以下に図面を参照して、本発明にかかるナレッジ抽出編集プログラム、ナレッジ抽出編集方法、ナレッジ抽出編集装置およびナレッジ抽出編集システムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の一実施例を示す説明図である。ナレッジ抽出編集装置101は、サポートセンタで対応した案件毎の応対に基づいて、改善候補のナレッジを抽出するコンピュータである。
ここで、案件とは、サポートセンタに顧客から質問が来て、顧客に対する応対が終了するまでの一連の作業のことである。例えば、1つの案件には、最初の質問が来て、最初の質問の回答を行い、再度質問が来て、再度質問の回答を行う等、質問と回答の組み合わせが複数存在する場合がある。
また、応対とは、案件の中に存在する質問と質問に対する回答の組み合わせのことである。例えば、1つの案件において、最初の質問が来て、最初の質問の回答を行い、再度質問が来て、再度質問の回答を行った場合、最初の質問とその回答が1つの応対であり、再度の質問とその回答も1つの応対である。
また、ナレッジとは、サポートセンタがサポートする対象について、問題を解決するための情報をまとめたものである。例えば、ナレッジの例として、FAQ(Frequently Asked Questions)が挙げられる。FAQとは、「頻繁に尋ねられる質問」の略であり、多くの人が共通して聞く質問と、それに対する回答をまとめた問答集である。FAQには、よく聞かれることになると予想される質問と、それに対する回答をさらに含むことができる。また、改善候補のナレッジとは、質問の内容または回答の内容に問題があり、改善すべきと判断されたナレッジである。
ここで、サポートセンタは、回答品質や生産性の向上を図るため、ナレッジを使用して顧客からの質問に回答する場合がある。例えば、サポートセンタのオペレータは、顧客から質問を電子メールで受け取り、電子メール内のキーワードを基にナレッジを検索して、検索したナレッジを参照して回答を作成し、顧客に電子メールで回答する。
顧客が、電子メールで受け取った回答で満足すれば問題ない。しかし、回答に不明点がある等の理由で、顧客が回答に満足できない場合もある。この場合、顧客は、サポートセンタのサポート水準が低いと判断する場合がある。これにより、サポートセンタの評判が低下する場合がある。
このため、サポートセンタでは、顧客が満足しなかった回答に使用したナレッジを改善することで、回答品質や生産性のさらなる向上を図っている。しかしながら、改善候補のナレッジを適切に抽出することが難しい場合がある。例えば、サポートセンタのナレッジが役に立ったまたは役に立たなかった等のアンケート情報を基に、改善候補のナレッジを抽出することがある。この場合、オペレータはアンケート入力操作の作業が増加する。さらに、アンケート情報がオペレータの主観に基づいているため、顧客の視点から見た改善候補のナレッジを適切に抽出することが難しい。
例えば、顧客から質問が来て、オペレータはあるナレッジを基に回答したとする。この場合、オペレータは、回答を作成する際にナレッジが役立ったため、回答に使用したナレッジが役に立ったとアンケートで回答する場合がある。しかしながら、顧客が回答に満足できなかった場合、顧客の視点から見て回答に使用したナレッジは役に立ったといえない。このため、回答に使用したナレッジは、改善候補のナレッジである場合がある。このように、オペレータの主観に基づく方法では、顧客の視点から見た改善候補のナレッジを抽出することができない場合がある。
そこで、実施の形態では、ナレッジ抽出編集装置101は、サポートセンタへの質問にナレッジを使用した回答に再質問が来た案件から、回答に使用したナレッジを抽出する。これにより、ナレッジ抽出編集方法は、改善候補のナレッジを抽出できる。このため、サポートセンタで、改善候補のナレッジを修正することでサポートセンタの回答品質や生産性を向上させることができる。
以下、ナレッジ抽出編集装置101のナレッジ抽出編集方法について説明する。また、以下の実施の形態の説明では、ナレッジとして、FAQを例にして説明する。また、サポートセンタへの質問者が顧客であり、サポートセンタの回答者がオペレータである場合を例にして説明する。
(1)ナレッジ抽出編集装置101は、案件毎に、案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、応対にて使用されたFAQと、を対応付けて記憶する記憶部110を参照し、応対種別が再質問である応対を含む案件を検索する。
ここで、記憶部110は、ナレッジ抽出編集装置101にサポートセンタのオペレータが情報を入力することで作成されることができる。例えば、オペレータが顧客から質問を受け、回答を行う。このとき、オペレータが、案件での応対毎に、応対種別と回答に使用したFAQを入力することで記憶部110が作成される。
記憶部110は、案件ID,応対ID、応対種別、使用FAQの質問および使用FAQの回答の項目を有する。記憶部110は、各項目に情報を設定することで、情報を1レコードとして記憶する。例えば、図1に示す記憶部110は、情報110−1〜110−2を各レコードとして記憶する。
ここで、案件IDは、案件を識別するための識別子を示す。応対IDは、応対を識別するための識別子を示す。応対種別は、応対IDの応対の種別を示す。ここで、例えば、1つの案件の最初の質問である場合、応対種別は、「質問」であり、1つの案件の最初の質問に回答した後再度質問が来た場合、応対種別は、「再質問」とすることができる。
また、使用FAQの質問は、応対IDの応対において使用されたFAQの質問の内容を示す。使用FAQの回答は、応対IDの応対において使用されたFAQの回答の内容を示す。
図1の例では、オペレータは、顧客から「パソコンのキーボードでアルファベットを入力したら数字が表示されるようになってしまいました。どうしたら良いですか?」という質問を受け付ける。オペレータは、新規の案件であるため、案件ID「案001」と応対ID「応001」のレコード110−1を作成し、応対種別を「質問」にする。
オペレータは質問に対してFAQを検索して、質問が「キーボードのU,I,O,J,K,L,Mキーを押すと、数字が入力されて文字を正しく入力することができません。」で、回答が「NumLockが有効になっていないか確認してください。」を検索する。
オペレータは、検索したFAQに基づき、「NumLockが有効になっていないか確認してください。」と回答する。オペレータは、レコード110−1に、FAQの内容を入力する。
しかしながら、オペレータによる回答後、例えば、顧客が初心者でNumLockについてよく知らないため、「NumLockが有効かどうかを確認するにはどうすれば良いですか?」という再質問をオペレータは受け取る。オペレータは、前の質問に関係する案件であるため、案件ID「案001」と応対ID「応002」のレコード110−2を、応対種別を「再質問」にして作成する。
オペレータは、質問に対して、「キーボード上方の[1]のランプがついていないか確認してください。ランプがついていたら、キーボード右上の[NumLk]ボタンを押してください。」と回答する。
以上のように作成された記憶部110を参照し、ナレッジ抽出編集装置101は、応対種別が再質問である応対を含む案件として、案件ID「案001」の案件を検索する。
(2)ナレッジ抽出編集装置101は、検索した案件に含まれ、応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたFAQを、改善候補のFAQとして抽出する。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、検索した案件から、応対種別が再質問である応対より以前の応対を検索する。ナレッジ抽出編集装置101は、検索された応対で使用されたFAQを、改善候補のFAQとして抽出する。
