JP6440109B2 - 組換え大腸菌及びその利用 - Google Patents

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本発明は、組換え大腸菌及びその利用に関するものであり、より詳細には、テルペン化合物の高生産のための組換え大腸菌及びその利用に関する。
テルペン(テルペノイド又はイソプレノイドとも称する)は、これまでに植物や微生物等から約4万種類が単離されており、自然界で最も複雑かつ多様な化合物群である。テルペンとその誘導体には様々な生理活性が報告されており、医薬品、機能性食品、香料等として広く市場に流通している。しかしながら、テルペンは、天然における存在量が少ないこと、及び構造が複雑な化合物が多いことなどから、微生物や植物を利用したモダンバイオテクノロジーによる効率的生産技術の開発が期待されてきた。近年、大腸菌、酵母又は植物などを宿主としたテルペンの基本代謝経路の改変により、テルペンの高生産に向けた研究が行われている。
これまで本発明者らは、本来基本代謝経路として非メバロン酸経路のみを有する大腸菌に対して、これとは別の基本代謝経路である放線菌由来のメバロン酸経路遺伝子群の導入により、テルペン生産能が十倍以上向上することを見出している(特許文献1、非特許文献1)。
特開2009−207376号公報
H. Harada, F. Yu, S. Okamoto, T. Kuzuyama, R. Utsumi, N. Misawa., Appl Microbiol Biotechnol, 81: 915-925, 2009
上述した技術は優れたものではあるが、これだけでは十全とはいえず、さらなるテルペンの生産技術の開発が要望されている。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、テルペンの高生産を可能とする新規な組換え大腸菌及びその利用に係る技術を提供することにある。
本発明者らは、従来知られていた放線菌由来のメバロン酸経路遺伝子群が大腸菌において最適な選択であるのかどうかを検討したところ、実用化のためには更なる生産量の向上が必要であると認識するに至り、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、組換え大腸菌でのテルペンの高生産において、特に優れたメバロン酸経路遺伝子群を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)Acholeplasma laidlawii、Amphibacillus xylanus、又はStreptobacillus moniliformis由来の以下の3つの遺伝子を導入した組換え大腸菌:
・メバロン酸キナーゼ遺伝子;
・ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子;
・ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子。
(2)上記メバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(a)〜(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子である(1)に記載の組換え大腸菌:
(a)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号4〜6のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)〜(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(3)上記ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子は、以下の(f)〜(j)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子である(1)又は(2)に記載の組換え大腸菌:
(f)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(g)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(h)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(i)配列番号10〜12のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(j)上記(f)〜(i)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(4)上記ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(k)〜(o)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子である(1)〜(3)のいずれかに記載の組換え大腸菌:
(k)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(l)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(m)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(n)配列番号16〜18のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(o)上記(k)〜(n)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(5)さらに、以下の3つの遺伝子を導入した(1)〜(4)のいずれかに記載の組換え大腸菌:
・HMG-CoA合成酵素(HMG-CoA synthase)遺伝子;
・HMG-CoAレダクターゼ(HMG-CoA reductase)遺伝子;
・1型及び/又は2型イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子。
(6)さらに、ファルネシル二リン酸からテルペンを合成する酵素の遺伝子又は遺伝子群を導入した(1)〜(5)のいずれかに記載の組換え大腸菌。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の組換え大腸菌を培養して、テルペンを取得するテルペンの製造方法。
(8)上記組換え大腸菌の宿主大腸菌株が、JM109又はJM101である(7)に記載のテルペンの製造方法。
本発明によれば、テルペンを効率的に高生産することができる。
本発明の実施例にて使用した組換えプラスミドの構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施例にて使用した組換えプラスミド及び組換え大腸菌の作製手順を模式的に示す図である。 本発明の実施例におけるリコペン生産量の結果を示す図である。 本発明の実施例にて使用した組換えプラスミドの他の構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施例にて使用した組換えプラスミドの他の構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施例にて使用した組換えプラスミドの作製手順を模式的に示す図である。 本発明の実施例におけるタキサジエン生産量の結果を示す図である。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」は、「ポリヌクレオチド」、「核酸」又は「核酸分子」と交換可能に使用され、ヌクレオチドの重合体が意図される。ここで、遺伝子は、DNAの形態(例えば、cDNAもしくはゲノムDNA)、又はRNA(例えば、mRNA)の形態にて存在し得る。DNA又はRNAは、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。一本鎖DNA又はRNAは、コード鎖(センス鎖)であっても、非コード鎖(アンチセンス鎖)であってもよい。また、遺伝子は化学的に合成してもよく、コードするタンパク質の発現が向上するように、コドンユーセージ(Codon usage)を変更してもよい。同じアミノ酸をコードするコドン同士であれば置換することも可能である。また、用語「タンパク質」は、「ペプチド」又は「ポリペプチド」と交換可能に使用される。本明細書において使用される場合、塩基及びアミノ酸の表記は、適宜IUPAC及びIUBの定める1文字表記又は3文字表記を使用する。
<1.Acholeplasma laidlawii、Amphibacillus xylanus、又はStreptobacillus moniliformis由来の遺伝子を導入した組換え大腸菌>
本発明に係る組換え大腸菌は、Acholeplasma laidlawii、Amphibacillus xylanus、又はStreptobacillus moniliformis由来の以下の(1)〜(3)の遺伝子を導入し、発現させた組換え大腸菌であればよく、その他の具体的な構成は特に限定されない:
(1)メバロン酸キナーゼ遺伝子;
(2)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子;
(3)ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子。
後述する実施例に示すように、上記Acholeplasma laidlawii、Amphibacillus xylanus、又はStreptobacillus moniliformis由来のメバロン酸経路遺伝子群を導入した組換え大腸菌は、他の微生物由来のメバロン酸経路遺伝子群を導入したものに比べて、テルペンの生産量が顕著に増加することが明らかとなった。例えば、実施例において、放線菌等の他の微生物由来のメバロン酸経路遺伝子群を導入したものに比べて、本発明に係る組換え大腸菌は、数倍のテルペン生産能を有することが示された。このため、本発明に係る組換え大腸菌によれば、テルペンの高生産を達成できる。
