JP6447412B2 - 無線通信方法、無線通信システム、およびプログラム - Google Patents

無線通信方法、無線通信システム、およびプログラム Download PDF

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本発明は、ホワイトスペースを用いて無線通信を行う車車間通信システムに関し、特に、通信に用いる周波数の選択に関する。
周波数の利用効率を高めるために、周囲の電波環境を認識・認知して、無線通信に利用する周波数や無線方式などを無線通信装置が適応的に変更するコグニティブ無線の研究が進められている。特に免許者(プライマリユーザ)に割り当てられているが実際には使用されていない周波数を無免許者(セカンダリユーザ)が使用する形態が考えられる。このような周波数は、2次的に使用可能な周波数、あるいはホワイトスペースなどと称される。セカンダリユーザはこのようなホワイトスペースを利用する場合には、利用可能な周波数を検出する必要や、さらにはどの周波数を利用することが好ましいのかを決定する必要がある。
利用可能な周波数を検出するための方法として、ホワイトスペースデータベースを利用する方法がある(特許文献1)。ホワイトスペースデータベースは、場所ごとおよび周波数ごとに、プライマリユーザがその周波数を利用しているか否かを管理するデータベースである。車両は、ホワイトスペースデータベースにアクセスすることで利用可能な周波数を把握することができる。また、利用可能な周波数はスペクトラムセンシングによっても検出することができる。
しかしながら、これらの利用可能な周波数の中から車両が使う周波数をどのように決定するか、およびその割り当てをどのように行うかという問題が残る。プライマリユーザに対して干渉を与えないようにするための出力規制は様々な検討がされている。ところが、利用可能な周波数に対するアクセス方法についてはそれほど検討がなされていない。
例えば、セカンダリユーザのシステムが複数存在するときに、他のセカンダリシステムに対して干渉を与えないことが望ましいが、これを達成するための検討は多くない。例えば、非特許文献1、特許文献2−4では、複数のセカンダリシステムが共存できるように、セカンダリユーザ用のデータベースを用いることを開示する。
しかしながら、全てのセカンダリシステムがデータベースに対して登録を行うとは限らず、また、登録されている情報が正しいとも限らない。このような状況下では、セカンダリユーザ用のデータベースに依拠して通信に利用する周波数を決定すると、他のセカンダリシステムに対して干渉を与えてしまうおそれがある。
特表2012−529780号公報 特開2011−176508号公報 国際公開第2011/105059号明細書 特表2013−546246号公報
Villardi G. P., et. at., "Enabling coexistence of multiple cognitive networks in TV white space," Wireless Communications, IEEE, vol. 18, no. 4, pp. 32-40, August 2011.
上記のような現状を考慮し、本発明は、プライマリユーザが利用しておらず、かつ、他のセカンダリシステムに対しても干渉を与えない周波数を用いた通信を可能とする無線通信方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、車車間通信システムを構成する車両が行う無線通信方法であって、プライマリユーザが利用していないチャネルである利用可能チャネルを複数取得する利用可能チャネル取得ステップと、前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの利用可能時間および干渉レベルを測定する測定ステップと、前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの評価値を求める評価値算出ステップであって、前記利用可能時間が長いほど大きく、前記干渉レベルが低いほど大きくなるように前記評価値を求める評価値算出ステップと、前記評価値に基づいて通信に利用するチャネルを前記複数の利用可能チャネルの中から選択するチャネル選択ステップと、を含む。
このように、プライマリユーザが利用していないチャネルの中から、利用可能な時間が長く、かつ、干渉レベルが小さいチャネルを求めて通信に利用するチャネルとして選択することで、他のセカンダリシステムに干渉を与えずかつ自らが長時間利用できるチャネルを選択することができる。
本発明において、チャネルの利用可能時間を求め方はいくつかの方法が考えられる。第1の方法は、前記利用可能チャネルの利用可能範囲の端までの距離と、車両の移動速度に基づいて利用可能時間を決定する方法である。ホワイトスペースデータベースからプライマリユーザが利用するチャネルの利用範囲が得られる場合に有効な方法である。
第2の方法は、車両の将来の時点における位置を推定し、当該位置におけるチャネルの利用可能性に基づいて利用可能時間を決定する方法である。将来の各時点における車両の位置が予測できる場合にはこの情報も用いることで、より正確な利用可能時間を求めることができる。
第3の方法は、あらかじめ定められた値を車両の移動速度で割った値に基づいて利用可能時間を決定する方法である。この方法は、ホワイトスペースデータベースへのアクセスができず、ホワイトスペースの範囲についての情報が得られないときに有効な方法である。車両によるスペクトルセンシングが所定の距離を走行する度に行われる場合には、この所定の距離を、上記のあらかじめ定められた値として採用するとよい。この第3の方法は、移動速度の逆数に応じた値を利用可能時間とする方法と捉えることもできる。
本発明において、評価値を求めるために使用される干渉レベルは、ある一時点の測定結果ではなく、複数の時点において求めた干渉レベルの、忘却係数を用いた加重平均とすることが好ましい。過去の情報も利用することでより精度の高い情報が得られるためである。忘却係数は、サンプリング間隔と、所定の距離を車両の平均速度で移動するのに要する時間との比に基づいて決定されることが好ましい。所定の距離は、干渉の影響がある範囲と同程度の距離とすることが好ましい。
本発明における評価値は、前記利用可能時間が長いほど大きく、前記干渉レベルが低いほど大きくなるように算出されれば、その算出方法は特に限定されない。例えば、評価値は、前記利用可能時間に比例し、前記干渉レベルの逆数に比例するように決定することができる。
上記の各ステップを車車間通信システムのどの車両が行うかについては、主に以下の2つの方法がある。第1はチャネルの決定を特定の車両が行う方法であり、第2はチャネルの決定を通信しようとする各車両が行う方法である。
第1の方法においては、前記車車間通信システムを構成する車両のうち所定の車両が、前記評価値算出ステップおよび前記チャネル選択ステップを、通信を行う車両の求めに応じて実行する。当該所定の車両は、前記チャネル選択ステップにおいて選択したチャネルを、前記通信を行う車両に対して通知するステップをさらに実行する。
第2の方法においては、前記車車間通信システムを構成する車両のうち通信を行う車両が、前記評価値算出ステップおよび前記チャネル選択ステップを実行し、前記チャネル選択ステップにおいて選択したチャネルを用いて通信を行う。
これらいずれの方法によっても、適切なチャネルを選択することができる。なお、チャネル選択ステップにおいて用いられる利用可能時間や干渉レベルは、通信を行う車両が測定した値、所定の車両が測定した値、同一のグループに属するその他の車両が測定した値のいずれであっても構わない。また、プライマリユーザが使用していないチャネルの取得(利用可能チャネル取得ステップ)は、チャネルを選択する車両が行ってもよいし、その他の車両が行ってもよい。後者の場合は、チャネル選択ステップを実行する車両が、当該その他の車両から通信により利用可能なチャネルを受信する。
本発明において、利用可能チャネルの取得は、プライマリユーザが利用するチャネルの時間および範囲を管理するデータベース装置から取得されてもよいし、車両がセンシングを行うことによって取得してもよい。