ここで、コールセンタのオペレータが、質問に対して回答したが、回答に対して再質問を受け付けた場合、回答に使用したFAQに問題があるため、再質問になった場合がある。このため、ナレッジ抽出編集装置101は、応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたFAQを、改善候補のFAQとして抽出する。
図1の例では、検索した案件に含まれ、応対種別が再質問である応対より以前の応対は、応対ID「応001」の応対である。ナレッジ抽出編集装置101は、応対ID「応001」の応対で使用されたFAQを、改善候補のFAQとして抽出する。
以上説明したように、ナレッジ抽出編集装置101は、サポートセンタで対応した案件に対応して、案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、応対にて使用されたナレッジと、を対応付けて記憶する記憶部110を参照する。ナレッジ抽出編集装置101は、応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたFAQを抽出する。
これにより、オペレータにアンケート入力等の作業を発生させず、さらにオペレータの主観に基づくことなく、ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補のFAQを抽出することができる。このため、サポートセンタで、改善候補のナレッジを修正することでサポートセンタの回答品質や生産性を向上させることができる。また、オペレータは、顧客からの質問に対する回答において、再度質問を受け付けることが減少し、オペレータの業務効率が向上する。また、顧客が再質問をすることがないため、顧客のサポートセンタに対する満足度が向上する。
(ナレッジ抽出編集システム200のシステム構成例)
図2は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、ナレッジ抽出編集システム200は、ナレッジ抽出編集装置101と、ナレッジ管理装置201と、複数のオペレータ端末202と、を含む。ナレッジ抽出編集システム200において、ナレッジ抽出編集装置101と、ナレッジ管理装置201と、複数のオペレータ端末202とは、有線または無線のネットワーク250を介して接続される。ネットワーク250は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
ナレッジ抽出編集装置101は、ナレッジ管理装置201が記憶する情報に基づいて、改善候補のナレッジを抽出し、抽出したナレッジを編集する装置である。具体的には、例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、PC(パーソナル・コンピュータ)またはサーバ等のコンピュータである。
ナレッジ管理装置201は、ナレッジに関する情報を記憶する装置である。具体的には、例えば、ナレッジ管理装置201は、サーバ等のコンピュータである。ナレッジ管理装置201は、案件テーブル210、応対テーブル220、FAQテーブル230および改善管理テーブル240を有する。図1に示した、案件毎に、案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、応対にて使用されたFAQとを対応付けて記憶する記憶部110は、応対テーブル220に対応する。案件テーブル210、応対テーブル220、FAQテーブル230および改善管理テーブル240の記憶内容については、図4、図5、図6および図7を用いて後述する。
オペレータ端末202は、サポートセンタのオペレータが、顧客からの質問に対して案件テーブル210および応対テーブル220のレコードを作成し、更新する端末装置である。また、オペレータ端末202は、サポートセンタのオペレータが、FAQテーブル230を参照して、顧客からの質問に対して回答を行うコンピュータであってもよい。具体的に、オペレータ端末202は、PC等のコンピュータである。
また、実施の形態のナレッジ抽出編集システム200では、ナレッジ抽出編集装置101とナレッジ管理装置201が別々の装置である形態であるが、ナレッジ抽出編集装置101とナレッジ管理装置201が同じ装置である形態も可能である。この場合、オペレータ端末202は、ナレッジ抽出編集装置101の案件テーブル210および応対テーブル220のレコードを作成し、更新する。また、オペレータ端末202は、ナレッジ抽出編集装置101のFAQテーブル230を参照して、顧客からの質問に対して回答を行う。
(ナレッジ抽出編集装置101のハードウェア構成例)
図3は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、ナレッジ抽出編集装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、ディスプレイ306と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、ナレッジ抽出編集装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMは記憶部としてCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてLAN、WAN、インターネットなどのネットワーク250に接続され、ネットワーク250を介して他のコンピュータ(例えば、図2に記載のナレッジ管理装置201およびオペレータ端末202)に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク250と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
ディスプレイ306は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ306は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。また、ディスプレイ306は、タッチパネルを備えて、ディスプレイ306上のアイコン等の表示を押すことで機器を操作する入力装置であってもよい。
なお、ナレッジ抽出編集装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、プリンタなどを有することにしてもよい。また、図2に示したナレッジ管理装置201およびオペレータ端末202についても、ナレッジ抽出編集装置101と同様のハードウェア構成例により実現することができる。
(案件テーブル210の一例)
図4は、実施の形態にかかる案件テーブル210の一例を示す説明図である。図4において、案件テーブル210は、例えば、オペレータ端末202によって作成、更新され、ナレッジ管理装置201のメモリまたはディスクに記憶される。
案件テーブル210は、案件ID(Identification)、件名およびお客様名の項目を有する。案件テーブル210は、各項目に情報を設定することで、案件情報を1レコードとして記憶する。例えば、図4に示す案件テーブル210は、案件情報210−1〜210−2を各レコードとして記憶する。
ここで、案件IDは、案件を識別するための識別子を示す。案件IDは、例えば、新規案件毎に、ナレッジ管理装置201が自動的に生成する。顧客から質問が来て、質問が新規案件であるか否かは、例えば、オペレータが判断することができる。例えば、顧客が初めてサポートセンタに質問した場合、オペレータは、新規案件であると判断する。
また、件名とは、案件の内容を表す文字列である。件名は、例えば、新規質問毎に、オペレータが作成して、入力する。お客様名は、質問を行った顧客の氏名を示す。お客様名は、例えば、新規質問毎に、オペレータが入力する。
図4の例では、レコード210−1は、案件ID「案001」は、お客様名「○田×男」の顧客が、「数字表示の件」で質問を行ったことを示す。
(応対テーブル220の一例)
