JP6447428B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視する車両用制御装置に関するものである。
従来から、ドライバ要求を反映するべく、ドライバのアクセル操作量と車速とに基づいてドライバの要求駆動力を算出し、当該要求駆動力に基づいてエンジンの目標トルク(以下、目標エンジントルクともいう)を算出して、エンジンの出力トルク等を制御する、いわゆる駆動力デマンド制御が知られている。
かかる駆動力デマンド制御を行う車両用制御装置においては、実際にドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを、換言すると、駆動力デマンド制御においてフェール(例えば演算のエラー等)が発生していないか否かを監視する機能が盛り込まれているのが通常である。
例えば、特許文献1には、ドライバの操作量に基づく情報と車速とから馬力許容範囲を取得するとともに、ドライバの操作量に基づく情報と、複数の制御装置の少なくとも一つからの要求とに基づいて算出された車両駆動源の制御目標値を制御目標馬力に変換し、制御目標馬力が馬力許容範囲内に含まれるか否かを監視する技術が開示されている。この特許文献1のものでは、例えば、目標駆動力や目標エンジントルクが馬力許容範囲内に含まれるか否かを監視するに当たり、車速を用いて目標駆動力を馬力に変換するとともに、エンジン回転数を用いて目標エンジントルクを馬力に変換するようにしている。
特開2006−307702号公報
ところで、制御装置におけるフェールは入力から出力までのいずれの過程でも発生し得るが、どの過程でフェールが発生したとしても出力値に影響することから、制御装置の出力値を監視すれば、フェールの発生を検知することができる。それ故、制御装置にフェールが発生した場合でも車両を適切に制御するには、制御装置の出力値と許容値とを比較する等により出力値の監視を行うのが効果的である。
この点、駆動力デマンド制御では、上述の如く、ドライバのアクセル操作量と車速とに基づいてドライバの要求駆動力を算出し、算出した要求駆動力をエンジンの目標トルクと自動変速機の目標ギヤ段とに分配することから、目標エンジントルクと目標ギヤ段とが出力値となる。
一方、出力値の比較対象である許容値は、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視するためのものであるから、ドライバの要求加速度または要求駆動力を基準としつつ、かかる基準に対して幅(許容値の幅)を持たせて設定されるのが通常である。そうして、自車両が先行車両に衝突するのを回避するように許容値の幅を設定する場合、衝突するか否かを判定するには許容値を車両の加速度で表すのが分かり易いことから、許容値の物理量は車両の加速度で定義されることが多い。
ここで、駆動力デマンド制御における出力値が加速度(≒駆動力)であれば、加速度で定義された許容値と出力値とを単純に比較すればよいので問題はない。しかし、駆動力デマンド制御では、制御を実行するアクチュエータはエンジンであり、且つ、ギヤ段と独立してエンジンの制御を行う以上、エンジントルクを出力値とせざるを得ない。このため、先行車両との衝突を回避するように許容値の幅を設定する場合に、駆動力デマンド制御の出力値と許容値とを比較するには、許容値である加速度を出力値であるエンジントルクへ変換する必要がある。
このような変換を行う場合には、上記特許文献1のものと同様にエンジン回転数情報を用いたり、車速およびギヤ段情報を用いたりする必要があるが、これらエンジン回転数情報やギヤ段情報は重要な情報であることから、信頼性が高くなるように冗長な設計が求められることが多い。また、アクセル操作量と車速とは、ドライバ要求に直結するパラメータであるため、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視する場合には不可欠なパラメータであるが、これらアクセル操作量や車速についても、信頼性が高くなるように冗長な設計が求められることが多い。それ故、冗長な設計が求められるアクセル操作量や車速の他、同じく冗長な設計が求められるエンジン回転数情報やギヤ段情報等を含めて監視システムを構築すると、システムの複雑化を招くおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動力デマンド制御を行う車両用制御装置において、システムの複雑化を招くことなく、適切な監視制御を行う技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置では、システムの複雑化を避けるべく、目標エンジントルクの監視に用いるパラメータ(情報)を、アクセル操作量と車速とに限定するようにしている。
具体的には、本発明は、アクセル操作量と車速と基づいてエンジンの目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、当該目標トルクを監視する監視手段と、を備える車両用制御装置を対象としている。
