JP6439690B2 - 細胞への遺伝子導入用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞への遺伝子導入用組成物、細胞への遺伝子導入方法、及び細胞への遺伝子導入用キットに関する。
現在、細胞内への遺伝子導入は、分子生物学、細胞生物学、遺伝子工学など幅広い分野において中心的な技術となっている。ここで、細胞内に遺伝子を導入するための方法は大きく二つに分類することができる。
一つは、ウイルスベクターを用いる方法である。当該ウイルスベクターを用いる方法は、導入効率は高いものの安全性面の課題がある場合が多い。
もう一つは、ウイルスベクターを用いない方法である。この方法の具体例としては、例えばリポソーム、ポリエチレンイミン、ウイルス由来のエンベロープ等(キャリア)にプラスミドDNAなどを含ませる方法が知られている。
リポソームの調製方法としては、低級アルコール法、Bangham法(薄膜法)などが知られている。低級アルコール法では、脂質をメタノール、エタノールなどの低級アルコールに溶解させた後、この脂質溶液を緩衝液等と混合、撹拌することで、リポソームを含む懸濁液を調製することができる。Bangham法では、脂質をクロロホルムやクロロホルム/メタノール混合溶媒などの有機溶媒に溶解し、当該有機溶媒を揮発させることで、脂質薄膜を形成させた後、そこで緩衝液などと混合、撹拌することで、リポソームを含む懸濁液を調製することができる。これらの調製方法以外にも、SUV法(非特許文献1)又は二段階乳化法(特許文献1、2)で遺伝子導入用のリポソームを調製したことが報告されている。
ウイルス由来のエンベロープを利用した遺伝子導入方法としては、センダイウイルスのエンベロープを利用した方法が知られている。この方法では、センダイウイルスのゲノムRNAをβ-プロピオラクトンやUV照射等で破壊した後、精製することで得られるウイルス由来のエンベロープと、遺伝子を封入したリポソームを融合することで(非特許文献2)、あるいは、ウイルス由来のエンベロープを界面活性剤処理で一時的に膜透過性を向上させることでプラスミドDNAをウイルス由来のエンベロープに封入することで(特許文献3)、遺伝子導入ベクターを調製している。
また、人工脂質膜とウイルス由来の膜タンパクから再構成したウイルス様エンベロープに遺伝子を含ませる方法も知られている(非特許文献3)。
また、遺伝子改変技術を用いたエンベロープウイルスの膜表面タンパク質の改変や(特許文献4)、ポリエチレンイミンの使用(非特許文献4)、カチオン性脂質と細胞外マトリクスを組み合わせること(特許文献5)で外来遺伝子発現の改善に成功した報告がある。
遺伝子導入ベクターを固相化し細胞と接触させるリバーストランスフェクション法において、遺伝子デリバリー材料とセリシン又はその加水分解物とを組み合わせる方法も知られているが(特許文献6)、当該方法は接着細胞に対する外来遺伝子発現の改善が期待できるが、浮遊細胞に対する外来遺伝子発現の改善は限定的である。
これらのウイルスベクターを用いない遺伝子導入方法は、ウイルスベクターを用いる方法と比べ、安全性は改善されているものの遺伝子発現効率は劣る場合が多い。また、前述のとおり、リポソームの調製や遺伝子導入ベクターの固相化は、煩雑で調製に多くの時間と労力を要する。
特開2005−68120号公報 特開2003−1097号公報 特開2001−286282号公報 特開2011−50292号公報 国際公開第2005/073385号 国際公開第2009/028421号
Construction of a multifunctional envelope-type nano device by a SUV-fusion method. Int J Pharm. 2005 May 30; 296(1-2): 142-150. Epub 2005 Apr 11 Gene therapy using HVJ-liposomes: the best of both worlds. Mol Med Today. 1999 Jul; 5(7): 298-303 Effect of Lipid Compositions on Gene Transfer into 293 Cells Using Sendai F/HN-virosomes. J Biochem Mol Biol. 2002 Sep 30; 35(5): 459-464 Nonviral gene delivery: principle, limitations, and recent progress. The AAPS Journal. 2009 Dec; 11(4): 671-681
現在、数多くの遺伝子導入方法が使用されているが、さらに、使用上の簡便性、安全性及び導入効率のすべての点を満足する方法の開発が望まれている。また、導入対象となる細胞の種類も多様であり、既存の方法では必ずしも十分でない場合がある。
本発明者は種々検討を重ね、特定の物質を混合するのみの簡便な作業により、優れた安全性及び遺伝子導入効率を備えた細胞内への外来遺伝子導入用組成物が得られるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち本発明は、
(1)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP (1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン)及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質(以下、成分Aともいう)と、(B)アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質(以下、成分Bともいう)と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質(以下、成分Cともいう)を含有する遺伝子導入用組成物に関する。
(2)また、本発明は、前記(1)の組成物に、さらに(D)ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、テネイシン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、フィブリン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分(以下、成分Dともいう)を含有する組成物に関する。
(3)また、本発明は、前記(1)又は(2)の組成物に、さらに(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、成分Eともいう)を含有する組成物に関する。
(4)また、本発明は、前記(1)〜(3)のいずれか一項の組成物に、さらに(F)ウイルスエンベロープ(以下、成分Fともいう)を含有する組成物に関する。
(5)また、本発明は、成分Aと、成分Bと、成分Cと、遺伝子とを細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を非ヒト動物の細胞内に導入する方法に関する。
(6)また、本発明は、成分Aと、成分Bと、成分Cと、遺伝子とを細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を生体外の細胞内に導入する方法に関する。
(7)また、本発明は、さらに成分Dを細胞に接触させる、前記(5)又は(6)の方法に関する。
(8)また、本発明は、さらに成分Eを細胞に接触させる、前記(5)〜(7)のいずれか一項の方法に関する。
(9)また、本発明は、さらに成分Fを細胞に接触させる、前記(5)〜(8)のいずれか一項の方法に関する。
(10)また、本発明は、成分Aと、成分Bと、成分Cを含有するキットに関する。
(11)また、本発明は、前記(10)のキットに、さらに成分Dを含有するキットに関する。
(12)また、本発明は、前記(10)又は(11)のキットに、さらに成分Eを含有するキットに関する。
(13)また、本発明は、前記(10)〜(12)のいずれか一項のキットに、さらに成分Fを含有するキットに関する。
本発明により、優れた安全性及び遺伝子導入効率を備えた細胞内への外来遺伝子導入用組成物を提供することができる。また、当該組成物は、特定の物質を混合するのみの簡便な作業で調製することができる。さらに、当該組成物は、既存の方法に用いるキャリアなどに比べてコスト面においても有利である。
