JP6439956B2 - 断熱材、収容体入り断熱材、防火扉及び間仕切壁 - Google Patents
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Description
本発明の断熱材は、自由水が含まれた多孔質材を有することを特徴とする。
多孔質材に含まれている自由水が火災時に発生する熱を受けて徐々に蒸発して拡散することによって、効率良く気化熱を奪うことができるため、軽量であるにもかかわらず断熱材が設置された防火扉や間仕切壁などの非火災面側の温度上昇を長時間にわたって抑制することができる。この結果、断熱材の火災時の断熱性が従来品よりも向上する。
前記断熱材にミョウバンが含まれることにより、長時間に亘る火災時の熱を受けて前記自由水の大部分が前記多孔質材から蒸発した後、ミョウバンに内在する結晶水が火災の熱を吸収して徐々に蒸発し、断熱材から気化熱を奪うことが可能となる。この結果、本発明の断熱材の火災時の断熱性がより長時間に亘って発揮されうる。
前記断熱材に含まれるマイカが火災時の輻射熱(輻射線)を反射して、断熱材の温度上昇を緩和することができる。この結果、本発明の断熱材の火災時の断熱性がより長時間に亘って発揮されうる。
前記比が0.04以上であることにより、自由水が火災時熱を充分に吸収し、延焼防止性能が一層向上する。
前記比が0.30以下であることにより、自由水が多孔質材に充分に保持され、余剰な水を少なくする又は無くすことができるため、断熱材の運搬や防火扉への装填等の取り扱いがより容易になる。
ここで、前記多孔質材の容積とは、「JIS A 5007 5.2.2」 試験方法にあるように、多孔質材を落差をつけないで、かつ、大小粒が分離しないように静置したときに占める体積を意味する。したがって、多孔質材そのものの構成物質が空間中に占める真の大きさではない。
嵩比重が0.035以上であると、多孔質材の構造的強度を充分に維持することができる。一方、嵩比重の上限値は、自由水を多く保持し、多孔質材の重量を軽くする観点から、小さい方が好ましい。この観点から、嵩比重の上限値は0.55程度が適当である。これよりも大きな嵩比重であると、自由水の保持力又は保持量が低下する可能性がある。
なお、前記収容体の体積とは、立体(当該収容体)が空間で占める大きさを意味する。
前記比が0.04以上であることにより、自由水が火災時熱を充分に吸収し、延焼防止性能が一層向上する。
前記比が0.30以下であることにより、自由水が多孔質材に充分に保持され、断熱材の取り扱いがより容易になる。
本実施形態の断熱材が有する多孔質材の容積は、JIS A5007-1977の「5. 試験」の方法に基づいて、気乾状態の多孔質材をメスシリンダー等に注いで測定することができる。なお、1リットルは1000cm3に換算される。
マイカの平均粒子径が0.1mm未満の場合には火災時の輻射熱を反射する効果が十分ではなく、逆に10mmを超える場合には、マイカが断熱材中に偏在してしまうため、火災時の輻射熱を反射する効果が十分でない。
本実施形態の断熱材の具体的な用途としては、例えば防火扉(防火戸)や簡易間仕切壁等の内部に装填する用途が挙げられる。具体的には、例えば、断熱材が詰められたポリエチレン等の樹脂製の袋(以下、耐火袋と呼ぶ。)を防火扉の内部に装填する構成が挙げられる。この場合、防火扉の構造は特に制限されないが、例えば2枚の鋼板(幅871mm×長さ2103mm、厚さ0.3mm〜1.6mm)が防火扉の主要な2面(表側面および裏側面)を構成し、扉の厚み(即ち、2枚の鋼板の間隔)が約40〜80mmである、中空構造が挙げられる。この中空構造の中に詰める芯材として、前記耐火袋を使用することができる。
多孔質材であるパーライトを120gと、結晶水含有金属塩であるカリウムアルミニウムミョウバンを160gと、自由水である水を120gと、をポリエチレン製の袋に入れて均一に混合し、自由水が殆ど全てパーライトに吸水された状態の断熱材を得た。この断熱材が入ったポリエチレン製の袋を、中空構造を有する防火扉に見立てたスチール製の間仕切りパネルの内部に、芯材として装填した。
使用した間仕切りパネルの表面および裏面を構成する2枚の鋼板の厚みは0.5mmであり、2枚の鋼板の離間距離(パネルの厚み)は約50mmであった。
作製した間仕切りパネルの表側面に対して、ISO834に規定されている標準加熱曲線にしたがって入射熱を60分間にわたって加えた耐火試験を行った。このときの間仕切りパネルの裏面(非加熱面)の温度変化をモニターした結果を図2に示す。
この結果から、実施例1の間仕切りパネルは、充分な火災時の断熱性及び延焼防止性能を有していることが分かる。
実施例1の断熱材に代えて、従来のロックウール系断熱材を芯材として使用した以外は、実施例1と同様に間仕切りパネルを作製し、耐火試験を行った。この結果を図1に示す。
