JP6446375B2 - 移動通信システム及びユーザ端末 - Google Patents

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Description

本発明は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システム及びユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)近傍サービスの導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のユーザ端末からなる同期クラスタ内で、ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍端末を発見するための発見処理(Discovery)と、直接的な通信を行う通信処理(Communication)と、を含む。
3GPP技術報告書 「TR 36.843 V1.0.0」 2014年1月16日
ところで、ユーザ端末が、D2D通信データの送信に用いられる時間・周波数リソース(以下、データリソースと適宜称する)を決定した場合、決定したデータリソースを周囲のユーザ端末に知らせるために、決定したデータリソースの位置を示す制御情報を送信することが想定される。
ここで、ユーザ端末が、制御情報を送信するための時間・周波数リソースをランダムに選択すると仮定する。この場合、ユーザ端末と他のユーザ端末とが同一の時間・周波数リソースを選択することによって、ユーザ端末と他のユーザ端末のそれぞれが送信した制御情報が互いに衝突する可能性がある。その結果、制御情報が受信されない虞がある。
そこで、本発明は、制御情報の衝突を低減可能な移動通信システム及びユーザ端末を提供することを目的とする。
一実施形態に係る移動通信システムは、ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムであって、送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を送信するユーザ端末を有し、前記ユーザ端末は、前記通知情報を送信した後に、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報を優先的に送信する。
図1は、LTEシステムの構成図である。 図2は、UEのブロック図である。 図3は、eNBのブロック図である。 図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。 図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。 図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。 図8は、第1実施形態に係る移動通信システムを説明するための無線フレームの構成図である。 図9は、緊急情報を説明するための説明図である。 図10は、第1実施形態に係るUE100の動作を説明するためのフローチャートである。 図11は、第1実施形態に係るUE100の動作を説明するためのフローチャートである。 図12は、第2実施形態に係る移動通信システムの動作を説明するためのシーケンスである。 図13は、第2実施形態に係る移動通信システムを説明するための無線フレームの構成図である。 図14は、データの衝突回避のためのSAの使用例を示す図である。 図15は、SA期間及びSA領域を説明するための図である。 図16は、各SAがデータ送信リソースに関連する位置を決定することを説明するための図である。 図17は、最初のSA送信及びその後のSA送信を説明するための図である。
実施形態に係る移動通信システムは、ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムであって、送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を送信するユーザ端末を有し、前記ユーザ端末は、前記通知情報を送信した後に、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報を優先的に送信する。
第1実施形態に係る移動通信システムは、送信予定のD2D通信データを保持する他のユーザ端末をさらに有し、前記通知情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの内容が緊急の内容であることを示す緊急情報であり、前記他のユーザ端末は、前記緊急情報を受信した場合、前記制御情報の送信を取り止める。
第1実施形態において、前記他のユーザ端末は、前記他のユーザ端末が保持する前記送信予定の前記D2D通信データの内容が緊急の内容である場合、前記制御情報の送信を取り止めずに、前記制御情報を送信する。
第1実施形態において、前記緊急情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度を示す情報を含み、前記他のユーザ端末は、前記緊急情報に含まれる前記情報が示す緊急度よりも、前記他のユーザ端末が保持する前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度の方が低い場合、前記制御情報の送信を取り止める。
第1実施形態において、前記緊急情報の送信に用いられる専用の時間・周波数リソースは、時間軸方向に周期的に設けられ、前記他のユーザ端末は、前記緊急情報を受信した後、次の周期の前記専用の時間・周波数リソースで前記緊急情報を受信しない場合、前記制御情報の送信を再開する。
第1実施形態において、前記緊急情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度を示す情報を含み、前記他のユーザ端末は、緊急度が高い前記D2D通信データを優先的にユーザインターフェイスに表示する。
