JP6440404B2 - 姿勢軌道制御システム及び当該姿勢軌道制御システムの動作方法 - Google Patents

姿勢軌道制御システム及び当該姿勢軌道制御システムの動作方法 Download PDF

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Description

本発明は、宇宙飛行体の姿勢軌道制御システムに関し、殊に、複数のセンサによる、運動学的な測定値の検出と、それらの測定値を一緒に処理するための方法とに関する。
上位概念に記載されている、宇宙飛行体、例えば衛星の姿勢軌道制御システム(AOCS:attitude and orbit control system)は、複数の運動学的なAOCSセンサと、運動学的な状態を決定(AOD:attitude and orbit determination)するためのソフトウェアと、この状態を所期のように制御(AOC:attitude and orbit control)するためのソフトウェアと、この制御命令を実行に移すための多数のAOCSアクチュエータとから構成されている。
通常の場合、これらのAOCSエレメントのハードウェアは、AODソフトウェアとAOCソフトウェアが実行される宇宙飛行体の中央コンピュータ、例えば衛星のコンピュータに接続されている。特許文献1には、このような典型的なAOCSコンフィギュレーションが記載されている。衛星のコンピュータは、運動学的な状態方程式及び動力学的な状態方程式を用いることにより、特定の制御法則に従い、且つ、センサ及びアクチュエータのモデルを使用して、衛星をコントロールする。
運動学的な変数として、回転姿勢、回転速度(回転レート乃至回転数とも称される)、回転加速度、並びに相応の並進運動量である、位置、速度及び加速度が使用される。動力学的な状態方程式には付加的に、パラメータとして回転トルク、慣性モーメント、力及び質量が取り込まれる。
使用されるAOCSセンサとして、回転姿勢のためのスターセンサ、太陽センサ、地球センサ及び磁力計、回転レートのためのジャイロスコープ、位置のためのGNSS(global navigation satellite system)センサ、並びに加速度センサが挙げられる。GNSSセンサは、干渉式の評価が行われる場合には、精度は低いものの回転姿勢を検出するためにも使用することができる。
姿勢軌道制御システムにおけるデータ処理のために、運動学的な種々のAOCSセンサの複数の測定値を一緒に評価することは、非特許文献1に記載されている。例えば、3〜6個のジャイロスコープのデータ及び2個のスターセンサのデータが、共通の姿勢推定のために使用される。ここでは、全ての測定データが、一つの共通のデータストリームに統合される。衛星の複数の機器ユニットにそれらのデータストリームを分配するために、特に規格MIL1553に則したデータバスを使用することが定着している。従って、GEOS衛星(非特許文献2を参照されたい)は、MIL1553に則したデータバスを有しており、このデータバスを介して複数のスターセンサ及びジャイロスコープが、姿勢制御部の電子回路ボックスに接続されている。
当初、衛星のコンピュータにおいてAOCSセンサデータを中央で評価する解決策が用いられていた。当時の性能の低いセンサでは、データレートが低い複数のセンサを一緒に評価することでしか有用な結果を得ることができなかったので、そのような中央での評価はどうしても必要なものであり、また適切なものであった。一つのスターセンサによって検出可能な星の数が少なすぎるという問題に対する解決策の例は、例えば、特許文献2及び特許文献3に記載されている。それらの文献に記載されている解決策でも、衛星のコンピュータにおける二つのスターセンサのデータの中央での評価が必要である。
小型の高性能DSP(digital signal processor)及びASIC(application specific integrated circuit)処理ユニットの登場に伴い、センサ自体において離散的な処理が行われるようになっていった。
今日では、この離散化に逆行する傾向になり始めている。その原因の一つとして、近年の高性能な処理ユニットは、個々のセンサに関して過剰設計されていることから、そのような自律的な処理が経済的及びエネルギ的に効果を有していないことが挙げられる。更に、離散的なシステムの場合には、相補的な複数のセンサを一緒に評価することによって利用することができる相乗効果が失われる。
これまでに、センサの自律性を無くした際に二つの傾向が観測されている。つまり、第1の傾向は、衛星のコンピュータにおける中央での評価への回帰であり、第2の傾向は、単一のハイブリッドセンサにおける複数のタイプのセンサの統合である。
中央化が行われる第1の傾向の卓越した例は、自律的なスターセンサから、一つの星カメラだけから成り、固有の処理ユニットを有していないスターセンサヘッドへの移行である。星データの評価は、ここでも、衛星のコンピュータに実装されているスターセンサソフトウェアによって、衛星のコンピュータにおいて行われる。このような発展に問題がないわけではない。スターセンサは極めて複雑なAOCSセンサであり、また種々の衛星製造メーカが数十年かけて培ってきたノウハウを、ソフトウェア移植によってそれらの衛星製造メーカに簡単に譲渡できるものではない。更には、通常の場合、衛星のコンピュータを別のAOCSエレメントに接続するために使用されるAOCS衛星バスには、未処理の大量のスターセンサデータによって過度に負荷が掛かる。これは現在、AOCS衛星バスの他に、ポイント・ツー・ポイント方式のデータ接続を付加的に使用することによって回避されている。もっともこれに伴い、質量が増加し、またノイズ耐性が低くなってしまう。
特許文献4では、中央化に関する上記の問題の解決策として、一つの機器内に、スターセンサと回転レートジャイロスコープとが統合されている。この特許文献4に記載されている発明では、星カメラデータ及びジャイロスコープデータが内部で同期合わせされた統合データストリームとして、機器の処理ユニット(飛行機のコンピュータ)に供給される。その処理ユニットにおいてそれらのデータが一緒に処理され、その際に圧縮される。これによって再び、衛星の標準的なAOCSバスを介したデータ伝送が可能になる。しかしながら、ジャイロスコープデータ及びスターセンサデータを完全に一緒に評価したとしても、或る機器メーカのジャイロスコープ及びスターセンサに関してノウハウを統合することについての問題が解決されるわけではない。スターセンサはここでは、二次的なセンサとしてしか使用されず、性能が改善されているとしても、システムに決定的な影響を及ぼすことはない。更には、統合された機器は質量、体積及び熱排出に関して、その他の場合には従来通り行われる、衛星の壊れやすいメイン機器への取り付けに適していないという欠点が生じる。従ってこの解決策は、要求が少ない、小型の衛星にしか用いられない。
衛星のコンピュータにおける新たな中央処理の推進者からは、衛星の中央コンピュータにおいてのみ使用可能なAOCSの制御情報の欠如が、離散的な解決策のプロセス技術上の欠点とみなされている。処理ユニットの分散及び集約のトポロジは、プロセスステップの分割の実現可能性も考慮しなければならない。
衛星コンピュータ内での測定値評価及び衛星制御を再び中央で行うことに対する反対の論拠は別の箇所では、これに必要となる極めて複雑なソフトウェアの制御が困難である、ということである。
特許文献5では、統一された測定値評価及び制御規則を使用することによって、中央コンピュータにおける複雑性が低減されている。そのような解決策において欠点となるのは、簡易な方法しか使用できず、従って、制御の最適化に対して制限が課されるということである。更に、測定値評価及び衛星制御は相互に厳密に調整されなければならない。従って特許文献5では、例えば、低いデータレートに制限することが行われている。これによって、解決策を衛星の幅広いクラスに対して使用できなければならない実際の単一化の実現可能性が低くなってしまう。
事実上の全てのAOD法は、統計的に最適化された推定方法に基づいている。それらの方法は、使用される統計モデルの複雑性に応じて、最小二乗法(最小二乗平方根、LSR:least square root)、最大尤度(ML:maximum likelihood)方式に従った方法、及びベイズ法に分類される。統計モデルは、二つの統計的マルコフ過程としての衛星の挙動及び運動学的なAOCS測定データの検出を表す。観測された測定値が最も確率の高いものであると推定できるパラメータが最適であるとみなされる。測定プロセスに関与するパラメータだけを直接的に観測でき、それに対しシステム特性は間接的に導出されるので、そのようなモデルは、マルコフ過程が隠されたモデル(隠れマルコフモデル)とも称する。
LSR法では、いずれのプロセスの統計的パラメータも既知でないので、最小化すべき全ての誤差(エラー)が同じ重み付けで最適化される。例えば、決定すべき姿勢の三つの成分に対して、異なる誤差分散が既知である場合、相応の誤差が最適化の際に逆分散で重み付けされる。これによって最大尤度が生じる。統計的パラメータが定数としてモデル化されるのではなく、それ自体が統計的に他のパラメータに依存している場合には、ベイズ推定が最適である。このベイズ推定ではパラメータの依存性を、既知のアプリオリな、即ち先験的な確率として考慮しなければならないか、又は、それらのパラメータと測定値との間の関係性の付加的なモデルを導入しなければならない。
パラメータの依存性は、多くの場合未知であるか、又は推定することが困難であるため、実際のところ、AOCSにおいてはLSR法及びML法しか使用されず、ベイズ推定は使用されない。
