JP6443252B2 - ホース製造方法 - Google Patents

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本発明は、ホース継手構造とホース製造方法に関する。
自動車のブレーキホースなどの高圧流体用のホースは、補強用の繊維で形成された補強層をその内層側と外層側のゴム層で積層被覆して構成され、ホース端部に継手金具を有する。こうしたホースにおいて、補強層に流体、例えばブレーキホースにおけるブレーキ液が浸入すると、継手金具から離れた箇所でのホースの膨らみが起きることから、補強層への液体浸入を抑制する手法が提案されている(特許文献1)。
特開2005−233414号公報
上記特許文献に示された流体の浸入抑制手法では、ホース端面に接着剤やシール剤を塗布してホース端面の液密化を図っている。しかしながら、ホース自体の温度が環境温度に応じて繰り返し高低変化したり、液圧が繰り返し高低変化すると、ホース経路方向に沿って補強層とその内外のゴム層とが異なる程度で伸縮するので、この伸縮の差により補強層とゴム層との端面がずれてしまし、接着剤やシール剤での液密が維持できないことが起き得る。こうなると、補強層への流体浸入が起きて意図しないホースの膨らみが発生し得る。このため、補強層への流体の浸入抑制の実効性を高めることが要請されるに到った。
上記した課題の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
(1)本発明の一形態によれば、ホース継手構造が提供される。このホース継手構造は、少なくとも1層のゴム層と補強用の繊維で形成された少なくとも1層の補強層を備え前記ゴム層に前記補強層を積層したホースを、カシメ固定する継手金具を有する。該継手金具は、外部の配管に接続される接続孔を有する継手頭部と、前記ホースに接続されるニップル孔を有するニップル部と、前記ニップル部の外周部との間に前記ホースを挿入するソケット孔を形成するソケット部とを備えており、前記ホースは、前記ソケット孔に挿入された状態で、前記ソケット部にカシメ固定され、前記ソケット孔に挿入されたホース端部側領域において、前記補強層の繊維の隙間に固形成分を入り込ませている。
この形態のホース継手構造では、ソケット孔に挿入されてソケット部にカシメ固定されたホース端部側領域において、補強層の繊維の隙間に固形成分を入り込ませて、補強層の繊維の隙間を固形成分で埋めている。よって、この形態のホース継手構造によれば、補強層の繊維の隙間を埋めた固形成分により、ホース端部の側からの補強層への流体の浸入を高い実効性で抑制できる。しかも、温度変化や圧力変化により補強層とゴム層との端面がずれても、補強層の繊維の隙間は固形成分により埋められたままであるので、この形態のホース継手構造によれば、温度変化や圧力変化の影響を抑制して、ホース端部の側からの補強層への流体の浸入をより効果的に抑制できる。固形成分は、補強層の繊維の隙間に入り込んで、その隙間を受けることができる粒径(平均粒径120nm程度)の固形微粒子とでき、こうした固形微粒子の粒径は、粒度分布測定法にて測定できる。また、固形成分は、液状形態から硬化して固化する樹脂や接着剤でもよい。
(2)本発明の他の形態によれば、ホースの製造方法が提供される。この製造方法は、ホース端部に継手金具を有するホースの製造方法であって、補強用の繊維で形成された補強層を内層側と外層側のゴム層で積層被覆したホースを準備する工程(1)と、外部の配管に接続される接続孔を有する継手頭部と、前記ホースに接続されるニップル孔を有するニップル部と、前記ニップル部の外周部との間に前記ホースを挿入するソケット孔を形成するソケット部とを備える前記継手金具を準備する工程(2)と、液状形態から硬化して固化する樹脂の樹脂溶液、或いは前記補強層の繊維の隙間に入り込むことが可能な細粒の固形微粒子が混濁した固形粉体溶液に、前記準備した前記ホースの前記ホース端部を、浸漬させて、前記樹脂溶液、或いは前記固形粉体溶液を前記補強層の繊維の隙間に含浸させる工程(3)と、前記含浸が済んだ前記ホースの前記ホース端部を前記継手金具の前記ソケット孔に挿入した状態で、前記ソケット部に前記ホースをカシメ固定する工程(4)とを備える。
