JP6446283B2 - ラミネート型リチウム一次電池 - Google Patents

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Description

本発明はラミネートフィルムからなる外装体内にリチウム金属からなる負極を備えた電極体を収納してなるラミネート型リチウム一次電池に関する。
近年、電子ペーパー、ICタグ、ICカード、カード型電子キーなど、電源を内蔵した様々な枚葉状の薄型電子機器が実用化されている。そしてこれらの電源として、小型薄型化に適したラミネート型リチウム一次電池がある。図1にラミネート型リチウム一次電池1の基本構造を示した。図1(A)はラミネート型リチウム一次電池1の外観図であり、図1(B)は当該電池1の内部構造を示す分解斜視図である。なお図1(B)では一部の部材にハッチングを施し、他の部材と区別しやすいようにしている。ここに示したラミネート型リチウム一次電池1は、図1(A)に示したように平板状の外観形状を有している。そして矩形平面形状を有するラミネートフィルムの外装体11の一辺側には外装体11の内側から外側に向かって正極端子板23および負極端子板33が導出されている。
また図1(B)に示したように、外装体11は2枚のラミネートフィルム(11a、11b)の周囲を熱溶着したものであり、その熱溶着された枠状部分(以下、シール部50とも言う)の内側にシート状の正極20とシート状のリチウム金属からなる負極(以下、負極リチウム30とも言う)をセパレータ40を介して積層した電極体10が配置されている。そしてこの電極体10が非水系有機溶媒を用いた電解液(以下、非水電解液とも言う)とともに外装体11内に封入されている。
より具体的には、図中に示したように電極体10における正極20を上方として正極20、セパレータ40および負極30の積層方向を上下方向とすると、正極20は金属箔などからなる正極集電体21の下面側にスラリー状の正極材料22を塗布して乾燥させたものである。またこの例では正極集電体21に帯状の凸部が一体的に形成され、この凸部の先端側が外装体11の外側に導出され、外装体11の外側に露出した部分が正極端子板23となる。負極リチウム30の下面には帯状の金属板31が取り付けられ、その金属板31の一部が外装体の外側に導出されて負極端子板33を形成している。なおここでは一組の電極体10を備えたラミネート型リチウム一次電池1を示したが、外部機器が必要とする出力電圧や電池容量などに応じて複数組の電極体10を上下方向に積層する場合もある。
ところで外装体の構造の如何を問わず、リチウム一次電池などのように、動作電圧が高く、かつ燃えやすい非水電解液を備えた電池では、電池内部の温度上昇に対して特段の安全対策を施す必要がある。そこでリチウム一次電池では、高温時に溶けて正負極間の電流を遮断させるシャットダウン機能を有する樹脂素材(例えば、ポリエチレン)からなるセパレータを用いている。なお以下の非特許文献1には、非水電解液を用いた電池の安全性評価基準やセパレータにおけるシャットダウン機能などについて記載されている。
株式会社NTTファシリティーズ研究所、"リチウムイオン電池の内部短絡と安全性試験"、[online]、[平成27年1月22日検索]、インターネット<URL:https://www.ntt-fsoken.co.jp/research/pdf/2007_ichi.pdf>
周知のごとくリチウム金属は水と激しく反応して発熱する。そしてラミネート型リチウム一次電池のようにラミネートフィルムを外装体とした電池は、金属缶を用いた電池と比較すると外部から水分が侵入し易いという問題がある。したがってラミネート型リチウム一次電池では、シャットダウン機能を備えたセパレータが必須の構成であった。
またリチウムと水分が反応すると水酸化リチウムが生成される。リチウム一次電池ではこの水酸化リチウムが放電容量の低下などの電池寿命の低下の原因となる。しかもラミネート型リチウム一次電池では、負極リチウムが薄い箔状でリチウム金属自体の量が少ないことから水酸化リチウムの生成が僅かであっても電池寿命の低下がより顕著となる。
