JP6443480B2 - カートリッジ - Google Patents
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た第1の装置側側壁部と、(iii)前記装置側底壁部と交差する向きに前記第1の装置側側壁部と対向するように設けられた第2の装置側側壁部と、を備えるカートリッジ装着部と、
前記装置側底壁部に設けられた基端部と、カートリッジに接続される先端部とを有し、前記カートリッジに収容された印刷材をヘッドに流通させる印刷材供給管と、
前記装置側底壁部と前記第1の装置側側壁部とが交差する装置側コーナー部に設けられた装置側端子群と、
前記第1の装置側側壁部に回動可能に設けられ、前記カートリッジの着脱に利用されるレバーと、を備え、
前記印刷材供給管の中心軸Cと平行な軸をZ軸、前記印刷材供給管と前記装置側端子群とが配列される方向かつ前記Z軸と直交する方向をX軸、前記Z軸及び前記X軸と直交する軸をY軸とし、前記Z軸の方向のうち前記印刷材供給管の前記基端部から前記先端部に向かう方向を+Z軸方向とし、前記+Z軸方向とは逆方向を−Z軸方向とし、前記X軸の方向のうち前記印刷材供給管から前記装置側端子群に向かう方向を+X軸方向とし、前記−X軸方向とは逆方向を−X軸方向とし、前記Y軸方向のうち一方へ向かう方向を+Y軸方向、他方へ向かう方向を−Y軸方向としたときに、
前記装置側端子群は、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された装着状態において前記カートリッジと接触し、前記カートリッジに対して前記+Z軸方向成分を有する方向に力を作用させ、
前記レバーは、前記+Z軸方向側の端部に操作部を有し、前記−Z軸方向側の端部に前記カートリッジを係止することで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1の装置側規制部を有し、前記操作部と前記第1の装置側規制部との間の位置を軸として回動する、印刷装置に対して、
着脱可能に装着されるカートリッジであって、
前記装着状態にある前記カートリッジに対する前記X軸、前記Y軸および前記Z軸を、それぞれ前記カートリッジのX軸,Y軸,Z軸とするとき、
前記Z軸方向において対向する2つの面であって、前記−Z軸方向側に位置する第1面及び前記+Z軸方向側に位置する第2面と、
前記第1面及び第2面と交わり、前記X軸方向において対向する2つの面であって、前記+X軸方向側に位置する第3面及び前記−X軸方向側に位置する第4面と、
前記第1面と前記第3面とを繋ぐコーナー部と、
前記コーナー部の一部を構成し、前記+X軸方向と前記−Z軸方向の成分を含む方向を向いて傾斜する傾斜面と、
前記第1面に設けられ、前記印刷材供給管に接続される印刷材供給口と、
前記装置側端子群の各装置側端子に対応して設けられた複数のカートリッジ側端子によって構成されるカートリッジ側端子群であって、前記傾斜面に設けられ前記装置側端子群から前記+Z軸方向成分を有する方向の力を受けるカートリッジ側端子群と、
前記第1の装置側規制部に係止されることで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記第3面の、前記第3面と前記傾斜面とが交わる交差部分に近接した位置に設けられている、カートリッジ。
表面に前記カートリッジ側端子群が、裏面に記憶装置が設けられた回路基板を有し、
前記傾斜面は、前記回路基板の前記表面によって構成されており、
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記回路基板の前記+Z軸方向側に位置する基板端部に近接している、カートリッジ。
適用例2に記載のカートリッジによれば、カートリッジをカートリッジ装着部に装着するための部材である第1のカートリッジ側規制部が回路基板の基板端部に近接している。すなわち、カートリッジ側端子群にできる限り近づけるように、第1のカートリッジ側規制部が配置されている。第1のカートリッジ側規制部がレバーに係止されることで、第1のカートリッジ側規制部の近傍は、カートリッジが外力を受けても位置が変動しにくい。このように位置変動が非常に小さい場所にカートリッジ側端子群が設けられることにより、カートリッジ側端子群の各端子のカートリッジ装着部に対する位置ずれをさらに抑制できる。よって、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をさらに安定して図ることができる。
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記カートリッジの前記Y軸方向の幅の中央を通り前記Z軸および前記X軸に平行な平面(所定の平面)を横切る位置(所定の位置)に設けられている、カートリッジ。
ここで、装着状態において、カートリッジは装置側端子群から+Z軸方向成分を有する方向の力を受ける。そして、この力によって第1のカートリッジ側規制部はレバーの第1の装置側規制部に押し付けられる。適用例3に記載のカートリッジによれば、第1のカートリッジ側規制部が所定の位置に設けられることで、外力によってカートリッジがX軸やZ軸を中心としてがたついた場合でも、第1のカートリッジ側規制部のうち所定の平面と交わる位置付近の位置は、ほとんど動かない。ここで、第1のカートリッジ側規制部は、交差部分に近接した位置、あるいは、基板端部に近接した位置に配置されている。カートリッジ側端子群に極めて近い位置に、動きが少ない第1のカートリッジ側規制部を設けることで、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をより安定に図ることができる。
前記カートリッジ側端子群は、
最も前記+Y軸方向側に位置する第1の外側部分を含む、第1の端子と、
最も前記−Y軸方向側に位置する第2の外側部分を含む、第2の端子と、を含み、
前記Y軸方向について、
前記第1の外側部分と、前記第2の外側部分の間には、前記第1のカートリッジ側規制部の少なくとも一部が位置する、カートリッジ。
適用例4に記載のカートリッジによれば、第1の外側部分と第2の外側部分との間に第1のカートリッジ側規制部の少なくとも一部が位置する。よって、カートリッジ側端子群に極めて近い位置に、動きが少ない第1のカートリッジ側規制部を設けるができ、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をより一層安定に図ることができる。
前記Y軸方向について、
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記第1の外側部分と前記第2の外側部分の間の範囲の外側には位置することなく、前記範囲の内側に位置する、カートリッジ。