実施例1の断熱材に代えて、パーライト100質量部、ミョウバン100質量部、マイカ30質量部を均一に混合し、自由水を使用せずに調製した混合物である、比較例の断熱材を芯材として使用した以外は、実施例1と同様に間仕切りパネルを作製し、耐火試験を行った。この結果を図3に示す。
・多孔質材の種類:A1…パーライト、A2…バーミキュライト、A3…シラスバルーン、A4…珪藻土、A5…炭酸カルシウム、A6…珪砂
・塩類の種類:B1…カリウムアルミニウムミョウバン、B2…鉄ミョウバン、B3…アンモニウム鉄ミョウバン、B4…硫酸カルシウム二水和物、B5…リン酸アルミ、B6…水酸化アルミニウム、B7…酢酸ナトリウム
・熱反射材の種類:C1…マイカ、C2…酸化チタン粒子(平均粒子径:0.28μm)、C3…鉄粉(平均粒子径:10μm)
・収容体の種類:D1…塩ビフィルム(厚み:75μm)、D2…ポリエチレンフィルム(厚み:12μm)
試験例No.3及び8〜15の評価結果から、多孔質材1000cm3に対する自由水の質量の比は、40g〜300gが好ましく、45g〜100gがより好ましく、50g〜75gがさらに好ましい。
試験例No.3及び8〜15の評価結果から、(自由水の質量/多孔質材の容積)の比は、0.04〜0.30が好ましく、0.045〜0.10がより好ましく、0.05〜0.075がさらに好ましい。
結晶水を有する塩類の含有量が少な過ぎると、長時間に亘り加熱されて自由水が失われた後の断熱性が劣る。一方、結晶水を有する塩類の含有量が多過ぎると、耐火試験中に結晶水を有する塩類の流動性が増加することにより断熱材から流出してしまい、断熱性が劣ることが分かった。
熱反射材であるマイカの含有量が少な過ぎると、断熱材へ侵入する輻射熱を反射する程度が少ないため、火災時の断熱性に劣ると考えられる。一方、熱反射材であるマイカの含有量が多過ぎると、火災時の断熱性が劣ることが分かった。熱反射材が多すぎると火災時の断熱性が低下する理由は不明であるが、熱反射材であるマイカが多過ぎると、間仕切りパネルの加熱された表面から裏面への熱伝導体として機能してしまうことが、理由の一つとして推測される。
熱反射材の大きさが小さ過ぎると、断熱材へ侵入する輻射熱を反射する程度が少ないため、火災時の断熱性に劣ると考えられる。一方、熱反射材は15mm程度の大きさであっても、6mm程度の大きさの場合と評価は同じであった。
なお、本試験において、各試験例の前記表面積の大小は、収容体としての袋の大きさを変更することにより調整した。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
Claims (12)
- 自由水が含まれた多孔質材を有し、前記自由水の質量(g)を前記多孔質材の容積(cm3)で除算した比(g/cm3)が、0.04〜0.30であり、前記多孔質材がパーライトである断熱材と、収容体とを有し、
前記断熱材は前記収容体に詰められており、
前記収容体の体積1cm 3 に対する前記収容体の表面積が0.1〜2.0cm 2 であることを特徴とする収容体入り断熱材。 - 前記断熱材は、さらにミョウバンを有することを特徴とする請求項1に記載の収容体入り断熱材。
- 前記断熱材に、マイカが含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容体入り断熱材。
- 前記多孔質材の平均粒径が50μm〜2000μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の収容体入り断熱材。
- 前記断熱材における前記多孔質材の含有量が60〜85容積%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の収容体入り断熱材。
- 前記マイカの平均粒子径が0.1mm〜10mmであることを特徴とする請求項3に記載の収容体入り断熱材。
- 前記多孔質材100質量部に対して、前記ミョウバンの含有割合が30〜200質量部であることを特徴とする請求項2に記載の収容体入り断熱材。
- 前記収容体は、前記断熱材を密閉可能な容器であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の収容体入り断熱材。
- 前記収容体に、前記多孔質材に保持されていない余剰水が収容されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の収容体入り断熱材。
- 前記収容体は、合成樹脂製の袋であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の収容体入り断熱材。
- 請求項1〜10の何れか一項に記載の収容体入り断熱材が、中空構造の内部に装填されていることを特徴とする防火扉。
- 請求項1〜10の何れか一項に記載の収容体入り断熱材が、中空構造の内部に装填されていることを特徴とする間仕切壁。
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