JP6440075B2 - 無線通信方法および無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基地局が端末局のアンテナを選択してマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信方法および無線通信装置に関する。
5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11a規格がある。このシステムは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbit/s のスループットを実現している。
さらに、IEEE802.11n規格では、複数のアンテナを用いて同一時刻および同一周波数チャネルを用いて空間分割多重を行うMIMO(Multiple input multiple output)技術や、これまで個別に用いられていた20MHzの周波数チャネルを2つ同時に利用して40MHzの周波数チャネルを利用するチャネルボンディング技術によって高速通信の実現を目指し、最大 600Mbit/s の伝送速度を実現することが可能である。
さらに、IEEE802.11ac規格では、20MHzの周波数チャネル4つを同時に利用して80MHzの周波数チャネルとして利用するチャネルボンディング技術や、マルチユーザMIMO技術を用いて同一周波数チャネルおよび同一時刻に、複数の無線局に対して同時に伝送を行う空間分割多元接続(SDMA:spatial division multiple access)伝送技術が採用され、IEEE802.11n規格より高速かつ高効率な無線通信の実現している。
図10は、マルチユーザMIMO伝送システムの概要を示す。
図10において、基地局30は、アンテナの指向性(ビーム)を端末局40Aおよび端末局40Bにそれぞれ向ける制御により、同一周波数チャネルおよび同一時刻で端末局40Aおよび端末局40Bと同時通信を行う。H1 とH2 は、基地局30と端末局40Aとの間および基地局30と端末局40Bとの間の伝搬チャネル情報であり、伝搬チャネル情報から算出される送信ウエイトおよび受信ウエイトを用いることにより、基地局30は端末局40Aおよび端末局40Bとの同時通信が可能になっている。
図11は、マルチユーザMIMO伝送システムの動作例を示す。
図11において、基地局30は、端末局40Aおよび端末局40Bに対して送信すべきデータが発生すると、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access / Collision Avoidance ;搬送波検知多重アクセス/衝突回避)制御により、ランダムな時間間隔でキャリアセンス(CS)を行い、通信周波数帯域が使用されていないアイドル状態と、通信周波数帯域が使用されているビジー状態のいずれであるのかを判定する。基地局30が、アイドル状態であることを検出すると、ヌルデータパケットの送信を知らせるヌルデータパケットアナウンスメント(NDPA:Null Data Packet Announcement )を送信し、続いて伝搬チャネル情報推定用のヌルデータで構成されるヌルデータパケット(NDP:Null Data Packet)を送信する。
端末局40Aおよび端末局40Bは、基地局30から送信されたNDPを受信して伝搬チャネル情報を算出し、端末局40Aは、算出した伝搬チャネル情報を基地局に通知するビームフォーミングレポート(BR:Beamforming Report)を送信する。端末局40Bは、基地局30から送信された伝搬チャネル情報を要求するビームフォーミングレポートポール(BRP:Beamforming Report Poll )を受信すると、算出した伝搬チャネル情報を基地局30に通知するBRを送信する。
基地局30は、端末局40Aおよび端末局40BからBRで通知された伝搬チャネル情報を用いて送信ウエイトを算出し、端末局40A,40Bに対する送信信号(Data1,Data2)を生成して送信する。なお、送信信号は、例えば無線通信に適合したフレームに変換されている。また、フレームアグリゲーションが適用されている場合、送信信号は所定数のフレームが連結されたデータユニットとなる。
端末局40Aは、自局当ての送信信号(Data1)を受信し、信号が正しく受信されたことを通知するブロックACK(BACK:Block Acknowledgment)を送信する。端末局40Bは、自局当ての送信信号(Data2)を受信し、基地局からブロックACKを要求するブロックACKリクエスト(BACKR:Block Acknowledgment Request)に応じてBACKを送信する。ここで、基地局30は、BACKの受信に応じた所定の処理を実行する。例えば、BACKの受信によりデータが正常に受信側で受信されたものと判断し、次のデータ送受信のための処理に遷移する。また、BACKが受信されることなくタイムアウトした場合には、送信対象データを再送するなどの処理を実行する。
図10および図11に示すマルチユーザMIMO伝送では、全端末局のアンテナの合計数が基地局のアンテナ数以下である環境を前提としている。しかしながら、近年の通信環境では、多種多様な無線デバイスの普及による端末局数の増加および高速化に向けた端末局における複数アンテナの搭載が進んでいる。このような環境では、基地局は自身のアンテナ自由度数を超える端末局群に対してマルチユーザMIMO伝送を行うことができない。
そこで、図12に示すアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムのように、基地局50がサブキャリアごとに端末局60A,60Bで使用するアンテナ1,2を選択し、選択されたアンテナに対してマルチユーザMIMO伝送を行う方式が検討されている(非特許文献1)。ここでは、端末局が2つ、各端末局のアンテナが2本の場合を示しているが、端末局が3以上、アンテナが3本以上であっても同様である。
M. Sadek, A. Tarighat, and A.H. Sayed, "Active antenna selection in multiuser MIMO communications", IEEE Transaction on Signal Processing, vol.55, no.4, pp.1498-1510, April 2007.