AOD過程及びAOC過程は衛星において周期的に実行される。このことは、推定法を再帰的なフィルタ、いわゆるカルマンフィルタ(KF)として実施することを想起させる。最新の最適な推定値は、現周期の測定値と、先行の周期において推定された予測値とから決定される。簡単に言えば、時間的に変化する、測定と予測との間の最適な妥協点が見出される。
カルマンフィルタ法は、多くの衛星ミッションにおいて有用であることが実証されている。もっとも、このカルマンフィルタ法においては、幾つかの欠点も知られている。非特許文献3には、それらの欠点を克服するための複数のアプローチに関する概要が説明されている。衛星制御の運動学的なパラメータ及び動力学的なパラメータのためのプロセス方程式は線形ではない。カルマンフィルタは線形性を前提としている。従って、非線形方程式に線形に近似する、拡張カルマンフィルタ(EKF:extended Kalman filter)が開発された。この拡張カルマンフィルタEKFによって確かに改善がもたらされたが、しかしながら、収束性及び安定性に関する新たな欠点ももたらされた。その欠点を克服するものとしてアンセンテッドカルマンフィルタ(UKF:Unscented Kalman filter)が開発された。これについては、例えば非特許文献4を参照されたい。このアンセンテッドカルマンフィルタでは線形化を伴わないプロセス方程式が適用されている。この方程式は、モンテカルロ法の原理に則して導き出された、統計的パラメータの複数のサンプリングポイントに適用される。そのために、それらのパラメータに関して統計的な分布が既知である必要がある。大抵の場合は、ガウス分布が前提となる。この場合の欠点は、処理すべきデータ量が大幅に増加することにある。統計的な分布関数が未知である場合(このことはAOCSの用途では頻繁に発生する)、いわゆる粒子フィルタにおいては、モンテカルロ法の更に多くのサンプリングポイントが使用されなければならない。従って、実際のところ、AOCSにおける粒子フィルタの使用はほぼ完全に排除されている。
カルマンフィルタ法を改善するための代替的な方法では、カルマンフィルタ法がいわゆるスタック推定(バッチ推定)と組み合わされる。この組み合わせにおいては、現在の周期の測定値と予測値の使用だけでなく、いわゆる複数の周期の総「堆積量(スタック)」が処理に含まれる。公知のスタック法は、カルマンフィルタ法の結果の平滑化を実施し、それらの後続処理を行う。そのような複数の周期にわたるカルマンフィルタ結果の平滑化は、非特許文献5に開示されている。
スターセンサの姿勢測定値とジャイロスコープセンサのレート測定値を共通してフィルタリングすることは特別な挑戦である。これらの二つのセンサは、最重要の測定手段としてAODシステムの中核を成している。これらの二つのタイプのセンサは大きく異なる特性を有しており、従って、それらの異なる特性を潜在的には相互支援のために使用できるが、それらのデータをハイブリッド化する際に、ある程度の困難も生じる。ジャイロスコープセンサのノイズは比較的低く、これによって短期間での比較的正確な(但し、単に相対的な)姿勢測定が行われる。この測定の際の問題は、長期にわたると優勢となるドリフトとスケールファクタ誤差である。スターセンサはノイズがやや多く、また短期間にわたり遮蔽によって停止する可能性がある。しかしながらスターセンサはその代わりに、常に絶対姿勢測定を提供し、またドリフトもしない。上記の非特許文献5は、スターセンサのデータとジャイロスコープのデータの相乗的な融合ストラテジの結果を要約したものである。そこでは、従来のパラメータ選択が、個々の具体的なミッション毎に非常に特化されて行われなければならないことを結論付けている。このことは実際には非常に困難であり、高い付加的コストを伴う。上記の非特許文献5ではこの問題に対して、既述のスタック平滑化以外にも、二つの別の解決手段を提案している。
第1の解決手段では、複数の衛星ミッション又はミッションフェーズを、二つのカテゴリへ分割すること、即ち、スターセンサからのデータ及びジャイロスコープからのデータを使用する、短期間の(例えば衛星のメイン機器により画像撮影が行われている間の)共通の姿勢推定を用いるカテゴリ、及び、良好な長期間挙動特性(例えば太陽に向かって固定されているミッションフェーズ又は静止衛星)を用いるカテゴリへ分割することが行われる。
それらの両カテゴリに対して、スターセンサデータ及びジャイロスコープ測定値のフィルタリングが、一つの共通のカルマンフィルタにおいて所定のハイブリッド化周波数で行われる。短期間のカテゴリでは、高いハイブリッド化周波数が選択され、それに対して長期間のカテゴリでは、低い周波数が必要とされる。短期間のカテゴリにおいては、スターセンサが優勢であり、そのノイズ、特にその低周波誤差成分によって姿勢測定の精度が決定される。ジャイロスコープパラメータは殆ど意味を成さず、またスターセンサの停止期間が非常に短いときだけはジャイロスコープデータによって切り抜けることができる。ジャイロスコープは、長期間のカテゴリのように高品質である必要はない。長期間のシナリオでは、高価なジャイロスコープが、長期間にわたる十分に良好な精度を確定する。スターセンサは、ジャイロスコープの時折発生するドリフトを補償するためにしか使用されず、その低周波の誤差成分は重要ではない。
第2の解決手段として上記の非特許文献5には、付加的な検査フィルタ(consider filter)が挙げられている。この検査フィルタでは、実際のところは十分良好に観測することはできないことから、推定するしかないパラメータがカルマンフィルタに取り入れられる。ここでは検査パラメータとして、スケールファクタ誤差の三つの要素が使用される。通常の場合、ジャイロスコープのドリフトのみが、カルマンフィルタで推定される。スケールファクタの推定を、システム方程式では用いることはできず、推定される誤差を人工的に劣化させるためにのみ用いることができる。それにより、姿勢の共分散が不当に良好であるとみなされることが回避され、フィルタが誤った重み付けによって衛星の方向付け障害を誘起することが回避される。
特許文献4にも同様に、スターセンサのデータ及びジャイロスコープのデータをハイブリッド化する上記の長期間のカテゴリに相当する方法が記載されている。そこでは上記のストラテジは、高価な高精度ジャイロスコープには適用されず、所定の小型衛星ミッションには十分な精度を有している簡単なジャイロスコープに適用される。スターセンサはここでは、要求される測定精度の限界に達した際のジャイロスコープのドリフトを補償するためだけに使用される。目標は、スターセンサが可能な限りに少ない頻度でスイッチオンされるようにして、上記のような衛星の限られたエネルギリソースを消費しないようにすることである。
特許文献6には、スターセンサのデータデータ及びジャイロスコープのデータをハイブリッド化する際の別の問題の解決に使用される方法が開示されている。ジャイロスコープ及びスターセンサは互いに機械的に固定されて接続されているのではなく、一般的には衛星上の離隔された位置に取り付けられるため、それらの二つのセンサの相対的な向きの変動は、ハイブリッド化のために付加的に調整されなければならない。太陽光線に起因する熱弾性効果は、衛星の機械的な歪みの主要因である。それと共に、地心に向けられた衛星の配向誤りは、軌道周波数(Orbitfrequenz)でもって周期的に変化する。ここではこの作用を利用して、二つのセンサ間の配向誤りが、上記の軌道周波数に応じた周波数フィルタリングによって求められている。この配向誤りも付加的にカルマンフィルタに組み込まれている。
上記の従来技術では、種々のAOCSセンサのデータのハイブリッド化を利用して、ジャイロスコープにおけるドリフト又はスターセンサにおけるノイズのような、相異なるタイプのセンサのそれぞれの欠点が、それぞれ別のタイプのセンサによって補償調整されている。但し、個々のセンサによって達成できる限界を超えて測定精度を高める努力はなされていない。センサハイブリッド化のそれらの付加的な課題は、特許文献7に開示されている。
個々のスターセンサにおける姿勢測定は、測定した星の位置と、スターカタログから得られる位置との比較を基礎としている。スターカタログから得られるそれらの位置は慣性座標系において与えられている。姿勢測定は、上記のセンサに関連付けられた座標系において行われる。姿勢を決定するにあたり、慣性座標系から得られる全ての星の位置の、センサシステムへの最適な変換が推定される。より多くの星を利用できるようになればなるほど(一般的に約16個の星が利用できるようになると)、より多くの最適化方程式を位置比較に利用できるようになる。利用される方程式の個数が増大すると、姿勢測定の精度も向上する。特許文献7では、姿勢推定を慣性座標系からセンサシステムへの最適な変換として求めるのではなく、慣性座標系から衛星本体の座標系への変換として求めることによって、利用できる方程式の個数を増やすことを基礎としている。このためには先ず、一つ又は複数のスターセンサによって測定された星の位置が衛星システムに変換される。付加的に、衛星座標におけるジャイロスコープレートセンサの測定値を用いて、星の位置が予測される。利用できる全てのスターセンサに存在する星の個数、またレートセンサによって予測した星の個数が増大するのに応じて、最適化方程式の個数が増大し、ひいては精度が向上する。
特許文献7に開示された方法によるハイブリッド化は、二つのスターセンサから得られるデータの融合に対し、スターセンサのデータとレートセンサのデータとの融合に対するよりも有効に作用する。複数のスターセンサを用いて決定された星の位置は、統計上は独立した測定値であるので、測定精度は星の個数の平方根で増大する。レートセンサによって予想された星位置は、レートセンサによる測定だけを基礎としているのではなく、スターセンサによる先行の測定も基礎としている。このため、それらの星の位置は、統計上は独立したものであり、精度は僅かにしか改善されない。