試験に用いたプラスミドDNAを表す。 調製方法の概要を表す。プラスミドDNAに各成分を加える手順の一例を示しており、図中の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)は、それぞれ、成分A、成分B、成分C、成分D、成分E及び成分Fを示す。 プラスミドDNA (pTurboGFP-N)、(A)ソルビタンセスキオレエート(Span 83)、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後のpTurboGFP-Nを導入した細胞の蛍光顕微鏡写真。図3の「ベクターの構成物」の欄に記載の記号○は構成成分が含まれていることを表し、記号×は構成成分が含まれていないことを表す。 プラスミドDNA(pCMV-GL3)、(F)センダイウイルス由来のエンベロープ、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン、(C)硫酸プロタミン及び(D)ラミニンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。左の棒グラフは、(D)ラミニンを添加しなかった場合のルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(F)センダイウイルス由来のエンベロープ、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン、(C)硫酸プロタミン及び(E)クロロキン又はキナクリンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。棒グラフは左から順に、成分Eを添加しなかった場合、成分Eとしてクロロキンを添加した場合、成分Eとしてキナクリンを添加した場合を表す。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(F)センダイウイルス由来のエンベロープ、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)アルブミン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す(棒グラフの左から順に、アルブミン1 mg/mL、1/3 mg/mL、1/9 mg/mL、アルブミン無添加)。プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(F)センダイウイルス由来のエンベロープ、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す(棒グラフの右端)。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(A)ソルビタンセスキオレエート、(A)ヘキサデシルアミン、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。左の棒グラフは、(A)ヘキサデシルアミンを添加しなかった場合のルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液1と、プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(F)センダイウイルス由来のエンベロープ、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン及び(C)硫酸プロタミンを含有する混合液2と、市販の遺伝子導入試薬(比較混合液)との遺伝子発現量の比較を表す。棒グラフは左から順に、混合液1、混合液2、比較混合液を表す。 プラスミドDNA (pCMV-GL3)、(A)ソルビタンセスキオレエート、(B)セリシン、(C)硫酸プロタミン及び(E)N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド(以下、化合物Aと称することもある)を含有する混合液を培養細胞に添加して1日後に測定したルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。左の棒グラフは、(E)化合物Aを添加しなかった場合のルシフェラーゼ遺伝子の発現量を表す。
本明細書において、「遺伝子」とは、天然、合成若しくは組換えの遺伝子又はその遺伝子断片をいい、「遺伝子導入」とは、生体内又はインビトロにおいて、標的細胞内に、天然、合成若しくは組換えの所望の遺伝子又はその遺伝子断片を、導入された遺伝子がその機能を維持するように、導入することをいう。本発明において導入される遺伝子又は遺伝子断片は、特定の配列を有するDNA、RNA又はこれらの合成アナログである核酸を包含する。本明細書において、「遺伝子導入」及び「トランスフェクション」は、互換可能に使用される。
本明細書において、遺伝子が導入される細胞としては、インビトロ培養細胞、生体から抽出した細胞、生体内に存在する細胞等が挙げられる。当該細胞は、接着細胞又は浮遊細胞のいずれであってもよい。
本明細書において、セリシンは、セリシン及びその加水分解物を包含する意味で使用される。
本明細書において、ウイルスエンベロープは、レトロウイルス科、トガウイルス科、コロナウイルス科、フラビウイルス科、パラミクソウイルス科、オルトミクソウイルス科、ブニヤウイルス科、ラブドウイルス科、ポックスウイルス科、ヘルペスウイルス科、バキュロウイルス科及びヘパドナウイルス科に属するウイルス由来のエンベロープが挙げられるが、好ましくはセンダイウイルス(HVJ)由来エンベロープである。さらに好ましくは、不活化したセンダイウイルス(HVJ)由来エンベロープである。
本発明において「非ヒト動物の細胞内に導入する方法」及び「生体外の細胞内に導入する方法」という記載は、ヒトの治療方法を含まないことを明示するものである。
本発明に係る組成物は、煩雑なリポソームの調製方法とは異なって、成分A、成分B及び成分Cを、例えばピペッティング、タッピング、ボルテックスミキサー等により混合するだけの簡便な作業で調製することができる。また、本発明組成物は、さらに成分D、成分E及び/又は成分Fを混合その他適切に調製することにより、遺伝子発現効率の向上が期待できる。
本発明組成物において、成分A及び成分Bの混合重量比は特に限定されないが、好ましくは1:0.07〜1:4200、より好ましくは1:4〜1:4200、さらに好ましくは1:4〜1:1000、さらにより好ましくは1:35〜1:840である。
成分A及び成分Cの混合重量比は、成分Cの量によって遺伝子導入に要する時間が異なるので一概に規定できないが、好ましくは1:0.006〜1:320、より好ましくは1:0.1〜1:320、さらに好ましくは1:0.1〜1:50、さらにより好ましくは1:1.5〜1:50である。
本発明組成物が成分Dをさらに含有する場合、成分A及び成分Dとの混合重量比は特に限定されないが、好ましくは1:0.002〜1:140、より好ましくは1:0.04〜1:140、さらに好ましくは1:0.04〜1:70、さらにより好ましくは1:0.1〜1:10である。
本発明組成物が成分Eをさらに含有する場合、成分A及び成分Eの混合重量比は、成分Eの種類に応じて異なるので一概に規定できず、遺伝子が導入される細胞に毒性を与えない範囲で任意に選択すればよい。
本発明組成物が成分Fをさらに含有する場合で、特に成分Fとしてセンダイウイルス由来のエンベロープを含有する場合、成分A及びセンダイウイルス由来のエンベロープとの混合比(成分A 1μgに対するセンダイウイルス由来のエンベロープのHAU)は特に限定されないが、好ましくは1:0.01〜1:3000、より好ましくは1:0.1〜1:3000、さらに好ましくは1:0.3〜1:500、さらにより好ましくは1:0.5〜1:100である。
本発明組成物における成分Aの濃度は特に限定されないが、好ましくは0.0003〜0.2重量%、より好ましくは0.0003〜0.02重量%、さらに好ましくは0.0005〜0.02重量%、さらにより好ましくは0.0007〜0.001重量%である。
本発明組成物における成分Bの濃度は特に限定されないが、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.04〜2重量%、さらに好ましくは0.04〜1重量%、さらにより好ましくは0.2〜1重量%である。
本発明組成物における成分Cの濃度は、成分Cの量によって遺伝子導入に要する時間が異なるので一概に規定できないが、好ましくは0.0009〜0.13重量%、さらに好ましくは0.009〜0.06重量%である。
本発明組成物が成分Dをさらに含有する場合、成分Dの濃度は特に限定されないが、好ましくは0.0003〜0.04重量%、さらに好ましくは0.0008〜0.004重量%である。
本発明組成物が成分Eをさらに含有する場合、成分Eの濃度は、成分Eの種類に応じて異なるので一概に規定できず、遺伝子が導入される細胞に毒性を与えない範囲で任意に選択すればよい。
本発明組成物が成分Fをさらに含有する場合で、特に成分Fとしてセンダイウイルス由来のエンベロープを含有する場合、単位液量当たりのセンダイウイルス由来のエンベロープのHAUは特に限定されないが、好ましくは0.01〜10 HAU/μL、さらに好ましくは0.03〜1 HAU/μLである。
本発明組成物は成分A、B及びC、並びに必要に応じて成分D、E及び/又はFの他に、水、アルコール類(例えば、エタノール)、緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩液、HEPES緩衝液、Tris塩酸緩衝液、TE緩衝液)、細胞培養液(例えば、DMEM培地、RPMI培地)等の添加物を含有していてもよい。これら添加物の濃度は特に限定されない。本発明の組成物のpHは、6〜10が好ましい。
