JP6447321B2 - ヒートポンプ用バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ用バルブに関する。
特許文献1には、複数の部屋に区画された容器の各々に吸着剤が配設された吸着式ヒートポンプが開示されている。
特開2012−127594号公報
特許文献1のように、吸着剤を多数の部屋に区画された各々の部屋に収納して、冷熱生成モードと再生モードとを部屋毎に切り換えることにより、顕熱ロスを抑制することができる。特に、車両搭載用の吸着式ヒートポンプの場合には、吸着剤を再生させるための熱源の供給量が限られているので、顕熱ロスを小さくすることが求められている。
ところで、特許文献1に開示された吸着式ヒートポンプでは、吸着/脱離される熱媒は、区画された容器とは別の1つの共通の熱交換器に貯留されている。そして、熱交換器として、冷媒を液化させる第1熱交換器と、冷媒を気化させる第2熱交換器を有しており、各々の部屋には、第1熱交換器及び第2熱交換器との間で冷媒の移動を制御する弁が設けられている。この弁は、蒸気圧により開閉が行われる逆止弁であり、開閉が自動的に行われる。しかしながら、吸着剤が収納された複数の部屋毎に少なくとも2個づつの弁を設ける必要があるため、容器に多くの弁を形成する必要があり、容器の構成が複雑になる。また、蒸気圧の状態は一定ではないため、開閉が不完全になる場合もある。
一方、吸着剤の再生の際に供給される高温の伝熱媒体と、冷熱生成の際に供給される低温の伝熱媒体の切換えを、吸着器毎に行う場合には、吸着器毎に切り換え用のバルブが必要となる。
本発明は、上記の事実を考慮して成されたものであり、簡易な構成で、吸着器へ供給される伝熱媒体を切換えることが可能なヒートポンプ用バルブを提供することを目的とする。
請求項1に係るヒートポンプ用バルブは、回転軸周りの外周に形成された流入開口部の周方向位置により、吸着器へ流入する伝熱媒体を、第1熱源からの第1伝熱媒体と第2熱源からの第2伝熱媒体とで切換える流入用弁体と、前記流入用弁体と同軸的に配置され、前記回転軸周りの外周に形成された流出開口部の周方向位置により、前記吸着器から流出する前記伝熱媒体の流出先を前記第1熱源と前記第2熱源とで切換える流出用弁体と、を備え、複数あるN個の前記吸着器の各々に対して、前記流入用弁体及び前記流出用弁体を一対として形成される回転体を有し、各々の前記回転体は、360/N度ずつ位相をずらして同軸上に配置されていること、を特徴とする
請求項1に係るヒートポンプ用バルブは、流入用弁体を備えている。この流入用弁体は、回転軸周りの外周に形成された流入開口部を有しており、この流入開口部の周方向位置により、吸着器へ流入する伝熱媒体は、第1伝熱媒体と第2伝熱媒体とで切換えられる。また、請求項1に係るヒートポンプ用バルブは、流出用弁体を備えている。この流出用弁体は、回転軸周りの外周に形成された流出開口部を有しており、この流出開口部の周方向位置により、吸着器へ流入する伝熱媒体を第1伝熱媒体と第2伝熱媒体とで吸着器から流出する伝熱媒体の流出先は第1熱源と第2熱源とで切換えられる。
請求項1に係るヒートポンプ用バルブによれば、流入用弁体と流出用弁体とが同軸上に配置されているので、回転軸周りに回転させることにより、流入開口部及び流出開口部の両方の切換えを簡単に行うことができる。また、流入開口部及び流出開口部の周方向位置に応じて、第1伝熱媒体と第2伝熱媒体のいずれかを吸着器へ流入させると共に、吸着器からの伝熱媒体の流出先が切換えられるので、ヒートポンプ用バルブを簡易な構成にすることができる。
請求項2に係るヒートポンプ用バルブは、前記流入用弁体と前記流出用弁体とは、前記切換えのタイミングが同期していること、を特徴とする。
請求項2に係るヒートポンプによれば、タイミングを合わせて、吸着器から流出される先の熱源を流入元の熱源へ戻すことができる。
請求項3に係るヒートポンプ用バルブは、前記吸着器に収納された吸着剤により熱媒を吸着させる吸着時間、及び、前記吸着剤が吸着した熱媒を脱離させる再生時間の和を1周期として前記流入用弁体と前記流出用弁体は一定速度で回転され、前記流入開口部及び前記流出開口部は、前記吸着時間と前記再生時間に各々対応した回転角度に切欠かれていること、を特徴とする
請求項3に係るヒートポンプ用バルブによれば、流入用弁体と流出用弁体を一定速度で回転させることにより、吸着剤の吸着時間と再生時間に応じて、第1伝熱媒体と第2伝熱媒体を切換えることができる。
請求項1に係るヒートポンプ用バルブは、複数あるN個の前記吸着器の各々に対して、前記流入用弁体及び前記流出用弁体を一対として形成される回転体を有し、各々の前記回転体は、360/N度ずつ位相をずらして同軸上に配置されていること、を特徴とする。
請求項1に係るヒートポンプ用バルブによれば、複数の吸着器の各々に対応する回転体が位相をずらして同軸上に配置されているので、回転体を回転させることにより、吸着器毎に順次、第1伝熱媒体と第2伝熱媒体の切換えを行うことができる。
請求項4に係るヒートポンプ用バルブは、前記流入用弁体には、前記回転軸周りの外周の前記流入開口部と軸方向にずれた位置に顕熱流入流路部が形成され、前記流出用弁体には、前記回転軸周りの外周の前記流出開口部と軸方向にずれた位置に、前記吸着器と異なる前記吸着器へ伝熱媒体を流入させる顕熱流出流路部が形成されていること、を特徴とする。
請求項4に係るヒートポンプ用バルブによれば、1の吸着器から流出して顕熱流出流路部から流出した伝熱媒体を、他の吸着器に対応した顕熱流入流路部へ送出して、顕熱の交換を行うことができる。
本発明は上記構成としたので、簡易な構成で吸着器へ供給される伝熱媒体を切換えることができる。
第1実施形態のヒートポンプの構成を示す概略図である。 第1実施形態の第1回転バルブの分解斜視図である。 第1実施形態の第1回転バルブの回転部の一部拡大斜視図である。 第1実施形態の第1回転バルブの回転部が第1、第2回転位置に配置された状態を示す説明図である。 第1実施形態の第1回転バルブの回転部が第3、第4回転位置に配置された状態を示す説明図である。 第1実施形態の第2回転バルブの分解斜視図である。 第1実施形態の第2回転バルブの回転部の一部拡大斜視図である。 第1実施形態の第2回転バルブの回転部が第1、第2回転位置に配置された状態を示す説明図である。 第1実施形態の第2回転バルブの回転部が第3、第4回転位置に配置された状態を示す説明図である。 第1実施形態の第1、第2回転バルブの位置と動作モードの関係を示す表である。 吸着器が2個の場合(A)と4個の場合(B)の冷熱生成と再生の切り換え時における吸着器の温度変化に要する熱量を示すグラフである。 (A)は再生時における第2伝熱媒体の温度低下と再生可能温度との関係を示すグラフであり、(B)は冷熱生成時における第1伝熱媒体の温度上昇と吸着可能温度との関係を示すグラフである。 第2実施形態のヒートポンプの構成を示す概略図である。 第2実施形態の第1回転バルブの分解斜視図である。 第2実施形態の第1回転バルブの回転部の一部拡大斜視図である。 図15の回転部の分解斜視図である。 第2実施形態の第1回転バルブの回転部が第1回転位置(A)、第2回転位置(B)に配置された状態を示す説明図である。 第2実施形態の第1回転バルブの回転部が、顕熱交換位置(C)、第3回転位置(D)に配置された状態を示す説明図である。 第2実施形態の第1回転バルブの回転部が、第4回転位置(E)、及び顕熱交換位置(F)に配置された状態を示す説明図である。 第2実施形態の第1、第2回転バルブの位置と動作モードの関係を示す表である。
