JP6442467B2 - ワイヤーハーネス固定用クランプ - Google Patents

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Description

この発明は、ワイヤーハーネスに取付けられる異なる種類のクランプを識別するための技術に関する。
特許文献1には、ワイヤーハーネスに取付けられる配線用クリップには、固定部の外形、大きさが異なったり、係止部の外形、大きさが異なる種々の品番が存在することが開示されている。また、種々の品番の配線用を布線板に位置決めする際には、固定部及び係止部に対応した形状の収容孔が形成された支持部材を用いることが開示されている。
特開2005−122975号公報
しかしながら、配線用クリップとしては、固定部及び係止部の外形状及び大きさがかなり類似するが異なる品番のものが存在する場合がある。このような場合に、特許文献1のように、収容孔の形状を変更することによっては、異なる品番の配線用クリップを区別することが困難な場合がある。
そこで、本発明は、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、両ワイヤーハーネス固定用クランプを区別して治具にセットできるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネス固定用クランプは、電線束に取付可能な電線固定部と、柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に、一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定され、クランプを種類識別するための識別用治具の凸部を挿入可能な凹部が形成されたクランプ部とを備える。
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネス固定用クランプであって、前記柱部に、前記凹部が複数形成され、それぞれの凹部の形状が異なっているものである。
第1の態様によると、凹部幅が識別用治具の凸部の幅よりも小さければ、クランプ部を識別用治具内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。また、凹部の底面が、クランプ部を識別用治具にセットする途中で、凸部に当接する位置に形成されていれば、クランプ部を識別用治具内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプの外形状及び大きさが類似している場合でも、両ワイヤーハーネス固定用クランプに形成されている凹部の幅及び底面の位置が異なれば、両ワイヤーハーネス固定用クランプを区別して識別用治具にセットできる。
第2の態様によると、前記柱部に、前記凹部が複数形成され、それぞれの凹部の形状が異なっているため、各凹部の組合せによって、多様な種類のワイヤーハーネス固定用クランプを識別することができる。
ワイヤーハーネスWHを示す概略図である。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプを示す部分概略正面図である。 第1ワイヤーハーネス固定用クランプを示す概略底面図である。 第2ワイヤーハーネス固定用クランプを示す部分概略正面図である。 第2ワイヤーハーネス固定用クランプを示す概略底面図である。 第1セット治具に第1ワイヤーハーネス固定用クランプをセットした状態を示す説明図である。 第1セット治具に第2ワイヤーハーネス固定用クランプをセットしようとする際の状態を示す説明図である。 第2セット治具に第2ワイヤーハーネス固定用クランプをセットした状態を示す説明図である。 第2セット治具に第1ワイヤーハーネス固定用クランプをセットしようとする際の状態を示す説明図である。 変形例に係るワイヤーハーネス固定用クランプを示す概略底面図である。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス固定用クランプについて説明する。
<ワイヤーハーネス>
図1はワイヤーハーネスWHを示す概略図である。ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が組付対象となる車両等における配線経路に合せて分岐しつつ結束された構成とされている。複数の電線が配線経路に合せて分岐しつつ束ねられた形態を、ワイヤーハーネス本体WHaということにする。ワイヤーハーネスWHの結束は、粘着テープの巻回、結束バンド等によってなされる。ワイヤーハーネスWHの各端部では、電線の端部の端子がコネクタCに接続されている。そして、ワイヤーハーネスWHが車両等に組付けられた状態で、各コネクタCが車両等に搭載された各種電気部品にコネクタ接続される。これにより、ワイヤーハーネスWHは、車両等において各種電気部品同士を電気的に接続する配線材としての役割を果す。
上記ワイヤーハーネスWHには、車両等に固定可能な部品として、ワイヤーハーネス固定用クランプが取付けられる。ここでは、ワイヤーハーネスWHには、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とが取付けられる。
ワイヤーハーネスWHには、その他、必要に応じて、クランプ、コルゲートチューブ等の保護用部品が取付けられることがある。
<ワイヤーハーネス固定用クランプ>
上記ワイヤーハーネスWHには、異なる種類の第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とが取付けられている。
図2は第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を示す部分概略正面図であり、図3は第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を示す概略底面図である。
第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20は、電線固定部21と、クランプ部24とを含む。
電線固定部21は、複数の電線の束部分に固定される部分である。ここでは、電線固定部21は、バンド部22とバンド固定部23とを備える。
バンド部22は、長尺帯状に形成されるとともに、電線の束部分に巻回可能に形成されている。バンド部22の一方主面(束部分に巻付けられた状態で内側を向く面)には、その延在方向に沿って複数の係止凹部が形成されている。係止凹部は、後述するバンド係止突起が選択的に係止可能に形成されている。