本発明の方法は、成分Aと、成分Bと、成分Cと、遺伝子とを細胞に接触させることによって遺伝子を非ヒト動物の細胞内に導入する方法、並びに、成分Aと、成分Bと、成分Cと、遺伝子とを細胞に接触させることによって遺伝子を生体外の細胞内に導入する方法である。本発明の方法において、成分D、成分E及び/又は成分Fをさらに細胞に接触させることにより、遺伝子導入効率の向上が期待できる。
本発明の方法は、任意の条件下で行うことができる。
本発明の方法において、成分A、成分B及び成分C、並びに必要に応じて成分D、成分E及び/又は成分Fと、遺伝子とは、同時に又は順次に、細胞と接触させてもよく、各成分と遺伝子とを、組み合わせて同時に細胞に接触させることが好ましい。中でも、成分A、成分B及び成分C、並びに必要に応じて成分D、成分E及び/又は成分Fと、遺伝子とを含む遺伝子導入ベクターを調製し、当該ベクターを細胞に接触させることが特に好ましい。本発明の方法において、各成分と遺伝子とは、その一部又は全部が複合体の形態であってもよい。本明細書において、「遺伝子導入ベクター」とは、単独の核酸を意味するのではなく、核酸に加えて核酸以外の他の成分(例えば、成分A)が含まれる組成物の状態のものを意味する。
遺伝子導入ベクターの調製は、各成分と遺伝子とを任意の混合順序で、例えばピペッティングにより、混合することにより行うことができる。具体例としては、(i)導入される遺伝子と、成分A、成分B及び成分Cの混合物とを混合する;(ii)導入される遺伝子と成分A及び成分Bとの混合物とを混合し、次いで成分Cを混合する;(iii)導入される遺伝子と成分Cとを混合し、次いで成分A及びBとの混合物を混合する;(iv)導入される遺伝子と成分Aとを混合し、次いで成分Bを混合し、最後に成分Cを混合する;(v)導入される遺伝子と成分Bとを混合し、次いで成分Aを混合し、最後に成分Cを混合する;(vi)導入される遺伝子と成分Bとを混合し、次いで成分Cを混合し、最後に成分Aを混合する等が挙げられる。
成分D、E及び/又はFをさらに用いる場合においても、遺伝子導入ベクターの調製は、各成分を任意の順序で、例えばピペッティングにより、混合することにより行うことができる。成分Fを更に使用する場合の具体例としては、例えば、(vii)導入される遺伝子と成分Fと混合し、次いで成分A、成分B及び成分Cの混合物を混合する;(viii)導入される遺伝子と成分Fとを混合し、次いで成分A及び成分Bの混合物を混合し、最後に成分Cを混合する;(ix)導入される遺伝子と成分A及び成分Bの混合物とを混合し、次いで成分Fを混合し、最後に成分Cを混合する;(x)導入される遺伝子と成分A及びBの混合物とを混合し、次いで成分Cを混合し、最後に成分Fを混合する;等が挙げられる。
遺伝子導入ベクターの調製において混合順序は限定されるものではないが、図2に表される手順で行うことが好ましい。
本発明の方法において、各成分の混合比及び使用濃度としては、上述の本発明組成物中での各成分の混合重量比及び濃度と同様のものが挙げられる。なお、遺伝子導入ベクターは、上述の本発明組成物の添加物と同様のものを含有していてもよい。
本発明の遺伝子導入用キットは、成分A、成分B及び成分Cを含有し、必要に応じて成分D、成分E及び/又は成分Fを含有していてもよい。本発明のキットは、アルコール類(例えば、エタノール)、緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩液、HEPES緩衝液、Tris塩酸緩衝液、TE緩衝液)、細胞培養液(例えば、DMEM培地、RPMI培地)等を更に含有していてもよい。
本発明のキットを構成する各成分は、それぞれ別の容器に収容されていてもよいし、任意の2以上の成分が1つの容器に収容されていてもよい。
本発明の遺伝子導入用キットによれば、本発明の遺伝子導入用組成物及び遺伝子導入ベクターを簡便に調製することができる。
以下に本発明における望ましい態様の一例を記載するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
(1)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用組成物。
(2)さらに、(D)ラミニン、フィブロネクチン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、テネイシン、ビトロネクチン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、フィブリン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分を含有する、前記(1)に記載の組成物。
(3)さらに、(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、前記(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)さらに、(F)ウイルスエンベロープを含有する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の組成物。
(5)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート及びヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(1)に記載の組成物。
(6)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエートである、前記(1)に記載の組成物。
(7)(C)の正電荷物質が硫酸プロタミンである、前記(1)に記載の組成物。
(8)(D)の細胞外マトリックス成分がラミニン、ビトロネクチン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(2)に記載の組成物。
(9)(F)のウイルスエンベロープがセンダイウイルス由来のエンベロープである、前記(4)に記載の組成物。
(10)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質と、遺伝子とを細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を非ヒト動物の細胞内に導入する方法。
(11)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質と、遺伝子とを細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を生体外の細胞内に導入する方法。
(12)さらに、(D)ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、テネイシン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、フィブリン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分を細胞と接触させる、前記(10)又は(11)に記載の方法。
(13)さらに、(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を細胞と接触させる、前記(10)〜(12)のいずれか一項に記載の方法。
(14)さらに、(F)ウイルスエンベロープを細胞と接触させる、前記(10)〜(13)のいずれか一項に記載の方法。
(15)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート及びヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(10)〜(14)のいずれか一項に記載の方法。
(16)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエートである、前記(10)〜(14)のいずれか一項に記載の方法。
(17)(C)の正電荷物質が硫酸プロタミンである、前記(10)〜(16)のいずれか一項に記載の方法。
(18)(D)の細胞外マトリックス成分がラミニン、ビトロネクチン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(12)〜(17)のいずれか一項に記載の方法。
(19)(F)のウイルスエンベロープがセンダイウイルス由来のエンベロープである、(14)〜(18)のいずれか一項に記載の方法。
(20)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用キット。
(21)さらに、(D)ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、テネイシン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、フィブリン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分を含有する、前記(20)に記載のキット。
