JP6444087B2 - 流路接続装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流路接続装置、特に、流路接続の為の接続口を有する液体コンセントと、前記接続口に着脱自在に接続されるプラグ筒を有するプラグ体とを備える流路接続装置に関する。
図11は、一般的な液体コンセント(50)の正面図と、それに接続させるプラグ体(5)の一部切欠斜視図を示している。液体コンセント(50)は壁面(W)等に設置されており、その正面には横長長円形のガイド筒部(57)が開放しており、このガイド筒部(57)内に、温水循環路接続の為の一対の接続口(50a)(50b)が露出している。
プラグ体(5)は、ガイド筒部(57)内に挿入可能な大きさ形状の包囲筒(56)がケーシング本体(53)から突出していると共に、包囲筒(56)内に、接続口(50a)(50b)に着脱自在に接続させる一対のプラグ筒(5a)(5b)が備えられている。接続口(50a)(50b)及びプラグ筒(5a)(5b)内にはそれぞれの流路を開閉する弁体が閉弁状態に付勢された状態で収容されており、プラグ筒(5a)(5b)の外周には、接続口(50a)(50b)に水密状態に接続させるためのOリング(55)(55)が各々外嵌されている。
液体コンセント(50)の2つの接続口(50a)(50b)の間には、係合孔(51)が開口しており、プラグ体(5)の2つのプラグ筒(5a)(5b)の間には、係合孔(51)に係合するロックレバー(52)が突設されている。
このものでは、接続口(50a)(50b)にプラグ筒(5a)(5b)が接続されると同時に、ロックレバー(52)が係合孔(51)に抜止め状態に係合され、プラグ体(5)は液体コンセント(50)に抜け止め状態にロックされる構造となっている。
なお、プラグ体(5)のケーシング本体(53)の頂面には、操作ボタン(54)が突出しており、この操作ボタン(54)を下方へ押すと、ロックレバー(52)の先端が上方へ回動し、ロックレバー(52)の係合孔(51)への係合が解除する構成となっている。
ガイド筒部(57)内に包囲筒(56)を挿入すると、プラグ筒(5a)(5b)が接続口(50a)(50b)内に押し込まれるが、相互の弁体が開弁する前の接続初期段階で、Oリング(55)が接続口(50a)(50b)内に入り込んで、プラグ筒(5a)(5b)と接続口(50a)(50b)との接続部内は水密状態に保持される。その後、包囲筒(56)をガイド筒部(57)内にさらに押し込み、プラグ体(5)が接続完了状態となると、プラグ筒(5a)(5b)及び接続口(50a)(50b)内の弁体が、各々の付勢力に抗して開弁し、プラグ体(5)と液体コンセント(50)を介して、加熱機と放熱機との間を流体が循環する構造となっている。なお、ロックレバー(52)が係合孔(51)へ係合することにより、プラグ筒(5a)(5b)と接続口(50a)(50b)との接続状態が保持される。
このように、従来のものでは、プラグ筒(5a)(5b)及び接続口(50a)(50b)内の両弁体が開弁する前のプラグ体(5)の接続初期段階から、前記両弁体が開弁状態となる接続完了状態まで、または、接続完了状態からプラグ体(5)が引き抜かれるまで、一定長さの押し込みストローク又は引き抜きストロークが生じている。
接続完了状態にあるプラグ体(5)を取り外すには、操作ボタン(54)を押し込んでロックレバー(52)の係合孔(51)への係合を解除すると共に、Oリング(55)の接続口(50a)(50b)の内周面に対する摩擦力よりも強い力で強制的に引っ張って引き抜くことになるので、プラグ体(5)は勢いよく引っ張られてしまうことが多い。
プラグ筒(5a)(5b)と接続口(50a)(50b)の両弁体が閉弁し且つOリング(55)がまだ接続口(50a)(50a)内に位置する引き抜きストロークの途中において、閉弁された両弁体相互間の流路空間部には循環水の一部が残存する。また、プラグ体(5)が引き抜き方向に移動する際には、Oリング(55)によるシール効果により一時的に流路空間部は負圧状態となる。この状態から、プラグ体(5)を液体コンセント(50)から勢いよく外されると、負圧状態が急激に解消されるため、流路空間部に残存する循環水が外へ飛散し、室内を汚すといった問題がある。