本発明は、上記の処理の少なくとも一部を含む無線通信方法として捉えることもできる。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を実行するための手段を備える車載無線通信装置、あるいは当該車載無線通信装置を搭載した車両として捉えることもできる。また、本発明は、上述の車載無線通信装置から構成される車車間通信システムとして捉えることもできる。また、本発明は、上述の無線通信方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、あるいはこのコンピュータプログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体として捉えることもできる。上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、プライマリユーザが利用しておらず、かつ、他のセカンダリシステムに対しても干渉を与えない周波数を用いた通信を可能となる。
実施形態にかかる車車間通信システムの概要を示す図である。 実施形態における利用チャネル決定処理の流れを示すフローチャートである。 利用可能時間推定処理を説明する図である。 第1の実施形態におけるチャネル割り当て処理のシーケンス図である。 第1の実施形態のチャネル割り当て処理におけるリーダ車両の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態のチャネル割り当て処理における送信車両(通信開始車両)の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるチャネル割り当て処理のシーケンス図である。 実施例にかかる車車間通信システムの概要を示す図である。 ホワイトスペース情報を説明する図である。 実施例におけるホワイトスペース情報取得処理の流れを示すフローチャートである。 代理DBアクセスエリアおよびDCC(分散制御チャネル)共用エリアを説明する図である。 実施例にかかる車載無線通信装置の機能構成を示すブロック図である。 実施例における無線通信方法の全体概要を説明する図である。 実施例における周辺状況把握処理・分散制御チャネル確立処理の流れを示すフローチャートである。 実施例における分散制御チャネルの維持処理の流れを示すフローチャートである。 実施例におけるホワイトスペース情報処理における取得対象範囲の決定方法を説明する図である。 実施例における分散制御チャネルの選択処理を説明する図である。 実施例におけるデータベースアクセス処理・ホワイトスペース情報配信処理の処理タイミングを説明する図である。 実施例におけるグループ制御チャネル確立・維持処理の流れを示すフローチャートである。 実施例におけるグループ制御チャネル選択処理の詳細を示すフローチャートである。 実施例におけるグループ制御チャネル選択処理を説明する図である。
<システム概要>
図1は、本実施形態にかかる車車間通信システムの概要図である。本実施形態にかかる車車間通信システムは、複数の車両1a〜1e(これらの車両を区別しない場合には、単に車両1とも称する)から構成される。車両1a〜1eはグループ(車群やスワームとも呼ばれる)2を構成し、グループ内で無線通信による情報の交換を行う。車両1が無線通信に用いる無線周波数は、プライマリユーザ(PU、免許者)3が利用していない周波数(ホワイトスペース)である。車両1はホワイトスペースのいずれかの周波数をセカンダリユーザ(SU)として利用する。
車両1は、インターネット5などを介して、プライマリユーザのホワイトスペース情報を格納したホワイトスペースデータベース装置6(以下、WSDB装置6またはDB装置6とも称する)にアクセスして、プライマリユーザが利用していない周波数を取得する。
本実施形態においては、車群2とは別に、無線通信装置4a〜4cからなる第2のセカンダリシステムが、ホワイトスペースを用いた通信を行っていることを想定する。無線通信装置4a〜4cは、任意の無線通信装置であってよく、車両(車載無線通信装置)やスマートフォンのような移動無線通信装置や、固定無線通信装置が含まれる。
本実施形態における車車間通信システムでは、車両1は、プライマリユーザ3が利用していないチャネル(周波数)であり、かつ、第2のセカンダリシステム4に対する与干渉が少ないチャネルをデータチャネルとして用いて通信を行う。なお、この車両間で制御情報を通信するための制御チャネルはすでに確立済みであることを想定し、制御チャネル上において車両間で情報を交換しながらデータチャネルが確立される。制御チャネルは、車車間通信に専用に割り当てられた周波数であってもよいし、プライマリユーザ3が使用していない周波数から動的に選択されたものであってもよい。
<利用チャネルの決定処理>
以下、本実施形態における利用チャネルについて説明する。図2は、本実施形態における利用チャネル決定処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートにおける各処理ステップは、複数の車両1のいずれかによって行われる。全てが同一の車両によって行われてもよいし、ステップによって異なる車両によって行われてもよい。ここでは、主に利用チャネルがどのような基準によって決定されるかを説明し、各処理ステップをどの車両が実行するかについては後述する。
ステップS1002では、プライマリユーザ3が未使用のチャネルを取得する。この取得方法は特に限定されないが、本実施形態では、DB装置6にアクセスして取得することを想定する。DB装置6から得られるホワイトスペース情報(以下、WS情報とも称する)は、図7(A)に示すように、所定の大きさのセル(例えば、100m四方の正方形)について、プライマリユーザの利用状況が示された情報である。図7(B)に示すように、各セルは、例えば緯度IDおよび経度IDによって特定可能であり、チャネルごとにプライマリユーザによる利用状況(利用有無)が「1」または「0」で格納される。たとえば、プライマリユーザが利用していることを「1」で表し、プライマリユーザが利用していないことを「0」で表す。車両1は、所定範囲のセルについてチャネルごとの利用状況を取得することで、プライマリユーザ3が未使用のチャネルを取得できる。
ステップS1004からS1008の処理は、プライマリユーザ3が未使用のチャネルのそれぞれについて実行される。以下では、未使用のチャネルがM個存在し、ループ処理の対象となっているチャネルをm(1≦m≦M)とする。
ステップS1004では、対象チャネルmの利用可能時間Tmが推定される。利用可能時間Tmは、チャネルmを継続して利用できる時間を表す。対象チャネルmの利用可能時間の推定方法には、以下に示すようないくつかの方法がある。
第1の方法は、対象チャネルmが利用可能な範囲と、車両の移動速度を考慮して求める方法である。図3(A)に示すように、車両301の現在位置とWS情報に基づいて、車両301の現在位置から対象チャネルの利用可能範囲302の端までの距離Dmが把握できる。この距離Dmを車両301の移動速度vで除算して得られる値(Dm/v)を、このチャネルの利用可能時間Tmと推定できる。
なお、利用可能時間Tmは通信を行う車両がチャネルmを利用可能な時間であることが望ましいので、車両301は通信を行う車両であることが望ましい。しかしながら、利用チャネル決定処理を実行する車両や車群2内のその他の車両についての利用可能時間を求めても構わない。このようにしても、誤差はそれほど大きくならないと考えられるためである。また、図3(A)では車両301が現在の進行方向に直進するように描いているが、車両301に走行予定経路を考慮して対象チャネルmの利用可能範囲302の端に至るまでの走行時間を求めて、チャネルmの利用可能時間Tmを求めてもよい。
第2の方法は、車両の将来の時点における位置を推定し、各位置におけるチャネルの利用可能性に基づいて、対象チャネルmの利用可能時間Tmを推定する方法である。これは、将来の各時点におけるWS情報が利用できる場合に有効な方法である。図3(B)に示すように、車両303の各時間における存在範囲304a〜304dを、車両の移動経路や地図情報(道路情報)に基づいて算出する。例えば5秒間隔で、現時点から0〜5秒後、5〜10秒後などの車両303の位置が推定される。そして、各位置304a〜304dにおける対象チャネルmの利用可能性をWS情報に基づいて判定する。図3(B)の下図では、時間0〜2(例えば、0秒後〜15秒後)の間は対象チャネルmが利用可能であると判定されている。この場合、対象チャネルmの利用可能時間は15秒と推定される。