組換え大腸菌を用いてテルペン(イソプレノイド)を多量生産する場合の概要について説明する。大腸菌はメバロン酸経路を持っておらず、非メバロン酸経路[2−C−メチル−D−エリストール4−リン酸(以後、MEPと記載)を経由するのでMEP経路とも呼ばれる]により最初のイソプレノイド基質であるイソペンテニル二リン酸(イソペンテニルピロリン酸とも呼ばれる;以後、IPPと記載)が作られる。IPPはIPPイソメラーゼ(以後、Idiと称する場合もある)によりジメチルアリル二リン酸(以後、DMAPPと記載)に変換され、DMAPPはファルネシル二リン酸(farnesyl diphosphate;以後、FPPと記載)合成酵素(シンターゼ)によりIPPと順次縮合することにより、炭素数10のゲラニル二リン酸(以後GPPと記載)、炭素数15のFPPに変換される。GPPから分岐して揮発成分であるモノテルペンが作られる。さらに、FPPから分岐して、セスキテルペンやトリテルペンが作られる。FPPはゲラニルゲラニル二リン酸(以後、GGPPと記載)合成酵素によりIPPとさらに縮合して炭素数20のGGPPが合成される。このGGPPから分岐して、ジテルペンやカロテノイド(テトラテルペン)が合成される。大腸菌は、上記のテルペンは合成しないので、これらのテルペンを大腸菌に合成させるためには、FPPからそのテルペンまでの合成を担う生合成酵素遺伝子(群)を大腸菌に導入し、発現させることが好ましい。
上記(1)メバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(a)〜(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることが好ましい:
(a)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1〜3のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号4〜6のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)〜(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
上記(a)の遺伝子について具体的に説明する。配列番号1は、Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来のメバロン酸キナーゼであり、全長313アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_001620791)。配列番号2は、Amphibacillus xylanus NBRC15112株由来のメバロン酸キナーゼであり、全長321アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_006844176)。配列番号3は、Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来のメバロン酸キナーゼであり、全長276アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_003306462)。
上記(b)の遺伝子は、配列番号1〜3のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等であって、メバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。
ここで欠失、置換又は付加されてもよいアミノ酸の数は、上記機能を失わせない限り、限定されてないが、部位特異的突然変異誘発法等の公知の導入法によって欠失、置換又は付加できる程度の数をいい、通常は、30アミノ酸以内であり、好ましくは20アミノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であり、より好ましくは7アミノ酸以内、さらに好ましくは5アミノ酸以内(例えば、5、4、3、2又は1アミノ酸)である。また、明細書中において「変異」とは、部位特異的突然変異誘発法等によって人為的に導入された変位を主に意味するが、天然に存在する同様の変異であってもよい。
変異するアミノ酸残基は、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されていることが好ましい。例えば、アミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ酸(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)が挙げられる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字表記を表す)。あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている。さらに、標的アミノ酸残基は、共通した性質をできるだけ多く有するアミノ酸残基に変異させることがより好ましい。
本明細書において「機能的に同等」とは、対象となるタンパク質が、目的とするタンパク質と同等(同一及び/又は類似)の生物学的機能や生化学的機能を有することを意図する。生物学的な性質には発現する部位の特異性や、発現量等も含まれ得る。
変異を導入したタンパク質が所望の機能を有するかどうかは、その変異タンパク質がメバロン酸キナーゼ活性を有するかどうか調べることにより判断できる。
上記(c)の遺伝子も、配列番号1〜3のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等を意図しており、メバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。
アミノ酸配列の相同性とは、アミノ酸配列全体(又は機能発現に必要な領域)で、少なくとも80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の配列の同一性を有することを意味する。アミノ酸配列の相同性は、BLASTN(核酸レベル)やBLASTX(アミノ酸レベル)のプログラム(Altschul et al. J. Mol. Biol., 215: 403-410, 1990) を利用して決定することができる。該プログラムは、Karlin及びAltschulによるアルゴリズムBLAST (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:2264-2268, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 5873-5877, 1993) に基づいている。BLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore =100、wordlength =12とする。また、BLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore =50、wordlength =3とする。また、Gapped BLASTプログラムを用いて、アミノ酸配列を解析する場合は、Altschulら(Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402, 1997)に記載されているように行うことができる。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である。比較対象の塩基配列又はアミノ酸配列を最適な状態にアラインメントするために、付加又は欠失(例えば、ギャップ等)を許容してもよい。
本明細書において「相同性」とは、性質が類似のアミノ酸残基数の割合(homology、positive等)を意図しているが、より好ましくは、一致したアミノ酸残基数の割合、すなわち同一性(identity)である。なお、アミノ酸の性質については上述したとおりである。
上記(d)の遺伝子について、配列番号4は、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列(Open Reading Frame:ORF)を示す。また、配列番号5,6は、それぞれ配列番号2,3で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列(ORF)を示す。
上記(e)の遺伝子は、上記(a)〜(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズする遺伝子を意図する。ここで、ストリンジェントな条件とは、いわゆる塩基配列に特異的な2本鎖のポリヌクレオチドが形成され、非特異的な2本鎖のポリヌクレオチドが形成されない条件をいう。換言すれば、相同性が高い核酸同士、例えば完全にマッチしたハイブリッドの融解温度(Tm値)から15℃、好ましくは10℃、更に好ましくは5℃低い温度までの範囲の温度でハイブリダイズする条件ともいえる。例えば、一例を示すと、0.25M Na2HPO4、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA、1×デンハルト溶液からなる緩衝液中で温度が60〜68℃、好ましくは65℃、さらに好ましくは68℃の条件下で16〜24時間ハイブリダイズさせ、さらに20mM Na2HPO4、pH7.2、1%SDS、1mM EDTAからなる緩衝液中で温度が60〜68℃、好ましくは65℃、さらに好ましくは68℃の条件下で15分間の洗浄を2回行う条件を挙げることができる。他の例としては、25%ホルムアミド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/mL変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行う。その後の洗浄における洗浄液及び温度条件は、「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度で、より厳しい条件としては「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2×SSC、0.1%SDS、65℃」程度で実施することができる。このようにハイブリダイゼーションの洗浄の条件が厳しくなるほど、特異性の高いハイブリダイズとなる。ただし、上記SSC、SDS及び温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間等)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。このことは、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 3rd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(2001)等に記載されている。