プラグ体(5)の引き抜き時の循環水の飛散を防止するものとして、実用新案登録第3052033号公報(特許文献2)に開示のものや、特開2000−74283号公報(特許文献3)に開示のものを発明した。
特開平11−344232号公報 実用新案登録第3052033号公報 特開2000−74283号公報
しかしながら、これらはいずれも、プラグ体(5)を液体コンセント(50)からゆっくり引き抜いたときにその効果を発揮するように構成されているもので、上記した従来のもののように、一定長さの引き抜きストローク内をOリング(55)の接続口(50a)(50b)の内周面に対する摩擦力よりも強い力でプラグ体(5)を勢い良く引き抜くと上記と同様の問題が生じる。特に、操作ボタン(54)がプラグ体(5)のケーシング(53)の頂面に突出する構成のものでは、操作ボタン(54)を押しながら引き抜いてしまうため、思わぬ力が入ってしまい、引き抜き速度が速くなってしまう。
また、プラグ体(5)が勢いよく引き抜かれると、Oリング(55)に必要以上の摩擦を発生させてしまう上に、操作ボタン(54)を下方へ押しながら引き抜くものでは、Oリング(55)に偏った力が加えられてしまい、Oリング(55)が損傷し易く、これが原因となって漏れを引き起こし易いといった問題がある。
本発明は、『流路接続の為の一対の接続口が正面側に開放する壁面設置式の液体コンセントと、前記接続口に着脱自在に接続される一対のプラグ筒を備えたプラグ体と、前記一対の接続口間及び前記一対のプラグ筒間にそれぞれ設けられ且つ前記液体コンセントと前記プラグ体とを抜け止め状態に係合する係合手段と、前記係合手段を解除する解除手段が設けられた流路接続装置』において、係合手段による係合状態を解除手段によって解除してプラグ体を液体コンセントから引き抜く際に、不必要な力をかけることなくスムーズにゆっくりと引き抜くことができるようにすることを課題とする。
本発明に係る流路接続装置は、『前記接続口内に、コンセント弁と、前記コンセント弁を閉弁方向に付勢するコンセントばねが収容され、
前記プラグ筒内に、プラグ弁と、前記プラグ弁を閉弁方向に付勢するプラグばねが収容されると共に、前記プラグ筒の開放端近傍の外周に前記接続口との接続部を水密状態に保持する環状のシール部材が外嵌し、
前記シール部材が前記接続口の開放端に挿入された接続初期段階にて、前記コンセント弁の先端と前記プラグ弁の先端とが閉弁状態で当接し、
前記係合手段は、前記プラグ体に設けられた係合部と、前記液体コンセントに設けられた被係合部とからなると共に、前記接続初期段階から、前記プラグ筒を接続方向に移動させた接続完了状態にて、前記係合部が前記被係合部に係合するように設定され、
前記解除手段は、前記プラグ体に設けられ且つ前記プラグ体の接続方向に押すことにより前記係合部の前記被係合部への係合を解除可能な解除ボタンである』ことを特徴とするものである。
プラグ筒の開放端近傍に外嵌させているシール部材を接続口の開放端近傍に挿入させる接続初期段階で、プラグ筒内のプラグ弁の先端が接続口内のコンセント弁の先端に両者共閉弁状態のまま当接するように設定されているから、この状態から、プラグ体を接続方向に少し押し込むだけで、プラグ弁及びコンセント弁が互いにプラグばね及びコンセントばねの付勢力に抗して開弁すると共に接続時に外部へ循環水が漏れることがない。さらにプラグ体を押し込むと係合部が被係合部に係合する接続完了状態となる。
解除ボタンをプラグ体の接続方向に押すと、係合部と被係合部との係合が解除され、プラグ弁及びコンセント弁は、プラグばね及びコンセントばねの付勢力によって、それぞれ閉弁方向に付勢されると同時に、プラグ筒は前記接続初期段階にまで自然に移動させられる。その後、プラグ体を手で少し引くだけでプラグ筒を接続口から脱出させて、プラグ体を液体コンセントから取り外すことができる。
なお、解除ボタンの押し込み方向は、プラグ体の接続方向、すなわち、プラグ体を引き抜く方向とは逆方向となるので、解除ボタンを押し込みながら、プラグ体を引き抜き方向に引っ張ることはない。これにより、プラグ体を手動により勢いよく引き抜くことはなくなる。