さらにラミネート型リチウム一次電池には大容量化が他の電池にもまして求められている。例えば、ICカードのように使用期限がある使い捨て用途でありながら、その使用期間が数年にも及ぶような薄型電子機器にラミネート型リチウム一次電池を用いる場合では、安定した動作電圧を長い使用期間にわたって確実に出力できることが必要となる。しかし、ICカードなど外形サイズが規格によって決まっている場合では、ラミネート型リチウム一次電池の外形を大きくすることができない。そのため電極体の面積を大きくするとともに、シール部の幅を狭くしてその電極体の収納領域を確保することになるが、シール幅を狭くするとラミネートフィルムの封止性能が劣化し、水分が侵入し易くなる。確かに、封止性能を確保しつつ大容量化を達成するための方法として、シール幅を狭めた上でラミネートフィルムをより高い温度と圧力で溶着することが考えられる。ところが従来よりも高い温度でラミネートフィルムを溶着したところ、シャットダウン機能が劣化するという新たな問題が発生した。
そこで本発明は、外部からの水分侵入による電池寿命の低下を抑制するとともに、安全性を確保しながら電池容量の増加も可能なラミネート型リチウム一次電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、リチウム金属を負極としたリチウム一次電池であって、1枚のシート状の正極と1枚のシート状の前記リチウム金属からなる負極とがシート状のセパレータを介して上下方向に積層されてなる電極体を1組のみ備えるとともに、当該電極体が非水系有機電解液とともにラミネートフィルムからなる外装体内に密閉状態で収納されてなり、前記外装体は上下方向に積層されたラミネートフィルムの周囲が熱溶着されて内部が密閉されており、前記セパレータはセルロースからなることを特徴とするラミネート型リチウム一次電池としている。外装体内の水分量が300ppm以上1000ppm以下であるラミネート型リチウム一次電池とすることもできる。
本発明のラミネート型リチウム一次電池によれば、外部からの水分侵入による電池寿命の低下を抑制することができるとともに、安全性を確保しながら電池容量の増加も可能である。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
一般的なラミネート型リチウム一次電池の構造を示す図である。 本発明の実施例、および比較例に係るラミネート型リチウム一次電池における各部位のサイズを説明するための図である。 上記実施例に対する外部短絡試験の結果を示す図である。 上記実施例と比較例における信頼性試験の経過日数と内部抵抗との関係を示す図である 上記実施例と比較例における信頼性試験の経過日数と放電容量との関係を示す図である 上記信頼性試験後の実施例と比較例のそれぞれの負極表面の電子顕微で写真である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。
===本発明を想到する過程===
上述したように、負極リチウムを用いたラミネート型リチウム一次電池では、電池容量の増加と外装体の封止性能とを両立させることが難しい。そこで本発明者がラミネート型リチウム一次電池の容量増加と封止性能向上の両立を図るべく検討を行っている過程で、ICカードなどに電源として組み込まれるラミネート型リチウム一次電池では電極体が1組のみで構成されていることが多く、この1組の電極体を備えたラミネート型リチウム一次電池では、電池内で発生した熱が外装体に直ちに伝達して速やかに放熱されることを知見した。そこでラミネート型リチウム一次電池において、セパレータによるシャットダウン機能を維持しつつ封止性能を向上させるという従来の発想から、シャットダウン機能のない素材からなるセパレータを使いつつ安全性を確保するという発想に転換した。本発明はこのような考察に基づいて鋭意研究を重ねた結果、想到したものである。
===実施例===
本発明の実施例に係るラミネート型リチウム一次電池の構造は図1に示した1組の電極体10を備えたものと同じである。しかし実施例に係るラミネート型リチウム一次電池では、セパレータ40の素材としてセルロースを採用している点に特徴がある。セルロースは植物繊維からなり、従来のラミネート型リチウム一次電池用セパレータの素材であるポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂とは異なり、シャットダウン機能を有していない。すなわちシャットダウン機能が劣化するという問題自体が原理的に存在しない。