バンド固定部23は、バンド部22の一端につながっており、バンド部22が電線の束部分の周囲に巻回された状態でバンド部22を固定可能に形成されている。
具体的には、バンド固定部23は、扁平な形状に形成されている。バンド固定部23を貫通するように挿通孔23hが形成されている。挿通孔23hは、バンド部22を挿通可能な形状に形成されており、挿通孔23h内には、バンド部22の複数の係止凹部に選択的に係止可能な係止突起23aが形成されている。
そして、バンド部22が電線の束部分に巻付けられた状態で、バンド部22が先端部から挿通孔23h内に挿通される。そして、バンド部22の先端部を引っ張ると、バンド部22が電線の束部分に締付けられた状態で、係止突起23aがバンド部22の係止凹部に係止する。これにより、電線固定部21が複数の電線の束部分に固定される。
電線固定部が上記構成である必要は無い。例えば、電線固定部は、細長い板状の形状に形成され、当該電線固定部が電線の束部分に対して粘着テープ等で巻付固定される構成であってもよい。また、電線固定部は、電線の束部分を覆うプロテクタ形状であり、当該電線の束部分を覆った状態で固定されるものであってもよい。
クランプ部24は、車体等の固定対象部分に固定される部分である。ここでは、クランプ部24は、柱部25と、一対の係止片26とを備える。
クランプ部24は、電線固定部21の1つの主面から外方に突出するように形成されている。一対の係止片26は、柱部25の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在するように形成されている。一対の係止片26の基端側部分は、他の部分より細く(薄く)形成されており、一対の係止片26は、主として当該基端側部分を弾性変形させるようにして、内向きに弾性変形することができる。一対の係止片26の先端部の外向き部分には、複数の段部が形成されており、クランプ部24が固定対象部分の固定孔に挿入された状態で、複数の段部のうちの一つが選択的に固定孔の周縁部に係止する。
また、クランプ部24の基端部(柱部25の基端部)には、クランプ部24の先端側に向けて拡開する皿バネ部28が形成されている。
本クランプ部24は、次のようにして固定対象部分に固定される。すなわち、固定対象部分には、固定孔が形成されており、クランプ部24が当該固定孔に挿入される。すると、一対の係止片26の外向き面が固定孔の周縁部に当接して、一対の係止片26が内側に弾性変形する。そして、一対の係止片26のうち最も外向きに突出している部分が固定孔の周縁部を越えると、一対の係止片26が元の形状に弾性復帰し、一対の係止片26の先端部の複数の段部のいずれかが固定孔の周縁部に抜け止係止する。これとは反対側から皿バネ部28が固定対象部分に接触する。これにより、固定対象部分のうち固定孔の周縁部が、皿バネ部28と一対の係止片26の先端部との間に挟まれ、もって、クランプ部24が固定対象部分に固定される。
上記柱部25には、溝27が形成されている。ここでは、溝27は、柱部25のうち一対の係止片26の間の両面側に形成されている。もっとも、溝27は、柱部25のうち一対の係止片26の間の一方側の面のみに形成されていてもよい。
溝27は、柱部25の延在方向に沿う一対の側面27aと、一対の側面27aに対して柱部25の基端側に連なり、当該柱部25の先端側を向く底面27bとによって規定されている。一対の側面27aの間隔と、底面27bの位置については、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30に形成された溝37との関係でさらに詳述する。
図4は第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を示す部分概略正面図であり、図5は第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を示す概略底面図である。
第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30は、電線固定部31と、クランプ部34とを備える。
電線固定部31は、上記電線固定部21と同様に電線の束部分に固定される部分である。
クランプ部34は、上記クランプ部24と同様に、柱部25に対応する柱部35と、一対の係止片26に対応する一対の係止片36とを備える。また、クランプ部34は、クランプ部24と同様に、皿バネ部28に対応する皿バネ部38を備える。そして、クランプ部24が固定対象部分に固定されるのと同様構成によって、固定対象部分に固定される。
上記クランプ部24とクランプ部34との外形状は、同じであるか類似している。ここで、クランプ部24とクランプ部34との外形状が類似しているとは、クランプ部24、34のそれぞれに応じた形状のセット用の凹み(後述するセット凹部参照)を形成したとしても、クランプ部24、34を互いに反対側のものとして形成された凹みに嵌め込むことができる程度に類似していることをいう。特に、クランプ部24の一対の係止片26の間隔と、クランプ部34の一対の係止片36の間隔は同じであるか近似しており、柱部25、35の厚みも同じであるか近似しており、皿バネ部28、38の外形及び大きさも同じであるか近似している。
もっとも、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とは、次の溝27、37に関する構成を除いて、形状、機能的に見て全く同じではない。例えば、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20では、皿バネ部28の一側方にバンド固定部23が突出しており、従って、クランプ部24から側方にずれた位置で電線の束部分が支持されるのに対し、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30では、皿バネ部38からバンド固定部33が突出せず、従って、クランプ部34の真上で電線の束部分が支持される。このため、ワイヤーハーネス本体WHaに対して第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違えて固定することを、避ける必要がある。
そこで、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とでは、溝27、37の形状を変えている。