適用例5に記載のカートリッジによれば、カートリッジ装着部に装着した後に、装置側端子群から+Z軸方向成分の力をカートリッジ側端子群が受けることで、カートリッジ側端子群が設けられた傾斜面が向く方向を微調整できる。これにより、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をさらに安定して図ることができる。
前記第2の装置側側壁部に設けられた第2の装置側規制部に係止されることで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第2のカートリッジ側規制部を有し、
前記第2のカートリッジ側規制部は、前記第4面に設けられる、カートリッジ。
適用例6に記載のカートリッジによれば、さらに、第4面にカートリッジの+Z軸方向への動きを規制する第2のカートリッジ側規制部を有することで、カートリッジの+X軸方向の端部と−X軸方向の端部の両側から+Z軸方向への動きを規制できる。これにより、カートリッジ側端子群の各端子のカートリッジ装着部に対する位置ずれをさらに抑制できる。よって、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をさらに安定して図ることができる。
前記第2のカートリッジ側規制部は、凹部又は貫通孔である前記第2の装置側規制部に挿入される突起である、カートリッジ。
適用例7に記載のカートリッジによれば、第2の装置側規制部に第2のカートリッジ側規制部を挿入することで、第2のカートリッジ側規制部付近を中心としてカートリッジを回動させるための回転支点を形成できる。これにより、カートリッジ装着部に対するカートリッジの着脱を容易に行なうことができる。
適用例8に記載のカートリッジによれば、装着状態において、第1のカートリッジ側規制部がレバーに対し、レバーの軸を中心として係止が外れる方向とは反対側の方向に回動するように回転モーメントを発生させる。これにより、第1のカートリッジ側規制部と第1の装置側規制部との係止が外れる可能性を低減できる。よって、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続をより一層安定して図ることができる。例えば、カートリッジが装置側端子群から−X軸方向の力が加えられ、カートリッジが−X軸方向側へ動いた場合でも、第1の装置側規制部がカートリッジの動きを合わせて−X軸方向側へ動くことができる。これにより、第1のカートリッジ側規制部と第1の装置側規制部との係止が外れる可能性を低減できる。
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記第1の装置側規制部の第1の部分と当接することで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1当接部と、前記第1の装置側規制部の第2の部分と当接することで前記カートリッジの前記+X軸方向への動きを規制する第2当接部と、を有する、カートリッジ。
適用例9に記載のカートリッジによれば、第1のカートリッジ側規制部が第1当接部と第2当接部とを有することで、レバーの軸を中心として係止が外れる方向とは反対側の方向に回動するような回転モーメントをレバーに対してより確実に発生できる。これにより、第1のカートリッジ側規制部と前記第1の装置側規制部との係止が外れる可能性をさらに低減できる。よって、カートリッジ側端子群と装置側端子群との導通不良をより確実に低減できる。
前記カートリッジ装着部に装着された前記カートリッジが前記カートリッジ装着部から取り外される際に、前記レバーの前記操作部と当接することで前記+Z軸方向成分を含む力が加えられる突出部を有し、
前記突出部は、前記第3面の、前記第1のカートリッジ側規制部よりも前記+Z軸方向側に設けられる、カートリッジ。
適用例10に記載のカートリッジによれば、操作部と突出部を利用して、カートリッジをカートリッジ装着部から容易に取り外すことができる。
前記コーナー部は、前記第1面から前記+Z軸方向に延びる段差面を有し、
前記段差面は、前記傾斜面よりも前記−X軸方向側かつ−Z軸方向側に位置し、
前記段差面には、前記カートリッジ装着部に設けられた第3の装置側規制部と接触することで前記カートリッジの前記Y軸方向の動きを規制する第3のカートリッジ側規制部が設けられている、カートリッジ。
適用例11に記載のカートリッジによれば、カートリッジ側端子群が設けられたコーナー部にY軸方向の動きを規制する第3のカートリッジ側規制部を設けることで、装着状態におけるカートリッジの第3面側のY軸方向の動きを規制できる。
前記第3のカートリッジ側規制部は、前記装置側底壁部から前記+Z軸方向に突出した前記第3の装置側規制部を間に受け入れる一対の突出部材であり、
前記突出部材は、前記段差面から前記+X軸方向に突出する、カートリッジ。
適用例12に記載のカートリッジによれば、段差面から+X軸方向に突出する部材を設けるという簡単な構造で、装着状態におけるカートリッジの第3面側のY軸方向の動きを規制できる。
前記カートリッジを前記第1面側から+Z軸方向に向って見たとき、前記第3のカートリッジ側規制部の一部分が、前記傾斜面と重なる、カートリッジ。
適用例13に記載のカートリッジによれば、第3のカートリッジ側規制部と傾斜面とが重なる位置にあるため、印刷材供給管を中心としたカートリッジの第3面側のY軸方向の動きをさらに抑制できる。
前記印刷材供給口は、前記第1面のうち、前記第3面よりも前記第4面に近い部分に設けられている。
適用例14に記載のカートリッジによれば、印刷材供給口が第4面よりも第3面に近い部分に設けられている場合よりも、カートリッジ側端子群に印刷材が付着する可能性を低減できる。よって、カートリッジ側端子群と装置側端子群との導通不良を低減できる。
前記第1のカートリッジ側規制部は突起である、カートリッジ。
適用例15に記載のカートリッジによれば、第1のカートリッジ側規制部の形状を小さく単純な構成とすることができる。
前記カートリッジ側端子群は、前記装置側端子群のうちの接地ラインに接続された装置側接地端子に接触するカートリッジ側接地端子を含み、
前記カートリッジ側接地端子は、前記カートリッジの前記Y軸方向の幅の中央に設けられており、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着される際に、前記カートリッジ側端子群における他のカートリッジ側端子が前記装置側端子群と接触するよりも先に、前記装置側接地端子に接触するように構成された、カートリッジ。