この形態のホースの製造方法では、ホース端部を液状形態から硬化して固化する樹脂の樹脂溶液或いは細粒の固形微粒子が混濁した固形粉体溶液に浸漬させて、樹脂溶液或いは固形粉体溶液を補強層の繊維の隙間に含浸させるという簡便な手法を経て、補強層の繊維の隙間を埋める硬化済みの樹脂や固形微粒子により、ホース端部の側からの補強層への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。
(3)本発明のまた別の形態によれば、ホースの製造方法が提供される。この製造方法は、ホース端部に継手金具を有するホースの製造方法であって、補強用の繊維で形成された補強層を内層側と外層側のゴム層で積層被覆したホースを準備する工程(1)と、外部の配管に接続される接続孔を有する継手頭部と、前記ホースに接続されるニップル孔を有するニップル部と、前記ニップル部の外周部との間に前記ホースを挿入するソケット孔を形成するソケット部とを備える前記継手金具を準備する工程(2)と、前記継手金具の前記ソケット孔の底部に、前記補強層の繊維の隙間に入り込むことが可能な細径の固形微粒子、或いは液状形態から硬化して固化する接着剤を堆積させる工程(3)と、前記固形微粒子が堆積済みの前記ソケット孔に前記ホースの前記ホース端部を挿入し、前記堆積済みの前記固形微粒子、或いは前記接着剤に前記ホース端部が接した状態で、前記ソケット部に前記ホースをカシメ固定する工程(4)とを備える。
この形態のホースの製造方法では、継手金具のソケット孔の底部に堆積済みの固形微粒子にホース端部が接した状態でソケット部にホースをカシメ固定するので、このカシメ固定後にソケット孔の底部に浸入した流体により、堆積済みの固形微粒子を補強層の繊維の隙間に行き渡らせてこの隙間を固形微粒子で塞ぐようにできる。また、この形態のホースの製造方法では、継手金具のソケット孔の底部に堆積済みの接着剤にホース端部が接した状態でソケット部にホースをカシメ固定するので、このカシメ固定に伴って、接着剤が補強層の繊維の隙間に行き渡ってこの隙間を硬化した接着剤で塞ぐようにできる。よって、この形態のホースの製造方法によれば、継手金具のソケット孔の底部に固形微粒子や接着剤を堆積させるという簡便な手法を経て、補強層の繊維の隙間を埋める固形微粒子や接着剤により、ホース端部の側からの補強層への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。カシメ固定後にソケット孔の底部に浸入した流体により、補強層の繊維の隙間に固形微粒子を行き渡らせるには、ホースの製造過程において、カシメ固定後にソケット孔の底部に流体を浸入させればよいほか、ホースの使用状況下において流通する流体が、ホース使用当初において、その使用状況下でソケット孔の底部に浸入すればよい。
本発明は、ホース端部に継手金具を有するホースとしても適用できる。
参考例にかかるホース継手構造を示す概略斜視図である。 ホース継手構造をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。 参考例のホース継手構造の製造手順を示すフローチャートである。 ホース継手構造を構成するために準備する継手金具とホースとを単品の状態で断面視して示す説明図である。 ホース固定に際してホースのホース端部側領域に処する処置内容を概略的に示す説明図である。 継手金具へのホース挿入の様子を概略的に示す説明図である。 ホースのカシメ固定の様子を概略的に示す説明図である。 参考例のホース継手構造の耐久試験の概略を示す説明図である。 耐久試験結果を表すグラフである。 施形態のホース継手構造の製造手順を示すフローチャートである。 ホース固定に際して行う処置内容を継手金具へのホース挿入と合わせて概略的に示す説明図である。 ホースのカシメ固定の様子を概略的に示す説明図である。 カシメ固定直後と使用状況下でホース継手構造を断面示して示す説明図である。
図1は参考例にかかるホース継手構造100を示す概略斜視図であり、図2はホース継手構造100をホース軸方向に沿って断面視して示す説明図である。
