JP6488322B2 - ユーザ端末 - Google Patents

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Description

本発明は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられるユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)近傍サービスの導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のユーザ端末からなる同期クラスタ内で直接的な端末間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍端末を発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的な端末間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。
また、ユーザ端末は、D2D同期元である場合、D2D同期信号を送信し、D2D非同期元である場合、受信したD2D同期信号に基づいて同期する。
3GPP技術報告書 「TR 36.843 V12.0.1」 2014年3月27日
一実施形態に係るユーザ端末は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムおいて用いられる。前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末が、基地局のセル外に位置した状態において、前記セル外に位置する他のユーザ端末との間で直接的な端末間通信を実行するために、前記セル内に位置する同期元ユーザ端末から周期的に送信された第1のD2D同期信号を受信する第1処理を実行するコントローラを備る。前記第1のD2D同期信号は、当該第1のD2D同期信号の識別情報を含む。前記コントローラは、更に、前記第1のD2D同期信号を基準にして、前記他のユーザ端末に対して端末間通信用データを送信する第2処理と、前記識別情報を記憶する第3処理と、前記第2処理が実行されている間に、前記第1のD2D同期信号が受信されなくなった場合には、所定期間において、前記識別情報を用いて第2のD2D同期信号を生成し、該第2のD2D同期信号を前記他のユーザ端末に送信する第4処理と、前記第2のD2D同期信号とともに、あるいは前記第2のD2D同期信号を送信した後、前記端末間通信用データを前記他のユーザ端末に送信する第5処理と、を実行する。
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 図2は、第1実施形態に係るUEのブロック図である。 図3は、第1実施形態に係るeNBのブロック図である。 図4は、第1実施形態に係るプロトコルスタック図である。 図5は、第1実施形態に係る無線フレームの構成図である。 図6は、第1実施形態に係るD2D同期信号の送信動作を説明するための図である。 図7は、第1実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。 図8は、第1実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。 図9は、第1実施形態に係る動作を説明するための概略図である。 図10は、第1実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。 図11は、第2実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
[実施形態の概要]
セル内に位置するユーザ端末(以下、セル内ユーザ端末)とセル外に位置するユーザ端末(以下、セル外ユーザ端末)との同期を取るために、セル内ユーザ端末が、D2D同期信号を送信するD2D同期元として設定されることが想定される。この場合、D2D同期元であるセル内ユーザ端末からのD2D同期信号を受信できた複数のセル外ユーザ端末間で、同期がとれたものとして直接的な端末間通信が実行される。
この状況において、複数のセル外ユーザ端末間で、グループ通話やファイル転送が実行されているときに、D2D同期元であるセル内ユーザ端末からのD2D同期信号が何らかの要因で突然受信できなくなってしまうことが当然に予想される。その要因としては、D2D同期元であるセル内ユーザ端末が、RRC接続状態からアイドル状態に移行した場合等が考えられる。
このような場合、端末間通信が実行中であるにもかかわらず、複数のセル外ユーザ端末間で同期が維持されない状態になり、リアルタイムな端末間通信が継続されないという状態に陥ってしまう。
そこで、本実施形態は、複数のセル外ユーザ端末間で端末間通信を実行している間に、D2D同期元であるセル内ユーザ端末からのD2D同期信号を突然受信できなくなった場合であっても、リアルタイムな端末間通信を維持可能とすることを目的とする。
実施形態に係るユーザ端末は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。ユーザ端末は、前記ユーザ端末が、基地局のセル外に位置した状態において、前記セル外に位置する他のユーザ端末との間で直接的な端末間通信を実行するために、前記セル内に位置する同期元ユーザ端末から周期的に送信された第1のD2D同期信号を受信する第1処理を実行するコントローラを備る。前記第1のD2D同期信号は、当該第1のD2D同期信号の識別情報を含む。前記コントローラは、更に、前記第1のD2D同期信号を基準にして、前記他のユーザ端末に対して端末間通信用データを送信する第2処理と、前記識別情報を記憶する第3処理と、前記第2処理が実行されている間に、前記第1のD2D同期信号が受信されなくなった場合には、所定期間において、前記識別情報を用いて第2のD2D同期信号を生成し、該第2のD2D同期信号を前記他のユーザ端末に送信する第4処理と、前記第2のD2D同期信号とともに、あるいは前記第2のD2D同期信号を送信した後、前記端末間通信用データを前記他のユーザ端末に送信する第5処理と、を実行する。