本方法においても、車両303は、通信を行う車両であってもよいし、利用チャネル決定処理を実行する車両であってもよいし、車群2内のその他の車両であってもよい。もっとも、通信を行う車両を対象として判定を行うことが好ましい。
第3の方法は、あらかじめ定められた値を車両の移動速度で割った値を、対象チャネルmの利用可能時間Tmと推定する方法である。これは、DB装置6へのアクセスができず、WS情報が取得できない場合に有効な方法である。車両によるスペクトルセンシングが所定の距離を走行する度に行われる場合には、この所定の距離を、上記のあらかじめ定められた値として採用するとよい。
本方法においても、車両303は、通信を行う車両であってもよいし、利用チャネル決定処理を実行する車両であってもよいし、車群2内のその他の車両であってもよい。もっとも、通信を行う車両を対象として判定を行うことが好ましい。
次に、ステップS1006において、対象チャネルmの干渉レベルRmが推定される。第2のセカンダリシステム4が通信に用いるプロトコルが既知の場合には、整合フィルタ法や特徴検出法によって干渉レベルを測定できる。通信プロトコルが未知の場合には、エネルギー検出法などの検出アルゴリズムを用いた干渉レベル測定が必要である(もちろん、通信プロトコルが既知の場合に採用してもよい)。
ステップS1008では、対象チャネルmの評価値ηmが算出される。評価値ηmは、利用可能時間Tmが大きいほど大きな値となり、干渉レベルRmが小さいほど大きいな値となるように決定されれば、その算出式は特に限定されない。
例えば、以下のように利用可能時間Tmに基づいて決定される値に比例し、干渉レベルRmに基づいて決定される値に反比例するように、評価値ηmを算出することができる。
Figure 0006447412
最も単純な算出方法は、次式のように、利用可能時間Tmに比例し、干渉レベルRmに反比例するように評価値ηmを算出する方法である。
Figure 0006447412
また、送信者と受信者の間の伝搬損失(パスロス)が利用できる場合には、次式のような算出方法を採用することもできる。
Figure 0006447412

ここで、PLは送信者と受信者の間の伝搬損失を表し、Ptは送信者の送信電力を表す。伝搬損失は、送受信者間の距離に基づいて所定の電波伝搬モデルを用いて算出することができる。
全ての未使用チャネルについてチャネル評価値ηmの算出が完了したら、ステップS1010において、通信に利用するチャネルを決定しチャネルの割り当てが行われる。利用チャネルは、評価値ηmに基づいて決定される。本実施形態においては、通信に要求される条件(通信速度など)を満たすチャネルの中から、チャネル評価値ηmが最も高いチャネルが利用チャネルとして決定される。
なお、ステップS1008においてチャネル評価値ηmを算出する際に用いられる干渉レベルRmは、直前の測定結果そのものを利用するのではなく、過去の複数回の測定において求めた干渉レベルの加重平均を用いることが好ましい。例えば、次式のように忘却係数αを用いた加重平均した干渉レベルRmを用いることが好ましい。忘却係数を用いた平均値を用いることで、チャネルフェージングによる干渉レベルの変動を平滑化でき、また、古い測定の影響を排除できる。
Figure 0006447412

ここで、x[n]はタイムステップnにおける干渉レベルの測定(推定)結果を表し、R[n]はタイムステップnにおける干渉レベルの加重平均値を表し、αは忘却係数を表す。
忘却係数αの値は平均化窓の実効サイズNを次式のように規定する。平均化窓の実効サイズNは、過去の測定値をどの程度考慮するかを表す値である。
Figure 0006447412
また、評価値ηmを求める際には、干渉を与える範囲と同程度の範囲での干渉レベル測定の結果を用いることが望まれる。干渉を与える範囲をDc(例えば200m)、車両の平均移動速度をv、干渉レベルの測定間隔をTcとすると、車両が距離Dcを走行するまでに干渉レベルが測定される回数は、次式で表される。
Figure 0006447412
以上より、忘却係数αの望ましい値は次のように計算できる。
Figure 0006447412

なお、忘却係数αは厳密にこの値とする必要はなく、同程度のオーダーを有する値であれば干渉レベルの適切な平滑化が可能である。
<チャネル割り当て処理の流れ>
次に、本実施形態にかかる車車間通信システムにおける、チャネルの割り当て処理の全体の流れについて説明する。チャネルの割り当て処理の実装方法には、チャネルの選択・割り当てを車群2内のある特定の車両が行う擬似集中(pseudo centralized)方式と、通
信を開始する各車両が行う分散(distributed)方式がある。以下、それぞれ説明する。
(擬似集中方式)
図4(A)は擬似集中方式の全体的な流れを示したシーケンス図であり、図4(B)はリーダ車両1aの動作を示したフローチャート、図4(C)は送信車両1bの動作を示したフローチャートである。図4(B)および図4(C)の処理は、リーダ車両1aおよび送信車両1bによってそれぞれ定期的に実行される。
図4(A)に示すように、リーダ車両1aはDB装置6に対してアクセスしてホワイトスペース情報を取得し、制御チャネル上で車群2内の車両に配布する。より具体的には、リーダ車両1aは、DB装置6へのアクセスタイミングが到来したか否かを判断し(S1102)、到来している場合(S1102−YES)にはDB装置6へのアクセスを試みる。アクセスタイミングは、前回のWS情報取得から所定の時間が経過したタイミングや所定の距離を走行したタイミングとする。DB装置6が利用可能(アクセス可能)であれば(S1104−YES)、リーダ車両1aはDB装置6へアクセスしてWS情報を取得する(S1106)。一方、DB装置6が利用可能でない場合(S1104−NO)には、スペクトラムセンシングを行ってWS情報を取得する(S1106)。DB装置6へのアクセスまたはスペクトラムセンシングにより取得されたWS情報は、リーダ車両1aから制御チャネル上で車群2内の他の車両に通知される。
リーダ車両1aは、ステップS1110において、利用可能チャネルの評価を行う。この処理は、図2のステップS1002〜S1008に相当し、上記で説明したので繰り返しの説明は省略する。なお、リーダ車両1aが他の車両の位置情報・速度情報・干渉レベル測定値を用いてチャネル評価値算出を行う場合には、制御チャネルを介した通信によりこれらの情報を他の車両から受信する。
リーダ車両1aは、車群2内の送信車両1b(通信用にチャネルの割り当てを要求する車両)から、チャネル要求を受信しているかを判定する(S1112)。チャネル要求がある場合(S1112−YES)には、リーダ車両1aは、チャネルの割り当てを行う(S1114)。具体的には、リーダ車両1aは、チャネル評価値および通信に要求される条件を考慮してチャネルを選択し、当該チャネルが通信に利用されることを制御チャネル上で周囲の車両に対して通知する。
送信車両1bは、送信すべきデータがあるか判定し(S1202)、送信データがある場合(S1202−YES)にはステップS1204以降の処理を実行する。ステップS1204において、送信車両1bは、制御チャネル上でチャネル割当要求をリーダ車両1aに対して送信する。このチャネル割当要求の結果、リーダ車両1aによってチャネルの割り当て処理が行われる。送信車両1bは、割り当てられたチャネルが実際に利用可能であるか(プライマリユーザなどが利用していないか)を確認した上で(S1206)、利用可能であれば(S1206−YES)、このチャネルを用いてデータ送信を行う(S1208)。一方、割り当てられたチャネルが利用不可能であれば(S1206−NO)、ステップS1204に戻ってチャネルの割当要求を再度送信する。データ送信処理の後、受信車両1cからACK(肯定応答)が得られなければ(S1210−NO)、ステップS1206に戻って再度のデータ送信を行う。受信車両1cからACKが受信できれば処理を終了する。
(分散方式)
図5は分散方式の全体的な処理の流れを示したシーケンス図である。分散方式では、チャネルの選択(チャネルの評価を含む)およびチャネルの割り当て(利用予約)は、通信を開始する車両によって行われる。