精度の改善を目標とした姿勢データ及びレートデータのハイブリッド化は、非特許文献6において扱われている。ここでのベースアルゴリムは、プロセスパラメータとして三つの姿勢推定誤差及び三つのレートドリフト推定誤差を有する一般的な6次元拡張カルマンフィルタである。この拡張カルマンフィルタを越えるハイブリッド化は行われていない。ここでは測定誤差をホワイトノイズの成分に縮小することにより、精度改善を行おうしている。スターセンサにおける測定値も、ジャイロスコープセンサによる測定値も共に、ホワイトノイズの他に、本質的には異なる、相関した誤差成分を有している。ホワイトノイズは、拡張カルマンフィルタが適用できるか否かについての重要な前提である。別のノイズ成分は、フィルタリングの結果を損なわせる。非特許文献6に記載されている方法は、実質的なフィルタリングの前に、姿勢センサ及びレートセンサの非ホワイトノイズ成分の識別及び消去を行っている。
スターセンサ及び統合されたレートセンサによる姿勢測定の誤差には、ホワイトノイズ(NEA:noise equivalent angle)の他に高周波(HF)又は低周波(LF)を有する相関誤差が含まれている。スターセンサにおいてHF誤差は、空間的な高周波ノイズ(HSFE:high spatial frequency error)によって惹起される。これに対してLF誤差は、低周波空間ノイズ(LSFE:low special frequency error)によって惹起される。統合されたレートセンサでは、低周波誤差成分が優勢である。そのような低周波誤差成分は、統合された角度誤差(角度ランダムウォーク、ARW:angle random walk)と、バイアス不安定性(BI:bias instability)とによって特徴付けられる。
非特許文献6による方法では、識別ステップに、二つセンサの非ホワイトノイズ成分の識別が含まれており、また二つの部分からなる更なる消去ステップに、上記の測定値から、及び、拡張カルマンフィルタにおいて利用される共分散行列からのそれらの非ホワイトノイズ成分の消去が含まれている。非ホワイトノイズの誤差成分の識別は、二つのセンサタイプに対し、相互に独立して行われる。この識別は、衛星のセンサデータ処理においてリアルタイムで実行される統計的な推定の一部ではない。この識別は、地上に伝送されるセンサデータの周波数フィルタリングによる煩雑な事後処理によって行われる。識別結果は、非ホワイトノイズ(カラーノイズ)成分に対する数値モデル(10次のオーダ)である。このモデルだけが、船内におけるデータ処理の際に利用される。
非特許文献6に記載された方法には重大な複数の欠点が伴っている。一つの欠点として、上記の数値的なカラー誤差モデルの持続的な有効性が前提とされることである。実践的にはこれを前提とすることはできないので、衛星の地上セグメントも含めた持続的な再較正が必要になる。スターセンサのモデルの有効性が時間的に失効する以外にも、使用されるスターセンサモデルは、別の不所望の境界条件が課される。上記の刊行物においては、星が視野を斜めに通って移動するように、スターセンサを衛星に取り付けることが要求されている。これは、スターセンサの広範な使用において順守することのできない、衛星及びミッションに対する要求である。スターセンサにおける根本的な問題は、測定誤差が、画像による評価に応じて空間周波数に依存するが、後続のフィルリング及び制御においては時間周波数が使用されることである。時間周波数への空間周波数の変換は、(回転レート及び回転方向等の)時間的に変化するパラメータに依存する。従って、全ての使用条件下で有効な、スターセンサの誤差の時間モデルは基本的に実現できない。
拡張カルマンフィルタ法の重要な修正形態の最後のグループは、マルチモデル適応推定(MMAE:multiple model adaptive estimation)を基礎とする適応型カルマンフィルタ(AEKF:adaptive extended Kalman filter)である。拡張カルマンフィルタ法のこの派生形態は、間接的にしか測定に反映されない2次隠れマルコフ過程の良好な処理を目的としている。システム特性の隠れマルコフ過程は、一方ではAOCシステムの制御コマンドによって決定される。それらのコマンドは状況に応じてAOCからAODに明示的に伝送される。従って、AODのカルマンフィルタでは、制御コマンドを既知のパラメータとして処理することが可能である。例えば、AOCはAODに対して、所定の時点で所定の回転レートでのマヌーバを開始することを予め伝達することができる。隠れマルコフ過程の他のパラメータは、専ら統計的に処理せざるを得ない。例えば、拡張カルマンフィルタは、衛星制御に破局的結果が生じないように、複数のセンサの内のいずれかのセンサの欠陥又は著しい劣化に必ず対応しなければならない。誤差耐性のこの例に関して、拡張カルマンフィルタはセンサ装置における誤差の複数のモデルと並列に動作する。また、複数のモデルを同時に使用する別の例では、駆動電圧の変動が考慮される。それらの変動はセンサの測定誤差に影響を及ぼすが、しかしながら測定技術上、その全てを検出できるわけではない。この場合、見込まれる電圧変動領域に関するモデルバンクをカルマンフィルタにおいて使用することができる。
MMAE推定は、通常行われているシステムパラメータ及びその誤差の拡張カルマンフィルタによる再帰的な推定の他に、各モデルに対して、その時点で妥当な確率を供給する。この推定は拡張カルマンフィルタと同様に最新の測定値だけを再帰的に利用する。
所定のモデルヴァリエーションの発生に対するアプリオリな確率が存在する場合、その確率をモデルヴァリエーションの妥当性確率の算出に用いることができる。最終結果として、モデルの最も高い妥当性確率を有している拡張カルマンフィルタの推定、又は、重みづけ和を利用することができる。
非特許文献7では、MMAE技術が利用されており、複数のスターセンサのデータと高い機動性を有する衛星において使用される平均的品質の一つのレートジャイロスコープのデータとをハイブリッド化する際の相乗的な精度の向上が目指されている。その際に、スターセンサの精度よりも高いオーダでの姿勢精度が達成されるべきである。高速のミッションフェーズでは、スターセンサとジャイロスコープとのハイブリッド化に従来使用されていた6次元拡張カルマンフィルタによって、きわめて大きな誤差が生じることが判明している。その原因は、ジャイロスコープのスケールファクタ誤差とジャイロスコープ軸の配向誤りとが考慮されない点にある。それらのパラメータは高速の条件下では必ず考慮されなければならない。克服すべき問題は、スケール誤差とジャイロスコープのドリフト誤差とがそれぞれ独立した統計量ではないということである。
この解決手段として、マルチモデルフィルタリングが提案されている。種々のモデルを用いる複数の拡張カルマンフィルタ推定が並列動作される。各モデルは、第1に、システムパラメータのベクトルの次元によって区別される。ここでは、上記の6個のパラメータ以外に、スケールファクタ誤差に対する3個のパラメータと、ジャイロスコープ軸の配向誤りに対する6個のパラメータとが導入される。6次元、9次元及び15次元の異なる拡張カルマンフィルタ推定の並列動作が実現される。第2に、各モデルはスターセンサのその時点のモードによって区別される。モードは、例えば、センサの観察方向における天体密度と、衛星の種々の回転レートと、衛星の回転軸に対するスターセンサの多少とも妥当な向きとによって定義される。モード毎に既知のアプリオリな確率が仮定される。並列動作している全ての拡張カルマンフィルタ推定の重みづけ和が全推定とみなされる。重みとして、モードのアプリオリな確率と種々の次元のシステムモデルの相互的な共分散とが使用される。上記の方法を実用するとなると、種々のモード及びその確率についての、一般には入手できない膨大な量の知識が必要となってしまう。また、上記のアプローチでは、ジャイロスコープのドリフト誤差及びスケールファクタ誤差の脱相関も不可能である。
非特許文献8にも、平均的品質のジャイロスコープのデータからの姿勢推定を拡張カルマンフィルタ推定によって改善する問題が扱われている。二つの主要パラメータであるAWR角度ノイズ及びBIドリフトは、そのような品質のジャイロスコープに対しては一定とみなすことはできず、持続的に改めて推定されなければならない。ジャイロスコープのそれらのパラメータが変化するのは、ジャイロスコープのパラメータが付加的なシステムパラメータ、例えば温度又は駆動電圧に強く依存するためである。それらのシステムパラメータは既知でないので、やはり推定しなければならない。この解決手段として、49個の異なるモデルから成るモデルバンクを用いるMMAEスキーマが提案されている。このためにARWノイズとBIノイズとがそれぞれ異なる7個ずつの典型的なノイズ強度クラスに区別される。その組み合わせから49個の並列動作の拡張カルマンフィルタ推定プロセスが生じ、それらは並列に推定されるノイズ強度クラスの妥当性確率によって重みづけされて統合される。この場合、使用される全てのノイズ強度クラスにおいて誤差相関の問題は解決されない。
US2003/009248 A1 US 6108594 A US 2003/0009284 A1 US 7 216 036 B2 US 8 056 863 B2 US 6,732,977 B1 US 7 062 363 B2