実施形態において、前記同期元ユーザ端末は、前記第1のD2D同期信号が送信される将来のタイミングに関する時間情報を含んだ第1のD2D制御信号を更に送信する。前記コントローラは、前記第1処理において、前記第1のD2D制御信号を受信した場合には、前記第3処理において、前記時間情報を記憶する処理を実行する。前記コントローラは、前記第4処理において、前記第2のD2D同期信号を、前記時間情報に基づくタイミングで、前記他のユーザ端末に送信する処理を実行し、前記第5処理において、前記時間情報に基づくタイミングで、前記端末間通信用データを前記他のユーザ端末に送信する処理を実行する。
実施形態において、前記コントローラは、前記第4処理において、前記時間情報を含んだ第2のD2D制御信号を生成し、前記第2のD2D制御信号を送信する処理を実行する。前記コントローラは、前記第4処理において更に、前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信処理が継続していることを示す送信継続情報を送信する処理を実行する。
実施形態において、前記コントローラは、前記第4処理において、前記時間情報を含んだ第2のD2D制御信号を生成し、前記第2のD2D制御信号を送信する処理を実行する。前記コントローラは、前記第5処理において、前記所定期間に相当する所定量の前記端末間通信用データの送信動作が終了する場合には、所定のタイミングで、前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信を終了し、前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信を終了することを通知する処理を実行する。前記所定のタイミングは、前記端末間通信用のデータの送信が終了するタイミングの直前あるいは直後に到来する前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信タイミングである。
実施形態において、前記所定期間とは、前記同期元ユーザ端末から周期的に送信されるD2D同期信号の少なくとも1送信周期以上の期間に相当する期間である。
実施形態において、前記所定期間とは、前記ユーザ端末が前記端末間通信用のデータを送信する送信機会の少なくとも1送信機会以上の期間に相当する期間である。
実施形態において、前記所定期間とは、前記ユーザ端末が所定データ量の前記端末間通信用のデータを送信するために要する送信期間に相当する期間である。
実施形態に係る第2のユーザ端末は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムに用いられる。前記第2のユーザ端末は、前記第2のユーザ端末が、基地局のセル外に位置した状態において、前記セル外に位置する他のユーザ端末との間で直接的な端末間通信を実行するために、前記セル内に位置する同期元ユーザ端末から周期的に送信された第1のD2D同期信号、および当該第1のD2D同期信号が送信される将来のタイミングに関する時間情報を含んだ第1のD2D制御信号を受信する第1処理を実行するコントローラを備える。前記第1のD2D同期信号は、当該第1のD2D同期信号の識別情報を含む。前記コントローラは、更に、前記第1のD2D同期信号および前記第1のD2D制御信号に基づいて、前記他のユーザ端末から送信された端末間通信用データを受信する第2処理と、前記識別情報、および前記時間情報を記憶する第3処理と、前記第2処理が実行されている間に、少なくとも前記第1のD2D同期信号が受信されなくなった場合には、所定期間において、前記識別情報および前記時間情報に基づいて、前記他のユーザ端末から送信された第2のD2D同期信号を受信する第4処理と、前記第2のD2D同期信号とともに、あるいは、前記第2のD2D同期信号を受信した後、前記他のユーザ端末から前記端末間通信用データを受信する第5処理と、を実行する。
[第1実施形態]
以下において、第1実施形態に係るLTEシステムについて説明する。
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワーク(LTEネットワーク)が構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150は記憶部に相当し、プロセッサ160は制御部(コントローラ)に相当する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を、制御部を構成するプロセッサ160’(コントローラ)としてもよい。コントローラは、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240(コントローラ)を備える。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を、制御部を構成するプロセッサ240’(コントローラ)としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)、UE100への割当リソースブロックを決定(スケジューリング)するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