(22)さらに、(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、前記(20)又は(21)に記載のキット。
(23)さらに、(F)ウイルスエンベロープを含有する、前記(20)〜(22)のいずれか一項に記載のキット。
(24)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート及びヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(20)〜(23)のいずれか一項に記載のキット。
(25)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエートである、前記(20)〜(23)のいずれか一項に記載のキット。
(26)(C)の正電荷物質が硫酸プロタミンである、前記(20)〜(25)のいずれか一項に記載のキット。
(27)(D)の細胞外マトリックス成分がラミニン、ビトロネクチン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(21)〜(26)のいずれか一項に記載のキット。
(28)(F)のウイルスエンベロープがセンダイウイルス由来のエンベロープである、(23)〜(27)のいずれか一項に記載のキット。
(29)(A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ホスファチジルイノシトール、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)アルブミン及びセリシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用組成物。
(30)さらに、(D)ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分を含有する、前記(29)に記載の組成物。
(31)さらに、(E)クロロキン及びキナクリンからなる群より選ばれる少なくとも1種のToll様受容体に対する阻害剤を含有する、前記(29)又は(30)に記載の組成物。
(32)さらに、(F)ウイルスエンベロープを含有する、前記(29)〜(31)のいずれか一項に記載の組成物。
(33)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート及びヘキサデシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(29)に記載の組成物。
(34)(A)の脂質がソルビタンセスキオレエートである、前記(29)に記載の組成物。
(35)(C)の正電荷物質が硫酸プロタミンである、前記(29)に記載の組成物。
(36)(D)の細胞外マトリックス成分がラミニン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(30)に記載の組成物。
(37)(F)のウイルスエンベロープがセンダイウイルス由来のエンベロープである、前記(32)に記載の組成物。
(38)前記(29)に記載の組成物を細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を非ヒト動物の細胞内に導入する方法。
(39)前記(29)に記載の組成物を細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を生体外の細胞内に導入する方法。
また、本発明者は、成分Eによる遺伝子導入効率の向上効果は、本発明の方法だけでなく、公知の遺伝子導入方法に適用しても発揮されることを見出した。即ち、第二の発明としては、成分Eを使用する遺伝子導入効率の向上方法及び成分Eを有効成分とする遺伝子導入促進剤にも関する。
当該方法に使用する成分Eとしては、キナクリン、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミドが特に好ましい。
公知の遺伝子導入方法は、特に限定されないが、例えば、ウイルスベクターを用いる方法、エレクトロポレーション法、超音波遺伝子導入法、リポソーム、ポリエチレンイミン、ウイルス由来のエンベロープ等(キャリア)にプラスミドDNAなどを含ませる方法が挙げられる。公知のウイルスベクターを用いる方法、エレクトロポレーション法及び超音波遺伝子導入法としては、必ず上手くいく遺伝子導入と発現解析プロトコール(羊土社、2003)に記載の方法が、リポソーム、ポリエチレンイミンを用いる方法としては、Nonviral gene delivery:principle, limitations, and recent progress. The AAPS Journal. 2009 Dec; 11(4): 671-681に記載の方法が、ウイルス由来のエンベロープを用いる方法としては、HVJ-envelope vector for gene transfer into central nervous system. Biochem Biophys Res Commun. 2003 Jan 10; 300(2): 464-471に記載の方法が挙げられ、市販品を使用する遺伝子導入方法であってもよい。このような市販品としては、Lipofectamine (商標) LTX&PLUS reagent (Invitrogen)、Lipofectamine (商標) 3000 Reagent (Invitrogen)、FuGENE (商標) HD Transfection Reagent (Roche)、jetPEI (商標)(Polyplus)、Polyethylenimine Max (Polysciences)、Xfect (商標) Transfection Reagent (Takara)、Attractene Transfection Reagent (QIAGEN)、Effectene (商標) Transfection Reagent (QIAGEN)、ViaFect (商標) Transfection Reagent (Promega)、X-tremeGENE 9 DNA Transfection Reagent (Roche)、X-tremeGENE (商標) HP DNA Transfection Reagent (Roche)等が挙げられる。
以下に遺伝子導入効率の向上方法の望ましい態様の一例を記載するが、第二の発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
(I)(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用する、遺伝子導入効率の向上方法。
(II)(E)が、キナクリン及びN-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(I)記載の方法。
(III)リポソームを使用する遺伝子導入方法に使用される、前記(I)又は(II)記載の方法。
(IV)(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする、遺伝子導入促進剤。
(V)(E)が、キナクリン及びN-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(IV)記載の遺伝子導入促進剤。
本発明をより詳しく述べるために、以下に実施例を記載するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。なお、下記において、%とは、特に言及しない限り、W/V%を意味するものとする。
実施例1
接着系培養細胞であるA549細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。浮遊系培養細胞であるTHP-1細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液3μLに対し、10 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液42μLを加え、ピペッティングで混和した。
ソルビタンセスキオレエートを含まないサンプルとして、エタノール3μLに対し、10 mg/mL セリシン PBS溶液42μLを加え、ピペッティングで混和した。
セリシンを含まないサンプルとして、1/2% ソルビタンセスキオレエート エタノール溶液3μLに対し、PBS 42μLを加え、ピペッティングで混和した。
ソルビタンセスキオレエート及びセリシンを含まないサンプルとして、エタノール3μLに対し、PBS 42μLを加え、ピペッティングで混和した。
1 mg/mL pTurboGFP-N プラスミド溶液(Evrogen) 1.25μLに対して、上記の各調製液15μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を6.3μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、蛍光顕微鏡を用いて、pTurboGFP-Nプラスミドから産生される緑色蛍光タンパク質(TurboGFP、Evrogen社)を観察することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図3に示す。