図12に示すアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムでは、基地局50が端末局60A,60Bに対して、それぞれアンテナ1,2の中からサブキャリアごとに最適なアンテナを選択し、選択したアンテナに対してマルチユーザMIMO伝送を行うことで高いスループットを実現する。しかしながら、アンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムでは、端末局60A,60Bが事前にサブキャリアごとに選択されたアンテナを把握しなければ正確にデータを受信することができない。そのため、基地局50はマルチユーザMIMO伝送を行う前に、各端末局に対してサブキャリアとアンテナの対応関係を通知する必要がある。
図13は、従来のアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムの無線信号の一例を示す。
図13において、基地局50が送信する無線信号は、アンテナ通知用信号103とマルチユーザMIMO伝送用信号102で構成される。アンテナ通知用信号103には、端末局60A,60Bごとに、かつサブキャリアごとに対応するアンテナ番号1,2が記載される。このようなアンテナ通知用信号103がアンテナ通知に係るオーバーヘッドとなるが、選択するアンテナ数、端末局数、サブキャリア数の増加に伴い、アンテナ通知に係るオーバーヘッドが大きくなり、伝送効率が低下することになる。
本発明は、アンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムにおいて、基地局から各端末局に対して、基地局が選択したサブキャリアとアンテナの対応関係を一括して伝達し、アンテナ通知に係るオーバーヘッドを削減することができる無線通信方法および無線通信装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信方法において、基地局が端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択する第1ステップと、基地局がサブキャリアごとに選択した端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する第2ステップと、基地局が端末局ごとの送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して時系列に並べたアンテナ判定用信号を生成する第3ステップと、基地局がアンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する第4ステップと、端末局が、複数のアンテナで受信したアンテナ判定用信号から、サブキャリアごとに所望信号電力および干渉電力を検出し、所望信号電力と干渉電力との比が最大となるアンテナを基地局が選択したアンテナとして判定する第5ステップと、端末局が、サブキャリアごとに判定したアンテナでマルチユーザMIMO伝送用信号を受信する第6ステップとを有する。
第2の発明は、複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信方法において、基地局が端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択する第1ステップと、基地局がサブキャリアごとに選択した端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する第2ステップと、基地局が端末局ごとの送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して加算したアンテナ判定用信号を生成する第3ステップと、基地局がアンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する第4ステップと、端末局が、複数のアンテナで受信したアンテナ判定用信号から、サブキャリアごとに各アンテナの受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを基地局が選択したアンテナとして判定する第5ステップと、端末局が、サブキャリアごとに判定したアンテナでマルチユーザMIMO伝送用信号を受信する第6ステップとを有する。
第1または第2の発明の無線通信方法において、第1ステップは、第3ステップで生成されるアンテナ判定用信号によるアンテナの判定誤りが低下する端末局のアンテナをサブキャリアごとに選択する。
第3の発明は、複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信装置において、基地局は、端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択するアンテナ選択手段と、サブキャリアごとに選択した端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出手段と、端末局ごとの送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して時系列に並べたアンテナ判定用信号を生成するアンテナ判定用信号生成手段と、アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する送信手段とを備え、端末局は、複数アンテナで受信したアンテナ判定用信号の受信電力から、サブキャリアごとに所望信号電力および干渉電力を検出し、所望信号電力と干渉電力との比が最大となるアンテナを基地局が選択したアンテナとして判定するアンテナ判定手段と、サブキャリアごとに判定したアンテナでマルチユーザMIMO伝送用信号を受信する受信手段とを備える。