上記流路接続装置は、『前記液体コンセントに、前記接続初期段階に至るよりも手前の位置から、プラグ体と液体コンセントとを相互に離反する方向に、前記係合部を直接付勢するプラグ取り外しばねが設けられている』ことが望ましい。
プラグ体を接続するには、プラグ取り外しばね、プラグばね及びコンセントばねの付勢力に抗して、プラグ筒を接続口に挿入させ、接続完了状態に達するまで挿入して、係合手段により両者の係合状態を維持させる。解除ボタンを押して係合状態を解除させると、上記したように、プラグばね及びコンセントばねの付勢力によって、プラグ弁及びコンセント弁はそれぞれ閉弁方向に付勢された状態にて、両者の先端相互が当接し合う接続初期段階に戻るが、プラグ取り外しばねの付勢力によって、さらに、接続初期段階よりも前の段階、すなわち、プラグ筒が接続口から外れた位置まで付勢される。このものでは、手で引っ張ることなく、プラグ体は自然に接続口から離脱され、プラグ体を液体コンセントから取り外すことができる。
また、上記流路接続装置において、『前記接続初期段階に至るよりも手前の位置で、前記プラグ体を液体コンセントに対して取り外し方向に係合可能で且つ係合解除自在なプラグ係合保持手段が設けられている』ものでは、解除ボタンを押して係合状態を解除させると、上記したように、プラグばね及びコンセントばね、さらには、プラグ取り外しばねの付勢力によって、プラグ筒は、接続口から取り外される方向に移動させられるが、プラグ係合保持手段によって液体コンセントに係合保持されるから、係合手段の解除と同時にプラグ筒が液体コンセントから落下することはない。また、プラグ筒の離脱と同時に、閉弁状態にあるコンセント弁の先に残存している循環水が外に飛び散ることもない。プラグ係合保持手段の係合後、プラグ体を取り外し方向に引けば、プラグ係合保持手段は容易に係合解除され、プラグ体を取り外すことができる。なお、プラグ係合保持手段は、プラグ体を液体コンセントから取り外す方向に係合するが、接続方向には係合しない、所謂、ワンウェイ係合するものが採用可能である。
また、上記流路接続装置のうち、『前記プラグ係合保持手段は、前記プラグ体が液体コンセントに対して傾斜した姿勢で保持されるようにした』ものでは、プラグ筒が、プラグばね及びコンセントばね、さらには、プラグ取り外しばねの付勢力によって、接続口から取り外されると、プラグ体の重みや室内側配管の張力によりプラグ体が傾くが、この傾いた姿勢で液体コンセントに保持される。
また、上記流路接続装置のうち、『前記プラグ体は、前記一対のプラグ筒を包囲する包囲筒が突設され、
前記液体コンセントは、壁等に添設される化粧プレートに前記包囲筒が挿入可能なガイド筒部が開口すると共に、前記ガイド筒部内に前記一対の接続口が設けられ、
前記プラグ係合保持手段は、前記包囲筒の開放端近傍の外周面の所定位置とそれに対応する前記ガイド筒部の開放端近傍の内周面の所定位置に各々設けられている』ものが望ましい。
プラグ体の包囲筒を液体コンセントのガイド筒部内に差し込んで、接続口にプラグ筒を接続させる。このとき、プラグ係合保持手段は係合し合うことなく、スムーズに包囲筒をガイド筒部に挿入することができる。
解除ボタンを押すと、プラグばね及びコンセントばね、さらには、プラグ取り外しばねの付勢力によって、プラグ筒は接続口から突出する方向に移動させられ、それに伴い、包囲筒もガイド筒部から離脱する方向へ移動するが、包囲筒の開放端近傍の外周面の所定位置と、ガイド筒部の開放端近傍の内周面の所定位置に各々設けたプラグ係合保持手段が相互に係合することにより、包囲筒はガイド筒部から不用意に脱落することはなく、係合保持される。その後、プラグ体を取り外し方向に引くと、前記プラグ係合保持手段による係合は強制的に解除され、プラグ体を容易に取り外すことができる。
本発明によれば、プラグ体を取り外す際の手動による引き抜きストロークを無くして、プラグ体を勢い良く引っ張る必要がない構成としたから、勢いよく引っ張ることにより引き抜き速度が速くなって、接続口の開放端近傍に残存する循環水が室内側に飛散させるといった問題は解消され、残存する循環水は、ゆっくりと受け皿部に導くことが可能となる。よって、プラグ体の引き抜き時に残存する循環水が飛び散って室内が汚れる不都合はない。
