望ましい。
また、本実施形態の通信機器10Aは、例えば無線ヘッドセットであり、図5の(a)に示すように、筐体11と、筐体11内に設置された上記アンテナ装置1とを備えている。
この通信機器10Aでは、アンテナ導体膜3が、筐体11の内面に貼り付けられている。すなわち、箱状の筐体11の上板部内面にアンテナ導体膜3が給電点FPを内側に向けて貼り付けられている。
上記筐体11内には、板状のバッテリー12が収納されており、図5の(a)に示す例では、バッテリー12の上に回路基板2が設置されている。また、図5の(b)に示す別の例の通信機器10Bでは、バッテリー12と回路基板2とが筐体11内に並べられて設置されている。
なお、これら通信機器10A及び通信機器10Bでは、アンテナ導体膜3の反対側が人体側となる。
このように本実施形態のアンテナ装置1では、給電導体部3Aと無給電導体部3Bとが、互いに隙間Gを空けて隣接配置され、回路基板2が、アンテナ導体膜3に高周波電流を供給する高周波回路2aを備え、高周波回路2aと給電点FPとが給電接続部4により接続されているので、誘電体部材やグランド面が不要になって薄型化や小型化が可能であると共に、無指向性の放射特性を得ることができる。
特に、回路基板2に形成された高周波回路2aの配線にも、高周波電流が流れ、アンテナエレメントとして機能することで、アンテナ導体膜3と高周波回路2aの配線とが給電点FPの両側に延在したダイポールアンテナとして機能し、全方位の放射特性が得られる。また、アンテナ導体膜3が給電導体部3Aと無給電導体部3Bとに分割されていることで、隙間G(ギャップ)の静電容量による波長短縮効果が得られ、小型化ができる。また、給電導体膜3Aおよび無給電導体膜3Bが矩形状に形成されているため、アンテナ導体膜が細線状に形成された場合に比べて広帯域化を図ることができる。
また、アンテナ導体膜3が、絶縁性フィルム5上に形成されているので、アンテナ導体膜3の部分がフレキシブルな絶縁性フィルム5で支持されることで、薄く設置汎用性が高く、多様な箇所に設置することが可能になる。
また、アンテナ導体膜3の表面が、給電点FPの部分を除いて絶縁膜6で覆われているので、アンテナ導体膜3の表面を保護してアンテナ導体膜3と回路基板2とのショートを防止することができる。
さらに、隙間Gが、アンテナ導体膜3の中央部に形成されているので、隙間Gが中央部から外れて形成されている場合よりも高い波長短縮効果を得ることができる。
したがって、本実施形態の通信機器10A,10Bでは、筐体11内に設置された上記アンテナ装置1を備えているので、全体形状の薄型化や小型化が可能になると共に、広帯域特性と無指向性の放射特性とを得ることができる。
また、アンテナ導体膜3が、筐体11の内面に貼り付けられているので、筐体11内でアンテナ導体膜3が大きなスペースを占有せず、全体の薄型化や小型化を図ることができる。
なお、通信機器10A,10Bのようにバッテリー12を回路基板2に近接させて設置している場合、バッテリー12も導体で形成されているため、電磁気的な結合によってバッテリー12側にも高周波電流が流れてアンテナエレメントの一部とすることも可能である。
次に、本発明に係るアンテナ装置及びこれを備えた通信機器の第2から第4実施形態について、図6から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、隙間Gが同一幅で延在しているのに対し、第2実施形態のアンテナ装置では、図6に示すように、給電導体部23Aと無給電導体部23Bとの間の隙間Gが、両端部分よりも中央部分が狭く形成されている点である。すなわち、第2実施形態のアンテナ導体膜23は、無給電導体部23Bの隙間G側の辺が直線状であると共に、給電導体部23Aの隙間G側の辺が凸曲線状とされ、隙間Gの中央部分で給電導体部23Aと無給電導体部23Bとが最も近接している。
このように第2実施形態のアンテナ装置では、隙間Gが、両端部分よりも中央部分が狭く形成されているので、隙間Gを介して電磁気的に結合されている給電導体部23Aから無給電導体部23Bに高周波電流が流れる際、隙間Gの中央部分から、経路長の異なる高周波電流を無給電導体部23B全体に広がるように流すことができる。したがって、隙間Gの幅を端部分に対して中央部分を狭く設定することにより、高周波側の電流経路となる中央部分を流れる経路長の短い高周波電流を多くすることにより、高周波側に帯域を広げることができる。また、逆に、低周波側の電流経路となる端部分より中央部分の隙間Gの幅を狭くすると、低周波側に帯域を広げることができる。
次に、第3及び第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、給電導体部3Aと無給電導体部3Bとが同じ矩形状であるのに対し、第3及び第4実施形態のアンテナ装置では、アンテナ導体膜3が、図7の(a)〜(h)及び図8の(a)〜(i)に示すように、互いに異なる形状の給電導体部3Aと無給電導体部3Bとを備えている点である。
すなわち、第3実施形態では、アンテナ導体膜33の給電導体部33Aと無給電導体部33Bとが互いに幅が異なる矩形状の場合(図7の(a))、アンテナ導体膜43の給電導体部43Aが四角形状であり、無給電導体部43Bが五角形状である場合(図7の(b))、アンテナ導体膜53の給電導体部53Aと無給電導体部53Bとが互いに異なる五角形状である場合(図7の(c))、アンテナ導体膜63の無給電導体部63Bが給電導体部63Aよりも小さい正方形状である場合(図7の(d))、アンテナ導体膜73の給電導体部73Aと無給電導体部73Bとが互いの外側の辺が凸曲線とされた場合(図7の(e))、アンテナ導体膜83の給電導体部83Aと無給電導体部83Bとが互いに向きが逆になった扇状とされた場合(図7の(f))、アンテナ導体膜93の給電導体部93Aと無給電導体部93Bとが互いに向きが異なる長方形状とされた場合(図7の(g))、アンテナ導体膜103の給電導体部103Aと無給電導体部103Bとが互いに向き合った半円形状とされた場合(図7の(h))がある。
また、第4実施形態では、アンテナ導体膜113の給電導体部113Aと無給電導体部113Bとが互いに幅が異なる台形状の場合(図8の(a))、アンテナ導体膜123の給電導体部123Aと無給電導体部123Bとが互いに底辺が向き合って逆を向いた二等辺三角形状の場合(図8の(b))、アンテナ導体膜133の給電導体部133Aと無給電導体部133Bとがハート形状を左右に2分割した形状の場合(図8の(c))、アンテナ導体膜143の給電導体部143Aと無給電導体部143Bとが隙間G側でない一辺が曲線状の場合(図8の(d))、アンテナ導体膜153の楔型の給電導体部153Aと無給電導体部153Bとの間にくの字状の隙間Gを有している場合(図8の(e))、アンテナ導体膜163の給電導体部163Aと無給電導体部163Bとの間に中央部の幅が広くなった隙間Gを有している場合(図8の(f))、アンテナ導体膜173の給電導体部173Aと無給電導体部173Bとの間に同一幅で延在する曲線状の隙間Gを有している場合(図8の(g))、アンテナ導体膜183の給電導体部183Aと無給電導体部183Bとの間に複数回折り返した櫛形状(ギザギザ形状)の隙間Gを有している場合(図8の(h))、アンテナ導体膜193の給電導体部193Aと無給電導体部193Bとの間に一方の端部の幅が広くなった隙間Gを有している場合(図8の(i))がある。
なお、図8の(f)の場合、隙間Gの幅を変えることで特定の周波数の電流経路長の部分のインピーダンスを変更することができ、帯域幅を制御することができる。すなわち、低周波数側の電流経路である両端側の隙間Gの幅を狭くしてインピーダンスを低くすることにより、低周波数側に帯域を広くすることができ、逆に高周波側の電流経路である中央部分の隙間Gの幅を調整することにより、高周波数側の帯域を変更することができる。また、図8の(i)の場合も同様の効果を得ることができる。
次に、第1実施形態のアンテナ装置を実際に作製した実施例について、VSWR特性(電圧定在波比)を測定した結果を、図9及び図10を参照して説明する。
なお、比較例として、従来のチップアンテナを用いた場合について同様に測定した結果も併せて図8に示す。
これらの測定の結果、比較例の場合は帯域幅が137MHzであったのに対し、本発明の実施例では、235MHzであり、広帯域化されていた。広帯域化により、より広い使用周波数で特性を得ることができ、また人体の影響を受けたときに共振周波数が変動しても使用帯域におけるアンテナ特性の劣化が小さい。
また、放射効率については、上記比較例では−6dBであったのに対し、本発明の実施例では−2.5dBであり、比較例に対して約2倍の電力を放射することが可能である。
さらに、通信距離については、上記比較例が4mであったのに対し、本発明の実施例では8mであり、比較例に対して約2倍の距離が得られた。
なお、本発明の実施例は、図10に示すように、5GHz帯においても共振周波数を有しており、マルチバンドアンテナとしても使用可能である。すなわち、アンテナ全体としては、2.4GHz帯で共振させ、無給電導体部では5GHz帯で共振させることで、マルチバンドアンテナとして動作させることができる。例えば、無線LANでは2.4GHz帯と5GHz帯との両方を使用する場合があり、本発明のアンテナ装置を使用すれば1つのアンテナで両方の帯域をカバーすることが可能になる。
なお、本発明は上記各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
1…アンテナ装置、2…回路基板、2a…高周波回路、3,23,33,43,53,63,73,83,93,103,113,123,133,143,153,163,173,183,193…アンテナ導体膜、3A,23A,33A,43A,53A,63A,73A,83A,93A,103A,113A,123A,133A,143A,153A,163A,173A,183A,193A…給電導体部、3B,23B,33B,43B,53B,63B,73B,83B,93B,103B,113B,123B,133B,143B,153B,163B,173B,183B,193B…無給電導体部、4…給電接続部、5…絶縁性フィルム、6…絶縁膜、10A,10B…通信機器、11…筐体、FP…給電点、G…隙間