そして、上記監視手段は、アクセル操作量および車速のみに基づいて加速度または駆動力の基準値を算出し、車速のみから推定される推定ギヤ段と当該基準値とに基づいて許容トルクを算出するとともに、上記目標トルクと当該許容トルクとを比較するように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、目標トルクの比較対象となる許容トルクの算出に、アクセル操作量と車速とに基づいて算出した加速度または駆動力の基準値と、車速から推定した推定ギヤ段とを用いることから、換言すると、許容トルクの算出に用いるパラメータをアクセル操作量と車速とに限定することから、システムを簡単に構成することができる。
また、出力値である目標トルクを直接監視することから、入力から出力までのどの過程でフェールが発生しても、フェールの発生を検知することが可能になるとともに、出力値以外を監視する場合に比して監視の抜けが生じ難くなるので、適切に車両を制御することができる。
ここで、車速から推定された推定ギヤ段に基づいて算出される許容トルクの信頼性が問題となるも、以下の理由から、許容トルクの信頼性は確保されている。
すなわち、許容加速度(追従走行時に先行車両に衝突しない加速度)は一般的に、ドライバの要求加速度(本発明の加速度の基準値と一致)を基準として、想定される先行車両との車間距離に基づいて許容される加速度の幅が決定される。そして、統計的に車速が高いほど車間距離は長くなる傾向がある。このため、統計的に車間距離が短い低車速時には、許容される加速度の幅は小さくなる一方、統計的に車間距離が長い高車速時には、許容される加速度の幅は大きくなる傾向にある。上記の傾向は、フェール発生から一定時間後に、ドライバがアクセルから足を離し、ブレーキを操作することが前提で、その操作によって車両が加速しないことが前提である。ただし、ドライバがアクセルから足を離した場合に、エンジン出力を監視するには、アクセル操作量のみを入力とすればよいため、簡素な構成で監視システムを構築することができる、従来から行われている技術である。
そうして、本発明では、車速から推定ギヤ段を推定するが、ギヤ段は車速が低い場合には選択範囲が狭い(例えば1速または2速である)ことから、低車速時には高精度で推定ギヤ段を推定することが可能となる。これにより、許容される加速度の幅が小さい低車速時においても、許容トルク(より正確には許容トルクと実際のギヤ段から算出される加速度)は許容加速度の範囲内に収まることになる。
他方、ギヤ段は車速が高い場合には選択範囲が広い(例えば1〜8速のいずれかである)ことから、高車速時には推定ギヤ段の推定精度自体は低いが、高車速時には許容される加速度の幅が大きいので、仮に実際のギヤ段が1速であったとしても、許容トルクは許容加速度の範囲内に収まることになる。なお、これらのことは、要求加速度を要求駆動力に置き換えても同様である。
このように、車速から推定された推定ギヤ段に基づいて算出される許容トルクは、車速が低い場合にも高い場合にも、許容される加速度(≒駆動力)の範囲内に収まるので、本発明によれば、パラメータをアクセル操作量と車速とに限定しても、適切な監視制御を行うことができる。
以上、説明したように本発明に係る車両用制御装置によれば、システムの複雑化を招くことなく、適切な監視制御を行うことができる。
本発明の実施形態に係る車両用制御装置を備える車両を模式的に示す図である。 許容エンジントルクと許容加速度との関係を説明するイメージ図である。 ECUで実行される監視制御を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
−全体構成−
図1は、本実施形態に係る車両用制御装置を備える車両1を模式的に示す図である。この車両1は、図1に示すように、エンジン2と、トルクコンバータ3と、自動変速機4と、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)10と、車両1の速度(車速V)を検出する車速センサ5と、アクセルペダル(図示せず)の操作量(アクセル操作量ACC)を検出するアクセルポジションセンサ6と、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転センサ7と、を備えている。なお、本実施形態では、ECU10が本発明における「車両用制御装置」に相当する。
ECU10は、エンジン2に対して制御信号を出力して、スロットル開度や燃料噴射量や点火時期を制御する一方、エンジン2に設けられたエンジン回転センサ7からエンジン回転数信号などの検知信号を受信する。また、ECU10は、トルクコンバータ3のロックアップクラッチ(図示せず)に係合または開放(スリップを含む)を指令する制御信号を出力する。さらに、ECU10は、自動変速機4に対して油圧指令信号である制御信号を出力する一方、自動変速機4からギヤ段情報や出力軸回転数信号などの検知信号を受信する。なお、自動変速機4は、例えば、遊星歯車機構と摩擦係合装置とを用いた有段変速機でもよいし、ベルト式の無段変速機でもよく、無段変速機の場合にはギヤ段情報に代えて変速比情報の検知信号を受信するように構成すればよい。
−駆動力デマンド制御−