解除ボタンをプラグ筒の接続方向に押す構成としたから、プラグ体を手動により勢いよく引き抜くことはなくなり、引き抜き力はプラグばね及びコンセントばねの付勢力によるものとなる。また、解除ボタンを下方へ押す構成のもののようにプラグ筒に下方向の力がかからないから、シール部材に偏った力をかけずに短い引き抜きストロークでプラグ体を取り外すことができるから、シール部材や接続口の内周面の損傷も防止することができ、漏れの原因を引き起こる不都合もない。
さらに、プラグ取り外しばねを設けたものでは、解除ボタンを押すだけで、プラグ体は自然に接続口から脱出させることができるので、プラグ体の取り外しが一層容易である。この場合、プラグの引き抜き力にはプラグ取り外しばねの付勢力が付加される。
なお、プラグ係合保持手段を設けておけば、接続口からプラグ筒が脱出させられた時点で、プラグ体が液体コンセントから不用意に落下することがなく、循環水の飛散も防止することができる。
さらに、プラグ体を傾斜姿勢で液体コンセントに保持されるように設定されているものでは、プラグ体に接続されている配管の張力等によってプラグ体が下方に引っ張られた場合でも、プラグ体を液体コンセントから取り外すことなく保持しておくことができる。
本発明の第1番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続前の様子を示す断面図である。 本発明の第1番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続初期段階を示す断面図である。 本発明の第1番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続完了状態を示す断面図である。 本発明の第1番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続前における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 本発明の第1番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続完了状態における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 図4の状態における液体コンセントの接続口とプラグ体のプラグ筒の様子を示す断面図である。 本発明の第2番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続前における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 本発明の第2番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続完了状態における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 本発明の第3番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続前における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 本発明の第3番目の実施の形態の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の接続完了状態における係合孔とロックレバーを示す断面図である。 従来の流路接続装置の液体コンセントとプラグ体の斜視図である。
以下に、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本願発明の第1番目の実施の形態に於ける液体コンセントにプラグ体が接続される前の接続口とプラグ筒を示す断面図であり、図2は、プラグ筒を接続口の開放端にまで挿入した接続初期段階における断面図であり、図3は、接続口とプラグ筒の接続完了状態を示す断面図である。
そして、図4は、係合部と被係合部の非係合状態を示す断面図であり、図5は、図3の状態にて係合部が被係合部に係合した状態を示している。図6は、図4の状態における接続口とプラグ筒を示す断面図である。
まず、液体コンセント(1)について説明する。
