JP6499166B2 - 通信制御方法、ユーザ端末及び基地局 - Google Patents

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Description

本出願は、移動通信システムにおいて用いられる通信制御方法、ユーザ端末及び基地局に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)近傍サービスの導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のユーザ端末からなる同期クラスタ内で直接的な端末間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍端末を発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的な端末間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。
また、ユーザ端末は、D2D同期元である場合、D2D同期信号を送信し、D2D非同期元である場合、受信したD2D同期信号に基づいて同期する。
3GPP技術報告書 「TR 36.843 V12.0.1」 2014年3月27日
セル内に存在するユーザ端末(以下、セル内ユーザ端末)とセル外に存在するユーザ端末(以下、セル外ユーザ端末)との同期を取るために、セル内に存在するユーザ端末が、D2D同期信号を送信するD2D同期元として設定されることが想定される。
ここで、基地局は、セル外ユーザ端末がどこに存在するか分からないため、どのセル内ユーザ端末を同期元として設定することが適切か不明である。このため、基地局は、近くにセル外ユーザ端末が存在しないセル内ユーザ端末をD2D同期元として設定し、セル内ユーザ端末が無駄な同期信号を送信する虞がある。
そこで、本出願は、適切なユーザ端末をD2D同期元として設定可能とすることを目的とする。
一実施形態に係る通信制御方法は、セル内に位置するユーザ端末が、他のユーザ端末からのD2D同期信号を受信した場合に、前記D2D同期信号を検知したことを示す検知情報を、前記セルを管理する基地局に送信するステップと、前記基地局が、前記ユーザ端末から受信した前記検知情報に基づいて、前記ユーザ端末をD2D同期元に設定するための設定情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、を備える。
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 図2は、実施形態に係るUEのブロック図である。 図3は、実施形態に係るeNBのブロック図である。 図4は、実施形態に係るプロトコルスタック図である。 図5は、実施形態に係る無線フレームの構成図である。 図6は、本実施形態に係るD2D同期信号を説明するための図である。 図7は、本実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。 図8は、本実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。 図9は、実施形態に係る動作を説明するための図である。 図10は、部分的カバレッジのためのD2D同期手順を説明するための図である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る通信制御方法は、セル内に位置するユーザ端末が、他のユーザ端末からのD2D同期信号を受信した場合に、前記D2D同期信号を検知したことを示す検知情報を、前記セルを管理する基地局に送信するステップと、前記基地局が、前記ユーザ端末から受信した前記検知情報に基づいて、前記ユーザ端末をD2D同期元に設定するための設定情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、を備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記基地局から受信した前記設定情報に基づいて、D2D同期信号の送信を開始するステップと、前記他のユーザ端末が、前記ユーザ端末からの前記D2D同期信号を受信した場合、前記D2D同期信号の送信を停止するステップと、をさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、D2D近傍サービスにおいて用いられるD2Dリソースを示す情報を含むD2D同期信号を送信するステップをさらに備える。
実施形態において、前記検知情報を送信するステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記他のユーザ端末からの前記D2D同期信号の受信レベルが所定値以上である場合に、前記検知情報を前記基地局に送信する。
実施形態に係るユーザ端末は、は、他のユーザ端末からのD2D同期信号を受信した場合に、前記D2D同期信号を検知したことを示す検知情報を、セルを管理する基地局に送信する送信部を備える。