図1には、本発明のヒートポンプ用バルブが適用された車両搭載用ヒートポンプ(以下「ヒートポンプ10」と称する)の概略構成図が示されている。ヒートポンプ10は、車両に搭載されており、車両のエンジン部12、ラジエータ14、及び、エアーコンディショナー用の室内熱交換器16と接続されている。
エンジン部12は、エンジンを通過したエンジン冷却水を分岐した部分であり、温度80℃〜130℃程度の、後述する吸着剤の再生温度よりも高温の第2伝熱媒体をヒートポンプ10へ供給する。ラジエータ14は、外気との熱交換による冷却後の温度20℃〜35℃の、後述する吸着剤の再生温度よりも低温の第1伝熱媒体をヒートポンプ10へ供給する。室内熱交換器16は、ヒートポンプ10で生成された冷熱を車室内に供給し、熱交換の行われた第3伝熱媒体(10℃〜20℃程度)をヒートポンプ10へ戻す。
ヒートポンプ10は、4個の吸着器20A、20B、20C、20Dを備えている。吸着器20A〜20Dは、同一構成であり、以下、これらをまとめて吸着器20と称し、各部の符号の末尾にA〜Dを付してこれらを区別する。吸着器20は、吸着部22と貯留部23を有している。吸着部22には、吸着剤が配置されている。吸着剤は、熱媒としての気相の水を吸着/脱離するものであり、例えば、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト等を用いることができる。吸着剤は、後述する吸着モードとしての冷熱生成モード時には、貯留部23からの熱媒を吸着し、再生モード時には吸着した熱媒を脱離(脱着)する。吸着剤としては、その再生温度が、第2伝熱媒体よりも低く、第1伝熱媒体よりも高いものを用いる。
吸着部22には、伝熱部24が設けられている。伝熱部24は、吸着部22と隔離されつつ熱交換を行うことが可能に設けられており、伝熱媒体としての第1伝熱媒体及び第2伝熱媒体が内部を流通する流路とされている。伝熱部24は、水が流入する入口部25と、熱交換後の水が流出する出口部26を有している。入口部25と出口部26は、各々、後述する第1回転バルブ30を介して、エンジン部12及びラジエータ14と接続されている。
貯留部23には、熱媒としての水が貯留されている。貯留部23は、吸着部22よりも下方に設けられ、吸着部22と常時連通されている。後述する冷熱生成モード時には、貯留部23から水が蒸発して吸着部22の吸着剤に吸着される。再生モード時には吸着部22の吸着剤から脱離されて凝縮した水を貯留する。なお、貯留部23内は、減圧または真空状態とされている。
貯留部23には、伝熱部27が設けられている。伝熱部27は、伝熱媒体としての水により貯留部23と熱交換を行う。伝熱部27は、第1伝熱媒体及び第3伝熱媒体が流入する入口部28と、熱交換後の水が流出する出口部29を有している。入口部28と出口部29は、各々、後述する第2回転バルブ60を介して、ラジエータ14、室内熱交換器16と接続されている。
図2に示されるように、第1回転バルブ30は、長尺形状とされており、筒部32と回転部40を有している。第1回転バルブ30の軸方向をSとする。筒部32は円筒状とされ、筒内に回転部40が配置されている。筒部32及び回転部40の各々は、4つの伝熱部24A、24B、24C、24Dに対応して設けられる、筒部32A、32B、32C、32D、及び、回転部40A、40B、40C、40Dを有している。
筒部32A〜32Dは、同一構成とされて筒部32に一列に配置されて一体的に形成されている。ここでは、筒部32Aのみ詳細に説明する。筒部32Aには、伝熱部24Aへ伝熱媒体を流入させる流入用ポート33A−1〜33A−3と、伝熱部24Aから伝熱媒体を流出させる流出用ポート34A−1〜34A−3が形成されている。流入用ポート33A−1〜33A−3、及び、流出用ポート34A−1〜34A−3は、筒内と連通されている。
流入用ポート33A−1、33A−2は、筒部32Aの一側面の軸方向Sに並ぶように配置されている。流入用ポート33A−3は、筒部32Aの側面の流入用ポート33A−1、33A−2と反対側(180°回転した位置)で、軸方向Sにおいて流入用ポート33A−1と流入用ポート33A−2の間に配置されている。
流出用ポート34A−1〜34A−3は、流入用ポート33A−1〜33A−3と同様の構成を有し、流出用ポート34A−1、34A−2は、流入用ポート33A−1、33A−2と軸方向Sに並ぶように配置され、流出用ポート34A−3は、流入用ポート33A−3と軸方向Sに並ぶように配置されると共に、軸方向Sでは流出用ポート34A−1と流出用ポート34A−2の間に配置されている。
流入用ポート33A−1及び流出用ポート34A−1は、ラジエータ14に接続されており、流入用ポート33A−2、及び流出用ポート34A−2はエンジン部12に接続されている。また、流入用ポート33A−3は伝熱部24Aの入口部25Aに接続されており、流出用ポート34A−3は伝熱部24Aの出口部26Aに接続されている。
なお、筒部32B〜32Dについても、各々6個のポート(流入用ポート33B−1〜33B−3、流出用ポート34B−1〜34B−3、流入用ポート33C−1〜33C−3、流出用ポート34C−1〜34C−3、流入用ポート33D−1〜33D−3、流出用ポート34D−1〜34D−3)を有している。各々のポートは、上記の流入用ポート33A−1〜33A−3、流出用ポート34A−1〜34A−3と同様に、ラジエータ14、エンジン部12、及び伝熱部24と接続されている。
回転部40A〜40Dは、同一構成とされ、筒部32A〜32Dに対応する位置に各々配置されている。回転部40A〜40Dは、90°ずつ位相を変えて一列に配置されて回転部40を構成している。以下、同一構成である回転部40A〜40Dについて、回転部40Aを例に詳述する。
回転部40Aは、筒部32Aの流入用ポート33A−1〜33A−3に対応して伝熱部24Aへ伝熱媒体を流入させる流入用弁体42Aと、流出用ポート34A−1〜34A−3に対応して伝熱部24Aから伝熱媒体を流出させる流出用弁体52Aを備えている。
図3に示されるように、流入用弁体42Aは、互いに離間して同軸に配置される略円柱状の一対の回転体43A−1、43A−2と、これらを連結する軸体44Aを備えている。回転体43A−1、43A−2には、凹部45A−1、45A−2が各々形成されている。凹部45A−1は、回転体43A−1の側面の軸方向中間部を180°切り欠いた空洞とされている。凹部45A−2は、回転体43A−2の側面の軸方向中間部の凹部45A−1と周方向の反対側を略180°を切り欠いた空洞とされている。凹部45A−1は、軸方向Sにおいて流入用ポート33A−1と対応する位置に配置され、凹部45A−2は、軸方向Sにおいて流入用ポート33A−2と対応する位置に配置されている。
軸体44Aは、回転体43A−1、43A−2よりも小径とされ、回転体43A−1、と回転体43A−2を連結しつつ、これらと同軸に配置されている。軸体44Aの外周には、筒部32Aとの間に連通空間46Aが形成されている。連通空間46Aは、軸方向Sにおいて、流入用ポート33A−3と対応する位置に配置されている。
回転体43A−1の連通空間46Aと隣り合う部分には、凹部45A−1と連通空間46Aとを連通させる貫通孔48A−1が形成されている。回転体43A−2の連通空間46Aと隣り合う部分には、凹部45A−2と連通空間46Aとを連通させる貫通孔48A−2が形成されている。