ホース継手構造100は、ホースH2を継手金具10にカシメ固定して構成される。継手金具10は、自動車のブレーキホースなどの接続に使用されるものであり、締結部材30が螺着されることにより配管H1を接続し、継手金具10の他方の側にホースH2を圧入した状態でカシメ固定することによりホースH2を接続している。締結部材30は、配管H1の管路先端の折り返し部位をニップル孔22aの周囲テーパー壁に押し付けることで、折り返し部位をいわゆるメタルシールとして機能させる。継手金具10は、該継手金具10の外周部に設けた取付段部10aに、取付部材VMが装着され、この取付部材VMをバネクリップBCで押圧することで、取付部材VMに取り付けられる。
この継手金具10は、継手頭部14と、隔壁16と、ソケット部18と、ニップル部20とを備え、これらを金属材料により一体に形成している。継手金具10内には、図2に示す配管H1およびホースH2を装着するための孔が軸方向に形成され、つまり、上記孔を隔壁16により分けることにより、外部の配管H1に接続される接続孔14aが継手頭部14に形成され、ホースH2が挿入されるソケット孔18aがソケット部18およびニップル部20により形成されている。
ソケット部18は、ソケット孔18aにホースH2(図2参照)を挿入してその外周部から径方向内方へのカシメ固定により、ホースH2を接続する部位である。ニップル部20は、隔壁16から突設され、ホースH2を圧入するための管体22を備えている。管体22および隔壁16の軸心には、配管H1とホースH2とを接続するためのニップル孔22aが形成されている。管体22は、ホースH2に圧入されるとともに、ソケット部18を外周側からかしめることによりホースH2を接続している。
本参考例のホースH2は、内層側から第1層H21〜第5層H25までの5層の多層ホースとされ、第2層H22と第4層H24とを補強用の繊維(例えば、ポリエステル系繊維)で形成された補強層とし、他の層、つまり、第1層H21と第3層H23と第5層H25を合成ゴム(例えば、ニトリル合成ゴム)から形成したゴム層とする。よって、ホースH2は、補強層たる第2層H22を内層側の第1層H21と外層側の第3層H23で積層被覆し、補強層たる第4層H24については、これを内層側の第3層H23と外層側の第5層H25で積層被覆する。そして、ホースH2は、ソケット孔18aに挿入された状態で、ソケット部18にカシメ固定され、ソケット孔18aに挿入されたホース端部側領域H2cにおいて、補強層たる第2層H22と第4層H24の繊維の隙間にレゾルシンホルマリンラテックス(RFL)に分散したポリマー微粒子を入り込ませている。RFLは、レゾルシンホルマリン樹脂の微粒子を分散しているので、ホース端部側領域H2cでは、補強層たる第2層H22と第4層H24の繊維の隙間が固形成分としての固形微粒子たるレゾルシンホルマリン樹脂の微粒子で埋められていることになる。この場合、RFLは、ゴムの接着機能も有することから、ホース端部側領域H2cでは、補強層たる第2層H22と第4層H24は、内外層のゴム層と接着することになる。
図3は参考例のホース継手構造100の製造手順を示すフローチャートであり、図4はホース継手構造100を構成するために準備する継手金具10とホースH2とを単品の状態で断面視して示す説明図である。ホース継手構造100を得るに当たっては、まず、ホースH2と継手金具10とを準備する(ステップS100)。準備するホースH2は、図4に示すように、補強層たる第2層H22と第4層H24を、内外層側のゴム層たる第1層H21と第3層H23、或いは第3層H23と第5層H25で積層被覆した5層ホースであり、この5層のホースを購入してホースH2として準備できる。このほか、ホース製造装置にて第1層H21〜第5層H25の5層ホースたるホースH2を製造して準備できる。準備した段階でのホースH2は、ホース端部に既述したホース端部側領域H2cにおいて何の処置もされていない。継手金具10については、図4に示すように継手頭部14やソケット部18、ニップル部20等を有する市販の継手金具を購入して準備できるほか、冷間鍛造等の既存手法にてソケット部18やニップル部20等を有する継手金具10を製造して準備できる。