(D2D近傍サービス)
以下において、D2D近傍サービスについて説明する。実施形態に係るLTEシステムは、D2D近傍サービスをサポートする。D2D近傍サービスについては非特許文献1に記載されているが、ここではその概要を説明する。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のUE100からなる同期クラスタ内で直接的なUE間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍UEを発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的なUE間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。D2D通信は、Direct communicationとも称される。
同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ内に位置するシナリオを「カバレッジ内(In coverage)」という。同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「カバレッジ外(Out of coverage)」という。同期クラスタのうち一部のUE100がセルカバレッジ内に位置し、残りのUE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「部分的カバレッジ(Partial coverage)」という。
カバレッジ内では、例えばeNB200がD2D同期元となる。D2D非同期元は、D2D同期信号を送信せずにD2D同期元に同期する。D2D同期元であるeNB200は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、ブロードキャスト信号により送信する。D2Dリソース情報は、例えば、D2D発見手順に使用可能な無線リソースを示す情報(Discoveryリソース情報)及びD2D通信に使用可能な無線リソースを示す情報(Communicationリソース情報)を含む。D2D非同期元であるUE100は、eNB200から受信するD2Dリソース情報に基づいて、D2D発見手順及びD2D通信を行う。
カバレッジ外又は部分的カバレッジでは、例えばUE100がD2D同期元となる。カバレッジ外では、D2D同期元であるUE100は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、例えばD2D同期信号により送信する。
D2D同期信号は、端末間同期を確立するD2D同期手順において送信される信号である。D2D同期信号は、D2DSSを含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。
また、D2DSSが送信されるサブフレームと同じサブフレームにおいて、物理D2D同期チャネル(PD2DSCH)の信号が送信される。PD2DSCHは、D2DSSよりも多くの情報を運搬する物理チャネルである。PD2DSCHは、D2D制御信号である。PD2DSCHは、上述したD2Dリソース情報(Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報)を運搬できる。あるいは、D2DSSにD2Dリソース情報を関連付けることにより、PD2DSCHを不要としてもよい。
PD2DSCHは、D2D用のMaster Information Block(D2D−MIB)を伝送するためのチャネルとして利用される。D2D−MIBは、D2D通信で使用可能な周波数帯域幅(単位は、例えば、リソースブロック数)を示す情報や、D2D同期信号が送信される将来のタイミングに関する時間情報を含む。時間情報は、フレームの番号(DFN:Direct Frame Number)と、そのフレームの番号が示すフレーム内におけるサブフレームの番号(DSFN:Direct SubFrame Number)を少なくとも含む。なお、DFNは、System Frame Numberに相当し、DSFNは、SubFrame Numberに相当する。D2D同期信号が送信される将来のタイミングは、フレームの番号およびサブフレームの番号から特定可能である。
D2D同期信号は、D2D同期信号の送信タイミング基準がeNB200であるUE100によって送信される第1のD2D同期信号(D2DSSue_net)と、D2D同期信号の送信タイミング基準がeNB200でないUE100によって送信される第2のD2D同期信号(D2DSSue_oon)とがある。
D2D発見手順では、近傍端末を発見するための発見信号(以下、Discovery信号)が送信される。D2D発見手順の方式として、UE100に固有に割り当てられない無線リソースがDiscovery信号の送信に使用される第1の発見方式(Type 1 discovery)と、UE100毎に固有に割り当てられる無線リソースがDiscovery信号の送信に使用される第2の発見方式(Type 2 discovery)とがある。
第2の発見方式では、Discovery信号の送信毎に個別に割り当てられた無線リソース、又は、半固定的(semi−persistently)に割り当てられた無線リソースが使用される。
また、D2D通信(D2D Communication)のモードとして、eNB200又はリレーノードが、D2Dデータ(D2Dデータ及び/又は制御データ)を送信するための無線リソースを割り当てる第1のモード(Mode 1)と、UE100自身が、D2Dデータを送信するための無線リソースをリソースプールから選択する第2のモード(Mode 2)と、がある。UE100は、いずれかのモードでD2D通信を行う。例えば、RRCコネクティッド状態のUE100は、第1のモードでD2D通信を行い、カバレッジ外のUE100は、第2のモードでD2D通信を行う。
