JP6442395B2 - 反射型光学式エンコーダのコード板 - Google Patents

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本発明は、反射型光学式エンコーダのコード板に関する。
一般的に、反射型光学式エンコーダは、コード板と、LEDなどの光源と、光検出器と、を備え、位置情報を取得する。コード板は、互いに交互に配置された低反射領域と高反射領域とを有する。高反射領域における光の反射率は、低反射領域における光の反射率よりも高い。光源は、コード板に光を照射する。光検出器は、コード板において反射した光(反射光)を検出する。
低反射領域および高反射領域が互いに交互に配置され、高反射領域における光の反射率が低反射領域における光の反射率よりも高いため、コード板において反射した光は、光検出器において縞状の像を生成する。縞状の像の位相は、コード板の位置が測長方向に移動することによって変化する。光検出器は、この縞状の像の位相変化を検出する。反射型光学式エンコーダは、検出された縞状の像の位相変化に基づいてコード板の位置の変位情報を処理し、位置情報を取得する。
特許文献1には、下地部材に第1領域と第2領域とが交互に配置されたエンコーダ用反射型光学式スケールが開示されている。特許文献1に記載された第1の領域における波長λの光の反射率は、第2の領域における波長λの光の反射率よりも高い。第1の領域は、下地部材の上に配された反射部材と、反射部材の上に配された第1材料で構成された層と、第1材料で構成された層の上に配された第2材料で構成された層と、で構成されている。反射部材は、例えばアルミニウム合金である。第1材料は、例えば酸化シリコンである。
特開2013−101007号公報
しかし、アルミニウム(Al)単体の反射率は、例えば約85%程度である。アルミニウムの上に保護層が形成されると、保護層を介したアルミニウムの反射率は、例えば約60%以上、70%以下程度になることがある。一般的に、コード板において反射した光によって生成された縞状の像を比較的高い精度で検出するためには、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差が50%以上必要とされている。しかし、低反射領域における光の反射率は、下地層の材料と、保護層の材料と、の組み合わせによっては、例えば約20%以上、30%以下程度になることがある。すると、低反射領域における光の反射率と、高反射領域における光の反射率と、の間の差が比較的小さくなる。
これに対して、反射率を向上させる材料を有する層を高反射領域に入れる手段や、反射率を低下させる材料を有する層を低反射領域に入れる手段などが検討されている。あるいは、コード板に凹凸を形成する手段などが検討されている。しかし、そうすると、コード板を製造するプロセスが複雑化するという問題がある。
本発明者の得た知見によれば、反射型光学式エンコーダに用いられる光源の一般的な光の波長(例えば、850ナノメートル(nm)程度)では、銀(Ag)の反射率がアルミニウムの反射率より高い。しかし、特許文献1に開示されたエンコーダ用反射型光学式スケールの反射部材に銀を適用すると、第1材料として酸化シリコンが用いられ、その酸化シリコンが銀の上に設けられるため、銀が変色し、腐食するという問題がある。
これに対して、銀を保護する層の材料としてケイ素(Si)を含まない材料(例えば、酸化アルミニウム(Al)など)を用いると、銀の変色や腐食を抑えることができる。しかし、銀を保護する層の材料によっては、例えば下地部材として用いられたガラスを加工あるいは洗浄するときに使用される水やアルカリを含む液により、銀を保護する層が損傷を受けることがある。
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差を大きくすることができる反射型光学式エンコーダのコード板を提供することを目的とする。また、本発明は、比較的簡単な製造方法により反射型光学式エンコーダのコード板を提供することを目的とする。
本発明の反射型光学式エンコーダのコード板は、一態様において、高反射領域と低反射領域とが下地層に交互に配置された反射型光学式エンコーダのコード板であって、前記高反射領域における光の反射率は、前記低反射領域における光の反射率よりも高く、前記高反射領域における前記下地層の上に設けられ、銀を含有する反射層と、前記反射層と前記低反射領域における前記下地層との上に設けられ、前記銀を保護する保護層と、前記保護層の上に設けられ、ケイ素を含有する被覆層と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る反射型光学式エンコーダのコード板によれば、反射層は、銀を含有する。これにより、反射層が銀とは異なる例えばアルミニウムなどの金属を含有する場合と比較すると、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差を大きくすることができる。
また、被覆層がケイ素を含有し、銀を保護する保護層が反射層と被覆層との間に設けられている。これにより、被覆層がケイ素を含有していても、反射層の含有する銀が被覆層の影響を受け、変色あるいは腐食することを抑えることができる。