図5は、実施の形態にかかる応対テーブル220の一例を示す説明図である。図5において、応対テーブル220は、例えば、オペレータ端末202によって作成、更新され、ナレッジ管理装置201のメモリまたはディスクに記憶される。
応対テーブル220は、案件ID、応対ID、種別、質問内容、回答内容および使用FAQの項目を有する。応対テーブル220は、各項目に情報を設定することで、対応情報を1レコードとして記憶する。例えば、図5に示す応対テーブル220は、対応情報220−1〜220−2を各レコードとして記憶する。
ここで、案件IDは、案件を識別するための識別子を示す。また、応対IDは、応対を識別するための識別子を示す。応対IDは、例えば、質問毎に、ナレッジ管理装置201が自動的に生成する。顧客から質問が来て、前回の案件に関する質問である場合、前回の案件と同じ案件IDで異なる応対IDが作成される。ここで、顧客から質問が来て、前回の案件に関する質問であるか否かは、例えば、オペレータが判断することができる。また、応対IDは、ナレッジ管理装置201が生成する際、昇順に作成することができる。この場合、応対IDを比較することにより、質問の時間的順番を判定することができる。
また、種別は、応対IDの応対の種別を示す。例えば、1つの案件の最初の質問である場合、種別は、「質問」であり、1つの案件の最初の質問に回答した後再度質問が来た場合、種別は、「再質問」とすることができる。また、種別には、「苦情」、「お礼」等があってもよい。
また、質問内容は、応対IDの応対における質問の内容を示す。また、回答内容は、応対IDの応対における質問に対する回答を示す。使用FAQは、応対IDの応対において使用されたFAQの識別子を示す。応対IDの応対においてFAQを使用しない場合、使用FAQには、空白が設定される。図5では、空白が「−」で示される。また、質問内容、回答内容および使用FAQは、例えば、オペレータが入力することで設定される。
図5の例では、レコード220−1は、案件ID「案001」に含まれる応対ID「応001」の応対での質問は、「質問」であり、質問の回答のため、「F002」で識別されるFAQを使用したことを示す。
(FAQテーブル230の一例)
図6は、実施の形態にかかるFAQテーブル230の一例を示す説明図である。図6において、FAQテーブル230は、例えば、ナレッジ抽出編集装置101によって作成、更新され、ナレッジ管理装置201のメモリまたはディスクに記憶される。
FAQテーブル230は、FAQID、質問および回答の項目を有する。FAQテーブル230は、各項目に情報を設定することで、FAQ情報を1レコードとして記憶する。例えば、図6に示すFAQテーブル230は、FAQ情報230−1〜230−2を各レコードとして記憶する。
ここで、FAQIDは、FAQを識別するための識別子を示す。また、質問は、質問の内容を示す。また、回答は、質問に対する回答の内容を示す。
図6の例では、レコード230−1は、FAQID「F001」は、質問が、「パソコンの電源が・・・」であり、この質問に対する回答が、「コンセントが・・・」であることを示す。
(改善管理テーブル240の一例)
図7は、実施の形態にかかる改善管理テーブル240の一例を示す説明図である。図7において、改善管理テーブル240は、例えば、ナレッジ抽出編集装置101によって作成、更新され、ナレッジ管理装置201のメモリまたはディスクに記憶される。
改善管理テーブル240は、FAQID、案件ID、最終応対IDおよび確認結果区分の項目を有する。改善管理テーブル240は、各項目に情報を設定することで、改善管理情報を1レコードとして記憶する。例えば、図7に示す改善管理テーブル240は、改善管理情報240−1をレコードとして記憶する。
ここで、FAQIDは、ナレッジ抽出編集装置101によって抽出されたFAQを識別するための識別子を示す。また、案件IDは、FAQIDのFAQが使用された案件を識別するための識別子を示す。また、最終応対IDは、FAQIDのFAQが使用された案件IDの案件に含まれる応対の中で最も後の応対の識別子を示す。例えば、応対IDが昇順に作成されている場合、最終応対IDは、最も大きい応対IDを示す。また、確認結果区分は、FAQIDのFAQの確認結果の区分を示す。
確認結果区分は、例えば、ナレッジ管理者がナレッジ抽出編集装置101に表示されたFAQを確認することで設定される。ナレッジ管理者とは、ナレッジ抽出編集装置101を操作することでFAQテーブル230を作成、更新する権限を有する人である。確認結果区分は例えば、「修正済み」、「修正不要」等の確認結果が設定される。ここで、「修正済み」は、ナレッジ抽出編集装置101によって抽出されたFAQに問題があることをナレッジ管理者が確認して、問題を修正したことを示す。また、「修正不要」は、ナレッジ抽出編集装置101によって抽出されたFAQに問題がないことをナレッジ管理者が確認したことを示す。
図7の例では、レコード240−1は、FAQID「F002」のFAQがナレッジ抽出編集装置101によって抽出され、当該FAQが案件ID「案001」の案件で使用され、最も後の応対は「応002」の応対IDの応対であることを示す。また、レコード240−1は、FAQID「F002」のFAQがナレッジ管理者によって確認され、修正済みであることも示す。
(改善候補一覧画面801の一例)
図8は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の改善候補一覧画面801の一例を示す説明図である。図8において、ナレッジ抽出編集装置101の改善候補一覧画面801は、改善候補のFAQの編集のため、ナレッジ管理者に改善候補のFAQの一覧を表示する画面である。ナレッジ抽出編集装置101の改善候補一覧画面801は、例えば、ナレッジ抽出編集装置101によって作成され、ナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306に表示される。
改善候補一覧画面801は、FAQ一覧項目811を有する。ここで、FAQ一覧項目811は、ナレッジ抽出編集装置101によって改善候補として抽出されたFAQを一覧にして表示する。例えば、FAQ一覧項目811は、FAQID、質問および回答の項目を有する。FAQID、質問および回答の各項目には、FAQテーブル230に設定された内容が表示される。例えば、FAQ一覧項目811のFAQIDと一致するFAQIDを有するFAQテーブル230のレコードの質問および回答の内容が表示される。また、改善候補一覧画面801は、FAQを一覧にして出力するため、質問および回答の内容の一部を表示することもできる。
ナレッジ抽出編集装置101は、FAQ一覧項目811に表示されたFAQIDが選択されたことに応じて、選択されたFAQIDの改善支援画面901(図9参照)を表示する。ナレッジ抽出編集装置101は、FAQIDがマウスでクリックされるまたはFAQIDにタッチされることで選択を検出することができる。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、FAQID「F002」がマウスでクリックされることにより、FAQID「F002」の改善支援画面901を表示する。
(改善支援画面901の一例)
図9は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の改善支援画面901の一例を示す説明図である。図9において、ナレッジ抽出編集装置101の改善支援画面901は、改善候補一覧画面801でFAQIDの選択を受け付けたことに応じて表示される。ナレッジ抽出編集装置101の改善支援画面901は、例えば、ナレッジ抽出編集装置101によって作成され、ナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306に表示される。
改善支援画面901は、FAQID、質問項目911、回答項目912、案件情報項目913、応対情報項目914の各項目、修正ボタン915、修正不要ボタン916および戻るボタン917を有する。