液体コンセント(1) は、図11に示した従来のものと同様に、室内の壁面(W)に設置されており、図1に示すように、温水循環路接続の為の一対の接続口(11)(11)が備えられたブロック体(12a)と、ブロック体(12a)を壁面(W)に取り付ける取付部材(12b)と、ブロック体(12a)及び取付部材(12b)を正面側から被覆する化粧プレート(100)とを具備している。
一対の接続口(11)(11)は、正面側に開放し且つ水平方向に並んで位置するようにブロック体(12a)内に設けられており、これら接続口(11)(11)には、加熱機からの一対の温水配管(4)(4)が各別に接続されている。
また、各接続口(11)の内方には、コンセント弁(16)、弁シート(17)、及びコンセント弁(16)を弁シート(17)に圧着させて接続口(11)を閉弁方向に付勢するコンセントばね(18)が内蔵されている。
化粧プレート(100)には、後述するプラグ体(2)の包囲筒(20)を挿入させる為の横長長円形のガイド筒部(10)が正面に開放しており、ガイド筒部(10)内に、ブロック体(12a)に支持された一対の接続口(11)が水平方向に並んで位置する構成となっている。
また、ガイド筒部(10)の下面には水平姿勢の受け皿部(14)が設けられている。
この液体コンセント(1)には、図4及び図5に示すように、接続口(11)間に位置するブロック体(12a)に、正面側に開放する断面略矩形状の係合孔(13)が形成されており、この係合孔(13)には、その正面側端部から所定距離奥まった位置の下面に、後述するプラグ体(2)のロックレバー(30)の爪部(31)が係合する被係合壁部(13a)が形成されている。また、ロックレバー(30)を液体コンセント(1)から離反する方向に付勢するプラグ取り外しばね(32)が設けられている。
次に、プラグ体(2)について説明する。
プラグ体(2)は、図1に示すように、温水暖房機等の放熱器に接続されている一対の温水ホース(40)(40)を被覆する本体部(20a)と、本体部(20a)から直角方向に突出する包囲筒(20)とから、略L字状に形成された合成樹脂製のケーシング(200)を備えている。
包囲筒(20)は、液体コンセント(1)の化粧プレート(100)に開口しているガイド筒部(10)内にちょうど挿入可能な大きさ形状に形成されており、包囲筒(20)内には、上記した接続口(11)(11)に着脱自在に接続される一対のプラグ筒(21)(21)が水平に並んで配設されている。
この包囲筒(20)には保持体(23)が収容されており、保持体(23)に、一対のプラグ筒(21)(21)が相互に平行に保持されていると共にプラグ筒(21)の先端側部分が保持体(23)から突出している。プラグ筒(21)の先端近傍の外周面には、シール部材としての2つのOリング(22a)(22b)が前後に位置するように装着されている。これらOリング(22a)(22b)は、プラグ筒(21)(21)が接続口(11)(11)に挿入接続された状態で接続口(11)の内周面とプラグ筒(21)との間を水密状態に維持する為のものである。
又、プラグ筒(21)内には、プラグ弁(26)、弁シート(27)、プラグ弁(26)を弁シート(27)に圧着させてプラグ筒(21)を閉弁方向に付勢するプラグばね(28)が内蔵されており、プラグ筒(21)の基端側部分は、上記した放熱機からの一対の温水ホース(40)(40)が各別に連通接続されている。
そして、保持体(23)におけるプラグ筒(21)(21)間には、図4及び図5に示すように、ロックレバー(30)が揺動自在に軸支されている。
ロックレバー(30) は、断面略矩形の棒体であり、プラグ筒(21)間にて保持体(23)を軸方向に貫通する貫通孔(230)内に揺動自在に収容されるように、保持体(23)に架設された支持軸(30a)により回動自在に軸支されている。このロックレバー(30)の先端部には、下方に突出し且つ上記した被係合壁部(13a) に係合する爪部(31)が備えられており、爪部(31)と被係合壁部(13a)との係合が維持される方向にロックレバー(30)を付勢する板バネ(33)が貫通孔(230)内に設けられている。