すなわち、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24に形成された溝27の一対の側面27a間の幅W1は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34に形成された溝37の一対の側面37a間の幅W2よりも大きい。また、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24に形成された溝27のうちクランプ部24の先端側を向く底面27bとクランプ部24の基端部との間隔D1は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34に形成された溝37のうちクランプ部34の先端側を向く底面37bとクランプ部34の基端部との間隔D2よりも大きい。なお、溝27の長さが、溝37の長さよりも短いと捉えることもできる。
このように溝27、37の幅及び長さ(底面27b、37bの位置)を変えることによって、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを、ワイヤーハーネス本体WHaに対して間違えた位置に固定することを避けることができる。
つまり、溝27は、クランプを種類識別するための識別用治具としてのセット治具の凸部(後述する規制凸部54)を挿入可能な凹部の一例であり、溝37は、クランプを種類識別するための識別用治具としてのセット治具の凸部(後述する規制凸部64)を挿入可能な凹部の一例である。凸部は、柱部25、35の延在方向又は両面側に貫通していてもよい。
<第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを識別する例>
上記第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30とを間違えた位置に固定することを避けるための識別例について説明する。
図6は第1セット治具50に第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットした状態を示す説明図であり、図7は第1セット治具50に第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットしようとする際の状態を示す説明図である。
第1セット治具50は、クランプを種類識別するための識別用治具の一例であり、ワイヤーハーネス組立用図板等に立設される治具である。ここでは、第1セット治具50は、直方体ブロック状の治具本体52を、棒状部材等によって図板本体42上に支持した構成とされている。
治具本体52には、上方に開口する有底状のセット凹部53が形成されている。セット凹部53は、クランプ部24を収容可能な凹形状に形成されている。
セット凹部53は、クランプ部24を平面視した形状及び大きさと同じかそれよりも大きく設定されている。そして、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24をセット凹部53に完全に収容できるが、それよりも大きいクランプ部を当該セット凹部53に完全に収容できないようになっている。
また、セット凹部53内には、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27内に嵌込可能な規制凸部54が形成されている。規制凸部54の幅W11は、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27の幅W1と同じかこれよりも小さいが、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37の幅W2及び後述する規制凸部64の幅W12よりも大きく設定されている。また、規制凸部54のうちセット凹部53の開口側の規制面54fとセット凹部53の開口との距離D11は、後述する規制凸部64のうちセット凹部63の開口側の規制面64fとセット凹部63の開口との距離D12よりも大きく設定されている。
そして、図6に示すように、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24を、セット凹部53内に嵌め込むと、規制凸部54が溝27内に嵌り込みつつ、クランプ部24の柱部25及び一対の係止片26の部分がセット凹部53内に嵌り込み、もって、クランプ部24の全体がセット凹部53内に嵌り込むようになっている。
一方、図7に示すように、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34を、セット凹部53内に嵌め込むと、規制凸部54が溝37の両側部で柱部35に当接する。このため、クランプ部24をセット凹部53に嵌め込む途中で、クランプ部24を奥まで嵌め込むことができなくなる。
つまり、第1セット治具50に対しては、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20を奥まで嵌め込んでセットできるが、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30については奥まで嵌め込むことができない。このため、作業者は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセット凹部53に奥まで嵌め込むことができないことをもって、正しくない第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットしようとしていることを認識することができる。
図8、は第2セット治具60に第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30をセットした状態を示す説明図であり、図9は、第2セット治具60に第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットしようとする際の状態を示す説明図である。
第2セット治具60は、クランプを種類識別するための識別用治具の一例であり、ワイヤーハーネス組立用図板等に立設される治具である。ここでは、第2セット治具60は、直方体ブロック状の治具本体62を、棒状部材等によって図板本体42上に支持した構成とされている。