FAQIDには、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDが表示される。質問項目911には、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDの質問が表示される。回答項目912には、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDの回答が表示される。また、ナレッジ管理者は、案件情報項目913および応対情報項目914を参照しながら、質問項目911および回答項目912を編集することができる。
案件情報項目913には、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件の内容が表示される。例えば、案件情報項目913は、案件ID、件名およびお客様名の項目を有する。案件ID、件名およびお客様名の各項目には、案件テーブル210に設定された内容が表示される。例えば、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件の案件ID、件名およびお客様名の項目が、案件情報項目913に表示される。
応対情報項目914には、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件に含まれる応対の内容が表示される。例えば、応対情報項目914は、応対ID、種別、質問内容、回答内容および使用FAQの項目を有する。応対ID、種別、質問内容、回答内容および使用FAQには、応対テーブル220に設定された内容が表示される。例えば、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件に含まれる応対の応対ID、種別、質問内容、回答内容および使用FAQが、応対情報項目914に表示される。
ここで、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件が複数存在するときは、すべての案件の内容を表示することができる。また、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件に含まれる応対が複数存在するときは、すべての応対の内容を表示することができる。図9の例では、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件は1つで、案件に含まれる応対が2つ存在し、1つの案件の2つの応対の内容が表示される。
また、修正ボタン915は、ナレッジ管理者が質問項目911または回答項目912の内容を編集したことをナレッジ抽出編集装置101に通知するために使用される。修正ボタン915をクリックまたはタッチすることで、ナレッジ管理者が編集した質問項目911または回答項目912の内容をFAQテーブル230の対応するレコードに反映することができる。対応するレコードとは、改善支援画面901に表示されたFAQIDと一致するFAQIDを有するFAQテーブル230のレコードである。
また、修正ボタン915をクリックまたはタッチすることで、改善管理テーブル240に、確認結果区分が「修正済み」のレコードを挿入することができる。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も後の応対IDが設定される。また、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件が複数存在するときは、案件毎に確認結果区分が「修正済み」のレコードを挿入することができる。
また、修正不要ボタン916は、ナレッジ管理者が質問項目911および回答項目912の内容の修正が不要であると判断したことをナレッジ抽出編集装置101に通知するために使用される。例えば、オペレータの間違い等で再質問を受け付けた場合、使用したFAQを改善しなくてもよい場合がある。修正不要ボタン916は、使用したFAQを改善しない場合に使用される。修正不要ボタン916をクリックまたはタッチすることで、改善管理テーブル240に、確認結果区分が「修正不要」のレコードを挿入することができる。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も後の応対IDが設定される。また、改善候補一覧画面801で選択されたFAQIDを使用した案件が複数存在するときは、案件毎に確認結果区分が「修正不要」のレコードを挿入することができる。
また、戻るボタン917は、改善候補一覧画面801に戻るために使用される。
図9の例では、改善支援画面901は、改善候補一覧画面801でFAQID「F002」が選択され、FAQID「F002」の質問内容と回答内容が、質問項目911および回答項目912に表示される。また、案件情報項目913には、FAQID「F002」を使用した案件ID「案001」の内容が表示される。応対情報項目914には、FAQID「F002」を使用した案件ID「案001」に含まれる応対ID「応001」と「応002」の内容が表示される。
例えば、図9の例では、ナレッジ管理者は、応対ID「応002」の質問内容と回答内容を参照して、FAQID「F002」の回答内容を修正することができる。
(ナレッジ抽出編集装置101の機能的構成例)
次に、図2に示したナレッジ抽出編集装置101の機能的構成例について説明する。図10は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の機能的構成例を示すブロック図である。図10においてナレッジ抽出編集装置101は、抽出部1001と、表示部1002と、編集部1003と、を含む構成である。抽出部1001と、表示部1002と、編集部1003と、を含む制御部は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302などの記憶装置に記憶される。
抽出部1001は、FAQテーブル230から改善候補のFAQを抽出する機能を有する。また、抽出部1001は、改善候補として抽出したFAQを表示部1002に通知する。
抽出部1001は、例えば、応対テーブル220から1レコードを取得して、取得したレコードの使用FAQにFAQIDが設定されている場合、応対テーブル220から以下の条件Aを満たすレコードを検索する。
[条件A]
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・応対IDが、応対テーブル220から取得したレコードの応対IDより新しい。
・種別が、再質問である。
ここで、応対IDがより新しいとは、応対IDの応対が時間的により後の応対であることを示す。例えば、応対IDが昇順に付与される場合、応対IDがより新しいとは、応対IDがより大きいことを示す。
抽出部1001は、検索した結果、複数のレコードが検索された場合、検索されたレコードの中で最も応対IDが新しいレコードを選択することができる。抽出部1001は、1つのレコードが検索された場合、検索された1つのレコードを選択することができる。抽出部1001は、改善管理テーブル240から以下の条件Bを満たすレコードを検索する。
[条件B]
・FAQIDが、応対テーブル220から取得したレコードの使用FAQのFAQIDと一致する。
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・最終応対IDが、条件Aを満たすレコードから選択したレコードの応対IDと一致またはより新しい。
抽出部1001は、条件Bを満たすレコードが存在した場合、取得したレコードの使用FAQのFAQは、すでに修正済みまたは修正不要の確認済みであるため、取得したレコードの使用FAQのFAQを抽出しないことができる。抽出部1001は、条件Bを満たすレコードが存在しない場合、取得したレコードの使用FAQのFAQIDのFAQを改善候補として抽出することができる。