第2実施形態に係る移動通信システムは、前記ユーザ端末よりも先に前記制御情報を送信する他のユーザ端末をさらに有し、前記他のユーザ端末は、前記通知情報に基づいて、前記制御情報を次に送信する送信端末を選択し、前記送信端末として前記ユーザ端末が選択された場合にのみ、前記ユーザ端末は、前記制御情報を送信する。
第2実施形態において、前記ユーザ端末は、前記通知情報を送信するための専用の時間・周波数リソースを用いて、前記通知情報を送信し、前記他のユーザ端末は、前記専用の時間・周波数リソースが設けられる領域をスキャンすることによって、前記通知情報を受信する。
第2実施形態において、前記他のユーザ端末は、前記通知情報を送信するための前記専用の時間・周波数リソースの位置を指定する情報を、前記制御情報と共に送信する。
第2実施形態において、前記他のユーザ端末が、選択した前記送信端末を示す送信端末情報を送信するための専用の時間・周波数リソースを用いて、前記送信端末情報を送信し、前記ユーザ端末が、前記専用の時間・周波数リソースが設けられる領域をスキャンすることによって、前記送信端末情報を受信する。
第2実施形態において、前記他のユーザ端末は、前記送信端末情報を送信するための前記専用の時間・周波数リソースの位置を指定する情報を、前記制御情報と共に送信する。
実施形態に係るユーザ端末は、ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムに用いられるユーザ端末であって、送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を送信する制御部を有する。前記制御部は、前記通知情報を送信した後に、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報を優先的に送信する。
第1実施形態に係るユーザ端末は、ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムに用いられるユーザ端末である。前記ユーザ端末は、他のユーザ端末から、送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を受信する制御部を有する。前記制御部は、前記通知情報が緊急情報である場合、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報の送信を取り止める。前記緊急情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの内容が緊急の内容であることを示す。
[実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM(Operation and Maintenance)400とを含む。また、EPC20は、コアネットワークに相当する。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割り当てリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ使用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルにより構成される無線リソース単位はリソースエレメント(RE)と称される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)が分散して配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、復調参照信号(DMRS)及びサウンディング参照信号(SRS)が配置される。
(D2D通信)
次に、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)とD2D通信とを比較して説明する。
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはネットワークを経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。
図7に示すように、D2D通信のデータパスはネットワークを経由しない。すなわち、UE間で直接的な無線通信を行う。このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、ネットワークのトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。
なお、D2D通信が開始されるケースとして、(a)近傍端末を発見するための動作を行うことによって近傍端末を発見した後に、D2D通信が開始されるケースと、(b)近傍端末を発見するための動作を行わずにD2D通信が開始されるケースがある。
例えば、上記(a)のケースでは、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。
このケースの場合、UE100は、近傍端末を発見するために、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能、及び/又は、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
具体的には、UE100−1は、近傍端末を発見するため又は近傍端末に発見されるために用いられる発見信号(Discovery信号/Discoverable信号)を送信する。発見信号を受信したUE100−2は、UE100−1を発見する。UE100−2が、発見信号に対する応答を送信することで、発見信号を送信したUE100−1は、近傍端末であるUE100−2を発見する。