リーダ車両1aがWS情報を取得して制御チャネル上で周囲の車両に配布する点は上記と同様である。本方式では、通信を開始する送信車両1bが、自ら利用するチャネルの選択を行う。この処理は図2に用いて上記で説明しているので繰り返しの説明は省略する。擬似集中方式と同様に、チャネル評価に他の車両の位置情報・速度情報・干渉レベル測定値を用いる場合には、制御チャネルを介した通信によりこれらの情報を他の車両から受信すればよい。
利用するチャネルが決定されたら、送信車両1bは、当該チャネルを利用することを周囲の車両に対して通知する。この通知の後、所定期間の間チャネル上で通信が行われなければ、送信車両1bが当該チャネル上でデータ送信を開始する。他の車両によって当該チャネルの使用が開始された場合には、再度チャネルの決定からやり直せばよい。
<実施例>
以下、上記で説明したチャネル決定方法を適用したより具体的な車車間通信システムについて説明する。本実施例にかかる車車間通信システムでは、2つの制御チャネル(分散制御チャネルDCCとグループ制御チャネルGCC)を確立し、これらの制御チャネル上でやりとりされる情報を用いてデータ通信用のデータチャネルを確立する。本実施例にかかる車車間通信システムでは、このデータチャネルの確立処理に、上記のチャネル決定方法を適用する。
(ホワイトスペースデータベースへのアクセス方法)
図6は、本実施例にかかる車車間通信システムの概要図であり、ホワイトスペースデータベース装置10(以下、WSDB装置10あるいはDB装置10とも称する)と、車載無線通信装置21a〜21dを搭載する複数の車両20a〜20dからなる。本実施例にかかる車車間通信システムにおける各車両は、プライマリユーザ(PU、免許者)が利用していない周波数(ホワイトスペース)をセカンダリユーザ(SU)として利用して通信を行う。
図7(A)、図7(B)は、WSDB装置10が保有するホワイトスペース情報(以下、WS情報とも称する)を説明する図である。図7(A)に示すように、WSDB装置10には、所定の大きさのセル(例えば、100m四方の正方形)について、プライマリユーザの利用状況が記憶される。図7(B)に示すように、各セルは、例えば緯度IDおよび経度IDによって特定可能であり、チャネルごとにプライマリユーザによる利用状況(利用有無)が「1」または「0」で格納される。たとえば、プライマリユーザが利用していることを「1」で表し、プライマリユーザが利用していないことを「0」で表す。車両は、所定範囲のセルについて各チャネルごとの利用状況を取得することで、その範囲におけるチャネルの状況を把握できる。
本実施例において、ホワイトスペースの検出は、WSDB装置10へアクセスすることによって行う。ただし、全ての車両がWSDB装置10へアクセスすると、WSDB装置10での処理負荷が過剰になったり、通信が逼迫するおそれがある。そこで、本実施例においては、複数の車両20a〜20dのうち、特定の車両のみがWSDB装置10へアクセスする。WSDB装置10へアクセスした車両は、取得したホワイトスペース情報を周囲の車両に配布する。このようにして、アクセスの集中を回避しつつ、全ての車両がホワイトスペース情報を利用可能とする。
図8を参照して、本実施例におけるWSDB装置へのアクセス方法(WS情報取得処理)について説明する。各車両は、760MHzや5.8GHz帯などの車車間通信に専用に割り当てられている周波数を用いて、定期的に車両情報(車両ID、位置情報、移動方
向、移動速度など)を送信するとともに、他の車両から送信される車両情報を受信する(S10)。このように、各車両が定期的に車両情報を交換(送受信)することで、周囲に存在する車両の位置情報を把握できる。なお,図8では車両情報の交換を一度だけ行うように記載しているが、上述のように、定期的に行うようにすることが好ましい。
本実施例においては、代理DBアクセスエリア(第1のエリアに対応)と称するエリア内では、一台の車両のみがWSDB装置10へアクセスする。代理DBアクセスエリアは、例えば、図9に示すように250m四方のエリア41とすることができる。WSDB装置10にアクセスするか否かを各車両が自律的に判断可能な基準を設けて、代理DBアクセスエリア内の一部の車両のみがWSDB装置10にアクセスするようにすることが好ましい。本実施例では、同じ代理DBアクセスエリア内に位置する車両のうち、当該エリアに定義される所定位置(例えば、エリアの中心位置)に最も近い車両が、WSDB装置10へアクセスする。
具体的には、自車両の現在位置付近の地図情報を取得して、代理DBアクセスエリアに関する情報を把握する(S11)。そして、ステップS10において取得した周囲の車両の位置情報、および自車両の位置情報、および地図情報と関連付けて記憶されている代理DBアクセスエリアの情報に基づいて、自車両が代理DBアクセスエリアの所定位置(中心位置)に最も近い車両であるかどうかを判定する(S12)。
自車両が代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近い車両と判定される場合(S12−YES)には、自車両がWSDB装置10に対して、ホワイトスペース情報を取得するためのクエリを送信する(S13)。ここで、どの範囲についてのホワイトスペース情報を取得するかは、任意であって構わない。例えば、図9に示すように、4×4個の代理DBアクセスエリアからなるエリア(DCC共用エリア、第2のエリアに対応)についてのホワイトスペース情報を取得するようにすることができる。なお、後述するようにこのエリアは、ホワイトスペースを使った通信を行う際に、共通の制御チャネル(分散制御チャネル、DCC)を用いるエリアである。
車両がWSDB装置10からホワイトスペース情報の応答を取得すると(S14)、取得したホワイトスペース情報を周囲の車両に対して配布する(S15)。ホワイトスペース情報の配布方法は任意であって構わないが、例えば、ホワイトスペースから制御チャネル(上記のDCC)を決定して、この制御チャネル上で送信するようことが好ましい。より具体的な通信方法については、後述する。
一方、自車両が代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近い車両ではない場合(S12−NO)には、自車両はWSDB装置10へはアクセスせず、他の車両から送信されるホワイトスペース情報を受信する(S16)。
このようにして、車車間通信システム内の一部の車両のみがWSDB装置10へアクセスすることで、WSDB装置10へのアクセスの集中や通信網の逼迫を回避できる。図6の例では、車両20a〜20dの4台の車両のうち、車両20aのみがWSDB装置10へアクセスし、車両20b〜20dは、車両20aから車車間通信によってホワイトスペース情報を取得する。
(ホワイトスペースデータベース連携型車車間通信システム)
以下では、上述したホワイトスペースデータベースへのアクセス方法を利用した、車車間通信システムについて説明する。この車車間通信システムでは、760MHz(あるいは5.8GHz)の車車間通信専用のチャネルに加えて、ホワイトスペースの中から2つの動的制御チャネル(分散制御チャネルDCCおよびグループ制御チャネルGCC)およ
び1つまたは複数のデータチャネルを確立して車車間通信を行う。動的制御チャネルとは、利用周波数があらかじめ定まっておらず、周辺におけるプライマリユーザの周波数利用状況によって周波数が定められる制御チャネルを意味する。なお、760MHz(あるいは5.8GHz)の車車間通信専用チャネルは、本発明におけるあらかじめ定められた制御チャネルに相当する。また、分散制御チャネルDCCおよびグループ制御チャネルは、本発明における第1の動的制御チャネルおよび第2の動的制御チャネルにそれぞれ対応する。
図10は、本実施例にかかる車車間通信装置を構成する車両の機能ブロックを示す図である。車両は、LTE通信部101、WSDBクエリ部102、WS情報記憶部103、利用周波数決定部104、車車間通信部105、地図情報記憶部111、GPS装置112、車両センサ113、アプリケーション実行部114などの機能部を有する。これらの機能部は、電気回路や電子回路などのハードウェア回路によって実現されてもよいし、CPU(Central Processor Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などがメモリなどの