また、UE100は、D2D通信におけるデータの受信のための時間・周波数リソースの位置を示すスケジューリング割当(SA:Scheduling Assignment)を送信し、他のUE100は、SAによって示される時間・周波数リソースの位置を知ることによって、UE100からのデータを受信する。
(D2D同期信号)
次に、D2D同期信号について、図6から図8を用いて説明する。図6は、本実施形態に係るD2D同期信号を説明するための図である。図7及び図8は、本実施形態に係るD2D同期信号の送信に用いられる無線リソースの配置を説明するための図である。
図6に示すように、第1実施形態は、上述した「部分的カバレッジ(Partial coverage)」における動作を示す。
図6において、eNB200のセル(カバレッジ)内には、ユーザ端末100−1が位置される。ユーザ端末100−1は、eNB200との間でRRC接続状態であり、eNB200から下りリンクのデータを受信中であるものとする。eNB200のセル外には、ユーザ端末100−2及びユーザ端末100−3が位置されている。ユーザ端末100−2は、ユーザ端末100−3に対してD2D通信(端末間通信)用データ(Proximity based Servicesデータ)(ProSeデータ)を送信中であるものとする。D2D通信用データは、音声データやFTPデータ等のアプリケーションに関するデータである。ユーザ端末100−3は、ユーザ端末100−2から送信されたD2D通信用データを、eNB200を含むネットワークを介さずに直接的に受信する。なお、図6において、説明の便宜上、ユーザ端末100−3が1台だけ示されているが、本実施形態では、少なくとも1台以上のユーザ端末100−3が位置されることを意味する。
次に、図6において、eNB200とユーザ端末100−1との同期関係(同期関係{A})と、ユーザ端末100−1/100−2/100−3における三者間の同期関係(同期関係{B})について説明する。
(同期関係{A})
まず、eNB200のカバレッジ内では、eNB200が、ユーザ端末100−1との関係ではD2D同期元となる(eNB={A} Synchronization source)。ユーザ端末100−1は、D2D非同期元となる(UE={A} Un−Synchronization source)。D2D非同期元は、D2D同期元に同期する。eNB200は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、ブロードキャスト信号(例えばSystem Information Block:SIB)により送信する。
(同期関係{B})
ユーザ端末100−1は、eNB200との関係ではD2D非同期元であるが、ユーザ端末100−2及びユーザ端末100−3との関係ではD2D同期元となる(UE={B} Synchronization source)。ユーザ端末100−2及びユーザ端末100−3は、D2D非同期元となる(UE={B} Un−Synchronization source)。ユーザ端末100−1は、eNB200から受信したD2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、ブロードキャスト信号(例えばSystem Information Block)により送信する。
次に、上述した「同期関係(B)」におけるD2D同期元のUE100−1が、D2D同期信号を送信するケースについて説明する。
D2D同期元であるUE100−1は、図7に示すようなD2D通信用の無線リソース(リソースプール)を用いる。具体的には、D2D通信用の無線リソースは、SA領域とデータ領域とに時間方向に分けられる。D2D通信用の無線リソースの時間・周波数方向における幅、及びD2D通信用の無線リソースの周期は、固定されている。D2D通信用の無線リソースの時間方向における幅は、VoIPのサポートをするために、少なくとも20msecの倍数の設定にできることが好ましい。
SA領域は、複数のSAリソースプール(SA pool 0〜3)に周波数方向に分けられる。例えば、SAリソースプールの周波数方向における幅は、10RB又は12RBであり、SAリソースプールの時間方向における幅は、4サブフレームである。
データ領域は、複数のデータリソースプール(Data pool 0〜3)に周波数方向に分けられる。例えば、データリソースプールの周波数方向における幅は、10RB又は12RBであり、データリソースプールの時間方向における幅は、36サブフレームである。
複数のSAリソースプールのそれぞれと、複数のデータリソースプールのそれぞれとは、時間方向において対応付けられている。例えば、SAリソースプール0とデータリソースプール0とは、「0」のリソースプールIDによって対応付けられている。
D2D通信用の無線リソースは、SAリソース領域には、D2D同期信号及びD2D制御信号を送信するための無線リソースプール(D2D同期プール)が配置されている。
D2D同期信号は、D2D同期信号用の識別情報(D2DSS−ID)を含む。D2DSS−IDは、eNB200からUE100−1に対して、事前に、SIBやRRC Connection Reconfigurationメッセージ等により運ばれるか、予め、UE100−1が記憶しているものが利用される。D2DSS−IDは、D2D同期信号やD2D制御信号の符号化・復号化に利用される。D2DSS−IDが示すシーケンスは、D2D同期信号(D2DSS)を生成するときに使用されるが、その他の処理に利用されてもよい。D2DSS−IDは、D2D同期元であるUE100−1の識別子又は種別を識別可能に構成されてもよい。