もちろんセルロースからなるセパレータ(以下、セルロースセパレータとも言う)を用いることで安全性や電池性能が低下しては実用上問題がある。そこで本発明の実施例に係るラミネート型リチウム一次電池の性能を評価するために、セルロースセパレータを用いたラミネート型リチウム一次電池と、樹脂素材(例えば、ポリプロピレンからなる不織布)からなる従来のセパレータ(以下、樹脂セパレータとも言う)を用いたラミネート型リチウム一次電池をサンプルとして作製し、各サンプルに対して様々な試験を行った。
===サンプルの作製手順===
サンプルの基本的な構造や構成はセパレータの素材以外は図1に示したものと同じである。以下に図1を参照しつつサンプルの作製手順について説明する。まずスラリー状の正極材料22を厚さ10〜30μmのアルミ箔かならなる正極集電体21の片面に塗布したものを乾燥させて正極20を作製する。正極材料22は正極活物質となる電解二酸化マンガン(EMD)と導電材となるカーボンブラックをバインダー(フッ素系バインダーなど)とともに所定の割合(例えば、EMD:導電材:バインダー=93wt%:3wt%:4wt%)で混合したものである。負極リチウム30は薄いシート状のリチウム金属である。なおリチウム金属の下面に帯状の金属板31を溶接などの方法によって取り付けてタブ33を設ける。そして正極20と負極30をセパレータ40を介して対面させて積層して電極体10を構成する。
上記の手順で組み立てた電極体を2枚の矩形状のラミネートフィルム(11a、11b)で挟持する。このとき正負両極の端子板(23、33)をラミネートフィルム(11a、11b)の外方に突出させる。つぎに電極体10を挟持した状態で積層された2枚のラミネートフィルム(11a、11b)の3辺を互いに熱溶着して袋状に成形する。そしてその袋状のラミネートフィルム内に電解液を注入する。電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、および1,2−ジメトキシエタン(DME)が、体積比でそれぞれ20vol%、20vol%、および60vol%の割合となる周知の3成分系の非水系溶媒に支持塩としてリチウムトリフルオロメタンスルホナート(LiCFSO)を0.8mol/lの濃度となるように溶解させたものを使用することができる。
電解液を袋状に成形されたラミネートフィルム(11a、11b)内に注入したならば、その袋状のラミネートフィルム(11a、11b)の開口部を熱溶着してサンプルを完成させる。熱溶着の条件(温度、圧力)は全てのサンプルで同じにした。図2にサンプルにおける各部位のサイズを説明するための図を示した。なお図2では図1に示した電極端子板(23、33)を省略している。作製したサンプルでは、外装体11の外形サイズが幅W=30mm、高さH=25mmであり、電極体10は幅Wc=22mm、高さHc=17mmである。またシール部50は幅Ws=3mmである。
===性能評価===
<安全性能>
上記手順に基づいて多数のサンプルを作製した。そして樹脂セパレータを用いたサンプル(以下、比較例とも言う)の内、作製した個体数n(例えば、n=10)の30%に内部短絡が発生した。これはラミネートフィルムを溶着するときの熱によってセパレータが収縮したことに起因しているものと考えられる。すなわち発熱時に内部短絡を防止するためのシャットダウン機能が劣化している。一方セルロースセパレータを用いたサンプル(以下、実施例とも言う)は全ての個体で内部短絡が発生しなかった。さらに実施例に対し、55℃の温度での外部短絡試験(UN勧告試験T5)を行った。正常な樹脂セパレータにおいてシャットダウン機能が作動する約110℃にまで温度が上昇することがなかった。図3に当該外部短絡試験の結果を示した。外部短絡試験の開始直後こそ電池の表面温度に上昇傾向が見られたものの、短時間で試験温度(55℃)まで降下し、その後はこの試験温度で一定している。すなわちシャットダウン機能がないセルロースセパレータを用いても電極体が1組のみであれば、内部の熱が十分に外部に放出されることが確認できた。以上より、電極体を1組のみ備えたラミネート型リチウム一次電池ではセルロースセパレータを用いることで封止性能を確保しつつ電池容量を増加させることができる。