流出用弁体52Aは、流入用弁体42Aと同様の構成を有している。具体的には、回転体43A−1、43A−2に対応する回転体53A−1、53A−2、凹部45A−1、45A−2に対応する、凹部55A−1、55A−2、軸体44Aに対応する軸体54A、連通空間46Aに対応する連通空間56A、貫通孔48A−1、48A−2に対応する貫通孔58A−1、58A−2を有している。
凹部55A−1は、軸方向Sにおいて流出用ポート34A−1と対応する位置に配置され、凹部55A−2は、軸方向Sにおいて流出用ポート34A−2と対応する位置に配置され、軸体54Aは、流出用ポート34A−3に対応する位置に配置されている。
図2に示されるように、回転部40A〜40Dは、90°ずつ位相を変えて、筒部32内に一列に配置されている。回転部40は、不図示のモータにより、一定の角速度で回転される。各回転部40A〜40Dは、1回転の間に後述する4つの回転位置でラジエータ14またはエンジン部12と連通され、対応する吸着部22A〜22Dにおいて、冷熱生成処理または再生処理が行われる。
運転の角速度は、1つの吸着部22の吸着剤で熱媒を吸着して冷熱を生成する時間、及び、吸着した熱媒を脱離して吸着剤を再生させる時間の和が1回転(1サイクル)となるように設定する(以下この1サイクルを「運転サイクルT0」とする)。運転サイクルT0を吸着器の数(本実施形態では4)に分割した時間ごとに、回転部40A〜40Dは、ラジエータ14に連通される回転部群(2個の回転部)と、エンジン部12に連通される回転部(他の2個の回転部)とが切換わる。以下、運転サイクルT0を吸着器の数に分割した時間所定時間を「切換時間T1」と称する。
回転部40が方向Rに回転して、図4(A)(B)に示されるように、回転部40Aの凹部45A−1、55A−1の回転方向前側が、流入用ポート33A−1、流出用ポート34A−1と重なり合う位置に配置されると、流入用ポート33A−1、流出用ポート34A−1は、開放状態となる。すなわち、ラジエータ14からの第1伝熱媒体が凹部45A−1へ流入し、流入した第1伝熱媒体は、貫通孔48A−1を通過して連通空間46Aへ流入する。そして、第1伝熱媒体は、流入用ポート33A−3から、伝熱部24Aの入口部25Aへ供給される。このとき、凹部45−2は、流入用ポート33A−2と反対側に配置されることから流入用ポート33A−2と重なり合わず、エンジン部12と接続された流入用ポート33A−2は閉鎖状態となる。
伝熱部24Aへ供給された第1伝熱媒体は、伝熱部24Aで熱交換を行って出口部26Aから流出し、流出用ポート34A−3へ送られて連通空間46Aへ流入する。そして、貫通孔58A−1を通過して凹部55−1へ流入し、流出用ポート34A−1からラジエータ14へと戻される。凹部55A−2は、流出用ポート34A−2と反対側に配置されることから流出用ポート34A−2と重なり合わず、流出用ポート34A−2は閉鎖状態となる。
上記では、回転部40Aを例に説明したが、回転部40A以外の回転部40B〜40Dについても、このように配置される位置を、以下「第1回転位置P1」と称する。各回転部40A〜40Bは、回転部40が90°回転する間、第1回転位置P1に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部40A〜40Dが第1回転位置P1に配置されている時に、冷熱生成処理が行われる。この第1回転位置P1での冷熱処理のモードを、以下「前半冷熱生成モード」と称する。
回転部40が90°回転すると、回転部40Aは、図4(A)(C)に示されるように、凹部45A−1、55−1の回転方向後側が流入用ポート33A−1、34A−1と重なり合う位置に配置される。この場合にも、流入用ポート33A−1、流出用ポート34A−1が開放状態となり、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−2が開放状態となる。したがって、吸着部22Aへは、ラジエータ14からの第1伝熱媒体が供給される。
このように回転部40A〜40Dが配置される位置を、以下「第2回転位置P2」と称する。各回転部40A〜40Bは、回転部40が90°回転する間、第2回転位置P2に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部40A〜40Dが第2回転位置P2に配置されている時にも、冷熱生成処理が行われる。この第2回転位置P2での冷熱処理のモードを、以下「後半冷熱生成モード」と称する。
回転部40がさらに90°回転すると、回転部40Aは、図5(A)(B)に示されるように、凹部45A−2、55−2の回転方向前側が流入用ポート33A−2、34A−2と重なり合う位置に配置され、流入用ポート33A−2、34A−2が開放状態となる。すなわち、エンジン部12からの第2伝熱媒体が凹部45A−2へ流入し、流入した第2伝熱媒体は、貫通孔48A−2を通過して連通空間46Aへ流入する。そして、第2伝熱媒体は、流入用ポート33A−3から、伝熱部24Aの入口部25Aへ供給される。このとき、凹部45A−1は、流入用ポート33A−1と反対側に配置されることから流入用ポート33A−1と重なり合わず、ラジエータ14と接続された流入用ポート33A−1は閉鎖状態となる。
伝熱部24Aへ供給された第2伝熱媒体は、伝熱部24Aで熱交換を行って出口部26Aから流出し、流出用ポート34A−3へ送られて連通空間56Aへ流入する。そして、貫通孔58A−2を通過して凹部55A−2へ流入し、流入用ポート34A−2からエンジン部12へと戻される。凹部55A−1は、流出用ポート34A−1と反対側に配置されることから流出用ポート34A−1と重なり合わず、流出用ポート34A−1は閉鎖状態となる。
このように回転部40A〜40Dが配置される位置を、以下「第3回転位置P3」と称する。各回転部40A〜40Bは、回転部40が90°回転する間、第3回転位置P3に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部40A〜40Dが第3回転位置P3に配置されている時に、再生処理が行われる。この第3回転位置P3での再生処理のモードを、以下「前半再生モード」と称する。
回転部40が、さらに90°回転すると、回転部40Aは、図5(A)(C)に示されるように、凹部45A−2、55A−2の回転方向後側が流入用ポート33A−2、34A−2と重なり合う位置に配置される。この場合にでも、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−2が開放状態となり、流入用ポート33A−1、流出用ポート34A−1が閉鎖状態となる。したがって、吸着部22Aへは、エンジン部12からの第2伝熱媒体が供給される。
このように回転部40A〜40Dが配置される位置を、以下「第4回転位置P4」と称する。各回転部40A〜40Bは、回転部40が90°回転する間、第4回転位置P4に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部40A〜40Dが第4回転位置P4に配置されている時に、冷熱生成処理が行われる。この第4回転位置P4での再生処理のモードを、以下「後半再生モード」と称する。
回転部40A〜40Dは、切換時間T1毎に、第1回転位置P1〜第4回転位置P4に90°の位相差で順次配置され、流入用ポート33−1、33−2、流出用ポート34−1、34−2、の開閉を行う。