実施形態に係る基地局は、は、D2D同期信号を検知したことを示す検知情報をユーザ端末から受信する受信部と、前記ユーザ端末から受信した前記検知情報に基づいて、前記ユーザ端末をD2D同期元に設定するための設定情報を前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える。
[実施形態]
以下において、本出願に係る内容をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワーク(LTEネットワーク)が構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150は記憶部に相当し、プロセッサ160は制御部に相当する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を、制御部を構成するプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を、制御部を構成するプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)、UE100への割当リソースブロックを決定(スケジューリング)するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
(D2D近傍サービス)
以下において、D2D近傍サービスについて説明する。実施形態に係るLTEシステムは、D2D近傍サービスをサポートする。D2D近傍サービスについては非特許文献1に記載されているが、ここではその概要を説明する。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のUE100からなる同期クラスタ内で直接的なUE間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍UEを発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的なUE間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。D2D通信は、Direct communicationとも称される。
同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ内に位置するシナリオを「カバレッジ内(In coverage)」という。同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「カバレッジ外(Out of coverage)」という。同期クラスタのうち一部のUE100がセルカバレッジ内に位置し、残りのUE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「部分的カバレッジ(Partial coverage)」という。
カバレッジ内では、例えばeNB200がD2D同期元となる。D2D非同期元は、D2D同期信号を送信せずにD2D同期元に同期する。D2D同期元であるeNB200は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、ブロードキャスト信号により送信する。D2Dリソース情報は、例えば、D2D発見手順に使用可能な無線リソースを示す情報(Discoveryリソース情報)及びD2D通信に使用可能な無線リソースを示す情報(Communicationリソース情報)を含む。D2D非同期元であるUE100は、eNB200から受信するD2Dリソース情報に基づいて、D2D発見手順及びD2D通信を行う。
カバレッジ外又は部分的カバレッジでは、例えばUE100がD2D同期元となる。カバレッジ外では、D2D同期元であるUE100は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、例えばD2D同期信号により送信する。D2D同期信号は、端末間同期を確立するD2D同期手順において送信される信号である。D2D同期信号は、D2DSS及び物理D2D同期チャネル(PD2DSCH)を含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。PD2DSCHは、D2DSSよりも多くの情報を運搬する物理チャネルである。PD2DSCHは、上述したD2Dリソース情報(Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報)を運搬する。或いは、D2DSSにD2Dリソース情報を関連付けることにより、PD2DSCHを不要としてもよい。
D2D発見手順では、近傍端末を発見するための発見信号(以下、Discovery信号)が送信される。D2D発見手順の方式として、UE100に固有に割り当てられない無線リソースがDiscovery信号の送信に使用される第1の発見方式(Type 1 discovery)と、UE100毎に固有に割り当てられる無線リソースがDiscovery信号の送信に使用される第2の発見方式(Type 2 discovery)とがある。第2の発見方式では、Discovery信号の送信毎に個別に割り当てられた無線リソース、又は、半固定的(semi−persistently)に割り当てられた無線リソースが使用される。