さらに、高反射領域における光の反射率を向上させるために反射層とは別の層を高反射領域に追加する必要はない。また、低反射領域における光の反射率を低下させるために保護層および被覆層とは別の層を低反射領域に追加する必要はない。また、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差を大きくするために、コード板に凸部を設けるなどの加工を施す必要はない。そのため、比較的簡単な製造方法により反射型光学式エンコーダのコード板を製造することができる。
本発明の反射型光学式エンコーダのコード板において、前記反射層の材料は、銀インジウムスズであってもよい。これによれば、反射層が銀とは異なる例えばアルミニウムなどの金属を含有する場合と比較すると、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差を大きくすることができる。
本発明の反射型光学式エンコーダのコード板において、前記被覆層の材料は、二酸化ケイ素であってもよい。これによれば、被覆層の二酸化ケイ素が保護層を保護するとともに、保護層は、反射層の含有する銀が被覆層の二酸化ケイ素の影響を受け、変色あるいは腐食することを抑えることができる。
本発明の反射型光学式エンコーダのコード板において、前記保護層の材料は、ケイ素を含まない金属酸化物であってもよい。これによれば、保護層は、反射層の含有する銀が被覆層の二酸化ケイ素の影響を受け、変色あるいは腐食することを抑えることができる。
本発明の反射型光学式エンコーダのコード板において、前記保護層の材料は、酸化アルミニウムであってもよい。
これによれば、保護層は、反射層の含有する銀が被覆層の二酸化ケイ素の影響を受け、変色あるいは腐食することを抑えることができる。また、被覆層は、保護層の酸化アルミニウムが水やアルカリを含む液により損傷を受けることを抑えることができる。
本発明によれば、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差を大きくすることが可能になる。また、本発明によれば、比較的簡単な製造方法により反射型光学式エンコーダのコード板を提供することが可能になる。
本実施形態に係る反射型光学式エンコーダのコード板が用いられた反射型光学式エンコーダを表す模式的平面図である。 本実施形態に係る反射型光学式エンコーダのコード板が用いられた反射型光学式エンコーダを表す模式的平面図である。 本実施形態に係る反射型光学式エンコーダのコード板を表す模式的断面図である。 本発明者が実施したシミュレーションの結果の例を表す表である。 本発明者が実施した他のシミュレーションの結果の例を表す表である。 本発明者が実測した反射率の例を表す表である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
図1および図2は、本実施形態に係る反射型光学式エンコーダのコード板が用いられた反射型光学式エンコーダを表す模式的平面図である。
図2は、図1に表した矢印A1の方向に反射型光学式エンコーダを眺めたときの模式的平面図である。
図1および図2に表した反射型光学式エンコーダ10は、コード板100と、検出ヘッド200と、を備える。コード板100と検出ヘッド200とは、互いに対向するように配されている。図1および図2に表した反射型光学式エンコーダ10では、コード板100が下に配置され、検出ヘッド200が上に配置されている。
検出ヘッド200は、光源210と、光検出器220と、検出基板230と、を有する。
光源210は、例えば、発光面が小さく単一波長λの光を照射する点光源LEDである。本実施形態においては、光源210が約850ナノメートル(nm)程度の波長の赤外光を照射する場合を考える。光源210は、放出された光を平行光とするコリメータレンズを含んでいてもよい。
光検出器220は、例えば、検出基板230に設けられ、複数のフォトダイオードを有する。複数のダイオードは、所定の間隔で配置されている。光検出器220は、複数のフォトダイオードが出力する信号を変換する周辺回路および増幅する周辺回路の少なくともいずれかを含んでもよい。
図3は、本実施形態に係る反射型光学式エンコーダのコード板を表す模式的断面図である。
コード板100は、下地層110と、反射層120と、保護層130と、被覆層140と、を有する。
下地層110には、例えばガラスが用いられる。具体的には、下地層110には、例えば、石英ガラスおよびホウケイ酸ガラスなどが用いられる。下地層110の厚さt1は、特には限定されず、例えば0.5ミリメートル(mm)以上、1mm以下程度である。
反射層120は、下地層110の上に設けられ、光源210から照射された光を反射する性質を有する金属材料を含有する。例えば、反射層120は、銀(Ag)または銀合金を含有する。なお、本願明細書において、単に「反射層120が銀を含有する」という場合には、反射層120が銀または銀合金を含有する場合が含まれる。反射層120の材料としては、例えば銀インジウムスズ(AgInSn)が挙げられる。反射層120は、光源210から照射された光を反射することができる程度の厚さt2を有していればよい。反射層120の厚さt2は、例えば約100nm以上程度である。但し、反射層120の厚さt2は、この範囲には限定されない。
反射層120は、スパッタや蒸着などにより下地層110の表面上に形成される。反射層120をスパッタにより下地層110の表面上に形成する場合には、例えば銀を含有する層をスパッタにより下地層110の表面上に形成し、銀を含有する層の上にレジストを形成する。レジストを露光および現像してパターニングした後、銀を含有する層をエッチングする。その後、レジストを剥離する。これにより、パターニングされた銀を含有する反射層120が下地層110の表面上に形成される。