適用例16に記載のカートリッジによれば、カートリッジ装着部からカートリッジ側端子群に最初に加わる力が、カートリッジのY軸方向の幅の中心に発生するため、カートリッジ側端子群に加わる力がカートリッジをY軸方向に傾かせる力として働く作用を抑制できる。これにより、カートリッジ側端子群と装置側端子群との電気的な接続を安定して図ることができる。また、カートリッジ側接地端子が他のカートリッジ側端子よりも先に装置側接地端子に接触するため、カートリッジ側に意図しない高電圧が印加された場合であっても、カートリッジ側接地端子の接地機能によって、高電圧による不具合を軽減することができる。
前記カートリッジ側接地端子の前記Z軸方向の長さは、前記他のカートリッジ側端子の前記Z軸方向の長さよりも長い、カートリッジ。
適用例17に記載のカートリッジによれば、カートリッジ側接地端子と装置側接地端子との接触をより確実に行なうことができる。
前記カートリッジ装着部の底部に設けられた基端部と、前記カートリッジに接続される先端部とを有し、前記カートリッジに収容された印刷材をヘッドに流通させる印刷材供給管と、
前記カートリッジに接触する装置側端子群と、
前記カートリッジの着脱に利用されるレバーと、を備え、
前記印刷材供給管の中心軸Cと平行な軸をZ軸、前記印刷材供給管と前記装置側端子群とが配列される方向かつ前記Z軸と直交する方向をX軸、前記Z軸及び前記X軸と直交する軸をY軸とし、前記Z軸の方向のうち前記印刷材供給管の前記基端部から前記先端部に向かう方向を+Z軸方向とし、前記+Z軸方向とは逆方向を−Z軸方向とし、前記X軸の方向のうち前記印刷材供給管から前記装置側端子群に向かう方向を+X軸方向とし、前記−X軸方向とは逆方向を−X軸方向とし、前記Y軸方向のうち一方へ向かう方向を+Y軸方向、他方へ向かう方向を−Y軸方向としたときに、
前記装置側端子群は、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された装着状態において前記カートリッジと接触し、前記カートリッジに対して前記+Z軸方向成分を有する方向に力を作用させ、
前記レバーは、+Z軸方向側の端部に操作部を有し、前記−Z軸方向側の端部に前記カートリッジを係止することで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1の装置側規制部を有し、前記操作部と前記第1の装置側規制部との間の位置を軸として回動する、印刷装置に対して、
着脱可能に装着されるカートリッジであって、
前記装着状態にある前記カートリッジに対する前記X軸、前記Y軸および前記Z軸を、それぞれ前記カートリッジのX軸,Y軸,Z軸とするとき、
前記−Z軸方向側に位置し、前記印刷材供給管が接続される印刷材供給口と、
前記印刷材供給口よりも前記+X軸方向側に位置し設けられ、前記+X軸方向と前記−Z軸方向の成分を含む方向を向いて傾斜する表面を有する回路基板と、
前記回路基板の前記表面に設けられ、前記装置側端子群の各装置側端子に対応して設けられた複数のカートリッジ側端子によって構成されるカートリッジ側端子群であって、前記装置側端子群から前記+Z軸方向の成分を有する方向の力を受けるカートリッジ側端子群と、
前記第1の装置側規制部に係止されることで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部であって、前記印刷材供給口よりも前記+X軸方向側に位置する第1のカートリッジ側規制部と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部は、前記回路基板の前記表面のうち前記+Z軸方向側に位置する基板端部と近接する位置に設けられている、カートリッジ。
印刷装置と、
適用例1乃至適用例18のいずれか一つに記載のカートリッジと、を備え、
前記印刷装置は、
(i)装置側底壁部と、(ii)前記装置側底壁部と交差する向きに設けられた第1の装置側側壁部と、(iii)前記装置側底壁部と交差する向きに前記第1の装置側側壁部と対向するように設けられた第2の装置側側壁部と、を備えるカートリッジ装着部と、
前記装置側底壁部に設けられた基端部と、前記カートリッジに接続される先端部とを有し、前記カートリッジに収容された印刷材をヘッドに流通させる印刷材供給管と、
前記装置側底壁部と前記第1の装置側側壁部とが交差する装置側コーナー部に設けられた装置側端子群と、
前記第1の装置側側壁部に回動可能に設けられ、前記カートリッジの着脱に利用されるレバーと、を備え、
前記印刷材供給管の中心軸Cと平行な軸をZ軸、前記印刷材供給管と前記装置側端子群とが配列される方向かつ前記Z軸と直交する方向をX軸、前記Z軸及び前記X軸と直交する軸をY軸とし、前記Z軸の方向のうち前記印刷材供給管の前記基端部から前記先端部に向かう方向を+Z軸方向とし、前記+Z軸方向とは逆方向を−Z軸方向とし、前記X軸の方向のうち前記印刷材供給管から前記装置側端子群に向かう方向を+X軸方向とし、前記−X軸方向とは逆方向を−X軸方向、前記Y軸方向のうち一方へ向かう方向を+Y軸方向、他方へ向かう方向を−Y軸方向としたときに、
前記装置側端子群は、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された装着状態において前記カートリッジと接触し、前記カートリッジに対して前記+Z軸方向成分を有する方向に力を作用させ、
前記レバーは、前記+Z軸方向側の端部に操作部を有し、前記−Z軸方向側の端部に前記カートリッジを係止することで前記カートリッジの前記+Z軸方向への動きを規制する第1の装置側規制部を有し、前記操作部と前記第1の装置側規制部との間の位置を軸として回動する、印刷材供給システム。
A−1.印刷材供給システムの全体構成:
図1は、印刷材供給システム10の構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。図1のXYZ軸は他の図のXYZ軸に対応している。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸を付している。印刷材供給システム10は、カートリッジ20と、印刷装置としてのプリンター50とを備える。印刷材供給システム10では、プリンター50のホルダー60に、利用者によってカートリッジ20が着脱可能に装着される。
図2および図3は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を示す斜視図である。図4は、カートリッジ20が装着されたホルダー60を示す上面図である。図2〜図4には、ホルダー60に1つのカートリッジ20が、設計された装着位置に正しく装着された状態を図示している。なお、「設計された装着位置に正しく装着された状態」とは、後述するカートリッジ側端子群の各端子が、プリンター50の接点機構の端子群の対応する各端子にそれぞれ接触する位置にカートリッジ20が位置する状態をいう。