また、D2D通信(D2D Communication)のモードとして、eNB200又はリレーノードがD2Dデータ(D2Dデータ及び/又は制御データ)を送信するための無線リソースを割り当てる第1のモード(Mode 1)と、UE100自身が、D2Dデータを送信するための無線リソースをリソースプールから選択する第2のモード(Mode 2)と、がある。UE100は、いずれかのモードでD2D通信を行う。例えば、RRCコネクティッド状態のUE100は、第1のモードでD2D通信を行い、カバレッジ外のUE100は、第2のモードでD2D通信を行う。
(D2D同期信号)
次に、D2D同期信号について、図6から図8を用いて説明する。図6は、本実施形態に係るD2D同期信号を説明するための図である。図7及び図8は、本実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。
図6に示すように、D2D同期元であるUE100−1が、D2D同期信号を送信するケースを想定する。
D2D同期元であるUE100−1は、図7に示すようなD2D通信用の無線リソース(受信リソースプール)を用いる。具体的には、D2D通信用の無線リソースは、SA領域とデータ領域とに時間方向に分けられる。D2D通信用の無線リソースの時間・周波数方向における幅、及びD2D通信用の無線リソースの周期は、固定されている。D2D通信用の無線リソースの時間方向における幅は、VoIPに特化するために、20msecの倍数であることが好ましい。また、VoIPが発生した場合の遅延を低減するために、D2D通信用の無線リソースの時間方向における幅は、40msecであることが好ましい。
SA領域は、複数のSAリソースプール(SA pool 0〜3)に周波数方向に分けられる。例えば、SAリソースプールの周波数方向における幅は、10RB又は12RBであり、SAリソースプールの時間方向における幅は、4サブフレームである。
データ領域は、複数のデータリソースプール(Data pool 0〜3)に周波数方向に分けられる。例えば、データリソースプールの周波数方向における幅は、10RB又は12RBであり、データリソースプールの時間方向における幅は、36サブフレームである。
複数のSAリソースプールのそれぞれと、複数のデータリソースプールのそれぞれとは、時間方向において対応付けられている。例えば、SAリソースプール0とデータリソースプール0とは、「0」のリソースプールIDによって対応付けられている。
D2D通信用の無線リソースは、SAリソース領域には、D2D同期信号を送信するための無線リソースプール(D2D同期プール)が配置されている。
具体的には、D2D同期プールは、時間方向において、SAリソース領域の先頭シンボルから所定のシンボル(例えば、0から13シンボル)まで配置され、且つ、周波数方向においてD2D通信用の無線リソースの周波数方向の中心の数RB(例えば、6RB)に亘って配置される。D2D同期プールの周期は、40msecで固定されていてもよい。
なお、第2のモードにおけるD2D通信用の無線リソースでは、第1のモードにおけるPUCCHに対応する部分は、ブランクである。
図8に示すように、D2D同期プールには、D2D同期信号を送信するためのD2D同期リソースが割り当てられる。D2D同期元であるUE100−1は、D2D同期信号を送信するための設定(D2DSS config.)がなされる。本実施形態では、D2D同期信号を送信するための設定として、時間方向におけるD2D同期リソースの位置が異なる(具体的には、重複しない)3種類の設定がある。D2D同期元であるUE100−1が、いずれかの設定を選択する。D2D同期信号どうしの干渉を抑制するために、UE100−1は、いずれかの設定をランダムに選択してもよいし、他のD2D同期元のUEから受信したD2D同期信号に基づいて、他のD2D同期元のUEが設定していない設定を選択してもよい。各設定によって、用いられるD2D同期リソースの時間位置が異なる。
上述したように、D2D同期信号は、D2DSS及びPD2DSCHを含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。加えて、D2DSSは、PD2DSCHを復調するために用いられる。D2DSSは、時間方向においてPD2DSCHを挟むように配置される。D2DSSの時間方向における幅は、例えば、1シンボルである。
PD2DSCHは、D2Dリソース情報を運搬する。具体的は、PD2DSCHは、D2D通信用の無線リソースの周波数帯幅(例えば、リソースプールID)を示す情報を含む。当該情報は、少ないビット(例えば、3ビット)で示されることが望ましい。また、PD2DSCHは、第2のモードで用いられる送信リソースプールを示す情報を含む。
PD2DSCHは、D2D同期信号に含まれる情報がeNB200由来の情報であるか否かを示す情報を含んでもよい。当該情報は、1ビットで示すことができる。eNB200由来の情報は、例えば、第1のモードにおけるリソースプール及び/又は第2のモードにおけるリソースプールを示す情報である。また、PD2DSCHは、D2D同期信号に含まれる情報が他のUE100から転送されている場合、ホップ数を示す情報を含んでもよい。なお、D2D同期信号に含まれる情報は、転送されないことが好ましい。