James Ting-Ho Lo著「Optimal Estimation for the Satellite Attitude using Star Tracker Measurements」(1978年) GEOS-N Data Book:11.Attitude Control(Boeing社、2005年2月) F.L.Markley等著の論文「Nonlinear attitude filtering methods」J,AIAA(2005年) M.C. VanDyke,J.L.Schwartz,C.D.Hall著の刊行物「Unscented kalman filtering for spacecraft attitude state and parameter estimation」no. AAS-0115(2004年) 2005年10月17日から20日にかけてギリシャのルトラーキ(Loutraki)において開催された6 International ESA Conferenceの、Mehdi Ghezal等によるガイダンス「Navigation and Control Systems」の議事録「Gyro Stellar Attitude Determination」 Quang Lam,Craig Woodruff及びSanford Ashton David Martinによる論文「Noise Estimation for Star Tracker Calibration and Enhanced Precision Attitude Determination」ISF(2002年) Quang M.Lam, John L.Crassidisによる刊行物「Precision Attitude Determination Using a Multiple Model Adaptive Estimation Scheme」IEEE AC(2007年) Hoday Stearns, Masayoshi Tomizukaによる論文「Multiple Model Adaptive Estimation of Satellite Attitude using MEMS Gyros」American Control Conference(2011年)
従って、本発明の課題は、種々のAOCSセンサからのデータをハイブリッド化するために、従来使用されてきたアーキテクチャ及び方法に関する上述の欠点を克服することである。
この課題は、請求項1に記載の装置発明の特徴及び請求項9記載の方法発明の特徴によって解決される。請求項1に記載の装置発明及び請求項9に記載の方法発明の有利な実施形態は各従属請求項から得られる。請求項9に記載の方法は、特に請求項1に記載の装置において実行される。宇宙飛行体とは例えば衛星、有人宇宙船及び無人宇宙船、宇宙ステーション、宇宙グライダ、高高度飛行機等であると解される。
特に、姿勢軌道制御システム(AOCS:attitude and orbit control system)の各要素のトポロジとして、宇宙飛行体、例えば衛星のAOCSバスに過負荷が生じず、質量及び熱排出の小さいスターセンサを有感位置に取り付けることのできるトポロジ、及び/又は、現行の全ての衛星ミッションで同様に適用できるトポロジが使用される。この場合、姿勢軌道制御システムの種々のセンサ(AOCSセンサ)の測定値をハイブリッド化するための方法が用いられる。この方法は、低い性能要求には制限されず、地上で実行されるプロセスステップに依存せず、拡張カルマンフィルタに対して実際に十分に脱相関されたデータを提供する。また、この方法は、固定の統計的パラメータを使用せずに、オンラインでパラメータを推定する、及び/又は、宇宙飛行体の動力学的なパラメータを使用することなく、宇宙飛行体をマヌーバ制御するための自動機能インタフェースを有する。
本発明でのトポロジの基本原理は、例えば、種々のセンサの統合を行うことでも、宇宙飛行体の中央コンピュータにおける中央での測定及び制御を行なうことでもない。統合又は中央化の代わりに、二つの部分から成るネットワークが使用され、これにより、第2のバス(例えばACOSバス)の形態の従来のAOCSネットワークがAODネットワークとAOCネットワークとに分割される。このネットワーク化は、ネットワークを介したデータ交換だけでなく、ネットワーク化されたデータ評価にも関する。この場合、宇宙飛行体を制御するAOCネットワークのみが宇宙飛行体の中央コンピュータに残り、これに対して、測定値の検出及びハイブリッド化は全ての運動学的なセンサ及び中央センサデータ処理部を備えた第2のAODネットワークにおいて行われる。
有利には、測定値のハイブリッド化を行う中央プロセッサユニットがスターセンサに割り当てられる。なお、ネットワーク中央部は、
・スターセンサが最も複雑な内部アルゴリズムを要求しているので、他のセンサの理解を前提としないと利用できない、
・スターセンサしか完全に自律的に動作できない、
・スターセンサしか必要な精度の絶対姿勢データを出力できない、
・スターセンサのみが中央部として姿勢検出の「個別のセンサ」システム及び「ジャイロスコープレス」システムを実現できる、
・スターセンサのみが純粋な宇宙飛行用製品であり、ジャイロスコープのごとく他の市場で優勢を占めていない、並びに、
・スターセンサの測定プロセスでしか、スターカタログとの比較により、姿勢に加えて、姿勢測定誤差を直接に求めることができない、
等の理由から選定するのが最適である。
信頼性の観点から、マスタとして指定された中央プロセッサユニットに加え、冗長的な別の中央プロセッサユニットが設けられる。このために、スターセンサのプロセッサユニットと等価の、別のAOCSセンサのプロセッサユニットが使用される。
センサのネットワーク化の原則は、種々のセンサ開発者間でのノウハウの伝達を必要とするのではなく、その内情に関与することなく、種々のタイプのセンサのシステムの特性を表すことを基礎としている。
それと同時に、センサのネットワーク化の原則は、AODシステムの制限なしの統一を実現する。必要なセンサの個数及び品質、並びに、データのハイブリッド化の適切な境界条件は、統一された解決手段の枠内で任意に選択でき、また具体的に実現するためのコンフィギュレーションに対する相応の適合化だけを要求する。
軌道姿勢制御との関連において、センサネットワークを純粋な運動学的なデータだけに限定すると有利である。各衛星及び各ミッションに特有の動力学的なパラメータはハイブリッド化に用いられない。衛星の動力学的な特性は、運動学的な測定データのハイブリッド化に必要な程度において、予め分類されたマヌーバパラメータと各測定値とから導出することができる。
測定値をハイブリッド化するための最適な方法は、AODシステムの標準的な拡張カルマンフィルタ法に対し、一貫して、入力値としての非相関ハイブリッド測定値を提供することを重要な原理としている。脱相関はネットワーク化されたセンサコンフィギュレーションにおいてのみ可能であり、相補的な全てのセンサ特性を完全に利用する。この方法の利点は、AOCシステム及び地上へ接続されているデータ評価部のデータに対して完全な自律化が達成されるということである。AOCとのリンクはミッションマヌーバパラメータのコンフィギュレーションによってのみ行われる。
以下では、本発明を図1から図11に即して詳細に説明する。
本発明の基本原理による、運動学的なAOCSセンサのハイブリッドネットワークのトポロジのブロック図を示す。 本発明の基本原理による、運動学的なAOCSセンサのハイブリッドネットワークのトポロジにおいて、中央タイムクロックが衛星のコンピュータから供給されるトポロジのブロック図を示す。 ジャイロスコープ回転レートセンサと別の運動学的なAOCSセンサとしての地球センサとを含んでいる、運動学的なAOCSセンサのハイブリッドネットワークのトポロジのブロック図を示す。ここで、ジャイロスコープ回転レートセンサのプロセッサユニットは中央マスタプロセッサユニットとして指定されており、またスターセンサのプロセッサユニットは冗長的な中央プロセッサユニットの役割を担っている。 スターセンサのカメラヘッドが距離を置いて設けられている、運動学的なAOCSセンサのハイブリッドネットワークのトポロジのブロック図を示す。 運動学的なAOCSセンサのハイブリッドネットワークのトポロジのブロック図を示す。ここで、GNSSセンサのプロセッサユニットは冗長的な中央プロセッサユニットとして指定されており、またジャイロスコープ回転レートセンサは非常用センサとして直接的にAOCSバスにも接続されている。 AOCSセンサの運動学的な測定データをハイブリッド化するための、汎用の最適化された方法のブロック図を示す。 スターセンサ及びジャイロスコープ回転レートセンサからの運動学的な測定データをハイブリッド化するための方法のブロック図を示す。 スターセンサの姿勢、ジャイロスコープの姿勢、ハイブリッド化された姿勢の誤差スペクトルエネルギ密度を概略的に示す。 最尤度フィットによる誤差及び誤差相関の低減作用を概略的に示す。 バイアス不安定性誤差及びスケールファクタ誤差を分離する手法を概略的に示す。 配向誤りの傾向を識別する手法を概略的に示す。
図1には、センサネットワークにおける運動学的なAOCSセンサの配置構成に関する有利な適用事例と、宇宙飛行体、例えば衛星のAOCSとの接続が示されている。カメラヘッド1aとプロセッサユニット1bとから成るスターセンサ1は、第1のバス、例えばセンサバス4を介して、異なるタイプの別のセンサ3に接続されている。スターセンサのプロセッサユニット1bは、スターセンサ固有のデータ処理の他に、中央マスタプロセッサユニット2aとして、最適化されたハイブリッド化プロセッサ10のタスクも担う。信頼性を高めるために、AOCSセンサのような別の複数のセンサ3の内の一つのセンサにおける等価の第2のプロセッサユニット3bが、冗長的な中央プロセッサユニット2bとして指定されている。このプロセッサユニット2bは、中央マスタプロセッサユニット2aが故障したときに、その機能を引き継ぐものであり、同様に第2のバス、例えばAOCSバス5に接続されている。プロセッサユニット2bは、冗長的な動作の場合、最適にハイブリッド化された運動学的な測定データ8bを供給する。別のセンサにも処理ユニットを設けることができるが、それらの処理ユニットは複数のセンサのためのタスクを処理しない。全てのセンサは、最適化されたハイブリッド化プロセッサ10へ、同期合わせされた自身の測定データを供給する。この同期合わせは、全てのセンサが同一の時点で測定を行うか、又は各測定データが統一的なタイムクロックを基準とするタイムスタンプを有するようにして、実施することができる。同期合わせは、同期ライン7を介して中央プロセッサユニット2から供給されるタイムクロックに基づいて行われる。各センサのためのタイムクロックを、中央プロセッサユニット2自体によって生成することができるか、又は宇宙飛行体、例えば衛星のAOCSから供給されるクロックを転送してもよい。