第2回転バルブ60は、第1回転バルブ30と同様の構成であり、図6に示されるように、筒部32に対応する筒部62と、回転部40に対応する回転部70を有している。筒部62及び回転部70の各々は、4つの伝熱部27A、27B、27C、27Dに対応して設けられる、筒部62A、62B、62C、62D、及び、回転部70A、70B、70C、70Dを有している。
筒部62Aには、第1回転バルブ30の流入用ポート33A−1〜33A−3、流出用ポート34A−1〜34A−3に対応する流入用ポート63A−1〜63A−3、流出用ポート64A−1〜64A−3が形成されている。流入用ポート63A−1〜63A−3は、貯留部23Aに配置された伝熱部27Aへ伝熱媒体を流入させ、流出用ポート64A−1〜64A−3は、伝熱部27Aから伝熱媒体を流出させる。
流入用ポート63A−1及び流出用ポート64A−1は、室内熱交換器16に接続されており、流入用ポート63A−2、及び流出用ポート64A−2はラジエータ14に接続されている。また、流入用ポート63A−3は伝熱部27Aの入口部28Aに接続されており、流出用ポート64A−3は伝熱部27Aの出口部29Aに接続されている。
なお、筒部62B〜62Dについても、各々6個のポート(流入用ポート63B−1〜63B−3、流出用ポート64B−1〜64B−3、流入用ポート63C−1〜63C−3、流出用ポート64C−1〜64C−3、流入用ポート63D−1〜63D−3、流出用ポート64D−1〜64D−3)を有している。各々のポートは、上記の流入用ポート63A−1〜63A−3、流出用ポート64A−1〜64A−3と同様に、室内熱交換器16、ラジエータ14、及び伝熱部27と接続されている。
回転部70A〜70Dは、回転部40A〜40Dと同一構成とされ、筒部62A〜62Dに対応する位置に各々配置されている。回転部70A〜70Dは、90°ずつ位相を変えて回転部70に一列に配置されている。
図7に示されるように、回転部70Aは、第1回転バルブ30の流入用弁体42A、流出用弁体52Aに対応する、流入用弁体72A、流出用弁体82Aを有している。また、第1回転バルブ30の回転体43A−1、43A−2、軸体44A、凹部45A−1、45A−2、連通空間46A、貫通孔48A−1、48A−2に対応する、回転体73A−1、73A−2、軸体74A、凹部75A−1、75A−2、連通空間76A、貫通孔78A−1、78A−2を有している。さらに、第1回転バルブ30の回転体53A−1、53A−2、軸体54A、凹部55A−1、55A−2、連通空間56A、貫通孔58A−1、58A−2に対応する、回転体83A−1、83A−2、軸体84A、凹部85A−1、85A−2、連通空間86A、貫通孔88A−1、88A−2を有している。
回転部70A〜70Dは、このA〜Dの順序で90°ずつ位相を変えて、一列に配列され、一体的に形成されている。
回転部70は、前述の回転部40を回転させる不図示のモータにより、回転部40と同期して一定の角速度で回転され、切換時間T1ごとに90°回転する。回転部70A〜70Dは、切換時間T1毎に、前述した第1回転位置P1〜第4回転位置P4に順次配置され(図8、図9参照)、流入用ポート63−1、63−2、流出用ポート64−1、64−2、の開閉を行う。流入用ポート63−1と流出用ポート64−1が開放されている時には、室内熱交換器16からの第3伝熱媒体が貯留部23へ供給される。流入用ポート63−2と流出用ポート64−2が開放されている時には、ラジエータ14からの第2伝熱媒体が貯留部23へ供給される。
次に、本実施形態のヒートポンプ10の運転動作について説明する。
ヒートポンプ10が稼働される際には、エンジン部12、ラジエータ14、及び、室内熱交換器16とヒートポンプ10との間で伝熱媒体としての水が循環するように不図示の各々のポンプが駆動される。ヒートポンプ10では、回転部40A〜40D、70A〜70Dが配置される位置に応じて、対応する吸着器20A〜20Dが、各々、冷熱生成が行われる前半冷熱生成モード及び後半冷熱生成モード、吸着剤の再生が行われる前半再生モード及び後半生成モードとなる。
第1回転バルブ30の回転部40A、及び、第2回転バルブ60の回転部70Aが第1回転位置P1に配置されている時には、図10に示されるように、回転部40B、70Bは、第4回転位置P4に配置され、回転部40C、70Cは、第3回転位置P3に配置され、回転部40D、70Dは、第2回転位置P2に配置される。このときの回転部40、70の位置を、第1モード位置M1とする。
第1回転位置P1に配置された回転部40Aに接続されている吸着部22Aの伝熱部24Aは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。また、回転部70Aに接続されている貯留部23Aの伝熱部27Aは、室内熱交換器16と連通されて第3伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Aでは、貯留部23Aに貯留されている熱媒としての液相の水が蒸発して吸着部22Aの吸着剤に吸着され、冷熱生成が行われる(前半冷熱生成モード)。発生する吸着熱は、ラジエータ14で放熱される。
第2回転位置P2に配置された回転部40Bに接続されている吸着部22Bの伝熱部24Bは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。また、回転部70Bに接続されている貯留部23Bの伝熱部27Bは、室内熱交換器16と連通されて第3伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Bでは、貯留部23Bに貯留されている熱媒としての液相の水が蒸発して吸着部22Bの吸着剤に吸着され、冷熱生成が行われる(後半冷熱生成モード)。発生する吸着熱は、ラジエータ14で放熱される。
第3回転位置P3に配置された回転部40Cに接続されている吸着部22Cの伝熱部24Cは、エンジン部12と連通されて第2伝熱媒体が供給される。また、回転部70Cに接続されている貯留部23Cの伝熱部27Cは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Cでは、吸着部22Cの吸着剤に吸着されていた熱媒としての気相の水が脱離して凝縮され、貯留部23Cへ貯留され、吸着剤の再生が行われる(前半再生モード)。発生する凝縮熱は、ラジエータ14で放熱される。
第4回転位置P4に配置された回転部40Dに接続されている吸着部22Dの伝熱部24Dは、エンジン部12と連通されて第2伝熱媒体が供給される。また、回転部70Dに接続されている貯留部23Dの伝熱部27Dは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Dでは、吸着部22Dの吸着剤に吸着されていた熱媒としての気相の水が脱離して凝縮され、貯留部23Dへ貯留され、吸着剤の再生が行われる(後半再生モード)。
すなわち、回転部40、70が第1モード位置M1に配置されている時には、吸着器20A、20Bが冷熱生成モードとなり、吸着器20C、20Dが再生モードとなる。
切換時間T1が経過すると、回転部40及び回転部70は、矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部40A、70Aは、第2回転位置P2に配置され、回転部40B、70Bは、第1回転位置P1に配置され、回転部40C、70Cは、第4回転位置P4に配置され、回転部40D、70Dは、第3回転位置P3に配置される。このときの回転部40、70の位置を、第2モード位置M2とする。