PD2DSCHは、CP長を指示するための情報を含んでもよい。当該情報は、1ビットで示すことができる。
PD2DSCHの信号系列は、D2D同期信号を送信するための設定の種類によって異なる。このため、PD2DSCHの信号系列に応じて、D2D同期信号がどこのリソースを用いて送信されたかを特定することができる。
なお、PD2DSCHの時間方向における幅は、例えば、2シンボルである。或いは、PD2DSCHの時間方向における幅は、3シンボル又は4シンボルであってもよい。
なお、カバレッジ外において用いられる受信リソースプールは、予め規定されている。
(実施形態に係る動作)
次に、実施形態に係る動作について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係る動作を説明するための説明図である。
図9に示すように、UE100−1は、eNB200が管理するセル250外に位置し、セル250においてRRCアイドル状態である。一方、UE100−2は、セル250内に位置し、セル250においてRRCコネクティッド状態である。或いは、UE100−2は、RRCアイドル状態であってもよい。
UE100−2は、少なくともD2D同期リソースプールをモニタしていると仮定して説明を進める。UE100−2は、D2D近傍サービスを利用するために、自発的にモニタしていてもよいし、eNB200からの指示に基づいて、モニタしていてもよい。
このような動作環境において、以下の動作が行われる。
ステップS10において、UE100−1は、D2D同期信号を送信する。UE100−2は、カバレッジ外のUEのD2DSSをモニタする。これにより、UE100−2は、D2D同期信号を受信(検知)する。
ステップS20において、UE100−2は、D2D同期信号を検知したことを示す検知情報(D2DSS detection indication)を、eNB200に送信する。UE100−2は、受信したD2D同期信号の受信レベル(例えば、受信強度)が所定値以上である場合に、検知情報をeNB200に送信してもよい。所定値は、例えば、D2D通信を行うために必要な受信電力値以上の値である。
また、UE100−2は、セル250内に位置していないUE100からD2D同期信号を受信した場合に、検知情報をeNB200に送信してもよい。従って、UE100−2は、セル250内に位置するUE100からD2D同期信号を受信した場合には、検知情報をeNB200に送信しなくてもよい。例えば、UE100−2は、D2D同期信号の送信元のUE100がセル外に位置することを示すフラグ情報がD2D同期信号に含まれる場合には、検知情報をeNB200に送信する。
検知情報は、検知情報の送信元UEの識別子(例えば、C−RNTI)だけでなく、検知情報の送信元UEの位置情報、受信した検知情報に含まれるD2D同期信号の送信元の識別子、D2D同期信号の受信電力などを含んでもよい。
eNB200は、UE100−2から受信した検知情報に基づいて、検知情報の送信元をD2D同期元に設定するための設定情報を送信するか否かを判定する。例えば、eNB200は、以下の少なくともいずれかの場合に、設定情報を送信しないと判定してもよい。
第1に、eNB200は、例えば、検知情報の送信元のUEの位置情報に基づいて、検知情報の送信元のUEの近くに、他のD2D同期信号を送信するUEが存在する場合、設定情報を送信しないと判定する。
第2に、eNB200は、D2D同期信号の送信元のUEが、セル250内に位置する場合、設定情報を送信しないと判定する。
第3に、eNB200は、検知情報に含まれるD2D同期信号の受信電力が所定値以上である場合、設定情報を送信しないと判定する。
ステップS30において、eNB200は、UE100−2をD2D同期元に設定するための設定情報(Sync Source indication)を含むメッセージ(例えば、RRCメッセージ)をUE100−2に送信する。
UE100−2は、eNB200から受信した設定情報に基づいて、D2D同期信号を送信するための設定を行う。
なお、設定情報は、第2のモードにおける送信リソースプールを示す情報を含んでもよい。また、設定情報は、CP長を指示するための情報を含んでもよい。
ステップS40において、UE100−2は、D2D同期信号の送信を開始する。UE100−1は、UE100−2からのD2D同期信号を受信する。D2D同期信号は、第2のモードで用いられる送信リソースプールを示す情報を含んでもよい。D2D同期信号は、当該D2D同期信号がeNB200由来か否かを示す情報を含んでもよい。
ステップS50において、UE100−1は、UE100−2からのD2D同期信号の受信に応じて、D2D同期信号の送信を停止する。UE100−2は、eNB200に由来するD2DSSを検出した場合に、D2D同期信号の送信を停止してもよい。その後、UE100−1は、UE100−2のD2DSSタイミングに従う。UE100−2は、部分的カバレッジ状態になる。
また、UE100−1は、UE100−2からのD2D同期信号に含まれる情報に基づいて、第2のモードで用いられる送信リソースプール(SAリソースプール及びデータリソースプール)を知ることができる。UE100−1は、UE100−2からのD2D同期信号に基づいて、同期している期間は、送信リソースプールを用いて、D2D通信を行うことができる。