また、抽出部1001は、応対テーブル220からレコードを取得して、取得したレコードの使用FAQにFAQIDが設定されているか否かを判断する処理を応対テーブル220のすべてのレコードに対して行うことができる。
また、抽出部1001は、抽出したFAQのFAQIDをメモリ302などの記憶装置に記憶しておき、応対テーブル220から同一のFAQのFAQIDが抽出されることを防ぐことができる。例えば、抽出部1001は、応対テーブル220からレコードを取得して、取得したレコードの使用FAQにFAQIDが設定されている場合、当該FAQIDが、メモリ302などの記憶装置に記憶されているか否かを判断することができる。抽出部1001は、記憶されていない場合、抽出処理を行い、記憶されている場合、すでに抽出されているため、当該レコードに対する処理を中断することができる。
表示部1002は、抽出部1001から通知されたFAQを改善候補一覧画面801に表示する機能を有する。また、表示部1002は、表示したFAQが選択された場合、選択されたFAQを編集部1003に通知する。
表示部1002は、抽出部1001から通知されたFAQの内容をFAQテーブル230から検索して改善候補一覧画面801に一覧にして表示する。表示部1002は、例えば、抽出部1001から通知されたFAQのFAQID、質問、回答を一覧にして複数のFAQを表示することができる。
編集部1003は、表示部1002から通知されたFAQを編集できる画面を表示する機能を有する。また、編集部1003は、表示部1002から通知されたFAQを使用した案件の内容と案件に含まれる応対の内容を表示することができる。また、編集部1003は、表示部1002から通知されたFAQのFAQテーブル230および改善管理テーブル240を更新する機能を有する。
編集部1003は、例えば、FAQテーブル230からFAQIDが、表示部1002から通知されたFAQのFAQIDであるレコードを検索して、FAQID、質問および回答を改善支援画面901に表示する。
また、編集部1003は、例えば、案件テーブル210から、案件IDが、取得したレコードの案件IDと一致するレコードを取得して、取得したレコードの案件ID、件名およびお客様名を改善支援画面901に表示する。また、編集部1003は、例えば、応対テーブル220から、案件IDが、取得したレコードの案件IDと一致するレコードを取得して、取得したレコードの応対ID、種別、質問内容および回答内容を改善支援画面901に表示する。
また、編集部1003は、以下の[条件C]、[条件D]に基づいて、表示部1002から通知されたFAQの改善支援画面901を表示するか否かを判断することができる。例えば、応対テーブル220から1レコードを取得して、取得したレコードの使用FAQに、表示部1002から通知されたFAQのFAQIDが設定されている場合、応対テーブル220から以下の条件Cを満たすレコードを検索する。
[条件C]
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・応対IDが、応対テーブル220から取得したレコードの応対IDより新しい。
・種別が、再質問である。
編集部1003は、検索した結果、複数のレコードが検索された場合、検索されたレコードの中で最も応対IDが新しいレコードを選択することができる。編集部1003は、1つのレコードが検索された場合、検索された1つのレコードを選択することができる。編集部1003は、改善管理テーブル240から以下の条件Dを満たすレコードを検索する。
[条件D]
・FAQIDが、表示部1002から通知されたFAQのFAQIDと一致する。
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・最終応対IDが、条件Cを満たすレコードから選択したレコードの応対IDと一致またはより新しい。
編集部1003は、条件Dを満たすレコードが存在した場合、表示部1002から通知されたFAQは、すでに修正済みまたは修正不要の確認済みであるため、表示部1002から通知されたFAQを表示しないことができる。編集部1003は、条件Dを満たすレコードが存在しない場合、表示部1002から通知されたFAQを使用した案件の内容と案件に含まれる応対の内容を表示する。
編集部1003は、応対テーブル220からレコードを取得して、取得したレコードの使用FAQに、表示部1002から通知されたFAQのFAQIDが設定されているか否かを判断する処理を応対テーブル220のすべてのレコードに対して行うことができる。
さらに、編集部1003は、改善支援画面901に表示した応対IDをメモリ302などの記憶装置に記憶しておき、同一の応対IDが改善支援画面901に表示されることを防ぐことができる。例えば、編集部1003は、応対テーブル220からレコードを取得して、取得したレコードの使用FAQにFAQIDが設定されている場合、当該レコードの案件IDの案件が、メモリ302などの記憶装置に記憶されているか否かを判断することができる。編集部1003は、記憶されていない場合、案件IDの案件表示処理を行い、記憶されている場合、すでに表示されているため、当該レコードに対する処理を中断することができる。
また、編集部1003は、改善支援画面901で修正ボタン915が、クリックまたはタッチされたことで、FAQテーブル230および改善管理テーブル240を更新する。例えば、編集部1003は、改善支援画面901の質問項目911の内容で、FAQテーブル230の対応するレコードの質問を更新し、改善支援画面901の回答項目912の内容で、FAQテーブル230の対応するレコードの質問を更新する。ここで、対応するレコードとは、表示部1002から通知されたFAQのFAQIDと一致するFAQIDを有するFAQテーブル230のレコードである。
また、例えば、編集部1003は、改善管理テーブル240に確認結果区分が「修正済み」のレコードを挿入する。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も新しいIDが設定される。
また、編集部1003は、改善支援画面901で修正不要ボタン916が、クリックまたはタッチされたことで、改善管理テーブル240を更新する。例えば、編集部1003は、確認結果区分に「修正不要」のレコードを挿入する。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も新しいIDが設定される。
(改善候補ナレッジ抽出処理手順の一例)
図11は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の改善候補ナレッジ抽出処理手順の一例を示すフローチャートである。図11において、ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220から次のレコードを取得する(ステップS1101)。ここで、処理開始時では、ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220の最初のレコードを取得する。
ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの使用FAQにFAQIDが設定されているか否かを判断する(ステップS1102)。FAQIDが設定されていない場合(ステップS1102:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1113に移行する。
FAQIDが設定されている場合(ステップS1102:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、設定されたFAQIDがすでに抽出済みか否かを判断する(ステップS1103)。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、抽出済みのFAQIDをメモリ302などの記憶装置に記憶しておき、設定されたFAQIDが記憶装置に記憶されているか否かですでに抽出済みか否かを判断することができる。設定されたFAQIDがすでに抽出済みの場合(ステップS1103:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1113に移行する。