D2D同期プールは、時間方向において、SAリソース領域の先頭シンボルから所定のシンボル(例えば、0から13シンボル)まで配置され、且つ、周波数方向においてD2D通信用の無線リソースの周波数方向の中心の数RB(例えば、6RB)に亘って配置される。D2D同期プールの周期は、40msecで固定されていてもよい。
なお、第2のモードにおけるD2D通信用の無線リソースでは、第1のモードにおけるPUCCHに対応する部分は、ブランクである。
図7に示すようなD2D通信用の無線リソース(SA領域とデータ領域とのセット)を時間方向において複数設けることができる。
図8に示すように、D2D同期プールには、D2D同期信号を送信するためのD2D同期リソースが割り当てられる。D2D同期元であるUE100−1は、D2D同期信号を送信するための設定(D2DSS config)がなされる。
第1実施形態では、図8に示すように、D2D同期信号を送信するための設定として、時間方向におけるD2D同期リソースの位置が異なる(具体的には、重複しない)2種類の設定がある。第1の発見方式では、D2D同期元であるUE100−1が、いずれかの設定を選択する。
D2D同期信号どうしの干渉を抑制するために、UE100−1は、いずれかの設定をランダムに選択してもよいし、他のD2D同期元のUEから受信したD2D同期信号に基づいて、他のD2D同期元のUEが設定していない設定を選択してもよい。各設定によって、用いられるD2D同期リソースの時間位置が異なる。
第1の発見方式では、UE100−1は、SIB又は専用のRRCシグナリングによって、D2D同期信号を送信するための(事前)設定がなされる。一方、第2の発見方式では、D2D同期元であるUE100−1は、eNB200からの指示によって、いずれかの設定を選択する。
上述したように、D2D同期信号は、D2DSSを含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。加えて、D2DSSは、PD2DSCHを復調するために用いられる。D2DSSの時間方向における幅は、例えば、2シンボルである。
D2DSSは、PD2DSS及びSD2DSSを含む。PD2DSSは、PSSと同様の役割であり、SD2DSSは、SSSと同様の役割である。PD2DSSは、D2D通信におけるプライマリ同期信号である。SD2DSSは、D2D通信におけるセカンダリ同期信号である。PD2DSS及びSD2DSSの時間方向における幅は、例えば、1又は2シンボルである。時間方向において、PD2DSS、SD2DSSの順に配置される。
PD2DSCHは、D2Dリソース情報を運搬する。具体的は、PD2DSCHは、D2D通信用の無線リソースの周波数帯幅(例えば、リソースプールID)を示す情報を含んでもよい。当該情報は、少ないビット(例えば、3ビット)で示されることが望ましい。また、PD2DSCHは、第2のモードで用いられるリソースプールを示す情報を含む。
PD2DSCHは、D2D同期信号に含まれる情報がeNB200由来の情報であるか否かを示す情報を含んでもよい。当該情報は、1ビットで示すことができる。eNB200由来の情報は、例えば、第1のモードにおけるリソースプール及び/又は第2のモードにおけるリソースプールを示す情報である。また、PD2DSCHは、D2D同期信号に含まれる情報が他のUE100から転送されている場合、ホップ数を示す情報を含んでもよい。なお、D2D同期信号に含まれる情報は、転送されないことが好ましい。
PD2DSCHは、CP長を指示するための情報を含んでもよい。当該情報は、1ビットで示すことができる。
PD2DSCHの信号系列は、D2D同期信号を送信するための設定の種類によって異なる。このため、PD2DSCHの信号系列に応じて、D2D同期信号がどこのリソースを用いて送信されたかを特定することができる。
なお、PD2DSCHの時間方向における幅は、例えば、4シンボルである。また、カバレッジ外において用いられるリソースプールは、予め規定されている。
図8において、PD2DSCHは、上述したD2D−MIBを運ぶための無線リソースとして利用されるので、PD2D−BCH(D2D用のPBCH{Physical Broadcast Channel})と表わしてもよい。PD2DSCH(PD2D−BCH)はブロードキャストされる。PD2DSCH(PD2D−BCH)は、D2D同期プールに含まれる。
(第1実施形態に係る動作)
次に、第1実施形態に係る動作について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、第1実施形態に係る動作を説明するための概略図である。図10は、第1実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
図9の(a)が示す動作状態は、図6が示す動作状態の内容と概略において同じである。また、図9の(b)が示す内容は、図9の(a)が示す状態の次の状態に対応した内容を示す。図9の(c)が示す内容は、図9の(b)が示す状態の次の状態に対応した内容を示す。
図9の(a)において、UE100−1は、UE100−2とUE100−3のD2D同期元となっている。UE100−1は、eNB200と同期してeNB200からの下りリンクデータを受信している。この状態において、UE100−1は、例えば40msecに一度、つまり、周期的に、上述したD2D同期プール(第1D2D同期プール)を報知する(ステップS1)。