保護層130は、下地層110および反射層120の上に設けられ、反射層120が含有する銀を保護する。保護層130には、ケイ素(Si)を含まない金属酸化物が用いられる。保護層130の材料としては、例えば酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)および酸化ジルコニウム(ZrO)など挙げられる。保護層130は、反射層120が含有する銀を保護することができる程度の厚さt3を有していればよい。また、保護層130は、反射層120が有する反射性よりも低い反射性を有することが望ましい。保護層130の厚さt3は、例えば約5nm以上、20nm以下程度である。但し、保護層130の厚さt3は、この範囲には限定されない。保護層130は、スパッタや蒸着などにより下地層110および反射層120の表面上に形成される。
被覆層140は、保護層130の上に設けられ、保護層130を保護する。被覆層140の材料としては、例えば二酸化ケイ素(SiO)が挙げられる。被覆層140は、有機系材料を含んでいてもよい。被覆層140は、保護層130を保護することができる程度の厚さt4を有していればよい。また、被覆層140は、反射層120が有する反射性よりも低い反射性を有することが望ましい。被覆層140の厚さt4は、例えば約90nm以上、110nm以下程度である。但し、被覆層140の厚さt4は、この範囲には限定されない。被覆層140は、スパッタや蒸着などにより保護層130の表面上に形成される。
図3に表したように、本実施形態に係るコード板100は、高反射領域101と、低反射領域102と、を有する。高反射領域101には、反射層120と、保護層130と、被覆層140と、が設けられている。低反射領域102には、保護層130と、被覆層140と、が設けられている。言い換えれば、低反射領域102には、反射層120は、設けられていない。光源210から照射された光に対する反射層120の反射率は、光源210から照射された光に対する保護層130の反射率、および光源210から照射された光に対する被覆層140の反射率よりも高い。そのため、高反射領域101における光の反射率は、低反射領域102における光の反射率よりも高い。
図1に表したように、コード板100において、高反射領域101と低反射領域102とは、互いに交互に配置されている。前述したように、高反射領域101における光の反射率は、低反射領域102における光の反射率よりも高い。そのため、光源210から照射された光は、コード板100において反射され、コード板100と対向して設けられた検出ヘッド200の光検出器220において縞状の像を生成する。
コード板100が検出ヘッド200に対して図1に表したX1−X2方向(測長方向)に移動すると、縞状の像は、光検出器220において移動する。これにより、コード板100において反射された光(反射光)の像の光量が光検出器220によって検出される。そして、反射型光学式エンコーダ10は、位置情報を取得することができる。
ここで、例えば、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金が反射層120に用いられた場合を考える。アルミニウム単体の反射率は、例えば約85%程度である。アルミニウムの上に保護層が形成されると、保護層を介したアルミニウムの反射率は、例えば約60%以上、70%以下程度になることがある。
一般的に、コード板において反射した光によって生成された縞状の像を比較的高い精度で検出するためには、高反射領域における光の反射率と、低反射領域における光の反射率と、の間の差が50%以上必要とされている。しかし、低反射領域における光の反射率は、下地層の材料と、保護層の材料と、の組み合わせによっては、例えば約20%以上、30%以下程度になることがある。すると、低反射領域における光の反射率と、高反射領域における光の反射率と、の間の差が比較的小さくなる。
これに対して、本実施形態に係るコード板100の反射層120は、銀または銀合金を含有する。光源210から照射される光の波長(約850ナノメートル(nm)程度)では、銀の反射率がアルミニウムの反射率より高い。これにより、高反射領域101における光の反射率と、低反射領域102における光の反射率と、の間の差を大きくすることができる。
ここで、銀または銀合金を含有する反射層120を保護する保護層に酸化シリコンが用いられると、銀が、酸化シリコンの影響を受け、変色あるいは腐食することがある。
これに対して、本実施形態に係るコード板100の保護層130には、ケイ素を含まない金属酸化物が用いられる。前述したように、保護層130の材料としては、例えば酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)および酸化ジルコニウム(ZrO)など挙げられる。これにより、反射層120が含有する銀または銀合金が変色および腐食することを抑えることができる。
ここで、保護層130の材料として酸化アルミニウム(Al)が用いられた場合において、酸化アルミニウム(Al)が表面に露出すると、例えば下地層110として用いられたガラスを加工あるいは洗浄するときに使用される水やアルカリを含む液により、酸化アルミニウム(Al)が損傷を受けることがある。