治具本体62には、上方に開口する有底状のセット凹部63が形成されている。セット凹部63は、クランプ部34を収容可能な凹形状に形成されている。
第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30との間で、クランプ部24、34は、同じか近似した形状及び大きさであるため、セット凹部53、63は、同様構成である。
また、セット凹部63内には、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37内に嵌込可能な規制凸部64が形成されている。規制凸部64の幅W12は、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30の溝37の幅W2と同じかこれよりも小さいが、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20の溝27の幅W1及び規制凸部54の幅W11よりも小さい。また、規制凸部64のうちセット凹部63の開口側の規制面64fとセット凹部63の開口との距離D12は、規制凸部54のうちセット凹部53の開口側の規制面54fとセット凹部53の開口との距離D11よりも小さく設定されている。
そして、図8に示すように、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30のクランプ部34を、セット凹部63内に嵌め込むと、規制凸部64が溝37内に嵌り込みつつ、クランプ部34の柱部35及び一対の係止片36の部分がセット凹部63内に嵌り込み、もって、クランプ部34の全体がセット凹部63内に嵌り込むようになっている。
一方、図9に示すように、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20のクランプ部24を、セット凹部63内に嵌め込むと、規制凸部64が溝27の底面27bに当接する。このため、クランプ部34をセット凹部63に嵌め込む途中で、クランプ部34を奥まで嵌め込むことができなくなる。
つまり、第2セット治具60に対しては、第2ワイヤーハーネス固定用クランプ30を奥まで嵌め込んでセットできるが、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20については奥まで嵌め込むことができない。このため、作業者は、第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセット凹部63に奥まで嵌め込むことができないことをもって、正しくない第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20をセットしようとしていることを認識することができる。
<効果>
以上のように本実施形態によると、溝27、37の幅が規制凸部54、64の幅よりも小さければ、クランプ部24、34をセット凹部53、63内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。また、溝27、37の底面が、クランプ部24、34のセット凹部53、63にセットする途中で、規制凸部54、64に当接する位置に形成されていれば、クランプ部24、34を識別用治具内に奥まで嵌め込んでセットすることができない。このため、異なる種類のワイヤーハーネス固定用クランプ20、30の外形状及び大きさが類似している場合でも、両ワイヤーハーネス固定用クランプ20、30に形成されている溝27、37の幅及び底面の位置が異なれば、両ワイヤーハーネス固定用クランプ20、30を区別して識別用治具のセット凹部53、63にセットできる。
{変形例}
なお、図10のワイヤーハーネス固定用クランプ120に示すように、複数の凹部としての溝127、137が形成され、それぞれの溝127、137の形状が異なっていてもよい。なお、ワイヤーハーネス固定用クランプ120の構成のうち溝127、137以外の構成は、上記第1ワイヤーハーネス固定用クランプ20と同様構成である。
溝127、137は、幅及び底面の位置の両方が異なっていることが好ましい。図10に示す例では、溝127は、上記溝27と同様形状であり、溝137は上記溝37と同様形状である。また、溝127は、バンド部22が延出する側に形成され、溝137はこれとは反対側に形成されている。このため、バンド部22が延出する側を基準として、溝127、137が決定される。従って、当該セット治具に対してバンド部22が延出する側を基準として、セット治具のセット凹部内に各溝127、137に対応して規制凸部(上記規制凸部54、64参照)を形成すれば、当該セット治具に対して正しいワイヤーハーネス固定用クランプ120のみをセットできるようにすることができる。
本変形例によると、溝127とこれに対応する規制凸部との関係、溝137とこれに対応する規制凸部との関係との組合わせによって、当該セット治具にセット可能なワイヤーハーネス固定用クランプ120を決定することができ、より多数種類のクランプを識別することが可能となる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
20 第1ワイヤーハーネス固定用クランプ
21 電線固定部
24 クランプ部
25 柱部
26 係止片
27 溝
27a 側面
27b 底面
30 第2ワイヤーハーネス固定用クランプ
31 電線固定部
34 クランプ部
35 柱部
36 係止片
37 溝
37a 側面
37b 底面
50 第1セット治具
53 セット凹部
54 規制凸部
60 第2セット治具
63 セット凹部
64 規制凸部

Claims (2)

  1. 電線束に取付可能な電線固定部と、
    柱部と前記柱部の先端部から基端部に向けて外向き傾斜しつつ延在する一対の係止片とを含み、前記柱部に、一対の側面及び前記柱部の先端側を向く底面とによって規定され、クランプを種類識別するための識別用治具の凸部を挿入可能な凹部が形成されたクランプ部と、
    を備えるワイヤーハーネス固定用クランプ。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネス固定用クランプであって
    前記柱部に、前記凹部が複数形成され、それぞれの凹部の形状が異なっている、ワイヤーハーネス固定用クランプ。
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