UE100−2およびUE100−3は、UE100−1からの第1D2D同期プールを受信すると、第1D2D同期プールに含まれる少なくともD2D同期信号(D2DSS)に基づいてUE100−1と同期をとる(ステップS2)。UE100−2(UE100−3)は、受信した第1D2D同期プールに含まれるD2D同期信号の情報要素であるD2DSS−IDとD2D−MIBの情報要素(DFN/DSFN等)とを、メモリ150に記憶する(図10のステップS2−1)。UE100−2(UE100−3)は、第1D2D同期プールに含まれる全ての情報要素をメモリ150に記憶してよい。UE100−2およびUE100−3は、それぞれUE100−1と同期をとることにより、UE100−2とUE100−3との間でも同期する状態となる。つまり、UE100−1とUE100−2とUE100−3の三者間で同期している状態となる。
UE100−2とUE100−3が同期している状態において、UE100−2からUE100−3にD2D通信用データが送信される(ステップS3)。ステップS3において、UE100−3は、UE100−2から送信されたD2D通信用データを、eNB200を含むネットワークを介さずに直接的に受信する。
次に、図9の(b)に示すように、UE100−1が、例えば、eNB200からの下りリンクデータの受信を完了すると、RRC接続状態からRRCアイドル状態に移行してしまう。そうすると、UE100−1は、D2D同期プールの報知動作を停止する(ステップS4)。つまり、UE100−1は、第1D2D同期信号の報知動作を停止する。UE100−2およびUE100−3は、それまで周期的に受信できていたUE100−1からの第1D2D同期プールを、突然受信することができなくなってしまう。
このような場合、UE100−2およびUE100−3は、UE100−1からの第1D2D同期プール(少なくともD2D同期信号{D2DSS})が受信されないと判断する(図10のステップS5)。すなわち、UE100−2およびUE100−3は、少なくともD2D同期信号が消失したことを理解する。
UE100−2およびUE100−3は、そのように判断(理解)すると、図9(c)に示すように、所定期間の間、自UEが、D2D非同期元からD2D同期元に切り替わることを決める。そして、UE100−2は、メモリ150に記憶された第1D2D同期プールの情報要素を用いて、後述する第2D2D同期プールを生成し、生成された第2D2D同期プールを送信する、と決める(図10のステップS6)。なお、UE100−2は、UE100−1からの第1D2D同期プールが受信されなくなってから一定の期間経過後に、前記ステップS6を実行してもよい。UE100−2は、タイマーによって前記一定の期間を計時してもよい。
これに対して、UE100−3は、UE100−1からの第1D2D同期プールが消失したことを理解すると、自UEが、D2D非同期元からD2D同期元に切り替わるとは決めない。UE100−3は、UE100−2からのD2D通信用データの受信処理を一次的に停止する。このとき、UE100−3は、次のD2D同期元候補となり得るUE100を探すために、周辺のUE100からの所定の信号の受信品質を測定する処理(例えば、RSRPの測定処理)を実行する。なお、「所定期間」の定義については後述する。
UE100−2は、第2D2D同期プールを送信することを決めると(図10のステップS6)、メモリ150に記憶された第1D2D同期プールの情報要素を用いて第2D2D同期プールを生成する(図10のステップS7)。この場合、UE100−2は、メモリ150に記憶されたD2DSS−IDを用いて第2D2D同期信号(図10のD2DSS−2)を生成する。また、UE100−2は、メモリ150に記憶されたD2D−MIBの情報要素を用いて第2D2D−MIB(図10のD2D−MIB−2)(第2D2D制御信号)を生成する。UE100−2は、第2D2D−MIBを生成するにあたり、UE100−2がD2D通信用のデータを送信する動作を継続していることを示すD2D送信継続情報(ビット情報)を第2D2D−MIBに含める。UE100−2は、第2D2D同期信号と第2D2D制御信号を送信するための第2D2D同期プールを生成する。
UE100−2は、第2D2D同期プールを、メモリ150に記憶されたDFN/DSFNが示す送信機会のタイミングで送信する(ステップS8)。図10は、UE100−2が、第2D2D同期プールを複数回の送信機会(送信タイミング)で送信していることを示す。UE100−2は、第2D2D同期プールを送信するタイミングにおいて、例えば、一定量のD2D通信用のデータを送信する。なお、UE100−2は、D2D通信用データを、第2D2D同期プールを送信するタイミングとは異なるタイミングで送信してもよい。なお、図10は、一定量のD2D通信用データを送信する例を示している。一定量のD2D通信用データを送信する期間は、後述する「所定期間(C)」に対応する。
UE100−3は、UE100−2からの第2D2D同期プールを受信すると、第2D2D同期プールの第2D2D−MIB(D2D−MIB−2)に含まれたD2D送信継続情報によって、UE100−2からのD2D通信用データの送信が継続されることを理解する。そうすると、UE100−2は、仮に、周辺UE100からのRSRPから、次のD2D同期元候補となり得る別のUE100−4(図示せず)が検出された場合であっても、そのUE100−4をD2D同期元として設定しない。この段階では、UE100−3は、D2D同期元がUE100−1であると理解したままであるが、UE100−2からの第2D2D同期プールに含まれる第2D2D同期信号(D2DSS−2)に基づいて、UE100−2に同期する。
UE100−3は、UE100−2に同期した状態で、UE100−2からのD2D通信用データの受信処理を再開する。