第4の発明は、複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信装置において、基地局は、端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択するアンテナ選択手段と、サブキャリアごとに選択した端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出手段と、端末局ごとの送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して加算したアンテナ判定用信号を生成するアンテナ判定用信号生成手段と、アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する送信手段とを備え、端末局は、複数のアンテナで受信したアンテナ判定用信号から、サブキャリアごとに各アンテナの受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを基地局が選択したアンテナとして判定するアンテナ判定手段と、サブキャリアごとに判定したアンテナでマルチユーザMIMO伝送用信号を受信する受信手段とを備える。
第3または第4の発明の無線通信装置において、基地局のアンテナ選択手段は、アンテナ判定用信号生成手段で生成されるアンテナ判定用信号によるアンテナの判定誤りが低下する端末局のアンテナをサブキャリアごとに選択する構成である。
本発明は、アンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムにおいて、サブキャリアごとに端末局の各アンテナにおける所望信号電力と干渉電力を検出できるアンテナ判定用信号を用いることにより、各端末局は基地局がサブキャリアごとに選択したアンテナを一括して判定することができる。これにより、基地局から各端末局に対するアンテナ通知に係るオーバーヘッドを削減することができる。
本発明の実施例1の無線通信方法および無線通信装置の概要を示す図である。 本発明の実施例1における基地局10が送信する無線信号の一例を示す図である。 本発明の実施例1における基地局10の構成例を示す図である。 本発明の実施例1における端末局20の構成例を示す図である。 本発明の実施例1における基地局10および端末局20の処理手順例を示すフローチャートである。 本発明の実施例2の無線通信方法および無線通信装置の概要を示す図である。 本発明の実施例2における基地局10が送信する無線信号の一例を示す図である。 本発明の実施例3における基地局10の構成例を示す図である。 本発明の実施例3における基地局10および端末局20の処理手順例を示すフローチャートである。 マルチユーザMIMO伝送システムの概要を示す図である。 マルチユーザMIMO伝送システムの動作例を示すタイムチャートである。 従来のアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムの概要を示す図である。 従来のアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムの無線信号の一例を示す図である。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1の無線通信方法および無線通信装置の概要を示す。
図1において、基地局10と端末局20A,20Bがアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送を行う基本構成については、従来例と同様である。ここでは、端末局20A,20Bがそれぞれアンテナ1,2を備え、基地局10がサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択してマルチユーザMIMO伝送用信号を送信し、端末局20A,20Bがサブキャリアごとに選択されたアンテナで受信するものとする。
本発明の実施例1の特徴は、基地局10から端末局20A,20Bに対して、基地局10が選択したサブキャリアとアンテナの対応関係を一括して伝達する方法として、端末局20A,20Bにおいて、サブキャリアごとに端末局20A,20Bの各アンテナにおける所望信号電力と干渉電力を検出できるアンテナ判定用信号を用いるところにある。これにより、サブキャリアごとに端末局の各アンテナにおける所望信号電力と干渉電力の比から、基地局がサブキャリアごとに選択したアンテナを一括して判定することができる。
図2は、本発明の実施例1における基地局10が送信する無線信号の一例を示す。
図2において、基地局10が送信する無線信号は、アンテナ判定用信号101とマルチユーザMIMO伝送用信号102で構成される。アンテナ判定用信号101は、各端末局がそれぞれのアンテナにおいて、サブキャリアごとに所望信号電力と干渉電力を検出し、その比により基地局がサブキャリアごとに選択した各端末局のアンテナを判定できるように設定される。すなわち、アンテナ判定用信号101は、基地局10がサブキャリアごとに各端末局20A,20Bの選択したアンテナに対応するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトと、無線LANシステム等で利用される伝搬チャネル推定用の既知信号を乗算した信号を時系列に並べた信号である。