成分Cのみ、成分B及び成分Cの混合物、並びに成分A及び成分Cの混合物を使用した場合、ほとんど遺伝子が導入されなかったのに対し、成分A、成分B及び成分Cを含有する本発明組成物を使用するとA549細胞及びTHP-1細胞に遺伝子導入できることが分った。
実施例2
浮遊系培養細胞であるJurkat細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに4×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液20μLに対し、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液280μLを加え、ピペッティングで混和した。
ウイルス由来のエンベロープとして、センダイウイルス由来の不活性化HVJエンベロープ(GenomONE-CF:登録商標 石原産業株式会社製) 47.8 HAU/μLの懸濁液を実験に使用した。
この不活性化HVJエンベロープ懸濁液を、PBSを用いて1/2、1/4、1/8、1/16、1/32倍希釈した。この希釈した不活性化HVJエンベロープ懸濁液それぞれ4μLに対し、0.3% Triton X-100 PBS溶液8μLを加え、微量高速冷却遠心機を用いて4℃、10,000g、5分間遠心分離することで不活性化HVJエンベロープをペレットダウンした。上清を取り除いた後、Triton X-100処理によりエンベロープ膜の透過性が向上した不活性化HVJエンベロープを1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液12.5μLで懸濁した。これらのプラスミドを含むHVJエンベロープ懸濁液又は1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液12.5μLそれぞれに対し、PBS4μLを加え、さらに先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液20μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を6.25μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を9.5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図4に示す。
成分Fを使用することにより、本発明組成物の遺伝子導入効率が向上することが分った。
実施例3
接着系培養細胞であるNIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液6μLに対し、10 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) 水溶液84μLを加え、ピペッティングで混和した。
1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液1.875μLに対して、1/40 mg/mL ラミニン(SIGMA) 水溶液、あるいは、水21μLをそれぞれ加え、ピペッティングで混和した。これら混合液7.6μLをそれぞれ別チューブに移した後、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液7.5μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を3.1μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を8.1μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図5に示す。
実施例4
接着系培養細胞であるNIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート エタノール溶液15μLに対し、15 mg/mL セリシン PBS溶液210μLを加え、ピペッティングで混和した。
ウイルス由来のエンベロープとして、センダイウイルス由来の不活性化HVJエンベロープ(GenomONE-CF:登録商標 石原産業株式会社製) 47.8 HAU/μLの懸濁液を実験に使用した。
この不活性化HVJエンベロープ懸濁液6μLに対しPBS溶液54μL、2% Triton X-100 PBS溶液6μLを加え、微量高速冷却遠心機を用いて4℃、10,000g、5分間遠心分離することで不活性化HVJエンベロープをペレットダウンした。上清を取り除いた後、Triton X-100処理によりエンベロープ膜の透過性が向上した不活性化HVJエンベロープを1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液15μLで懸濁した。この不活性化HVJエンベロープとpCMV-GL3プラスミドの混合液を1.25μLずつ別チューブに移した後、1 mM クロロキン(SIGMA) PBS溶液、1/3 mM キナクリン(和光純薬工業) PBS溶液又はPBS 4μLを加え、さらに、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液15μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を6.3μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を6μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System(Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図6に示す。
実施例5
接着系培養細胞であるA549、RAW264.7細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートにそれぞれ4×103 cells/well、2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2μLに対し、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液、1、1/3、1/9 mg/mL アルブミン(SIGMA) 水溶液又は水28μLをそれぞれ加え、ピペッティングで混和した。
ウイルス由来のエンベロープとして、センダイウイルス由来の不活性化HVJエンベロープ(GenomONE-CF:登録商標 石原産業株式会社製) 47.8 HAU/μLの懸濁液を実験に使用した。
この不活性化HVJエンベロープ懸濁液4μLに対し0.2% Triton X-100 PBS溶液4μLを加え、微量高速冷却遠心機を用いて4℃、10,000g、5分間遠心分離することで不活性化HVJエンベロープをペレットダウンした。上清を取り除いた後、Triton X-100処理によりエンベロープ膜の透過性が向上した不活性化HVJエンベロープを1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液100μLで懸濁した。この不活性化HVJエンベロープとpCMV-GL3プラスミドの混合液を12.5μLずつ別チューブに移した後、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液、あるいは、ソルビタンセスキオレエートとアルブミンの混合液15μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を6.25μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を7.5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図7に示す。
実施例6
浮遊系培養細胞であるK562細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに1×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液3μLに対し、1/20% ヘキサデシルアミン(和光純薬工業) エタノール溶液3μLを加え、さらに、10 mg/mL セリシン水溶液42μLを加え、ピペッティングで混和した。
ヘキサデシルアミンを含まないサンプルとして、1/2% ソルビタンセスキオレエート エタノール溶液3μLに対し、エタノール3μLを加え、さらに、10 mg/mL セリシン水溶液42μLを加え、ピペッティングで混和した。
1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液1.5μLに対して、上記の各調製液19.2μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を7.5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図8に示す。