設定されたFAQIDがすでに抽出済みでない場合(ステップS1103:No)、ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220から、以下の条件Aを満たすレコードを検索する(ステップS1104)。
[条件A]
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・応対IDが、応対テーブル220から取得したレコードの応対IDより新しい。
・種別が、再質問である。
ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1105)。検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1105:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1113に移行する。
検索されたレコードが存在する場合(ステップS1105:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードの中で、最も応対IDが新しいレコードを選択する(ステップS1106)。ナレッジ抽出編集装置101は、FAQテーブル230から、FAQIDが、取得したレコードの使用FAQのFAQIDと一致するレコードを検索する(ステップS1107)。
ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1108)。検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1108:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1113に移行する。
検索されたレコードが存在する場合(ステップS1108:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、改善管理テーブル240から、以下の条件Bを満たすレコードを検索する(ステップS1109)。
[条件B]
・FAQIDが、応対テーブル220から取得したレコードの使用FAQのFAQIDと一致する。
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・最終応対IDが、条件Aを満たすレコードから選択したレコードの応対IDと一致またはより新しい。
ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1110)。検索されたレコードが存在する場合(ステップS1110:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1113に移行する。
検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1110:No)、ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの使用FAQのFAQIDのFAQを改善候補として抽出する(ステップS1111)。
ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補として抽出したFAQを改善候補一覧画面801に表示する(ステップS1112)。ナレッジ抽出編集装置101は、すべてのレコードを処理したか否かを判断する(ステップS1113)。すべてのレコードを処理していない場合(ステップS1113:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1101に戻る。すべてのレコードを処理している場合(ステップS1113:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
これにより、本フローチャートにおける一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することで、ナレッジ抽出編集装置101は、FAQテーブル230から、改善候補のFAQを抽出することができる。
(改善支援画面表示処理手順の一例)
図12、図13は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101の改善支援画面表示処理手順の一例を示すフローチャートである。図12において、ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補一覧画面801でFAQIDが選択されたか否かを判断する(ステップS1201)。FAQIDが選択されない場合(ステップS1201:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1201に戻る。
FAQIDが選択された場合(ステップS1201:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、FAQテーブル230からFAQIDが選択されたFAQIDのレコードを検索する(ステップS1202)。ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1203)。検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1203:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
検索されたレコードが存在する場合(ステップS1203:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードのFAQID、質問、回答を改善支援画面901に表示する(ステップS1204)。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードの質問の内容を質問項目911に表示し、検索されたレコードの回答の内容を回答項目912に表示する。
ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220から次のレコードを取得する(ステップS1205)。ここで、処理開始時では、ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220の最初のレコードを取得する。ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの使用FAQに、FAQIDが設定され、選択されたFAQIDと一致するか否かを判断する(ステップS1206)。選択されたFAQIDと一致しない場合(ステップS1206:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1307に移行する。
選択されたFAQIDと一致する場合(ステップS1206:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの案件はすでに表示済みか否かを判断する(ステップS1207)。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、表示済みの案件IDをメモリ302などの記憶装置に記憶しておき、取得したレコードの案件IDが記憶装置に記憶されているか否かですでに表示済みか否かを判断することができる。すでに表示済みの場合(ステップS1207:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1307に移行する。