また、上記(e)の遺伝子には、配列番号4〜6のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1〜50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加しているDNAからなる遺伝子、及び配列番号4〜6のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAと90%以上の相同性を有するDNAからなる遺伝子も含まれる。
また、上記(2)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子は、以下の(f)〜(j)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることが好ましい:
(f)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(g)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(h)配列番号7〜9のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(i)配列番号10〜12のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(j)上記(f)〜(i)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
上記(f)の遺伝子について、配列番号7は、Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来のジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼであり、全長315アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_001620790)。配列番号8は、Amphibacillus xylanus NBRC15112株由来のジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼであり、全長326アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No.YP_006844178)。配列番号9は、Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来のジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼであり、全長295アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_003306461)。
上記(g)の遺伝子は、配列番号7〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等であって、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。その他の説明は、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有する点を除いて、上記(b)の遺伝子と共通するため、省略する。
上記(h)の遺伝子は、配列番号7〜9のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等を意図しており、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。その他の説明は、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有する点を除いて、上記(c)の遺伝子と共通するため、省略する。
上記(i)の遺伝子について、配列番号10〜12は、それぞれ配列番号7〜9のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列(Open Reading Frame:ORF)を示す。
上記(j)の遺伝子は、上記(f)〜(i)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズする遺伝子を意図する。また、上記(j)の遺伝子には、配列番号10〜12のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1〜50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加しているDNAからなる遺伝子、及び配列番号10〜12のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAと90%以上の相同性を有するDNAからなる遺伝子も含まれる。その他の説明は、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有する点を除いて、上記(e)の遺伝子と共通するため、省略する。
また、上記(3)ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(k)〜(o)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることが好ましい:
(k)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(l)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(m)配列番号13〜15のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(n)配列番号16〜18のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(o)上記(k)〜(n)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
上記(k)の遺伝子について、配列番号13は、Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来のホスホメバロン酸キナーゼであり、全長346アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_001620789)。配列番号14は、Amphibacillus xylanus NBRC15112株由来のホスホメバロン酸キナーゼであり、全長362アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_006844177)。配列番号15は、Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来のホスホメバロン酸キナーゼであり、全長288アミノ酸残基から構成されるタンパク質である(NCBI accession No. YP_003306460)。
上記(l)の遺伝子は、配列番号13〜15のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等であって、ホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。その他の説明は、ホスホメバロン酸キナーゼ活性を有する点を除いて、上記(b)の遺伝子と共通するため、省略する。
上記(m)の遺伝子は、配列番号13〜15のいずれかに示すアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、又は他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等を意図しており、ホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。その他の説明は、ホスホメバロン酸キナーゼ活性を有する点を除いて、上記(c)の遺伝子と共通するため、省略する。
上記(n)の遺伝子について、配列番号16〜18は、それぞれ配列番号13〜15のいずれかで示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列(Open Reading Frame:ORF)を示す。
上記(o)の遺伝子は、上記(k)〜(n)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズする遺伝子を意図する。また、上記(o)の遺伝子には、配列番号16〜18のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1〜50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加しているDNAからなる遺伝子、及び配列番号16〜18のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAと90%以上の相同性を有するDNAからなる遺伝子も含まれる。その他の説明は、ホスホメバロン酸キナーゼ活性を有する点を除いて、上記(e)の遺伝子と共通するため、省略する。