ECU10は、アクセル操作量ACCや車速Vに基づいて、ドライバ要求を反映した要求駆動力DPを算出し、その要求駆動力DPが得られるように、エンジン2の出力制御および/または自動変速機4の変速制御を実行するいわゆる駆動力デマンド制御を実行するように構成されている。
より詳しくは、ECU10は、先ず、アクセルポジションセンサ6によって検出されるアクセル操作量ACCと、車速センサ5によって検出される車速Vとに基づいて要求駆動力DPを算出する。具体的には、要求駆動力DPは車体重量や車両1に付与する動力性能などによって決められるものであるから、アクセル操作量ACCと車速Vとに対応させて要求駆動力DPを定めたマップを用意しておき、そのマップに基づいて要求駆動力DPを求める。
次いで、ECU10は、その要求駆動力DPに基づいて、目標ギヤ段を算出する。自動変速機4の変速制御は、車速Vと要求駆動力DPとをパラメータとして変速段領域あるいはアップシフト線およびダウンシフト線を設定した変速線図に基づいて行われるので、予め用意してある変速線図に基づいて目標ギヤ段が算出される。こうして求められた目標ギヤ段が自動変速機4に制御信号として出力され、変速制御が実行される。
他方、エンジン回転センサ7によって検出されるエンジン回転数Ne(または車速Vおよび自動変速機4の実際のギヤ段)と、要求駆動力DPとに基づいて目標エンジントルク(目標トルク)Tetが算出される。ECU10は、こうして求められた目標エンジントルクTetを発生させるように、スロットル開度を制御する。
本実施形態では、以上のような駆動力デマンド制御を実行する機能部分が本発明でいうところの、アクセル操作量ACCと車速Vと基づいてエンジン2の目標トルクTetを算出する目標トルク算出手段に相当する。
−監視制御−
さらに、ECU10は、駆動力デマンド制御においてドライバ要求を反映した制御が行われているか否か、換言すると、駆動力デマンド制御においてフェール(例えば演算のエラー等)が発生していないか否かを判定するべく、駆動力デマンド制御の出力値である目標エンジントルクTetを監視する監視制御を行うように構成されている。
ここで、本実施形態の監視制御を理解し易くするために、監視制御の説明に先立ち、駆動力デマンド制御においてフェールが発生していないか否かを判定する一般的な手法およびその問題点について説明する。
フェールは出力値に影響することから、一般的な手法では、入力から出力までのどの過程でフェールが発生しても、フェールの発生を検知することができるように、駆動力デマンド制御の出力値と許容値とを比較する等により駆動力デマンド制御の出力値の監視が行われる。そして、出力値の比較対象となる許容値として、自車両が加速しても先行車両に衝突しない加速度である許容加速度Gを設定するのが一般的である。
この許容加速度Gは、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視するためのものであるから、基本的にはドライバの要求加速度DGを基準として設定される。なお、要求加速度DGは、基本的には駆動力デマンド制御における要求駆動力DPと同様の方法で算出されるものであり、具体的には、アクセル操作量ACCと車速Vとをパラメータとして要求加速度DGを定めたマップに基づいて求められる。
そうして、自車両と先行車両との車間距離が短いほど、加速した際に衝突が生じ易い一方、自車両と先行車両との車間距離が長いほど、加速した際に衝突が生じ難いことから、許容加速度Gを設定する際には、要求加速度DGを基準として、想定される先行車両との車間距離から、許容される加速度の幅が決定される。すなわち、図2(a)に示す要求加速度DGに、黒抜き矢印で示すように、車間距離を加味した加速度の幅を持たせることで、図2(d)に示すように、許容加速度G1(またはG2)が決まる。なお、許容加速度G1は高車速時の許容加速度であり、また、許容加速度G2は低車速時の許容加速度である。
一般的な手法では、このようにして許容加速度Gが決定されるが、統計的に車速Vが高いほど車間距離は長くなる傾向がある。このため、図2(d)に示すように、統計的に車間距離が短い低車速時には、許容される加速度の幅bは小さくなる一方、統計的に車間距離が長い高車速時には、許容される加速度の幅aは大きくなる傾向にある。
ここで、駆動力デマンド制御における出力値が加速度(≒駆動力)であれば、駆動力デマンド制御における出力値と許容加速度Gとを単純に比較すればよいので問題はないが、駆動力デマンド制御では、アクチュエータがエンジン2であり且つギヤ段と独立してエンジン2の制御を行う以上、エンジントルクを出力値とせざるを得ない。このため、駆動力デマンド制御の出力値である目標エンジントルクTetが許容範囲内であるか否かを判定するには、許容加速度Gをエンジントルクへ変換する必要がある。このような変換を行う場合には、エンジン回転数Ne、または、車速Vおよびギヤ段を用いる必要があることから、一般的な手法で目標エンジントルクTetを監視する場合には、これらエンジン回転数情報やギヤ段情報等を含めて監視システムを構築する必要が生じるため、システムが複雑化するという問題がある。