図7は、カートリッジ20の構成を示す斜視図である。図8は、カートリッジ20の底面図である。図9は、図8のF8−F8断面図である。図10は、回路基板40の詳細構成を示す説明図である。図10(A)は、図9の矢視F9から回路基板40を見た図である。図10(B)は、図10(A)の矢視F10から回路基板40を見た図である。本実施形態では、装着状態にあるカートリッジ20に対するX軸、Y軸およびZ軸をカートリッジ上の軸とする。本実施形態では、装着状態において+X軸方向側がカートリッジ20の正面となる。なお、図8に示した平面Ycは、カートリッジ20のY軸方向の長さである幅の中央を通り、かつ、Z軸およびX軸に平行な平面(ZX平面)である。また、図8に示した平面CXは、中心軸Cを通り、かつ、Z軸およびX軸に平行な平面(ZX平面)である。
<第1の端子列R1>
(1)装着検出端子(第1の端子)435
(2)電源端子436
(3)接地端子437
(4)データ端子438
(5)装着検出端子(第2の端子)439
<第2の端子列R2>
(6)装着検出端子(第3の端子)431
(7)リセット端子432
(8)クロック端子433
(9)装着検出端子(第4の端子)434
A−4−1.ホルダー60の全体構成:
図14および図15は、ホルダー60の構成を示す斜視図である。図16は、ホルダー60の構成を示す上面図である。図17は、図16のF16−F16断面図である。なお、図17では図14〜16に示した突起部636の図示を省略している。
図18は接点機構70を示す斜視図である。図18は、ホルダー60から取り外した状態の接点機構70を図示している。
なお、本実施形態では、プリンターの組み立てを容易に行えるよう、装置側端子731〜739を端子台709に保持して接点機構70をユニット化した状態でホルダー60に組み込んでいる。しかし、端子台709による接点機構70のユニット化は、必須ではない。ホルダーの底面壁部601や外壁603Wに装置側端子731〜739を組み込める構造を一体的に形成しておき、そこに装置側端子731〜739を組み込むようにしても良い。すなわち、端子台709は必須ではない。
図19は、レバー80の外観斜視図である。図20は、軸部850をX軸とZ軸に平行な面(XZ平面,Y軸に垂直な面)で切断した断面である。図21は、レバー80の幅方向(Y軸方向)の中央部分を通ってX軸とZ軸に平行な面(XZ平面,Y軸に垂直な面)で切断した断面である。なお、図21は、カートリッジ20が設計された装着位置に正しくホルダー60に装着された状態における、レバー80の断面の状態を示している。
図22は、保持部材690の分解斜視図とレバー80の斜視図である。レバー80は、保持部材690に保持されることによって、ホルダー60に対して回動可能に組み付けられている。図22には、保持部材690の全体ではなく、1つのレバー80を保持するための一部分の構成を図示した。保持部材690は、第1の保持部材650と第2の保持部材680との組み合わせで構成される。保持部材690は、合成樹脂により形成されている。本実施形態では、保持部材690はABS樹脂を用いて形成されている。
図24〜図27は、カートリッジ20をホルダー60に対して装着する際の動作(装着動作)を示す説明図である。図24〜図27は、図5及び図17に対応する断面図である。図24〜図27の順で時系列となっている。
図28は、第1実施形態におけるカートリッジ20の回路基板40とプリンター50との電気的構成を示すブロック図である。プリンター50は、表示パネル590と、電源回路580と、主制御回路570と、サブ制御回路550とを備えている。表示パネル590は、利用者にプリンター50の動作状態や、カートリッジ20の装着状態などの各種の通知を行うための表示部である。表示パネル590は、例えば、プリンター50の外部から視認可能な操作部(図示せず)に設けられる。電源回路580は、第1の電源電圧VDDを生成する第1電源581と、第2の電源電圧VHVを生成する第2電源582とを有している。第1の電源電圧VDDは、ロジック回路に用いられる通常の電源電圧(定格3.3V)である。第2の電源電圧VHVは、ヘッド540(図1)を駆動してインクを吐出させるために用いられる高い電圧(例えば定格42V)である。これらの電圧VDD、VHVは、サブ制御回路550に供給され、また、必要に応じて他の回路にも供給される。主制御回路570は、CPU571と、メモリー572とを有している。サブ制御回路550は、メモリー制御回路551と、装着検出回路552とを有している。なお、主制御回路570と、サブ制御回路550とを含む回路を、「制御回路」と呼ぶことも可能である。
A−7−1.特許文献1〜3との比較
特許文献1〜3と比較した場合の本実施形態の効果を、図27を参照しながら説明する。
本実施形態の印刷材供給システム10では、ホルダー60にレバー80を設け、カートリッジ20に第1のカートリッジ側規制部210を設けている。カートリッジ側規制部210は、レバーの回転軸800cよりも−Z軸方向側に設けられている。このような構成により、本実施形態では、カートリッジにレバーを設けている特許文献1や2のように、レバーの回転軸と操作部との間にホルダーとの係合部を設ける必要が無い。したがって、レバーとカートリッジの側面との間にそれほど大きな間隔は必要ない。すなわち、本実施形態では、レバー80とカートリッジの第3面203との距離を小さくでき、X軸方向のサイズを小さくできる。しかも、レバーの長さを短くできるため、Z軸方向のサイズも小さくできる。よって、プリンター50及び印刷材供給システム10を、非常に小型化することが可能である。また、カートリッジ20を輸送したり販売したりする場合にカートリッジを梱包する際に用いられる梱包材の大きさをも小型化することができるため、輸送コストや部品コストの低減も可能である。なお、このような効果は、単に特許文献3のように、レバーをカートリッジではなくプリンターのホルダー側に設けただけでは得ることはできない。レバー80の回転軸800cを操作部830と第1の装置側規制部810との間に設けたり、カートリッジ側規制部210をレバー80の回転軸800cよりも−Z軸方向側に設けたりすることで、はじめて得られるものである。