なお、UE100は、近傍端末を発見しても必ずしもD2D通信を行う必要はなく、例えば、UE100−1及びUE100−2は、互いに相手を発見した後に、ネゴシエーションを行って、D2D通信を行うか否かを判定してもよい。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D通信を行うことに同意した場合に、D2D通信を開始する。なお、UE100−1は、近傍端末を発見した後にD2D通信を行わなかった場合、上位レイヤ(例えば、アプリケーションなど)に近傍のUE100(すなわち、UE100−2)の発見を報告してもよい。例えば、アプリケーションは、当該報告に基づく処理(例えば、UE100−2の位置を地図情報にプロットする処理など)を実行できる。
また、UE100は、近傍端末を発見したことをeNB200に報告し、近傍端末との通信をセルラ通信によって行うかD2D通信によって行うかの指示をeNB200から受けることも可能である。
一方、上記(b)のケースでは、例えば、UE100−1は、近傍端末を特定せずに、D2D通信用の信号の送信(ブロードキャストによる報知など)を開始する。これにより、UE100は、近傍端末の発見の有無にかかわらず、D2D通信を開始できる。なお、D2D通信用の信号の待ち受け動作を行っているUE100−2は、UE100−1からの当該信号に基づいて、同期又は/及び復調を行う。
(制御リソース及びデータリソースの決定)
次に、UE100−1が(制御リソース及びデータリソースを決定する動作について、図8を用いて説明する。図8は、第1実施形態に係る移動通信システムを説明するための無線フレームの構成図である。
UE100−1は、D2D近傍サービスに利用可能な時間・周波数リソースの中からD2D通信データの送信に用いられる時間・周波数リソースであるデータリソースを決定する。また、UE100−1は、D2D近傍サービスに利用可能な時間・周波数リソースの中から、データリソースの位置を示す制御情報(SA:Scheduling Assignment)の送信に用いられる時間・周波数リソースである制御リソース(SAリソース)を決定する。
本実施形態では、UE100−1は、D2D近傍サービスに利用可能な時間・周波数リソースの中で範囲が制限された制御リソース領域(SAリソース領域)の中からSAリソースを決定する。SAリソース領域は、UE100がSAの送信に用いることが許可されたSAリソースが配置される領域である。本実施形態において、SAリソース領域は、時間軸方向に周期的に設けられている。
UE100−1は、eNB200が管理するセルに在圏している場合、eNB200(セル)から受信した制御リソース情報(SAリソース情報)に基づいて、SAリソースを決定する。
SAリソース情報は、SAリソース領域、SAリソース、又はSAリソース領域の候補を指定する情報である。例えば、SAリソース情報は、SAリソース領域の周波数帯及び/又は時間帯、オフセット(時間及び/又は周波数)、及び、周期(時間)の少なくともいずれかを示す情報を含む。
オフセットは、例えば、以下の式を用いて示される。
(オフセット) = (SFN×10 + subframe) mod (周期)
また、SAリソース情報は、1つのSAリソースのサイズ、UE100が割当可能なSAリソースの個数(及び/又はSAリソースの有無)、SAに適用される変調・符号化方式(MCS)の少なくともいずれかを示す情報を含んでもよい。
また、UE100−1は、eNB200が管理するセルに在圏していない場合(圏外に位置する場合)、予めUE100−1に記憶されている設定情報に基づいて、SAリソースを決定する。設定情報は、上述のSAリソース情報と同様である。
図8では、UE100−1は、範囲が制限されたSAリソース領域の中から、SAリソース領域の中から(subframe1、RB2)の位置のリソースをSAリソースとして決定する。
また、UE100−1は、D2D近傍サービスに利用可能な時間・周波数リソースの中から、データリソースを決定する。
UE100−1は、UE100がD2D通信データの送信に用いることが許可されたデータリソースが配置される領域であるデータリソース領域が指定されている場合UE100は、範囲が制限されたデータリソース領域の中からデータリソースを決定する。例えば、図8では、UE100−1は、(subframe4、RB2−3)などの位置のリソースをデータリソースとして決定する。
次に、UE100−1は、決定したSAリソースを用いて、決定したデータリソースの位置を示すSA11を送信する。SA11を受信したUE100−2は、SA11によって、UE100−1がD2D通信データの送信に用いるデータリソースの位置を把握することができる。また、UE100−1は、SA11によって示されたデータリソースを用いてD2D通信データ(DATA11等)を送信する。UE100−2は、把握したデータリソースをスキャンすることによって、UE100−1からのD2D通信データを受信することができる。
(緊急用のD2D通信)
次に、UE100が、D2D通信によって緊急の内容を送信するケースについて、図8から図11を用いて説明する。図9は、緊急情報を説明するための説明図である。図10は、第1実施形態に係るUE100の動作を説明するためのフローチャートである。図11は、第1実施形態に係るUE100の動作を説明するためのフローチャートである。
(A)概略
UE100は、送信予定のD2D通信データの内容が緊急の内容である場合、緊急用リソースを用いて緊急情報を送信する。
緊急の内容とは、例えば、注意に関する内容、援助の要求に関する内容、退避に関する内容である。具体的には、注意に関する内容は、注意内容、注意エリア情報などである。援助の要求に関する内容は、援助を要求するユーザ(UE)の位置情報などである。退避に関する内容は、退避経路などである。
UE100は、例えば、D2D通信データがユーザから緊急内容であることを指定された場合に、緊急の内容をD2D通信によって送信すると判定する。