図1(a) のタイムスロットT1において、基地局10が図2のアンテナ判定用信号101を送信した場合、端末局20A,20Bでは端末局20A用の送信ウエイトが乗算された信号が各アンテナで受信される。端末局20Aでは、各アンテナにおいて受信信号から所望信号電力が検出される。一方、端末局20Bでは、各アンテナにおいて受信信号から干渉電力が検出される。ただし、端末局20Bの選択されたアンテナ(ここではサブキャリア1に対してアンテナ1,サブキャリア2に対してアンテナ1)で検出される干渉電力は、マルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを用いているため、非常に小さい干渉電力となる。
続くタイムスロットT2において、端末局20A,20Bでは端末局20B用の送信ウエイトが乗算された信号が各アンテナで受信される。端末局20Bでは、各アンテナにおいて受信信号から所望信号電力が検出される。一方、端末局20Aでは、各アンテナにおいて受信信号から干渉電力が検出される。ただし、端末局20Aの選択されたアンテナ(ここではサブキャリア1に対してアンテナ1,サブキャリア2に対してアンテナ2)で検出される干渉電力は、マルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを用いているため、非常に小さい干渉電力となる。
このような検出結果から、端末局20A,20Bでは、各アンテナの所望電力と干渉電力の比を算出し、比が大きい方のアンテナを選択されたアンテナとして判定する。したがって、アンテナ判定用信号101に続くマルチユーザMIMO伝送用信号102を受信する際には、図1(b) にイメージとして示すように、サブキャリアごとに判定したアンテナの受信信号が選択される。以下、アンテナ判定用信号101の生成方法について、基地局10の構成に基づいて以下に説明する。
図3は、本発明の実施例1における基地局10の構成例を示す。
図3において、伝搬チャネル情報記憶部11、アンテナ選択部12a、マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13a、マルチユーザMIMO伝送用信号生成部14は、従来のアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送システムの基地局と同様の構成である。伝搬チャネル情報記憶部11は、例えば図1に示す端末局20A,20Bごとに、事前に取得した伝搬チャネル情報H1 ,H2 を記憶する。ここでは、図11の時刻3〜時刻12に示す信号のやりとりにより事前に取得することを想定している。
以下、図3および図5(a) に示す基地局10の処理手順を参照して、各部の処理内容について説明する。アンテナ選択部12aは、伝搬チャネル情報記憶部11から入力する伝搬チャネル情報H1 ,H2 と、マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13aで算出する送信ウエイトに基づいて、サブキャリアごとに各端末局で用いるアンテナを選択する(図5(a) のS11、以下同様)。なお、マルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトは、ゼロフォーシング法やブロック対角化法などマルチユーザMIMO伝送で一般的に用いられる手法で算出される。
アンテナ選択部12aでは、n番目の端末局におけるk番目のサブキャリアとs番目のアンテナとの組合せにおける信号電力対干渉電力および雑音電力比SINRn (k,s) を計算する。
Figure 0006440075
ここで、hn (k,s) およびwn (k,s) は、n番目の端末局のk番目のサブキャリアにおけるs番目のアンテナの伝搬チャネル情報およびマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトである。
このn番目の端末局のk番目のサブキャリアにおけるs番目のアンテナのSINRn (k,s) から、その組合せにおける伝送容量Cn (k,s) を算出する。
Figure 0006440075
そして、伝送容量が最大となるアンテナの組合せSmax (k) をサブキャリアごとに算出する。
Figure 0006440075
マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13aは、アンテナ選択部12aで選択された各端末局におけるサブキャリアごとのアンテナに対応する送信ウエイトを算出し、マルチユーザMIMO伝送用信号生成部14およびアンテナ判定用信号生成部16に出力する(S12)。マルチユーザMIMO伝送用信号生成部14は、外部からの入力信号に対して、マルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトの乗算等の変調処理を行ってマルチユーザMIMO伝送用信号(図2の102)を生成し(S13)、信号加算部17−1〜17−mに出力する。以上の処理は、従来の処理手順と同様である。