そこで、本実施形態の監視制御では、システムの複雑化を避けるべく、目標エンジントルクTetの監視に用いるパラメータを、アクセル操作量ACCと車速Vとに限定するようにしている。具体的には、ECU10は、アクセル操作量ACCと車速Vとに基づいて加速度の基準値G0を算出し、車速Vから推定される推定ギヤ段と基準値G0とに基づいて許容エンジントルクTeを算出するとともに、目標エンジントルクTetと許容エンジントルク(許容トルク)Teとを比較するように構成されている。
より詳しくは、先ずECU10は、アクセルポジションセンサ6によって検出されるアクセル操作量ACCと、車速センサ5によって検出される車速Vとに基づいて許容される加速度の基準値G0を算出する。この基準値G0は、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視するための基準であり、ドライバの要求加速度DGと同じものである。
次いで、ECU10は、車速Vのみから推定ギヤ段を推定する。このように、車速Vのみから推定ギヤ段を推定しても、車速Vが低ければ、1速または2速といった低ギヤ段以外のギヤ段(例えば3速〜8速)となることはないので、高精度で推定ギヤ段を推定することができる。一方、車速Vが高い場合は、推定ギヤ段の推定精度自体は低くなるが、後述するように、本実施形態においてこの点は監視制御の支障とはならない。
そうして、加速度=(トルク×ギヤ比/タイヤの半径)÷車重という関係が成り立つことから、ECU10は、推定ギヤ段と基準値G0とに基づいて許容エンジントルクTeを算出する。すなわち、図2(a)に示す基準値G0(ドライバの要求加速度DG)を、白抜き矢印で示すように、推定ギヤ段を用いて変換することで、図2(b)に示すように、許容エンジントルクTe1(またはTe2)が決まる。なお、許容エンジントルクTe1は高車速時の許容エンジントルクTeであり、また、許容エンジントルクTe2は低車速時の許容エンジントルクTeである。
次いで、ECU10は、目標エンジントルクTetと許容エンジントルクTeとを比較し、例えば、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTe以下であれば、目標エンジントルクTetをそのまま最終目標エンジントルクTefとする一方、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTeを超えていれば、例えば許容エンジントルクTeの値を最終目標エンジントルクTefとして設定する。
本実施形態では、以上のような監視制御を実行する機能部分が本発明でいうところの、目標トルク(目標エンジントルクTet)を監視する監視手段に相当する。
−許容エンジントルクと許容加速度との関係−
図2は、許容エンジントルクTeと許容加速度Gとの関係を説明するイメージ図である。以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る許容エンジントルクTeと、一般的な手法で用いられる許容加速度Gとの関係について、車速Vが低い場合と高い場合とに分けて説明する。
先ず、許容加速度Gについては、車速Vが低い場合には、統計的に車間距離が短いことから、図2(d)に示すように、許容される加速度の幅bは小さくなる傾向にある。したがって、車速Vが低い場合には、高精度で推定ギヤ段を推定することが要求される。
一方、許容エンジントルクTeについては、例えば5km/h以下というように車速Vが低い場合には、低ギヤ段以外のギヤ段(例えば3速〜8速)となることはないので、ギヤ段の選択肢は1速または2速に限定される。よって、車速Vのみから推定しても、高精度で推定ギヤ段を推定することができる。それ故、図2(b)に示す許容エンジントルクTe2を、白抜き破線矢印で示すように、実ギヤ段を用いて変換した場合に得られる換算加速度g2(図2(c)参照)は、図2(e)に示すように、許容される加速度の幅b内に収まることになる。
次に、許容加速度Gについては、車速Vが高い場合には、統計的に車間距離が長いことから、図2(d)に示すように、許容される加速度の幅aは大きくなる傾向にある。したがって、車速Vが高い場合には、高精度で推定ギヤ段を推定することは要求されない。
一方、許容エンジントルクTeについては、車速Vが高い場合には、低ギヤ段以外のギヤ段での走行みならず低ギヤ段での走行もあり得るので、例えば1速〜8速というようにギヤ段の選択肢が広いため、推定ギヤ段の推定精度自体は低くならざるを得ない。もっとも、上述の如く、車速Vが高い場合には、高精度で推定ギヤ段を推定することは要求されない。それ故、例えば実ギヤ段が1速で且つ推定ギヤ段が例えば3速〜8速であっても、図2(b)に示す許容エンジントルクTe1を、白抜き破線矢印で示すように、実ギヤ段を用いて変換した場合に得られる換算加速度g1(図2(c)参照)は、図2(e)に示すように、許容される加速度の幅a内に収まることになる。