図2には、衛星のコンピュータのような宇宙飛行体の中央コンピュータによってクロックを供給するケースの配置構成が示されている。宇宙飛行体からクロックを取得するのであれば、最適にハイブリッド化された運動学的な測定データ8には、宇宙飛行体により較正されたタイムスタンプが含まれていなくてもよく、これはAODネットワーク内のローカルなタイミング合わせの場合には必要である。同期合わせされた姿勢測定データと、それらのデータに属する姿勢共分散データとが、スターセンサ1自体においてカメラヘッド1aの画像データから求められ、それらもハイブリッド化に用いられる。最適にハイブリッド化された運動学的な測定データ8は、宇宙飛行体のAOCSバスを介して中央コンピュータ6へ伝送され、そこにおいてそれらのデータは宇宙飛行体の制御に使用される。
場合によっては、図3に示されているように中央マスタ処理ユニット2aの役割をジャイロスコープセンサ3aの処理ユニットが担うときにはより好適である。このようなコンフィギュレーションを採用する理由として、一般に既に利用されている、極めて高性能の処理ユニット及び極めて高いデータレートを有している高品質のジャイロスコープがセンサネットワークに組み込まれることが挙げられる。そのようなケースにおいては、ジャイロスコープ内に設けられているプロセッサを、先ず中央のタスクのために利用し、ジャイロスコープの高いデータレートに起因するセンサバス4の負荷を軽減することがより好適であると考えられる。このヴァリエーションにおいては、ジャイロスコープの処理ユニットはノミナルケースでは、AOCSバス5を介して中央コンピュータ6と接続されており、ジャイロスコープの処理ユニットから別のセンサへも、同期ライン7を介して統一的なクロックが供給される。この場合、スターセンサの処理ユニット1bは、冗長的な中央プロセッサユニット2bの役割に限定されている。
近地点の軌道における観測ミッションのためには、二つのスターセンサカメラヘッド1aが使用されることが多い。図4には、これに対応するセンサネットワークのヴァリエーションが示されている。図4によれば、両方のスターセンサカメラヘッド1aは同じ処理ユニット1bを使用し、この処理ユニット1bから距離を置いて、それぞれポイント・ツー・ポイント方式の接続9を介して接続されている。このようなコンフィギュレーションは、カメラヘッドを宇宙飛行体のメイン機器に直接的に取り付けたい場合には好適である。これによってメイン機器の向きを直接的に測定することができる。カメラヘッドに処理ユニットが設けられていなければ、カメラヘッドの質量が小さくなり熱エネルギの放出も僅かになることから、メイン機器に殆ど妨害が及ぼされない。ここには図示されていないが、三つ以上のカメラヘッドを用いるヴァリエーションも使用することができる。更には、第1のカメラヘッドだけをスターセンサの処理ユニットから切り離す一方、第2のカメラヘッドは処理ユニットと共に一つの一体型装置を成すようにしてもよい。
AOCSが個々のセンサを、ノミナルの姿勢制御及び軌道制御のために利用するだけでなく、別のタスクのためにも利用することも考えられる。このように構成する場合には図5に示されているように、多重利用されるそのようなセンサのAOCSバスへの付加的な接続部を設けることができる。図5によれば一例として、GNSSセンサ3Cのプロセッサユニット3bが、冗長的な中央プロセッサとして利用されるのに対し、ジャイロスコープセンサ3Aは、宇宙飛行体の非常用センサとして用いられる。つまりジャイロスコープセンサ3Aは、センサネットワークの中央処理ユニット2a及び2bに加えて、AOCSバスにも接続されている。同様のやり方で、非常事態又はノミナルAOD以外の別の使用ケースに備えて、別のセンサにも衛星のコンピュータとの付加的な接続部を装備させることができる。この場合、該当するセンサの付加的な接続を、必ずしもAOCSバスを介して行う必要はなく、他のやり方で、例えばポイント・ツー・ポイント方式の接続として実現してもよい。
図6には、本発明による方法を全体的に示すブロック図が示されており、この方法は中央処理ユニット2のハードウェアにおいて、最適化されたハイブリッド化プロセッサ10として実現される。スターセンサからの姿勢測定データ及び姿勢共分散データ23並びに別の運動学的なAOCSセンサ3の測定データ24が、同期ライン7を介して供給されるタイムクロックによって同期合わせされており、それによって、それらのデータを一つの共通の測定時点と結び付けることができる。種々のセンサのデータを比較し組み合わせることできるようにするために、基準として利用される一つの統一的な座標系にそれらのデータを変換する必要がある。これは変換プロセッサ12において行われる。この場合、基準は原則的に任意に選択することができる。更なる変換が行われるのを避けたいのであれば、例えば中央コンピュータによって要求される系(大抵の場合は衛星座標のような宇宙飛行体の座標)を利用することができる。個々の軸ジャイロスコープの種々のパラメータを有するジャイロスコープセンサが使用される場合には、ジャイロスコープ座標系を基準として利用することで、処理を単純にすることができる。
変換パラメータ22として、個々のセンサの回転が基準系に利用される。それらの変換パラメータをオイラー角、四元数、又は回転行列として表現することができる。変換パラメータの初期値は、センサ製造時及びそれらのセンサを宇宙飛行体に組み込む際に測定され、コンフィギュレーションパラメータメモリ11に格納されている。宇宙飛行体の機械的な構造の熱弾性的な歪みによって、センサの向きが徐々に変化する可能性があり、これは本発明による方法の構成要素を成す変換パラメータ37の更新によって補償調整される。
統一的な基準系における全ての測定値、スターセンサの姿勢測定データ及び姿勢共分散データ25、並びに別の運動学的なセンサのデータ26に対し、誤差及び誤差相関の低減13が行われる。このような低減は、異なるタイプのセンサでは誤差の成分がそれぞれ異なることから実現できる。この場合、特定の信号スペクトルに対し最も好適なセンサからの、誤差及び誤差相関が最も少ない測定値成分が受け入れられる一方、他のセンサの対応する信号成分は消去される。この処理のために、例えば多項式の形態で与えられるような固定のセンサモデルが利用されるのではなく、センサの物理的な基本原理及び測定値のみに基づいて、パラメータがその都度推定される。
それらのセンサの異なる特性を、誤差及び誤差相関の低減13という趣旨で測定値を改善するためだけでなく、センサ内部の較正パラメータの相互支援14にも利用することができる。ノミナルケースでは、このようなクロス較正は不要である。その理由は、誤差及び誤差相関の低減13によって、較正パラメータ中に場合によっては含まれる誤差が暗黙的に補償されるからである。ただし非ノミナルケースにおいて、個々のセンサが一時的に停止した場合には、依然としてノミナルレジームのまま維持されているセンサの測定品質のために、クロス較正14から得られるハイブリッド較正データ28の使用が重要となる。クロス較正を周期的に実行することによって、較正パラメータの一時的な変動に合わせて整合させる能力が得られる。
誤差及び誤差相関の低減13を伴うノミナル測定処理が、非ノミナルモードにおいては、幾つかのセンサの誤差に起因してもはや不可能である場合には、グレードが若干下げられた非ノミナルの姿勢及びレート29を発生させるために、第2の非ノミナルプロセッサ16を使用することができる。このプロセッサはノミナルケース中も稼働しているが、しかしながらこのプロセッサにより得られた結果は、複数のセンサの内の一つのセンサから非ノミナル信号が印加されたときだけ、モードスイッチ17によってイネーブルにされて、後続処理に送られる。
センサのホワイトノイズもセンサ内部の誤較正も作用しない最も遅いタイムスケールの分析が使用される場合には、熱弾性の捻れに起因するセンサの配向誤りの傾向を、傾向識別15において求めることができる。コンフィギュレーションパラメータメモリ11によって、変換ユニット12の傾向分析の結果37がその都度供給される。
ハイブリッド化されたその都度の最良の利用可能な測定データ30、即ち誤差の低減されたノミナルの姿勢及びレート27又はそれらに対応する非ノミナル値29は、マヌーバパラメータ31によって定義されている宇宙飛行体マヌーバの種々のモデルのために、複数の拡張カルマンフィルタ(EKF)19から成るバンクへ、入力として供給される。それらの測定データ30と並行して、拡張カルマンフィルタプロセッサは、コンフィギュレーションパラメータメモリ11からのマヌーバモデルのパラメータ31を利用する。同じデータ30及び31はMMAE推定器18にも供給され、このMMAE推定器18はマヌーバタイプの妥当性確率32を供給する。マヌーバスイッチ20は、この妥当性確率32に基づいて、最も確率の高いマヌーバタイプに対応する拡張カルマンフィルタ出力33を選択する。そのようにして選択され、最適にハイブリッド化された運動学的な測定データ8は、最終的に中央コンピュータ6に供給される。それらの測定データ8は、姿勢に関する最適な推定値34、レートに関する最適な推定値35及び姿勢共分散に関する最適な推定値36によって構成されている。