本実施例1では、アンテナ選択部12aで選択された各端末局におけるサブキャリアごとのアンテナを各端末局で判定可能とするアンテナ判定用信号(図2の101)を生成するために、アンテナ判定用信号生成部16が設けられる。アンテナ判定用信号生成部16は、マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13aから入力する送信ウエイトと、無線LANシステム等で利用される伝搬チャネル推定用の既知信号を乗算した信号を、端末局ごとに時系列に並べた信号を生成する。
アンテナ判定用信号生成部16は、生成したアンテナ判定用信号を信号加算部17−1〜17−mに出力する(S14)。信号加算部17−1〜17−mは、マルチユーザMIMO伝送用信号の先頭にアンテナ判定用信号を加算し、送信部18−1〜18−mに出力する(S15)。送信部18−1〜18−mは、アンテナ判定用信号およびマルチユーザMIMO伝送用信号からなるパケット信号を無線信号に周波数変換し、送信電力を調整してアンテナ19−1〜19−mから送信する(S16)。
図4は、本発明の実施例1における端末局20の構成例を示す。
図4において、端末局20は、アンテナ21−1〜21−Sと、受信部22−1〜22−Sと、アンテナ判定部23と、マルチユーザMIMO伝送信号受信部24とを備える。
以下、図4および図5(b) に示す端末局20の処理手順を参照して、各部の処理内容について説明する。アンテナ21−1〜21−Sは、基地局から送信された無線信号を受信する(図5(b) のS21、以下同様)。受信部22−1〜22−Sは、各アンテナに受信した無線信号の周波数変換等の受信処理を行い、サブキャリアごとの信号を検出する。アンテナ判定部23は、受信部22−1〜22−Sの出力からアンテナ判定用信号(図2の101)におけるサブキャリアごとの所望信号電力と干渉電力を検出し、サブキャリアごとに所望信号電力と干渉電力の比が最大となるアンテナを、サブキャリアごとに使用するアンテナとして判定し(S22)、受信部22−1〜22−Sを制御する。受信部22−1〜22−Sは、アンテナ判定部23の判定結果に応じてサブキャリアごとに判定したアンテナでマルチユーザMIMO伝送用信号を受信し(S23)、マルチユーザMIMO伝送信号受信部24に出力する。マルチユーザMIMO伝送信号受信部24は、サブキャリアごとに対応する受信部22−1〜22−SからマルチユーザMIMO伝送用信号を入力して復調処理を行う。
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2の無線通信方法および無線通信装置の概要を示す。
図6において、基地局10と端末局20A,20Bがアンテナ選択型マルチユーザMIMO伝送を行う基本構成については、従来例と同様である。ここでは、端末局20A,20Bがそれぞれアンテナ1,2を備え、基地局10がサブキャリアごとに使用する端末局のアンテナを選択してマルチユーザMIMO伝送用信号を送信し、端末局20A,20Bがサブキャリアごとに選択されたアンテナで受信するものとする。
本発明の実施例2の特徴は、基地局10から端末局20A,20Bに対して、基地局10が選択したサブキャリアとアンテナの対応関係を一括して伝達する方法として、端末局20A,20Bにおいて、サブキャリアごとに端末局20A,20Bの各アンテナにおける受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを基地局が選択したアンテナとして判定できるアンテナ判定用信号を用いるところにある。これにより、サブキャリアごとに端末局の各アンテナにおける受信電力から、基地局がサブキャリアごとに選択したアンテナを一括して判定することができる。
図7は、本発明の実施例2における基地局10が送信する無線信号の一例を示す。
図7において、基地局10が送信する無線信号は、アンテナ判定用信号101’とマルチユーザMIMO伝送用信号102で構成される。アンテナ判定用信号101’は、各端末局がそれぞれのアンテナにおいてサブキャリアごとに受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを判定できるように設定される。すなわち、アンテナ判定用信号101’は、基地局10がサブキャリアごとに各端末局20A,20Bの選択したアンテナに対応するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトと、無線LANシステム等で利用される伝搬チャネル推定用の既知信号を乗算した信号を加算して1つの信号としている。
図6(a) において、基地局10が図7のアンテナ判定用信号101’を送信した場合、端末局20A,20Bではサブキャリアごとに、各端末局に対する送信ウエイトが乗算された信号が各アンテナで受信される。端末局20A,20Bでは、サブキャリアごとに基地局10が選択したアンテナにおいて受信信号から所望信号電力が検出される。一方、選択されないアンテナでは、受信信号から所望信号電力と干渉電力の合成電力が検出される。ここで、選択されたアンテナと選択されないアンテナでは受信される信号の数が異なるため信号電力差が生じる。すなわち、選択されたアンテナにおける信号は所望信号のみとなるため、選択されないアンテナよりも受信電力が小さくなる。