回転部40、70が第2モード位置M2に配置されている時には、吸着器20Aは後半冷熱生成モードとなり、吸着器20Bは前半再生モードとなり、吸着器20Cは後半再生モードとなり、吸着器20Dは前半冷熱生成モードとなる。
さらに、切換時間T1が経過すると、回転部40及び回転部70は、さらに矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部40A、70Aは、第3回転位置P3に配置され、回転部40B、70Bは、第2回転位置P2に配置され、回転部40C、70Cは、第1回転位置P1に配置され、回転部40D、70Dは、第4回転位置P4に配置される。このときの回転部40、70の位置を、第3モード位置M3とする。
回転部40、70が第3モード位置M3に配置されている時には、吸着器20Aは前半再生モードとなり、吸着器20Bは後半再生モードとなり、吸着器20Cは前半冷熱生成モードとなり、吸着器20Dは後半冷熱生成モードとなる。
さらに、切換時間T1が経過すると、回転部40及び回転部70は、さらに矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部40A、70Aは、第4回転位置P4に配置され、回転部40B、70Bは、第3回転位置P3に配置され、回転部40C、70Cは、第2回転位置P2に配置され、回転部40D、70Dは、第1回転位置P1に配置される。このときの回転部40、70の位置を、第4モード位置M4とする。
回転部40、70が第4モード位置M4に配置されている時には、吸着器20Aは前半再生モードとなり、吸着器20Bは後半再生モードとなり、吸着器20Cは前半冷熱生成モードとなり、吸着器20Dは後半冷熱生成モードとなる。
さらに、切換時間Tが経過すると、回転部40及び回転部70は、さらに矢印R方向に回転し、第1モード位置M1に戻る。
本実施形態によれば、吸着器20を4つ備え、切換え時にはそのうちの2つの吸着器20だけが、冷熱生成モードから再生モードへ、又は、再生モードから冷熱生成モードへと切換えられるので、当該切換え時における顕熱ロスを少なくすることができる。
同一の冷熱生成能力を有する吸着剤を使用する場合、4つの吸着器を使用して2つの吸着器で冷熱生成モードと再生モードとを切り換える場合の切換え時における顕熱ロスは、2つの吸着器を使用して交互に冷熱生成モードと再生モードとを切り換える場合の半分になる。例えば、図11(A)(B)に示されるように、全体として同一の冷熱生成処理能力を有する吸着剤を、2分割の吸着器とした場合(A)と、4分割の吸着器とした場合(B)とでは、切換え時に吸着器の温度変化に必要とされる熱量は、4分割の場合が2分割の場合の約半分になる。
吸着剤を再生するための熱源の熱容量に限りがある場合、図12(A)に示されるように、切換え時に吸着器を昇温させるために、第2伝熱媒体の温度が吸着部で低下して、吸着剤の再生に必要な温度TH−0よりも低いTH−2となることが想定される。また、図12(B)に示されるように、切換え時に吸着器を冷却するために、第1伝熱媒体の温度が吸着部で上昇して、吸着剤による吸着に必要な温度TL−0よりも高いTL−2となることが想定される。本実施形態によれば、顕熱ロスを少なくすることにより、再生に必要な温度の低下をTH−0よりも低いTL−1に抑制することで、冷熱生成ができない時間の発生を抑制することができる。また、吸着剤による吸着に必要な温度の上昇をTL−0よりも低いTL−1に抑制することができ、再生や吸着ができない時間の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、吸着器20において吸着部22毎に貯留部23を有しているので、吸着部22と貯留部23の間に両者を仕切るバルブを設ける必要がなく、簡易な構成にすることができる。
また、本実施形態では、前記冷熱生成モードにおいて室内熱交換器16からの第3伝熱媒体が貯留部23供給され、再生モードにおいてラジエータ14からの第1伝熱媒体が貯留部23に供給されるので、効率よく冷熱生成と再生とを行うことができる。
また、本実施形態では、回転部40、70を、一定の角速度で回転させたが、間欠的に回転させてもよい。すなわち、切換時間T1の間所定の位置に停止させ、切換時間T1毎に90°回転させてもよい。
また、本実施形態では、高温熱源部としてエンジン部12を用いたが、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの、モータ、パワーユニットなどの高温部分の冷却水を用いてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のヒートポンプ11は、図13に示されるように、第1実施形態の第1回転バルブ30に代えて、第1回転バルブ110を用いている。第1回転バルブ110以外の構成は第1実施形態と同様である。
図14に示されるように、第1回転バルブ110は、円筒形状とされており、筒部112と回転部120を有している。筒部112は円筒状とされ、筒部32の構成に加えて、顕熱回収出口ポート114、顕熱交換入口ポート113を有している。その他の構成については、筒部32と同一である。
図14に示されるように、顕熱交換入口ポート113は、流入用ポート33−1と90°の角度をなす位置に配置されている。顕熱交換出口ポート114は、流出用ポート34−1と90°の角度をなす位置に配置されている。顕熱交換入口ポート113、及び顕熱交換出口ポート114は、筒部112の筒内と連通されている。筒部112は、4つの伝熱部24A、24B、24C、24Dに対応して設けられる、筒部112A、112B、112C、112Dを有している。顕熱交換入口ポート113Aは、顕熱交換出口ポート114Cと接続され、顕熱交換入口ポート113Bは、顕熱交換出口ポート114Dと接続され、顕熱交換入口ポート113Cは、顕熱交換出口ポート114Aと接続され、顕熱交換入口ポート113Dは、顕熱交換出口ポート114Bと接続されている。
筒部112の筒内には、回転部120が配置されている。回転部120についても、4つの伝熱部24A、24B、24C、24Dに対応して設けられる、回転部120A、120B、120C、120Dを有している。回転部120A〜120Dは、90°ずつ位相を変えて一列に配置されて回転部120を構成している。以下、同一構成である回転部120A〜120Dについて、回転部120Aを例に詳述する。
なお、回転部120についても、不図示のモータにより、一定の角速度で回転され、回転部70も、これと同期して回転される。各回転部120A〜120Dは、1回転の間に後述する4つの回転位置でラジエータ14またはエンジン部12と連通され、対応する吸着部22A〜22Dにおいて、冷熱生成処理または再生処理が行われる。運転サイクルT0、切り換え時間T1については、第1実施形態と同様である。
回転部120Aは、筒部112Aの流入用ポート33A−1〜33A−3、及び入口ポート113Aに対応して伝熱部24Aへ伝熱媒体を流入させる流入用弁体121Aと、流出用ポート34A−1〜34A−3、及び顕熱交換出口ポート114Aに対応して伝熱部24Aから伝熱媒体を流出させる流出用弁体124Aを備えている。
図15に示されるように、流入用弁体121Aは、第1実施形態の回転部40Aと同様に、回転体43A−1、43A−2とこれらを連結する軸体44Aを備えている。なお、本実施形態の回転体43A−1、43A−2では、凹部45A−1、45A−2の切り欠き角度は、180°よりも小さく、切欠部分に後述する顕熱入口流路部材122Aが配置されている。