緊急情報は、送信予定のD2D通信データが存在することを示す通知情報であると共に、本実施形態では、送信予定のD2D通信データの内容が緊急の内容であることを示す。
緊急情報は、送信予定のD2D通信データの緊急度を示す情報を含んでいてもよい。例えば、図9に示すように、注意に関する内容の緊急度を「1」とし、援助の要求に関する内容の緊急度を「2」とし、退避に関する内容の緊急度を「3」とする。なお、通常の緊急度を「0」としてもよい。
緊急用リソース(緊急用帯域)は、緊急情報を送信するための専用の時間・周波数リソースである。緊急用リソースは、時間軸方向に周期的に設けられている。例えば、緊急用リソースは、SAリソース領域よりも長い周期で設けられていてもよく、具体的には、1024[subframe]に1度の周期で設けられてもよい。
他のUE100は、緊急用リソースを常にサーチしており、緊急用リソースを用いて送信された緊急情報を受信した場合、緊急状態であると認識する。なお、複数のUEが、同じ緊急用リソースを用いて、緊急情報の内容を送信した場合、緊急情報が衝突することがある。他のUE100は、緊急情報の内容を判読できない場合であっても、緊急情報が衝突したことを検知した場合、緊急状態であると認識する。例えば、他のUE100は、緊急用リソースをサーチ(監視)することによって受信電力を検知し、緊急情報の内容を判読できない場合、緊急状態であると認識する。
緊急状態である場合、UE100は、緊急の内容以外のD2D通信データの送信が禁止される。これにより、UE100は、緊急情報を送信した後、SAリソースを用いて、緊急の内容のD2D通信データの送信に用いるデータリソースの位置を示すSAを優先的に送信する。その後、UE100は、SAによって示されたデータリソースを用いて緊急の内容のD2D通信データを送信する。
UE100は、緊急情報を送信した直後のSAリソース及びデータリソースを監視し、SAリソース及びデータリソースの使用状況を確認した後に、SAを送信してもよい。UE100は、緊急情報を送信した直後のSAリソースが用いられている場合、SAリソース情報又は設定情報に基づいて、SAリソースを決定する。
緊急状態は、一定期間有効であり、例えば、緊急状態は、緊急用リソースの1周期有効である。緊急情報を送信したUE100は、通常の緊急度を示す情報を、SAリソース又はデータリソースを用いて送信することによって、緊急状態を終了させてもよい。
他のUE100は、緊急情報を受信した場合、SAリソース領域を監視し、緊急の内容のD2D通信データを受信する。UE100は、SA及び/又はD2D通信データに緊急度を示す情報が含まれている場合、D2D通信データの緊急度を把握できる。或いは、緊急度を示す情報が含まれた緊急情報とSA及び/又はD2D通信データとが、UE識別子などによって、関連付けられていた場合、D2D通信データ緊急度を把握できる。この場合、UE100は、緊急度が高いD2D通信データを優先的にユーザインターフェイスに表示してもよい。
(B)動作例
以下に、図8を用いて、各UE100の動作例を詳細に説明する。
図8に示すように、UE100−1は、SA(SA11、SA12)及びD2D通信データ(DATA11〜DATA13)を周期的に送信している。また、UE100−2は、SA(SA21、SA22)及びD2D通信データ(DATA21〜DATA23)を周期的に送信している。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、n+9[subframe]が属する周期までD2D通信データを送信している。
UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、次の周期においてもD2D通信データの送信を予定しており、前の周期と同様に、SAリソース及びデータリソースを決定している。
一方、UE100−3は、緊急の内容のD2D通信データの送信を予定し、緊急用リソースを用いて、緊急情報をブロードキャストで送信する。具体的には、UE100は、(subframe(n+10)、RB1)の位置の緊急用リソースを用いて緊急情報(Emargency)を送信する。
UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、緊急用リソースを監視しており、緊急情報を受信する。緊急情報を受信したUE100−1及びUE100−2のそれぞれは、緊急状態であると認識する。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、送信予定のD2D通信データが緊急の内容でないため、送信予定したD2D通信を中止する。具体的には、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、送信を予定していたSA送信を取り止める。これにより、n+11、n+12[subframe]のSAリソース領域では、SAが送信されていない。また、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、データリソースの位置を示すSAが送信されていないため、D2D通信データの送信も取り止める。
なお、UE100−1及びUE100−2の少なくともいずれかは、送信予定のD2D通信データが緊急の内容である場合、緊急情報が送信された直後の周期のSAリソース領域内のSAリソースを用いて、緊急の内容のD2D通信データの位置を示すSAを送信する。
一方、UE100−3は、上記SAリソース領域及びD2D通信データが配置される領域(n+11〜n+20[subframe])を監視する。UE100−3は、監視の結果、他のUE100がD2D通信データを送信しないと判定し、SAリソース領域内のSAリソースを用いて、緊急の内容であるD2D通信データ(DATA41等)を示すSA41を送信する。その後、UE10は、SAによって示されたデータリソースを用いてDATA41等を送信する。