===電池内水分量===
ラミネート型リチウム一次電池では負極リチウムと激しく反応する水分が外部から侵入しないように高い封止強度が必要とされる。さらに電極体や電解液自体が含有する水分も厳しく制限する必要がある。ところで、実施例に係るラミネート型リチウム一次電池ではセルロースセパレータを用いていたが、周知のごとくセルロースセパレータは樹脂セパレータと比較して保水能力が高い。そのためセルロースセパレータをラミネート型リチウム一次電池に用いる場合、セパレータを充分に乾燥させてから電池を組み立てる必要がある。一般的に、保水能力が高いセパレータを乾燥させるためには、充分に長い時間を掛けて真空中で加熱する必要がある。そのためセルロースセパレータを用いたラミネート型リチウム一次電池では、安全性が確保されても製造コストが嵩むという実用上の問題が浮上する。
そこで実施例や比較例に含まれる水分量(以下、電池内水分量とも言う)を測定した。具体的には、周知のカールフィッシャー法により、実施例や比較例に係るサンプルに組み込まれるものと同じセパレータと電解液のそれぞれについて、単位質量当たりの水分量を測定する。なお電解液中の水分については真空脱泡により水分がほぼ完全に除去されていることから、電池内に持ち込まれる水分の多くはセパレータが含有する水分と見なしてよい。なお組み立て後の電池内水分量を測定する必要がある場合は、セパレータ中の水分が電解液中に溶け出すことから、電解液中の水分量を測定することで電池内水分量を求めることができる。
<セパレータの乾燥方法と水分量>
比較例に用いた樹脂セパレータでは、その部材(樹脂の不織布など)をドライルームなどの乾燥雰囲気内で保管しておけば、ほとんどの水分を除去することができる。実際に比較例に用いた樹脂セパレータはこのような方法で乾燥させたものである。そして比較例の電池内水分量は50ppm以下で極めて微量であった。
一方実施例では、保水性能の高いセルロースセパレータを乾燥させる必要があることから、セルロースセパレータとなる部材を大気雰囲気中で130℃の温度で5時間掛けて乾燥させた。しかしそれでも実施例では300ppm程度の水分が含まれることがわかった。また樹脂セパレータと同様の方法で乾燥させたセルロースセパレータでは600ppm程度の水分を含んでいた。なお乾燥雰囲気内で保管せずに大気雰囲気よりも湿度が高い環境下に置くなどして故意に水分を吸収させると1000ppm程度まで水分を含ませることができる。したがって一般的な製造手順で作製すれば水分が1000ppmより多くなることはない。
つぎに比較例に係るサンプルと実施例に係るサンプルを60℃80%RHの高温高湿度環境下で保存する信頼性試験を行い、内部抵抗と放電容量の変化を調べた。比較例については上述した乾燥雰囲気内で乾燥させた樹脂セパレータを用いて電池内水分量を50ppm以下とした。実施例については乾燥方法が異なるセルロースセパレータを用いて電池内水分量が300ppm〜1000ppmの範囲で異なるサンプルを用意した。図3は高温高湿度環境下での保存日数と内部抵抗との関係を示す図であり、内部抵抗は試験開始時点での値を10とした任意単位(a.u)で表している。この図4において、サンプルa、bはいずれも同じ条件で作製した比較例に係るラミネート型リチウム一次電池であり、電池内水分量はいずれも50ppm以下である。そしてサンプルaは比較例として作製したサンプル中で内部抵抗が最も大きく増加した個体であり、サンプルbは比較例中で内部抵抗の増加が最も小さかった個体である。
また図4では、実施例として作製したサンプルの内、代表的な特性を有するサンプルとして抽出したサンプルc〜eの信頼性試験結果を示した。ここでは内部抵抗の増加が最も大きかったサンプルcと最も小さかったサンプルe、および内部抵抗の増加がサンプルcとeの中間程度であったサンプルdについての信頼性試験結果を示した。図4に示したように、比較例に係るサンプルaとbでは保存日数の経過とともに内部抵抗が大きく増加し30日が経過する以前で抵抗値が当初の10倍以上になってしまった。またサンプルaとbでは電池内水分量が50ppmで極めて低いものの内部抵抗の増加傾向に大きなバラツキがあった。一方実施例に係るサンプルc〜eでは信頼性試験の開始から30日経過した後も当初の2倍程度しか内部抵抗が増加していない。また内部抵抗の増加傾向もサンプルc〜eでほぼ一定している。