回転体43A−1と回転体43A−2の間には、軸体44Aを通るL字状の顕熱入口流路部材122Aが形成されている。顕熱入口流路部材122Aの内部には、流入用流路123Aが形成されている。顕熱入口流路部材122Aの流入用流路123Aの一端と他端は、軸方向において顕熱交換入口ポート113A及び流入用ポート33A−3に対応する位置にそれぞれ配置され、周方向において、互いに90°の角度をなすように配置されている。
図15及び図16に示されるように、流出用弁体124Aは、円板対125A−1、円板対125A−2、及び、中央仕切部128Aを有している。円板対125A−1は、互いに離間して配置される2枚の円板126A−1、126A−2が軸部126A−3で連結されて形成されており、2枚の円板126A−1、126A−2の間に流出用空間126A−4が形成されている。円板対125A−2も円板対125A−1と同様の構成とされ、2枚の円板127A−1、127A−2が軸部127A−3で連結され、両者間に流出用空間127A−4が形成されている。円板対125A−2の円板127A−1には、更に、後述する流出用流路128A−2が形成されている。
円板対125A−1と円板対125A−2は、流出用弁体124Aの軸方向両端に配置されており、両者の間には、連通空間129Aが形成される。円板126A−1、円板127A−1には、各々貫通孔126A−5、127A−5が形成されている。貫通孔126A−5と貫通孔127A−5は、流出用弁体124Aの中心軸を挟んで互いに180°回転した位置に配置されている。貫通孔126A−5により、流出用空間126A−4と後述する第1連通空間129A−1が連通され、貫通孔127A−5により、流出用空間127A−4と後述する第2連通空間129A−2が連通されている。
連通空間129Aには、中央仕切部128Aが形成されている。中央仕切部128Aは、連通空間129Aの中心を通って連通空間129Aの一端から他端に架けて直線状に横断し、連通空間129Aを貫通孔126A−5が形成されている側の第1連通空間129A−1と、貫通孔127A−5が形成されている側の第2連通空間129A−2に区画している。中央仕切部128Aには、内部に流出用流路128A−1が形成されている。流出用流路128A−1は、中央仕切部128Aの一端から中心部に至り、中心部で円板127A−1側に開口している。
円板127A−1には、中心部で流出用流路128A−1と連通すると共に、半径方向に延出して外周に開口する流出用流路128A−2が形成されている。流出用流路128A−2は、流出用流路128A−1と90°の角度をなしている。
図17A(A)に示されるように、回転部120が回転して、回転部120Aにおいて、回転体43A−1の凹部45A−1の回転方向前側が、流入用ポート33A−1と重なり合う位置に配置されると、流入用ポート33A−1は開放状態となる。また、流出用弁体124Aの第1連通空間129A−1の前側が流出用ポート33A−3と重なり合う位置に配置されると、流出用ポート34A−1は、開放状態となる。
すなわち、ラジエータ14からの第1伝熱媒体が凹部45A−1へ流入し、流入した第1伝熱媒体は、貫通孔48A−1を通過して連通空間44Aへ流入する。そして、第1伝熱媒体は、連通空間44Aから流入用ポート33A−3を経て、伝熱部24Aの入口部25Aへ供給される。このとき、凹部45A−2は、流入用ポート33A−2と反対側に配置されることから流入用ポート33A−2と重なり合わず、エンジン部12と接続された流入用ポート33A−2は閉鎖状態となる。
伝熱部24Aへ供給された第1伝熱媒体は、伝熱部24Aで熱交換を行って出口部26Aから流出し、流出用ポート34A−3へ送られて第1連通空間129A−1へ流入する。そして、貫通孔126A−5を通過して流出用空間126A−4へ流入し、流出用ポート34A−1からラジエータ14へと戻される。第2連通空間129A−2は、中央仕切部128Aにより仕切られていることから、第2連通空間129A−2への第1熱媒体の流入はなく、流出用ポート34A−2は閉鎖状態となる。
上記では、回転部120Aを例に説明したが、回転部120A以外の回転部120B〜120Dについても、このように配置される位置を、以下「第1回転位置P1−2」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120が回転してθ1回転する間、第1回転位置P1−2に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部120A〜120Dが第1回転位置P1−2に配置されている時に、冷熱生成処理が行われる。この第1回転位置P1−2での冷熱処理のモードを、以下「前半冷熱生成モード」と称する。
回転部120がθ1度回転すると、回転部120Aは、図17A(B)に示されるように、凹部45A−1の回転方向後側が流入用ポート33A−1と重なり合う位置に配置され、流入用ポート33A−1の開放状態は維持される。また、流出用弁体124Aの第1連通空間129A−1の後側が流出用ポート33A−3と重なり合う位置に配置され、流出用ポート34A−1の開放状態も維持される。この場合にも、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−2が閉鎖状態となる。したがって、吸着部22Aへは、ラジエータ14からの第1伝熱媒体が供給される。
このように回転部120A〜120Dが配置される位置を、以下「第2回転位置P2−2」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120がθ2回転する間、第2回転位置P2に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部120A〜120Dが第2回転位置P2−2に配置されている時にも、冷熱生成処理が行われる。この第2回転位置P2−2での冷熱処理のモードを、以下「後半冷熱生成モード」と称する。
回転部120がθ2回転すると、回転部120Aは、図17B(C)に示されるように、流入用弁体42Aの回転体43A−1で流入用ポート33A−1が閉鎖されると共に、回転体43A−2で流出用ポート33A−2が閉鎖される。また、顕熱入口流路部材122Aの一端が顕熱交換入口ポート113Aと重なり合うと共に、他端が流入用ポート33A−3と重なり合い、顕熱交換入口ポート113と流入用ポート33A−3が連通される。一方、流出用弁体124Aは、連通空間129A−1が流出用ポート34A−3と重なり合い、貫通孔126A−5を通過して流出用空間126A−4へ流入し、流出用ポート34A−1からラジエータ14へと戻される。
このように回転部120A〜120Dが配置される位置を、以下「顕熱交換位置PH−IN」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120がθH回転する間、顕熱交換位置PH−INに配置されている。
回転部120がθH回転すると、回転部120Aは、図17B(D)に示されるように、凹部45A−2、第2連通空間129A−2の回転方向前側が流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−3と重なり合う位置に配置され、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−2が開放状態となる。すなわち、エンジン部12からの第2伝熱媒体が凹部45A−2へ流入し、流入した第2伝熱媒体は、貫通孔48A−2を通過して連通空間44Aへ流入する。そして、第2伝熱媒体は、連通空間44Aから流入用ポート33A−3を経て、伝熱部24Aの入口部25Aへ供給される。このとき、凹部45−1は、流入用ポート33A−1と反対側に配置されることから流入用ポート33A−1と重なり合わず、ラジエータ14と接続された流入用ポート33A−1は閉鎖状態となる。