なお、UE100−3は、他のUE100が、緊急情報を送信した直後のSAリソース領域内のSAリソースを用いてSAを送信していた場合、UE100−3自身のSAと他のUE100のSAとが衝突しないように、SAリソース情報又は設定情報に基づいて、SAリソースを決定する。
例えば、SAリソース情報に基づいて、次の周期のSAの位置が、前の周期のSAの位置と同じ位置に制限される場合、UE100−3は、他のUE100の次の周期のSAの位置を推測して、SAリソースを決定する。
その後、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、緊急状態でなくなった後、D2D通信を再開する。具体的には、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、緊急用リソースを監視して、緊急情報を受信しなかった場合、SAリソース及びデータリソースを決定し、SA及びD2D通信データの送信を再開する。
(C)緊急情報を送信するUE100の動作フロー
次に、緊急情報を送信するUE100の動作フローについて、図10を用いて説明する。
ステップS101において、UE100は、送信予定のD2D通信データに、緊急の内容のD2D通信データ(緊急D2Dデータ)があるか否かを判定する。UE100は、緊急D2Dデータがある場合、ステップS102の処理を実行する。一方、UE100は、緊急D2Dデータがない場合、処理を終了する。
ステップS102において、UE100は、緊急用リソースを用いて、緊急情報をブロードキャストで送信する。また、UE100は、緊急D2Dデータの送信に用いるデータリソース及びこのデータリソースの位置を示すSAリソースの位置を決定する。
ステップS103において、UE100は、決定したSAリソースを用いて、SAを送信する。ステップS104において、決定したSAによって示されるデータリソースを用いて、緊急D2Dデータを送信する。
(D)緊急情報を受信するUE100の動作フロー
次に、緊急情報を受信するUE100の動作フローについて、図11を用いて説明する。
以下において、UE100が、上述と同様に、SA及びD2D通信データを送信していると仮定して説明を勧める。
ステップS201において、UE100は、緊急用リソースを監視する。UE100は、監視の結果、緊急情報を受信した場合、ステップS202の処理を実行する。一方、UE100は、緊急情報を受信しない場合、処理を終了する。
ステップS202において、UE100は、UE100自身が保持する送信予定のD2D通信データが緊急D2Dデータであるか否かを判定する。UE100は、緊急D2Dデータを送信予定の場合、ステップS203の処理を実行する。一方、UE100は、通常のD2D通信データを送信予定の場合、ステップS204の処理を実行する。
なお、UE100は、UE100自身が送信予定のD2D通信データが緊急D2Dデータである場合であっても、緊急情報に含まれる情報が示す緊急度よりも、UE100自身の緊急D2Dデータの緊急度の方が低い場合、ステップS203の処理を実行せずに、ステップS204の処理を実行してもよい。
ステップS203において、UE100は、緊急D2Dデータを送信して、D2D通信データの送信を継続する。UE100は、送信予定の緊急D2Dデータを全て送信した場合、緊急状態でなくなるまで、D2Dデータの送信を中止する。
一方、ステップS204において、UE100は、SA及びD2D通信データの送信を取り止める(停止する)。
なお、UE100は、緊急度が低いことによって緊急D2Dデータを保持している場合、保持している緊急D2Dデータよりも緊急度が高い緊急D2Dデータが送信されなくなった場合、緊急D2Dデータの送信を開始してもよい。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態において、UE100は、緊急情報を送信した後に、緊急の内容のD2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示すSAを優先的に送信する。これにより、優先度の高いD2D通信データを保持するUE100のSAが、他のUE100のSAと衝突することを低減できる。
本実施形態において、他のUE100は、UE100から緊急情報を受信した場合、SAの送信を取り止める。これにより、優先度の高いD2D通信データを保持するUE100のSAが、他のUE100のSAと衝突することを低減できる。
本実施形態において、他のUE100は、他のUE100が保持する送信予定のD2D通信データの内容が緊急の内容である場合、SAの送信を取り止めずに、SAを送信する。これにより、他のUE100も、緊急D2Dデータを優先的に送信することができる。
本実施形態において、他のUE100は、緊急情報に含まれる情報が示す緊急度よりも、他のUE100が保持する緊急D2Dデータの緊急度が低い場合、SAの送信を取り止める。これにより、優先度がより高いSAと優先度がより低い他のSAとの衝突することを低減できる。
本実施形態において、他のUE100は、緊急情報を受信した後、次の周期の緊急用リソースで緊急情報を受信しない場合、SAの送信を再開する。これにより、他のSAは、通常の状態になったことが把握でき、緊急度の高いSAとの衝突なく、SAを送信できる。
本実施形態において、他のUE100は、緊急度が高い緊急D2Dデータを優先的にユーザインターフェイスに表示する。これにより、ユーザは、優先度の高い情報から順に把握することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、説明する。なお、上述した実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