このような検出結果から、端末局20A,20Bでは、サブキャリアごとに受信電力が最低となるアンテナを選択することにより、基地局10が選択したアンテナを判定することができる。したがって、アンテナ判定用信号101’に続くマルチユーザMIMO伝送用信号102を受信する際には、図6(b) にイメージとして示すように、サブキャリアごとに判定したアンテナの受信信号が選択される。
本発明の実施例2における基地局の構成例および処理手順、端末局の構成および処理手順は、実施例1のものと同様であるので説明を省略する。
(実施例3)
図8は、本発明の実施例3における基地局10の構成例を示す。
図9は、本発明の実施例3における基地局10および端末局20の処理手順例を示す。 図8および図9において、実施例3の基地局10は、アンテナ選択部12bおよびマルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13bの処理手順が、図3に示す実施例1の基地局10におけるアンテナ選択部12aおよびマルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13bの処理手順と異なる他は、実施例1と同様である。
実施例1では、アンテナ選択部12aにおいて、式 (1)〜(3) により伝送容量が最大となるように選択した各端末局のサブキャリアとアンテナの組合せに基づいて送信ウエイトを算出した。これにより、基地局側のアンテナ選択と端末局側のアンテナ判定をマッチさせることができるが、必ずしもアンテナ判定誤りが発生しないわけではない。
そこで、実施例3では、アンテナ選択部12bおよびマルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13bにおいて、各端末局の伝搬チャネル情報に基づいてアンテナ判定用信号によるアンテナ判定誤りが発生しないサブキャリアとアンテナの組合せの中から、伝送容量が最大となる組合せを選択し、選択されたアンテナの組合せから算出したマルチユーザMIMO伝送用ウエイトを用いてアンテナ判定用信号を生成する。すなわち、マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13bが伝搬チャネル情報記憶部11から入力する伝搬チャネル情報に基づいて、アンテナ判定誤りが発生しないマルチユーザMIMO伝送用ウエイトを算出し、その情報を用いてアンテナ選択部12bでアンテナ判定誤りが発生しないサブキャリアとアンテナの組合せの中から、伝送容量が最大となる組合せを選択する(S31)。
ここで、予測されるアンテナ判定誤りは、式(1) において、n番目の端末局に対するk番目のサブキャリアのアンテナ判定用ウエイトをw'n(k) 、アンテナ選択されなかった方のアンテナとの伝搬チャネル情報をh'n(k) としたときに、|hn(k)w'n(k) |の電力と|h'n(k)w'n(k)|の電力の比較で推定でき、前者が小さい場合に、式 (1)〜(3) から伝送容量が最大となる各端末局のサブキャリアとアンテナの組合せを選択する。これにより、アンテナ判定誤りを起こさないサブキャリアとアンテナの組合せを選択することができる。
マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部13bは、このようにして選択された各端末局におけるサブキャリアごとのアンテナに対応する送信ウエイトを算出してマルチユーザMIMO伝送用信号生成部14およびアンテナ判定用信号生成部16に出力する。以下の処理は実施例1と同様である。
10 基地局
11 伝搬チャネル情報記憶部
12a,12b アンテナ選択部
13a,13b マルチユーザMIMO伝送用ウエイト算出部
14 マルチユーザMIMO伝送用信号生成部
16 アンテナ判定用信号生成部
17−1〜17−m 信号加算部
18−1〜18−m 送信部
19−1〜19−m アンテナ
20A,20B 端末局
21−1〜21−S アンテナ
22−1〜22−S 受信部
23 アンテナ判定部
24 マルチユーザMIMO伝送信号受信部
101,101’ アンテナ判定用信号
102 マルチユーザMIMO伝送用信号
103 アンテナ通知用信号

Claims (6)

  1. 複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信方法において、
    前記基地局が前記端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する前記端末局のアンテナを選択する第1ステップと、
    前記基地局が前記サブキャリアごとに選択した前記端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する第2ステップと、
    前記基地局が前記端末局ごとの前記送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して時系列に並べたアンテナ判定用信号を生成する第3ステップと、
    前記基地局が前記アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する第4ステップと、
    前記端末局が、前記複数のアンテナで受信した前記アンテナ判定用信号から、前記サブキャリアごとに所望信号電力および干渉電力を検出し、所望信号電力と干渉電力との比が最大となるアンテナを前記基地局が選択したアンテナとして判定する第5ステップと、