Claims (5)

  1. 回路基板と、
    前記回路基板に対向して離間配置されていると共に給電点が設けられたアンテナ導体膜とを備え、
    前記アンテナ導体膜が、前記給電点が配された給電導体部と、前記給電点が配されていない無給電導体部とに分割され、
    前記給電導体部と前記無給電導体部とが、互いに隙間を空けて隣接配置され、
    前記回路基板が、前記アンテナ導体膜に高周波電流を供給する高周波回路を備え、
    前記高周波回路と前記給電点とが給電接続部により接続され
    前記アンテナ導体膜が、絶縁性フィルム上に形成され、
    前記隙間が、両端部分よりも中央部分が狭く形成され、前記隙間の中央部分で前記給電導体部と前記無給電導体部とが最も近接していることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項に記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナ導体膜の表面が、前記給電点の部分を除いて絶縁膜で覆われていることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
    前記隙間が、前記アンテナ導体膜の中央部に形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 筐体と、
    前記筐体内に設置された請求項1からのいずれか一項に記載のアンテナ装置とを備えていることを特徴とする通信機器。
  5. 請求項に記載の通信機器において、
    前記アンテナ導体膜が、前記筐体の内面に貼り付けられていることを特徴とする通信機器。
JP2015057577A 2015-03-20 2015-03-20 アンテナ装置及びこれを備えた通信機器 Expired - Fee Related JP6447916B2 (ja)

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