上記遺伝子・タンパク質を得る方法としては、通常行われるポリヌクレオチド改変方法を用いてもよい。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有するポリヌクレオチドの特定の塩基を置換、欠失、挿入及び/又は付加することで、所望の組換えタンパク質の遺伝情報を有するポリヌクレオチドを作製することができる。ポリヌクレオチドの塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(KOD-Plus Site-Directed Mutagenesis Kit;東洋紡製,Transformer Site-Directed Mutagenesis Kit; Clontech製,QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit; Stratagene製など)の使用、又はポリメラーゼ連鎖反応法(polymerase chain reaction:PCR)の利用が挙げられる。これらの方法は当業者に公知である。
また、上記遺伝子は、上記タンパク質をコードするポリヌクレオチドのみからなるものであってもよいが、その他の塩基配列が付加されていてもよい。付加される塩基配列としては、特に限定されないが、標識(例えば、ヒスチジンタグ、Mycタグ又はFLAGタグなど)、融合タンパク質(例えば、ストレプトアビジン、シトクロム、GST、GFP又はMBPなど)、プロモーター配列、及びシグナル配列(例えば、小胞体移行シグナル配列、及び分泌配列など)をコードする塩基配列などが挙げられる。これらの塩基配列が付加される部位は特に限定されるものではなく、例えば、翻訳されるタンパク質のN末端であっても、C末端でもあってもよい。
また、本発明には、上記遺伝子を含むベクターが含まれ得る。本ベクターとしては、形質転換体作製のために宿主細胞内で、上記遺伝子を発現させるための発現ベクターのほか、組換えタンパク質の生産に用いるものも含まれる。形質転換の対象は特に限定されず、細菌、酵母、昆虫、動物及び植物を例示することができる。
上記ベクターの母体となる基材ベクターとしては、一般的に使用される種々のベクターを用いることができる。例えば、プラスミド、ファージ又はコスミド等を用いることができ、導入される細胞又は導入方法に応じて適宜選択できる。つまり、ベクターの具体的な種類は特に限定されるものではなく、宿主細胞中で発現可能なベクターを適宜選択すればよい。宿主細胞の種類に応じて、確実に上記遺伝子を発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと上記遺伝子を各種プラスミド等に組み込んだものを発現ベクターとして用いればよい。かかる発現ベクターは、例えば、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、染色体ベクター、エピソームベクター及びウイルス由来ベクター(例えば、細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体エレメント及びウイルス(例えば、バキュロウイルス、パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、トリポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス及びレトロウイルス))ならびにそれらの組合せに由来するベクター(例えば、コスミド及びファージミド)を利用可能である。
一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物中か、又は荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクターがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてin vitroでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。また、レトロウイルスベクターは、複製可能か又は複製欠損であり得る。後者の場合、ウイルスの増殖は、一般的に、ヘルパー細胞においてのみ生じる。
また、上記ベクターは、目的の遺伝子に対するシス作用性制御領域を含むベクターが好ましい。適切なトランス作用性因子は、宿主によって供給され得るか、相補ベクターによって供給され得るか、又は宿主への導入の際にベクター自体によって供給され得る。この点に関する好ましい実施態様としては、上記ベクターは、誘導性及び/又は細胞型特異的であり得る特異的な発現を提供するものであることが好適である。このようなベクターの中で特に好ましいベクターは、温度及び栄養添加物のような操作することが容易である環境因子によって誘導性のベクターである。
細菌における使用に好ましいベクターの中には、例えば、pQE-70、pQE-60及びpQE-9(Qiagen社から入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A及びpNH46A(Stratagene社から入手可能);ならびにptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540及びpRIT5(Addgene社から入手可能)が含まれる。また、好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1及びpSG(Stratagene社から入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG及びpSVL(Addgene社から入手可能)が含まれる。
上記遺伝子が宿主細胞に導入されたか否か、さらには宿主細胞中で確実に発現しているか否かを確認するために、各種マーカーを用いてもよい。すなわち、上記ベクターは、少なくとも1つの選択マーカーを含むことが好ましい。このような選択マーカーとしては、例えば、真核生物細胞培養についてはジヒドロ葉酸レダクターゼ又はネオマイシン耐性、E.coli及び他の細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子又はアンピシリン耐性遺伝子等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。また、その他にも宿主細胞中で欠失している遺伝子をマーカーとして用いてもよい。このマーカーと本発明に係る遺伝子とを含むプラスミド等を発現ベクターとして宿主細胞に導入することにより、マーカー遺伝子の発現から上記遺伝子の導入を確認することができる。また、上記遺伝子は、宿主細胞における増殖のための選択マーカーを含むベクターに結合されてもよい。
また、上記遺伝子のインサートは、適切なプロモーターに作動可能に連結されることが好ましい。他の適切なプロモーターとしては、当業者に知られたものを利用可能であり、特に限定されないが、例えば、ファージλPLプロモーター、E.coli lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター及びT7プロモーター、trpプロモーター及びtacプロモーター、SV40初期プロモーター及び後期プロモーターならびにレトロウイルスLTRのプロモーターが挙げられる。
形質転換における宿主として大腸菌を用いる場合には、大腸菌内複製させるための「ori」及び形質転換された大腸菌を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン及びクロラムフェニコール等)耐性遺伝子)をベクター上に有することが好ましい。例えば、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Script、pGEM-T、pDIRECT 、pGEX(GEヘルスケア社製)pET(Promega社製)、pTrc(Invitrogen社製)及びpT7等が挙げられる。
上記ベクターは、さらに、転写開始、転写終結のための部位、及び、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含むことが好ましい。ベクター構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、翻訳されるべきポリペプチドの始めに転写開始AUGを含み、そして終わりに適切に位置される終止コドンを含むことになる。
また、高等真核生物によるDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増大させ得る。エンハンサーは、所定の宿主細胞型におけるプロモーターの転写活性を増大するように働く、通常約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーとしては、例えば、SV40エンハンサー(これは、複製起点の後期側上の100〜270bpに位置される)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上のポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