    前記端末局が、前記サブキャリアごとに判定したアンテナで前記マルチユーザMIMO伝送用信号を受信する第6ステップと
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  2. 複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信方法において、
    前記基地局が前記端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する前記端末局のアンテナを選択する第1ステップと、
    前記基地局が前記サブキャリアごとに選択した前記端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する第2ステップと、
    前記基地局が前記端末局ごとの前記送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して加算したアンテナ判定用信号を生成する第3ステップと、
    前記基地局が前記アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する第4ステップと、
    前記端末局が、前記複数のアンテナで受信した前記アンテナ判定用信号から、前記サブキャリアごとに各アンテナの受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを前記基地局が選択したアンテナとして判定する第5ステップと、
    前記端末局が、前記サブキャリアごとに判定したアンテナで前記マルチユーザMIMO伝送用信号を受信する第6ステップと
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無線通信方法において、
    前記第1ステップは、前記第3ステップで生成される前記アンテナ判定用信号によるアンテナの判定誤りが低下する前記端末局のアンテナを前記サブキャリアごとに選択する
    ことを特徴とする無線通信方法。
  4. 複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信装置において、
    前記基地局は、
    前記端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する前記端末局のアンテナを選択するアンテナ選択手段と、
    前記サブキャリアごとに選択した前記端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出手段と、
    前記端末局ごとの前記送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して時系列に並べたアンテナ判定用信号を生成するアンテナ判定用信号生成手段と、
    前記アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する送信手段とを備え、
    前記端末局は、
    前記複数アンテナで受信した前記アンテナ判定用信号の受信電力から、前記サブキャリアごとに所望信号電力および干渉電力を検出し、所望信号電力と干渉電力との比が最大となるアンテナを前記基地局が選択したアンテナとして判定するアンテナ判定手段と、
    前記サブキャリアごとに判定したアンテナで前記マルチユーザMIMO伝送用信号を受信する受信手段とを備えた
    ことを特徴とする無線通信装置。
  5. 複数のアンテナを有する基地局が、サブキャリアごとに複数の端末局のそれぞれ複数のアンテナから選択されたアンテナに対して、同一周波数チャネルおよび同一時刻にマルチユーザMIMO伝送を行う無線通信装置において、
    前記基地局は、
    前記端末局との間の伝搬チャネル情報を用いてサブキャリアごとに使用する前記端末局のアンテナを選択するアンテナ選択手段と、
    前記サブキャリアごとに選択した前記端末局のアンテナに対するマルチユーザMIMO伝送用の送信ウエイトを算出する送信ウエイト算出手段と、
    前記端末局ごとの前記送信ウエイトと、伝搬チャネル推定用の既知信号とを乗算して加算したアンテナ判定用信号を生成するアンテナ判定用信号生成手段と、
    前記アンテナ判定用信号を含めたマルチユーザMIMO伝送用信号を送信する送信手段とを備え、
    前記端末局は、
    前記複数のアンテナで受信した前記アンテナ判定用信号から、前記サブキャリアごとに各アンテナの受信電力を検出し、最も受信電力が低いアンテナを前記基地局が選択したアンテナとして判定するアンテナ判定手段と、
    前記サブキャリアごとに判定したアンテナで前記マルチユーザMIMO伝送用信号を受信する受信手段とを備えた
    ことを特徴とする無線通信装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の無線通信装置において、
    前記基地局のアンテナ選択手段は、前記アンテナ判定用信号生成手段で生成される前記アンテナ判定用信号によるアンテナの判定誤りが低下する前記端末局のアンテナを前記サブキャリアごとに選択する構成である
    ことを特徴とする無線通信装置。
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