(実施形態のまとめ)
本実施形態において、UE100−2は、UE100−1からD2D同期信号を受信した場合に、検知情報をeNB200に送信する。eNB200は、UE100−2から受信した検知情報に基づいて、UE100−2をD2D同期元に設定するための設定情報をUE100−2に送信する。これにより、eNB200は、検知情報によって、UE100−2の近くに他のUE(具体的には、UE100−1)が存在することを把握できるため、適切なUEをD2D同期元として設定することができる。
本実施形態において、UE100−2は、eNB200から受信した設定情報に基づいて、D2D同期信号の送信を開始する。UE100−1は、UE100−2からのD2D同期信号を受信した場合、D2D同期信号の送信を停止する。これにより、同期タイミングがずれたD2D同期信号が受信されることを低減できる。
本実施形態において、UE100−2は、第2のモードで用いられる送信リソースプールを示す情報を含むD2D同期信号を送信できる。これにより、UE100−1が、第2のモードで用いられる送信リソースプールを知らない場合であっても、第2のモードで用いられる送信リソースプールを知ることができる。その結果、UE100−1は、D2D通信における適切な無線リソースを選択することができる。
本実施形態において、UE100−2は、UE100−1からのD2D同期信号の受信レベルが所定値以上である場合に、検知情報をeNB200に送信できる。これにより、UE100−2は、D2D同期信号の受信品質が低いと予想される場合に、D2D同期信号を送信することを回避できる。従って、無駄なD2D同期信号の送信を回避できる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、D2D同期信号は、第2のモードにおける送信リソースプールを示す情報を含んでいたが、これに限られない。D2D同期信号は、第1の発見方式で用いられる送信リソースプールを示す情報を含んでもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願に係る内容を適用してもよい。
なお、米国仮出願第61/991051号(2014年5月9日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
[付記]
(A)第1部
(1)導入
この第1部では、同期リソース割り当てに関するさらなる詳細を検討する。
(2)同期リソース周期
この章では、同期リソース割り当てを提示する。データ領域の代わりにSA領域内にD2DSSを配置することは、全てのリソースがデータのためにのみ使用できるので、より効率的なデータ伝送を可能にする。40msとすべきSAリソースプール期間を提案する。従って、D2DSS周期は、40msに固定すべきである。さらに、SA領域の影響を低減するために、D2DSSは、SA領域の最初のサブフレームの中央6RBのみを使用する。図7は、SA及びデータリソースに関連するD2DSSのリソース割り当てを示す。
・提案1:データの影響を少なくするために、D2DSS周期は、SAリソースプールタイミングに配置されるべきである。
データ領域の代わりにSA領域内にD2DSSを配置することは、全てのリソースがデータのためにのみ使用できるので、より効率的なデータ伝送を可能にする。
(3)同期予約領域(synchronization reserved region)におけるリソース割り当て
この章では、同期予約領域におけるリソース割り当てを提案する。PD2DSCHが2つのD2DSS間に置かれることを提案する。D2DSS及びPD2DSCHの衝突はシステムに重大なダメージを与える。図8に示すように、D2DSS及びPD2DSCHの非衝突位置に関する3パターンを提案する。このパターンをD2DSS設定(D2D config.)と称する。D2DSSの系列は、PSSに基づき、D2DSS設定に関連付けられる。この系列は、D2DSS設定を示す。D2DSS/PD2DSCH衝突を避けるために、D2D UEは、図8における3パターンの1つを選択し、D2DSS/PD2DSCH送信毎に同じパターンを送信する。
・提案2:D2DSS及びPD2DSCHの割り当ては、衝突低減のためにいくつかのパターンを有するべきである。
同期元は、衝突低減のために、3パターンの1つをランダムに選択できる。同期元UEがD2DSS設定を検出し、検出したD2DSS設定を避けることを考慮できる。
・提案3:同期元は、衝突低減のために、3パターンの1つをランダムに選択できる。
(B)第2部
(1)導入
この第2部では、同期信号とチャネルデザインのためのさらなる詳細を検討する。
(2)D2DSS及びPD2DSCHの物理デザイン
この章では、D2DSS及びPD2DSCHの物理デザインについて考察する。PD2DSCHがサポートされ、同じサブフレーム内において送信できる場合、D2DSSがPD2DSCHを復調するために用いるべきであることを提案する。D2DSSは、効率的なデザインをもたらすPD2DSCH内のDMRSに関する必要性を取り除くことになる。図8は、提案の物理デザイン構造を示す。PD2DSCHを2つのD2DSS送信間に割り当てることを提案する。D2DSS/PD2DSCHの衝突を避けるために、D2D UEが図8に示される3パターンのうち1つを選択し、D2DSS/PD2DSCH送信の度に同じパターンを送信するということを提案する。