上述した実施形態では、通知情報が緊急情報であった。本実施形態では、通知情報は、次のSAの送信UEになることを要求するSA送信要求である。
(第2実施形態に係る動作)
第2実施形態に係る動作について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、第2実施形態に係る移動通信システムの動作を説明するためのシーケンスである。図13は、第2実施形態に係る移動通信システムを説明するための無線フレームの構成図である。
本実施形態では、SAを送信するUE100が、次のSAを送信するUE100を決定することが規定されている。
図12及び図13に示すように、ステップS301において、UE100−1は、D2D通信データであるDATA11、DATA12、DATA13のデータリソースの位置を示すSA11を送信する。UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SA11を受信する。
ステップS302において、UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SA送信要求リソースを用いて、SA送信要求(Order11)を送信する。SA送信要求は、送信予定のD2D通信データが存在することを示すものであり、UE100−1の次にSAを送信する送信UEとして選択されることを要求するものである。
SA送信要求のための時間・周波数リソースであるSA送信要求リソースは、専用の時間・周波数リソースである。SA送信要求リソースは、予め規定されている時間・周波数リソースであってもよいし、SAを送信するUE100−1が指定してもよい。この場合、UE100−1は、データリソースと異なる位置をSA送信要求リソースの位置として指定する。SA送信要求リソースの位置を指定する情報を、SAリソースを用いて、SA11と共に送信してもよい。
UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、他のSA送信要求と識別するために、UE固有の信号系列(コード符号)を用いて、SA送信要求を送信してもよい。これにより、UE100−2及びUE100−3が、同一の時間・周波数リソースを用いて、SA送信要求を送信しても、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれのSA送信要求を取得することができる。本実施形態において、UE100−2は、code2を用いて、SA送信要求を送信し、UE100−3は、code3を用いて、SA送信要求を送信する。
UE100−1は、SA送信要求リソースをスキャンすることによって、SA送信要求を受信する。これにより、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3がSAを送信することを要求していることを把握する。次に、UE100−1は、SA送信要求に基づいて、次にSAを送信する送信UEを選択する。UE100−1は、SA送信要求を送信したUEの中からランダムで選択してもよいし、送信頻度の低いUEを優先的に選択してもよい。以下において、UE100−1は、UE100−3を選択したと仮定して説明を勧める。
ステップS303において、UE100−1は、SA11によって示されるデータリソースを用いて、DATA11〜DATA13のそれぞれを送信する。UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、DATA11〜DATA13を受信する。
ステップS304において、UE100−1は、SA送信通知リソースを用いて、選択した送信UEを通知するためのSA送信通知(Decide11)をブロードキャストで送信する。具体的には、UE100−1は、選択したUE100−3がSA送信要求と同じ信号系列(code3)を用いて、SA送信通知を送信する。
SA送信通知のための時間・周波数リソースであるSA送信通知リソースは、専用の時間・周波数リソースである。SA送信通知リソースは、予め規定されている時間・周波数リソースであってもよいし、SAを送信するUE100−1が指定してもよい。この場合、UE100−1は、データリソースと異なる位置をSA送信要求リソースの位置として指定する。SA送信通知リソースの位置を指定する情報を、SAリソースを用いて、SA11と共に送信してもよい。
UE100−3は、SA送信通知リソースをスキャンすることによって、UE100−3のSA送信要求と同じ信号系列(code3)を用いて送信されたSA送信通知を受信する。これにより、UE100−3は、UE100−3自身が次にSAを送信する送信UEであることを認識する。UE100−3は、D2D通信データを送信するために、SAリソースとデータリソースとを決定する。
一方、UE100−2は、SA送信通知リソースをスキャンにすることによって、SA送信通知を受信する。これにより、UE100−2は、次にSAを送信する送信UEとして選択されなかったことを認識する。
ステップS305〜S307において、UE100−3は、ステップS301、S303のUE100−1と同様の動作を行う。また、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、ステップS302のUE100−2(又はUE100−3)と同様の動作を行う。
なお、SAを送信するUE100は、SA送信要求を受信しなかった場合、次にSAを送信する送信UEとして、UE100自身を選択しても良い。この場合、UE100は、SA送信通知リソースを用いて、UE100自身を選択したことをブロードキャストで通知する。
(第2実施形態のまとめ)
本実施形態において、UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SA送信要求を送信する。UE100−3は、SA送信要求を送信した後に、SAを優先的に送信する。これにより、UE100−3のSAが、UE100−1及びUE100−2から送信されるSAと衝突することを低減できる。