ベクターが導入される宿主としては、特に限定されないが、各種細胞を好適に用いることができる。適切な宿主の代表的な例としては、菌体(例えば、E. coli細胞、Streptomyces細胞及びSalmonella typhimurium細胞)、真菌細胞(例えば、酵母細胞)、昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞及びSpodoptera Sf9細胞)、動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞及びBowes黒色腫細胞)ならびに植物細胞が挙げられる。より具体的には、ヒト又はマウス等の哺乳類の細胞だけでなく、例えば、カイコガ由来の細胞をはじめとして、キイロショウジョウバエ等の昆虫、大腸菌(Escherichia coli)等の細菌、酵母(出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)及び分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe))、線虫(Caenorhabditis elegans)、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地及び条件は当分野で公知ものを利用可能である。
上記ベクターを宿主細胞に導入する方法、すなわち形質転換方法も特に限定されるものではなく、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション法、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入又は感染等の従来公知の方法を好適に用いることができる。このような方法は、Davisら、Basic Methods In Molecular Biology (1986) のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。
なお、本発明には、上記タンパク質の部分断片(フラグメント)を組換え的に生成するための、上記タンパク質の部分断片をコードするポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター及び組換え発現ベクターで遺伝子操作された形質転換体(宿主細胞)を含む。
さらに、本発明には、上述の組換え技術によって得られるタンパク質の変異体又はそのフラグメントの産生に関する発明も含まれ得る。すなわち、本発明には、組換え技術を利用して、タンパク質の変異体又はそのフラグメントを生産する方法も含まれ得る。
かかる技術によって生産されたタンパク質の変異体は、宿主細胞又は細胞外(培地等)から単離し、実質的に純粋で均一なタンパク質として精製することができる。タンパク質の分離、精製は、通常のタンパク質の精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよい。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、硫安沈殿又はエタノール沈殿、酸抽出、透析及び再結晶等を適宜選択又は組み合せることにより、タンパク質を分離、精製することができる。さらに、これらのカラムを複数組み合わせることもできる。
クロマトグラフィーとしては、アフィニティークロマトグラフィー、陰イオン又は陽イオンのイオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー及び吸着クロマトグラフィー等が挙げられる。
また、タンパク質の変異体をGSTとの融合タンパク質又は6×Hisを付加させた組換えタンパク質として宿主細胞(大腸菌等)内で発現させた場合は、発現させた組換えタンパク質は、グルタチオンカラム又はニッケルカラムを用いて精製することができる。融合タンパク質の精製後、必要に応じて融合タンパク質のうち、目的のタンパク質以外の領域を、トロンビン又はファクターXa等により切断し、除去することも可能である。
本発明には、上記遺伝子又は上記ベクターを含む形質転換体も含まれる。ここで、「遺伝子又はベクターを含む」とは、公知の遺伝子工学的手法(遺伝子操作技術)により、対象細胞(宿主細胞)内に発現可能に導入されていることを意味する。また、上記「形質転換体」とは、細胞・組織・器官のみならず、生物個体を含む意味である。
本形質転換体の作製方法(生産方法)としては、上述したベクターを形質転換する方法が挙げられる。また、形質転換の対象となる生物も特に限定されるものではなく、上記宿主細胞で例示した各種微生物を挙げることができる。また、プロモーター又はベクターを選択すれば、植物又は動物も形質転換の対象とすることが可能である。
<2.他の遺伝子を導入した組換え大腸菌>
さらに、本発明には、以下の(4)〜(6)の遺伝子を導入し発現させた組換え大腸菌が含まれる:
(4)HMG-CoA合成酵素(HMG-CoA synthase)遺伝子;
(5)HMG-CoAレダクターゼ(HMG-CoA reductase)遺伝子;
(6)1型及び/又は2型イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子。
メバロン酸又はメバロノラクトンからイソペンテニル二リン酸までの合成を行うメバロン酸経路遺伝子群として、上述した(1)〜(3)の遺伝子以外に、上記(4)及び(5)の遺伝子を、組換え大腸菌に導入することが好ましい。
上記(4)及び(5)の遺伝子群としては、ストレプトミセス属CL190株由来のメバロン酸経路遺伝子群(特許文献1、Accession no AB037666)を用いることができるが、これ以外にも出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来のメバロン酸経路遺伝子群(V. J. J. Martin, D. J. Pitera, S. T. Withers, J. D. Newman, J. D. Keasling, Nature Biotechonosy, 21: 796-802, 2003)、細菌ストレプトコッカス・プノイモニエ(Streptococcus pneumoniae)由来のメバロン酸経路遺伝子群(S. H. Yoon, Y. M. Lee, J. E. Kim, S. H. Lee, J. H. Lee, J. Y. Kim, K. H. Jung, Y. C. Shin, J. D. Keasling, S. W. Kim, Biotechnology & Bioengineering, 94: 1025-1032, 2006)なども好適に用いることができる。
さらに、FPPの供給量を上げるために、(6)1型及び/又は2型イソペンテニル二リン酸イソメラーゼIPPイソメラーゼ(Idi;IPP isomerase)遺伝子を用いることが好ましい。Idiには互いに構造が異なる、1型(type 1)と2型(type 2)のものが存在するが、本発明では、いずれのIdiを用いてもよいが、最も好ましくは両方のIdiを用いる態様である。Idi遺伝子としては、ストレプトミセス属CL190株由来のイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子(特許文献1、Accession no AB037666)を用いることができるが、これ以外にも大腸菌由来のイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子(V. J. J. Martin, D. J. Pitera, S. T. Withers, J. D. Newman, J. D. Keasling, Nature Biotechonosy, 21: 796-802, 2003)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来のイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子(S. Kajiwara, P. D. Fraser, K. Kondo, N. Misawa, Biochemical Journal, 324: 421-426, 1997)、緑藻ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)由来のイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子(後述のJ. J. Martinらの文献、及び後述のS. Kajiwaraらの文献)なども用いることができる。
上述した(1)〜(4)及び(5)のメバロン酸経路遺伝子群、並びに(6)のIdi遺伝子を導入した組換え大腸菌によれば、培地中にメバロン酸又はメバロノラクトン(D−メバロノラクトン(D-mevalonate lactone))を基質として配合することにより、FPPを大量に生産することができる。
一方、基質として、メバロノラクトンより安価なアセト酢酸塩(例えばlithium acetoacetate;LAA)を基質として利用することもできる。培地中に添加されたLAAを利用するためには、それを基質とするアセト酢酸−コエンザイムA(CoA)リガーゼ(acetoacetate-CoA ligase)遺伝子を、さらに導入することが好ましい。
アセト酢酸−CoAリガーゼは、アセト酢酸とCoAとを基質とし、ATPを用いてアセトアセチル−CoAへの変換を触媒する酵素である(J.R. Stern, Biochem. Biophys. Res. Commun. 44, 1001-1007, 1971; Bergstrom, J.D.;Wong, G.A.; Edwards, P.A.; Edmond, J., J. Biol. Chem. 259, 14548-14553, 1984)。アセト酢酸−CoAリガーゼ遺伝子としては、ラット(Rattus norvegicus)やヒトなどの哺乳類、ある種のバクテリア、菌類等に由来する遺伝子が知られており、本発明においても、これらの遺伝子を使用することができる。また、ラット由来のアセト酢酸−CoAリガーゼをコードする遺伝子全長(Accession No.BC061803)を含むプラスミドは、Mammalian Gene Collection cDNAクローンとして、Invitrogen社より取得できる(クローンID: 5598532)。
<3.FPPからテルペンを合成する遺伝子群を導入した組換え大腸菌>