すでに表示済みでない場合(ステップS1207:No)、ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220から以下の条件Cを満たすレコードを検索する(ステップS1208)。
[条件C]
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・応対IDが、応対テーブル220から取得したレコードの応対IDより新しい。
・種別が、再質問である。
ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1209)。検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1209:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1307に移行する。
検索されたレコードが存在する場合(ステップS1209:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードの中で、最も応対IDが新しいレコードを選択する(ステップS1210)。
ナレッジ抽出編集装置101は、改善管理テーブル240から以下の条件Dを満たすレコードを検索する(ステップS1301)。
[条件D]
・FAQIDが、選択されたFAQのFAQIDと一致する。
・案件IDが、応対テーブル220から取得したレコードの案件IDと一致する。
・最終応対IDが、条件Cを満たすレコードから選択したレコードの応対IDと一致またはより新しい。
ナレッジ抽出編集装置101は、検索されたレコードが存在するか否かを判断する(ステップS1302)。検索されたレコードが存在する場合(ステップS1302:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1307に移行する。
検索されたレコードが存在しない場合(ステップS1302:No)、ナレッジ抽出編集装置101は、案件テーブル210から、案件IDが、取得したレコードの案件IDと一致するレコードを取得する(ステップS1303)。ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの案件ID、件名、お客様名を改善支援画面901に表示する(ステップS1304)。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの案件ID、件名、お客様名を案件情報項目913に表示することができる。
ナレッジ抽出編集装置101は、応対テーブル220から、案件IDが、取得したレコードの案件IDと一致するレコードを取得する(ステップS1305)。ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの応対ID、種別、質問内容、回答内容を改善支援画面901に表示する(ステップS1306)。例えば、ナレッジ抽出編集装置101は、取得したレコードの応対ID、種別、質問内容、回答内容を応対情報項目914に表示することができる。
ナレッジ抽出編集装置101は、すべてのレコードを処理したか否かを判断する(ステップS1307)。すべてのレコードを処理していない場合(ステップS1307:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は、ステップS1205に戻る。すべてのレコードを処理している場合(ステップS1307:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
これにより、本フローチャートにおける一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することで、ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補のFAQの改善を支援するための情報を表示することができる。
(FAQ改善処理手順の一例)
図14は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101のFAQ改善処理手順の一例を示すフローチャートである。図14において、ナレッジ抽出編集装置101は、改善支援画面901の修正ボタン915がクリックまたはタッチされたか否かを判断する(ステップS1401)。
改善支援画面901の修正ボタン915がクリックまたはタッチされた場合(ステップS1401:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、改善支援画面901の質問項目911の内容で、FAQテーブル230の対応するレコードの質問を更新する(ステップS1402)。また、ナレッジ抽出編集装置101は、改善支援画面901の回答項目912の内容で、FAQテーブル230の対応するレコードの回答を更新する(ステップS1403)。ここで、対応するレコードとは、改善支援画面901に表示されたFAQIDと一致するFAQIDを有するFAQテーブル230のレコードである。また、ナレッジ抽出編集装置101は、改善管理テーブル240に確認結果区分が「修正済み」のレコードを案件毎に挿入する(ステップS1404)。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も後の応対IDが設定される。この後、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
改善支援画面901の修正ボタン915がクリックまたはタッチされない場合(ステップS1401:No)、ナレッジ抽出編集装置101は、改善支援画面901の修正不要ボタン916がクリックまたはタッチされたか否かを判断する(ステップS1405)。
改善支援画面901の修正不要ボタン916がクリックまたはタッチされた場合(ステップS1405:Yes)、ナレッジ抽出編集装置101は、改善管理テーブル240に確認結果区分が「修正不要」のレコードを案件毎に挿入する(ステップS1406)。この際、挿入したレコードのFAQIDには、改善支援画面901に表示されたFAQIDが設定され、挿入したレコードの案件IDには、案件情報項目913の案件IDが設定される。また、挿入したレコードの最終応対IDには、応対情報項目914の応対IDの中で最も後の応対IDが設定される。この後、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
改善支援画面901の修正不要ボタン916がクリックまたはタッチされない場合(ステップS1405:No)、ナレッジ抽出編集装置101の処理は終了する。
これにより、本フローチャートにおける一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することで、ナレッジ抽出編集装置101は、改善したFAQでFAQテーブル230を更新することができる。
(FAQテーブル230の改善の一例)
図15は、実施の形態にかかるナレッジ抽出編集装置101のFAQテーブル230の改善の一例を示す説明図である。ここで、FAQ1501は、改善前のFAQテーブル230の1レコードの内容を示し、FAQ1502は、改善後のFAQテーブル230の1レコードの内容を示す。
FAQ1501は、例えば、顧客から、「パソコンのキーボードでアルファベットを入力したら数字が表示されるようになってしまいました。どうしたら良いですか?」という質問に対する回答に使用される。FAQ1501に基づき、回答者が、「NumLockが有効になっていないか確認してください。」という回答を行うことができる。しかしながら、顧客が初心者でNumLockについてよく知らない場合、顧客から、「NumLockが有効かどうかを確認するにはどうすれば良いですか?」という再質問を受け付ける可能性がある。