本実施形態において、SAを送信するUE100−1は、SA送信要求に基づいて、SAを次に送信する送信UEを選択する。UE100−3は、送信UEとして、UE100−3が選択された場合にのみ、SAを送信する。これにより、UE100−3のSAが、UE100−1及びUE100−2から送信されるSAと衝突することを低減できる。
本実施形態において、UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SA送信要求リソースを用いて、SA送信要求を送信する。UE100−1は、SA送信要求リソースをスキャンすることによって、SA送信要求を受信する。これにより、SA送信要求が他の無線信号と衝突することを回避することができる。
本実施形態において、UE100−1は、SA送信要求リソースを指定する情報をSAと共に送信する。これにより、UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SAリソース領域のサーチを行うことによって、SA送信要求リソースを知ることができる。
本実施形態において、UE100−1は、SA送信通知リソースを用いて、SA送信通知を送信する。UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SA送信通知リソースをスキャンすることによって、SA送信通知を受信する。これにより、SA送信通知が他の無線信号と衝突することを回避することができる。
本実施形態において、UE100−1は、SA送信通知リソースを指定する情報をSAと共に送信する。これにより、UE100−2及びUE100−3のそれぞれは、SAリソース領域のサーチを行うことによって、SA通知要求リソースの位置を知ることができる。
[その他実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した第2実施形態は、複数のUE100によって構成されるD2Dグループに対して適用されてもよい。複数のD2Dグループのそれぞれは、他のD2Dグループと異なるSAリソースを用いて、D2D通信を行う場合に、上述の第2実施形態を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
[付記]
(1)導入
スケジューリング割当(SA)を伴うリソース割当方法が提案されている。この付記では、衝突回避の観点からSAを伴うD2D通信リソース割り当てを考察する。この付記では、カバレッジ外(out of coverate)に関する割り当てに焦点を当てる。同様のスキームは、カバレッジ内(In Coverage)の場合に用いることができる。しかしながら、カバレッジ内のケースは、この付記では説明しない。
(2)スケジューリング割当(Scheduling Assignments)を用いたD2Dの通信リソース割り当てに関するデザイン考察
リソース割当をアシストするSAは、効果的な衝突回避の可能性を提供する。SAの利点がいくつかある。
図14は、UE2がUE1によって送信されたSA1を検出し、この検出情報を用いて、SA1に列挙されたリソースを回避することによって、自身のデータ送信をスケジュールする方法を示す。さらに、上記リソース割当を改善するために、リソース割り当てスキームに基づいたSAに関する追加の動作を提案する。
(3)カバレッジ外のためのD2D通信リソース割当規則に関するデザイン考察
(3.1)SA送信(SA Transmissions)
受信機の複雑さを低減するために、SA送信は、周期的であり、且つ、受信機に知られている予め規定された時間・周波数リソース(pre−defined time−freqUEncy)を使用している。一例として、図15に示すように、SA送信リソースのための位置を、より単純な検出するために領域内で一緒にグループ化することができる。
・提案1:SAが合意される場合、SAを周期的に送信すべきであり、与えられた領域内で一緒にグループ化されるべきである。
(3.2)データの送信(Transmission of data)
この章では、データの衝突を回避するための方法が記載されている。各SAは、データ送信のために使用可能な時間・周波数リソースの特定のセットにマッピングされる。各D2Dは、上述の章に記載されたように、SA送信のためのリソースを選択することが許される。しかしながら、同じD2D UEのみが、SAリソース位置に関連付けられたリソース内でデータを送信することができる。すなわち、SAの位置は、データ送信リソースの位置を決定する。図16に示すように、SA1は、データ11、12、13を示し、SA2は、データ21、22、23を示す。この方法は、データ送信どうしの衝突を避けることができる。
・提案2:データ衝突を回避するために、SAは、データ送信のために使用可能な時間・周波数リソースの特定のセットにマッピングされる。
(3.3)SA送信の衝突の低減
上述の方法は、ポインタとしてSAを使用するデータ送信の割り当てを説明している。しかしながら、上述の方法は、SA送信どうしの衝突を回避するのに十分ではない。この章では、SA送信衝突を低減する方法を提案する。各D2D UEは、他のD2D UEによって送信されたSAを検出するためにSA領域を監視する。この監視情報を用いて、他のD2D UEが前でSA送信している間、同じD2D UEは、同じリソースを使用してSAを送信することを回避する。例えば、図17に示すように、UE1及びUE2は、SA11及びSA21をそれぞれ送信する。第3のD2D UE(不図示)は、それらの送信を検出し、SA32を他の位置で送信する。UE1及びUE2は、SA12及びSA22のために、前で繰り返して使用した同じリソースをそれぞれ使用することができる。最初の第1SA期間において、UE1及びUE2は、SAの送信のためのリソースをランダムに選択することができる。