記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって実現されてもよい。
LTE通信部101は、LTE(Long Term Evolution)通信網を介して、WSDB装
置10と無線通信する。なお、WSDB装置10との間の無線通信方式は、LTE以外にも、3GやモバイルWiMax(IEEE802.16e)であっても良いし、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n等)などであっても良い。
WSDBクエリ部102は、WSDB装置10に対してWS情報を要求するクエリを発行する機能部である。WSDBクエリ部102は、WSDBクエリ部102に対してアクセスするか否かの判断や、WSDB装置10へのアクセスタイミングの決定や、どの範囲を対象としてWS情報を取得するかの決定や、WSDB装置10から応答結果の受信、などの処理を行う。これらの詳細については後述する。
ホワイトスペース情報記憶部103は、自車両がWSDB装置10からLTE網を介して取得したWS情報や、他の車両から車車間通信によって取得したWS情報を格納する機能部である。WS情報記憶部103には、図7(B)に示すように、セルごとおよびチャネルごとに、プライマリユーザの利用有無が格納される。
利用周波数決定部104は、分散制御チャネルDCC、グループ制御チャネルGCC、データチャネルDCHとして利用する周波数を決定する機能部である。利用周波数決定部104は、WS情報記憶部103に格納されたWS情報に基づいてこれらのチャネルを決定したり、他の車両から車車間通信によって通知される情報に基づいてこれらのチャネルを取得したり、あるいは、周波数をスキャン(リスニング)してこれらの制御チャネルを発見したりする。各チャネルの決定方法の詳細については後述する。
車車間通信部105は、車車間通信専用のチャネル(760MHz帯や5.8GHz帯)および、ホワイトスペース上のチャネルを使って、周囲の車両と無線通信を行う機能部である。車車間通信部105は、車車間通信専用チャネルでは、車両ID、位置情報、移動速度、移動方向などの車両データを定期的に送信する。また、分散制御チャネルDCCでは、WS情報およびグループ制御チャネルGCCの周波数を通知する。また、グループ制御チャネルGCCでは、グループ内でのルーティング情報を交換したり、データチャネルの周波数を通知したりする。これらの詳細については、後述する。
地図情報記憶部111には、地図情報が記憶される。この地図情報は、図9に示すように、メッシュ状の代理DBアクセスエリア41およびDCC共用エリア42によって区分
されている。代理DBアクセスエリア41は、例えば、一辺250mの正方形状のエリアである。この大きさは、任意であって良いが、700Mhz帯や分散制御チャネルでの通信距離を考慮して定義するのがよい。DCC共用エリア42には、代理DBアクセスエリア41よりも大きく、複数の代理DBアクセスエリア41からなるエリアであり、図9の例では、4×4の代理DBアクセスエリアからなる一辺1kmの正方形状のエリアである。同一のDCC共用エリア42内では、後述するように共通の基準にしたがって分散制御チャネルDCCが選択される。したがって、同一のDCC共用エリア内では同一の分散制御チャネルDCCを利用することになり、分散制御チャネルDCCが頻繁に変更されることを回避できる。
GPS装置112は、GPS装置から位置情報を取得する装置である。なお、位置情報を取得可能であれば、GPS装置以外の衛星測位装置や、基地局測位装置などを用いても良い。車両センサ113は、車両制御装置から種々のセンサ情報を取得する機能部であり、例えば、速度、加速度、操舵角、ブレーキ踏み込み量などを取得する。
アプリケーション実行部114は、車車間通信を利用するアプリケーションプログラムを実行する機能部である。実行されるプログラムは任意のものであって良く、ここでは本発明では特に限定されない。
(全体処理)
図11のフローチャートを参照して、本実施例にかかる車車間通信システムにおける無線通信処理の概要を説明する。なお、図11のフローチャートは、処理の概念を説明するためのものであり、実際の処理順序とは異なることに留意されたい。
まず、760MHz帯(あるいは5.8GHz)の車車間通信用チャネルを用いて車両情報を交換(送信および受信)することで、周辺状況を把握する(S21)。すなわち、自車両の周囲に存在する車両の台数やその位置などを把握する。この車両情報の交換処理は、定期的に行うことが好ましい。例えば、各車両が100ミリ秒ごとに1回車両情報をブロードキャスト送信するようにすることができる。このようにすることで、各車両は周辺状況を常に把握可能となる。また、WSDB装置10あるいは周囲の車両からホワイトスペース情報を取得することによって、自車両の周囲のホワイトスペースに関する情報を取得する。
車両情報の受信によって周辺状況を把握したら、分散制御チャネルDCCを確立する(S22)。分散制御チャネルDCCの確立方法は、WSDB装置10から得られるWS情報に基づいて自らDCCを選択したり、周波数帯をスキャンして分散制御チャネルDCCを発見したりすることによって行う。上述のように、DCC共用エリア内では、同一の周波数が分散制御チャネルDCCとして利用される。
次のグループ制御チャネルGCC確立処理S23では、グループ(車群、スワーム)ごとに定義されるグループ制御チャネルGCCを確立する。グループは、同様の移動度(移動方向および移動速度)を有する車両として定義される。このグループ内で特定の車両(リーダ車両)がグループ制御チャネルGCCを選択し、グループ内の他の車両に対して分散制御チャネルDCCを介してグループ制御チャネルGCCを通知する。確立されたグループ制御チャネルGCCでは、グループ内でのルーティング情報やデータチャネルの周波数、アプリケーション関連のメッセージ通知などが送信される。
またデータチャネル確立処理S24では、グループ内のデータ通信に利用するデータチャネルを確立する。データチャネルは、グループ内の特定車両(リーダ車両)が選択し、グループ内の他の車両に対してグループ制御チャネルGCCを介してデータチャネルを通
知する。
データチャネルが確立すると、グループ内の車両は、このデータチャネルを用いて車車間通信を行う(S25)。
なお、図11のフローチャートでは、上記の処理が順次(シーケンシャルに)行われるように記載しているが、処理順序は必ずしもシーケンシャルとは限らない。上述のように車両情報の交換は定期的に行われる。また、各種チャネルが確立した後も、そのチャネルが継続して利用可能であるか判断し、チャネル周波数の変更が必要になった場合には、チャネルの変更処理(再確立処理)を行う。これらの詳細については、以下で説明する。
(周辺状況把握処理〜分散制御チャネル確立・維持処理)
周辺状況の把握処理(S21)および分散制御チャネル確立処理(S22)について、図12のフローチャートを参照して説明する。ここでは、分散制御チャネルDCCを把握できていない状況における処理について説明する。分散制御チャネルDCCが把握できていない状況は、車両システムの起動時(エンジンON時)や、DCC共用エリア42をまたいだ移動を行った時に生じ得る。
車車間通信部105が、車車間通信専用チャネルを介して、他の車両との間で車両情報を交換する(S31)。これにより、周囲の車両の位置情報や移動方向等に関する情報を取得可能である。上述したように、この車両情報の交換処理は、定期的に繰り返し実行される。
ここで、何台の車両から車両情報を受信できたかによって、周囲に存在する車両の密度が把握可能である。そこで、周囲の車両密度によって、以降の処理を分岐する。周囲の車両密度が所定の閾値以上である場合(S32−YES)は、周囲の車両によって分散制御チャネルDCCが確立されている可能性が高いので、リスニングによって分散制御チャネルDCCの発見を試みる。この際、現在位置付近のWS情報を全く保有していない場合(S33−NO)には、全てのチャネルを順番にリスニングする(S34)。一方、現在位置付近のWS情報を部分的に(あるいは完全に)保有している場合(S33−YES)には、このWS情報に基づいて分散制御チャネルDCCを予測できるので、分散制御チャネルDCCとして使用されている可能性が高いチャネルから順番にリスニングする(S35)。リスニングの結果、分散制御チャネルDCCが発見できれば(S36−YES)、それ以上の処理を行わず、発見された分散制御チャネルDCCを介してWS情報を取得できる。なお、ステップS32の処理における閾値は1〜数台の範囲とすれば良い。