また、本実施形態の印刷材供給システム10では、レバーの長さを短くでき、また、第1のカートリッジ側規制部210の形状も小さく単純な構成(本実施形態では突起)とすることができる。よって、特許文献1や2に比べて、レバー80及びカートリッジ側規制部210の剛性を高くできる。しかも、レバー80及びカートリッジ側規制部210(カートリッジ20)の材料として、比較的剛性の高い材料を選択できる。よって、レバー80やカートリッジ側規制部210の塑性変形の可能性を、極めて低く抑えることが可能となる。よって、装着状態におけるカートリッジ20をホルダー60内の正確な位置に保持し続けることが可能となり、カートリッジ側端子431〜439と、装置側端子731〜739の接触状態を、正常な状態に維持することができ、導通不良を低減することが可能となる。なお、本実施形態によれば、カートリッジ側規制部210の形状を小さく単純なものとすることができるため、カートリッジ20を輸送、販売する際に梱包(特に、梱包材の内部が減圧された状態にするような梱包)を行う際、特許文献1や2のカートリッジのようにレバーの塑性変形に配慮する必要がなく、利用者の利便性を向上できる。特に、このような効果を得るには、本実施形態のように、第1のカートリッジ側規制部210を突起とすることが好ましい。
さらに、本実施形態の印刷材供給システム10では、カートリッジ側規制部210を、レバー80の回転軸800cよりも−Z側に設けている。先に述べたとおり、装置側端子731〜739は、カートリッジ20の装着状態において、回路基板40を押し返す方向(+Z軸方向と−X軸方向の成分を含む方向)に付勢力Ptを発生させる。よって、装着状態20におけるカートリッジ20は、+Z軸方向に移動しようとする。しかし、本実施形態の印刷材供給システム10では、レバー80の回転軸800cがカートリッジ側規制部210よりも−Z軸方向に設けられているため、このような動きをレバー80によって+Z軸方向側から−Z軸方向側へ封じ込めることができる。
しかも、本実施形態では、カートリッジ側規制部210が、レバー80の回転軸800cよりも−Z軸方向側かつ−X軸方向側に設けられている。よって、カートリッジ20が+Z軸方向に移動しようとしたとき、レバー80には図5の矢印Mで示したような回転モーメントが発生する。このモーメントは、装置側規制部810によって、カートリッジ側規制部210を、さらに−X軸方向へ強く押し付けようとするように作用する。また、このモーメントは、付勢力PtのX軸方向成分によって、カートリッジ20が−X軸方向に移動しようとする動きに、レバーの装置側規制部810の動きを合わせるようにも作用する。よって、装着状態におけるカートリッジ20には、装置側底面壁部601及び第2の装置側側壁部604に押し付けられるような力が作用する。従って、本実施形態では、カートリッジ20がホルダー60から外れにくい。また、カートリッジ側端子431〜439と、装置側端子731〜739の接触状態を、正常な状態に維持することができ、導通不良を低減することが可能となる。
図30は、カートリッジ20の装着状態において、カートリッジ20が受ける外力を説明するための図である。プリンター50が印刷等を行う際にはホルダー60及びカートリッジ20は主走査方向(Y軸方向、カートリッジ20の幅方向)に移動する。すなわち、カートリッジ20は、幅方向の外力(慣性力)を受けることになる。カートリッジ20が外力を受けることで、カートリッジ20は印刷材供給口280(図27)及び印刷材供給管640を中心に幅方向成分(Y軸方向成分)を含む回転方向に回転しようとする場合がある。具体的には、第3面203側は矢印YR1の向きに回転し、第4面204側は矢印YR2の向きに回転しようとする場合がある。また、カートリッジ20の第2面202側は矢印YR3側に回転しようとする場合がある。矢印YR1及び矢印YR2の向きは、Z軸を中心としたY軸方向(幅方向)を含む回転方向である。また、矢印YR3はX軸を中心としたY軸方向(幅方向)を含む回転方向である。
また、図13に示したとおり、本実施形態では、X軸方向について(カートリッジ20を第1面201側から+Z軸方向に向って見たとき)、回路基板40の表面408と第3のカートリッジ側規制部250が一部において重なるように配置されている(図13)。よって、カートリッジ20の矢印YR1方向への動きをより一層抑制でき、カートリッジ側端子群400のホルダー60に対する動き(ずれ)をより抑制することができる。
図12に示したように、本実施形態では、第1のカートリッジ側規制部210は、カートリッジ20の幅(Y軸方向の長さ)の中央を通る平面Ycを横切るように設けられている。図5に示したように、カートリッジ20の装着状態において、カートリッジ20はホルダー60から+Z軸方向の成分を含む付勢力Ps,Ptを受ける。そして、このような付勢力Ps,Ptによって、第1のカートリッジ側規制部210は、レバー80に設けられた第1の装置側規制部810に押し付けられる。これにより、装着状態において、外力によりカートリッジ20がX軸やZ軸を中心としてがたついた場合でも、第1のカートリッジ側規制部210の平面Ycと交わる位置付近の位置は、ほとんど動かない。
ここで、第1のカートリッジ側規制部210は、交差部分295に近接している。あるいは、第1のカートリッジ側規制部210は、基板端部405に近接しているとも言える。カートリッジ側端子群400に極めて近い位置に、動きが少ない第1のカートリッジ側規制部210を設けることで、カートリッジ側端子群400と接点機構70との電気的な接続を安定して図ることができる。
また、第1のカートリッジ側規制部210のうち、特にカートリッジ側端子群400の位置を規制するのに有効な部分は第1のカートリッジ側係止面211である。そこで、第1のカートリッジ側係止面211をカートリッジ側端子群400と出来るだけ近づけることが好ましい。第1のカートリッジ側規制部210のうち第3の部分215を省略し、第1の部分212を第1辺290と接して配置すれば、第1のカートリッジ側係止面211を交差部分295、あるいは基板端部405により近づけることができる。そうすれば、カートリッジ側端子群400と接点機構70との電気的な接続を、より安定して図ることができる。
さらに、本実施形態では、図10に示したとおり、カートリッジ側端子群400を構成する各端子の接触部cpのうち、Y軸方向において中央に設けられる接触部cpを有する端子437が、平面Ycと交わる位置に設けられている。そして、残りの端子431〜436,438,439の接触部cpは、この平面Ycと接地端子437との交線を軸として線対称となる位置に設けられている。平面Ycは、第1のカートリッジ側規制部210の位置が固定されているため、特に動きが少ない。カートリッジ側端子群400は、このように動きの少ない平面Yc上、及びその近傍に配置されていることになる。カートリッジ側端子群400に極めて近い位置に第1のカートリッジ側規制部210を設けることに加え、平面Yc上やその近傍に端子群400を配置することによって、カートリッジ側端子群400と接点機構70との電気的な接続を、さらに安定して図ることが可能となる。