次に、準備した継手金具10にホースH2を固定してホース継手構造100を構成する(ステップS110)。図5はホース固定に際してホースH2のホース端部側領域H2cに処する処置内容を概略的に示す説明図であり、図6は継手金具10へのホース挿入の様子を概略的に示す説明図であり、図7はホースのカシメ固定の様子を概略的に示す説明図である。
ホース固定に当たり、まず、図5に示すように、調合容器Vに貯留済みのレゾルシンホルマリンラテックス(RFL)の調合溶液RLに、ホースH2をホース端部の側から浸漬する(ステップS112)。調合溶液RLは、レゾルシンホルマリン樹脂の微粒子を分散したRFLを所定の濃度となるよう溶液に溶解して調合済みである。この調合溶液RLへのホースH2の浸漬により、RFLは、繊維で編み上げ形成された補強層たる第2層H22と第4層H24とに、毛管現象により浸透するので、ホース端部側領域H2cにおいて、RFLが含浸する。本参考例では、毛管現象によるホース端部側領域H2cでのRFLの含浸がホース端面から3〜5mmの含浸範囲に亘って起きるよう、ホースH2の浸漬時間を規定した。よって、規定した浸漬時間に亘ってホースH2を調合溶液RLに浸漬することで、調合溶液RLのRFLを3〜5mmの含浸範囲のホース端部側領域H2cに確実に含浸させることができる。なお、RFLの含浸範囲を補強層における繊維の網目数(2〜6)で規定してもよい。
次に、ホース端部側領域H2cにRFLを含浸させたホースH2を継手金具10のソケット孔18aに挿入してからカシメ固定する(ステップS114)。ホース挿入に際しては、図6に示すように、継手金具10を継手頭部14が下でソケット部18が上となるように固定し、RFLを含浸済みのホースH2をホース端部側領域H2cの側からソケット部18のソケット孔18aに挿入する。その後、RFLを含浸済みのホースH2をホース端部側領域H2cの側からソケット孔18aに挿入した状態で、図7に示すように、カシメローラーKRを鉛直軸回りに回転させる縦型カシメ装置(図視略)により、継手金具10のソケット部18にホースH2をカシメ固定する。ホースH2の他端側についても、調合溶液RLへの浸漬(ステップS112)と、カシメ固定(ステップS114)とを順次行うことで、継手金具10をホース両端に備えたホースH2、並びにホース継手構造100が得られる(図1,図2参照)。得られたホース継手構造100では、RFLは液状形態から硬化して固化する。
図8は参考例のホース継手構造100の耐久試験の概略を示す説明図であり、図9は耐久試験結果を表すグラフである。なお、図9には、後述の実施形態と他の参考例におけるホース継手構造100の試験結果も示されている。
耐久試験は、図8に示すように、ホース両端にホース継手構造100を備えたサンプルホースに対して、一方のホース継手構造100において閉塞栓SCにてホース流路を閉塞し、他方のホース継手構造100の側から、流体高圧給排装置TMにより流体を高圧で繰り返し給排供給した。参考例のホース継手構造100は、自動車のブレーキホースの継手構造を想定していることから、想定される最大ブレーキ圧に応じた圧力での流体(ブレーキオイル)の高圧供給と、その後の流体排出とを、流体高圧給排装置TMにて行った。そして、流体の高圧供給と排出の繰り返しごとに、サンプルホースのホース表皮における膨らみ(表皮凸部Fp)の有無を観察した。図9の耐久試験結果は、表皮凸部Fpが観察された際の流体の高圧供給と排出の繰り返し回数を示している。耐久試験は、上記した参考例のホース継手構造100を備えたホースH2と、図5のホース浸漬・溶液含浸を行わずにホースH2を継手金具10に挿入してカシメ固定した既存のホース継手構造のホース(比較例品)とについて行った。