これに対して、本実施形態に係るコード板100では、被覆層140が保護層130の上に設けられている。言い換えれば、保護層130は、被覆層140に覆われ保護されている。これにより、保護層130の材料として酸化アルミニウム(Al)が用いられた場合であっても、酸化アルミニウム(Al)が水やアルカリを含む液により損傷を受けることを抑えることができる。
また、本実施形態に係るコード板100では、高反射領域101における光の反射率を向上させるために反射層120とは別の層を高反射領域101に追加する必要はない。また、低反射領域102における光の反射率を低下させるために保護層130および被覆層140とは別の層を低反射領域102に追加する必要はない。また、高反射領域101における光の反射率と、低反射領域102における光の反射率と、の間の差を大きくするために、コード板100に凸部を設けるなどの加工を施す必要はない。そのため、比較的簡単な製造方法により反射型光学式エンコーダ10のコード板100を製造することができる。
次に、本発明者が実施した検討した反射率の例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、本発明者が実施したシミュレーションの結果の例を表す表である。
本シミュレーションでは、本発明者は、積層体モデルの各層の材料の屈折率として、シミュレーションを行うソフトウェアに組み込まれた屈折率を用いた。積層体モデルの層の構成は、図4に表したグラフ図の通りである。
すなわち、下地層110に相当する層のモデルに、ホウケイ酸ガラスを用いた。反射層120に相当する層のモデルに、100nmの厚さを有するアルミニウム(Al)または銀(Ag)を用いた。保護層130に相当する層のモデルに、100nmの厚さを有する二酸化ケイ素(SiO)を用いた。
そして、ホウケイ酸ガラスのみの層のモデルと、ホウケイ酸ガラスの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルと、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層とを積層した積層体モデルと、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルと、ホウケイ酸ガラスの層と銀の層とを積層した積層体モデルと、ホウケイ酸ガラスの層と銀の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルと、を作成した。積層体モデルに照射した光の波長は、850nmである。
各積層体モデルの反射率(パーセント:%)は、図4に表したグラフ図の通りである。すなわち、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層とを積層した積層体モデルの反射率は、86.27%である。ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルの反射率は、75.56%である。
これに対して、ホウケイ酸ガラスの層と銀の層とを積層した積層体モデルの反射率は、98.90%である。ホウケイ酸ガラスの層と銀の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルの反射率は、97.86%である。
このように、銀を含有する反射層120における光の反射率は、アルミニウムを含有する反射層における光の反射率よりも高いことが分かる。
図5は、本発明者が実施した他のシミュレーションの結果の例を表す表である。
本シミュレーションでは、本発明者は、積層体モデルの各層の材料の屈折率として、本発明者が実測した値(実測値)を用いた。積層体モデルの層の構成は、図5に表したグラフ図の通りである。
すなわち、下地層110に相当する層のモデルに、ホウケイ酸ガラスを用いた。反射層120に相当する層のモデルに、100nmの厚さを有するアルミニウム(Al)または銀インジウムスズ(AgInSn)を用いた。保護層130に相当する層のモデルに、20nmの厚さを有する酸化アルミニウム(Al)を用いた。被覆層140に相当する層のモデルに、100nmの厚さを有する二酸化ケイ素(SiO)を用いた。
そして、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルと、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルと、を作成した。積層体モデルに照射した光の波長は、850nmである。
各積層体モデルの反射率(パーセント:%)は、図5に表したグラフ図の通りである。すなわち、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルの反射率は、76.27%である。ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルの反射率は、97.53%である。
このように、銀を含有する反射層120における光の反射率は、アルミニウムを含有する反射層における光の反射率よりも高いことが分かる。また、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体モデルでは、銀インジウムスズと、二酸化ケイ素と、の間に酸化アルミニウムが設けられている。そのため、銀インジウムスズに含まれる銀が変色および腐食することを抑えることができる。また、酸化アルミニウムが水やアルカリを含む液により損傷を受けることを抑えることができる。
図6は、本発明者が実測した反射率の例を表す表である。