本実施形態では、第1のカートリッジ側規制部210(厳密には第1のカートリッジ側係止面211)が、Y軸方向について、カートリッジ側端子群400のうちで最も+Y軸方向側に位置する第1の外側部分435Pとカートリッジ側端子群400のうちで最も−Y軸方向側に位置する第2の外側部分439Pの間の範囲40Yの外側には位置することなく、範囲40Yの内側に位置する。これにより、ホルダー60にカートリッジ20を装着した後に、装置側端子群700から+Z軸方向成分の力をカートリッジ側端子群400が受けることで、カートリッジ20の傾きを微調整できる。すなわち、カートリッジ側端子群400が設けられた傾斜面408が向く方向を微調整できる。これにより、例えば、各装置側端子731〜739の装置側傾斜面708からの位置、第1のカートリッジ側規制部210の第1のカートリッジ側係止面211の水平度などが、製造上の誤差によってばらついた場合でも、傾斜面408が向く方向を微調整することで、カートリッジ側端子群400と装置側端子群700との電気的な接続を安定して図ることができる。
また、カートリッジ20は、第4面204に第2のカートリッジ側規制部220を有する(図27)。これにより、カートリッジ20の+X軸方向の両側から+Z軸方向への動きを規制でできる。これにより、カートリッジ側端子群400と装置側端子群700との電気的な接続をさらに安定して図ることができる。
図27に示すように、本実施形態では、カートリッジ20は第3面203の、第1のカートリッジ側規制部210よりも+Z軸方向側に、突出部260を有する。そして、カートリッジ装着部60に装着されたカートリッジ20を取り外す際、レバー80の操作部830に+X軸方向側から−X軸方向側へと力を加えることで、操作部830が突出部260と接触して、+Z軸方向成分を含む成分を有する方向Yhに突出部260を押圧する、つまり、突出部260に+Z軸方向成分の力を加えることができるようにしている。これにより、操作部830を利用してカートリッジ20をホルダー60から容易に取り外すことができる。特に、カートリッジ20がホルダー60の部材に引っ掛かり、第1のカートリッジ側係止面211を第1係止位置810Lから+X軸方向に移動させてもカートリッジ20が+Z軸方向側に移動しないような場合であっても、突出部260を利用してカートリッジ20の第3面203側を+Z軸方向に容易に移動させることができる。
なお、本実施形態では、上記のように操作部830によって突出部260に外力を直接加えているが、突出部260には、必ずしも操作部830による外力が加えられる必要はない。操作部830を回転させれば、第1の装置側規制部810と第1のカートリッジ側規制部210との係止が外れ、カートリッジ20の第3面203側の+Z軸方向への動きの規制が解除される。カートリッジ20の+Z軸方向への動きの規制が解除されると、接点機構70からの付勢力Ptによってカートリッジ20の第3面203側が+Z軸方向側に移動する。このとき、カートリッジ20の突出部260も方向Yhへ移動する。その後、利用者は、方向Yhへ移動した突出部260の付近を手でつまむ等して、容易にカートリッジ20をホルダー60から取り外すことができる。すなわち、操作部830によって突出部260に外力を直接加えなくても、突出部260を有していれば、カートリッジ20をホルダー60から取り外す際の操作性を向上できる。
図27に示すように、本実施形態では、第1面201のうち第3面203よりも第4面204に近い部分に印刷材供給口280を設けている。すなわち、X軸方向について、印刷材供給口280の外表面と第3面203との距離は、印刷材供給口280の外表面と第4面204との距離よりも大きい。一方、カートリッジ側端子群400は、第3面203と隣接する表面408に設けられている。すなわち、印刷材供給口280は、カートリッジ側端子群400から離れた位置に設けられている。これにより、カートリッジ側端子群400にインクが付着する可能性を低減できる。よって、カートリッジ側端子群400と装置側端子群700との接触不良の発生を抑制できる。
本実施形態では、図10に示すように、カートリッジ側端子群400を構成する端子の接触部cpのうち、Y軸方向において中央に設けられる接触部cpを有する接地端子437は、カートリッジ20の幅(Y軸方向の長さ)の中央を通る平面Ycと交わる位置に設けられている。そして、接地端子437は、カートリッジ20がホルダー60に装着される際、他のカートリッジ側端子431〜436,438,439による接点機構70との接触に先立って、接点機構70に接触するように構成されている。これによって、ホルダー60から回路基板40に最初に加わる付勢力が、カートリッジ20のY軸方向の幅の中心に発生する。よって、回路基板40に加わる付勢力がカートリッジ20をY軸方向に傾かせる力として働く作用を抑制し、設計された装着位置へのカートリッジ20の装着を可能にする。また、接地端子437が他のカートリッジ側端子431〜436,438,439よりも先にホルダー60の接点機構70に接触するため、カートリッジ20側に意図しない高電圧が印加された場合であっても、接地端子437の接地機能によって、高電圧による不具合を軽減することができる。
また、図21に示すように、第1の装置側係止面811は、X軸とZ軸に平行な断面において回転軸800cを中心とした円弧形状となる曲面である。これにより、カートリッジ20をホルダー60に着脱する際の動作をスムーズに行なうことができる。また、第1の装置側係止面811を曲面とすることで、カートリッジ20をホルダー60に装着する際に弾性部材648(図27)によって、+Z軸方向側へと押し戻される量を小さくできる。これにより、カートリッジ側端子群400と装置側端子群700との電気的接触を良好に図ることができる。
図33は第2実施形態のプリンター50aを説明するための図である。図33は、第1実施形態の図17の断面に相当する。第1実施形態のプリンター50との違いは、保持部材690aが弾性部材682を有さない点である。その他の印刷材供給システム10の構成は第1実施形態のプリンター50と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。また、プリンター50aに装着されるカートリッジ20の構成は第1実施形態と同様の構成である。
図34は、第3実施形態のカートリッジ20bの外観斜視図である。第1実施形態のカートリッジ20(図7)との違いは、カートリッジ20bの寸法である。その他のカートリッジの構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。また、第3実施形態のプリンターのうち、ホルダー60とホルダー60に設けられた部材(例えば、レバー80)は同様の構成である。