実施例7
浮遊系培養細胞であるJurkat細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに4×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液8μLに対し、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液112μLを加え、ピペッティングで混和した。
ウイルス由来のエンベロープとして、センダイウイルス由来の不活性化HVJエンベロープ(GenomONE-CF:登録商標 石原産業株式会社製) 47.8 HAU/μLの懸濁液を実験に使用した。
この不活性化HVJエンベロープ懸濁液1μLに対し、0.2% Triton X-100 PBS溶液10μLを加え、微量高速冷却遠心機を用いて4℃、10,000g、5分間遠心分離することで不活性化HVJエンベロープをペレットダウンした。上清を取り除いた後、Triton X-100処理によりエンベロープ膜の透過性が向上した不活性化HVJエンベロープを1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLで懸濁した。
このpCMV-GL3プラスミドを含ませたHVJエンベロープ、あるいは、pCMV-GL3プラスミド溶液それぞれに、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液30μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を7.5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
比較として、市販されている遺伝子導入試薬Lipofectamine LTX&PLUS reagent (Invitrogen)を用いた遺伝子導入を以下の通り行った。Opti-MEM I Reduced Serum Medium (Gibco) 20μLに対し、1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液0.1μL、PLUS reagent0.1μLを加え5分間静置した。さらに、Lipofectamine LTX reagent 0.55μLを加え25分間静置した後、20μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図9に示す。
本発明組成物は、市販されている遺伝子導入試薬Lipofectamine LTX&PLUS reagent (Invitrogen)と比較して顕著に高い遺伝子導入効率を有することが分かった。
実施例8
接着系培養細胞であるA549細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液25μLに対し、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液350μLをそれぞれ加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液30μLに対して、50/3μM 化合物A (InvivoGen)又は水9μLを加え、さらに、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液36μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を15μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を20μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を図10に示す。
実施例9
接着系培養細胞であるRAW264.7細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
浮遊系培養細胞であるJurkat細胞、U937細胞、K562細胞、THP-1細胞はトランスフェクション当日にそれぞれ4×104 cells/well、4×104 cells/well、2×104 cells/well、8×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液6μLに、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液84μLを加え、ピペッティングで混和した。
ソルビタンセスキオレエートを含まないサンプルとして、エタノール6μLに、15 mg/mL セリシン PBS溶液84μLを加え、ピペッティングで混和した。
セリシンを含まないサンプルとして、1/2% ソルビタンセスキオレエート エタノール溶液6μLに、PBS 84μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液30μLに、上記の各調製液36μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を15μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を表1に示す。
Figure 0006439690
表1に示した通り、成分A及び成分Cの混合物並びに成分B及び成分Cの混合物を使用した場合、ほとんど遺伝子が導入されなかったのに対し、成分A、成分B及び成分Cを含有する本発明組成物を使用すると接着細胞、浮遊細胞のいずれに対しても、高効率で遺伝子導入できることが分った。
実施例10
浮遊系培養細胞であるJurkat細胞、U937細胞、K562細胞、THP-1細胞はトランスフェクション当日にそれぞれ4×104 cells/well、4×104 cells/well、2×104 cells/well、8×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液6μLに、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液84μLを加え、ピペッティングで混和した。
セリシンを含まないサンプルとして、1/2% ソルビタンセスキオレエート エタノール溶液6μLに、PBS 84μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLに、上記の各調製液30μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。トランスフェクション直後に、セリシンを含むサンプルに対してはPBSを4.7μL/ウェルで、セリシンを含まないサンプルに対しては15 mg/mL セリシン PBS溶液を4.7μL/ウェルで添加した。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。結果を表2に示す。
Figure 0006439690
表2に示した通り、成分A、成分B及び成分Cの混合物として使用する方が、より高効率で遺伝子導入できることが分った。
実施例11
接着系培養細胞であるA549、NIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートにそれぞれ4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液6μLに対し、10 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) 水溶液84μLを加え、ピペッティングで混和した。
ウイルス由来のエンベロープとして、センダイウイルス由来の不活性化HVJエンベロープ(GenomONE-CF:登録商標 石原産業株式会社製) 47.8 HAU/μLの懸濁液を実験に使用した。
この不活性化HVJエンベロープ懸濁液6μLにPBSを54μL加えた後、2% Triton X-100 PBS溶液6μLを加え、微量高速冷却遠心機を用いて4℃、10,000g、5分間遠心分離することで不活性化HVJエンベロープをペレットダウンした。上清を取り除いた後、Triton X-100処理によりエンベロープ膜の透過性が向上した不活性化HVJエンベロープを1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液15μLで懸濁した。この不活性化HVJエンベロープとpCMV-GL3プラスミドの混合液を2.5μLずつ別チューブに移した後、1/20 mg/mL ラミニン(SIGMA) 水溶液、あるいは、水28μLをそれぞれ加え、ピペッティングで混和した。これら混合液7.6μLをそれぞれ別チューブに移した後、先に調製しておいたソルビタンセスキオレエートとセリシンの混合液7.5μL、10 mg/mL セリシン水溶液7μL及び水0.5μL、1/2% ソルビタンセスキオレエートエタノール溶液0.5μLと水7μL、水7.5μLをそれぞれ加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を3.1μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を8.1μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表3に示した通り、成分Cのみ、成分B及び成分Cの混合物、成分C及び成分Dの混合物並びに成分A及び成分Cの混合物であっても成分Fを併用すると、遺伝子導入が確認されたが、本発明の組成物である成分A、成分B及び成分Cの混合物又は成分A、成分B、成分C及び成分Eの混合物に対して成分Fを併用すると、より高い効率で遺伝子導入できることが分かった。