マヌーバのモデルパラメータ31を、レートと角加速度から成る所定のマヌーバプロフィルの形態として定めることができる。この種のプロフィルは、スターセンサを検証するためのテストデータとして既に使用されている。最も簡単な標準的ケースであれば、「一定のレート」と「一定の角加速度」という二つのモデルを使用することができる。
図7には、AODにおける二つのメインセンサの測定値の処理に関して、即ち、少なくとも一つのスターセンサからの姿勢測定データ及び姿勢共分散データ23と、一つのジャイロスコープからのレート測定データ24aとの処理に関して、本発明による方法のブロック図が示されている。この構成において、誤差及び誤差相関の低減13は二つのブロック、即ちレート積分ブロック39及び最尤度フィット(MLE)ブロック40によって実現される。誤差及びそれらの誤差の相関の低減は、スターセンサ誤差及びジャイロスコープセンサ誤差の成分に合わせて特別に設計されている。ジャイロスコープセンサ3Aに関しては平均的品質で十分である。何故ならば、ジャイロスコープとスターセンサの相乗効果を利用することで、高品質のジャイロスコープに匹敵する性能が得られるからである。
図8の上段には、スターセンサの姿勢誤差の成分が示されており、中段には、平均的品質のジャイロスコープの、積分されたレートの誤差成分が示されている。ここで、姿勢誤差はPSD(パワースペクトル密度、power spectral density)の形式で、姿勢角度誤差の誤差パワースペクトル密度として略示されている。以下では、この図を参照しながら、誤差低減の作用について説明する。
上述の両センサは、姿勢角度におけるホワイトノイズの誤差成分を有しており、これはNEA誤差(ノイズ等価角度、noise equivalent angle)と呼ばれる。スターセンサの場合、NEA成分100は、ジャイロスコープの積分されたレートにおけるNEA成分103よりも大きい。NEA成分を低減するために、古典的な拡張カルマンフィルタを用いるアプローチが設計されている。この場合、相関する誤差成分はカルマンフィルタによっても殆ど低減することはできず、状況によってはむしろ増大してしまう可能性がある。スターセンサには二つの相関するノイズ成分があり、それらは低周波のLF(low frequency)成分及び高周波のHF(high frequency)成分である。LF誤差101は主として、スターセンサカメラの視野のオーダの幾何学的な原因を有している。その特性ゆえに空間的なLSFE誤差(低周波の空間周波数誤差、low spatial frequency error)から時間的な誤差への変換は、多数の可変のパラメータに左右されるので、例えば多項式として与えられるような有効なモデルは存在しない。LF誤差は秒から分のタイムスケールにあり、また宇宙飛行体を制御するコントローラはこの周波数領域で動作するので、従ってLF誤差はAOCにとって特にクリティカルなものである。スターセンサのHF誤差102は秒よりも短いタイムスケールにあり、やはり主として幾何学的にHSFE(高周波の空間周波数誤差、high spatial frequency error HSFE)の作用に起因して、スターセンサカメラのピクセルサイズで発生する。HF誤差はLF誤差よりも小さく、宇宙飛行体を制御するコントローラにとって、LF誤差ほどクリティカルなものではない。
平均的品質のジャイロスコープの場合、積分されたレートの誤差のNEA成分103におけるホワイトノイズだけが、スターセンサのHF誤差の周波数領域及びLF誤差の周波数領域の内の上方部分において作用する。そのようなジャイロスコープにおいては、下方の分領域では、直線的な周波数特性104をもつARW(角度ランダムウォークangle random walk)誤差が発生し、上方の分領域からは高次の周波数特性105のBI誤差(バイアス不安定性、bias instability)が加わる。
スターセンサの姿勢誤差及び積分レートジャイロスコープに関するそれらの二つの既述のスペクトル特性からは、高い周波数領域及び中程度の周波数領域においては、ハイブリッド化においていっそう良好なジャイロデータをできるかぎり引き継ぐ必要があり、対応するスターセンサ成分を消去しなければならないことが読み取れる。低い周波数領域では、スターセンサデータが優勢となるべきである。まさにこのストラテジに即して、レート積分39と最尤度フィット40とから成る、誤差及び誤差相関の低減13が実施される。
レート積分39はスライディング時間窓として設計されている。この時間窓内で変換されたレート測定値26aがバッファリングされる。この時間窓の長さは、図8に示したスターセンサ及びジャイロスコープの姿勢誤差の周波数特性によって決まる。時間窓の長さが最適に選択されていれば、ジャイロスコープのARW誤差成分104は、スターセンサのLF誤差101よりも依然として良好なものでなければならない。約10Hzの測定サイクルであればその測定サイクルによって、数100から数1000の測定値がバッファメモリに生じることになる。これは最新のプロセッサユニット2であれば問題ない。時間窓内で測定され変換されたレート26aは、レート積分39において、最新の較正パラメータであるバイアス及びスケールファクタを用いて補正され、基準系の3本の軸を中心とする回転角度に加算される。最初は、地上測定に基づきコンフィギュレーションパラメータメモリ11に格納されている較正パラメータを使用することができ、動作実行中は、クロス較正14から得られる最新の値44及び45が使用される。
図9の中段には、そのようにしてレートから生成される姿勢角度110が時間窓内に示されている。同じグラフには、姿勢角度の実際の経過107も示されている。それら二つの曲線の間にはオフセットが存在し、このオフセットは実質的に、姿勢積分の開始値と、対応する実際の姿勢との差分によって求められる。オフセットは、開始値としての、最後のサイクルに由来する姿勢を使用して最小にすることができる。しかしながら、オフセットは最尤度フィット40によっていずれにせよ補償されるので、これは必ずしも必要ではない。
図9の上段のグラフには、スターセンサからの姿勢測定値25の曲線108が同一の時間窓で示されている。ここでは、スターセンサが絶対姿勢を測定するので、実際の姿勢107に対するオフセットは存在しない。曲線108は高い変化率を有する、スターセンサのNEA誤差成分及びHF誤差成分を示している。それらの誤差成分は、中段のグラフにおけるジャイロスコープ曲線110の誤差成分よりも大きい。LF誤差を説明するために、NEA誤差及びHF誤差を伴わないスターセンサ測定に対応する曲線109が示されている。
最尤度フィット40は線形であり、曲線108に対する誤差を最小にすることを目的とした、曲線110の統計的に最適なシフト及び回転を求める。ここで、スターセンサに由来する逆共分散を有する複数の測定点の間隔が重み付けされ、その結果、LSR推定だけでなく、実際のMLE推定も実施される。図9の下段のグラフにおける曲線111は、最適にシフト及び回転されたレート姿勢を示している。この曲線111はスターセンサの姿勢108だけでなく、実際の姿勢107についても最適に合わせられている。最適な曲線111上の最後の点は、最新の測定点に関するデータ出力27における脱相関された姿勢を表す。これは時間窓の右側の端部に位置している。通常の場合は、最後のジャイロスコープ測定値を直接的に、出力27における脱相関されたレートとして採用することができる。場合によっては、最後から二つの脱相関された姿勢の差分としてのレートを使用することがより適していることも考えられる。このことは、レートに対する非常に高い精度の要求が課される場合、又は、ジャイロスコープの重大な誤差較正が疑われる場合に適用される。
レート積分39及び最尤度フィット40は測定が行われるタイミングで周期的に反復される。その際、時間窓は位置一つ分だけシフトされ、一番古い測定値セットが消去され、新しい測定値セットが追加される。必要な演算数を低減するために、中間結果を更に使用することによって、スライディング時間窓を用いる用途において一般的な最適化を利用することができる。このために必要とされる近似、例えば、比較的低い反復率での較正パラメータの変化は、無視できる程度の誤差しか惹起しない。
レート積分39及び最尤度フィット40の適用後の、姿勢角度の誤差パワースペクトル密度106が図8の下段のグラフに示されている。出力27における脱相関された姿勢は、低い周波数領域では、スターセンサのデータの品質を有しており、また高い周波数領域では、ジャイロスコープのデータの品質を有している。スターセンサの誤差におけるLF成分の下方の部分においてのみ、その誤差をホワイトノイズに低減することは完全には達成されない。これを達成するためには、ARWパラメータが改善されている高価なジャイロスコープが必要になる。
スターセンサは遮蔽又は光線照射によって、短期間から中期的な時間にわたり停止する可能性がある。ジャイロスコープのデータからしか姿勢測定を行えないそのような停止時間を切り抜けるために、ジャイロスコープの正確で最新の較正が必要になる。この較正データ28は、バイアス及びスケールファクタを別個に推定するためのコンバータ41及びセパレータ42として特別に実施されているクロス較正14に使用される。バイアス誤差及びスケールファクタ誤差は、比較的長い測定時間を掛けることによって漸く確実に検出することができる。レート積分39及び最尤度フィット40のタイムスケールはこれに適していない。バイアス及びスケールファクタは部分的に同じファクタによって影響を受けるので、その結果、相応の誤差は相関しておらず、分離することは困難となる。必要とされるタイムスケール以外に、スケールファクタ誤差を求めるために、高いレートも必要になる。