・提案1:もしPD2DSCHがサポートされる場合、D2DSSは、PD2DSCHを復調するために使用されるべきである。
・提案2:図8で示されるPD2DSCHが2つのD2DSS間に割り当てられるデザイン構造を考慮すべきである。
(3)PD2DSCHデザイン
システムパフォーマンスの観点の影響から、PD2DSCHのビットサイズは小さくすべきである。以下のPD2DSCHデザインを提案する。用いられるビット数を低減するために、予め規定された受信プール及び受信プールのインディケーションは必要ないことを考慮すべきである。
・提案3:PD2DSCHは、表1に示すように小さな数を有すべきである。表1は、PD2DSCHビットデザインを示す。
Figure 0006499166
(C)第3部
(1)導入
この第3部では、同期手順に関するさらなる詳細を考察する。
(2)同期系列デザイン
この第3部では、カバレッジ内に関連する合意の部分に焦点を当てる。合意事項に述べられた通り、UEは、少なくともeNBによってD2D同期元になるように設定された場合、D2D同期元になる。これは、カバレッジ外のD2D UEへの同期信号の転送が必要であることを暗示する。しかしながら、eNBは、どのUEがカバレッジ外のD2D UEのためのD2D同期元であるべきか分からない。この問題を解決するためのメカニズムを提案する。図9は、手順ステップを示し、図10は、提案手順に関するシグナリングを示す。メインコンセプトは、カバレッジ内D2D UEが、カバレッジ外D2D UEからのD2DSSをまず検出し(図9、ステップS10)、その後、検知情報(D2DSS検出インディケーション)を送ることによってサービングeNBに報告する(図9、ステップS20)。
・提案:カバレッジ内D2D UEが、検知情報(D2DSS検出インディケーション)を送ることによってサービングeNBに報告することを考慮すべきである。
検知情報の受信後、eNBは、検知情報を報告した同一UEを同期元として設定する(図9、ステップS30)。
図9のステップS40及び50は、カバレッジ外D2D UEがカバレッジ内D2D UEからのD2DSSの受信をどのように扱うかを示す。図10は、詳細ないくつかのシグナリングを提供する。
以上のように、本実施形態に係る通信制御方法、ユーザ端末及び基地局によれば、適切なユーザ端末をD2D同期元として設定できるため、移動通信分野において有用である。

Claims (5)

  1. セル内に位置するユーザ端末が、他のユーザ端末からのD2D同期信号を受信した場合に、前記D2D同期信号を検知したことを示す検知情報を、前記セルを管理する基地局に送信するステップ送信ステップと、 前記基地局が、前記ユーザ端末から受信した前記検知情報に基づいて、前記ユーザ端末をD2D同期元に設定するための設定情報を前記ユーザ端末に送信するか否かを判定するステップと、
    前記基地局が、前記判定結果に基づいて前記設定情報を送信するステップと、を備え、
    前記判定するステップにおいて、前記基地局が、前記検知情報に含まれるD2D同期信号の受信電力が第1所定値以上である場合、前記設定情報を送信しないと判定することを特徴とする通信制御方法。
  2. 前記ユーザ端末が、前記基地局から受信した前記設定情報に基づいて、D2D同期信号の送信を開始するステップと、
    前記他のユーザ端末が、前記ユーザ端末からの前記D2D同期信号を受信した場合、前記D2D同期信号の送信を停止するステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  3. 前記ユーザ端末が、D2D近傍サービスにおいて用いられるD2Dリソースを示す情報を含むD2D同期信号を送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  4. 前記検知情報を送信するステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記他のユーザ端末からの前記D2D同期信号の受信レベルが第2所定値以上である場合に、前記検知情報を前記基地局に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  5. 基地局であって、
    D2D同期信号を検知したことを示す検知情報をユーザ端末から受信する受信部と、
    前記ユーザ端末から受信した前記検知情報に基づいて、前記ユーザ端末をD2D同期元に設定するための設定情報を前記ユーザ端末に送信するか否かを判定する制御部と、
    前記判定結果に基づいて前記設定情報を送信する送信部と、を備え
    前記制御部は、前記検知情報に含まれるD2D同期信号の受信電力が第1所定値以上である場合、前記設定情報を送信しないと判定することを特徴とする基地局。
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