(所定期間について)
(1)所定期間(A)
所定期間(A)は、同期元ユーザ端末(UE100−2)から周期的に送信される第2D2D同期信号(D2DSS−2)の少なくとも1送信周期以上の期間に相当する期間である。これは、UE100−2が、D2DSS−2を送信する送信タイミング(送信機会)の所定回数分に相当する期間を意味する。具体的には、例えば、UE100−2が、40msecに1回の送信機会でD2DSS−2を送信する場合に、その送信機会の所定回数分の期間に対応する。
(2)所定期間(B)
所定期間(B)は、ユーザ端末(UE100−2)が、D2D通信用データ(端末間通信用データ)を送信する送信機会の少なくとも1送信機会以上の期間に相当する期間である。具体的には、ユーザ端末(UE100−2)が、D2D通信用データを送信するために用いられる無線リソースプールの期間の、少なくとも1期間分以上に相当する期間である。これは、送信用の無線リソースプールの所定数ピリオド分に相当する期間である。
(3)所定期間(C)
所定期間(C)は、ユーザ端末(UE100−2)が、所定データ量のD2D通信用データ(端末間通信用データ)を送信するために要する送信期間に相当する期間である。具体的には、(i)D2D通信用データがFTPデータである場合において、1ファイル分のデータの送信が完了するまでに要する時間(期間)、(ii)D2D通信用データがPTT(プッシュトゥートーク)のデータである場合において、ユーザがプッシュボタンを離すまでに送信されるデータについての、そのデータの送信が完了するのに要する時間(期間)、(iii)一定周期を一単位として、ユーザ端末(UE100−2)が、所定単位数分(一定回数分)繰り返して送信するDiscovery信号の最後の信号の送信が完了するのに要する時間(期間)、(iv)第1のユーザ端末(UE100−2)から第2のユーザ端末(UE100−3)に、転送用のD2D通信用のデータを送信する場合における、転送が完了するまでに要する時間(期間)、等である。なお、所定期間(C)は、ユーザ端末(UE100−2)がD2D通信用データを送信する場合における、該ユーザ端末のバッファに保持されたバッファ量に基づいて算出されてもよい。
次に、図10に示すように、UE100−2は、上述した所定期間が満了する前後において、UE100−3に対して、第2D2D同期信号および第2D2D制御信号の送信を終了することを通知する。
具体的には、UE100−2は、例えば、上述した所定期間(C)に相当する所定量のD2D通信用のデータの送信動作が終了しようとする場合には、当該D2D通信用のデータの送信が終了するタイミングの直前あるいは直後に到来する、第2D2D同期信号および第2D2D制御信号の送信タイミングにおいて、第2D2D同期信号および前記第2D2D制御信号の送信を終了することを示す送信終了通知をUE100−3に送信する。UE100−2は、前記送信終了通知を第2D2D同期プールに含めてUE100−3に送信する。その後、UE100−2は、上述した送信終了通知後において、第2D2D同期プールおよびD2D通信用データの送信を終了する(ステップS9)。UE100−2から送信終了通知を受信したUE100−3は、UE100−2からのD2D通信用データの送信が完了することを理解して、D2D通信用データの受信処理を終了する。
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
第1実施形態では、ステップS5において、UE100−3は、UE100−1からの第1D2D同期プール(少なくともD2DSS)が消失したことを理解すると、次のD2D同期元候補となり得るUE100を探すために、周辺のUE100からのRSRPを測定する処理を実行した。これに対して、第2実施形態では、ステップS5において、UE100−3は、UE100−1からの第1D2D同期プール(少なくともD2DSS)が消失したことを理解すると、次のD2D同期元候補となり得るUE100を探すために、周辺のUE100からのRSRPを測定する処理を実行しない。UE100−3は、自UEのメモリ150に記憶していた第1D2D同期プールの情報要素(D2DSS−IDやDFN/DSFN等)を用いて、D2D通信用データの受信動作を継続する(ステップS5A)。
また、第1実施形態では、ステップS7において、UE100−2は、第2D2D同期プールを生成するにあたり、UE100−2がD2D通信用データを送信する動作を継続していることを示すD2D送信継続情報(ビット情報)を含めた。しかし、第2実施形態では、D2D送信継続情報を含めずに第2D2D同期プールを生成する(ステップS7A)。それ以外は、第1実施形態の内容と同じである。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
[相互参照]
日本国出願第2015−023523号(2015年2月9日)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。
本発明は、通信分野において有用である。

Claims (9)

  1. D2D(Device to Device)近傍サービスをサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末であって、
    前記ユーザ端末が、基地局のセル外に位置した状態において、前記セル外に位置する他のユーザ端末との間で直接的な端末間通信を実行するために、前記セル内に位置する同期元ユーザ端末から周期的に送信された第1のD2D同期信号を受信する第1処理を実行するコントローラを備え、
    前記第1のD2D同期信号は、当該第1のD2D同期信号の識別情報を含み、