参考例のホース継手構造100を備えた参考例品によれば、図9から明らかなように、既存のホース継手構造の比較例品に比べて、表皮凸部Fpの発生を確実に抑制できる。表皮凸部Fpは、繊維で編み上げ形成された補強層である第2層H22や第4層H24への流体の浸入により形成されるので、参考例のホース継手構造100によれば、繊維で編み上げ形成された補強層である第2層H22や第4層H24へのホース端部の側からの流体の浸入を高い実効性で抑制できることになる。こうした流体浸入の抑制は、ソケット孔18aに挿入されてソケット部18にカシメ固定されたホース端部側領域H2cにおいて、補強層である第2層H22や第4層H24の繊維の編み上げ隙間に固形成分としての固形微粒子たるレゾルシンホルマリン樹脂の微粒子を入り込ませて、補強層の繊維の編み上げ隙間をレゾルシンホルマリン樹脂の微粒子で埋めたことで達成できる。換言すると、参考例のホース継手構造100によれば、補強層である第2層H22や第4層H24の繊維の編み上げ隙間を埋めたレゾルシンホルマリン樹脂の微粒子により、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入を高い実効性で抑制できる。
参考例のホース継手構造100では、温度変化や圧力変化により補強層(第2層H22と第4層H24)とその内外のゴム層(第1層H21、第3層H23或いは第5層H25)との端面がずれても、補強層(第2層H22と第4層H24)の繊維の編み上げ隙間をレゾルシンホルマリン樹脂の微粒子により埋めたままとする。よって、参考例のホース継手構造100によれば、温度変化や圧力変化の影響を受けることなく、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入をより効果的に抑制できる。
参考例のホース継手構造100を得るに当たっては、ホースH2を継手金具10のソケット部18にカシメ固定する前に、RFLの調合溶液RLにホースH2のホース端部を浸漬させて調合溶液RLを補強層(第2層H22と第4層H24)の繊維の編み上げ隙間に含浸させるに過ぎない。よって、参考例のホース製造方法によれば、調合溶液RLへのホース端部浸漬とこれに伴う調合溶液RLの含浸という簡便な手法を経て、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。
参考例のホース継手構造100を得るに当たり、カシメローラーKRを鉛直軸回りに回転させる縦型カシメ装置により、継手金具10のソケット部18にホースH2をカシメ固定した。よって、ホースH2のホース端部側領域H2cに含浸させた調合溶液RLをソケット孔18aから液だれさせることなく、ソケット部18にホースH2をカシメ固定して、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。
図10は実施形態のホース継手構造100の製造手順を示すフローチャートである。実施形態であっても、まず、ホースH2と継手金具10とを準備し(ステップS100:図4参照)、準備した継手金具10にホースH2を固定してホース継手構造100を構成する(ステップS110)。図11はホース固定に際して行う処置内容を継手金具10へのホース挿入と合わせて概略的に示す説明図であり、図12はホースのカシメ固定の様子を概略的に示す説明図である。
ホース固定に当たり、まず、図11に示すように、継手金具10のソケット孔18aの底部に、タルクTpを秤量して堆積させる(ステップS113)。タルクTpは、含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)]であり、約60%のSiOと、約30%のMgOと、約4.8%の結晶水を主成分とする固形微粒子であり、補強層である第2層H22や第4層H24の繊維の編み上げ隙間に入り込むことが可能な細径の微粒子である。タルクTpの秤量量については後述する。
こうしてタルクTpをソケット孔18aの底部に堆積させた後、ホースH2を継手金具10のソケット孔18aに挿入してからカシメ固定する(ステップS114)。ホース挿入に際しては、図11に示すように、継手金具10を継手頭部14が下でソケット部18が上となるように固定し、RFLを含浸済みのホースH2をホース端部側領域H2cの側からソケット部18のソケット孔18aに挿入する。この際、ホースH2は、ホース端部が堆積済みのタルクTpに接するまで、挿入される。