一方、リスニングの結果、分散制御チャネルDCCが発見できなかった場合(S36−NO)や、周囲の車両密度が低い場合(S32−NO)には、自車両が分散制御チャネルDCCを決定する処理を行う。具体的には、まず、ホワイトスペースDBクエリ部102がLTE通信部101を介して、WSDB装置10に対してアクセスして、現在位置付近のWS情報を取得する(S37)。この際、少なくとも、自車両が位置するDCC共用エリアについてのWS情報を取得する。例えば、クエリに自車両が位置するDCC共用エリアのエリアIDを含めて当該エリアについてのWS情報を要求しても良いし、クエリに自車両が位置するDCC共用エリアの対角方向の2頂点の位置ID(緯度IDおよび経度ID)を含めて当該エリアについてのWS情報を要求しても良い。ホワイトスペースDBクエリ部102は、WSDB装置10からの応答として得られるWS情報をWS情報記憶部103に格納する。
次に、利用周波数決定部104が、WS情報記憶部103に格納された現在のDCC共用エリアについてのWS情報に基づいて、分散制御チャネルDCCとして利用する周波数
を決定する(S38)。上述したように、WS情報はセル単位でのプライマリユーザのチャネルの利用有無を表す情報であり、一つのDCC共用エリアには複数のセルが含まれる。DCC共用エリア内において、プライマリユーザがチャネルを利用しているセルの割合(PUカバー率)が最も低いチャネル、すなわち、セカンダリユーザが利用可能なセルの割合が最も大きいチャネルを、分散制御チャネルDCCとして選択する。
分散制御チャネルDCCが決定されると、車車間通信部105は、WS情報記憶部103に格納されているWS情報を、分散制御チャネルDCC上で周囲の車両に対して配布する。例えば、WS情報の配布は、定期的に繰り返し実行されることが望ましい。
次に、既に分散制御チャネルDCCを把握している状況での、WS情報の配布および分散制御チャネルDCCの維持処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
図13は、他の車両の位置を把握できている場合の分散制御チャネルDCCの確立・維持処理の流れを示すフローチャートである。まず、車車間通信部105が、車車間通信専用チャネルを介して、他の車両との間で車両情報を交換する(S41)。これにより、周囲の車両の位置情報や移動方向等に関する情報を取得可能である。上述したように、この車両情報の交換処理は、定期的に繰り返し実行される。また、自車両の現在位置付近の地図情報を取得して、自車両が位置する代理DBアクセスエリアおよびDCC共用エリアに関する情報を取得する(S42)。
次に、ホワイトスペースDBクエリ部102が、WSDB装置10へアクセスするか否かの判断を行う。具体的には、自車両が、周囲の車両と比較して、代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近いか否かを判定する(S43)。この判定処理は、自車両がどの代理DBアクセスエリアに属するかの決定、自車両が属する代理DBアクセスエリアの中心位置の取得、周囲の車両および自車両のそれぞれについて当該中心位置との距離の算出、および自車両に関する距離が最短であるかどうかの判定によって行える。
自車両が代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近くはない場合(S43−NO)は、自車両はWSDB装置10へのアクセスは行わずに処理を終了する。この場合は、分散制御チャネルDCC上で他の車両から送信されるWS情報を受信することになる。
一方、自車両が代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近い場合(S43−YES)は、ホワイトスペースDBクエリ部102がWSDB装置10へアクセスしてWS情報を取得する。まず、ホワイトスペースDBクエリ部102は、WS情報を取得するためのクエリを生成して、WSDB装置10へ送信する(S44)。このクエリは、自車両が属するDCC共用エリアに加えて、自車両や周囲の車両の移動度(移動方向および移動速度)に基づいて拡張されたエリアについてのWS情報を要求するものとすることが好ましい。ホワイトスペースDBクエリ部102は、このクエリの結果としてWSDB装置10から送信される応答を受信し、WS情報記憶部103に格納する(S45)。
ステップS44における拡張エリアの決定方法はいくつかの方法が考えられる。以下、図14(A)−(C)を参照して説明する。
図14(A)は、自車両(WSDB装置10へアクセスする車両)の移動度に基づいて、拡張エリアを決定する方法を説明する図である。図14(A)において、自車両91の移動方向および移動速度が速度ベクトル92(移動度)として示されている。自車両91の属するDCC共用エリアは、領域93として示される3×3の代理DBアクセスエリアからなる領域である。ホワイトスペースDBクエリ部102は、自車両が属するDCC共
用エリア93を、自車両の速度ベクトル92に基づいて拡張したエリア94についてのWS情報をWSDB装置10から取得する。
クエリは任意の形式であって良いが、例えば、DCC共用エリア93の向かい合う2つの頂点93aおよび93bの座標(緯度IDおよび経度ID)と、自車両の位置情報、および速度ベクトルとをクエリに含めて送信するようにすることができる。そして、WSDB装置10がクエリに含まれるこれらの情報に基づいて、DCC共用エリア93を拡張したエリア94を求めて、このエリア94についてのWS情報を返すようにすることができる。
あるいは、車両側でエリア94を求めて、エリア93の向かい合う2つの頂点94aおよび94bをクエリに含めて送信するようにしても良い。
なお、拡張エリアの算出は、図14(B)に示すように、車両91の位置情報と移動ベクトル92から推測される予測移動範囲92aを求め、この予測移動範囲92aとDCC共用エリア93を含むように拡張エリア94を決定してもよい。
また、自車両の移動度ではなく、周囲の車両(同一の代理DBアクセスエリアに位置する車両)の位置や移動度も考慮して拡張エリア94を決定することも好ましい。
図14(C)は、自車両および周囲に位置する車両の位置情報および移動ベクトルを考慮して、拡張エリアを決定する方法の別の例を説明する図である。この例では、自車両および同一のDCC共用エリアに位置する車両のそれぞれの移動ベクトルに基づいて、拡張エリアを決定する。例えば、矢印96および矢印97で示す移動度を有する車両が存在する場合に、それぞれの移動度を考慮して拡張エリアを決定する。
なお、DCC共用エリアだけでなく移動度に基づいて拡張エリアを設定するのは、自車両や周囲の車両が現在のDCC共用エリアから別のDCC共用エリアに移動した際に、周辺のWS情報を取得済みにしておくためである。したがって、拡張エリアの決定方法は上記の手法に限られず、このような目的の趣旨に応じて種々の変形が可能である。
クエリに対する応答としてWSDB装置10から送信されるWS情報は、例えば、WS情報取得対象範囲の始点および終点のセルを特定する情報(始点および終点の緯度IDおよび経度ID)と、対象範囲内の全てのセルに関する全てのチャネルのプライマリユーザの利用有無を表すデータである。
次に、利用周波数決定部104が、WS情報記憶部103に格納された現在のDCC共用エリアについてのWS情報に基づいて、分散制御チャネルDCCとして利用する周波数を決定する(S45)。上述したように、WS情報はセル単位でのプライマリユーザのチャネルの利用有無を表す情報であり、一つのDCC共用エリアには複数のセルが含まれる。DCC共用エリア内において、プライマリユーザがチャネルを利用しているセルの割合(PUカバー率)が最も低いチャネル、すなわち、セカンダリユーザが利用可能なセルの割合が最も大きいチャネルを、分散制御チャネルDCCとして選択する。
図15は、分散制御チャネルDCCの選択処理を説明する図である。ここでは、DCC共用エリアが4×4個のセルからなるものとして記載しているが、実際にはDCC共用エリアにはより多くのセルが含まれる。図15においては、3つのチャネル(チャネル0,1,2)についてのWS情報が示されており、○印はプライマリユーザが利用していない(空きチャネルである)ことを示し、×印はプライマリユーザが利用していることを示す。PUカバー率は、(プライマリユーザが利用しているセル数)/(全セル数)で定義さ