図5は上記の高温高湿度環境下での保存日数と放電容量の関係を示す図である。図中の実施例は電池内水分量が1000ppmのサンプルに対応している。この図5に示したように、比較例に対し実施例のサンプルの方が放電容量の減少が小さい。以上より、セルロースセパレータを用いたラミネート型リチウム一次電池では電池内水分量が極めて多くても高い信頼性を有していることが分かった。そして実施例に係るラミネート型リチウム一次電池では、セルロースセパレータに対する乾燥工程を簡略化でき、より安価に提供することも可能となる。
ところで実施例に係るラミネート型リチウム一次電池では、本来電池として機能するはずのない1000ppmの電池内水分量であっても十分に動作している。また封止条件が同じ実施例と比較例とでは信頼性試験によって外部から同量の水分が内部に侵入しているのにも拘わらず、実施例では内部抵抗の増加や放電容量の低下が比較例よりも明らかに少なかった。そこで信頼性試験後に比較例および実施例に係るサンプルを分解して負極リチウムのセパレータ側の表面を電子顕微鏡で観察してみた。図6に比較例と実施例のサンプルにおける負極リチウム電子顕微鏡写真を示した。図6(A)、(B)は比較例における負極リチウムの表面を示しており、図6(C)、(D)は実施例における負極リチウムの表面を示している。なお図6(A)、(C)は500倍の倍率で撮影したときの写真であり、図6(B)、(D)は1000倍の倍率で撮影したときの写真である。図6(A)、(B)に示したように、比較例では負極リチウムの表面に結晶粒と思われる粒状の構造(以下、結晶粒100とも言う)が確認できる。一方図6(C)、(D)に示したように、実施例では負極リチウムの表面が淡く白濁した皮膜で覆われている態様が確認できる。そして図6(D)を見ると、被膜の形成状態がより鮮明に確認できる繊維状の領域101がある。このことから実施例に係るラミネート型リチウム一次電池では、負極リチウムにおいて、セルロースの繊維に接触している領域で被膜となる物質が生成され、さらにこの皮膜が導電性を確保しつつ、負極リチウムと水分との接触を阻害しているものと考えることができる。なおこの皮膜については、セパレータを構成するセルロースの水素結合が強い還元力を有する負極リチウムと反応して生成されたリチウムアルコキシドであると考えることができる。そしてラミネート型リチウム一次電池では、負極リチウムが薄い箔状で、その量自体が少ないため、上記の被膜の生成量が僅かであっても充分に負極リチウムの表面を覆い、水分と負極リチウムとの接触を効果的に阻害し水酸化リチウムの生成を抑止
できたものと考えることができる。
===その他の実施例===
上記実施例において、外装体は2枚のラミネートフィルムを上下方向に積層するとともに周囲4辺を熱溶着することで内部を密封していたが、1枚のラミネートフィルムを二つ折りにすることで上下方向に積層し、開放している3辺を熱溶着することで内部を密封したものであってもよい。いずれにしても上下方向に積層されているラミネートフィルムの周囲を熱溶着したものであればよい。
1 ラミネート型リチウム一次電池、10 外装体、11a,11b ラミネートフィルム、20 正極、21 正極集電体、22 正極材料、23 正極端子、30 負極、31 金属板、33 負極端子、40 セパレータ、50 シール部

Claims (2)

  1. リチウム金属を負極としたリチウム一次電池であって、
    1枚のシート状の正極と1枚のシート状の前記リチウム金属からなる負極とがシート状のセパレータを介して上下方向に積層されてなる電極体を1組のみ備えるとともに、当該電極体が非水系有機電解液とともにラミネートフィルムからなる外装体内に密閉状態で収納されてなり、
    前記外装体は上下方向に積層されたラミネートフィルムの周囲が熱溶着されて内部が密閉されており、
    前記セパレータはセルロースからなる、
    ことを特徴とするラミネート型リチウム一次電池。
  2. 請求項1において、外装体内の水分量が300ppm以上1000ppm以下であることを特徴とするラミネート型リチウム一次電池。
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