以上のように、車速Vのみから推定された推定ギヤ段に基づいて算出される許容エンジントルクTeは、車速が低い場合にも高い場合にも、許容加速度Gの範囲内に収まるようになっている。すなわち、本実施形態によれば、パラメータをアクセル操作量ACCと車速Vとに限定しても、アクセル操作量ACCおよび車速Vに加えてエンジン回転数情報やギヤ段情報等を用いる一般的な手法と比べて遜色のない監視制御を行うことができる。したがって、システムの複雑化を回避しつつ、適切な監視制御を行うことができる。
−監視制御ルーチン−
次に、本実施形態に係る監視制御の手順を図3のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップS1では、ECU10における監視制御を実行する機能部分(以下、ECU10という)が、ECU10における駆動力デマンド制御を実行する機能部分が算出した目標エンジントルクTetを取得する。次のステップS2では、ECU10が、アクセルポジションセンサ6によって検出されるアクセル操作量ACCと、車速センサ5によって検出される車速Vとを取得する。
次のステップS3では、ECU10が、アクセル操作量ACCと車速Vとをパラメータとして要求加速度DG(=基準値G0)を定めたマップを用いて、ステップS2で取得したアクセル操作量ACCおよび車速Vに基づいて加速度の基準値G0を算出する。
次のステップS4では、ECU10が、車速Vから推定ギヤ段を推定する。具体的には、ECU10は、例えば、車速Vが5km/h以下であれば、推定ギヤ段を1速または2速であると推定し、例えば、車速Vが10km/h以下であれば、推定ギヤ段を1速〜3速のいずれかであると推定する。
次のステップS5では、ECU10が、ステップS3で算出した基準値G0と、ステップS4で推定した推定ギヤ段とに基づいて許容エンジントルクTeを算出する。なお、許容エンジントルクTeは、推定ギヤ段と基準値G0とをパラメータとして許容エンジントルクTeを定めたマップを用意しておき、そのマップに基づいて求めるようにしてもよい。
次のステップS6では、ECU10が、目標エンジントルクTetと許容エンジントルクTeとを比較し、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTe以下であるか否かを判定する。このステップS6での判定がYESの場合、すなわち、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTe以下の場合には、ステップS8に進み、目標エンジントルクTetをそのまま最終目標エンジントルクTefとして算出する。
一方、ステップS6での判定がNOの場合、すなわち、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTeを超えている場合には、ステップS7に進む。次のステップS7では、ECU10が、目標エンジントルクTetに対しガード処理を行う。例えば、ECU10は、目標エンジントルクTetを許容エンジントルクTeの値に修正した後、ステップS8に進み、修正された目標エンジントルクTetを最終目標エンジントルクTefとして算出する。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、許容される加速度の基準値G0と推定ギヤ段とに基づいて許容エンジントルクTeを算出するようにしたが、これに限らず、アクセル操作量ACCと車速Vとに基づいて許容される駆動力の基準値(駆動力デマンド制御の要求駆動力DPと同じ)を算出し、かかる基準値と推定ギヤ段とに基づいて許容エンジントルクTeを算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、目標エンジントルクTetが許容エンジントルクTe以下であるか否かを行う監視制御を例示したが、これに限らず、目標エンジントルクTetが小さくなり過ぎないように下限値を定めて、目標エンジントルクTetが下限値と許容エンジントルクTeとの間にあるか否かを判定するようにしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、システムの複雑化を招くことなく、ドライバ要求を反映した制御が行われているか否かを監視することができるので、駆動力デマンド制御を行う車両用制御装置に適用して極めて有益である。
2 エンジン
10 ECU(車両用制御装置)
CC アクセル操作量
Te 許容エンジントルク(許容トルク)
Tet 目標エンジントルク(目標トルク)
V 車速

Claims (1)

  1. アクセル操作量と車速と基づいてエンジンの目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、当該目標トルクを監視する監視手段と、を備える車両用制御装置であって、
    上記監視手段は、アクセル操作量および車速のみに基づいて加速度または駆動力の基準値を算出し、車速のみから推定される推定ギヤ段と当該基準値とに基づいて許容トルクを算出するとともに、上記目標トルクと当該許容トルクとを比較するように構成されていることを特徴とする車両用制御装置。
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