バイアスは一定であると仮定すると、そのバイアスは所定の時間にわたり線形に上昇する、実際の姿勢とジャイロスコープの姿勢との間のオフセットの形で表れる。スケールファクタ誤差が一定である場合には、実際のレートにわたる、レート誤差の線形の上昇の作用が観察される。従って、角度に対する積分レートにおいては、一定のスケールファクタ誤差が二乗に上昇する姿勢誤差をもたらす。もっとも、この上昇は実際の比率にわたり行われ、時間にわたり行われるものではない。この複雑な作用、並びにバイアス及びスケールファクタが時間的に一定ではないという事実によって、図10の上段に示されているような、最尤度フィット40において求められたフィットバイアス122及びフィット角度113からは、バイアス及びスケールファクタを導出することはできない。このことは、最尤度フィット40のタイムスケールがバイアス不安定性の作用領域にまで拡大される場合にも当てはまる。バイアス不安定性及びスケールファクタ誤差は、常にフィットバイアス122及びフィット角度113に混在して発見される。それらは別の方法によって分離されなければならない。
そのようなバイアスは、最尤度フィット40の出力では、スケールファクタ誤差に対するフィットバイアスの複数の値43において優勢となっているので、そのようなバイアスの推定は比較的簡単である。更に、強く作用しているスケールファクタ誤差を有している高いレートはミッション経過において極稀にしか存在しない。従って、バイアス推定値44はバイアス不安定性及びスケールファクタ誤差のタイムスケールに対応する、コンバータ41におけるフィットバイアスの最尤度フィット40から印加される値43のローパスフィルタリングによって簡単に推定することができる。
スケールファクタを推定するために、未処理のレート測定値26a及びフィットバイアスの値43を用いる必要がある。フィットバイアスの値43はレート測定値26aの関数テーブルとしてバッファリングされる。このために、ジャイロスコープの動力学の範囲の十分なラスタ化の範囲でテーブルが作成される。ラスタ化すべきレート値に属する、フィットバイアスの値43は、IIR(無限インパルス応答:infinite impulse response)フィルタを用いて平均化されてこのテーブルにおいて累積される。図10の下段の曲線116は、時間空間からレート空間へのフィットバイアスの値(43)の変換の結果を示している。この図においては、スケールファクタ推定値45を回帰直線115の上昇として求めることができる。非ノミナルプロセッサ16は、このコンフィギュレーションにおいて、最新のレート測定値26aのみから、スターセンサデータが一時的に停止する期間にわたり、グレードが若干下げられた非ノミナルの姿勢及びレート29を求める。このことは、スターセンサからの非ノミナルの信号が最初に印加された時点以降のレート測定値26aの補正及び積分によって行われる。同じ時点に、スターセンサ1の依然として存在している測定値25を用いて推定される、スケールファクタ45及びバイアス44の値が、スターセンサ1の全停止期間中のレート測定値26aの補正のために引き継がれる。
傾向識別(15)においてセンサの可変の配向誤りを求めることに関して、バイアス及びスケールファクタ推定の場合と同様に、種々の作用ファクタの帯域幅が重畳するという問題が存在する。このことは図11の上段に示されており、そこでは、バイアス不安定性及びスケールファクタ誤差(117)、配向誤りの傾向(118)、及び、誤差が低減されているにも係わらず残存するNEA残存誤差及びARW/LF残存誤差(119)に関する帯域幅と共に、全ての姿勢誤差の要約されたパワースペクトル密度が示されている。この傾向は、簡単なバンドパスフィルタリングによって、別のタイプの誤差から分離することはできない。このために別の分別判定基準を使用する必要があり、また周波数を利用することはできない。
熱弾性の捻れは、衛星座標系に固く結び付けられている宇宙飛行体の構造から生じる。この熱弾性の捻れは、主として、この構造における所定の捻れ軸を中心にして行われる。これによって、その傾向が別の姿勢誤差成分と区別される。スターセンサでは、例えば、誤差が星空の視野の姿勢に依存するか、又は、視野及びピクセル内での星の姿勢に依存しており、また宇宙飛行体の座標系における可変の回転軸を有している。
この識別の特徴を、有利には、捻れ軸推定器46における姿勢誤差回転軸の一定の成分を推定することによって、十分に利用することができる。このために、姿勢誤差のデルタ回転を、対応する回転軸成分及び回転角度に変換することができる。姿勢誤差として、バイアス推定値44を使用することができ、それらのバイアス推定値44は特にローパスフィルタリングされた、フィットバイアスの値を表す。図11の下段には、ローパスフィルタリングされた姿勢誤差の軸成分の値の経過120が示されている。その経過120の一定の平均値121は捻れ軸の対応する成分を表している。差分122は、同じ周波数領域における、捻れの傾向に属さない別の姿勢誤差を反映している。軸成分の三つの平均値は、推定された捻れ軸48を成している。それらは、姿勢誤差として使用されるバイアス推定値44と一緒に、捻れのデルタ回転マトリクスの推定47に用いられる。これによって、変換パラメータ37aを傾向に応じて更新することができる。このために、捻れ回転軸の他に、捻れ回転角も必要である。この捻れ回転角を、全体の姿勢誤差回転の捻れ軸への投影から算出することができる。
1 スターセンサ
1a スターセンサのカメラヘッド
1b スターセンサのプロセッサユニット
2a 中央マスタプロセッサユニット
2b 冗長的な中央プロセッサユニット
3 別の運動学的なAOCSセンサ
3a 別の運動学的なAOCSセンサのセンサエレメント
3b 別の運動学的なAOCSセンサのプロセッサユニット
3A ジャイロスコープ回転レートセンサ
3B 地球センサ
3C GNSSセンサ
4 センサバス、第1のバス
5 衛星のAOCSバス、第2のバス
6 中央コンピュータ
7 同期ライン
8 ハイブリッド化された運動学的な測定データ
8a マスタプロセッサユニットのハイブリッド化された運動学的な測定データ
8b 冗長的なプロセッサユニットのハイブリッド化された運動学的な測定データ
9 ポイント・ツー・ポイント方式のデータ接続
10 最適化されたハイブリッド化プロセッサ
11 コンフィギュレーションパラメータメモリ
12 変換プロセッサ
13 誤差及び誤差相関の低減
14 クロス較正
15 傾向識別
16 非ノミナルプロセッサ
17 モードスイッチ
18 マルチモデル適応推定器
19 6次元拡張カルマンフィルタ
20 マヌーバスイッチ
21 コンフィギュレーションデータ
22 変換パラメータ
23 スターセンサの同期合わせされた姿勢測定データ及び姿勢共分散データ
24 同期合わせされた別の運動学的な測定データ
24a ジャイロスコープの同期合わせされたレート測定データ
25 基準系におけるスターセンサの姿勢データ及び姿勢共分散データ
26 基準系における別の測定データ
26a 基準系におけるレート測定データ
27 脱相関された姿勢及びレート
28 ハイブリッド構成データ
29 非ノミナルの姿勢及びレート
30 最良の姿勢及びレート
31 マヌーバパラメータ
32 マヌーバの妥当性確率
33 種々のマヌーバモデルに対する姿勢、レート及び共分散に関する拡張カルマンフィルタ推定値
34 妥当な操作に対する姿勢の最適な推定値
35 妥当な操作に対するレートの最適な推定値
36 妥当な操作に対する姿勢共分散の最適な推定値
37 傾向に応じて更新された変換パラメータ
37a デルタ回転マトリクスを用いて傾向に応じて更新された変換パラメータ
38 積分レート
39 レート積分
40 最尤度フィット
41 フィットバイアスのバンドパスフィルタリングされた値の時間空間からレート空間への変換
42 バイアス及びスケールファクタのセパレータ
43 フィットバイアスの値
44 バイアス推定値
45 スケールファクタ推定値
46 捻れ軸の推定
47 捻れのデルタ回転マトリクスの推定
48 推定された捻れ軸
100 スターセンサのノイズ等価角度姿勢誤差のパワースペクトル密度
101 スターセンサの低周波姿勢誤差のパワースペクトル密度
102 スターセンサの高周波姿勢誤差のパワースペクトル密度
103 ジャイロスコープの積分レートのノイズ等価角度姿勢誤差のパワースペクトル密度
104 ジャイロスコープの積分レートの角度ランダムウォーク姿勢誤差のパワースペクトル密度
105 ジャイロスコープの積分レートのバイアス不安定性姿勢誤差のパワースペクトル密度
106 誤差及び誤差相関の低減後のハイブリッド化された姿勢のパワースペクトル密度
107 実際の姿勢
108 低周波誤差、高周波誤差及びノイズ等価角度誤差を有するスターセンサの姿勢
109 低周波誤差だけを有するスターセンサの姿勢
110 バイアス不安定性誤差、角度ランダムウォーク誤差及びノイズ等価角度誤差を有するジャイロスコープの姿勢
111 シフト及び回転されたレート姿勢
112 フィットバイアス
113 フィット角度
114 シフトされたレート姿勢
115 スケールファクタの誤差によって惹起されるフィットバイアス成分の回帰直線
116 スケールファクタ誤差及びバイアス不安定性によって惹起されるフィットバイアス
117 バイアス不安定性誤差及びスケールファクタ誤差の帯域幅
118 捻れの傾向の帯域幅
119 ノイズ等価角度誤差並びに低減された角度ランダムウォーク誤差及びLF誤差の帯域幅