れ、図15の例では、チャネル0,1,2についてそれぞれ、25%、50%、6%である。したがって、この例では、PUカバー率が最も低いチャネル2が分散制御チャネルDCCとして選択される。なお、複数のチャネルが同一のPUカバー率最低値を有する場合、ある定められた基準でいずれかのチャネルを選択する(例えば、最も低い周波数を選択するなど)ことが好ましい。こうすることで、同じWS情報に基づいて分散制御チャネルDCCを選択すれば、常に同じチャネルが選択されるようにできる。
なお、PUカバー率の算出時に、全てのセルを同等に扱っているが、各セルに存在する車両数および将来的に存在すると予想される車両数に応じて、セルごとに重みをつけてPUカバー率を算出してもよい。このようにすれば、より多くの車両が利用可能なチャネルを分散制御チャネルDCCとして選択することができる。
分散制御チャネルDCCが決定されると、車車間通信部105は、WS情報記憶部103に格納されているWS情報を、分散制御チャネルDCC上で周囲の車両に対して配布する(S46)。例えば、WS情報の配布は、定期的に繰り返し実行されることが望ましい。
このような処理によって、WSDB装置10へのアクセス処理および分散制御チャネルDCCの決定が行われることで、次のような利点がある。まず、WSDB装置10へアクセスする車両の数が代理DBアクセスエリアにつき基本的に1台となるので、WSDB装置10の処理負荷の軽減およびLTE通信網の通信量抑制が可能となる。また、PUカバー率が最も低いチャネルを分散制御チャネルDCCとして選択することで、より多くの車両が利用可能なチャネルを選択することができる。また、複数の車両が分散制御チャネルDCCを決定しても同一のチャネルが選択されることになり、DCC共用エリア内では同じチャネルが分散制御チャネルDCCとして選択される。
なお、図13のフローチャートに記載のWS情報の配布および分散制御チャネルDCCの維持処理は、定期的に行うことが好ましい。例えば、図16に示すように、処理の実行間隔は全ての代理DBアクセスエリアで同一(例えば、5秒)とするが、実行タイミングは代理DBアクセスエリアに応じてずらすことが好ましい。図16の例では、代理DBアクセスエリアIDの末尾(10で割った余り)の値に応じて、実行タイミングを0.5秒ずつずらしている。このようにすれば、WSDB装置10への同時アクセス数を減らすことができる。なお、図16の例では、代理DBアクセスエリアを10個のグループに分けてグループごとに実行タイミングを変えていえるが、グループ数はこれより多くても少なくても構わない。
(グループ制御チャネルGCC確立・維持処理)
次にグループ制御チャネルGCCの確立・維持処理(S23)について、図17のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、WSDB装置10から直接あるいは分散制御チャネルDCCを介して、車両が周囲のWS情報を保有済みであるものとする。
車車間通信専用チャネルを介した車両情報の交換処理(S41)は定期的に行われており、各車両は周囲の車両の位置情報や移動情報等を把握可能である。そして、自車両および周囲の車両の位置や移動度(移動方向および移動速度)に基づいて、同一のグループ(車群)に属する車両を特定する(S42)。近接した車両のうち、同様の移動方向に移動する車両を車群のメンバとして特定すればよい。あるいは、近接した車両のうち、同じ道路を同じ方向に走行している車両を車群のメンバとして特定しても良い。
車群を構成するメンバが特定されたら、自車両がその車群のリーダであるか否かを判定する(S43)。リーダ車両の条件は任意であって構わないが、例えば、車群の先頭車両
をリーダ車両としたり、車群内で車両IDが最も小さいあるいは最も大きい車両をリーダ車両としたりすることができる。もちろん、これら以外の基準にしたがって、リーダ車両を選択しても良い。
自車両がリーダ車両である場合(S43−YES)には、周囲のWS情報に基づいてグループ制御チャネルGCCを選択する(S44)。グループ制御チャネルGCCの選択処理の詳細について、図18および図19を参照して説明する。
図18(A)はグループ制御チャネルGCC選択処理S44の詳細を示すフローチャートである。まず、自車両の移動方向と地図情報から、自車両(および車群)が走行中の道路を特定する(S441)。そして、走行中の道路の形状に基づいて、移動予測エリアを特定する(S442)。そして、移動予測エリアにおいてPUカバー率が最も低いチャネルをグループ制御チャネルGCCとして選択する(S443)。
例えば、図18(B)に示すように、自車両(あるいは車群)1301が、道路1302を図中右方向に走行している場合、エリア1302に示す領域が今後の移動予測エリアであると判断できる。なお、エリア1302はセルを組み合わせた領域である。図18(C)に示すように、移動予測エリアの各セルについてPUの利用有無を判定し、移動予測エリア全体についてのPUカバー率をチャネルごとに計算する。この例では、Ch1はPUカバー率が6%で、Ch2はPUカバー率が50%であるので、Ch1がグループ制御チャネルGCCとして選択される。
なお、移動予測エリアの算出は別の方法によって行っても良い。例えば、車群を構成する各車両について移動予測範囲を求めて、それらを足し合わせた範囲を車群の移動予測エリアとすることも好ましい。この方法について、図19を参照して説明する。例えば、図19(A)に示すように、車群が3台の車両1401〜1403から構成されているものとする。車両1401の位置、その位置での道路形状、および移動速度等に基づいて、現時点から所定時間経過後までに車両1401が位置する範囲1404が推定できる(図19(B))。同様に、車両1402および1403についても、移動予測範囲1405および1406が推定できる(図19(C)(D))。そして、これらの範囲1404〜1406を足し合わせた範囲1407を、車群の移動予測エリアとして求めてもよい(図19(E))。このようにすれば、車両が存在するセルのみを抽出してPUカバー率を求められるのでより好ましいチャネルを選択可能となる。特に、車群の大きさに比較してセルの大きさが小さいときには、本手法が有効といえる。
リーダ車両がグループ制御チャネルGCCを決定したら、分散制御チャネルDCC上で選択したチャネルを同一グループ内の車両に対して通知する(S45)。この通知により、リーダ車両以外の車両は、グループ制御チャネルGCCを把握して、グループ制御チャネルGCCを用いた通信が可能となる。グループ制御チャネルGCC上では、車群内でのルーティング情報の交換や、データチャネルの通知などが行われる。
なお、図17のグループ制御チャネルGCCの確立・維持処理は繰り返し実行されることが好ましい。例えば、5秒おきなどの間隔で定期的に実行することが考えられる。また、走行中の道路が変わった場合に再実行することが望ましい。また、同じ道路を走行中であっても、別のDCC共用エリアに移動した場合には再実行することが望ましい。
(データチャネル確立・維持処理)
次にデータチャネルDCHの確立処理(S24)は、上記で説明したので繰り返しの説明は省略する。
擬似集中方式によるデータチャネルの確立を行う場合には、通信を開始する車両がグループ制御チャネルGCC上でチャネル割当要求をリーダ車両宛に送信し、リーダ車両がデータチャネルを決定して、グループ制御チャネルGCC上で割り当て結果を通知する。
また、分散方式によるデータチャネルの確立を行う場合には、通信を開始する車両がデータチャネルを決定して、当該チャネルの利用を開始すする旨をグループ制御チャネルGCC上で周囲の車両に送信する。
擬似集中方式および分散方式のいずれにおいても、通信を行う車両の位置情報・速度情報・干渉レベル測定値が必要であれば、これらの情報はグループ制御チャネルGCCで送信すればよい。
(変形例)
上記の説明は、本発明を例示的に説明したものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その技術的思想の範囲内で、種々の変形が可能である。