    前記コントローラは、更に、
    前記第1のD2D同期信号を基準にして、前記他のユーザ端末に対して端末間通信用データを送信する第2処理と、
    前記識別情報を記憶する第3処理と、
    前記第2処理が実行されている間に、前記第1のD2D同期信号が受信されなくなった場合には、所定期間において、前記識別情報を用いて第2のD2D同期信号を生成し、該第2のD2D同期信号を前記他のユーザ端末に送信し、かつ、前記端末間通信用データを送信することが継続していることを示す送信継続情報を前記他のユーザ端末に送信する第4処理と、
    前記第2のD2D同期信号とともに、あるいは前記第2のD2D同期信号を送信した後、前記端末間通信用データを前記他のユーザ端末に送信する第5処理と、を実行するユーザ端末。
  2. 前記同期元ユーザ端末は、前記第1のD2D同期信号が送信される将来のタイミングに関する時間情報を含んだ第1のD2D制御信号を更に送信し、
    前記コントローラは、
    前記第1処理において、前記第1のD2D制御信号を受信した場合には、前記第3処理において、前記時間情報を記憶する処理を実行し、
    前記第4処理において、前記第2のD2D同期信号を、前記時間情報に基づくタイミングで、前記他のユーザ端末に送信する処理を実行し、
    前記第5処理において、前記時間情報に基づくタイミングで、前記端末間通信用データを前記他のユーザ端末に送信する処理を実行する請求項1に記載のユーザ端末。
  3. 前記コントローラは、
    前記第4処理において、前記時間情報を含んだ第2のD2D制御信号を生成し、前記第2のD2D制御信号を送信する処理を実行し、
    前記コントローラは、前記第4処理において更に、
    前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信処理が継続していることを示す送信継続情報を送信する処理を実行する請求項2に記載のユーザ端末。
  4. 前記コントローラは、
    前記第4処理において、前記時間情報を含んだ第2のD2D制御信号を生成し、前記第2のD2D制御信号を送信する処理を実行し、
    前記コントローラは、
    前記第5処理において、前記所定期間に相当する所定量の前記端末間通信用データの送信動作が終了する場合には、所定のタイミングで、前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信を終了し、前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信を終了することを通知する処理を実行し、
    前記所定のタイミングは、前記端末間通信用のデータの送信が終了するタイミングの直前あるいは直後に到来する前記第2のD2D同期信号および前記第2のD2D制御信号の送信タイミングである請求項2に記載のユーザ端末。
  5. 前記所定期間とは、前記同期元ユーザ端末から周期的に送信される第1のD2D同期信号の少なくとも1送信周期以上の期間に相当する期間である請求項1又は2記載のユーザ端末。
  6. 前記所定期間とは、前記ユーザ端末が前記端末間通信用データを送信する送信機会の少なくとも1送信機会以上の期間に相当する期間である前記請求項1又は2記載のユーザ端末。
  7. 前記所定期間とは、前記ユーザ端末が所定データ量の前記端末間通信用データを送信するために要する送信期間に相当する期間である前記請求項1又は2記載のユーザ端末。
  8. 前記コントローラは、
    前記第5処理において、前記所定期間に相当する所定量の前記端末間通信用データの送信動作が終了する場合には、所定のタイミングで、前記第2のD2D同期信号の送信を終了し、前記第2のD2D同期信号の送信を終了することを通知する処理を実行し、
    前記所定のタイミングは、前記端末間通信用のデータの送信が終了するタイミングの直前あるいは直後に到来する前記第2のD2D同期信号の送信タイミングである請求項1に記載のユーザ端末。
  9. D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末であって、
    前記ユーザ端末が、基地局のセル外に位置した状態において、前記セル外に位置する他のユーザ端末との間で直接的な端末間通信を実行するために、前記セル内に位置する同期元ユーザ端末から周期的に送信された第1のD2D同期信号、および当該第1のD2D同期信号が送信される将来のタイミングに関する時間情報を含んだ第1のD2D制御信号を受信する第1処理を実行するコントローラを備え、
    前記第1のD2D同期信号は、当該第1のD2D同期信号の識別情報を含み、
    前記コントローラは、更に、
    前記第1のD2D同期信号および前記第1のD2D制御信号に基づいて、前記他のユーザ端末から送信された端末間通信用データを受信する第2処理と、
    前記識別情報、および前記時間情報を記憶する第3処理と、
    前記第2処理が実行されている間に、少なくとも前記第1のD2D同期信号が受信されなくなった場合には、所定期間において、前記識別情報および前記時間情報に基づいて、前記他のユーザ端末から送信された第2のD2D同期信号を受信し、かつ、前記端末間通信用データを送信することが継続していることを示す送信継続情報を前記他のユーザ端末から受信する第4処理と、
    前記第2のD2D同期信号とともに、あるいは、前記第2のD2D同期信号を受信した後、前記他のユーザ端末から前記端末間通信用データを受信する第5処理と、を実行するユーザ端末。
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