そして、ケーシング(200)の背面に貫通し且つプラグ筒(21)の接続方向に向かって水平方向に延びる解除ボタン(3)が備えられている。この解除ボタン(3)の下端部に設けた操作部(3a)とロックレバー(30)の内方端部とが係合しており、解除ボタン(3)をケーシング(200)内に押し込むと、解除ボタン(3)の操作部(3a)がロックレバー(30)の内方端部を下方へ押し、これに伴って、ロックレバー(30)は、支持軸(30a)を回動支点として、爪部(31)を有する先端部側が上方へ移動する方向へ回動する。
温水循環路の接続及び接続解除について説明する。
プラグ体(2)を液体コンセント(1)に接続するには、プラグ体(2)の包囲筒(20)を液体コンセント(1)のガイド筒部(10)に挿入し、そのままプラグ体(2)を押し込んで、プラグ筒(21)の先端を、前方に位置するOリング(22a)のみを接続口(11)に挿入させる(図2の状態)。この実施の形態では、この図2の状態を接続初期段階とし、プラグ弁(26)の先端がコンセント弁(16)の先端に、それぞれ閉弁状態のままで当接するように設定されている。
この接続初期段階からプラグ体(2)を少し押し込んで、後方に位置するOリング(22b)を液体コンセント(1)の接続口(11)内に挿入させると、図3に示すように、コンセント弁(16)及びプラグ弁(26)が、コンセントばね(18)及びプラグばね(28)の付勢力に抗して開弁し、加熱機と放熱機との間の温水循環路が接続される接続完了状態となる。このように、プラグ体(2)の押し込みストロークは短く設定されている。この状態にて、コンセント弁(16)及びプラグ弁(26)はコンセントばね(18)及びプラグばね(28)の付勢力によって反発し合っており、プラグ筒(21)は接続口(11)から離脱させる方向に付勢された状態となっている。
なお、この状態にて、プラグ体(2)と液体コンセント(1)とは双方の信号線が端子部を介し電気的にも接続されている。
図3に示した接続完了状態にて、プラグ体(2)のロックレバー(30)が、図5に示すように、液体コンセント(1)の係合孔(13)に挿入されると共に、ロックレバー(30)の爪部(31)が、板バネ(33)の付勢力によって、被係合壁部(13a)に抜止め状態に係合するように設定されている。これにより、液体コンセント(1)とプラグ体(2)とは、コンセントばね(18)及びプラグばね(28)、さらには、プラグ取り外しばね(32)の付勢力に抗して接続状態に保持される態様となる。
そして、液体コンセント(1)からプラグ体(2)を取り外すには、図4に示すように、解除ボタン(3)をプラグ体(2)の接続方向に押し込む。この押込みに伴って、ロックレバー(30)の後方端が、板バネ(33)の付勢力に抗して、解除ボタン(3)の操作部(3a)に押し下げられると同時に、ロックレバー(30)が先端の爪部(31)が上方へ回動し、爪部(31)と被係合壁部(13a)との係合が解除される。
ロックレバー(30)の爪部(31)による係合孔(13)の被係合壁部(13a)への係合が解除されると、コンセント弁(16)及びプラグ弁(26)が、コンセントばね(18)及びプラグばね(28)の付勢力によって閉弁方向に付勢されることにより、コンセント弁(16)及びプラグ弁(26)の先端相互が閉弁状態に当接する図2の接続初期段階に復帰させられ、さらに、ロックレバー(30)がプラグ取り外しばね(32)の付勢力によって取り外し方向に付勢されることにより、図6に示す両者の接続前の段階に自然に戻される。
このように、プラグ体(2)は手で引っ張らなくても、短い引き抜きストロークで、プラグ体(2)の包囲筒(20)は液体コンセント(1)のガイド筒(10)から自然に脱出させることができ、プラグ体(2)を容易に取り外すことができる。
このとき、接続口(11)内にて、閉弁状態にあるコンセント弁(16)の前方に位置する流路空間部(15)に多少の循環水が残存するが、この残存する循環水はプラグ筒(21)が引き抜かれる際に、流路空間部(15)の下方に位置する受け皿部(14)に導かれ、受け皿部(14)に貯留される。これにより、プラグ筒(21)を接続口(11)から脱出させる際に、残存する循環水が室内に飛び散ることはない。