本発明には、さらに、ファルネシル二リン酸(FPP)からテルペン(イソプレノイド)を合成する酵素の遺伝子又は遺伝子群を導入し発現させた組換え大腸菌が含まれる。
合成対象とするテルペン特に限定されないが、カロテノイドやセスキテルペンなどを例示できる。カロテノイドとしては、リコペン、β−カロテン、ゼアキサンチン、アスタキサンなどを例示でき、セスキテルペンとしては、アルテミシニン(artemisinin)、δ-セディネン(δ-selinene)、γ-フムレン(γ-humulene)、(+)-δ-カディネン((+)-δ-cadinene)、5-エピ-アリストロケン(5-epi-aristolochene)、ベティスピラデイエン(vetispiradiene)、β-オイデスモール(β-eudesmol)、α-フムレン(α-humulene)などを例示できる。
FPPからテルペンを合成する酵素の遺伝子又は遺伝子群については、特に限定されず、種々の公知の遺伝子又は遺伝子群を好適に利用できる。例えば、FPPからカロテノイドを合成する酵素について、公知のFPPからGGPPを合成するGGPP合成酵素遺伝子(crtE)、GGPPからフィトエンを合成するフィトエン合成酵素遺伝子(crtB)、フィトエンからリコペンを合成するフィトエンデサチュラーゼ遺伝子(crtI)を大腸菌に導入し発現させると大腸菌は菌体内のFPPを代謝してリコペンを合成するようになる(特開平8−242861号公報、下記の参考文献2)。
さらにこの組換え大腸菌に、下流のカロテノイド生合成酵素遺伝子を導入することにより、リコペン以外のカロテノイドも合成するようになる。例えば、リコペンからβ-カロテンを合成するリコペン環化酵素(サイクラーゼ)遺伝子(crtY)を導入し発現させるとβ-カロテンを合成するようになり、さらにβ-カロテンからゼアキサンチンを合成するβ-カロテンヒドロキシラーゼ遺伝子(hydroxylase;3,3’-hydoroxylase;crtZ)を導入し発現させるとゼアキサンチンを合成するようになり、さらにゼアキサンチンからアスタキサンチンを合成する、β-カロテン(カロテノイド)ケトラーゼ遺伝子(ketolase;4,4’-oxygenase;crtW)を導入し発現させるとその組換え大腸菌はアスタキサンチンを合成するようになる(参考文献2、Y. Nishida, K. Adachi, H. Kasai, Y. Shizuri, K. Shindo, A. Sawabe, S. Komemushi, W. Miki, S. Misawa, Appl. Environ. Microbiol., 71; 4286-4296, 2005)。
これらのカロテノイド生合成酵素遺伝子はどのようなものを用いてもよく、例えば、GGPP合成酵素遺伝子、フィトエン合成酵素遺伝子、フィトエンデサチュラーゼ遺伝子としては、土壌細菌パントエア・アナナティス(Pantoea ananatis;旧名:Erwinia uredovora 20D3)由来の遺伝子を用いることができ、β-カロテンケトラーゼ遺伝子としては、海洋細菌パラコッカス属(Paracoccus)N81106株又はブレバンディモナス(Brevundimonas)属SD212株由来の遺伝子を用いることができる。
FPPからセスキテルペンを合成する酵素の遺伝子も公知であり、例えば、δ-セディネン合成酵素遺伝子、γ-フムレン合成酵素遺伝子遺伝子は、Little, D. B., Croteau, R. B., Arch. Biochem. Biohps., 402:120-135 (2002)に開示されており、 (+)-δ-カディネン合成酵素(cyclase)、5-エピ-アリストロケン合成酵素、ベティスピラデイエン合成酵素遺伝子は参考文献1に開示されており、β-オイデスモール合成酵素遺伝子(ZSS2)は、参考文献6に開示されている。本発明においては、これら公知の遺伝子を使用することができる。
<4.テルペンの製造方法>
本発明には、上述した組換え大腸菌を培養して、テルペンを取得するテルペンの製造方法が含まれる。かかるテルペンの製造方法は、上記組換え大腸菌を使用するものであればよく、その他の具体的な構成については特に限定されない。
上記組換え大腸菌の宿主大腸菌株については各種の大腸菌株を用いることができ特に限定されないが、例えば、JM109又はJM101であることが好ましい。かかる菌株であれば、高効率でテルペンを製造することができる。特に、Streptobacillus moniliformis由来の遺伝子群を用いてJM101株で生産を行う場合、JM109株よりも培養液当たりで2倍程度の生産量の向上が達成できるため、より好ましい。
培養時の温度は特に限定されないが、常法にしたがい、18〜30℃とするのが好ましく、20〜25℃とするのがより好ましい。培養時間も特に限定されないが、導入遺伝子発現から12〜72時間培養することが好ましく、24〜48時間培養することがより好ましい。培養物又は菌体からのテルペンの採取方法は、微生物生産物を得るのに常用される方法に従って行うことができ、特に限定されない。
また、上述したように、組換え大腸菌を培養する際に添加する基質としては、アセト酢酸塩が安価であるため、好ましい。このため、本発明に係るテルペンの製造方法は、上述した組換え大腸菌を、アセト酢酸塩を含む培地で培養して培養物又は菌体からテルペンを得る方法であることが好ましい。
アセト酢酸塩としては、アセト酢酸リチウム塩、アセト酢酸ナトリウム塩などを例示でき、特に限定されないが、なかでもアセト酢酸リチウム塩を使用するのが好ましい。
培地中のアセト酢酸塩濃度は、大腸菌がテルペンを生産し得る範囲であれば特に限定されないが、0.1〜10g/Lとするのが好ましく、0.5〜5g/Lとするのがさらに好ましい。アセト酢酸塩以外の培地成分は、一般的な大腸菌培養培地に含まれる成分と同様でよい。
その他、上記<1>〜<4>の各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できることを付言する。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<参考文献>
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〔1.プラスミドpAC-AlMev、pAC-SmMev、pAC-AxMev、pAC-LgMev、pAC-SgMevの構築〕
Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来のメバロン酸キナーゼ(mevalonate kinase;MVA kinase, AlMVK)、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(diphosphomevalonate decarboxylase;DPMVA decarboxylase, AlDPMVDC)、ホスホメバロン酸キナーゼ(phosphomevalonate kinase; PMVA kinase, AlPMVK)の3遺伝子をコードする2.9kbpのDNA断片と、それに続くStreptomyces属CL190株の由来のIPPイソメラーゼ、HMG-CoA合成酵素、HMG-CoAレダクターゼの3遺伝子をコードする3.5kbpのDNA断片について、tacプロモーター(Ptac)とrrnBターミネーター(TrrnB)で挟みこむ構造を持つプラスミドpAC-AlMevを作製した(図1)。
なお、上記と同様のプラスミド構造を持ち、メバロン酸キナーゼ、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼの3遺伝子をコードするDNA断片を、Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来の2.6kbpのDNA断片(Smmvk、Smdpmvdc、Smpmvk)、Amphibacillus xylanus NBRC15112株由来の3.0kbpのDNA断片(Ammvk、Amdpmvdc、Ampmvk)、Lactobacillus gasseri ATCC 33323株由来の3.1kbpのDNA断片、又はStreptococcus gordonii Challis CH1株由来の2.9kbpの、それぞれのDNA断片に置き換えたプラスミド、pAC-SmMev、pAC-AxMev、pAC-LgMev、及びpAC-SgMevも作製した。
各プラスミドの具体的な構築方法は以下の通りである。Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来の3遺伝子をコードする2.9kbpのDNA断片は、ATCCより購入したゲノムDNAを鋳型として、Al Fw(5'-CAGGAAACACATATGATAGATTTTGGACATGGTGTC-3')及びAl Rv(5'-TCTTAGATCCCTTCCTCTTACTCATCGTAATCCCATACCTTT-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。
Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来の3遺伝子をコードする2.6kbpのDNA断片は、ATCCより購入したゲノムDNAを鋳型として、Sm Fw(5'-CAGGAAACACATATGGCTTACGGTAAAGTAATATTATTTG-3')及びSm Rv(5'-TCTTAGATCCCTTCCTCAACAATGAACAAAACTTTCAA-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。
Amphibacillus xylanus NBRC15112株由来の3遺伝子をコードする3.0kbpのDNA断片は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(NBRC)より購入したゲノムDNAを鋳型として、Ax Fw(5'-CAGGAAACACATATGATTAATGCATCTAGAAAGAGCGC-3')及びAx Rv(5'-TCTTAGATCCCTTCCTTAGATCATTTGTACACCTACAATTGAAAC-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。