実施例12
接着系培養細胞であるNIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。浮遊系培養細胞であるJurkat細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに4×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/4% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液1.2μLに、5 mg/mL セリシン PBS溶液16.8μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/4% ソルビタンモノオレエート(SIGMA) エタノール溶液1.2μLに、5 mg/mL セリシン PBS溶液16.8μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/5% カルジオリピン(SIGMA)エタノール溶液0.6μLに、1/5% L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン(和光純薬工業、以下DOPEと称す) エタノール溶液0.6μL、又は、エタノールを0.6μL加え、さらに、5 mg/mL セリシン PBS溶液16.8μLを加え、ピペッティングで混和した。
上記の各調製液18μLに、1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液15μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を7.5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表4に示した通り、成分Aとして、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、カルジオリピン、カルジオリピン及びDOPEを使用した本発明の組成物は、NIH-3T3細胞、Jurkat細胞に遺伝子導入できることが分った。
実施例13
接着系培養細胞であるNIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液0.8μLに、1/4、1/2、3、5、20、30、50 mg/mL セリシン PBS溶液、又はPBSをそれぞれ11.2μL加え、ピペッティングで混和した。
上記の各調製液12μLに、1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液10μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表5に示した通り、セリシンを使用しない場合と比べ、1/4〜50 mg/mL濃度のセリシンを使用した場合に遺伝子発現が向上した。
実施例14
接着系培養細胞であるNIH-3T3細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに4×103 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/50、1/10、1/2、5/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液0.8μLそれぞれに対し、10 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液を11.2μL加え、ピペッティングで混和した。
上記の各調製液12μLに、1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液10μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を5μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
結果、表6に示した通り、1/50〜5/2%のソルビタンセスキオレエートを使用した場合に遺伝子発現が認められた。
実施例15
浮遊系培養細胞であるJurkat細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに4×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
pCMV-GL3、ソルビタンセスキオレエート、セリシン、硫酸プロタミンを以下の(a)〜(d)に示す通り、混合する順序を変えて調製した。
(a)1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2μLに、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液28μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLに、上記の調製液30μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μL加えることで供試組成物を調製した。
(b)1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2μLに、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液28μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLに、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μL加え、ピペッティングで混和した後、上記の各調製液30μLを加えることで供試組成物を調製した。
(c)1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLに、15 mg/mL セリシン(和光純薬工業、商品名:ピュアセリシン) PBS溶液28μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2μLに、上記の調製液53μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μL加えることで供試組成物を調製した。
(d)1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液25μLに、15 mg/mL セリシン PBS溶液28μL、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を12.5μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2μLに、上記の調製液65.5μLを加え、ピペッティングで混和することで供試組成物を調製した。
(a)〜(d)の手順で調製した供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表7に示した通り、いずれの混合順序で本発明組成物を調製しても、大きな遺伝子発現の差は認められなかったことから、本発明組成物が図2に示される順序に限定されず調製可能であることが確認できた。
実施例16
接着系培養細胞であるA549、RAW264.7細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートにそれぞれ4×103 cells/well、2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
浮遊系培養細胞であるK562細胞はトランスフェクション当日に96ウェルプレートに2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液11μLに、15 mg/mL セリシンPBS溶液154μLを加え、ピペッティングで混和した。
1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液40μLに、上記の各調製液48μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を20μL加えることで供試組成物を調製した(細胞ごとに合計3本調製)。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