このものでは、ケーシング(200)の背面に設けた解除ボタン(3)をプラグ体(2)の接続方向に押すことにより、ロックレバー(30)の係合孔(13)の被係合壁部(13a)への係合を解除する構成となっているから、解除ボタン(3)を押し込みながら、プラグ体(2)を引き抜くことはない。よって、手動によりプラグ体(2)を勢いよく引き抜くことはなく、引き抜き力はコンセントばね(18)、プラグばね(28)及びプラグ取り外しばね(32)の付勢力によるものとなり、引き抜き速度が安定する。これにより、プラグ体(2)の引き抜き時に、流路空間部(15)に残存する循環水を室内に飛散させることなく、受け皿部(14)に送ることができる。
図7は、本願発明に於ける第2番目の実施の形態のプラグ体(2)の液体コンセント(1)への接続初期段階を示す断面図であり、図8は接続完了状態を示す断面図である。
この実施の形態では、プラグ体(2)及び液体コンセント(1)の各々の構造は、上記した第1番目の実施の形態と同様のものを採用しており、この実施の形態では、化粧プレート(100)のガイド筒部(10)の上面略中央部に設けた孔部(10a)から球体(19)がバネ(34)によって下方へ付勢された状態で露出するように収容されている。
包囲筒(20)の先端には、ガイド筒部(10)内へ突出状態にある球体(19)に内方から係合する突起(29)が突設されている。
これら球体(19)と突起(29)が、発明特定事項としてのプラグ係合保持手段に対応する。
包囲筒(20)をガイド筒部(10)内に差込むと、突起(29)で球体(19)を前方から押すことにより、球体(19)はバネ(34)の付勢力に抗して上方へ持ち上げられ、突起(29)は球体(19)を通過可能となり、コンセント弁(16)及びプラグ弁(26)さらにはプラグ取り外しばね(32)の付勢力に抗して、プラグ筒(21)の接続完了状態に達するまで包囲筒(20)は押し込まれ、図8に示すように、ロックレバー(30)を係合孔(13)の被係合壁部(13a)に係合させることができる。この状態におけるコンセント弁(16)とプラグ弁(26)とは、図3で図示した状態と同じである。
この接続完了状態を解除するには、ケーシング(200)の背面にある解除ボタン(3)を包囲筒(20)の接続方向に押し込む。すると、ロックレバー(30)は上記した要領で被係合壁部(13a)への係合が解除され、プラグ体(2)は液体コンセント(1)から外れ、続いてプラグ取り外しばね(32)の付勢力によって包囲筒(20)はガイド筒部(10)の外方へ押し出されるが、プラグ取り外しばね(32)の付勢力が及ばない範囲にて、図7に示すように、突起(29)が球体(19)に内方からワンウェイ係合する。これにより、包囲筒(20)がガイド筒部(10)から不用意に脱落することはない。そして、ケーシング(200)を手で引けば、球体(19)は突起(29)で押されて、上方へ弾性的に移動させて球体(19)と突起(29)の係合状態は容易に解除することができるから、包囲筒(20)はガイド筒部(10)から容易に取り外すことができる。
また、図9は、本願発明に於ける第3番目の実施の形態のプラグ体(2)の液体コンセント(1)への接続初期段階を示す断面図であり、図10は接続完了状態を示す断面図である。
この実施の形態においても、プラグ体(2)及び液体コンセント(1)の各々の構造は上記実施の形態と同様としているが、この実施の形態では、化粧プレート(100)に設けたガイド筒部(10)の上面略中央部には上突起(24)を、包囲筒(20)の先端には上突起(24)にワンウェイ係合する下突起(25)を突設させている。解除ボタン(3)によるロックレバー(30)と被係合壁部(13a)との係合解除時に、ロックレバー(30)がプラグ取り外しばね(32)で取り外し方向に押されて包囲筒(20)がガイド筒部(10)から脱出する方向に移動させられても、下突起(25)が上突起(24)に内方から係合することにより不用意な脱落を防止できる。
これら上突起(24)と下突起(25)が、発明特定事項としてのプラグ係合保持手段に対応する。