Lactobacillus gasseri ATCC 33323株由来の3遺伝子をコードする3.1kbpのDNA断片は、ATCCより購入したゲノムDNAを鋳型として、Lg Fw(5'-CAGGAAACACATATGGACAAACGATATAGACTTAATGAAA-3')及びLg Rv(5'-TCTTAGATCCCTTCCTCTTAAGCAATTGAATGAACTAAAAAGTTT-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。
Streptococcus gordonii Challis CH1株由来の3遺伝子をコードする2.9kbpのDNA断片は、ATCCより購入したゲノムDNAを鋳型として、Sg Fw(5'-CAGGAAACACATATGACAAAAGAAATTGGTGTCG-3')及びSg Rv(5'-TCTTAGATCCCTTCCTCTTACGATTCTGGCTCATCACG-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。
次に、pAC-Mevプラスミド(H. Harada, F. Yu, S. Okamoto, T. Kuzuyama, R. Utsumi, N. Misawa, Appl. Microbiol. Biotechnol. 81: 915-925, 2009)を鋳型とし、pAC-Mev Fw(5'-GGAAGGGATCTAAGAATGACCAG-3')及びpAC-Mev Rv(5'-CATATGTGTTTCCTGTGTGAAATTG-3')の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅したDNA断片と、前述の各菌株より増幅したメバロン酸キナーゼ、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼの3遺伝子をコードするDNA断片とを、In-Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ社製)を用いたin vitro相同組換え法により連結して、プラスミドpAC-SmMev、pAC-AxMev、pAC-LgMev、pAC-SgMevを構築した(図2)。
〔2.プラスミドpAC-AlMev、pAC-SmMev、pAC-AxMev、pAC-LgMev(-idi)、pAC-SgMev(-idi)、pAC-AlMev(+idi)を保持する大腸菌によるリコペン生産〕
上述した方法にて構築したプラスミドを、リコペン産生用プラスミドpCRT-EIBプラスミド(N. Misawa, M. Nakagawa, K. Kobayashi, S. Yamano, Y. Izawa, K. Nakamura, K. Harashima, J. Bacteriol, 172: 6704-6712, 1990; ただし本文献ではpCRT-EIBはpCAR-ADEと記載)と共に、大腸菌コンピテントセル(ECOS competent E. coli JM109(ニッポンジーン社製)、ECOS competent E. coli BL21(DE3) (ニッポンジーン社製)、C600(汎用の方法により作製したもの)、JM101(汎用の方法により作製したもの))に導入し、アンピシリン(Ap、終濃度100μg/mL)及びクロラムフェニコール(Cm、終濃度30μg/mL)を含むLBプレート上で陽性クローンを得た(図2)。
これをAp及びCmを含む2.5mlのLB培地中に植菌し、30℃で16時間前培養した後、0.7mL(1%)を70mlの2×YT培地に植菌して30℃で本培養を行った。600nmの吸光度が0.5に到達した時点で、isopropyl β-D-thiogalactopyranoside (IPTG、終濃度1mM)とD−メバロノラクトン(D-mevalonolactone; MVL、終濃度0.5g/l)を添加し、20℃で72時間培養を続けた。48時間及び72時間後の菌体培養液5mlを遠心分離(5,000rpm、4℃、5分間)にて回収し、沈殿菌体に0.5〜3mlのクロロフォルム:メタノール=1:1の混合溶液を添加して、色素成分を抽出した。抽出液は、遠心エバポレーターにて1〜3時間乾固した後に200μLの酢酸エチルに溶解し、高速液体クロマトグラフHPLC LC-2000Plusシステム(日本分光社製)にて定量解析を行った。
分離用カラムとしてはTSK ODS-80Tsカラム(4.6×150mm、東ソー社製)を用い、流速1.0mL/min、温度25℃条件下、solvent A (methanol:water 95:5)とsolvent B (methanol:tetrahydrofuran 7:3)からなる2溶媒系のグラジエント形成により分離し、紫外可視検出器による検出を行った。グラジエント条件としては、solvent Aを100%として5分保持した後、5分かけてsolvent A からsolvent Bのリニアグラジエントを形成させ、そのままsolvent B 100%を8分間保持することとした。その後、100%のsolvent Aを12分間流すことにより、カラム内部を平衡化した。
色素成分は、クロマト分離時の保持時間とリコペン標準試料を用いて作製したエリア値をもとに同定し、サンプル中のリコペン濃度を大腸菌乾重量当たり及び培養液当たりのリコペン量として算出した。
その結果を図3に示す。同図に示すように、Acholeplasma laidlawii ATCC 23206株由来のメバロン酸遺伝子群発現プラスミドpAC-AlMevとpCRT-EIBを導入した場合で最も増産効果が大きく、菌体1g乾重量当たり107.9mg、培養液1L当たり66.1mgのリコペンを合成した。この生産レベルは、pAC-MevとpCRT-EIBを導入した場合と比較して、菌体1g乾重量当たりで3.2倍、培養液1L当たりで1.7倍であった。また、pAC-AxMev及びpAC-SmMevを導入した場合においても、大腸菌株間での生産量を比較したところ、菌体1g乾重量当たりで1.5倍程度、培養液1L当たりで1.3倍程度生産量の増加が見られた。いずれの組み合わせのプラスミドを導入した場合においても、JM109株で高い生産性を示した。また、pAC-SmMevとpCRT-EIBをJM101株に導入した場合においては、培養液1L当たりでJM109株の2倍に生産量が増加した。
さらに、pAC-SmMevを用いた場合、BL21(DE3)とC600株においても安定的なリコペン生産が確認された。
これらの結果より、Acholeplasma laidlawii、Amphibacillus xylanus、又はStreptobacillus moniliformis由来のメバロン酸遺伝子群発現プラスミドは、他の菌種由来の発現プラスミドと比較して菌体内での安定性が高く、培養中のプラスミドの脱落が起こりにくいことが示された。
〔3.プラスミドpAC-SmMev/Scidi/Aaclの構築〕
Streptobacillus moniliformis DSM12112株由来のメバロン酸キナーゼ(mevalonate kinase;MVA kinase, SmMVK)、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(diphosphomevalonate decarboxylase;DPMVA decarboxylase, SmDPMVDC)、ホスホメバロン酸キナーゼ(phosphomevalonate kinase; PMVA kinase, SmPMVK)の3遺伝子をコードする2.6kbpのDNA断片と、それに続くStreptomyces属CL190株の由来のIPPイソメラーゼ、HMG-CoA合成酵素、HMG-CoAレダクターゼの3遺伝子をコードする3.5kbpのDNA断片、さらにその下流に出芽酵母Saccharomyces cerevisiae由来の1型イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子(Scidi)及びラットRattus norvegicus由来のアセト酢酸−CoAリガーゼ遺伝子(Aacl)をコードする2.9kbpのDNA断片について、tacプロモーター(Ptac)とrrnBターミネーター(TrrnB)で挟みこむ構造を持つプラスミドpAC-SmMev/Scidi/Aaclを作製した(図4)。プラスミドの具体的な構築方法は以下の通りである。
pAC-Mev/Scidi/Aaclプラスミド(H. Harada, F. Yu, S. Okamoto, T. Kuzuyama, R. Utsumi, N. Misawa, Appl. Microbiol. Biotechnol. 81: 915-925, 2009)を制限酵素EcoRVとHindIIIで消化し、Scidi及びAaclを含む2.9kbpのDNA断片を得た。このDNA断片を、上述のpAC-SmMevのEcoRV及びHindIII切断部位にライゲーション反応により連結することにより、目的とするpAC-SmMev/Scidi/Aaclプラスミドを構築した。
〔4.プラスミドpRSF-TXS/crtEの構築〕
タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)由来のタキサジエン(taxadiene)合成酵素遺伝子(TXS)をコードする2.4kbpのDNA断片、及び土壌細菌Pantoea ananatis由来のゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)合成酵素遺伝子(crtE)をコードする0.9kbpのDNA断片について、T7プロモーター(PT7)及びT7ターミネーター(TT7)で挟みこむ構造を持つプラスミドpRSF-TXS/crtEを作製した(図5)。プラスミドの具体的な構築方法は以下の通りである。