120 傾向帯域における全てのファクタの可変の回転軸
121 捻れの固定の回転軸
122 見かけ上の捻れによる回転軸のシフト

Claims (14)

  1. 宇宙飛行体のための宇宙飛行体の姿勢軌道制御システムにおいて、
    前記姿勢軌道制御システムは、
    スターセンサ(1)と、
    複数の別の運動学的なセンサ(3)と、
    第1のバス(4)と、
    同期ライン(7)と
    を有しており、
    前記スターセンサ(1)は、中央マスタプロセッサユニット(2a)として設けられているプロセッサユニット(1b)と、光学カメラヘッド(1a)とを備えており、
    前記複数の別の運動学的なセンサ(3)は、センサエレメント(3a)及び別のプロセッサユニット(3b)をそれぞれ一つずつ備えており、前記別のプロセッサユニット(3b)の内の一つは前記プロセッサユニット(1b)と等価であり、且つ、冗長的な中央プロセッサユニット(2b)として指定されており、
    前記第1のバス(4)は、前記別の運動学的なセンサ(3)を前記中央マスタプロセッサユニット(2a)又は前記冗長的な中央プロセッサユニット(2b)に接続し、
    前記同期ライン(7)は、前記中央マスタプロセッサユニット(2a)又は前記冗長的な中央プロセッサユニット(2b)の内のその都度アクティブな方から前記別の運動学的なセンサ(3)に統一的なタイムクロックを供給し、
    前記中央マスタプロセッサユニット(2a)及び前記冗長的な中央プロセッサユニット(2b)は、前記宇宙飛行体の第2のバス(5)に接続されており、該接続を介して、前記中央マスタプロセッサユニット(2a)又は前記冗長的な中央プロセッサユニット(2b)の内のその都度アクティブな方は、前記宇宙飛行体の中央コンピュータ(6)にハイブリッド化された運動学的な測定データ(8)を供給し、該ハイブリッド化された運動学的な測定データ(8)は、前記スターセンサ(1)の同期合わせされた運動学的な測定データ(23)及び前記別の運動学的なセンサ(3)の測定データ(24)をハイブリッド化するための方法に従い形成されている、
    ことを特徴とする、姿勢軌道制御システム。
  2. 前記統一的なタイムクロックは同期ライン(7)を介して前記宇宙飛行体から供給されている、
    請求項1に記載の姿勢軌道制御システム。
  3. 前記別の運動学的なセンサ(3)として、ジャイロスコープ回転レートセンサ、加速度センサ、磁力計、太陽センサ、地球センサ及びGNSSセンサからの任意の組み合わせが設けられている、
    請求項1又は2に記載の姿勢軌道制御システム。
  4. 前記複数の別の運動学的なセンサ(3)の内の一つの別の運動学的なセンサ(3)のプロセッサユニットは、前記中央マスタプロセッサユニット(2a)の役割を担い、且つ、前記スターセンサ(1)の前記プロセッサユニット(1b)は冗長的な中央プロセッサユニット(2b)として指定されている、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の姿勢軌道制御システム。
  5. 前記スターセンサ(1)は少なくとも二つのカメラヘッド(1a)と一つのプロセッサユニット(1b)とから形成されている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の姿勢軌道制御システム。
  6. 前記中央マスタプロセッサユニット(2a)及び前記冗長的な中央プロセッサユニット(2b)の他に、前記別の運動学的なセンサ(3)の内の幾つか又は全ては、付加的に、前記宇宙飛行体の前記第2のバス(5)に接続されている、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の姿勢軌道制御システム。
  7. 前記別の運動学的なセンサ(3)の内の幾つか又は全ては、付加的に、前記中央コンピュータ(6)に直接的に接続されている、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の姿勢軌道制御システム。
  8. 一つ又は複数の前記カメラヘッド(1a)は前記プロセッサユニット(1b)から距離を置いて設けられており、且つ、ポイント・ツー・ポイントの方式に応じて前記プロセッサユニット(1b)に接続されている、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の姿勢軌道制御システム。
  9. 少なくとも一つのスターセンサの同期合わせされた姿勢測定データ及び姿勢共分散データ(23)と、別の運動学的なセンサ(3)の同期合わせされた測定データ(24)とからハイブリッド化された運動学的な測定データ(8)を形成する方法において、
    −前記同期合わせされた姿勢測定データ及び姿勢共分散データ(23)と、前記別の運動学的なセンサ(3)の前記同期合わせされた測定データ(24)とを、変換パラメータ(22)を使用して、変換プロセッサ(12)によって統一的な基準系に座標変換し、
    −前記統一的な基準系に変換された、前記スターセンサ(1)の前記姿勢測定データ及び前記姿勢共分散データ(25)と、別の運動学的な測定データ(26)とを、誤差及び誤差相関の低減部(13)、クロス較正部(14)及び非ノミナルプロセッサ(16)に並列に転送し、
    −一方のセンサの測定データの相関の強い成分を、他方のセンサの相関の弱いデータに置換することによって、前記低減部(13)において、共分散が低下されている、脱相関された姿勢及びレート(27)を形成し、
    −前記脱相関された姿勢及びレート(27)を、前記クロス較正部(14)、傾向識別部(15)並びにモードスイッチ(17)へと並列に転送し、
    −全てのセンサの測定データ(23,24)を、前記傾向識別部(15)において一つの統一的な基準系に変換するために、前記変換パラメータ(22)の長期間の傾向を識別し、前記傾向に応じて更新された変換パラメータ(37)をコンフィギュレーションパラメータメモリ(11)に格納し、該コンフィギュレーションパラメータメモリ(11)から取り出して後続の変換に利用し、
    −前記統一的な基準系に変換された前記測定データ(25,26)並びに前記脱相関された姿勢及びレート(27)から、前記クロス較正部(14)においてハイブリッド較正データ(28)を形成し、
    −非ノミナルの姿勢及びレート(29)を前記非ノミナルプロセッサ(16)において形成し、但し、非ノミナル状態にあるセンサのデータは使用せず、ノミナルに稼働するセンサを前記ハイブリッド較正データ(28)によって較正し、前記非ノミナルの姿勢及びレート(29)を前記モードスイッチ(17)に転送し、
    −前記センサのノミナル状態又は非ノミナル状態に依存して、前記脱相関された姿勢及びレート(27)又は前記非ノミナルの姿勢及びレート(29)を選択し、選択された姿勢データ及びレートデータ(30)を、コンフィギュレート可能なマヌーバパラメータ(31)によって規定された、6次元拡張カルマンフィルタ推定器(19)のバンクと、該バンクをコントロールする適応型マルチモデル推定器(18)とに転送し、
    −前記選択された姿勢データ及びレートデータ(30)及び前記コンフィギュレーションパラメータメモリ(11)に由来する前記マヌーバパラメータ(31)から、前記適応型マルチモデル推定器(18)において、マヌーバの妥当性確率(32)を求め、該マヌーバの妥当性確率(32)をマヌーバスイッチ(20)に転送し、
    −前記6次元拡張カルマンフィルタ推定器(19)の結果(33)の中から、マヌーバの最も高い妥当性確率(32)を有している結果を前記マヌーバスイッチ(20)において選択し、姿勢(34)、レート(35)及び姿勢共分散(36)に関する最適な推定から成る、最適にハイブリッド化され且つ選択された運動学的な測定データ(8)を、宇宙飛行体の中央コンピュータ(6)に転送する、
    ことを特徴とする、方法。
  10. 前記スターセンサ(1)のデータの他に、ジャイロスコープセンサの同期合わせされたレート測定データ(24a)を利用し、該同期合わせされたレート測定データ(24a)を、前記統一的な基準系におけるレート(26a)に変換する、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記誤差及び前記誤差相関の低減(13)を、前記スターセンサの変換データ(25)及び積分レート(38)の最尤度フィット(40)及びレート積分(39)として実現する、
    請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記クロス較正(14)を、レートに依存するバイアス値へのローパスフィルタリング及び変換(41)と、それに続く、前記ジャイロスコープセンサのスケールファクタ及びバイアスの分離(42)の形態で実施する、
    請求項10に記載の方法。
  13. 前記非ノミナルプロセッサ(16)は、前記スターセンサ(1)の停止時に、バイアス(44)及びスケールファクタ(45)の前記分離(42)の際に推定された値を用いて、前記非ノミナルの姿勢及びレート(29)を、前記統一的な基準系におけるレート(26a)のみから求める、
    請求項12に記載の方法。
  14. 前記傾向識別(15)を、衛星の捻れ軸の推定(46)及び前記捻れのデルタ回転マトリクスの推定(47)の形態で実施し、前記デルタ回転を使用して前記変換パラメータ(37a)の傾向を更新する、
    請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
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