例えば、上記ではデータチャネルの割り当てが通信開始車両からの要求に応じて行われるように説明しているが、例えばグループ内で共通して使用するデータチャネルを確立するようにしてもよい。この場合にも、上記と同様にしてデータチャネルの割り当てを行えばよい。ただしこの場合、チャネルの利用可能時間や干渉レベル測定値については、グループ内の複数の車両についてのこれらの値の平均値、最小値、最大値などを用いるとよい。
また上記では、チャネルの利用可能時間と干渉レベルを考慮した評価値に基づくチャネル決定を、データチャネルの決定に適用する例を示したが、分散制御チャネルDCCやグループ制御チャネルGCCを決定する際に用いることもできる。ただし、上記の決定を行うために分散制御チャネルDCCやグループ制御チャネルGCCが必要とされる場合には、最初の確立処理では上記の実施例で説明した処理方法でこれらの制御チャネルを確立し、制御チャネルを切り替える際に、チャネル評価値を用いて新しい制御チャネルを決定するとよい。
また、上記の説明で例示した距離や時間などのパラメータは任意に変更可能である。例えば、代理DBアクセスエリアやDCC共用エリアの大きさなどは、システム要求に応じて任意に変更可能である。また、データベース装置へのアクセス間隔などの時間も、システム要求に応じて任意に変更可能である。
また、上記の説明では、代理DBアクセスエリアの中心位置に最も近い車両のみがホワイトスペースデータベース装置へアクセスしているが、中心位置に近い複数台の車両がデータベース装置にアクセスするようにしても良いし、代理DBアクセスエリアに複数の基準位置を設けて、それぞれの基準位置に最も近い車両がデータベース装置へアクセスするようにしても良い。すなわち、何らかの基準にしたがって、一部の車両のみがデータベース装置にアクセスするように制限するようにすれば、データベース装置へのアクセス集中を減らす効果や、通信量の削減の効果が得られる。
また、車両がデータベース装置からホワイトスペース情報を取得する際に、どのエリアを対象としてものであるかは、車両とデータベース装置のいずれかまたは両者が協働して決定すればよい。例えば、車両側で、現在位置や移動ベクトルなどに基づいて対象エリアの始点と終点を算出し、この情報をクエリに含めて送信しても良い。逆に、車両は、現在位置や移動ベクトルなどをクエリに含めて送信し、データベース装置においてこれらの情報に基づいて対象エリアを算出してもよい。上記の実施形態で示した手法は、一例に過ぎ
ずこのように種々の手法を採用可能である。
1 車両
2 車群
3 プライマリユーザ
4 無線通信装置(他のセカンダリシステム)
6 ホワイトスペースデータベース装置(WSDB装置)

Claims (13)

  1. 車車間通信システムを構成する車両が行う無線通信方法であって、
    プライマリユーザが利用していないチャネルである利用可能チャネルを複数取得する利用可能チャネル取得ステップと、
    前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの利用可能時間および干渉レベルを測定する測定ステップと、
    前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの評価値を求める評価値算出ステップであって、前記利用可能時間が長いほど大きく、前記干渉レベルが低いほど大きくなるように前記評価値を求める評価値算出ステップと、
    前記評価値に基づいて通信に利用するチャネルを前記複数の利用可能チャネルの中から選択するチャネル選択ステップと、
    を含み、
    前記干渉レベルは、複数の時点において求めた干渉レベルの、忘却係数を用いた加重平均として求められ、
    前記忘却係数は、サンプリング間隔と、所定の距離を車両の平均速度で移動するのに要する時間との比に基づいて決定される、
    無線通信方法。
  2. 前記利用可能時間は、前記利用可能チャネルの利用可能範囲の端までの距離と、車両の移動速度に基づいて決定される、
    請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 前記利用可能時間は、車両の将来の時点における位置を推定し、当該位置におけるチャネルの利用可能性に基づいて決定される、
    請求項1に記載の無線通信方法。
  4. 前記利用可能時間は、あらかじめ定められた値を車両の移動速度で割った値に基づいて決定される、
    請求項1に記載の無線通信方法。
  5. 前記評価値は、前記利用可能時間に比例し、前記干渉レベルの逆数に比例するように決
    定される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信方法。
  6. 前記評価値算出ステップおよび前記チャネル選択ステップは、前記車車間通信システムを構成する車両のうち所定の車両が、通信を行う車両の求めに応じて実行し、
    前記所定の車両は、前記チャネル選択ステップにおいて選択したチャネルを、前記通信を行う車両に対して通知するステップをさらに実行する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信方法。
  7. 前記測定ステップは前記通信を行う車両によって実行され、測定された利用可能時間および干渉レベルが前記通信を行う車両から前記所定の車両に送信され、
    前記評価値算出ステップでは、前記所定の車両が、前記通信を行う車両から送信された利用可能時間および干渉レベルに基づいて、前記評価値を求める、
    請求項に記載の無線通信方法。
  8. 前記測定ステップは前記所定の車両によって実行され、
    前記評価値算出ステップでは、前記所定の車両が、前記測定ステップにおいて測定した利用可能時間および干渉レベルに基づいて、前記評価値を求める、
    請求項に記載の無線通信方法。
  9. 前記評価値算出ステップおよび前記チャネル選択ステップは、前記車車間通信システムを構成する車両のうち通信を行う車両が実行し、
    前記通信を行う車両は、前記チャネル選択ステップにおいて選択したチャネルを用いて通信を行う、
    請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信方法。
  10. 前記利用可能チャネル取得ステップでは、プライマリユーザが利用するチャネルの時間および範囲を管理するデータベース装置から前記利用可能チャネルが取得される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信方法。
  11. 前記利用可能チャネル取得ステップでは、車両がセンシングを行うことによって前記利用可能チャネルが取得される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の無線通信方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の無線通信方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 車車間通信システムを行う複数の車両から構成される無線通信システムであって、
    前記複数の車両が、
    プライマリユーザが利用していないチャネルである利用可能チャネルを複数取得する利用可能チャネル取得手段と、
    前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの利用可能時間および干渉レベルを測定する測定手段と、
    前記複数の利用可能チャネルのそれぞれの評価値を求める評価値算出手段であって、前記利用可能時間が長いほど大きく、前記干渉レベルが低いほど大きくなるように前記評価値を求める評価値算出手段と、
    前記評価値に基づいて通信に利用するチャネルを前記複数の利用可能チャネルの中から選択するチャネル選択手段と、
    を備え
    前記干渉レベルは、複数の時点において求めた干渉レベルの、忘却係数を用いた加重平
    均として求められ、
    前記忘却係数は、サンプリング間隔と、所定の距離を車両の平均速度で移動するのに要する時間との比に基づいて決定される、
    無線通信システム。
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