土壌細菌Pantoea ananatis由来のゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)合成酵素遺伝子(crtE)をコードする0.9kbpのDNA断片は、pCRT-EIBプラスミド(N. Misawa, M. Nakagawa, K. Kobayashi, S. Yamano, Y. Izawa, K. Nakamura, K. Harashima, J. Bacteriol, 172: 6704-6712, 1990)を鋳型とし、crtE NdeI Fw(5'-AGGCATATGACGGTCTGCGCAAAA-3'、「CATATG」は制限酵素NdeI認識配列)及びcrtE PacI Rv(5'-GCGTTAATTAACTGACGGCAGCGAGTT-3'、「TTAATTAA」は制限酵素PacI認識配列)の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。制限酵素NdeI及びPacIで増幅DNA断片を消化し、pRSF-Duet1プラスミド(Merck社製)のNdeI及びPacI切断部位にライゲーション反応により連結した(図6)。タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia)由来のタキサジエン(taxadiene)合成酵素遺伝子(TXS)をコードする2.4kbpのDNA断片については、化学合成により作製したTXS配列を含むプラスミドpUC18Nm-TXShisを鋳型とし、TXS NcoI Fw(5'-AAACCATGGGCATGAGCAGCTCTACCG-3'、「CCATGG」は制限酵素NcoI認識配列)及びTXS HindIII Rv(5'-TAGAAGCTTCACACCTGAATCGGGTCGATA-3'、「AAGCTT」は制限酵素HindIII認識配列)の2つのプライマーを用いたPCRにより増幅した。制限酵素NcoI及びHindIIIでTXS遺伝子増幅DNA断片を消化し、上述のcrtEを連結したpRSF-Duet1プラスミドのNcoI及びHindIII切断部位にライゲーション反応により連結して構築した(図6)。
〔5.プラスミドpAC-SmMev/Scidi/Aacl及びpRSF-TXS/crtEを保持する大腸菌によるタキサジエンの生産〕
上述した方法にて構築したプラスミド2種を、大腸菌コンピテントセル(ECOS competent E. coli BL21(DE3) (ニッポンジーン社製))に導入し、クロラムフェニコール(Cm、終濃度30μg/mL)及びカナマイシン(Km、100μg/mL)を含むLBプレート上で陽性クローンを得た。これをCm及びKmを含む3.0mlのLB培地中に植菌し、28℃で16時間前培養した後、0.2mL(1%)を20mlのTB培地(バクトトリプトン、終濃度12g/L、酵母エキス、終濃度24g/L、KHPO、終濃度2.3g/L、KHPO、終濃度12.4g/L、及びグリセロール、終濃度10g/L)に植菌して37℃で本培養を行った。600nmの吸光度が0.8に到達した時点で、isopropyl β-D-thiogalactopyranoside (IPTG、終濃度0.1mM)、アセト酢酸リチウム塩(lithium acetoacetate; LAA、終濃度1.0g/L)及びドデカン(dodecane、終濃度1%)を添加し、20℃で72時間培養を続けた。48時間及び72時間後の培養液5mlを遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)にて回収し、このうちのドデカン層をガスクロマトグラフ質量分析機GCMS-QP2010 Ultra(島津製作所社製)にて解析を行った。
分離用カラムはHP-5MS (30m×内径0.25mm×0.25μm厚、アジレント社製)を用い、気化室温度250℃、ヘリウムをキャリアーガスとしてカラム流量0.67mL/min、スプリット比 10.0、パージ流量 3.0mL/minで分離を行なった。分離条件は、100℃で2分間保持した後、280℃まで10℃/minの速度で昇温し、その後5分間保持することとした。イオン化はEI法にて行い、イオン源温度250℃、インターフェース温度280℃、質量電荷比(m/z)40から600のスキャンモードにて質量分析を行った。タキサジエンは、クロマト分離時の保持時間、質量電荷比、標準試料を用いて作製したエリア値をもとに同定し、サンプル中のタキサジエン濃度を大腸菌乾重量当たり及び培養液当たりのタキサジエン量として算出した。
分析結果を図7に示す。同図に示すように72時間培養後のサンプルにおいて、保持時間16.2分付近に主要産物を示すピークが検出された。タキサジエン標準試料との比較により、保持時間及びMSスペクトルが完全に一致したことから、本生産系を用いたタキサジエンの生産が確認された。また定量の結果、菌体乾重量当たりで14.0mg/g DCW、培養液1L当たりで146.5mg/Lのタキサジエンを合成した。
以上の結果より、本大腸菌生産系がカロテノイド類に限らずジテルペンの生産も可能であることから、種々のテルペン類生産に応用可能であることが示された。
テルペンは、種々の有益な生理活性を有すると期待できる。このため、本発明は、医薬品、機能性食品、香料、農園芸、生活消費財等の種々の産業において利用可能である。

Claims (7)

  1. Acholeplasma laidlawii由来の以下の(1)〜(3)の遺伝子を導入したことを特徴とする組換え大腸菌:
    (1)メバロン酸キナーゼ遺伝子;
    (2)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子;
    (3)ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子。
  2. 上記(1)メバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(a)〜(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることを特徴とする請求項1に記載の組換え大腸菌:
    (a)配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
    (b)配列番号1に記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (c)配列番号1に記載されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (d)配列番号4に記載される塩基配列からなる遺伝子;
    (e)上記(a)〜(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
  3. 上記(2)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ遺伝子は、以下の(f)〜(j)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組換え大腸菌:
    (f)配列番号7に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
    (g)配列番号7に記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (h)配列番号7に記載されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (i)配列番号10に記載される塩基配列からなる遺伝子;
    (j)上記(f)〜(i)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
  4. 上記(3)ホスホメバロン酸キナーゼ遺伝子は、以下の(k)〜(o)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組換え大腸菌:
    (k)配列番号13に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
    (l)配列番号13に記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (m)配列番号13に記載されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
    (n)配列番号16に記載される塩基配列からなる遺伝子;
    (o)上記(k)〜(n)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつホスホメバロン酸キナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
  5. さらに、以下の(4)〜(6)の遺伝子を導入したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組換え大腸菌:
    (4)HMG-CoA合成酵素(HMG-CoA synthase)遺伝子;
    (5)HMG-CoAレダクターゼ(HMG-CoA reductase)遺伝子;
    (6)1型及び/又は2型イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ遺伝子。
  6. さらに、ファルネシル二リン酸からテルペンを合成する酵素の遺伝子又は遺伝子群を導入したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組換え大腸菌。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の組換え大腸菌を培養して、テルペンを取得することを特徴とするテルペンの製造方法。
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