その後、堆積済みのタルクTpにホースH2のホース端部が接するようホースH2がソケット孔18aに挿入された状態で、図12に示すように、カシメローラーKRを鉛直軸回りに回転させる縦型カシメ装置(図視略)により、継手金具10のソケット部18にホースH2をカシメ固定する。ホースH2の他端側についても、タルクTpの堆積(ステップS113)と、カシメ固定(ステップS114)とを順次行うことで、継手金具10をホース両端に備えた実施形態のホース継手構造100が得られる。図13はカシメ固定直後と使用状況下でホース継手構造100を断面示して示す説明図である。
図13に示すカシメ固定直後の状態では、ホースH2は未使用であって、ソケット孔18aの底部では、タルクTpのみが堆積しているものの、孔底部には液体成分は存在しない。よって、調合溶液RLに浸漬する参考例と異なり、実施形態のカシメ固定直後では毛管現象は起きず、タルクTpは、ソケット孔18aの底部に堆積したままである。ところが、ホースH2の使用状況下、例えば自動車のブレーキホースとして組み込まれて使用されている状況下では、次のようになる。使用状況下では、ニップル部20と第1層H21との間を経て流体(使用流体、例えばブレーキ液)がソケット孔18aの底部に浸入する。そうすると、ホースH2のカシメ固定後にソケット孔18aの底部に浸入した流体により、堆積済みのタルクTpは補強層たる第2層H22と第4層H24のホース端部側領域H2cにおいて繊維の編み上げ隙間に行き渡り、この隙間をタルクTpで塞ぐことができる。本実施形態では、こうしてタルクTpにより塞がれるホース端部側領域H2cが既述したホース端面から3〜5mmの範囲、或いは補強層における繊維の2〜6の網目数となるように、ステップS113においてタルクTpを秤量し、秤量したタルクTpをソケット孔18aの底部に堆積させる。
こうして得られた実施形態のホース継手構造100についての耐久試験結果は、図9に参考例と並記されており、実施形態のホース継手構造100にあっても、既存のホース継手構造の比較例品に比べて、表皮凸部Fpの発生を確実に抑制できる。よって、実施形態のホース継手構造100によっても、繊維で編み上げ形成された補強層である第2層H22や第4層H24へのホース端部の側からの流体の浸入を、これら補強層の繊維の編み上げ隙間を埋めた固形微粒子たるタルクTpにより、高い実効性で抑制できる。また、実施形態のホース継手構造100にあっても、温度変化や圧力変化により補強層(第2層H22と第4層H24)とその内外のゴム層(第1層H21、第3層H23或いは第5層H25)との端面がずれても、補強層(第2層H22と第4層H24)の繊維の編み上げ隙間をタルクTpにより埋めたままとするので、温度変化や圧力変化の影響を受けることなく、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入をより効果的に抑制できる。
施形態のホース継手構造100を得るに当たっては、ホースH2を継手金具10のソケット部18に挿入してカシメ固定する前に、タルクTpを秤量してソケット孔18aの底部に堆積させるに過ぎない。よって、実施形態のホース製造方法によれば、ソケット孔18aの底部へのタルクTpの秤量・堆積という簡便な手法を経て、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。
次に、他の参考例のホース継手構造100について説明する。この参考例は、実施形態におけるタルクTpに代えて、シアノアクリレート系接着剤や、アクリル変成シリコーン樹脂系接着剤といった接着剤を用いる点に特徴がある。そして、この参考例のホース継手構造100を得るには、ソケット孔18a(図12参照)に、タルクTpに代えて上記の接着剤を堆積させ、その後、図13に示すように、ホースH2をカシメ固定すればよい。