伝熱部24Aへ供給された第2伝熱媒体は、伝熱部24Aで熱交換を行って出口部26Aから流出し、流出用ポート34A−3へ送られて第2連通空間129A−2へ流入する。そして、貫通孔127A−5を通過して流出用空間127A−2へ流入し、流入用ポート34A−2からエンジン部12へと戻される。第2連通空間129A−1は、中央仕切部128Aにより仕切られていることから、貫通孔126A−5からの流入はなく、流出用ポート34A−1は閉鎖状態となる。
上記では、回転部120Aを例に説明したが、回転部120A以外の回転部120B〜120Dについても、このように配置される位置を、以下「第3回転位置P3−2」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120が回転してθ3回転する間、第3回転位置P3−2に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部120A〜120Dが第3回転位置P3に配置されている時に、再生処理が行われる。この第3回転位置P3−2での再生処理のモードを、以下「前半再生モード」と称する。
回転部120が、さらにθ3度回転すると、回転部120Aは、図17C(E)に示されるように、凹部45A−2、第2連通空間129A−2の回転方向後側が流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−3と重なり合う位置に配置される。この場合にも、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−2が開放状態となり、流入用ポート33A−1、流出用ポート34A−1が閉鎖状態となる。したがって、吸着部22Aへは、エンジン部12からの第2伝熱媒体が供給される。
このように回転部120A〜120Dが配置される位置を、以下「第4回転位置P4−2」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120がθ4回転する間、第4回転位置P4−2に配置されている。吸着器20A〜20Aは、対応する回転部120A〜120Dが第4回転位置P4−2に配置されている時に、再生処理が行われる。この第4回転位置P4−2での再生処理のモードを、以下「後半再生モード」と称する。
回転部120が、さらにθ4度回転すると、回転部120Aは、図17C(F)に示されるように、流入用弁体42Aについては、凹部45A−1の前側が流入用ポート33A−1と重なり合う位置に配置され、流出用弁体124Aの円板127A−1に形成された流出用流路128A−2が顕熱交換出口ポート114と重なり合う位置に配置される。これにより、流入用ポート33A−1が開放状態となり、流入用ポート33A−2、流出用ポート34A−1、34A−2が閉鎖状態となる。流出用弁体124Aについては、流出用流路128A−2が顕熱交換出口ポート114と重なり合って、流出用ポート34A−3と顕熱交換出口ポート114が連通する。
このように回転部120A〜120Dが配置される位置を、以下「顕熱交換位置PH−OUT」と称する。各回転部120A〜120Bは、回転部120がθH回転する間、顕熱交換位置PH−OUTに配置されている。この顕熱交換位置PH−OUTでの処理のモードを、以下「顕熱放出モード」と称する。
次に、本実施形態のヒートポンプ11の運転動作について説明する。
ヒートポンプ11が稼働される際には、エンジン部12、ラジエータ14、及び、室内熱交換器16とヒートポンプ11との間で伝熱媒体としての水が循環するように不図示の各々のポンプが駆動される。ヒートポンプ11では、回転部120A〜120Dが配置される位置に応じて、対応する吸着器20A〜20Dが、各々、冷熱生成が行われる前半冷熱生成モード及び後半冷熱生成モード、吸着剤の再生が行われる前半再生モード及び後半生成モードとなる。
図18に示されるように、第1回転バルブ110の回転部120Aが、顕熱交換位置PH−OUTから第1回転位置P1−2に配置され、第2回転バルブ60の回転部70Aが第1回転位置P1に配置されている時には、回転部120B、70Bは、第4回転位置P4−2、P4に配置され、回転部120C、70Cは、顕熱交換位置PH−INから第3回転位置P3−2、P3に配置され、回転部120D、70Dは、第2回転位置P2−2、P2に配置される。このときの回転部120、70の位置を、第1モードM1−2とする。
第1回転位置P1−2に配置された回転部120Aに接続されている吸着部22Aの伝熱部24Aは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。また、回転部70Aに接続されている貯留部23Aの伝熱部27Aは、室内熱交換器16と連通されて第3伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Aでは、貯留部23Aに貯留されている熱媒としての液相の水が蒸発して吸着部22Aの吸着剤に吸着され、冷熱生成が行われる(前半冷熱生成モード)。
但し、回転部120Aが、顕熱交換位置PH−OUTに配置されている時には、伝熱部24を通過した第1伝熱媒体は、顕熱交換出口ポート114Aから顕熱交換入口ポート113Dへ送られる。これにより、後半再生モードから前半冷熱生成モードに切り換えられた吸着部22Aの顕熱が、吸着部22Cへ供給される。このとき、伝熱部24へは、ラジエータ14から第1伝熱媒体が供給されているので、ラジエータ14のポンプを、吸着部22Cへの送出用に用いることができる。
第2回転位置P2−2に配置された回転部120Bに接続されている吸着部22Bの伝熱部24Bは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。また、回転部70Bに接続されている貯留部23Bの伝熱部27Bは、室内熱交換器16と連通されて第3伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Bでは、貯留部23Bに貯留されている熱媒としての液相の水が蒸発して吸着部22Bの吸着剤に吸着され、冷熱生成が行われる(後半冷熱生成モード)。
第3回転位置P3−3に配置された回転部120Cに接続されている吸着部22Cの伝熱部24Cは、エンジン部12と連通されて第2伝熱媒体が供給される。また、回転部70Cに接続されている貯留部23Cの伝熱部27Cは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Cでは、吸着部22Cの吸着剤に吸着されていた熱媒としての気相の水が脱離して凝縮され、貯留部23Cへ貯留され、吸着剤の再生が行われる(前半再生モード)。
但し、回転部120Cが、顕熱交換位置PH−INに配置されている時には、エンジン部12からの第2伝熱媒体の供給は停止され、伝熱部24を通過した第1伝熱媒体が伝熱部24Cへ供給される。これにより、吸着部22Aからの顕熱を用いて吸着部22Cを加熱することができる。