Lipofectamine LTX&PLUS reagent (Invitrogen)を用いた遺伝子導入は以下の通り行った。Opti-MEM I Reduced Serum Medium (Gibco) 140μLに、1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液0.7μL、PLUS reagent 0.7μLを加え5分間静置した。さらに、Lipofectamine LTX reagent 2.8μLを加え25分間静置した後、20μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
これら遺伝子導入ベクターを細胞培養液に加える直前に、20μM 化合物A DMSO水溶液又は水を、それぞれ5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表8に示した通り、本発明組成物又は市販の遺伝子導入試薬Lipofectamine LTX&PLUS reagentに化合物Aを併用すると、いずれの場合も遺伝子発現の向上が確認された。
実施例17
接着系培養細胞であるRAW264.7細胞はトランスフェクション1日前に96ウェルプレートに2×104 cells/well細胞密度になるように播種した。
1/2% ソルビタンセスキオレエート(ナカライテスク) エタノール溶液2.4μLに、15 mg/mL セリシンPBS溶液33.6μLを加え、ピペッティングで混和した。この調製液に、1/10 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液30μLを加え、ピペッティングで混和した後、1 mg/mL 硫酸プロタミン PBS溶液を15μL加えることで供試組成物を調製した。これら供試組成物を15μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
FuGENE HD transfection reagent (Roche)を用いた遺伝子導入は以下の通り行った。Opti-MEM I Reduced Serum Medium (Gibco) 50μLに、1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液1μLを加え、ピペッティングで混和した。この調製液12.5μLに、FuGENE HD transfection reagent 0.5μLを加え15分間静置した後、5.2μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
Lipofectamine LTX&PLUS reagent (Invitrogen)を用いた遺伝子導入は以下の通り行った。Opti-MEM I Reduced Serum Medium (Gibco) 40μLに、1 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液0.2μL、PLUS reagent 0.2μLを加え5分間静置した。さらに、Lipofectamine LTX reagent 0.8μLを加え25分間静置した後、20μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
Polyethylenimine Max (Polyscience)を用いた遺伝子導入は以下の通り行った。1 mg/mL Polyethylenimine Max (pH7、MW25,000) 1.5μLに水13.5μL、1/30 mg/mL pCMV-GL3プラスミド溶液15μLを加え20分間静置した後、5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
これら遺伝子導入ベクターを細胞培養液に加える直前に、20μM化合物A DMSO水溶液又は水を、それぞれ5μL/ウェルで細胞培養液に加えた。
翌日、pCMV-GL3プラスミドから産生されるルシフェラーゼタンパク質の酵素活性(相対値)を、ONE-Glo Luciferase Assay System (Promega)を用いて測定することで、遺伝子導入が達成されたか否かを確認した。
Figure 0006439690
表9に示した通り、本発明組成物又は市販の遺伝子導入試薬Lipofectamine LTX&PLUS reagent、FuGENE HD transfection reagent、Polyethylenimine Maxに化合物Aを併用すると、いずれの場合も遺伝子発現の向上が確認された。

Claims (9)

  1. (A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)セリシンからなるタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用組成物。
  2. さらに、(D)ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、エンタクチン、エラスチン、テネイシン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、フィブリン及びフィブリノゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞外マトリックス成分を含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、(E)クロロキン、キナクリン、ヒドロキシクロロキン、シクロスポリン、シクロホスファミド、タクロリムス、アスコマイシン、ラパマイシン、2-シアノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-N-ベンジルアクリルアミド、アンレキサノクス、N-[3-[[5-ヨード-4-[[3-[(2-チエニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-1-ピロリジンカルボキサミド、ドキソルビシン、アクチノマイシンD、アウリントリカルボン酸、パクリタキセル、エトポシド、N-[1-(3-(5-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)]-2-クロロベンゼンスルホンアミド、α-アマニチン、β-アマニチン、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、トリコスタチンA、ツバスタチンA、スベロイルビス-ヒドロキサム酸、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸及びホルボール12-ミリスタート13-アセタートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. さらに、(F)ウイルスエンベロープを含有する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (A)の脂質が、ソルビタンセスキオレエート及びソルビタンモノラウレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の組成物。
  6. (A)の脂質が、ソルビタンセスキオレエートである、請求項1に記載の組成物。
  7. (A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質、(B)セリシンからなるタンパク質、並びに(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用組成物と、遺伝子とを、細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を非ヒト動物の細胞内に導入する方法。
  8. (A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質、(B)セリシンからなるタンパク質、並びに(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質を含有する遺伝子導入用組成物と、遺伝子とを、細胞に接触させることを特徴とする、遺伝子を生体外の細胞内に導入する方法。
  9. (A)ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノオレエート、L-α-ジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン、ヘキサデシルアミン、DOTAP及びカルジオリピンからなる群より選ばれる少なくとも1種の脂質と、(B)セリシンからなるタンパク質と、(C)硫酸プロタミン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン及び臭化ヘキサジメトリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の正電荷物質とを含有する遺伝子導入用キット。
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