なお、上突起(24)と下突起(25)とは、ガイド筒部(10)に対して包囲筒(20)を水平方向に挿入させる際、上突起(24)と下突起(25)の頂面相互が略接触する突出度合いに設定されており、包囲筒(20)が水平方向にまっすぐに引き出されると係合しない。しかしながら、解除ボタン(3)を押し込んで、包囲筒(20)をプラグ取り外しばね(32)の付勢力により取り外し方向に移動させられると、自然状態にてプラグ体(20)の重みや室内側配管の張力によりプラグ体(2)は、ケーシング(200)の本体部(20a)側が低くなるように傾いた状態となる。この傾斜姿勢にて、下突起(25)が上突起(24)に係合するように設定されている。
プラグ体(2)を液体コンセント(1)に対して傾斜した姿勢で保持されるようにすることにより、プラグ体(2)に接続されている温水ホース(40)の張力等によってプラグ体(2)の包囲筒(20)の本体部(20a)側が下方に引っ張られて傾斜した状態のまま、プラグ体(2)を液体コンセント(1)から取り外すことなく保持させておくことができる。
(1) ・・・・・・・・・液体コンセント
(10)・・・・・・・・・ガイド筒部
(11)・・・・・・・・・接続口
(13a) ・・・・・・・・被係合壁部(係合手段)
(16)・・・・・・・・・コンセント弁
(18)・・・・・・・・・コンセントばね
(2) ・・・・・・・・・プラグ体
(21)・・・・・・・・・プラグ筒
(22a)(22b)・・・・・・Oリング(シール部材)
(26)・・・・・・・・・プラグ弁
(28)・・・・・・・・・プラグばね
(3) ・・・・・・・・・解除ボタン(解除手段)
(30)・・・・・・・・・ロックレバー(係合手段)

Claims (5)

  1. 流路接続の為の一対の接続口が正面側に開放する壁面設置式の液体コンセントと、前記接続口に着脱自在に接続される一対のプラグ筒を備えたプラグ体と、前記一対の接続口間及び前記一対のプラグ筒間にそれぞれ設けられ且つ前記液体コンセントと前記プラグ体とを抜け止め状態に係合する係合手段と、前記係合手段を解除する解除手段が設けられた流路接続装置において、
    前記接続口内に、コンセント弁と、前記コンセント弁を閉弁方向に付勢するコンセントばねが収容され、
    前記プラグ筒内に、プラグ弁と、前記プラグ弁を閉弁方向に付勢するプラグばねが収容されると共に、前記プラグ筒の開放端近傍の外周に前記接続口との接続部を水密状態に保持する環状のシール部材が外嵌し、
    前記シール部材が前記接続口の開放端に挿入された接続初期段階にて、前記コンセント弁の先端と前記プラグ弁の先端とが閉弁状態で当接し、
    前記係合手段は、前記プラグ体に設けられた係合部と、前記液体コンセントに設けられた被係合部とからなると共に、前記接続初期段階から、前記プラグ筒を接続方向に移動させた接続完了状態にて、前記係合部が前記被係合部に係合するように設定され、
    前記解除手段は、前記プラグ体に設けられ且つ前記プラグ体の接続方向に押すことにより前記係合部の前記被係合部への係合を解除可能な解除ボタンである流路接続装置。
  2. 請求項1に記載の流路接続装置において、前記液体コンセントに、前記接続初期段階に至るよりも手前の位置から、プラグ体と液体コンセントとを相互に離反する方向に、前記係合部を直接付勢するプラグ取り外しばねが設けられている流路接続装置。
  3. 請求項1又は2に記載の流路接続装置において、前記接続初期段階に至るよりも手前の位置で、前記プラグ体を液体コンセントに対して取り外し方向に係合可能で且つ係合解除自在なプラグ係合保持手段が設けられている流路接続装置。
  4. 請求項3に記載の流路接続装置において、前記プラグ係合保持手段は、前記プラグ体が液体コンセントに対して傾斜した姿勢で保持されるようにした流路接続装置。
  5. 請求項3又は4に記載の流路接続装置において、前記プラグ体は、前記一対のプラグ筒を包囲する包囲筒が突設され、
    前記液体コンセントは、壁等に添設される化粧プレートに前記包囲筒が挿入可能なガイド筒部が開口すると共に、前記ガイド筒部内に前記一対の接続口が設けられ、
    前記プラグ係合保持手段は、前記包囲筒の開放端近傍の外周面の所定位置とそれに対応する前記ガイド筒部の開放端近傍の内周面の所定位置に各々設けられている流路接続装置。
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