第4回転位置P4−2に配置された回転部120Dに接続されている吸着部22Dの伝熱部24Dは、エンジン部12と連通されて第2伝熱媒体が供給される。また、回転部70Dに接続されている貯留部23Dの伝熱部27Dは、ラジエータ14と連通されて第1伝熱媒体が供給される。これにより、吸着器20Dでは、吸着部22Dの吸着剤に吸着されていた熱媒としての気相の水が脱離して凝縮され、貯留部23Dへ貯留され、吸着剤の再生が行われる(後半再生モード)。
すなわち、回転部120、70が第1モード位置M1−2に配置されている時には、吸着器20A、20Bが冷熱生成モードとなり、吸着器20C、20Dが再生モードとなる。
切換時間T1が経過すると、回転部120及び回転部70は、矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部120A、70Aは、第2回転位置P2−2に配置され、回転部120B、70Bは、第1回転位置P1−2に配置され、回転部120C、70Cは、第4回転位置P4−2に配置され、回転部120D、70Dは、第3回転位置P3−2に配置される。このときの回転部120、70の位置を、第2モード位置M2−2とする。
回転部120、70が第2モード位置M2−2に配置されている時には、吸着器20Aは後半冷熱生成モードとなり、吸着器20Bは前半再生モードとなり、吸着器20Cは後半再生モードとなり、吸着器20Dは前半冷熱生成モードとなる。
さらに、切換時間T1が経過すると、回転部120及び回転部70は、さらに矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部120A、70Aは、第3回転位置P3−2に配置され、回転部120B、70Bは、第2回転位置P2−2に配置され、回転部120C、70Cは、第1回転位置P1−2に配置され、回転部120D、70Dは、第4回転位置P4−2に配置される。このときの回転部120、70の位置を、第3モード位置M3−2とする。
回転部120、70が第3モード位置M3−2に配置されている時には、吸着器20Aは前半再生モードとなり、吸着器20Bは後半再生モードとなり、吸着器20Cは前半冷熱生成モードとなり、吸着器20Dは後半冷熱生成モードとなる。
さらに、切換時間T1が経過すると、回転部120及び回転部70は、さらに矢印R方向に90°回転する。これにより、回転部120A、70Aは、第4回転位置P4−2に配置され、回転部120B、70Bは、第3回転位置P3−2に配置され、回転部120C、70Cは、第2回転位置P2−2に配置され、回転部120D、70Dは、第1回転位置P1−2に配置される。このときの回転部120、70の位置を、第4モード位置M4−2とする。
回転部120、70が第4モード位置M4−2に配置されている時には、吸着器20Aは前半再生モードとなり、吸着器20Bは後半再生モードとなり、吸着器20Cは前半冷熱生成モードとなり、吸着器20Dは後半冷熱生成モードとなる。
本実施形態によれば、吸着器20を4つ備え、切換え時にはそのうちの2つの吸着器20だけが、冷熱生成モードから再生モードへ、又は、再生モードから冷熱生成モードへと切換えられるので、当該切換え時における顕熱ロスを少なくすることができる。
また、本実施形態では、吸着器20の吸着部22と貯留部23とが連通しているので、吸着部22と貯留部23の間に両者を仕切るバルブを設ける必要がなく、簡易な構成にすることができる。
また、本実施形態では、再生モードから冷熱生成モードへと切り換えられる吸着器20の吸着部22の伝熱媒体を、冷熱生成モードから再生モードへ切り換えられる吸着器20の吸着部22へ供給する、顕熱交換処理を有している。これにより、切換え時における顕熱ロスを少なくすることができる。
さらに、顕熱交換処理時には、冷熱生成モードから再生モードへと切り換えられる吸着器20へのエンジン部12からの第2伝熱媒体の供給が停止される。したがって、効率よく顕熱交換を行うことができる。
また、顕熱交換処理時には、再生モードから冷熱生成モードへと切り換えられる吸着器20に、ラジエータ14から第1伝熱媒体が供給されるので、効率よく顕熱交換を行うことができる。
また、本実施形態では、回転部120、70を、一定の角速度で回転させたが、本実施形態でも、間欠的に回転させてもよい。
10 ヒートポンプ
11 ヒートポンプ
12 エンジン部(第2熱源)
14 ラジエータ(第1熱源、第2熱源)
16 室内熱交換器(第1熱源)
20 吸着器
30、110 第1回転バルブ(ヒートポンプ用バルブ)
40 70、120 回転部(回転体)
42A、42B、42C、42D 流入用弁体
45A−1、45B−1、45C−1、45D−1 凹部(流入開口部)
45A−2、45B−2、45C−2、45D−2 凹部(流入開口部)
52A、52B、52C、52D 流出用弁体
55A−1、55B−1、55C−1、55D−1 凹部(流出開口部)
55A−2、55B−2、55C−2、55D−2 凹部(流出開口部)
60 第2回転バルブ(ヒートポンプ用バルブ)
72 流入用弁体
75A−1、75B−1、75C−1、75D−1 凹部(流入開口部)
75A−2、75B−2、75C−2、75D−2 凹部(流入開口部)
82 流出用弁体
85A−1、85B−1、85C−1、85D−1 凹部(流出開口部)
85A−2、85B−2、85C−2、85D−2 凹部(流出開口部)
121A、121B、121C、121D 流入用弁体
123A、123B、123C、123D 流入用流路(流入開口部)
124A、124B、124C、124D 流出用弁体
128A−1、128A−2 流出用流路(流出開口部)
128A 中央仕切部(顕熱流出流路部)

Claims (4)

  1. 回転軸周りの外周に形成された流入開口部の周方向位置により、吸着器へ流入する伝熱媒体を、第1熱源からの第1伝熱媒体と第2熱源からの第2伝熱媒体とで切換える流入用弁体と、
    前記流入用弁体と同軸的に配置され、前記回転軸周りの外周に形成された流出開口部の周方向位置により、前記吸着器から流出する前記伝熱媒体の流出先を前記第1熱源と前記第2熱源とで切換える流出用弁体と、
    を備え、
    複数あるN個の前記吸着器の各々に対して、前記流入用弁体及び前記流出用弁体を一対として形成される回転体を有し、
    各々の前記回転体は、360/N度ずつ位相をずらして同軸上に配置されていること、を特徴とする
    ヒートポンプ用バルブ。
  2. 前記流入用弁体と前記流出用弁体とは、前記切換えのタイミングが同期していること、を特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ用バルブ。
  3. 前記吸着器に収納された吸着剤により熱媒を吸着させる吸着時間、及び、前記吸着剤が吸着した熱媒を脱離させる再生時間の和を1周期として前記流入用弁体と前記流出用弁体は一定速度で回転され、前記流入開口部及び前記流出開口部は、前記吸着時間と前記再生時間に各々対応した回転角度に切欠かれていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ用バルブ。
  4. 前記流入用弁体には、前記回転軸周りの外周の前記流入開口部と軸方向にずれた位置に顕熱流入流路部が形成され、
    前記流出用弁体には、前記回転軸周りの外周の前記流出開口部と軸方向にずれた位置に前記吸着器と異なる前記吸着器へ伝熱媒体を流出させる顕熱流出流路部が形成されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ用バルブ。
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