本測定では、積層体の各層の材料の屈折率として、本発明者が実測した値(実測値)を用いた。また、本発明者が作成した積層体の層の構成は、図6に表したグラフ図の通りである。
すなわち、下地層110に相当する層に、ホウケイ酸ガラスを用いた。反射層120に相当する層に、85.5nmの厚さを有するアルミニウム(Al)または108.1nmの厚さを有する銀インジウムスズ(AgInSn)を用いた。保護層130に相当する層のモデルに、5nm、10nmまたは20nmの厚さを有する酸化アルミニウム(Al)を用いた。被覆層140に相当する層のモデルに、99.0nmの厚さを有する二酸化ケイ素(SiO)を用いた。
そして、ホウケイ酸ガラスのみの層と、ホウケイ酸ガラスの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層と酸化アルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウム(厚さ:5.0nm)の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウム(厚さ:10.0nm)の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウム(厚さ:20.0nm)の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体と、を作成した。積層体に照射した光の波長は、850nmである。
ホウケイ酸ガラスの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体は、比較例に係るコード板の低反射領域に相当する。ホウケイ酸ガラスの層とアルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体は、比較例に係るコード板の高反射領域に相当する。
ホウケイ酸ガラスの層と酸化アルミニウムの層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体は、本実施形態に係るコード板100の低反射領域102に相当する。ホウケイ酸ガラスの層と銀インジウムスズの層と酸化アルミニウム(厚さ:5.0nm、10.0nm、20.0nm)の層と二酸化ケイ素の層とを積層した積層体のそれぞれは、本実施形態に係るコード板100の高反射領域101に相当する。
各積層体モデルの反射率(パーセント:%)は、図6に表したグラフ図の通りである。これによれば、比較例に係るコード板において、低反射領域における光の反射率(7.05%)と、高反射領域における光の反射率(74.17%)と、の間の差は、67.12%である。これに対して、本実施形態に係るコード板100において、低反射領域102における光の反射率(7.49%)と、高反射領域101における光の反射率(89.14%)と、の間の差は、酸化アルミニウムの厚さが20.0nmの場合において81.65%である。
このように、比較例に係るコード板と比較して、本実施形態に係るコード板100では、高反射領域101における光の反射率と、低反射領域102における光の反射率と、の間の差を大きくすることができることが分かる。
以上説明したように、本実施形態によれば、高反射領域101における光の反射率と、低反射領域102における光の反射率と、の間の差を大きくすることができる反射型光学式エンコーダ10のコード板100を提供することができる。また、本実施形態によれば、比較的簡単な製造方法により反射型光学式エンコーダ10のコード板100を提供することができる。
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
10 反射型光学式エンコーダ
100 コード板
101 高反射領域
102 低反射領域
110 下地層
120 反射層
130 保護層
140 被覆層
200 検出ヘッド
210 光源
220 光検出器
230 検出基板
t1 厚さ
t2 厚さ
t3 厚さ
t4 厚さ
A1 矢印

Claims (5)

  1. 高反射領域と低反射領域とが下地層に交互に配置された反射型光学式エンコーダのコード板であって、
    前記高反射領域における光の反射率は、前記低反射領域における光の反射率よりも高く、
    前記高反射領域における前記下地層の上に設けられ、銀を含有する反射層と、
    前記反射層と前記低反射領域における前記下地層との上に設けられ、前記銀を保護する保護層と、
    前記保護層の上に設けられ、ケイ素を含有する被覆層と、
    を備えたことを特徴とする反射型光学式エンコーダのコード板。
  2. 前記反射層の材料は、銀インジウムスズであることを特徴する請求項1記載の反射型光学式エンコーダのコード板。
  3. 前記被覆層の材料は、二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型光学式エンコーダのコード板。
  4. 前記保護層の材料は、ケイ素を含まない金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の反射型光学式エンコーダのコード板。
  5. 前記保護層の材料は、酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項4記載の反射型光学式エンコーダのコード板。

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