FAQ1502は、顧客から、同様の質問があった場合、顧客が初心者でも再質問を受け付けない回答のために使用される。例えば、FAQ1502には、NumLockが有効か無効かの判断方法、および、NumLockを無効にする方法が記述される。このため、FAQ1502に基づく回答は、顧客から再質問を受け付ける可能性が低くなる。顧客から再質問を受け付けることが少なくなるため、FAQ1502に基づく回答は、顧客の満足度を向上させることができる。また、オペレータは、再質問に対する回答を作成しなくてもよいため、オペレータの業務効率が向上する。
以上説明したように、ナレッジ抽出編集装置101は、サポートセンタで対応した案件に対応して、案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、応対にて使用されたFAQIDと、を対応付けて記憶する応対テーブル220を参照する。ナレッジ抽出編集装置101は、応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたFAQIDのFAQを抽出する。
これにより、オペレータにアンケート入力等の作業を発生させず、さらにオペレータの主観に基づくことなく、ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補のFAQを抽出することができる。このため、サポートセンタで、改善候補のナレッジを修正することでサポートセンタの回答品質や生産性を向上させることができる。また、オペレータは、顧客からの質問に対する回答において、再度質問を受け付けることが減少し、オペレータの業務効率が向上する。また、顧客が再質問をすることがないため、顧客のサポートセンタに対する顧客の満足度が向上する。
また、ナレッジ抽出編集装置101は、抽出されたFAQをナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306に表示することができる。これにより、ナレッジ抽出編集装置101は、ナレッジ管理者に改善候補のFAQを確認させることが可能になる。
また、ナレッジ抽出編集装置101は、表示されたFAQが選択されたことに応じて、選択されたFAQに対応付けられた、質問と質問に対する回答とを含む応対内容をナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306にさらに表示することができる。
これにより、ナレッジ抽出編集装置101は、ナレッジ管理者が改善候補のFAQを編集する際に参照する情報を表示することができる。このため、ナレッジ管理者は、改善候補のFAQを容易に編集することができる。
また、ナレッジ抽出編集装置101は、ナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306に表示されたFAQが更新されたことに応じて、FAQが更新されたことを示す情報をFAQに対応付けて記憶することができる。
これにより、ナレッジ抽出編集装置101は、改善候補のFAQが修正され、改善が不要になったことを管理できる。このため、ナレッジ抽出編集装置101は、改善が不要なFAQに対する処理を行わなくてもよい。
また、ナレッジ抽出編集装置101は、応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたFAQであり、かつ、FAQが更新されたことを示す情報が対応付けられていないFAQを抽出できる。
これにより、すでに修正され改善が不要になったFAQを抽出しないため、ナレッジ抽出編集装置101は、改善が不要なFAQをナレッジ抽出編集装置101のディスプレイ306に表示しない。このため、ナレッジ抽出編集装置101は、ナレッジ管理者に改善候補のFAQを確認させることが可能になる。
なお、本実施の形態で説明したナレッジ抽出編集方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。ナレッジ抽出編集プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、ナレッジ抽出編集プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)サポートセンタで対応した案件に対応して、前記案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、前記応対にて使用されたナレッジと、を対応付けて記憶する記憶部を参照し、
前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジを抽出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするナレッジ抽出編集プログラム。
(付記2)前記コンピュータに、
抽出された前記ナレッジを前記コンピュータの表示部に表示する、
処理を実行させることを特徴とする付記1に記載のナレッジ抽出編集プログラム。
(付記3)前記記憶部は、サポートセンタで対応した案件に対応して、前記質問と前記質問に対する回答とを含む応対内容を対応付けてさらに記憶し、
前記表示する処理は、
表示された前記ナレッジが選択されたことに応じて、選択された前記ナレッジに対応付けられた応対内容を前記表示部にさらに表示することを特徴とする付記2に記載のナレッジ抽出編集プログラム。
(付記4)前記コンピュータに、
前記表示部に表示された前記ナレッジが更新されたことに応じて、前記ナレッジが更新されたことを示す情報を前記ナレッジに対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理を実行させることを特徴とする付記2または3に記載のナレッジ抽出編集プログラム。
(付記5)前記抽出する処理は、
前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジであり、かつ、前記ナレッジが更新されたことを示す情報が対応付けられていないナレッジを抽出することを特徴とする付記4に記載のナレッジ抽出編集プログラム。
(付記6)サポートセンタで対応した案件に対応して、前記案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、前記応対にて使用されたナレッジと、を対応付けて記憶する記憶部を参照し、
前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジを抽出する、
処理をコンピュータに実行させるナレッジ抽出編集プログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
(付記7)サポートセンタで対応した案件に対応して、前記案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、前記応対にて使用されたナレッジと、を対応付けて記憶する記憶部を参照し、
前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジを抽出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするナレッジ抽出編集方法。
(付記8)サポートセンタで対応した案件に対応して、前記案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、前記応対にて使用されたナレッジと、を対応付けて記憶する記憶部を参照し、
前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジを抽出する、
制御部を有することを特徴とするナレッジ抽出編集装置。
(付記9)サポートセンタで対応した案件に対応して、前記案件に含まれる質問に対する応対の応対種別と、前記応対にて使用されたナレッジと、を対応付けた情報を作成する端末装置と、
前記作成された情報を記憶する記憶部を参照し、前記応対種別が再質問である応対を含む案件に含まれ、前記応対種別が再質問である応対より以前の応対に対応付けられたナレッジを抽出するナレッジ抽出編集装置と、
を有することを特徴とするナレッジ抽出編集システム。