図35〜37に、カートリッジの構成に関する変形例を示す。印刷材供給システム10の構成は第1実施形態のプリンター50と同様の構成である。また、第1実施形態のカートリッジ20と同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。
図35は、他の実施形態におけるカートリッジの形状を示す概念図である。図35(A)に示すカートリッジ20cの外殻22cは、楕円形又は長円形の側面を有している。また、カートリッジ20cは、その正面側に第1のカートリッジ側規制部210と、回路基板40とを有する。また、カートリッジ20cの底面側には、印刷材供給口280が形成されており、背面側には第2のカートリッジ側規制部220が形成されている。なお、このカートリッジ20cを正面側から見ると、一定の幅を有している。このカートリッジ20cでも、第1と第2のカートリッジ側規制部210,220と、回路基板40と、印刷材供給口280とが、プリンター50の対応する部材と接続するように構成されていれば、図7に示したカートリッジ20と互換性を確保することが可能である。
図36は、アダプターを使用したカートリッジ20iの構成を示す斜視図である。このカートリッジ20iは、印刷材収容部200を有する収容部材200iと、アダプター299とに分離できる。利用者は、収容部200内の印刷材が無くなったら、収容部材200iを新しいものに交換するか、そこに印刷材を補給する。アダプター299は再利用することができる。このカートリッジ20iは、第1実施形態のカートリッジ20(図7参照)と互換性を有するものである。
上記の実施形態では、レバー80とは別体で弾性部材682を設けていたが(図22)、レバー80自体を弾性変形できる部材としても良い。図39及び図40を用いて、レバーの他の実施形態について説明する。
図41は、回路基板の端子形状の変形例を示す図である。これらの基板40c〜40eは、図10(A)に示した基板40と端子431〜439の表面形状が異なるだけである。図41(A),(B)の基板40c,40dは、個々の端子の形状が略長方形ではなく、不規則的な形状を有している。図41(C)の基板40eでは、9つの端子431〜439が一列に配列されており、また、装着検出端子435,439がその両端に配置されている。また、装着検出端子431,434は、それぞれ装着検出端子435と電源端子436との間、装着検出端子439とデータ端子438との間に配置されている。これらの基板40c〜40eにおいても、各端子431〜439に対応する装置側端子との接触部cpの配置は、図10(A)の基板400と同じである。このように、個々の端子の表面形状としては、接触部cpの配置が同一である限り、種々の変形が可能である。
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、第4面204に第2のカートリッジ側規制部220を設けていたが、第2のカートリッジ側規制部220を省略しても良い。例えば、カートリッジ20とホルダー60のスロットとの間のクリアランスが比較的小さければ、第2のカートリッジ側規制部220が無くても、第4面204の外表面の全部または一部が、第2の装置側側壁部604に当接することで、カートリッジ20の第4面204側の+Z軸方向側への動きが規制される。これにより、カートリッジ20をホルダー60に保持することが可能となる。また、例えば、カートリッジ20の第4面204とホルダー60の壁部604との間に、ゴムなどの弾性部材を設け、第4面204及び第2の装置側側壁部604と弾性部材との摩擦によって第4面204側の+Z軸方向側への動きを規制しても良い。この弾性部材は、カートリッジ20やホルダー60とは別の部材としても良いし、カートリッジ20の第4面204やホルダー60の側壁部604に貼り付ける等しても良い。なお、第2のカートリッジ側規制部220を省略する場合、第2の装置側側壁部604の第2の装置側規制部620(図15)も省略できる。
上記実施形態では、第1のカートリッジ側係止面211は範囲40Yに位置していたが(図12)、範囲40Yの外側まで延びて配置されていても良い。
上記実施形態では、図22に示したように、レバー80に一対の軸部850を設け、保持部材690に軸受け部654を設けていたが、逆に、レバー80に軸受け部を設け、保持部材690に軸部を設けるようにしても良い。また、本実施形態では、プリンターの組み立てを容易に行えるよう、レバー80と保持部材680,690とをユニット化した状態でホルダー60に組み込んでいる。しかし、保持部材680,690のような部材は、必須ではない。ホルダーの外壁603Wなどにレバー80の軸受け部を一体的に設け、そこにレバーを固定するような構成としても良い。
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びその液体収容容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
また、本発明は以下の変形態様としても実施できる。なお、各変形態様の各要素と共に括弧内付した符号は、第1実施形態で記載した各要素の符号に対応している。
・第1の変形態様:
印刷装置(50)に着脱可能に装着されるカートリッジ(20)であって、
前記カートリッジの外表面を構成する第1面(201)であって、前記印刷装置に接続される印刷材供給口(280)が設けられた第1面(201)と、
前記第1面(201)と対向する第2面(202)と、
一方の辺(291)が前記第2面(202)に接続された第3面(203)であって、前記一方の辺(291)とは反対側の他方の辺(290)が前記第1面(201)と第2面(202)が対向する対向方向(Z軸方向)について前記第1面(201)と前記第2面(202)の間に位置する第3面(203)と、
前記第3面(203)と対向する第4面(204)であって、前記第1面(201)と前記第2面(202)に接続された第4面(204)と、
前記第1面(201)と前記第3面(203)とを接続する外表面(265)であるコーナー部(265)と、
前記コーナー部(265)に設けられたカートリッジ側端子群(400)であって、前記カートリッジ(20)が前記印刷装置(50)に装着された装着状態において、前記印刷装置(50)の装置側端子群(700)から前記カートリッジを押上げるように外力が加えられるカートリッジ側端子群(400)と、