・提案3:
SAが合意される場合、SAの衝突を減らすために、D2D UEは、前のSA送信において他のD2D UEによって使用された同じリソースでSAを送信することを避ける。
・提案4:
SAが合意される場合、最初のSA送信のためのリソースが、SA領域内でランダムに選択される。
なお、米国仮出願第61/934323号(2014年1月31日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本実施形態に係る移動通信システム及びユーザ端末は、制御情報の衝突を低減できるため、移動通信分野において有用である。

Claims (12)

  1. ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムであって、
    送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を送信するユーザ端末を有し、
    前記ユーザ端末は、前記通知情報を送信した後に、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報を優先的に送信することを特徴とする移動通信システム。
  2. 送信予定のD2D通信データを保持する他のユーザ端末をさらに有し、
    前記通知情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの内容が緊急の内容であることを示す緊急情報であり、
    前記他のユーザ端末は、前記緊急情報を受信した場合、前記制御情報の送信を取り止めることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 前記他のユーザ端末は、前記他のユーザ端末が保持する前記送信予定の前記D2D通信データの内容が緊急の内容である場合、前記制御情報の送信を取り止めずに、前記制御情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  4. 前記緊急情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度を示す情報を含み、
    前記他のユーザ端末は、前記緊急情報に含まれる前記情報が示す緊急度よりも、前記他のユーザ端末が保持する前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度の方が低い場合、前記制御情報の送信を取り止めることを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。
  5. 前記緊急情報の送信に用いられる専用の時間・周波数リソースは、時間軸方向に周期的に設けられ、
    前記他のユーザ端末は、前記緊急情報を受信した後、次の周期の前記専用の時間・周波数リソースで前記緊急情報を受信しない場合、前記制御情報の送信を再開することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  6. 前記緊急情報は、前記送信予定の前記D2D通信データの緊急度を示す情報を含み、
    前記他のユーザ端末は、緊急度が高い前記D2D通信データを優先的にユーザインターフェイスに表示することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  7. 前記ユーザ端末よりも先に前記制御情報を送信する他のユーザ端末をさらに有し、
    前記他のユーザ端末は、前記通知情報に基づいて、前記制御情報を次に送信する送信端末を選択し、
    前記送信端末として前記ユーザ端末が選択された場合にのみ、前記ユーザ端末は、前記制御情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  8. 前記ユーザ端末は、前記通知情報を送信するための専用の時間・周波数リソースを用いて、前記通知情報を送信し、
    前記他のユーザ端末は、前記専用の時間・周波数リソースが設けられる領域をスキャンすることによって、前記通知情報を受信することを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
  9. 前記他のユーザ端末は、前記通知情報を送信するための前記専用の時間・周波数リソースの位置を指定する情報を、前記制御情報と共に送信することを特徴とする請求項8に記載の移動通信システム。
  10. 前記他のユーザ端末が、選択した前記送信端末を示す送信端末情報を送信するための専用の時間・周波数リソースを用いて、前記送信端末情報を送信し、
    前記ユーザ端末が、前記専用の時間・周波数リソースが設けられる領域をスキャンすることによって、前記送信端末情報を受信することを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
  11. 前記他のユーザ端末は、前記送信端末情報を送信するための前記専用の時間・周波数リソースの位置を指定する情報を、前記制御情報と共に送信することを特徴とする請求項10に記載の移動通信システム。
  12. ネットワークを介さない直接的な通信を可能とするD2D近傍サービスをサポートする移動通信システムに用いられるユーザ端末であって、
    送信予定のD2D通信データが存在することを通知するための通知情報を送信する制御部を有し、
    前記制御部は、前記通知情報を送信した後に、前記D2D通信データの送信に用いられるデータリソースの位置を示す制御情報を優先的に送信することを特徴とするユーザ端末。
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