こうして得られた他の参考例のホース継手構造100についての耐久試験結果は、図9に参考例と並記されており、他の参考例のホース継手構造100にあっても、既存のホース継手構造の比較例品に比べて、表皮凸部Fpの発生を確実に抑制できる。よって、接着剤を用いた他の参考例のホース継手構造100によっても、繊維で編み上げ形成された補強層である第2層H22や第4層H24へのホース端部の側からの流体の浸入を、これら補強層の繊維の編み上げ隙間を埋めて固化した接着剤により、高い実効性で抑制できる。また、他の参考例のホース継手構造100では、温度変化や圧力変化が起きても補強層(第2層H22と第4層H24)とその内外のゴム層(第1層H21、第3層H23或いは第5層H25)との端面がずれが起き難いので、温度変化や圧力変化の影響を受けることなく、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入をより効果的に抑制できる。
他の参考例のホース継手構造100を得るに当たっては、ホースH2を継手金具10のソケット部18に挿入してカシメ固定する前に、接着剤を秤量してソケット孔18aの底部に堆積させるに過ぎない。よって、他の参考例のホース製造方法によれば、ソケット孔18aの底部への接着剤の秤量・堆積という簡便な手法を経て、ホース端部の側からの補強層(第2層H22と第4層H24)への流体の浸入を高い実効性で抑制できるホースを容易に製造できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記記の参考例では、RFLの調合溶液RLにホースH2をホース端部の側から浸漬したが、調合溶液RLを、固形微粒子たるタルクTpを混濁した固形粉末溶液として、タルクTpが混濁済みの調合溶液RLにホースH2をホース端部の側から浸漬してもよい。
上記の参考例では、調合溶液RLへのこうした浸漬に伴い、毛管現象によりホース端部側領域H2cの繊維隙間に固形微粒子(レゾルシンホルマリン樹脂の微粒子、或いはタルクTp)を繊維隙間に入り込ませたが、加圧しつつ固形微粒子を繊維隙間に入り込ませてもよい。このようにするには、図5に示す調合容器Vを気密な蓋付き容器とし、この蓋に気密にホースH2を差し込み、容器内の液面上の領域を加圧すればよい。
上記の実施形態では、二つの補強層を有する5層のホースH2としたが、ゴム層である第1層H21と第3層H23で補強層である第2層H22を積層被覆した3層のホースH2としてもよい。7層といった奇数層数の多層のホースH2でもよい他、ゴム層である第1層H21に補強層である第2層H22を積層した2層のホースや、ゴム層と補強層の積層を繰り返した偶数層数の多層のホースとしてもよい。
10…継手金具
10a…取付段部
14…継手頭部
14a…接続孔
16…隔壁
18…ソケット部
18a…ソケット孔
20…ニップル部
22…管体
22a…ニップル孔
30…締結部材
100…ホース継手構造
BC…バネクリップ
Fp…表皮凸部
H1…配管
H2…ホース
H21…第1層
H22…第2層
H23…第3層
H24…第4層
H25…第5層
H2c…ホース端部側領域
KR…カシメローラー
RL…調合溶液
SC…閉塞栓
TM…流体高圧給排装置
Tp…タルク
V…調合容器
VM…取付部材
VMa…取付孔

Claims (1)

  1. ホース端部に継手金具を有するホースの製造方法であって、
    補強用の繊維で形成された補強層(H22)を内層側と外層側のゴム層(H21,H23)で積層被覆したホース(H2)を準備する工程(1)と、
    外部の配管(H1)に接続される接続孔(14a)を有する継手頭部(14)と、前記ホース(H2)に接続されるニップル孔(22a)を有するニップル部(20)と、前記ニップル部(20)の外周部との間に前記ホース(H2)を挿入するソケット孔(18a)を形成するソケット部(18)とを備える前記継手金具を準備する工程(2)と、
    前記継手金具(10)の前記ソケット孔(18a)の底部に、前記補強層(H22)の繊維の隙間に入り込むことが可能な細径の固形微粒子を堆積させる工程(3)と、
    前記固形微粒子が堆積済みの前記ソケット孔(18a)に前記ホース(H2)の前記ホース端部を挿入し、前記堆積済みの前記固形微粒子に前記ホース端部が接した状態で、前記ソケット部(18)に前記ホースをカシメ固定する工程(4)とを備える、ホース製造方法。
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