前記第3面(203)に設けられ、前記装着状態において前記印刷装置のレバー(80)に係止されることで前記カートリッジの前記押上げる方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部(210)と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部(210)は、前記カートリッジ側端子群(400)に近接している、カートリッジ。
印刷装置(50)に着脱可能に装着されるカートリッジ(20)であって、
前記カートリッジの外表面を構成する第1面(201)であって、前記印刷装置に接続される印刷材供給口(280)が設けられた第1面(201)と、
前記第1面(201)と対向する第2面(202)と、
一方の辺(291)が前記第2面(202)に接続された第3面(203)であって、前記一方の辺(291)とは反対側の他方の辺(290)が前記第1面(201)と第2面(202)が対向する対向方向(Z軸方向)について前記第1面(201)と前記第2面(202)の間に位置する第3面(203)と、
前記第3面(203)と対向する第4面(204)であって、前記第1面(201)と前記第2面(202)に接続された第4面(204)と、
前記第1面(201)と前記第3面(203)とを接続する外表面(265)であるコーナー部(265)と、
前記コーナー部(265)に設けられたカートリッジ側端子群(400)であって、前記カートリッジ(20)が前記印刷装置(50)に装着された装着状態において、前記印刷装置(50)の装置側端子群(700)から前記カートリッジを押上げるように外力が加えられるカートリッジ側端子群(400)と、
前記第3面(203)に設けられ、前記装着状態において前記印刷装置のレバー(80)に係止されることで前記カートリッジの前記押上げる方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部(210)と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部(210)は、前記一方の辺(291)よりも前記他方の辺(290)に近い側に設けられている、カートリッジ。
印刷装置(50)に着脱可能に装着されるカートリッジ(20)であって、
前記カートリッジの外表面を構成する第1面(201)であって、前記印刷装置に接続される印刷材供給口(280)が設けられた第1面(201)と、
前記第1面(201)と対向する第2面(202)と、
一方の辺(291)が前記第2面(202)に接続された第3面(203)であって、前記一方の辺(291)とは反対側の他方の辺(290)が前記第1面(201)と第2面(202)が対向する対向方向(Z軸方向)について前記第1面(201)と前記第2面(202)の間に位置する第3面(203)と、
前記第3面(203)と対向する第4面(204)であって、前記第1面(201)と前記第2面(202)に接続された第4面(204)と、
前記第1面(201)と前記第3面(203)とを接続する外表面(265)であるコーナー部(265)と、
前記コーナー部(265)に設けられたカートリッジ側端子群(400)であって、前記カートリッジ(20)が前記印刷装置(50)に装着された装着状態において、前記印刷装置(50)の装置側端子群(700)から前記カートリッジを押上げるように外力が加えられるカートリッジ側端子群(400)と、
前記第3面(203)に設けられ、前記装着状態において前記印刷装置のレバー(80)に係止されることで前記カートリッジの前記押上げる方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部(210)と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部(210)は、前記他方の辺(290)に近接している、カートリッジ。
印刷装置(50)に着脱可能に装着されるカートリッジ(20)であって、
前記印刷装置に接続される印刷材供給口(280)と、
カートリッジ側端子群(400)であって、前記カートリッジ(20)が前記印刷装置(50)に装着された装着状態において、前記印刷装置(50)の装置側端子群(700)から前記カートリッジを押上げるように外力が加えられるカートリッジ側端子群(400)と、
前記装着状態において前記印刷装置のレバー(80)に係止されることで前記カートリッジの前記押上げる方向への動きを規制する第1のカートリッジ側規制部(210)であって、前記カートリッジ側端子群と同じ側に位置する第1のカートリッジ側規制部(210)と、を備え、
前記第1のカートリッジ側規制部(210)と前記カートリッジ側端子群(700)とは近接している、カートリッジ。
ここで、押上げる方向をZ軸正方向、Z軸正方向と反対方向をZ軸負方向とした場合に、第1のカートリッジ側規制部は、レバーの回転軸よりもZ軸負方向側に位置することが好ましい。
Claims (1)
- 印刷材供給管と、装置側端子と、回動可能に取り付けられたレバーと、を備える印刷装置のホルダーに、着脱可能に装着されるカートリッジであって、
互いに直交する3つの軸をZ軸、X軸、およびY軸と定義し、前記Z軸に沿った方向をZ軸方向と定義し、前記Z軸方向のうち負の方向を−Z軸方向と定義し、前記−Z軸方向の逆を+Z軸方向と定義し、前記X軸に沿った方向をX軸方向と定義し、前記X軸方向のうち正の方向を+X軸方向と定義し、前記+X軸方向の逆を−X軸方向と定義し、前記Y軸に沿った方向をY軸方向と定義したとき、
前記Z軸方向において対向し、前記−Z軸方向側に位置する第1面と、前記+Z軸方向側に位置する第2面と、
前記X軸方向において対向し、前記+X軸方向側に位置する第3面と、前記−X軸方向側に位置する第4面と、
前記Y軸方向において対向する第5面及び第6面と、
前記第1面と前記第3面とを繋ぐ接続面と、
前記第1面に設けられ、前記印刷材供給管と接続する印刷材供給口と、
前記接続面の、前記X軸および前記Z軸に対して傾斜した法線方向を向いた面に設けられ、前記装置側端子と接続するカートリッジ側端子と、
前記第3面に設けられ、前記レバーに係止されることによって前記+Z軸方向への前記カートリッジの移動を規制する第1係止部と、
を備え、
前記第1係止部は、前記第3面のZ方向の長さの中点よりも、前記−Z軸方向側に位置し、
前記カートリッジを前記ホルダーに装着する過程において、前記レバーに立設された一対の壁部によって前記Y軸方向への前記第1係止部の動きが制限されるように、前記Y軸方向において、前記第1係止部の幅は、前記一対の壁部の間の距離よりも短い、カートリッジ。
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